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  • 特許-浄化製剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】浄化製剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/62 20060101AFI20220711BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20220711BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220711BHJP
   A01N 59/00 20060101ALI20220711BHJP
   A01N 33/12 20060101ALI20220711BHJP
   A01N 25/02 20060101ALI20220711BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20220711BHJP
   C11D 3/10 20060101ALI20220711BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20220711BHJP
   C11D 3/39 20060101ALI20220711BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20220711BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
C11D1/62
A01P1/00
A01P3/00
A01N59/00 A
A01N33/12 101
A01N25/02
C11D3/20
C11D3/10
C11D3/04
C11D3/39
C11D3/37
C11D3/48
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019569905
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-13
(86)【国際出願番号】 US2018037817
(87)【国際公開番号】W WO2018232281
(87)【国際公開日】2018-12-20
【審査請求日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/618,096
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/520,372
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,095
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,100
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,104
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,098
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518439217
【氏名又は名称】ディコン7 システムズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・エー・ブルーム
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・スターバック
【審査官】山本 悦司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/089100(WO,A2)
【文献】国際公開第2011/156398(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/113735(WO,A1)
【文献】特表2005-504856(JP,A)
【文献】国際公開第03/028429(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第102084869(CN,A)
【文献】米国特許第07125497(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
A01P 1/00、3/00
A01N 25/02、33/12、59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の混合物:
パートA:
前記混合物の0.1~4.00%の範囲における組成物であって、
前記組成物はBTC 888(有効成分 80%)+48%のDADMACからなり、
前記BTC 888(有効成分 80%)は、32%n-アルキル-(50%C14、40%C12、10%C16)-ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、24%n-オクチルデシルジメチルアンモニウムクロリド、12%ジ-n-オクチルジメチルアンモニウムクロリド、および、12%ジ-n-デシルジメチルアンモニウムクロリドを含み、
前記混合物の0.05~2.00%の範囲において、N,N,N,N’,N’-ペンタメチル-N’-(タローアルキル)-トリメチレンジアンモニウム ジクロリド(有効成分 50%)、
前記混合物の0.4~1.60%の範囲において、グリコールエーテルDB、
前記混合物の0.025~1.00%の範囲において、イソブタノール、
前記混合物の0.5~20.00%の範囲において、プロピレングリコール、
前記混合物の0.02~0.80%の範囲において、ラウリルアルコール、
前記混合物の0.3~12.00%の範囲において、炭酸水素カリウムUSP 無水、
前記混合物の0.0425~1.70%の範囲において、水酸化カリウム、および、
前記混合物の残量としての水、
パートB:
前記混合物の0.2~8.00%の範囲において、過酸化水素
らびに
パートC:
前記混合物の0.05~2.00%の範囲において、漂白促進剤、
