(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】データ送信を扱うためのワイヤレス通信デバイス、ネットワークノード及び方法
(51)【国際特許分類】
H04L 1/16 20060101AFI20220708BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20220708BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20220708BHJP
【FI】
H04L1/16
H04W28/04
H04W16/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020116618
(22)【出願日】2020-07-06
(62)【分割の表示】P 2017540238の分割
【原出願日】2016-02-01
【審査請求日】2020-08-05
(32)【優先日】2015-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100172591
【氏名又は名称】江嶋 清仁
(72)【発明者】
【氏名】ベレスキ、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】タン バーリストレーム、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】スン、イン
(72)【発明者】
【氏名】スシタイヴァル、リーッカ
(72)【発明者】
【氏名】ノルドストレーム、ビョルン
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/051360(WO,A1)
【文献】特表2013-502794(JP,A)
【文献】特表2011-519496(JP,A)
【文献】国際公開第2013/024570(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0336299(US,A1)
【文献】国際公開第2014/200951(WO,A2)
【文献】特開2009-004890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16
H04W 28/04
H04W 16/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信デバイス(10)により実行される方法であって、
物理下り制御チャネル(PDCCH)上で
NDI(New Data indicator)を伴うアップリンク(UL)グラントを受信するまで、前記ワイヤレス通信デバイス(10)は無線ノード(12)からデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックのないときは前記データの再送を差し控えることを示
すシグナリングを
ネットワークノード(12、15)から受信すること(1000)と、
ワイヤレス通信ネットワーク(1)の
前記無線ノード(12)へアップリンク(UL)で
非同期プロトコルを介してデータを送信すること(1001)であって、前記ワイヤレス通信デバイス(10)は、前記無線ノード(12)から、前記送信されたデータの肯定確認応答又は否定確認応答の形式のHARQフィードバックの送信を受信するように構成される、送信することと、
ND
Iを伴うULグラントを前記PDCCH上で受信するまで前記データを再送せずに、前記無線ノード(12)から前記送信されたデータの前記肯定確認応答又は前記否定確認応答の形式の前記HARQフィードバックの前記送信についてモニタすること(1002)と、
前記NDIを伴う前記受信されたULグラントが前記送信されたデータの前記否定確認応答の受信を示す場合に、前記ULグラントの受信に応答して前記無線ノード(12)へ前記データを再送すること(1003)と、
前記NDIを伴う前記受信されたULグラントが前記送信されたデータの前記肯定確認応答の受信を示す場合に、前記ULグラントの受信に応答して前記無線ノード(12)へ新たなデータを送信することと、
を含み、
前記送信されたデータの前記肯定確認応答は切り替えられた前記NDIを伴う前記ULグラントによって示され、前記送信されたデータの前記否定確認応答は未切り換えの前記NDIを伴う前記ULグラントによって示される、方法。
【請求項2】
前記送信すること(1001)は、未ライセンススペクトル
上で前記無線ノード(12)へ前記データを送信すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記NDIを伴う前記ULグラントを受信するまで前記データを再送せずに前記モニタすること(1002)は、前記データが未ライセンススペクトル上で送信される場合に行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記NDIを伴う前記ULグラントを受信するまで前記データを再送せずに前記モニタすること(1002)は、前記データが第1のタイプの無線アクセス上で送信される場合に行われ、前記データが、前記第1のタイプの無線アクセスと異なる第2のタイプの無線アクセス上で送信される場合に行われない、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記NDIを伴う前記ULグラントを受信するまで前記データを再送せずに前記モニタすること(1002)は、前記データが第1のタイプの場合に行われ、前記データが前記第1のタイプと異なる第2のタイプの場合は行われず、
前記第1のタイプのデータは、前記第2のタイプのデータと比べてより低い品質のサービス分類を有するかより低い遅延感受性を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記無線ノード(12)は、前記ワイヤレス通信デバイス(10)へ前記送信されたデータの前記肯定確認応答又は前記否定確認応答を送信する前に、前記肯定確認応答又は前記否定確認応答が送信されるキャリアが前記無線ノード(12)により占有されなければならない場合、LBT(Listen Before Talk)手続を行うように構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ワイヤレス通信ネットワーク(1)のネットワークノード(15)により実行される方法であって、
ワイヤレス通信デバイス(10)による
非同期プロトコルでのデータ送信に対する
無線ノード(12)からのハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックが
ないときは、前記ワイヤレス通信デバイス(10)がデータの再送を差し控えることを示すシグナリングを前記ワイヤレス通信デバイス(10)へ送信すること(1103)であって、前記HARQフィードバックは、
物理下り制御チャネル(PDCCH
)上でNDI(New Data indicator)を伴うアップリンク(UL)グラントの形式の、前記データ送信に対する肯定確認応答又は否定確認応答を含み、前記データ送信の前記肯定確認応答は切り替えられた前記NDIを伴う前記ULグラントによって示され、前記データ送信の前記否定確認応答は未切換の前記NDIを伴う前記ULグラントにより示される、方法。
【請求項8】
前記無線ノード(12)から前記データ送信に対す
るHARQフィードバック
のないときは、前記ワイヤレス通信デバイス(10)がデータを再送することを差し控えることを示す前
記シグナリングを生成すること(1102)をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ワイヤレス通信デバイス(10)が前記データを送信する先の
前記無線ノード(12)は、前記ワイヤレス通信デバイス(10)へ前記データ送信の前記肯定確認応答又は前記否定確認応答を送信する前に、前記肯定確認応答又は前記否定確認応答が送信されるキャリアが前記無線ノード(12)により占有されなければならない場合に、LBT(Liste Before Talk)手続を行うように構成される請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記ワイヤレス通信デバイス(10)による
前記非同期プロトコルでの前記データ送信に対する
前記無線ノード(12)からのHARQフィードバック
がないときは、前記ワイヤレス通信デバイス(10)がデータを再送することを差し控えることを判定すること(1101)をさらに含む請求項7乃至9のいずれか
一項に記載の方法。
【請求項11】
前記判定は、前記ワイヤレス通信ネットワーク(1)内で蓄積される統計に基づいて前記判定を行うことを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記判定は、前記ワイヤレス通信デバイス(10)、前記ネットワークノード(15)、及び/又は前記ワイヤレス通信デバイス(10)が前記データを送信する先の
前記無線ノード(12)、での干渉条件に基づいて前記判定を行うことを含む請求項10に記載の方法。
【請求項13】
ワイヤレス通信デバイス(10)は、
物理下り制御チャネル(PDCCH)上で
NDI(New Data indicator)を伴うアップリンク(UL)グラントを受信するまで、前記ワイヤレス通信デバイス(10)は無線ノード(12)からデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)がないときは前記データの再送を差し控えることを示
すシグナリングを
ネットワークノード(12、15)から受信し、
ワイヤレス通信ネットワーク(1)の
前記無線ノード(12)へアップリンク(UL)で
非同期プロトコルを介してデータを送信し、前記ワイヤレス通信デバイス(10)は、前記無線ノード(12)から、前記送信されたデータの肯定確認応答又は否定確認応答の形式のHARQフィードバックの送信を受信するように構成され、
ND
Iを伴うULグラントを、前記PDCCH上で受信するまで前記データを再送せずに、前記無線ノード(12)から前記送信されたデータの前記肯定確認応答又は前記否定確認応答の形式のHARQフィードバックの前記送信についてモニタするように構成され、
前記ワイヤレス通信デバイス(10)はさらに、
前記NDIを伴う前記受信されたULグラントが前記送信されたデータの前記否定確認応答の受信を示す場合に、前記ULグラントの受信に応答して前記無線ノード(12)へ前記データを再送し、
前記NDIを伴う前記受信されたULグラントが前記送信されたデータの前記肯定確認応答の受信を示す場合に、前記ULグラントの受信に応答して前記無線ノード(12)へ新たなデータを送信するように構成されており、
前記送信されたデータの前記肯定確認応答は切り替えられた前記NDIを伴う前記ULグラントによって示され、前記送信されたデータの前記否定確認応答は未切り換えの前記NDIを伴う前記ULグラントによって示される、
ワイヤレス通信デバイス(10)。
【請求項14】
未ライセンススペクトル
上で前記無線ノード(12)へ前記データを送信するように構成される、請求項13に記載のワイヤレス通信デバイス(10)。
