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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】自動選別仕分けシステム
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/36 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
B07C5/36
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021063236
(22)【出願日】2021-04-02
(65)【公開番号】P2022086971
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】109142012
(32)【優先日】2020-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519104765
【氏名又は名称】揚朋科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】楊宏智
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104377142(CN,A)
【文献】米国特許第5484062(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0063619(US,A1)
【文献】特開2001-356145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/00-5/38
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容ユニットにそれぞれ配置されている多数の選別仕分け対象に対して検査を行い該検査の結果に基づいてそれぞれランクを付けて選別し、且つ、同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象をそれぞれまとめて搬出する自動選別仕分けシステムであって、
複数の前記収容ユニットにそれぞれ配置されている各前記選別仕分け対象に対して検査を行い、検査の結果に基づいて前記選別仕分け対象ごとにランクを付けて選別データベースに登録することを実行する検査手段と、
前記検査手段による検査を経て対応のランクが前記選別データベースに登録された前記選別仕分け対象が配置される前記収容ユニットを、複数個同時に格納することができる一時格納手段と、
前記一時格納手段から取り出された少なくとも2つの前記収容ユニットにそれぞれ配置されている各前記選別仕分け対象に対し、前記選別データベースに登録された対応のランクに基づいて、対応する前記収容ユニットから取り出して他の収容ユニットに配置する再配置動作を実行する仕分け手段と、
前記収容ユニットを前記検査手段に供給し、且つ、前記検査手段から前記一時格納手段に搬送して格納し、且つ前記一時格納手段から取り出して前記仕分け手段に搬送し、そして前記仕分け手段に搬送した前記収容ユニットを前記一時格納手段に戻すことを実行する搬送手段と、を備え、
前記搬送手段が前記一時格納手段から少なくとも2つの前記収容ユニットをそれぞれ取り出し、前記仕分け手段が、前記再配置動作を複数回行うことにより、同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象がそれぞれ同一の前記収容ユニットにまとめられてから該収容ユニットが搬出される、自動選別仕分けシステム。
【請求項2】
前記搬送手段は、2つの前記収容ユニットを所定の搬送経路に沿って前記仕分け手段に提供する搬送レールを有すると共に、該2つの前記収容ユニットは該搬送経路の両側にそれぞれ配置されており、
また、前記搬送手段は、前記一時格納手段を前記搬送経路に直交する上下方向及び左右方向に駆動する第1の駆動機構を有し、該第1の駆動機構を用いて前記一時格納手段を駆動すると共に、該一時格納手段に格納された前記収容ユニットを受け取って前記搬送経路の両側にそれぞれ配置して前記仕分け手段に搬送することが出来るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動選別仕分けシステム。
【請求項3】
