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  • 特許-吐出容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
B65D47/20 111
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017126967
(22)【出願日】2017-06-29
(65)【公開番号】P2019011068
(43)【公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-01-09
【審判番号】
【審判請求日】2021-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】坂本 智
【合議体】
【審判長】藤原 直欣
【審判官】山崎 勝司
【審判官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222309(JP,A)
【文献】特開2013-71776(JP,A)
【文献】特開2017-95117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装されるとともに弾性変形可能な外容器を備える容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、天壁部に内容物を吐出する吐出孔が形成された有頂筒状の吐出ノズルと、
前記吐出ノズル内に配設され、前記吐出孔と前記内容器内とを連通する連通孔が形成された中栓と、
有頂筒状に形成された本体部、および前記本体部から径方向の外側に向けて突出し、前記中栓における前記連通孔の開口周縁部上に、上方に向けて離反自在に配設され、前記連通孔を開放自在に閉塞する弁部を有する弁体と、を備え、
前記中栓に、前記連通孔の径方向の内側に配設され、前記弁体の前記本体部内に嵌合された支持体が配設され
前記支持体は柱状に形成されていることを特徴とする吐出容器。
【請求項2】
前記中栓は、内側に前記弁体の前記本体部が嵌合されるとともに、前記連通孔が形成された嵌合筒を備えることを特徴とする請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記本体部は、前記嵌合筒内に前記連通孔の上方から嵌合可能に形成され、前記連通孔の内径は、前記弁部の外径より小さいことを特徴とする請求項2に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および内容器が内装されるとともに弾性変形可能な外容器を備える容器本体と、容器本体の口部に装着され、天壁部に内容物を吐出する吐出孔が形成された有頂筒状の吐出ノズルと、吐出ノズル内に配設され、吐出孔と内容器内とを連通する連通孔が形成された中栓と、中栓における連通孔の開口周縁部上に、上方に向けて離反自在に配設され、連通孔を開放自在に閉塞する弁部を有する弁体と、を備える吐出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-222309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の吐出容器では、弁体および中栓の相対的な位置がずれるおそれがあり、弁部と、中栓における連通孔の開口周縁部と、の間のシール性を確保することが困難になるおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、弁部と、中栓における連通孔の開口周縁部と、の間のシール性を確保することができる吐出容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る吐出容器は、内容物の減少に伴い減容変形する内容器、および前記内容器が内装されるとともに弾性変形可能な外容器を備える容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、天壁部に内容物を吐出する吐出孔が形成された有頂筒状の吐出ノズルと、前記吐出ノズル内に配設され、前記吐出孔と前記内容器内とを連通する連通孔が形成された中栓と、有頂筒状に形成された本体部、および前記本体部から径方向の外側に向けて突出し、前記中栓における前記連通孔の開口周縁部上に、上方に向けて離反自在に配設され、前記連通孔を開放自在に閉塞する弁部を有する弁体と、を備え、前記中栓に、前記連通孔の径方向の内側に配設され、前記弁体の前記本体部内に嵌合された支持体が配設され、前記支持体は柱状に形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、中栓に、弁体の本体部内に嵌合された支持体が配設されているので、弁体が支持体に支持されることで、中栓および弁体の相対的な位置がずれるのを抑制することが可能になり、弁部と、中栓における連通孔の開口周縁部と、の間のシール性を確実に確保することができる。