からなる、改良型化学製剤。
【請求項2】
前記混合物が、49gのパートA、49gのパートB、および2gのパートCにしたがってパートA、パートBおよびパートCの比からなる、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
前記混合物が、50gのパートAおよび50gのパートBにしたがってパートAおよびパートBの比からなる、請求項1に記載の製剤。
【請求項4】
浄化製剤が、パートA、パートB、およびパートCの混合物からなり
パートAが:
ベンジル-C12-C16 アルキルジメチルアンモニウムクロリド;
N,N,N,N’,N’-ペンタメチル-N’-(タローアルキル)-トリメチレンジアンモニウム ジクロリド
PEG 8000;
ジエチレングリコールモノブチルエーテル;
ラウリルアルコール;
イソブタノール;
炭酸水素カリウムまたは炭酸カリウム;
プロピレングリコール;および
脱イオン水;からなり
パートBが:
過酸化水素;および
脱イオン水;からなり、ならびに
パートCが:
グリセロールジアセテート(ジアセチン);からなり
前記混合物が、49gのパートA、49gのパートB、および2gのパートCの比からなる、浄化製剤。
【請求項5】
浄化製剤が、パートAおよびパートBの混合物からなり
パートAが:
ベンジル-C12-C16 アルキルジメチルアンモニウムクロリド;
N,N,N,N’,N’-ペンタメチル-N’-(タローアルキル)-トリメチレンジアンモニウム ジクロリド
PEG 8000;
ジエチレングリコールモノブチルエーテル;
ラウリルアルコール;
イソブタノール;
炭酸水素カリウムまたは炭酸カリウム;
プロピレングリコール;および
脱イオン水;からなり
パートBが:
過酸化水素;および
脱イオン水;からなり、ならびに
前記混合物が、50gのパートAおよび50gのパートBの比からなる、浄化製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本PCT国際特許出願は、本明細書において参照によりその開示全体が援用される、2017年6月15日に出願された米国仮特許出願第62/520,372号の優先権を主張する。本出願は、以下の米国仮出願に対する優先権をさらに主張する:2018年1月17日に出願され、本明細書においてその開示全体が援用される、連続番号第62/618,095号;連続番号第62/618,096号;連続番号第62/618,098号;連続番号第62/618,100号;および連続番号第62/618,104号。
【背景技術】
【0002】
産業用洗浄溶液は浄化材として従来入手可能である。しかしながら、材料が付着する表面のタイプによって、浄化製剤の有効性は変化する。また、溶液が材料と反応するために必要な時間の長さも同様に重要であり得る。したがって、様々な浄化目的を達成できる溶液の新たな組み合わせに対するニーズがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の実施形態は、化学的、生物学的、および有毒な産業汚染物質および残留物に曝露された表面の浄化、消毒、および再生のために設計された、改良型化学製剤について記載する。この製剤は、有効性スペクトルを拡大し、処理時間を減少させ、化学特性を修正することによって、より少ない有効量を可能とし、それによって修正される化学薬剤のリストを広げることにより、従来技術を改善する。本明細書に記載される製剤はまた、浄化目的(洗浄、滅菌、消毒、高レベル消毒、カビ修復、菌膜修復、標的化浄化)を達成するために異なる濃度で適用され得る。
【0004】
そのため、本発明の一実施形態は、より広い有効性スペクトルを有する改良型製剤を提供する。別の実施形態では、化学製剤は、戦術的必要性に応じて調節することができる改良型製剤を提供する。さらなる実施形態は、残留消毒剤が作用する改良型製剤を提供する。代替的実施形態は、菌膜の特定の処理のための改良型製剤を提供する。さらに、別の実施形態は、病原性胞子の消毒のための改良型製剤を提供する。追加的な実施形態は、改善された表面被覆のための静電スプレー技術を使用した消毒/浄化有効性の適用を可能にする改良型製剤が提供される。別の態様では、本発明の実施形態は、殺菌性および浄化活性が向上した、より少ない表面用量を可能にする改良型製剤を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本発明の一実施形態による本発明の様々な使用を表す図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態は、化学的、生物学的、および有毒な産業汚染物質および残留物に曝露された表面の浄化、消毒、および再生のために設計された、改良型化学製剤について記載する。この製剤は、有効性スペクトルを拡大し、処理時間を減少させ、化学特性を修正することによって、より少ない有効量を可能とし、それによって修正される化学薬剤のリストを広げることにより、従来技術を改善する。本明細書に記載される製剤はまた、浄化目的(洗浄、滅菌、消毒、高レベル消毒、カビ修復、菌膜修復、標的化浄化)を達成するために異なる濃度で適用され得る。
【0007】
特定のタスクを実施するよう設計された漸増的変形をさらに目的とし、それがこの試みの意図である。一実施形態では、本発明の態様は、第1世代バージョンの第四級アミン(ADBAC)で製剤化され得る。一実施例では、第四級アミンの種類を広げることが、より広範囲の病原体に対する有効性及び菌膜に対する有効性の両方におけるベネフィットをもたらすことが示される。これらの二つにおいて、菌膜の有効性は、目立った価値提案である可能性が高い。
【0008】
第四世代の関係性を考慮すると、次の比較が関連する。
【0009】
一実施形態では、本発明の態様は、第5世代の第四級アミンに焦点を当てる。このカテゴリーは、第1世代と第4世代の混合物である。第4世代の変形とともに異なる第1世代の変更を考慮するとき、この革新のオプションは急速に拡大するだろう。表1は、最も入手しやすいオプションの一部を含む:
【表1】
【0010】
一実施形態では、以下の表2は、例示的な結果を達成する化学製剤を示す:
