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特許7102030複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造する方法及び装置
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  • 特許-複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造する方法及び装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 51/14 20060101AFI20220711BHJP
   B29C 51/08 20060101ALI20220711BHJP
   B29C 51/10 20060101ALI20220711BHJP
   B29C 51/22 20060101ALI20220711BHJP
   B29C 48/21 20190101ALI20220711BHJP
   B32B 3/28 20060101ALI20220711BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
B29C51/14
B29C51/08
B29C51/10
B29C51/22
B29C48/21
B32B3/28 A
B32B27/32 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021070589
(22)【出願日】2021-04-19
(62)【分割の表示】P 2017564505の分割
【原出願日】2016-06-06
(65)【公開番号】P2021119051
(43)【公開日】2021-08-12
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】UB2015A001279
(32)【優先日】2015-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516065559
【氏名又は名称】コリネス エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ペッチェッティ エラルド
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第03/080326(WO,A1)
【文献】特表2007-535424(JP,A)
【文献】登録実用新案第3069476(JP,U)
【文献】米国特許第06004651(US,A)
【文献】特開2004-058359(JP,A)
【文献】特開2009-125998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00-51/46
B29C 48/00-48/96
B32B 1/00-43/00
B29C 59/00-59/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造する方法であって、前記シート又はパネルは2つの平坦外側フィルムからなる構造を備え、該平坦外側フィルムは、上部及び下部において、規則的かつ連続的なパターンが繰り返される少なくとも2つの熱成形内側又は中央ブリスターフィルムに結合され、前記少なくとも2つの熱成形内側又は中央ブリスターフィルムは互いに結合され、前記シート又はパネルは、前記平坦外側フィルム及び前記熱成形内側又は中央フィルムが3つの共押出層で構成され、前記方法は、
段階a)対応するポリマーから開始する、又は、対応するポリマー化合物及び無機充填剤から開始する、少なくとも4つの多層フィルム(10,11,12,13)、すなわち、外側下部外側フィルム(10)、少なくとも2つの内側又は中央フィルム(11,12)、及び上部外側フィルム(13)の同時押出段階、
段階b)前記少なくとも2つの内側又は中央フィルム(11,12)の熱成形段階、
段階c)熱溶着による、前記平坦外側フィルム(10,13)の前記2つの熱成形内側又は中央フィルム(11,12)への結合段階
を含み、
前記熱成形内側又は中央フィルム(11,12)は、ブリスター-ブリスター配置構成又は下部-下部配置構成によって互いに溶着され
前記熱溶着による結合段階c)は、前記フィルム(10,11,12,13)を互いに溶着することによって行われ、各フィルム(10,11,12,13)は、同じフィルム(10,11,12,13)の外側層の溶着温度を基準にして-10℃~+10℃の範囲の温度で前記結合段階に達する、又は、前記フィルム(10,11,12,13)は、10℃未満の値だけ互いから異なる温度で前記結合段階に達する、方法。
【請求項2】
段階a)の上流に、ポリプロピレン及び無機充填剤の粉末形態での混合段階を想定し、こうして得られる粒状形態の化合物が前記段階a)に給送される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱成形による結合段階c)は、
