IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 昭和電工株式会社の特許一覧

特許7101909加速度センサ及びそれを用いた加速度の評価方法並びに加速度センサが取り付けられた荷物
<>
  • 特許-加速度センサ及びそれを用いた加速度の評価方法並びに加速度センサが取り付けられた荷物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】加速度センサ及びそれを用いた加速度の評価方法並びに加速度センサが取り付けられた荷物
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/03 20060101AFI20220708BHJP
【FI】
G01P15/03 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021565672
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2020047344
(87)【国際公開番号】W WO2021125312
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2019230498
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002004
【氏名又は名称】昭和電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(72)【発明者】
【氏名】宮村 泰直
(72)【発明者】
【氏名】門脇 靖
(72)【発明者】
【氏名】山竹 邦明
(72)【発明者】
【氏名】原 真尚
(72)【発明者】
【氏名】山木 繁
(72)【発明者】
【氏名】大籏 英樹
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-522807(JP,A)
【文献】特開平6-213919(JP,A)
【文献】米国特許第5796098(US,A)
【文献】米国特許第3946616(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P13/00-15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスニコルに配置した2枚の偏光板と、鋭敏色板と、銀ナノワイヤ分散液と、を有し、
前記鋭敏色板と前記銀ナノワイヤ分散液とは、前記2枚の偏光板の間に配置されている、加速度センサ。
【請求項2】
前記銀ナノワイヤ分散液の溶媒が水である、請求項1に記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記銀ナノワイヤ分散液の厚さが0.2~5mmである、請求項1または2に記載の加速度センサ。
【請求項4】
前銀ナノワイヤ記分散液中の銀ナノワイヤの濃度(質量%)と前記銀ナノワイヤ分散液の厚さ(mm)との積が、0.01~1質量%・mmである、請求項1~3のいずれかに記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記鋭敏色板の位相差が530~580nmである、請求項1~4のいずれかに記載の加速度センサ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれかに記載の加速度センサを用いる加速度の評価方法であって、
前記2枚の偏光板の一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察する、加速度の評価方法。
【請求項7】
請求項5に記載の加速度センサを用いる加速度の評価方法であって、
前記2枚の偏光板の一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察し、
前記光の色が青緑~黄緑の場合、加速度の方向が前記鋭敏色板の速軸方向であると評価する加速度の評価方法。
【請求項8】
請求項5に記載の加速度センサを用いる加速度の評価方法であって、
前記2枚の偏光板の一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察し、前記光の色が赤~オレンジの場合、加速度の方向が前記鋭敏色板の遅軸方向であると評価する加速度の評価方法。
【請求項9】
請求項1~5のいずれかに記載の加速度センサが取り付けられている荷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサ及びそれを用いた加速度の評価方法並びに加速度センサが取り付けられた荷物に関する。
本願は、2019年12月20日に出願された特願2019-230498号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
