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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】自動充電器
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20220708BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220708BHJP
   G01R 31/36 20200101ALI20220708BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220708BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
H01M10/42 A
H02J7/00 Y
G01R31/36
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018080748
(22)【出願日】2018-04-19
(65)【公開番号】P2019192368
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(72)【発明者】
【氏名】狩野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】北村 謙治
(72)【発明者】
【氏名】溝口 康成
(72)【発明者】
【氏名】関口 邦久
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-524245(JP,A)
【文献】特表昭61-501289(JP,A)
【文献】登録実用新案第3141679(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
G01R 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池が投入される電池投入部と、
前記電池投入部に投入された前記複数の電池のうちの少なくとも2つ以上の電池に対して充電動作を実行可能とする充電部と、
前記充電部による充電動作の対象となっている前記複数の電池各々の状態を検知する検知部と、
前記検知部による前記複数の電池各々の検知結果に基づいて、所定の充電特性を満たす第1電池、及び前記第1電池以外の第2電池を判別する処理部と、
前記第1電池を収容する第1収容部と、前記第2電池を収容する第2収容部と、前記処理部における前記複数の電池各々の判別結果に応じて、前記第1電池を前記第1収容部へ導き、前記第2電池を前記第2収容部へ導くための振り分け機構と、を有する電池収容部と、を具備し、
前記振り分け機構は、前記第1電池を前記第1収容部に収容する場合、前記第1電池を前記第1収容部へ導くための経路として、前記充電部の電池排出口から前記第1収容部の電池導入口までを接続する第1経路を選択し、前記第2電池を前記第2収容部に収容する場合、前記第2電池を前記第2収容部へ導くための経路として、前記充電部の前記電池排出口から前記第2収容部の電池導入口までを接続する第2経路を選択するフラップを有する、自動充電器。
【請求項2】
前記処理部は、前記検知部による検知結果に基づいて、少なくとも前記複数の電池各々の種類、前記複数の電池のうちの充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定し、判定結果に応じて、前記第1電池及び前記第2電池を判別する、請求項1に記載の自動充電器。
【請求項3】
前記フラップは、予め前記第2経路を閉鎖する位置に設置し、前記第2電池を前記第2収容部に収容する場合に前記第1経路を閉鎖する、請求項1、又は請求項2に記載の自動充電器。
【請求項4】
前記フラップは、前記第1電池を前記第1収容部に収容する場合に前記第2経路を閉鎖し、前記第2電池を前記第2収容部に収容する場合に前記第1経路を閉鎖する、請求項1、又は請求項2に記載の自動充電器。
【請求項5】
前記充電部は、前記複数の電池に対する充電動作の実行前に、前記複数の電池に対する放電動作を実行する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の自動充電器。
【請求項6】
スイッチをさらに具備し、
前記充電部は、前記スイッチの操作を契機として、前記複数の電池を排出し、
前記処理部は、前記複数の電池のうち、前記スイッチの操作時において所定の充電特性を満たす電池を前記第1電池として判別し、
前記電池収容部は、前記スイッチの操作時における前記複数の電池各々の判別結果に応じて、前記第1電池を前記第1収容部に収容し、前記第2電池を前記第2収容部に収容する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の自動充電器。
