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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】管理機
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/02 20060101AFI20220708BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
A01B33/02 A
A01B69/00 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018244948
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020103129
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】森脇 稔仁
(72)【発明者】
【氏名】山中 貞雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 仁司
(72)【発明者】
【氏名】前田 伸治
(72)【発明者】
【氏名】平田 智也
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭48-050509(JP,U)
【文献】米国特許第05520253(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/02
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームに支持された駆動源と、
前記駆動源よりも下側に配置されると共に前記駆動源により駆動される耕耘装置と、
機体前部に設けられると共に接地可能であり、機体の進行方向をガイドするガイド装置と、を備え
前記ガイド装置は、前記ガイド装置の底面部が接地するそり型形状に形成されており、
前記ガイド装置の下部に、下方に突出すると共に機体前後方向に延びる板状の突出部が設けられている管理機。
【請求項2】
機体フレームに支持された駆動源と、
前記駆動源よりも下側に配置されると共に前記駆動源により駆動される耕耘装置と、
機体前部に設けられると共に接地可能であり、機体の進行方向をガイドするガイド装置と、を備え、
前記駆動源は、バッテリと、前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、を有しており、
前記モータは、前記耕耘装置の上方に配置されており、
前記バッテリは、前記耕耘装置に対して前側の位置に配置されている管理機。
【請求項3】
前記バッテリは、前上がりに傾斜した状態で配置されている請求項に記載の管理機。
【請求項4】
前記ガイド装置は、そり型形状に形成されている請求項2または3に記載の管理機。
【請求項5】
前記ガイド装置の下部に、下方に突出すると共に機体前後方向に延びる突出部が設けられている請求項2から4の何れか一項に記載の管理機。
【請求項6】
前記ガイド装置の下部に、前記突出部が複数設けられている請求項1または5に記載の管理機。
【請求項7】
前記ガイド装置は、舟型形状に形成されている請求項1または4に記載の管理機。
【請求項8】
前記ガイド装置は、回転可能なガイド輪である請求項2または3に記載の管理機。
【請求項9】
前記ガイド装置は、前記機体フレームに対して上下昇降可能に構成されている請求項1から8の何れか一項に記載の管理機。
【請求項10】
前記ガイド装置は、アーム部を介して前記機体フレームに連結されており、
前記アーム部は、前記機体フレームに対して相対揺動可能な状態で、前記機体フレームに支持されており、
前記ガイド装置は、前記アーム部に対して相対揺動可能な状態で、前記アーム部に支持されている請求項1からの何れか一項に記載の管理機。
【請求項11】
前記耕耘装置の後方に、接地可能な抵抗体が設けられている請求項1から10の何れか一項に記載の管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源、及び、駆動源により駆動される耕耘装置を備える管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような管理機として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この管理機(特許文献1では「歩行型作業機」)は、車輪と、耕耘装置(特許文献1では「ロータリ耕耘装置」)と、操縦ハンドルと、を備えている。
【0003】
