(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】データ信号品質に基づくライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定の決定
(51)【国際特許分類】
H04B 10/114 20130101AFI20220708BHJP
H04B 10/079 20130101ALI20220708BHJP
H05B 47/195 20200101ALI20220708BHJP
【FI】
H04B10/114
H04B10/079 150
H05B47/195
(21)【出願番号】P 2021521304
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(86)【国際出願番号】 EP2019077080
(87)【国際公開番号】W WO2020078755
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-06-10
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】アリアクセイエウ ディミトリ ヴィクトロヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ スルイス バルテル マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】エンゲレン ディルク ヴァレンティヌス レネ
(72)【発明者】
【氏名】エレン ムスターファ トルガ
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-015723(JP,A)
【文献】特開2011-199846(JP,A)
【文献】特表2017-516347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/58
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のライトのセットの1つ以上から受けるデータ信号の
信号品質に基づいてライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定するためのシステムであって、当該システムは、
少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサは、
目標光レベルを取得する、
前記目標光レベルに基づいて1つ以上のライトのセットに対する第1のセットのライト設定及び/又は1つ以上の昼光ブロッカのセットに対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、
前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、
ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるデータ信号の
信号品質を示す情報を受け、前記データ信号は、光信号を変調することによって送信され、前記信号品質は、前記ユーザデバイスによって決定される、
前記第1のセットのライト設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第2のセットのライト設定並びに/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、及び
前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、
ように構成される
、システム。
【請求項2】
前記決定された信号品質は、信号対雑音比及び/又はデータレートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるさらなるデータ信号のさらなる信号品質を示すさらなる情報を受け、前記さらなるデータ信号は、光信号を変調することによって送信される、
前記第2のセットのライト設定及び前記さらなる信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第3のセットのライト設定並びに/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定及び前記さらなる信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第3のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、及び
前記第3のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第3のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、
ように構成される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ライトのセットは、少なくとも1つの非可視光ライトを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの非可視光ライトは、赤外光を発するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ライトのセットは、データ信号を送信するライトのみを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
目標可視光レベルを取得する、
前記目標光レベル及び前記目標可視光レベルに基づいて前記1つ以上のライトのセットに対する前記第1のセットのライト設定及び1つ以上のライトのさらなるセットに対する第1のセットのさらなるライト設定を決定し、前記ライトのさらなるセットは、データ信号を送信しないライトのみを含む、
前記第1のセットのさらなるライト設定に基づいて前記ライトのさらなるセットを制御する、
前記第1のセットのさらなるライト設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記ライトのさらなるセットに対する第2のセットのさらなるライト設定を決定する、及び
前記第2のセットのさらなるライト設定に基づいて前記ライトのさらなるセットを制御する、
ように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記ライトのセットは、データ信号を送信する少なくとも1つのライト及びデータ信号を送信しない少なくとも1つのライトを含む、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記昼光ブロッカのセットを制御するように構成され、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記昼光ブロッカのセットによってブロックされる光量を減少させる結果、前記データ信号の前記信号品質が目標レベルを下回ることになると判断する場合、ユーザが前記昼光ブロッカのセットによってブロックされる光量を減少させることを防止するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
測定された光レベルを取得する、及び
さらに前記測定された光レベルに基づいて前記ライトのセットに対する前記第1のセットのライト設定、ライトのさらなるセットに対する第1のセットのライト設定、及び/又は前記昼光ブロッカのセットに対する前記第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、
ように構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記測定された光レベルが許容可能値の範囲に入らないと判断する場合、前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、
ように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記決定された信号品質が許容可能値の範囲に入らないと判断する場合、前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、
ように構成される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記データ信号を受信する1つ以上のユーザデバイスの1つ以上のユーザデバイス位置及び/又は前記データ信号を受信しない1つ以上のユーザデバイスの1つ以上のユーザデバイス位置を決定する、
前記ライトのセットの1つ以上のライト及び/又は前記昼光ブロッカのセットの1つ以上の昼光ブロッカの1つ以上の光伝送位置を決定する、及び
さらに前記決定された1つ以上のユーザデバイス位置及び前記決定された1つ以上の光伝送位置に基づいて前記ライトのセットに対する前記第1のセットのライト設定、ライトのさらなるセットに対する第1のセットのライト設定、及び/又は前記昼光ブロッカのセットに対する前記第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、
