IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョイソン セイフティ システムズ アクイジション エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】フードリフティングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/38 20110101AFI20220708BHJP
【FI】
B60R21/38 340
B60R21/38 321
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2019515639
(86)(22)【出願日】2017-09-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 US2017052862
(87)【国際公開番号】W WO2018057833
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-10
(31)【優先権主張番号】62/398,275
(32)【優先日】2016-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518287353
【氏名又は名称】ジョイソン セイフティ システムズ アクイジション エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘンク ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルモット ラリー
(72)【発明者】
【氏名】プラサード サチダナンド
(72)【発明者】
【氏名】ジャッカムゼッティ パリード クマール
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06415882(US,B1)
【文献】特開2005-254833(JP,A)
【文献】特開2016-011079(JP,A)
【文献】米国特許第05742988(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面及び、前記第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有する第1のプレートであって、前記第1のプレートが少なくとも1つの鍵穴状のスロットを規定し、前記鍵穴状のスロットが、円形状の開口及び、前記円形状の開口から前記第1のプレートに平行な軸に沿って延びる細長いスロットを備え、前記細長いスロットが、前記円形状の開口に隣接する近位端、及び、前記軸に沿って前記円形状の開口から離間した遠位端を有する、前記第1のプレートと、
第2のプレートであって、第1の表面及び、前記第2のプレートの前記第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有する、前記第2のプレートと、
前記第2のプレートの前記第1の表面及び前記第2の表面に垂直な軸に沿って前記第2のプレートを通って延びる少なくとも1つのピンであって、前記ピンが、ヘッド、停止面、及び、前記ヘッドと前記停止面との間に延びる本体を備え、前記ピンの前記ヘッドが、前記円形状の開口の直径より小であり、かつ、前記細長いスロットの幅より大である直径を有する、前記少なくとも1つのピンと、
前記停止面と前記第2のプレートの前記第2の表面との間に配置されたバネであって、前記バネが、前記ヘッドを前記第1のプレートの前記第1の表面に向けて付勢する、前記バネと、を備え、
前記ピンが、前記第2のプレートの前記第1の表面が前記第1のプレートの前記第2の表面に面するとともに、前記第1のプレートの前記第2の表面に対してスライド可能に移動可能であり、また、前記第1のプレートが、前記ヘッドと前記第2のプレートとの間に配置されるように、前記第1のプレートと前記第2のプレートとをスライド可能に結合しており、
前記第2のプレートが、前記第1のプレートに対し、最初の位置から展開された位置に、及び、前記展開された位置からリセット位置に、スライド可能であり、前記ピンの前記ヘッドが、前記円形状の開口から離間しており、前記ピンの前記本体が、前記最初の位置において前記細長いスロットの近位端に隣接して前記鍵穴状のスロットを通して配置されており、前記ピンの前記本体が、前記展開された位置において前記細長いスロットの前記遠位端に隣接しており、前記ピンの前記ヘッドが、前記リセット位置の前記円形状の開口内に配置されている、フードリフティングアセンブリ。
【請求項2】
前記ピンの前記軸が、前記最初の位置において前記円形状の開口の中心から離間しており、それにより、前記ヘッドが前記バネにより、前記細長いスロットの少なくとも一部に隣接して前記第1のプレートの前記第1の表面に対して付勢され、また、前記リセット位置において、前記ピンの前記軸が、前記円形状の開口の前記中心と整列され、それにより、前記ヘッドが前記バネによって前記円形状の開口内に付勢される、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項3】
破損可能な環状スペーサをさらに備え、前記最初の位置において、前記環状スペーサが、前記ピンの前記本体周り、かつ、前記円形状の開口内の前記ヘッドと前記第2のプレートの前記第1の表面との間に配置されており、前記環状スペーサが、前記最初の位置において前記円形状の開口から前記ヘッドを離間させるように、前記第1のプレートの前記第1の表面と前記第2の表面との間で測定して、前記第1のプレートの厚さ以上の厚さを有しており、前記環状スペーサが、前記ピンが前記最初の位置から前記展開された位置に移動する際に破損する、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項4】
前記破損可能な、環状スペーサが、弱化部分を規定する、請求項3に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項5】
U形状の開口を規定するスペーサをさらに備え、前記最初の位置において、前記U形状の開口が、前記円形状の開口及び前記細長いスロットと整列しており、前記ピンの前記本体が、前記U形状の開口を通して延びており、前記スペーサが、少なくとも部分的に、前記ピンの前記ヘッドと前記第1のプレートの前記第1の表面との間に配置されている、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項6】
前記スペーサが、前記最初の位置において前記バネの付勢力により、前記ヘッドと、前記第1のプレートの前記第1の表面との間に保持されている、請求項5に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項7】
前記スペーサが、第1の表面と、前記スペーサの前記第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面と、前記U形状の開口内に規定されたシートと、第1のU形状の内壁と、第2のU形状の内壁とを備え、
前記シートの少なくとも一部分が、前記第1の表面と前記第2の表面との間にあるとともに、前記第1の表面及び前記第2の表面から離間した平面内に置かれており、
前記第1のU形状の内壁が、前記シートと前記第1の表面との間に延びており、
前記第2のU形状の内壁が、前記シートと前記第2の表面との間に延びており、
前記第2のU形状の内壁の対向する面間の幅が、前記第1のU形状の内壁の対向する面間の幅、及び、前記ピンの前記ヘッドの直径より小であり、
前記第1のU形状の内壁の対向する面間の前記幅が、前記ヘッドの前記直径より大であり、
前記スペーサの前記第2の表面が、前記第1のプレートの前記第1の表面に隣接して配置され、
前記ヘッドが、前記最初の位置にある前記シートの少なくとも一部分と係合している、請求項5に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項8】
前記スペーサが、前記スペーサの前記第2の表面から、前記スペーサの前記第1の表面から離れる方向に延びるタブをさらに備え、前記タブが、前記最初の位置において、前記第1のプレートの下側表面と係合している、請求項7に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項9】
前記スペーサが、前記U形状の開口を規定する、弾性的に変形可能なアームを備え、前記スペーサが、前記第1のプレートに結合しており、前記弾性的に変形可能なアームが、前記ヘッドが前記円形状の開口と係合することを可能にするように、前記展開された位置から前記リセット位置への移動の間、前記ヘッドにより、前記円形状の開口から離れるように付勢されている、請求項5に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項10】
前記スペーサが、前記スペーサと、前記第1のプレートの前記第1の表面との間に延びるタブを介して、前記第1のプレートと結合しており、前記タブが、前記第1のプレートの前記第1の表面から離れるように、前記ヘッドの厚さより大の距離だけ延びており、それにより、前記ヘッドが、前記スペーサと前記第1のプレートとの間を、前記展開された位置から前記リセット位置にスライド可能であるようになっており、前記ヘッドが前記リセット位置において前記円形状の開口内に配置されることを可能にする、請求項5に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項11】
