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特許7101876複数リクライニング着座姿勢における人型試験デバイスのための頸部ブラケット設計
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】複数リクライニング着座姿勢における人型試験デバイスのための頸部ブラケット設計
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/08 20060101AFI20220708BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
G01M7/08 B
G01M17/007 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021515634
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019052469
(87)【国際公開番号】W WO2020061572
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】62/864,710
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/734,594
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519390483
【氏名又は名称】ヒューマネティクス イノベイティブ ソリューションズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ゼンウェン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マッキニス,ジョセフ ピー.
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-257322(JP,A)
【文献】特開昭48-010701(JP,A)
【文献】特開2016-150186(JP,A)
【文献】特開2005-077356(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0189569(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0293060(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 7/08
G01M 17/00 - 17/10
G01M 99/00
G09B 23/28 - 23/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎アセンブリであって、脊椎軸を画定する脊椎アセンブリの長さを備える、脊椎アセンブリと、
一端で前記脊椎アセンブリに連結される頸部アセンブリと、
前記頸部アセンブリの他端で前記頸部アセンブリに連結される頭部アセンブリと、
前記頸部アセンブリを前記脊椎アセンブリに連結する頸部ブラケットアセンブリと、を含み、該頸部ブラケットアセンブリは、
前記脊椎アセンブリに固定されるベースであって、前記脊椎軸に対して横方向のベース平面を画定する、ベースと、
前記頸部アセンブリに固定され、前記ベースに連結される、マウントであって、前記脊椎軸は、マウントを通過する、マウントと、
前記ベースに固定される第1の部分と、前記マウントに固定される第2の部分とを有する、ピボット機構であって、前記頸部アセンブリ及び前記頭部アセンブリは、複数の頭部位置において前記ベース及び前記脊椎アセンブリに対して枢動する、ピボット機構とを含み、
前記マウントは、楔形構成を画定するよう下面に対して角度付けられる上面を有し、前記上面及び前記下面の一方は、前記複数の頭部位置の全てにおいて前記ベース平面に対してある角度に位置付けられる、
人型試験デバイス。
【請求項2】
前記マウントの前記下面は、第1の平面を画定し、前記マウントの前記上面は、第2の平面を画定し、前記第1の平面は、10度~45度の範囲の角度αで前記第2の平面に対して角度付けられる、請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項3】
前記ピボット機構は、前記頸部アセンブリ及び前記頭部アセンブリを前記複数の頭部位置のうちの1つにおいて固定するロックを含む、請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項4】
前記マウントは、
前記ベースに連結され、前記ピボット機構に固定される、第1のブラケットと、
前記第1のブラケットに固定され、反対側の下面に対して角度付けられた上面を有する、第2のブラケットとを含み、
前記第2のブラケットの前記上面は、前記マウントの前記上面を更に画定し、前記第2のブラケットの前記上面及び前記反対側の下面は、前記楔形構成を更に画定する、
請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項5】
前記第2のブラケットは、前記第1のブラケットに対する少なくとも2つの固定位置のうちの1つにおいて前記第1のブラケットに固定され、
前記第2のブラケットは、前記少なくとも2つの固定位置のうちの第2の位置よりも前記少なくとも2つの固定位置のうちの第1の位置において前記第1のブラケットの近位端により近接して位置付けられる、
請求項4に記載の人型試験デバイス。
【請求項6】
前記複数の頭部位置への枢動とは無関係に前記頸部アセンブリに対して前記頭部アセンブリを枢動させるよう前記頭部アセンブリと前記頸部アセンブリとの間に配置される第2のピボット機構を更に含む、請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項7】
前記頸部アセンブリは、前記マウントを通過する頸部軸を画定し、前記脊椎軸及び前記頸部軸の両方は、曲率半径を画定する、請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項8】
前記曲率半径は、反対方向に延びる、請求項7に記載の人型試験デバイス。
【請求項9】
前記ピボット機構の第1の部分が、前記脊椎アセンブリとは反対の前記ベース部分に固定され且つ前記ベース部分から延びる一対の離間したフランジ部材を含み、前記ピボット機構の第2の部分が、前記マウントから延びる横方向延出部材を含み、該横方向延出部材は、前記一対のフランジ部材の間に位置付けられ、前記ベースに対して前記マウントを回転可能に連結するために、ピンが、前記横方向延出部材を通じて延びる、請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項10】
前記ピボット機構は、前記ベースに対する前記頸部アセンブリ及び前記頭部アセンブリの別個の頭部位置を画定する複数の歯を含む、請求項9に記載の人型試験デバイス。
【請求項11】
前記ピボット機構は、前記一対のフランジ部材のうちの1つと前記横方向延出部材との間に連結される一対のディスクを更に含み、前記一対のディスクは、前記複数の歯を有する、請求項10に記載の人型試験デバイス。
【請求項12】
前記ピボット機構は、前記マウントが前記ベースに対する前記複数の頭部位置のうちの所望の1つの位置に前記ベースに対して枢動させられるときにそれぞれ整列させられる、開口を含み、
ロックを画定し、前記複数の頭部位置のうちの前記所望の1つの位置において前記マウントを前記ベースに固定的に固定するために、締結部材が、前記整列させられる開口内に導入される、
請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項13】
前記頭部アセンブリと前記頸部アセンブリとの間に連結される第2のピボット機構を更に含み、該第2のピボット機構は、前記頸部アセンブリに対して前記頭部アセンブリを枢動させるように構成される、請求項1に記載の人型試験デバイス。
【請求項14】
人型試験デバイスの頸部アセンブリ及び頭部アセンブリを位置決めする方法であって、