前記仕分け手段の前記再配置動作により、1つの前記収容ユニットに配置された同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象の数が所定値に到達すると、前記仕分け手段から該収容ユニットを搬出する搬出手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の自動選別仕分けシステム。
【請求項4】
前記仕分け手段は、前記収容ユニットから前記選別仕分け対象を拾い取ることができる拾取ユニットと、該拾取ユニットを前記搬送経路に略一致する前後方向と、該前後方向に直交する上下方向及び左右方向とに駆動する第2の駆動機構とを有し、該第2の駆動機構を用いて前記拾取ユニットを駆動して、前記再配置動作を行うことを特徴とする請求項2に記載の自動選別仕分けシステム。
【請求項5】
前記搬送手段は、第1対の前記収容ユニットと第2対の前記収容ユニットを前記搬送経路に並べて該搬送経路に沿って前記一時格納手段から前記仕分け手段に提供するように配置された前記搬送レールを有すると共に、各対の前記収容ユニットは該搬送経路の両側にそれぞれ配置されており、
前記仕分け手段は、前記第2の駆動機構を用いて前記拾取ユニットを駆動して、前記一時格納手段から前記仕分け手段に運ばれた前記第1対の前記収容ユニットと前記第2対の前記収容ユニットにそれぞれ配置される各前記選別仕分け対象に対し、前記再配置動作を行うことを特徴とする請求項4に記載の自動選別仕分けシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動選別仕分けシステムに関し、特に、多数の選別仕分け対象に対して検査を行い該検査の結果に基づいてそれぞれランクを付けて選別し、且つ、同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象をそれぞれまとめて搬出する自動選別仕分けシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
多数の選別仕分け対象に対して検査を行い該検査の結果に基づいてそれぞれランクを付けて選別して仕分ける従来の自動選別仕分けシステムとしては、例えば特許文献1に記載されるものが挙げられる。
【0003】
該従来の自動選別仕分けシステムは、まず複数のトレイにそれぞれ載せられる複数の選別仕分け対象に対して検査を行ってから、2つのトレイを順番に第1の仕分けポジションと第2の仕分けポジションに搬送し、ロボットアームを用いて該第1の仕分けポジションにある第1のトレイと第2の仕分けポジションにある第2のトレイとから第1のランクの選別仕分け対象をそれぞれ取り出して最初では空になっている搬出トレイに移動するように仕分けてから、第2のトレイから第2のランクの選別仕分け対象を第1のトレイに移動することにより、搬出トレイで第1のランクの選別仕分け対象をまとめて搬出してから、第1のトレイで第2のランクの選別仕分け対象をまとめて搬出し、それから第2のトレイを第1の仕分けポジションに移動して第1のトレイとし、また検査済みの選別仕分け対象が載せられたトレイを第2の仕分けポジションに供給して第2のトレイとして、上記作業を繰り返す仕組みになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾特許第I485409号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の自動選別仕分けシステムでは、第1の仕分けポジションと第2の仕分けポジションに配置されるトレイに対して仕分け作業を行うことができるが、該第1の仕分けポジションと第2の仕分けポジションに配置されるトレイに乗せられた各ランクの選別仕分け対象の数によっては、渋滞が発生して仕分け作業を行うロボットアームをフル稼働できない状況が起こる場合がある。
【0006】
従って、本発明の目的は、トレイの渋滞が発生しにくい、もしくは発生しても効率的に対処できる自動選別仕分けシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点に鑑みて、本発明は、複数の収容ユニットにそれぞれ配置されている多数の選別仕分け対象に対して検査を行い該検査の結果に基づいてそれぞれランクを付けて選別し、且つ、同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象をそれぞれまとめて搬出する自動選別仕分けシステムであって、
複数の前記収容ユニットにそれぞれ配置される各前記選別仕分け対象に対して検査を行い、検査の結果に基づいて前記選別仕分け対象ごとにランクを付けて選別データベースに登録することを実行する検査手段と、
前記検査手段による検査を経て対応のランクが前記選別データベースに登録された前記選別仕分け対象が配置される前記収容ユニットを、複数個同時に格納することができる一時格納手段と、
