(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】コンテナ装置を含むドアフレーム、コンテナ装置、及びコンテナ装置が受け入れるボックス
(51)【国際特許分類】
A47G 29/20 20060101AFI20220708BHJP
B65D 25/20 20060101ALI20220708BHJP
A47G 29/122 20060101ALI20220708BHJP
A47G 29/124 20060101ALI20220708BHJP
A47B 81/00 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
A47G29/20
B65D25/20 M
B65D25/20 P
A47G29/122 A
A47G29/124
A47B81/00 F
(21)【出願番号】P 2019565611
(86)(22)【出願日】2017-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2017081174
(87)【国際公開番号】W WO2018149529
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-11-10
(32)【優先日】2017-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519300323
【氏名又は名称】シーアイアイ-イノベーション アイディアズ ウント コンセプツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ナルベルハウス,ハンス-ウルフギャング
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-336446(JP,A)
【文献】米国特許第01469359(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0179724(US,A1)
【文献】国際公開第03/036573(WO,A2)
【文献】特開平07-327809(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01114605(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00 - 29/30
B65D 25/20
A47B 81/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアフレームとドアとコンテナ装置との組み合わせであって、前記コンテナ装置は配達物を受け取ることに適し、
前記コンテナ装置は、該コンテナ装置が前記ドアフレームに取外し可能に固定されるように構築及び配置され、それにより、前記ドアが開き、前記コンテナ装置が前記ドアフレームに固定されているとき、前記ドアフレームにより囲まれる空間が前記コンテナ装置により閉じら
れ、
円錐形ボルトであり、該円錐形ボルトが前記ドアフレームに係合して前記コンテナ装置を前記ドアフレームに固定しているとき、前記コンテナ装置を前記ドアフレーム内に整合させる、円錐形ボルト、をさらに有し、前記コンテナ装置の前記円錐形ボルトは、前記ドアフレームのロック機構の穴に接続される、ドアフレームとドアとコンテナ装置との組み合わせ。
【請求項2】
前記ドアは80~100cmの幅を有し、かつ/あるいは前記ドアは建物の前面ドア又はフラット/アパートのドアであり、かつ/あるいは前記コンテナ装置は75~90cmの幅、185~200cmの高さを有する、請求項1に記載のドアフレーム。
【請求項3】
ドアフレームに取外し可能に固定可能なコンテナ装置であって、それにより、前記ドアフレームに取り付けられたドアが開き、当該コンテナ装置が前記ドアフレームに固定されているとき、前記ドアフレームにより囲まれる空間が当該コンテナ装置により閉じられ、当該コンテナ装置は、1つのサイドに少なくとも1つのロック可能ドアをさらに有し、前記ロック可能ドアは小包サービスにより開けることが可能であり、それにより、前記小包サービスにより配達される品物は当該コンテナ装置で確実に受け取り可能であ
り、
円錐形ボルトであり、該円錐形ボルトが前記ドアフレームに係合して当該コンテナ装置を前記ドアフレームに固定しているとき、当該コンテナ装置を前記ドアフレーム内に整合させる、円錐形ボルト、をさらに有し、当該コンテナ装置の前記円錐形ボルトは、前記ドアフレームのロック機構の穴に接続される、コンテナ装置。
【請求項4】
当該コンテナ装置はアラームシステム及び/又は監視カメラを含む、請求項3に記載のコンテナ装置。
【請求項5】
少なくとも2つのコンパートメントであり、前記2つのコンパートメントのうち少なくとも1つは冷却可能である、少なくとも2つのコンパートメント、又は、4つのコンパートメントであり、少なくとも2つのコンパートメントは冷却可能であり、前記冷却されたコンパートメントのうち1つは冷凍機コンパートメントである、4つのコンパートメント、をさらに有する請求項3又は4に記載のコンテナ装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのドアは、当該コンテナ装置が前記ドアフレームから取り外されているとき当該コンテナ装置がビルトインキッチンに一体化可能であるように形成され、かつ/あるいは、当該コンテナ装置は55~65cmの奥行きを有する、請求項3乃至
5のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置。