前記人型試験デバイスは、前記頭部アセンブリと、前記頸部アセンブリと、脊椎平面を画定する脊椎アセンブリと、前記頸部アセンブリを前記脊椎アセンブリに連結する頸部ブラケットアセンブリであって、前記脊椎アセンブリに固定されるベースを含む、頸部ブラケットアセンブリと、前記頸部アセンブリに固定され、前記ベースに連結される、マウントと、前記ベースに固定される第1の部分と、前記マウントに固定される第2の部分とを有する、ピボット機構とを含み、前記マウントは、楔形構成を画定するよう下面に対して角度付けられる上面を有し、
当該方法は、
前記脊椎平面が垂直平面に対して初期脊椎角度で角度付けられ、前記頭部アセンブリ及び前記頸部アセンブリが前記垂直平面に対する所望の頭部位置のうちの1つにおいて位置付けられた状態で、前記人型試験デバイスを位置付けるステップであって、前記マウントは、前記マウントの前記上面及び前記下面の少なくとも一方が前記ベース平面に対して角度付けられた状態で、前記ベース平面に対する初期取付角度に位置付けられる、位置付けるステップと、
前記脊椎平面角度が前記初期脊椎角度から前記垂直平面に対して再位置決めされた脊椎角度まで増加するように、前記人型試験デバイスを再位置決めするステップと、
前記マウントの前記上面及び前記下面の少なくとも一方が前記ベース平面に対して角度付けられた状態で、前記人型試験デバイスを前記再位置決めされた脊椎角度に維持しながら、前記再位置決めされた人型試験デバイスの前記頭部アセンブリ及び前記頸部アセンブリを前記再位置決めされた脊椎角度で前記垂直平面に対する前記所望の頭部位置のうちの1つにおいて維持するよう、前記取付角度を前記初期取付角度から第2の取付角度に調整するために、前記マウントを前記ベースに対して枢動させるステップとを含む、
方法。
【請求項15】
前記ベース平面に対する前記マウントの前記角度が前記第2の角度にある状態で、前記マウントを前記ベースに固定するステップを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記初期脊椎角度は、前記垂直平面に対して23度であり、前記再位置決めされた脊椎角度は、前記垂直平面に対して23度よりも大きく、90度よりも小さい、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記初期脊椎角度は、前記垂直平面に対して23度であり、前記再位置決めされた脊椎角度は、前記垂直平面に対して43度~60度の間である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記頭部アセンブリと前記頸部アセンブリとの間に連結される別のピボット機構を連結するステップと、
前記頸部アセンブリに対して前記頭部アセンブリを枢動させるステップとを更に含む、
請求項14に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのプロセッサを含む、コンピュータであって、前記プロセッサは、メモリを含む、コンピュータと、
仮想人型試験デバイスを生成するように構成される前記メモリに格納される第1のソフトウェアアプリケーションとを含み、
前記仮想人型試験デバイスは、
仮想脊椎アセンブリであって、脊椎軸を画定する仮想脊椎アセンブリの長さを有する、仮想脊椎アセンブリと、
一端で前記仮想脊椎アセンブリに連結される仮想頸部アセンブリと、
前記仮想頸部アセンブリの他端で前記仮想頸部アセンブリに連結される仮想頭部アセンブリと、
前記仮想頸部アセンブリを前記仮想脊椎アセンブリに連結する仮想頸部ブラケットアセンブリとを含み、
前記仮想頸部ブラケットアセンブリは、
前記仮想脊椎アセンブリに固定される仮想ベースであって、前記脊椎軸に対して横方向のベース平面を画定する、仮想ベースと、
前記仮想頸部アセンブリに固定され、前記仮想ベースに連結される、仮想マウントであって、前記脊椎軸は、仮想マウントを通過する、仮想マウントと、
前記仮想ベースに固定される第1の部分と、前記仮想マウントに固定される第2の部分とを有する、仮想ピボット機構であって、前記仮想頸部アセンブリ及び前記仮想頭部アセンブリは、複数の頭部位置において前記仮想ベース及び前記仮想脊椎アセンブリに対して枢動する、仮想ピボット機構とを含み、
前記仮想マウントは、楔形構成を画定するよう、下面に対して角度付けられる上面を有し、前記上面及び前記下面の一方は、前記複数の頭部位置の全てにおいて前記ベース平面に対してある角度に位置付けられる、
システム。
【請求項20】
前記ソフトウェアアプリケーションは、前記生成される仮想人型試験デバイス上で仮想衝突シミュレーションを実施するように更に構成される、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本発明は、2018年9月21日に出願された米国仮出願第62/734,594号及び2019年6月21日に出願された米国仮出願第62/864,710号に対する優先権を主張し、それらの全文は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、一般的には、人型試験デバイス(anthropomorphic test device)に関し、より具体的には、人型試験デバイスのための頸部ブラケット(首腕木)(neck bracket)設計に関する。
【背景技術】
【0003】
過去数十年間の人型試験デバイス(ATD)設計において、(「衝突試験ダミー(crash test dummy)」とも称される)ATDは、連邦自動車安全基準(FMVSS)に準拠するよう、車両開発における衝突試験だけのために、運転姿勢で座るように設計された。
【0004】
しかしながら、自動化された車両のために開発されている新興の自律運転システム(ADS)技術により、車両を運転するために、運転者はもはや必要とされない。特に、ADS技術により、乗員間の相互作用に応じて、4人の乗員(2人の前部乗員、2人の後部乗員)が前向き座っている場合、2人の前部乗員が後部座席の乗員に向かって後向きに座っている場合、4人の乗員が互いに対角に座っている場合などのような、代替的な着座(seating)パッケージを有する機会がある。
【0005】
しかしながら、現行のATD設計では、これらの様々な着座パッケージにおける人体構造及び筋肉機能の複雑さの故に、人間の形状に形成することができる人間のような脊椎を有することは、一般的に実行可能でない。代わりに、人間の脊椎の湾曲に近似させるよう、限定的な運動範囲における脊椎の曲げを可能にするために、ピボット関節がATDスパイン設計に導入されている。これは(垂直平面に対する23度のATDの脊椎角度に対応する)23度での背もたれ角度を有する標準的な運転姿勢又は乗車姿勢について概ね成功することが証明されている。しかしながら、背もたれ角度が60度までのリクライニング(横臥)乗員着座姿勢におけるATDは、FMVSS試験において必要とされないで、ATD設計の一部としてアプローチされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この問題に取り組むために連結設計を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、人型試験デバイス又は衝突試験ダミーにおける使用のための頸部ブラケットアセンブリに向けられている。特に、本開示は、脊椎アセンブリであって、脊椎軸を画定する脊椎アセンブリの長さを備える、脊椎アセンブリと、一端で脊椎アセンブリに連結される頸部アセンブリと、頸部アセンブリの他端で頸部アセンブリに連結される頭部アセンブリと、頸部アセンブリを脊椎アセンブリに連結する頸部ブラケットアセンブリとを含む、人型試験デバイスに向けられている。頸部ブラケットアセンブリは、脊椎アセンブリに固定されるベースを含み、ベースは、脊椎軸に対して横方向のベース平面を画定する。頸部ブラケットアセンブリは、頸部アセンブリに固定され、ベースに連結される、マウントも含み、脊椎軸は、マウントを通過する。頸部ブラケットアセンブリは、ベースに固定される第1の部分と、マウントに固定される第2の部分とを有する、ピボット機構も含み、頸部アセンブリ及び頭部アセンブリは、複数の頭部位置においてベース及び脊椎アセンブリに対して枢動する。マウントは、楔形構成を画定するよう下面に対して角度付けられる上面を有し、上面及び下面の一方は、複数の頭部位置の全てにおいてベース平面に対してある角度に位置付けられる。