ように構成される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
1つ以上のライトのセットの1つ以上から受けるデータ信号の
信号品質に基づいてライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定する方法であって、
少なくとも1つのプロセッサによって、
目標光レベルを取得することと、
前記目標光レベルに基づいて1つ以上のライトのセットに対する第1のセットのライト設定及び/又は1つ以上の昼光ブロッカのセットに対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定することと、
前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御することと、
ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるデータ信号の
信号品質を示す情報を受けることであって、前記データ信号は、光信号を変調することによって送信され、前記信号品質は、前記ユーザデバイスによって決定される、ことと、
前記第1のセットのライト設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第2のセットのライト設定並びに/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定することと、
前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御することと、
を含む、方法。
【請求項15】
コンピューティングデバイスのためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが前記コンピューティングデバイスの処理ユニットで実行された場合、請求項14に記載の方法を実行するためのコンピュータプログラムコードを含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定するためのシステムに関する。
【0002】
本発明はさらに、ライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定する方法に関する。
【0003】
本発明はまた、コンピュータシステムがそのような方法を実行することを可能にするコンピュータプログラムプロダクトに関する。
【背景技術】
【0004】
インテリジェント光制御は、エネルギ消費及び温室効果ガス排出を削減するための最も経済的に実行可能な手段の1つとして認識されている。ブラインド及びライトの自動制御を組み合わせたトータルライトマネジメント(TLM:Total Light Management)システムは、商業ビルの気候に応じて照明エネルギコストを30~60%削減できる可能性があることから注目されている。TLMシステムの主な側面は、昼光と人工照明のバランスをとることで、昼光を最大化する(エネルギ的考察)及び好みの光レベルを維持するという2つの目標を追求することである。
【0005】
トータルライトマネジメント制御は、ブラインド及びライトを自動的に制御するやり方を提案する。自動ブラインド及びライト制御の1つのやり方は、センサに基づく連続的な閉ループ制御によって達成される。これは、屋内光センサが内側光レベルを測定し、屋内セットポイントと比較されるというフィードバックループ方式で行われる。屋内セットポイントからのずれは、この差を最小にするためにブラインド及びライトの調整につながる。
【0006】
US 2014/0225512 A1は、このようなTLMシステムを開示している。US 2014/0225512に開示されているTLMシステムは、デュアルモード光センサを使用することにより、個々の光成分、すなわち、全光、電灯光及び外部光を測定し、この情報を使用して、ユーザの要求を満たすと共にエネルギ消費を低減すべく照明条件を最適に制御する。一実施形態では、電灯は、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)を使用し、デュアルモードセンサは、これを使用して電灯光と外部光を区別するように構成される。
【0007】
TLMシステムの普及に加えて、従来のWi-Fi接続に対する魅力的な代替になりつつある新たな接続形態として、LiFiの急成長、すなわち、データ送信のための光の使用が期待されている。LiFiでは、データは、可視光源又は非可視光源の光出力信号を変調することによって送信される。LiFiは、全般照明にも使用される光源と組み合わされることがよくある。LiFiの限界の1つは、光源がある閾値よりも明るいことを必要とすることである。さもなければ、LiFiは機能することができないであろう。しかしながら、LiFiに最適なライト設定は、ブラインド及びライトを制御するTLMシステムと相反する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第1の目的は、LiFiの要件を考慮しながら、好ましい光レベルを維持するためにライト及び/又は昼光ブロッカを制御することができるシステムを提供することである。
【0009】
本発明の第2の目的は、LiFiの要件を考慮しながら、好ましい光レベルを維持するためにライト及び/又は昼光ブロッカを制御することができる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様において、ライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定するためのシステムは、目標光レベルを取得する、前記目標光レベルに基づいて1つ以上のライトのセットに対する第1のセットのライト設定及び/又は1つ以上の昼光ブロッカのセットに対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、及び、ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるデータ信号の品質を示す情報を受け、前記データ信号は、光信号を変調することによって送信され、前記信号品質は、前記ユーザデバイスによって決定される、ように構成される、少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0011】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記第1のセットのライト設定及び測定された前記信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第2のセットのライト設定並びに/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定及び測定された前記信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、及び、前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、ように構成される。測定された前記信号品質は、例えば、信号対雑音比及び/又は(例えば、最大/基準データレートに対する)データレートを含んでもよい。
【0012】
ユーザデバイスにデータ信号の品質を測定させ、これをフィードバックとしてシステムへ提供させて、1つ以上のライト及び/又は1つ以上の昼光ブロッカを制御することにより、システムは、この情報を使用して、好ましい光レベルを維持するとともに、LiFiの要件を満たすことができる。例えば、昼光が好ましい光レベルを達成するのに十分であっても、人工ライト及び昼光ブロッカの両方が、LiFiが正常に使用されることも可能にしながら同じ好ましい光レベルを達成するために作動されてもよい。
【0013】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるさらなるデータ信号のさらなる信号品質を示すさらなる情報を受け、前記さらなるデータ信号は、光信号を変調することによって送信される、前記第2のセットのライト設定及び前記さらなる信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第3のセットのライト設定を決定する並びに/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定及び前記さらなる信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第3のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、及び、前記第3のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第3のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、ように構成されてもよい。
