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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018055683
(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公開番号】P2019165960
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】宮永 真
【審査官】武田 知晋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-004167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動役物装置を備えた遊技機において、
前記可動役物装置は、
固定ベースに支持されて第1位置と第2位置との間を移動可能な支持ベースと、
前記支持ベースの2箇所に回転可能に支持されると共に、互いに回転自在に連結された1対の可動体を含む可動演出部と、
前記1対の可動体のうち互いの連結部分から離れた部位同士の距離を変化させることで、前記可動演出部を、前記1対の可動体が直線状に配置される第1状態と、前記1対の可動体が折れ線状に配置される第2状態と、に変化させる可変機構と、を有し、
前記可変機構は、
前記固定ベースに設けられて、前記可動体の回転軸に略平行であって前記支持ベースの移動方向に対して傾斜する傾斜ガイド面と、
前記1対の可動体のうち少なくとも一方の可動体において前記回転軸を挟んで前記連結部分と反対側に設けられ、前記支持ベースが移動したときに前記傾斜ガイド面に摺接して該一方の可動体をその回転軸を中心にして回転させる摺接部と、を有し、
前記一方の可動体は、前記回転軸と前記連結部分との間の長さが前記回転軸と前記摺接部との間の長さより長くなっている遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動役物装置を備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の遊技機では、可動役物装置の可動演出部が、遊技盤の前面に沿って回動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-104637号(段落[0109]、図15
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技機では、可動演出部が単に移動するだけであるため、可動演出部の動きがインパクトに欠けるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、可動役物装置の動作の趣向性向上が図られる遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の手段は、可動役物装置を備えた遊技機において、前記可動役物装置は、固定ベースに支持されて第1位置と第2位置との間を移動可能な支持ベースと、前記支持ベースの2箇所に回転可能に支持されると共に、互いに回転自在に連結された1対の可動体を含む可動演出部と、前記1対の可動体のうち互いの連結部分から離れた部位同士の距離を変化させることで、前記可動演出部を、前記1対の可動体が直線状に配置される第1状態と、前記1対の可動体が折れ線状に配置される第2状態と、に変化させる可変機構と、を有し、前記可変機構は、前記固定ベースに設けられて、前記可動体の回転軸に略平行であって前記支持ベースの移動方向に対して傾斜する傾斜ガイド面と、前記1対の可動体のうち少なくとも一方の可動体において前記回転軸を挟んで前記連結部分と反対側に設けられ、前記支持ベースが移動したときに前記傾斜ガイド面に摺接して該一方の可動体をその回転軸を中心にして回転させる摺接部と、を有し、前記一方の可動体は、前記回転軸と前記連結部分との間の長さが前記回転軸と前記摺接部との間の長さより長くなっている遊技機遊技機である。
【発明の効果】
【0007】
上記発明によれば、可動役物装置の動作の趣向性向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図
図2】遊技盤の正面図
図3】機構枠の正面図
図4】第1可動役物装置の動作を示す正面図
図5】回動ベースの動作を示す正面図
図6】進退部材の動作を示す側断面図
図7】直動駆動機構の動作を示す図
図8】装飾部材の動作を示す正面図
図9】突出部材の動作を示す正断面図
図10】第2可動役物装置の動作を示す正面図
図11】(A)第1可動部の側断面図、(B)第2可動部の側断面図
図12】第1駆動機構の正面図
図13】第1可動体の動作を示す正面図
図14】第2駆動機構の正面図
図15】第2可動体の動作を示す正面図
図16】複合役物演出を説明するための正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示されるように、本実施形態の遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、図2に示す遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。なお、以下の説明において、特記しない限り「右」及び「左」とは、遊技機10を前方から見た場合の「右」及び「左」を指すものとする。
【0010】
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射ハンドル28が備えられている。そして、発射ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1(図2)に向けて弾き出される。
【0011】
図2に示されるように、遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出したガイドレール12に囲まれている。遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成され、この表示開口11Hを通して、表示装置13の表示画面13Gが前方に臨んでいる。表示画面13Gでは、遊技に関する種々の演出が行われる。
【0012】
表示開口11Hの開口縁には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて遊技盤11の前面から突出し、遊技領域R1を流下する遊技球が表示装飾枠23の内側に進入することを規制している。
【0013】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23より下側部分の横方向の中央部には、第1始動入賞口14AKが設けられている。第1始動入賞口14AKは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなしている。
【0014】
第1始動入賞口14AKの下方には、第1大入賞装置15Aが設けられている。第1大入賞装置15Aは、右側に開放した第1大入賞口15AKと、第2大入賞口15AKの右側に配置された第1可変部材15ATと、を備えている。第1可変部材15ATは、左下り傾斜し、遊技盤11の前面から突出した第1突出位置と、該第1突出位置より突出が抑えられた第1退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第1可変部材15ATが第1突出位置に配置されたときに、第1可変部材15ATを案内にして遊技球が第1大入賞口15AKに入球可能となり、第1可変部材15ATが第1退避位置に配置されたときに、遊技球が第1大入賞口15AKに入球困難となる。
【0015】
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
【0016】
始動ゲート18の下方には、第2始動入賞装置14Bが設けられている。第2始動入賞装置14Bは、左側に開放した第2始動入賞口14BKと、第2始動入賞口14BKの左側で右下がりに傾斜した始動可変部材14BTと、を備えている。始動可変部材14BTは、遊技盤11の前面から突出した始動突出位置と該始動突出位置より突出が抑えられた始動退避位置との間をスライド可能に構成されていて、通常は、始動退避位置に配置され、上述した普通図柄当否判定の結果が当りになると、所定の期間だけ始動突出位置に配置される。そして、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されたときに、始動可変部材14BTを案内にして遊技球が第2始動入賞口14BKに入球可能となり、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置されたときに、遊技球が始動入賞口14BKに入球困難となる。
