(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】新規JAKキナーゼ阻害剤としての二環式アミン
(51)【国際特許分類】
C07D 519/00 20060101AFI20220708BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20220708BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220708BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20220708BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20220708BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220708BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20220708BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
C07D519/00 311
A61K31/519
A61K45/00
A61P17/00
A61P17/06
A61P37/02
A61P37/08
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07D519/00 CSP
(21)【出願番号】P 2019538603
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(86)【国際出願番号】 EP2018051305
(87)【国際公開番号】W WO2018134352
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-14
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508069752
【氏名又は名称】レオ ファーマ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・ロドリゲス・グレーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】トゥ・ヒースゴー・イェプセン
(72)【発明者】
【氏名】モーエンス・ラーセン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・リッツェン
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/054364(WO,A2)
【文献】特開2011-046700(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105732636(CN,A)
【文献】国際公開第2012/093169(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/003829(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/003418(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/141842(WO,A1)
【文献】CAS REGISTRY NO. 1948093-74-0,DATABASE REGISTRY, [online],2016年07月08日,[2021.12.06検索], Retrieved from: STN
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】
[式中、
R
1はメチルまたはエチルを表し、
nは1または2であり、
R
2は、水素、シアノ、-SO
2R
a、-SO
2NR
bR
c、-C(O)R
b、フェニル、ならびに5及び6員ヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、前記フェニル、5及び6員ヘテロアリールは、R
3から独立に選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、
R
3は、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、(C
1~C
4)アルキル、ヒドロキシル(C
1~C
4)アルキル、ハロ(C
1~C
4)アルキル、シアノ(C
1~C
4)アルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、ハロ(C
1~C
4)アルコキシ、-SO
2R
a、及び-SO
2NR
bR
cからなる群を表し、
R
aは、(C
1~C
4)アルキル、(C
3~C
6)シクロアルキル、ハロ(C
1~C
4)アルキル、及びシアノ(C
1~C
4)アルキルから選択され、
R
b及びR
cはそれぞれ独立に、水素、(C
1~C
4)アルキル、ハロ(C
1~C
4)アルキル、シアノ(C
1~C
4)アルキル、(C
3~C
6)シクロアルキル、ハロ(C
3~C
6)シクロアルキル、及びシアノ(C
3~C
6)シクロアルキルから選択される]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項2】
一般式I(a)
【化2】
で示される
化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項3】
R
1がエチルを表し、nが2である、請求項1または2に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項4】
R
2が、水素、シアノ、-SO
2R
a、-SO
2NR
bR
c、-C(O)R
b、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルからなる群より選択され、ここで、前記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルは、R
3から独立に選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項5】
R
2がシアノ及び-SO
2NH
2からなる群より選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項6】
R
3が、シアノ、ハロゲン、メチル、ヒドロキシメチル、及び-SO
2CH
3からなる群を表す、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項7】
R
aがメチル及びトリフルオロエチルから選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項8】
R
b及びR
cがそれぞれ独立に、水素、メチル、及びシアノメチルから選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物
、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項9】
(4aR,8aS)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aS,8aR)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
5-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-2-メチルスルホニル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-6-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
1-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]エタノン、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルバルデヒド、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール、
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,2,3,4,4a,5,6,8-オクタヒドロ-2,7-ナフチリジン、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]チアゾール-4-カルボニトリル、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-メチルスルホニル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド、
(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル、
(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル、
(3aS*,7aS*)-N-(シアノメチル)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
3-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-オキソプロパンニトリル、
6-[(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(5-メチルスルホニル-2-ピリジル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-ピリジル]メタノール、
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモ-3-ピリジル]メタノール、
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-ピリミジン-4-イル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル、
5-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
1-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニル]シクロペンタンカルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル
ならびにそれらの薬学的に許容される塩、水和物
および溶媒和物から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項10】
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物
である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項11】
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物
である、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を含む、医薬。
【請求項13】
請求項1~
11のいずれか1項に記載の化合物
またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物を、薬学的に許容されるビヒクルもしくは賦形剤または薬学的に許容される担体(複数可)と共に含む医薬組成物。
【請求項14】
1種以上の他の治療上活性な化合物を更に含む、請求項
13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
1種以上の他の治療上活性な化合物と組み合わせて使用される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
免疫系の疾患または免疫系の調節解除に関連する疾患の予防及び/または治療における使用のための、請求項
12に記載の医薬または請求項13~15のいずれか1項に記載の
医薬組成物。
【請求項17】
免疫系の疾患が、自己免疫疾患である、請求項16に記載の医薬または医薬組成物。
【請求項18】
乾癬及びアトピー性皮膚炎から選択される疾患の予防及び/または治療における
使用のための、請求項
12に記載の医薬または請求項13~15のいずれか1項に記載の
医薬組成物。
【請求項19】
JAKファミリー
のプロテインチロシンキナ
ーゼの阻害に応答性である疾患の治療における使用のための、請求項
12に記載の医薬または請求項13~15のいずれか1項に記載の
医薬組成物。
【請求項20】
プロテインチロシンキナーゼが、JAK1、JAK2、JAK3、またはTYK2プロテインチロシンキナーゼである、請求項19に記載の医薬または医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヤヌスキナーゼなどのプロテインチロシンキナーゼの阻害剤である化合物、治療における使用のための上記化合物、上記化合物を含む医薬組成物、及び上記化合物を用いた疾患の治療方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ヤヌスキナーゼ、JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2などのプロテインチロシンキナーゼの阻害剤である新規化合物に関する。プロテインチロシンキナーゼは、タンパク質基質中のチロシン残基へのアデノシン三リン酸の末端リン酸の転移を触媒する酵素のファミリーである。タンパク質基質上のチロシン残基のリン酸化によって、細胞増殖分化ならびに活性化、代謝、造血、宿主防御、及び免疫調節などの多種多様な過程を調節する細胞内シグナルの伝達が生じる。多くの炎症性疾病及び他の免疫系の障害(例えば自己免疫疾患)における分子機序の解明によって、これらの細胞内シグナル経路の重要な役割が脚光を浴びたことから、プロテインチロシンキナーゼの活性の調節が炎症性疾患の治療への魅力的な道であると思われる。受容体型プロテインチロシンキナーゼ、例えばインスリン受容体、または非受容体型プロテインチロシンキナーゼである可能性がある、多数のプロテインチロシンキナーゼが同定されている。
【0003】
プロテインチロシンキナーゼJAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2は、種々のサイトカイン受容体鎖の細胞質ドメインと選択的に会合し、組織恒常性のサイトカイン依存性の調節、自然免疫の開始、適応免疫応答の形成、及び炎症過程において本質的な役割を有する。上記プロテインチロシンキナーゼは、サイトカイン受容体の刺激によるチロシンのリン酸化を介した該プロテインチロシンキナーゼの活性化に応答するシグナル伝達において重要である。(1) Schindler C. et al. JAK-STAT signaling: from interferons to cytokines. J. Biol. Chem 2007;282(28):20059;(2) O’Shea J.J. Targeting the Jak/STAT pathway for immunosuppression;Ann. Rheum. Dis. 2004;63 Suppl 2:ii67;(3) Schindler C. Series introduction. JAK-STAT signaling in human disease;J. Clin. Invest. 2002;109(9):1133);(4) O’Shea et. Al. Cell, Vol. 109, S121-S131, 2002;(5) Schwartz D.M. et al. Nat. Rev. Rheumatol., 2016;12(1): 25-36;(6) O’Shea et al. New. Eng. J. Med. 2013;368(2): 161-170。
【0004】
JAK1、JAK2、及びTYK2は偏在的に発現されるが、JAK3は圧倒的に造血細胞において発現される。
【0005】
JAK1は生物学的応答の媒介において重要な役割を果たし、JAK1は広く発現され、いくつかの主要なサイトカイン受容体ファミリーと会合している。JAK1は、IL-2受容体γサブユニットファミリー(IL-2、IL-4、IL-7R、IL-9R、IL-15R、及びIL-21R)、IL-4受容体ファミリー(IL-4R、IL-13R)、gp130受容体ファミリー、ならびにIL-10受容体ファミリー及びI型及びII型IFN受容体ファミリーの両方を含む、クラスIIサイトカイン受容体のメンバーによるシグナル伝達に関与する。
【0006】
JAK2は、いくつかの単鎖受容体(Epo-R、GHR、PRL-Rを含む)、IL-3受容体ファミリー、gp130受容体ファミリー、IL-12受容体ファミリー(IL-12及びIL-23)、ならびにいくつかのクラスII受容体サイトカインファミリーによるシグナル伝達に関与する。したがって、JAK2は、Epo、IL-3、GM-CSF、IL-5、及びIFNγのシグナル伝達に重要な役割を果たす。JAK2ノックアウトマウスは胚致死性表現型を示す。
【0007】
JAK3は、IL-2受容体ファミリーとしても知られるI型サイトカイン受容体ファミリー(例えば、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、及びIL-21)の共通ガンマ鎖を用いる受容体によるシグナル伝達に関与する。XSCID患者集団は、JAK3タンパク質のレベルが低いまたは共通ガンマ鎖に遺伝的欠陥があることが特定されており、このことは、免疫抑制がJAK3経路によるシグナル伝達の遮断に起因するはずであることを示唆している。動物実験により、JAK3はBリンパ球及びTリンパ球の成熟において重要な役割を果たすのみならず、JAK3はT細胞機能を維持するために構成的に必要とされることが示唆されている。この新規な機序による免疫活性の調節は、免疫系疾患、特に自己免疫疾患などのT細胞増殖性障害の治療に有用であることが証明可能である。
【0008】
TYK2は、I型インターフェロン、IL-6、IL-10、IL-12、及びIL-23シグナル伝達に関与する。TYK2欠損症のヒト患者が報告されており、この患者には、ウイルス、細菌、及び真菌による多くの日和見感染症を伴う、高IgE様症候群を特徴とする原発性免疫不全障害があった。IL-23は多くの慢性炎症疾病において重要な役割を果たすことが判っていることから、TYK2阻害剤はおそらく、IL-23によって影響を受ける疾患の治療に非常に有効である可能性がある。
【0009】
ヤヌスキナーゼの阻害剤は、これらのキナーゼが関与する炎症性且つ非感染性の自己免疫疾患の治療において有用性を示すことが期待される。最近、汎JAK阻害剤であるトファシチニブ及びルキソリチニブが、それぞれ関節リウマチ及び骨髄線維症の治療用に発売された。
【0010】
したがって、JAK阻害剤は更に、例えば、増殖性及び炎症性皮膚疾患である、乾癬、アトピー性皮膚炎、強皮症、酒さ、皮膚癌、皮膚炎、疱疹状皮膚炎、膚筋炎、白斑症、円形脱毛症、接触性皮膚炎、湿疹、乾燥症、じんましん、及び慢性特発性そう痒などの皮膚疾患;喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、嚢胞性線維症、鼻炎、細気管支炎、ビシノーシス、じん肺、気管支拡張症、過敏性肺炎、肺癌、中皮腫、及びサルコイドーシスなどの呼吸器疾患;炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、後腹膜線維症、セリアック病、及び癌などの胃腸疾患;重症筋無力症、シェーグレン症候群、結膜炎、強膜炎、ブドウ膜炎、ドライアイ症候群、角膜炎、虹彩炎などの眼疾患;狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、I型糖尿病及び糖尿病による合併症、がん、強直性脊椎炎、及び乾癬性関節炎などの全身性適応症、ならびに免疫抑制が望ましい他の自己免疫疾患及び適応症、例えば臓器移植を含む、ヤヌスキナーゼの活性に関連する疾患の治療にも有用である可能性がある。
【0011】
WO2012/054364はヤヌスキナーゼ阻害剤としての二環式アミンを開示する。
【0012】
EP2460806は、JAK2及びJAK3阻害剤としての窒素含有スピロ環化合物を開示する。
【0013】
WO2015/083028は、ヤヌスキナーゼ阻害剤としてのピロロ[2,3-d]ピリミジニル、ピロロ[2,3-b]ピラジニル、及びピロロ[2,3-d]ピリジニルアクリルアミドを開示する。
【発明の概要】
【0014】
本発明の目的は、1以上のヤヌスキナーゼ受容体JAK1、JAK2、JAK3、及びTYK2の1種または複数種に対して高い阻害活性を示す新規化合物を提供することである。
【0015】
本発明の化合物は、改善された代謝安定性及び代謝排出特性、経皮安定性及び送達特性、局所送達後の全身暴露特性などの有利な特性を有することができ、これらの特性の全てにより、本化合物は、局所用薬物製剤における活性医薬成分として用いるのに特に適するものとなり得る。
【0016】
いくつかの本発明の化合物の特定の利点は、本化合物がケラチン生成細胞において安定性を示す一方、ヒト肝ミクロソームまたはヒト肝細胞において高いクリアランスを示し、したがって皮膚における本化合物の安定性及び本化合物の高い全身におけるクリアランスを共に示し、これにより、局所投与に際しての有害な副作用の危険性が低いことを示しつつ、皮膚における有効性を保持することである。
【0017】
本発明の化合物は好ましい溶解特性を有することができる。
【0018】
本発明の化合物は、他のキナーゼに対するのと比較して高度に選択的なJAK阻害活性及び/または有利な細胞毒性、光毒性、及び遺伝毒性などの有利な安全に関する特性を更に有することができる。
【0019】
従って、本発明は、一般式I
【化1】
の化合物であって、
式中、
R
1はメチルもしくはエチルを表し、
nは1もしくは2であり、
R
2は、水素、シアノ、-SO
2R
a、-SO
2NR
bR
c、-C(O)R
b、フェニル、ならびに5及び6員ヘテロアリールからなる群より選択され、但し、上記フェニル、5及び6員ヘテロアリールは任意選択で、R
3から独立に選択される1または複数の置換基で置換され、
R
3は、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、(C
1~C
4)アルキル、ヒドロキシル(C
1~C
4)アルキル、ハロ(C
1~C
4)アルキル、シアノ(C
1~C
4)アルキル、(C
1~C
4)アルコキシ、ハロ(C
1~C
4)アルコキシ、-SO
2R
a、及び-SO
2NR
bR
cからなる群を表し、
R
aは、(C
1~C
4)アルキル、(C
3~C
6)シクロアルキル、ハロ(C
1~C
4)アルキル、及びシアノ(C
1~C
4)アルキルから選択され、
R
b及びR
cはそれぞれ独立に、水素、(C
1~C
4)アルキル、ハロ(C
1~C
4)アルキル、シアノ(C
1~C
4)アルキル、(C
3~C
6)シクロアルキル、ハロ(C
3~C
6)シクロアルキル、及びシアノ(C
3~C
6)シクロアルキルから選択される
上記化合物、あるいはその薬学的に許容される塩、水和物、または溶媒和物に関する。
【0020】
更なる態様において、本発明は、医薬としての使用のための上記一般式Iの化合物に関する。
【0021】
別の態様において、本発明は、自己免疫疾患などの免疫系の疾患、もしくは免疫系の調節解除に関連する疾患の予防及び/または治療における使用のための、上記一般式Iの化合物に関する。
【0022】
更に別の態様において、本発明は、上記一般式Iの化合物を、薬学的に許容されるビヒクルもしくは賦形剤または薬学的に許容される担体(複数可)と共に含む医薬組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】化合物22の絶対結晶構造のORTEP図を示す。この構造は非対称単位胞中に2の分子を有する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
用語の定義
用語「(Ca~Cb)アルキル」は、分枝鎖状または直鎖状炭化水素から1の水素原子が除去されたときに得られる基を示すことが意図される。上記(Ca~Cb)アルキルは、1~6、好ましくは1~4、例えば1~3、例えば2~3、または例えば1~2の炭素原子を含む。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、及びイソヘキシルなどの、サブクラスであるノルマルアルキル(n-アルキル)、第二級アルキル、及び第三級アルキルを包含する。「(Ca~Cb)アルキル」中の炭素原子の数は接頭辞「(Ca~Cb)」によって示され、但し、aは当該炭化水素基中の炭素の最小の数であり、bは最大の数である。したがって、例えば、(C1~C4)アルキルは、1~4の炭素原子を含むアルキル基を示すことが意図される。
【0025】
用語「(Ca~Cb)アルキルオキシ」及び「(Ca~Cb)アルコキシ」は、式-OR’(式中、R’は本明細書に示される(Ca~Cb)アルキルであり、上記(Ca~Cb)アルキル基は酸素原子を介して親分子の部分に付加している)の基、例えば、メトキシ(-OCH3)、エトキシ(-OCH2CH3)、n-プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシなどを示すことが意図される。
【0026】
用語「アリール」は、6~13の炭素原子、例えば6~9の炭素原子、例えば6の炭素原子を含む芳香族炭素環式環の基、特には5または6員環、例えばフェニルを示すことが意図される。
【0027】
用語「シアノ」は、-CN基であって、当該炭素原子を介して親分子の部分に結合した上記基を示すことが意図される。
【0028】
用語「シアノ(Ca~Cb)アルキル」は、シアノメチルまたはシアノエチルなどの、1または複数の本明細書で定義されるシアノ原子で置換された、本明細書で定義される(Ca~Cb)アルキル基を示すことが意図される。
【0029】
用語「(Ca~Cb)シクロアルキル」は、(Ca~Cb)炭素原子、例えば3~7の炭素原子、好ましくは3~6の炭素原子、例えば3~5の炭素原子または例えば3~4の炭素原子を含む飽和シクロアルカン炭化水素基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはシクロヘプチルを示すことが意図される。
