(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】物品移動装置及びその物品移動装置を備えた物品収納装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/24 20060101AFI20220711BHJP
B65B 5/04 20060101ALN20220711BHJP
【FI】
B65B35/24
B65B5/04
(21)【出願番号】P 2021522099
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 JP2020045891
【審査請求日】2021-04-22
(73)【特許権者】
【識別番号】506329292
【氏名又は名称】スターテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134326
【氏名又は名称】吉本 聡
(72)【発明者】
【氏名】菱川 辰巳
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/035177(WO,A1)
【文献】特開昭57-046708(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 35/24
B65B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する帯状体と、
前記上部における前記帯状体の一方の端部を固定し、移動可能な第1の可動体と、
前記下部における前記帯状体の他方の端部を固定し、移動可能な第2の可動体と、
を備え、
前記第1の可動体を固定し、前記第2の可動体を移動させることによって、前記帯状体のみの剛性によって、物品を前記上面に載置または前記上面から離間可能とする第1のモードと、
前記第1の可動体を移動させることによって、前記帯状体のみの剛性によって載置された前記物品を移動可能とする第2のモードと、
を備えたことを特徴とする物品移動装置。
【請求項2】
前記第1のモードは、前記第1の可動体を固定して、前記第2の可動体を一方向に移動させることによって、前記帯状体の前記上部の長さを長くし、前記帯状体のみの剛性によって、物品を前記上部に載置可能とする第3のモードと、前記第1の可動体を固定して、前記第2の可動体を一方向とは反対の方向に移動させることによって、前記帯状体の前記上部の長さを短くし、前記物品を前記上部から離間可能とする第4のモードと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の物品移動装置。
【請求項3】
前記第2の可動体は、前記第2の可動体を前記一方向に移動させる際、前記固定体に固定された前記帯状体の前記一方の端部よりも前記一方向に突出していることを特徴とする請求項2に記載の物品移動装置。
【請求項4】
前記帯状体は、複数本備えられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の物品移動装置。
【請求項5】
前記帯状体は、横断面視湾曲形状であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の物品移動装置。
【請求項6】
前記帯状体は、上側凸状の横断面視湾曲形状であることを特徴とする請求項5に記載の物品移動装置。
【請求項7】
前記帯状体は、バネ性を有する
金属材料によって構成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の物品移動装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7の何れかに記載の物品移動装置と、
前記物品の包装体を搬送し、その包装体の入口を開放させる包装体制御装置と、
を備え、
前記包装体制御装置によって前記入口が開放された前記包装体に、前記物品移動装置によって移動された前記物品を収納させる物品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の場所に置かれた物品を載置した後、他の場所へ移動させる物品移動装置、及びその物品移動装置によって移動された物品を所定の包装体に収納する物品収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の場所に置かれた物品を載置した後、他の場所へ移動させる物品移動装置(移載装置)が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ロッドレスシリンダー25を前進駆動させることによって、ラック21に噛合するピニオンギア22及び駆動プーリ19を正回転させるとともに、駆動プーリ19の正回転によって、キャリア板15の周囲に巻回された無端の移載ベルト20を循環駆動させて、被移載物31を移載ベルト20上にすくい上げる移載装置が記載されている(
図2乃至
図4等参照)。
【0004】
また、特許文献1に記載の移載装置は、ロッドレスシリンダー25を後退駆動させることによって、ラック21に噛合するピニオンギア22及び駆動プーリ19を逆回転させるとともに、駆動プーリ19の逆回転によって、キャリア板15の周囲に巻回された無端の移載ベルト20を循環駆動させて、被移載物31を移載ベルト20から排出するものである。
【0005】
特許文献1に記載の移載装置は、被移載物31を循環移動する無端の移載ベルト20によって移載ベルト20上に引き込みまたは移載ベルト20から排出するので、乗り移りの際の衝撃によって被移載物が傷つくことを極力回避し得るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の移載装置(以下、「物品移動装置」と記す)は、無端の移載ベルト20がキャリア板15の周囲に巻回されているため、構造が複雑となり、物品移動装置の製造に時間が掛かるという問題があった。
【0008】
また、移動した物品をさらに包装体に収納することを考慮すれば、物品移動装置が包装体内に侵入し易いように、物品移動装置全体を、部品点数を少なくする等して簡素化及び小型化する必要があった。
【0009】
また、物品移動装置全体の部品点数を少なくする等して簡素化及び小型化した状態においても、物品を自在に載置、離間及び移動させる等の利便性を追求すべきである。
【0010】
さらに、物品を移動するに際しては、物品を傷つけることなく移動させることは、当然に考慮されるべき事項である。
【0011】
本発明は、従来技術が有する上述した問題に対応してなされたものであり、部品点数を少なくして、簡単な構成で、物品を傷つけることのなく、自在に載置、離間及び移動させる物品移動装置を提供すること、また、この部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置によって、物品を傷つけることのなく、物品を包装体に簡単に収納することができる物品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様の物品移動装置は、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する帯状体と、前記上部における前記帯状体の一方の端部を固定し、移動可能な第1の可動体と、前記下部における前記帯状体の他方の端部を固定し、移動可能な第2の可動体と、を備え、前記第1の可動体を固定し、前記第2の可動体を移動させることによって、前記帯状体のみの剛性によって、物品を前記上面に載置または前記上面から離間可能とする第1のモードと、前記第1の可動体を移動させることによって、前記帯状体のみの剛性によって載置された前記物品を移動可能とする第2のモードと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様の物品移動装置において、前記第1のモードは、前記第1の可動体を固定して、前記第2の可動体を一方向に移動させることによって、前記帯状体の前記上部の長さを長くし、前記帯状体のみの剛性によって、物品を前記上部に載置可能とする第3のモードと、前記第1の可動体を固定して、前記第2の可動体を一方向とは反対の方向に移動させることによって、前記帯状体の前記上部の長さを短くし、前記物品を前記上部から離間可能とする第4のモードと、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第3の態様は、第2の態様の物品移動装置において、前記第2の可動体は、前記第2の可動体を前記一方向に移動させる際、前記固定体に固定された前記帯状体の前記一方の端部よりも前記一方向に突出していることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第4の態様は、第1の態様乃至第3の態様の何れかの物品移動装置において、前記帯状体は、複数本備えられていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第5の態様は、第1の態様乃至第4の態様の何れかの物品移動装置において、前記帯状体は、横断面視湾曲形状であることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の第6の態様は、第5の態様の物品移動装置において、前記帯状体は、上側凸状の横断面視湾曲形状であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の第7の態様は、第5の態様または第6の態様の物品移動装置において、前記帯状体は、バネ性を有する金属材料によって構成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の第8の態様は、第1の態様乃至第7の態様の何れかの物品移動装置と、前記物品の包装体を搬送し、その包装体の入口を開放させる包装体制御装置と、を備え、前記包装体制御装置によって前記入口が解放された前記包装体に、前記物品移動装置によって移動された前記物品を収納させる物品収納装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1の態様の物品移動装置によれば、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する帯状体と、上部における帯状体の一方の端部を固定し、移動可能な第1の可動体と、下部における帯状体の他方の端部を固定し、移動可能な第2の可動体と、を備え、第1の可動体を固定し、第2の可動体を移動させることによって、帯状体のみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1の可動体を移動させることによって、帯状体のみの剛性によって、物品を移動可能とする第2のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1の可動体及び第2の可動体の動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる。
【0021】
また、本発明の第2の態様の物品移動装置によれば、第1の態様の物品移動装置において、第1のモードは、第1の可動体を固定し、第2の可動体を一方向に移動させることによって、帯状体の上部の長さを長くし、帯状体のみの剛性によって、物品を上部に載置可能とする第3のモードと、第1の可動体を固定し、第2の可動体を一方向とは反対の方向に移動させることによって、帯状体の上部の長さを短くし、物品を上部から離間可能とする第4のモードと、を備えているので、第1の態様の物品移動装置の効果をより簡単に実行することができる。
【0022】
また、本発明の第3の態様の物品移動装置によれば、第2の態様の物品移動装置において、第2の可動体は、第2の可動体を一方向に移動させる際、固定体に固定された帯状体の一方の端部よりも一方向に突出しているので、請求項2に係る発明の効果に加え、さらに重い物品であっても上部に載置することができる。
【0023】
また、本発明の第4の態様の物品移動装置によれば、第1の態様乃至第3の態様の何れかの物品移動装置において、帯状体は、複数本備えられているので、物品をさらに安定して運搬することができる。
【0024】