この管理機によって耕耘作業を行う場合、作業者は、手で操縦ハンドルを保持しながら、管理機の進行に合わせて前進する必要がある。また、手で操縦ハンドルを保持することにより、作業者は、適切な方向へ管理機を進行させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-191871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の管理機によって耕耘作業を行う場合、管理機の進行方向を適切な方向に維持するように操縦ハンドルを保持し続けるためには、比較的多くの労力が必要となる。
【0006】
本発明の目的は、管理機の進行方向を適切な方向に維持するための労力が少なくなりやすい管理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の特徴は、機体フレームに支持された駆動源と、前記駆動源よりも下側に配置されると共に前記駆動源により駆動される耕耘装置と、機体前部に設けられると共に接地可能であり、機体の進行方向をガイドするガイド装置と、を備え、前記ガイド装置は、前記ガイド装置の底面部が接地するそり型形状に形成されており、前記ガイド装置の下部に、下方に突出すると共に機体前後方向に延びる板状の突出部が設けられていることにある。
【0008】
本発明であれば、ガイド装置によって機体の進行方向が適切な方向にガイドされる管理機を実現できる。これにより、管理機の進行方向を適切な方向に維持するための労力は少なくなりやすい。
【0009】
即ち、本発明であれば、管理機の進行方向を適切な方向に維持するための労力が少なくなりやすい管理機を実現できる。
また、本発明の別の特徴は、機体フレームに支持された駆動源と、前記駆動源よりも下側に配置されると共に前記駆動源により駆動される耕耘装置と、機体前部に設けられると共に接地可能であり、機体の進行方向をガイドするガイド装置と、を備え、前記駆動源は、バッテリと、前記バッテリから供給される電力により駆動するモータと、を有しており、前記モータは、前記耕耘装置の上方に配置されており、前記バッテリは、前記耕耘装置に対して前側の位置に配置されていることにある。
本発明であれば、バッテリ及びモータが何れも耕耘装置の上方に配置されている場合に比べて、バッテリの位置が低くなりやすい。これにより、機体の重心が比較的低くなりやすい。その結果、管理機の走行安定性が良好となる。
また、一般に、耕耘装置を備える管理機の機体は、地面から耕耘装置を介して反力を受ける。このとき、耕耘装置の回転方向が、機体を前進させる方向である場合、反力のモーメントは、機体の重心周りに、機体上部を後側へ回転させる方向に作用する。そして、機体の重心の位置が耕耘装置に対して前側であるほど、機体は回転しにくくなる。
ここで、本発明であれば、バッテリが耕耘装置に対して後側の位置に配置されている構成に比べて、機体の重心の位置がより前側となる。そのため、機体は回転しにくくなる。これにより、機体の姿勢が安定的となる。
【0010】
さらに、本発明において、前記ガイド装置は、前記機体フレームに対して上下昇降可能に構成されていると好適である。
【0011】
機体フレームに対するガイド装置の位置が固定されている構成では、機体フレームが地面に対して後側へ傾いた場合、ガイド装置が地面に接当しない状態となる事態が想定される。この場合、ガイド装置が機能しにくくなる。
【0012】
ここで、上記の構成によれば、地面に対する機体フレームの前後方向の傾斜角度が変化することに伴い、機体フレームに対してガイド装置が上下昇降することにより、ガイド装置が地面に接当した状態が維持される。従って、ガイド装置が地面に接当しない状態となる事態を回避しやすくなる。
【0013】
さらに、本発明において、前記ガイド装置の下部に、下方に突出すると共に機体前後方向に延びる突出部が設けられていると好適である。
【0014】
この構成によれば、突出部によって機体の直進安定性が向上する。
【0015】
さらに、本発明において、前記ガイド装置の下部に、前記突出部が複数設けられていると好適である。
【0016】
この構成によれば、突出部が一つのみ設けられている場合に比べて、機体の直進安定性が向上する。
【0017】
さらに、本発明において、前記ガイド装置は、アーム部を介して前記機体フレームに連結されており、前記アーム部は、前記機体フレームに対して相対揺動可能な状態で、前記機体フレームに支持されており、前記ガイド装置は、前記アーム部に対して相対揺動可能な状態で、前記アーム部に支持されていると好適である。
【0018】
この構成によれば、アーム部は、機体フレームに対して相対揺動可能な状態で機体フレームに支持されている。これにより、ガイド装置は、アーム部を介して、機体フレームに対して相対揺動可能な状態で機体フレームに支持されていることとなる。
【0019】
そのため、比較的簡素な構造により、ガイド装置が機体フレームに対して上下昇降可能である構成を実現することができる。
【0020】
しかも、上記の構成によれば、ガイド装置は、アーム部に対して相対揺動可能である。そのため、地面に対する機体フレームの前後方向の傾斜角度が変化した場合であっても、地面に対するガイド装置の揺動姿勢が、一定の姿勢に維持されやすくなる。