-最初に、平坦外側フィルム(10)を熱成形内側又は中央フィルム(11)に、そして同時に、第2の平坦外側フィルム(13)を第2の熱成形内側又は中央フィルム(12)に溶着し、次に、こうして得られるフィルム又は中間要素の2つの対(10-11)及び(12-13)を、ブリスター-ブリスター又は下部-下部で互いに溶着すること、又は、
-最初に、前記2つの熱成形内側又は中央フィルム(11及び12)を、機械的作用によって又は真空下でブリスター-ブリスター又は下部-下部で互いに溶着し、次に、前記2つの平坦外側フィルム(10及び13)を中間要素(11-12)上に単一ステップで溶着すること、又は、
-全てのフィルム(10,11,12,13)を単一ステップで溶着することであって、前記全てのフィルム(10,11,12,13)が、最も外側の前記2つの平坦フィルム(10及び13)と、機械的作用によって又は真空下で熱成形され、ブリスター-ブリスター又は下部-下部で重なり合う前記2つの内側又は中央フィルム(11及び12)とを含む、全てのフィルム(10,11,12,13)を単一ステップで溶着すること
によって実施される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱成形内側又は中央フィルムは、2以上の偶数の個数で存在する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記熱成形内側又は中央フィルムは、直接又は平坦非熱成形フィルムを間に介在させて互いに溶着される、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記平坦外側フィルム及び前記熱成形内側又は中央フィルムは、ポリプロピレンコポリマー及びポリプロピレンホモポリマー及び/又は関連する混合物の3つの共押出層で構成され、互いに同じ又は異なる、前記平坦外側フィルム及び前記熱成形内側又は中央フィルムの外側層は、ポリプロピレンコポリマーで形成され、前記平坦外側フィルム及び前記熱成形内側又は中央フィルムの内側層は、ポリプロピレンホモポリマーで形成され、該ポリプロピレンホモポリマーには無機充填剤が添加されてもよい、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法において使用される装置であって、該装置が、少なくとも4つの押出ヘッドからなる押出ユニットを備え、前記押出ユニットの下流に、関連する調整及び冷却ユニットを伴って少なくとも2つの熱成形ユニットが存在し、前記熱成形ユニットならびに前記調整及び冷却ユニットは、次に、1つ又は複数の結合ユニットに接続される、装置。
【請求項8】
前記押出ユニットの上流に1つ又は複数の二軸混練押出機を備えることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
保護要素又は包装要素としての、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により製造されるハニカムブリスターシート又はパネルの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、複数の熱成形中央フィルムを有するポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネル、該シートを製造するための方法及び装置に関する。
ハニカム又はブリスターサンドイッチシート又はパネルとは、典型的には約200~4000g/mの範囲の秤量、すなわち、重量/平方メートルを有し得る、ポリプロピレンで好ましくは作られるハニカムシートを指す。この製品は、良好な弾性(すなわち破壊強度)の存在下でも、かなりの剛性及び硬さ等の独特の特性を有する。また、この製品は、30÷50%の充填率、すなわち、製品が占める総体積に対するプラスチック材料の体積の比率を有する。
【0002】
この特定のハニカム構造によって、ブリスターシートは、特に興味深い抵抗/特定の重量比を有する;特に、この特徴は、包装分野において特に興味深くかつ重要であり、包装分野においては、包装製品の重量を徐々に減らし、したがって、過剰包装現象をなくそうとする独特の傾向が存在する。
【0003】
現在の技術水準は、非常に概略的に、3つの異なるフィルムであって、そのうちの1つのフィルム(中央フィルム)が熱成形フィルムである、該3つの異なるフィルムを熱結合することで構成されるハニカム又はブリスターシート又はパネルについて説明しており、使用している。前述の熱成形の結果として、中央フィルムは、特徴的なハニカム形状を得ることになり、これは、3方向における静的慣性モーメントの有意の増加を保証し、したがって、相対抵抗モジュールを増加させる。
【0004】
中央フィルムの特定の形態は、最終製品に機械的特性(剛性、負荷抵抗等)及び機能的特性(軽さ、展性等)を与え、それらの特性は、近年、種々の用途において、優れた結果を伴って、ブリスターパネル又はシートの使用をもたらした。
【0005】
しかし、製品は、簡潔に上述したように、大きな影響を与える幾つかの重要な側面、いわば「生理的な(physiological)」、その構造に固有である側面、すなわち、断面図においてかなりの非対称性を示し、製品の秤量が大きい(通常、2000g/mを超える)場合に、水平度及び抵抗の適切な特性を保証することが非常に難しい、という側面を有する。