また、本発明の第5の態様の物品移動装置によれば、第1の態様乃至第4の態様の何れかの物品移動装置において、帯状体は、横断面視湾曲形状であるので、第1の態様乃至第4の態様の何れかの物品移動装置の効果に加え、さらに重い物品であっても帯状体の上部に載置することができる。
【0025】
また、本発明の第6の態様の物品移動装置によれば、第5の態様の物品移動装置において、帯状体は、上側凸状の横断面視湾曲形状であるので、第5の態様の物品移動装置の効果に加え、物品を、さらに傷つけることなく、帯状体の上部に載置することができる。
【0026】
また、本発明の第7の態様の物品移動装置によれば、第5の態様の物品移動装置または第6の態様の物品移動装置において、帯状体は、バネ性を有する金属材料によって構成されているので、第5の態様の物品移動装置または第6の態様の物品移動装置の効果に加え、物品を離間した後でも帯状体の形状を維持することができる。
【0027】
さらに、本発明の第8の態様の物品収納装置によれば、第1の態様乃至第7の態様の何れかの物品移動装置と、物品の包装体を搬送し、その包装体の入口を開放させる包装体制御装置と、を備え、包装体制御装置によって入口が開放された包装体に、物品移動装置によって移動された物品を収納させるので、部品点数が少なく簡単な構成であって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる物品移動装置によって、物品を傷つけることなく、物品を包装体に簡単に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1実施形態の物品収納装置の全体斜視図である。
【
図2】第1実施形態の物品収納装置の全体平面図である。
【
図3】第1実施形態の物品収納装置の全体正面図である。
【
図4】第1実施形態の包装体制御装置の分部拡大図である。
【
図5】第1実施形態の物品移動装置の右側面図である。
【
図6】第1実施形態の物品移動装置の平面図である。
【
図7】第1実施形態の物品収納装置のブロック図である。
【
図8】第1実施形態のメインコントローラのブロック図である。
【
図9】第1実施形態の物品収納装置におけるメインプログラムのフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の物品収納装置における包装体吸着プログラムのフローチャートである。
【
図11】第1実施形態の物品収納装置における第1物品移動プログラムのフローチャートである。
【
図12】第1実施形態の物品収納装置における第2物品移動プログラムのフローチャートである。
【
図13】第1実施形態の物品収納装置に使用する包装体の平面図である。
【
図14】第1実施形態の包装体制御装置の第1動作説明図である。
【
図15】第1実施形態の包装体制御装置の第2動作説明図である。
【
図16】第1実施形態の包装体制御装置の第3動作説明図である。
【
図17】第1実施形態の包装体制御装置の最終動作説明図である。
【
図18】第1実施形態の物品移動装置が物品を載置した状態を示す右側面図である。
【
図19】第1実施形態の物品移動装置が物品を載置した状態を示す平面図である。
【
図20】第1実施形態の物品移動装置が、第1実施形態の包装体制御装置にセットされた包装体内に物品を収納させた状態を示す左側面図である。
【
図21】第1実施形態の物品移動装置が、第1実施形態の包装体制御装置にセットされた包装体内に物品を収納させた状態を示す平面図である。
【
図22】物品が包装体内に配置された状態を示す平面図である。
【
図23】第1実施形態の物品移動装置の第2物品移動プログラムを実行した第1動作説明図である。
【
図24】第1実施形態の物品移動装置の第2物品移動プログラムを実行した第2動作説明図である。
【
図25】第1実施形態の物品移動装置の第2物品移動プログラムを実行した最終動作説明図である。
【
図26】第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の部分斜視図である。
【
図27】第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の右側面図である。
【
図28】第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の平面図である。
【
図29】第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の直線状態を示すC-C部分断面図である。
【
図30】第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の屈曲状態(湾曲状態)を示すC-C部分断面図である。
【
図31】第2実施形態の物品移動装置の平面図である。
【
図32】第2実施形態の物品移動装置の右側面図である。
【
図33】第3実施形態の物品移動装置の平面図である。
【
図34】第3実施形態及び第4実施形態の物品移動装置に使用される帯状体の部分斜視図である。
【
図35】第3実施形態の物品移動装置に使用される帯状体のE-E断面図である。
【
図36】第4実施形態の物品移動装置に使用される帯状体のE-E断面図である。
【
図37】第5実施形態の物品移動装置の平面図である。
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0030】
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1実施形態の物品収納装置の全体斜視図であり、
図2は、第1実施形態の物品収納装置の全体平面図であり、
図3は、第1実施形態の物品収納装置の全体正面図である。
【0032】
また、
図4は、第1実施形態の包装体制御装置の分部拡大図であり、
図5は、第1実施形態の物品移動装置の右側面図であり、
図6は、第1実施形態の物品移動装置の平面図である。
【0033】
図1乃至
図3に示すように、本実施形態の物品収納装置1は、テーブル2上に積載された複数枚の包装体Wから一枚ずつ包装体W1(
図15参照)を取り出し、取り出された包装体W1の開口部を拡げて、その包装体W1の内部に、同じくテーブル2上に配置された物品(ハンバーガー)を移動して収納させるものである。
【0034】
本実施形態の物品収納装置1は、第1多関節ロボット11と第2多関節ロボット13の2つの腕を有する双腕の多関節ロボット3と、その多関節ロボット3の第1関節ロボット3の先端に回転可能に接続された包装体吸着装置7と、第2多関節ロボットの先端に回転可能に接続された物品移動装置5とを備える。
【0035】
多関節ロボット3は、制御部本体38と、制御部本体38の上面に固定されたベースプレート31と、そのベースプレート31に対して回転可能に接続された2つの4軸の第1多関節ロボット11及び第2多関節ロボット13とを備えている。
【0036】
第1多関節ロボット11は、ベースプレート31に対して旋回可能な第1アーム部32と、その第1アーム部32に対して旋回可能な第2アーム部33と、その第2アーム部33に対して上下方向に移動可能な第3アーム部34とを備えている。
【0037】
また、第2多関節ロボット13は、ベースプレート31に対して旋回可能な第4アーム部35と、その第4アーム部35に対して旋回可能な第5アーム部36と、その第5アーム部36に対して上下方向に移動可能な第6アーム部37とを備えている。
【0038】
多関節ロボット11及び関節ロボット13は、それぞれ制御部本体38内に配置されている後述するロボットコントローラ12(
図7参照)に電気的に接続されており、そのロボットコントローラ12からの信号によって動作するものである。
【0039】
包装体吸着装置7は、第1多関節ロボット11の第3アーム部34の先端に、第3アーム部の上下移動方向に直交する面内に回転可能に接続されており、テーブル2上に積層された複数枚の包装体Wから一枚ずつ包装体W1(
図15参照)を取り出し、取り出された包装体W1をテーブル2上のセット位置77に移動させ、包装体W1の開口部を拡げて、後述する物品移動装置5と協働して、移動された後述する物品を包装体W1内に収納するものである。
【0040】
包装体吸着装置7は、
図4に示すように、第3アーム部34の下部に回転可能に接続された第1基部73と、その第1基部73の先端部に接続された包装体上面吸着部71と、その包装体上面吸着部71に接続された包装体上面吸着部用チューブ79と、その包装体上面吸着部用チューブ79に接続されたエアコンプレッサー14(
図7参照)とを備える。
【0041】
なお、
図1乃至
図3に示すように、テーブル2上には、包装体吸着装置7によって移動された包装体W1をテーブル2に吸着するための2つの吸着孔が包装体W1の対角線端部に形成されており、包装体第1下面吸着部72及び包装体第2下面吸着部74(
図7参照)として機能する。
【0042】
また、包装体第1下面吸着部72(
図7参照)は、エアコンプレッサー14(
図7参照)と、そのエアコンプレッサー14に接続された包装体第1下面吸着用チューブ76とに構成され、包装体第2下面吸着部74(
図7参照)は、エアコンプレッサー14(
図7参照)と、そのエアコンプレッサー14に接続された包装体第2下面吸着用チューブ78とによって構成される。
【0043】
なお、本実施形態においては、包装体W1をテーブル2に吸着するために2つの吸着孔を形成したが、吸着孔は3つ以上であっても良く、場合によっては、1つであっても良い。
【0044】
また、包装体Wは、
図1乃至
図3に示すように、テーブル2上に固定された4つの包装体固定ピン75a、75b、75c及び75dによって画定された領域内に複数枚積層されている。
【0045】
物品移動装置5は、多関節ロボット13の第6アーム部37の先端に、第6アーム部の上下移動方向に直交する面内に回転可能に接続されており、テーブル2上に離間して配置されているブロック21、22及び23上に載置された物品H1、及びテーブル2上に同様に離間して配置されているブロック24、25及び26上に載置された物品H2を、一つずつテーブル2上のセット位置77まで移動させ、包装体吸着装置7と協働して、移動された物品を包装体W1内に収納するものである。
【0046】
物品移動装置5は、
図5及び
図6に示すように、第6アーム部37の下部に回転可能に接続された固定部56と、その固定部56に接続された第2基部59と、その第2基部59に接続されたスライド軸受けボックス58、第1ロッドレスシリンダー本体51u、及び第2ロッドレスシリンダー本体51dとを備える。
【0047】
また、第1ロッドシリンダー本体51uには、第1ロッドレスシリンダー本体51uに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第1スライダー53uと、その第1スライダー53uに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第1スライダー53uの動きに伴って移動する第1スライド板50uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板50uをA方向に前進させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板50uをB方向に後退させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uと、が備えられている。
【0048】
また、第2ロッドシリンダー本体51dには、第2ロッドレスシリンダー本体51dに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第2スライダー53dと、その第2スライダー53dに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第2スライダー53dの動きに伴って移動する第2スライド板50dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板50dをA方向に前進させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板50dをB方向に後退させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dと、が備えられている。
【0049】