【0008】
ここで、前記中栓は、内側に前記弁体の前記本体部が嵌合されるとともに、前記連通孔が形成された嵌合筒を備えてもよい。
【0009】
この場合、本体部が、嵌合筒内に嵌合されていて、この嵌合筒および支持体により径方向の両側から支持されているので、中栓および弁体の相対的な位置ずれを確実に抑制することができる。
【0010】
また、前記本体部は、前記嵌合筒内に前記連通孔の上方から嵌合可能に形成され、前記連通孔の内径は、前記弁部の外径より小さくてもよい。
【0011】
この場合、本体部が、嵌合筒内に連通孔の上方から嵌合可能に形成されているので、弁体と中栓とを互いに組付ける際に、弁体を中栓より上方に位置させた状態から、弁体および中栓を上下方向に互いに接近移動させることで、本体部を連通孔を通して嵌合筒内に進入させつつ、弁部の下面を、中栓における連通孔の開口周縁部上に漸次近づけてから当接させることが可能になる。したがって、弁体と中栓とを互いに組付ける際に、弁部が例えば嵌合筒の内周面に圧接して大きく屈曲変形することがなく、弁部に癖が付くのを防ぐことが可能になり、弁部と、中栓における連通孔の開口周縁部と、の間のシール性をより一層確実に確保することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る吐出容器によれば、弁部と、中栓における連通孔の開口周縁部と、の間のシール性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る吐出容器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、吐出容器1は、内容物の減少に伴い減容変形する内容器4、および内容器4が内装されるとともに弾性変形可能な外容器6を備える容器本体2と、容器本体2の口部3に装着され、天壁部11に内容物を吐出する吐出孔12が形成された有頂筒状の吐出ノズル10と、吐出ノズル10内に配設され、吐出孔12と内容器4内とを連通する連通孔21が形成された中栓20と、連通孔21を開放自在に閉塞する弁体30と、容器本体2の口部3に着脱自在に装着されて吐出孔12を開放可能に閉塞するキャップ8と、を備える。
【0015】
容器本体2は有底筒状に形成されるとともに、キャップ8は有頂筒状に形成され、これら容器本体2およびキャップ8が共通軸と同軸に配置されている。以下、この共通軸を中心軸Oといい、中心軸Oに沿う方向を上下方向という。また、上下方向に沿う容器本体2の底部側を下方、上下方向に沿う容器本体2の口部3側を上方という。また、上下方向から見た平面視において、中心軸Oに直交する方向を径方向といい、中心軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0016】
容器本体2は、内容器4の外表面と外容器6の内表面とが積層されてなる、いわゆるデラミ容器である。容器本体2は、口部3と、図示しない肩部、胴部および底部と、を備えるとともに、これらが上側から下側に向けてこの順に連設された有底筒状に形成されている。外容器6のうち少なくとも前記胴部に位置する部分は、容器本体2の内側に向けて弾性変形可能(スクイズ変形可能)とされている。内容器4は、外容器6のスクイズ変形に伴って減容変形する。
【0017】
口部3は、内容器4の口部5と外容器6の口部7とが積層された構成である。内容器4の口部5の上端部には、径方向の外側に突出する環状の折り返し部が形成され、この折り返し部が外容器6の口部7の上端開口縁上に配置されている。
ここで、外容器6には、外容器6を貫通する不図示の外気導入孔が形成されている。外気導入孔は、外容器6の内表面と、外容器6から剥離して減容変形する内容器4の外表面と、の間に外気を導入する。外気導入孔は外容器6の胴部に形成されており、内容物を吐出する際に、指で外気導入孔を閉塞した状態で、外容器6の胴部をスクイズ変形させる。