【0017】
第2始動入賞装置14Bの下方には、第2大入賞装置15Bが設けられている。第2大入賞装置15Bは、上側に開放した第2大入賞口15BKと、第2大入賞口15BKを開閉する第2可変部材15BTと、を備えている。第2可変部材15BTは、遊技盤11の前面から突出した第2突出位置と、該第2突出位置より突出が抑えられた第2退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第2可変部材15BTが第2突出位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが閉塞されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球困難となり、第2可変部材15BTが第2退避位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが開放されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球可能となる。
【0018】
第1始動入賞口14AK又は第2始動入賞口14BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定が行われる。
【0019】
特別図柄当否判定の結果が当りになると、大当り遊技が実行され、第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球可能となる。第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0020】
遊技領域R1には、上述した入賞口14AK,14BK,15AK,15BKのほかに、上方又は側方に開放して遊技球が常時入球可能な一般入賞口20が複数設けられている。また、遊技領域R1の下端部、具体的には、第1可変部材15ATの下方には、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域R1の外側に排出するためのアウト口16が設けられている。さらに、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘Kが多数植設されている。
【0021】
本実施形態の遊技機10では、遊技盤11の後側に、図3に示される機構枠17を備えている。機構枠17には、第1可動役物装置100と第2可動役物装置200を含む種々の装置が組み付けられている。
【0022】
[第1可動役物装置100]
図3及び図4に示されるように、第1可動役物装置100は、機構枠17に固定された固定ベース101と、固定ベース101に対して移動可能な移動演出部110と、を有する。図5(B)に示されるように、固定ベース101は、横辺部101Aと、横辺部101Aの両側部から下側へ延びた1対の縦辺部101B,101Bと、からなる。横辺部101Aは、機構枠17の上辺部17Jに前側から重ねられ、1対の縦辺部101B,101Bは、機構枠17の側辺部17S,17Sに重ねられる。なお、左側の縦辺部101Bは、右側の縦辺部101Bよりも長くなっている。
【0023】
図4(A)及び図4(B)に示されるように、移動演出部110は、固定ベース101に対して前後方向に沿った軸を中心に回動可能な回動ベース111を備えている。図5に示されるように、回動ベース111は、回動横辺部111Aと、回動横辺部111Aの左右の両端部から下側へ延びた1対の回動縦辺部111B,111Bと、を備えた略門形状に形成されている。なお、1対の回動縦辺部111B,111Bは共に、固定ベース101の右側の縦辺部101Bと略同じ長さになっている。
【0024】
図5(A)及び図5(B)に示されるように、回動ベース111は、固定ベース101の右側の縦辺部101Bの下端部に回動可能に支持され、通常は、第1回動位置(図5(A)参照)に配置されている。回動ベース111が第1回動位置に配置された状態では、回動横辺部111Aが固定ベース101の横辺部101Aに前側から重ねられ、1対の回動縦辺部111B,111Bが固定ベース101の1対の縦辺部101B,101Bに前側から重ねられる。所定の回動条件が成立すると、回動ベース111は、左側の回動縦辺部111Bが下方へ移動するように反時計方向に回転して、第2回動位置(図5(B)参照)に配置される。このとき、回動ベース111は、回動横辺部111Aが左下がりに傾斜するように配置され、表示画面13G(図2参照)の中央部を前側から覆う。ここで、回動ベース111の回動軸部111Jは、回動ベース111の横方向一方側の下端部(具体的には、回動縦辺部111Bの下端部)に配置されるので、第2回動位置へと向かう回動ベース111を傾くように見せることが可能となる。
【0025】
なお、固定ベース101の左側の縦辺部101Bには、回動ベース111の回転軸部111Jを中心とした円弧状のガイド孔101Gが形成されていて、このガイド孔101Gに、回動横辺部111Aの左側部から後側(図5では、紙面奥側)に突出するガイド突部111Gが係合することで、固定ベース101に対する回動ベース111の回動の安定化が図られている。
【0026】
回動ベース111は、固定ベース101に搭載された回動駆動機構102により駆動される。回動駆動機構102は、駆動源103と、駆動源103により駆動される回動レバー104と、を備えている。回動レバー104は、固定ベース101の横辺部101Aの左端寄り部分に回動可能に支持され、その回動中心から右側へ張り出している。回動レバー104の先端部には、回動レバー104の張り出し方向に延びた先端長孔105が形成されていて、この先端長孔105に、回動ベース111の横辺部111Aから後側に突出した係合突部105Tが係合している。また、回動レバー104の中間部には、回動レバー104の張り出し方向に延びた中間長孔106が形成されている。中間長孔106には、駆動源103により駆動される中継ギア103Gに形成された回転突部106Tが係合している。そして、中継ギア103Gが回転すると、回動レバー104が回動し、回動ベース111が固定ベース101に対して回動軸部111Jを中心に回動する。
【0027】
図6に示されるように、回動ベース111は、回動ベース本体112と、回動ベース112に前側から重ねて固定された装飾プレート113と、を備える。具体的には、回動ベース本体112は、前壁112Aと後壁112Bの上端部同士が天井壁112Tで連絡されて、下側に開放した断面コの字状をなし、前壁112Aの前面に装飾プレート113が固定されている。なお、前壁112Aの天井壁112Tからの突出量は後壁112Bよりも小さくなっている。
【0028】
図4(B)から図4(C)の変化に示されるように、移動演出部110は、回動ベース111に搭載されて回動ベース111の回動方向に移動可能な進退部材121を備えている。図6に示されるように、進退部材121は、前後方向で対向したスライド部材122と装飾部材123の下端部同士が連結部材121Aによって連結されてなる。スライド部材122は、前後方向で回動ベース111の後壁112Bと装飾プレート113の間に配置され、装飾部材123は、回動ベース111の装飾プレート113より前側に配置されている。
【0029】
スライド部材122は、後壁112Bに対して天井壁112Tと略垂直な方向に直動可能となっている。具体的には、図7に示されるように、後壁112Bには、天井壁112Tに対して略垂直な方向に延在するガイド孔112Gが形成されていて、このガイド孔112Gに、スライド部材122から後側に突出したガイド突部122Gが係合することで、スライド部材122が回動ベース112に直動可能に支持されている。
【0030】
進退部材121は、通常は、図6(A)及び図7(A)に示される第1進退位置に配置される。このとき、スライド部材122は、回動ベース111の装飾プレート113の後側に配置され、装飾部材123は、装飾プレート113を前側から覆う。所定のスライド条件が成立すると、スライド部材122がガイド孔112Gに沿って下側へ移動し、進退部材121は、図6(B)及び図7(B)に示される第2進退位置に配置される。このとき、スライド部材122及び装飾部材123は、装飾プレート113から下側に突出し、装飾プレート113が露出する。そして、装飾プレート113と装飾部材123の装飾が回動ベース111の回動方向に並べられる(図4(C)参照)。