【0014】
繰り返しユーザデバイスにデータ信号の品質を決定(例えば、測定)させ、これをフィードバックとしてシステムへ提供させることにより、及び、繰り返しシステムにこの情報に基づいてライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定させることにより、ユーザデバイスが移動する、又は新しいユーザデバイスが建物に入る場合でも、LiFiの要件が満たされることが保証されてもよい。
【0015】
前記ライトのセットは、1つ以上の非可視光ライト、例えば、赤外(IR:infrared)光を発するように構成される1つ以上の非可視光ライトを含んでもよい。IRベースのLiFiは、より高い帯域幅のため、又は他の利点に起因して好ましくあり得る。
【0016】
前記ライトのセットは、データ信号を送信するライトのみを含んでもよい。この場合、目標光レベルは、典型的には、データ信号を送信する光に対する最小又は初期光レベルである。データ信号を送信しない可視光ライトも制御される必要がある場合、前記少なくとも1つのプロセッサは、目標可視光レベルを取得する、前記目標光レベル及び前記目標可視光レベルに基づいて前記1つ以上のライトのセットに対する前記第1のセットのライト設定及び1つ以上のライトのさらなるセットに対する第1のセットのさらなるライト設定を決定し、前記ライトのさらなるセットは、データ信号を送信しないライトのみを含む、前記第1のセットのさらなるライト設定に基づいて前記ライトのさらなるセットを制御する、前記第1のセットのさらなるライト設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記ライトのさらなるセットに対する第2のセットのさらなるライト設定を決定する、及び、前記第2のセットのさらなるライト設定に基づいて前記ライトのさらなるセットを制御する、ように構成されてもよい。
【0017】
可視光に対する目標光レベルのみではなく、データ信号を送信する光に対する目標光レベル(例えば、最小又は初期光レベル)及び可視光に対する目標光レベル(例えば、所望の可視光レベル)の両方を使用することにより、データ信号の所望の品質がより素早く達成され得る。
【0018】
代替的に、前記ライトのセットは、データ信号を送信する少なくとも1つのライト及びデータ信号を送信しない少なくとも1つのライトを(既に)含んでもよい。この場合、目標光レベルは、典型的には、可視光に対する最小及び/又は最大光レベルである。
【0019】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記昼光ブロッカのセットによってブロックされる光量を減少させる結果、前記データ信号の前記信号品質が目標レベルを下回ることになると判断する場合、ユーザが前記昼光ブロッカのセットによってブロックされる光量を減少させることを防止するように構成されてもよい。昼光が人工的な光と干渉して、データ信号の信号品質を悪化させる可能性があるため、ユーザが昼光ブロッカのセットによってブロックされる光量を減少させることを防止することは、十分なデータ信号品質を維持するのに役立つ。
【0020】
前記少なくとも1つのプロセッサは、測定された光レベルを取得する、及び、さらに前記測定された光レベルに基づいて前記ライトのセットに対する前記第1のセットのライト設定、ライトのさらなるセットに対する第1のセットのライト設定、及び/又は前記昼光ブロッカのセットに対する前記第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、
ように構成されてもよい。これは、可視光に対する目標光レベルが定義されている場合に有益であり、この好ましい光レベルがより正確に達成されることを可能にする。光レベルは、例えば、ターゲット面、例えば、机又は机の高さで測定されてもよい。
【0021】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記測定された光レベルが許容可能値の範囲に入らないと判断する場合、前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、ように構成されてもよい。これは、ユーザに気づかれる可能性がある、設定が不必要に頻繁に変更されることを防止する。設定は、必要と考えられる場合にのみ変更される。
【0022】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記決定された信号品質が許容可能値の範囲に入らないと判断する場合、前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御する、ように構成されてもよい。これは、ユーザに気づかれる可能性がある、設定が頻繁に変更されることを防止する。設定は、必要と考えられる場合にのみ変更される。
【0023】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記データ信号を受信する1つ以上のユーザデバイスの1つ以上のユーザデバイス位置及び/又は前記データ信号を受信しない1つ以上のユーザデバイスの1つ以上のユーザデバイス位置を決定する、前記ライトのセット及び/若しくはライトのさらなるセットの1つ以上のライト及び/又は前記昼光ブロッカのセットの1つ以上の昼光ブロッカの1つ以上の光伝送位置(light transmission position)を決定する、及び、さらに前記決定された1つ以上のユーザデバイス位置及び前記決定された1つ以上の光伝送位置に基づいて前記ライトのセットに対する前記第1のセットのライト設定、前記ライトのさらなるセットに対する第1のセットのライト設定、及び/又は前記昼光ブロッカのセットに対する前記第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、ように構成されてもよい。これは、LiFiが使用されない場所でLiFi光源が減光又はオフされることを可能にする、及び/又は、目標光レベルが低い場所で一般的に光源が減光されることを可能にする、及び/又は、ユーザ(すなわち、ユーザデバイス)が存在しない若しくはLiFiが必要とされない場所で昼光ブロッカは非アクティブであることを可能にする。
【0024】
本発明の第2の態様において、ライト設定及び/又は昼光ブロッカ設定を決定する方法は、目標光レベルを取得することと、前記目標光レベルに基づいて1つ以上のライトのセットに対する第1のセットのライト設定及び/又は1つ以上の昼光ブロッカのセットに対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定することと、前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御することと、ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるデータ信号の品質を示す情報を受けることであって、前記データ信号は、光信号を変調することによって送信され、前記信号品質は、前記ユーザデバイスによって決定(例えば、測定)される、ことと、前記第1のセットのライト設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第2のセットのライト設定並びに/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定することと、前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御することと、を含む。前記方法は、プログラマブルデバイスで実行されるソフトウェアによって実行されてもよい。このソフトウェアは、コンピュータプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0025】
さらに、本明細書で説明される方法を実践するためのコンピュータプログラム、並びに、そのコンピュータプログラムを記憶している非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイスによってダウンロードされるか、又は、既存のデバイスにアップロードされてもよく、あるいは、これらのシステムの製造時に記憶されてもよい。