【0006】
換言すれば、熱成形シート又はフィルムの明らかでかつ避けることのできない非対称性は、最終製品に影響を及ぼし、一連のよく知られている欠点をもたらし、その一方で、いわゆる「重い」シート又はパネルを製造することにおける困難さは、これらシート又はパネルについて概念的に理想的である用途におけるそれらの使用を限定し制限する。
【0007】
上述の非対称性は、まず第1に、熱成形シートの2つの側の冷却プロセスにおいて示される可能性があり、2つの側は、関係質量が異なるため2つの異なる時間枠に従う。すなわち、熱成形される側又はブリスターは、実際には同じ熱成形プロセスによって、より薄くなり、下部を基準にして質量を喪失し、必要な冷却時間がより短い。
【0008】
結果として、その後の熱成形シートと2つの外側シートとの溶着後に、熱成形シートの2つの側の異なる弾性収縮は、特に関係質量が異なるため、最終製品において、ある種のカール作用、すなわち、横断方向における湾曲をもたらし、それは、実際には、シート又はパネルを使用不能にする。
【0009】
種々の手順、方法、及び装置が、研究され、開発されてきており、それらは、この欠点を正すことを提案してきたが、最終製品の自然の非対称性の問題は基本的に残ったままであり、また、シートの2つの外側の異なる仕上げという形で現れる、すなわち、熱成形シートのブリスター側に溶着される外側は、ブリスター自体の跡を有することが多く、その結果、完成品であるパネル又はシートを高品質用途について使用不能にする。
【0010】
この後者の問題に対する部分的な解決策は、特許出願第MI2014A001110号に記載されている。この特許出願は、熱可塑性ポリプロピレンベースのハニカムシート又はパネルについて説明しており、該シート又はパネルは、規則的かつ連続したパターンで反復する熱成形ブリスターフィルムからなる中央フィルムに熱溶着される、2つの平坦外側フィルムからなる構造を備え、2つの平坦外側フィルムは、熱可塑性ポリプロピレンベースの共押出2層フィルム(AB)で構成され、内部層(A)は熱成形中央フィルムに面しており、熱成形ブリスター中央フィルムは、熱可塑性ポリプロピレンベースの共押出3層フィルム(ABA)で構成され、2つの外側層(A)は平坦外側フィルムに面しており、前記構造は、2つの平坦外側フィルムの外側層Bに熱溶着される更なる層Cについても想定している。
【0011】
本発明に最も近い技術水準を示す方法及び装置は、EP1638770に記載されている。EP1638770に記載される方法は、以下の工程によるブリスターシートの製造を想定している。すなわち、対応する粒体から開始する、上側又は下部フィルム、中央フィルム、及び下側又は上部フィルムの押出し;中央フィルムの熱成形;下部及び上部フィルムの調整及び部分的冷却;下部及び上部フィルムの少なくとも一方の側の加熱、及び2つの下部及び上部フィルムの熱成形フィルムとの結合、である。この方法は、押出ユニットを形成する少なくとも3つの押出ヘッドを備え、それに熱成形ユニットならびに調整及び冷却ユニットが続き、これらが次に結合ユニットに接続される装置において実施される。高品質製品を得ることを既に可能にするこの方法は、本明細書で示す課題を完全には解決しない。その理由は、熱成形中央シートが、いずれにしても基本的非対称性を有し、そのことが、上述した押出及び成形プロセスの下流に、更なる安定化及び調整装置(いわゆる、熱風炉及び冷風炉)を使用する必要性を生じるからである。
【0012】
更に、大きな秤量及び大きな厚さを有するシート又はパネルの場合、その製造に対する物理的制限も、最終製品の抵抗特性を増加させ、かつ、材料コストを減少させるという二重の目的に関して、ポリマー(すなわち、先に述べたポリプロピレン)のみならず炭酸カルシウム等の無機充填剤を含む使用材料の熱成形性に関係付けられる。
【0013】
一方、極端に高い弾性係数を有する、すなわち、わずかな伸張をもたらすためにかなりの力を必要とする材料を有することの必要性は、「深い」熱成形、すなわち、大きな厚さ及び秤量を有するシートの製造に必要な熱成形を行う可能性を制限する。
【0014】
考慮される更なる側面は、異なる割合で(通常は10重量%~60重量%で)無機充填剤をポリマーに「充填する」必要性であり、そのことは、更なる制限、すなわち、粒状形態で前もって混合され押出される、いわゆる「化合物」、すなわち、無機充填剤とポリマー(この場合、ポリプロピレン)の化合物を使用する必要性を生じる。このプロセスは、現在、粒状化機械によってオフラインで行われている。
【0015】
更に、化合物粒体を使用する場合、シート、すなわち最終製品の製造者は、極端に大量の原材料ストックを利用することを強いられる。つまり、製造者は、実際には、異なる用途用の、その結果、それぞれが異なる充填剤濃度及び/又は異なる無機充填剤によって特徴づけられる多数の異なる化合物ロットの利用を要求する必要性のために充填される、種々の濃度の材料を有する粒体を自由に使えるように持たなければならない。これはまた、これらの化合物の供給業者に関してシート製造者に影響を及ぼす。つまり、製造者は、一般に、供給業者と、同じ供給業者の異なる濃度パーセントの無機充填剤を有する化合物との両方についての制限された選択を有することを強いられることになる。