【請求項15】
前記データが未ライセンススペクトル上で送信される場合は、前記NDIを伴う前記ULグラントを受信するまで、前記データを再送せずに前記HARQフィードバックの前記送信をモニタするように構成される、請求項13または14に記載のワイヤレス通信デバイス(10)。
【請求項16】
前記データが第1のタイプの無線アクセス上で送信される場合は、前記NDIを伴う前記ULグラントを受信するまで前記データを再送せずにHARQフィードバックの前記送信をモニタし、前記データが前記第1のタイプの無線アクセスと異なる第2のタイプの無線アクセス上で送信される場合はモニタをしないように構成される請求項13乃至15のいずれか一項に記載のワイヤレス通信デバイス(10)。
【請求項17】
前記データが第1のタイプの場合、ワイヤレス通信デバイス(10)は、前記NDIを伴う前記ULグラントを受信するまで、前記データを再送せずにHARQフィードバックの前記送信をモニタし、前記データが前記第1のタイプと異なる第2のタイプの場合はモニタをしないように構成され、前記第1のタイプのデータは、前記第2のタイプのデータと比べてより低い品質のサービス分類を有するかより低い遅延感受性を有する、請求項13乃至16のいずれか一項に記載のワイヤレス通信デバイス(10)。
【請求項18】
前記無線ノード(12)は、前記ワイヤレス通信デバイス(10)へ前記送信されたデータの前記肯定確認応答又は前記否定確認応答を送信する前に、前記肯定確認応答又は前記否定確認応答が送信されるキャリアが前記無線ノード(12)により占有されなければならない場合に、LBT(Listen Before Talk)手続を行うように構成される、請求項13乃至17のいずれか一項に記載のワイヤレス通信デバイス(10)。
【請求項19】
ワイヤレス通信ネットワーク(1)のためのネットワークノード(15)であって、
前記ネットワークノード(15)は、
ワイヤレス通信デバイス(10)による
非同期プロトコルでのデータ送信に対する
無線ノード(12)からのハイブリッド自動再送要求(HARQ)フィードバックが
ないときは、前記ワイヤレス通信デバイス(10)がデータを再送することを差し控えることを示すシグナリングを前記ワイヤレス通信デバイス(10)へ送信するように構成され、
前記HARQフィードバックは、
物理下り制御チャネル(PDCCH
)でのNDI(New Data Indicator)を伴うアップリンク(UL)グラントの形式の、前記データ送信に対する肯定確認応答又は否定確認応答を含み、
前記データ送信の前記肯定確認応答は切り替えられた前記NDIを伴う前記ULグラントによって示され、前記データ送信の前記否定確認応答は未切り換えの前記NDIを伴う前記ULグラントによって示される、ネットワークノード(15)。
【請求項20】
前記無線ノード(12)から前記データ送信に対するHARQフィードバック
のないときは、前記ワイヤレス通信デバイス(10)がデータを再送することを差し控えることを示す前
記シグナリングを生成するように、さらに構成される請求項19に記載のネットワークノード(15)。
【請求項21】
前記ワイヤレス通信デバイス(10)が前記データを送信する先の
前記無線ノード(12)は、前記ワイヤレス通信デバイス(10)へ前記データ送信の前記肯定確認応答又は前記否定確認応答を送信する前に、前記肯定確認応答又は前記否定確認応答が送信されるキャリアが前記無線ノード(12)により占有されなければならない場合に、LBT(Listen Before Talk)手続を行うように構成される、請求項19又は20に記載のネットワークノード(15)。
【請求項22】
前記ワイヤレス通信デバイス(10)によ
る、前記非同期プロトコルでの前記データ送信に対する
前記無線ノード(12)からのHARQフィードバック
がないときは前記ワイヤレス通信デバイスがデータを再送することを差し控えることを判定するようにさらに構成された請求項19乃至21のいずれか
一項に記載のネットワークノード(15)。
【請求項23】
前記ワイヤレス通信ネットワーク(1)内で蓄積される統計に基づいて前記判定を行うようにさらに構成される請求項22に記載のネットワークノード(15)。
【請求項24】
前記ワイヤレス通信デバイス(10)、前記ネットワークノード(15)、及び/又は前記ワイヤレス通信デバイス(10)が前記データを送信する先の
前記無線ノード(12)、での干渉条件に基づいて前記判定を行うようにさらに構成される請求項22に記載のネットワークノード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここでの実施形態は、ワイヤレス通信デバイス、ネットワークノード、並びに、ワイヤレス通信ネットワーク内でワイヤレス通信デバイス及びネットワークノードにより実行される方法に関する。具体的には、ここでの実施形態は、ワイヤレス通信ネットワークにおけるワイヤレス通信デバイスから無線ノードへのデータ送信の扱いに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な通信ネットワークにおいて、ワイヤレスデバイス、移動局、ステーション(STA)及び/又はユーザ機器(UE)としても知られるワイヤレス通信デバイスは、1つ以上のコアネットワークへ無線アクセスネットワーク(RAN)を介して通信する。RANは、複数のサービスエリア又はセルエリアへ分割される地理的エリアをカバーし、各サービスエリア又はセルエリアは、例えばWi-Fiアクセスポイント(AP)又は基地局(BS)といった無線アクセスノードなどの、無線ノードによりサービスされる。基地局は、いくつかのネットワークでは、例えば“NodeB”又は“eNodeB”としても言及され得る。上記エリア又はセルエリアは、無線ノードにより無線カバレッジが提供される地理的エリアである。無線ノードは、当該無線ノードのレンジ内のワイヤレス通信デバイスと、無線周波数上で動作するエアインタフェースを介して通信する。
【0003】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)は、第3世代通信ネットワークであり、当該ネットワークは、第2世代(2G)のGSM(Global System for Mobile Communications)から進化した。UTRAN(UMTS terrestrial radio access network)は、本質的に、ユーザ機器について広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA(登録商標))及び/又は高速パケットアクセス(HSPA)を用いるRANである。3GPP(3rd Generation Partnership Project)として知られるフォーラムにおいて、通信サプライヤは、第3世代ネットワークについて標準を提案し及び合意し、並びに、強化されたデータレート及び無線キャパシティを探求している。いくつかのRANにおいて、例えばUMTSにおける場合のように、複数の無線ノードが、例えば地上回線又はマイクロ波によって無線ネットワークコントローラ(RNC)又は基地局コントローラ(BSC)といったコントローラノードへ接続され得る。コントローラノードは、当該コントローラノードへ接続される複数の無線ノードの多様なアクティビティを監督し及び協調させる。このタイプの接続をバックホール接続ということがある。RNCは、典型的には、1つ以上のコアネットワークへ接続される。
【0004】
第4世代(4G)ネットワークとしても知られるEPS(Evolved Packet System)についての仕様は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)内で完了済みであり、その作業は、例えば第5世代(5G)ネットワークを仕様化するために今後の3GPPリリースにおいて継続される。EPSは、LTE(Long Term Evolution)ネットワークの無線アクセスネットワークとしても知られるE-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)と、SAE(System Architecture Evolution)コアネットワークとしても知られるEPC(Evolved Packet Core)とを含む。E-UTRAN/LTEは、無線ノードがRNCではなくEPCコアネットワークへ直接的に接続される3GPP無線アクセスネットワークである。概して、E-UTRAN/LTEにおいて、RNCの機能は、例えばLTEにおけるeNodeBといった無線ノードと、コアネットワークとの間で分散される。そのため、EPSのRANは、本質的には、1つ以上のコアネットワークへ直接的に接続される複数の無線ノードを含む、“フラット”なアーキテクチャを有し、即ちそれらはRNCへ接続されない。それを補償するために、E-UTRAN仕様は、無線ノード間のダイレクトインタフェースを定義しており、そのインタフェースをX2インタフェースと称する。
【0005】
進行中の3GPPリリース13の作業項目““Licensed-Assisted Access”(LAA)は、LTE機器が未ライセンスの5GHz無線スペクトルにおいても動作することを可能とすることを意図している。未ライセンスの5GHzスペクトルは、ライセンス済みスペクトルを補うものとして使用される。従って、ワイヤレス通信デバイスは、プライマリセルあるいはPCellを介してライセンス済みスペクトルで接続を行い、及び、セカンダリセルあるいはSCellを介して未ライセンススペクトルでの追加的な送信キャパシティの恩恵を受けるためにキャリアアグリゲーションを使用する。ライセンス済みのスペクトル及び未ライセンスのスペクトルを統合するために要する変化を低減するために、プライマリセルにおけるLTEフレームタイミングがセカンダリセルにおいて同時に使用される。
【0006】
しかしながら、規制要件(regulatory requirements)が、事前のチャネルセンシング無く未ライセンスのスペクトルにおいて送信を行うことを許可しないかもしれない。未ライセンスのスペクトルは、類似の又は被類似のワイヤレス技術の他の無線機と共有されなければならないことから、いわゆるLBT(listen-before-talk)方式が適用される必要がある。LBTは、予め定義される最小限の時間にわたって媒体をセンシングすること、及びチャネルがビジーであればバックオフを行うことを包含する。今日、未ライセンスの5GHzスペクトルは、IEEE802.11 WLAN(Wireless Local Area Network)標準を実装する機器により主として使用されている。この標準は、そのマーケティングブランド“Wi-Fi”の下で知られている。
【0007】
LBT手続に起因して、LAA SCell又はLAA UEが送信することを許可される最初のスロットを前もって予測することはできない。これは、現在ではいくつものパラメータがデータが送信されるスロットの番号に依存することから、データペイロートの事前計算を困難にする。
【0008】
<LTE(Long Term Evolution)>