【請求項7】
前記充電部による充電動作の対象となっている前記複数の電池各々の状態を表示する表示部をさらに具備する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の自動充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を充電する自動充電器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に販売されている充電器として、一次電池若しくは二次電池、又は大きさ等、電池の種類を判別することが可能な充電器が知られている。これにより、誤って一次電池に対して充電動作を行うことを防止することができる。また、上記充電器として、良品か、又は不良品若しくは寿命を迎えた電池かを判別することが可能な充電器が知られている。これにより、不良品又は寿命を迎えた電池が存在することをユーザに報知することができる。
【0003】
ところで、上記充電器には、電池を収容する電池収容部が1つしか設置されていない。このため、上記のように、充電器において、電池の種類、又は不良品若しくは寿命を迎えた電池を判別しても、電池収容部内に電池が混在して収容されてしまう。これにより、充電器から電池を取り出す場合に、ユーザ側で電池を選別しなければならないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2015-524245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、充電可否及び特性良否を判別した電池が混在して収容されることを防止し、かつユーザの判断に頼ることなく電池を振り分けることができる自動充電器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本実施形態に係る自動充電器は、複数の電池が投入される電池投入部と、前記電池投入部に投入された前記複数の電池に対して充電動作を実行する充電部と、前記充電部による充電動作の対象となっている前記複数の電池各々の状態を検知する検知部と、前記検知部による前記複数の電池各々の検知結果に基づいて、所定の充電特性を満たす第1電池、及び前記第1電池以外の第2電池を判別する処理部と、前記第1電池を収容する第1収容部と、前記第2電池を収容する第2収容部と、前記処理部における前記複数の電池各々の判別結果に応じて、前記第1電池を前記第1収容部へ導き、前記第2電池を導くための振り分け機構と、を有する電池収容部と、を具備する。前記振り分け機構は、前記第1電池を前記第1収容部に収容する場合、前記第1電池を前記第1収容部へ導くための経路として、前記充電部の電池排出口から前記第1収容部の電池導入口までを接続する第1経路を選択し、前記第2電池を前記第2収容部に収容する場合、前記第2電池を前記第2収容部へ導くための経路として、前記充電部の電池排出口から前記第2収容部の電池導入口までを接続する第2経路を選択するフラップを有する。
【0007】
上記構成によれば、本実施形態に係る自動充電器の処理部は、上記第1電池、及び上記第2電池を判別する。また、電池収容部は、処理部における複数の電池各々の判別結果に応じて、第1電池を第1収容部に収容し、第2電池を第2収容部に収容する。これにより、本実施形態に係る自動充電器は、第1電池及び第2電池を自動で判別し、第1電池及び第2電池を分けて収容することができる。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態に係る自動充電器は、充電可否及び特性良否を判別した第1電池、及び第2電池が混在して収容されることを防止し、かつユーザの判断に頼ることなく電池を振り分けることができる。また、本実施形態に係る自動充電器は、第1電池及び第2電池を分けて収容するため、ユーザ側で電池を選別する必要がなくなり、ユーザの利便性を向上することができる。また、本実施形態に係る自動充電器は、第1電池及び第2電池を分けて収容するため、電池の使用ミスがなくなる。また、本実施形態に係る自動充電器は、第1電池及び第2電池を分けて収容することで、例えば、上記第1電池を積極的に使用するように促すことができる。これにより、第1電池の使用頻度が増大し、省エネ、及び環境対応にも貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る自動充電器の外観図である。
図2図1の線α-αに沿った自動充電器の断面図である。
図3】本実施形態に係る自動充電器における、電池の投入から電池の収容までの流れを説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る自動充電器について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して本発明の一実施形態に係る自動充電器について説明する。図1は、本実施形態に係る自動充電器1の外観図である。図2は、図1の線α-αに沿った自動充電器1の断面図である。