【0031】
図7に示されるように、スライド部材122は、回動ベース111に備えた直動駆動機構115によって駆動される。直動駆動機構115は、駆動源116と、駆動源116により駆動される回動レバー117と、を備えている。回動レバー117は、回動ベース111の後壁112Bの右側部に回動可能に支持され、その回動中心から左側へ張り出している(回動ベース111を後側から見た図7では、左右が反対に示されている。)。なお、詳細には、図6に示されるように、後壁112Bは、中空構造に形成されていて、回動レバー117は、後壁112Bの内部に収容されている。
【0032】
図7に示されるように、回動レバー117の先端部は、ガイド孔112Gと重なるように配置され、回動レバー117の先端部には、回動レバー117の張り出し方向に延びた先端長孔118が形成されている。そして、この先端長孔118に、上述したスライド部材122のガイド突部122Gが係合している。また、回動レバー117の中間部には、回動レバー117の張り出し方向に延びた中間長孔119が形成されている。中間長孔119には、駆動源116により駆動される中継ギア116Gに突設された回転突部119Tが係合している。中継ギア116Gが回転すると、回動レバー117が回動し、スライド部材122がガイド孔112Gに沿って直動する。
【0033】
図8に示されるように、装飾部材123は、左側装飾構成体123Lと中央側装飾構成体123Cと右側装飾構成体123Rの3つの装飾構成体を横並びにして備えている。上述した連結部材121A(図6参照)は、中央側装飾構成体123Cとスライド部材122とを連結し、中央側装飾構成体123Cは、スライド部材122と一体に移動する。
【0034】
左側装飾構成体123Lと右側装飾構成体123Rは、中央側装飾構成体123Cに回転自在に支持されている。具体的には、中央側装飾構成体123Cは、下側が幅狭となる逆台形状に形成されていて、左側装飾構成体123Lは、中央側装飾構成体123Cの下端部の左側部に支持され、右側装飾構成体123Rは、中央側装飾構成体123Cの下端部の右側部に支持されている。左側装飾構成体123Lは、その回転軸部123LJから左側へと延びていて、右側装飾構成体123Rは、その回転軸部123RJから右側へと延びている。なお、左側装飾構成体123L及び右側装飾構成体123Rは、回転軸部123LJ,123RJから離れるに従って幅広となる扇形状に形成されている。
【0035】
左側装飾構成体123L及び右側装飾構成体123Rの回転軸部123LJ,123RJから離れた側の端部は、回動ベース111に支持されている。具体的には、回動ベース111の両側部(詳細には、回動横辺部111Aの両側部)には、1対の係合孔124,124が形成されている。左側の係合孔124には、左側装飾構成体123Lに突設された係合突部123LTが係合している。右側の係合孔124には、右側装飾構成体123Rに突設された係合突部123RTが係合している。各係合孔124は、回動横辺部111Aの中央側へ下るように傾斜した傾斜部124Aと、傾斜部124Aの下端部から図7で示したガイド孔112Gと平行に延びる直線部124Bと、からなる。
【0036】
図8(A)から図8(B)への変化に示されるように、進退部材121が第1進退位置から第2進退位置側へ移動すると、左側装飾構成体123Lの係合突部123LTが左側の係合孔124における傾斜部124Aの内面によって右側に押され、左側装飾構成体123Lが回動軸部123LJを中心にして時計方向に回転する。また、右側装飾構成体123Rの係合突部123RTが右側の係合孔124における傾斜部124Aの内面によって左側に押され、右側装飾構成体123Rが回動軸部123RJを中心にして反時計方向に回転する。その結果、左側装飾構成体123Lの回動軸部123LJから離れた部分と右側装飾構成体123Rの回動軸部123RJから離れた部分が中央側装飾構成体123C側に寄せられる。このように、本実施形態では、進退部材121が第2進退位置へ向かうにつれて装飾部材123が窄まるように動作する。これにより、進退部材121の動作に躍動感を持たせることが可能となる。
【0037】
図8(B)から図8(C)への変化に示されるように、進退部材121が更に第2進退位置側へ移動すると、左側装飾構成体123Lの係合突部123LTと右側装飾構成体123Rの係合突部123RTが係合孔124の直線部124Bに沿って移動し、左側装飾構成体123L、中央側装飾構成体123C及び右側装飾構成体123Rが一体となって第2進退位置側に直動する。なお、進退部材121が第2進退位置から第1進退位置へ移動するときには、装飾部材123の各装飾構成体123L,123C,123Rは、図8(C)→図8(B)→図8(A)の変化に示されるように、上述とは逆の動きをする。
【0038】
図9に示されるように、進退部材121には、突出部材130が搭載されている。突出部材130は、進退部材121に重ねられる退避位置(図9(A)参照)と、進退部材121に対して第2進退位置側に突出する突出位置(図9(B)及び図9(C)参照)と、の間を移動可能に構成されている。詳細には、突出部材130は、図6に示されるように、進退部材121のスライド部材122と装飾部材123の間に配置され、退避位置に配置されたときに、装飾部材123の後側に隠れ(図6(A)参照)、突出位置に配置されたときに、装飾部材123から下側に突出する(図6(B)参照)。
【0039】
本実施形態では、突出部材130が進退部材121の両側部に対をなして備えられている。左側の突出部材130は、進退部材121のスライド部材122の左下隅部に回転自在に支持され、右側の突出部材130は、スライド部材122の右下隅部に回転自在に支持されている。ここで、左側と右側の突出部材130,130を左側突出部材130L、右側突出部材130Rと称して区別すると、左側突出部材130Lは、その回転軸部130LJから左上側へ扇形状に張り出した基幹部位130LAと、該基幹部位130LAの先端部から右側に翼状に張り出した先端張出部位130LBと、で構成されている。また、右側突出部材130Rは、その回転軸部130RJから右上側へ扇形状に張り出した基幹部位130RAと、該基幹部位130RAから左側に翼状に張り出した先端張出部位130RBと、で構成されている。
【0040】
スライド部材122の左右中央寄り部分には、左側突出部材130Lの回転軸部130LJを中心とした円弧状の左側ガイド孔131Lと、右側突出部材130Rの回転軸部130RJを中心とした円弧状の右側ガイド孔131Rと、が形成されている。そして、左側ガイド孔131Lに、左側突出部材130Lの先端張出部位130LBから後側に突出した左側ガイド突部132Lが係合することで、左側突出部材130Lの回転の安定化が図られ、右側ガイド孔131Rに、右側突出部材130Rの先端張出部位130RBから後側に突出した右側ガイド突部132Rが係合することで、右側突出部材130Rの回転の安定化が図られている。
【0041】
左側突出部材130Lと右側突出部材130Rの基幹部位130LA,130RAは、回動ベース111の両側部に支持されている。具体的には、回動ベース111の両側部(詳細には、1対の回動縦辺部111B,111Bの両側部)には、1対の係合孔134,134が形成されていて、左側の係合孔134に左側突出部材130Lの基幹部位130LAに突設された係合突部135が係合し、右側の係合孔134に右側突出部材130Rの基幹部位130RAに突設された係合突部135が係合している。1対の係合孔134,134は、回動ベース111の左右中央側へ下るように傾斜した傾斜部134Aと、傾斜部134Aの下端部から図7で示したガイド孔112Gと平行に延びる直線部134Bと、からなる。
【0042】