LTEは、ダウンリンクにおいて直交周波数分割多重(OFDM)を、アップリンクにおいてシングルキャリア(SC)-周波数分割多重アクセス(FDMA)ともいう離散フーリエ変換(DFT)拡散OFDMを使用する。基本的なLTEのダウンリンク物理リソースを、よって、
図1に示したような時間-周波数グリッドとして見ることができ、各リソースエレメントは1つのOFDMシンボルインターバルの期間中の1つのOFDMサブキャリアに相当する。アップリンクサブキャリアは、ダウンリンクサブフレームと同じサブキャリア間隔を有し、ダウンリンクサブフレーム内のOFDMシンボルの数と同じ数のSC-FDMAシンボルを時間ドメインにおいて有する。
【0009】
時間ドメインにおいて、LTEのダウンリンク送信は、10msの無線フレームへと編成され、各無線フレームは、
図2に示したように、長さTsubframe=1msで等サイズの10個のサブフレームからなる。各サブフレームは、各々0.5msの時間長の2つのスロットを含み、フレーム内のスロットの付番は0から19までの範囲をとる。通常のサイクリックプレフィクスについて、1つのサブフレームは14個のOFDMシンボルからなる。各シンボルの時間長は、おおよそ71.4μsである。
【0010】
さらに、LTEにおけるリソース割り当ては、典型的にはリソースブロックの観点で記述され、1リソースブロックは、時間ドメインにおける1スロット(0.5ms)及び周波数ドメインにおける12個の連続したサブキャリアに相当する。時間ドメインにおける2つの連続するリソースブロックのペア(1.0ms)は、リソースブロックペアとして知られている。リソースブロックは、周波数ドメインにおいて、システム帯域幅の一端から0で始まる形で付番される。
【0011】
ダウンリンク送信は動的にスケジューリングされ、即ち、各サブフレームにおいて、基地局は、その時点のダウンリンクサブフレームにおいてどの端末がデータの送信先であり及びどのリソースブロック上でデータが送信されるかに関する制御情報を送信する。この制御シグナリングは、典型的には、各サブフレーム内の最初から1、2、3又は4個のOFDMシンボルにおいて送信され、n=1、2、3又は4は制御フォーマットインジケータ(CFI)として知られている。ダウンリンクサブフレームは、共通リファレンスシンボルをも含み、共通リファレンスシンボルは、受信機にとって既知であって、例えば制御情報の復調などのコヒーレント復調のために使用される。制御としてCFI=3OFDMシンボルであるダウンリンクシステムが
図3に例示されている。
【0012】
LTEリリース11以降より、上述したリソース割り当てを、EPDCCH(enhanced Physical Downlink Control Channel:拡張型物理下り制御チャネル)上でスケジューリングすることもできる。リリース8~リリース10については、PDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理下り制御チャネル)のみが利用可能である。
【0013】
図3に示したリファレンスシンボルは、精細な時間及び周波数同期、並びにある送信モードについてのチャネル推定、を含む複数の機能をサポートするために使用されるセル固有リファレンスシンボル(CRS)である。
【0014】
ダウンリンク(DL)又はアップリンク(UL)のいずれかについての物理共有チャネル上のベースバンド送信信号の生成は、概して、スクランブリング、変調マッピング、レイヤマッピング、プリコーディング及びREマッピングを含む。ULのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)についての固有のベースバンドチェーンが、一例として
図4に示されている。PUSCHのスクランブリングについては、各サブフレームの開始時のスクランブリングシーケンス生成器の初期化は、その時点のスロット番号n
sに依存する。これは、DL上のPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)のスクランブリングについてもその通りである。
【0015】
<キャリアアグリゲーション>
LTEリリース10標準は、20MHzよりも大きな帯域幅をサポートする。LTEリリース10に関する1つの重要な要件は、LTEリリース8との後方互換性を確保することである。これは、スペクトル互換性をも含むべきである。このことは、20MHzよりも広いLTEリリース10キャリアが、LTEリリース8ワイヤレス通信デバイスにとって複数個のLTEキャリアとして見えるべきであることを示唆するはずである。そうした各キャリアを、コンポーネントキャリア(CC)ということができる。具体的には、早期のLTEリリース10配備について、予期し得ることとして、多くのLTEレガシーワイヤレス通信デバイスと比較して、LTEリリース10対応型のワイヤレス通信デバイスはより少ない数だけ存在するであろう。従って、レガシーワイヤレス通信デバイスについても、幅の広いキャリアの効率的な使用を確保すること、即ち、レガシーワイヤレス通信デバイスを広帯域LTEリリース10キャリアの全ての部分においてスケジューリングすることの可能なキャリアを実装できることを確保することが必要である。これを獲得するための端的な手法がキャリアアグリゲーション(CA)という手段によるものであり、CAは、LTEリリース10ワイヤレス通信デバイスが複数のCCを受信できることを示唆し、ここでCCは、LTEリリース8キャリアと同じ構造を有するか又は同じ構造を有する可能性を少なくとも有する。CAは、
図5に例示されている。CA対応型のワイヤレス通信デバイスには、常にアクティブ化されているプライマリセル(PCell)と、動的にアクティブ化され又は非アクティブ化され得る1つ以上のセカンダリセル(SCell)と、が割り当てられる。
【0016】
アグリゲートされるCCの数と共に個々のCCの帯域幅は、アップリンクとダウンリンクとで異なってよい。対称構成とは、ダウンリンク及びアップリンクにおけるCCの数が同じであるケースを指し、一方で、非対称構成とは、ダウンリンク及びアップリンクにおけるCCの数が異なるケースを指す。セル内で構成されるCCの数が、ワイヤレス通信デバイスから見えるCCの数とは異なってもよいことに留意することが重要である。セルが同数のアップリンクCC及びダウンリンクCCで構成される場合でさえも、ワイヤレス通信デバイスは、例えば、アップリンクCCよりも多くのダウンリンクCCをサポートしてよい。
【0017】
加えて、キャリアアグリゲーションの鍵となる特徴は、クロスキャリアスケジューリングを実行する能力である。この仕組みは、1つのCC上の(E)PDCCHが、(E)PDCCHメッセージの冒頭に挿入される3ビットのキャリアインジケータフィールド(CIF)の手段によって、他のCC上のデータ送信をスケジューリングすることを可能にする。所与のCC上のデータ送信のために、ワイヤレス通信デバイスは、ただ1つのCC上の(E)PDCCH上のスケジューリングメッセージを受信することを予期し、ただ1つのCCとは、同じCCであるか又はクロスキャリアスケジューリングを介して異なるCCであるかのいずれかである。(E)PDCCHからPDSCHへのこのマッピングもまた、準静的に構成される。
【0018】
<LTEを用いた未ライセンススペクトルへのライセンス支援型アクセス(LAA)> これまでのところ、LTEにより使用されるスペクトルは、LTEに専用である。これは、LTEシステムが共存の課題についてケアをしなくてよく、スペクトル効率を最大化できるという利点を有する。しかしながら、LTEへ割り当てられたスペクトルは限られており、アプリケーション/サービスからのより大きいスループットについてのますます増加しつつある需要を満たすことはできない。従って、LTEを拡張してライセンス済みスペクトルに加えて未ライセンススペクトルを活用することに関する新たな作業項目が、3GPPにおいて開始された。未ライセンススペクトルは、定義によれば、複数の異なる技術により同時に使用されることができる。従って、LTEは、IEEE802.11(Wi-Fi)などの他のシステムとの共存の課題を考慮する必要がある。ライセンス済みスペクトルの場合と同じやり方で未ライセンススペクトルにおいてLTEを運用することは、Wi-Fiの性能を深刻に劣化させかねない。なぜなら、Wi-Fiは、チャネルが占有されていることを一旦検出すると送信を行わないからである。
【0019】
さらに、未ライセンススペクトルを高い信頼性で利用する1つの手法は、ライセンス済みキャリア上の不可欠な制御信号及びチャネルを送信することである。即ち、
図6に示したように、UEは、ライセンス済み帯域内のPCell及び未ライセンス帯域内の1つ以上のSCellへ接続される。未ライセンススペクトル内のセカンダリセルは、ここでは、ライセンス支援型アクセスセカンダリセル(LAA SCell)と称される。
【0020】
ハイブリッド自動再送要求(HARQ)は、失われた又はエラーのある送信パケットの再送を扱うためにLTEにおいて使用される仕組みである。HARQ手続は、トランスポートブロックごとの確認応答(ACK)及び否定応答(NACK)などのフィードバックの送信機への提供で構成され、それにより非常に迅速にトランスポートブロックを成功裏に復号する可能性がもたらされる。所与のパケットの復号に最終的に成功する蓋然性は、HARQ動作を強化するソフト合成技法によって強化される。具体的には、ソフト合成方式を実装する受信機は、エラーのある受信パケットを記憶し、HARQフィードバックによってリクエストされるそのパケットの再送レプリカと後に合成する。そうしたレプリカは、もとのトランスポートブロックと同じデータを含み、但し、異なる冗長性バージョンによって、即ちコードの異なる間引きパターンを用いて取得される異なる符号化ビットの
セットを含む。
【0021】
レガシーLTEにおいて、ACK及びNACKといったアップリンクHARQは、ワイヤレス通信デバイスからのPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)上のアップリンク送信の検出後に無線ノードにより送信されるPHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)によって伝達される。
【0022】
レガシーLTEでは、ACK及びNACKといったダウンリンクHARQフィードバックは、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)により伝達される。それは、無線ノードによるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)上のダウンリンク送信の検出後にワイヤレス通信デバイスにより送信される。ワイヤレス通信デバイスは、NACKが受信された際又はフィードバックが受信されない場合に、以前のデータを再送することを決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
ここでの実施形態の目的は、より効率的なやり方でワイヤレス通信ネットワークの性能を改善する仕組みを提供することである。ここでの1つ以上の実施形態は、添付の特許請求の範囲に記述される通りの方法、装置、システム及びコンピュータプログラムを含む。