【請求項7】
当該コンテナ装置は車輪の上にセットされ
、任意の方向で当該コンテナ装置の移動を可能にする、請求項3乃至
6のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置。
【請求項8】
さらに、少なくとも1つのコンパートメントにバーコードリーダ及び/又はRFIDリーダ及び/又はインダクションベースの電源を有し、かつ/あるいは制御システムを有し、前記制御システムは、インターネットに接続され、ロック機構による前記ドアフレームへの固定、及び/又は前記少なくとも1つのドアへのアクセスを可能にすることによる配達物の確保を制御する、請求項3乃至
7のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンパートメントは、スタック可能ボックスが当該コンテナ装置で受け入れ可能なように形成され、前記ボックスは、RFIDチップ及び/又はバッテリ
を有する、請求項5乃至
8のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置。
【請求項10】
前記ボックスは、受取人に関する情報を前記RFIDチップに記憶することにより追跡可能である、請求項9に記載のコンテナ装置。
【請求項11】
当該コンテナ装置は、
壁の据え付け手段に取り付け可能である、請求項3乃至1
0のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置。
【請求項12】
前記壁は外壁を含む、請求項11に記載のコンテナ装置。
【請求項13】
当該コンテナ装置は、家具に取り付け可能であり、あるいは凹部に据え付け可能である、請求項3乃至12のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置。
【請求項14】
請求項3乃至13のうちいずれか1項に記載のコンテナ装置を使用して小包又は食料品を配達及び/又はピックアップする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達物を受け取ることに適するコンテナ装置を有するドアのドアフレーム、コンテナ装置、品物/配達物を輸送するための標準化されたボックス、及びコンテナ装置を使用して配達物を受け取る方法に関する。より詳細には、本発明は、ドアが開けられている間にドアフレームにセットできるコンテナ装置に関し、それにより、コンテナ装置がドアフレームに固定されている間、家又はアパートはロックされる。コンテナ装置はドアとして機能し、それにより、小包サービスが、受取人がいない間に配達を行うための確実な空間としてコンテナ装置を利用することができる。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、通信販売事業は絶えず成長を続けている。特に、通信販売事業における電子商取引の割合は急激に増加している。
【0003】
古典的な又はインターネットベースの通信販売事業は、顧客にカタログ又はウェブサイトから製品/品物を選ばせる。ひとたび品物が注文されると、それらは、通常は小包サービス(parcel services)を採用することにより、パッケージ化され、顧客に発送される。小包サービスは、注文を顧客に輸送し、場合に応じて顧客の住居又は職場において、それを顧客に手渡すことになる。
【0004】
簡潔さのため、以下の文章はアパート、又はフラット、又は自宅若しくは家を参照するが、これは、意図される配達場所としての事務所空間又は他の建物を除外することを意図するものではない。
【0005】
配達及び手渡しを成功させるためには、顧客が配達の間に存在することが重要であるが、必ずしもそうではない。
【0006】
関与する小包サービスは、顧客が配達時に常に存在しているわけではないという事実を補うための戦略を開発してきた。採用される戦略は多種多様であり、予め合意された引き渡しスポットに小包を置いていくことから、元の受取人が配達時に自宅にいない場合には、意図された受取人の隣人にパッケージを受け取らせること、複数のコンパートメントを有する受け取り構造、又はサービス提供者の最も近い駅に小包を発送し、受取人にその都合の良い時に小包をピックアップさせることに及ぶ。
【0007】
上記の解決策はすべて、異なる欠点を有する。受取人が配達時に自宅にいないため、小包又は発送が受取人に配達できないとき、パッケージの配達人は、例えば、小包を少なくとも一時的に受け取る意志のある隣人に到達しようと試みることができ、それにより、元の受取人は、自身が帰宅したとき、隣人のところで小包をピックアップすることができる。しかしながら、これは配達人にとって非常に時間のかかる事業であり、なぜならば、配達人は、パッケージを受け取る意志のある隣人を見つけて、パッケージが隣人に配達されたことを元の受取人に知らせるフォームに記入する必要があるからである。
【0008】
別の方法として、顧客と小包サービスとの間の契約を介して通常手配される引き渡しポイントに関する合意がある。これもまた欠点を有する。例えば、そのような契約は、販売業者が使用する可能性のある各小包サービスとの間で作成される必要があり、それは、小包の配達の前に達せられる必要がある複数の契約につながる。さらに、元の受取人は、どの小包サービスが販売業者により実際に選択されているかを必ずしも認識しておらず、したがって、引き渡しポイントに関する必要な合意がなされていることを必ずしも確認できない。さらに、契約は通常、ひとたび小包が引き渡されると小包サービスはいかなる損害又は盗難に対してももはや責任を負わないように起草されるため、不利が生じる。