【0011】
本実施形態に係る自動充電器1は、電池投入部2から投入された複数の電池に対して充電部3による充電動作を実行し、複数の電池を電池収容部4に収容する。上記自動充電器1は、所定の充電特性を満たす第1電池、及び第1電池以外の第2電池を判別する。また、自動充電器1は、複数の電池各々の判別結果に応じて、電池収容部4において第1電池及び第2電池を別々に収容する。
【0012】
ここで、本実施形態における第1電池とは、例えば、省エネ、及び環境対応への貢献という観点から、積極的な使用が推奨されている、充電可能な電池のことである。具体的には、上記第1電池とは、二次電池、かつ充電上限電圧、充放電効率、及び最大充放電電流が所定の閾値以上となる電池のことである。なお、本実施形態に係る自動充電器1では、後述するように、充電部3による充電動作の結果に応じて、二次電池、かつ充電上限電圧、充放電効率、及び最大充放電電流が所定の閾値以上となるか否かを判定する。また、本実施形態に係る自動充電器1では、上記閾値として、経年劣化等の要因により寿命を迎えた、又は不良品であると判断可能な客観的数値が設定される。また、本実施形態に係る自動充電器1では、上記閾値として、ユーザにより任意の数値が設定可能である。
【0013】
また、本実施形態における第2電池とは、充電上限電圧、充放電効率、又は最大充放電電流が所定の閾値未満となる電池のことである。上記第2電池には、一次電池、及び二次電池が含まれる。ここで、本実施形態における一次電池は、例えば、アルカリ電池、又はマンガン電池等の一般に知られている電池である。また、本実施形態における二次電池は、例えば、ニッケル水素電池、又はリチウムイオン電池等の一般に知られている電池である。また、本実施形態における一次電池、及び二次電池には、単三、又は単四等、様々な大きさの電池が含まれる。
【0014】
次に、本実施形態に係る自動充電器1の各構成について説明する。本実施形態に係る自動充電器1は、電池投入部2、充電部3、検知部S1~S4、マイコン5、電池収容部4、表示部D、及びスイッチSWを備える。電池投入部2は、上部に入口部21を有し、下部に出口部22を備えるホッパー形状を有する。また、電池投入部2の入口部21には、導入片23が設けられている。電池投入部2は、ホッパー形状及び導入片23を有することで、入口部21から投入された複数の電池を整列させながら、出口部22へ順番に導くことが可能である。
【0015】
充電部3は、回転軸Rを中心として所定の方向に回転する歯車形状の回転部31、及び回転部31に沿って設けられ、電池投入部2の出口部22と一致する充電部3の電池導入口が設けられたハウジング32により構成される。回転部31の回転軸Rは、図示しないモータ(駆動源)の出力軸に接続されている。回転部31は、モータの作動により、回転軸Rを中心として図2に示す回転方向に回転する。上記回転部31には、回転部31の円周方向に所定間隔で複数のスロット33が設けられている。
【0016】
複数のスロット33は、それぞれ電池投入部2の出口部22から一本ずつ電池を受容し、電池を係止する。例えば、充電部3の電池導入口の近傍に位置するスロット33で電池を受容し、当該電池を係止した後、回転部31を図2に示す回転方向に1スロット分だけ回転させる。さらに、充電部3の電池導入口の近傍に位置するスロット33で電池を受容し、当該電池を係止する。これらの作業を繰り返すことで、各スロット33において電池を係止することができる。本実施形態に係る充電部3には、例えば、8つのスロット33が設けられている。
【0017】
また、充電部3には、上記回転部31に設けられた複数のスロット33に沿って複数の充電端子34が設けられている。充電端子34は、導電性を有する材料で形成された板状の部材である。充電端子34は、例えば、金属板である。充電端子34は、回転部31を図2に示す回転方向に回転させた場合に、各スロット33が通過する位置に固定されて設けられる。例えば、充電端子34が設けられた位置にスロット33に係止された電池が移動された場合、充電端子34により電池が充電される。
【0018】
充電部3は、充電動作の終了後、複数の電池を充電部3の電池排出口35から自動で排出する。なお、充電部3における充電動作を終了するタイミングは、例えば、充電対象となっているすべての電池の充電動作が終了した場合、又は充電されているすべての電池の充電が終了すると予想される所定の時間が経過した場合を含む。また、充電部3は、ユーザによる所定の操作を契機として、複数の電池を充電部3の電池排出口35から排出してもよい。具体的には、充電部3は、後述するスイッチSWの操作を契機として、複数の電池を充電部3の電池排出口35から排出してもよい。