【課題を解決するための手段】
【0024】
ある観点によれば、上記目的は、ワイヤレス通信デバイスにより実装される方法により達成される。上記ワイヤレス通信デバイスは、ワイヤレス通信ネットワークの無線ノードへデータを送信する。また、上記ワイヤレス通信デバイスは、上記無線ノードからの上記データの肯定確認応答又は否定確認応答についてモニタリングする。上記ワイヤレス通信デバイスは、上記モニタリングが上記データの否定確認応答の受信を指し示す場合に、上記無線ノードへ上記データを再送する。上記ワイヤレス通信デバイスは、上記モニタリングが上記データの肯定確認応答の受信を指し示す場合に、上記無線ノードへの上記データの再送を差し控える。また、上記ワイヤレス通信デバイスは、上記モニタリングが上記データの肯定確認応答の受信も上記データの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、上記無線ノードへの上記データの再送を差し控える。
【0025】
他の観点によれば、上記目的は、ワイヤレス通信ネットワーク内のネットワークノードにより実装される方法により達成される。上記ネットワークノードは、ワイヤレス通信デバイスが無線ノードからデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合に上記ワイヤレス通信デバイスが当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングを、上記ワイヤレス通信デバイスへ送信する。
【0026】
また別の観点によれば、上記目的は、ワイヤレス通信ネットワークの無線ノードへデータを送信するように構成されるワイヤレス通信デバイス、を提供することにより達成される。上記ワイヤレス通信デバイスは、上記無線ノードからの上記データの肯定確認応答又は否定確認応答についてモニタリングする、ように構成される。上記ワイヤレス通信デバイスは、上記モニタリングにおいて上記データの否定確認応答の受信が指し示される場合に、上記無線ノードへ上記データを再送する、ようにさらに構成される。上記ワイヤレス通信デバイスは、上記モニタリングにおいて上記データの肯定確認応答の受信が指し示される場合に、上記無線ノードへの上記データの再送を差し控える、ように構成される。上記ワイヤレス通信デバイスは、上記モニタリングにおいて上記データの肯定確認応答の受信も上記データの否定確認応答の受信も指し示されない場合にも、上記無線ノードへの上記データの再送を差し控える、ように構成される、
【0027】
また別の観点によれば、上記目的は、ワイヤレス通信ネットワークのためのネットワークノード、を提供することにより達成される。上記ネットワークノードは、ワイヤレス通信デバイスが無線ノードからデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合に上記ワイヤレス通信デバイスが当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングを、上記ワイヤレス通信デバイスへ送信する、ように構成される。
【0028】
ここでは、さらに、少なくとも1つのプロセッサにより実行される場合に、上記少なくとも1つのプロセッサに、上記ネットワークノード又は上記ワイヤレス通信デバイスにより行われる通りの上記方法のいずれかを遂行させる命令、を含むコンピュータプログラムが提供される。追加的に、ここでは、電子信号、光信号、無線信号、又はコンピュータ読取可能な記憶媒体、のうちの1つでる、上記コンピュータプログラムを収容する担体(carrier)が提供される。
【0029】
よって、ここでの実施形態によれば、ワイヤレス通信デバイスは、例えばHARQフィードバックなどのフィードバックの不在を、例えばHARQ ACKなどのACKが受信された場合と同じものであると想定する。それは常にであり、又は、いくつかの実施形態によれば、ネットワークがワイヤレス通信デバイスをそうするように構成した場合に、LAAキャリアについてのみ、など、1つ以上の条件が充足される場合に、である。
【発明の効果】
【0030】
上記解決策の利点は、ネットワークが指令を出していない再送をワイヤレス通信デバイスが実行しないようになり、よって、他の送信と衝突し及び干渉を生じさせるであろう送信をワイヤレス通信デバイスが実行することが回避され、それにより、ワイヤレス通信デバイスの性能がより効率的なやり方で改善され得る。
【図面の簡単な説明】
【0031】
これより、次の添付図面との関係において実施形態がより詳細に説明されるであろう。
【0032】
【
図1】LTEのダウンリンク物理リソースを示している。
【
図3】ダウンリンクサブフレームの一例を示している。
【
図4】アップリンクのためのベースバンド処理の一例を示している。
【
図5】100MHzのキャリアアグリゲーションを示している。
【
図6】LTEのキャリアアグリゲーションを用いた、未ライセンススペクトルへのライセンス支援型アクセス(LAA)の一例を示している。
【
図7】LBT(Listen Before Talk)処理の様子を示している。
【
図8】従来技術に係るワイヤレス通信デバイスの現行の振る舞いを示している。
【
図9a】ここでの実施形態に係るワイヤレス通信ネットワークを描いた概略図である。
【
図9b】ここでの実施形態に係るシグナリング方式を示している。
【
図10】ここでの実施形態に係る方法を描いたフローチャートである。
【
図11】ここでの実施形態に係る方法を描いたフローチャートである。
【
図12】ここでの実施形態に係るワイヤレス通信デバイスを描いたブロック図である。
【
図13】ここでの実施形態に係るネットワークノードを描いたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここでの実施形態は、LTE、WLAN(Wireless Local Area Network)又は類似のものなど、ライセンス帯域及び未ライセンス帯域における通信に関する。WLANの典型的な配備では、メディアアクセスのためにCSMA/CA(carrier sense multiple access with collision avoidance)が使用される。これは、チャネルがCCA(clear channel assessment)を行うためにセンシングされ、チャネルがアイドルであると宣言される場合にのみ送信が開始されることを意味する。チャネルがビジーであると宣言されるケースでは、本質的には、送信はチャネルがアイドルであると見なされるより遅い時刻まで延期される。同じ周波数を用いる複数のアクセスポイント(AP)のレンジが重複する場合、これは、レンジ内の他のAPとの間の同じ周波数上での送信が検出され得るケースにおいて1つのAPに関連する全ての送信が延期され得ることを意味する。実質的には、これは、複数のAPがレンジ内にある場合に、それらがチャネルを時間的に共用しなければならなくなること、及び個々のAPのスループットがひどく劣化し得ることを意味する。LBT(listen before talk)の仕組みの一般的な様子が
図7に示されている。アクション1:送信機は、エネルギー検出を用いてCCAを実行する。送信機は、チャネル上にトラフィックを検出しない。アクション2:送信機は、チャネルを占有しデータ送信を開始する。さらに、送信機は、CCAチェック無しで制御(Ctrl)信号を送信してもよく、アクション5と表記されている。アクション3:送信機は、アイドル状態を続け、アイドル期間の終了時にCCAを開始する。チャネル上にトラフィックが検出され、チャネルはビジーである。アクション4:よって、チャネルがビジーである間そのチャネル上で送信は許可されず、禁止時間の終了時に送信機はエネルギー検出を用いてCCAを開始する。送信機は、チャネル上にトラフィックを検出せず、送信機は、チャネルを占有しデータ送信を開始する。
【0034】
例えば未ライセンス帯域で動作するために、あるルールを遵守する必要がある。1つのそうしたルールは、無線ノード又はワイヤレス通信デバイスなどの送信機が送信を開始する前にキャリアについてリッスンする必要があることである。メディアがフリーであれば送信機は送信を行うことができ、一方でメディアがビジーであれば、例えば何らかの他のノードが送信中であれば、送信機は送信を抑制する必要があり、送信機はより遅い時刻において再試行をすることができる。これをLBT(Listen Before Talk)という。
【0035】
LBTに起因して、未ライセンス帯域での送信は、後のメディアがフリーな時刻まで遅延させられ得る。しばしば当てはまる送信ノード間の協調が無いケースでは、遅延はランダムに現れ得る。
【0036】
現行のLTE手続とは異なり、LAAでは、アップリンク及びダウンリンク双方の任意の物理チャネルでのスケジューリングされる送信を、スケジューリングされる送信が実際に生起する前に中止(abort)することができる。例えば、LBT(Listen Before Talk)は、周囲のその時点で送信中であり潜在的に妨害をし得る他のノードの存在を検出する目的での、送信機によるワイヤレスメディアのセンシングを伴う。メディアがLBT手続によりビジーであると識別された場合、送信は中止される。
【0037】
現行のLTEシステムでは、PHICH上のHARQフィードバックが、例えばLBT手続において検出されるビジーチャネルに起因して無線ノードにより中止される場合に、ワイヤレス通信デバイスは、エア上で送信が実際に検出されなかったことから、予期されるフィードバックを不在(absent)あるいは“不連続送信(DTX)”として解釈することになる。現行のLTEの動作によれば、ACKが検出されない場合、ワイヤレス通信デバイスは、NACKが受信されたものと見なすことになり、それに応じたアクションを行う。これは、DTXのケース、即ちACK未検出のケースにおいて、ワイヤレス通信デバイスがNACKを受信したものと見なすことを意味する。よって、ワイヤレス通信デバイスは、
図8に示したように、サブフレーム12でのトランスポートブロックの再送を進めるであろう。
【0038】
ここでの実施形態を展開する一部として問題を識別した。前述した振る舞いに伴う問題は、無線ノードがACKを送信することを意図した場合に、ワイヤレス通信デバイスが再送のために使用するであろう物理リソース(PRB)が、無線ノードにより、サブフレーム12においてやはり送信を行おうとする何らかの他のワイヤレス通信デバイスへ再割り当てされてしまい、よってそのサブフレームにおいて干渉が生じることである。
【0039】
ワイヤレス通信デバイスは、既に現在、LAA無しでHARQフィードバックの受信を逸失し得るが、LAAのケースでは、LBTの仕組みに起因してHARQフィードバックを逸失する頻度は格段に高いはずである(
図8参照)。よって、未ライセンス帯域では、即ちLAAキャリア上では、より一層有害である。実際、LTEにおけるPHICHは、相対的にロバストなチャネル符号化を受けており、例えば二位相変位変調(BPSK)変調法が使用され、それがワイヤレス通信デバイス側で、頻繁なDTXを防止し及びACK/NACKの誤解釈をも防止するはずである。代わりに、PHICHが未ライセンススペクトル上で送信される場合、LBTが伝送メディアがビジーであると識別し、よってPHICH送信の中止を誘発する確率は、特に多くの(又は高負荷の)システム及びノードが同じスペクトル使用しているケースにおいて、相対的に高くなり得る。
