(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】消火栓格納箱
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
A62C35/20
(21)【出願番号】P 2018097531
(22)【出願日】2018-05-22
【審査請求日】2021-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】390031554
【氏名又は名称】株式会社横井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100129540
【氏名又は名称】谷田 龍一
(74)【代理人】
【識別番号】100082474
【氏名又は名称】杉本 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】寺本 健
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-198537(JP,A)
【文献】特開2010-104625(JP,A)
【文献】特開平11-307951(JP,A)
【文献】特開2000-205215(JP,A)
【文献】特開2004-204870(JP,A)
【文献】実開平06-062572(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0142621(KR,A)
【文献】国際公開第2007/091812(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 35/20
F16B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部に締付具を介して取り付けられる扉枠及び当該扉枠に開閉自在に設けられて格納箱本体の開口を開閉する一枚若しくは複数枚の扉板から成る消火栓扉と、を備えた消火栓格納箱であって、前記格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段は、格納箱本体の左右の扉取り付け部にそれぞれ設けられ、格納箱本体の左右の内面と扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれた後端部との間に位置し且つ前方を向く支持片を有する左右の支持部材と、扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれる後端部の左右位置に左右方向へ張り出した状態で設けられ、左右の支持部材にそれぞれ支持される左右の離脱防止部材と、を備え
、前記左右の離脱防止部材の張り出し長さは、消火栓扉を格納箱本体に対して左右方向へ移動させたときに、左右の離脱防止部材の先端が格納箱本体の左側又は右側の内面に当接して消火栓扉の左右方向の位置決めを行う長さに設定されていることを特徴とする消火栓格納箱。
【請求項2】
前記左右の支持部材の支持片は、支持片の先端部上面に形成され、消火栓扉が前方へ傾倒したときに左右の離脱防止部材の一部が挿入係止される係止溝と、支持片の先端部上面に上方へ突出する姿勢で形成され、消火栓扉が前方へ傾倒したときに左右の離脱防止部材が支持片から抜けるのを防止する抜け止め突起の何れか一方又は両方を備えていることを特徴とする請求項1に記載の消火栓格納箱。
【請求項3】
前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部に締付具を介して取り付けられる扉枠及び当該扉枠に開閉自在に設けられて格納箱本体の開口を開閉する一枚若しくは複数枚の扉板から成る消火栓扉と、を備えた消火栓格納箱であって、前記格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段は、格納箱本体の上側の内面中央位置に設けられ、先端部が下方を向く垂直姿勢に形成された支持部材と、扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれる後端部の上辺中央位置に形成され、支持部材の先端部が挿入係止される開口状の切り込み部と、を備えていることを特徴とする消火栓格納箱。
【請求項4】
前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部に締付具を介して取り付けられる扉枠及び当該扉枠に開閉自在に設けられて格納箱本体の開口を開閉する一枚若しくは複数枚の扉板から成る消火栓扉と、を備えた消火栓格納箱であって、前記格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段は、格納箱本体の上側の扉取り付け部の中央位置に設けられ、先端部が前方を向く水平姿勢に形成されていると共に、水平姿勢の先端部に扉枠の納箱本体内に嵌め込まれる後端部の上辺が支持される支持部材を備えていることを特徴とする消火栓格納箱。
【請求項5】
前記支持部材は、格納箱本体の上側の扉取り付け部に一体的に設けられており、上側の扉取り付け部の中央部を延設して前方へ折り曲げ加工することにより形成されていることを特徴とする
請求項4に記載の消火栓格納箱。
【請求項6】
前記消火栓扉は、扉枠に支持軸を介して縦開き可能に支持される扉板を備え、当該扉板が支持される扉枠の左辺及び右辺に支持軸が挿通されるピン孔をそれぞれ形成し、一方のピン孔を円形ピン孔とすると共に、他方のピン孔を縦長ピン孔としたことを特徴とする請
求項1、
請求項3又は請求項4の何れかに記載の消火栓格納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にホテルやデパート、オフィスビル、商業ビル、マンション、病院、学校、劇場、旅館、工場、倉庫、駅等の建物内の壁面等に設置され、内部に消火活動に使用される消防用ホースやノズル、消火栓弁、消火器等を格納する消火栓格納箱の改良に係り、特に、建物内の壁面に埋設状態で設置された格納箱本体に消火栓扉を取り付ける際に、一人で消火栓扉の取り付け作業を行えると共に、格納箱本体に消火栓扉を簡単且つ容易にセットできて施工性の向上を図れ、しかも、格納箱本体が施工時の誤差で壁面に対して前後にずれた状態で設置された場合でも、格納箱本体に消火栓扉を確実且つ良好に取り付けることができ、更に、消火栓扉の扉枠に縦開き可能な扉板を容易に取り付けることができるようにした消火栓格納箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホテルやデパート、オフィスビル等の建物内の壁面等には、火災発生時に消火活動に使用される消防用ホースやノズル、消火栓弁、消火器等を格納した消火栓格納箱が設置されている。
【0003】
従来、この種の消火栓格納箱は、建物内の壁面に埋設状態で設置され、前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体に取り付けられ、格納箱本体の前面側開口を開閉する消火栓扉と、を備えている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0004】
図28は従来の消火栓格納箱30の一例を示し、当該消火栓格納箱30は、内部空間に消防用ホース、ノズル、消火栓弁及びホース格納器具(何れも図示省略)等を格納した前面が開口された格納箱本体31と、格納箱本体31の開口側内周縁部に取り付けられた扉枠32及び当該扉枠32に開閉自在に設けられた扉板33から成る消火栓扉34と、を備えている。
【0005】
尚、
図28において、35はコンクリート壁、36は壁仕上げ材、37は消火栓扉34の回転軸、38は扉板33に設けた取っ手、39はビス39a及びナット39bから成る締付具である。
【0006】