【0016】
本発明は、公知技術の欠点を克服する、熱可塑性材料で形成されるサンドイッチシート又はパネルを提供することを提案する。
より具体的には、本発明の目的は、規則的かつ連続したパターンで反復する円筒形態又は他の形態(ハニカム構造)を有する熱成形ブリスターフィルムを備える中央層(又はコア)と結合される外側フィルム(又は外側)で構成される、熱可塑性ポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを提供することであり、中央層の特定の形態は、シートに対して、機械的特性、負荷抵抗、ならびに構造的及び機能的特性を付与する。
【0017】
したがって、本発明の目的は、先に述べた欠点をなくしながら、同時に、特許出願第MI2014A001110号のシート物体の独特の特性を有する、ポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルを提供することである。
【0018】
したがって、本発明の目的は、技術水準による熱成形シート又はパネルに対して非常に大きな熱成形深さ、典型的には2倍の成形深さ、を特徴とするハニカムサンドイッチシート又はパネルを提供することである。
【0019】
本発明の更なる目的は、熱成形ブリスターシート又はパネルの構造の完全対称性を有するハニカムサンドイッチシート又はパネルを提供することである。
最後に、本発明の目的は、無機充填剤を粉末形態で直接使用することも可能にする、ハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造するための方法及び装置である。
【0020】
本発明の目的は、熱可塑性ポリプロピレンベースのハニカムサンドイッチシート又はパネルに関し、該シート又はパネルは、2つの平坦外側フィルムからなる構造を備え、該2つの平坦外側フィルムは、上部及び下部において、規則的かつ連続したパターンで反復する少なくとも2つの熱成形内側又は中央ブリスターフィルムに溶着され、少なくとも2つの熱成形内側フィルムは互いに溶着され、前記シート又はパネルは、平坦外側フィルム及び熱成形内側フィルムが3つの共押出層で構成されることを特徴とする。
【0021】
熱成形内側フィルムは、2つ以上の偶数の個数で存在し、好ましくは2つ又は4つ、更により好ましくは2つである。
熱成形内側フィルムは、直接又は平坦非熱成形フィルムを間に介在させて互いに溶着され得る。
【0022】
少なくとも2つの熱成形内側フィルムは、「ブリスター-ブリスター」溶着又は「下部-下部」溶着によって、好ましくは、「ブリスター-ブリスター」溶着によって互いに溶着され得る。
【0023】
2つの熱成形中央フィルムの間に介在し得る平坦非熱成形フィルムは、好ましくは、平坦外側フィルムと同じ3つの共押出フィルムを有する構造及び同じ組成を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態によるハニカムシート又はパネルの例を示す。
図2】本発明によるパネル又はシートを製造するための方法の一実施形態を示す。
図3】本発明によるパネル又はシートを製造するための方法の一実施形態を示す。
図4】本発明によるパネル又はシートを製造するための方法の一実施形態を示す。
図5】本発明によるパネル又はシートを製造するための方法の一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の説明において、別途記載されない限り、「ハニカムシート又はパネル」という用語は、互いに溶着された、平坦非熱成形フィルム及び熱成形フィルムで構成される構造を指し、「フィルム」という用語は、シートを形成する単一の熱成形又は非熱成形要素を指し、「層」という用語はフィルムを形成する要素を指す。
【0026】
各フィルムは3つの共押出層からなり、各シート又はパネルは、同時に押出された少なくとも2つの非熱成形フィルム及び少なくとも2つの熱成形フィルムで構成される。
特に、本発明によるハニカム又はブリスターシート又はパネルは、既に示したように、平坦な上側又は上部外側フィルム、2つの(あるいは、4つ又は6つ等の)熱成形中央フィルム、及び平坦な下側又は下部外側フィルムからなる。
【0027】
各単一フィルムは、好ましくは、例えば、構造A-B-A、A-B-C、C-B-A、及びその全ての組み合わせに従って、3つの層で構成される。
異なるフィルムを形成する全ての層A、B、又はCが、同じ押出機(すなわち、押出機A又はB又はC)から生ずることは必ずしも必要ではなく、完成品であるシート全体を形成する層と同じ数の押出機が存在することも想定され得る。換言すれば、完成品であるシートが、A-B-A + A’-B’-A’ + A’’-B’’-A’’ + A’’’-B’’’-A’’’からなる構造を有する場合、層A用の押出機A、層B用の押出機B、層A’用の押出機A’、層B’用の押出機B’等が存在し得る。