【0040】
ここでの実施形態は、概して通信ネットワークに関する。
図9aは、ワイヤレス通信デバイス1を描いた概略図である。ワイヤレス通信ネットワーク1は、1つ以上のRANと、1つ以上のCNとを含む。通信ネットワーク1は、あり得る若干の実装に言及するだけでも、Wi-Fi、LTE(Long Term Evolution)、LTEアドバンスト、5G、WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM/EDGE(Global System for Mobile communications/Enhanced Data rate for GSM Evolution)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)又はUMB(Ultra Mobile Broadband)といった複数の異なる技術を使用してよい。
【0041】
ワイヤレス通信ネットワーク1において、例えば移動局、非AP(non-access point)STA、STA、ユーザ機器及び/又はワイヤレス端末などのワイヤレス通信デバイス10といったワイヤレスデバイスは、1つ以上のコアネットワーク(CN)へ、例えばRANなどの1つ以上のアクセスネットワーク(AN)を介して通信する。当業者により理解されるべきこととして、“ワイヤレス通信デバイス”は、任意の端末、ワイヤレス通信端末、ユーザ機器、MTC(Machine Type Communication)デバイス、D2D(Device to Device)端末、若しくは、スマートフォン、ラップトップ、モバイルフォン、センサ、リレー若しくはモバイルタブレットなどのノードを意味し、又は、セル内のワイヤレス通信デバイスと通信する基地局さえも意味する非限定的な用語である。ワイヤレス通信ネットワーク1は、LTE、Wi-Fi又は類似のものといった第1の無線アクセス技術(RAT)に従って、地理的エリアである第1のサービスエリア11上で無線カバレッジを提供する無線ノード12を含む。無線ノード12は、例えば上記第1の無線アクセス技術及び使用される専門用語に依存して、例えば、WLANアクセスポイント若しくはアクセスポイントステーション(AP STA)、NodeBなどの無線基地局、拡張NodeB(eNB、eNodeB)、基地送受信局、アクセスポイント基地局、基地局ルータ若しくは無線基地局の送信構成などの基地局、スタンドアローンアクセスポイント、又は、無線ノード12によりサービスされるサービスエリア内でワイヤレス通信デバイスにサービス可能な任意の他のネットワークユニットといった、アクセスポイントなどの無線アクセスネットワークノードであってよい。ワイヤレス通信ネットワーク1は、アクセスコントローラ、無線ネットワークコントローラ、基地局コントローラ又は類似のものといった、コントローラノード16をさらに含む。無線ノード12及びコントローラノード16は、ここではネットワークノード15として定義される。ここでの実施形態は、例えばHARQフィードバックなどのフィードバックの不在のケースでのワイヤレス通信デバイス10の振る舞いに関する。
【0042】
ここでの実施形態において、ワイヤレス通信デバイス10は、HARQフィードバックの不在をACKと見なすであろう。即ち、ワイヤレス通信デバイス10は、HARQフィードバックを検出しなければ、その状況を、ワイヤレス通信デバイス10がそのHARQ手続又はデータ送信についてACKを受信したかのように解釈する。これが
図9bに例示されている。サブフレーム0において、無線ノード12は、初期のグラントを送信する。ワイヤレス通信デバイス10は、そのグラントを受信し、グラントされた通りにサブフレーム4において例えばRLC PDU(Radio Link Control Protocol Data Unit)などのUL送信信号(TX)を送信する。無線ノード12は、UL送信信号を受信するが、チャネルがビジーであることが例えばLBT手続によりセンシングされ、無線ノード12がそのチャネル上で送信することは可能とならず、即ちHARQフィードバックはブロックされる。この状況において、ワイヤレス通信デバイス10は、ここでは、実施形態に従って、HARQフィードバックの不在がACKであるものと見なされることを想定する、ように構成される。
【0043】
ワイヤレス通信デバイス10は、ACKを受信したと見なす場合、関連付けられるHARQ手続を一時中断(suspend)し、再送の送信を控え得る。
図8に対して
図9bを比較するとこれを理解することができ、
図9bでは、ワイヤレス通信デバイス10は再送を実行しないことになる一方で、
図8ではワイヤレス通信デバイス10は再送を実行する。ワイヤレス通信デバイス10は、ネットワークからNACKを受信し、又はアップリンク送信についてグラントを受信するまで、HARQプロセスを再開しないであろう。
【0044】
ワイヤレス通信デバイス10がHARQフィードバックの不在をACKと見なす場合、次の2つのシナリオが生起し得る:
-無線ノード12は、ACKを送信することを意図したが、ACKを伴う送信はビジーメディアに起因して中止された。このケースでは、ワイヤレス通信デバイス10は、NACK又は新たな送信グラントであるネットワークからのさらなる指示まで待機するであろう。
-無線ノード12は、NACKを送信することを意図したが、NACKを伴う送信はビジーメディアに起因して中止された。このケースでは、無線ノード12は、ワイヤレス通信デバイス10に再送を行うことを望んだが、無線ノード12がNACK送信を中止したことから、より遅い時刻にNACKを送信し、及び/又は、未切り替え(not toggled)のNDI(new data indicator)と、異なる間引きパターンをワイヤレス通信デバイス10へ指し示すように逓増されたRVI(redundancy version indicator)とを伴うPDCCHコマンドを送信することになる。
【0045】
いくつかの実施形態に係るワイヤレス通信デバイス10により実行される方法のアクションを、
図10に示したフローチャートを参照しながら以下に説明する。それらアクションは、以下に記述した順序で行われなくてもよく、任意の適した順序で行われてよい。いくつかの実施形態において実行されるアクションは、必ずしも全ての実施形態でではないが、破線のボックスでマーク付けされている。
【0046】
アクション1000。ワイヤレス通信デバイス10は、ワイヤレス通信デバイス10がデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合にワイヤレス通信デバイス10が当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングを、例えば無線ノード12又はコアネットワークノード16などのネットワークノード15から受信し得る。ネットワークノード15は、非LAAキャリア又はライセンス済みキャリア上である振る舞いを適用し、但しLAAキャリア又は未ライセンスキャリアについて他の振る舞いを適用するように、ワイヤレス通信デバイス10を構成してもよい。LAAキャリア上での振る舞いは、例えば、LAAキャリア上での無線ノード12へのデータの送信について肯定確認応答も否定確認応答も受信されない場合に当該データの再送を差し控えることであってよく、一方で、非LAAキャリア上での振る舞いは、この例では、非LAAキャリア上での無線ノード12へのデータの送信について肯定確認応答も否定確認応答も受信されない場合に当該データを再送することであってよい。
【0047】
アクション1001。ワイヤレス通信デバイス10は、ワイヤレス通信ネットワーク1の無線ノード12へデータを送信する。ワイヤレス通信デバイス10は、未ライセンススペクトル上で、又は非同期プロトコル上で無線ノードへデータを送信してもよい。ワイヤレス通信デバイス10は、無線ノード12へのデータの送信前にLBT(Listen Before Talk)手続を実行する、ように構成されてもよい。よって、ワイヤレス通信デバイス10は、キャリア上でのデータの送信前に、キャリアをリッスンして、キャリアが送信のためにフリーであることを判定してもよい。
【0048】
アクション1002。ワイヤレス通信デバイス10は、無線ノード12からの上記データの肯定確認応答又は否定確認応答についてモニタリングする。肯定確認応答は、ACK又は切り替えられたNDI(new data indicator)を伴うPDCCHコマンドであってよく、否定確認応答は、NACK又は未切り替えのNDI(new data indicator)を伴うPDCCHコマンドであってよい。PDCCHコマンドは、ULグラントを含んでもよい。このようにして、ワイヤレス通信デバイス10が再送を行うべきか否かが、肯定確認応答又は否定確認応答を指し示すACK/NACK又はPDCCH上のULグラントにより制御されてよく、即ち、PDCCHにおいてNDIフラグが切り替えられていれば新たなデータが送信され、一方で、切り替えられていなければ再送が行われることになる。切り替え(toggle)とは、新たな送信を指し示す“スイッチ”を意味する。そのため、ネットワークが前回1を指し示したが次に0を指し示す場合、それはネットワークがインジケータを“切り替えた”こと、及びワイヤレス通信デバイスが新たな送信を行うものとされることを意味する。ネットワークが次に0を再び指し示す場合、それはワイヤレス通信デバイスが再送を行うものとされることを意味する。ワイヤレス通信デバイスは、ネットワークが1への切り替えを行うまで再送を続け、1への切り替え後にワイヤレス通信デバイスは新たな送信を行うであろう。データの肯定確認応答又は否定確認応答は、いくつかの実施形態において、PHICH(Physical Hybrid Automatic Repeat reQuest Indicator Channel)上で伝達されてもよい。例えば、データの肯定確認応答又は否定確認応答は、いくつかの実施形態において、モニタリングの結果としてPHICH上でワイヤレス通信デバイス10により受信されてもよい。他の実施形態において、それは、上で説明したように、例えばPDCCHコマンド又はULグラントの形式で、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)上で伝達されてもよい。例えば、データの肯定確認応答又は否定確認応答は、その場合、モニタリングの結果としてPDCCH上でワイヤレス通信デバイス10により受信されてもよい。
【0049】
無線ノード12は、肯定確認応答又は否定確認応答が送信されるべきキャリアが、送信されたデータの上記肯定確認応答又は上記否定確認応答のワイヤレス通信デバイス10への送信の前に無線ノード12により占有されなければならない場合に、LBT(Listen Before Talk)手続を実行する、ように構成されてもよい。LBT手続により、伝送メディア、即ち肯定確認応答又は否定確認応答が送信されるべきキャリアがビジーなものとして識別される場合、肯定確認応答又は否定確認応答の送信は、上述したように中止され得る。