ところで、従来の消火栓格納箱30の建物への施工においては、建物の工事の工程に合わせて格納箱本体31を建物の壁に設置した後、壁面の完成後に格納箱本体31に消火栓扉34をビス39a及びナット39bから成る締付具39で固定するようにしており、格納箱本体31への消火栓扉34の取り付け作業は、二人の作業者で行っていた。
【0007】
即ち、格納箱本体31への消火栓扉34の取り付け作業は、二人の作業者うち、一人の作業者が消火栓扉34を持ち、当該消火栓扉34を建物内の壁面に埋設状態で設置した格納箱本体31の開口側内周縁部に嵌め込み、扉枠32の内周縁部に設けたアングル形状の連結部32aと格納箱本体31の開口側内周縁部に設けたアングル形状の扉取り付け部31aとを対向せしめ、連結部32a及び扉取り付け部31aに所定間隔毎に形成したビス孔の位置を合わせた後、他方の作業者が連結部32a及び扉取り付け部31aの各ビス孔にそれぞれビス39aを挿通し、各ビス39aにナット39bを締め込むことによって、格納箱本体31に消火栓扉34を取り付けるようにしていた。
【0008】
また、消火栓扉34を格納箱本体31の開口側内周縁部に嵌め込んだ後、消火栓扉34と格納箱本体31とをビス止めする際に、ビス止め作業を容易に行えるように扉板33を開放するが、このとき扉板33の重みによって、
図29に示すように消火栓扉34が前方へ傾倒するため、一人の作業者は、消火栓扉34を格納箱本体31側へ押え続けていなければならなかった。
【0009】
このように、従来の消火栓格納箱30おいては、格納箱本体31に消火栓扉34を取り付ける際に、消火栓扉34を持って保持する作業者とビス止め作業をする作業者の二名の作業者を必要とし、一人の作業者では消火栓扉34の取り付け作業を行えず、また、作業者は、格納箱本体31に対する消火栓扉34の位置ずれを防止したり、消火栓扉34が自重により前方へ傾倒するのを防止したりする必要があり、消火栓扉34の固定ができるまで消火栓扉34を保持し続けなければならず、容易に施工できないと言う問題があった。
【0010】
一方、上述した問題を解決する消火栓格納箱が開発され、特開2010-104625号公報(特許文献3参照)として公開されている。
【0011】
即ち、前記消火栓格納箱30は、
図30(A)及び(B)に示す如く、格納箱本体31の左右位置の扉取り付け部31aに消火栓扉34の扉枠32を支持する板状の支持用フック40を挿着し、当該支持用フック40の先端部を扉枠32の連結部32aに形成したフック挿入用スリット32bに挿入し、前記支持用フック40で消火栓扉34の扉枠32を支持するようにしたものである。
【0012】
従って、前記消火栓格納箱30は、消火栓扉34を支持用フック40で支持することができる構造となっているため、消火栓扉34を保持する作業者が不要となり、一人の作業者でビス止め作業を行うことができると言う利点がある。
【0013】
しかし、
図30(A)及び(B)に示す消火栓格納箱30は、格納箱本体31に消火栓扉34を取り付ける際に、板状の支持用フック40の先端部を扉枠32の連結部32aに形成した縦長のフック挿入用スリット32bに挿入しなければならないが、作業者側からフック挿入用スリット32bが見えないので、フック挿入用スリット32bに支持用フック40を挿入しづらく、消火栓扉34を格納箱本体31にセットするのに時間がかかると言う問題があった。
【0014】
尚、フック挿入用スリット32bの幅を広くした場合には、支持用フック40を挿入し易くなるが、消火栓扉34が格納箱本体30に対して左右方向へずれた状態で設置された場合には、支持用フック40の先端が扉板33の回転軌道に干渉し、消火栓扉34を開閉できなくなると言う別の問題が発生することになる。
【0015】
また、前記消火栓格納箱30は、消火栓扉34を支持用フック40で支持したときに、支持用フック40の先端部が扉枠32の内方に位置するため、支持用フック40の前後方向の長さをあまり長くすることができない。何故なら、支持用フック40を長くすると、扉板33が回転するときに支持用フック40の先端部に干渉することになるからである。
【0016】
その結果、格納箱本体31が施工時の誤差で壁面Wに対して前後に移動した場合には、次のような問題が生じる。
例えば、格納箱本体31の開口側先端が壁面Wよりも奥に入った場合には、
図31(A)に示すように支持用フック40の先端部に扉枠32が引っ掛からず、消火栓扉34を格納箱本体31にセットすることができないと言う問題が発生する。
反対に格納箱本体31の開口側先端が壁面Wよりも前に出た場合には、
図31(B)に示すように消火栓扉34を支持用フック40で支持することができるが、消火栓格納箱30の加工公差によっては扉板33が回転するときに支持用フック40の先端部に干渉することがあり、格納箱本体31を取り外さなければならないと言う問題が発生する。
【0017】
更に、前記消火栓格納箱30は、扉枠32に縦開き可能な扉板(図示省略)を備えており、当該扉板が扉枠32の左辺及び右辺に横向き姿勢の回転軸(図示省略)を介して縦開き可能に支持されているが、扉枠32の左辺及び右辺に形成した回転軸孔(図示省略)が何れも円形に形成されているため、回転軸孔に回転軸を円滑且つスムースに挿入することが難しく、回転軸孔と回転軸の位置合わせに手間取り、扉枠32への縦開きの扉板の取り付けを容易に行えないと言う問題がある。
【0018】
このように、
図30(A)及び(B)に示す消火栓格納箱30においても、格納箱本体31に消火栓扉34をセットし難いうえ、格納箱本体31を設置したときに前後方向に誤差が生じた場合には、格納箱本体31に消火栓扉34をセットできなかったり、或いは、扉板33が回転するときに支持用フック40に干渉すると言う問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【文献】実用新案登録第3189611号公報
【文献】特開2007-229108号公報
【文献】特開2010-104625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、建物内の壁面に埋設状態で設置された格納箱本体に消火栓扉を取り付ける際に、一人で消火栓扉の取り付け作業を行えると共に、格納箱本体に消火栓扉を簡単且つ容易にセットできて施工性の向上を図れ、しかも、格納箱本体が施工時の誤差で壁面に対して前後にずれた状態で設置された場合でも、格納箱本体に消火栓扉を確実且つ良好に取り付けることができ、更に、消火栓扉の扉枠に縦開き可能な扉板を容易に取り付けることができるようにした消火栓格納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の消火栓格納箱は、前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部に締付具を介して取り付けられる扉枠及び当該扉枠に開閉自在に設けられて格納箱本体の開口を開閉する一枚若しくは複数枚の扉板から成る消火栓扉と、を備えた消火栓格納箱であって、前記格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段は、格納箱本体の左右の扉取り付け部にそれぞれ設けられ、格納箱本体の左右の内面と扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれた後端部との間に位置し且つ前方を向く支持片を有する左右の支持部材と、扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれる後端部の左右位置に左右方向へ張り出した状態で設けられ、左右の支持部材にそれぞれ支持される左右の離脱防止部材と、を備え、前記左右の離脱防止部材の張り出し長さは、消火栓扉を格納箱本体に対して左右方向へ移動させたときに、左右の離脱防止部材の先端が格納箱本体の左側又は右側の内面に当接して消火栓扉の左右方向の位置決めを行う長さに設定されていることに特徴がある。