さらに、物品移動装置5は、第1スライド板50uの先端部及び第2スライド板50dの先端部に両端を接続されたチェーン(帯状体)57a及びチェーン(帯状体)57bを備える。
【0050】
なお、第1スライダー53u及び第1スライド板50uが本発明の「第1の可動体」を構成し、第2スライダー53d及び第2スライド板50dが本発明の「第2の可動体」を構成する。
【0051】
また、
図5及び
図6に示すように、本実施形態のチェーン(帯状体)57aは、長さXuaの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXdaの下部(
図20参照)とを有し、本実施形態のチェーン(帯状体)57bは、長さXubの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXdbの下部とを有する。
【0052】
また、
図5及び
図6に示すように、本実施形態のチェーン(帯状体)57aは、上部の端部Paが第1スライド板50uの先端部に接続されており、下部の端部が第2スライド板50dの先端Qa(
図20参照)に接続されている。
【0053】
また、本実施形態のチェーン(帯状体)57bは、上部の端部Pbが第1スライド板50uの先端部に接続されており、下部の端部が第2スライド板50dの先端Qbに接続されている。
【0054】
なお、
図5及び
図6に示すように、本実施形態においては、チェーン(帯状体)57aの上部の長さXuaとチェーン(帯状体)57bの上部の長さXubとは同一の長さであり、チェーン(帯状体)57aの下部の長さXdaとチェーン(帯状体)57bの下部の長さXdbとは同一の長さである。
【0055】
また、本実施形態においては、本発明の「帯状体」として、チェーンを例にして説明するが、本発明の「帯状体」とは、本実施形態のチェーンに限定されるものではなく、後述する第3実施形態及び第4実施形態に使用する帯状体、第5実施形態に使用する自立走行型(本実施形態のチェーンのように、一方の端部を上部に固定し、途中を所定の曲率で湾曲させ、他方の端部を下部に固定させ、一方の端部または他方の端部を移動させることにより、上部及び下部の長さが自動的に調整される形態)のフラットケーブルの他、それ自体の剛性によって物品を載置可能であって、一方の端部を上部に固定し、途中を所定の曲率で湾曲させ、他方の端部を下部に固定させ、一方の端部または他方の端部を移動させることにより、上部及び下部の長さが自動的に調整される長尺のものを意味する。
【0056】
一方、テーブル2の側面には、
図1乃至
図3に示すように、後述するエアコンプレッサー14(
図7等参照)に纏めてチューブを接続するためのチューブボックス4が配置されており、そのチューブボックス4には、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54u、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52u、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54d、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52d、包装体上面吸着用チューブ79、包装体第1下面吸着用チューブ76及び包装体第2下面吸着用チューブ78が接続されている。
【0057】
なお、物品H1及び物品H2は、特に限定されるものではないが、本実施形態及び後述する他の実施形態においては、図面の都合上、物品をハンバーガーのように図示して説明することとする。したがって、物品H1及び物品H2は、通常の意味における物品であって、ハンバーガーに限定されるものでもなく、また、食品に限定されるものでもない。
【0058】
次に、本実施形態の物品収納装置1のブロック図について説明する。
【0059】
図7は、第1実施形態の物品収納装置のブロック図であり、
図8は、第1実施形態のメインコントローラのブロック図である。
【0060】
図7において、物品収納装置1は、電源6に接続されたメインコントローラ9と、メインコントローラ9に接続された、操作パネル8、ロボットコントローラ12及びエアコンプレッサー14とを備える。
【0061】
操作パネル8は、物品収納装置1を操作するためのパネルであり、使用者が物品収納装置1を操作する際に使用するものである。
【0062】
ロボットコントローラ12は、メインコントローラ9からの指示に基づいて第1多関節ロボット11及び第2多関節ロボット13を駆動させるものである。
【0063】
エアコンプレッサー14は、メインコントローラ9からの指示に基づいてエアを吸入または排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51u、第2ロッドレスシリンダー本体51d、包装体上面吸着部71、包装体第1下面吸着部72及び包装体第2下面吸着部74を動作させるものである。
【0064】
また、
図8において、メインコントローラ9は、CPU(中央演算処理装置)16と、そのCPU16に入出力可能に接続されたRAM(Random Access Memory)15と、CPU16に入出力可能に接続されたROM(Read Only Memory)17とを備える。
【0065】
RAM15は、テーブル2上に配置された物品の位置を記憶した物品位置データテーブル15aと、物品の移動先を記憶した物品移動先データテーブル15bと、物品を移動させる包装体内の位置を記憶した包装体内移動先データテーブル15cと、テーブル2上の包装体の積層位置を記憶した包装体積層位置データテーブル15dと、テーブル2上の包装体のセット位置77を記憶した包装体セット位置データテーブル15eと、包装体を積層位置から移動させる際の吸着位置を記憶した包装体第1吸着位置データテーブル15fと、包装体の開口部を拡げる際の吸着位置を記憶した包装体第2吸着位置データテーブル15gと、を備える。
【0066】
また、ROM17は、本実施形態の物品収納装置1全体の動作を司るメインプログラム17aと、包装体吸着装置7の吸着動作を司る包装体吸着プログラム17bと、第1ロッドレスシリンダー本体51uを使用しない物品移動装置5の物品移動動作を司る第1物品移動プログラム17cと、第1ロッドレスシリンダー本体51uを使用する物品移動装置5の物品移動動作を司る第2物品移動プログラム17dと、を備える。
【0067】
次に、上述した構成の物品収納装置1、物品移動装置5及び包装体吸着装置7の動作について説明する。
【0068】
図9は、第1実施形態の物品収納装置におけるメインプログラムのフローチャートであり、
図10は、第1実施形態の物品収納装置における包装体吸着プログラムのフローチャートであり、
図11は、第1実施形態の物品収納装置における第1物品移動プログラムのフローチャートであり、
図12は、第1実施形態の物品収納装置における第2物品移動プログラムのフローチャートである。
【0069】
また、
図13は、第1実施形態の物品収納装置に使用する包装体の平面図であり、
図14は、第1実施形態の包装体制御装置の第1動作説明図であり、
図15は、その第2動作説明図であり、
図16は、その第3動作説明図であり、
図17は、その最終動作説明図である。
【0070】
また、
図18は、第1実施形態の物品移動装置が物品を載置した状態を示す右側面図であり、
図19は、その平面図であり、
図20は、第1実施形態の物品移動装置が、第1実施形態の包装体制御装置にセットされた包装体内に物品を収納させた状態を示す左側面図であり、
図21は、その平面図であり、
図22は、物品が包装体内に配置された状態を示す平面図である。
【0071】
なお、本実施形態に使用する包装体は、
図13に示すように、平面視矩形状の2枚のシートを2辺の接着部W1bで貼り合わせて作製された包装体W1(W1aは非接着部を示す)を一例として説明するが、本実施形態の物品移動装置1は、開口部を有する包装体であれば何れの包装体であっても適用可能であり、本実施形態の平面視矩形状の包装体に限らず、平面視多角形状、平面視円形状、平面視楕円形状であっても適用可能である。
【0072】
図9において、先ず、装置の操作者が電源スイッチを入れた後、操作パネル8上の操作ボタンによって物品の処理個数を入力してスタートボタンを押下すると、物品収納装置1は、多関節ロボット3のアームを初期位置に移動させ(S1)、処理個数をセットし(S3)、後述する包装体吸着プログラムを実行する(S5)。
【0073】
図10において、包装体吸着プログラムでは、先ず、包装体積層位置データテーブル15dから包装体積層位置データを取得し(S31)、包装体第1吸着位置データテーブル15fから、積層された包装体W1での吸着位置である第1吸着位置データを取得する(S33)。
【0074】
そして、物品収納装置1は、第1多関節ロボット11を動作させて、包装体吸着装置7を包装体Wの第1吸着位置に移動させ(S35)、そこで、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を降下させる(S37)。
図14は、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を積層された包装体W上に降下させた状態を示している。
【0075】
なお、本実施形態の第1吸着位置は、包装体W1の4つの頂点のうち、対向する頂点を結んだ2つの対角線の交点に設定されている。
【0076】
そして、包装体上面吸着部71の吸引動作を開始させた後(S39)、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を上昇させる(S41)。
図15は、積層された包装体Wから1枚の包装体W1を包装体上面吸着部71で吸引した後、吸引包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を上昇させた状態を示している。
【0077】
なお、包装体上面吸着部71は、2枚貼り合わせたシートの上側のシートのみを吸着するため、下側のシートは、
図15に示すように、接着部W1bのみによって上側シートに接続された状態、すなわち、開口部側が上側シートよりも少し垂れた状態となる。
【0078】
その後、包装体セット位置データテーブル15eから包装体W1のセット位置77の位置である包装体セット位置データを取得し(S43)、包装体第2吸着位置データテーブル15gから、包装体W1を開口状態にするために吸着位置である第2吸着位置データを取得する(S45)。
【0079】
なお、本実施形態の第2吸着位置は、包装体W1の4つの頂点のうち、接着部W1bが存在しない非接着部の頂点位置に設定され、包装体第2下面吸着部74の位置に一致するように設定されている。
【0080】
そして、物品収納装置1は、包装体W1を包装体上面吸着部71に吸着させかつ上昇させた状態で、包装体吸着装置7をセット位置77に移動させ(S47)、そこで、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を降下させる(S49)。
図16は、包装体W1を包装体上面吸着部71に吸着させた状態で、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)をセット位置77上に降下させた状態を示している。
【0081】
その後、包装体W1を包装体吸着装置7から離間させるために、包装体上面吸着部71の吸引動作を止めるとともに(S51)、包装体W1をテーブル2に固定するために、包装体第1下面吸着部72及び包装体第2下面吸着部74の吸引動作を開始させる(S53)。
【0082】
そして、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を、上昇させた後(S55)第2吸着位置に移動させ(S57)、その位置で再度降下させる(S59)。
【0083】
さらに、包装体W1の第2吸着位置で包装体上面吸着部71の吸引動作を開始させた後(S61)、包装体吸着装置7(包装体上面吸着部71)を上昇させ(S63)、メインプログラムに戻る(S65)。
図17は、包装体W1の下面シートがテーブル2に固定された包装体W1の上面シートを包装体上面吸着部71で吸引した状態を示している。
【0084】