前記タブと前記スペーサとが、前記第1のプレートと一体に形成されている、請求項10に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項12】
2つの弾性的に変形可能なアームであって、各アームが、前記第1のプレートの前記第1の表面に結合された第1の端部と、第2の端部とを有し、前記第2の端部が、互いに離間するとともに、前記円形状の開口の、対向する側部に隣接して配置されている、前記2つの弾性的に変形可能なアームをさらに備え、前記最初の位置において、前記ピンの前記本体が、前記アームの前記第2の端部間を前記鍵穴状のスロットを通って延び、前記アームの前記第2の端部が、前記ヘッドと前記第1のプレートとの間に配置され、前記リセット位置において、前記弾性的に変形可能なアームの前記第2の端部が、前記ヘッドにより、前記円形状の開口から離れるように付勢され、前記ヘッドが前記円形状の開口と係合することを可能にする、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項13】
前記細長いスロットが、少なくとも1つの幅が狭められた部分を備え、前記幅が狭められた部分が、前記ピンをよりゆっくりと、前記幅が狭められた部分を通して移動させる、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項14】
前記幅が狭められた部分が、前記最初の位置において第1の幅を有し、前記幅が狭められた部分に隣接する前記細長いスロットが、前記第1の幅より大である第2の幅を有し、前記ピンが、前記第2の幅より小であるが、前記第1の幅より大である直径を有し、前記幅が狭められた部分を通る前記ピンの移動により、前記幅が狭められた部分の少なくとも1つの壁が外側に拡張する、請求項13に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項15】
前記第1のプレートが、前記幅が狭められた部分に隣接する少なくとも1つの拡張開口を規定し、前記第1のプレートの拡張部分が、前記拡張開口と、前記細長いスロットの前記幅が狭められた部分との間に規定され、前記拡張部分が、前記ピンの前記幅が狭められた部分を通る移動に応じて、前記ピンにより、前記拡張開口に向かって付勢される、請求項14に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項16】
前記細長いスロットが第1の細長いスロットであり、前記ピンが第1のピンであり、前記フードリフティングアセンブリが、
前記第1のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びる第1のサイドプレートと、
前記第2のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びる第2のサイドプレートと、
ある直径を有する第2のピンと、をさらに備え、
前記第1のサイドプレートまたは前記第2のサイドプレートとの一方が、前記第1の細長いスロットの前記軸に平行な軸を有する第2の細長いスロットを規定し、前記第2のピンが、前記第2のサイドプレートまたは前記第1のサイドプレートの他方、及び、前記第2の細長いスロットを通って延び、
前記第2の細長いスロットが、幅が狭められた部分を規定し、前記幅が狭められた部分が、前記最初の位置において第1の幅を有し、前記幅が狭められた部分に隣接する前記第2の細長いスロットが、前記第1の幅より大である第2の幅を有し、
前記第2のピンの前記直径が、前記第2の幅より小であるが、前記第1の幅より大であり、前記幅が狭められた部分を通る前記第2のピンの移動により、前記幅が狭められた部分の少なくとも1つの壁が外側に拡張する、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項17】
前記第2の細長いスロットを規定する前記サイドプレートが、前記第2の細長いスロットの前記幅が狭められた部分に隣接する少なくとも1つの拡張開口を規定し、前記サイドプレートの拡張部分が、前記拡張開口と、前記第2の細長いスロットの前記幅が狭められた部分との間に規定され、前記拡張部分が、前記第2のピンの前記幅が狭められた部分を通る移動に応じて、前記第2のピンにより、前記拡張開口に向かって付勢される、請求項16に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項18】
前記細長いスロットが第1の細長いスロットであり、前記フードリフティングアセンブリが、
前記第1のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びる第1のサイドプレートと、
前記第2のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びる第2のサイドプレートと、
せん断ピンと、をさらに備え、
前記第1のサイドプレートまたは前記第2のサイドプレートとの一方が、前記第1の細長いスロットの前記軸に平行な軸を有する第2の細長いスロットを規定し、前記せん断ピンが、前記第2のサイドプレートまたは前記第1のサイドプレートの他方、及び、前記第2の細長いスロットを通って延び、
前記せん断ピンが、前記最初の位置において前記第2の細長いスロットの遠位端に隣接して配置され、前記第2のプレートの、前記最初の位置から前記展開された位置への移動の間、前記第2の細長いスロットの近位端に隣接して配置され、
前記せん断ピンが、前記第2の細長いスロットの前記近位端に達した後に破損し、前記第2のプレートが前記展開された位置への移動を続けることを可能にする、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項19】
係合プレートが前記第2のプレートに結合されており、前記係合プレートが、前記第2のプレートに対して0度より大の角度の平面に置かれており、前記係合プレートが、線形アクチュエータに隣接して配置されている、請求項1に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項20】
車両のフードラッチが、前記第2のプレートに結合しており、前記第1のプレートが、車両フレームにしっかりと結合されている、請求項19に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項21】
前記線形アクチュエータが、シリンダ内をスライド可能に移動可能であるピストンアセンブリを備え、前記ピストンアセンブリが、前記第1のプレートから離れるように前記係合プレートを押して、前記第2のプレートを前記最初の位置から前記展開された位置に移動させる、請求項19に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項22】
前記線形アクチュエータが、ガスジェネレータと流体連通しており、前記ガスジェネレータが、前記シリンダに加圧ガスを提供して、前記ピストンアセンブリを前記シリンダ内で移動させる、請求項21に記載のフードリフティングアセンブリ。
【請求項23】
第1の表面及び、前記第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有する第1のプレートであって、前記第1のプレートが、少なくとも1つの鍵穴状のスロットを規定し、前記鍵穴状のスロットが、円形状の開口及び前円形状の開口から前記第1のプレートに平行な軸に沿って延びる細長いスロットを備え、前記細長いスロットが、前記円形状の開口に隣接する近位端、前記近位端から離間した遠位端、及び、前記近位端と前記遠位端との間に延びる前記軸を有し、前記細長いスロットが、幅が狭められた部分を規定し、前記幅が狭められた部分が、最初の位置において第1の幅を有し、前記幅が狭められた部分に隣接する前記細長いスロットが、前記第1の幅より大である第2の幅を有する、前記第1のプレートと、
第2のプレートであって、第1の表面及び、前記第2のプレートの前記第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有する、前記第2のプレートと、
前記第2のプレートの前記第1の表面及び前記第2の表面に垂直な軸に沿って前記第2のプレートを通って延びる少なくとも1つのピンであって、前記ピンが、ヘッドを含む第1の端部、第2の端部、及び、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる本体を備え、前記ピンの前記第1の端部及び前記第2の端部が、前記第2の幅より大である直径を有し、前記ピンの前記本体が、前記第2の幅より小であるとともに、前記第1の幅より大である直径を有する、前記少なくとも1つのピンと、を備え、
前記ピンが、前記第2のプレートの前記第1の表面が前記第1のプレートの前記第2の表面に面するとともに、前記第1のプレートの前記第2の表面に対してスライド可能に移動可能であるように、前記第1のプレートと前記第2のプレートとをスライド可能に結合しており、
