(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】除雪機
(51)【国際特許分類】
E01H 5/09 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
E01H5/09 F
(21)【出願番号】P 2018242564
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】下山 昇吾
(72)【発明者】
【氏名】橋本 尚之
(72)【発明者】
【氏名】中村 栄作
(72)【発明者】
【氏名】橋元 弘貴
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-013114(JP,A)
【文献】特開2002-371997(JP,A)
【文献】特開2006-283456(JP,A)
【文献】実開昭63-031121(JP,U)
【文献】実開平02-042917(JP,U)
【文献】特開2005-336923(JP,A)
【文献】特開平11-323864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 5/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーガを駆動回転可能に支持するオーガケースと、
前記オーガケースの後部に接続され、円柱形状の内部空間を備えるブロワケースと、
前記ブロワケースの前記内部空間に配置されるブロワと、
前記オーガに掻き集められ前記ブロワに吹き飛ばされる雪を放出するシュータと、を備え、
前記シュータは、前記ブロワケースの外周壁に接続される筒状部と、前記筒状部に接続されるガイド部とを備え、
前記筒状部は、拡大部を備え、
前記拡大部の内部空間の断面積が前記筒状部の内部空間の断面積よりも大き
く、
前記筒状部の後壁の内面が前記ブロワケースの後壁の内面と面一である除雪機。
【請求項2】
前記拡大部の内部空間は、雪の放出方向に進むにつれて断面積が小さくなるように構成されている請求項1に記載の除雪機。
【請求項3】
前記拡大部の機体横方向の側壁の内面が、前記ブロワケースの外周壁の内面と滑らかに接続されている請求項1又は2に記載の除雪機。
【請求項4】
前記拡大部の機体横方向の側壁の内面が、機体前後方向視で円弧形状である円弧部分を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の除雪機。
【請求項5】
前記拡大部の機体横方向の側壁のうち、前記ブロワの回転方向に関して下流側に位置する下流側壁の内面が、前記ブロワケースの外周壁の内面と滑らかに接続されている請求項1又は2に記載の除雪機。
【請求項6】
前記拡大部の機体横方向の側壁のうち、前記ブロワの回転方向に関して下流側に位置する下流側壁の内面が、機体前後方向視で円弧形状である円弧部分を備える請求項1、2又は5に記載の除雪機。
【請求項7】
前記筒状部の機体横方向の側壁のうち、前記ブロワの回転方向に関して上流側に位置する上流側壁の内面が、当該上流側壁と前記ブロワケースの外周壁との接続部における外周壁の接線方向に沿って延びる請求項1から6のいずれか1項に記載の除雪機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除雪機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、オーガ、ブロワ、及びシュータを備えた歩行型除雪機が記載されている。この除雪機では、オーガが雪を掻き集め、掻き集められた雪がブロワの噴出力によってシュータから放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された除雪機では、ブロワケースの内部でブロワが回転して、雪を放出する噴出力を生み出している。従来の除雪機では、ブロワが回転することによる騒音が大きく、改善の余地があった。
【0005】