【表2】
【0011】
一実施形態では、製剤は、以下の比で上記のパートを混合する:49gのパートA、49gのパートB、および2gのパートC。2つのパートの製剤のための別の代替的な混合において、混合の一実施形態は、50gのパートAおよび50gのパートBを含む。
【0012】
本発明のこの実施形態は、一例において、標的化薬剤を可溶化し、菌膜保護構造の分解を促進し、病原性生物に対し殺菌効力を送達するそれ自体の能力における、界面活性剤の効力に関する異なる生理化学特性を有し得る。このバージョンの有効性プロファイルもまた異なり得る。有効性プロファイルの展開は、おそらく最終製品の1~100希釈などの希釈バージョンから最大濃度バージョンまでであるべきである。希釈バージョンは、すでに清潔で菌膜が存在しない表面について検討される可能性がある。一実施形態では、濃縮バージョンは、酷い汚れが蔓延している環境(生物動物施設、処理工場、菌膜が潜在的に多い場所など)に対して検討され得る。異なる希釈(細菌、菌膜、噴霧有効性)のための本発明の様々な実施形態は、図1に開示されるものに加えて、様々なレベルの適用を可能にし得る。
【0013】
別の実施形態では、表3における製剤は以下を含み得る:
【表3】
【0014】
一実施形態では、製剤は、以下の比で上記のパートを混合する:49gのパートA、49gのパートB、および2gのパートC。2つのパートの製剤のための別の代替的な混合において、混合の一実施形態は、50gのパートAおよび50gのパートBを含む。
【0015】
従来技術におけるこれらの改善により、食品接触および公衆衛生環境で遭遇する神経を使うべき清掃および消毒場面に対処することができる全面的な製品検討が可能になる。そのような状況では、製品は、通常はスプレーおよび拭き取り式として標的表面に適用することができ、洗浄/消毒/浄化製剤を表面全体に分配することができる。一実施形態では、本発明の態様は、使用前に規制当局からの承認を受ける必要があり得る。この場合、これは一般に「洗い流さない」製品として知られる。このタイプの使用に許容される表示成分には法定制限がある。このタイプの使用を可能とすることが、この改善の具体化された意図である。本製品の最大濃度バージョンは、顕著な酷い汚れが予期される動物舎などの非常に損なわれた環境での使用が意図される。これは、製品スペクトルの他の端を表します。農薬の実施形態に関してまた、規制上の監視が必要とされる。強度が調節された製品がニーズに応えるこれら二つの極端の間に多くの状況があることが予想される。このような状況の例は、上記スペクトルに示される。
【0016】
一実施例において、実験室での検査は、ベーコングリースのような一般的に遭遇する汚れの典型例に対処する能力について評価された上述の製剤の代表的な試料を示す。対照実験では、ベーコングリースのアリコートを、上述を使用して176秒で、機械的インパルスを用いずに処理した。
【0017】
改良型変形は、156秒で、同じアリコートのベーコングリースを処理して除去したが、これは10%の改善であった。ベーコングリースの対象と改良型製剤との間の界面張力の測定された低減が、改善された界面活性効力を証明している。ベーコングリースのような非極性標的と浄化剤との間の界面張力の低減は、処方最適化に使用される重要な指標の一つである。この改善は、重要な業務上の利益となる。試験され、試験結果に示されるように、本発明の実施形態は、10分、5分および2分の試験条件での標的材料上の混合物の処理時間または曝露時間における利点および優越性を提供する。
【0018】
菌膜伝染に対する有効性の強化は、別の実験室での試験でも測定された。菌膜は、その保護収容体(protective encasement)によって処理することがより困難である。この保護収容体はその性質において疎水性であり、下に収容されている保護された細菌まで貫通するような、よりアグレッシブな処理が要求される。一つの変形がある程度菌膜効力が改善されたが、追加データのそのような結論をサポートする試験データを有する。より希釈されたバージョンの製剤が膜を処理することができ、このようにユーザーに重要な価値提案を呈示することができた。
【0019】
小さな処方の修正が、物体と洗浄剤との間の界面張力の顕著な、測定可能かつ効果的な低減をもたらすことができることが当業者にとって明らかである。この製剤は、無数の表面および標的に適合するように調整および設計することができる。
【0020】
前述の説明および図面は単に本発明を説明および図示するものであり、本発明はそれに限定されない。本明細書は特定の実施または実施形態に関連して記載されているが、例示の目的で多くの詳細が記載されている。したがって、前述は本発明の原理はただ説明するものに過ぎない。例えば、本発明は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、その他の特定の形態を有し得る。記載された配置は、例示的であり、限定するものではない。当業者には、本発明は追加的実施または実施形態の影響を受けやすく、本明細書で説明したこれらの詳細の一部は、本発明の基本原理から逸脱することなく、大幅に変化し得る。従って、当業者は、本明細書で明示的に説明していない、または示されていないが、本発明の原理を具体化したものであり、そのためその範囲および精神内において様々な配置を考案できることが理解するであろう。
【0021】
上記に様々な実施形態が記載されてきたが、このような開示は例としてのみ提示されており、限定されないことが理解されるべきである。従って、対象組成物および方法の幅および範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではないが、以下の請求項およびその均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【0022】
ここで対象組成物および方法を完全に説明した後では、当業者であれば、それらの範囲またはその任意の実施形態に影響を与えずに、広範かつ同等の条件、処方およびその他のパラメーター内で実施することができることが理解されるであろう。引用されたすべての特許、特許出願および出版物は、その全体が参照により全体が組み込まれる。
図1