前記第2のプレートが、前記第1のプレートに対し、最初の位置から展開された位置に、及び、前記展開された位置からリセット位置に、スライド可能であり、前記ピンの前記ヘッドが、前記円形状の開口から離間しており、前記ピンの前記本体が、前記最初の位置において前記細長いスロットの近位端に隣接して前記鍵穴状のスロットを通して配置されており、前記ピンの前記本体が、前記展開された位置において前記細長いスロットの前記遠位端に隣接しており、前記ピンの前記ヘッドが、前記リセット位置の前記円形状の開口内に配置されており、
前記第1のプレートまたは前記第2のプレートの、互いに対する移動により、前記ピンを、前記幅が狭められた部分を通して移動させ、前記幅が狭められた部分の少なくとも1つの壁を外側に拡張させる、フードリフティングアセンブリ。
【請求項24】
前記第1のプレートが、前記細長いスロットの前記幅が狭められた部分に隣接する少なくとも1つの拡張開口をさらに規定し、前記第1のプレートの拡張部分が、前記拡張開口と、前記細長いスロットの前記幅が狭められた部分との間に規定され、前記拡張部分が、前記ピンの前記幅が狭められた部分を通る移動に応じて、前記ピンにより、前記拡張開口に向かって付勢される、請求項23に記載のフードリフティングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年9月22日に出願された、「Hood Lifting Assembly」と題する米国仮出願第62/398,275号の利益を主張する。この仮出願の開示は、参照することにより、その全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
車両にぶつかった歩行者の傷害を低減するために、車両には、フードの前方を車両のフレームから離すように持ち上げる、フロントフードリフティングアセンブリを含むものがある。フードリフティングアセンブリは、通常、2つのスライド可能なプレートと、プレートの一方を、他方のプレートに対して上方に押し上げるフードリフティングアクチュエータとを含んでいる。可動プレートは、フードラッチアセンブリの一部に結合され、フードリフティングアクチュエータの動きをフードラッチアセンブリに伝達し、フードの前方を上方に移動させる。しかし、車両のさらなる動作のために、下げられた位置でプレートをリセットして、車両が運転されているか、修理またはサービスのために牽引されている際に、フードが開いていないことを確実にする必要がある場合がある。現在のリセット機構は複雑である。たとえば、米国特許出願公開第2013/0087401号には、リセット機構が記載されている。
【0003】
さらに、いくつかの車両の製造業者は、可動プレートがフードリフティングアクチュエータによって上方に移動する速度を制御することを望んでいる。通常は、このことは、減速するか、フードリフティングアクチュエータのエネルギのいくらかを吸収するように、フードリフティングデバイス上に余分な金属部品をリベット留めすることによって行われる。金属部品は、動作が急に停止した際の衝撃を低減するように、移動の終了時に変形する。また、金属部品は、デバイスが吸収する必要があるエネルギ量に応じて、鋼またはアルミニウムとすることができる。しかし、これら部品は、フードリフティングアセンブリのコスト及び製造時間を増大させる。
【0004】
したがって、向上したフードリフティングアセンブリが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
様々な実施態様には、第1のプレート、第2のプレート、少なくとも1つのピン、及びバネを備えたフードリフティングアセンブリが含まれる。第1のプレートは、第1の表面及び、この第1の表面とは反対側であるとともに離間している第2の表面を有している。第1のプレートは、少なくとも1つの鍵穴状のスロットを規定し、鍵穴状のスロットが、鍵穴状の開口及び、鍵穴状の開口から軸に沿って延びる細長いスロットを備えている。細長いスロットは、鍵穴状の開口に隣接する近位端、及び、軸に沿って鍵穴状の開口から離間した遠位端を有している。第2のプレートは、第1の表面及び、第2のプレートの第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有している。少なくとも1つのピンが、第2のプレートの第1の表面及び第2の表面に垂直な軸に沿って第2のプレートを通って延びている。ピンは、ヘッド、停止面、及び、ヘッドと停止面との間に延びる本体を備えている。ピンのヘッドは、鍵穴状の開口の直径より小であり、かつ、細長いスロットの幅より大である直径を有している。バネは、停止面と第2のプレートの第2の表面との間に配置され、ヘッドを第2のプレートの第1の表面に向けて付勢している。ピンは、第2のプレートの第1の表面が第1のプレートの第2の表面に面するとともに、第1のプレートの第2の表面に対してスライド可能に移動可能であり、また、第1のプレートが、ヘッドと第2のプレートとの間に配置されるように、第1のプレートと第2のプレートとをスライド可能に結合している。第2のプレートは、第1のプレートに対し、最初の位置から展開された位置に、及び、展開された位置からリセット位置に、スライド可能であり、ピンのヘッドが、鍵穴状の開口から離間しており、ピンの本体が、最初の位置において細長いスロットの近位端に隣接して鍵穴状のスロットを通して配置されており、ピンの本体が、展開された位置において細長いスロットの遠位端に隣接しており、ピンのヘッドが、リセット位置の鍵穴状の開口内に配置されている。
【0006】
いくつかの実施態様では、ピンの軸が、最初の位置において鍵穴状の開口の中心から離間しており、それにより、ヘッドがバネにより、細長いスロットの少なくとも一部に隣接して第1のプレートの第1の表面に対して付勢されている。また、リセット位置において、ピンの軸が、鍵穴状の開口の中心と整列され、それにより、ヘッドがバネによって鍵穴状の開口内に付勢されている。
【0007】
いくつかの実施態様では、フードリフティングアセンブリは、破損可能な環状スペーサをさらに備え、最初の位置において、環状スペーサが、ピンの本体周り、かつ、鍵穴状の開口内のヘッドと第2のプレートの第1の表面との間に配置されている。環状スペーサは、最初の位置において鍵穴状の開口からヘッドを離間させるように、第1のプレートの第1の表面と第2の表面との間で測定して、第1のプレートの厚さ以上の厚さを有しており、環状スペーサが、ピンが最初の位置から展開された位置に移動する際に破損する。いくつかの実施態様では、破損可能な、環状スペーサは、弱化部分を規定している。
【0008】
他の実施態様では、フードリフティングアセンブリは、破損可能な部分的に円形スペーサをさらに備え、最初の位置において、部分的に円形スペーサが、ピンの本体の一部の周り、かつ、鍵穴状の開口内のヘッドと第2のプレートの第1の表面との間に配置されている。部分的に円形スペーサは、最初の位置において鍵穴状の開口からヘッドを離間させるように、第1のプレートの第1の表面と第2の表面との間で測定して、第1のプレートの厚さ以上の厚さを有しており、部分的に円形スペーサが、ピンが最初の位置から展開された位置に移動する際に鍵穴状の開口から外に移動する。
【0009】
他の実施態様では、フードリフティングアセンブリは、U形状の開口を規定するスペーサをさらに備え、最初の位置において、U形状の開口が、鍵穴状の開口及び細長いスロットと整列しており、ピンの本体が、U形状の開口を通して延びており、スペーサが、少なくとも部分的に、ピンのヘッドと第1のプレートの第1の表面との間に配置されている。いくつかの実施態様では、U形状のスペーサが、最初の位置においてバネの付勢力により、ヘッドと、第1のプレートの第1の表面との間に保持されている。
【0010】
いくつかの実施態様では、スペーサは、第1の表面と、スペーサの第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面と、U形状の開口内に規定されたシートと、第1のU形状の内壁と、第2のU形状の内壁とを備え、シートの少なくとも一部分が、第1の表面と第2の表面との間にあるとともに、第1の表面及び第2の表面から離間した平面内に置かれており、第1のU形状の内壁が、シートと第1の表面との間に延びており、第2のU形状の内壁が、シートと第2の表面との間に延びており、第2のU形状の内壁の対向する面間の幅が、第1のU形状の内壁の対向する面間の幅、及び、ピンのヘッドの直径より小であり、第1のU形状の壁の対向する面間の幅が、ヘッドの直径より大であり、スペーサの第2の表面が、第1のプレートの第1の表面に隣接して配置され、ヘッドが、最初の位置においてシートの少なくとも一部分と係合している。いくつかの実施態様では、スペーサは、スペーサの第2の表面から、スペーサの第1の表面から離れる方向に延びるタブをさらに備えている。タブは、最初の位置において、第1のプレートの下側表面と係合している。
【0011】
いくつかの実施態様では、スペーサは、U形状の開口を規定する、弾性的に変形可能なアームを備え、スペーサが、第1のプレートに結合している。弾性的に変形可能なアームは、ヘッドが鍵穴状の開口と係合することを可能にするように、展開された位置からリセット位置への移動の間、ヘッドにより、鍵穴状の開口から離れるように付勢されている。