本発明の目的は、ブロワによる騒音を低減した除雪機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の除雪機は、オーガを駆動回転可能に支持するオーガケースと、前記オーガケースの後部に接続され、円柱形状の内部空間を備えるブロワケースと、前記ブロワケースの前記内部空間に配置されるブロワと、前記オーガに掻き集められ前記ブロワに吹き飛ばされる雪を放出するシュータと、を備え、前記シュータは、前記ブロワケースの外周壁に接続される筒状部と、前記筒状部に接続されるガイド部とを備え、前記筒状部は、拡大部を備え、前記拡大部の内部空間の断面積が前記筒状部の内部空間の断面積よりも大きく、前記筒状部の後壁の内面が前記ブロワケースの後壁の内面と面一であることを特徴とする。
【0007】
発明者らは鋭意検討の末、ブロワケースとシュータとの接続部位に着目し、比較的大きな空間であるブロワケースの内部空間から、より狭い空間であるシュータの筒状部へ空気が送り込まれる際に空気の圧力が大きく変動し、これにより大きな騒音が発生すると考えた。そして、この圧力変動を低減するために、筒状部に拡大部を設けることに思い至った。上記の特徴構成によれば、ブロワケースの外周壁に接続される筒状部が拡大部を備え、拡大部の内部空間の断面積が筒状部の内部空間の断面積よりも大きいことにより、ブロワケースとシュータとの接続部位である筒状部における、空気の圧力の変動を小さくすることができる。従って、ブロワによる騒音を低減することができる。
また、この特徴構成によれば、ブロワケースと筒状部(拡大部)の接続部位のうち、特に後壁の近傍において空気がより滑らかに流れるようになり、更に騒音を低減することができる。
【0008】
本発明において、前記拡大部の内部空間は、雪の放出方向に進むにつれて断面積が小さくなるように構成されていると好適である。
【0009】
この特徴構成によれば、拡大部における空気の圧力の変動が滑らかになり、更に騒音を低減することができる。
【0010】
本発明において、前記拡大部の機体横方向の側壁の内面が、前記ブロワケースの外周壁の内面と滑らかに接続されていると好適である。
【0011】
この特徴構成によれば、ブロワケースと筒状部(拡大部)の接続部位において空気がより滑らかに流れるようになり、更に騒音を低減することができる。
【0012】
本発明において、前記拡大部の機体横方向の側壁の内面が、機体前後方向視で円弧形状である円弧部分を備えると好適である。
【0013】
この特徴構成によれば、拡大部における空気の圧力の変動が滑らかになると共に、拡大部において空気がより滑らかに流れるようになり、更に騒音を低減することができる。
【0014】
本発明において、前記拡大部の機体横方向の側壁のうち、前記ブロワの回転方向に関して下流側に位置する下流側壁の内面が、前記ブロワケースの外周壁の内面と滑らかに接続されていると好適である。
【0015】
この特徴構成によれば、拡大部におけるブロワの回転方向の下流側において空気がより滑らかに流れるようになり、更に騒音を低減することができる。
【0016】
本発明において、前記拡大部の機体横方向の側壁のうち、前記ブロワの回転方向に関して下流側に位置する下流側壁の内面が、機体前後方向視で円弧形状である円弧部分を備えると好適である。
【0017】
この特徴構成によれば、拡大部におけるブロワの回転方向の下流側において、空気の圧力の変動が滑らかになると共に空気がより滑らかに流れるようになり、更に騒音を低減することができる。
【0018】
【0019】
【0020】
本発明において、前記筒状部の機体横方向の側壁のうち、前記ブロワの回転方向に関して上流側に位置する上流側壁の内面が、当該上流側壁と前記ブロワケースの外周壁との接続部における外周壁の接線方向に沿って延びると好適である。
【0021】
この特徴構成によれば、拡大部におけるブロワの回転方向の上流側において空気がより滑らかに流れるようになり、更に騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施例に係る歩行型除雪機の全体を示す側面図である。
図2は、本発明の実施例に係る歩行型除雪機の全体を示す平面図である。
図1及び
図2に示す[F]の方向が機体本体の「前側」、[B]の方向が機体本体の「後側」、[L]の方向が機体本体の「左側」、[R]の方向が機体本体の[右側]と定義する。
【0024】
図1及び