【0008】
本開示は、人型試験デバイスが、車両の運転者についての通常の着座姿勢を代表する、垂直平面に対して23度の背もたれ角度、車両内の乗員についてのスーパーリクライニング着座姿勢を代表する、垂直平面に対して60度の背もたれ角度、又はそれらの間の背もたれ角度のいずれかで位置決めされるときに、人型試験デバイスの頭部アセンブリ及び頸部アセンブリを複数の頭部位置から所望の頭部及び頸部位置に位置決めする関連する方法も提供する。
【0009】
本発明の頸部ブラケットアセンブリは、胸椎アセンブリ内の関節と共に、人型試験デバイスが、提供される背もたれ角度に拘わらず、人間のような位置衝突試験をシミュレーションする位置に位置付けられることができるように、人型試験デバイスの頭部アセンブリ及び頸部アセンブリを所望の位置に正しく位置決めする機能を提供する。
【0010】
本発明の他の構成及び利点は、添付の図面と共に後続の説明を読んだ後に、よりよく理解されるときに、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】脊椎平面が垂直平面に対して23度の背もたれ位置に設定され、マウントの上方平面がベース平面に対して初期角度に設定され、通常位置に対応するよう、頭部及び頸部アセンブリが垂直平面に対して複数の頭部位置のうちの所望の1つの位置に設定された、人型試験デバイス又は衝突試験ダミーの位置決めを図示する、本発明に従った1つの実施形態の側面図である。
【0012】
図1B】脊椎平面が垂直平面に対して60度の背もたれ位置に再位置決めされ、スーパーリクライニング位置に対応するよう、マウントの上方平面がベース平面に対して初期角度に設定された、図1Aの人型試験デバイスの一部分の側面図である。
【0013】
図2図1Aの人型試験デバイスの一部分の側面斜視図である。
【0014】
図3】1つの実施形態に従った組立状態における図2の頸部ブラケットアセンブリの正面斜視図である。
【0015】
図4図3の回転させられた図である。
【0016】
図5図3の別の回転させられた図である。
【0017】
図6図3の更に別の回転させられた図である。
【0018】
図7図3の部分的な分解斜視図である。
【0019】
図8図7の回転させられた図である。
【0020】
図9図6の別の回転させられた図である。
【0021】
図10A】脊椎平面が垂直平面に対して23度の背もたれ位置に設定され、マウントの上方平面がベース平面に対して初期角度に設定され、頭部及び頸部アセンブリが垂直平面に対して複数の頭部位置のうちの所望の1つの位置に設定された、図1Aの人型試験デバイスの一部分の側面斜視図である。
【0022】
図10B】脊椎平面が垂直平面に対して60度の背もたれ位置に再位置決めされ、マウントの上方平面がベース平面に対して初期角度に設定された、図10A及び図1Bの人型試験デバイスの一部分の側面斜視図である。
【0023】
図10C】脊椎平面が垂直平面に対して60度の背もたれ位置に留まり、マウントの上方平面がベース平面に対して再位置決めされた角度にあるように、マウントの上方平面がベース平面に対して回転させられ、頭部及び頸部アセンブリが頭部及び頸部位置のうちの所望の位置に維持された、図10A及び図10Bの人型試験デバイスの一部分の側面斜視図である。
【0024】
図11】別の実施形態に従った第1の位置にある組み立てられた状態における図2の頸部ブラケットアセンブリの正面斜視図である。
【0025】
図12】第2の位置にある組み立てられた状態における図10の頸部ブラケットアセンブリの正面斜視図である。
【0026】
図13図10の部分的な分解斜視図である。
【0027】
図14図11の部分的な分解斜視図である。
【0028】
図15図14の回転させられた図である。
【0029】
図16A図11図13の頸部ブラケットアセンブリを備え、脊椎平面が垂直平面に対して第1の背もたれ位置に設定され、頭部及び頸部アセンブリを備え、第2のブラケットが前方シフトされた構成において第1のブラケットに固定された、人型試験デバイスの一部分の側面斜視図である。
【0030】
図16B図16Aの頸部ブラケットアセンブリを備え、図16Aの前方シフトされた構成と比較して後方シフトされた構成において第1のブラケットに固定された第2のブラケットを備える、人型試験デバイスの一部分の側面斜視図である。
【0031】
図17】仮想人型試験デバイスを作製し且つ評価するシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面、特に図1A及び図1Bを参照すると、人型試験デバイス又は衝突試験ダミー12の1つの実施形態が概ね12として指し示されており、座席アセンブリ10上に位置付けられて示されている。
【0033】
座席アセンブリ10は、ヘッドレスト部分11と、背もたれ部分13(シートバック)と、座席部分15とを含む。座席アセンブリ10の背もたれ部分13は、座席部分15に対する複数の背もたれ角度(すなわち、複数のリクライニング位置)の間でリクライニング(横臥)可能であり、衝突試験ダミー12の脊椎平面SPがその現在位置における垂直位置に対して角度付けられる角度の数に対応する背もたれ角度を有する。1つの代表的な背もたれ位置、すなわち、代表的な図1Aに図示するような23度の背もたれ角度β1。本明細書で使用するとき、背もたれ角度は、(典型的には、図1A及び図1Bに図示すように座席アセンブリ10に着座されるときの)環境に対するその現在位置における人型試験デバイス10の脊椎平面SPと垂直平面VPとの間の角度として定義され、脊椎平面SPは、脊椎アセンブリ18の底部分の長さに沿って定義される。図1Aにおいて垂直平面VPに対して23度で表される背もたれ角度β1は、一般的に、車両の運転者又は乗員の運転又は乗車姿勢に対応する。垂直平面VPに対して約60度までのリクライニングされた背もたれ角度のような、リクライニングされた背もたれ角度β2も、本明細書に記載するような衝突試験ダミー12で考えられ、典型的には、車両内の乗員の、或いは自律車両の運転者及び/又は乗員のための背もたれ角度に対応する。殆どの場合において、図1A及び図1Bにおいて本明細書に示すように、人型試験デバイス20の脊椎平面SPは、その長さに沿って背もたれ部分13の中央を通じて延びる平面に平行に延びるが、脊椎平面SPは、背もたれ部分13を通じて延びる平面に対して僅かに角度付けられてよい。
【0034】
背もたれ角度β1及びβ2は、それぞれ、図1A及び図1Bに、(そして、図2図10A図10C及び図16A図16Bにも)示すように、垂直平面に対して23度及び60度の背もたれ角度を示すことを意図しているが、本質的に例示的であり、正確な実際の測定値を示すことを意図していない。換言すれば、図がそれぞれの背もたれ位置を正確に示していないとしても、図1Aに示す背もたれ角度β1は、23度の背もたれ角度を表すように意図されている一方で、図1Aに示す背もたれ角度β2は、60度の背もたれ角度を表すように意図されている。
【0035】
衝突試験ダミー12は、50パーセンタイル(50%)の雄タイプであり、座位で図示されている。この衝突試験ダミー12は、主として、成人の前部座席及び後部座席乗員のための自動車内装及び拘束システムの性能を試験するために使用される。衝突試験ダミー12の大きさ及び重量は、典型的には、以下の機関、すなわち、ミシガン大学運輸研究所(UMTRI:University of Michigan Transportation Research Institute)、米国軍事身体計測調査(ANSUR:U.S. Military Anthropometry Survey)、並びに民間米国及び欧州表面人体計測学リソース(CESAR:Civilian American and European Surface Anthropometry Resource)によって別々に行われる、身体計測学に基づく。運動、重心、及び体節の質量の範囲は、身体計測データによって定義される人間の被験者のものをシミュレートすることが理解されるべきである。
【0036】