前記一時格納手段から取り出された少なくとも2つの前記収容ユニットにそれぞれ配置されている各前記選別仕分け対象に対し、前記選別データベースに登録された対応のランクに基づいて、対応する前記収容ユニットから取り出して他の収容ユニットに配置する再配置動作を実行する仕分け手段と、
前記収容ユニットを前記検査手段に供給し、且つ、前記検査手段から前記一時格納手段に搬送して格納し、且つ前記一時格納手段から取り出して前記仕分け手段に搬送し、そして前記仕分け手段に搬送した前記収容ユニットを前記一時格納手段に戻すことを実行する搬送手段と、を備え、
前記搬送手段が前記一時格納手段から少なくとも2つの前記収容ユニットをそれぞれ取り出し、前記仕分け手段が、前記再配置動作を複数回行うことにより、同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象がそれぞれ同一の前記収容ユニットにまとめられてから該収容ユニットが搬出される、自動選別仕分けシステムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記のように、本発明の自動選別仕分けシステムは、例えば選別仕分け対象が配置されるトレイなどの収容ユニットを複数個同時に格納することができる一時格納手段を有すると共に、収容ユニットの搬送を実行する搬送手段は仕分け手段に搬送した収容ユニットを一時格納手段に戻す機能を備えているので、仕分け手段において実行される仕分け作業の状況に応じて収容ユニットを一時格納手段から仕分け手段に提供することや、仕分け手段に搬送した収容ユニットを一時格納手段に戻すことを実行でき、収容ユニットの渋滞を避けるよう計画的に対処することにより、仕分け手段において実行する仕分け作業の効率化を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の自動選別仕分けシステムの第1の実施形態が示される斜視図である。
図2】同第1の実施形態の他の角度の斜視図である。
図3】同第1の実施形態の検査手段と検査手段を通過する第1の検査経路と第2の検査経路との構成が示される上面図である。
図4】同第1の実施形態の第1の検査経路と第2の検査経路との構成が示される上面図である。
図5】同第1の実施形態の第1の検査経路にトレイが供給される様子が示される斜視図である。
図6】同第1の実施形態の検査手段の構成が示される斜視図である。
図7】同第1の実施形態の第1の移送機構の構成が示される斜視図である。
図8】同第1の実施形態の第1の移送機構の作動が示される斜視図である。
図9】同第1の実施形態の第2の移送機構及び回転移送機構の構成が示される斜視図である。
図10】同第1の実施形態の一時格納手段の構成が示される斜視図である。
図11】同第1の実施形態の搬送手段において一時格納手段からトレイを仕分け手段に供給する部分の構成が示される斜視図である。
図12】同第1の実施形態の仕分け手段の構成が示される斜視図である。
図13】同第1の実施形態の搬送手段における搬送レールの構成が示される斜視図である。
図14】同第1の実施形態の搬出手段の構成が示される斜視図である。
図15】本発明の自動選別仕分けシステムの第2の実施形態が示される斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明をより詳細に説明する前に、適切と考えられる場合において、同様の特性もしくは機能を有する要素を示すために、同じ符号を用いて各図面間で繰り返し用いられることに留意されたい。
【0011】
以下は各図面を参照して本発明の自動選別仕分けシステムの各好ましい実施形態について詳しく説明する。
【0012】
本発明の自動選別仕分けシステムは、複数の収容ユニットにそれぞれ配置される多数の選別仕分け対象に対して検査を行い該検査の結果に基づいてそれぞれランクを付けて選別し、且つ、同一のランクが付けられた前記選別仕分け対象をそれぞれまとめて搬出するものである。
【0013】
図1及び図2に示されるように、その第1の実施形態は、収容ユニットとしてトレイ10が使用され、各トレイ10には、複数の選別仕分け対象101が配置されている。
【0014】
そして本発明の自動選別仕分けシステムは、検査手段3と、一時格納手段4と、仕分け手段6と、搬送手段5と、搬出手段7と、検査手段3と一時格納手段4と仕分け手段6と搬送手段5と搬出手段7とを制御する制御手段9と、これらを支持する台座手段1とを備えている。
【0015】