なお、外気導入孔は、外容器6の口部7、肩部、若しくは底部等に設けることができ、形成位置は問わない。また、外気導入孔を開閉する逆止弁を配設してもよい。
【0018】
吐出ノズル10は、天壁部11と、天壁部11の外周縁から下方に向けて延びる周壁部13と、を備え、それぞれが中心軸Oと同軸に配置されている。
周壁部13は、容器本体2の口部3内に液密に嵌合されたシール筒部14と、シール筒部14の上端縁から径方向の外側に向けて突出するとともに周方向に延びる環状の鍔部15と、シール筒部14の上端縁から上方に向けて延び、天壁部11の外周縁部に接続する接続筒部16と、を備える。
【0019】
シール筒部14の内周面は、下部が上部よりも僅かに拡径するように形成されている。シール筒部14の内周面における下端部には、径方向の内側に向けて突出する係合突起が形成されている。
鍔部15は、口部3の上端開口縁上に配置されている。
【0020】
接続筒部16は、シール筒部14の上端縁から上方に向けて真直ぐに延びる下部16aと、下部16aの上端縁から上方に向かうに従い漸次、縮径した中間部16bと、中間部16bの上端縁から上方に向けて延び、天壁部11の外周縁に接続する上部16cと、を備える。下部16aの内径は、シール筒部14の上部の内径より小さい。上部16cおよび下部16aの各内周面は、上下方向に真直ぐ延びている。上部16cの内径は、下部16aの内径より小さい。
【0021】
天壁部11における径方向の中央部に、天壁部11を上下方向に貫通する吐出孔12が形成されている。吐出孔12は、中心軸Oと同軸に配置されている。天壁部11の上面における径方向の中央部に、中心軸Oと同軸に位置する上面視円形状の凹曲面部11aが形成されている。凹曲面部11aの直径は、吐出孔12の内径より大きい。天壁部11の外周縁部と、周壁部13の上部16cの上端部と、の接続部分は、吐出ノズル10の外側に向けて突の曲面状に形成されている。天壁部11の上面と、周壁部13の外周面と、が段差なく滑らかに連なっている。
【0022】
天壁部11の下面には、下方に向けて突出する膨出部17が形成されている。膨出部17は、中心軸Oと同軸に位置する逆円錐台状に形成されている。天壁部11の下面には、突リブ18が周方向に間隔をあけて複数形成されている。突リブ18は、逆円錐台状をなす膨出部17の周面から、径方向の外側に向かって突出している。膨出部17の下端面に吐出孔12が開口している。膨出部17の下端面における吐出孔12の開口周縁部に、下方に向けて突出した突部26が、周方向に間隔をあけて複数配設されている。
【0023】
中栓20は、中心軸Oと同軸に配置された筒状に形成されている。中栓20の上端開口縁20aは、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次、下方に向けて延びている。中栓20の上端開口縁20aにおける外周部は、吐出ノズル10の天壁部11の下面のうち膨出部17よりも径方向の外側に位置する部分に当接している。中栓20の上端開口縁20aにおける内周部は、天壁部11の下面から下方に離れている。中栓20の上端開口部が、上述の連通孔21となっている。これにより、中栓20における連通孔21の開口周縁部は、中栓20の上端開口縁20aとなっている。
中栓20は、吐出ノズル10における接続筒部16の上部16c内に嵌合されるとともに、上端開口部が連通孔21とされた嵌合筒22と、嵌合筒22の下方に配置されるとともに吐出ノズル10のシール筒部14内に嵌合され、嵌合筒22より大径に形成された下筒部23と、を備える。
【0024】
下筒部23の下端部における外周面には、径方向の外側に向かって突出するとともに周方向に延びる環状の係合環部23bが形成されている。係合環部23bの下端は、吐出ノズル10のシール筒部14の係合突起の上端に係止されている。
嵌合筒22の内周面は上下方向に真直ぐ延びている。嵌合筒22の内周面には、その上端部を除く上下方向の全域にわたって、上下方向に延びる縦リブ27が周方向に間隔をあけて複数形成されている。嵌合筒22の上端部の外周面に、径方向の外側に向けて突出し、接続筒部16の内周面に液密に当接したシール突起が全周にわたって連続して形成されている。
【0025】
弁体30は、その上方(吐出孔12側)から下方(内容器4側)への流体の流れを制限する一方、その逆方向の流れは許可する逆止弁となっている。弁体30は、例えばニトリルゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エラストマー、およびウレタン等の弾性変形可能な軟材質で形成されている。