【0021】
従って、地面に対するガイド装置の揺動姿勢が好適な姿勢に維持されやすい構成を実現することができる。
【0022】
さらに、本発明において、前記ガイド装置は、そり型形状に形成されていると好適である。
【0023】
この構成によれば、ガイド装置が地面の凹凸をスムーズに乗り越えやすくなる。これにより、管理機の走行安定性が良好となる。
【0024】
さらに、本発明において、前記ガイド装置は、舟型形状に形成されていると好適である。
【0025】
この構成によれば、管理機が畝溝を走行する場合、ガイド装置が、畝溝の形状に沿う形状となりやすい。これにより、管理機が畝溝を走行する場合に、畝溝の延びる方向に沿って安定的に走行しやすくなる。
【0026】
さらに、本発明において、前記ガイド装置は、回転可能なガイド輪であると好適である。
【0027】
この構成によれば、ガイド装置が地面の凹凸をスムーズに乗り越えやすくなる。これにより、管理機の走行安定性が良好となる。
【0028】
しかも、この構成によれば、ガイド装置による抵抗が比較的小さくなる。従って、駆動源による走行のエネルギー効率が良好となる。
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
さらに、本発明において、前記バッテリは、前上がりに傾斜した状態で配置されていると好適である。
【0034】
バッテリの位置が、作業者の腰部よりも低い場合、バッテリの取り外し方向が斜め上方向であれば、バッテリの取り外し作業、及び、バッテリの取り付け作業が容易となる。
【0035】
ここで、上記の構成であれば、管理機においてバッテリが装着される部分の構造を、バッテリの取り外し方向が斜め前上方向となるように構成しやすくなる。これにより、バッテリの取り外し作業、及び、バッテリの取り付け作業が容易な管理機を実現できる。
【0036】
さらに、本発明において、前記耕耘装置の後方に、接地可能な抵抗体が設けられていると好適である。
【0037】
上述の通り、耕耘装置の回転方向が、機体を前進させる方向である場合、耕耘装置を介した反力のモーメントは、機体の重心周りに、機体上部を後側へ回転させる方向に作用する。
【0038】
ここで、上記の構成によれば、機体は、地面から抵抗体を介して反力を受ける。また、抵抗体を介した反力のモーメントは、機体の重心周りに、機体上部を前側へ回転させる方向に作用する。
【0039】
そして、耕耘装置を介した反力のモーメントと、抵抗体を介した反力のモーメントと、が相殺されることにより、機体の回転は抑制される。これにより、機体の姿勢が安定的となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】管理機の左側面図である。
図2】管理機の平面図である。
図3】管理機の一部破断正面図である。
図4】ガイド装置等の構成を示す縦断左側面図である。
図5】管理機の左側面図である。
図6】ガイド装置等の構成を示す正面図である。
図7】その他の実施形態(4)における管理機の平面図である。
図8】その他の実施形態(5)における管理機の左側面図である。
図9】その他の実施形態(6)における管理機の左側面図である。
図10】その他の実施形態(7)における管理機の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、図1図2図7に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、図2図3図6図7に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、図1図3図6に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0042】
〔管理機の全体構成〕
図1及び図2に示すように、管理機Aは、本体部1、ガイド装置2、アーム部3、抵抗体4を備えている。また、本体部1は、駆動源5、機体フレーム6、耕耘装置7、モータカバー10を有している。
【0043】
駆動源5は、バッテリ51及びモータ52を有している。バッテリ51は、前上がりに傾斜した状態で配置されている。また、モータ52は、バッテリ51から供給される電力により駆動する。
【0044】
図1に示すように、耕耘装置7は、駆動源5よりも下側に配置されている。そして、図3に示すように、耕耘装置7は、駆動軸71、左右の耕耘ロータ72、左右のガイド円盤73を有している。
【0045】
図1及び図3に示すように、駆動軸71は、左右方向に延びる状態で設けられている。また、左右のガイド円盤73は、駆動軸71の左端及び右端に固定されている。
【0046】
また、左右の耕耘ロータ72は、駆動軸71に固定されている。左の耕耘ロータ72は、左のガイド円盤73と、駆動軸71の左右方向中央部と、の間に設けられている。また右の耕耘ロータ72は、右のガイド円盤73と、駆動軸71の左右方向中央部と、の間に設けられている。
【0047】