【0009】
複数の小包サービスが選択した他の選択肢は、小包又はパッケージの受け取り構造を建造することであり、これは1日のうち営業時間又は24時間のいずれかの間にアクセス可能であり、これに小包が配達され、次いでその後、元の受取人によりピックアップされる。
【0010】
しかしながら、配達構造は、複数の制限及び欠点を有する。配達構造は、複数のドア(例えば、各受け取り小包に対して1つ)を通常有し、該ドアは、顧客が自身を受取人として識別した後に開けられ、それにより、元の受取人が小包を取り出すことができる。したがって、このような構造が一定数の顧客に配達オプションを提供することになる場合、個々の開放機構を有する同様に多くのドアと制御セクションとが、公共アクセス可能エリアに設置される必要がある。
【0011】
これらの配達構造に必要な技術及び床面積は、特にいたずら及び盗難防止が必要なため、大型構造を高価にする。さらに、営業日の終わりに使用コンパートメントを空にする受取人が少なすぎる場合、翌日の配達に利用可能な空きスペースが不十分になり、その結果、小包サービスによりさらに別の解決策が開発され、現在ほとんど採用されている。
【0012】
このシナリオでは、受取人、又は隣人、又は受け取り構造のいずれにも配達できなかった小包は、対応する小包サービスの店舗又は駅に運ばれ、ここで、小包は、販売業者に返送される前、所定の日数の間、そのままである。小包は、その時間の間、通常は営業時間の間、元の受取人によりピックアップ可能である。これは、複数の欠点を有する。すなわち、店舗は、元の受取人により最終的にピックアップされるべきすべての小包を収納するために十分な量の床面積を必要とし、一時的に保管される大きな価値に起因していたずら防止が必要であり、また、顧客がその小包をピックアップしたいとき、ピーク時間の間、通常は週末に、余分な人員を必要とする。
【0013】
要するに、利用可能なシステムのいずれも、顧客にとって便利であり、かつ小包サービスにとって費用効率の高い実用的な解決策を提供しない。
【0014】
さらに、配達のための上記解決策のいずれも、冷蔵を必要とする腐敗しやすいアイテムの配達を可能にしない。今日まで、このような品物の配達は、顧客が配達時に指定された配達住所にいること、又は配達人がその住所で家屋へ監督なしのアクセスを有することを一般に必要とする。
【0015】
現在採用されているロジスティックシステムのさらなる問題は、品物が販売業者により通常個々にパッケージ化され、あらゆる販売業者がその独自のパッケージを送ることである。これらのパッケージは、確立された標準が存在しないため、標準サイズを通常有さない。このことは、小包の取り扱いに関する複数の問題につながる。例えば、すべてのパッケージが異なるサイズ形状で来ると、貨物の安全な輸送及び適切な固定を保証することは複雑化する。最終的に、パッケージは異なる負荷を支える可能性があり、それにより、パッケージは、スタック内の他のパッケージを損傷することのないある程度までだけスタックされる可能性がある。
【0016】
上述の問題のいくつかは、従来技術において対処されている。
【0017】
独国特許出願公開第20 2016 101 841号は、小包の配達に使用でき、小包サービスにより外側から及び受取人/顧客により内側からアクセスできるように、壁の穴内に取り付けられるように設計されたキャビネット又は戸棚を開示している。この従来技術のキャビネットは、外壁が戸棚の寸法で穴を有するように建造される必要があるため、主要な構築作業を伴わないアパート又は家に設置されるのには適さない。単にこのようにして、戸棚の1つのサイドのみが意図されたように外側に面することになる。
【0018】
米国特許第6,415,552号は、広範囲の配達可能製品を受け取るために複数のコンパートメントを露出させるよう開けることができるドアを設けられた建物の外壁に関する。したがって、コンパートメントの設置に関しては、独国特許出願公開第20 2016 101 841号と同じ問題が当てはまる。
【0019】
国際公開第97/12186号は、対向するサイドに2つのドアを有する冷蔵庫を開示しており、それにより、冷蔵庫は、壁に、あるいは、アパートのドア又は家/建物の前面ドアなどのドアに取り付け可能である。しかしながら、この文献は、ドア及び/又はドアフレームを改造することなくドアフレーム内に配達構造又は配達装置が配置できる手段による簡単な解決策を提供できていない。さらに、冷蔵を必要としない配達に使用できるコンパートメント又は空間を開示できていない。
【0020】
特開平11-336446号は、建物の入口ドアから長方形の間隔の内側に、少なくともパネル本体が直立して接触するように構成された宅配ボックスに関するものである。
【0021】
米国特許出願公開第2006/0179724号は、配達物保管のための機器、システム、及び方法に関する。配達物保管機器は、品物の個々の配達を可能にするための外側の開口を含む。
【0022】
米国特許第1,469,359号は、特に家庭用品の受け入れのためのサービスキャビネットの改善に関する。
【発明の概要】
【0023】
従来技術に鑑みて、本発明の目的は、配達物を受け取ることができ、かつ建物の外壁又は実際には何らの壁を改造する必要なく迅速な設置を可能にするシステムを提供することであり、同時に、小包サービスから小包を受け取るための安全で確実な空間を提供する。
【0024】
この問題は、請求項1記載のコンテナ装置を有するドアフレーム、及び請求項3記載のコンテナ装置により解決される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態に関する。