【0026】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つのソフトウェアコード部分を記憶し、ソフトウェアコード部分は、コンピュータによって実行又は処理されると、目標光レベルを取得することと、前記目標光レベルに基づいて1つ以上のライトのセットに対する第1のセットのライト設定及び/又は1つ以上の昼光ブロッカのセットに対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定することと、前記第1のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御することと、ユーザデバイスから、前記ライトのセットの1つ以上のライトから前記ユーザデバイスによって受信されるデータ信号の品質を示す情報を受けることであって、前記データ信号は、光信号を変調することによって送信され、前記信号品質は、前記ユーザデバイスによって決定される、ことと、前記第1のセットのライト設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記ライトのセットに対する第2のセットのライト設定並びに/又は前記第1のセットの昼光ブロッカ設定及び前記決定された信号品質に基づいて前記昼光ブロッカのセットに対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定することと、前記第2のセットのライト設定に基づいて前記ライトのセット及び/又は前記第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて前記昼光ブロッカのセットを制御することと、を含む、実行可能オペレーションを実行するように構成される。
【0027】
当業者には理解されるように、本発明の諸態様は、デバイス、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化されてもよい。したがって、本発明の諸態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等を含む)、あるいは、ソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態を取ってもよく、それらは全て、本明細書では「回路」、「モジュール」、又は「システム」と総称されてもよい。本開示で説明される機能は、コンピュータのプロセッサ/マイクロプロセッサによって実行される、アルゴリズムとして実装されてもよい。更には、本発明の諸態様は、1つ以上のコンピュータ可読媒体として具現化されている、コンピュータプログラム製品の形態を取ってもよく、1つ以上のコンピュータ可読媒体は、その上に具現化されている、例えば記憶されている、コンピュータ可読プログラムコードを有する。
【0028】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが、利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体の、システム、装置、若しくはデバイス、あるいは、上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。より具体的なコンピュータ可読記憶媒体の例としては、限定するものではないが、1つ以上のワイヤを有する電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(random access memory;RAM)、読み出し専用メモリ(read-only memory;ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(erasable programmable read-only memory;EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(portable compact disc read-only memory;CD-ROM)、光学記憶デバイス、磁気記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせを挙げることができる。本発明の文脈では、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、又は記憶することが可能な、任意の有形媒体であってもよい。
【0029】
コンピュータ可読信号媒体としては、例えばベースバンド内又は搬送波の一部として、その内部に具現化されているコンピュータ可読プログラムコードを有する、伝搬データ信号を挙げることができる。そのような伝搬信号は、限定するものではないが、電磁気、光学、又はこれらの任意の好適な組み合わせを含めた、様々な形態のうちのいずれを取ってもよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラムを、通信、伝搬、又は伝送することが可能な、任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0030】
コンピュータ可読媒体上に具現化されているプログラムコードは、限定するものではないが、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RF等、又は上述の任意の好適な組み合わせを含めた、任意の適切な媒体を使用して送信されてもよい。本発明の諸態様に関する動作を実施するためのコンピュータプログラムコードは、Java(商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、及び、「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語を含めた、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書き込まれてもよい。このプログラムコードは、スタンドアロン型ソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(local area network;LAN)若しくは広域ネットワーク(wide area network;WAN)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。
【0031】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の、フローチャート図及び/又はブロック図を参照して、本発明の諸態様が以下で説明される。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装されることができる点が理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、マシンを作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置の、プロセッサ、特にマイクロプロセッサ又は中央処理ユニット(central processing unit;CPU)に提供されてもよく、それにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスのプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するための手段を作り出す。
【0032】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することが可能な、コンピュータ可読媒体内に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読媒体内に記憶されている命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施する命令を含む、製品を作り出す。
【0033】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、それらのコンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、それにより、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図のブロック内で指定されている機能/行為を実施するためのプロセスを提供する。
【0034】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本発明の様々な実施形態によるデバイス、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装の、アーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードのモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。また、一部の代替的実装形態では、ブロック内に記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい点にも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、それらブロック図及び/又はフローチャート図内のブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する専用ハードウェアベースのシステム、又は、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実施されることができる点にも留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の図面から明らかであり、例として、それらの図面を参照して更に解明されるであろう。