【0028】
平坦外側フィルムは、好ましくは、ポリプロピレンコポリマー(好ましくは、エチレン及び/又はブタンモノマーがプロピレン鎖に挿入されたブロック又はランダムポリプロピレンコポリマー)及びポリプロピレンホモポリマー及び/又は関連する混合物からなり、前記フィルムは、熱結合に特に適させる化学特性を有し、同時に、高い付着性及び相対的に低い溶着温度を保証する。したがって、これは、3つの層による共押出にて製造される多層構造であり、3層共押出構造A-B-Aは、好ましくは、ポリプロピレンホモポリマーの内部層B及びポリプロピレンコポリマーの2つの外側層Aで構成される。
【0029】
共押出多層構造A-B-C又はC-B-A又はその組み合わせの場合、その構造は、3つの異なる押出機から生ずる3つの異なるポリマーの共押出の結果であり、したがって、フィルムA及びCからなる2つの外側層は、ポリプロピレンホモポリマーであろうと、ポリプロピレンコポリマーであろうと、あるいは他のどのような性質があろうと、異なるタイプのポリプロピレンで構成され得る。
【0030】
本発明によるシート又はパネルの平坦外側フィルムを形成するフィルムに3つの異なるポリマーを有する可能性/必要性は、幾つかの用途においては、フィルムの最外層が、場合によって設けられる更なる外側フィルムと結合され得るという事実に依存する。その結果、選択される構造に応じて、最外層は、層A又はCであってもよく、また、熱成形内側又は中央フィルムに直接溶着される平坦外側フィルムの層が、熱成形フィルムと非熱成形フィルムとの間の完全な付着を保証するのに適する溶着特性を有しなければならないという要件を考慮に入れて、特定の物理的/化学的特性を満たさなければならない場合がある。
【0031】
これらの考慮事項は、両方の平坦外側フィルムについて明らかに有効である。
熱成形内側フィルムは、好ましくは、ポリプロピレンコポリマー(好ましくは、エチレン及び/又はブタンモノマーがプロピレン鎖に挿入されたブロック又はランダムポリプロピレンコポリマー)及びポリプロピレンホモポリマー及び/又は関連する混合物からなり、特に高い物理的機械的特性を有し、したがって、最終製品、すなわち、ハニカム又はブリスターパネル又はシートが、機械的抵抗及び軽さの観点から所望される品質を有することを保証するのに適している。したがって、これは、3つの層を有する共押出にて製造される多層構造を有するフィルムであり、3層共押出構造A-B-Aは、好ましくは、ポリプロピレンホモポリマーからなる内部層B及びポリプロピレンコポリマーからなる2つの外側層Aで構成される。
【0032】
互いに同じ又は異なる、平坦外側フィルム及び熱成形内側フィルムの外側層は、好ましくは、ポリプロピレンコポリマーで形成され、平坦外側フィルム及び熱成形内側フィルムの内側層は、好ましくは、ポリプロピレンホモポリマーで形成され、場合によっては無機充填剤が添加される。
【0033】
本発明の目的は、また、ハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造するための方法に関し、該方法は、
段階a)対応するポリマーから、又は、対応するポリマー化合物及び無機充填剤から開始される、少なくとも4つの多層フィルム、すなわち下部外側フィルム、少なくとも2つの内側又は中央フィルム、及び上部外側フィルムの同時押出段階、
段階b)少なくとも2つの内側又は中央フィルムの熱成形段階、
段階c)熱溶着による、非熱成形平坦外側フィルムの、2つの熱成形内側又は中央フィルムとの結合段階
を含み、
前記熱成形内側フィルムは、ブリスター-ブリスター配置構成又は下部-下部配置構成によって互いに溶着され、フィルムの押出段階及び結合段階の始まりは、全ての外側及び内側の熱成形及び非熱形成フィルムについて同時である。
【0034】
本発明によるハニカムサンドイッチシート又はパネルを製造するための方法は、段階a)の上流に、ポリプロピレン及び無機充填剤の粉末形態での混合段階を含み、後続の段階a)で使用される粒状形態の化合物を形成してもよい。
【0035】
更に、前述の更なる混合段階を想定する方法は、押出ヘッドに先立って1つ又は複数の二軸混練押出機を導入して、連続して実施されて、純粋なポリプロピレン粒体と、例えば、炭酸カルシウム、グラスファイバ等のような無機充填剤粉末とを直接プロセスに給送してもよい。
【0036】
既に記載したように、少なくとも2つの熱成形内側フィルムは、「ブリスター-ブリスター」溶着又は「下部-下部」溶着によって、互いに溶着され得る。こうして、4つのフィルムで構成されるハニカムシート又はパネルが最終的に得られ、4つのフィルムのうち2つの熱成形中央フィルムは、絶対的にかつ完全に対称性を有する。
【0037】
同様に、ハニカムシート又はパネルは、複数の、ここでもやはり偶数(2つ、4つ、6つ等)の熱成形フィルムを使用して製造され得る。
含まれる図1は、本発明の一実施形態によるハニカムシート又はパネルの例を示す。
【0038】