【0025】
本発明によるドアフレームは、配達物を受け取ることに適したコンテナ装置を有する。コンテナ装置はドアフレームに取り外し可能に固定されてよく、それにより、コンテナ装置がドアフレームに固定されると、ドアフレームにより囲まれた空間がコンテナ装置により閉じられる。したがって、コンテナ装置は、それがドアフレームに嵌合されているときドアとして機能し、受取人が自身の家/アパートを離れるときドアフレームにセットでき、それにより、コンテナ装置は小包サービスにとってアクセス可能になる。
【0026】
コンテナ装置は、小包が小包サービスによりコンテナ装置内に預け入れられることを可能にする。コンテナ装置は、ドアが開いているときドアフレームにセットされ、したがって、家又はアパートを閉じることができ、あるいは代替的に、ドアは取り外され、コンテナ装置で置換されてもよく、これは、コンテナ装置が、受取人が自宅にいるときでさえドアとして機能することを意味する。
【0027】
コンテナ装置の寸法は、有利には、以下に記載されるとおりである。コンテナ装置に様々なサイズのドアフレームとの互換性を持たせるために、前面ドア及びアパートドアに関する現状をまとめた。地域に依存して、使用ドアが前面ドアであるパーセンテージは、北ヨーロッパの30%~40%から南ヨーロッパの85%~90%まで変動するが、残りの多くはアパートドアである。
【0028】
ドアは通常、建物に大きく依存することにより変動しない、標準寸法を有する。アパート又は一戸建て住宅のドアは、80~100cmの幅、及び約2m(190cm~200cm)の高さを有する。
【0029】
コンテナ装置のサイズを選択するとき、コンテナ装置は、最も一般的に使用されるクラスのドアサイズに適合するように寸法決めされる必要がある。したがって、コンテナ装置の幅は、より小さいコンテナ装置はより大きいドアフレームと組み合わせて使用できるため、それがドアの幅に関してより低いスペクトル(lower spectrum)であるようにドアフレームにおいて使用できるように、サイズ決めされるべきである。コンテナ装置がより大きいドアのためのドアフレームで採用される場合は、コンテナ装置は、コンテナ装置自体とドアフレームとの間のギャップを埋めるための囲みフレームを設けられてもよい。
【0030】
したがって、本発明の1つの利点は、上述のような幅及び高さを有するコンテナ装置が、ドアフレームを改造する必要なく、家又はアパートに現在設置されている広範囲のドアフレームに嵌合可能なことである。同時に、小包サービス及び販売業者は、設けられたコンテナサイズに対して調整し、それに応じて品物をパッケージ化することができる。
【0031】
コンテナ装置は、1つのサイドに少なくとも1つのロック可能ドアを有する。ロック可能ドアは小包サービスにより開けることができ、それにより、配達される品物又は小包は小包サービスによりコンテナ装置内に預け入れできる。コンテナ装置は、1つのサイドに好ましくは2つ又は3つのドアを、より好ましくは4つのドアを有する。
【0032】
これは、配達リクエストが取り扱われるとき異なるセクション/コンパートメントが開くことを可能にし、これは、セキュリティ及び汎用性を促進する。
【0033】
元のドアが取り外されている間にコンテナ装置がドアとして使用されるとき、コンテナ装置の対向サイドに同様にドアを設置することが好ましく、それにより、小包サービスはコンテナ装置を1つのサイド(例えば、外側)から操作でき、一方で、顧客/受取人はコンテナ装置を他のサイド(例えば、内側)で/から操作する。
【0034】
コンテナ装置は、一方で配達人を識別し、他方で建物及び/又は受け取った小包のさらなるセキュリティを提供するために、アラームシステム及び/又は監視カメラをさらに含むことができる。
【0035】
コンテナ装置は、複数のコンパートメント、例えば、2つのコンパートメント、又は好ましくは3つのコンパートメント、より好ましくは4つのコンパートメントを含むことができる。コンパートメントの高さ及び幅は、上記でさらに詳細に説明されたように、最も一般的に採用されるドアフレームの寸法により制限される。
【0036】
4つのコンパートメントの利点は、すべてのコンパートメントが高さにおいて十分な空間を提供し、同時に、最後のコンパートメントは依然として快適に到達できることである。
【0037】
コンパートメントの少なくとも1つは、冷却又はさらには冷凍を提供できることが好ましく、それにより、食品のような腐敗しやすい品物、冷却を必要とする薬剤、又は冷凍食品が、必要な冷却チェーンが壊されずにコンテナ装置に配達され得る。したがって、コンテナ装置は、コンプレッサ、蒸発器、及び少なくとも1つの熱交換器又は冷却の代替手段を有することができる。コンテナ装置は、電気エネルギーを受け取ってコンプレッサ及び/又はコントローラを動作させるために、家のアパートの電源システムに結合できる。
【0038】
ドアフレームを改造することが可能な場合、ドアフレームは、開口の方向に垂直な複数(例えば、4つ)の穴を備えることができる。コンテナ装置は、ドアフレームの穴に係合してコンテナ装置を上記ドアフレームに固定することができる円錐形ボルトを有してもよい。円錐形ボルトが使用されるとき、コンテナ装置は、ロック工程を開始するときに穴との大まかな整合しか必要なく、なぜならば、コンテナ装置は、ドアフレームの穴に入る円錐形ボルトにより整合されるからである。
【0039】