【0012】
いくつかの実施態様では、スペーサは、スペーサと、第1のプレートの第1の表面との間に延びるタブを介して、第1のプレートと結合している。タブは、第1のプレートの第1の表面から離れるように、ヘッドの厚さより大の距離だけ延びており、それにより、ヘッドが、スペーサと第1のプレートとの間を、展開された位置からリセット位置にスライド可能であるようになっており、ヘッドがリセット位置において鍵穴状の開口内に配置されることを可能にする。いくつかの実施態様では、タブとスペーサとが、第1のプレートと一体に形成されている。
【0013】
いくつかの実施態様では、フードリフティングアセンブリは、2つの弾性的に変形可能なアームをさらに備えている。各アームは、第1のプレートの第1の表面に結合された第1の端部と、第2の端部とを有している。第2の端部は、互いに離間するとともに、鍵穴状の開口の、対向する側部に隣接して配置されており、最初の位置において、ピンの本体が、アームの第2の端部間を鍵穴状のスロットを通って延び、アームの第2の端部が、ヘッドと第1のプレートとの間に配置され、リセット位置において、弾性的に変形可能なアームの第2の端部が、ヘッドにより、鍵穴状の開口から離れるように付勢され、ヘッドが鍵穴状の開口と係合することを可能にする。
【0014】
いくつかの実施態様では、細長いスロットは、少なくとも1つの幅が狭められた部分を備え、この幅が狭められた部分が、ピンをよりゆっくりと、幅が狭められた部分を通して移動させる。いくつかの実施態様では、幅が狭められた部分は、最初の位置において第1の幅を有し、幅が狭められた部分に隣接する細長いスロットが、第1の幅より大である第2の幅を有し、ピンが、第2の幅より小であるが、第1の幅より大である直径を有し、幅が狭められた部分を通るピンの移動により、幅が狭められた部分の少なくとも1つの壁が外側に拡張する。いくつかの実施態様では、第1のプレートが、幅が狭められた部分に隣接する少なくとも1つの拡張開口を規定し、第1のプレートの拡張部分が、拡張開口と、細長いスロットの幅が狭められた部分との間に規定され、拡張部分が、ピンの幅が狭められた部分を通る移動に応じて、ピンにより、拡張開口に向かって付勢されている。
【0015】
いくつかの実施態様では、細長いスロットが第1の細長いスロットであり、ピンが第1のピンである、フードリフティングアセンブリが、第1のサイドプレート、第2のサイドプレート、及び第2のピンをさらに備えている。第1のサイドプレートは、第1のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びている。第2のサイドプレートは、第2のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びている。また、第2のピンは、ある直径を有している。第1のサイドプレートまたは第2のサイドプレートの一方が、第1の細長いスロットの軸に平行な軸を有する第2の細長いスロットを規定し、第2のピンが、第2のサイドプレートまたは第1のサイドプレートの他方、及び、第2の細長いスロットを通って延びている。第2の細長いスロットは、幅が狭められた部分を規定している。幅が狭められた部分は、最初の位置において第1の幅を有し、幅が狭められた部分に隣接する第2の細長いスロットが、第1の幅より大である第2の幅を有している。第2のピンの直径は、第2の幅より小であるが、第1の幅より大であり、幅が狭められた部分を通る第2のピンの移動により、幅が狭められた部分の少なくとも1つの壁が外側に拡張する。いくつかの実施態様では、第2の細長いスロットを規定するサイドプレートが、第2の細長いスロットの幅が狭められた部分に隣接する少なくとも1つの拡張開口を規定し、サイドプレートの拡張部分が、拡張開口と、第2の細長いスロットの幅が狭められた部分との間に規定されている。拡張部分は、第2のピンの幅が狭められた部分を通る移動に応じて、第2のピンにより、拡張開口に向かって付勢されている。
【0016】
いくつかの実施態様では、細長いスロットが第1の細長いスロットであり、フードリフティングアセンブリが、第1のサイドプレート、第2のサイドプレート、及びせん断ピンをさらに備えている。第1のサイドプレートは、第1のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びている。第2のサイドプレートは、第2のプレートの第1の側部から、0度より大である角度で延びている。また、第1のサイドプレートまたは第2のサイドプレートの一方が、第1の細長いスロットの軸に平行な軸を有する第2の細長いスロットを規定している。せん断ピンは、第2のサイドプレートまたは第1のサイドプレートの他方、及び、第2の細長いスロットを通って延びている。せん断ピンは、最初の位置において第2の細長いスロットの遠位端に隣接して配置され、第2のプレートの、最初の位置から展開された位置への移動の間、第2の細長いスロットの近位端に隣接して配置されている。せん断ピンは、第2の細長いスロットの近位端に達した後に破損し、第2のプレートが展開された位置への移動を続けることを可能にする。
【0017】
いくつかの実施態様では、係合プレートは、第2のプレートに結合している。係合プレートは、第2のプレートに対して0度より大の角度の平面に置かれている。係合プレートは、線形アクチュエータに隣接して配置されている。いくつかの実施態様では、車両のフードラッチが、第2のプレートに結合しており、第1のプレートが、車両フレームにしっかりと結合されている。いくつかの実施態様では、線形アクチュエータは、シリンダ内をスライド可能に移動可能であるピストンアセンブリを備えている。ピストンアセンブリは、第1のプレートから離れるように係合プレートを押して、第2のプレートを最初の位置から展開された位置に移動させる。いくつかの実施態様では、線形アクチュエータは、ガスジェネレータと流体連通しており、ガスジェネレータは、シリンダに加圧ガスを提供して、ピストンアセンブリをシリンダ内で移動させる。
【0018】
様々な実施態様では、フードリフティングアセンブリは、第1のプレート、第2のプレート、及びピンを備えている。第1のプレートは、第1の表面及び、この第1の表面とは反対側であるとともに離間している第2の表面を有している。第1のプレートは、少なくとも1つの細長いスロットを規定している。細長いスロットは、近位端、近位端から離間した遠位端、及び、近位端と遠位端との間に延びる軸を有し、細長いスロットは、幅が狭められた部分を規定している。幅が狭められた部分は、最初の位置において第1の幅を有し、幅が狭められた部分に隣接する細長いスロットが、第1の幅より大である第2の幅を有する。第2のプレートは、第1の表面及び、第2のプレートの第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有している。少なくとも1つのピンが、第2のプレートの第1の表面及び第2の表面に垂直な軸に沿って第2のプレートを通って延びている。ピンは、第1の端部、第2の端部、及び、第1の端部と第2の端部との間に延びる本体を備え、ピンの第1の端部及び第2の端部が、第2の幅より大である直径を有し、ピンの本体が、第2の幅より小であるとともに、第1の幅より大である直径を有している。ピンは、第2のプレートの第1の表面が第1のプレートの第2の表面に面するとともに、第1のプレートの第2の表面に対してスライド可能に移動可能であるように、第1のプレートと第2のプレートとをスライド可能に結合している。第1のプレートまたは第2のプレートの、互いに対する移動により、ピンを、幅が狭められた部分を通して移動させ、幅が狭められた部分の少なくとも1つの壁を外側に拡張させる。
【0019】
いくつかの実施態様では、第1のプレートが、細長いスロットの幅が狭められた部分に隣接する少なくとも1つの拡張開口をさらに規定し、第1のプレートの拡張部分が、拡張開口と、細長いスロットの幅が狭められた部分との間に規定され、拡張部分が、ピンの幅が狭められた部分を通る移動に応じて、ピンにより、拡張開口に向かって付勢されている。
【0020】
様々な実施態様では、フードリフティングアセンブリは、第1のプレート、第2のプレート、及びせん断ピンを備えている。第1のプレートは、第1の表面及び、この第1のプレートの第1の表面とは反対側であるとともに離間している第2の表面を有している。第2のプレートは、第1の表面及び、第2のプレートの第1の表面とは反対側であるとともに離間した第2の表面を有している。第2のプレートは、少なくとも1つの細長いスロットを規定し、細長いスロットは、近位端、近位端から離間した遠位端、及び、近位端と遠位端との間に延びる軸を有している。少なくとも1つのせん断ピンは、第1のプレートの第1の表面及び第2の表面に垂直な軸に沿って第1のプレートを通って延びている。せん断ピンは、第1の端部、第2の端部、及び、第1の端部と第2の端部との間に延びる本体とを備えている。せん断ピンの第1の端部及び第2の端部は、細長いスロットの幅より大である直径を有し、せん断ピンの本体は、細長いスロットの幅より小である直径を有している。せん断ピンは、第2のプレートの第1の表面が第1のプレートの第2の表面に面するとともに、第1のプレートの第2の表面に対してスライド可能に移動可能であるように、第1のプレートと第2のプレートとをスライド可能に結合している。また、第1のプレートに対する第2のプレートの移動により、せん断ピンを、細長いスロットの近位端または遠位端に係合させるとともに破損させる。