本発明による方法の本質的な態様は、この種のシート又はパネルの製造が、同時管理条件(contemporaneous regime conditions)で起こることである。これは、必要な対称性、幾何学的対称性(得るのが比較的容易である)のみならず、とりわけ熱対称性もまた保証するために、全ての要素(すなわち、全てのフィルム(熱成形フィルム及び非熱成形フィルム))が同時に製造されなければならないことを意味する。
【0039】
これらの要素は、実際には、同時に製造されなければならないのみならず、特に熱対称性を保証するために、実質的に同様の熱条件下で結合に達しなければならない。
フィルムの移動路(すなわち、全てのフィルムがたどる経路)は、非常に重要であり、フィルムが実質的に同様の特性を有して結合段階に達するように、特に考えられてきた。
【0040】
実質的に同様の特性という用語は、各フィルムが、使用される材料の溶着温度を基準にして-10℃~+10℃の範囲の温度で結合段階に達すること、又は、結合段階に達するフィルム間の温度差が約10℃未満であることを意味する。
【0041】
特に、熱成形は、機械的に行われてもよく、あるいは真空下で行われてもよく、また、4つの(あるいは、6つ又は8つ等の)フィルムの溶着は、以下の手順に従って、含まれる図2~5に示される、本発明によるパネル又はシートを製造するための方法の4つの実施形態に従って行われ得る。以下の手順とは、
-最初に、平滑外側フィルム10を熱成形内側フィルム11に、そして同時に、第2の平滑外側フィルム13を第2の熱成形内側フィルム12に溶着し、次に、最終製品、すなわち、ハニカムシート又はパネル10-11-12-13が得られるまで、得られたフィルム又は中間要素の2つの対10-11及び12-13を、ブリスター-ブリスターで(又は、最終用途の要件に応じて下部-下部で)互いに溶着すること(図2に示す)、
-最初に、2つの熱成形内側フィルム11及び12を、機械的作用によって又は真空下で、ブリスター-ブリスターで(又は、最終用途の要件に応じて下部-下部で)互いに溶着し、次に、最終製品、すなわち、ハニカムシート又はパネル10-11-12-13が得られるまで、2つの平滑外側フィルム10及び13を中間要素11-12上に単一のステップで溶着すること(図3に示す)、
-最終製品、すなわち、ハニカムシート又はパネル10-11-12-13が得られるまで、4つの(あるいは、6つ又は8つ等の)全てのフィルムを単一のステップで溶着すること(図4に示す)。該全てのフィルムには、2つの最も外側のフィルム10、13、及び機械的作用によって又は真空下で熱成形され、ブリスター-ブリスターで(又は、最終用途の要件に応じて下部-下部で)重ね合わせる2つの内側又は中央フィルム11、12が含まれる、
である。
【0042】
この後、上述した熱溶着による結合段階c)が、フィルム10、11、12、13を互いに溶着することによって実施され、各フィルム10、11、12、13が、同じフィルム10、11、12、13の外側層の溶着温度を基準にして-10℃~+10℃の範囲の温度で結合段階に達するか、あるいは、フィルム10、11、12、13が、10℃未満の値だけ互いから異なる温度で結合段階に達する。
【0043】
しかし、本発明によるハニカムシート又はパネルの基本的な利点は、完全に対称な構造、及び、当然同じ原材料(したがって、熱成形特性)を使用して、単一の熱成形フィルムを用いた場合を基準にして少なくとも2倍である熱成形深さ、である。
【0044】
上述した全ての実施形態(図2~4)において、2つの熱成形内側又は中央フィルム11及び12の間に配置される更なる平坦フィルム14を想定することができ、これは、本発明によるハニカムシート又はパネル(図5に示す)の構造10、11、12、13を形成する全てのフィルムの完全な付着性を改善し、保証する。
【0045】
更に、本発明による方法の多用途性は、単に2つの(あるいは、4つ又は6つ等の)熱成形フィルム11及び12を、ブリスターを下部に、又はその逆に溶着することによって、意図的に非対称であるシート又はパネルが得られることも可能にする。したがって、完全な対称性を必要としない用途について利益があるが、いずれにしても、市場で入手可能な技術水準の製品によって現在のところ得られる熱成形深さを基準にして少なくとも2倍である熱成形深さを必要とする、シート又はパネルが得られ得る。
【0046】
また、本発明の更なる目的は、ハニカム又はブリスターシート又はパネルを製造するための装置に関し、該装置は、少なくとも4つの押出ヘッドからなる押出ユニットを備え、押出ユニットの下流には、関連する調整及び冷却ユニットを伴って少なくとも2つの熱成形ユニットが存在し、熱成形ユニットならびに調整及び冷却ユニットは、次に、1つ又は複数の結合ユニットに接続される。
【0047】
該装置は、押出ユニットの上流に1つ又は複数の二軸混練押出機も備えていてもよい。
本発明の更なる目的は、保護要素又は包装要素としての、本発明によるハニカムブリスターシート又はパネルの使用方法に関する。
【0048】
既に述べたように、本発明によるハニカムシート又はパネルの基本的な利点は、完全に対称な構造、及び、単一の熱成形フィルムを用いる場合を基準にして少なくとも2倍である熱成形深さである。
【0049】