【0030】
用語「ハロ(Ca~Cb)アルキル」は1もしくは複数の、本明細書で定義されるハロゲン原子、例えばフルオロまたはクロロで置換された、本明細書で定義される(Ca~Cb)アルキル基、例えばジフルオロメチルまたはトリフルオロメチルを示すことが意図される。
【0031】
用語「ハロ(Ca~Cb)アルキルオキシ」及び「ハロ(Ca~Cb)アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子の部分に付加した、本明細書で定義されるハロ(Ca~Cb)アルキル基、例えばジフルオロメトキシまたはトリフルオロメトキシを示すことが意図される。
【0032】
用語「ハロゲン」は、周期表の第7主族由来の置換基、例えばフルオロ、クロロ、及びブロモを示すことが意図される。
【0033】
用語「5員ヘテロアリール」及び「6員ヘテロアリール」は、1~5の炭素原子及び1~4の酸素、イオウ、及び窒素から選択されるヘテロ原子、例えば5の炭素原子及び1のヘテロ原子、例えば4の炭素原子及び2のヘテロ原子、例えば4の炭素原子及び1のヘテロ原子、例えば3の炭素原子及び2のヘテロ原子、例えば2の炭素原子及び3のヘテロ原子を含有する、5または6員環を含む単環式ヘテロ芳香族環の基を示すことが意図される。上記ヘテロアリール基は、当該ヘテロアリール基内の何処かに含まれる炭素原子または窒素原子を介して親分子の部分に結合していてもよい。5員及び6員ヘテロアリール基の代表例としては、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、及びトリアゾリルが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0034】
炭化水素基(例えば、アルキル、シクロアルキル、及びアリール)中の炭素原子の数は接頭辞「(Ca~Cb)」によって示され、但し、aは当該炭化水素基中の炭素の最小の数であり、bは最大の数である。したがって、例えば、(C1~C4)アルキルは、1~4の炭素原子を含むアルキル基を示すことが意図され、(C3~C5)シクロアルキルは、3~5の炭素環原子を含むシクロアルキル基を示すことが意図される。
【0035】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」はOH基を示すことが意図される。
【0036】
用語「ヒドロキシ(Ca~Cb)アルキル」または「ヒドロキシル(Ca~Cb)アルキル」は、1または複数のヒドロキシで置換された、上記に定義された(Ca~Cb)アルキル基、例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルを示すことが意図される。
【0037】
用語「オキソ」は、二重結合を介して親分子の部分に結合した酸素原子(=O)を示すことが意図される。
【0038】
基C(O)はカルボニル基(C=O)を表すことが意図される。
【0039】
基S(O)はスルホキシド基(S=O)を表すことが意図される。
【0040】
基S(O)2またはSO2はスルホン基(O=S=O)を表すことが意図される。
【0041】
複数の置換基が群から独立に選択されると記載される場合には、それぞれの置換基は他の置換基から独立に選択される。したがって、それぞれの置換基は他の置換基(複数可)と同一であってもよく、または他の置換基(複数可)と異なっていてもよい。
【0042】
用語「任意選択で置換された」とは「非置換であるかまたは置換された」を意味し、したがって、本明細書に記載の一般式は、上記指定された任意選択の置換基(複数可)を含む化合物、ならびに上記任意選択の置換基(複数可)を含まない化合物を包含する。
【0043】
用語「薬学的に許容される塩」は、塩基性部分を含む式Iの化合物を、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、2,2-ジクロロ酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、ガラクタル酸、乳酸、マレイン酸、L-リンゴ酸、フタル酸、クエン酸、プロピオン酸、安息香酸、グルタル酸、グルコン酸、D-グルクロン酸、メタンスルホン酸、サリチル酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸、ベンゼンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファミン酸、もしくはフマル酸などの、適宜の無機または有機酸と反応させることによって調製される塩を示すことが意図される。酸性部分を含む式Iの化合物の薬学的に許容される塩もまた、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化銀、アンモニアなど、または適宜の無毒性アミン、例えば、低級アルキルアミン、ヒドロキシ-低級アルキルアミン、シクロアルキルアミン、もしくはベンジルアミン、もしくはL-アルギニン、もしくはL-リシンなどの適宜の塩基との反応によって調製することができる。薬学的に許容される塩の更なる例は、Berge, S.M.;J. Pharm. Sci.;(1977), 66(1), 1-19に記載され、該文献は参照により本明細書に援用される。
【0044】
用語「溶媒和物」とは、化合物、例えば式Iの化合物と溶媒、例えばアルコール、グリセリン、または水との間の相互作用によって形成される種であって、結晶形である上記種を示すことが意図される。水が上記溶媒である場合、上記種は水和物と呼ばれる。
【0045】
本明細書では、用語「治療」とは、疾患、障害、または疾病と戦うことを目的とした患者の管理及び保護を意味する。この用語は、上記疾患、障害、もしくは疾病の進行の遅延、症状及び合併症の改善、軽減、もしくは除去、ならびに/あるいは上記疾患、障害、もしくは疾病の治癒または除去を包含することが意図される。この用語は上記疾病の予防も包含し、ここで予防とは、上記疾患、疾病、または障害と戦うことを目的とした患者の管理及び保護として理解されるべきであり、症状または合併症の発症を防ぐための本活性化合物の投与を含む。それにもかかわらず、予防的(prophylactic)(予防的(preventive))処置と治療的(治癒的)処置とは2つの異なる態様である。
【0046】
刊行物、特許出願、及び特許を含む本明細書に引用される全ての参考文献は、本明細書の他所においていずれかの特定の文献の援用が個別に記載されているか否かにかかわらず、本記載をもって、それらの全体が且つ各文献が個別に且つ具体的に参照により本明細書に援用されることが示されているのと同様の程度に、参照により本明細書に援用される。
【0047】
本発明の実施形態
一実施形態において、本発明は、一般式I(a)
【化2】
の化合物であって、式中、n、R
1、及びR
2は一般式Iに対して上記したとおりである、上記化合物を提供する。
【0048】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、nが2である上記化合物を提供する。
【0049】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、R1がメチルを表し、nが2である上記化合物を提供する。
【0050】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、R1がエチルを表し、nが2である上記化合物を提供する。
【0051】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、R2が、水素、シアノ、-SO2Ra、-SO2NRbRc、-C(O)Rb、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルからなる群より選択され、但し、上記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルは任意選択で、R3から独立に選択される1または複数の置換基で置換される上記化合物を提供する。
【0052】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、R2が、水素、シアノ、-SO2Ra、及び-SO2NRbRcからなる群より選択される、上記化合物を提供する。
【0053】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、R2が、シアノ及び-SO2NH2からなる群より選択される、上記化合物を提供する。
【0054】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、R3が、シアノ、ハロゲン、メチル、ヒドロキシメチル、及び-SO2CH3からなる群を表す、上記化合物を提供する。
【0055】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、Raがメチル及びトリフルオロエチルから選択される、上記化合物を提供する。
【0056】
一実施形態において、本発明は、一般式IまたはI(a)の化合物であって、式中、Rb及びRcがそれぞれ独立に、水素、メチル、及びシアノメチルから選択される、上記化合物を提供する。
【0057】
一実施形態において、本発明は、一般式Iのもしくは、
(4aR,8aS)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aS,8aR)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
5-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-2-メチルスルホニル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-6-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
1-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]エタノン、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルバルデヒド、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール、
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,2,3,4,4a,5,6,8-オクタヒドロ-2,7-ナフチリジン、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]チアゾール-4-カルボニトリル、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-メチルスルホニル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド、
(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル、
(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル、
(3aS*,7aS*)-N-(シアノメチル)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
3-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-オキソプロパンニトリル、
6-[(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(5-メチルスルホニル-2-ピリジル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-ピリジル]メタノール、
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモ-3-ピリジル]メタノール、
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-ピリミジン-4-イル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル、
5-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
1-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニル]シクロペンタンカルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル
から選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物を提供する。
【0058】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0059】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0060】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0061】
一実施形態において、本発明は、(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0062】
一実施形態において、本発明は、(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0063】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0064】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミドである一般式Iの化合物を提供する。
【0065】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリルである一般式Iの化合物を提供する。
【0066】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0067】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0068】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその水和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0069】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその水和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0070】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0071】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0072】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミドである一般式Iの化合物を提供する。
【0073】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリルである一般式Iの化合物を提供する。
【0074】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0075】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0076】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその水和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0077】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその水和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0078】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0079】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0080】
一実施形態において、本発明は、(4aR,8aS)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0081】
一実施形態において、本発明は、(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0082】
一実施形態において、本発明は、5-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0083】
一実施形態において、本発明は、6-[(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0084】
一実施形態において、本発明は、4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(5-メチルスルホニル-2-ピリジル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0085】
一実施形態において、本発明は、[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモ-3-ピリジル]メタノール、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0086】
一実施形態において、本発明は、4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0087】
一実施形態において、本発明は、6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0088】
一実施形態において、本発明は、5-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0089】
一実施形態において、本発明は、6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物、もしくは溶媒和物から選択される一般式Iの化合物を提供する。
【0090】
1または複数の実施態様において、本発明は、一般式I(b)、I(c)、またはI(d)
【化3】
の化合物であって、式中、R
1、R
2、及びnは上記のとおりである上記化合物を提供する。
【0091】
1または複数の実施態様において、本発明は、一般式I(e)
【化4】
の化合物であって、式中、R
1及びR
2は上記のとおりである上記化合物を提供する。
【0092】
本明細書に記載の2以上の実施形態の任意の組み合わせは、本発明の範囲内にあると見なされる。
【0093】
本発明は、n、R1、R2、R3、Ra、Rb、及びRcが、本明細書の何処かに記載される任意の組み合わせで組み合わされた全ての実施形態を包含する。
【0094】
式Iの化合物は、有機溶媒から濃縮することにより直接、あるいは有機溶媒もしくは上記溶媒と有機もしくは水などの無機であってもよい共溶媒との混合物から、結晶化または再結晶化することによってのいずれかで、結晶形態で得てもよい。上記結晶は、本質的に溶媒を含まない形態で、または水和物などの溶媒和物として単離されてもよい。本発明は、多形体及び偽多形体、ならびにそれらの混合物などの、全ての結晶形を包含する。
【0095】
式Iの化合物は、異性体、例えば鏡像異性体及びジアステレオマーの存在を誘起する、非対称に置換された(キラル)炭素原子を含む。本発明は、光学的に純粋な形態、またはそれらの混合物(例えば、ラセミ体及びラセミ混合物または部分的に精製された光学的混合物)としてのいずれかの、全てのかかる異性体に関する。本発明の化合物及び中間体の純粋な立体異性体は、当技術分野において公知の手順を適用することによって得ることができる。種々の異性体は、選択的結晶化及びクロマトグラフィー技法、例えばキラル固定相を用いる高速液体クロマトグラフィーなどの物理的分離方法によって分離することができる。鏡像異性体は、光学活性アミンまたは光学活性酸を用いて形成される場合がある上記鏡像異性体のジアステレオマー塩の選択的結晶化によって互いに分離することができる。続いて、上記精製されたジアステレオマーの塩から光学的に精製された化合物を遊離させることができる。ジアステレオマー誘導体の形成によって鏡像異性体を分割してもよい。あるいは、キラル固定相を用いたクロマトグラフィー技法によって鏡像異性体を分離してもよい。純粋な立体異性体はまた、当該の反応が立体選択的または立体特異的に起こるならば、適当な出発物質の対応する純粋な立体異性体から誘導してもよい。特定の立体異性体が所望の場合、上記化合物は、立体選択的または立体特異的調製方法によって合成されることとなることが好ましい。これらの方法では、キラルで純粋な出発物質を有利に用いることとなる。
【0096】
更に、分子内に二重結合または完全もしくは部分飽和環系が存在する場合、幾何異性体が形成される場合がある。分離された、純粋なもしくは部分的に精製された幾何異性体またはそれらの混合物としての任意の幾何異性体が本発明の範囲内に含まれることが意図される。ラセミ混合物の相対的立体化学を、本発明の関連化合物の命名において*で示す。したがって、例えば「(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド」は、「(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド」と「(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド」とのラセミ混合物を示す。
【0097】
一般式Iの化合物において、当該の原子はそれらの天然の同位体存在量を示してもよく、または1もしくは複数の当該原子が、同一の原子番号を有するが、天然に存在する原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する、特定の同位体が人工的に富化されていてもよい。本発明は、一般式Iの化合物の全ての適当な同位体変種を包含することを意図する。例えば、異なる水素の同位体としては1H、2H、及び3Hが挙げられ、異なる炭素の同位体としては、12C、13C、及び14Cが挙げられ、異なる窒素の同位体としては、14N及び15Nが挙げられる。重水素(2H)を富化させることにより、例えば、イン・ビボ半減期を増大させるもしくは投薬計画量を低減できる場合があり、または生物学的試料のキャラクタリゼーションのための標準として有用な化合物を提供できる場合がある。一般式Iの範囲内の同位体富化化合物は、適宜の同位体富化反応剤及び/または中間体を用いた、当業者に周知の従来の技法によって、または本明細書の概括的方法に記載の方法と類似の方法によって調製することができる。
【0098】
本発明の1または複数の実施形態において、上記で定義された式Iの化合物は、治療に有用であり、特に、例えば、増殖性及び炎症性皮膚疾患である、乾癬、アトピー性皮膚炎、強皮症、酒さ、皮膚癌、皮膚炎、疱疹状皮膚炎、膚筋炎、白斑症、円形脱毛症、接触性皮膚炎、湿疹、乾燥症、魚鱗癬、じんましん、及び慢性特発性そう痒などの皮膚疾患;喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺線維症、嚢胞性線維症、鼻炎、細気管支炎、ビシノーシス、じん肺、気管支拡張症、過敏性肺炎、肺癌、中皮腫、及びサルコイドーシスなどの呼吸器疾患;炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、後腹膜線維症、セリアック病、及び癌などの胃腸疾患;重症筋無力症、シェーグレン症候群、結膜炎、強膜炎、ブドウ膜炎、ドライアイ症候群、角膜炎、虹彩炎などの眼疾患;狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、I型糖尿病及び糖尿病による合併症、がん、強直性脊椎炎、及び乾癬性関節炎などの全身性適応症、ならびに免疫抑制が望ましい他の自己免疫疾患及び適応症、例えば臓器移植の治療に有用である。
【0099】
一実施形態において、本発明は、乾癬もしくはアトピー性皮膚炎の予防及び/または治療における使用のための、上記で定義された式Iの化合物を提供する。
【0100】
一実施形態において、本発明は、自己免疫疾患などの免疫系の疾患の予防、治療、または改善方法であって、上記疾患の少なくとも1種に罹患している人に、有効量の1種または複数種の上記式Iの化合物を、任意選択で薬学的に許容される担体または1種もしくは複数種の賦形剤と共に、任意選択で他の治療上活性な化合物との併用で、投与することを含む上記方法を提供する。
【0101】
一実施形態において、本発明は、乾癬もしくはアトピー性皮膚炎の予防、治療、または改善方法であって、上記疾患の少なくとも1種に罹患している人に、有効量の1種または複数種の上記式Iの化合物を、任意選択で薬学的に許容される担体または1種もしくは複数種の賦形剤と共に、任意選択で他の治療上活性な化合物との併用で、投与することを含む上記方法を提供する。
【0102】
一実施形態において、本発明は、自己免疫疾患、例えば乾癬もしくはアトピー性皮膚炎などの免疫系の疾患の予防及び/または治療用の医薬の製造における使用のための式Iの化合物を提供する。
【0103】
本発明の1または複数の実施形態において、上記で定義された式Iの化合物は、JAK1、JAK2、JAK3、またはTYK2プロテインチロシンキナーゼなどのJAKファミリーのプロテインチロシンキナーゼのプロテインチロシンキナーゼの活性を調節することができる抗炎症剤として有用である。
【0104】
本発明の化合物は、ヒトの治療に有用であることに加えて、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ、及びネコなどの哺乳動物を含む動物の獣医学的治療にも有用である場合がある。
【0105】
本発明の医薬組成物
治療に用いるための本発明の化合物は一般的に医薬組成物の形態にある。したがって本発明は、式Iの化合物を、任意選択で1種または複数種の他の治療上活性な化合物と共に、薬学的に許容される賦形剤、ビヒクル、または担体(複数可)と共に含む医薬組成物に関する。上記賦形剤は、当該組成物の他の成分に適合性であり、且つ該賦形剤を摂取する者に対して有害ではないという意味で「許容される」ものである必要がある。