【0023】
本発明の請求項2に記載の消火栓格納箱は、請求項1に記載の消火栓格納箱において、前記左右の支持部材の支持片は、支持片の先端部上面に形成され、消火栓扉が前方へ傾倒したときに左右の離脱防止部材の一部が挿入係止される係止溝と、支持片の先端部上面に上方へ突出する姿勢で形成され、消火栓扉が前方へ傾倒したときに左右の離脱防止部材が支持片から抜けるのを防止する抜け止め突起の何れか一方又は両方を備えていることに特徴がある。
【0024】
本発明の請求項3に記載の消火栓格納箱は、前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部に締付具を介して取り付けられる扉枠及び当該扉枠に開閉自在に設けられて格納箱本体の開口を開閉する一枚若しくは複数枚の扉板から成る消火栓扉と、を備えた消火栓格納箱であって、前記格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段は、格納箱本体の上側の内面中央位置に設けられ、先端部が下方を向く垂直姿勢に形成された支持部材と、扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれる後端部の上辺中央位置に形成され、支持部材の先端部が挿入係止される開口状の切り込み部と、を備えていることに特徴がある。
【0025】
本発明の請求項4に記載の消火栓格納箱は、前面が開口された格納箱本体と、格納箱本体の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部に締付具を介して取り付けられる扉枠及び当該扉枠に開閉自在に設けられて格納箱本体の開口を開閉する一枚若しくは複数枚の扉板から成る消火栓扉と、を備えた消火栓格納箱であって、前記格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段は、格納箱本体の上側の扉取り付け部の中央位置に設けられ、先端部が前方を向く水平姿勢に形成されていると共に、水平姿勢の先端部に扉枠の納箱本体内に嵌め込まれる後端部の上辺が支持される支持部材を備えていることに特徴がある。
【0026】
本発明の請求項5に記載の消火栓格納箱は、請求項4に記載の消火栓格納箱において、前記支持部材は、格納箱本体の上側の扉取り付け部に一体的に設けられており、上側の扉取り付け部の中央部を延設して前方へ折り曲げ加工することにより形成されていることに特徴がある。
【0027】
本発明の請求項6に記載の消火栓格納箱は、請求項1、請求項3又は請求項4に記載の消火栓格納箱において、前記消火栓扉は、扉枠に支持軸を介して縦開き可能に支持される扉板を備え、当該扉板が支持される扉枠の左辺及び右辺に支持軸が挿通されるピン孔をそれぞれ形成し、一方のピン孔を円形ピン孔とすると共に、他方のピン孔を縦長ピン孔としたことに特徴がある。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に係る消火栓格納箱は、格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設けているため、建物内の壁面等に設置された格納箱本体に消火栓扉を取り付ける際に、扉支持手段により消火栓扉を格納箱本体に支持することができるので、格納箱本体から消火栓扉が離脱すると言うことがなく、一人で消火栓扉の取り付け作業を行えると共に、建設現場の施工性の大幅な向上を図れる。
【0029】
また、本発明の請求項1に係る消火栓格納箱は、扉支持手段が、格納箱本体の左右の扉取り付け部にそれぞれ設けられ、格納箱本体の左右の内面と扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれた後端部との間に位置する左右の支持部材と、扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれる後端部の左右位置に左右方向へ張り出した状態で設けられ、左右の支持部材にそれぞれ支持される左右の離脱防止部材と、を備えているため、従来の消火栓格納箱のように、細長くて作業者側から見えないフック挿入用スリットに板状の支持用フックを挿入すると言う作業を必要とすることがなく、扉枠の後端部を格納箱本体に嵌め込むだけで、左右の支持部材に左右の離脱防止部材が支持され、消火栓扉が扉支持手段を介して格納箱本体に支持された状態になる。その結果、本発明の請求項1に係る消火栓格納箱は、消火栓扉を格納箱本体にセットするのに時間がかかると言うことがなく、格納箱本体に消火栓扉を簡単且つ容易にセットできて施工性の向上を図れる。
【0030】
更に、本発明の請求項1に係る消火栓格納箱は、左右の支持部材が扉枠の外方に位置し、扉板が回転したときに左右の支持部材が扉板に干渉することがないため、左右の支持部材の前後方向の長さを長く設定することができる。その結果、本発明の消火栓格納箱は、格納箱本体が施工時の誤差で壁面に対して前後にずれた状態で設置された場合でも、左右の支持部材に左右の離脱防止部材が確実に支持されると共に、扉板が回転するときに左右の支持部材に干渉すると言うことがなく、格納箱本体に消火栓扉を確実且つ良好に取り付けることができる。
【0031】
更に、本発明の請求項1に係る消火栓格納箱は、扉支持手段の左右の離脱防止部材が、扉枠の左側方向及び右側方向へ張り出してその先端が格納箱本体の内面に当接して消火栓扉の左右方向の位置決めをするようにしているため、格納箱本体に消火栓扉を嵌め込むだけで、左右の支持部材及び左右の離脱防止部材により消火栓扉が格納箱本体に対して適正な位置にセットされて支持されることになり、従来の消火栓格納箱のように作業者が格納箱本体に対して消火栓扉を位置合わせしながら持ち続けると言う作業をする必要がなく、格納箱本体への消火栓扉の取り付けをより一層簡単且つ容易に行える。
【0032】
更に、本発明の請求項2に係る消火栓格納箱は、格納箱本体に設けた左右の支持部材が支持片を備え、当該支持片に、消火栓扉が前方へ傾倒したときに左右の離脱防止部材の一部が挿入係止される係止溝と、同じく消火栓扉が前方へ傾倒したときに左右の離脱防止部材が支持片から抜けるのを防止する抜け止め突起の何れか一方又は両方を設けているため、格納箱本体への消火栓扉の取り付け作業時に、万が一消火栓扉が前方へ傾倒して消火栓扉に格納箱本体から引き離す力が加わった場合でも、消火栓扉が格納箱本体から離脱するのを防止することができ、作業者が安全に作業を行える。
【0033】
本発明の請求項3に係る消火栓格納箱は、格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段が、格納箱本体の上側の内面中央位置に設けられ、先端部が下方を向く垂直姿勢に形成された支持部材と、扉枠の格納箱本体内に嵌め込まれる後端部の上辺中央位置に形成され、支持部材の先端部が挿入係止される開口状の切り込み部と、を備えているため、従来の消火栓格納箱のように、細長くて作業者側から見えないフック挿入用スリットに板状の支持用フックを挿入すると言う作業を必要とすることがなく、また、扉板が回転するときに支持部材に干渉すると言うことがない。その結果、本発明の請求項3に係る消火栓格納箱は、請求項1に係る消火栓格納箱と同様の作用効果を奏することができる。
【0034】
本発明の請求項4に係る消火栓格納箱は、格納箱本体の扉取り付け部と消火栓扉の扉枠との間に、扉枠の後端部が格納箱本体内に嵌め込まれた状態で消火栓扉を格納箱本体に支持する扉支持手段を設け、当該扉支持手段が、格納箱本体の上側の扉取り付け部の中央位置に設けられ、先端部が前方を向く水平姿勢に形成されていると共に、水平姿勢の先端部に扉枠の納箱本体内に嵌め込まれる後端部の上辺が支持される支持部材を備えているため、従来の消火栓格納箱のように、細長くて作業者側から見えないフック挿入用スリットに板状の支持用フックを挿入すると言う作業を必要とすることがなく、また、扉板が回転するときに支持部材に干渉すると言うことがない。その結果、本発明の請求項4に係る消火栓格納箱は、請求項1に係る消火栓格納箱と同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