この実施形態において、台座手段1は、支持台12を有し、検査手段3と、一時格納手段4と、仕分け手段6と、搬送手段5と、搬出手段7とはすべて支持台12に配置され、そして制御手段9は支持台12の下方に配置されて検査手段3と一時格納手段4と仕分け手段6と搬送手段5と搬出手段7とを制御する制御手段9とに信号的に接続されている。
【0016】
図3図6に示されているように、検査手段3は、支持台12に配置される検査手段保持枠13に取り付けられ、検査部31と、処理部32と、照明部33とを有している。
【0017】
また、搬送手段5は検査手段3の構成に対応し、図中のX方向において並列し、且つそれぞれY方向に沿って延伸して検査手段3を通過する第1の検査経路51と第2の検査経路52と、第1の検査経路51及び第2の検査経路52の一端側に配置されている第1の移送機構53Aとを有している。
【0018】
即ち、複数の選別仕分け対象101を1つのトレイ10に乗せて第1の検査経路51に沿って移動させて検査手段3を通過させることにより、該複数の選別仕分け対象101の上方に面する正面に対して検査を行ってから、第1の移送機構53Aに到達した該トレイ10をX方向に反転させることにより、該トレイ10に載せられていた複数の選別仕分け対象101を隣に予め配置された他の1つのトレイ10に載せ換え、そして該他の1つのトレイ10を第2の検査経路52に沿って移動させて検査手段3を通過させることにより、該複数の選別仕分け対象101の上方に面するようになった背面に対しても検査を行う構成になっている。
【0019】
この実施形態において、検査手段3はLEDアレイである照明部33でトレイ10に乗せられている複数の選別仕分け対象101を照明しながら、撮影カメラとしての検査部31で各選別仕分け対象101の表面の画像を撮影し、そして処理部32で撮影した画像を分析して分析の結果(検査の結果)に基づいて各選別仕分け対象ごとにランクを付けたデータを制御手段9に出力して選別データベースに登録する。
【0020】
また、本発明としては、検査手段3の構成はこれに限定されず、実際の選別仕分け対象101の種類や特性に応じて、レーザセンサや温度センサ、圧力センサ、感光センサなどあらゆるセンサ類や、それらの組み合わせを応用することも可能である。
【0021】
そして処理部32も図示(図6)のように検査部31の隣に配置される必要はなく、制御手段9において分析処理を行うように構成することも可能である。
【0022】
また、この実施形態において、図3に示されているように、第1の検査経路51と第2の検査経路52には、それぞれ第1の洗浄装置22と第2の洗浄装置23が配置されており、そして図4に示されているように、第1の検査経路51と第2の検査経路52では、それぞれ複数の検査レール16を用いてトレイ10を第1の検査経路51と第2の検査経路52とに沿ってそれぞれ移動させる構成になっている。
【0023】
図7及び図8に示されているように、この実施形態において、第1の移送機構53Aは、第1の検査経路51及び第2の検査経路52の隣においてX方向に延伸するレール532に沿って移動可能であり且つ上下に移動可能に構成された回転装置533と、回転装置533により回転可能に駆動される保持プレート534とを有している。この構成により、第1の移送機構53Aは、第1の検査経路51の隣に移動して回転装置533及び保持プレート534を下方に移動して第1の検査経路51からトレイ10を受け取って保持し、そして回転装置533及び保持プレート534を上に持ち上げると共にレール532に沿って第2の検査経路52の隣に移動して、回転装置533を駆動して保持プレート534及び該保持プレート534により保持されるトレイ10を反転させることにより、該トレイ10に載せられた選別仕分け対象101を第2の検査経路52に予め配置されてある空のトレイ10に落とすように構成されている。
【0024】
図9に示されているように、搬送手段5は更に、第1の検査経路51及び第1の検査経路52の他の一端側、即ち第1の移送機構53Aの反対側に、第2の移送機構53Bと、回転移送機構54とが配置されている。第2の移送機構53Bと回転移送機構54は、第2の検査経路52により送られてきた検査済みの選別仕分け対象101が乗せられるトレイ10を、一時格納手段4に移送する役割を果たすものである。図示のように、この実施形態では、トレイ10は略長方形であって、第1の検査経路51及び第2の検査経路52ではトレイ10は長さ方向がY方向に一致する姿勢で搬送されているが、本発明の自動選別仕分けシステム全体の構成をよりコンパクトにするため、一時格納手段4ではトレイ10は長さ方向がX方向に一致する姿勢で格納されている。