【0050】
アクション1003。ワイヤレス通信デバイス10は、上記モニタリングがデータの否定確認応答の受信を指し示す場合に、無線ノード12へデータを再送する。ワイヤレス通信デバイス10は、いくつかの実施形態において、失敗かを確認する前に、ある最大の再送回数だけデータを再送してもよく、よって、それ以上の再送は行わないことになる。
【0051】
アクション1004。ワイヤレス通信デバイス10は、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信を指し示す場合に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える。上述したように、ワイヤレス通信デバイス10は、ACK、又は、前回のHARQループが成功し新たなデータを送信可能であることを指し示すようにNDIが切り替えられたPDCCHを受信し得る。
【0052】
アクション1005。アクション1004の差し控えることに加えて、ワイヤレス通信デバイス10は、第二に、さらに追加的に、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、無線ノード12へのデータの再送を差し控えてもよい。この追加的な差し控えアクションにおいて、ワイヤレス通信デバイスは、追加的に、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、データの否定確認応答の受信又は異なるデータを送信するためのグラントの受信まで、無線ノード12へのデータの再送を差し控えてもよい。言い換えれば、上記モニタリングが無線ノード12へのデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合の追加的なデータの再送の差し控えは、データの否定確認応答又は異なるデータの送信のためのグラントがワイヤレス通信デバイス10により受信されるまで実行されてもよい。否定確認応答は、NACK、又は、再送のためのグラント、即ち、NDIフラグが未切り替えであるULグラントを含んでよい。ワイヤレス通信デバイスは、追加的に、1つ以上の条件が充足される場合であって、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さないときに、無線ノード12へのデータの再送を差し控えてもよい。別の言葉で言うと、無線ノード12へのデータの再送の追加的な差し控えは、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さないことに加えて、1つ以上の条件が充足される場合に行われてもよい。
【0053】
例えば、1つ以上の条件は、次のうちの1つ以上であってよい:例えば特定のキャリア上で又は任意のキャリア上でLBTが適用されるか否かなど、データが未ライセンススペクトル上で送信されたか否か;第1のタイプの無線アクセス上でデータが送信されたか否か;第1のタイプの無線アクセス上でデータが送信されたのか又は第1のタイプのアクセスとは異なる第2のタイプのアクセス上でデータが送信されたのか;データは第1のタイプか又は第2のタイプか、例えば、第1のタイプのデータはより低いサービス品質(QoS)分類を有してもよく、又は第2のタイプのデータよりも遅延感受性が低くてもよい。
【0054】
1つ以上の条件は、例示的な実施形態において、データが未ライセンススペクトル上で送信された場合にアクション1005の差し控えることが行われるように充足されてもよい。代替的に又は追加的に、1つ以上の条件は、データが第1のタイプの無線アクセス上で送信された場合にアクション1005の差し控えることが行われるように充足されてもよく、一方で、当該1つ以上の条件は、データが第2のタイプの無線アクセス上で送信された場合には、アクション1005の差し控えることが行われないように、充足されない。これは、データが第2のタイプの無線アクセス上で送信され且つモニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、データの再送がなされることを意味する。さらに、追加的に又は代替的に、1つ以上の条件は、データが第1のタイプである場合にアクション1005の差し控えることが行われるように充足されてもよく、一方で、当該1つ以上の条件は、データが第1のタイプとは異なる第2のタイプである場合には、アクション1005の無線ノード12へのデータの再送を差し控えることが行われないように、データが第2のタイプである場合には充足されない。第2のタイプのデータは、よって、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、無線ノード12へ再送されなければならない。第2のタイプのデータは、第1のタイプのデータとは相違する。このようにして、ネットワークノード15は、上記モニタリングにおいてデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示されない場合にワイヤレス通信デバイス10がどのQoSクラスを対象としてデータの再送を追加的に差し控えるべきであるかについてワイヤレス通信デバイス10を構成してもよい。
【0055】
ワイヤレス通信デバイス10は、アクション1000において受信されるシグナリングに従って、上記モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、アクション1005の無線ノード12へのデータの再送を追加的に差し控えることを実行してもよい。
【0056】
上述したように、いくつかの実施形態において、ワイヤレス通信デバイス10は、1つ以上の条件が充足されるかに依存して、HARQフィードバックの不在をACK又はNACKとして解釈してもよい。いくつかのさらなる例示的条件に関する説明が以下に提供される。
【0057】
<キャリアタイプに関する条件>
1つの実施形態において、ワイヤレス通信デバイス10は、HARQフィードバックがどのキャリアタイプ上で受信されることを予期されたかに関する条件を適用してもよい。
【0058】
1つの可能性は、ワイヤレス通信デバイス10がLAAキャリア、又は未ライセンススペクトル上で搬送される他のタイプのキャリアを動作させる際にHARQフィードバックの不在をいかに扱うべきかに関する第1の振る舞いを適用し、例えば非LAAキャリアなどの他のキャリアを動作させる際にHARQフィードバックの不在をいかに扱うべきかに関する第2の振る舞いを適用することである。
【0059】
HARQフィードバックの不在をいかに扱うべきかに関する第1の振る舞いは、ワイヤレス通信デバイス10がHARQフィードバックの不在をACKと見なすことであり得る。第2の振る舞いは、ワイヤレス通信デバイス10がHARQフィードバックの不在をNACKと見なしデータを再送することであり得る。第2のワイヤレス通信デバイスの振る舞いが未定義であるようなこともあり得る。よって、第1の振る舞いは、上でアクション1005において説明した差し控えることに対応する。
【0060】
この実施形態の利点は、レガシースペクトルでは、DTX、即ちHARQフィードバックの不在をNACKとして解釈することが依然として望ましいであろうということである。なぜなら、この手続は、ワイヤレス通信デバイス10がデータをいかに迅速に再送し、HARQフィードバックの不在をACKと見なすことにより誘発される固有の遅延を回避するかという観点で、よりアグレッシブである。実際、無線ノード12がPHICH上でNACKをスケジューリングした場合、ワイヤレス通信デバイス10は、ネットワークによるPDCCHを介するさらなるコマンドを待機することなく再送を行うことができる。これは、遅延への感受性の高いトラフィックについて特に便利であろう。
【0061】
一方で、未ライセンススペクトルはその性質において既に予測不能な干渉源により影響されており、よって、レガシーアプローチ、即ちHARQフィードバックの不在をNACKとして解釈することが示唆するはずの追加的な妨害/干渉を防止することが重要である。そのうえ、未ライセンス帯域は典型的には事業者により遅延への感受性の高い情報を搬送するようには構成されず、よって提案した手続は未ライセンススペクトルのトラフィックに害を与えるようには予期されない。
【0062】
<トラフィックタイプに関する条件>
また別の実施形態では、ワイヤレス通信デバイス10は、セットアップされるトラフィックのタイプに基づいて、HARQフィードバックの不在をACK又はNACKと見なす。例えば、トラフィックに関連付けられるQCI(Quality Class Indicator)に基づいてそうした決定をすることができる。例えばリアルタイムゲーミング、VoIP(Voice over IP)呼など、トラフィックの遅延への感受性が高い場合、HARQフィードバックの不在のケースではNACKが想定される。そうではなく、例えばFTP(File Transfer Protocol)アプリケーションなど他のタイプのベアラについては、HARQフィードバックの不在のケースでACKが想定される。
【0063】
いくつかの実施形態に係るワイヤレス通信ネットワーク1内の無線ノード12又はコアネットワークノード16といったネットワークノード15により実装される方法のアクションが、以下に
図11に描かれているフローチャートを参照しながら説明されるであろう。それらアクションは、以下に記述した順序で行われなくてもよく、任意の適した順序で行われてよい。いくつかの実施形態において実行されるアクションは、必ずしも全ての実施形態でではないが、破線のボックスでマーク付けされている。ネットワークノード15は、例えば無線ノード12として実装される場合、ワイヤレス通信デバイス10へデータ及び/又はフィードバックを送信する前にLBT手続を実行する、ように構成され得る。
図11は、上のアクション1000における上述したシグナリングに関連しており、ワイヤレス通信デバイス10は、ネットワークノード15からそのシグナリングを受信する。
【0064】
アクション1101。ネットワークノード15は、ワイヤレス通信デバイス10がデータの送信について肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合に当該ワイヤレス通信デバイスがデータの再送を差し控えるべきであることを判定し得る。上記データとは、ワイヤレス通信ネットワーク1においてワイヤレスデバイス10により無線ノード12へ送信されるデータであってよい。上記判定は、例えばネットワークノード15により、ワイヤレス通信ネットワーク1内で蓄積される統計に基づいてネットワークノード15により行われてもよい。上記判定は、ワイヤレス通信デバイス10、ネットワークノード15及び/又はワイヤレス通信デバイス10によるデータの送信先の無線ノード15での干渉条件に基づいて、ネットワークノード15により行われてもよい。データの肯定確認応答又は否定確認応答は、いくつかの実施形態において、PHICH(Physical Hybrid Automatic Repeat Request Indicator Channel)上で伝達されてもよい。他の実施形態においてそれは、例えば上で説明したようなPDCCHコマンド又はULグラントの形式で、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)上で伝達されてもよい。