また、本発明の請求項5に係る消火栓格納箱は、支持部材が扉取り付け部に一体的に形成されて折り曲げ加工することにより形成されているため、部品点数の削減を図れる。
【0036】
本発明の請求項6に係る消火栓格納箱は、縦開き可能な扉板が支持される扉枠の左辺及び右辺に支持軸が挿通されるピン孔をそれぞれ形成し、一方のピン孔を円形ピン孔とすると共に、他方のピン孔を縦長ピン孔としているため、扉板の左右何れか一方の端部を支持軸及び円形ピン孔により扉枠に回動自在に支持した後、扉板をその他方の端部が一方の端部よりも上方及び後方に位置するように傾斜させ、この状態で扉板の他方の端部に挿通した支持軸をその先端が扉枠の内面に接するように押しながら、扉板を前方へ移動させると、支持軸が必ず扉枠の縦長ピン孔を貫通する位置を通過することになり、支持軸の先端部が扉枠の縦長ピン孔に円滑且つスムースに挿通されることになる。その結果、本発明の請求項7に係る消火栓格納箱は、従来の消火栓格納箱のように、回転軸を円形の回転軸孔に貫通させる場合に比較して、支持軸を縦長ピン孔へ円滑且つスムースに貫通させることができ、扉枠に縦開き可能な扉板を容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る消火栓格納箱を建物内の壁面に設置し、下方の扉板を開放した状態を示し、(A)は消火栓格納箱の正面図、(B)は消火栓格納箱の側面図、(C)は消火栓格納箱の平面図である。
【
図2】消火栓格納箱の格納箱本体を示し、(A)は格納箱本体の正面図、(B)は格納箱本体の側面図、(C)は格納箱本体の平面図である。
【
図3】消火栓格納箱の消火栓扉を示し、(A)は消火栓扉の正面図、(B)は消火栓扉の側面図、(C)は消火栓扉の平面図である。
【
図4】格納箱本体の要部を示し、(A)は格納箱本体の要部の正面図、(B)は格納箱本体の要部の縦断側面図、(C)は格納箱本体の要部の一部切欠き平面図である。
【
図5】消火栓扉の要部を示し、(A)は消火栓扉を裏面側から見た消火栓扉の要部の正面図、(B)は消火栓扉の要部の側面図、(C)は消火栓扉の要部の平面図である。
【
図6】上方の扉板を取り外した状態の消火栓扉の要部を示し、(A)は消火栓扉の要部の正面図、(B)は消火栓扉の要部の一部切欠き側面図、(C)は消火栓扉の要部の一部切欠き平面図である。
【
図7】消火栓扉の扉枠に上方の扉板を取り付ける状態を示し、(A)は上方の扉板を傾斜させた状態の消火栓扉の要部の正面図、(B)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き側面図、(C)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き平面図である。
【
図8】同じく消火栓扉の扉枠に上方の扉板を取り付ける状態を示し、(A)は上方の扉板を手前へ引いた状態の消火栓扉の要部の正面図、(B)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き側面図、(C)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き平面図である。
【
図9】同じく消火栓扉の扉枠に上方の扉板を取り付ける状態を示し、(A)はL字状の支持軸を縦長ピン孔に挿入した状態の消火栓扉の要部の正面図、(B)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き側面図、(C)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き平面図である。
【
図10】同じく消火栓扉の扉枠に上方の扉板を取り付ける状態を示し、(A)は上方の扉板を押し下げた状態の消火栓扉の要部の正面図、(B)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き側面図、(C)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き平面図である。
【
図11】同じく消火栓扉の扉枠に上方の扉板を取り付ける状態を示し、(A)は上方の扉板を閉じた状態の消火栓扉の要部の正面図、(B)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き側面図、(C)は同じく消火栓扉の要部の一部切欠き平面図である。
【
図12】格納箱本体に消火栓扉を取り付ける状態を示し、(A)は格納箱本体の要部の縦断側面図、(B)は格納箱本体に消火栓扉を嵌め込んだ消火栓格納箱の要部の縦断側面図である。
【
図13】同じく格納箱本体に消火栓扉を取り付ける状態を示し、(A)は扉支持手段により消火栓扉が格納箱本体に保持された状態の消火栓格納箱の要部の縦断側面図、(B)は格納箱本体と消火栓扉とを締付具により締め付け固定した状態の消火栓格納箱の要部の縦断側面図である。
【
図14】消火栓扉が自重により前方へ傾倒し、離脱防止部材の一部が支持部材の係止溝に挿入係止された状態の消火栓格納箱の要部の縦断側面図である。
【
図15】扉支持手段により消火栓扉が格納箱本体に支持された状態を示し、(A)は消火栓格納箱の一部切欠き平面図、(B)は格納箱本体に対して消火栓扉が右方向へ移動し、離脱防止部材により位置決めされた状態の消火栓格納箱の一部切欠き平面図である。
【
図16】消火栓格納箱の要部を示し、(A)は格納箱本体が壁面よりも前に出た状態の消火栓格納箱の要部の縦断側面図、(B)は格納箱本体が壁面よりも奥に入った状態の消火栓格納箱の要部の縦断側面図、(C)は消火栓格納箱の要部の一部切欠き平面図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る消火栓格納箱を建物内の壁面に設置した状態を示し、(A)は消火栓格納箱の正面図、(B)は消火栓格納箱の側面図、(C)は消火栓格納箱の平面図である。
【
図18】
図17に示す消火栓格納箱の要部の縦断側面図である。
【
図19】
図17に示す消火栓扉の要部を示し、(A)は消火栓扉を裏面側から見た消火栓扉の要部の正面図、(B)は消火栓扉の要部の側面図、(C)は消火栓扉の要部の平面図である。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係る消火栓格納箱の要部の縦断側面図である。
【
図21】
図20に示す消火栓格納箱の格納箱本体の要部を示し、(A)は格納箱本体の要部の正面図、(B)は格納箱本体の要部の一部切欠き平面図である。
【
図22】
図20に示す消火栓格納箱の消火栓扉を格納箱本体に嵌め込む状態を示す消火栓格納箱の要部の縦断側面図である。
【
図23】本発明の第4の実施形態に係る消火栓格納箱を示し、(A)格納箱本体に消火栓扉を嵌め込む状態を示す格納箱消火栓の要部の縦断側面図、(B)は扉支持手段により消火栓扉が格納箱本体に支持された状態の格納箱消火栓の要部の縦断側面図である。
【
図24】
図23に示す消火栓格納箱の格納箱本体の要部を示し、(A)は格納箱本体の要部の正面図、(B)は格納箱本体の要部の一部切欠き平面図である。
【
図25】扉支持手段の変形例を示し、(A)は支持部材の支持片に係止溝のみを形成した扉支持手段を備えた格納箱消火栓の要部の縦断側面図、(B)は支持部材の支持片に抜け止め突起のみを形成した扉支持手段を備えた格納箱消火栓の要部の縦断側面図である。
【
図26】扉支持手段の別の変形例を示し、(A)は支持部材を支持片のみで形成し、扉取り付け部に固定した状態の格納箱本体の要部の正面図、(B)は同じく格納箱本体の要部の縦断側面図、(C)は同じく格納箱本体の要部の一部切欠き平面図である。