図2に示すように、歩行型除雪機は、機体フレーム1に左右一対のクローラ走行装置2が装備された機体本体3を備えている。機体本体3は、後部に設けられた左右一対の操縦ハンドル4を備え、機体本体3の後方を歩行しつつ機体本体3の走行及び操向操作を行なうよう歩行型に構成されている。機体本体3の前方に除雪部10が配置されている。除雪部10の後方における機体本体3の上方にエンジン5が配置されている。エンジン5は、支持フレーム30の上部に載置された状態で支持フレーム30に支持されている。
【0025】
機体フレーム1は、左右一対の機体本体前後向きのトラックフレーム部20と、機体本体横向きの連結フレーム部21とを備えている。連結フレーム部21は、左右のトラックフレーム部20の後部を連結している。
【0026】
左右のクローラ走行装置2は、トラックフレーム部20の前端部に駆動可能に支持された駆動輪体23と、駆動輪体23よりも後方に位置する状態でトラックフレーム部20に回転可能に支持された従動輪体24と、駆動輪体23と従動輪体24とに亘って巻き掛けられたクローラベルト25と、を備えている。駆動輪体23と従動輪体24との間において、クローラベルト25に外れ止め部材26が係合作用している。外れ止め部材26は、トラックフレーム部20に支持されている。左右のクローラ走行装置2及び除雪部10は、エンジン5から駆動力が伝達されることで駆動される。
【0027】
左右一対の操縦ハンドル4は、連結フレーム部21の左右端部から上方向きに、かつ後方向きに延出されている。左右のハンドル支持フレーム部22は、板状部材によって構成されている。板状部材は、板厚方向が機体本体横幅方向となる取付姿勢で連結フレーム部21に取り付けられている。左右の操縦ハンドル4の基部4aは、ハンドル支持フレーム部22の機体横外側の側面に支持されている。左右の操縦ハンドル4は、丸パイプ部材によって構成されている。左右の操縦ハンドル4の基部4aは、外周面の一部が平坦面になった状態に押圧変形処理されている。基部4aは、平坦面がハンドル支持フレーム部22の側面に沿う状態でハンドル支持フレーム部22に連結されている。本実施例では、基部4aとハンドル支持フレーム部22とは、連結ボルトによって連結されている。基部4aとハンドル支持フレーム部22との連結手段としては、連結ボルトに限らず、溶接を採用してもよい。
【0028】
左右の操縦ハンドル4の延出端部に握り部4bが設けられている。左右の操縦ハンドル4の握り部4bは、機体本体3の前後方向に延びている。左右の操縦ハンドル4の握り部4bと基部4aとの間における部位が補強杆41によって連結されている。左右の操縦ハンドル4は、補強杆41による連結によって互いに支持し合うことで、補強し合っている。左右の操縦ハンドル4の間に操作盤42が支持されている。
【0029】
支持フレーム30は、左右のクローラ走行装置2の駆動輪体23の回転軸芯を揺動軸芯Zとして上下揺動可能に機体本体3に支持されている。支持フレーム30には、支持フレーム30の後部から後方向きに延出された操作アーム部31が備えられている。操作アーム部31の延出端部と、機体フレーム1とに亘って昇降駆動機構32が設けられている。昇降駆動機構32は、駆動されることで、支持フレーム30を機体フレーム1に対して上下に揺動調節し、停止されることで、支持フレーム30を調節した揺動位置に固定する。
【0030】
昇降駆動機構32を操作することで、除雪部10を機体本体3に対して昇降調節でき、除雪部10の対地高さを調節できる。除雪部10の対地高さを調節するのに、支持フレーム30が左右のクローラ走行装置2の駆動輪体23の回転軸芯を揺動軸芯Zにして上下揺動し、除雪部10、エンジン5及び走行ミッション(図示せず)が一体的に左右の駆動輪体23の回転軸芯を揺動軸芯Zにして上下揺動するので、エンジン5から除雪部10に駆動力を伝達する作業伝動系、及びエンジン5から左右のクローラ走行装置2に駆動力を伝達する走行伝動系に除雪部10の昇降を許容するための特別な融通構造を設ける必要がない。また、除雪部10の対地高さを変更しても、機体本体3の対地姿勢が変化せず、操縦ハンドル4の対地姿勢も変化しない。
【0031】
昇降駆動機構32と電源用のバッテリー6とが機体本体の横幅方向に並んでいる。昇降駆動機構32よりも後方へのバッテリー6の突出を抑制できる。また、機体本体の後方から昇降駆動機構32の点検及び修理する作業を行なうのに、バッテリー6が障害になり難い。