【0021】
アセンブリの様々な実施態様が、以下の例示的図面において、さらにより詳細に説明されている。図面は、好ましいデバイスの構造、及び、単独で使用されるか、他の特徴と組み合わせて使用される場合がある特定の特徴を説明するために、単に例示的なものである。本発明は、図示の実施態様に制限されないものとする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】一実施態様に係るフードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、第1のプレートから見た、最初の位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図1B】一実施態様に係るフードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、第2のプレートから見た、最初の位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図1C】一実施態様に係るフードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、展開された位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図1D】一実施態様に係るフードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、リセット位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図2A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、第1のプレートから見た、最初の位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図2B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、図2Aに示すアセンブリの一部のピン、プレート、及びスペーサの、一部を切除して示した図である。
図2C】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、展開された位置にある図2Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図2D】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、リセット位置にある図2Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図3A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、第1のプレートから見た、最初の位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図3B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、展開された位置にある図3Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図3C】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、リセット位置にある図3Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図3D】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、図3A及び図3Bに示すスペーサの斜視図である。
図4A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、第1のプレートから見た、最初の位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図4B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、展開された位置にある図4Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図4C】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、ピンをリセットしている際の図4Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図4D】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、リセット位置にある図4Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図5A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、第1のプレートから見た、最初の位置にあるアセンブリの一部の斜視図である。
図5B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、展開された位置にある図5Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図5C】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリの一部を示す図であり、リセット位置にある図5Aのアセンブリの一部の斜視図である。
図6A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、第1のプレートの第1の表面から見た、フードリフティングアセンブリの斜視図である。
図6B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、図6Aに示す第1のプレートの第2の表面の斜視図である。
図6C】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、図6Aに示す第2のプレートの第2の表面の斜視図である。
図7A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、第1のプレートの第1の表面から見た、フードリフティングアセンブリの斜視図である。
図7B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、図7Aに示す第1のプレートの第1の表面の斜視図である。
図8A】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、第1のプレートの第1の表面から見た、フードリフティングアセンブリの斜視図である。
図8B】別の実施態様に係る、フードリフティングアセンブリを示す図であり、図8Aに示す第2のプレートの第1の表面の斜視図である。
図9】一実施態様に係る線形アクチュエータの断面図である。
図10】一実施態様に係る部分的に円形のスペーサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
様々な実施態様に係るフードリフティングアセンブリは、少なくとも1つのピンによってともにスライド可能に結合された2つのプレートを含んでいる。一方のプレートは、鍵穴状のスロットを規定し、ピンが、他方のプレートを通るとともに、鍵穴状のスロットを通って延びて、各プレートをスライド可能にともに結合する。プレートの最初の位置では、ピンのヘッドが、鍵穴状のスロットの鍵穴状の開口から離間し、各プレートが互いに対して移動することを可能にしている。しかし、リセット位置では、ピンのヘッドは、鍵穴状の開口と係合するか着座し、各プレートが互いに対してスライド移動することを防止している。可動プレートに結合したフードラッチアセンブリは、このため、最初の位置から、フードが車両フレームの上の持ち上げられた位置にある展開された位置に、また、この展開された位置から、フードが下げられた位置にしっかりと保持されているリセット位置に移動可能である。
【0024】
さらに、フードリフティングアセンブリの様々な実施態様には、展開された位置への作動の速度を低減するために、エネルギ吸収特徴部が含まれている。フードリフティングアセンブリは、少なくとも1つのピンによってともにスライド可能に結合された2つのプレートを含んでいる。一方のプレートは、細長いスロットを規定し、ピンが、他方のプレートを通るとともに、細長いスロットを通って延びて、各プレートをスライド可能にともに結合する。最初の位置では、ピンは、細長いスロットの、幅が狭められた部分の外側に配置されている。ピンの直径は、幅が狭められた部分よりも大である。このため、幅が狭められた部分をピンが通過する際に、ピンが、幅が狭められた部分を押し広げ、これにより、フードリフティングアクチュエータからのエネルギをいくらか吸収する。
【0025】