従って、第2の移送機構53Bは、第2の検査経路52の隣に移動してその回転装置533及び保持プレート534を下方に移動して第2の検査経路52からトレイ10を受け取って保持し、そして回転装置533及び保持プレート534を上に持ち上げると共にレール532に沿って回転移送機構54の隣に移動して、回転装置533を駆動して保持プレート534及び該保持プレート534により保持されるトレイ10を反転させることにより、該トレイに載せられた選別仕分け対象101を回転移送機構54に予め配置されてある空のトレイ10に落とし、そして回転移送機構54は該トレイ10を保持する回転台541を90度回転させて該トレイ10長さ方向をX方向に一致する姿勢にしてから、一時格納手段4に搬送する構成になっている。
【0025】
図10に示されるように、一時格納手段4は、検査手段3による検査を経て対応のランクが選別データベースに登録された選別仕分け対象101が配置される収容ユニットであるトレイ10を、複数個同時に格納するものである。
【0026】
この実施形態において、一時格納手段4は、複数個のトレイ10を同時に格納する複数の格納スロット41を有し、そして各格納スロット41が上下方向(図中のZ方向)に並ぶように構成されている。
【0027】
ちなみに、本発明の各図面におけるX方向はすべて同一の方向であり、そしてY方向、Z方向に関しても同一の方向である。
【0028】
図11図9に示されるように、搬送手段5は更に、2つのトレイ10を前後方向(図中のX方向)に沿って延伸する所定の搬送経路に沿って仕分け手段6に提供するため、該搬送経路の両側にそれぞれ配置される2つの搬送レール55と、一時格納手段4を搬送経路に直交する上下方向(Z方向)及び左右方向(Y方向)に駆動する第1の駆動機構56と、一時格納手段4の格納スロット41からトレイ10を前後方向(X方向)に沿って受け取り、いずれか1つの搬送レール55に供給する供給装置57を有する。
【0029】
搬送手段5は、該第1の駆動機構56を用いて、一時格納手段4を上下方向(Z方向)及び左右方向(Y方向)に駆動して2つの搬送レール55のいずれか1つの隣に移動し、該一時格納手段4のいずれか1つの格納スロット41に格納されているトレイ10を供給装置57で受け取ってから搬送経路の両側にそれぞれ配置されたいずれか1つの搬送レール55に移動して、仕分け手段6に搬送することが出来るように構成されている。
【0030】
具体的に説明すると、第1の駆動機構56は、Y方向に沿って一時格納手段4を駆動するY方向移動装置561と、Z方向に沿って一時格納手段4を駆動するZ方向移動装置562とを備えている。
【0031】
なお、本実施形態においては、搬送手段5において供給装置57は供給レール571を有し、一時格納手段4の格納スロット41からトレイ10を供給レール571を経由して搬送レール55に供給し、そして搬送レール55から収容ユニットとしてのトレイ10を供給レール571を経由して一時格納手段4の格納スロット41に戻すことができるようになっている。
【0032】
図11及び図12に示されるように、仕分け手段6は、トレイ10から選別仕分け対象101を拾い取ることができる拾取ユニット61と、拾取ユニット61を搬送経路に略一致する前後方向(X方向)と、該前後方向に直交する上下方向(Z方向)及び左右方向(Y方向)とに駆動する第2の駆動機構62を有し、該第2の駆動機構62を用いて拾取ユニット61を駆動して、搬送経路の両側にある2つ搬送レール55により一時格納手段4から仕分け手段6に運ばれた2つのトレイ10にそれぞれ配置される各選別仕分け対象101に対し、制御手段9による制御の元に、選別データベースに登録された対応のランクに基づいて、配置先のトレイ10を取り替える工程(再配置動作)を実行する。
【0033】
具体的に説明すると、第2の駆動機構62は、拾取ユニット61をX方向に駆動するX方向駆動装置621と、拾取ユニット61をZ方向に駆動するZ方向駆動装置622と、拾取ユニット61をY方向に駆動するY方向駆動装置623と、を有するように構成されている。
【0034】
ちなみに、この実施形態において、拾取ユニット61としては、選別仕分け対象101を吸引力で保持する吸盤を有する構成になっている。
【0035】
図11図13図14に示されるように、各搬送レール55は、仕分け手段6から搬出手段7へ更に延伸する構成になっている。
【0036】
搬出手段7は、仕分け手段6の作業により、1つのトレイ10に配置される同一のランクが付けられた選別仕分け対象101の数が所定値に到達したと制御手段9が判断すると、仕分け手段6から該トレイ10を搬出する。
【0037】