図9(A)から図9(B)への変化に示されるように、進退部材121が第1進退位置から第2進退位置側へ移動すると、左側突出部材130Lの係合突部135が左側の係合孔134の傾斜部134Aにより右側に押されて、左側突出部材130Lが回動軸部130LJを中心にして時計方向に回転する。このとき、右側突出部材130Rの係合突部135が右側の係合孔134の傾斜部134Aにより左側に押されて、右側突出部材130Rが回動軸部130RJを中心にして反時計方向に回転する。その結果、左側突出部材130L及び右側突出部材130Lが、退避位置から突出位置へと移動し、進退部材121に対して第2進退位置側に突出する。このように、本実施形態では、進退部材121の第2進退位置側への移動に伴って突出部材130が進退部材121から突出する。これにより、進退部材121の動作に一層の躍動感を持たせることが可能となる。
【0043】
進退部材121が図9(B)に示される位置から更に第2進退位置側へ移動すると、左側突出部材130Lと右側突出部材130Rの係合突部135は係合孔134の直線部134Bに沿って移動し、左側突出部材130L及び右側突出部材130Rは、進退部材121と一体に第2進退位置側に直動する。なお、進退部材121が第2進退位置から第1進退位置へ移動するときには、左側突出部材130L及び右側突出部材130Rは、図9(C)→図9(B)→図9(A)の変化に示されるように、上述とは逆の動きをする。
【0044】
本実施形態の第1可動役物装置100では、進退部材121は、回動ベース111が停止しているときに駆動されてもよいし、図4(B)から図4(C)への変化に示されるように、回動ベース111が回動しているときに駆動されてもよい。後者の場合、回動ベース111が第2回動位置へ向かうときに、進退部材121が第1進退位置から第2進退位置へと駆動され、回動ベース111が第1回動位置へ向かうときに、進退部材121が第2進退位置から第1進退位置へと駆動されることが好ましい。このように進退部材121が駆動されると、回動ベース111の回動する方向に進退部材121が移動することになり、第1可動役物装置100の動作に躍動感を持たせることが可能となると共に、回動ベース111と進退部材121が回動ベース111の回動方向に伸縮するように見せることが可能となる。
【0045】
しかも、進退部材121が第2進退位置に配置されると、突出部材130が進退部材121に対して第2進退位置側に突出するので、第1可動役物装置100の動作に一層の躍動感を持たせることが可能となる。さらに、図8(B)から図8(C)への変化に示されるように、進退部材121が第2進退位置へ近づくときに、装飾部材123が進退部材121と一体に移動するので、進退部材121と装飾部材123の動作をダイナミックに見せることが可能となる。
【0046】
ところで、図8に示されるように、装飾部材123の装飾は、横方向で対をなすように形成されている。具体的には、中央側装飾構成体123Cのうち同図の一点鎖線より左側の部位は、一点鎖線より右側の部位を概ね左右逆にした形状になっていて、該右側の部位より若干大きくなっている。左側装飾構成体123Lは、右側装飾構成体123Rの形状を概ね左右逆にした形状になっていて、右側装飾構成体123Rより若干大きくなっている。また、進退部材121が第2進退位置に配置されたときに露出する回動ベース111の装飾プレート113の装飾も、横方向で対をなすように形成されている。装飾プレート113の装飾についても、同図の一点鎖線より左側の部位は、一点鎖線より右側の部位を概ね左右逆にした形状になっていて、該右側の部位より若干大きくなっている。
【0047】
このように、本実施形態の遊技機では、回動ベース111の装飾プレート113及び進退部材121の装飾部材123が横方向で対をなす形状に形成されていて、装飾プレート113及び装飾部材123のうち回動軸部111Jから遠い側の部位(具体的には、図8の一点鎖線より左側の部位)が、装飾プレート113及び装飾部材123のうち回動軸部111Jに近い側の部位(具体的には、図8の一点鎖線より右側の部位)より若干大きく形成されている。この構成によれば、回動ベース111及び進退部材121が回動軸部111Jを中心にして回動したときに、回動ベース111及び進退部材121のうち回動軸部111Jから遠い側の部位が近づいてくるように見せることが可能となり、回動ベース111と進退部材121に遠近感を持たせることが可能となる。
【0048】
[第2可動役物装置200]
図10に示されるように、第2可動役物装置200は、第1可動部210と第2可動部220を有する。第1可動部210は、横並びに配置された複数の第1可動体211を備えている。
【0049】
図10(A)→図10(B)→図10(C)の変化に示されるように、第1可動部210は、上下方向に直動する横長の第1支持ベース215を有している。また、図10(B)から図10(C)への変化に示されるように、複数の第1可動体211は、第1支持ベース215に支持されて、第1支持ベース215の前側で前後方向に延びる軸を中心に回転可能となっている。
【0050】
本実施形態の遊技機10では、第1可動体211が2つ設けられていて、左側の第1可動体211は、第1支持ベース215の左側部に支持され、右側の第1可動体211は、第1支持ベース215の右側部に支持されている。具体的には、左側の第1可動体211は、横辺部と該横辺部の左端部から下側へ延びる縦辺部とを有し、横辺部と縦辺部の交差部分に回動軸部211Jを備える。右側の第1可動体211は、横辺部と該横辺部の右端部から下側へ延びる縦辺部とを有し、横辺部と縦辺部の交差部分に回動軸部211Jを備える。以下では、左側の第1可動体211と右側の第1可動体211を、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rと称して、適宜、区別することにする。
【0051】
図11(A)に示されるように、第1可動体211は、後側構成体212の前面側に前側構成体213を重ねて固定してなる。後側構成体212は、第1支持ベース215に前側から重ねられる本体部212Hと、本体部212Hの下端部から後側に突出して第1支持ベース215を下側から覆う下端突壁212Kと、を備えている。また、前側構成体213は、後側構成体212の本体部212Hの前面に固定された本体部213Hと、後側構成体212の下端突壁212Kの下面に固定されて本体部213Hの下端部に連絡した下端カバー部213Kと、を備えている。前側構成体213の本体部213Hは、後側構成体212の本体部212Hよりも上側に飛び出ている。なお、本体部213Hの前面には装飾が施されている。
【0052】
第1支持ベース215は、後側構成体212の本体部212Hに後側から重ねられて後側構成体212を回転自在に支持する本体部215Hと、本体部215Hの上端から前側に迫り出した上端突壁215Jと、を備えている。詳細には、本体部215Hは、後側構成体212の本体部212Hより上側に飛び出して前側構成体213の本体部213Hに後側から重ねられる。上端突壁215Jは、前側構成体213の本体部213Hに突き合わされて、後側構成壁212の本体部212Hに上側から対向している。
【0053】
図13(A)及び図13(B)に示されるように、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rは、回転自在に連結されている。そして、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rとは、直線状に配置されて前側構成体213同士が繋がった直線状態(図13(A)参照)と、下側が凸となる折れ線状に配置されて前側構成体213同士が分離した折曲状態(図13(B)参照)と、に変化する。
【0054】
具体的には、本実施形態では、第1右側可動体211Rにおいて、後側構成体212が前側構成体213より横長に形成されていて、後側構成体212と前側構成体213が右端を揃えて配置されている。後側構成体212のうち前側構成体213からはみ出た左端部には、左上がりに延びる長孔214Nが形成されている。また、第1左側可動体211Lにおいては、前側構成体213が後側構成体212より横長に形成されていて、後側構成体212と前側構成体213が左端を揃えて配置されている。前側構成体213のうち後側構成体212からはみ出た右端部の後面には、長孔214Nと係合する係合突起214Tが突設されている。そして、長孔214Nと係合突起214Tの係合によって、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rが回動自在に連結されている。なお、長孔214Nが第1左側可動体211Lに形成され、係合突起214Tが第1右側可動体211Rに形成されてもよい。
【0055】