また、図1A及び図1Bに示すように、衝突試験ダミー12は、概ね14で示す頭部アセンブリ(head assembly)を含む。衝突試験ダミー12は、頭部アセンブリ14に取り付けられ、頭部アセンブリ14から延びる、頸部アセンブリ16(neck assembly)も含む。衝突試験ダミー12は、衝突試験ダミー12の胴部領域内に延びる下端を有する、概ね18(図2図10A図10C、及び図16A図16Bを参照)で示す脊椎アセンブリ(spine assembly)も含む。脊椎アセンブリ18は、脊椎平面SPとは異なるその長さに沿う湾曲した脊椎軸SAを画定し、脊椎軸SAは、脊椎アセンブリ18及び頸部アセンブリ16の界面で頭部アセンブリ16に対して法線方向に延びる。頸部アセンブリ16を脊椎アセンブリの上方部分と考え得るという事実のために、脊椎軸SAは、図示のように、頸部アセンブリ16を通じて上方に延びて、頭部アセンブリ14に入る。
【0037】
衝突試験ダミー12は、更に、脊椎アセンブリ18の下端に連結される骨盤アセンブリ20を含む。衝突試験ダミー12の胴部領域は、脊椎アセンブリ18に接続された、概ね22で示す、胸郭アセンブリ(rib cage assembly)も含む。衝突試験ダミー12は、衝突試験ダミー12に取り付けられる、概ね24で示す左腕アセンブリと、右腕アセンブリ(図示せず)とを含む、一対の腕アセンブリも有する。衝突試験ダミー12は、骨盤アセンブリ20に連結される、概ね26で示す左脚アセンブリと、右脚アセンブリ(図示せず)とを含む、一対の脚アセンブリを更に含む。脚アセンブリは、骨盤アセンブリ20内の位置で脊椎平面SPと交差する脚軸LAを画定し、脚軸LA及び脊椎平面SPは、それらの間の角度Δを画定する。座席部分15の構成に依存して、脚軸LAは、人型試験デバイス12が衝突試験中に車両座席上に配置されるときに、座席部分15の長さに平行に走る。
【0038】
衝突試験ダミー12の様々な構成要素は、衝突試験ダミー12の骨格との連結を向上させるために、肉体及び皮膚アセンブリのようなウレタン皮膚内に覆われることが理解されるべきである。
【0039】
図2図10A図10C及び図16A図16Bにも示すように、頸部アセンブリ16は、概ね230で示す複数のモジュール式の椎骨セグメント(vertebra segments)を含む。各椎骨セグメント230は、椎間板232(vertebra disc)を含み、椎間板232の各々のそれぞれの(すなわち、隣接する)ペアの間に配置された関節要素238を含む。頸部アセンブリ16は、椎間板232の最も下方のもの244と代替的に称することがある、下方取付プレート244を含む。頸部アセンブリ16は、関節要素238のうちの1つの関節要素の上端に、上方椎間板232のうちの最も上方のもの233(すなわち、最上方椎間板233)も含む。
【0040】
特定の実施形態では、図2図10A図10C及び図16A図16Bにも示すように、上方頸部/頭部枢動可能ブラケットアセンブリ275が、上方椎間板232の最も上方のもの233に連結される。アセンブリ275は、椎間板232のうちの最も上方のもの233に連結されるベース部材277と、頭部アセンブリ14に取り付けられる上方部材279とを含み、頭部アセンブリ14に連結される上方部材279がベース部材277及び頸部アセンブリ16に対して枢動することを可能にするピボット機構281(枢動機構)を含む。特定の実施形態において、アセンブリ275は、アセンブリの一部分がある軸についてアセンブリの別の部分に対して枢動することを可能にする捩り要素285も含み、その軸は、本明細書で提供する脊椎軸SAに概ね対応する。
【0041】
衝突試験ダミー12は、頸部アセンブリ16を脊椎アセンブリ18に連結するための頸部ブラケットアセンブリ30も含む。本明細書における開示は、頸部ブラケットアセンブリ30の2つの実施形態を含み、第1の実施形態は、図3図10に図示されており、第2の実施形態は、図11図16に図示されている。2つの実施形態の各々では、以下に更に詳細に記載するように、頸部ブラケットアセンブリ30は、頸部及び頭部アセンブリ16、14が脊椎アセンブリ18の最上方部分に対して枢動して、頭部アセンブリ14を、上述のように、通常の乗車姿勢に対応する背もたれ角度β1とスーパーリクライニング(超横臥)された背もたれ角度に対応する最大背もたれ角度β2との間の任意のそれぞれの背もたれ角度で、垂直平面VPに対する複数の頭部位置のうちの所望の1つに方向付けることを可能にする。
【0042】
以下に記載する頸部ブラケットアセンブリ30の実施形態の各々において、頸部ブラケットアセンブリ30は、ベース32、第1のブラケット36、第2のブラケット34、及びピボット機構37を含む、多くの共通の構成要素を含み、従って、各実施形態において同じ部分を表す同じ番号で記載され且つ図示される。図3図16では連結された別々の第1及び第2のブラケット36、34として示されているが、ブラケット36、34は、集合的にマウント35(mount)と称されることができる。以下に記載する第1の実施形態では、図3図10に示すように、マウント35を画定する第1及び第2のブラケット36、34は、一体成形品(single piece)として形成されてよい(すなわち、第1及び第2のブラケット36、34は、一体的に形成されている)。しかしながら、製造及び組立を容易にするために、第1及び第2のブラケット36、34は、典型的には、2つの別個の部品であり、図3図10のこの実施形態に開示する頸部ブラケットアセンブリ30の記述は、それらを2つの別個の部品として記載している。第2の実施形態において、第1及び第2のブラケット36、34は、以下に記載するように、2つの別個の取付構成(mounting configurations)を有する、別個の部品である。
【0043】
頸部ブラケットアセンブリ30の1つの実施形態を参照すると、図3図10に最も良く示されているように、アセンブリ30は、頸部ブラケットアセンブリ30を頭部アセンブリ14及び頸部アセンブリ16の反対側で脊椎アセンブリ18の最上方部分17に固定するように構成されたベース32を含む。頸部ブラケットアセンブリ30は、頸部ブラケットアセンブリ30を、下方取付プレート44として図3に示される、頸部アセンブリ16の最下方部分に固定するように構成された第2のブラケット34も含む。その上更に、頸部ブラケットアセンブリ30は、ベース32及び第2のブラケット34の各々の間に位置付けられ、連結され、或いは他の方法で固定された、第1のブラケット36を含む。
【0044】
ベース32は、上面42と下面44とを有するベース部分40を含み、ベース部分40の上面42もしくは下面44又はベース部分40は、その幅及び長さに沿って延びるベース平面BPを画定する。脊椎軸SAは、マウント35、特に、第1及び第2のブラケット36、34も通過する。ベース部分40の外周に設けられた複数の開口46は、各々が、ベース部分40を脊椎アセンブリ18の最上方部分17に固定するために使用される、ボルト又はネジのような、締結部材50を受け入れるように構成される。中央開口55(図9を参照)も、ベース部分40の上面42と下面44との間に延びる。
【0045】
頸部ブラケットアセンブリ30は、ベース部分40の上面42上に位置付けられ且つベース部分40の上面42から延びる、一対の離間したフランジ部材52、54も含む。特定の実施形態において、一対の離間したフランジ部材52、54は、ベース部分40の上面42に固定されるが、他の実施形態において、一対の離間したフランジ部材52、54は、ベース部分40と一体的に形成され、よって、上面42から延びるベース部分40の延長部と代替的に称される。
【0046】
第1の離間したフランジ部材52は、外側部分56と、外側部分56と反対側の内側部分58とを含む。中央ピン開口60と、第1の離間したフランジ部材52によって画定された複数の追加的な開口62とは、外側部分56と内側部分58との間で第1の離間したフランジ部材52を通じて延在する。第1の離間したフランジ部材52は、上面66、前面68、及び前面68とは反対の後面70も有する。第1の湾曲面72が上面66を前面68に接続する一方で、第2の湾曲面74が上面66を後面70に接続する。上面66は、ベース部分40に向かう方向に延びる開口76も含む。
【0047】