【0106】
本活性成分は当該製剤の0.0001~99.9重量%を構成することが好都合である。
【0107】
本化合物は、単位剤形中で、1日に1回または適宜の間隔で複数回、但し常に患者の状態に応じて、且つ医師による処方に従って投与されてもよい。単位剤形には、0.001mg~1000mg、好ましくは0.1mg~300mg、例えば50~200mgの式Iの化合物が含まれることが好都合である。
【0108】
本発明の化合物の適切な投与量は、とりわけ、当該の患者の年齢及び状態、治療を受ける疾患の重篤度、ならびに医師に周知である他の因子に依存することとなる。本化合物は、経口投与、非経口投与、局所投与、経皮投与、もしくは皮内投与するか、または異なる投与計画に従って、例えば、毎日、毎週、もしくは1月の間隔で、他の経路により投与するかのいずれかであってよい。一般に、単回用量は、0.001~400mg/kg-体重の範囲となる。本化合物は、急速静注として投与する(すなわち、日用量全体を一度に投与する)か、または1日に2回以上に分割して投与してもよい。
【0109】
局所治療に関しては、「使用単位」に言及することがより適切である場合があり、「使用単位」とは、患者に投与することができ、容易に取り扱う及び包装することができ、当該活性物質それ自体として、またはその、固体、半固体、もしくは液体の医薬希釈剤または担体との混合物のいずれかからなる、物理的及び化学的に安定な単位用量の状態を維持する単回用量を意味する。
【0110】
局所使用における用語「使用単位」とは、平方センチメートルの治療面積当たり0.001マイクログラム~1mg、好ましくは0.05マイクログラム~0.5mgの対象となる活性成分の塗布量で患者に局所投与することができる単位用量、すなわち単回用量を意味する。
【0111】
特定の治療レジメンにおいて、より長い間隔、例えば隔日、毎週、または更に長い間隔での投与であっても有益である場合も想定される。
【0112】
当該の治療が別の治療上活性な化合物の投与を含む場合、該化合物の有用な投与量については、Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Ed., J.G. Hardman and L.E. Limbird (Eds.), McGraw-Hill 1995を調べることが推奨される。
【0113】
本発明の化合物を1種または複数種の他の活性化合物と共に投与する場合、その投与は同時投与または逐次投与のいずれであってもよい。
【0114】
上記製剤としては、例えば、経口投与(持続放出または徐放を含む)、経直腸投与、非経口投与(皮下、腹腔内、筋肉内、関節内、及び静脈内投与を含む)、経皮投与、皮内投与、眼科投与、局所投与、経鼻投与、舌下投与、または口腔内投与に適した形態の製剤が挙げられる。
【0115】
上記製剤は利便性のよい単位剤形で提供されてもよく、例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 21ed ed., 2005に開示される、但しこれらに限定されない、薬学の分野で周知の任意の方法によって調製されてもよい。全ての方法は、本活性成分を1種または複数種の副成分を構成する担体と組み合わせるステップを含む。一般に、上記製剤は、本活性成分を液体担体、半固体担体、もしくは微粉固体担体、またはこれらの組み合わせと均一かつ密接に組み合わせ、次いで必要に応じて、その生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。
【0116】
経口投与及び口腔内投与に適した本発明の製剤は、それぞれが所定量の本活性成分を含有する、カプセル剤、サシェ剤、錠剤、チューインガム剤、またはロゼンジ剤としての個別の単位の形態;散剤、顆粒剤、またはペレット剤の形態;水性液体またはエタノールもしくはグリセリンなどの非水性液体中の溶液剤または懸濁液剤の形態;あるいは、ゲル剤、ナノもしくはマイクロエマルション剤、水中油型乳化液剤、油中水型乳化液剤、または他の分配系の形態であってよい。上記の油は、例えば綿実油、ゴマ油、ヤシ油、または落花生油などの、但しこれらに限定されない食用油であってよい。水性懸濁液剤に適した分散剤または懸濁剤としては、合成または天然の界面活性剤及び増粘剤が挙げられる。本活性成分はまた、急速静注剤、舐剤、またはペースト剤の形態で投与されてもよい。
【0117】
錠剤は、本活性成分を、任意選択で1種または複数種の副成分と共に圧縮、成型、または凍結乾燥することによって製造してもよい。圧縮錠剤は、粉末または顆粒などの自由流動形態の本活性成分(複数可)を、任意選択で結合剤及び/または充填剤、滑沢剤、崩壊剤、または分散剤と混合し、適宜の機械で圧縮することによって製剤化してもよい。成形錠剤は、粉末状の本活性成分と不活性液体希釈剤で湿らせた適宜の担体との混合物を、適宜の機械で成形することによって製造してもよい。凍結乾燥錠剤は、原薬の溶液から凍結乾燥機中で形成させてもよい。適宜の充填剤が含まれていてもよい。
【0118】
経直腸投与用製剤は、本発明の化合物が低融点の水溶性または水不溶性の固体と混合された坐剤の形態であってよく、一方、エリキシル剤はパルミチン酸ミリスチルを用いて製剤化してもよい。
【0119】
非経口投与に適した製剤は、利便性のよい、無菌の本活性成分の油性または水性製剤からなり、該製剤は好ましくは被投与者の血液と等張である、等張生理学的食塩水、等張グルコース溶液、または緩衝液である。更に、上記製剤は、共溶媒、可溶化剤、及び/または錯化剤を含有していてもよい。上記製剤は、例えば、細菌保持フィルタによるろ過、当該製剤への滅菌剤の添加、当該製剤への放射線照射、または当該製剤の加熱によって利便性よく滅菌してもよい。例えば、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol.9, 1994に開示されるリポソーム製剤もまた、非経口投与に好適である。
【0120】
あるいは、式Iの化合物は、使用直前に無菌溶媒に容易に溶解する無菌固形製剤、例えば凍結乾燥粉末として提供されてもよい。
【0121】
経皮投与用製剤は、プラスター剤、貼付剤、マイクロニードル剤、リポソームもしくはナノ粒子送達系、または皮膚に塗布する他の皮膚用製剤の形態であってよい。
【0122】
眼科投与に適した製剤は、本活性成分の無菌水性製剤の形態であってよく、該製剤は、微結晶形態、例えば、水性微結晶懸濁液剤の形態であってよい。例えば、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol.2, 1989に開示されるリポソーム製剤または生分解性ポリマー系も、眼科投与用の本活性成分を提供するために用いてもよい。
【0123】
経皮投与、皮内投与、または眼科投与などの局所投与に適した製剤としては、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、塗布剤、噴霧剤、フォーム剤、フィルム形成剤、マイクロニードル剤、マイクロまたはナノエマルション剤、クリーム剤、軟膏剤、またはペースト剤などの水中油型もしくは油中水型乳化液剤;あるいは滴剤などの溶液剤または懸濁液剤が挙げられる。
【0124】
局所投与に関しては、式Iの化合物は、一般的には、上記組成物の0.001~20重量%、例えば0.01%~約10%、例えば0.1~5%の量で存在してもよいが、該組成物の約100%までの量で存在してもよい。
【0125】
経鼻投与または口腔内投与に適した製剤としては、散剤、エアロゾル及び霧吹き器などの自己噴射型製剤ならびに噴霧製剤が挙げられる。かかる製剤は、例えば、Modern Pharmaceutics, 2nd ed., G.S. Banker and C.T. Rhodes (Eds.), page 427-432, Marcel Dekker, New York;Modern Pharmaceutics, 3th ed., G.S. Banker and C.T. Rhodes (Eds.), page 618-619 and 718-721, Marcel Dekker, New York;及びEncyclopedia of Pharmaceutical Technology, vol. 10, J. Swarbrick and J.C. Boylan (Eds), page 191-221, Marcel Dekker, New Yorkに更に詳細に開示される。
【0126】
上記式Iの化合物の製剤は、上述の成分に加えて、希釈剤、緩衝剤、香味料、着色料、界面活性剤、増粘剤、浸透促進剤、溶解促進剤、防腐剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチル(酸化防止剤を含む)、乳化剤などの、1種または複数種の更なる成分を含んでいてもよい。
【0127】
本活性成分が薬学的に許容される無毒性の酸または塩基との塩の形態で投与される場合、好ましい塩は、例えば、特定の且つ適当な吸収速度を得るために、水に対して易溶性であるかまたは水にわずかに可溶性である。
【0128】
調製方法
本発明の化合物は、合成分野の当業者に周知の多くの方法で調製することができる。スキーム1中の式Iの化合物は、例えば、有機合成化学の分野で公知の方法、または当業者に理解されるそれらの変化形と共に、以下に概説する反応及び技法を用いて調製してもよい。好ましい方法としては以下に記載されるものが挙げられるが、これらに限定はされない。これらの反応は、用いる反応剤及び材料に対して適当であり、且つ実施する変換に適した溶媒中で行われる。また、下記の合成方法において、溶媒の選択、反応雰囲気、反応温度、実験時間、及び後処理手順を含む全ての提案された反応条件は、当該の反応の標準条件となるように選択されていることを理解されたく、このことは、有機合成の当業者であれば容易に認識するべきものである。所与の部類に分類される全ての化合物が、記載される方法のいくつかにおいて必要とされるいくつかの反応条件に適合するとは限らない。上記反応条件に適合する置換基に対するかかる制限は、当業者には容易に明らかであろうし、且つ代替の方法を用いることができる。
【0129】
出発物質は、公知の化合物もしくは市販の化合物のいずれかであるか、または当業者に周知の慣用的な合成方法によって調製することができる。
【0130】
概括的操作及び調製
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは300MHz、400MHz、または600MHzで記録した。化学シフト値(δ、ppmで表示)は、指定した溶媒中での、内部テトラメチルシラン(δ=0.00)またはクロロホルム(δ=7.26)に対する値で示す。多重腺の値は、区別した場合(二重線(d)、二重線-二重線(dd)、三重線(t)、四重線(q))または区別していない場合(m)のいずれにおいても、範囲を示していない限り、おおよその中心点の値で示す。(br)はブロードピークを表す。使用する有機溶媒は通常無水であった。
【0131】
分取HPLC(酸性)
装置:Gilson UV/VIS-155検出器を備えるGilson HPLCシステム
カラム:Waters SunFire(商標)Prep C18 5μm OBD 19×250mm
試薬:(A)0.1%ギ酸水溶液;(B)MeCN
ポンプ: 流速:30mL/分
【0132】
分取HPLC(塩基性)
装置:Gilson UV/VIS-155検出器を備えるGilson HPLCシステム
カラム:Waters XBridge(登録商標)Prep C18 5μm OBD 19×250mm
試薬:(A)50mM NH
4HCO
3水溶液;(B)MeCN
ポンプ: 流速:30mL/分
【0133】
分析用UPLC-MS
カラム:Waters Aquity UPLC HSS T3 1.8μm、2.1×50mm
カラム温度:60℃
UV:PDA 210~400nm
注入容量:2μl
溶離液:
A:0.1% ギ酸を添加した10mM 酢酸アンモニウム水溶液
B:0.1% ギ酸を添加した100%アセトニトリル
勾配:
時間(分) A(%) B(%) 流速(mL/分)
0.0 95 5 1.2
0.9 5 95 1.2
0.91 5 95 1.3
1.2 5 95 1.3
1.21 5 95 1.2
1.40 95 5 1.2
MS:陽イオン化と陰イオン化との間でエレクトロスプレーを切り替え
装置:Waters Aquity UPLC、Waters SQD
【0134】
分析用UPLC-MS方法5
カラム:Acquity UPLC HSS T3 1.8μm;2.1×50mm
流速:0.7ml/分
カラム温度:40℃
移動相:
A:10mM 酢酸アンモニウム水溶液+0.1%ギ酸
B:アセトニトリル+0.1%ギ酸
UV: 240~400nm
注入容量: 2μl
勾配:
時間(分) A(%) B(%)
0.0分 99% 1%
0.5分 94% 6%
1.0分 94% 6%
2.6分 5% 95%
3.8分 5% 95%
3.81分 99% 1%
4.8分 99% 1%
UPLC(注入法): XE Metode 7 CM
MS 方法:PosNeg_50_1000
装置:Waters Aquity UPLC、Waters LCT Premier XE
【0135】
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲル(100~200メッシュ)を用いて手動で、またはCombiFlash ISCOシステム上もしくはGrace Revelerisシステム上のいずれかで、予め充填されたカラムを用いて自動でのいずれかで実施した。表示した溶媒比は別段の注記のない限りv:vを示す。
【0136】
LAHを含有する反応混合物を後処理するためにFieser法を用い、同法は、用いたx gのLAH当たりxmLの水を添加すること、次いでx mLの15% NaOH水溶液及び3x mLの水を添加すること、及び沈殿した塩をろ過することから構成される。
【0137】
全体を通して以下の略語を用いている。
Aq. 水性
AcOH 酢酸
BOC tert-ブトキシカルボニル
Bz ベンジル
CBz カルボキシベンジル
CbzCl クロロギ酸ベンジル
DBU 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピルエチレンアミン
DMAP N,N-ジメチル-4-アミノピリジン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DSC 示差走査熱量測定
EDCI 1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間(複数可)
HATU 1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LG 脱離基
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
NMR 核磁気共鳴
Ms メシラート
PG 保護基
Ph フェニル
Pr n-プロピル
rt 室温
SEM 2-(トリメチルシリル)エトキシメチル
SM 出発物質
SnAr 求核芳香族置換
TEA トリエチルアミン
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
tR 保持時間(分)
Ts トシラート
v 容積
【0138】
調製の概括的手順
本発明の化合物(I)の一般式をスキーム1
スキーム1
【化5】
(式中、R
1、R
2、及びnは本明細書に記載のとおりに定義される)に示す。
【0139】
一般式I(n=1の場合)の化合物は、例えば、スキーム2
スキーム2
【化6】
(PGは、CBz、Bz、BOC、SEM、及びTsなどの、但しこれらに限定されない適宜の保護基(例えば、“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”, 5
th ed., Wuts P.G.M., John Wiley & Sons Inc.を参照のこと)を表し、LGは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ、-OMs、または-OTsなどの、但しこれらに限定されない適宜の脱離基を表し、Qは、特定の反応の必要性に応じて、-HまたはPGに関して説明した保護基のいずれかを表す)に概説する概括的方法によって調製することができる。
【0140】
一般式I(n=1の場合)の化合物は、必要に応じて一般式I-Qの化合物を脱保護することによって調製することができる。Qが-Hに等しい場合、脱保護は必要ない。
【0141】
一般式I-Qの化合物は、一般式IIの化合物を、スルホン酸クロリド(実施例31)、活性化ハロヘテロアレーン(実施例38)、及び臭化シアン(実施例29)などの、R2の適宜に活性化された反応剤または前駆体と反応させることによって調製することができる。
【0142】
一般式IIの化合物は、一般式IIIの化合物からPGの脱保護により得ることができる。Qが保護基である場合、この脱保護は、例えば中間体23について記載するように、Qを所定の位置に残したままPGを選択的に除去する。
【0143】
一般式IIIの化合物は、例えば、DMF、MeCN、または水のような溶媒及びDIPEAまたはK2CO3のような塩基を用い、従来の加熱またはマイクロ波誘導加熱による室温~200℃などの適当な温度でのSnAr条件下で、一般式Vの化合物をピロロピリミジン誘導体IVとカップリングさせることによって調製することができる。
【0144】
あるいは、IVとVとの間のIIIを形成する上記反応は、適当な溶媒中、適当な配位子及び適当な塩基を伴う遷移金属系触媒の存在下、従来の加熱またはマイクロ波誘導加熱による室温~200℃などの適当な温度で実施することができる。一般的な遷移金属としてはPd及びCuが挙げられ、適当な配位子としては、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル及び4,5-ビス-ジフェニルホスファニル-9,9-ジメチル-9H-キサンテンのようなP系配位子、ならびにN,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンのようなN系配位子が挙げられ、適当な塩基としては、Cs2CO3、ナトリウムtert-ブトキシド、及びK3PO4が挙げられ、適当な溶媒としてはジオキサン及びトルエンが挙げられる。
【0145】
一般式IVの化合物は、市販されているか、または市販されている分子から、有機合成の分野における当業者である化学者に公知の標準的な手順による合成的変換により調製されるかのいずれかである。一般式Vの化合物は一般式I(n=1の場合)の化合物の合成における重要な組み立てブロックであり、該化合物は、例えばスキーム3に概説し、且つ中間体の節に更に詳細に記載するようにして調製することができる。
スキーム3
【化7】
【0146】
一般式I(n=2の場合)の化合物は、例えば、スキーム4
スキーム4
【化8】
(Qは、特定の反応の必要性に応じて、-HまたはPGに関して上記に説明した保護基のいずれかを表し、LGは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ、-OMs、または-OTsなどの、但しこれらに限定されない適宜の脱離基を表す)に概説する概括的方法によって調製することができる。
【0147】
一般式I(n=2の場合)の化合物は、実施例4~8におけるように、必要に応じて一般式I-Q(n=2の場合)の化合物を脱保護することにより調製することができる。Qが-Hに等しい場合、例えば実施例15及び実施例25におけるように、脱保護は必要ない。
【0148】
一般式I-Q(n=2の場合)の化合物は、一般式VIの化合物を、活性化ハロヘテロアレーン(実施例4~8など)及びメタンスルホニルクロリド(実施例13)などの、R2の適宜に活性化された反応剤または前駆体と反応させることによって調製することができる。
【0149】
一般式VIの化合物は、一般式VIIの化合物から還元により、例えば中間体6について記載のようにして得ることができる。
【0150】
一般式VIIの化合物は、例えば、DMF、MeCN、または水のような溶媒及びDIPEAまたはK2CO3のような塩基を用い、従来の加熱またはマイクロ波誘導加熱による室温~200℃などの適当な温度でのSnAr条件下で、一般式VIIIの化合物をピロロピリミジン誘導体IVとカップリングさせることによって調製することができる。
【0151】
あるいは、IVとVIIIとの間のVIIを生成する上記反応は、適当な溶媒中、適当な配位子及び適当な塩基を伴う遷移金属系触媒の存在下、従来の加熱またはマイクロ波誘導加熱による室温~200℃などの適当な温度で実施することができる。一般的な遷移金属としてはPd及びCuが挙げられ、適当な配位子としては、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル及び4,5-ビス-ジフェニルホスファニル-9,9-ジメチル-9H-キサンテンのようなP系配位子、ならびにN,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミンのようなN系配位子が挙げられ、適当な塩基としては、Cs2CO3、ナトリウムtert-ブトキシド、及びK3PO4が挙げられ、適当な溶媒としてはジオキサン及びトルエンが挙げられる。
【0152】
一般式IVの化合物は、市販されているか、または有機合成の分野における当業者である化学者に公知の標準的な手順による合成的変換により、市販の分子から調製されるかのいずれかである。
【0153】
一般式VIIIの化合物は、一般式I(n=2の場合)の化合物の合成における重要な組み立てブロックであり、該化合物は、例えばスキーム5に概説し、且つ中間体の節に更に詳細に記載するようにして調製することができる。
スキーム5
【化9】
【0154】
あるいは、式VIII及び式IXの重要な組み立てブロックは、スキーム6に概説する一連のステップに従って合成することができる。
スキーム6
【化10】
【0155】
スキーム6に概説するように、マイケル付加条件下で、アルケンジエステルを置換マロノニトリルとカップリングさせることができ、その反応の生成物を水素化、環化、及び還元により更に操作して、式IXの化合物を得ることができる。VIIIとIVとの反応について記載したものと類似の条件下で、式IXの化合物をIVと反応させてVIを得ることができる。
【0156】
スキーム6に概説するように、式VIIの化合物は、4-(シアノメチル)ピリジン-3-カルボン酸メチルから出発して手に入れることができ、該化合物から、当該のニトリルを還元し、続いて分子内環化し、且つ当該のピリジン環を還元することによって式Xの化合物を得ることができる。エノラート形成及びアルキル化による更なる誘導体化によって式VIIIの化合物を与えることができ、式VIIIの化合物を用いて式VIIの化合物を調製する、または更にIXへと操作することができる。
【0157】
立体化学
中間体2、7、及び13の合成手順において、記載のアルキル化によってラセミ生成物が得られる。したがって、これらの中間体を用いた後続の中間体及び実施例はラセミ混合物として合成される。
【0158】
本発明の中間体及び実施例の構造におけるくさび型で表した結合及び破線で表した結合を用いた立体配置の表示は、別段の注記がない限り、ラセミ混合物の相対的な立体化学を意味するものと解釈されたい。上記ラセミ混合物の相対的な立体化学は、関連する化合物の命名において*で示す。
【0159】
中間体4及び9を得るための分子内環化手順においては、シス及びトランス二環式系の両方の生成が可能である(スキーム7参照)。
スキーム7
【化11】
【0160】
ラセミの実施例23に関するNOESY NMRによる検討に基づいて、この精製された物質は純粋なシスジアステレオマーからなることが明らかになり、このことは、この分子内環化ステップにおいてシスジアステレオマーの生成がトランスに対して支配的であることを示している。但し、シス対トランスの具体的な比(すなわちジアステレオマー比)は評価しなかった。
【0161】
中間体15に関して、中間体14から中間体15への水素化ステップが高度の立体制御を伴って進行し、その結果ジアステレオマー比が約9:1となることが報告されている(Kim et al., Tetrahedron Letters 48 (2007) 5023-5026)。
【0162】
純粋な鏡像異性体の分離を、該分離を実施した旨を記載した、選択した実施例に関して、キラルクロマトグラフィーによって実施した。
【実施例】
【0163】
中間体
中間体1
4-オキソピペリジン-1,3-ジカルボン酸O1-ベンジルO3-メチル
【化12】
4-オキソピペリジン-3-カルボン酸メチル塩酸塩(25g、129.11mmol)を0℃のDCM(250mL)に懸濁させ、DIPEA(38.4g、297mmol、50.8mL)をゆっくりと添加して透明な溶液を得た。次いで、CbzCl(24.2g、142mmol、20.3mL)を上記溶液に滴加し、0℃で30分間、次いで室温で更に15時間撹拌して、出発物質のアミンを完全に転化させた。この反応混合物を10%クエン酸水溶液(2×100mL)で洗浄し、脱水し(MgSO
4)、ろ過し、真空中で濃縮して、中間体1(39.8g、123mmol、収率95%)を、その先の操作にとって十分な純度の粗製の黄色油状物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.78 (M+H
+) = 293.3。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 11.97 (s, 1H), 7.46 - 7.27 (m, 5H), 5.16 (s, 2H), 4.14 (t, J = 1.7 Hz, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.65 (t, J = 6.0 Hz, 2H), 2.39 (br s, 2H)。
【0164】
中間体2
ラセミの3-メチル-4-オキソピペリジン-1,3-ジカルボン酸O1-ベンジルO3-メチル
【化13】
中間体1(15.0g、51.5mmol)、炭酸カリウム(2.0当量、102mmol、14.2g)、及びヨードメタン(3.0当量、154mmol、21.9g、9.64mL)をDMF(50mL)に溶解し、室温で3時間撹拌して、出発物質のケトエステルをNMRに基づいて完全に転化させた。水系での後処理(飽和食塩水/エーテル)、それに続くエーテル相の脱水(硫酸マグネシウム)、ろ過、及び真空中での濃縮によって、その先の操作にとって十分な純度のラセミの中間体2(16.7g、50.8mmol、収率98%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.73 (M+Na