図1及び図2に示すように、抵抗体4は、上下方向に延びる状態で設けられている。また、抵抗体4は、耕耘装置7の後方に設けられている。また、抵抗体4及び左右のガイド円盤73は、何れも接地可能である。
【0048】
また、機体フレーム6は、伝動ケース61、ロータカバー62、支持部材63を有している。
【0049】
伝動ケース61は、上下方向に延びている。また、伝動ケース61は、駆動源5を支持している。即ち、駆動源5は、機体フレーム6に支持されている。尚、図3に示すように、駆動軸71は、伝動ケース61の下部から左右に延びている。
【0050】
図1及び図2に示すように、ロータカバー62は、左右の耕耘ロータ72の上部を覆っている。
【0051】
また、支持部材63は、前後方向に延びている。支持部材63の前端部は、伝動ケース61に、ボルトにより固定されている。また、抵抗体4は、支持部材63の後端部に支持されている。
【0052】
モータ52は、耕耘装置7の上方に配置されている。また、モータカバー10は、箱状に形成されていると共に、耕耘装置7の上方に配置されている。そして、モータ52は、モータカバー10に囲まれた空間に配置されている。
【0053】
伝動ケース61には、動力伝達機構(図示せず)が収容されている。そして、モータ52からの動力は、この動力伝達機構を介して、駆動軸71に伝達される。これにより、駆動軸71は、機体左右方向に沿うロータ軸芯P周りに回転する。
【0054】
そして、これに伴い、左右の耕耘ロータ72及び左右のガイド円盤73は、ロータ軸芯P周りに、駆動軸71と一体回転する。即ち、耕耘装置7は、駆動源5により駆動される。尚、このときの回転方向は、図1における反時計周りである。
【0055】
このように、左右の耕耘ロータ72は、機体左右方向に沿うロータ軸芯P周りに回転するように構成されている。
【0056】
また、図1に示すように、バッテリ51は、ロータ軸芯Pよりも前側の位置に配置されている。ここで、前後方向におけるロータ軸芯Pの位置は、前後方向における耕耘装置7の中央位置である。従って、バッテリ51は、前後方向における耕耘装置7の中央位置よりも前側の位置に配置されている。
【0057】
即ち、バッテリ51は、耕耘装置7に対して前側の位置に配置されている。
【0058】
また、図1及び図2に示すように、耕耘装置7の後方には、左右のゴムマット8が設けられている。左右のゴムマット8の上端部は、ロータカバー62の後端部に固定されている。そして、左右のゴムマット8は、ロータカバー62の後端部から垂れ下がる状態で設けられている。
【0059】
〔ガイド装置に関する構成〕
図1及び図2に示すように、ガイド装置2は、機体前部に設けられると共に接地可能である。そして、ガイド装置2は、機体の進行方向をガイドする。これにより、ガイド装置2は、機体の進行方向を制御する。
【0060】
図3及び図4に示すように、ガイド装置2の内部は空洞である。また、図1から図4に示すように、ガイド装置2は、そり型形状に形成されている。より具体的には、ガイド装置2は、舟型形状に形成されている。
【0061】
また、ガイド装置2の下部には、突出部21が複数設けられている。尚、本実施形態においては、4つの突出部21が設けられている。4つの突出部21は、何れも、下方に突出している。また、4つの突出部21は、何れも、機体前後方向に延びている。
【0062】
詳述すると、ガイド装置2の下部における左右両端部には、左右の第1突出部21aが設けられている。左右の第1突出部21aは、板状の部材である。そして、左右の第1突出部21aは、下方に突出している。また、左右の第1突出部21aは、機体前後方向に延びている。
【0063】
また、ガイド装置2の底部において、左右の第1突出部21aの間に、左右の第2突出部21bが設けられている。図3に示すように、左右の第2突出部21bは、L字状断面を有する部材である。そして、左右の第2突出部21bは、下方に突出している。また、左右の第2突出部21bは、機体前後方向に延びている。
【0064】
そして、左右の第1突出部21a、及び、左右の第2突出部21bは、何れも突出部21である。
【0065】
また、図1図3図4に示すように、ガイド装置2は、アーム部3を介して機体フレーム6における伝動ケース61に連結されている。即ち、ガイド装置2は、アーム部3を介して本体部1に連結されている。
【0066】
詳述すると、アーム部3の後端部は、機体左右方向に沿う第1揺動軸芯Q1周りに相対揺動可能な状態で、伝動ケース61の前端部に支持されている。この構成により、アーム部3は、機体フレーム6に対して相対揺動可能である。即ち、アーム部3は、本体部1に対して相対揺動可能である。尚、第1揺動軸芯Q1は、伝動ケース61の前端部を通っている。
【0067】
このように、アーム部3は、機体フレーム6に対して相対揺動可能な状態で、機体フレーム6に支持されている。また、アーム部3は、本体部1に対して相対揺動可能な状態で、本体部1に支持されている。