あるいは、穴は、ドアフレームの上面に取り付けられるか又はドアフレームの内側向き部品に取って代わるように取り付けられる、さらなる部品に設けられてもよい。さらなる部品は、材料がコンテナ装置を固定するのに十分な強度である限り、木材、プラスチック、又は金属のような任意の材料で製造できる。さらなる部品は、好ましくは断面図においても長方形である、長い長方形の部品であってもよい。さらなる部品の長さは、1つのサイドに対する穴が1つのさらなる部品内に設けられるようなものであってもよい。しかしながら、また、各穴について1つのさらなる部品が設けられてもよい。
【0040】
ドアフレームの改造が不可能又は許容できないとき、コンテナ装置は、ロック据え付け具が設けられているサイドと対向のサイドでドアフレームに当接する拡張部品を設けられてもよい。拡張部品は、ドアフレームとドアとの間の空間へ、又はちょうどドアフレームの切り抜き(cut out)部分へ拡張してもよく、切り抜き部分において、ドアは、閉じた状態で当接する。拡張部品は、複数のセクションを有してもよく、かつ/あるいは、コンテナ装置がドアフレーム内にセットされているときにドアヒンジ間の空間に拡張するようにサイズ決めされてもよい。換言すれば、拡張部品は、ドアの高さ全体を覆う必要はない。
【0041】
コンテナ装置は、拡張部品と対向のサイドにロック機構を有して、ドアが使用するのと同じ据え付け具を使用してコンテナ装置をドアフレーム内にロックしてもよい。
【0042】
コンテナ装置は、コンテナ装置が採用されるアパート又は家に建造されたキッチンに合わせて形成及び色付けされた前面デザインを有してもよく、それにより、コンテナ装置がドアフレームから取り外されたとき、それはキッチンに移動され、上記キッチンの戸棚又は冷蔵庫として使用できる。
【0043】
家の中の家具とマッチする前面デザインを有するコンテナ装置の1つの利点は、受取人が自宅にいてコンテナ装置をドアフレームから取り外しているとき、インテリアデザインから逸脱することなく、コンテナ装置が家の中に保管できることである。
【0044】
コンテナ装置は、好ましくは、アパート又は家の中でコンテナ装置の容易な移動を可能にする車輪を有する。車輪を設けることにより、ドアフレームにおける、又は顧客/受取人が自宅にいて予め設置されたドアがアパート又は家を閉じるために使用されるときには家の中の異なる空間又は部屋におけるコンテナ装置の位置決めが、簡素化される。
【0045】
あるいは、コンテナ装置は、壁、好ましくは外壁の、据え付け又は取り付け手段に据え付け又は取り付けできる。これは、コンテナ装置が指定されたスポットに配置されることを可能にし、人が家又はアパートを出て小包又は配達を予期する場合に、コンテナ装置をドアフレームに挿入する必要なく小包を受け取るためのコンテナ装置を設けることを可能にする。コンテナ装置はまた、家具に据え付け/取り付けされてもよく、あるいは凹部に据え付けられてもよい。
【0046】
小包を追跡するために、コンテナ装置は、少なくとも1つのコンパートメント内、又は好ましくは全てのコンパートメント内にバーコードスキャナ及び/又はRFIDリーダを有し、それにより、小包の配達は、コンテナ装置へ挿入又は配達されたときに追跡できる。
【0047】
コンテナ装置は、インターネットに接続され、コンテナ装置のドアフレームへの/内の固定を制御することができる、制御システムをさらに有してもよい。制御システムは、アラームシステム及び/又は監視カメラをさらに制御してもよい。制御システムはまた、コンテナ装置内のコンパートメント又は空間へのアクセスを制御して、一方で配達物を確保し、他方で小包サービスがコンテナ装置に配達物を預け入れることを可能にしてもよい。コントローラはまた、コンテナがドアフレームに固定されるロック機構を制御するために使用されてもよい。
【0048】
コンテナ装置はまた、小包サービスが識別の後にパッケージを取り出し、パッケージ又は小包を返却住所に輸送することを可能にすることにより、元の販売業者又は供給業者への返却発送のために使用されてもよい。
【0049】
従来技術に鑑みて、本発明の別の目的は、最大限の利用可能空間を利用してコンテナ装置内に受け入れることができるボックスを提供することにより、貨物のより安全な輸送及び固定、特により効率的な輸送を可能にするシステムを提供することである。
【0050】
ボックスは再使用可能であり、バッテリ及び/又はRFIDチップを有し、それにより、ボックスは追跡可能であり、特にプログラム可能である。それにより、受け取り住所及び受取人を提示するラベルをプリントアウトする必要はないが、ボックス内のRFIDチップに受取人をプログラムする。ボックスの識別/ラベル付けの他の手段が可能であり、例えば、受取人住所若しくはバーコード又は双方を表示するe‐INKディスプレイである。あるいは、個々の番号が各ボックスに割り当てられてもよく、それにより、ボックスの受取人はボックス内にプログラムされないが、受取人はロジスティックサービスシステム内の番号にマッピングされる。また、上述されたIDシステムを組み合わせて、例えば、各ボックスに個々の番号を提供し、同時にRFIDチップも採用して、各ボックスに受取人に関する情報を記憶することも可能である。
【0051】
電子装置は、コンテナ装置内のインダクティブ充電器を使用して任意に充電できる再充電可能バッテリにより電力供給されてもよい。
【0052】
ボックスは、元の受取人によりコンテナ装置内でプログラムされてもよい。これにより、ボックスは、望まれない又はレンタルのアイテム、又は通信販売会社又は小売業者により廃棄される必要のあるパッケージングを返却するために使用できる。
【0053】
ボックスは、輸送のチェーン(ロジスティックチェーン)全体にわたり標準的なユニットパッケージが可能になるように標準を採用しようとする市場の誰もが使用できる。