【0032】
図2に示すように、昇降操作スイッチ7が右の操縦ハンドル4の握り部4bの機体横内側に位置する状態で右の操縦ハンドル4に支持されている。昇降操作スイッチ7は、握り部4bを支持する手の指操作が可能な部位に位置している。具体的には、操縦ハンドル4の握り部4bよりも前側の部位にボス部71が設けられている。ボス部71から支持部材72が後方向きに延出されている。支持部材72の延出端部に昇降操作スイッチ7が支持されている。本実施例では、昇降操作スイッチ7を右の操縦ハンドル4に支持しているが、左の操縦ハンドル4に支持してもよい。
【0033】
昇降操作スイッチ7の前端側部分を押し操作することにより、昇降制御部(図示せず)が電動モータを下降側に制御し、除雪部10を下降操作できる。昇降操作スイッチ7の後端側部分を押し操作することにより、昇降制御部が電動モータを上昇側に制御し、除雪部10を上昇操作できる。昇降操作スイッチ7を押し操作している間、除雪部10がストロークエンドに到達しない限り、除雪部10が継続して上昇及び下降する。
【0034】
前照灯8は、操作盤42に設けられている。
作動油タンク9が機体本体3に支持されている。具体的には、作動油タンク9は、下側の補強杆41を介して操縦ハンドル4に支持されている。作動油タンク9とHST(図示せず)とは、給油路90によって連通されている。給油路90は、可撓性を有したホースによって形成され、可撓性を備えている。作動油タンク9に作動油を貯留しておくことにより、作動油がHSTに自動的に補給される。
【0035】
〔除雪部〕
歩行型除雪機は、機体本体3を走行させることで、除雪部10によって除雪作業を行なうことができる。即ち、除雪部10のオーガ13によって掻き集められた雪が、ブロワ14の噴出力によってシュータ15の放出口15aから放出される。
【0036】
除雪部10は、オーガケース11と、ブロワケース12と、オーガ13と、ブロワ14と、シュータ15とを備えている。
【0037】
オーガケース11は、オーガ13を駆動回転可能に支持する。オーガ13は、らせん状に配置された回転刃である。
【0038】
ブロワケース12は、オーガケース11の後部に接続された円筒形状の部材である。ブロワケース12は、円柱形状の内部空間12aを備えている。ブロワケース12の中心軸は、内部空間12aの中心軸12bと一致しており、機体前後方向に沿って延びている。ブロワケース12が支持フレーム30の前端部に連結されていることにより、除雪部10が支持フレーム30に支持されている。
【0039】
ブロワ14は、ブロワケース12の内部空間12aに駆動回転可能に内装されている。ブロワ14は、回転軸14aから3方向に突出する回転羽根14bを備えている。回転軸14aは、機体前後方向に延びており、その中心軸はブロワケース12の中心軸、及びブロワケース12の内部空間12aの中心軸12bと一致している。ブロワ14は、機体前方から見て反時計回りに回転駆動される。
【0040】
シュータ15は、オーガ13に掻き集められブロワ14に吹き飛ばされる雪を外部へ放出する。シュータ15は、ブロワケース12の左側部分から上方向きに突設されている。シュータ15は、ブロワケース12の外周壁12cに接続される筒状部50と、筒状部50に接続されるガイド部70とを備えている。ガイド部70の先端に、放出口15aが設けられている。
【0041】
筒状部50は、角部がR形状に形成された、概ね角筒状の部位である。筒状部50は、
図3に示されるように、その中心軸が上下方向に延びる姿勢にて、ブロワケース12の外周壁12cに接続されている。筒状部50の側壁はいずれも、上下方向に沿って延びている。
【0042】
本実施形態では、筒状部50は、ブロワケース12における左側の端に接続されている。筒状部50の機体横方向の側壁のうち、ブロワ14の回転方向に関して上流側に位置する側壁を上流側壁51とする。上流側壁51は、筒状部50における左側の側壁である。
上流側壁51の内面は、
図3に示されるように、上流側壁51とブロワケース12の外周壁12cとの接続部12dにおける、外周壁12cの内面の接線方向に沿って延びている。
【0043】
本実施形態では、筒状部50は、ブロワケース12における後側の端に接続されている。筒状部50の後壁52は、ブロワケース12の後壁と面一である。後壁52の内面は、ブロワケース12の後壁の内面と面一である。