【0068】
また、図3及び図4に示すように、ガイド装置2の内部空間には、左右の支持ステー22が立設されている。そして、アーム部3の前端部は、機体左右方向に沿う第2揺動軸芯Q2周りに相対揺動可能な状態で、左右の支持ステー22に連結されている。尚、第2揺動軸芯Q2は、左右の支持ステー22を通っている。
【0069】
この構成により、ガイド装置2は、アーム部3に対して相対揺動可能な状態で、アーム部3に支持されている。
【0070】
そして、以上で説明した構成により、図5に示すように、ガイド装置2は、機体フレーム6に対して上下昇降可能に構成されている。即ち、ガイド装置2は、本体部1に対して上下昇降可能に構成されている。
【0071】
尚、図5においては、図1におけるガイド装置2、アーム部3、抵抗体4の位置が、仮想線により示されている。図5に実線で示す状態では、図1に示す状態に比べて、支持部材63に対する抵抗体4の位置が下げられている。これにより、図5に実線で示す状態では、図1に示す状態に比べて、本体部1が前傾している。
【0072】
これに伴い、アーム部3は、本体部1に対して、第1揺動軸芯Q1を中心に、図5における時計周りに揺動している。また、ガイド装置2は、アーム部3に対して、第2揺動軸芯Q2を中心に、図5における反時計周りに揺動している。
【0073】
ここで、管理機Aは、ガイド装置2及び突出部21によって、安定的に直進することができる。そのため、管理機Aは、作業者が保持することなく走行することができる。即ち、管理機Aは、圃場において自動で作業走行可能である。
【0074】
例えば、管理機Aは、畝溝を走行し、中耕培土作業を行うことができる。ここで、上述の通り、ガイド装置2の形状は舟型である。そして、この舟型の形状は、図6に示すように、畝溝の形状に沿っている。これにより、管理機Aが畝溝を走行する場合に、畝溝の延びる方向に沿って安定的に走行しやすくなる。尚、図6においては、畝及び畝溝の形状が仮想線で示されている。
【0075】
また、管理機Aは、図6に示すように、各突出部21の一部または全体が土壌中に入り込んだ状態で、耕耘走行を行うことができる。しかしながら、土壌が比較的固い場合には、図1に示すように、各突出部21の全体が地面よりも上側に位置した状態となることもある。
【0076】
〔バッテリ装着部の構成〕
図1及び図4に示すように、本体部1は、バッテリ装着部11を有している。バッテリ装着部11は、バッテリ51を斜め前上方から受け入れるように構成されている。また、バッテリ装着部11は、バッテリ51の取り外し方向が斜め前上方向となるように構成されている。
【0077】
また、バッテリ装着部11は、接続端子11aを有している。接続端子11aは、バッテリ装着部11の内部空間において、斜め前上方に突出している。
【0078】
バッテリ51がバッテリ装着部11に装着される際、バッテリ51は、斜め前上方から接続端子11aに接続する。そして、バッテリ51から供給される電力は、接続端子11aを介して、モータ52へ送られる。
【0079】
〔操作部の構成〕
図1及び図2に示すように、モータカバー10の上面部には、操作部12が設けられている。操作部12は、電源スイッチ13、停止ボタン14、速度変更レバー15を有している。
【0080】
電源スイッチ13は、オン位置とオフ位置との間で位置切替が可能なトグルスイッチである。電源スイッチ13がオフ位置である場合、モータ52は駆動しない。
【0081】
停止ボタン14は、押し操作と回転操作とが可能であるように構成されている。停止ボタン14は、停止位置と非停止位置との間で位置切替が可能である。
【0082】
詳述すると、停止ボタン14は、回転操作により、停止位置から非停止位置へ位置切替が可能である。また、停止ボタン14は、押し操作により、非停止位置から停止位置へ位置切替が可能である。
【0083】
停止ボタン14が停止位置である場合、モータ52は駆動しない。
【0084】
速度変更レバー15は、前後方向に揺動操作されることにより、モータ52の回転速度が変化するように構成されている。尚、電源スイッチ13がオフ位置である場合、速度変更レバー15を揺動操作しても、モータ52は駆動しない。また、停止ボタン14が停止位置である場合、速度変更レバー15を揺動操作しても、モータ52は駆動しない。
【0085】
管理機Aにより作業を行う場合、作業者は、電源スイッチ13をオン位置に切り替えると共に、停止ボタン14を非停止位置に切り替える。そして、速度変更レバー15を揺動操作すると、管理機Aは、自動での作業走行を開始する。
【0086】
管理機Aが作業走行をしているとき、作業者が停止ボタン14を押し操作すると、停止ボタン14は、非停止位置から停止位置に切り替わる。これにより、モータ52は駆動停止する。その結果、管理機Aは走行を停止する。
【0087】
以上で説明した構成によれば、ガイド装置2によって機体の進行方向が適切な方向にガイドされる管理機Aを実現できる。これにより、管理機Aの進行方向を適切な方向に維持するための労力は少なくなりやすい。