【
図6】システムをコンフィギュレーションするためのユーザインターフェースの一例を示す。
【
図7】ブラインドを手動で制御するためのユーザインターフェースの一例を示す。
【
図8】本発明の方法を実行するための例示的なデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図面中の対応する要素は、同じ参照番号によって示される。
【0037】
図1は、本システムの一実施形態、コントローラ1を示している。システム1は、例えばオフィスビル又は家等の建物11に位置する。システム1は、2つの可視光LiFiライト13、14、2つの可視光非LiFiライト16、17、2つの(非可視光)IR LiFiライト24、25、及び、2つの昼光ブロッカ(daylight blocker)21、22を制御する。昼光ブロッカ21、22は、ブラインド又は任意の他のタイプの昼光ブロッカ機構、例えば、電動カーテン又は切替可能ガラス(switchable glass)を含んでもよい。システム1は、各々が光センサ29を含む、光センサデバイス27、28から、及び、可視光LiFiライト14から、測定された光レベルを受ける。光センサデバイス28は、建物11の内部に位置する、例えば、天井に取り付けられ、光センサデバイス27は、建物11の外部に位置する。
【0038】
図1に示される例では、1つのユーザデバイス、ユーザデバイス31が、建物11に位置する。ユーザデバイス31は、利用可能なLiFi接続を介してインターネットにアクセスする。ユーザデバイス31は、LiFiライト13、14、24、25からデータを受信する、及び、例えば、可視光及び/又は赤外(IR)光を使用して、LiFiライト13、14、24、25にデータを送信する。
【0039】
コントローラ1は、トランシーバ3、プロセッサ5及びメモリ7を含む。プロセッサ5は、目標光レベルを取得する、目標光レベルに基づいてライト13、14、16、17、24及び/若しくは25に対する第1のセットのライト設定並びに/又は昼光ブロッカ21及び/若しくは22に対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、及び、第1のセットのライト設定に基づいてライト13、14、16、17、24及び/若しくは25を制御する並びに/又は第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて昼光ブロッカ21及び/若しくは22を制御するように構成される。
【0040】
さらに、プロセッサ5は、ユーザデバイス31から、ライト13、14、24及び/又は25のうちの1つ以上からユーザデバイス31によって受信されるデータ信号の品質を示す情報を受けるように構成される。データ信号は、光信号を変調することによりこのライト又はこれらのライトによって送信される。信号品質は、ユーザデバイス31によって決定される。
図1の実施形態では、信号品質は、ユーザデバイス31によって測定される。測定された信号品質は、例えば、信号対雑音比及び/又は(例えば、最大/基準データレートに対する)データレートを含んでもよい。追加的に、LiFi信号の品質は、固定デバイス、例えば、ライト13、14、16、17、24及び/若しくは25によって並びに/又は光センサデバイス27及び/若しくは28によって測定され、コントローラ1にフィードバックされてもよい。
【0041】
プロセッサ5はまた、第1のセットのライト設定及び測定された信号品質に基づいてライト13、14、16、17、24及び/若しくは25に対する第2のセットのライト設定並びに/又は第1のセットの昼光ブロッカ設定及び測定された信号品質に基づいて昼光ブロッカ21及び/若しくは22に対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定する、及び、第2のセットのライト設定に基づいてライト13、14、16、17、24及び/若しくは25並びに/又は第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて昼光ブロッカ21及び/若しくは22を制御するように構成される。
【0042】
図1の実施形態では、コントローラ1は、以下の挙動(behavior)を実装する。
【0043】
・ LiFiが使用されない場合、コントローラ1は、従来のTLMシステムとして挙動する、すなわち、昼光を最大化する(エネルギ的考察)及び可視光に対する目標光レベルを維持する。
【0044】
・ LiFiが使用される場合、人工的なライトは、所望の信号品質を達成するために最小限の明るさを使用する。状況によっては、これは、コントローラ1が、可視光に対する目標光レベルが昼光によって達成されていても人工的なライトを減光することを防止する。システム設定に依存して、コントローラ1は、昼光ブロッカを操作する(例えば、ブラインドを部分的に閉じる)ことによって目標光レベルを超えることなく該目標光レベルを達成してもよい。
【0045】
・ 太陽光がLiFi信号に干渉する場合、コントローラ1は、このようなレベルの太陽光をグレアを扱うのと同じように扱ってもよい(ブラインドを使って外光の量を減らしてもよい)。太陽光による干渉は、信号の品質を低下させる可能性がある。コントローラ1は、高い昼光レベルが検出される場合、例えば、建物11の外部に位置する光センサデバイス29が高い光レベルを検出する場合、太陽光による干渉が信号品質の低下の原因となり得ると考慮してもよい。コントローラ1は、昼光ブロッカを調整する等の措置を講じた際にLiFi信号が改善するかどうかをチェックしてもよい。
【0046】
・ 十分な自然光が利用可能である場合、コントローラ1は、昼光をブロックしない、例えば、ブラインドを開いたままにする、(広範囲を照らす)LiFiシーリングライトを減光する及び(静的な)LiFiユーザのために(ローカルの)LiFiデスクランプを明るくすることを決定してもよい。この場合、全体照明は、可視光に対する目標光レベルに従って維持され、いくつかのローカルなポイントにおいて、照明は、LiFi通信の目的のためにより高くなる。
【0047】
コントローラ1は、HVAC(Heating、Ventilation、 and Air Conditioning)システムに接続されてもよい。空調は光の伝送よりもエネルギを消費するため、非常に暑い/明るく晴れた日には、コントローラ1が昼光ブロッカ21及び22を閉じて太陽からの熱をブロックして空調の使用量を減らし、ライト13、14、16、17、24及び/又は25のうちの1つ以上をオンにして光の量が依然十分であることを保証することが有益であり得る。
【0048】
図1に示されるコントローラ1の実施形態では、コントローラ1は、1つのプロセッサ5を含む。代替的な実施形態では、コントローラ1は複数のプロセッサを含む。コントローラ1のプロセッサ5は、例えばARMベースの、汎用プロセッサ、又は特定用途向けプロセッサであってよい。コントローラ1のプロセッサ5は、例えば、Unixベースのオペレーティングシステムを実行してもよい。メモリ7は、1つ以上のメモリユニットを含んでもよい。メモリ7は、例えば、1つ以上のハードディスク及び/又はソリッドステートメモリを含んでもよい。メモリ7は、例えば、目標光レベルを記憶するために使用されてもよい。
【0049】
トランシーバ3は、建物における他のデバイス、例えば、ライト、昼光ブロッカ及び光センサデバイスと通信するために1つ以上の通信技術、例えば、Ethernetを使用してもよい。代替的な実施形態では、単一のトランシーバの代わりに複数のトランシーバが使用される。
図1に示される実施形態では、受信機及び送信機は、トランシーバ3に組み合わされている。代替的な実施形態では、1つ以上の別個の受信機構成要素及び1つ以上の別個の送信機構成要素が使用される。コントローラ1は、電源コネクタ等のコントローラに典型的な他の構成要素を含んでもよい。本発明は、1つ以上のプロセッサで実行されるコンピュータプログラムを使用して実装されてもよい。
【0050】
本発明の方法の第1の実施形態が、
図2に示されている。この実施形態では、方法は、
図1のライト16、17、24、25を制御しない。ステップ101は、目標光レベルを取得することを含む。この実施形態では、目標光レベルは、可視光に対する目標光レベルである。ステップ103は、目標光レベルに基づいてライト13及び14に対する第1のセットのライト設定並びに昼光ブロッカ21及び22に対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定することを含む。ステップ105は、第1のセットのライト設定に基づいてライト13及び14並びに第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて昼光ブロッカ21及び22を制御することを含む。
【0051】