具体的に説明すると、搬出手段7は、仕分け手段6から延伸する搬送レール55の先端側に配置されて複数のトレイを同時に格納できる格納枠71と、格納枠71をY方向に移動させることができる搬出駆動機構72(図14参照)と、を備えている。この構成により、1つのトレイ10に配置される同一のランクが付けられた選別仕分け対象101の数が所定値に到達したと制御手段9が判断すると、搬送レール55に沿って該トレイ10を仕分け手段6から搬出して搬出手段7の格納枠71に格納し、そして搬出駆動機構72により駆動される格納枠71のY方向に沿った移動により、同一のランクが付けられた選別仕分け対象101がまとめて配置された各トレイ10をまとめて格納することもできる。
【0038】
上記構成により、搬送手段5は搬送レール55から収容ユニットとしてのトレイ10を一時格納手段4を戻す機能を備えることができるようになる。即ち、制御手段9の判断の元に、所定のランクが付けられた選別仕分け対象101を優先的に搬出すべく、目下処理中のトレイ10に該ランクが付けられた選別仕分け対象101が存在しない場合、目下処理中のトレイ10を一時格納手段4に一旦戻して該ランクが付けられた選別仕分け対象101が配置された他のトレイ10を仕分け手段6に供給することにより、1つのトレイ10に配置される同一のランクが付けられた選別仕分け対象101の数を速めに所定値に到達させて搬出することができるので、仕分け手段6において実行される仕分け作業の状況に応じて収容ユニット(トレイ10)を一時格納手段4から仕分け手段6に提供することや、仕分け手段6に搬送した収容ユニットを一時格納手段5に戻すことを実行できるので、収容ユニットの渋滞が起こらないように計画的に対処することにより、仕分け手段において実行する仕分け作業の効率化を図ることが出来る。
【0039】
図15に本発明の自動選別仕分けシステムの第2の実施形態が示されている。図示のように、この第2の実施形態では、搬送手段5は、第1対のトレイ10(収容ユニット)と第2対のトレイ10(収容ユニット)を所定の搬送経路(X方向)に並べて該搬送経路に沿って前記一時格納手段から前記仕分け手段に提供する搬送レール55を有すると共に、各対のトレイ10は該搬送経路の両側にそれぞれ配置されている。
【0040】
仕分け手段6は、第2の駆動機構62を用いて拾取ユニット61を駆動して、一時格納手段4から仕分け手段6に運ばれた第1対のトレイ10と第2対のトレイ10にそれぞれ配置されている各選別仕分け対象101に対し、制御手段9による制御の元に、選別データベースに登録された対応のランクに基づいて、配置先のトレイ10を取り替える工程を実行する。
【0041】
即ち、仕分け手段6は、同時に複数対の収容ユニット(トレイ10)に対して同時に仕分け処理を行うように構成することも可能である。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0043】
上記のように、本発明の自動選別仕分けシステムは、仕分け手段において実行される仕分け作業の状況に応じて収容ユニットを一時格納手段から仕分け手段に提供することや、仕分け手段に搬送した収容ユニットを一時格納手段に戻すことを実行できるので、収容ユニットの渋滞が起こらないよう計画的に対処することにより、仕分け手段において実行する仕分け作業の効率化を図ることが出来る。
【符号の説明】
【0044】
1 → 台座手段
10 → トレイ
101 → 選別仕分け対象
12 → 支持台
13 → 検査手段保持枠
16 → 検査レール
22 → 第1の洗浄装置
23 → 第2の洗浄装置
3 → 検査手段
31 → 検査部
32 → 処理部
33 → 照明部
4 → 一時格納手段
41 → 格納スロット
5 → 搬送手段
51 → 第1の検査経路
52 → 第2の検査経路
532 → レール
533 → 回転装置
534 → 保持プレート
53A → 第1の移送機構
53B → 第2の移送機構
54 → 回転移送機構
55 → 搬送レール
56 → 第1の駆動機構
561 → Y方向移動装置
562 → Z方向移動装置
57 → 供給装置
571 → 供給レール
6 → 仕分け手段
61 → 拾取ユニット
62 → 第2の駆動機構
621 → X方向駆動装置
622 → Z方向駆動装置
623 → Y方向駆動装置
7 → 搬出手段
71 → 格納枠
72 → 搬出駆動機構
9 → 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9
図10
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