【0088】
即ち、以上で説明した構成であれば、管理機Aの進行方向を適切な方向に維持するための労力が少なくなりやすい管理機Aを実現できる。
【0089】
尚、以上に記載した実施形態は一例に過ぎないのであり、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0090】
〔その他の実施形態〕
(1)バッテリ51及びモータ52に代えて、エンジンが設けられていても良い。この場合、エンジンは、本発明に係る「駆動源」に相当する。
【0091】
(2)突出部21の個数は、1つ以上のいかなる個数であっても良い。
【0092】
(3)作業者が保持することのできるハンドルが備えられていても良い。
【0093】
(4)図7に示すように、機体左右方向に並ぶ複数の抵抗体4が設けられていても良い。
【0094】
(5)図8に示すような形状のガイド装置2Aが設けられていても良い。ガイド装置2Aの形状は、そり型形状であって、舟型形状ではない。また、ガイド装置2Aは、第1板状部23A及び第2板状部24Aを有している。第1板状部23Aは前後方向に延びている。また、第2板状部24Aは、第1板状部23Aの前端部から、斜め前上方へ延びている。
【0095】
(6)図9に示すような形状のガイド装置2Bが設けられていても良い。ガイド装置2Bの形状は、そり型形状であって、舟型形状ではない。また、ガイド装置2Bは、第3板状部23B及び第4板状部24Bを有している。第3板状部23Bは前後方向に延びている。また、第4板状部24Bは、湾曲しており、第3板状部23Bの前端部から上方へカーブするように延びている。
【0096】
(7)図10に示すような形状のガイド装置2Cが設けられていても良い。ガイド装置2Cは、機体左右方向に沿う回転軸芯Q3周りに回転可能なガイド輪である。
【0097】
(8)左の耕耘ロータ72の回転速度と、右の耕耘ロータ72の回転速度と、を独立して制御する制御装置が備えられていても良い。この場合、制御装置は、左の耕耘ロータ72と、右の耕耘ロータ72と、の間の回転速度差を変更することにより、機体の進行方向を制御するように構成されていても良い。
【0098】
(9)上記実施形態においては、ガイド装置2は一つのみ設けられている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、複数のガイド装置2が設けられていても良い。さらに、複数のガイド装置2が、機体左右方向に並ぶ状態で設けられていても良い。
【0099】
(10)アーム部3は設けられていなくても良い。この場合、ガイド装置2は、機体フレーム6に直接的に連結されていても良い。即ち、ガイド装置2は、本体部1に直接的に連結されていても良い。
【0100】
(11)アーム部3は、機体フレーム6に対して相対揺動不能な状態で設けられていても良い。即ち、アーム部3は、本体部1に対して相対揺動不能な状態で設けられていても良い。
【0101】
(12)ガイド装置2は、アーム部3に対して相対揺動不能な状態で設けられていても良い。
【0102】
(13)ガイド装置2は、機体フレーム6に対して上下昇降不能に構成されていても良い。即ち、ガイド装置2は、本体部1に対して上下昇降不能に構成されていても良い。
【0103】
(14)突出部21は設けられていなくても良い。
【0104】
(15)バッテリ51は、前上がりに傾斜した状態でなくても良い。例えば、バッテリ51は、水平姿勢で配置されていても良いし、垂直に立ち上がった姿勢で配置されていても良い。
【0105】
(16)モータ52は、耕耘装置7の上方以外の位置に配置されていても良い。例えば、モータ52は、耕耘装置7の前方または後方に配置されていても良い。
【0106】
(17)バッテリ51は、耕耘装置7に対して後側の位置に配置されていても良い。
【0107】
(18)左右の車輪を備えると共に、左右の耕耘ロータ72に代えて左右のロータリー耕耘装置を備え、モータ52からの動力が、左右のロータリー耕耘装置に伝達されるように構成されていても良い。
【0108】
(19)操作部12は設けられていなくても良い。この場合、例えば、管理機Aと無線通信可能な通信端末によって管理機Aが操作されるように構成されていても良い。
【0109】
(20)管理機Aは、自動での作業走行ができないように構成されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、駆動源、及び、駆動源により駆動される耕耘装置を備える管理機に利用可能である。
【符号の説明】
【0111】
2、2A、2B、2C ガイド装置
3 アーム部
4 抵抗体
5 駆動源
6 機体フレーム
7 耕耘装置
21 突出部
51 バッテリ
52 モータ
A 管理機
図1
図2
図3
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図9
図10