一般に加速度センサには、静電容量方式やピエゾ抵抗方式などが用いられている。例えば、特許文献1では、センサ内部におけるキャパシタの一方の電極を可動部位として、その加速度に応答した変化を静電容量の変化から電気的によみとる静電容量方式が用いられている。また、特許文献2では、歪ゲージの抵抗変化を電気的に読み取り加速度を算出するピエゾ抵抗方式が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-106082号公報
【文献】特開2015-010955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の加速度センサは、加速度の情報が電子情報で得られる。そのため、従来の加速度センサで加速度を確認するためには加速度の情報の電子的解析が必須であり、電力消費も必須であった。
【0005】
本発明は電力消費を必須とせず、視覚的に加速度を評価することができる加速度センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明の第一~第三の態様は以下に示す構成を備えるものである。
【0007】
[1] クロスニコルに配置した2枚の偏光板と、敏色板と、銀ナノワイヤ分散液とを有し、
前記鋭敏色板と前記銀ナノワイヤ分散液とは、前記2枚の偏光板の間に配置されている、
加速度センサ。
本発明の第一の態様は以下の[2]~[5]の特徴を好ましく含む。これらの特徴は2つ以上を好ましく組み合わせることができる。
[2] 前記銀ナノワイヤ分散液の溶媒が水である前項[1]に記載の加速度センサ。
[3] 前記銀ナノワイヤ分散液の厚さが0.2~5mmである前項[1]または[2]に記載の加速度センサ。
[4] 前記銀ナノワイヤ分散液中の銀ナノワイヤの濃度(質量%)と前記銀ナノワイヤ分散液の厚さ(mm)との積が、0.01~1質量%・mmである前項[1]~[3]のいずれかに記載の加速度センサ。
[5] 前記鋭敏色板の位相差が530~580nmである前項[1]~[4]のいずれかに記載の加速度センサ。
本発明の第二の態様は、以下の加速度の評価方法である。
[6] 前項[1]~[5]のいずれかに記載の加速度センサを用いる加速度の評価方法であって、前記2枚の偏光板の一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察する、加速度の評価方法。
本発明の第一の態様は以下の[7]と[8]との少なくとも一方の特徴を好ましく含む。
[7] 前項[5]に記載の加速度センサを用いる加速度の評価方法であって、前記2枚の偏光板の一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察し、前記光の色が青緑~緑~黄緑の場合、加速度の方向が前記鋭敏色板の速軸方向であると評価する加速度の評価方法。
[8] 前項[5]に記載の加速度センサを用いる加速度の評価方法であって、前記2枚の偏光板の一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察し、前記光の色が赤~オレンジの場合、加速度の方向が前記鋭敏色板の遅軸方向であると評価する加速度の評価方法。
本発明の第三の態様は、以下の加速度センサが取り付けられた荷物である。
[9] 前項[1]~[5]のいずれかに記載の加速度センサが取り付けられている荷物。
【発明の効果】
【0008】
電力消費を必須とせず、視覚的に加速度を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】2枚の偏光板、鋭敏色板および銀ナノワイヤ分散液の配置を模式的に示す図である。図中の矢印は光軸方向を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を挙げて説明するが、本発明は、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、位置、角度、数、材料、量、構成等について、変更、付加、省略、置換等が可能である。
【0011】
(加速度センサ)
本実施形態の加速度センサは、例えば図1に示したように、クロスニコルに配置した2枚の偏光板1,4の間に鋭敏色板2が配置され、さらに、偏光板4と鋭敏色板2との間に銀ナノワイヤ分散液3が配置されている。
すなわち、偏光板1と偏光板4とは、透過軸が直交するように配置されている。
銀ナノワイヤ分散液3は、偏光板1と鋭敏色板2との間に配置されてもよい。銀ナノワイヤ分散液3と鋭敏色板2との並び順は任意に選択される。
【0012】
鋭敏色板2は、例えば位相差板である。
銀ナノワイヤ分散液は、銀ナノワイヤが溶媒に分散された分散液である。図1においては、銀ナノワイヤ分散液が透明容器に収容されている例を示す。以下、銀ナノワイヤ分散液3を分散液3と呼称する場合がある。
【0013】
分散液3中の銀ナノワイヤは加速度の方向に沿って配向する性質を有している。本実施形態の加速度センサは、この性質を利用し、銀ナノワイヤの配向を鋭敏色板法で検出する。
【0014】
鋭敏色板法では、白色光源から入射する白色光の光軸(以下、単に「光軸」ということがある。)に対して、垂直に2枚の偏光板、及び位相差板(鋭敏色板)を配置する。すなわち、偏光板及び位相差板は、平行に配置される。前記偏光板をクロスニコルに配置した場合、前記位相差板は、一波長板を用いる。位相差板は、光軸方向から見て偏光板の偏光軸に対して位相差板の速軸(または遅軸)を45°傾けて配置されることにより鋭敏色板2として用いられる。