+) = 329.2。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 7.36 (m, 5H), 5.17 (s, 2H), 4.60 (dd, J = 13.7, 2.2 Hz, 1H), 4.24 (m, 1H), 3.64 (br s, 3H), 3.41 (m, 1H), 3.13 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 2.77 (ddd, J = 15.1, 10.2, 6.5 Hz, 1H), 2.50 (dt, J = 15.5, 4.0 Hz, 1H), 1.31 (s, 3H)。
【0165】
中間体3
ラセミの(4E)-4-(シアノメチレン)-3-メチルピペリジン-1,3-ジカルボン酸O1-ベンジルO3-メチル
【化14】
中間体2(17.2g、56.5mmol)の脱水THF(170mL)溶液に、(トリブチルホスホラニリデン)アセトニトリル(1.05当量、59.3mmol、14.3g、16mL)を、シリンジポンプを用い10時間かけて(0.68mL/h)添加した。この混合物を室温で15時間撹拌して転化率を高めた。この反応混合物をセライト上で直接留去し、自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:ヘプタン→EtOAc)によって精製して、純粋なE異性体としての中間体3(16.8g、51.2mmol、収率91%)を無色油状物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.73 (M+H
+) = 329.3。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 7.47 - 7.30 (m, 5H), 5.16 (d, J = 3.8 Hz, 2H), 4.52 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 4.34 - 4.04 (m, 1H), 3.64 (m, 3H), 3.18 - 2.86 (m, 2H), 2.83 (d, J = 13.4 Hz, 1H), 2.58 (br s, 1H), 1.42 - 1.23 (br s, 3H)。
【0166】
中間体4(VIII、R
1=Me)
8a-メチル-2,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,7-ナフチリジン-1-オン
【化15】
中間体3(16.7g、50.9mmol)のAcOH(150mL)溶液に炭素担持Pd(0.05当量、2.54mmol、2.71g、10質量%)を添加し、Parr装置(4バール)上で15時間水素化して、出発物質を完全に転化させた。この混合物をセライトに通してろ過し、真空中で濃縮し、次いでトルエンと同時留去して痕跡量の酢酸を除去した。中間体4を粗製の状態で次の反応に進めた。
【0167】
中間体5(VII、R
1=Me)
8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-2H-2,7-ナフチリジン-1-オン
【化16】
中間体4(8.50g、40.4mmol)、4-クロロピロロピリミジン(1.0当量、6.21g、40.4mmol)、及びDIPEA(3.0当量、15.7g、121mmol、21mL)をMeCN(120mL)に溶解し、15時間還流した(90℃)。粗反応混合物をセライトに通してろ過し、真空中で濃縮した。残渣をセライト上に担持させ、自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、DCM→10% MeOHのDCM溶液)により精製して、中間体5(5.98g、21.0mmol、収率52%、5.98g)を白色発泡物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.34 (M+H
+) = 286.1。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 10.23 (br s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.05 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.95 (br s, 1H), 4.89 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 4.52 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 3.66 (m, 2H), 3.46 - 3.25 (m, 2H), 2.28 - 2.12 (m, 1H), 2.05 - 1.70 (m, 4H)。
【0168】
中間体6(Boc-VI、R
1=Me)
8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボン酸tert-ブチル
【化17】
中間体5(1.78g、5.95mmol、1.78g)の脱水THF(3mL/mmol、17.8mL)溶液にLAH(5.0当量、105mmol、3.98g)を少しずつ添加し、15時間還流して(80℃)、ラクタムを所望のアミンへと完全に転化させた。この反応混合物を冷却し(0℃)、更に水素ガスが発生しなくなるまで酢酸エチル(40mL)及びMeOH(10mL)を滴加することによりクエンチした。室温で更に1時間撹拌した。次いでBoc無水物(2.0当量、41.9mmol、9.15g)を添加し、室温で2時間撹拌して完全に転化させた。この混合物をろ過し、残留物をEtOAcで数回洗浄し、ろ液を真空中で濃縮し、水系で後処理し(飽和食塩水/EtOAc)、脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、蒸発乾固した。この粗製の後処理した物質は主としてモノ及びジ保護物質からなり、これを自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:ヘプタン→EtOAc)により精製して、中間体6(2.06g、5.55mmol)を白色発泡物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.67 (M+H
+) = 372.4。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 10.64 (s, 1H), 8.32 (s, 1H), 7.07 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.52 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.11 (br s, 1H), 4.00 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.79 (m, 1H), 3.57 - 3.30 (m, 4H), 3.15 (d, J = 14.0 Hz, 1H), 1.85 - 1.65 (m, 5H), 1.46 (s, 9H), 1.04 (s, 3H)。
【0169】
中間体7
ラセミの3-エチル-4-オキソピペリジン-1,3-ジカルボン酸O1-ベンジルO3-メチル
【化18】
中間体1(20g、68.7mmol)、炭酸カリウム(2.0当量、137mmol、18.9g)、及びヨウ化エチル(3.0当量、206mmol、32.1g、16.6mL)をDMF(70mL)に溶解し、50℃で2時間撹拌して、出発物質を所望の生成物へと完全に転化させた。水系で後処理し(飽和食塩水/エーテル)、脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、真空中で濃縮して、その先の操作にとって十分な純度のエチル化生成物中間体7(21.8g、68.3mmol、収率99%)を得た。少量の試料を自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:ヘプタン→EtOAc)により精製して同定を行った。
UPLC-MS: t
R = 0.74 (M+H
+) = 320.3。
1H NMR (回転異性体, 300 MHz, クロロホルム-d) δ 7.45 - 7.30 (m, 5H), 5.17 (d, J = 6.5 Hz, 2H), 4.52 - 3.92 (m, 2H), 3.75 - 3.59 (m, 4H), 3.55 - 3.29 (m, 1H), 2.68 - 2.37 (m, 2H), 1.91 - 1.67 (m, 1H), 1.40 - 1.23 (m, 3H)。
【0170】
中間体8
ラセミの(4E)-4-(シアノメチレン)-3-エチルピペリジン-1,3-ジカルボン酸O1-ベンジルO3-メチル
【化19】
中間体7(5.40g、16.9mmol)の脱水THF(50mL)溶液に、(トリブチルホスホラニリデン)アセトニトリル(1.20当量、20.3mmol、4.90g、5.3mL)を、シリンジポンプを用い10時間かけて(0.68mL/h)添加した。これを室温で15時間撹拌し、所望の生成物への転化率を高めた。イリドが高濃度で存在すると反応は停止する(おそらくイリドの分解)。この反応混合物をセライト上で直接留去し、自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:ヘプタン→EtOAc)によって精製して、中間体8の単一のトランス異性体(5.16g、15.1mmol、収率89%)を無色油状物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.78 (M+H
+) = 343.3。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 7.43 - 7.30 (m, 5H), 5.35 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 4.22 - 4.03 (m, 1H), 3.68 (m, 4H), 3.44 (ddd, J = 12.9, 8.3, 4.5 Hz, 1H), 3.30 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 2.60 (dddd, J = 14.4, 8.3, 5.0, 0.9 Hz, 1H), 1.76 (m, 2H), 0.93 - 0.84 (m, 3H)。
【0171】
中間体9(VII、R
1=Et)
8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-2H-2,7-ナフチリジン-1-オン
【化20】
中間体8(5.50g、16.1mmol)のAcOH(50mL)溶液に炭素担持Pd(0.10当量、1.61mmol、1.71g、10質量%)を添加し、Parr装置(5バール)上で20時間水素化して、出発物質を所望のラクタムへと完全に転化させた。この混合物をセライトに通してろ過し、真空中で濃縮し、トルエンと同時留去して痕跡量の酢酸を除去した。この粗生成物を更に精製することなく次の反応に進めた。この粗製物質をMeCN(50mL)に溶解し、IV(2.47g、16.1mmol)及びDIPEA(8.4mL、48.3mmol)を添加した。この反応混合物を15時間還流し(95℃)、出発物質のクロリドを所望のS
NAr生成物へとある程度転化させ、同時に数種の少量の副生成物が生成した。この粗混合物をセライト上で直接留去し、自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:最初にヘプタン→DCM、次いでDCM→10% MeOHのDCM溶液)により精製して、中間体9(2.77g、9.24mmol、収率57%)を白色発泡物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.38 (M+H
+) = 300.2。
1H NMR (600 MHz, メタノール-d4) δ 8.21 (br s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.15 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.80 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.44 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 4.09 (ddd, J = 13.3, 7.0, 4.0 Hz, 1H), 3.72 (ddd, J = 12.8, 8.5, 3.8 Hz, 1H), 3.66 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 3.37 (ddd, J = 13.2, 7.6, 5.7 Hz, 1H), 3.31 - 3.26 (m, 1H), 2.17 (tt, J = 8.3, 4.3 Hz, 1H), 2.05 (dddd, J = 13.7, 7.8, 5.8, 3.8 Hz, 1H), 1.99 - 1.86 (m, 2H), 1.82 - 1.69 (m, 3H), 0.93 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0172】
中間体10(VI、R
1=Et)
8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,2,3,4,4a,5,6,8-オクタヒドロ-2,7-ナフチリジン
【化21】
中間体9(1.78g、5.95mmol)の脱水THF(20mL)溶液にLAH(3.0当量、17.8mmol、0.677g)を少しずつ添加し、15時間還流し(80℃)、ラクタムを所望のアミンへと完全に転化させた。氷上で冷却し、エーテル(20mL)で希釈し、Fieser法によりクエンチし、脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過して、粗中間体10(750mg、2.63mmol、収率44%)を、その先の操作にとって十分な純度の白色発泡物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.33 (M+H
+) = 286.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.63 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.14 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 4.01 - 3.60 (m, 4H), 2.86 (br s, 1H), 2.63 (m, 2H), 2.45 (d, J = 12.7 Hz, 1H), 1.81 - 1.37 (m, 7H), 0.78 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0173】
中間体11
2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)酢酸エチル
【化22】
2-アミノ酢酸エチル(100g、716.33mmol)のTHF(1L)溶液に、TEA(144.6g、1432.6mmol)及び(Boc)
2O(156.3g、716.33mmol)を0℃でゆっくりと添加し、50℃で16時間撹拌した。この反応が完結したところで、減圧下で揮発分を留去し、得られた残渣を1N NaOH水溶液(300mL)で洗浄し、EtOAc(1L×2)で抽出した。1つにまとめた有機層を飽和食塩水(1L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濃縮して、粗中間体11(128g、収率88%、白色固体)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 5.04 (br s, 1H), 4.25 - 4.16 (m, 2H), 3.93-3.82 (m, 2H), 1.39 (m, 9H), 1.31-1.24 (m, 3H)。
【0174】
中間体12
4-オキソピロリジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチルO3-エチル
【化23】
0℃の水素化ナトリウムのトルエン懸濁液(60%、18.4g、768.47mmol)(350mL)に、中間体11(120g、591.13mmol)を少しずつ添加した。この温度で5時間撹拌した後、この混合物にアクリル酸エチル(76.8g、768.47mmol)を滴加した。室温で更に2時間撹拌した後、反応を水(200mL)で注意深くクエンチし、EtOAc(600mL×2)で抽出した。1つにまとめた抽出液を無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濃縮して粗中間体12(50g、収率33%、淡褐色液体)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 4.28-3.97 (m, 6H), 3.94-3.81 (m, 1H), 1.50-1.39 (s, 9H), 1.36-1.20 (m, 3H)。
【0175】
中間体13
3-メチル-4-オキソピロリジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチルO3-エチル
【化24】
中間体12(50g、194.5mmol)のアセトン(500mL)溶液に、K
2CO
3(53.6g、389.1mmol)及びヨウ化メチル(55.2g、389.1mmol)をゆっくりと添加し、26℃で16時間撹拌した。完結したところで、反応混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を濃縮し、シリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(溶離液として0~10% EtOAcの石油エーテル溶液)により精製して、中間体13(32g、収率60%、淡黄色液体)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 4.27 (br d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.19 (dq, J=1.7, 7.1 Hz, 2H), 4.14-3.96 (m, 1H), 3.81 (d, J=19.6 Hz, 1H), 3.46 (br d, J = 11.7 Hz, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.41 (s, 3H), 1.29-1.22 (m, 3H)。
【0176】
中間体14
(4Z)-4-(シアノメチレン)-3-メチルピロリジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチルO3-エチル
【化25】
0℃の水素化ナトリウムのTHFの溶液(60%、3.45g、143.9mmol)(500mL)に、シアノメチルホスホン酸ジエチル(25.47g、143.9mmol)を滴加した。室温で1時間撹拌した後、この混合物に中間体13(30g、110.7mmol)のTHF(50mL)溶液を滴加し、更に2時間撹拌した。完結したところで、この反応混合物を飽和NH
4Cl水溶液でクエンチし、EtOAc(2×500mL)で抽出した。1つにまとめた有機層を飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液として0~10% EtOAcの石油エーテル溶液)により精製して中間体14を得た。(19g、収率58%、黄色液体)。
1H NMR (300MHz, CDCl
3): δ 6.82-6.60(m, 1H), 4.34(br d J=11.4 Hz, 1H), 4.26-4.16 (m, 2H), 3.57 (br d, J=12.1, 1H), 3.36-3.13 (m, 2H), 1.55-1.48 (m, 9H), 1.45 (s, 3H), 1.29 (t, J=7.2 Hz, 3H)。
【0177】
中間体15
(3R*,4S*)-4-[2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)エチル]-3-メチルピロリジン-1,3-ジカルボン酸O1-tert-ブチルO3-エチル
【化26】
中間体14(9g、30.61mmol)のMeOH(180mL)溶液に、0℃で(Boc)
2O(13.34g、61.22mmol)及び湿潤10% Pd/C(2.7g)を添加し、Parr装置上、90psiで36時間水素化した。完結したところで、反応混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を濃縮し、シリカゲル(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(溶離液として0~10% EtOAcの石油エーテル溶液)により精製して、中間体15(11.7g、収率95%、淡黄色液体)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 4.65-4.45 (m, 1H), 4.20-4.08 (m, 2H), 3.88-3.75 (m, 1H), 3.73-3.51 (m, 2H), 3.24-2.94 (m, 4H), 2.05-1.96 (m, 1H), 1.75-1.55 (m, 2H), 1.51-1.39 (m, 18H), 1.33-1.22 (m, 6H)。
【0178】
中間体16
(3R*,4S*)-4-(2-アミノエチル)-3-メチルピロリジン-3-カルボン酸エチル
【化27】
中間体15(12.8g、32mmol)のDCM(250mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(11g、96mmol)を添加し、26℃で16時間撹拌した。完結したところで、反応物を飽和NaHCO
3水溶液(600mL)で洗浄し、EtOAc(500mL×3)で抽出し、1つにまとめた有機層を無水硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧下で濃縮して、粗中間体16(6.4g、収率99%、淡褐色ゴム状固体)を得、これを更なる精製を何らすることなく次のステップに用いた。
【0179】
中間体17
(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2,3,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン
【化28】
粗中間体16(6.4g、32mmol)のEtOH(300mL)溶液にt-BuOK(17.9g、160mmol)を添加し、26℃で16時間撹拌した。完結したところで、この反応物にpHが約3となるまでトリフルオロ酢酸を添加し、次いで揮発分を真空下で留去して、粗中間体17(4.93g、淡褐色ゴム状物)を得、これを更なる精製を何らすることなく次のステップに用いた。
【0180】
中間体18
(3aR*,7aS*)-2-ベンゾイル-3a-メチル-1,3,5,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-4-オン
【化29】
中間体17(4.93g、32mmol)のアセトニトリル(60mL)溶液に、0℃でK
2CO
3(17.6g、128mmol)及びベンゾイルクロリド(5.3g、38.4mmol)をゆっくりと添加し、26℃で16時間撹拌した。完結したところで、反応混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を濃縮し、シリカ(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(溶離液として0~5% MeOHのDCM溶液)により精製して、中間体18(7.0g、収率84%、淡褐色ゴム状物)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 7.53-7.37 (m, 5H), 7.22 (br s, 1H), 3.82-3.66 (m, 2H), 3.53-3.11 (m, 4H), 2.28 (br s, 1H), 1.85 (br s, 1H), 1.65 (br s, 1H), 1.21-1.14 (m, 3H)。
【0181】
中間体19
(3aS*,7aS*)-2-ベンジル-3a-メチル-3,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン
【化30】
中間体18(5.5g、21.31mmol)のTHF(200mL)溶液に、0℃でLAH(2.43g、63.95mol)を少しずつ添加し、80℃で3時間撹拌した。完結したところで、反応物を氷冷水(30mL)及び15% NaOH水溶液(30mL)でクエンチし、次いでこれを室温で30分間撹拌した。次いで、この反応混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、粗中間体19(4.9g、収率99%、淡黄色ゴム状液体)を得た。
【0182】
中間体20
(3aR*,7aS*)-2-ベンジル-3a-メチル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-カルボン酸tert-ブチル
【化31】
中間体19(4.9g、21.31mmol)のDCM(1L)溶液に、0℃でTEA(6.45g、63.93mmol)及び(Boc)
2O(9.3g、42.62mmol)をゆっくりと添加し、26℃で16時間撹拌した。反応が完結したところで、揮発分を真空下で留去し、シリカ(100~200メッシュ)カラムクロマトグラフィー(溶離液として0~5% MeOHのDCM溶液)により精製して、中間体20(4.8g、収率68%、淡黄色液体)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.34-7.19 (m, 5H), 3.59 (s, 2H), 3.40-3.13 (m, 4H), 2.76-2.68 (m, 1H), 2.48-2.26 (m, 3H), 1.86-1.66 (m, 2H), 1.63-1.52 (m, 1H), 1.49-1.37 (m, 9H), 1.04 (s, 3H)。