他の様々な実施態様では、フードリフティングアセンブリは、スライド可能にともに結合した2つのプレートの一方を通して規定された細長いスロットを含む別のエネルギ低減特徴部を含んでいる。せん断ピンは、他方のプレート及び細長いスロットを通って延びて、各プレートを結合する。細長いスロットを有するプレートが他方のプレートに対して移動すると、せん断ピンにより、細長いスロットの端部がせん断ピンに接触し、せん断ピンが破損するまで、可動プレートが移動することが許容される。これにより、フードリフティングアクチュエータからのエネルギにいくらかが吸収される。
【0026】
たとえば、図1Aから図1Dは、一実施態様に係るフードリフティングアセンブリの一部を示す図である。上述のように、図1Aから図1Dに示すアセンブリ10の一部は、第1のプレート12、第2のプレート14、ピン16、及びバネ18を含んでいる。第1のプレート12は、第1の表面20a及び、この第1の表面20aとは反対側であるとともに離間している第2の表面20bを有している。また、第2のプレート14は、第1の表面22a及び、この第1の表面22aとは反対側であるとともに離間している第2の表面22bを有している。
【0027】
第1のプレート12は、少なくとも1つの鍵穴状のスロット24を規定している。鍵穴状のスロット24は、鍵穴状の開口26と、この鍵穴状の開口26から軸A-Aに沿って延びる細長いスロット28とを含んでいる。細長いスロット28は、鍵穴状の開口26から軸A-Aに沿って離間した遠位端30を有している。鍵穴状の開口26は、Dの直径を有し、細長いスロットは、幅Wを有している。
【0028】
ピン16は、ヘッド32、停止面34、及び、ヘッド32と停止面34との間に延びる本体36を含んでいる。第2のプレート14は、開口(図示せず)を規定し、ピン16の本体36は、第2のプレート14の開口を通って、第2のプレート14の第1の表面22a及び第2の表面22bに対して垂直な軸B-Bに沿って延びている。第2のプレート14によって規定される開口は、ピン16の本体36の直径より大であるが、ピン16のヘッド32の直径D、及び、ピン16の停止面34の直径より小である直径を有し、これにより、ピン16の本体36が開口内を軸方向に移動することを可能にするが、ピン16が開口から抜き出ることを防止する。
【0029】
図1Bに示すバネ18は、波形バネであり、第2のプレート14の第2の表面22bと、ピン16の停止面34との間に配置されている。バネ18は、ピン16のヘッド32を第1のプレート12の第1の表面20aに対して付勢する。しかし、他の実施態様では、図2B図5B、及び図5Cに示すヘリカルバネなど、他のタイプのバネが使用される場合がある。
【0030】
ピン16は、第2のプレート14の第1の表面22aが第1のプレート12の第2の表面20bに面するとともに、この第1のプレート12の第2の表面20bに対してスライド可能に移動可能であり、また、第1のプレート12が、ピン16のヘッド32と第2のプレート14との間に配置されるように、第1のプレート12と第2のプレート14とをスライド可能に結合している。第2のプレート14は、第1のプレート12に対し、A-A軸の方向に、図1A及び図1Bに示す最初の位置から、図1Cに示す展開された位置に、スライド可能である。最初の位置では、ピン16の本体36が、細長いスロット28の近位端31に隣接する鍵穴状のスロット24を通して配置され、ピン16のヘッド32が、鍵穴状のスロット24の鍵穴状の開口26から離間している。ヘッド32を鍵穴状の開口26から離間させることにより、ピン16が、細長いスロット28を通って最初の位置から展開された位置に移動することを可能にしている。展開された位置では、ピン16の本体36は、細長いスロット28の遠位端30に隣接している。さらに、ピン16のヘッド32の直径Dが、細長いスロット28の幅Wより大であることから、ピン16のヘッド32は、細長いスロット28を通らない。
【0031】
図1Aから図1Dに示す実施態様では、ピン16の軸B-Bが、最初の位置において鍵穴状の開口26の中心からオフセットして、展開する前に、ヘッド32を鍵穴状の開口26から離間した状態に維持している。具体的には、ヘッド32は、細長いスロット28に、少なくとも一部に隣接して配置され、バネ18は、ヘッド32を、第1のプレート12の第1の表面20aに対して付勢している。
【0032】
展開の後に、フードは、車両を運転するか、牽引するために、下げられるとともに下げられた位置にロックされる必要がある場合がある。下げられた位置かリセット位置にプレートを保持するために、(たとえば、フードを下向きに押すことにより)フードが下向きに付勢され、これにより、第2のプレート14を第1のプレート12に対してスライドさせる。ピン16のヘッド32の直径Dが、鍵穴状の開口26の直径Dより小であり、これにより、ヘッド32が鍵穴状の開口26と係合して、ピン16の軸B-Bが、鍵穴状の開口26の中心と整列している際に、アセンブリ10をリセットすることを可能にする。
【0033】
図2Aから図2Dは、アセンブリの一部分100の別の実施態様を示している。図2Aから図2Dに示すアセンブリの一部分100は、展開の前に、ヘッド32が鍵穴状の開口26からどのように離間しているかを除き、図1Aから図1Dに示す部分10と類似である。具体的には、図2Aから図2Dでは、アセンブリの一部分100は、破損可能な環状スペーサ102を含んでいる。スペーサ102は、ピン16の本体36周りに、ヘッド32と第2のプレート14の第1の表面22aとの間の、最初の位置における鍵穴状の開口26に配置されている。スペーサ102は、第1のプレート12の第1の表面20aと第2の表面20bとの間で測定した第1のプレート12の厚さT以上の、軸B-Bの方向に測定した厚さTを有している。ピン16の軸B-Bは、最初の位置では鍵穴状の開口26の中心と整列しているが、スペーサ102は、ヘッド32が、バネ18によって鍵穴状の開口26内に入れられることを防止している。第2のプレート14及びピン16の、展開された位置への移動の間に、図2Cに示すように、スペーサ102が破損してピン16から外れる。いくつかの実施態様では、スペーサ102は、弱化部分104(たとえば、ノッチ)を有しており、この弱化部分に沿ってスペーサ102が破損する。スペーサ102がピン16から除去されると、ピン16のヘッド32は、展開の後にフードが下に、リセット位置に移動した際に、鍵穴状の開口26と係合することができる。
【0034】
スペーサ102は、細長いスロット28の遠位端30に向かって移動するピン16の力に応じて破損する、プラスチック、低強度の金属、または他の材料で形成され得る。
【0035】
他の実施態様では、スペーサは、図10に示すスペーサ408など、部分的に円形である場合がある。図10に示す実施態様では、部分的に円形のスペーサ408が、スペーサ408によって規定された周囲の空間410が、細長いスロット428と整列しない(たとえば、オフセットしているか反対側を向いている)ように、鍵穴状の開口426内に配置されている。他の実施態様は、細長いスロット428の遠位端30に向かって移動するピン16の力に応じて鍵穴状の開口426から外れる、2つ以上の部分的に円形の部分を含む場合がある。
【0036】
図3Aから図3Cは、アセンブリの一部分200の別の実施態様を示している。図3Aから図3Cに示すアセンブリの一部分200は、スペーサを除き、図2Aから図2Dに示す部分100と類似である。具体的には、図3A及び図3Bに示すスペーサ202は、U形状の開口204を規定している。最初の位置では、U形状の開口204は、鍵穴状の開口26及び細長いスロット28と整列しており、ピン16の本体36が、U形状の開口204を通って延びている。スペーサ202の少なくとも一部分が、最初の位置において、ピン16のヘッド32と、第1のプレート12の第1の表面20aとの間に配置されている。図3Aから図3Cに示す実施態様では、スペーサ202が、バネ18の付勢力により、ピン16のヘッド32と、第1のプレート12の第1の表面20aとの間に保持されている。ピン16が細長いスロット28の遠位端30に向かって移動すると、図3Bに示すように、スペーサ202が外れ、これにより、フードが展開後にリセット位置へ下方に移動する際に、ヘッド32が鍵穴状の開口26に係合することを可能にする。図3Cは、リセット位置にあるピンを示している。
【0037】
図3A及び図3B、ならびに図3Dに示すスペーサ202は、第1の表面206a、この第1の表面206aとは反対側であるとともに離間した第2の表面206b、及び、U形状の開口204内に規定されたシート250を含んでいる。シート250の少なくとも一部分は、第1の表面206aと第2の表面206bとの間にあるとともに、第1の表面206a及び第2の表面206bから離間した平面内に置かれる。スペーサ202は、第1のU形状の内壁208及び第2のU形状の内壁252をも含んでいる。第1のU形状の内壁208及び第2のU形状の内壁252は、スペーサ202のU形状の開口204を規定している。第1のU形状の壁208は、第1の表面206aとシート250との間に延び、第2のU形状の壁252は、第2の表面206bとシート250との間に延びている。第2のU形状の内壁252の対向する面間の幅は、第1のU形状の内壁208の対向する面間の幅、及び、ヘッド32の直径より小であり、第1のU形状の壁208の対向する面間の幅は、ヘッド32の直径より大であり、これにより、ヘッドがシート250と係合し、最初の位置において、第1のU形状の内壁208の対向する面間に座することを可能にする。フードリフティングアセンブリが設置された車両からの振動に起因して、スペーサ202が、ピン16のヘッド32と、第1のプレート12の第1の表面20aとの間から不注意に外れることを防止するために、スペーサ202は、シート250の端部と、U形状のスペーサ202の端部との間に、傾斜路251をさらに含んでいる。傾斜路251は、第1の表面206a及びシート250に対して0度より大の角度で配置されるように、第1の表面206aに向かって延びている。動作時には、ピン16を最初の位置から展開された位置に展開するための作動力が、(傾斜路251と、第1のプレート12の第1の表面20aとの間で測定して)傾斜路251によって提供されるさらなる厚さを超えるのに十分であるが、通常の車両の動作の間に予期される振動の力は、ヘッド32を、傾斜路251を超えて移動するのには不十分である。