鋭敏色板2は、肉眼で色の変化がわかりやすい位相差530~580nmのものが好ましい。以下、特に断りのない限り、鋭敏色板2としてこのような鋭敏色板を用いたものとして説明する。また、色名の表現は、日本工業規格JIS Z 8102:2001に合わせた。
なおクロスニコルの状態では、2枚の偏光板のみで観察された場合、光線が遮断され暗黒に観察される。また鋭敏色板は、速軸方向と遅軸方向を有し、直交位に組み合わされた2枚の偏光板の間に配置された場、干渉色として鮮やかな色を示し、位相差が僅かでも変わると干渉色が敏感に変化する。
【0015】
前記銀ナノワイヤ分散液3の媒体(溶媒)としては、エタノールなどの有機溶媒や水などが挙げられ、扱いやすさから水が好ましい。銀ナノワイヤ分散液3には、安定な分散を得るために界面活性剤等が添加されていてもよい。
【0016】
前記銀ナノワイヤ分散液3は、透明容器に収容しておくと扱いやすく好ましい。透明容器は独立して銀のナノワイヤ分散液3を収容するものであってもよく、その他の部材と組み合わせて銀ナノワイヤ分散液3を収容するものであってもよい。例えば、銀ナノワイヤ分散液3を収容する容器の壁の一部として、偏光板1,4の一方の偏光板及び鋭敏色板2を用いてもよい。通常、銀ナノワイヤ分散液の形状はその容器の内側の形状となる。
【0017】
前記分散液3の厚さ(光が分散液中を通過する距離)は、薄い方が加速度センサを小型化でき、厚い方が後述するように前記分散液3を希薄にできるので安定に分散させやすくなる。これらの観点から、銀ナノワイヤ分散液3の厚さは、0.2~5mmであることが好ましく、0.3~3mmであることがより好ましく、0.5~2mmであることがさらに好ましい。
【0018】
前記分散液3中の銀ナノワイヤの濃度は、前記分散液3の厚さに依存する。加速度センサとして同一の感度(色の変化具合)を得るためには、前記分散液3中の銀ナノワイヤの濃度は、前記分散液3の厚さが薄ければより高濃度となり、前記分散液3の厚さが厚ければより低濃度でよい。そのため、前記分散液3中の銀ナノワイヤの濃度(質量%)と分散液3の厚さ(mm)との積を指標にするとよい。前記積は、好ましくは0.01~1質量%・mm、より好ましくは0.03~0.5質量%・mm、さらに好ましくは0.1~0.3質量%・mmである。
【0019】
(加速度の評価方法)
本実施形態の加速度の評価方法は、前記加速度センサを用い、一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察する。すなわち、本実施形態の加速度の評価方法は、例えば偏光板1に対して垂直に白色光を入射したときは、偏光板4側から観察した加速度センサの色、より具体的には偏光板4を介して銀ナノワイヤ分散液3の色を評価する。
【0020】
前記白色光の光源は、使用する鋭敏色板2で区別しやすい色の光が含まれていればよく、例えば、太陽光などの自然光、白熱灯、蛍光灯およびLEDランプなどの人口光が挙げられる。前記白色光の光源は自然光でもよいので、本実施形態の加速度センサは電力を必須としない。また、前記白色光の光源が人口光であっても、元々備わっている室内の照明を利用でき、このような観点から本実施形態の加速度センサは新たな電力を必須としない。
【0021】
観察される光の色が、青緑~黄緑、すなわち青緑~緑の範囲又は緑~黄緑の範囲に含まれる色の場合は加速度の方向が前記鋭敏色板の速軸方向と評価する。また、観察される光の色が赤~オレンジの範囲に含まれる色の場合は加速度の方向が前記鋭敏色板の遅軸方向であると評価し、部分的にマゼンタ等の赤紫を含んでいてもよい。
【0022】
なお、観察される色が、青~青紫の範囲に含まれる色の場合、光軸方向(偏光板や鋭敏色板に対して垂直方向)に加速している可能性はあるが、本実施形態において、加速はないと評価してもよい。これは、本実施形態において検出される加速度の方向は、特に断りがない限り光軸に垂直な面内の2次元で表される方向であるためである。
【0023】
なお、本実施形態の加速度センサは、使用する銀ナノワイヤ分散液の粘度が高いと、加速度に対する応答が遅くなり、逆に粘度が低いと早くなる。加速度センサの応答時間は、例えば3分~10分程度である。後述の実施例1の加速度センサ(0.2質量%銀ナノワイヤ水分散液)の場合、応答時間が約3分である。そのため、本実施形態の加速度センサは、直前の数分間の加速度の状態を記憶できる。例えば、荷物に本実施形態の加速度センサをタグとして取付けた場合、自動倉庫からの出庫や、輸送車両からの荷物の積み下ろしなど、数分間の搬送中に荷物が転倒して届いたかどうかの判別ができる。
【実施例
【0024】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
(実施例1)