【
図27】扉支持手段の更に別の変形例を示し、(A)は支持部材を断面形状が矩形の棒状部材により形成し、扉取り付け部に固定した状態の格納箱本体の要部の正面図、(B)は同じく格納箱本体の要部の縦断側面図、(C)は同じく格納箱本体の要部の一部切欠き平面図である。
【
図28】従来の消火栓格納箱の一部省略横断面図である。
【
図29】消火栓扉が自重により前方へ傾倒する状態を示す従来の消火栓格納箱の側面図である。
【
図30】従来の他の消火栓格納箱の要部を示し、(A)は消火栓格納箱の要部の縦断側面図、(B)は消火栓格納箱の要部の一部切欠き平面図である。
【
図31】
図30に示す消火栓格納箱の要部を示し、(A)は格納箱本体が壁面よりも奥に入った状態の消火栓格納箱の要部の一部切欠き平面図、(B)は格納箱本体が壁面よりも前に出た状態の消火栓格納箱の要部の一部切欠き平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1~
図16は本発明の第1の実施形態に係る消火栓格納箱1を示し、当該消火栓格納箱1は、ホテルやデパート、オフィスビル、商業ビル、マンション、病院、学校、劇場、旅館、工場、倉庫、駅等の建物内の壁面Wに埋設状態で設置され、内部に消火活動に使用される消防用ホース2やノズル3、消火栓弁4、ツインローラ式のホース格納器具5等を格納したものである。
【0039】
即ち、前記消火栓格納箱1は、建物内の廊下等の壁面Wに埋設状態で設置され、前面が開口された格納箱本体6と、格納箱本体6の開口側内周縁部に設けた扉取り付け部6fにビス7a及びナット7bから成る締付具7(
図13(B)参照)を介して取り付けられる扉枠8及び当該扉枠8に開閉自在に設けられて格納箱本体6の開口を開閉する二枚の扉板9,10から成る消火栓扉11と、を備えており、前記格納箱本体6の扉取り付け部6fと消火栓扉11の扉枠8との間に、扉枠8の一部分が格納箱本体6内に嵌め込まれた状態で消火栓扉11を格納箱本体6に支持する扉支持手段12を設けたものである。
【0040】
前記格納箱本体6は、
図2に示す如く、鋼板により前面が開口された矩形のボックス状に形成されており、左右の側板6aと、天板6bと、底板6cと、背板6dと、を備えている。この格納箱本体6の表面には、塗装(例えば、メラミン樹脂やアクリル樹脂等の焼付塗装)が施されている。
【0041】
また、格納箱本体6内の空間は、格納箱本体6内に水平姿勢で配設した鋼板製の仕切板6eによって、消防用ホース2やノズル3、消火栓弁4、ホース格納器具5等が収容される下部収容空間と、制御盤や火災報知機等が収容される上部収容空間とに区画されている。
【0042】
更に、格納箱本体6の開口側内周縁部には、消火栓扉11の扉枠8を取り付けるためのアングル形状の扉取り付け部6fが設けられている。
【0043】
前記扉取り付け部6fは、格納箱本体6の左右の側板6aの開口側内周縁部及び天板6bの開口側内周縁部にそれぞれ設けられており、
図4に示す如く、左右の側板6aの前端部及び天板6bの前端部を格納箱本体6の内方側へそれぞれL字状に折り曲げることにより形成されている。この扉取り付け部6fは、格納箱本体6と別体に形成し、格納箱本体6の左右の側板6a及び天板6bに溶接により固定するようにしても良い。
【0044】
また、扉取り付け部6fには、締付具7のビス7aが挿通される複数のビス孔13と、扉支持手段12の支持部材12Aが挿通支持される縦長のスリット孔14とがそれぞれ形成されている。
【0045】
本実施形態では、ビス孔13は、左側及び右側の扉取り付け部6fの前面を向く部分に所定間隔ごとにそれぞれ三つずつ形成されていると共に、上側の扉取り付け部6fの前面を向く部分に所定の間隔を空けて二つ形成されている(
図2(A)参照)。また、縦長のスリット孔14は、左側及び右側の扉取り付け部6fの上端部で且つ前面を向く部分にそれぞれ形成されている(
図2(A)参照)。尚、各ビス孔13の内径は、ビス7aの外径よりも若干大きめに形成されている。
【0046】
一方、前記消火栓扉11は、
図3に示す如く、格納箱本体6の開口側内周縁部に形成した扉取り付け部6fに複数の締付具7により取り付けられる扉枠8と、扉枠8に前方へ開閉自在に設けられた下方の扉板9と、下方の扉板9の上側位置において扉枠8に縦開き開閉自在に設けられた上方の扉板10と、を備えている。
【0047】
前記扉枠8は、鋼板により四角枠状に形成されており、扉枠8の内周縁部には、扉枠8を締付具7により格納箱本体6の扉取り付け部6fに取り付けるためのアングル形状の連結部8bが設けられている。この連結部8bには、格納箱本体6の扉取り付け部6fに形成した複数のビス孔13にそれぞれ合致する複数のビス孔15が形成されている。これらのビス孔15の内径は、ビス7aの外径よりも若干大きめに形成されている。
【0048】
具体的には、扉枠8は、
図3、
図5及び
図12(B)に示す如く、断面形状がコ字状の鋼板材により枠状に形成され、外周側の後端が格納箱本体6を設置した壁面Wに当接し得る枠部8aと、枠部8aの内周側の後端に連設され、断面形状がL字状の連結部8bと、左側の連結部8bと右側の連結部8bの上部間に架設された水平姿勢の扉板用仕切板8cと、を備えている。この扉枠8の表面には、格納箱本体6と同じ塗装(例えば、メラミン樹脂やアクリル樹脂等の焼付塗装)が施されている。
【0049】
また、扉枠8の扉板用仕切板8cの右側端部には、下方の扉板9を前方へ開閉自在に支持するL字状の支持軸16が挿通される縦向きの円形ピン孔17(
図6(A)参照)が形成されていると共に、扉枠8の枠部8aの下辺右側端部には、前記円形ピン孔17に対向し、下方の扉板9を前方へ開閉自在に支持するピン状の支持軸18(
図1(A)参照)が挿通される縦向きの円形ピン孔(図示省略)が形成されている。
【0050】
更に、扉枠8の枠部8aの左辺上端部には、上方の扉板10を縦開き開閉自在に支持するL字状の支持軸16が挿通される縦長ピン孔19(
図6参照)が形成されていると共に、扉枠8の枠部8aの右辺上端部には、前記縦長ピン孔19に対向し、上方の扉板10を縦開き開閉自在に支持するピン状の支持軸18が挿通される横向きの円形ピン孔20(
図6参照)が形成されている。この横向きの円形ピン孔20は、縦長ピン孔19の下端部開口と合致するようになっている。
【0051】
前記下方の扉板9及び上方の扉板10は、何れも鋼板によりそれぞれ形成されており、強度を高めるために外周縁部が背面側へコ字状に折り曲げられている。この下方の扉板9及び上方の扉板10の表面には、格納箱本体6と同じ塗装(例えば、メラミン樹脂やアクリル樹脂等の焼付塗装)がそれぞれ施されている。
【0052】
また、下方の扉板9及び上方の扉板10には、扉枠8の枠部8a及び扉板用仕切板8cにそれぞれ形成した縦向きの円形ピン孔17、縦長ピン孔19及び横向きの円形ピン孔20にそれぞれ合致し得る円形ピン孔21(
図6(A)参照)がそれぞれ形成されている。
【0053】
更に、下方の扉板9には、ロック機構(図示省略)付きの取っ手22と、下方の扉板9を補強するチャンネル形状の補強部材23とが、また、上方の扉板10には、表示灯24と、発信機25とがそれぞれ設けられている(
図1及び
図3参照)。
【0054】
そして、前記下方の扉板9及び上方の扉板10は、何れもL字状の支持軸16とピン状の支持軸18とにより扉枠8に開閉自在に取り付けられている。
【0055】
前記L字状の支持軸16は、下方の扉板9の背面(裏面)上方位置及び上方の扉板10の背面(裏面)上方位置に溶接により固定した軸受部材26に回転自在且つスライド自在に支持されている(
図5及び
図6参照)。
【0056】
前記軸受部材26は、
図5に示す如く、下方の扉板9又は上方の扉板10の背面に溶接により固定された基板26aと、基板26aにコ字状に折り曲げ形成され、L字状の支持軸16の一部を軸線周りに回転可能且つ長さ方向に移動可能に支持するコ字状の軸受片26bと、基板26aに折り曲げ形成され、コ字状の軸受片26bとでL字状の支持軸16を支持する板状の軸受片26cと、基板26aに折り曲げ形成され、L字状の支持軸16を係止して抜け止めする係止片26dと、を備えている。