本発明によるハニカム又はブリスターシート又はパネルを製造するための方法の利点の1つは、単一の製造ステップによるパネルの製造にあり、単一の製造ステップとは、半完成品を製造することなく、エネルギー消費がその結果少なく、また間接的には、とりわけ廃棄物の劇的な減少によって環境的影響が小さい状態で、最終シート又はパネルが、原材料(すなわち、粒体)から開始して単一のプラントで製造されることを意味する。
【0050】
更なる利点は、本発明によるシート又はパネルを形成する各単一フィルムが、共押出プロセスによって同時に押出される3つの層で構成されるという事実によって特に保証される絶対的な付着性のおかげで、層間剥離が生じないことによって示される。
【0051】
このように、技術水準による製品及び方法において存在する別の問題、すなわち、良好な物理的機械的特性を有し、同時に、ハニカムブリスターシート又はパネルを形成するフィルム同士が分離するおそれなく、比較的低温で結合することを可能にする材料の混合物を見出す必要性は、完全になくされないとしても、限定され得る。
【0052】
これらの要件を満たす材料の混合物は、製造プロセスの要件と、最終製品、すなわち、ハニカムシート又はパネルについて所望される特性との間の避けられない妥協の結果であるが、既に述べたように妥協によるものであるため、これらのニーズは共に、100%満たされることは明らかにあり得ない。
【0053】
特に、先に述べたように、本発明によるハニカムブリスターパネル又はシートは、平坦上側又は上部外側フィルム、2つの(あるいは、4つ又は6つ等の)熱成形内側又は中央フィルム、及び平坦下側又は下部外側フィルムで構成される。
【0054】
秤量が高い場合、既に示したように、無機充填剤の存在が必要であり、無機充填剤は、ハニカムブリスターパネル又はシートの適切な機械的抵抗特性を保証し、同時に、最終製品の材料コストを低減するのに適している。
【0055】
更に、本発明によるパネル又はシートを製造するための方法は、対応する化合物を蓄える必要なく、無機充填剤の濃度を変更することも可能にし、またとりわけ、該方法は、充填剤が粉末形態で、すなわち、その自然な構成状態で使用されることを可能にする。この解決策は、無機充填剤を含む共押出フィルムの層の押出しのために、いわゆる二軸混練押出機を選択することによって可能となる。
【0056】
本発明による装置において、二軸混練押出機が、無機充填剤を必要とする層の押出しのために想定されてもよい。単一の二軸混練押出機が存在していてもよく、該単一の二軸混練押出機は、押出ヘッドと同じ数のギアポンプの使用によって、本発明によるパネル又はシートの製造に必要な全ての(通常、3つ以上であるが、4つ、5つ、又は6つ等が存在し得る)押出ヘッドに給送することができる。あるいは、無機充填剤の存在も必要とする本発明によるパネル又はシートの最終製品を形成するフィルムの層と同じ数だけ二軸混練押出機が存在していてもよく、各押出ヘッドをギアポンプと結合させて、これらの用途に典型的な押出ヘッドの高い逆圧の存在下でも、材料の適切な流量を保証する。
【0057】
本発明によるハニカム又はブリスターパネル又はシートを製造するための方法の更なる利点は、以下の通りである。まず第1に、これは、粒体から、かつ/あるいは、ポリマー及び無機充填剤粉末からさえも開始され、中間工程なしで、最終製品、すなわちハニカムシート又はパネルを直接製造する連続プロセスである。したがって、フィルムリールのストックは必要でなく、物流と輸送の両方に関して比較的経済的な利点が存在する。
【0058】
任意の要求される秤量(明らかに、規定された変動範囲内の)を、任意の着色をし、実際には「ぎりぎり間に合うように(just in time)」、厚さの変動を得るための製品廃棄物を最小にして、直接製造することも可能である。
【0059】
本発明による方法は、また、方法自体に関与するフィルムの全てがほとんど加熱を必要としないことに起因するかなりのエネルギー節約を可能にし、フィルムは、十分に高い熱量によって種々の結合部を非常に接近した状態で維持する。
【0060】
本発明による方法は、単一フィルムの溶着性に影響を及ぼすことなく、平坦外側フィルムと熱成形内側フィルムの両方を形成する3層共押出製品の中央層として、高い機械的特性を有する材料の使用を想定するという更なる利点も有する。
【0061】
また、高い溶着特性を有する材料が、最終製品の機械的特性に影響を及ぼすことなく、平坦外側フィルム及び熱成形内側フィルムの両方を形成する3層共押出製品の外側層として使用されてもよい。
【0062】
更に、本発明による方法は、開始工程中における廃棄物を最小にするという明確な利点を有する。その理由は、これが、連続プロセスであるからであり、そしてまた、とりわけ管理において、最終製品の特性の著しい変動なしに、フィルムの全てを形成する3層共押出製品の中央層の押出機に好ましくは給送するために、カットエッジを再利用する可能性のおかげである。
【0063】
また、本発明によるハニカム又はブリスターパネル又はシートは、とりわけ、フィルムが完全に対称な構造を有する場合に(すなわち、平坦外側フィルムの厚さが実質的に等しく、熱成形内側フィルムが対称に位置決めされる、すなわち、ブリスター-ブリスター/下部-下部である場合に)残留内部応力が完全にないことを特徴とする。