次に、物品収納装置1は、包装体内への物品の収納において、物品移動装置5のチェーン57a及びチェーン57b上に載置された物品の位置をチェーン上で移動させて収納するか否かが判断され(S9)、物品の位置をチェーン上で移動させて収納しないと判断された場合には(S9:No)、第1物品移動プログラムを実行し(S7)、物品の位置をチェーン上で移動させて収納すると判断された場合には(S9:Yes)、第2物品移動プログラムを実行する(S8)。
【0085】
なお、物品の位置をチェーン上で移動させて収納するか否かの判断は、物品移動装置5に内蔵されたセンサーによって、随時包装体W1の寸法を計測し判断することが可能であるが、本実施形態においては、物品収納装置1の使用者が予め包装体W1の寸法を計測し、操作パネル8から物品の位置をチェーン上で移動させて収納するか否かを入力しているものとして説明する。
【0086】
図11において、第1物品移動プログラムでは、先ず、物品位置データテーブル15aから物品が配置されている位置である物品位置データを取得し(S71)、第2多関節ロボット13を動作させて、物品移動装置5を、物品H1が載置されたブロック21、22及び23の手前、または、物品H2が載置されたブロック24、25及び26の手前まで移動させる(S73)。
【0087】
そして、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50d並びにチェーン57a及びチェーン57bをA方向に前進させる(S75)。
【0088】
すると、チェーン57aは、物品H1が載置されたブロック21とブロック22との間、または、物品H2が載置されたブロック24とブロック25との間に侵入し、チェーン57bは、物品H1が載置されたブロック22とブロック23との間、または、物品H2が載置されたブロック25とブロック26との間に侵入する。この場合、チェーン57a及びチェーン57bは、チェーンの下部のみが動き、チェーンの上部は、物品H1または物品H2に対してズレないため、物品H1及び物品H2を傷つけることがない。
【0089】
本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50dをA方向に移動させると、チェーン57a及びチェーン57bの端部が移動しない第1スライド板50uに固定されているため、チェーン57a及びチェーン57bの上部長さXua及びXubが自動的に長くなるとともに、チェーン57a及びチェーン57bの下部長さXda及びXdbが自動的に短くなり、物品H1または物品H2を載置可能な状態となる。
【0090】
また、本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50dをA方向に移動させると、第2スライド板50dの先端Qa及びQbが、第1スライド板50uの先端部に接続されたチェーン57a及びチェーン57bの上部の端部Pa及びPbよりも先端側に突出しているので、物品H1及び物品H2の重量が多少重くなった場合であってもチェーン57a及びチェーン57bの上部に物品H1または物品H2を載置することができる。
【0091】
なお、本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50dをA方向に移動させた場合に、第2スライド板50dの先端Qa及びQbが、第2基部59の先端部に接続されたチェーン57a及びチェーン57bの上部の端部Pa及びPbよりも先端側に突出するようにしたが、物品が軽量の場合には、スライド板50dの先端Qa及びQbを、第2基部59の先端部に接続されたチェーン57a及びチェーン57bの上部の端部Pa及びPbよりも先端側に突出しないようにしても良い。
【0092】
その後、物品移動装置5を上昇させると(S77)、物品移動装置5が物品H1または物品H2を載置することとなる。
図18及び
図19は、第2スライダー53dがA方向に移動され、物品移動装置5(チェーン57a及びチェーン57b)が物品H1を載置した状態を示している。
【0093】
そして、物品移動先データテーブル15bから物品の移動先である物品移動先データ(本実施形態では、包装体W1のセット位置77を示すデータである。)を取得し(S79)、第2多関節ロボット13を動作させて、物品H1または物品H2を載置した状態で物品移動装置5をセット位置77へ移動させる(S81)。
【0094】
その後、物品移動装置5を下降させ(S83)、セット位置77に移動された包装体W1が開口している状態か否かが判断される(S85)。
【0095】
包装体W1が開口していないと判断された場合には(S85:No)、そのまま待ち、包装体W1が開口していると判断された場合には(S85:Yes)、包装体内移動先データテーブル15cから包装体W1内に物品H1を収納するための移動距離である包装体内移動先データを取得し(S87)、物品移動装置5を包装体W1内に移動させる(S89)。
【0096】
そして、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板50d並びにチェーン57a及びチェーン57bをB方向に後退させ(S91)、物品H1または物品H2をチェーン57a及びチェーン57bから降ろす。
【0097】
この際、チェーン57a及びチェーン57bは、チェーンの下部のみが動き、チェーンの上部は、物品H1または物品H2に対してズレないため、物品H1及び物品H2を傷つけることがない。なお、
図20及び
図21は、第2スライダー53dがB方向に移動され、包装体W1内で物品H1を物品移動装置5(チェーン57a及びチェーン57b)から降ろした状態を示している。
【0098】
なお、本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板50dをB方向に移動させると、チェーン57a及びチェーン57bの端部が移動しないスライド板50uに固定されているため、チェーン57a及びチェーン57bの上部長さXua及びXubが自動的に短くなるとともに、チェーン57a及びチェーン57bの下部長さXda及びXdbが自動的に長くなり、物品H1または物品H2を離間可能な状態となる。
【0099】
最後に、第2多関節ロボット13のアームが初期位置に移動され(S93)、メインプログラムに戻る(S95)。
【0100】
なお、本実施形態のS75の処理が本発明の「第1のモード」及び「第3のモード」として機能し、S91の処理が本発明の「第1のモード」及び「第4のモード」として機能する。
【0101】
一方、物品移動装置5のチェーン57a及びチェーン57b上に載置された物品を、チェーン上で移動させて包装体内に収納すると判断された場合には(S9:Yes)、第2物品移動プログラムが実行される。
【0102】
図12において、第2物品移動プログラムでは、先ず、物品位置データテーブル15aから物品が配置されている位置である物品位置データを取得し(S72)、第2多関節ロボット13を動作させて、物品移動装置5を、物品H1が載置されたブロック21、22及び23の手前、または、物品H2が載置されたブロック24、25及び26の手前まで移動させる(S74)。
【0103】
なお、第2物品移動プログラムステップ74における移動位置は、第1物品移動プログラムステップ73における移動位置よりも物品H1または物品H2により近い位置である。
【0104】
そして、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50d並びにチェーン57a及びチェーン57bをA方向に前進させる(S76)。
【0105】
すると、チェーン57aは、物品H1が載置されたブロック21とブロック22との間、または、物品H2が載置されたブロック24とブロック25との間に侵入し、チェーン57bは、物品H1が載置されたブロック22とブロック23との間、または、物品H2が載置されたブロック25とブロック26との間に侵入する。この場合、チェーン57a及びチェーン57bは、チェーンの下部のみが動き、チェーンの上部は、物品H1または物品H2に対してズレないため、物品H1及び物品H2を傷つけることがない。
【0106】
本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50dをA方向に移動させると、チェーン57a及びチェーン57bの端部が移動しない第1スライド板50uに固定されているため、チェーン57a及びチェーン57bの上部長さXua及びXubが自動的に長くなるとともに、チェーン57a及びチェーン57bの下部長さXda及びXdbが自動的に短くなり、物品H1または物品H2を載置可能な状態となる。
【0107】
また、本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50dをA方向に移動させると、第2スライド板50dの先端Qa及びQbが、第1スライド板50uの先端部に接続されたチェーン57a及びチェーン57bの上部の端部Pa及びPbよりも先端側に突出しているので、物品H1及び物品H2の重量が多少重くなった場合であってもチェーン57a及びチェーン57bの上部に物品H1または物品H2を載置することができる。
【0108】
なお、本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板50dをA方向に移動させた場合に、第2スライド板50dの先端Qa及びQbが、第2基部59の先端部に接続されたチェーン57a及びチェーン57bの上部の端部Pa及びPbよりも先端側に突出するようにしたが、物品が軽量の場合には、スライド板50dの先端Qa及びQbを、第2基部59の先端部に接続されたチェーン57a及びチェーン57bの上部の端部Pa及びPbよりも先端側に突出しないようにしても良い。
【0109】
その後、物品移動装置5を上昇させると(S78)、物品移動装置5が物品H1または物品H2を載置することとなる。
図23は、第2スライダー53dがA方向に移動され、物品移動装置5(チェーン57a及びチェーン57b)が物品H1を載置した状態を示している。
【0110】
そして、物品移動先データテーブル15bから物品の移動先である物品移動先データ(本実施形態では、包装体W1のセット位置77を示すデータである。)を取得し(S80)、第2多関節ロボット13を動作させて、物品H1または物品H2を載置した状態で物品移動装置5をセット位置77へ移動させる(S82)。
【0111】
その後、物品移動装置5を下降させ(S84)、セット位置77に移動された包装体W1が開口している状態か否かが判断される(S86)。
【0112】
包装体W1が開口していないと判断された場合には(S86:No)、そのまま待ち、包装体W1が開口していると判断された場合には(S86:Yes)、包装体内移動先データテーブル15cから包装体W1内に物品H1を収納するための移動距離である包装体内移動先データを取得し(S88)、物品H1または物品H2を包装体W1内に移動させる。
【0113】
この移動においては、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをA方向に移動させ、第1スライド板50u並びにチェーン57a及びチェーン57bをA方向に前進させる(S90)。
図24は、第1スライダー53u及び第1スライド板50uがA方向に移動され、物品H1がA方向に移動し、包装体W1内に移動した状態を示している。
【0114】
なお、本実施形態の物品移動装置5においては、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをA方向に移動させ、第1スライド板50uをA方向に移動させると、チェーン57a及びチェーン57bの端部が移動しない第2スライド板50dに固定されているため、チェーン57a及びチェーン57bの上部長さXua及びXubが自動的に短くなるとともに、チェーン57a及びチェーン57bの下部長さXda及びXdbが自動的に長くなり、物品H1がA方向に移動される状態となる。
【0115】
そして、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板50d並びにチェーン57a及びチェーン57bをB方向に後退させ(S92)、物品H1または物品H2をチェーン57a及びチェーン57bから降ろす。
【0116】
この際、チェーン57a及びチェーン57bは、チェーンの下部のみが動き、チェーンの上部は、物品H1または物品H2に対してズレないため、物品H1及び物品H2を傷つけることがない。なお、