【0057】
而して、前記下方の扉板9は、当該下方の扉板9を扉枠8内に配置し、下方の扉板9に形成した各円形ピン孔21を扉枠8の枠部8a及び扉板用仕切板8cに形成した各円形ピン孔17にそれぞれ合致させ、合致する各円形ピン孔17,21にL字状の支持軸16とピン状の支持軸18とをそれぞれ挿通することによって、L字状の支持軸16周り及びピン状の支持軸18周りで且つ扉枠8に前方へ開閉可能に支持されることになる(
図6参照)。このとき、L字状の支持軸16の一部は、コ字状の軸受片26bと係止片26dとの間に挟まれるようにして係止されている。
【0058】
一方、前記上方の扉板10は、当該上方の扉板10を扉枠8内に配置し、上方の扉板10に形成した各円形ピン孔21を扉枠8の枠部8aに形成した縦長ピン孔19及び横向きの円形のピン孔20にそれぞれ合致させ、合致する各円形ピン孔20,21にピン状の支持軸18を挿通すると共に、合致する縦長ピン孔19と円形ピン孔21にL字状の支持軸16を挿通することによって、L字状の支持軸16周り及びピン状の支持軸18周りで且つ扉枠8に縦開き可能に支持されている(
図11参照)。このとき、L字状の支持軸16の一部は、コ字状の軸受片26bと係止片26dとの間に挟まれるようにして係止されている。
【0059】
尚、上記の実施形態においては、扉枠8の枠部8aにL字状の支持軸16が挿通される縦長ピン孔19を形成しているため、従来の消火栓格納箱のように、扉枠にL字状の支持軸が挿通される円形状のピン孔を形成した場合に比較して、扉枠8への上方の扉板10の取り付けを容易に行えることになる。
【0060】
即ち、
図7~
図11に示す如く、上方の扉板10の右側端部をピン状の支持軸18により扉枠8の枠部8aに回動自在に支持した後、正面視においてL字状の支持軸16を設けた上方の扉板10の左側端部が右側端部よりも上方に位置するように傾斜させると共に、平面視において上方の扉板10の左側端部が右側端部よりも後方に位置するように傾斜させ、この状態で軸受部材26に支持されたL字状の支持軸16をその先端が扉枠8の内周内板に当接するように左側方向へ押しながら、上方の扉板10を前方へ移動させる。そうすると、L字状の支持軸16が必ず扉枠8の縦長ピン孔19を貫通する位置を通過することになり、L字状の支持軸16の先端部が扉枠8の枠部8aに形成した縦長ピン孔19に挿通されることになる。L字状の支持軸16の先端部が枠部8aの縦長ピン孔19に挿通されたら、上方の扉板10の左側端部を押し下げて上方の扉板10を水平姿勢にした後、上方の扉板10を下方へ回動させて鉛直姿勢にする。
【0061】
このように、扉枠8の枠部8aに縦長ピン孔19を形成すると、L字状の支持軸16を円形のピン孔に貫通させる場合に比較して、L字状の支持軸16を縦長ピン孔19へ容易に貫通させることができ、上方の扉板10を扉枠8に容易に取り付けることができる。
【0062】
前記扉支持手段12は、
図4、
図5及び
図12~
図15に示す如く、格納箱本体6の上部左右位置に設けられ、格納箱本体6内に位置する左右の支持部材12Aと、消火栓扉11の格納箱本体6内に嵌合される扉枠8の後端部(扉枠8の連結部8b)で且つ上部左右位置に設けられ、前記左右の支持部材12Aに支持される左右の離脱防止部材12Bと、を備えている。
【0063】
即ち、前記左右の支持部材12Aは、格納箱本体6の左側及び右側の扉取り付け部6fの上端部に着脱自在に設けられ、また、前記左右の離脱防止部材12Bは、扉枠8の上側の連結部8bの両側(左右位置)に側方へ張り出した状態で一体的に設けられている。
【0064】
具体的には、左右の支持部材12Aは、
図4に示す如く、金属板をL字状に折り曲げることにより形成されており、格納箱本体6の左側及び右側の扉取り付け部6fの上端部に形成した縦長のスリット孔14に後方から挿通されて前方に突出し、扉枠8の連結部8bに設けた離脱防止部材12Bが支持載置される板状の支持片12aと、支持片12aに直角に連設されて扉取り付け部6fの背面に面接触状態で係止される板状の係止片12bと、を備えている。
【0065】
また、左右の支持部材12Aの支持片12aは、支持片12aの先端部上面に形成され、消火栓扉11が自重等により前方へ傾倒したときに扉枠8に設けた離脱防止部材12Bの一部が挿入係止される係止溝12cと、係止溝12cの前方位置で且つ支持片12aの先端部上面に上方へ突出する姿勢で形成され、消火栓扉11が自重等により前方へ傾倒したときに離脱防止部材12Bが支持片12aから抜けるのを防止する抜け止め突起12dと、を備えている(
図14参照)。
【0066】
一方、左右の離脱防止部材12Bは、
図5に示す如く、扉枠8の上辺の連結部8bの左右の両端部に、扉枠8の左辺及び右辺の連結部8bよりも側方へ張り出した状態で一体的に設けられており、正面形状が矩形状、平面形状が三角形状、側面形状が逆L字状に形成されている。この離脱防止部材12Bの張り出し方向の長さは、扉枠8の後端部(連結部8b)を格納箱本体6内に嵌め込んだときに、離脱防止部材12Bの先端と格納箱本体6の内面との間に若干の隙間が形成されるように設定されており、消火栓扉11を格納箱本体6に対して左右方向へ一定量だけ移動させることができるようにすると共に、消火栓扉11を左右方向へ一定量移動させたときに、離脱防止部材12Bの先端が格納箱本体6の左側若しくは右側の内面に当接して消火栓扉11の左右方向の位置決めを行えるようになっている(
図15参照)。前記左右の離脱防止部材12Bは、連結部8bと別体に形成し、溶接等により連結部8bに固定するようにしても良い。
【0067】
尚、前記消火栓格納箱1において、消火栓扉11を格納箱本体6に対して左右方向へ一定量だけ移動できるようにしたのは、パネルやタイルで仕上げる壁に消火栓格納箱1を設置する場合、格納箱本体6の周囲の目地の位置が若干変わっても、扉枠8を左右方向へ若干移動調整することによって、格納箱本体6に隣接する左右の目地と消火栓扉11との間隔を同じにし、視覚的なバランスを崩さないようにするためである。
また、消火栓扉11を格納箱本体6に対して左右方向へ若干量移動させても、扉取り付け部6fのビス孔13と連結部8bのビス孔15とにビス7aを挿入できるように、両ビス孔13,15の大きさが決められている。
【0068】
更に、前記消火栓格納箱1は、左右の支持部材12Aが扉枠8の外方に位置し、扉板9,10が回転したときに左右の支持部材12Aが扉板9,10に干渉することがないため、左右の支持部材12Aの前後方向の長さを長く設定することができる。その結果、消火栓格納箱1は、
図16(A)及び(B)に示す如く、格納箱本体6が施工時の誤差で壁面Wに対して前後にずれた状態で設置された場合でも、左右の支持部材12Aに左右の離脱防止部材12Bが確実に支持され、また、
図16(C)に示す如く、扉板9が回転するときに左右の支持部材12Aに干渉すると言うことがなく、格納箱本体6に消火栓扉11を確実且つ良好に取り付けることができる。
【0069】
尚、従来の支持用フック40を設けた消火栓格納箱30では、格納箱本体31の前前後方向の調整代が10mm程度であるが、
図1~
図15に示す消火栓格納箱1は、左右の支持部材12Aの長さを11mm程度長くすることが可能となり、格納箱本体6の前前後方向の調整代が21mm程度となる。
【0070】
次に、上述した消火栓格納箱1において、建物内の壁面Wに埋設状態で設置固定された格納箱本体6に消火栓扉11を取り付ける場合について説明する。
【0071】
先ず、作業者は、扉枠8に下方の扉板9を取り付けた消火栓扉11を持ち、建物の壁面Wに埋設状態で設置した格納箱本体6内に前記消火栓扉11の扉枠8の後端部(連結部8b)を嵌め込み、格納箱本体6に設けた左右の支持部材12Aに、扉枠8に設けた左右の離脱防止部材12Bを支持させる(