【0183】
中間体21
2-[[4-[(3aR*,7aS*)-2-ベンジル-3a-メチル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン
【化32】
中間体19(745mg、3.24mmol)及びDIPEA(1.3g、10mmol)のジオキサン(30mL)溶液に、2-[(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)メトキシ]エチルトリメチルシラン(850mg、2.99mmol)を添加した。この混合物を100℃で終夜撹拌した。室温に冷却した後、この混合物を留去して揮発分を除去し、残渣をDCMに溶解し、シリカゲル上でのクロマトグラフィー(DCM:MeOH 25:1)により精製して、中間体21を無色油状物として得た。
【0184】
中間体22
N-[[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]スルホニル]カルバミン酸tert-ブチル
【化33】
アルゴン下、中間体23(50mg、0.13mmol)のDCM(5mL)溶液にトリエチルアミン(54μL、0.39mmol)を添加した。この混合物を氷上で冷却し、N-クロロスルホニルカルバミン酸tert-ブチル(31mg、0.14mmol)を添加し、この混合物を自然に室温に加温し、2時間撹拌した。これを蒸発乾固し、残渣を、分取HPLC(酸性)を用いて精製して、中間体22(33mg、収率45%)を白色固体として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.92 (M+H
+) = 567.4。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.33 (s, 1H), 7.37 (br s, 1H), 7.10 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 4.17 - 4.12 (m, 1H), 4.11 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.85 (dd, J = 9.6, 6.9 Hz, 1H), 3.71 - 3.65 (m, 1H), 3.60 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.57 - 3.51 (m, 3H), 3.43 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 3.26 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 2.17 - 2.10 (m, 1H), 1.96 - 1.90 (m, 1H), 1.74 - 1.66 (m, 1H), 1.43 (s, 9H), 1.17 (s, 3H), 0.94 - 0.89 (m, 2H), -0.05 (s, 9H)。
【0185】
中間体23
2-[[4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン
【化34】
4mLのネジ蓋式バイアル中の中間体21(63mg、0.13mmol)のTHF(1.5mL)及びメタノール(1mL)の溶液にギ酸アンモニウム(50mg、0.79mmol)を添加し、このバイアルをアルゴンで置換し、10% Pd/C(約5mg)を添加した。この混合物を60℃で終夜振とうし、セライトに通してろ過し、メタノールで洗浄した。ろ液を蒸発乾固して中間体23(41mg、収率80%)を得、これを更に精製することなく次のステップに直接用いた。
UPLC-MS: t
R = 0.65 (M+H
+) = 388.4。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 8.31 (s, 1H), 7.05 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.56 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.56 (s, 2H), 4.07 - 3.63 (m, 4H), 3.58 - 3.47 (m, 2H), 3.29 (dd, J = 11.0, 6.8 Hz, 1H), 2.97 - 2.68 (m, 3H), 2.06 - 1.84 (m, 2H), 1.82 - 1.62 (m, 1H), 1.12 (s, 3H), 0.96 - 0.86 (m, 2H), -0.05 (s, 9H)。
【0186】
中間体24及び25
6-[(3aS,7aS)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(24)及び
6-[(3aR,7aR)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(25)
【化35】
ラセミ中間体23(226mg、0.583mmol)のDMF(5mL)溶液に、6-クロロピリジン-3-カルボニトリル(88.9mg、0.641mmol)、続いてDBU(192μL、1.28mmol)を添加した。この溶液を50℃で1.5時間撹拌し、揮発分を留去し、残渣をCombiFlashシステム(12gのシリカゲルカラム、EtOAc:ヘプタン 0:100→30:70)を用いたクロマトグラフィーにより精製して、ラセミ生成物を白色発泡物として得た(240mg、収率84%)。
UPLC-MS: t
R = 0.96 (M+H
+) = 490.5。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.41 (br d, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.79 (br s, 1H), 7.37 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.75 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.50 (br d, 1H), 5.52 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.50 (d, J = 10.9 Hz, 1H), 4.10 - 3.90 (m, 2H), 3.89 - 3.69 (m, 2H), 3.67 - 3.55 (m, 1H), 3.51 - 3.46 (m, 2H), 3.46 - 3.12 (m, 3H), 2.33 - 2.16 (m, 1H), 1.92 - 1.84 (m, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 1H), 1.10 (s, 3H), 0.83 - 0.77 (m, 2H), -0.11 (s, 9H)。
【0187】
キラルHPLC分離により純粋な鏡像異性体を得た。上記ラセミ物質をアセトニトリルに24mg/mLとなるように溶解し、次いでHPLCにより精製した。各注入量は0.75mL(18mg)であった。用いたカラムはLux A2(20mm×250mm、5μm)であった。溶離液は90/10の比のMeCN/イソプロパノールであった。流速は21mL/分、波長は280nmであった。次いで、ロータリーエバポレータを用いて溶媒を含んだ画分を蒸発乾固し、40℃及び5ミリバールの真空オーブン中で乾燥して一定重量とした。最終的な分析はLux A2(4.6mm×250mm、5μm)を用いたHPLCにより実施した。溶離液は90/10の比のMeCN/イソプロパノールであった。流速は1mL/分であった。このようにして中間体24(114mg、99.1% ee、分析用HPLCのtR=5.6分)及び中間体25(108mg、98.4% ee、分析用HPLCのtR=4.5分)を得た。
【0188】
中間体26
2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモピリジン-3-カルボン酸メチル
【化36】
中間体23(200mg、0.433mmol)のDMF(6mL)溶液に、5-ブロモ-2-クロロピリジン-3-カルボン酸メチル(119mg、0.475mmol)、続いてDBU(0.14mL、0.95mmol)を添加した。この混合物を50℃で4時間加熱し、次いで室温まで終夜放冷した。揮発分を留去し、残渣をGraceシステム(12gのシリカゲルカラム、EtOAc:ヘプタン 0:100→40:60)を用いたクロマトグラフィーにより精製して、中間体26(261mg、定量的)を無色油状物として得た。
UPLC-MS: t
R = 1.07 (M+H
+) = 601.5。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.33 (s, 1H), 8.22 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 4.09 - 4.01 (m, 1H), 3.92 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.87 - 3.79 (m, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.72 - 3.64 (m, 2H), 3.57 - 3.50 (m, 2H), 3.42 (dd, J = 11.3, 5.6 Hz, 1H), 3.34 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 3.15 (d, J = 11.1 Hz, 1H), 2.20 - 2.14 (m, 1H), 1.99 - 1.91 (m, 1H), 1.70 - 1.61 (m, 1H), 1.16 (s, 3H), 0.94 - 0.89 (m, 2H), -0.05 (s, 9H)。
【0189】
中間体27
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモ-3-ピリジル]メタノール
【化37】
中間体26(246mg、0.409mmol)のTHF(3mL)及びメタノール(3mL)の溶液にNaBH
4(92.8mg、2.45mmol)を添加し、この混合物を室温で終夜撹拌した。追加量のNaBH
4(92.8mg、2.45mmol)を添加し、3時間撹拌を続けた。これを更に2回繰り返し、その後この混合物を蒸発乾固した。残渣を氷上で冷却し、水(20mL)を加え、この混合物をEtOAc(4×25mL)で抽出した。1つにまとめたEtOAc相を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、MgSO
4上で脱水し、ろ過し、留去した。残渣をGraceシステム(12gのシリカゲルカラム、EtOAc:ヘプタン 0:100→50:50)を用いたクロマトグラフィーにより精製して、中間体27(36mg、収率15%)を得、且つ出発物質(110mg)を回収した。
UPLC-MS: t
R = 0.98 (M+H
+) = 573.5。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.31 (s, 1H), 8.07 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.53 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 5.56 (s, 2H), 4.62 (d, J = 13.2 Hz, 1H), 4.58 (d, J = 13.1 Hz, 1H), 4.02 - 3.96 (m, 1H), 3.90 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.88 - 3.84 (m, 1H), 3.81 (dd, J = 10.4, 7.3 Hz, 1H), 3.77 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.61 (dd, J = 10.4, 5.8 Hz, 1H), 3.57 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.55 - 3.50 (m, 2H), 3.35 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 2.61 (br s, 1H), 2.18 - 2.12 (m, 1H), 2.00 - 1.93 (m, 1H), 1.75 - 1.67 (m, 1H), 1.17 (s, 3H), 0.94 - 0.88 (m, 2H), -0.05 (s, 9H)。
【0190】
中間体28
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-ピリジル]メタノール
【化38】
アルゴン下、0℃の中間体26(55mg、0.091mmol)の脱水THF(1mL)溶液にLiAlH
4(1.0M THF溶液、0.18mL、0.18mmol)を添加し、この混合物を20分間撹拌した。水(7μL)、15% NaOH水溶液(7μL)、及び水(21μL)を逐次添加することによって反応をクエンチし、この混合物を室温で1時間撹拌した。沈殿したリチウム塩をろ去し、ろ液を留去し、残渣を分取HPLC(酸性法)により精製して、中間体27(12mg、収率23%)及び中間体28(5mg、収率11%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.71 (M+H
+) = 495.6。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.34 (s, 1H), 8.12 (dd, J = 4.9, 1.9 Hz, 1H), 7.48 (dd, J = 7.3, 1.9 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.66 (dd, J = 7.3, 4.9 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 4.68 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 12.8 Hz, 1H), 4.02 - 3.95 (m, 1H), 3.95 - 3.83 (m, 4H), 3.69 (dd, J = 10.3, 6.0 Hz, 1H), 3.61 (d, J = 10.3 Hz, 1H), 3.56 - 3.51 (m, 2H), 3.43 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 2.21 - 2.15 (m, 1H), 2.04 - 1.97 (m, 1H), 1.80 - 1.73 (m, 1H), 1.20 (s, 3H), 0.94 - 0.89 (m, 2H), -0.05 (s, 9H)。
【0191】
中間体29及び30
(3aS,7aS)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル(29)及び(3aR,7aR)-3a-メチル-5-[7-(2-トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル]-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル(30)
【化39】
中間体23(686mg、1.52mmol)のDCM(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.42mL、3.0mmol)、続いて臭化シアン(180mg、1.7mmol)を添加し、この溶液をアルゴン下、室温で1時間撹拌した。(LCMSにより完結を確認)。この反応混合物をシリカゲル上で留去し、この生成物をCombiFlashシステム(40gのシリカゲルカラム、勾配溶離、EtOAc:ヘプタン 0:100→80:20)を用いたクロマトグラフィーにより精製して、
1H NMRにより測定して14%のEtOAcを保持したラセミ生成物(589mg、収率81%)を淡黄色油状物として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.83 (M+H
+) = 413.4。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.18 (s, 1H), 7.36 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.51 (s, 2H), 3.95 - 3.89 (m, 1H), 3.86 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.85 - 3.80 (m, 1H), 3.79 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.63 (dd, J = 9.4, 7.3 Hz, 1H), 3.52 - 3.47 (m, 2H), 3.38 (dd, J = 9.4, 5.8 Hz, 1H), 3.26 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.13 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 2.14 - 2.08 (m, 1H), 1.86 - 1.80 (m, 1H), 1.55 - 1.48 (m, 1H), 1.04 (s, 3H), 0.83 - 0.78 (m, 2H), -0.10 (s, 9H)。
【0192】
キラルSFC分離により純粋な鏡像異性体を得た。上記ラセミ物質をメタノールに50mg/mLとなるように溶解し、次いでSFCにより精製した。各注入量は0.25mL(12.5mg)であった。用いたカラムはLux C1(20mm×250mm、5μm)であった。溶離液はMeOH/CO2 25%であった。流速は50mL/分、波長は216nmであった。次いで、ロータリーエバポレータを用いて、溶媒を含んだ画分を留去してほぼ乾固させ、DCMを用いて最終容器に移し、このDCMを窒素気流下、40℃で除去し、その後40℃及び5ミリバールの真空オーブン中で6時間乾燥し、黄色ゴム状物を得た。最終的な分析はLux C1(4.6mm×250mm、5μm)を用いたSFCにより実施した。溶離液はMeOH/CO2 30%であった。流速は4mL/分であった。このようにして中間体29(237mg、99.8% ee、分析用SFC tR=1.87分)及び中間体30(243mg、96.6% ee、分析用SFC tR=2.01分)を得た。
【0193】
中間体31
2-[[4-(8a-メチル-1,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドロ-2,7-ナフチリジン-2-イル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル]メトキシ]エチルトリメチルシラン
【化40】
中間体4(380mg、1.86mmol)、2-[(4-クロロピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)メトキシ]エチルトリメチルシラン(579mg、2.05mmol)、及びDIPEA(2mL)をジオキサン(120mL)中で混合し、100℃で18時間撹拌した。この反応混合物を真空中で濃縮し、シリカ上でのカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:EA 2:1→DCM:MeOH 40:1)により精製して、上記SEM保護ラクタム中間体(350mg、収率45%)を黄色ゴム状物として得た。これをTHF(10mL)に溶解し、氷浴上で冷却し、続いてLAH(200mg、5.26mmol)を添加し、室温で終夜撹拌した。この反応混合物を氷浴中で冷却し、クエンチし、続いてシリカ上でのカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH 15:1)により精製して、中間体31(174mg、収率51%)を灰白色発泡物として得、そのまま使用した。
【0194】
実施例
実施例2
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル(化合物2)
【化41】
中間体6(2.06g、5.55mmol)のDCM(50mL)溶液にTFA(15mL)を添加し、室温で3時間撹拌して完全に脱保護した。次いで蒸発乾固し、トルエンと同時留去した。この粗生成物をMeOH(30mL)に再溶解し、炭酸水素ナトリウム(5.0当量、27.8mmol、2.33g)を添加し、氷上で10分間冷却した。次いでこの混合物に臭化シアン(1.1当量、6.11mmol、647mg)を少しずつ添加し、アルゴン下、室温で1時間撹拌して、所望のシアナミドへと完全に転化させた。この粗混合物をろ過し、セライト上で直接留去し、自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:DCM→10% MeOHのDCM溶液)により精製して、ラセミの単一のジアステレオマーとしての、所望の実施例2(692mg、2.34mmol、収率42%)を、白色固体として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.45 (M+H
+) = 297.3。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 9.81 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.29 (m, 2H), 3.59 (s, 1H), 3.39 - 3.11 (m, 4H), 2.86 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 2.00 (dd, J = 9.2, 4.8 Hz, 1H), 1.89 - 1.64 (m, 4H), 1.18 (d, J = 1.1 Hz, 3H)。
【0195】
キラルSFC分離により純粋な鏡像異性体を得た。上記ラセミ物質をメタノールに32mg/mLとなるように溶解し、次いでSFCにより精製した。各注入量は1.5mL(48mg)であった。用いたカラムはAmy-C(20mm×250mm、5μm)であった。溶離液はMeOH/CO2 25%であった。流速は21mL/分、波長は220nmであった。次いで、ロータリーエバポレータを用いて、溶媒を含んだ画分を留去してほぼ乾固させ、DCMを用いて最終容器に移し、このDCMを窒素気流下、40℃で除去し、その後40℃及び5ミリバールの真空オーブン中で6時間乾燥し、灰白色固体を得た。最終的な分析はLux A2(4.6mm×250mm、5μm)を用いたSFCにより実施した。流速は1mL/分、波長は254nmであった。このようにして実施例1及び実施例3を得た。
【0196】
実施例1
(4aR,8aS)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル(化合物1)
【化42】
138 mg, 99.9% ee, 分析用SFC t
R = 8.78分。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.76 (M+H
+) = 297.17。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 9.81 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.29 (m, 2H), 3.59 (s, 1H), 3.39 - 3.11 (m, 4H), 2.86 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 2.00 (dd, J = 9.2, 4.8 Hz, 1H), 1.89 - 1.64 (m, 4H), 1.18 (d, J = 1.1 Hz, 3H)。
【0197】
実施例3
(4aS,8aR)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル(実施例3)
【化43】
143 mg, 99.9% ee, 分析用SFC t
R = 10.01分。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.76 (M+H
+) = 297.17。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 9.81 (s, 1H), 8.31 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.29 (m, 2H), 3.59 (s, 1H), 3.39 - 3.11 (m, 4H), 2.86 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 2.00 (dd, J = 9.2, 4.8 Hz, 1H), 1.89 - 1.64 (m, 4H), 1.18 (d, J = 1.1 Hz, 3H)。
【0198】
実施例4~8、10~12及び14
これらの実施例を、以下の求核芳香族置換及びSEM脱保護の概括的手順に従って調製する。
【化44】
実施例4~8、10~12、及び14の化合物を以下の方法に従って調製した。すなわち、中間体31(100mg、0.25mmol)及びDBUもしくはDIPEAのいずれかの塩基(1.2当量)のDMF、ジオキサン、またはNMP(3mL)の溶液を、4mLのネジ蓋式バイアル中のそれぞれのヘテロアリールハライド(1.2当量)に添加し、この混合物を以下に示す温度で、且つ以下に示す時間振とうした。この反応混合物を分取HPLC(塩基性)により精製して上記SEM保護中間体を得、これをDCM(3mL)及びTFA(2mL)に溶解した。室温で1時間静置した後、揮発分を留去し、残渣をメタノール(5mL)及びNH