第2の離間したフランジ部材54は、外側部分79と、外側部分79とは反対側の内側部分80とを含む。第2のフランジ部材54によって画定された中央ピン開口82は、外側部分79と内側部分80との間で第2の離間したフランジ部材54を通じて延在する。第2の離間したフランジ部材54は、上面84、前面85、及び前面85とは反対の後面86も有する。第1の湾曲面88が、上面84を前面85に接続する一方で、第2の湾曲面90が、上面84を後面86に接続する。上面84は、ベース部分40に向かう方向に延びる開口92も含む。
【0048】
図7及び図8に最も良く示されているように、第1のブラケット36は、移行部分106を介して接続された下方段状部分102及び上方段状部分104を含む。移行部分106は、下方段状部分102から延びる垂直延出面108と、垂直延出面108と上方段状部分104との間に延在する角度付き面110とを含む。
【0049】
下方段状部分102は、上面112と、反対側の下面114とを含み、上面112と下面114とを接続する近位エッジ113を画定する。下方段状部分102によって画定される複数のペアの離間した第1の開口116が、上面112から下面114に向かって延び、第1の開口116は、第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために使用される対応する締結部材120を受け入れるように構成される。下方段状部分102によって画定される追加的なペアの開口116も想定される。
【0050】
上方段状部分104も、上面122と、反対の下面124とを含み、上面112と下面114とを接続する遠位エッジ119を画定する。上面122は、一般的に、その長さ及び幅に沿って延びる上方段状部分平面を画定する。下面124は、第1のブラケット36がベース32に固定されるか或いはさもなければ回転可能又は枢動可能に連結されるときに、第1の離間したフランジ部材52の第1の湾曲面72及び第2の離間したフランジ部材54の第1の湾曲面88の湾曲に隣接して位置付けられるべき湾曲領域124aを画定するように湾曲させられる。第1のブラケット36の近位エッジ113及び遠位エッジ119も、第1のブラケット36の近位エッジ及び遠位エッジにそれぞれ対応する。
【0051】
上方段状部分104によって画定される複数のペアの第2の離間した開口126が上面122から下面124に向かって延び、離間した第2の開口126は、第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために使用される対応する締結部材120を受け入れるように構成される。上方段状部分104によって画定される追加的なペアの開口126も想定される。
【0052】
横方向延出部材121が下面114から延び、丸みを帯びた端部分123で終端する。横方向延出部材121は、第1の側面125と、反対側の第2の側面131とを含み、反対側の第2の側面131は、第1のブラケット36がベース32に固定されるときに、第1のフランジ部材52と第2のフランジ部材54との間で、特に第2のフランジ部材54の内側部分80により近い概ね隣接する位置において、整列させられるように構成される。丸みを帯びた端部分123は、ベース32が第1のブラケット36に固定されるときに、ベース部分40の上面42に対して位置する。横方向延出部材121によって画定される中央ピン開口127が、横方向延出部材121内に位置付けられてもよく、第1の側面125と第2の側面131との間に延在する。横方向延出部材121によって画定される複数の外側開口129が、中央ピン開口127から離れて横方向延出部材121内に位置付けられてもよく、第1の側面125と第2の側面131との間に延在し、追加的な開口129は、上述の第1のフランジ部材52内の対応する追加的な開口62との整列のために構成される。
【0053】
一対のディスクスペーサ部材140、142(disk spacer members)が、横方向延出部材121と第1の離間したフランジ部材52との間に配置される。ディスクスペーサ部材140、142の各々は、中央ピン開口144、145と、平坦な側面の間に延在する中央ピン開口144から離れた複数の外側開口146、147とを画定し、開口146、147は、以下に更に記載するように、第1のブラケット36がベース32に固定されるときに、第1のフランジ部材52の追加的な開口62及び横方向延出部材121の追加的な開口129と整列させられる。ディスクスペーサ部材140、142の各々の隣接する内面は、ディスクスペーサ部材140、142が頸部ブラケットアセンブリ30内で互いに連結されるときに噛み合う歯149、151を含む。
【0054】
例示の目的のために、それぞれの第1のフランジ部材52、横方向延出部材121、及びディスクスペーサ部材140、142の開口62、129、146、及び147の数、大きさ、及び相対的な位置付けは、それぞれがそれらのそれぞれの中央ピン開口60、127、144、145から等しく離間して等距離にある4つの開口を有するようにそれぞれ示されている。しかしながら、それぞれの第1のフランジ部材52、横方向延出部材121、及びディスクスペーサ部材140、142のうちの1つ以上のものの数、大きさ、及び相対的な位置付けは、図示の構成に限定されず、1つ以上の変数(数、大きさ、及び相対的な位置決め)において異なってよい。例えば、それぞれの第1のフランジ部材52、横方向延出部材121、及びディスクスペーサ部材140、142の各々における開口62、129、146及び147の数は、3つの開口又は5つの開口であってよい。その上更に、開口129、140、及び142の数は、以下に更に詳細に記載するように、平行位置、前方非平行位置、又は後方非平行位置にけるベース32に対する第1のブラケット36の固定を可能にするために、第1のフランジ部材52にある開口62の数よりも多くてよい。
【0055】
頸部ブラケットアセンブリ30は、特定の実施形態において、第1のブラケット36がベース32に固定されるときに、横方向延出部材121の第2の側面131と第2のフランジ部材54の内側部分80との間に部分的に配置されるフォーク部材190も含む。具体的には、フォーク部材190は、第1のブラケット36がベース32に固定されるときに、横方向延出部材121の第2の側面131と第2のフランジ部材54の内側部分80との間に延在する横方向前方フランジ部分198から延びる(一対のタイン192、194として図8に示される)1つ以上のタイン(tines)を含むことができる。一対のタイン192、194は、第1のブラケット36がベース32に固定されるときに中央ピン開口127と整列させられる開口196を画定する。フォーク部材190の前方フランジ部分198は、第1のブラケット36がベース32に固定されるときに第2のフランジ部材54の前面85に隣接して位置付けられ、フランジ部材を通じて前面85に導入されるネジ199として示される締結部材を用いて第2のフランジ部材54に固定されてよい。
【0056】
ベース32と第1のブラケット36を互いに固定するために、或いはさもなければマウント35をベース32に回転可能に連結するために、第1のブラケット36の上方段状部分104の下面124は、横方向延出部材121の丸い端部分123がベース部分40の上面42に位置するように、第1及び第2のフランジ部材52、54の第1の湾曲面72、88に位置付けられる。この位置において、ディスクスペーサ部材140、142は、ベース部分40の中央開口55内に部分的に配置され、横方向延出部材121と第1のフランジ部材52との間に位置付けられる。加えて、フォーク部材190は、存在するときには、横方向延出部材121と第2のフランジ部材54との間に導入され、第2のフランジ部材54の前面85に固定される。
【0057】