図12(B)及び
図13(A)参照)。これにより、消火栓扉11は、扉枠8の後端部(連結部8b)が格納箱本体6内に嵌め込まれた状態で格納箱本体6に支持される。
【0072】
このとき、扉枠8の後端部を格納箱本体6に嵌め込むだけで、左右の支持部材12Aに左右の離脱防止部材12Bが支持され、消火栓扉11が扉支持手段12を介して格納箱本体6に支持された状態になるため、消火栓扉11を格納箱本体6にセットするのに時間がかかると言うことがなく、格納箱本体6に消火栓扉11を簡単且つ容易にセットできて施工性の向上を図れる。
【0073】
また、扉枠8に設けた左右の離脱防止部材12Bが、扉枠8の左側方向及び右側方向へ張り出して位置決め機能を有しているため、消火栓扉11が格納箱本体6に対して左右方向へずれようとしても、左右の離脱防止部材12Bの先端が格納箱本体6の内面に当接し、消火栓扉11が格納箱本体6に対して左右方向へ大きくずれるのが防止される。その結果、消火栓扉11は、扉枠8の後端部を格納箱本体6内に嵌め込むだけで、左右の支持部材12A及び左右の離脱防止部材12Bにより上下方向及び左右方向の位置決めが行われ、格納箱本体6の扉取り付け部6fに形成した複数のビス孔13と扉枠8の連結部8bに形成したビス孔15とがそれぞれ合致することになり、格納箱本体6の適正な位置にセットされて支持されることになる。
【0074】
作業者は、消火栓扉11が扉支持手段12により格納箱本体6に支持されたら、ビス止め作業を行うために扉枠8に取り付けている下方の扉板9を大きく開放し、消火栓扉11に設けた連結部8b及び格納箱本体6に設けた扉取り付け部6fの各ビス孔13,15にそれぞれビス7aを挿通し、各ビス7aにナット7bを締め込む。これにより格納箱本体6に消火栓扉11が取り付けられる(
図13(B)参照)。
【0075】
尚、ビス止め作業において、下方の扉板9を大きく開放したときに、下方の扉板9の重みにより消火栓扉11が前方へ傾倒しようとするが、左右の支持部材12Aの支持片12aに設けた係止溝12cに左右の離脱防止部材12Bの一部が挿入係止されたり、或いは、左右の支持部材12Aの支持片12aに設けた抜け止め突起12dにより左右の離脱防止部材12Bが支持片12aから抜けるのを防止されたりすることになり、消火栓扉11が格納箱本体6から離脱するのを確実に防止することができ、作業者が安全に作業を行える(
図14参照)。
【0076】
作業者は、格納箱本体6に消火栓扉11を複数の締付具7により取り付けたら、上方の扉板10を下方の扉板9の上側において扉枠8にピン状の支持軸18及びL字状の支持軸16を用いて縦開き開へ自在に取り付ける。
【0077】
このとき、L字状の支持軸16が挿通される扉枠8のピン孔を縦長ピン孔19に形成しているため、
図7~11図に示すように上方の扉板10を斜めに傾斜させ、この状態でL字状の支持軸16を側方へ押しながら、上方の扉板10を手前へ引く。そうすると、L字状の支持軸16が必ず扉枠8の縦長ピン孔19を貫通する位置を通過することになり、L字状の支持軸16の先端部が扉枠8の縦長ピン孔19に挿通されることになる。その結果、扉枠8内への上方の扉板10の嵌め込み作業を容易に行えることになる。
【0078】
このように、上述した消火栓格納箱1は、消火栓扉11を格納箱本体6に支持する扉支持手段12を備えているため、格納箱本体6に消火栓扉11を取り付ける際に、扉支持手段12により消火栓扉11を格納箱本体6に支持することができるので、格納箱本体6から消火栓扉11が離脱すると言うことがなく、一人で消火栓扉11の取り付け作業を行えると共に、建設現場の施工性の大幅な向上を図れる。
【0079】
図17~
図19は本発明の第2の実施形態に係る消火栓格納箱1を示し、当該消火栓格納箱1は、扉支持手段12を設ける位置を変えたものであり、扉支持手段12の左右の支持部材12Aを格納箱本体6の仕切板6e近くに着脱自在に設けると共に、扉支持手段12の左右の離脱防止部材12Bを消火栓扉11の扉板用仕切板8c近くに設けたものである。
【0080】
即ち、左右の支持部材12Aは、
図4に示す支持部材12Aと同じ大きさ及び同じ形状に形成されており、格納箱本体6の仕切板6e近くの左側及び右側の扉取り付け部6fに形成した縦長のスリット孔14に着脱自在に支持されている。
【0081】
また、左右の離脱防止部材12Bは、扉枠8の内周縁部に設けた左側及び右側の連結部8bから左側方向及び右側方向へ張り出した状態で設けられており、矩形の板状に形成されている(
図19参照)。この離脱防止部材12Bの張り出し方向の長さは、扉枠8の後端部(連結部8b)を格納箱本体6内に嵌め込んだときに、離脱防止部材12Bの先端と格納箱本体6の内面との間に若干の隙間が形成されるように設定されており、扉枠8を格納箱本体6に対して左右方向へ一定量だけ移動調整することができるようにすると共に、消火栓扉11を左右方向へ一定量移動させたときに、離脱防止部材12Bの先端が格納箱本体6の左側若しくは右側の内面に当接して消火栓扉11の左右方向の位置決め行えるようになっている。
【0082】
尚、第2の実施形態に係る消火栓格納箱1において、第1の実施形態に係る消火栓格納箱1と同じ部材・部位には、同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0083】
第2の実施形態に係る消火栓格納箱1も、扉支持手段12を備えているため、第1の実施形態に係る消火栓格納箱1と同様の作用効果を奏することができる。
【0084】
図20~
図22は本発明の第3の実施形態に係る消火栓格納箱1を示し、当該消火栓格納箱1は、扉支持手段12が、格納箱本体6の上部中央位置に設けられ、格納箱本体6内に位置して先端部が下方を向く垂直姿勢に形成された支持部材12Cと、扉枠8の上辺中央位置に形成され、前記支持部材12Cの先端部が挿入係止される開口状の切り込み部12Dと、を備えている。
【0085】
即ち、前記支持部材12Cは、断面形状がL字型の金属板により形成されており、格納箱本体6の上側の扉取り付け部6fの下面に先端が下方を向く姿勢で溶接により固定されている。
【0086】
また、前記切り込み部12Dは、扉枠8の上側の連結部8bの中央位置に長方形状の開口を形成することにより設けられており、切り込み部12Dの大きさは、支持部材12Cの下向きの先端部が簡単且つ容易に挿入係止される大きさに設定されている。
【0087】
尚、支持部材12Cの下向きの先端部の幅と長方形状の切り込み部12Dの左右方向の幅は、支持部材12Cの下向きの先端部を切り込み部12Dに挿入したときに、切り込み部12Dの左右の内周縁部との間に若干の隙間が形成されるように設定されており、消火栓扉11を格納箱本体6に対して左右方向へ一定量だけ移動調整することができるようにすると共に、消火栓扉11を左右方向へ一定量移動させたときに、支持部材12Cの下向きの先端部両端が切り込み部12Dの左側若しくは右側の内周縁部に当接して消火栓扉11の左右方向の位置決め行えるようになっている。
【0088】
而して、前記扉支持手段12によれば、
図22に示すように作業者が消火栓扉11を持ち、消火栓扉11の上部を格納箱本体6側へ傾斜させた状態で連結部8bの上部を格納箱本体6内に嵌め込み、消火栓扉11の連結部8bに形成した切り込み部12DにL字状の支持部材12Cの下向きの先端部を差し込むことによって、消火栓扉11を格納箱本体6に支持することができる。
【0089】
尚、第3の実施形態に係る消火栓格納箱1において、第1の実施形態に係る消火栓格納箱1と同じ部材・部位には、同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0090】