図25は、第2スライダー53dがB方向に移動され、包装体W1内で物品H1を物品移動装置5(チェーン57a及びチェーン57b)から降ろした状態を示している。
【0117】
なお、本実施形態の物品移動装置5においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板50dをB方向に移動させると、チェーン57a及びチェーン57bの端部が移動しないスライド板50uに固定されているため、チェーン57a及びチェーン57bの上部長さXua及びXubが自動的に短くなるとともに、チェーン57a及びチェーン57bの下部長さXda及びXdbが自動的に長くなり、物品H1または物品H2を離間可能な状態となる。
【0118】
最後に、第2多関節ロボット13のアームが初期位置に移動され(S94)、メインプログラムに戻る(S96)。
【0119】
なお、本実施形態のS76の処理が本発明の「第1のモード」及び「第3のモード」として機能し、S90の処理が本発明の「第2のモード」として機能し、S92の処理が本発明の「第1のモード」及び「第4のモード」として機能する。
【0120】
図9のメインプログラムに戻ると、先ず、物品収納が完了したか否かが判断され(S10)、物品収納が完了していないと判断された場合には(S10:No)、物品収納の完了を待ち、物品収納が完了したと判断された場合には(S10:Yes)、包装体上面吸着部71、包装体第1下面吸着部72及び包装体第2下面吸着部74の包装体全吸着部の吸引が止められ(S11)、第1多関節ロボット11のアームが初期位置に移動される(S13)。
【0121】
そして、物品H1または物品H2が収納された包装体W1がセット位置77から除去されたか否かが判断され(S15)、包装体W1が除去されていないと判断された場合には(S15:No)、包装体W1の除去を待ち、包装体W1が除去されたと判断された場合には(S15:Yes)、さらに、包装体積層位置に包装体Wが有るか否かが判断される(S17)。
【0122】
そして、包装体積層位置に包装体W1が無いと判断された場合には(S17:No)、包装体収納装置1の操作パネル8にアラームを表示して(S21)、処理を終了し(S23)、包装体積層位置に包装体W1が有ると判断された場合には(S17:Yes)、さらに、包装体Wの処理個数が操作パネル8で入力した処理個数に達したか否かが判断される(S19)。
【0123】
ここで、包装体Wの処理個数が操作パネル8で入力した処理個数に達していないと判断された場合には(S19:No)、再度、包装体吸着プログラム及び第1物品移動プログラムまたは包装体吸着プログラム及び第2物品移動プログラムが実行され、包装体Wの処理個数が操作パネル8で入力した処理個数に達したと判断された場合には(S19:Yes)、処理を終了する(S23)。なお、
図22は、物品H1が包装体W1内に配置された状態を示している。
【0124】
なお、本実施形態の物品移動装置5においては、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをB方向に移動させ、第1スライド板60u並びにチェーン57a及びチェーン57bをB方向に移動させると、第2スライド板50dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をB方向に移動可能な状態となる。
【0125】
次に、本実施形態に使用する帯状体であるチェーン57について詳細に説明する。なお、チェーン57a及びチェーン57bは同じ構造のものであるため、チェーン57aのみについて説明する。
【0126】
図26は、第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の部分斜視図であり、
図27は、その右側面図であり、
図28は、その平面図である。
【0127】
また、
図29は、第1実施形態の物品移動装置に使用されるチェーン(帯状体)の直線状態を示すC-C部分断面図であり、
図30はそのチェーン(帯状体)の屈曲状態(湾曲状態)を示すC-C部分断面図である。
【0128】
図26乃至
図28において、本実施形態のチェーン57aは、スライドバー55aの先端に接続され、複数のチェーン要素57a1、57a2、57a3、57a4、57a5、57a6、57a7、57a8、57a9、57a10、57a11、57a12・・・を組み合わせた構造をなす。
【0129】
チェーン57aの接続構造をチェーン要素57a9とチェーン要素57a10とを例にして説明すると、
図26及び
図27に示すように、チェーン要素57a9は、側面視先端円形の先端部57a9aと、側面視後端円形の後端部57a9bとを備え、チェーン要素57a10は、側面視先端円形の先端部57a10aと、側面視後端円形の後端部57a10bとを備える。
【0130】
また、先端部57a9aは、前方に突起する二つの先端突起部57a9ea及び57a9ebと、平面視両端側に突起する先端係止部57a9ca(図示せず)及び57a9cbとを備える。
【0131】
同様に、後端部57a9bは、後方に突起する二つの後端突起部57a9fa及び57a9fbと、後端突起部57a9fa及び後端突起部57a9fbに形成された後端係止孔57a9da(
図29参照)及び57a9dbと、を備える。
【0132】
また、先端部57a10aは、前方に突起する二つの先端突起部57a10ea及び57a10ebと、平面視両端側に突起する先端係止部57a10ca及び57a10cbと、を備える。
【0133】
同様に、後端部57a10bは、後方に突起する二つの後端突起部57a10fa及び57a10fbと、後端突起部57a10fa及び後端突起部57a10fbに形成された後端係止孔57a10da(図示せず)及び57a10dbとを備える。
【0134】
そして、チェーン要素57a9とチェーン要素57a10とは、チェーン要素57a9の先端係止部57a9ca(図示せず)がチェーン要素57a10の後端係止孔57a10da(図示せず)に勘合し、チェーン要素57a9の先端係止部57a9cbがチェーン要素57a10の後端係止孔57a10dbに勘合することによって組み立てられる。
【0135】
また、
図29及び
図30に示すように、チェーン要素57a9は、内側に突起する、内側第1突起部57a9ka及び57a9kb(図示せず)と、内側第2突起部57a9ma及び57a9mb(図示せず)と、内側欠け部57a9ja及び57a9jb(図示せず)と、その内側欠け部57a9ja及び57a9jb(図示せず)に形成された内側第1壁部57a9ha及び57a9hb(図示せず)、並びに内側第2壁部57a9ga及び57a9gb(図示せず)とを備える。
【0136】
また、
図29及び
図30に示すように、チェーン要素57a10は、内側に突起する、内側第1突起部57a10ka及び57a10kb(図示せず)と、内側第2突起部57a10ma及び57a10mb(図示せず)と、内側欠け部57a10ja及び57a10jb(図示せず)と、その内側欠け部57a10ja及び57a10jb(図示せず)に形成された内側第1壁部57a10ha及び57a10hb(図示せず)、並びに内側第2壁部57a10ga及び57a10gb(図示せず)とを備える。
【0137】
そして、チェーン要素57a9とチェーン要素57a10とは、
図29に示すように、チェーン要素57a9の内側第1壁部57a9ga及び57a9gb(図示せず)が、チェーン要素57a10の内側第2突起部57a10ma及び57a10mb(図示せず)に当接することにより、加圧方向Dに対して、直線状態を保持するように構成されており、本実施形態の物品H1及び物品H2がチェーン57a及びチェーン57bに載置された場合においてもチェーンの直線状態が保持されるように構成されている。
【0138】
また、チェーン要素57a9とチェーン要素57a10とは、
図30に示すように、チェーン要素57a9の内側第2壁部57a9ha及び57a9hb(図示せず)が、チェーン要素57a10の内側第2突起部57a10ma及び57a10mb(図示せず)に当接することにより、屈曲状態(チェーン全体としては湾曲状態)の角度を保持されるように構成されている。
【0139】
なお、本実施形態においては、物品を載置する帯状体として、チェーン57a及びチェーン57bの2本のチェーンを使用したが、チェーンは、2本に限らず、3本以上であっても良く、また、後述するように、1本であっても良い。
【0140】
本実施形態の物品移動装置5によれば、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有するチェーン57a及びチェーン57bと、上部におけるチェーン57a及びチェーン57bの一方の端部Pa及びPbを固定し、移動可能な第1スライダー53u及び第1スライド板50uと、下部におけるチェーン57a及びチェーン57bの他方の端部を固定し、移動可能な第2スライダー53d及び第2スライド板50dと、を備え、第1スライダー53u及び第1スライド板50uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板50dを移動させることによって、チェーン57a及びチェーン57bのみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板50uを移動させることによって、チェーン57a及びチェーン57bのみの剛性によって、物品を移動可能とする第2のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板50u及び第2スライダー53d及び第2スライド板50dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる。
【0141】
また、本実施形態の物品移動装置5によれば、第1のモードは、第1スライダー53u及び第1スライド板50uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板50dを一方向に移動させることによって、チェーン57a及びチェーン57bの上部の長さを長くし、チェーン57a及びチェーン57bのみの剛性によって、物品を上部に載置可能とする第3のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板50uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板50dを一方向とは反対の方向に移動させることによって、チェーン57a及びチェーン57bの上部の長さを短くし、物品を上部から離間可能とする第4のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板50u及び第2スライダー53d及び第2スライド板50dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる効果をより簡単に実行することができる。
【0142】
また、本実施形態の物品移動装置5によれば、第2スライド板50dは、第2スライダー53d及び第2スライド板50dを一方向に移動させる際、第1スライド板50uに固定されたチェーン57a及びチェーン57bの一方の端部Pa及びPbよりも一方向に突出しているので、多少重い物品であってもチェーン57a及びチェーン57bの上部に載置することができる。
【0143】
また、本実施形態の物品移動装置5によれば、チェーン57a及びチェーン57bは、複数本備えられているので、物品をさらに安定して運搬することができる。
【0144】
さらに、本実施形態の物品収納装置1によれば、物品移動装置5と、物品の包装体W1を搬送し、その包装体W1の入口を開放させる包装体制御装置7と、を備え、包装体制御装置7によって入口が開放された包装体W1に、物品移動装置5によって移動された物品を収納させるので、部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置5によって、物品を傷つけることなく、物品を包装体W1に簡単に収納することができる。
【0145】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0146】
図31は、第2実施形態の物品移動装置の平面図であり、