【0019】
検知部S1~S4は、各充電端子34に対応付けて設置される。検知部S1~S4は、充電部3による充電動作の対象となっている複数の電池各々の状態を検知する。具体的には、検知部S1~S4は、電池の電気容量、及び電気特性を検知する。検知部S1~S4は、複数の電池各々の検知結果をマイコン(処理部)5へ送信する。なお、検知部S1~S4の設置位置は、図2に示す位置に限らず、任意の位置に設置可能である。本実施形態に係る自動充電器1には、例えば、4箇所に充電端子34が設けられている。すなわち、本実施形態に係る自動充電器1は、最大で4本の電池を同時に充電することが可能である。
【0020】
マイコン(処理部)5は、ハードウェア資源として、所定のプロセッサを含む。マイコン5は、上記検知部S1~S4による複数の電池各々の検知結果に基づいて、所定の充電特性を満たす第1電池、及び第1電池以外の第2電池を判別する。例えば、マイコン5は、上記検知部S1~S4による検知結果に基づいて、少なくとも複数の電池各々の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定し、判定結果に応じて、第1電池及び第2電池を判別する。
【0021】
このとき、マイコン5は、後述するスイッチSWの操作を契機として、複数の電池のうち、スイッチSWの操作時において所定の充電特性を満たす電池を第1電池として判別する。例えば、マイコン5は、充電動作中であっても、複数の電池のうち、スイッチSWの操作時において所定の充電特性を満たす電池が存在すれば、当該電池を第1電池として判別する。
【0022】
表示部Dは、例えば、マイコン5による制御の下で、充電部3による充電動作の対象となっている複数の電池各々の状態を表示する。表示部Dは、表示インタフェース回路と表示機器とを有する。表示インタフェース回路は、表示対象を表すデータをビデオ信号に変換する。表示信号は、表示機器に供給される。表示機器は、表示対象を表すビデオ信号を表示する。表示機器としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、又は当技術分野で知られている他の任意のディスプレイが適宜利用可能である。
【0023】
スイッチSWは、充電部3の各スロット33に係止されている電池を充電部3の電池排出口35から強制的に排出するためのものである。スイッチSWは、押下又は回転等の所定の操作を行うことが可能である。例えば、第1電池が至急必要な場合において、表示部Dに上記充電動作が終了した第1電池が存在することを示す通知が表示されていると仮定する。ユーザは、スイッチSWを操作して、充電部3の各スロット33に係止されている電池を充電部3の電池排出口35から強制的に排出する。これにより、ユーザは、第2電池の充電状態に関わらず、自動充電器1から第1電池を取り出すことができる。
【0024】
電池収容部4は、マイコン5における複数の電池各々の判別結果に応じて、第1電池及び第2電池を別々に収容する。例えば、電池収容部4は、第1収容部41、第2収容部42、及び振り分け機構43を有する。
【0025】
第1収容部41は、第1電池を収容する。第1収容部41は、第1電池の取り出しやすさを向上させるため、例えば、自動充電器1の内部において、上記充電部3より下部、かつ自動充電器1の前面部分の近傍に設置される。第2収容部42は、第2電池を収容する。第2収容部42は、例えば、自動充電器1の内部において、上記充電部3より下部に設置される。
【0026】
振り分け機構43は、上記第1電池を充電部3の電池排出口35から第1収容部41の電池導入口44へ導き、第2電池を充電部3の電池排出口35から第2収容部42の電池導入口45へ導く。例えば、本実施形態における振り分け機構43は、フラップを有する。フラップは、第1電池を第1収容部41に収容する場合、第1電池を第1収容部41へ導くための経路として、充電部3の電池排出口35から第1収容部41の電池導入口44までを接続する第1経路R1を選択し、第2電池を第2収容部42に収容する場合、第2電池を第2収容部42へ導くための経路として、充電部3の電池排出口35から第2収容部42の電池導入口45までを接続する第2経路を選択する。
【0027】
なお、電池収容部4は、ユーザにより上記スイッチSWが操作された場合、スイッチSWの操作時における複数の電池各々の判別結果に応じて、第1電池を第1収容部41に収容し、第2電池を第2収容部42に収容する。
【0028】
ここで、本実施形態に係る自動充電器1における、電池の投入から電池の収容までの流れについて、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る自動充電器1における、電池の投入から電池の収容までの流れを説明するためのブロック図である。ここで、本実施形態では、4つの電池B1~B4が自動充電器1に投入される場合について説明する。