ステップ107は、ユーザデバイス31から、ライトのセットの1つ以上のライトからユーザデバイスによって受信されるデータ信号の品質を示す情報を受けることを含む。データ信号は、光信号を変調することによって送信される。信号品質は、ユーザデバイス31によって決定される。ステップ108は、決定された信号品質が、許容可能値の範囲に入るかどうかを判断することを含む。そうでない場合、ステップ109が実行される。そうである場合、ステップ107がある時間後に繰り返される。
【0052】
ステップ109は、第1のセットのライト設定及び決定された信号品質に基づいてライト13及び14に対する第2のセットのライト設定並びに第1のセットの昼光ブロッカ設定及び決定された信号品質に基づいて昼光ブロッカ21及び22に対する第2のセットの昼光ブロッカ設定を決定することを含む。例えば、決定された信号品質が所望のものよりも低い場合、ライト13及び14の光レベル(すなわち、明るさ)が増加されてもよい。両方のライトの光レベルを同じ量だけ増加させることにより、照明の均一性が達成される。代替的に、ライト13及び14の一方の光レベルのみが増加される、又は、ライト13及び14の光レベルが異なる量で増加される。ステップ111は、第2のセットのライト設定に基づいてライト13及び14並びに第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて昼光ブロッカ21及び22を制御することを含む。
【0053】
ステップ111の後、ステップ107がある時間後に繰り返される。ステップ107の第2の反復では、ライトのセットの1つ以上のライトからユーザデバイス31によって受信されるさらなるデータ信号のさらなる信号品質を示すさらなる情報を受ける。さらなるデータ信号は、光信号を変調することによって送信される。ユーザがその間に移動した場合、さらなる信号品質は通常、以前の信号品質とは異なる。ステップ109の第2の反復では、第3の設定が、第2の設定及びさらなる信号品質に基づいて決定される。ステップ111の第2の反復では、第3の設定が、ライト13及び14並びに昼光ブロッカ21及び22を制御するために使用される。
【0054】
図2の実施形態では、ステップ109及び111は、ステップ107で受信される決定された信号品質が許容可能値の範囲に入らない場合にのみ実行される。代替的な実施形態では、ステップ109及び111は常に実行され、ステップ108は省略される。
図3~5の実施形態では、ステップ109及び111は常に実行される。
図3~5の実施形態の変形例では、これらの実施形態は、ステップ108、並びに、ステップ109及び111の条件付き実行(conditional performance)で拡張される。
【0055】
本発明の方法の第2の実施形態が、
図3に示されている。この実施形態では、方法は、
図1のライト24、25を制御しない。ステップ121及び122は、
図2のステップ101を置き換える。ステップ121は、データを送信する光に対する目標光レベルを取得することを含む。ステップ122は、目標可視光レベルを取得することを含む。ステップ123は、
図2のステップ103を置き換える。ステップ123は、データを送信する光に対する目標光レベル及び目標可視光レベルに基づいてライト13及び14に対する第1のセットのライト設定、昼光ブロッカ21及び22に対する第1のセットの昼光ブロッカ設定、並びにライト16及び17に対する第1のセットのさらなるライト設定を決定することを含む。
【0056】
例えば、まず、目標光レベルが達成されるように、ライト13及び14に対するライト設定が決定されてもよく、次に、目標可視光レベルが達成されるように、ライト16及び17に対する並びに昼光ブロッカ21及び22に対する設定が決定されてもよい。ライト13及び14は、データ信号を送信するライトのみを含む。ライト16及び17は、データ信号を送信しないライトのみを含む。
【0057】
ステップ105において、ライト13及び14が、第1のセットのライト設定に基づいて制御され、昼光ブロッカ21及び22が、第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて制御される。ステップ125において、ライト16及び17が、第1のセットのさらなるライト設定に基づいて制御される。ステップ107は、
図2に関連して述べられたように、データ信号の品質を示す情報をユーザデバイス31から受けることを含む。
【0058】
ステップ109において、ライト13及び14に対する第2のセットのライト設定が、第1のセットのライト設定及び決定された信号品質に基づいて決定され、昼光ブロッカ21及び22に対する第2のセットの昼光ブロッカ設定が、第1のセットの昼光ブロッカ設定及び決定された信号品質に基づいて決定される。ステップ129において、ライト16及び17に対する第2のセットのさらなるライト設定が、第1のセットのさらなるライト設定及び決定された信号品質に基づいて決定される。
【0059】
ステップ111において、ライト13及び14が、第2のセットのライト設定に基づいて制御され、昼光ブロッカ21及び22が、第2のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて制御される。ステップ131において、ライト16及び17が、第2のセットのさらなるライト設定に基づいて制御される。
【0060】
本発明の方法の第3の実施形態が、
図4に示されている。この実施形態では、方法は、
図1のライト24、25を制御しない。ステップ101は、目標光レベルを取得することを含む。この実施形態では、目標光レベルは、可視光に対する目標光レベルである。ステップ151は、例えば光センサデバイス28又はLiFiライト14から、測定された光レベルを取得することを含む。ステップ153は、測定された光レベルが、許容可能値の範囲、例えば、390~410ルクス、580~620ルクス、又は600ルクス以上に入るかどうかをチェックすることを含む。そうでない場合、ステップ103及び105が実行される。そうである場合、ステップ103及び105はスキップされる。
【0061】
図4の実施形態では、ステップ103は、サブステップ155を含む。ステップ155は、目標光レベル及び測定された光レベルに基づいてライト13、14、16及び17に対する第1のセットのライト設定並びに昼光ブロッカ21及び22に対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定することを含む。ステップ105は、第1のセットのライト設定に基づいてライト13、14、16及び17並びに第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて昼光ブロッカ21及び22を制御することを含む。ライト13、14はデータ信号を送信し、ライト16、17はデータ信号を送信しない。
【0062】
ステップ105の後、ステップ107、109及び111が実行される。これらのステップは、
図2に関連して述べられているが、ここではライト16及び17に対しても実行される。ステップ111の後、ステップ151又はステップ107がある時間後に実行される。
図4の実施形態では、ステップ151は、直ちに進むのではなく、ステップ107で10回目の反復ごとに実行される。代替的な実施形態では、ステップ151はより頻繁に若しくはより少なく実行される、又は、ステップ151は常にステップ111の後に実行される。
【0063】
測定された光レベルに基づいてライトを制御することと、決定された信号品質に基づいてライトを制御することを別々にする利点は、一度に1つのパラメータのみが最適化される結果、通常はより早く最適な設定が得られるはずであることである。代替的な実施形態では、設定は、同時に、測定された光レベル及び決定された信号品質の両方に基づいて決定される。
図2の実施形態では、ステップ103及び105は、測定された光レベルが許容可能値の範囲に入らない場合にのみ実行される。代替的な実施形態では、ステップ103及び105は常に実行され、ステップ153は省略される。
【0064】
TLMシステムでは、目標可視光レベルは、典型的には、セットポイントと呼ばれる。セットポイントは、オフィスのデスク上で必要とされる光レベル(例えば、400ルクス)に基づくことがよくある。TLMシステムは、人工光の使用及び自然照明(natural lighting)の使用を最適化(最小化)することを試みる。従来のTLMシステムでは、多くの状況、特に日中でグレアがない状況において、自然照明で所要の光レベルが達成されるため、人工照明はほぼ完全にオフになる。このような状況では、LiFiは機能しない。
【0065】
図4の実施形態では、測定された光レベルがセットポイントと比較され、差が最小になるように1つ以上のライトの光レベルが調整される。LiFiの使用が検出されない場合、さらなるアクションは必要ない。LiFiが使用され、信号品質が安定したLiFi接続に十分でない場合、1つ以上のLiFiライトの光レベルが増加される必要がある。この増加の結果、目標可視光レベルを超える可能性がある。第1のオプションは、可視光レベルが目標光レベルよりも高いことを受け入れることである。第2のオプションは、LiFiライトの光レベルの増加を補償することである。この増加は、昼光ブロッカにより多くの昼光をブロックさせることにより及び/又は非LiFiライトの光レベルを減少することによって補償されてもよい。