第1支持ベース215は、図10(A)に示される第1上端位置と図10(C)に示される第1下端位置との間を直動可能に構成されている。図10(A)に示されるように、第1支持ベース215は、第1上端位置に配置された状態で、機構枠17の上辺部17Jに前側から重ねられる。このとき、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rの各横辺部は、第1支持ベース215に沿って配置され、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rの各縦辺部が機構枠17の側辺部17Sに重ねられる。
【0056】
図10(B)に示されるように、第1支持ベース215が第1上端位置から下方へ移動すると、第1支持ベース215が機構枠17の内側に配置される。このとき、図16(A)に示されるように、第1可動部210が表示画面13Gに前側から重なる。
【0057】
図12に示されるように、第1支持ベース215は、機構枠17の上辺部17Jに取り付けられた第1駆動機構230によって駆動される。第1駆動機構230は、駆動源231と、駆動源231により駆動される回動レバー234と、を備えている。本実施形態では、回動レバー234は、横方向に対をなして設けられている。1対の回動レバー234,234は、回動軸部234Jを突き合わせるように配置されて、互いに逆方向に回動する。1対の回動レバー234,234のうち一方の回動レバー234の中間部には、回動半径方向に延びた中間長孔233が形成されている。この中間長孔233には、駆動源231により駆動される中継ギア232に突設された回転突部232Tが係合している。また、1対の回動レバー234,234のそれぞれの先端部は、第1支持ベース215の左右両端寄り部分に後側から重ねられる。具体的には、第1支持ベース215には、上端突壁215Jの両側部から上側に突出する1対の突片215T,215Tが設けられ、これら1対の突片215T,215Tに1対の回動レバー234,234の先端部が重ねられる。突片215Tには、横方向に延びる長孔235が形成されていて、この長孔235に、回動レバー234の先端部に突設された先端突部236が係合している。中継ギア232が駆動されると、1対の回動レバー234,234が回動し、第1支持ベース215が機構枠17に対して上下方向に直動する。
【0058】
ここで、図12及び図13に示されるように、機構枠17の側辺部17Sの前面側には、該側辺部17Sとの間に、第1支持ベース215及び第1可動体211(即ち、第1可動部210)の側部を挟む挟み部237が取り付けられている。これにより、第1支持ベース215の前後方向の移動が規制されている。また、図12に示されるように、機構枠17の右側の側辺部17Sには、上下方向に延びるガイドシャフト238が固定され、第1支持ベース215の右端部には、ガイドシャフト238が挿通される図示しないシャフト挿通孔が設けられている。これにより、第1支持ベース215の直動の安定化が図られている。
【0059】
図10(A)~図10(C)に示されるように、第1可動部210では、第1支持ベース215の移動に伴って、第1左側可動体211L及び第1右側可動体211Rが直線状態(図10(B)に示す状態)と折曲状態(図10(C)に示す状態)とに変化する。以下、第1可動部210の動作機構について説明する。
【0060】
図12に示されるように、機構枠17の左側の側辺部17Sに取り付けられた挟み部237には、挟み部237を前後に貫通するガイド孔251が形成されている。ガイド孔251は、上下方向に直線状に延びる鉛直部251Aと、鉛直部251の下端から右下方へ直線状に延びる誘導傾斜部251Bと、からなる。図13に示されるように、ガイド孔251には、第1左側可動体211Lに設けられたガイド突部252が係合している。詳細には、第1左側可動体211Lは、その回動軸部211Jから左上側に張り出して先端部がガイド孔251に重ねられる左側張出片253を有し、ガイド突部252は、左側張出片253の先端部から前側に突出している。
【0061】
また、図12に示されるように、機構枠17の右側の側辺部17Sに取り付けられた挟み部237の前面には、左側を段付き状に陥没させる陥没部256が形成されている。陥没部256の内面のうち左側を向く部分は、前側から見て上下方向に直線状に延びる鉛直面256Aと、鉛直面256Aの下端から左下方へ直線状に延びる誘導傾斜面256Bと、からなる。図13に示されるように、陥没部256には、第1右側可動体211Rに設けられた摺動軸部257が受容されている。詳細には、第1右側可動体211Rは、その回動軸部211Jから右上側に張り出して先端部が陥没部256内に突入した右側張出片258を有し、摺動軸部257は、右側張出片258の先端部に突設されている。
【0062】
図10(A)から図10(B)への変化に示されるように、第1支持ベース215が第1上端位置から第1下端位置側へ移動すると、第1左側可動体211Lのガイド突部252がガイド孔251の鉛直部251Aに沿って移動し、第1右側可動体211Rの摺動軸部257が陥没部256の鉛直面256Aに沿って移動する。このとき、第1左側可動体211L及び第1右側可動体211Rは直線状態に保持されている。
【0063】
図10(B)から図10(C)への変化に示されるように、第1支持ベース215が第1下端位置に近づくと、図13(A)及び図13(B)に拡大して示されるように、第1左側可動体211Lのガイド突部252がガイド孔251の誘導傾斜部251B内を移動する。すると、ガイド突部252が誘導傾斜部251Bの内面に押されて、第1左側可動体211Lがその回動軸部211Jを中心に時計方向に回動する。また、このとき、第1右側可動体211Rの摺動軸部257が陥没部256の誘導傾斜面256Bに摺動する。すると、摺動軸部257が誘導傾斜面256Bに押されて、第1右側可動体211Rがその回動軸部211Jを中心に反時計方向に回動する。その結果、第1左側可動体211L及び第1右側可動体211Rが、直線状態から折曲状態に変化する。
【0064】
このように、第1可動部210は、第1支持ベース215の上下方向の移動によって、全体が上下に移動する。そして、第1支持ベース215が第1上端位置に配置されると、第1可動部210は、複数の第1可動体211の前側構成体213が左右方向に沿って直線状に並べられた連結状態となり(図10(A)参照)、第1支持ベース215が第1下端位置に配置されると、第1可動部210は、複数の第1可動体211の前側構成体213がバラバラに分断された分断状態となる。
【0065】
図13(B)から図13(A)への変化に示されるように、第1支持ベース215が第1下端位置から第1上端位置側へ移動すると、第1左側可動体211Lのガイド突部252が誘導傾斜部251Bの内面に押されて、第1左側可動体211Lがその回動軸部211Jを中心に反時計方向に回動する。ここで、第1左側可動体211Lと第1右側可動体211Rの横辺部同士は回転自在に連結されているので、第1左側可動体211Lが反時計方向に回動すると、第1右側可動体211Rが時計方向に回動する。その結果、第1左側可動体21L及び第1右側可動体211Rが、折曲状態から直線状態に変化する。なお、第1支持ベース215の左端部には、第1左側可動体211Lを反時計方向に付勢する付勢バネ254が備えられ、第1支持ベース215の右端部には、第1右側可動体211Rを時計方向に付勢する付勢バネ259が備えられている。
【0066】
図10に示されるように、第2可動部220は、第1可動部210に下方から対向し、横並びに配置された複数の第2可動体221を備えている。
【0067】
図10(A)→図10(B)→図10(C)の変化に示されるように、第2可動部220は、上下方向に直動する横長の第2支持ベース225を有している。また、図10(B)から図10(C)への変化に示されるように、複数の第2可動体221は、第2支持ベース225に支持されて、第2支持ベース225の前側で前後方向に延びる軸を中心に回転可能となっている。
【0068】
本実施形態の遊技機10では、第2可動体221が3つ設けられていて、左側の第2可動体221は、第2支持ベース225の左側部に支持され、中央側の第2可動体221は、第2支持ベース225の左右中央部に支持され、右側の第2可動体221は、第2支持ベース225の右側部に支持されている。具体的には、左側の第2可動体221は、横辺部と該横辺部の左端部から上側へ延びる縦辺部とを有し、横辺部と縦辺部の交差部分に回動軸部221Jを備える。中央側の第2可動体221は、横辺部のみを有し、該横辺部の右側部に回動軸部221Jを備える。右側の第2可動体221は、横辺部と該横辺部の右端部から上側へ延びる縦辺部とを有し、横辺部と縦辺部の交差部分に回動軸部221Jを備える。以下では、左側の第2可動体221と中央側の第2可動体221と右側の第2可動体221を、第2左側可動体221Lと第2中央可動体221Cと第2右側可動体221Rと称して、適宜、区別することにする。