【0064】
更に、ハニカム又はブリスターパネル又はシートは、当然ながら、平坦外側フィルムの結合が好ましくは熱成形内側又は中央フィルムの下部によって行われることに加えて、ビカット軟化温度に近い温度で得られるフィルムの結合に起因して、また、比較的制限された接触圧の存在下でも強い付着を可能にする外側層についての特定の材料の使用に起因して、高い水平度を有する。
【0065】
最後に、本発明による方法は、大きな秤量(通常、2000g/mを超える)及び大きな厚さを有するハニカムシート又はパネルが、ブリスター-ブリスター/下部-下部結合を有する複数の熱成形中央フィルムの存在のおかげで、全く問題なく製造されることを可能にし、したがって、問題となっている製造において使用される材料等、不十分な熱成形性を有するが、最終製品の適切な機械的特性を保証するために必要である材料の存在下でも、熱成形の総深さのかなりの増加を可能にする。
【0066】
本発明によるシート又はパネルは、300g/m~5000g/m、好ましくは1000g/m~4000g/mの範囲の重量を有する。
本発明によるシート又はパネルは、4.00~40.0mmの範囲、好ましくは10.00~30.00mmの範囲の厚さを有する。
【0067】
熱成形中央層に存在するブリスターは、3.00~20.0mmの範囲、好ましくは4~15mmの範囲の直径を有し、突出部/ブリスターの高さは、変動し、突出部/ブリスターの直径に依存し、例えば、高さは、3.5mmの直径の場合、3.00mmであり、15.00mmの直径の場合、10.00mmである。
【0068】
層A、B、及びCは、同じ又は異なる厚さを有することができ、厚さは、好ましくは、100ミクロン~2mmの範囲である。
本発明によるシート又はパネルは、好ましくは4つのフィルムで構成され、4つのフィルムのうちの2つのフィルム(A-B-A及びA’’’-B’’’-A’’’)は外側フィルムでありかつ平坦であり、熱成形されてブリスター-ブリスターで溶着される2つのフィルム(A’-B’-A’及びA’’-B’’-A’’)に溶着される。
【0069】
図1に示すシート又はパネルは、種々のフィルム間の、場合によっては最外層A及びA’’’に結合される更なるフィルムとの、適切な溶着特性と、耐つぶれ性、曲げ弾性率、ならびに防音及び断熱の点での適切な機械的特性とを同時に保証するための最適な層別割合を有する。
【0070】
より具体的には、2つの平坦外側共押出フィルムA-B-A及びA’’’-B’’’-A’’’、ならびに、2つの熱成形中央フィルムA’-B’-A’及びA’’-B’’-A’’は共に、以下の特性を有する。外側層A、A’、A’’、A’’’は、対応する共押出フィルムの総厚を基準にして5~10%の範囲である、互いに同じ又は異なる厚さを有し、一方、中央層B、B’、B’’、B’’’は、対応する共押出フィルムの総厚を基準にして80~90%の範囲である、互いに同じ又は異なる厚さを有する。
【0071】
更に、本発明によるシート又はパネルにおいて、図1の実施形態では、各平坦外側フィルム及び各熱成形内側フィルムは、シート自体の総重量を基準にして約20~30重量%を示す。
【0072】
平坦外側フィルムは、好ましくは同じ重量を有し、熱成形内側フィルムは、好ましくは同じ重量を有する。
本発明によるシート又はパネルの特定の例は以下の特徴を有する:
3000g/mの重量を有するシート;
2つの熱成形内側フィルムのブリスター-ブリスター結合に起因するブリスターの直径:14mm;
外側フィルム(上側/平坦A-B-A及び下側/平坦A’’’-B’’’-A’’’))の組成:
層A、A’’’:
PPコポリマー(流動性指数=3g/10’);
層B、B’’:
PPホモポリマー(流動性指数=3g/10’)及び20重量%に等しい量の無機充填剤。
【0073】
熱成形内側又は中央フィルムA’-B’-A’及びA’’-B’’-A’’は、先に示した外側フィルムの層A及びA’’’と同じ組成を有する層A’及びA’’、ならびに、層B及びB’’’と同じ組成を有する層B’ 及びB’’について想定している。
【0074】
シートは、最初に、平滑外側フィルムA-B-Aを(真空技術による)熱成形内側フィルムA’-B’-A’に、そして同時に、第2の平滑外側フィルムA’’’-B’’’-A’’’を(真空技術による)第2の熱成形内側フィルムA’’-B’’-A’’に溶着することによって製造された。こうして得られる中間要素の2つの対A-B-A/A’-B’-A’及びA’’-B’’-A’’/A’’’-B’’’-A’’’は、次に、最終製品、すなわち、ハニカムシート又はパネルA-B-A/A’-B’-A’/A’’-B’’-A’’/A’’’-B’’’-A’’’が得られるまで、ブリスター-ブリスターで互いに溶着された。
【0075】
シートの総重量を基準にするフィルムの重量分布:
上側フィルムA-B-A/中央フィルムA’-B’-A’/中央フィルム A’’-B
’’-A’’/下側フィルムA’’’-B’’’-A’’’=30%-20%-20%-30%。
【0076】
得られるパネルは、3000g/mに等しい総重量を有する。
図1
図2
図3
図4
図5