連結プロセスの間に、第1及び第2のフランジ部材52、54の各々のフランジ部材の中央ピン開口60、82、横方向延出部材121の中央ピン開口127、並びにディスクスペーサ部材140、142の中央ピン開口144、145は、フォーク部材190のタイン192、194の間の開口196と、それぞれの中央ピン開口から離れた第1のフランジ部材52、横方向延出部材121、及びディスクスペーサ部材140、142の各々の部材の追加的な開口62、129、146、147とに沿って、整列させられる。次に、ピン150が、整列させられた中央ピン開口60、82、127、144、145及び開口196内に挿入される。次に、第1のブラケット36は、挿入されたピン150の長さについて、ベース32に対する所望の位置まで枢動(すなわち回転)させられてよく、横方向延出部材121の丸い端部分123は、ベース部分40の上面42に沿って回転し、上方段状部分104の湾曲面124aは、第1及び第2の離間したフランジ部材52、54のそれぞれの第1の湾曲面72、88に対して位置決めされたままである。ひとたび第1のブラケット36がベース32に対して所望の位置まで枢動させられると、締結部材152は、所望の位置において第1のブラケット36をベース32に固定するために、第1のフランジ部材52、横方向延出部材121、及びディスクスペーサ部材140、142の各々の部材のそれぞれの整列させられた追加的な開口62、129、146、147のうちの任意の1つ以上の内に挿入される。
【0058】
上述のように、頸部ブラケットアセンブリ30は、第1のブラケット36に連結される、上方ブラケット34と称されることもある、第2のブラケット34も含む。
【0059】
第2のブラケット34は、各々が下方平坦面164を有する一対の脚162を有する下方部分160を含み、下方平坦面164は、第1のブラケット36が第2のブラケット34に固定されるときに、下方段状部分102の上面112に位置付けられるように構成される。下方部分160は、下面168を画定する二次レッジ部分166(secondary ledge portion)も含み、下面168の一部分は、上方段状部分104の上面122に位置付けられるように構成される。下面168は、第1の平面169を画定する。移行領域170が、下方平坦面164を下面168に接続し、移行領域170は、第1のブラケット36が第2のブラケット34に固定されるときに、第1のブラケット36の対応する移行部分106と整列させられるように構成される。
【0060】
第2のブラケット34は、下方部分160から、第1のブラケット36から離れる方向に、完成した頸部ブラケットアセンブリ30及び頸部アセンブリ16内の頭部アセンブリ14に向かって延びる、上方部分171も含む。上方部分171は、頸部アセンブリ16の最下方プレート244に整列させられ且つ固定されるように構成された上方角度付き面172を有する。上方角度付き面172は、第2のブラケット34の近位端及び遠位端に対応する近位エッジ173及び遠位エッジ179の間に延在し、「近位」及び「遠位」という用語は、上述の第1のブラケット36の近位エッジ113及び遠位エッジ119を記述する際の同じ用語の使用のための場所に対応する。
【0061】
上方角度付き面172は、第1の平面169に対して角度付けられた第2の平面175を画定し、角度αは、10度~45度の間である。従って、上方角度付き面172及び下面168は、楔形の構成を画定する。角度αの相対的な量は、頸部ブラケットアセンブリ30が垂直平面VPに対する複数の所望の頭部位置のうちの1つに位置決めされることを可能にして、23度~60度の間の所望の背もたれ角度で座席アセンブリ10に位置する人間の頚椎及び頭部領域の人間のような位置決めをシミュレートするために、所望の位置へのベース32に対する第1のブラケット36の枢動回転との組み合わせにおいて、設定される。第2のブラケット34の楔形構成のために、上方角度付き面172及び下面168の少なくとも1つ(又は第2及び第1の平面175、169の少なくとも1つ)は、ベース32のベース平面BPに対して常に角度付けられ、ベース32に対するマウント35の枢動に依存して、上方角度付き面172及び下面168の両方(すなわち、第2及び第1の平面175、169の両方)は、ベース32のベース平面BPに対して角度付けられてよい。
【0062】
複数の頭部アセンブリ開口174が、上方角度付き面172内で上方角度付き面172に対して法線方向に延び、頭部アセンブリ14を第2のブラケット34に固定するために使用される対応する締結部材176を受け入れるように構成される。加えて、複数の第1の開口178が、脚162のそれぞれの1つの脚の下方平坦面164と上方角度付き面172との間に延在し、第1の開口178のそれぞれ1つは、下方段状部分102の第1のペアの開口116のそれぞれ1つと整列させられ、第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために締結部材120を受け入れるように構成される。その上更に、複数の第2の開口184が、第2のレッジ部分166の下面と上方角度付き面172との間に延在し、第1のペアの第2の開口184が、上方段状部分104の第1のペアの開口126のそれぞれの1つと整列させられ、第1ブラケット36を第2ブラケット34に固定するために締結部材120を受け入れるように構成される。
【0063】
上述のように、ベース32に対する第1のブラケット36の枢動位置は、締結部材152を除去し、ピン150の長さによって画定される回転軸についてベース32に対して第1のブラケット36を枢動させ、次に、締結部材152を再挿入して、この枢動された新しい位置において第1のブラケット36をベース32に固定することによって、修正されてよい。第1のブラケット36の枢動は、次に、連結された第2のブラケット34もベース32に対して旋回させ(すなわち、マウント35は、ベース32に対して枢動し)、故に、マウント35は、連結された脊椎アセンブリ18に対して並びに垂直平面VPに対して連結された頭部アセンブリ14も枢動させ、それによって、脊椎アセンブリ18及び垂直平面VPに対する頭部アセンブリ14の角度調整を可能にする。
【0064】
衝突試験ダミー12が垂直平面VPに対しする可変の脊椎角度で位置決め及び再位置決めされるときに、本開示の頸部ブラケットアセンブリ30を用いて頭部及び頸部アセンブリ14、16の位置決めを調節して、頭部アセンブリ14の頭部位置を脊椎平面SP及び垂直平面VPに対する所望の位置に維持する方法を図示するために、図10A図10Cが提供される。
【0065】
先ず図10Aを参照すると、人型試験デバイス12は、先ず図3図9の頸部ブラケットアセンブリ30で位置付けられ、脊椎平面SPは、垂直平面VPに対して第1の背もたれ位置β1に設定されている。図示のように、頸部ブラケットアセンブリ30が位置付けられ、ベース平面BPは、概ね水平であり、よって、垂直平面VPに対して法線方向にある。よって、第2の平面175は、垂直平面VPに対して角度付けられ、湾曲した頸部軸NAは、第1のブラケット34の上方に延び、頭部アセンブリ14内に入る。従って、脊椎アセンブリSAの湾曲と反対に湾曲する頸部軸NAの湾曲は、それが概ね垂直であり、よって、垂直平面VPに平行であり且つ垂直平面VPから離間する垂直平面に沿って延在するような、湾曲である。この垂直位置決めは、頸部軸NAに対して法線方向に延びる頭部位置決め軸HPA1が、概ね水平に延びることを可能にする。HPA1によって図10Aに図示されるように、概ね水平な頭部位置決め軸は、複数の所望の頭部及び頸部位置のうちの1つを表し、それは衝突試験ダミー12の頭部アセンブリ14の目の位置付け及び視角に概ね対応する(図10Aに示すように、図示しないダミー12の目は、頭部位置決め軸HPA1に沿って頭部アセンブリ14から左向きに見える)。他の所望の頭部及び頸部位置は、衝突試験ダミー12が第1の背もたれ位置β1又は第2の背もたれ位置β2に位置するかどうかに依存して、水平から少ない数又は垂直平面VPに対して法線方向の水平平面に対して+/-15ラジアンのようなラジアンだけ異なってよい。
【0066】
次に、図10Bにおいて、人型試験デバイス12は、ダミー12全体を時計回りの回転方向において(第2の背もたれ位置β2における垂直平面VPに対する脊椎平面SPの差に対応する)37度回転させることによって、第2の背もたれ位置β2に再位置決めされている。図10Bが図示するように、脊椎角度β2が60度であるような時計方向における回転は、頭部位置決め軸HPAも37度回転させる。その上更に、ベース平面BPも、実質的に水平な構成から角度付き構成に回転する。一層更に、第2の平面175は、上面172と下面166との間の角度αに依存して、最初により水平な構成に向かって回転する。図10Aにおけるように、ダミー12の眼が図2におけるように左向きにHPA2に沿って見えると仮定すると、これは水平平面より上の上方を見る眼をもたらす。