【0065】
アクション1102。ネットワークノード15は、ワイヤレス通信デバイス10がデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合にワイヤレス通信デバイス10が当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングを生成し得る。そのフィードバック、即ちデータについての肯定確認応答又は否定確認応答は、ワイヤレス通信デバイス10により、データの送信先であった無線ノード12から予期され得る。
【0066】
アクション1103。ネットワークノード15は、アクション1102において生成されたシグナリングをワイヤレス通信デバイス10へ送信する。そのシグナリングは、ワイヤレス通信デバイス10がデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合にワイヤレス通信デバイス10が当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示す。フィードバック、即ちデータについての肯定確認応答又は否定確認応答は、ワイヤレス通信デバイス10により、無線ノード12から予期され得る。
【0067】
アクション1103の送信は、いくつかの実施形態において、例えば無線ノード12などのあるノードにより実行されてよく、一方で、アクション1101の判定は、例えばコアネットワークノード16又は無線ノード12以外の他の無線ノードなど、ワイヤレス通信ネットワーク1内の他のノードにより実行されてもよい。例えば、ワイヤレス通信デバイス10は、例えばデュアルコネクティビティ及び/又はキャリアアグリゲーションにおいて、複数の無線ノードへ接続するかもしれず、即ち、ワイヤレス通信デバイス10を構成しよってアクション1101の判定を行うある無線ノードと、アクション1103の送信及び恐らくはLBT手続を行う他の無線ノードとが存在してもよい。アクション1102の生成がアクション1103の送信を行うノード以外の他のノードにより実行されることも可能である。例えば、アクション1103の生成が無線ノード12により行われる一方で、アクション1102の生成がコアネットワークノード16により行われてもよい。
【0068】
<ネットワーク標識に関する条件>
上述したように、ワイヤレス通信デバイス10がHARQフィードバックの不在をNACKとして解釈するか又はACKとして解釈するかがネットワークノード15により構成されてもよい。無線ノード12などのネットワークノード15は、例えば、無線リソース制御(RRC)シグナリング、メディアアクセス制御(MAC)シグナリング又は他の何らかのタイプの標識を用いて、ワイヤレス通信デバイス10を構成し得る。
【0069】
これにより、ネットワークノード15がネットワークのプリファレンスに基づいてワイヤレス通信デバイスの振る舞いを調整することが可能となる。例えば、ワイヤレス通信デバイス10が再送を迅速に実行することをネットワークが望む場合、ネットワークノード15は、HARQフィードバックの不在をNACKとして解釈するようにワイヤレス通信デバイス10を構成してよく、その解釈が再送をトリガする。また、ワイヤレス通信デバイス10が期待されない再送の実行を回避することをネットワークが望む場合、ネットワークノード15は、HARQフィードバックの不在をACKとして解釈するようにワイヤレス通信デバイス10を構成してよい。
【0070】
そのうえ、例えばネットワークノード15などネットワークによる上記決定は、例えば無線ノード12により時間にわたって蓄積される何らかの統計からなされてもよく、例えば周囲の強力な干渉源の欠如のケースでは、無線ノード12は、ワイヤレス通信デバイス10によりHARQフィードバックの不在がACKとして解釈される解決策を採用することを優先してもよい。但し、その解決策は、そうした決定をRRCシグナリングを介して送信することを示唆するはずである。
【0071】
<装置>
上の修正例及び変形例を念頭におきつつ、ワイヤレス通信デバイスは、例えば機能的手段又はユニットを介して、上述した任意の処理を実装するように構成される。
【0072】
図12は、ワイヤレス通信デバイス10を描いたブロック図である。ワイヤレス通信デバイス10は、処理回路1201と、送信機1203及び受信機1204を伴う通信インタフェース1202とを備え得る。
【0073】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、ワイヤレス通信ネットワーク1の無線ノード12へデータを送信する、ように構成され得る。
【0074】
ワイヤレス通信デバイス10及び/又は処理回路1201は、無線ノード12からの、データの肯定確認応答又は否定確認応答についてモニタリングする、ように構成され得る。
【0075】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングにおいてデータの否定確認応答の受信が指し示される場合に、無線ノード12へデータを再送する、ように構成され得る。
【0076】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングにおいてデータの肯定確認応答の受信が指し示される場合に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。
【0077】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングにおいてデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示されない場合に、追加的に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。
【0078】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、未ライセンススペクトル上で又は非同期的プロトコル上で無線ノード12へデータを送信する、ように構成され得る。
【0079】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、追加的に、ワイヤレス通信デバイス10における、データの否定確認応答の受信、又は異なるデータを送信するためのグラントの受信まで、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。言い換えると、モニタリングの結果としてデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示されない場合に、ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、ワイヤレス通信デバイス10においてデータの否定確認応答又は異なるデータを送信するためのグラントが受信されるまで、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。
【0080】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合おいて、1つ以上の条件が充足されるときに、追加的に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。
【0081】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合において、データが未ライセンススペクトル上で送信されたときに、追加的に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。
【0082】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合において、データが第1のタイプの無線アクセス上で送信されたときに、追加的に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。
【0083】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合において、データが第1のタイプであるときに、追加的に、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ように構成され得る。第1のタイプのデータは、より低いサービス品質分類を有し又は第2のタイプのデータよりも遅延感受性が低くてもよく、ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、データが第1のタイプとは異なる第2のタイプである場合には、無線ノード12へのデータの再送を差し控えない、ように構成されてもよい。言い換えると、ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、データが第2のタイプである場合に、無線ノード12へデータを再送する、ように構成されてもよい。
【0084】
ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、データの無線ノード12への送信について肯定確認応答も否定確認応答も受信されない場合にワイヤレス通信デバイスがデータの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングをネットワークノード15から受信する、ように構成され得る。ネットワークノード15は、いくつかの実施形態では無線ノード12であってよく、又は他の実施形態では例えばコアネットワークノード16若しくは他の無線ノードであってよい。ワイヤレス通信デバイス10、処理回路1201、通信インタフェース1202及び/又は送信機1203は、モニタリングがデータの肯定確認応答の受信もデータの否定確認応答の受信も指し示さない場合に、追加的に、受信されるシグナリングに従って、無線ノード12へのデータの再送を差し控える、ようにさらに構成され得る。
【0085】
無線ノード12は、ワイヤレス通信デバイス10へデータを送信する前に、LBT(Listen Before Talk)手続を行う、ように構成され得る。例えば、無線ノード12は、ワイヤレス通信デバイス10へ送信されるデータの肯定確認応答又は否定確認応答を送信する前に、肯定確認応答又は否定確認応答が送信されるべきキャリアが無線ノード12により占有されなければならない場合に、LBT(Listen Before Talk)手続を行う、ように構成されてもよい。データの肯定確認応答又は否定確認応答は、いくつかの実施形態において、PHICHにより伝達されてもよい。他の実施形態において、それは、例えば上で説明したようなPDCCHコマンド又はULグラントの形式で、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)上で伝達されてもよい。
【0086】