【0069】
図11(B)に示されるように、第2可動体221は、後側構成体222の前面側に前側構成体223を重ねて固定してなる。後側構成体222は、第2支持ベース225に前側から重ねられる本体部222Hと、本体部222Hの上端部から後側に突出して第2支持ベース225を上側から覆う上端突壁222Jと、を備えている。また、前側構成体223は、後側構成体222の本体部222Hの前面に固定された本体部223Hと、後側構成体222の上端突壁222Jの上面に固定されて本体部223Hの上端部に連絡した上端カバー部223Jと、を備えている。前側構成体223の本体部223Hは、後側構成体222の本体部222Hよりも下側に飛び出ている。なお、本体部223Hの前面には装飾が施されている。
【0070】
第2支持ベース225は、後側構成体222の本体部222Hに後側から重ねられて後側構成体222を回転自在に支持する本体部225Hと、本体部225Hの下端から前側に迫り出した下端突壁225Kと、を備えている。詳細には、本体部225Hは、後側構成体222の本体部222Hより下側に飛び出して前側構成体223の本体部223Hに後側から重ねられる。下端突壁225Kは、前側構成体223の本体部223Hに突き合わされて、後側構成壁222の本体部222Hに下側から対向している。
【0071】
図15(A)及び図15(B)に示されるように、第2左側可動体221Lと第2中央可動体221Cは、回転自在に連結されている。そして、第2左側可動体221Lと第2中央可動体221Cとは、直線状に配置されて前側構成体223同士が繋がった直線状態(図15(A)参照)と、上側が凸となる折れ線状に配置されて前側構成体223同士が分離した折曲状態(図15(B)参照)と、に変化する。
【0072】
具体的には、本実施形態では、第2左側可動体221Lにおいて、後側構成体222が前側構成体223より横長に形成されていて、後側構成体222と前側構成体223が左端を揃えて配置されている。後側構成体222のうち前側構成体223からはみ出た右端部には、右下がりに延びる長孔224Nが形成されている。また、第2中央可動体221Cにおいて、前側構成体223が後側構成体222より横長に形成されていて、後側構成体222と前側構成体223が右端を揃えて配置されている。前側構成体223のうち後側構成体222からはみ出た左端部の後面には、長孔224Nと係合する係合突起224Tが突設されている。そして、長孔224Nと係合突起224Tの係合によって、第2左側可動体221Lと第2中央可動体221Cが回動自在に連結されている。なお、長孔224Nが第2中央可動体221Cに形成され、係合突起224Tが第2左側可動体221Lに形成されてもよい。
【0073】
第2支持ベース225は、図10(A)に示される第2下端位置と図10(C)に示される第2上端位置との間を直動可能に構成されている。図10(A)に示されるように、第2支持ベース225は、第2下端位置に配置された状態で、機構枠17の下辺部17Kに前側から重ねられる。このとき、第2左側可動体221L、第2中央可動体221C及び第2右側可動体221Rの各横辺部は、第2支持ベース225に沿って配置され、第2左側可動体221Lと第2右側可動体221Rの各縦辺部が機構枠17の側辺部17Sに重ねられる。なお、第2支持ベース225及び第2可動体221(即ち、第2可動部220)の側部は、機構枠17の側辺部17Sと上述した挟み部237との間に挟まれていて、これにより、第2支持ベース225の前後方向の移動が規制されている。
【0074】
図10(B)に示されるように、第2支持ベース225が第2下端位置から上方へ移動すると、第2支持ベース225が機構枠17の内側に配置される。このとき、図16(A)に示されるように、第2可動部220が表示画面13Gに前側から重なる。
【0075】
図14に示されるように、第2支持ベース225は、機構枠17の各側辺部17Sに取り付けられた第2駆動機構240によって駆動される。第2駆動機構240は、駆動源241と、駆動源241によって駆動されるピニオン242と、を備える。駆動源241は、上述した挟み部273の前面に固定され、駆動源241の回転出力軸は、挟み部273を前後に貫通する。ピニオン242は、側辺部17Sと挟み部273との間で、駆動源241の回転出力軸に取り付けられている。ピニオン242には、第2支持ベース225の各側部に設けられたラック244が噛合する。具体的には、第2支持ベース225の両側部には、上方へ直線状に延びる1対のサイド突壁243,243が設けられていて、それら1対のサイド突壁243,243の互いの対向面にラック244,244が形成されている。また、機構枠17の側辺部17Sには、上下方向に延びる長孔245Nが形成されていて、その長孔245Nにサイド突壁243から後側に突出する突部245Tが係合することで、第2支持ベース225の移動の安定化が図られている。
【0076】
図10(A)~図10(C)に示されるように、第2可動部220では、第2支持ベース225の移動に伴って、第2左側可動体221L及び第2中央可動体211Cが直線状態(図10(B)に示す状態)と折曲状態(図10(C)に示す状態)とに変化し、第2右側可動体221Rが回動する。以下、第2可動部220の動作機構について説明する。
【0077】
図15に示されるように、機構枠17の1対の側辺部17S,17Sに取り付けられた1対の挟み部237,237の互いの対向面には、1対のガイド面261,261が形成されている。各ガイド面261は、前側から見て上下方向に直線状に延びる鉛直面261Aと、鉛直面261Aの上端から左右中央側へ直線状に延びる誘導傾斜面261Bと、からなる。左側のガイド面261の誘導傾斜面261Bには、第2左側可動体221Lに設けられた摺動突部262が下方から対向する。右側のガイド面261の誘導傾斜面261Bには、第2右側可動体221Rに設けられた摺動突部262が下方から対向する。なお、第2左側可動体221Lにおいては、回動軸部221Jから左下に張り出した張出片263に摺動突部262が突設されている。また、第2右側可動体221Rにおいては、回動軸部221Jから右下に張り出した張出片263に摺動突部262が突設されている。
【0078】
図10(A)から図10(B)への変化に示されるように、第2支持ベース225が第2下端位置から第2上端位置側へ移動すると、第2左側可動体221Lの摺動突部262が左側の挟み部273におけるガイド面261の鉛直面261Aに沿って移動し、第2右側可動体221Rの摺動軸部262が右側の挟み部273におけるガイド面261の鉛直面261Aに沿って移動する。このとき、第2左側可動体221L及び第2中央可動体221Cは直線状態に保持され、第2右側可動体221Rの横辺部は第2支持ベース225に沿って水平に配置されている。
【0079】
図10(B)から図10(C)への変化に示されるように、第2支持ベース225が第2上端位置に近づくと、図15(A)及び図15(B)に拡大して示されるように、第2左側可動体221Lの摺動突部262が左側の挟み部273におけるガイド面261の誘導傾斜面261Bに摺動する。すると、該摺動軸部262が誘導傾斜面261Bに押されて、第2左側可動体221Lがその回動軸部221Jを中心に反時計方向に回動する。第2左側可動体221Lが回動すると、第2中央可動体221Cの左側部が持ち上げられ、第2左側可動体221L及び第2中央可動体221Cが、直線状態から折曲状態に変化する。
【0080】
また、第2支持ベース225が第2上端位置に近づくと、第2右側可動体221Rの摺動軸部262が右側の挟み部273におけるガイド面261の誘導傾斜面261Bに摺動する。すると、該摺動軸部262が誘導傾斜面261Bに押されて、第2右側可動体221Rがその回動軸部221Jを中心に時計方向に回動する。なお、第2支持ベース225(詳細には、本体部225H)には、第2右側可動体221Rの回動軸部221Jを中心とした円弧状をなす支持孔264Aが形成されている。そして、この支持孔264Aに、第2右側可動体221Rの横辺部に設けられた支持突部264Tが係合することで、第2右側可動体221Rの回動の安定化が図られている。