【0067】
図10Cに示すように、所望でない位置にある人型試験デバイス12の頭部及び頸部位置をもたらす新しい頭部位置決め軸HPA2を補償するために、頸部ブラケットアセンブリ30のマウント35は、次に、再位置決めステップに対して反対の回転方向において枢動させられて、上記で行われた背もたれ角度を増加させる。この枢動運動は、頸部角度NAを垂直平面VPに対するより垂直な位置付けに移動させ、マウント35の回転の程度に依存して、頭部及び頸部アセンブリが、新しい頭部位置決め軸HPA3によって示すような、所望の頭部及び頸部位置のうちの1つに戻るように、頸部角度NAを移動させる。
【0068】
図10A図10Cが図示するように、より望ましい頭部及び頸部位置への脊椎アセンブリ18及び垂直平面VPに対する頭部アセンブリ14の位置決めの小さな角度的な修正は、衝突試験に対する、駆動姿勢又はリクライニング姿勢(すなわち、脊椎平面SPは垂直平面VPに対して角度β1又はβ2で整列させられている)のいずれかにおける着座アセンブリ10上に位置する人型試験デバイス12の人間のような反応をより正確にシミュレートするために、迅速かつ容易に実現されることができる。その上、そのような修正は、頸部アセンブリ16を完全に分解することを必要とせずに、且つ/或いは頸部アセンブリ16を頭部アセンブリ14又は脊椎アセンブリ18から分解することを必要とせずに、行なわれることができる。
【0069】
図10A図10Cには示されていないが、頸部角度NA(故に、頭部位置決め軸HPA)を変更するためにベース32に対してマウント35を回転させてことに加えて、ユーザは、ピン281について上方頸部/頭部枢動可能ブラケットアセンブリ275を枢動させ、それによって、頸部アセンブリ16及び頸部軸NAに対して頭部アセンブリ14を調整して、所望の頭部位置のうちの1つに対する追加的な修正を達成することもできる。
【0070】
代替的な関連する実施形態では、第2のブラケット34が上述したような単一の構成において第1のブラケット36に固定的に固定されるのに対し、代替的な実施形態において、第2のブラケット34は、移行領域170が第1のブラケット36の対応する移行部分106から異なる距離で離間する複数の構成のうちのいずれか1つにおいて、第1のブラケット36に固定されてよい。
【0071】
図11図16に図示するような、これらの代替的な実施形態の1つにおいて、2つの代替的な構成が示されており、そのうちの第1の構成(図11及び16Aを参照)において、第2のブラケット34は、第1のブラケット36に固定的に固定され、移行領域170は、第1のブラケット36(すなわち、第1の構成)の対応する移行部分106から最大距離で離間する。第2の構成では、図12及び図16Bに示すように、第2のブラケット34は、第1のブラケット36に固定的に固定され、移行領域170は、第1のブラケット36の対応する移行部分106から最小距離で離間し、よって、移行領域170は、第1のブラケット36の対応する移行部分106に隣接して整列させられる。
【0072】
第1のブラケット36が、これらの2つの代替的な構成において第2のブラケット34に固定的に固定されることを可能にするために、並びに第1のブラケット34が、2つの代替的な構成のいずれかにおいて最下方プレート244に連結されることを可能にするために、第1及び第2のブラケット36、34は、それぞれ、代替的な連結を可能にするための追加的な代替的な開口を含む。
【0073】
特に、第1のブラケット36の下方段状部分102は、上面112から下面114に向かって延びる複数のペアの離間した第1の開口116を含み、以下で更に記載するように、1つのそれぞれのペアの第1の開口116a(図12図15を参照)は、第2のブラケットが第1の構成にあるときに第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために使用される対応する締結部材120を受け入れるように構成され、第2のペアの第1の開口116bは、第2のブラケットが第2の構成にあるときに第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために使用される対応する締結部材120を受け入れるように構成される。第1及び第2のペアの開口116a及び116bの間の追加的なペアの開口(図示せず)も想定される。
【0074】
加えて、第2のブラケット36は、脚162のそれぞれ1つの脚の上方角度付き面172と下方平坦面164との間に延びる複数の第1の開口178を含み、第1の開口178のそれぞれ1つは、下方段状部分102の第1のペアの開口116aのそれぞれ1つと整列させられ、第1の構成において第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために締結部材120を受け入れるように構成され、第1の開口178のそれぞれ1つは、下方段状部分102の第2のペアの開口116bのそれぞれ1つと整列させられ、第2の構成において第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために締結部材120を受け入れるように構成される。
【0075】
その上更に、複数の第2の開口184が、第2のレッジ部分166の下面168と上方角度付き面172との間に延在し、第1のペアの第2の開口184a(図11を参照)が、上方段状部分104の第1のペアの開口126aのそれぞれ1つと整列させられ、第1の構成において第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために締結部材120を受け入れるように構成される。第2のペアの第2の開口184bは、上方段状部分104の第2のペアの開口126bのそれぞれ1つと整列させられ、第2の構成において第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために締結部材120を受け入れるように構成される。
【0076】
第1の構成において第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために、図11及び図16Aに最も良く示されるように、第2のブラケット34は、第2のブラケット34の移行領域170が第1のブラケット36の移行領域106から離間し、第1のペアの第2の開口184aが上方段状部分104の第1のペアの開口126aのそれぞれ1つと整列させられた状態で、第1のブラケット36上に位置付けられる。締結部材120は、第1のブラケット36の上方段状部分104を第2のブラケット34に固定するために、整列させられた開口184a、126aを通じて導入され、追加的な締結部材120が、第1のブラケット36の下方段状部分102を第2のブラケット34に固定するために、整列させられた開口178、116aを通じて導入される。次に、第1のブラケット36は、締結具176を用いて下方取付プレート244に固定されてよい。
【0077】
対照的に、第2の構成において第1のブラケット36を第2のブラケット34に固定するために、図12及び16Bに最も良く示されるように、第2のブラケット34は、第2のブラケット34の移行領域170が第1のブラケット36の移行領域106に隣接して位置決めされ、第2のペアの第2の開口184bが上方段状部分104の第2のペアの開口126bのそれぞれの1つと整列させられるように、第1のブラケット32に対して後方にシフトされる。締結部材120は、第1のブラケット36の上方部分104を第2のブラケット34に固定するために、整列させられた開口126b、184bを通じて挿入され、追加的な締結部材120が、第1のブラケット36の下方段状部分102を第2のブラケット34に固定するために、整列させられた開口178、116bを通じて導入される。次に、第1のブラケット36は、締結具176を用いて下方取付プレート244に固定されてよい。
【0078】