弁体30は、有頂筒状に形成された本体部33と、本体部33から径方向の外側に向けて突出し、中栓20の上端開口縁20aに、上方に向けて離反自在に配設され、連通孔21を開放自在に閉塞する弁部31と、を備える。弁部31および本体部33は一体に形成されている。
【0026】
本体部33は、中心軸Oと同軸に配設されている。本体部33は、中栓20の嵌合筒22内に嵌合されている。本体部33の外周面に、中栓20の縦リブ27が当接している。本体部33の外周面と中栓20の内周面との間に、上下方向に延びる流路が画成されている。
本体部33は、嵌合筒22内に連通孔21の上方から嵌合可能に形成されている。例えば、本体部33の外径は、嵌合筒22の内径以下となっているか、あるいは、本体部33が圧縮変形して嵌合筒22内に連通孔21の上方から進入可能な程度、嵌合筒22の内径より大きくなっている。
【0027】
本体部33の頂面は、吐出ノズル10の膨出部17の下端面に上下方向の隙間をあけて対向している。本体部33の頂面の外径は、膨出部17の下端面の外径と同等になっている。本体部33の頂面に、吐出ノズル10の突部26が当接している。本体部33の下端部の外周面は、上方から下方に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて延びている。本体部33の下端部の外周面は、中栓20の縦リブ27の下端部と径方向で対向している。
【0028】
弁部31は、本体部33の外周面から径方向の外側に向かうに従い漸次、上方に向けて延びる円環状に形成されている。弁部31の外径は、連通孔21の内径より大きくなっている。弁部31は、本体部33の上端部に形成されている。弁体30の上面は、下方に窪む凹状に形成されている。弁部31は、上方に向けて弾性変形可能に形成されている。弁部31は、上方に向けて弾性変形した状態で、中栓20の上端開口縁20aに着座することで、弾性復元力により下面を中栓20の上端開口縁20aに密接させている。このとき、弁部31の上面は、天壁部11の突リブ18に対して下方に離間し、弁部31の上面における外周縁部は、膨出部17の下端面よりも上方に位置している。このように、弁体30の上面は、吐出ノズル10の天壁部11に対して下方に離れつつ、弁体30の上面の内側に、膨出部17が入り込んだ状態とされている。
【0029】
キャップ8は、有頂筒状に形成されており、その周壁8aの内周面に、外容器6の口部7の外周面に形成された雄ねじ部に螺着する雌ねじ部が形成されている。キャップ8は、下方に向かって延びるとともに、吐出ノズル10の接続筒部16を径方向の外側から囲繞する囲繞筒9を備えている。キャップ8の天壁8bにおける中央部には、下方に向けて突出する栓突部8cが形成されている。栓突部8cは、吐出ノズル10の天壁部11の上面に形成された凹曲面部11aの内面に当接し、吐出孔12を閉塞している。
【0030】
そして、本実施形態では、中栓20に、連通孔21の径方向の内側に配設され、弁体30の本体部33内に嵌合された支持体25が配設されている。支持体25は、中心軸Oと同軸に配置された柱状に形成されている。支持体25は、嵌合筒22内に配設されている。支持体25は中栓20と一体に形成されている。支持体25の上端部は、連通孔21より下方に位置している。支持体25および縦リブ27それぞれの上端部の上下方向の位置は互いに同等になっている。
【0031】
支持体25の下端部は、中栓20における下筒部23の上端部に、連結片28を介して連結されている。連結片28は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。連結片28は、縦リブ27の下端より下方に位置している。周方向で互いに隣り合う連結片28同士の間の隙間は、弁体30の本体部33における下端部の外周面に上下方向で対向している。
【0032】
以下、本実施形態の吐出容器1の作用について説明する。
吐出容器1から内容物を吐出させる際には、まず、容器本体2の口部3からキャップ8を取り外して、吐出孔12を露出させ、その後、吐出容器1を口部3が下方に位置し、かつ容器本体2の底部(不図示)が上方に位置する倒立姿勢または傾斜姿勢とする。この状態で、外気導入孔を指で閉塞し、かつ容器本体2の外容器6をスクイズ変形させると、内容器4が外容器6とともに変形して減容される。この減容変形に伴い内容器4の内圧が正圧となり、この正圧によって弁部31が弾性変形し、連通孔21が開放され、吐出孔12と内容器4の内部とが連通される。