【0038】
スペーサ202の第2の表面206bは、最初の位置において、第1のプレート12の第1の表面20aに隣接して配置されている。スペーサ202は、スペーサ202の第2の表面206bから、スペーサ202の第1の表面206aから離れる方向に延びるタブ210をさらに含んでいる。タブ210は、最初の位置において、第1のプレート12の下側表面212と係合している。タブ210は、スペーサ202がピン16とともに、遠位端30に向かって移動することを防止している。図2Dに示すシート250がU形状であるが、他の実施態様では、シートは、ヘッド32の周囲に離間した部分を支持するように、互いから離間した2つの別々の表面として提供される場合がある。また、上述のスペーサ202は傾斜路251を含んでいるが、他の実施態様は、傾斜路を含んでいない場合がある。
【0039】
図4Aから図4Dは、アセンブリの一部分300の別の実施態様を示している。図4Aから図4Dに示すアセンブリの一部分300は、スペーサを除き、図3Aから図3Cに示す部分200と類似である。具体的には、部分300は、U形状の開口306を規定する、弾性的に変形可能なアーム304a、304bを含むスペーサ302を含んでいる。スペーサ302は、第1のプレート12の第1の表面20aに結合(たとえば、しっかりと結合)されており、アーム304a、304bは、鍵穴状の開口26の少なくとも一部分に隣接して配置されている。アーム304a、304bは、最初の位置において、ピン16のヘッド32と、第1のプレート12の第1の表面20aとの間に配置されている。展開された位置では、バネ18は、ピンのヘッド32を第1のプレート12の第1の表面20aに対して付勢する。また、フードが展開された位置からリセット位置に下げられると、第1のプレート12の第1の表面20aに隣接するヘッド32が、図4Cに示すように、アーム304a、304bを、鍵穴状の開口26の外周から径方向外側に付勢し、図4Dに示すように、ヘッド32が鍵穴状の開口26内に、バネ18によって付勢されることを可能にする。
【0040】
図5Aから図5Cは、アセンブリの一部分400の別の実施態様を示している。図5Aから図5Cに示すアセンブリの一部分400は、スペーサを除き、図3Aから図4Dに示す部分200、300と類似である。具体的には、部分400は、第1のプレート12にタブ404を介して結合したスペーサ402を含んでいる。タブ404は、スペーサ402と第1のプレート12との間に延びている。タブ404は、第1のプレート12の第1の表面20aから、ピン16のヘッド32の厚さTより大である距離Tだけ離れるように延びており、これにより、ピン16のヘッド32が、展開された位置からリセット位置への移動の間、スペーサ402と第1のプレート12との間にスライドすることを可能にし、また、ヘッド32がリセット位置にある鍵穴状の開口26に係合することを可能にする。図5Aから図5Cに示す実施態様では、タブ404及びスペーサ402は、第1のプレート12と一体に形成されている。しかし、他の実施態様(図示せず)では、スペーサ402及びタブ404は、第1のプレート12とは別に形成され、締結具を使用して第1のプレート12に結合される場合がある。
【0041】
図6Aから図6Cは、図1Aから図5Cに関して上述した実施態様に類似である一実施態様に係るフードリフティングアセンブリ500を示している。しかし、アセンブリ500は、エネルギ吸収特徴部をさらに含んでいる。アセンブリ500では、第1のプレート512に規定された細長いスロット528は、幅が狭められた部分502を規定している。幅が狭められた部分502は、鍵穴状の開口526から、軸A’-A’に沿って軸方向に離間している。幅が狭められた部分502は、この幅が狭められた部分502に隣接する細長いスロット528の幅Wより小である幅Wを有している。ピン516の本体の直径は、細長いスロット528の幅Wより小であるが、幅が狭められた部分502の幅Wより大である。
【0042】
第1のプレート512は、細長いスロット528の各側部に隣接する第1の拡張開口504と第2の拡張開口506とをも規定する。第1のプレート512の第1の拡張部分508は、第1の拡張開口504とスロット528との間に配置され、第1のプレート512の第2の拡張部分510は、第2の拡張開口506とスロット528との間に配置されている。ピン516が、鍵穴状の開口526の隣から細長いスロット528の遠位端530に向かって、展開された位置に移動すると、ピン516の本体が、幅が狭められた部分502を付勢して、外側に拡張し、拡張部分508と拡張部分510とを、第1の拡張開口504と第2の拡張開口506とのそれぞれに向かって付勢する。開口504、506は、図6A及び図6Bでは、細長いものとして示されているが、開口504、506は、拡張部分508、510が、スロット528を通してのピンの移動に応じて移動することを可能にする任意の適切な形状である場合がある。このため、幅が狭められた部分502及び拡張部分508、510は、スロット528を通るピン516の移動に抗し、変形される。これにより、ピン516が細長いスロット528を通って遠位端530に向かう際のピン516のエネルギのいくらかを吸収し、第2のプレート514が第1のプレート512に対して移動する速度を低減する。第2のプレート514が第1のプレート512に対して移動する速度を低減することにより、所望の移動時間が達成され得、及び/または、移動のパルスのショックが、車両の製造業者によって設定された、距離を移動する能力を依然として保持しつつ、制限され得る。また、エネルギ低減特徴部によって吸収されるエネルギの量は、幅が狭められた部分の軸方向の長さもしくは幅、幅が狭められた部分の数、及び/または第1のプレートの厚さを変化させることによって調整され得る。いくつかの実施態様(図示せず)では、第1の拡張開口及び第2の拡張開口が、第1のプレートには規定されない場合があるが、幅が狭められた部分は、ピンが細長いスロットを通して移動する際に通路から外れて湾曲する。また、図7A及び図7Bに関して以下に記載するようないくつかの実施態様では、細長いスロットに隣接する1つの拡張開口がある場合がある。他の実施態様では、細長いスロットに隣接して2つ以上の開口がある場合がある。
【0043】
図6Aから図6Cに示すアセンブリ500は、第2のプレート514の頂縁部540から延びる係合プレート550をも示している。係合プレート550は、第2のプレート514に対して0度より大の角度の平面に置かれている。本アセンブリは、係合プレート550の下に置かれた線形アクチュエータ555をも含んでいる。図9は、線形アクチュエータ555の実施態様の断面図を示している。線形アクチュエータ555は、ピストンロッド及びピストンを含むピストンアセンブリ556を含み、シリンダ558内にスライド可能に取り付けられている。ピストンとピストンロッドとは、一体に形成されるか、別々に形成されてともに結合される場合がある。線形アクチュエータ555は、ガスジェネレータ560(たとえば、発生器またはマイクロガスジェネレータ(MGG))と流体連通しており、ガスジェネレータ560は、加圧ガスをシリンダ558に提供して、ピストンアセンブリ556をシリンダ558内で上方に移動する。線形アクチュエータ555が作動すると、ピストンアセンブリ556の遠位端562が係合プレート550に係合し、係合プレート550及び第2のプレート514を上方に、展開された位置内に押し上げる。細長いスロット528は、第1のプレート512と第2のプレート514とを結合するピン516を、この移動を通してガイドする。
【0044】
フードラッチアセンブリ570は、第2のプレート514の第2の表面522bに結合されており、第1のプレート512は、車両フレームに、直接的または間接的に、しっかりと結合されている。たとえば、図6Aから図6Cに示す実施態様では、締結具572aから572cは、第2のプレート514及びフードラッチアセンブリ570の一部を通るか、そこから延びて、フードラッチアセンブリ570を第2のプレート514の第2の表面522bに対して結合する。さらに、第1のプレートは、第1のプレート512を車両フレームに結合するためのフランジ580aから580cを含んでいる。第2のプレート514の移動は、フードラッチアセンブリ570に伝達される。このため、フードラッチアセンブリ570は、フードを上下に移動するために係合解除する必要がない。図6Aから図6Cが、フードラッチアセンブリ570を第2のプレート514に結合するための3つの締結具を示しているが、1つまたは複数の締結具が、他の実施態様で使用される場合がある。さらに、3つのフランジ580aから580cが、第1のプレート512を車両フレームに結合するために、図6Aから図6Cに示されているが、1つまたは複数のフランジまたは他の結合表面が、他の実施態様では使用され得る。