【0029】
なお、図3は、本実施形態に係る自動充電器1における、電池の投入から電池の収容までの流れを例示的に示すものである。また、図3は、本実施形態に係る自動充電器1の理解を深めるため、自動充電器1を構成する構成部材の部分的な強調、拡大、縮小、又は省略を行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない。すなわち、図3に示す構成部材の縮尺や形状は、図1及び図2に示す構成部材の縮尺や形状と異なる。
【0030】
まず、ユーザにより、図3に示す電池投入部2の入口部21に電池B1~B4が投入される。図3に示す電池B1~B4は、円筒形状を有している。次に、電池投入部2の入口部21に投入された電池B1~B4が図3に示す充電部3の各スロット33に受容され、係止される。次に、各スロット33に係止された電池B1~B4が各充電端子34の設置位置に移動され、充電動作が開始される。なお、本実施形態では、各スロット33に係止された電池B1~B4の放電動作を行い、電池B1~B4の電気容量を所定の数値まで減らしてから、充電動作が開始される。これにより、満充電の電池が混在していても、放電動作を行うことで電池容量を減らすことができ、当該満充電の電池に対して充電動作を実行することができる。
【0031】
ここで、図3に示す検知部S1~S4は、充電動作中において、電池B1~B4の電気容量、及び電気特性を検知し、マイコン5へ送信する。次に、マイコン5は、上記検知部S1による検知結果に基づいて、少なくとも電池B1の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定する。具体的には、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B1の電圧が上昇したため、電池B1が二次電池であると判定する。また、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B1の充電上限電圧、充放電効率、及び最大充放電電流が所定の閾値以上となったため、電池B1が第1電池であると判定する。すなわち、マイコン5は、電池B1を第1電池として判別する。
【0032】
マイコン5は、上記検知部S2による検知結果に基づいて、少なくとも電池B2の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定する。具体的には、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B2の電圧が上昇したため、電池B2が二次電池であると判定する。また、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B2の充電上限電圧、充放電効率、及び最大充放電電流が所定の閾値以上となったため、電池B2が第1電池であると判定する。すなわち、マイコン5は、電池B2を第1電池として判別する。
【0033】
マイコン5は、上記検知部S3による検知結果に基づいて、少なくとも電池B3の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定する。具体的には、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B3の電圧が上昇したため、電池B3が二次電池であると判定する。また、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B3の充電上限電圧、充放電効率、及び最大充放電電流が所定の閾値未満となったため、電池B3が第2電池であると判定する。すなわち、マイコン5は、電池B3を第2電池として判別する。
【0034】
マイコン5は、上記検知部S4による検知結果に基づいて、少なくとも電池B4の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定する。具体的には、マイコン5は、充電端子34による充電動作の結果、電池B4の電圧が上昇しなかったため、電池B4が一次電池であると判定する。すなわち、マイコン5は、電池B4を第2電池として判別する。
【0035】
充電部3における充電動作の終了後、充電部3は、電池B1~B4を充電部3の電池排出口35から排出する。充電部3から電池B1~B4を排出した後、電池収容部4は、マイコン5における複数の電池B1~B4各々の判別結果に応じて、第1電池を第1収容部41に収容し、第2電池を第2収容部42に収容する。
【0036】