少なくともいくつかの実施形態において、ワイヤレス通信デバイス10は、機能的手段又はユニットを実装することなどにより上記処理を実装するように構成される1つ以上の処理回路を備える。1つの実施形態において、例えば、処理回路は、それぞれの回路として機能的手段又はユニットを実装する。この点において、それら回路は、メモリ1205と併せて、何らかの機能的処理の実行に専用の回路群、及び/又は1つ以上のマイクロプロセッサを含んでもよい。ROM(read-only memory)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光ストレージデバイスなどといった1つ又は複数のタイプのメモリを含み得るメモリを採用する実施形態において、メモリは、何らかの機能的処理の実行に専用の1つ以上の処理回路及び/又は1つ以上のマイクロプロセッサにより実行された場合に、ここで説明した技法を遂行するプログラムコード、を記憶する。
【0087】
1つ以上の実施形態において、ワイヤレス通信デバイス10は、1つ以上の通信インタフェースをも備える。1つ以上の通信インタフェースは、データ及び制御信号を送信し及び受信するための多様なコンポーネントを含む。より具体的には、典型的には1つ以上の標準に従って既知の信号処理技法を使用するように構成される送信機1203であって、信号を(例えば1つ以上のアンテナを介するエア上での)送信のために調整するように構成される送信機1203、を含む。同様に、上記インタフェースは、(例えばアンテナを介して)受信される信号を1つ以上の処理回路による処理のためのデジタルサンプルへ変換するように構成される受信機1204、を含む。
【0088】
また、ネットワークノードは、例えば機能的手段又はユニットを介して、上述した任意の処理を実装するように構成される。
【0089】
図13は、ワイヤレス通信ネットワーク1内のネットワークノード15を描いたブロック図である。ネットワークノード15は、処理回路1301と、送信機1303及び受信機1304を伴う通信インタフェース1302とを備え得る。
【0090】
ネットワークノード15、処理回路1301、通信インタフェース1302及び/又は送信機1303は、ワイヤレス通信デバイス10が無線ノード12からデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合にワイヤレス通信デバイスが当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングを、ワイヤレス通信デバイス10へ送信する、ように構成され得る。
【0091】
ネットワークノード15及び/又は処理回路1301は、ワイヤレス通信デバイス10が無線ノード12からデータについて肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合にワイヤレス通信デバイス10が当該データの再送を差し控えるべきであることを指し示すシグナリングを生成する、ように構成され得る。
【0092】
ネットワークノード15は無線ノード12であってもよく、無線ノード12は、ワイヤレス通信デバイス10へデータを送信する前にLBT(Listen Before Talk)手続を行う、ように構成され得る。例えば、無線ノード12は、ワイヤレス通信デバイス10へデータの肯定確認応答又は否定確認応答を送信する前に、肯定確認応答又は否定確認応答が送信されるべきキャリアが無線ノード12により占有されなければならない場合に、LBT(Listen Before Talk)手続を行う、ように構成されてもよい。
【0093】
ネットワークノード15及び/又は処理回路1301は、ワイヤレス通信デバイスが無線ノード12へのデータの送信について肯定確認応答も否定確認応答も受信しない場合にワイヤレス通信デバイス10が当該データの再送を差し控えるべきであることを判定する、ように構成され得る。
【0094】
ネットワークノード15及び/又は処理回路1301は、ワイヤレス通信ネットワーク1内で蓄積される統計に基づいて上記判定を行う、ようにさらに構成され得る。
【0095】
ネットワークノード15及び/又は処理回路1301は、ワイヤレス通信デバイス、ネットワークノード、及び/又は、ワイヤレス通信デバイス10によるデータの送信先である無線ノードでの干渉条件に基づいて、上記判定を行う、ようにさらに構成され得る。
【0096】
データの肯定確認応答又は否定確認応答は、いくつかの実施形態において、PHICH(Physical Hybrid Automatic Repeat Request Indicator Channel)上で伝達されてもよい。他の実施形態において、それは、例えば上で説明したようなPDCCHコマンド又はULグラントの形式で、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)上で伝達されてもよい。
【0097】
少なくともいくつかの実施形態において、ネットワークノード15は、機能的手段又はユニットを実装することなどにより上記処理を実装するように構成される1つ以上の処理回路を備える。1つの実施形態において、例えば、処理回路は、それぞれの回路として機能的手段又はユニットを実装する。この点において、それら回路は、メモリ1305と併せて、何らかの機能的処理の実行に専用の回路群、及び/又は1つ以上のマイクロプロセッサを含んでもよい。ROM(read-only memory)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光ストレージデバイスなどといった1つ又は複数のタイプのメモリを含み得るメモリを採用する実施形態において、メモリは、何らかの機能的処理の実行に専用の1つ以上の処理回路及び/又は1つ以上のマイクロプロセッサにより実行された場合に、ここで説明した技法を遂行するプログラムコード、を記憶する
。
【0098】
1つ以上の実施形態において、ネットワークノード15は、1つ以上の通信インタフェースをも備える。1つ以上の通信インタフェースは、データ及び制御信号を送信し及び受信するための多様なコンポーネント(図示せず)を含む。より具体的には、典型的には1つ以上の標準に従って既知の信号処理技法を使用するように構成される送信機1303であって、信号を(例えば1つ以上のアンテナを介するエア上での)送信のために調整するように構成される送信機1303、を含む。同様に、上記インタフェースは、(例えばアンテナを介して)受信される信号を1つ以上の処理回路による処理のためのデジタルサンプルへ変換するように構成される受信機1304、を含む。
【0099】
<コンピュータプログラムの実施形態>
当業者は、ここでの実施形態がさらに対応するコンピュータプログラムを含むことを理解するであろう。
【0100】
コンピュータプログラム1206、1306は、ネットワークノード15又はワイヤレス通信デバイス10の少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合に、ノード又はデバイスに上述したそれぞれの処理のいずれかを遂行させる命令、を含む。実施形態は、さらに、そうしたコンピュータプログラムを収容する担体を含む。その担体は、電子信号、光信号、無線信号、又は、ディスク若しくは類似のものなどのコンピュータ読取可能な記憶媒体1207、1307、のうちの1つを含み得る。
【0101】
この点でのコンピュータプログラムは、上述した手段又はユニットに対応する1つ以上のコードモジュールを含み得る。
【0102】
<専門用語>
いくつかの実施形態において、非限定的な用語であるユーザ機器(UE)が使用されており、それは、セルラー若しくはモバイル通信システムにおいて無線ネットワークノードとの間で通信する任意の種類のワイヤレスデバイスをいう。ワイヤレス通信デバイスあるいはUEの例は、ターゲットデバイス、D2D(device to device)UE、マシンタイプUE若しくはM2M(machine to machine)通信可能なUE、PDA、iPAD、タブレット、モバイル端末、スマートフォン、LEE(laptop embedded equipped)、LME(laptop mounted equipment)、USBドングルなどである。
【0103】
いくつかの実施形態において、非限定的な用語である無線ネットワークノード又は単にネットワークノード15が使用されており、それは、任意の種類の、UEへサービスし及び/若しくは他のネットワークノードへ接続されるネットワークノード、又は、UEによる信号の受信元のネットワークエレメント若しくは任意の無線ノードをいう。無線ネットワークノードの例は、NodeB、基地局(BS)、MSR BSなどのマルチ標準無線(MSR)無線ノード、eNodeB、ネットワークコントローラ、無線ネットワークコントローラ(RNC)、基地局コントローラ(BSC)、リレー、リレーを制御するドナーノード、基地送受信局(BTS)、アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、RRU、RRH、分散アンテナシステム(DAS)内のノードなどである。
【0104】
通信の設計に詳しい者により容易に理解されるように、機能手段又はモジュールは、デジタルロジック、及び/若しくは1つ以上のマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のデジタルハードウェアを用いて実装されてよい。いくつかの実施形態において、多様な機能のいくつか又は全てが、単一のASIC(application-specific integrated circuit)などで共に実装されてもよく、又は、適切なハードウェアインタフェース及び/若しくはソフトウェアインタフェースを間に有する2つ以上の別個のデバイスで実装されてもよい。機能のいくつかは、例えば無線ネットワークノードの他の機能コンポーネントと共有されるプロセッサ上で実装されてもよい。
【0105】
代替的に、議論した処理手段の機能的要素のいくつかが専用のハードウェアの使用を通じて提供され、一方で他の要素が適切なソフトウェア又はファームウェアに関連付けられるソフトウェアを実行するためのハードウェアと共に提供されてもよい。よって、“プロセッサ”又は“コントローラ”との用語は、ここで使用されるところによれば、ソフトウェアを実行可能なハードウェアへ排他的に言及するものではなく、限定無しで、DSP(digital signal processor)ハードウェア、ソフトウェア記憶用のROM(read-only memory)、ソフトウェア記憶用のランダムアクセスメモリ、及び/又は、プログラム若しくはアプリケーションデータ、並びに、不揮発性メモリを暗に含み得る。型通りのものであれ及び/又はカスタムであれ、他のハードウェアが包含されてもよい。通信受信機の設計者は、それら設計上の選択に内在するコスト、性能及びメンテナンスのトレードオフを理解するであろう。
【0106】
前述の説明及び添付図面はここで教示された方法及び装置の非限定的な例を表していることが理解されるであろう。そのため、ここで教示された本発明の装置及び技法は、前述の説明及び添付図面によっては限定されない。代わりに、ここでの実施形態は、以下の特許請求の範囲及びそれらの法的な均等物によってのみ限定される。