【0045】
図7A及び図7Bは、アセンブリ500に類似であるが、エネルギ吸収特徴部が別様に実施されているアセンブリ600を示している。具体的には、アセンブリ600は、第1のプレート612の側縁部648aと648bとの各々からそれぞれ延びる、第1のサイドプレート650aと第2のサイドプレート650bとを含んでいる。また、第1のサイドプレート652aと第2のサイドプレート652bとは、第2のプレート614の側縁部646aと646bとの各々からそれぞれ延びている。このサイドプレート650a、650b、652a、652bは、第1のプレート612及び第2のプレート614から、0度より大である角度で延びている。
【0046】
第1のプレート612から延びる第1のサイドプレート650aと第2のサイドプレート650bとは、鍵穴状のスロット624を通って延びる軸A’’-A’’に平行な軸に沿って延びる、細長いスロット670aと670bとをそれぞれ規定する。細長いスロット670aと670bとの各々は、幅が狭められた部分672aと672bとをそれぞれ含んでおり、この幅が狭められた部分672aと672bとは、幅が狭められた部分672a、672bに隣接するスロット670a、670bの幅より小である幅を有している。幅が狭められた部分672a、672bの各々の少なくとも一方側に隣接して、サイドプレート650aと650bとは、拡張開口674aと674bとをそれぞれ規定している。また、サイドプレート650aと650bとは、それぞれのスロット670aと670bと、それぞれの拡張開口674aと674bとの間に配置された、拡張部分678aと678bとを含んでいる。ピン660aは、第2のプレート614に結合された第1のサイドプレート652aと、第1のプレート612に結合された第1のサイドプレート650aに規定された細長いスロット670aとを通って延びている。また、ピン660bは、第2のプレート614に結合された第2のサイドプレート652bと、第1のプレート612に結合された第2のサイドプレート650bに規定された細長いスロット670bとを通って延びている。このため、幅が狭められた部分672a、672bと、拡張部分678a、678bとは、ピン660aと660bとが、スロット670aと670bとをそれぞれ通る動きに抗し、ピン660a、660bがスロット670a、670bを通って展開された位置へと移動する際のピン660a、660bのエネルギのいくらかを吸収し、第2のプレート614が第1のプレート612に対して移動する速度を低減する。
【0047】
図7A及び図7Bに示す実施態様では、鍵穴状のスロット624は、幅が狭められた部分を規定していない。しかし、他の実施態様では、鍵穴状のスロット624は、さらなるエネルギの吸収のために、図7A及び図7Bに示した幅が狭められた部分672a、672bに加え、図6A及び図6Bに関して上述したような、幅が狭められた部分を規定する場合がある。さらに、他の実施態様では、細長いスロットは、第1のプレートから延びるサイドプレートの代わりに、第2のプレートから延びるサイドプレートによって規定される場合がある。
【0048】
図8A及び図8Bは、アセンブリ500、600に類似のアセンブリ700を示しているが、アセンブリ700は、アセンブリ500、600とは異なるエネルギ吸収特徴部を有している。具体的には、アセンブリ700は、第1のプレート712の側縁部748aと748bとの各々からそれぞれ延びる、第1のサイドプレート750aと第2のサイドプレート750bとを含んでいる。また、第1のサイドプレート752aと第2のサイドプレート752bとは、第2のプレート714の側縁部746aと746bとの各々からそれぞれ延びている。このサイドプレート750a、750b、752a、752bは、第1のプレート712及び第2のプレート714から、0度より大である角度で延びている。サイドプレート752aと752bとの各々は、第1のプレート712に規定された鍵穴状のスロット724の軸A’’’-A’’’に平行な長手軸を有する、細長いスロット780aと780bとをそれぞれ規定している。第1のせん断ピン782aは、第1のサイドプレート752aによって規定された細長いスロット780aを通って第1のサイドプレート750aに結合されており、第2のせん断ピン782bは、第2のサイドプレート752bによって規定された細長いスロット780bを通って第2のサイドプレート750bに結合されている。最初の位置では、せん断ピン782a、782bは、スロット780aの隣接する遠位端784aと、スロット780bの隣接する遠位端784bとのそれぞれに配置されている。また、サイドプレート752a、752bの、展開された位置への移動の間、スロット780a、780bの近位端786a、786bは、ピン782a、782bに向かって移動する。近位端786a、786bがピン782a、782bに達すると、ピン782a、782bが破損し、第2のプレート714の移動からのエネルギのいくらかを吸収する。
【0049】
図8A及び図8Bに示す実施態様には、せん断ピンと、各サイドプレート上の対応するスロットとが含まれているが、他の実施態様では、せん断ピン及び対応するスロットは、第1のプレート及び第2のプレートを通して延びる場合があり、及び/または、2つ以上のせん断ピン及び対応するスロットが、フードリフティングアセンブリ毎に存在する場合がある。さらに、他の実施態様では、せん断ピンのためのスロットは、第2のプレートから延びるサイドプレートの代わりに、第1のプレートから延びるサイドプレートによって規定される場合がある。
【0050】
図6Aから図8Bに関して上述したエネルギ吸収特徴部により、製造時間及びコストが低減される。たとえば、上述のエネルギ吸収特徴部は、すでにフードリフティングアセンブリの一部である場合がある構成要素を変更することによって実施される。これら特徴は、やはり、展開の攻撃性に関わらず、フードラッチアセンブリが、展開の各々に関するストローク全体まで移動することを可能にする。たとえば、第2のプレートは、セ氏-40度とセ氏100度とでは、異なる速度でエネルギ吸収特徴部を通って移動するが、第2のプレートは、全体の距離を移動する。従来技術の減衰特徴部は、ストロークの終わりのパルスを減衰し、これにより、第2のプレートが、温度及び展開の強さに応じて、異なる量だけ変位する結果となり得る。
【0051】
様々な実施態様では、フードリフティングアセンブリの様々な部品(たとえば、プレート、ピン、せん断ピン、スペーサ)の材料及び/または寸法の選択が、少なくとも部分的に、(たとえば、作動、歩行者の衝撃、及び/またはリセットの間に)部品によって受領される、予期される力、ならびに、各部品に予期される操作性に基づく場合がある。プレート、ピン、せん断ピン、及びスペーサに関して考慮され得る例示的材料には、金属(たとえば、アルミニウム、鋼など)、プラスチック(たとえば、ポリマ、セルロース化合物、ポリ乳酸など)、複合材料(たとえば、カーボンファイバ、ガラス充填ナイロンなど)、またはこれらの組合せが含まれ得る。
【0052】
本明細書に使用される用語は、特定の実施態様を記載することのみのために使用されるものであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書に使用される場合、単数の形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別様に明確に示していない限り、複数の形態も含むことが意図されている。「comprises(含む)」及び/または「comprising(含んでいる)」との用語は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/またはそれらのグループの存在または追加を除外しないことを、さらに理解されたい。
【0053】
添付の特許請求の範囲における、対応する構造、材料、作用、及び、ミーンズ、または、ステップ・プラス・ファンクション要素すべての均等は、明確に請求されるように、他の請求される要素と組み合わせて作用を実施するための、任意の構造、材料、または作用を含むことが意図されている。本発明の記載は、説明及び記載の目的のために提供されているが、排他的とするか、本発明を開示の形態に限定することは意図していない。多くの変形形態及び変更形態が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかとなる。実施態様は、本発明の原理及び実用的用途を最適に説明するため、及び、他の当業者が、考えられる特定の使用に適切であるような様々な変形を伴う様々な実施態様に関して本発明を理解することを可能にするために選択及び記載された。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10