【0081】
このように、第2可動部220は、第2支持ベース225の上下方向の移動によって、全体が上下に移動する。そして、第2支持ベース225が第2下端位置に配置されると、第2可動部220は、複数の第2可動体221の前側構成体223が左右方向に沿って直線状に並べられた連結状態となり(図10(A)参照)、第2支持ベース225が第2上端位置に配置されると、第2可動部220は、複数の第2可動体221の前側構成体223がバラバラに分断された分断状態となる。
【0082】
ところで、第2左側可動体221Lは、自重によって時計方向に付勢され、第2右側可動体221Rは、自重によって反時計方向に付勢されている。従って、第2左側可動体221Lと第2右側可動体221Rの摺動軸部262がガイド面261の誘導傾斜面261Bと当接した状態では、第2左側可動体221Lと第2右側可動体221Rは、付勢力に抗した力を誘導傾斜面261Bから受けていることになる。従って、図15(B)から図15(A)への変化に示されるように、第2支持ベース225が第2上端位置から第2下端位置側へ移動すると、第2左側可動体221Lと第2右側可動体221Rの摺動軸部262が誘導傾斜面261Bから離れるように移動することとなり、第2左側可動体221Lが自重によって時計方向に回動し、第2右側可動体221Rが自重によって反時計方向に回動する。ここで、第2左側可動体221Lと第2中央可動体221Cの横辺部同士は回転自在に連結されているので、第2左側可動体221Lが時計方向に回動すると、第2中央可動体221Cが反時計方向に回動する。その結果、第2左側可動体221L及び第2中央可動体221Cが、折曲状態から直線状態に変化する。
【0083】
本実施形態の遊技機10では、図16(A)~図16(C)の流れに示されるように、第2可動役物装置200の動作に上述した第1可動役物装置100の動作が複合した複合役物演出が行われてもよい。具体的には、複合役物演出では、まず、図16(A)に示されるように、第2可動役物装置200において、第1可動部210と第2可動部220が互いに接近する。この接近は、図10(A)から図10(B)への流れで示した第1支持ベース215と第2支持ベース225の移動により行われる。
【0084】
第1可動部210と第2可動部220が接近すると、第1可動部210及び第2可動部220が表示画面13Gの前側に配置される。その結果、表示画面13Gのうち第1可動部210と第2可動部220の間から視認可能な領域が上下に狭まる。このとき、表示画面13Gにおいて第1可動部210と第2可動部220の間から視認可能な領域に表示される画像が、第1可動部210と第2可動部220の接近に伴って上下に圧縮される。また、表示画面13Gにおいて第1可動部210の上側から視認可能な領域と第2可動部220の下側から視認可能な領域が暗くなる。
【0085】
図16(A)から図16(B)の流れに示されるように、第1可動部210と第2可動部220がさらに接近すると、第1可動部210と第2可動部220が連結状態から分断状態に変化する。このとき、表示画面13Gにおいて第1可動部210と第2可動部220の間から視認可能な領域には、その全体に亀裂が入った画像が表示される。このように、本実施形態では、第1可動部210と第2可動部220の動作と表示画面13Gの画像が連動することで、表示画面13Gが割れるように見せることが可能となる。
【0086】
図16(B)から図16(C)の流れに示されるように、複合役物演出では、さらに、第1可動役物装置100において、回動ベース111が第1回動位置から第2回動位置へと回動すると共に、進退部材121が第1進退位置から第2進退位置へと移動する。すると、第1可動役物装置100の移動演出部110が第2可動役物装置200の第1可動部210と第2可動部220の前側に配置される。ここで、回動ベース111の装飾プレート113と進退部材121の装飾部材123には、例えば、獣や化け物の顔の装飾が施されていて、進退部材121から突出する突出部材130は、牙を象った形状となっている。これにより、第1可動役物装置100の移動演出部110が模した獣や化け物が表示画面13Gを噛み砕いているように見せることが可能となる。
【0087】
以下、本実施形態の遊技機10から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0088】
<特徴A群>
以下の特徴B群は、「可動役物装置を備えた」遊技機に関し、「特許文献A1(特開2008-104637号(段落[0109]、図15))の遊技機では、可動役物装置の可動演出部が、遊技盤の前面に沿って回動する。」という背景技術について、「特許文献A1の遊技機では、可動演出部が単に移動するだけであるため、可動演出部の動きがインパクトに欠けるという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
【0089】
[特徴A1]
可動役物装置(第2可動役物装置200)を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記可動役物装置は、
互いに回転自在に連結された1対の可動体(第1左側可動体211L及び第1右側可動体211R、第2左側可動体221L及び第2中央可動体221C)を含む可動演出部(第1可動部210、第2可動部220)と、
前記1対の可動体のうち互いの連結部分から離れた部位(第1可動部210では、第1左側可動体211Lのガイド突部252と第1右側可動体211Rの摺接軸部257、第2可動部220では、第2左側可動体221Lの摺動突部262と第2中央可動体221Cの回動軸部221J)同士の距離を変化させることで、前記可動演出部を、前記1対の可動体が直線状に配置される第1状態(図10(A)に示される第1可動部210と第2可動部220の状態)と、前記1対の可動体が折れ線状に配置される第2状態(図10(C)に示されるる第1可動部210と第2可動部220の状態)と、に変化させる可変機構(第1可動部210については、ガイド孔251及び陥没部256、第2可動部220のついては、ガイド面261)と、を有する、遊技機。
【0090】
本特徴に示す構成では、可動演出部を構成する1対の可動体が直線状と折れ線状に変化することで、可動演出部の形状が変化し、可動演出部の動きにインパクトを持たせることが可能となる。
【0091】
[特徴A2]
前記可動役物装置は、前記1対の可動体を回転可能に支持する支持ベース(第1支持ベース215、第2支持ベース225)を有し、
前記1対の可動体は、一方の可動体(第1左側可動体211L、第2中央可動体221C)に形成された突起(係合突起214T,224T)が他方の可動体(第1右側可動体211R、第2左側可動体221L)に形成された長孔(長孔214N,224N)と係合することで連結されている、特徴A1に記載の遊技機。
【0092】
1対の可動体の連結は、各可動体に形成されたフック状又はリング状の部位同士の係合によって行われてもよいし、本特徴に示す構成のように、一方の可動体に形成された突起と他方の可動体に形成された長孔との係合によって行われてもよい。なお、長孔には、可動体を貫通しない凹部や溝が含まれるものとする。本特徴に示す構成によれば、1対の可動体同士の捻じれが抑制される。
【0093】
[特徴A3]
前記可動役物装置は、
前記支持ベースを遊技盤(遊技盤11)の前面に沿って移動可能に支持する固定ベース(機構枠17の側辺部17S及び挟み部237)を有し、
前記可変機構は、前記支持ベースの移動に伴って前記可動演出部の状態を変化させる、A2に記載の遊技機。
【0094】
本特徴に示す構成によれば、可動演出部を遊技盤の前面に沿って移動させながら、その形状を変化させることが可能となる。
【0095】
[特徴A4]
前記支持ベースは、第1直動位置(図10(A)に示される第1支持ベース215と第2支持ベース225の位置)と第2直動位置(図10(C)に示される第1支持ベース215と第2支持ベース225の位置)との間を直動するように前記固定ベースに支持され、
前記可変機構は、前記支持ベースが前記第1直動位置に配置されたときに前記1対の可動体を前記支持ベースの直動方向と直交する方向に沿って直線状に配置し、前記支持ベースが前記第2直動位置へ移動するときに前記1対の可動体を前記第2直動位置側が凸となるように折り曲げる、特徴A3に記載の遊技機。