例えば、マイコン5において第1電池として判別された電池B1,B2を第1収容部41に収容する場合、電池収容部4を構成するフラップ46、及びアクチュエータ47を用いて、上記第2経路R2を閉鎖する。上記アクチュエータ47は、例えば、ソレノイド、又はサーボモータである。アクチュエータ47の動作は、マイコン5により制御する。具体的には、フラップ46の初期設置位置を第2収容部42の電池導入口45の近傍の位置(言い換えれば、第2経路R2を閉鎖する位置)とした場合であって、電池B1,B2を第1収容部41に収容する場合、図3に示すように、フラップ46により上記第2経路R2を閉鎖したままにする。すなわち、マイコン5によりアクチュエータ47を動作させない。これにより、第1経路R1を経由して、第1電池として判別された電池B1,B2を第1収容部41に収容することができる。
【0037】
また、充電部3において第2電池として判別された電池B3,B4を第2収容部42に収容する場合、上記フラップ46、及びアクチュエータ47を用いて、上記第1経路R1を閉鎖する。具体的には、電池B3,B4を第2収容部42に収容する場合、図3に示すように、マイコン5による判別結果に応じて、充電部3からの電池B3,B4の排出タイミングで、フラップ46により上記第1経路R1を閉鎖する。すなわち、マイコン5は、フラップ46により第1経路R1を閉鎖するようにアクチュエータ47の動作を制御する。これにより、第2経路R2を経由して、第2電池として判別された電池B3,B4を第2収容部42に収容することができる。上記過程を経て、本実施形態に係る自動充電器1は、第1電池を第1収容部41に収容し、第2電池を第2収容部42に収容することができる。
【0038】
(総括)
上述の通り、本実施形態に係る自動充電器1は、複数の電池が投入される電池投入部2と、電池投入部2に投入された複数の電池に対して充電動作を実行する充電部3と、充電部3による充電動作の対象となっている複数の電池各々の状態を検知する検知部S1~S4と、検知部S1~S4による複数の電池各々の検知結果に基づいて、所定の充電特性を満たす第1電池、及び第1電池以外の第2電池を判別するマイコン(処理部)5と、第1電池を収容する第1収容部41と、第2電池を収容する第2収容部42と、マイコン5における複数の電池各々の判別結果に応じて、第1電池を第1収容部41へ導き、第2電池を第2収容部42へ導くための振り分け機構43と、を有する電池収容部4と、備える。上記振り分け機構43は、第1電池を第1収容部41に収容する場合、第1電池を第1収容部41へ導くための経路として、充電部3の電池排出口35から第1収容部41の電池導入口44までを接続する第1経路R1を選択し、第2電池を第2収容部42に収容する場合、第2電池を第2収容部42へ導くための経路として、充電部3の電池排出口35から第2収容部42の電池導入口45までを接続する第2経路R2を選択するフラップを有する。
【0039】
上記構成によれば、本実施形態に係る自動充電器1のマイコン5は、上記第1電池、及び上記第2電池を判別する。また、電池収容部4は、マイコン5における複数の電池各々の判別結果に応じて、第1電池を第1収容部41に収容し、第2電池を第2収容部42に収容する。これにより、本実施形態に係る自動充電器1は、第1電池及び第2電池を自動で判別し、第1電池及び第2電池を分けて収容することができる。
【0040】
かくして、本実施形態に係る自動充電器1は、充電可否及び特性良否を判別した第1電池、及び第2電池が混在して収容されることを防止し、かつユーザの判断に頼ることなく電池を振り分けることができる。また、本実施形態に係る自動充電器1は、第1電池及び第2電池を分けて収容するため、ユーザ側で電池を選別する必要がなくなり、ユーザの利便性を向上することができる。また、本実施形態に係る自動充電器1は、第1電池及び第2電池を分けて収容するため、電池の使用ミスがなくなる。また、本実施形態に係る自動充電器1は、第1電池及び第2電池を分けて収容することで、例えば、上記第1電池を積極的に使用するように促すことができる。これにより、第1電池の使用頻度が増大し、省エネ、及び環境対応にも貢献することができる。
【0041】
なお、上記実施形態に係る自動充電器1は、図3に示すように、フラップ46の初期設置位置を第2収容部42の電池導入口45の近傍の位置(言い換えれば、第2経路R2を閉鎖する位置)とした場合であって、電池B1,B2を第1収容部41に収容する場合、フラップ46により上記第2経路R2を閉鎖したままにしている。また、上記実施形態に係る自動充電器1は、電池B3,B4を第2収容部42に収容する場合、マイコン5による判別結果に応じて、充電部3からの電池B3,B4の排出タイミングで、フラップ46により上記第1経路R1を閉鎖している。しかしながら、本実施形態に係る自動充電器1は、これに限定されない。
【0042】