3水溶液(3mL)に溶解した。室温で6時間静置した後、この反応混合物を分取HPLC(塩基性)により精製して、純粋な生成物を得た。
【0199】
実施例4
5-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル(化合物4)
ヘテロアリールハライドとして5-クロロピラジン-2-カルボニトリル、DBU、及びDMFを用いて、室温で2時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 1.98 (M+H+) = 375.44。
【0200】
実施例5
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物5)
6-ブロモピリジン-3-カルボニトリル、DIPEA、及びジオキサンを用いて、100℃で10時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 2.06 (M+H+) = 374.45。
【0201】
実施例6
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル(化合物6)
6-クロロピリダジン-3-カルボニトリル、DBU、及びDMFを用いて、室温で2時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 1.90 (M+H+) = 375.44。
【0202】
実施例7
2-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル(化合物7)
2-クロロピリミジン-5-カルボニトリル、DBU、及びDMFを用いて、50℃で3時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR =2.08 (M+H+) = 375.44。
【0203】
実施例8
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル(化合物8)
6-ブロモ-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、DIPEA、及びジオキサンを用いて、100℃で10時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 2.12 (M+H+) = 388.48。
【0204】
実施例10
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル(化合物10)
6-クロロ-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、DIPEA、及びジオキサンを用いて、100℃で終夜撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 2.17 (M+H+) = 388.48。
【0205】
実施例11
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル(化合物11)
6-フルオロ-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、DIPEA、及びジオキサンを用いて、100℃で10時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR =2.12 (M+H+) = 388.48。
【0206】
実施例12
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン(化合物12)
5-ブロモ-2-クロロ-4-メチルピリジン、DIPEA、及びDMFを用いて、100℃で3時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 2.32 (M+H+) = 442.37。
【0207】
実施例14
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-6-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン(化合物14)
3-ブロモ-6-クロロ-2-メチルピリジン、DIPEA、及びNMPを用いて、100℃で3時間撹拌した。
UPLC-MS 方法5: tR = 2.45 (M+H+) = 442.37。
【0208】
実施例9
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド(化合物9)
【化45】
中間体31(50mg、0.125mmol)をジオキサン(10mL)に溶解し、スルファミド(50mg、0.52mmol)を添加し、この混合物を20時間加熱還流する。室温に冷却した後、この反応混合物を濃縮し、分取HPLC(塩基性)により精製した。この中間体SEM保護生成物をDCM(3mL)及びTFA(3mL)に溶解し、室温で1.5時間撹拌する。この反応混合物を減圧下で濃縮し、MeOH(3mL)に再溶解し、次いでNH
3水溶液(3mL)を添加した。この混合物を終夜撹拌し、HPLC(塩基性)により精製する。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.67 (M+H
+) = 351.44。
【0209】
実施例13
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-2-メチルスルホニル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン(化合物13)
【化46】
中間体31(50mg、0.125mmol)をジオキサン(5mL)に溶解し、TEA(63mg、0.5mmol)を添加し、この混合物を0℃に冷却し、続いてCH
3SO
2Cl(22mg、0.187mmol)を添加する。室温で1.5時間撹拌した後、この反応混合物を水系で後処理し(3×10mLのDCM)、減圧下で濃縮し、分取HPLC(塩基性)により精製した。この中間体SEM保護生成物をDCM(2mL)及びTFA(2mL)に溶解し、室温で1.5時間撹拌する。この反応混合物を減圧下で濃縮し、MeOH(2mL)に再溶解し、次いでNH
3水溶液(2mL)を添加した。この混合物を終夜撹拌し、HPLC(塩基性)により精製する。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.75 (M+H
+) = 350.45。
【0210】
実施例15
1-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]エタノン(化合物15)
【化47】
中間体10(5mg、0.01752mmol)をMeCN(0.5mL)及びDIPEA(3.0当量、0.0526mmol、6.8mg、0.00915mL)に懸濁させ、氷上で冷却し、アセチルクロリド(1当量、0.0175mmol、1.4mg、0.00132mL)を添加した。この反応混合物を氷浴上で30分間撹拌し、その後この混合物を分取HPLC(塩基性)上で直接精製して、実施例15を白色固体として得た(ラセミの単一のジアステレオマー)。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.75 (M+H
+) = 328.21。
【0211】
実施例16
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルバルデヒド(化合物16)
【化48】
マイクロ波反応器バイアル中で、中間体10(5mg、0.0175mmol)をDMF(0.8mL)に溶解し、ギ酸(1.1当量、0.887mg、0.0193mmol)、DMAP(1当量、0.0175mmol、2.14mg)、及びEDCI(1.2当量、0.021mmol、4.0mg)を添加した。このバイアルを密封し、室温で2時間撹拌した。この混合物を分取HPLC(塩基性)上で直接精製して、実施例16を白色固体として得た(ラセミの単一のジアステレオマー)。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.73 (M+H
+) = 314.19。
【0212】
実施例17
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド(化合物17)
【化49】
中間体10(20mg、0.0701mmol)及びTEA(5当量、0.350mmol、35.5mg、0.0488mL)の脱水アセトニトリル(0.50mL)溶液に、Boc-スルファモイルクロリド(1.1当量、0.0771mmol、16.6mg)を添加した。この反応混合物を室温で15時間撹拌し、次にこの混合物にTFA(20当量、1.40mmol、160mg、0.107mL)を添加し、室温で3時間撹拌し、次いで60℃で更に1時間加熱し、目的の生成物へと完全に転化させた。この反応混合物を蒸発乾固し、分取HPLCにより精製して、実施例17(13.1mg、0.0359mmol、収率51%)を白色固体として得た(ラセミの単一のジアステレオマー)。
UPLC-MS: t
R = 0.45 (M+H
+) = 365.1。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.65 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.16 (dd, J = 3.6, 2.4 Hz, 1H), 6.65 (s, 2H), 6.54 (dd, J = 3.6, 1.8 Hz, 1H), 4.19 - 4.00 (m, 2H), 3.62 (br s, 1H), 3.51 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.01 (m, 1H), 2.96 - 2.82 (m, 2H), 2.76 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 1.83 (td, J = 8.7, 4.2 Hz, 1H), 1.78 - 1.56 (m, 5H), 1.44 (dq, J = 14.8, 7.5 Hz, 1H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0213】
キラルSFC分離により純粋な鏡像異性体を得た。上記ラセミ物質をエタノールに77mg/mLとなるように溶解し、次いでSFCにより精製した。各注入量は0.2mL(15mg)であった。用いたカラムはLux A1(21.2mm×250mm、5μm)であった。溶離液はMeOH/CO2 25%であった。流速は21mL/分、波長は220nmであった。次いで、ロータリーエバポレータを用いて、溶媒を含んだ画分を留去してほぼ乾固させ、DCMを用いて最終容器に移し、このDCMを窒素気流下、40℃で除去し、その後40℃及び5ミリバールの真空オーブン中で6時間乾燥し、灰白色固体を得た。最終的な分析はLux A2(4.6mm×250mm、5μm)を用いたSFCにより実施した。流速は1mL/分であり、波長は254nmであった。このようにして実施例18及び実施例19を得た。
【0214】
実施例18
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド(化合物18)
【化50】
85 mg, 99.9% ee, 分析用SFC t
R = 7.38分。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.78 (M+H
+) = 365.17。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.65 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.16 (dd, J = 3.6, 2.4 Hz, 1H), 6.65 (s, 2H), 6.54 (dd, J = 3.6, 1.8 Hz, 1H), 4.19 - 4.00 (m, 2H), 3.62 (br s, 1H), 3.51 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.01 (m, 1H), 2.96 - 2.82 (m, 2H), 2.76 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 1.83 (td, J = 8.7, 4.2 Hz, 1H), 1.78 - 1.56 (m, 5H), 1.44 (dq, J = 14.8, 7.5 Hz, 1H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
結晶形をm.p.(DSC立ち上がり温度)207.9±2℃によってキャラクタライズした。
【0215】
実施例19
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド(化合物19)
【化51】
95 mg, 97.7% ee, 分析用SFC t
R = 9.34分。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.77 (M+H
+) = 365.17。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.65 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.16 (dd, J = 3.6, 2.4 Hz, 1H), 6.65 (s, 2H), 6.54 (dd, J = 3.6, 1.8 Hz, 1H), 4.19 - 4.00 (m, 2H), 3.62 (br s, 1H), 3.51 (d, J = 13.5 Hz, 1H), 3.01 (m, 1H), 2.96 - 2.82 (m, 2H), 2.76 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 1.83 (td, J = 8.7, 4.2 Hz, 1H), 1.78 - 1.56 (m, 5H), 1.44 (dq, J = 14.8, 7.5 Hz, 1H), 0.83 (t, J = 7.5 Hz, 3H)。
【0216】
実施例20
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール(化合物20)
【化52】
マイクロ波反応器バイアル中で、中間体10(5mg、0.01752mmol)をMeCN(0.5mL)に懸濁させ、DIPEA(3.0当量、0.0526mmol、6.8mg、0.00915mL)及び2,5-ジブロモ-1,3,4-チアジアゾール(1当量、0.0175mmol、4.27mg)を添加した。このバイアルを密封し、加熱ブロック中、60℃で2.5時間加熱した。この反応混合物を分取HPLC(塩基性)によって精製した。純粋な画分を蒸発乾固して、所望の化合物を白色固体として得た(ラセミの単一のジアステレオマー)。
UPLC-MS: t
R = 0.64 (M+H
+) = 448/450。
【0217】
実施例23
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル(化合物23)
【化53】
中間体10(690mg、2.42mmol、1.0当量)及び炭酸水素ナトリウム(2.0当量、4.84mmol、406mg)のMeOH(12)冷(0℃)溶液に、臭化シアン(1.1当量、2.66mmol、282mg)を少しずつ添加し、この溶液をアルゴン下、室温で1時間撹拌して、出発物質のアミンを所望の生成物へと完全に転化させた。セライト上で直接留去し、自動カラムクロマトグラフィー(ISCO、勾配:DCM→10% MeOH)により精製して、実施例23(652mg、2.10mmol、収率87%)を白色固体として得た(ラセミの単一のジアステレオマー)。
UPLC-MS: t
R = 0.51 (M+H
+) = 311.3.4。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.67 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.2 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 3.6, 1.7 Hz, 1H), 4.17 - 3.98 (m, 2H), 3.72 - 3.47 (m, 2H), 3.31 - 3.25 (m, 1H), 3.16 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.06 (ddd, J = 12.5, 6.3, 4.4 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.85 - 1.44 (m, 7H), 0.83 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0218】
キラルSFC分離により純粋な鏡像異性体を得た。上記ラセミ物質をメタノールに40mg/mLとなるように溶解し、次いでSFCにより精製した。各注入量は0.22mL(8mg)であった。用いたカラムはAmy-C(20mm×250mm、5μm)であった。溶離液はMeOH/CO2 25%であった。流速は21mL/分、波長は220nmであった。次いで、ロータリーエバポレータを用いて、溶媒を含んだ画分を留去してほぼ乾固させ、DCMを用いて最終容器に移し、このDCMを窒素気流下、40℃で除去し、その後40℃及び5ミリバールの真空オーブン中で6時間乾燥し、灰白色固体を得た。最終的な分析はAmy-C(4.6mm×250mm、5μm)を用いたSFCにより実施した。流速は1mL/分であり、波長は254nmであった。このようにして実施例21及び実施例22を得た。
【0219】
実施例21
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル(化合物21)
【化54】
160 mg, 98.8% ee, 分析用SFC t
R = 10.63分。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.85 (M+H
+) = 311.19。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.67 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.2 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 3.6, 1.7 Hz, 1H), 4.17 - 3.98 (m, 2H), 3.72 - 3.47 (m, 2H), 3.31 - 3.25 (m, 1H), 3.16 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.06 (ddd, J = 12.5, 6.3, 4.4 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.85 - 1.44 (m, 7H), 0.83 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0220】
実施例22
((4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル(化合物22)
【化55】
124 mg, 98.7% ee, 分析用SFC t
R = 8.93分。
UPLC-MS 方法5: t
R = 1.85 (M+H
+) = 311.19。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.67 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.2 Hz, 1H), 6.60 (dd, J = 3.6, 1.7 Hz, 1H), 4.17 - 3.98 (m, 2H), 3.72 - 3.47 (m, 2H), 3.31 - 3.25 (m, 1H), 3.16 (d, J = 12.9 Hz, 1H), 3.06 (ddd, J = 12.5, 6.3, 4.4 Hz, 1H), 2.90 (d, J = 13.0 Hz, 1H), 1.85 - 1.44 (m, 7H), 0.83 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0221】
化合物22の単結晶X線結晶構造解析
EtOAc:ヘプタン(2:1)溶液中での、ゆっくりと蒸発させることによる化合物22の結晶化によって、代表的な結晶を得た。この結晶は、表Aに記載する単結晶パラメータと実質的に同一の単結晶パラメータを有することを特徴としていた。化合物22は、
図1に示す単結晶X線結晶構造解析(XRC)によって得られる構造を有する。
上記結晶形をm.p.(DSC立ち上がり温度)178.4±2℃によってキャラクタライズした。
【0222】
実施例25
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]チアゾール-4-カルボニトリル(化合物25)
【化56】
マイクロ波反応器バイアル中で、中間体10(50mg、0.175mmol)、2-ブロモチアゾール-4-カルボニトリル(33mg、0.175mmol)、及びDIPEA(68mg、0.0915mL、0.526mmol)をMeCN(1mL)に溶解し、60℃で15時間加熱して所望の生成物へと完全に転化させた。次いでこの混合物を分取HPLCにより直接精製して、実施例25(36mg、0.0915mmol、収率52%)を白色固体として得た(ラセミの単一のジアステレオマー)。
UPLC-MS 方法5: t
R = 2.15 (M+H
+) = 394.17。
【0223】
実施例26
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-メチルスルホニル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物26)
【化57】
ステップ1
中間体23(64mg、0.165mmol)のDCM(5mL)溶液に、トリエチルアミン(140mg)及びCH
3SO
2Cl(58mg、0.51mmol)を添加し、この混合物を室温で30分間撹拌した。水系での後処理(H
2O、DCM)の後に有機層を脱水し(MgSO
4)、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーにより精製して81mgの固体を得、これを直接使用した。
【0224】
ステップ2
ステップ1の生成物(81mg)をDCM(2mL)及びTFA(2mL)に溶解し、この溶液を3時間撹拌した。この混合物を蒸発乾固し、残渣をMeOH(2mL)及びNH3・H2O(2mL)に溶解し、終夜撹拌した。得られた混合物を蒸発乾固し、酢酸エチル中にすくい入れ、カラムクロマトグラフィー及びそれに続く水からの再結晶により精製して、実施例26(9.3mg、白色固体、収率16%)を得た。
UPLC-MS 方法5: tR = 1.68 (M+H+) = 336.14。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 8.01 (s, 1H), 7.02 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.07-3.91 (m, 2H), 3.73 - 3.62 (m, 2H), 3.64 (m, 1H), 3.17 -3.06 (m, 4H), 2.93 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.86 (m, 1H), 1.65 (m, 1H)。
【0225】
実施例27
(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド(化合物27)
【化58】
ステップ1
中間体23(90mg、0.23mmol)のジオキサン(2mL)溶液にスルファミド(30mg、0.31mmol)を添加し、この混合物を110℃で2時間加熱し、続いて溶媒を留去した。残渣をクロマトグラフィー(DCM:MeOH 10:1)により精製して、60mgを油状物として得、これを直接使用した。
【0226】
ステップ2
ステップ1の生成物(60mg)をDCM(3mL)及びTFA(3mL)に溶解し、この溶液を3時間撹拌した。この混合物を蒸発乾固し、残渣をMeOH(3mL)及びNH3・H2O(3mL)に溶解し、終夜撹拌した。得られた混合物を蒸発乾固し、酢酸エチル中にすくい入れ、カラムクロマトグラフィー(EA:MeOH 20:1)により精製して、実施例27(8mg、白色固体、収率23%)を得た。
UPLC-MS 方法5: tR = 1.6 (M+H+) = 337.14。
1H NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 8.01 (s, 1H), 7.02 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.55 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.07 - 3.91 (m, 2H), 3.73 - 3.62 (m, 2H), 3.64 (m, 1H), 3.17 - 3.06 (m, 4H), 2.93 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 1.86 (m, 1H), 1.65 (m, 1H)。
【0227】
実施例28
(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物28)
【化59】
中間体30(240mg、0.582mmol)の、1.0M TBAFのTHF溶液(5.0mL、5.0mmol)中の溶液を留去してTHFを除去し、残渣を真空下(30~40ミリバール)、60℃で35分間撹拌した。この反応混合物を、Graceシステム(40gのシリカゲルカラム、勾配溶離、EtOAc:MeOH 100:0→90:10)を用いたクロマトグラフィーにより精製して、ほとんどのTBAFを除去した。分取HPLC(塩基性)による最終的な精製により、実施例28(28mg、収率17%)を白色固体として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.42 (M+H