【0054】
ボックスは、ボックスへの気流を可能にするように、スリット又は開口を設けられてもよい。これは、ボックスが野菜又は他の食品のような腐敗しやすい品物の配達に使用されるときに特に有利であり、なぜならば、ボックスが冷却環境内にセットされると、冷気がボックス内に保管された品物に容易に流れる可能性があり、したがって、腐敗しやすい品物の冷却が強化されるからである。そのようなボックスを食品及び他の腐敗しやすい品物に使用することは、これらの品物が通常個々に包装されて多数の個々のアイテムをもたらし、これらが次いでボックス内で容易に組み合わせられる可能性があるため、特に有利である。
【0055】
ボックスは、好ましくは、上端で55~65cmの幅、40~50cmの奥行き、及び下端で45~55cmの幅を有する。ボックスは、35~45cmの好ましい高さをさらに有する。コンテナ装置及びボックスの寸法は、上記説明のように、一戸建て建物の前面ドア又はフラット/アパートのドアの標準サイズに従って選択される。選択されるボックス寸法はコンテナ装置のサイズに関連し、そのサイズ及び準ずる有利な効果は上記で詳細に説明されたとおりである。
【0056】
標準的なボックスサイズを使用し、一体化された電子装置を採用することにより、異なるサイズ及び異なる材料を使用する従来のパッケージの取り扱いよりも自動的な取り扱いの度合いを大幅に改善できる。
【0057】
上述のボックスの他の利点は、すべてのボックスが等しい寸法を有し、コンテナ装置のすべてのコンパートメントで使用でき、小包が発送されない場合には、ボックスを使用することでコンテナ装置の1つのコンパートメント内にスタックできることである。
【0058】
以下では、ボックスを収納するために特に作られたコンテナ装置をマルチボックスコンテナと呼ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】フラットの前面ドア又はドアが開いているマルチボックスコンテナの断面図を示し、この断面は
図2の線A‐Aに沿ってとられている。
【
図2】ドアフレームにロックされたマルチボックスコンテナの断面図を示し、この断面は
図1の線B‐Bに沿ってとられている。
【
図3】マルチボックスコンテナのドアが閉じられているマルチボックスコンテナの断面図を示し、この断面は
図1の線C‐Cに沿ってとられている。
【
図4】果物又は他の品物を収容する配達ボックスとしてマルチボックスコンテナにおいて使用できるボックスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0060】
添付の図面において、同じ参照番号は、類似又は同一の要素に対して使用される。これらの要素の繰り返しの説明は省略される。したがって、要素の説明は、特定の図だけでなくいくつかの又は全ての図を参照し得る。
【0061】
好適な実施形態のコンテナ装置1又はマルチボックスコンテナ1は、互いに上に(1つが別のものの上に)上に配置された4つのコンパートメント26A~26Dを有する。コンパートメントは、好ましくはキューブ形状である。4つのコンパートメント26A~26Dは全て、好ましくは実質的に同一の寸法を示す。
【0062】
図1は、マルチボックスコンテナ1の断面平面図を示す。マルチボックスコンテナ1は、スチール又はアルミニウムで製造できるフレーム構造100を有する。しかしながら、合板又は他の天然材料、ポリマー材料、複合材料、又は家具製造の分野で知られる他の材料のような異なる材料が使用されてもよい。マルチボックスコンテナ1は、必ずしもフレーム構造100を有する必要はない。また、それは、密閉式の戸棚スタイル様式で製造されてもよい。
図1に示す好適な実施形態において、マルチボックスコンテナ1の幅は80cmである。フレーム100A、100Bの幅は5cmである。フレームは主に、マルチボックスコンテナの左手側及び右手側に位置する。
【0063】
好適な実施形態において、マルチボックスコンテナ1は、合計210cmの高さを有し、コンパートメントは、45cmの高さ、64cmの幅、及び48cmの奥行きを有する。
【0064】
コンパートメント26A~26Dの寸法は、幅64cm及び奥行き48cmである。マルチボックスコンテナ1は、その背面に取り付けられた絶縁材料110を有する。この材料は、配達物を冷たく保つために、コンパートメントが使用されるところを熱的に絶縁している。また、この材料は、音響的絶縁特性を有する。ドア24A~24D及び絶縁材料110を含むマルチボックスコンテナ1の合計奥行きは、好適な実施形態において60cmである。60cmの奥行きが好ましいのは、なぜならば、それが、マルチボックスコンテナ1が配達物を受け取るためにドアフレーム2にセットされていないときにマルチボックスコンテナ1をより容易に保管することを可能にするからである。奥行き寸法は、マルチボックスコンテナ1が凹部又は空間に嵌合し、キッチン又はバスルームキャビネットと同一平面であることを可能にする。マルチボックスコンテナ1がドアフレーム2にセットされていないとき、それはさらにキャビネットとしても使用できる。このように、配達の受け取りとキャビネットとしての利用は、交互に行うことができる。これは、マルチボックスコンテナ1が、アパート又は家に存在する家具に一体化されるため、特に有利である。
【0065】