例えば、本実施形態において、フラップ46の初期設置位置を設定しない。上記実施形態におけるマイコン5は、電池B1,B2を第1収容部41に収容する場合、フラップ46により第2経路R2を閉鎖するようにアクチュエータ47の動作を制御する。また、実施形態におけるマイコン5は、電池B3,B4を第2収容部42に収容する場合、フラップ46により第1経路R1を閉鎖するようにアクチュエータ47の動作を制御する。具体的には、電池B1,B2を第1収容部41に収容する場合、マイコン5による振り分け結果に応じて、充電部3からの電池B1,B2の排出タイミングで、フラップ46により上記第2経路R2を閉鎖する。このとき、マイコン5は、フラップ46により第2経路R2を閉鎖するようにアクチュエータ47の動作を制御する。これにより、本実施形態に係る自動充電器1は、第1経路R1を経由して、第1収容部41に第1電池として判別された電池B1,B2を収容することができる。
【0043】
また、電池B3,B4を第2収容部42に収容する場合、マイコン5による判別結果に応じて、充電部3からの電池B3,B4の排出タイミングで、フラップ46により上記第1経路R1を閉鎖する。このとき、マイコン5は、フラップ46により第1経路R1を閉鎖するようにアクチュエータ47の動作を制御する。これにより、本実施形態に係る自動充電器1は、第2経路R2を経由して、第2収容部42に第2電池として判別された電池B3,B4を収容することができる。
【0044】
また、図3に示す検知部S1~S4は、充電動作中において、電池B1~B4の電気容量、及び電気特性を検知し、マイコン5へ送信している。また、マイコン5は、上記検知部S1~S4による検知結果に基づいて、少なくとも電池B1~B4の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定している。しかしながら、本実施形態に係る自動充電器1は、これに限定されない。例えば、本実施形態に係る自動充電器1の検知部S1~S4は、充電動作前に実行される放電動作中において、電池B1~B4の電気容量、及び電気特性を検知し、マイコン5へ送信してもよい。また、マイコン5は、上記検知部S1~S4による検知結果に基づいて、少なくとも電池B1~B4の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定してもよい。これにより、本実施形態に係る自動充電器1は、電池B1~B4の電気容量、及び電気特性を精度よく検知することができる。また、上記検知部S1~S4による放電動作中、及び充電動作中の検知結果に基づいて、少なくとも電池B1~B4の種類、充電可能な電池に充電された電気容量、並びに寿命を迎えた電池及び不良品を判定できるため、判定結果の信頼性を向上することができる。
【0045】
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)、及びMPU(Micro Processing Unit)、並びに、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0046】
(変形例)
本実施形態に係る自動充電器1は、所定の充電特性を満たす第1電池、及び第1電池以外の第2電池に判別している。しかしながら、本実施形態に係る自動充電器1は、これに限定されない。例えば、変形例に係る自動充電器1は、電池投入部2に投入された複数の電池をより細かく判別してもよい。具体的には、変形例に係る自動充電器1において、第1収容部41を複数に分ける。また、複数に分けた第1収容部41の分だけ第1経路R1に分岐経路を設ける。さらに、第1経路R1の主要経路及び分岐経路の間にフリップ、及びアクチュエータを設ける。なお、新たに設置したアクチュエータの動作は、マイコン5により制御する。これにより、例えば、第1電池に単三及び単四等の様々な大きさの電池が含まれる場合、充電部3のマイコン5において電池の大きさごとに第1電池を判別し、電池収容部4において、様々な大きさごとに第1電池を収容することができる。
【0047】
また、変形例に係る自動充電器1において、第2収容部42を複数に分ける。また、複数に分けた第2収容部42の分だけ第2経路R2に分岐経路を設ける。さらに、第2経路R2の主要経路及び分岐経路の間にフリップ、及びアクチュエータを設ける。なお、新たに設置したアクチュエータの動作は、マイコン5により制御する。これにより、例えば、第2電池に様々な種類、大きさ、並びに寿命を迎えた電池、又は不良品が含まれる場合、充電部3のマイコン5において様々な種類、大きさ、並びに寿命を迎えた電池、又は不良品ごとに第2電池を判別し、電池収容部4において、様々な種類、大きさ、並びに寿命を迎えた電池、及び不良品ごとに第2電池を収容することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 自動充電器
2 電池投入部
3 充電部
4 電池収容部
5 マイコン(処理部)
31 回転部
32 ハウジング
33 スロット
34 充電端子
41 第1収容部
42 第2収容部
43 振り分け機構
46 フラップ
47 アクチュエータ
B1~B4 電池
D 表示部
S1~S4 検知部
SW スイッチ
図1
図2
図3