+) = 283.2。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.61 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.18 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.00 - 3.70 (m, 4H), 3.63 (dd, J = 9.4, 7.2 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 9.4, 5.7 Hz, 1H), 3.27 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.13 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 2.15 - 2.03 (m, 1H), 1.90 - 1.76 (m, 1H), 1.60 - 1.44 (m, 1H), 1.05 (s, 3H)。
【0228】
実施例29
(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル(化合物29)
【化60】
中間体29(220mg、0.533mmol)から出発した以外は実施例28と同様に調製した。収量:17.6mg、12%。
UPLC-MS: t
R = 0.42 (M+H
+) = 283.2。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.66 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.1 Hz, 1H), 6.61 (dd, J = 3.6, 1.5 Hz, 1H), 4.00 - 3.70 (m, 4H), 3.63 (dd, J = 9.4, 7.2 Hz, 1H), 3.36 (dd, J = 9.4, 5.7 Hz, 1H), 3.27 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 3.13 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 2.15 - 2.03 (m, 1H), 1.90 - 1.76 (m, 1H), 1.60 - 1.44 (m, 1H), 1.05 (s, 3H)。
【0229】
実施例30
(3aS*,7aS*)-N-(シアノメチル)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド(化合物30)
【化61】
ステップ1
中間体22(16mg、0.028mmol)のDCM(1mL)溶液に、トリエチルアミン(12μL、0.085mmol)、続いて臭化シアン(5.1mg、0.042mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間振とうし、その後追加のトリエチルアミン(24μL、0.17mmol)及び臭化シアン(10mg、0.085mmol)を添加した。この混合物を室温で終夜振とうし、分取HPLC(酸性)により中間体生成物(5mg、収率29%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.97 (M+H
+) = 606.4。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.33 (s, 1H), 7.10 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3.7 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 4.56 (s, 2H), 4.17 - 4.13 (m, 1H), 4.12 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.84 (dd, J = 9.7, 6.9 Hz, 1H), 3.71 - 3.65 (m, 1H), 3.60 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.56 - 3.52 (m, 2H), 3.52 - 3.48 (m, 2H), 3.30 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 2.18 - 2.12 (m, 1H), 1.98 - 1.91 (m, 1H), 1.72 - 1.64 (m, 1H), 1.49 (s, 9H), 1.17 (s, 3H), 0.94 - 0.88 (m, 2H), - 0.05 (s, 9H)。
【0230】
ステップ2
ステップ1の生成物(5mg、0.008mmol)をDCM(0.6mL)及びTFA(0.2mL)に溶解し、この溶液を室温で終夜振とうした。この混合物を蒸発乾固し、残渣をMeCN(0.5mL)及びエチレンジアミン(0.1mL)に溶解した。得られた混合物を室温で3.5時間振とうし、揮発分を留去し、分取HPLC(酸性)を用いて残渣を精製して、実施例30(2.6mg、収率84%)を得た。
UPLC-MS: tR = 0.42 (M+H+) = 376.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 11.68 (br s, 1H), 8.16 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.17 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.08 (s, 2H), 4.03 - 3.97 (m, 1H), 3.96 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.75 - 3.68 (m, 2H), 3.50 (dd, J = 9.8, 7.2 Hz, 1H), 3.19 (dd, J = 9.8, 5.2 Hz, 1H), 3.15 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 2.99 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 2.15 - 2.09 (m, 1H), 1.86 - 1.79 (m, 1H), 1.61 - 1.53 (m, 1H), 1.08 (s, 3H)。
【0231】
実施例31
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物31)
【化62】
ステップ1
中間体23(20mg、0.052mmol)のDCM(0.6mL)溶液に、トリエチルアミン(22μL、0.15mmol)、続いて2,2,2-トリフルオロエタンスルホニルクロリド(14mg、0.077mmol)を添加し、この混合物を室温で45分間振とうした。揮発分を留去し、分取HPLC(酸性)を用いて残渣を精製して、中間体生成物(10mg、収率36%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.91 (M+H
+) = 534.3。
1H NMR (600 MHz, クロロホルム-d) δ 8.34 (s, 1H), 7.11 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 6.50 (d, J = 3.8 Hz, 1H), 5.58 (s, 2H), 4.15 - 4.11 (m, 1H), 4.10 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.77 - 3.68 (m, 4H), 3.64 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.56 - 3.52 (m, 2H), 3.44 - 3.40 (m, 2H), 3.20 (d, J = 9.6 Hz, 1H), 2.19 - 2.13 (m, 1H), 1.99 - 1.92 (m, 1H), 1.72 - 1.63 (m, 1H), 1.19 (s, 3H), 0.94 - 0.88 (m, 2H), - 0.05 (s, 9H)。
【0232】
ステップ2
ステップ1の生成物(10mg、0.019mmol)をDCM(0.6mL)及びTFA(0.2mL)に溶解し、この溶液を室温で終夜振とうした。この混合物を蒸発乾固し、残渣をMeCN(0.5mL)及びエチレンジアミン(0.1mL)に溶解した。得られた混合物を室温で5時間振とうし、揮発分を留去し、分取HPLC(酸性)を用いて残渣を精製して、実施例31(2.2mg、収率29%)を得た。
UPLC-MS: tR = 0.33 (M+H+) = 404.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ 11.67 (br s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.16 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.01 - 3.90 (m, 2H), 3.81 - 3.67 (m, 2H), 3.55 - 3.40 (m, 3H), 3.30 - 3.12 (m, 2H), 3.06 - 2.97 (m, 1H), 2.15 - 2.05 (m, 1H), 1.84 - 1.77 (m, 1H), 1.63 - 1.54 (m, 1H), 1.06 (s, 3H)。
【0233】
実施例32
3-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-オキソプロパンニトリル(化合物32)
【化63】
シアノ酢酸(6.6mg、0.077mmol)から出発した以外は実施例46と同様に調製した。収量:1.2mg、7%。
1H NMRスペクトルは、2種のアミド結合の回転異性体に相当する約1:1の比の2組のピークを示す。
UPLC-MS: t
R = 0.38 (M+H
+) = 325.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.69 (br s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.17 (dd, J = 3.7, 1.1 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.6 Hz, 0.5H), 6.58 (d, J = 3.6 Hz, 0.5H), 4.04 - 3.97 (m, 1H), 3.96 - 3.84 (m, 3H), 3.76 - 3.67 (m, 1H), 3.66 - 3.61 (m, 1.5H), 3.55 (dd, J = 12.0, 7.2 Hz, 0.5H), 3.41 - 3.30 (m, 1.5H), 3.22 (d, J = 11.8 Hz, 0.5H), 3.16 (d, J = 10.0 Hz, 0.5H), 3.05 (d, J = 11.9 Hz, 0.5H), 2.18 - 2.11 (m, 0.5H), 2.08 - 2.02 (m, 0.5H), 1.85 - 1.76 (m, 1H), 1.52 - 1.43 (m, 1H), 1.06 (s, 1.5H), 1.04 (s, 1.5H)。
【0234】
実施例33
6-[(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物33)
【化64】
中間体24(111mg、0.227mmol)のDCM(4mL)溶液にTFA(0.3mL)を添加し、この混合物を室温で終夜振とうした。揮発分を留去し、残渣をMeCN(2mL)に溶解し、エチレンジアミン(0.15mL、2.3mmol)を添加した。この混合物を室温で3.5時間撹拌し、揮発分を留去し、残渣を分取HPLC(酸性)により精製して、実施例33(38mg、収率47%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.56 (M+H
+) = 360.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.68 (br s, 1H), 8.42 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.78 (br d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.3 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.4 Hz, 1H), 6.51 (br s, 1H), 4.14 - 3.89 (m, 2H), 3.85 - 3.57 (m, 3H), 3.51 - 3.12 (m, 3H), 2.33 - 2.15 (m, 1H), 1.92 - 1.84 (m, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 1H), 1.11 (s, 3H)。
【0235】
実施例34
6-[(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物34)
【化65】
中間体25(111mg、0.227mmol)から出発した以外は実施例33と同様に調製した。収量:36mg、44%。
UPLC-MS: t
R = 0.57 (M+H
+) = 360.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.68 (br s, 1H), 8.42 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.78 (br d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.2 Hz, 1H), 6.62 (dd, J = 3.7, 1.6 Hz, 1H), 6.51 (br s, 1H), 4.13 - 3.88 (m, 2H), 3.85 - 3.58 (m, 3H), 3.51 - 3.11 (m, 3H), 2.31 - 2.15 (m, 1H), 1.92 - 1.83 (m, 1H), 1.54 - 1.46 (m, 1H), 1.11 (s, 3H)。
【0236】
実施例35
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(5-メチルスルホニル-2-ピリジル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物35)
【化66】
中間体23(50mg、0.13mmol)のDMF(2mL)溶液に、2-クロロ-5-メチルスルホニルピリジン(30mg、0.16mmol)及びDBU(23μL、0.16mmol)を添加した。この混合物を50℃で3.5時間加熱し、揮発分を留去し、CombiFlashシステムを用いたクロマトグラフィー(4gのシリカゲルカラム、EtOAc:ヘプタン 0:100→100:0)により残渣を精製して、SEM保護中間体(70mg、定量的)を得た。この物質をCH
2Cl
2(3mL)及びTFA(0.3mL)に溶解し、室温で終夜撹拌し、揮発分を留去した。残渣をメタノール(2mL)及びエチレンジアミン(0.3mL)に溶解した。室温で1時間静置した後、揮発分を留去し、残渣を水洗した。この粗生成物を還流EtOAcに懸濁させ、ろ過し、真空中で乾燥して、実施例35(1.7mg、収率3%)を白色固体として得た。
UPLC-MS: t
R = 0.51 (M+H
+) = 413.4。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.68 (br s, 1H), 8.45 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.83 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.17 (dd, J = 3.6, 2.0 Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 3.7, 1.5 Hz, 1H), 6.54 (br s, 1H), 4.12 - 3.94 (m, 2H), 3.84 - 3.65 (m, 4H), 3.52 - 3.35 (m, 2H), 3.11 (s, 3H), 2.24 (br s, 1H), 1.92 - 1.85 (m, 1H), 1.55 - 1.47 (m, 1H), 1.12 (s, 3H)。
【0237】
実施例36
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-ピリジル]メタノール(化合物36)
【化67】
中間体28(5mg、0.016mmol)のDCM(0.6mL)溶液にTFA(0.2mL)を添加し、この混合物を室温で終夜振とうした。揮発分を留去し、残渣をメタノール(0.5mL)及びエチレンジアミン(0.15mL)に溶解した。室温で1時間振とうした後、この混合物を蒸発乾固し、残渣を分取HPLC(酸性)により精製して、実施例36(0.7mg、収率18%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.36 (M+H
+) = 365.5。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.66 (br s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.94 (dd, J = 4.9, 1.9 Hz, 1H), 7.50 (dd, J = 7.2, 1.9 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.64 - 6.60 (m, 2H), 4.49 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 4.45 (d, J = 13.3 Hz, 1H), 4.03 - 3.97 (m, 1H), 3.92 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.83 - 3.77 (m, 2H), 3.74 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 10.4, 5.5 Hz, 1H), 3.50 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.25 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 2.12 - 2.06 (m, 1H), 1.89 - 1.81 (m, 1H), 1.58 - 1.49 (m, 1H), 1.09 (s, 3H)。
【0238】
実施例37
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモ-3-ピリジル]メタノール(化合物37)
【化68】
中間体27(9mg、0.016mmol)のDCM(0.6mL)溶液にTFA(0.2mL)を添加し、この混合物を室温で2.5時間振とうした。揮発分を留去し、残渣をメタノール(0.5mL)及びエチレンジアミン(0.15mL)に溶解した。室温で1.5時間振とうした後、この混合物を蒸発乾固し、残渣を分取HPLC(酸性)により精製して、実施例37(3.8mg、収率55%)を得た。
UPLC-MS: t
R = 0.61 (M+H
+) = 443.4。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.67 (br s, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.00 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.16 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.61 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.50 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 4.47 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 4.02 - 3.96 (m, 1H), 3.91 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.83 - 3.76 (m, 2H), 3.73 (d, J = 13.6 Hz, 1H), 3.56 (dd, J = 10.5, 5.5 Hz, 1H), 3.49 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 3.24 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 2.13 - 2.07 (m, 1H), 1.88 - 1.80 (m, 1H), 1.55 - 1.46 (m, 1H), 1.09 (s, 3H)。
【0239】
実施例38~45及び47
これらの実施例を、以下の求核芳香族置換及びSEM脱保護の概括的手順に従って調製する。
【化69】
実施例38~45及び47の化合物を以下の方法に従って調製した。すなわち、中間体23(20mg、0.052mmol)及びDBU(16μL、0.11mmol)のDMF(0.5mL)溶液を、4mLのネジ蓋式バイアル中のそれぞれのヘテロアリールハライド(1.2当量)に添加し、この混合物を以下に示す温度で、且つ以下に示す時間振とうした。この反応混合物を分取HPLC(塩基性)により精製して上記SEM保護中間体を得、これをCH
2Cl
2(0.5mL)及びTFA(0.5mL)に溶解した。室温で1時間静置した後、揮発分を留去し、残渣をメタノール(0.5mL)及びエチレンジアミン(0.1mL)に溶解した。室温で6時間静置した後に沈殿物が生成した。これをろ過により採取し、一滴のメタノールで洗浄し、真空乾燥して、純粋な生成物を白色または黄色固体として得た。あるいは、沈殿が生成しなかった場合には、当該反応混合物を分取HPLC(塩基性)によって精製して、純粋な生成物を得た。
【0240】
実施例38
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物38)
【化70】
中間体23及び1-フルオロ-4-メチルスルホニルベンゼン(11mg、0.063mmol)から調製し、80℃で2時間、次いで100℃で終夜加熱した。標記化合物を分取HPLC(塩基性)により精製した。収量:9.7mg、46%。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.66 (br s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.17 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 4.04 - 3.96 (m, 1H), 3.92 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.88 - 3.80 (m, 1H), 3.76 (d, J = 13.7 Hz, 1H), 3.58 (dd, J = 10.2, 7.2 Hz, 1H), 3.39 - 3.25 (m, 2H), 3.09 (d, J = 10.0 Hz, 1H), 3.03 (s, 3H), 2.30 - 2.19 (m, 1H), 1.96 - 1.83 (m, 1H), 1.59 - 1.46 (m, 1H), 1.12 (s, 3H)。
【0241】
実施例39
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-ピリミジン-4-イル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物39)
【化71】
中間体23及び4-クロロピリミジン(7.1mg、0.062mmol)から調製し、30℃で1時間45分、次いで50℃で2時間加熱した。標記化合物を分取HPLC(塩基性)により精製した。収量:13.5mg、78%。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.62 (br s, 1H), 8.41 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.10 (d, J = 6.2 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.43 (br s, 1H), 4.13 - 3.87 (m, 2H), 3.83 - 3.53 (m, 4H), 3.48 - 2.98 (m, 2H), 2.29 - 2.14 (m, 1H), 1.94 - 1.81 (m, 1H), 1.56 - 1.42 (m, 1H), 1.10 (s, 3H)。
【0242】
実施例40
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル(化合物40)
【化72】
中間体23及び6-クロロ-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル(9.4mg、0.062mmol)から調製し、30℃で1時間45分、次いで50℃で2時間加熱した。収量:11.5mg、60%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.72 (br s, 1H), 8.32 (br d, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.18 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.43 (br d, 1H), 4.11 - 4.02 (m, 1H), 3.99 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.80 - 3.73 (m, 2H), 3.70 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.66 - 3.53 (m, 1H), 3.47 - 3.39 (m, 1H), 3.30 - 3.21 (m, 1H), 2.38 - 2.12 (m, 4H), 1.92 - 1.82 (m, 1H), 1.54 - 1.43 (m, 1H), 1.10 (s, 3H)。