【0066】
自然光が存在する場合、測定された総光レベルが同じであっても、自然光による干渉に起因して、LiFiライトの光レベル(明るさ)は、典型的には、自然光が存在しない場合の光レベルよりも高いことが必要である。明るい自然光がLiFiに干渉する状況において、TLMシステムは、これを2つのやり方、すなわち、(1)人工光源の明るさを増加することにより(必ずしも所望の結果を達成するものではなく、エネルギ効率もあまり良くない)又は(2)ブラインドを調整してデッキ表面の昼光の量を減らすことにより解決することができる。ブラインドを閉じるか、明るさを増加するかの選択は、エネルギ消費的考察及び/又はユーザの好みに依存してもよい。前述のように、ブラインドを閉じることは、空調システムによるエネルギ消費量の低下につながり、これは、人工光源の明るさの増加に起因するエネルギ消費量の増加を相殺し得る。
【0067】
図2~
図4の実施形態では、可視光ライトしか存在しない。しかしながら、1つ以上の非可視光ライトも、データ信号を送信するために使用されてもよい。これらの非可視光ライトは、例えば、赤外(IR:InfraRed)光を送信してもよい。IRベースのLiFiは、より高い帯域幅のため、又は他の利点に起因して好ましくあり得る。IRがデータ送信に利用可能である場合、昼光をブロックする必要を回避できる可能性がある。表1は、300ルクスの昼光が屋外に存在する場合、LiFiを提供する一方、400ルクスの目標可視光レベルを潜在的に達成するオプションを示している。
【0068】
表1の1行目に示される設定では、LiFiを提供することはできない。なぜなら、このシナリオではLiFiは少なくとも200ルクスを必要とし、データ信号を送信する1つ以上のライトは100ルクスの光レベルしか使用しないからである。表1の2行目は、データ信号を送信する1つ以上のライトに200ルクスの光レベルを使用させることによりこの問題を解決している。この200ルクスと昼光の300ルクスを合わせると400ルクスを超えてしまうため、100ルクスの昼光がブロックされる。代替的に、1つ以上のIRライトが、データ信号を送信するために使用されてもよい。この場合、表1の3行目に示されるように、データ信号を送信しないライトが100ルクスの光レベルを使用することができ、昼光をブロックする必要ない。
【0069】
昼光はIRライトに干渉する可能性があるため、太陽光が強い場合等、すべての状況で昼光ブロッカの使用を回避することはできない可能性がある。表2は、1000ルクスの昼光が屋外に存在する場合、LiFiを提供する一方、600ルクスの目標光レベルを潜在的に達成するオプションを示している。
【0070】
表2の1行目に示される設定では、LiFiを提供することはできない。なぜなら、400ルクスの昼光をブロックすることは十分ではなく、強い太陽光が依然としてIRベースの通信に干渉するからである。表2の3行目は、700ルクスの昼光をブロックすることにより及びデータ信号を送信しないライトに300ルクスの光レベルを使用させることにより、目標可視光レベルが、干渉なく達成され得ることを示している。代替的なオプションとしては、IR LiFiライトを使用する代わりに、データ信号を送信する1つ以上のライトに200ルクスの光レベルを使用させることが挙げられる。これは、表2の2行目に示されている。この場合、600ルクスの昼光がブロックされる必要がある。
【0071】
(ダウンリンク通信に使用される)IR LiFiライトが使用されない場合でも、IRは、ユーザデバイスに、例えばIRレシーバを含む可視光ライトとのアップリンク通信を行わせるために使用される可能性がある。IRは、アップリンクのための最も好ましい通信手段である。可視光通信(VLC:visible light communication)ベースのダウンリンク及びIRベースのアップリンクが使用される場合、TLMシステムは、昼光からの干渉を減らすために依然昼光ブロッカを使用する必要がある可能性がある。
【0072】
本発明の方法の第4の実施形態が、
図5に示されている。このより高度な実施形態では、非LiFiユーザ及びLiFiユーザ(及びそのLiFiデバイス)の位置及びアクティビティが考慮される。このようにして、照明条件及びLiFi信号条件の両方が、それらの位置で最適化されることができる。オプションとして、これらの条件は、検出されたユーザの現在の(デジタル)アクティビティ又は現在の視覚的注意(visual attention)に基づいて動的に適応される。
【0073】
ステップ101は、目標光レベルを取得することを含む。この実施形態では、目標光レベルは、可視光に対する目標光レベルである。次に、ステップ171が実行される。ステップ171は、データ信号を受信する1つ以上のユーザデバイスの1つ以上のユーザデバイス位置及び/又はデータ信号を受信しない1つ以上のユーザデバイスの1つ以上のユーザデバイス位置を決定することを含む。データ信号を受信するユーザデバイス、例えば、ユーザデバイス31の位置は、どの位置でLiFiが受信される必要があるか、及び、どの位置が照明される必要があるかを決定するために使用されてもよい。
【0074】
データ信号を受信しないユーザデバイスの位置は、どの位置が照明される必要があるかを決定するために使用されてもよい。ユーザデバイスの位置が(すべては)決定されることができない場合、ユーザデバイスに対する典型的な位置が使用されてもよい。例えば、LiFi接続は、会議室で必要とされる可能性があり、照明は、オフィスで必要とされる可能性がある。
【0075】
次に、ステップ173は、ライト13、14、16、17、24及び25並びに昼光ブロッカ21及び22の1つ以上の位置を決定することを含む。これらの位置は、ユーザデバイス位置と区別するために光伝送位置(light transmission position)と称される。
図5の実施形態では、
図1のステップ103は、サブステップ175を含む。ステップ175は、目標光レベル、決定された1つ以上のユーザデバイス位置及び決定された1つ以上の光伝送位置に基づいてライト13、14、16、17、24及び25に対する第1のセットのライト設定並びに昼光ブロッカ21及び22に対する第1のセットの昼光ブロッカ設定を決定することを含む。
【0076】
斯くして、現在及び/又は予想されるユーザデバイス位置を照らすことができる可視光ライトが選択されることができ、データ信号を受信するユーザデバイスの現在及び/又は予想される位置の近くにあるLiFi対応ライトが選択されることができる。ステップ105は、第1のセットのライト設定に基づいてライト13、14、16、17、24及び25並びに第1のセットの昼光ブロッカ設定に基づいて昼光ブロッカ21及び22を制御することを含む。
【0077】
ステップ105の後、ステップ107、109及び111が実行される。これらのステップは、
図2に関連して述べられているが、ここではライト16、17、24及び25に対しても実行される。ステップ111の後、ステップ173又はステップ107がある時間後に実行される。
図5の実施形態では、ステップ173は、直ちに進むのではなく、ステップ107で10回目の反復ごとに実行される。代替的な実施形態では、ステップ173はより頻繁に若しくはより少なく実行される、又は、ステップ173は常にステップ111の後に実行される。
【0078】
図6は、システムをコンフィギュレーションするためのユーザインターフェース51の一例を示している。ユーザインターフェース51は、ビルの管理者又は住宅の所有者によって自身のモバイルデバイス41で使用されるアプリケーションの一部である。ユーザインターフェースは、ディスプレイ49に表示される。この例では、ユーザは、システムの2つの側面、すなわち、スライダ57を用いて目標可視光レベル56、及び、スライダ54を用いてLiFi品質対エネルギ消費設定53をコンフィギュレーションすることができる。
【0079】
ユーザが、LiFi品質がエネルギ消費よりも重要であることを指定する場合、目標光レベルを達成するのに十分な昼光が存在する場合でも、人工的なライトが、場合によっては昼光ブロッカと組み合わせて、より多く使用される。ユーザが、LiFi品質が優先することを指定する場合、指定された目標可視光レベルは、良好なLiFi品質のために必要な場合に超えられる最小可視光レベルであると考慮されてもよい。設定は、例えば、建物ごと、部屋ごと、又は部屋のグループごとにコンフィギュレーションされてもよい。
【0080】
図7は、昼光ブロッカ、とりわけブラインドを手動で制御するためのユーザインターフェース61の一例を示している。ユーザインターフェース61は、昼光ブロッカによってブロックされる光量を減少させる結果、データ信号の信号品質が目標レベルを下回ることになると判断する場合、ユーザが昼光ブロッカによってブロックされる光量を減少させることを防止するために使用されてもよい。
【0081】