図示していない更なる実施形態では、第2のブラケット34を第1のブラケット36に固定するための複数の追加的な構成が、上述の第1の構成と第2の構成との間で想定され、第2のブラケット34の移行領域170は、第1の構成におけるよりも第1のブラケット36の移行領域106により近く位置付けられるが、第2の構成における第1のブラケット36の移行領域106よりも遠くに位置付けられる。一例として、第2のブラケット34にある第1の開口184aは、第1のブラケット34の上方段状部分104にある開口126bと整列させられてよく、開口178は、開口116a又は116bとは別個の下方段状部分102にある第3のペアの開口116と整列させられ、締結部材120が、第2のブラケット34を第1のブラケット34に固定するために、整列させられたペア184a、126b及び178、116と共に挿入される。他の例において、連結される第1及び第2のペア126a、126bの間の更なるペアの開口126が、上方段状部分104に含められ、第2のブラケット34にある第1の開口184aは、そのような開口と整列させられてよく、締結部材120が、第2のブラケット34を第1のブラケット34に固定するために、整列させられたペア184a、126、及び178、116と共に挿入される。
【0079】
第1の構成と第2の構成との間で第2のブラケット34の第1のブラケット36をシフトさせることは、上述のようにベース32に対してマウント35を枢動させることに加えて、所望の頭部位置のうちの1つにおいて頭部及び頸部アセンブリ14、16で頭部ブラケットアセンブリ30を固定する追加的な方法を備える頭部ブラケットアセンブリ30を提供する。特に、シフトすることは、頸部軸NAが頸部ブラケットアセンブリ30の下方の脊椎軸SAの平面により近接して整列させられることを可能にして、選択される背もたれ角度β1又はβ2に関連する脊椎角度のいずれかで衝突試験ダミー12に追加的な安定性を提供することがある。
【0080】
本開示は、仮想人型試験デバイスを生成し、コンピュータに含められるソフトウェアアプリケーションを用いて仮想衝突試験において生成された仮想人型試験デバイスを評価する、システム1000も記載する。人型試験デバイスは、上述したような、頸部ブラケットアセンブリ30の構成及び構成要素の全てと、人型試験デバイス20の関連する追加的な構成要素とを含む、上述の人型試験デバイスの仮想表現である。
【0081】
ここで図17を参照すると、コンピュータ1030は、少なくとも1つのプロセッサ1032、メモリ1034、大容量記憶メモリデバイス1036、入出力(I/O)インターフェース1038、及びヒューマンマシンインターフェース(HMI)1040を含んでよい。コンピュータ1030は、ネットワーク1013及び/又は入出力インターフェース1038を介して1つ以上の外部リソース1042に動作的に連結されてもよい。外部リソースは、サーバ、データベース、大容量記憶装置デバイス、周辺デバイス、クラウドベースのネットワークサービス、又はコンピュータ1030によって使用されることがある任意の他の適切なコンピューティングリソースを含んでよいが、これらに限定されない。
【0082】
プロセッサ1032は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態マシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、又はメモリ1034に格納される動作命令に基づいて信号(アナログ又はデジタル)を操作する任意の他のデバイスから選択される、1つ以上のデバイスを含んでよい。メモリ1034は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、又は情報を格納し得る任意の他のデバイスを含むが、これらに限定されない、単一のメモリデバイス又は複数のメモリデバイスを含んでよい。大容量記憶メモリデバイス1036は、ハードドライブ、光学ドライブ、テープドライブ、不揮発性ソリッドステートデバイス、又は情報を格納し得る任意の他のデバイスのような、データ記憶デバイスを含んでよい。データベース1044は、大容量記憶メモリデバイス1036上に存在してよく、本明細書に記載する様々なシステム及びモジュールによって使用されるデータを収集し且つ編成するために使用されてよい。
【0083】
プロセッサ1032は、メモリ1034内に存在するオペレーティングシステム1046の制御の下で作動してよい。オペレーティングシステム1046は、メモリ1034内に存在するアプリケーション1048のような、1つ以上のコンピュータソフトウェアアプリケーションとして具現されたコンピュータプログラムコードがプロセッサ1032によって実行される命令を有するように、コンピューティングリソースを管理してよい。代替的な実施形態において、プロセッサ1032は、アプリケーション1048を直接的に実行してよく、その場合、オペレーティングシステム1046は省略されてよい。1つ以上のデータ構造1050も、メモリ1034内に存在してよく、データを記憶又は操作するために、プロセッサ1032、オペレーティングシステム1046、及び/又はアプリケーション1048によって使用されてよい。本明細書で提供されるようなソフトウェアアプリケーション1048は、仮想人型試験デバイス10’を生成するソフトウェアアプリケーションと、仮想衝突試験設定において生成された仮想人型試験デバイス10’を評価するソフトウェアアプリケーションとを含む。
【0084】
I/Oインターフェース1038は、プロセッサ1032をネットワーク1013及び/又は外部リソース1042のような他のデバイス及びシステムに動作的に連結する機械インターフェースを提供してよい。それにより、アプリケーション1048は、本発明の実施形態を含む様々な構成、機能、アプリケーション、プロセス、及び/又はモジュールを提供するために、I/Oインターフェース1038を介して通信することによって、ネットワーク1013及び/又は外部リソース1042と協働して動作してよい。アプリケーション1048は、1つ以上の外部リソース1042によって実行されるプログラムコードを有してもよく、さもなければ、コンピュータ1030の外部の他のシステム又はネットワーク構成要素によって提供される機能及び/又は信号に依存してよい。実際には、ほぼ無限のハードウェア及びソフトウェア構成が可能であることを考えると、当業者は、本発明の実施形態が、コンピュータ1030の外部に配置される、複数のコンピュータ又は他の外部リソース1042に分散される、或いはクラウドコンピューティングサービスのようなネットワーク1013を通じたサービスとして提供されるコンピューティングリソース(ハードウェア及びソフトウェア)によって提供されるアプリケーションを含んでよいことを理解するであろう。
【0085】
HMI1040は、コンピュータ1030のユーザがコンピュータ1030と直接的に対話することを可能にするために、既知の方法でコンピュータ1030のプロセッサ1032に動作的に連結されてよい。HMI1040は、ビデオ及び/又は英数字ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、及びユーザに情報を提供し得る任意の他の適切なオーディオ及び視覚インジケータを含んでよい。HMI1040は、ユーザからのコマンド又は入力を受け入れ、入力された入力をプロセッサ1032に送信することができる、英数字キーボード、ポインティングデバイス、キーパッド、押しボタン、制御ノブ、マイクロホンなどのような、入力デバイス及び制御装置を含んでもよい。
【0086】
胸椎アセンブリ(thoracic spine assembly)内の関節(joints)と共に、本開示の頸部ブラケットアセンブリ30は、乗車姿勢及びリクライニング乗車姿勢について人間の乗員を代表するよう、人型試験デバイスの頭部及び頸部アセンブリを所望の頭部及び頸部位置に正しく位置決めする機能を提供する。
【0087】
本発明は、図示の仕方で記載されている。使用されている用語は、限定ではなく、記述の言葉の性質を有することが意図されていることが理解されるべきである。
【0088】
上記教示に照らして、本発明の多くの修正及び変形が可能である。従って、本発明は、具体的に記載される以外の方法で実施されることがある。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17