図1は、標準的なドアフレーム2に据え付けられているマルチボックスコンテナ1を示し、該ドアフレーム2に対し、2つのサイド部品(side parts)10A、10Bが追加されている。サイド部品10A、10Bは、例えばネジ11A、11Bを使用することにより、元のドアフレーム2の上面に取り付けられる。あるいは、サイド部品10A、10Bは、ドアフレーム2の内向きサイド部品に取って代わることができる。サイド部品10A、10Bは、ドアフレーム2の面に実質的に平行な面に、かつサイド部品10A、10Bの長手方向に実質的に垂直に、存在する軸に沿って伸長する穴12A、12Bを設けられる。穴12A、12Bは、円筒又は円錐形であってもよい。これらは、以下に説明するように、マルチボックスコンテナ1をドアフレーム2又はサイド部品10A、10Bにロックする働きをする。
【0066】
マルチボックスコンテナ1はボルト20A、20Bを有し、その外端は、マルチボックスコンテナ1がドアフレーム2又はサイド部品10A、10B内にロックされていないとき、マルチボックスコンテナ1の外側と同一平面であるか、あるいは内側に引き込まれている。マルチボックスコンテナ1がドアフレーム内に移動されると、ボルト20A、20Bは、サイド部品10A、10Bの穴12A、12Bに整合する。マルチボックスコンテナ1がドアフレーム2のサイド部品10A、10Bにロックされることになるとき、ボルト20A、20Bは、少なくとも部分的に穴12A、12Bから突出して係合するように移動され、それによりマルチボックスコンテナ1をドアフレーム2のサイド部品10A、10Bに固定することができる。
【0067】
サイド部品10A、10Bは、材料がマルチボックスコンテナを固定するのに十分な強度である限り、木材、プラスチック、又は金属のような任意の材料で製造できる。サイド部品は、好ましくは断面図においても長方形である、長い長方形の部品であってもよい。好適な実施形態において、サイド部品の長さは、ドアフレームの1つのサイドにおける双方の穴が1つのサイド部品10A、10B内に設けられるようなものである。しかしながら、また、各穴について1つのサイド部品(ドアフレームのサイドにつき複数のサイド部品10A、10B)が設けられてもよい。
【0068】
ボルト20A、20Bの突出部は、好ましくは円錐形であり、その外側又は先端の寸法は、穴12A、12Bより十分小さい。このように、マルチボックスコンテナ1は、ボルト20A、20Bが穴12A、12Bに整合するために精密に位置決めされる必要はない。むしろ、ボルト20A、20Bの外端は、穴12A、12Bに嵌合し、ひとたびそれらが穴に入るとマルチボックスコンテナ1の位置決めを支援し、それらの外方への動きを継続することになる。
【0069】
マルチボックスコンテナの
図1に示される上側コンパートメント26Aは、冷却/冷凍機能を設けられる。好適な実施形態において、2つの上側コンパートメント26A、26Bは冷却/冷凍機能を設けられ、それにより、腐敗しやすい品物又は冷凍食品が配達され、最適な温度で維持されて、腐敗又は解凍を回避することができる。したがって、2つの上側コンパートメントは、高効率の冷却を保証するために絶縁体110を設けられる。ドア24A、24Bもまた絶縁体111を設けられる。冷却を提供するために、2つの上側コンパートメント26A、26Bは、冷却要素115A、115Bを設けられる。
【0070】
マルチボックスコンテナ1はカメラ20Aをさらに設けられ、カメラ20Aは、監視及びセキュリティを提供するが、小包サービス(すなわち、配達人)の識別にも使用可能である。肯定的識別の場合、マルチボックスコンテナ1のコントローラ44は、ロック22A~22Dのうちの1つを動作させて、対応するドア24A~24Dのうちの1つを開き、それにより、小包サービスはコンパートメント26A~26D内にパッケージ又は別のアイテムを預け入れることができる。
【0071】
図2は、マルチボックスコンテナ1の断面正面図を示し、マルチボックスコンテナはドアフレームのサイド部品10A、10Bで固定されている。サイド部品10A、10Bは、ネジ11A、11Bにより壁に固定されている。マルチボックスコンテナ1は、上記説明のように、穴12A、12Bと穴に係合する対応ボルト22A、22Bとによりサイド部品に固定される。
【0072】
コンパートメント26A~26Dは、パッケージ又は品物を預け入れるために小包サービスにより使用できる。上側3つのコンパートメント26A~26Cは、ボックス200A~200Cを設けられる。最下のコンパートメント26Dは、従来的にパッケージ化された小包に使用される。コンパートメント26A~26Dは、ボックス200の挿入を容易にするために、グライドレール28を有してもよい。
図2に示す実施形態では、コンパートメント26A、26Bのみがグライドレール28を備える。
【0073】
好適な実施形態において、4つのコンパートメント26A~26Dの構成が説明され、コンパートメント26A~26Cの3つがボックス200A~200Cに使用されるが、本発明は、コンパートメント26A~26Dの数に関しても、マルチボックスコンテナ1にセットされるボックス200A~200C又はパッケージの数に関しても限定されない。
【0074】
各コンパートメント26A~26Dはリーダ30を設けられてもよく、リーダ30は、バーコードスキャナ/バーコードリーダ及び/又はRFIDリーダであってもよい。これらのリーダ30は、入ってくるパッケージ及び出ていくパッケージを追跡するために使用でき、後述するコントローラ42に接続できる。
【0075】
図2に示す上部部品40は、コントローラ(図示せず)及び冷却システム(図示せず)と、マルチボックスコンテナ1を家又はアパートの電気システムに接続するコネクタとを有する。
【0076】