第3の実施形態に係る消火栓格納箱1も、支持部材12C及び切り込み部12Dから成る扉支持手段12を備えているため、第1の実施形態に係る消火栓格納箱1と同様の作用効果を奏することができる。特に、第3の実施形態に係る消火栓格納箱1は、扉支持手段12が一つの支持部材12Cと一つの切り込み部12Dとから構成されているため、第1及び第2の実施形態に係る消火栓格納箱1に比較して構造の簡略化を図ることができる。
【0091】
図23及び
図24は本発明の第4の実施形態に係る消火栓格納箱1を示し、当該消火栓格納箱1は、扉支持手段12が、格納箱本体6の上部中央位置に設けられ、格納箱本体6内に位置して先端部が前方を向く水平姿勢に形成されていると共に、水平姿勢の先端部に扉枠8の上辺(上側の連結部8b)が支持される支持部材12Eを備えている。
【0092】
即ち、前記支持部材12Eは、格納箱本体6の内周縁部に設けた扉取り付け部6fの上側の扉取り付け部6fに一体的に設けられており、前記上側の扉取り付け部6fの先端部の少なくとも一部を延設して前方へ折り曲げ加工することにより形成されている。この支持部材12Eは、上側の扉取り付け部6fと別体に形成し、扉取り付け部6fに溶接等により固定するようにしても良い。
【0093】
而して、前記扉支持手段12によれば、
図23に示すように作業者が消火栓扉11を持ち、消火栓扉11の後端部(連結部8b)を格納箱本体6内に嵌め込み、消火栓扉11の上側の連結部8bを支持部材12Eの水平姿勢の先端部に支持させることによって、消火栓扉11を格納箱本体6に支持することができる。
【0094】
尚、第4の実施形態に係る消火栓格納箱1において、第1の実施形態に係る消火栓格納箱1と同じ部材・部位には、同一の参照番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0095】
第4の実施形態に係る消火栓格納箱1も、支持部材12Eから成る扉支持手段12を備えているため、第1の実施形態に係る消火栓格納箱1と同様の作用効果を奏することができる。特に、第4の実施形態に係る消火栓格納箱1は、扉支持手段12が一つの支持部材12Eから構成されているため、第1~第3の実施形態に係る消火栓格納箱1に比較して構造の簡略化を図ることができる。しかも、支持部材12Eが扉取り付け部6fに一体的に形成されて折り曲げ加工することにより形成されているため、部品点数の削減を図ることができる。
【0096】
尚、上記の第1及び第2の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、扉支持手段12の左右の支持部材12Aの支持片12aに、係止溝12cと抜け止め部材12dの両方を形成するようにしたが、他の実施形態においては、
図25(A)に示すように、左右の支持部材12Aの支持片12aに係止溝12cのみを形成しても良く、或いは、
図25(B)に示すように、左右の支持部材12Aの支持片12aに抜け止め突起12dのみを形成するようにしても良い。
【0097】
また、上記の第1及び第2の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、扉支持手段12の左右の支持部材12Aを格納箱本体6の扉取り付け部6fに着脱自在に設けたが、他の実施形態においては、図示していないが、左右の支持部材12Aを格納箱本体6の扉取り付け部6fの前面に溶接により固定するようにしても良い。また、扉支持手段12の左右の支持部材12A及び左右の離脱防止部材12Bを設ける位置も、上記の第1及び第2の実施形態に係るものに限定されるものではなく、左右の支持部材12Aで左右の離脱防止部材12Bを支持することができれば、如何なる位置であっても良い。
【0098】
また、上記の第1及び第2の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、扉支持手段12の左右の支持部材12Aは、金属板をL字状に折り曲げることにより形成され、また、扉支持手段12の左右の離脱防止部材12Bは、側面形状L字形の板状部材若しくは矩形の板状部材に形成したが、左右の支持部材12A及び左右の離脱防止部材12Bの形状及び構造は、上記の第1及び第2の実施形態に係るものに限定されるものではなく、格納箱本体6及び扉枠8にそれぞれ設けられ、消火栓扉11を格納箱本体6に保持することができれば、如何なる形状及び構造であっても良い。
【0099】
例えば、
図26に示すように、扉支持手段12の左右の支持部材12Aを支持片12aのみから形成し、当該支持片12aを格納箱本体6の扉取り付け部6fの前面に溶接により固定するようにしても良い。また、
図27に示すように、扉支持手段12の左右の支持部材12Aを断面形状が矩形の棒状部材(又は図示していないが、断面形状が円形の棒状部材)により形成し、格納箱本体6の扉取り付け部6fの前面に溶接により固定するようにしても良い。この棒状部材の支持部材12Aの上面には、係止溝12c及び抜け止め部材12dが形成されている。また、図示していないが、扉支持手段12の左右の離脱防止部材12Bも、断面形状が矩形又は円形の棒状部材により形成しても良い。
【0100】
更に、上記の第3の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、扉支持手段12の支持部材12CをL字型金属板により形成し、切り込み部12Dを長方形状の開口としたが、支持部材12C及び切り込み部12Dの形状及び構造は、上記の実施形態に係るものに限定されるものではなく、格納箱本体6及び扉枠8にそれぞれ設けられ、消火栓扉11を格納箱本体6に支持することができれば、如何なる形状及び構造であっても良い。
【0101】
例えば、図示していないが、扉支持手段12の支持部材12Cを断面形状が矩形又は円形のL字形の金属棒により形成し、切り込み部12Dを矩形又は円形の開口としても良い。
【0102】
更に、上記の第4の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、消火栓扉11の上側の連結部8bを支持部材12Eの水平姿勢の先端部で支持させるようにしたが、他の実施形態においては、図示していないが、消火栓扉11の上側の連結部8bで且つ支持部材12Eの水平部分に対向する箇所に逆凹状の切欠き部を形成し、この切欠き部に支持部材12Eの水平部分を挿入係止するようにしても良い。このとき、切欠き部の左右方向の幅は、支持部材12Eの水平部分の左右方向の幅よりも若干広めに形成されており、消火栓扉11を格納箱本体6に対して左右方向へ一定量だけ移動調整することができるようにすると共に、消火栓扉11を左右方向へ一定量移動させたときに、支持部材12Eの水平部分の両端が切欠き部の両端内面に当接して消火栓扉11の左右方向の位置決めを行えるようにしても良い。
【0103】
更に、上記の第1~第4の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、格納箱本体6と消火栓扉11を取り付ける締付具7をビス7aとナット7bから構成したが、他の実施形態においては、締付具7をボルトとナットから構成しても良い。
【0104】
更に、上記の第1~第4の実施形態に係る消火栓格納箱1においては、消火栓扉11の扉枠8に二枚の扉板9,10を設けたが、他の実施形態においては、消火栓扉11の扉枠8に一枚の扉板若しくは三枚の扉板を設けるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、埋設型の消火栓格納箱1にかかわらず、露出型の消火栓格納箱1や起立型の消火栓格納箱1等においても広く対応することができる。
【符号の説明】
【0106】
1は消火栓格納箱、6は格納箱本体、6fは扉取り付け部、7は締付具、8は扉枠、8bは連結部、9,10は扉板、11は扉、12は扉支持手段、12Aは左右の支持部材、12Bは左右の離脱防止部材、12aは支持片、12cは係止溝、12dは抜け止め突起、12Cは支持部材、12Dは切り込み部、12Eは支持部材。