図32は、その右側面図である。
【0147】
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、本実施形態の物品移動装置65は、第1実施形態の物品移動装置5のチェーンの数を除けば同様であるため、第1実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0148】
図31において、物品移動装置65は、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、多関節ロボット13の第6アーム部37の先端に、第6アーム部の上下移動方向に直交する面内に回転可能に接続されており、テーブル2上に離間して配置されているブロック21、22及び23上に載置された物品H1、及びテーブル2上に同様に離間して配置されているブロック24、25及び26上に載置された物品H2を、一つずつテーブル2上のセット位置77まで移動させ、包装体吸着装置7と協働して、移動された物品を包装体W1内に収納するものである。
【0149】
図31に示すように、物品移動装置65は、第6アーム部37の下部に回転可能に接続された固定部56と、その固定部56に接続された第2基部59と、その第2基部59に接続されたスライド軸受けボックス58、第1ロッドレスシリンダー本体51u、及び第2ロッドレスシリンダー本体51dとを備える。
【0150】
また、第1ロッドシリンダー本体51uには、第1ロッドレスシリンダー本体51uに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第1スライダー53uと、その第1スライダー53uに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第1スライダー53uの動きに伴って移動する第1スライド板60uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板60uをA方向に前進させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板50uをB方向に後退させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uと、が備えられている。
【0151】
また、第2ロッドシリンダー本体51dには、第2ロッドレスシリンダー本体51dに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第2スライダー53dと、その第2スライダー53dに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第2スライダー53dの動きに伴って移動する第2スライド板60dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板60dをA方向に前進させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板60dをB方向に後退させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dと、が備えられている。
【0152】
さらに、物品移動装置65は、第1スライド板60uの先端部及び第2スライド板60dの先端部に両端を接続された1本のチェーン(帯状体)67を備える。
【0153】
なお、第1スライダー53u及び第1スライド板60uが本発明の「第1の可動体」を構成し、第2スライダー53d及び第2スライド板60dが本発明の「第2の可動体」を構成する。
【0154】
また、
図31に示すように、本実施形態のチェーン(帯状体)67は、長さXucの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXdcの下部とを有し、本実施形態のチェーン(帯状体)67は、長さXucの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXdcの下部とを有する。
【0155】
なお、本実施形態に使用する帯状体であるチェーン67は、第1実施形態のチェーン要素57a1、57a2、57a3、57a4、57a5、57a6、57a7、57a8、57a9、57a10、57a11、57a12・・・の個々の幅を拡げたものを第1実施形態のチェーン57aのように組み合わせたものである。
【0156】
なお、本実施形態の物品移動装置65においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板60d並びにチェーン67をA方向に前進させると、チェーン67の端部が移動しない第1スライド板60uに固定されているため、チェーン67の上部長さXucが自動的に長くなるとともに、チェーン67の下部長さXdcが自動的に短くなり、物品H1または物品H2を載置可能な状態となる。
【0157】
また、本実施形態の物品移動装置65においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板60d並びにチェーン67をA方向に移動させると、第2スライド板60dの先端Qcが、第1スライド板60uの先端部に接続されたチェーン67の上部の端部Pcよりも先端側に突出しているので、物品H1及び物品H2の重量が多少重くなった場合であってもチェーン67の上部に物品H1または物品H2を載置することができる。
【0158】
なお、本実施形態の物品移動装置65においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させた場合に、第2スライド板60dの先端Qcが、第1スライド板60uの先端部に接続されたチェーン67の上部の端部Pcよりも先端側に突出するようにしたが、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、物品が軽量の場合には、第2スライド板60dの先端Qcを、第1スライド板60uの先端部に接続されたチェーン67の上部の端部Pcよりも先端側に突出しないようにしても良い。
【0159】
一方、本実施形態の物品移動装置65においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板50d並びにチェーン67をB方向に移動させると、チェーン67の端部が移動しない第1スライド板60uに固定されているため、チェーン67の上部長さXucが自動的に短くなるとともに、チェーン67の下部長さXdcが自動的に長くなり、物品H1または物品H2を離間可能な状態となる。
【0160】
また、本実施形態の物品移動装置65においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをA方向に移動させ、第1スライド板60u並びにチェーン67をA方向に前進させると、第2スライド板60dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をA方向に移動可能な状態となる。
【0161】
さらに、本実施形態の物品移動装置65においては、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをB方向に移動させ、第1スライド板60u並びにチェーン67をB方向に移動させると、第2スライド板60dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をB方向に移動可能な状態となる。
【0162】
本実施形態の物品移動装置65によれば、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有するチェーン67と、上部におけるチェーン67の一方の端部Pa及びPbを固定し、移動可能な第1スライダー53u及び第1スライド板60uと、下部におけるチェーン67の他方の端部を固定し、移動可能な第2スライダー53d及び第2スライド板60dと、を備え、第1スライダー53u及び第1スライド板60uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板60dを移動させることによって、チェーン67のみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板60uを移動させることによって、チェーン67のみの剛性によって、物品を移動可能とする第2のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板60u及び第2スライダー53d及び第2スライド板60dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる。
【0163】
また、本実施形態の物品移動装置65によれば、第1のモードは、第1スライダー53u及び第1スライド板60uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板60dを一方向に移動させることによって、チェーン67の上部の長さを長くし、チェーン67のみの剛性によって、物品を上部に載置可能とする第3のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板60uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板60dを一方向とは反対の方向に移動させることによって、チェーン67の上部の長さを短くし、物品を上部から離間可能とする第4のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板60u及び第2スライダー53d及び第2スライド板60dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる効果をより簡単に実行することができる。
【0164】
また、本実施形態の物品移動装置65によれば、第2スライド板60dは、第2スライダー53d及び第2スライド板60dを一方向に移動させる際、第1スライド板60uに固定されたチェーン67の一方の端部Pa及びPbよりも一方向に突出しているので、多少重い物品であってもチェーン67の上部に載置することができる。
【0165】
さらに、本実施形態の物品収納装置1によれば、物品移動装置65と、物品の包装体W1を搬送し、その包装体W1の入口を開放させる包装体制御装置7と、を備え、包装体制御装置7によって入口が開放された包装体W1に、物品移動装置65によって移動された物品を収納させるので、部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置65によって、物品を傷つけることなく、物品を包装体W1に簡単に収納することができる。
【0166】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0167】
図33は、第3実施形態の物品移動装置の平面図であり、
図34は、第3実施形態の物品移動装置に使用される帯状体の部分斜視図であり、
図35は、
図34のE-E断面図である。
【0168】
以下、本発明の第3実施形態を説明するが、本実施形態の物品移動装置85は、第1実施形態の物品移動装置5の帯状体の種類を除けば同様であるため、第1実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0169】
図33において、物品移動装置85は、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、多関節ロボット13の第6アーム部37の先端に、第6アーム部の上下移動方向に直交する面内に回転可能に接続されており、テーブル2上に離間して配置されているブロック21、22及び23上に載置された物品H1、及びテーブル2上に同様に離間して配置されているブロック24、25及び26上に載置された物品H2を、一つずつテーブル2上のセット位置77まで移動させ、包装体吸着装置7と協働して、移動された物品を包装体W1内に収納するものである。
【0170】
また、物品移動装置85は、
図33に示すように、第6アーム部37の下部に回転可能に接続された固定部56と、その固定部56に接続された第2基部59と、その第2基部59に接続されたスライド軸受けボックス58、第1ロッドレスシリンダー本体51u、及び第2ロッドレスシリンダー本体51dとを備える。