冷却ユニットは、任意の従来の冷却ユニットであってもよいが、エレクトロラックスからの冷却ユニットは、それらが最も高いエネルギー効率を有するため好ましい。コントローラは、マルチボックスコンテナ1の中央制御ユニットであって、Wi‐Fi(登録商標)接続を有してもよく、それにより、マルチボックスコンテナ1は、インターネットに接続され、遠隔操作されることができる。コントローラはさらに、マルチボックスコンテナ1をサイド部品10A、10Bに固定するために使用されるロック及び円錐形ボルト20A、20Bを制御してもよい。ボルトの動きは、例えば、電動ソレノイド、ラックアンドピニオン駆動装置、又は当業者に知られる任意の他の手段を介して、動力化され(motorized)てもよい。
【0077】
コントローラはさらに、配達人がコンパートメント26A~26Dのいずれかにアクセスすることを承認されているか、又は受取人が受け取った小包を取り出したいときに、ドア24A、24Bを制御して開けてもよい。この承認は、異なる方法又はタイプの認証により提供できる。例えば、ドア(24A、24B)のうちの1つにピンパッドが設けられてもよく、それにより、配達人又は受取人はピンを入力し、それにより、ピンが立証された場合にコンパートメント26A~26Dのいずれかへのアクセスを付与される。代替的に、又は追加的に、カメラ(20A、20B)が接続されているコントローラは、顔認識機能を提供してもよく、それにより、配達人は、顔がパッケージの受取人によりアクセスを許可されている任意の顔にマッチしたとき、アクセスを付与される。スマートフォン、タブレットコンピュータ、又はパーソナルコンピュータで今日使用されている認証及び承認機能の多くは、この目的のために使用できる。
【0078】
また、コントローラは、小包サービスによりボックスがマルチボックスコンテナ1内にセットされているとき、又は受取人が、望まれないアイテムを返却するために収集されるようボックス200をマルチボックスコンテナ1内にセットしているとき、ボックス200をプログラム又は追跡するためにインダクティブリーダ/充電器32を使用してもよい。ボックスについては、以下でさらに詳細に説明する。
【0079】
図3に、マルチボックスコンテナ1の断面側面図を示す。上側コンパートメント26A、26Bのグライドレール28は、コンパートメント26A、26Bの奥行き全体にわたり設けられる。しかしながら、ボックス200の挿入が容易にされる限り、グライドレール28はまた、低減された長さのものであってもよい。
【0080】
コンパートメント26A~26Dは、ボックス200に設けられた電子部品を充電するインダクティブ充電器32/結合手段32をさらに設けられ、これは、
図4に関して詳細に説明する。
【0081】
ドア24A、24Bは、ドアハンドル25を設けられる。好適な実施形態において、冷却されたコンパートメント26A、26Bと、冷却システムを備えないコンパートメント26C、26Dとを分離するために、4つのコンパートメント26A~26Dについて2つのドア24A、24Bのみが示されているが、任意数のドアが可能である。ドアを完全に取り外し、マルチボックスコンテナ1内にボックス200を固定することさえ可能である。しかしながら、一方で、冷却効率が高められ、他方で、盗難を阻止するためにドア又は何らかの種類の閉じたコンパートメントを必要とする従来的にパッケージ化された品物が受け取りできるように、ドア24を設けることが好ましい。
【0082】
マルチボックスコンテナ1は、車輪50の上にセットされ、車輪50は、アパート又は家の中でマルチボックスコンテナ1の容易な移動を可能にし、ドアフレーム2内でのマルチボックスコンテナ1の配置を容易にする。
【0083】
以下、
図4a~
図4cに関してボックスを詳細に説明する。好適な実施形態において、ボックス200は、上端で60cmの幅及び55cmの奥行きを設けられる。下端はより小さく、それにより、
図4cに示すように、空のボックス200はスタックされてボックスを効率的に保管することができる。上側フレームは5cmの高さを有し、マルチボックスコンテナ1を囲む。ボックス200の高さは40cmであり、それにより、4つのボックスが、190~200cmの高さを有するドアフレームに嵌合するマルチボックスコンテナ1に嵌合することができる。
【0084】
マルチボックスコンテナの上述された寸法は、標準的なドイツのドアフレームの制限に起因して選択された。ボックス200の寸法は、このような寸法を有するマルチボックスコンテナ1にボックスが有利に採用され得るように選択され、したがって、標準的なドアフレームの寸法にもリンクされる。ひとたびマルチボックスコンテナがドアフレームについて異なる標準を採用する国で使用されると、寸法はそれに応じて適合される必要がある。
【0085】
マルチボックスコンテナの上端は、フレーム202を設けられ、フレーム202は、宛先/受取人を追跡及び設定するために使用されるボックス200の電子システムを有する。各ボックス200の電子システムは、従来採用されていたラベルに取って代わり、RFIDを介して通信することができる。
【0086】
ボックスの電子システムは、内容、受取人、配達及び/又は起点の住所などのような情報を記憶するメモリ機能を提供するチップ204を有する。チップは、RFID能力を提供するアンテナを有する。電子システムは、バッテリ206をさらに有し、バッテリ206は、マルチボックスコンテナ1に設けられたインダクティブ充電器32により充電できる。
【0087】
ボックス200は、冷却システムを有するマルチボックスコンテナ1にボックスが挿入されたとき、又は冷却された貨物空間を採用する配達車両において、外部からの換気を可能にして冷却を強化するために、スリット又は穴208を設けられてもよい。