【0044】
筒状部50は、拡大部60を備えている。拡大部60は、筒状部50におけるその余の部位よりも、その内部空間69が拡大された部位である。すなわち、拡大部60の内部空間69の断面積は、筒状部50の内部空間59の断面積よりも大きい。本実施形態では、拡大部60の内部空間69は、雪の放出方向、すなわち上方向に進むにつれて断面積が小さくなるように構成されている。なお、拡大部60の内部空間69の断面積、及び、筒状部50の内部空間59の断面積とは、法線が上下方向に延びる平面による断面の断面積である。
【0045】
拡大部60は、
図3に示されるように、筒状部50における下部に設けられている。すなわち、筒状部50における拡大部60の下端が、ブロワケース12に接続されている。筒状部50の内部空間59の前後方向の大きさは、上下方向の各部位において一定である。すなわち、拡大部60の内部空間69の前後方向の大きさは、筒状部50における拡大部60以外の部位の内部空間69の前後方向の大きさと等しい。拡大部60の内部空間69の左右方向の大きさは、拡大部60の下端62から上端63へ進むにつれて徐々に小さくなる。筒状部50の内部空間59の左右方向の大きさは、拡大部60よりも上側においては一定であり、拡大部60の上端63における内部空間69の左右方向の大きさと等しい。なお拡大部60の下端62の上下方向の位置は、拡大部60の下流側壁64とブロワケース12の外周壁12cとの接続部と同じ高さである。拡大部60の上端63の上下方向の位置は、拡大部60の下流側壁64が垂直となる位置、すなわち円弧部分64aの上端と同じ高さである。
【0046】
拡大部60の機体横方向の側壁のうち、ブロワ14の回転方向に関して下流側に位置する側壁を下流側壁64とする。下流側壁64は、拡大部60における右側の側壁である。
図3に示されるように、下流側壁64の内面は、ブロワケース12の外周壁12cの内面と滑らかに接続されている。下流側壁64の内面は、機体前後方向視で円弧形状である円弧部分64aを備えている。円弧部分64aは、円弧形状であるブロワケース12の外周壁12cの内面と滑らかに接続されている。本実施形態では、円弧部分64aと外周壁12cとが、一体の部材として構成されている。
【0047】
〔他の実施形態〕
〔1〕上記実施形態では、筒状部50が角筒状である例が説明された。筒状部50は、筒状であれば他の形状でもよく、例えば円筒形状でもよい。
【0048】
〔2〕上記実施形態では、拡大部60の下流側壁64が円弧部分64aを備えることにより、拡大部60の内部空間69の断面積が上方向に進むにつれて小さくなるように拡大部60が構成されている。円弧部分64aが設けられる壁部は下流側壁64でなくてもよい。例えば、円弧部分64aが左側の側壁、前壁、又は後壁に設けられてもよい。また、複数の壁部に、円弧部分64aが設けられてもよい。
【0049】
また、円弧形状に代えて他の形状の部分が拡大部60の側壁に設けられることにより、拡大部60の内部空間69の断面積が上方向に進むにつれて小さくなるように拡大部60が構成されてもよい。例えば、円弧形状以外の曲面形状や、上下方向に対して傾斜して延びる平面形状が用いられてもよい。
【0050】
〔3〕上記実施形態では、拡大部60の内部空間69が上方向に進むにつれて断面積が小さくなるように構成される例が説明された。拡大部60が、内部空間69の断面積が一定となるように構成されてもよい。すなわち筒状部50が、断面積の異なる複数の筒状の部位の組み合わせで構成されてもよい。
【0051】
〔4〕上記実施形態では、下流側壁64の内面がブロワケース12の外周壁12cの内面と滑らかに接続される例が説明された。下流側壁64の内面と、ブロワケース12の外周壁12cの内面との接続部位に、1つ以上の段差や稜線が存在してもよい。
【符号の説明】
【0052】
11 :オーガケース
12 :ブロワケース
12a :内部空間
12b :中心軸
12c :外周壁
12d :接続部
13 :オーガ
14 :ブロワ
15 :シュータ
15a :放出口
50 :筒状部
51 :上流側壁
52 :後壁
59 :内部空間
60 :拡大部
61 :内部空間
64 :下流側壁
64a :円弧部分
69 :内部空間