【0171】
また、第1ロッドシリンダー本体51uには、第1ロッドレスシリンダー本体51uに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第1スライダー53uと、その第1スライダー53uに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第1スライダー53uの動きに伴って移動する第1スライド板80uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板80uをA方向に前進させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板80uをB方向に後退させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uと、が備えられている。
【0172】
また、第2ロッドシリンダー本体51dには、第2ロッドレスシリンダー本体51dに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第2スライダー53dと、その第2スライダー53dに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第2スライダー53dの動きに伴って移動する第2スライド板80dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板80dをA方向に前進させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板80dをB方向に後退させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dと、が備えられている。
【0173】
さらに、物品移動装置85は、第1スライド板80uの先端部及び第2スライド板80dの先端部に両端を接続された帯状体87a及び帯状体87bを備える。
【0174】
なお、第1スライダー53u及び第1スライド板80uが本発明の「第1の可動体」を構成し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dが本発明の「第2の可動体」を構成する。
【0175】
また、
図33に示すように、本実施形態の帯状体87aは、長さXudの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXddの下部(
図20のXda参照)とを有し、本実施形態の帯状体87bは、長さXueの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXdeの下部とを有する。
【0176】
また、
図33に示すように、本実施形態の帯状体87aは、上部の端部Pdが第1スライド板80uの先端部に接続されており、下部の端部が第2スライド板80dの先端Qd(
図20のQa参照)に接続されている。
【0177】
また、本実施形態の帯状体87bは、上部の端部Peが第1スライド板80uの先端部に接続されており、下部の端部が第2スライド板80dの先端Qe(
図20のQa参照)に接続されている。
【0178】
なお、
図33に示すように、本実施形態においては、帯状体87aの上部の長さXudと帯状体87bの上部の長さXueとは同一の長さであり、帯状体87aの下部の長さXddと帯状体87bの下部の長さXdeとは同一の長さである。
【0179】
本実施形態に使用する帯状体87a及び帯状体87bは、
図34及び
図35に示すように、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する1枚の長尺状部材をから構成され、その長尺部材は、断面視外側凸状の湾曲形状の金属板82と、その金属板82の周囲に被覆された合成樹脂84とからなる。
【0180】
なお、本実施形態の物品移動装置85は、帯状体87a及び帯状体87b自体の断面視外側凸状の湾曲形状によって、物品の重量に耐えうるように設計されている。
【0181】
本実施形態の金属板82の材料としては、金属であれば特に問題はないが、本実施形態では、物品を降ろした時の帯状体の形態の保持性を考慮し、ばね性を有する硬鋼材、ステンレス材、ピアノ線材を使用するのが良く、本実施形態では、ステンレス材が使用されている。
【0182】
また、本実施形態の合成樹脂84の材料としては、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂またはフッ素系樹脂が使用可能である。
【0183】
なお、本実施形態の物品移動装置85においても、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板80d並びに帯状体87a及び帯状体87bをA方向に前進させると、帯状体87a及び帯状体87bの端部が移動しない第1スライド板80uに固定されているため、帯状体87a及び帯状体87bの上部長さXud及びXueが自動的に長くなるとともに、帯状体87a及び帯状体87bの下部長さXdd及びXdeが自動的に短くなり、物品H1または物品H2を載置可能な状態となる。
【0184】
また、本実施形態の物品移動装置85においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板80d並びに帯状体87a及び帯状体87bをA方向に移動させると、第2スライド板80dの先端Qd及びQeが、第1スライド板80uの先端部に接続された帯状体87a及び帯状体87bの上部の端部Pd及びPeよりも先端側に突出しているので、物品H1及び物品H2の重量が多少重くなった場合であっても帯状体87a及び帯状体87bの上部に物品H1または物品H2を載置することができる。
【0185】
なお、本実施形態の物品移動装置85においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させた場合に、第2スライド板80dの先端Qd及びQeが、第1スライド板80uの先端部に接続された帯状体87a及び87bの上部の端部Pd及びPeよりも先端側に突出するようにしたが、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、物品が軽量の場合には、第2スライド板80dの先端Qd及びQecを、第1スライド板80uの先端部に接続された帯状体87a及び87bの上部の端部Pd及びPeよりも先端側に突出しないようにしても良い。
【0186】
一方、本実施形態の物品移動装置85においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板80d並びに帯状体87a及び帯状体87bをB方向に移動させると、帯状体87a及び帯状体87bの端部が移動しない第1スライド板80uに固定されているため、帯状体87a及び帯状体87bの上部長さXud及びXueが自動的に短くなるとともに、帯状体87a及び帯状体87bの下部長さXdd及びXdeが自動的に長くなり、物品H1または物品H2を離間可能な状態となる。
【0187】
また、本実施形態の物品移動装置85においては、第1実施形態の物品移動装置5と同様に、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをA方向に移動させ、第1スライド板80u並びに帯状体87a及び帯状体87bをA方向に前進させると、第2スライド板80dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をA方向に移動可能な状態となる。
【0188】
さらに、本実施形態の物品移動装置85においては、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをB方向に移動させ、第1スライド板80u並びに帯状体87a及び帯状体87bをB方向に移動させると、第2スライド板80dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をB方向に移動可能な状態となる。
【0189】
本実施形態の物品移動装置85によれば、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する帯状体87a及び帯状体87bと、上部における帯状体87a及び帯状体87bの一方の端部Pd及びPeを固定し、移動可能な第1スライダー53u及び第1スライド板80uと、下部における帯状体87a及び帯状体87bの他方の端部を固定し、移動可能な第2スライダー53d及び第2スライド板80dと、を備え、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを移動させることによって、帯状体87a及び帯状体87bのみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを移動させることによって、帯状体87a及び帯状体87bのみの剛性によって、物品を移動可能とする第2のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板80u及び第2スライダー53d及び第2スライド板80dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる。
【0190】
また、本実施形態の物品移動装置85によれば、第1のモードは、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを一方向に移動させることによって、帯状体87a及び帯状体87bの上部の長さを長くし、帯状体87a及び帯状体87bのみの剛性によって、物品を上部に載置可能とする第3のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを一方向とは反対の方向に移動させることによって、帯状体87a及び帯状体87bの上部の長さを短くし、物品を上部から離間可能とする第4のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板80u及び第2スライダー53d及び第2スライド板80dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる効果をより簡単に実行することができる。
【0191】
また、本実施形態の物品移動装置85によれば、第2スライド板80dは、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを一方向に移動させる際、第1スライド板80uに固定された帯状体87a及び帯状体87bの一方の端部Pd及びPeよりも一方向に突出しているので、多少重い物品であっても帯状体87a及び帯状体87bの上部に載置することができる。
【0192】
また、本実施形態の物品移動装置85によれば、帯状体は、帯状体87a及び帯状体87bの複数本備えられているので、物品をさらに安定して運搬することができる。
【0193】
また、本実施形態の物品移動装置85によれば、帯状体87a及び帯状体87bは、横断面視湾曲形状であるので、さらに重い物品であっても帯状体の上部に載置することができる。
【0194】
また、本実施形態の物品移動装置85によれば、帯状体87a及び帯状体87bは、上側凸状の横断面視湾曲形状であるので、物品を、さらに傷つけることなく、帯状体の上部に載置することができる。
【0195】
また、本実施形態の物品移動装置85によれば、帯状体87a及び帯状体87bは、バネ性を有する材料によって構成されているので、物品を離間した後でも帯状体の形状を維持することができる。
【0196】
さらに、本実施形態の物品収納装置1によれば、物品移動装置85と、物品の包装体を搬送し、その包装体の入口を開放させる包装体制御装置7と、を備え、包装体制御装置7によって入口が解放された包装体W1に、物品移動装置85によって移動された物品を収納させるので、部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置によって、物品を傷つけることなく、物品を包装体に簡単に収納することができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0197】