【0096】
本特徴に示す構成によれば、可動演出部が第2直動位置側に力を受けて折れ曲がったように見せることが可能となる。
【0097】
[特徴A5]
前記可変機構は、
前記固定ベースに設けられて、前記可動体の回転軸(回動軸部211J,221J)に略平行であって前記支持ベースの移動方向に対して傾斜する傾斜ガイド面(ガイド孔251の誘導傾斜部251B、陥没部256の誘導傾斜面256B、ガイド面261の誘導傾斜面261B)と、
前記1対の可動体のうち少なくとも一方の可動体に設けられ、前記支持ベースが移動したときに前記傾斜ガイド面に摺接して該一方の可動体をその回転軸を中心にして回転させる摺接部(第1可動部210のガイド突部252及び摺接軸部257、第2可動部220の摺接突部262)と、を有する、特徴A3又はA4に記載の遊技機。
【0098】
本特徴に示す構成では、傾斜ガイド面に沿って摺接部が摺接することで、一方の可動体が回転し、1対の可動体のうち互いの連結部分から離れた部位同士の距離が変化する。本特徴の構成によれば、可変機構を簡易な構成にすることが可能となる。
【0099】
[特徴A6]
前記可動役物装置は、前記可動演出部を1対(第1可動部210及び第2可動部220)備え、
1対の前記可動演出部は、前記第1状態で略平行に配置され、前記第1状態から前記第2状態へ変化するときに、互いに近づくように折れ曲がる、特徴A1乃至A5のうち何れか1の請求項に記載の遊技機。
【0100】
本特徴に示す構成では、1対の可動演出部が第1状態から第2状態へ変化するときに、それら1対の可動演出部が押し潰されたように見せることが可能となる。
【0101】
[特徴A7]
1対の前記可動演出部は、前記第1状態において表示部(表示画面13G)を縁取るように配置される、特徴A6に記載の遊技機。
【0102】
本特徴に示す構成では、1対の可動演出部によって表示部を装飾することが可能となる。
【0103】
[特徴A8]
可動役物装置(第2可動役物装置200)を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記可動役物装置は、
互いに回転自在に連結された1対の可動体(第1可動部210における第1左側可動体211L及び第1右側可動体211R、第2可動部220における第2左側可動体221L及び第2中央可動体221C)を含む可動演出部(第1可動部210、第2可動部220)と、
前記1対の可動体のうち互いの連結部分から離れた部位(第1可動部210における第1左側可動体211Lのガイド突部252と第1右側可動体211Rの摺接軸部257、第2可動部220における第2左側可動体221Lの摺動突部262と第2中央可動体221Cの回動軸部221J)同士の距離を変化させることで、前記可動演出部を、前記1対の可動体が直線状に配置される第1状態(図10(A)に示される第1可動部210と第2可動部220の状態)と、前記1対の可動体が折れ線状に配置される第2状態(図10(C)に示される第1可動部210と第2可動部220の状態)と、に変化させる可変機構(ガイド孔251及び陥没部256、1対のガイド面261,261)と、
前記第2状態の前記可動演出部に対してその折れ線の谷となる側から対向する対向壁(第1可動部210の上端突壁215J、第2可動部220の下端突壁225K)と、を有する、遊技機。
【0104】
本特徴に示す構成では、可動演出部を構成する1対の可動体が直線状と折れ線状に変化することで、可動演出部の形状が変化し、可動演出部の動きにインパクトを持たせることが可能となる。また、本特徴の構成では、対向壁によって可動演出部が反対側に折れ曲がることが規制される。
【0105】
[特徴A9]
可動役物装置(第2可動役物装置200)を備えた遊技機(遊技機10)において、
前記可動役物装置は、
支持ベース(第1支持ベース215、第2支持ベース225)と、
前記支持ベースに回転自在に支持される複数の可動体(第1可動部210における第1左側可動体211L及び第1右側可動体211R、第2可動部220における第2左側可動体221L、第2中央可動体221C及び第2右側可動体221R)からなる可動演出部(第1可動部210、第2可動部220)と、
前記複数の可動体を前記支持ベースに対して回転させることで、前記可動演出部を、前記複数の可動体が直線状に繋がった第1状態(図10(A)に示される第1可動部210と第2可動部220の状態)と、前記複数の可動体が互いに分離するように切断された第2状態(図10(B)に示される第1可動部210と第2可動部220の状態)と、に変化させる可変機構(ガイド孔251及び陥没部256、1対のガイド面261,261)と、を有する、遊技機。
【0106】
本特徴に示す構成では、可動演出部を構成する複数の可動体が直線状に繋がった状態と互いに分離した状態とに変化することで、可動演出部の形状が変化し、可動演出部の動きにインパクトを持たせることが可能となる。
【0107】
なお、特徴Aに示す構成に、特徴A2~A7に示す構成が組み合わされてもよい。また、特徴A9に示す構成に、特徴A1~A8に示す構成が組み合わされてもよい。
【0108】
[特徴A群に含まれる他の実施形態]
特徴A群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
【0109】
(a1)第1支持ベース215又は第2支持ベース225は、機構枠17に固定されて移動不能に構成されてもよい。この場合、特徴A1,A8,A9の可変機構は、支持ベースを移動させることなく、可動演出部を第1状態と第2状態とに変化させることになる。具体的には、図13(A)に示される第1可動部210において、第1左側可動体211Lの左側張出片253と、第1右側可動体211Rの右側張出片258にそれぞれソレノイドを連結し、ソレノイドのオンオフによって、第1可動部210の状態を変化させる構成とすればよい。また、第1左側可動体211Lの左側張出片253及び第1右側可動体211Rの右側張出片258に替えて、第1左側可動体211L及び第1右側可動体211Rの各縦辺部にソレノイドを連結してもよい。なお、第2可動部220についても同様である。
【0110】
(a2)第1支持ベース215が上端突部215Jを備えず、第2支持ベース225が下端突壁225Kを備えない構成であってもよい。
【0111】
(a3)特徴A1における可動演出装置は、上記実施形態のように、可動演出部を1対(第1可動部210及び第2可動部220)、備えた構成であってもよいし、第1可動部210及び第2可動部220の何れか一方だけであってもよいし、また3つ以上、備えた構成であってもよい。
【0112】
(a4)第1支持ベース215又は第2支持ベース225は、移動方向に対して傾斜した状態で移動する構成であってもよい。具体的には、図14に示される第2可動部220の第2支持ベース225において、左右方向に延びる横辺部に対して、横辺部から上方に伸びる1対のサイド突壁243,243を回動可能に連結する。そして、第2支持ベース225を駆動させる第2駆動機構240,240のうち、一方の第2駆動機構240を他方の第2駆動機構240に対してズラして駆動させることで、第2支持ベース225を移動方向に対して傾斜した状態で移動させることが可能となる。
【0113】
(a5)第1可動部210と第2可動部220が共通の駆動源によって駆動される構成であってもよい。具体的には、上下方向に延びて駆動源により駆動されるボールネジと、ボールネジと平行に延びて、リンク機構等によってボールネジとは逆方向に移動するシャフトとを備え、ボールネジに第1可動部210を連結し、シャフトに第2可動部220を連結した構成とればよい。
【0114】
(a6)特徴A9に含まれる形態として、支持ベースに回転可能に支持された全ての可動体が、回動機構によって同じ方向(例えば、時計方向)に回動するように構成されてもよい。この場合、全ての可動体が、通常は、直線状に並べられた連結状態に配置され、各可動体が回動駆動されると、バラバラに分断された分断状態になる。
【符号の説明】
【0115】
10 遊技機
100 第1可動役物装置
101 固定ベース
110 移動演出部
111 回動ベース
111J 回転軸部
121 進退部材
130 突出部材
200 第2可動役物装置
210 第1可動部
211 第1可動体
220 第2可動部
221 第2可動体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16