【0033】
このように弁部31が開かれると、内容器4内の内容物が、周方向で互いに隣り合う連結片28同士の間の隙間、並びに、本体部33の外周面と中栓20の内周面との間の流路を通過した後、連通孔21を通過する。連通孔21を通過した内容物は、弁体30の上面と吐出ノズル10の天壁部11の下面との間の空間に流れ込み、吐出孔12から吐出される。
【0034】
内容物の吐出後、内容器4の内圧が低下すると、弁部31が中栓20の上端開口縁20aに着座して、吐出孔12と内容器4の内部との連通が遮断される。このように弁部31が閉じられることにより、内容器4が密封され、さらに手指による外気導入孔の閉塞、およびスクイズ変形を解除すると、外容器6は復元変形しようとする。このとき、内容器4が密封されているため、外容器6と内容器4との間に負圧が発生する。すると、外容器6の上述した外気導入孔を通して外気が外容器6と内容器4との間に導入される。このように、外容器6と内容器4との間に外気が導入されることにより、内容器4の減容形状が保持される。
以上により吐出容器1を用いた内容物の吐出動作が完了する。
【0035】
以上詳述したように、本実施形態の吐出容器1では、中栓20に、弁体30の本体部33内に嵌合された支持体25が配設されているので、弁体30が支持体25に支持されることで、中栓20および弁体30の相対的な位置がずれるのを抑制することが可能になり、弁部31と、中栓20の上端開口縁20aと、の間のシール性を確実に確保することができる。
また、本体部33が、嵌合筒22内に嵌合されていて、この嵌合筒22および支持体25により径方向の両側から支持されているので、中栓20および弁体30の相対的な位置ずれを確実に抑制することができる。
【0036】
また、本体部33が、嵌合筒22内に連通孔21の上方から嵌合可能に形成されているので、弁体30と中栓20とを互いに組付ける際に、弁体30を中栓20より上方に位置させた状態から、弁体30および中栓20を上下方向に互いに接近移動させることで、本体部33を連通孔21を通して嵌合筒22内に進入させつつ、弁部31の下面を、中栓20の上端開口縁20aに漸次近づけてから当接させることが可能になる。したがって、弁体30と中栓20とを互いに組付ける際に、弁部31が例えば嵌合筒22の内周面に圧接して大きく屈曲変形することがなく、弁部31に癖が付くのを防ぐことが可能になり、弁部31と、中栓20の上端開口縁20aと、の間のシール性をより一層確実に確保することができる。
【0037】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
【0038】
例えば、前記実施形態では、支持体25が中栓20と一体に形成された構成を示したが、支持体25と中栓20とを別体としてもよい。
前記実施形態では、中栓20が、内側に弁体30の本体部33が嵌合された嵌合筒22を備える構成を示したが、中栓20として、例えば、嵌合筒22を有さず、本体部33の外周面を全域にわたって、中栓20の内周面から径方向に離間させた構成を採用する等適宜変更してもよい。
前記実施形態では、弁部31が当接する、中栓20における連通孔21の開口周縁部として、中栓20の上端開口縁20aを示したが、例えば、中栓20の内周面において、中栓20の上端開口縁20aよりも下方に位置する部分に、径方向の内側に向けて突出する環状の弁座を形成し、この弁座の上面に、弁部31を当接させるようにしてもよい。
【0039】
例えば、前記実施形態では、容器本体2として、いわゆるデラミ容器を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、内容器4の外表面と外容器6の内表面とが、内容物を吐出する前の当初から離間した二重容器であってもよい。
また、容器本体2は、内容器4と外容器6との間に接着層を設けた形態でもよい。
【0040】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 吐出容器
2 容器本体
3 口部
4 内容器
6 外容器
10 吐出ノズル
11 天壁部
12 吐出孔
20 中栓
20a 上端開口縁(中栓における連通孔の開口周縁部)
21 連通孔
22 嵌合筒
25 支持体
30 弁体
31 弁部
33 本体部
図1