【0243】
実施例41
2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル(化合物41)
【化73】
中間体23及び2-クロロピリミジン-5-カルボニトリル(8.6mg、0.062mmol)から調製し、30℃で1時間15分間加熱した。収量:13.8mg、74%。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.72 (br s, 1H), 8.74 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 8.68 (d, J = 2.9 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.18 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.63 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.13 - 4.06 (m, 1H), 4.05 (d, J = 13.8 Hz, 1H), 3.78 (dd, J = 12.1, 7.0 Hz, 1H), 3.75 - 3.71 (m, 1H), 3.69 (d, J = 13.9 Hz, 1H), 3.57 (dd, J = 12.1, 5.0 Hz, 1H), 3.46 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 3.31 (d, J = 12.0 Hz, 1H), 2.26 - 2.19 (m, 1H), 1.90 - 1.82 (m, 1H), 1.52 - 1.44 (m, 1H), 1.12 (s, 3H)。
【0244】
実施例42
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル(化合物42)
【化74】
中間体23及び6-フルオロピリダジン-3-カルボニトリル(7.6mg、0.062mmol)から調製し、30℃で1時間加熱した。収量:8.4mg、45%。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.66 (br s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.79 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.91 (br d, J = 9.5 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.12 - 3.91 (m, 2H), 3.89 - 3.13 (m, 6H), 2.35 - 2.20 (m, 1H), 1.99 - 1.82 (m, 1H), 1.63 - 1.47 (m, 1H), 1.14 (s, 3H)。
【0245】
実施例43
5-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル(化合物43)
【化75】
中間体23及び5-クロロピラジン-2-カルボニトリル(8.6mg、0.062mmol)から調製し、30℃で2時間20分、次いで50℃で1時間加熱した。収量:10.6mg、57%。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.65 (br s, 1H), 8.50 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 8.03 (br s, 1H), 7.17 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.18 - 3.88 (m, 2H), 3.87 - 3.64 (m, 2H), 3.64 - 3.41 (m, 2H), 3.38 - 3.22 (m, 2H), 2.39 - 2.13 (m, 1H), 1.97 - 1.82 (m, 1H), 1.64 - 1.45 (m, 1H), 1.12 (s, 3H)。
【0246】
実施例44
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル(化合物44)
【化76】
中間体23及び6-クロロ-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル(9.4mg、0.062mmol)から調製し、30℃で1時間加熱した。収量:9.2mg、48%。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.66 (br s, 1H), 8.27 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.58 (dd, J = 2.2, 0.9 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 4.09 - 3.88 (m, 3H), 3.87 - 3.68 (m, 3H), 3.64 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 3.38 (d, J = 11.2 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H), 2.19 - 2.06 (m, 1H), 1.93 - 1.77 (m, 1H), 1.59 - 1.42 (m, 1H), 1.10 (s, 3H)。
【0247】
実施例45
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル(化合物45)
【化77】
中間体23及び6-クロロ-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル(9.4mg、0.062mmol)から調製し、30℃で2時間20分、次いで50℃で1時間加熱した。収量:8.1mg、42%。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 11.66 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.69 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.34 (br s, 1H), 4.15 - 3.87 (m, 2H), 3.86 - 3.54 (m, 2H), 3.47 - 3.07 (m, 4H), 2.43 (s, 3H), 2.30 - 2.11 (m, 1H), 1.95 - 1.80 (m, 1H), 1.58 - 1.43 (m, 1H), 1.10 (s, 3H)。
【0248】
実施例47
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(化合物47)
【化78】
中間体23及び6-クロロピリジン-3-カルボニトリル(7.9mg、0.057mmol)から調製し、30℃で1時間加熱した。粗製の固体をMeCNで粉体化して標記化合物を得た。収量:2.4mg、13%。
UPLC-MS: t
R = 0.59 (M+H
+) = 360.3。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.68 (br s, 1H), 8.42 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.78 (br d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 3.5 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 3.6 Hz, 1H), 6.51 (br s, 1H), 4.15 - 3.89 (m, 2H), 3.85 - 3.53 (m, 3H), 3.50 - 3.12 (m, 3H), 2.30 - 2.16 (m, 1H), 1.91 - 1.84 (m, 1H), 1.55 - 1.45 (m, 1H), 1.11 (s, 3H)。
【0249】
実施例46
1-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニル]シクロペンタンカルボニトリル(化合物46)
【化79】
中間体23(20mg、0.052mmol)のDMF(0.6mL)溶液に、1-シアノシクロペンタンカルボン酸(10.8mg、0.0774mmol)、DIPEA(27μL、0.15mmol)、及びHATU(29mg、0.077mmol)を添加した。この混合物を30℃で1時間振とうし、揮発分を留去し、残渣をDCM(0.5mL)及びTFA(0.1mL)に溶解した。この混合物を室温で終夜振とうし、揮発分を留去し、残渣をメタノールと同時留去して過剰のTFAを除去した。次いで残渣をメタノール(0.5mL)に溶解し、エチレンジアミン(0.1mL)を添加し、この混合物を室温で1時間振とうした。揮発分を留去し、残渣を分取HPLC(酸性)により精製して実施例46(1.3mg、収率6%)を得た。
1H NMRスペクトルは、2種のアミド結合の回転異性体に相当する約1:1の比の2組のピークを示す。
UPLC-MS: t
R = 0.58 (M+H
+) = 379.4。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 11.69 (br s, 0.5H), 11.67 (br s, 0.5H), 8.12 (s, 0.5H), 8.11 (s, 0.5H), 7.17 (dd, J = 3.7, 1.8 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 3.6 Hz, 0.5H), 6.61 (d, J = 3.6 Hz, 0.5H), 4.21 - 4.13 (m, 1H), 4.10 (d, J = 13.8 Hz, 0.5H), 3.98 - 3.87 (m, 1.5H), 3.81 - 3.73 (m, 0.5H), 3.72 - 3.67 (m, 1H), 3.67 - 3.57 (m, 1.5H), 3.54 (d, J = 13.8 Hz, 0.5H), 3.47 - 3.39 (m, 1H), 3.29 (d, J = 12.2 Hz, 0.5H), 3.14 (d, J = 12.2 Hz, 0.5H), 2.35 - 2.26 (m, 1H), 2.25 - 2.05 (m, 4H), 1.91 - 1.80 (m, 1H), 1.76 - 1.58 (m, 4H), 1.57 - 1.49 (m, 0.5H), 1.48 - 1.40 (m, 0.5H), 1.09 (s, 1.5H), 1.08 (s, 1.5H)。
【0250】
JAKキナーゼアッセイ:
ヒトバキュロウイルス発現JAK1、2、3、及びTYK2をCarna Biosciences, Inc.から購入した。4種全ての精製酵素は触媒ドメインのみを含む。JAK1(アミノ酸850~1154)及びTYK2(アミノ酸871~1187)は、N末端融合GSTタグ付きで発現され、JAK2及びJAK3は、N末端融合Hisタグ付きで発現される。合成ペプチドのリン酸化の阻害を、Cisbio HTRFKinEASE TKキットのTK基質-ビオチンを用いたHTRFに基づくアッセイで測定した。まず、2μlのTK溶液(キナーゼ緩衝液中のTK基質-ビオチン[HTRFKinEASE TKキットの1×酵素緩衝液、1mM DTT])を、1μlの希釈済み化合物が入ったプレートに添加する(最終アッセイDMSO濃度:0.75%)。次いで、5μlのキナーゼ-ATP混合物(キナーゼ緩衝液中で調製)を上記ウェルに添加し、これらのプレートを室温で20~30分間インキュベートする。4種全てのキナーゼについて、ATPのKmに対応するATPの濃度を用いた。緩衝液、基質、キナーゼ、及びATPの最終濃度は、JAK1:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01% BSA、10mM MgCl
2、1mM DTT、7μM ATP、50nM SEB、1μM TK基質-ビオチン、及び5ng JAKl;JAK2:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01% BSA、5mM MgCl
2、1mM DTT、4μM ATP、1μM TK基質-ビオチン、及び0.1ng JAK2;JAK3:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01% BSA、5mM MgCl
2、1mM DTT、2μM ATP、1μM TK基質-ビオチン、及び0.3ng JAK3;TYK2:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01% BSA、5mM MgCl
2、1mM DTT、13μM ATP、50nM SEB、1μM TK基質-ビオチン、及び0.8ng TYK2であった。その後、4μlの検出混合物(最終濃度:50mM Hepes緩衝液 pH7.0、0.01% BSA、0.8M KF、20mM EDTA、42nM ストレプトアビジン-XL665、及び1:400 STK Ab Cryptate)を添加することによってキナーゼ反応を停止させ、これらのプレートを暗所で終夜インキュベートする。Envisionプレートリーダーを用いてHTRFシグナルを読み取る。
表1に、選択されたJAKキナーゼ阻害活性を記載する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【0251】
イン・ビトロ代謝安定性を評価するために、液体取り扱いロボット(Hamilton Microlab Star)を用いて、96ウェルプレート中、リン酸緩衝液及びNADPH中で、上記化合物(0.5μM)をヒト肝ミクロソーム(0.5mg/mL)と共に40分間(37℃)、同一実験を2回繰り返しでインキュベートした。試料アリコートを0、5、10、20及び40分の時点で採取し、反応を停止させるために冷アセトニトリル中に投入した。上記プレートを30分間遠心分離した後、飛行時間型質量分析計(AB Sciex API5600)に連結した液体クロマトグラフィーを用いて試料を分析した。経時的な化合物の減少を用いて消失速度定数を見積もり、これから見掛けの固有クリアランス、Clappを計算し、その値を表2に記載する。
【表2】
本願は、下記の態様も包含する。
[態様1]
一般式I:
【化80】
[式中、
R
1
はメチルまたはエチルを表し、
nは1または2であり、
R
2
は、水素、シアノ、-SO
2
R
a
、-SO
2
NR
b
R
c
、-C(O)R
b
、フェニル、ならびに5及び6員ヘテロアリールからなる群より選択され、ここで、前記フェニル、5及び6員ヘテロアリールは、R
3
から独立に選択される1以上の置換基で置換されていてもよく、
R
3
は、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、(C
1
~C
4
)アルキル、ヒドロキシル(C
1
~C
4
)アルキル、ハロ(C
1
~C
4
)アルキル、シアノ(C
1
~C
4
)アルキル、(C
1
~C
4
)アルコキシ、ハロ(C
1
~C
4
)アルコキシ、-SO
2
R
a
、及び-SO
2
NR
b
R
c
からなる群を表し、
R
a
は、(C
1
~C
4
)アルキル、(C
3
~C
6
)シクロアルキル、ハロ(C
1
~C
4
)アルキル、及びシアノ(C
1
~C
4
)アルキルから選択され、
R
b
及びR
c
はそれぞれ独立に、水素、(C
1
~C
4
)アルキル、ハロ(C
1
~C
4
)アルキル、シアノ(C
1
~C
4
)アルキル、(C
3
~C
6
)シクロアルキル、ハロ(C
3
~C
6
)シクロアルキル、及びシアノ(C
3
~C
6
)シクロアルキルから選択される]
で示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物。
[態様2]
一般式I(a)
【化81】
で示される、態様1に記載の化合物。
[態様3]
R
1
がエチルを表し、nが2である、態様1または2に記載の化合物。
[態様4]
R
2
が、水素、シアノ、-SO
2
R
a
、-SO
2
NR
b
R
c
、-C(O)R
b
、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルからなる群より選択され、ここで、前記フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、及びチアジアゾリルは、R
3
から独立に選択される1以上の置換基で置換されていてもよい、態様1~3のいずれか1つに記載の化合物。
[態様5]
R
2
がシアノ及び-SO
2
NH
2
からなる群より選択される、態様1~4のいずれか1つに記載の化合物。
[態様6]
R
3
が、シアノ、ハロゲン、メチル、ヒドロキシメチル、及び-SO
2
CH
3
からなる群を表す、態様1~4のいずれか1つに記載の化合物。
[態様7]
R
a
がメチル及びトリフルオロエチルから選択される、態様1~4のいずれか1つに記載の化合物。
[態様8]
R
b
及びR
c
がそれぞれ独立に、水素、メチル、及びシアノメチルから選択される、態様1~4のいずれか1つに記載の化合物。
[態様9]
(4aR,8aS)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aS,8aR)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
5-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(4aS*,8aR*)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-4-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
(4aR*,8aS*)-8a-メチル-2-メチルスルホニル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
(4aS*,8aR*)-2-(5-ブロモ-6-メチル-2-ピリジル)-8a-メチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン、
1-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]エタノン、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルバルデヒド、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]-5-ブロモ-1,3,4-チアジアゾール、
(4aS,8aR)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、
8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,2,3,4,4a,5,6,8-オクタヒドロ-2,7-ナフチリジン、
2-[(4aR*,8aS*)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-イル]チアゾール-4-カルボニトリル、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-メチルスルホニル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド、
(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル、
(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニトリル、
(3aS*,7aS*)-N-(シアノメチル)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-スルホンアミド、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
3-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-オキソプロパンニトリル、
6-[(3aS,7aS)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(3aR,7aR)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル、
4-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-2-(5-メチルスルホニル-2-ピリジル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-3-ピリジル]メタノール、
[2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-ブロモ-3-ピリジル]メタノール、
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-(4-メチルスルホニルフェニル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
4-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-2-ピリミジン-4-イル-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-5-イル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-4-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
2-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリミジン-5-カルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリダジン-3-カルボニトリル、
5-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピラジン-2-カルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-5-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
6-[(3aR*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]-2-メチルピリジン-3-カルボニトリル、
1-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-カルボニル]シクロペンタンカルボニトリル、
6-[(3aS*,7aS*)-3a-メチル-5-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1,3,4,6,7,7a-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-3-カルボニトリル
またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物から選択される、態様1~8のいずれか1つに記載の化合物。
[態様10]
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-スルホンアミド、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物から選択される、態様1~9のいずれか1つに記載の化合物。
[態様11]
(4aR,8aS)-8a-エチル-7-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-3,4,4a,5,6,8-ヘキサヒドロ-1H-2,7-ナフチリジン-2-カルボニトリル、またはその薬学的に許容される塩、水和物もしくは溶媒和物から選択される態様1~9のいずれか1つに記載の化合物。
[態様12]
医薬としての使用のための、態様1~11のいずれか1つに記載の化合物。
[態様13]
自己免疫疾患などの免疫系の疾患または免疫系の調節解除に関連する疾患の予防及び/または治療における使用のための、態様1~11のいずれか1つに記載の化合物。
[態様14]
乾癬及びアトピー性皮膚炎から選択される疾患の予防及び/または治療における、態様13に記載の使用のための化合物。
[態様15]
JAK1、JAK2、JAK3、またはTYK2プロテインチロシンキナ-ゼなどの、JAKファミリーのプロテインチロシンキナ-ゼのプロテインチロシンキナ-ゼの阻害に応答性である疾患の治療における使用のための、態様1~11のいずれか1つに記載の化合物。
[態様16]
態様1~13のいずれか1つに記載の化合物を、薬学的に許容されるビヒクルもしくは賦形剤または薬学的に許容される担体(複数可)と共に含む医薬組成物。
[態様17]
1種以上の他の治療上活性な化合物を更に含む、態様16に記載の医薬組成物。
[態様18]
自己免疫疾患などの免疫系の疾患または免疫系の調節解除に関連する疾患の予防、治療、または改善方法であって、前記疾患の少なくとも1種に罹患している人に、有効量の1種以上の態様1~11のいずれか1つに記載の化合物を、薬学的に許容される担体または1種以上の賦形剤と共にであってよく、他の治療上活性な化合物との併用であってもよく、投与することを含む前記方法。