0.2質量%銀ナノワイヤ水分散液を、内寸が縦20mm横10mm厚さ1mmの透明容器中に封入した。以下、透明容器のうち1辺が20mmの方向を縦方向、1辺が10mmの方向を横方向、1辺が1mmの方向を厚さ方向という場合がある。0.2質量%銀ナノワイヤ水分散液は、銀ナノワイヤが0.2質量%となるように水に分散させた液体である。図1に示すように、偏光板1(ミッドタウン製BSP-200)、鋭敏色板2(MeCan製 MGR570)、前記銀ナノワイヤ水分散液3を収容及び封入した透明容器、偏光板4(ミッドタウン製BSP-200)の順に配置し、それぞれを隙間なく重ね合わせ固定し、これを加速度センサとした。なお、2枚の偏光板は、クロスニコルに配置した。かつ、偏光板の偏光軸が前記透明容器の縦方向に対しそれぞれ斜め45゜となるように配置した。
また、鋭敏色板は、その速軸を前記透明容器の縦方向となるように配置した。
【0026】
光源として窓からの自然光を利用し、作製した加速度センサを透過する光の色を観察した。ここで、光の色の観察としては、一方の偏光板の外側から白色光を入射させ、他方の偏光板の外側から射出する光の色を観察した。前記透明容器の縦方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを置いたところ約3分後に黄緑色となった。次に前記透明容器の横方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを置いたところ、ただちにセンサはオレンジ色となり約1分後まではオレンジ色であったが、約3分後には黄緑色となった。
【0027】
次に、光源として室内光(LED照明)を利用し、前記透明容器の厚さ方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを設置し、上方から来る光を下側から観察したところ、約1分後までは黄緑色であったが、約3分後には青色となった。すなわち、厚さ方向が鉛直方向となることで、加速していない、或いは光軸方向(偏光板や鋭敏色板に対して垂直方向)に加速していることが確認された。
【0028】
これらの結果は、加速度の方向が鉛直方向であることを示している。また、数分程度、過去の加速度の方向が記憶できていたことが分かった。
【0029】
前記加速度センサの応答速度(応答時間)について肉眼でも測定可能であるが、より正確に評価するため、JASCO製UV-VIS分光光度計V-670を用いて色調評価を行った。その結果、可視光領域(400~800nm)において、λmax=530nmで透過率極大Tmax=7%、λmin=790nmで透過率極小Tmin=1%をとることがわかった。
次に加速度センサの透明容器の厚さ方向を鉛直方向にして静置した状態から透明容器の縦方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを立て、λmaxでの透過率上昇を追跡し、透過率極大Tmaxに至るまでの応答時間を評価したところ、2.8分であった。結果を表1に示す。
【0030】
(実施例2~4)
0.2質量%銀ナノワイヤ水分散液の代わりに、0.15質量%(実施例2)、0.10質量%(実施例3)、0.05質量%(実施例4)の銀ナノワイヤ水分散液を用いた。実施例2~4において、その他の条件は実施例1と同様に加速度センサの作製及び測定を行った。透明容器の縦方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを置いたところ約3分後に加速度センサは黄緑~緑(実施例2)、緑(実施例3)、緑青(実施例4)となった。
【0031】
次に加速度センサの透明容器の横方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを置いたところ、ただちに加速度センサはオレンジ~赤(実施例2)、赤(実施例3)、赤~マゼンタ(実施例4)となり約1分後までは上記の色であったが、約3分後に加速度センサはそれぞれ黄緑~緑(実施例2)、緑(実施例3)、緑青(実施例4)となった。
【0032】
次に、光源として室内光(LED照明)を利用し、前記透明容器の厚さ方向が鉛直方向となるように前記加速度センサを設置し、上方から来る光を下側から観察したところ、約1分後までは黄緑~緑の範囲に含まれる色(実施例2)、緑(実施例3)、緑青(実施例4)であったが、約3分後にはすべての実施例で青色となった。すなわち、厚さ方向が鉛直方向となることで、加速していない、或いは光軸方向(偏光板や鋭敏色板に対して垂直方向)に加速していることが確認された。
【0033】
実施例2~4で得た加速度センサについて実施例1と同様にUV-VIS測定を行い応答時間を評価した。その結果、応答時間は、2.8分(実施例2)、3.2分(実施例3)、4.8分(実施例4)であった。結果を表1に示す。
【0034】
(比較例1)
銀ナノワイヤ分散液の代わりに水をいれたセルで実施例1と同様に行ったところ、色調の変化はみられず、加速度センサは得られなかった。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0036】
荷物の搬送管理等に有用に利用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 偏光板
2 鋭敏色板
3 銀ナノワイヤ分散液
4 偏光板
図1