通常、ユーザは、スライダ64を用いてブラインド設定63を選択することによりブラインドを完全に開ける、ブラインドを完全に閉じる、又は、ブラインドを部分的に閉じることができる。ユーザインターフェース61において、領域65のブラインド設定はマークされており、選択することができない。斯くして、ユーザはブラインドを完全に開けることはできず、これは、LiFi信号の品質に(潜在的に)影響を与える可能性があるからである。
【0082】
代替的なユーザインターフェースでは、領域65はマークされるが、ユーザは依然領域65からブラインド設定を選択することができる、すなわち、領域65は警告としてだけマークされている。同じユーザインターフェースが、他のタイプの昼光ブロッカを手動で制御する又はライト設定、例えば、ライトの調光レベルを制御するために使用されてもよい。
【0083】
図8は、
図2~5を参照して述べられたような方法を実行し得る、例示的なデータ処理システムを示すブロック図を示す。
【0084】
図8に示されるように、データ処理システム300は、システムバス306を介してメモリ要素304に結合される、少なくとも1つのプロセッサ302を含んでもよい。それゆえ、データ処理システムは、メモリ要素304内にプログラムコードを記憶してもよい。さらに、プロセッサ302は、システムバス306を介してメモリ要素304からアクセスされるプログラムコードを実行してもよい。一態様では、データ処理システムは、プログラムコードを記憶及び/又は実行するために好適な、コンピュータとして実装されてもよい。しかしながら、データ処理システム300は、本明細書内で述べられる機能を実行することが可能な、プロセッサ及びメモリを含む任意のシステムの形態で実装されてもよい点を理解されたい。
【0085】
メモリ要素304は、例えば、ローカルメモリ308及び1つ以上の大容量記憶デバイス310等の、1つ以上の物理メモリデバイスを含んでもよい。ローカルメモリとは、プログラムコードの実際の実行中に一般に使用される、ランダムアクセスメモリ又は他の非永続的メモリデバイスを指してもよい。大容量記憶デバイスは、ハードドライブ又は他の永続的データ記憶デバイスとして実装されてもよい。処理システム300はまた、実行中に大容量記憶デバイス310からプログラムコードが取得されなければならない回数を低減するために、少なくとも一部のプログラムコードの一時記憶を提供する、1つ以上のキャッシュメモリ(図示せず)を含んでもよい。また、処理システム300は、例えば、処理システム300がクラウドコンピューティングプラットフォームの一部である場合、別の処理システムのメモリ要素を使用することができてもよい。
【0086】
入力デバイス312及び出力デバイス314として示される、入出力(input/output:I/O)デバイスが、オプションとして、データ処理システムに結合されることができる。入力デバイスの例としては、限定するものではないが、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、(例えば、ボイス及び/又はスピーチ認識のための)マイク等を挙げることができる。出力デバイスの例としては、限定するものではないが、モニタ又はディスプレイ、スピーカ等を挙げることができる。入力デバイス及び/又は出力デバイスは、直接、又は介在I/Oコントローラを介して、データ処理システムに結合されてもよい。
【0087】
一実施形態では、入力デバイス及び出力デバイスは、(入力デバイス312及び出力デバイス314を取り囲む破線で
図8に示されるような)複合型入力/出力デバイスとして実装されてもよい。そのような複合型デバイスの一例は、「タッチスクリーンディスプレイ」又は単に「タッチスクリーン」と称される場合もある、タッチ感知ディスプレイである。そのような実施形態では、デバイスへの入力は、タッチスクリーンディスプレイ上、又はタッチスクリーンディスプレイの近くでの、例えばスタイラス又はユーザの指等の、物理的実体の移動によって提供されてもよい。
【0088】
ネットワークアダプタ316もまた、データ処理システムに結合されて、介在する私設ネットワーク又は公衆ネットワークを介して、データ処理システムが、他のシステム、コンピュータシステム、リモートネットワークデバイス、及び/又はリモート記憶デバイスに結合されることを可能にしてもよい。ネットワークアダプタは、上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークによってデータ処理システム300に送信されるデータを受信するための、データ受信機と、データ処理システム300から上述のシステム、デバイス、及び/又はネットワークにデータを送信するための、データ送信機とを含んでもよい。モデム、ケーブルモデム、及びEthernetカードは、データ処理システム300と共に使用されてもよい、種々のタイプのネットワークアダプタの例である。
【0089】
図8に示されるように、メモリ要素304は、アプリケーション318を記憶してもよい。様々な実施形態では、アプリケーション318は、ローカルメモリ308、1つ以上の大容量記憶デバイス310内に記憶されてもよく、あるいは、ローカルメモリ及び大容量記憶デバイスとは別個であってもよい。データ処理システム300はさらに、アプリケーション318の実行を促すことが可能な(
図8には示されない)オペレーティングシステムを実行してもよい点を理解されたい。アプリケーション318は、実行可能プログラムコードの形態で実装されており、データ処理システム300によって、例えばプロセッサ302によって、実行されることができる。アプリケーションの実行に応答して、データ処理システム300は、本明細書で述べられる1つ以上の動作又は方法ステップを実行するように構成されてもよい。
【0090】
本発明の様々な実施形態は、コンピュータシステムと共に使用するためのプログラム製品として実装されてもよく、このプログラム製品のプログラムは、(本明細書で説明される方法を含めた)実施形態の機能を定義する。一実施形態では、このプログラムは、様々な非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができ、本明細書で使用されるとき、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」という表現は、全てのコンピュータ可読媒体を含むが、唯一の例外は一時的な伝搬信号である。別の実施形態では、このプログラムは、様々な一時的コンピュータ可読記憶媒体上に含まれることができる。例示的なコンピュータ可読記憶媒体としては、限定するものではないが、(i)情報が永続的に記憶される、書き込み不可記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブによって読み取り可能なCD-ROMディスク、ROMチップ、又は任意のタイプの不揮発性固体半導体メモリ等の、コンピュータ内部の読み出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される、書き込み可能記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内部のフロッピーディスク、又は任意のタイプのランダムアクセス固体半導体メモリ)が挙げられる。コンピュータプログラムは、本明細書で述べられるプロセッサ302上で実行されてもよい。
【0091】
本明細書で使用される用語法は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうではないことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用されるとき、用語「含む(comprises)」及び/又は「含んでいる(comprising)」は、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するものであるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在若しくは追加を排除するものではない点が、更に理解されるであろう。
【0092】
以下の請求項における全てのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素の、対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に特許請求される他の特許請求要素と組み合わせて機能を実行するための、任意の構造、材料、又は行為を含むことが意図される。本発明の実施形態の説明は、例示を目的として提示されてきたが、網羅的であるか、又は開示された形態の実装形態に限定されることを意図するものではない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、多くの修正形態及び変形形態が当業者には明らかとなるであろう。実施形態は、本発明の原理及び一部の実際的応用を最良に説明し、想到される特定の用途に適するような様々な修正を有する様々な実施形態に関して、他の当業者が本発明を理解することを可能にするために、選択及び説明されるものとした。