図34は、第4実施形態の物品移動装置に使用される帯状体の部分斜視図であり、
図36は、 第4実施形態の物品移動装置に使用される帯状体のE-E断面図である。
【0198】
以下、本発明の第4実施形態を説明するが、本実施形態の物品移動装置は、第3実施形態の物品移動装置85の帯状体の断面形状を除けば同様であるため、物品移動装置85を利用して説明し、第3実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0199】
本実施形態に使用する帯状体47a及び帯状体47bは、
図34及び
図36に示すように、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する1枚の長尺状部材をから構成され、その長尺部材は、断面視内側凸状の湾曲形状の金属板42と、その金属板42の周囲に被覆された合成樹脂44とからなる。
【0200】
本実施形態の金属板42の材料としては、金属であれば特に問題はないが、本実施形態では、物品を降ろした時の帯状体の形態の保持性を考慮し、ばね性を有する硬鋼材、ステンレス材、ピアノ線材を使用するのが良く、本実施形態では、ステンレス材を使用している。
【0201】
また、本実施形態の合成樹脂44の材料としては、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂またはフッ素系樹脂が使用可能である。
【0202】
なお、本実施形態の物品移動装置は、帯状体47a及び帯状体47b自体の断面視内側凸状の湾曲形状によって、物品の重量に耐えうるように設計されている。
【0203】
本実施形態の物品移動装置によれば、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する帯状体47a及び帯状体47bと、上部における帯状体47a及び帯状体47bの一方の端部Pd及びPeを固定し、移動可能な第1スライダー53u及び第1スライド板80uと、下部における帯状体47a及び帯状体47bの他方の端部を固定し、移動可能な第2スライダー53d及び第2スライド板80dと、を備え、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを移動させることによって、帯状体47a及び帯状体47bのみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを移動させることによって、帯状体47a及び帯状体47bのみの剛性によって、物品を移動可能とする第2のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板80u及び第2スライダー53d及び第2スライド板80dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる。
【0204】
また、本実施形態の物品移動装置によれば、第1のモードは、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを一方向に移動させることによって、帯状体47a及び帯状体47bの上部の長さを長くし、帯状体47a及び帯状体47bのみの剛性によって、物品を上部に載置可能とする第3のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板80uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを一方向とは反対の方向に移動させることによって、帯状体47a及び帯状体47bの上部の長さを短くし、物品を上部から離間可能とする第4のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板80u及び第2スライダー53d及び第2スライド板80dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる効果をより簡単に実行することができる。
【0205】
また、本実施形態の物品移動装置によれば、第2スライド板80dは、第2スライダー53d及び第2スライド板80dを一方向に移動させる際、第1スライド板80uに固定された帯状体47a及び帯状体47bの一方の端部Pd及びPeよりも一方向に突出しているので、多少重い物品であっても帯状体47a及び帯状体47bの上部に載置することができる。
【0206】
また、本実施形態の物品移動装置によれば、帯状体は、帯状体47a及び帯状体47bの複数本備えられているので、物品をさらに安定して運搬することができる。
【0207】
また、本実施形態の物品移動装置によれば、帯状体47a及び帯状体47bは、横断面視湾曲形状であるので、さらに重い物品であっても帯状体の上部に載置することができる。
【0208】
また、本実施形態の物品移動装置によれば、帯状体47a及び帯状体47bは、バネ性を有する材料によって構成されているので、物品を離間した後でも帯状体の形状を維持することができる。
【0209】
さらに、本実施形態の物品収納装置1によれば、本実施形態の物品移動装置と、物品の包装体を搬送し、その包装体の入口を開放させる包装体制御装置7と、を備え、包装体制御装置7によって入口が解放された包装体W1に、本実施形態の物品移動装置によって移動された物品を収納させるので、部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置によって、物品を傷つけることなく、物品を包装体に簡単に収納することができる。
【0210】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0211】
図37は、第5実施形態の物品移動装置の平面図である。
【0212】
以下、本発明の第5実施形態を説明するが、本実施形態の物品移動装置95は、第2実施形態の物品移動装置65の帯状体の種類を除けば同様であるため、第2実施形態と共通する部分については、同じ符号を付し説明を省略する。
【0213】
図37において、物品移動装置95は、第2実施形態の物品移動装置65と同様に、多関節ロボット13の第6アーム部37の先端に、第6アーム部の上下移動方向に直交する面内に回転可能に接続されており、テーブル2上に離間して配置されているブロック21、22及び23上に載置された物品H1、及びテーブル2上に同様に離間して配置されているブロック24、25及び26上に載置された物品H2を、一つずつテーブル2上のセット位置77まで移動させ、包装体吸着装置7と協働して、移動された物品を包装体W1内に収納するものである。
【0214】
図37に示すように、物品移動装置95は、第6アーム部37の下部に回転可能に接続された固定部56と、その固定部56に接続された第2基部59と、その第2基部59に接続されたスライド軸受けボックス58、第1ロッドレスシリンダー本体51u、及び第2ロッドレスシリンダー本体51dとを備える。
【0215】
また、第1ロッドシリンダー本体51uには、第1ロッドレスシリンダー本体51uに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第1スライダー53uと、その第1スライダー53uに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第1スライダー53uの動きに伴って移動する第1スライド板90uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板90uをA方向に前進させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uと、第1ロッドレスシリンダー本体51uに第1スライド板90uをB方向に後退させるためのエアを注入するための第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uと、が備えられている。
【0216】
また、第2ロッドシリンダー本体51dには、第2ロッドレスシリンダー本体51dに対してA方向及びA方向とは反対方向のB方向に移動可能な第2スライダー53dと、その第2スライダー53dに接続され、スライド軸受けボックス58内を貫通し、第2スライダー53dの動きに伴って移動する第2スライド板90dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板90dをA方向に前進させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dと、第2ロッドレスシリンダー本体51dに第2スライド板90dをB方向に後退させるためのエアを注入するための第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dと、が備えられている。
【0217】
さらに、物品移動装置95は、第1スライド板90uの先端部及び第2スライド板90dの先端部に両端を接続された1本のフラットケーブル(帯状体)97を備える。本実施形態のフラットケーブル(帯状体)97は、上部の端部Pfが第1スライド板90uの先端部に接続されており、下部の端部が第2スライド板90dの先端Qf(図示せず)に接続されている。
【0218】
本実施形態に使用するフラットケーブル(帯状体)97は、自立走行型(第1実施形態のチェーン57a及びチェーン57bのように、一方の端部を上部に固定し、途中を所定の曲率で湾曲させ、他方の端部を下部に固定させ、一方の端部または他方の端部を移動させることにより、上部及び下部の長さが自動的に調整される形態)のフラットケーブルであり、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有する1枚の長尺状部材をから構成されている。
【0219】
なお、本実施形態の物品移動装置95は、フラットケーブル(帯状体)97自体の剛性によって、物品の重量に耐えうるように設計されている。
【0220】
なお、第1スライダー53u及び第1スライド板90uが本発明の「第1の可動体」を構成し、第2スライダー53d及び第2スライド板90dが本発明の「第2の可動体」を構成する。
【0221】
また、
図31に示すように、本実施形態のフラットケーブル(帯状体)97は、長さXufの上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された長さXdfの下部とを有する。
【0222】
なお、本実施形態の物品移動装置95においても、第2実施形態の物品移動装置65と同様に、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板90d並びにフラットケーブル(帯状体)97をA方向に前進させると、フラットケーブル(帯状体)97の端部が移動しない第1スライド板90uに固定されているため、フラットケーブル(帯状体)97の上部長さXufが自動的に長くなるとともに、フラットケーブル(帯状体)97の下部長さXdfが自動的に短くなり、物品H1または物品H2を載置可能な状態となる。
【0223】
また、本実施形態の物品移動装置95においても、第2実施形態の物品移動装置65と同様に、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させ、第2スライド板90d並びにフラットケーブル(帯状体)97をA方向に移動させると、第2スライド板90dの先端Qfが、第1スライド板90uの先端部に接続されたフラットケーブル(帯状体)97の上部の端部Pfよりも先端側に突出しているので、物品H1及び物品H2の重量が多少重くなった場合であってもフラットケーブル(帯状体)97の上部に物品H1または物品H2を載置することができる。
【0224】
なお、本実施形態の物品移動装置95においては、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをA方向に移動させた場合に、第2スライド板90dの先端Qfが、第1スライド板90uの先端部に接続されたフラットケーブル(帯状体)97の上部の端部Pfよりも先端側に突出するようにしたが、第2実施形態の物品移動装置65と同様に、物品が軽量の場合には、第2スライド板90dの先端Qfを、第1スライド板90uの先端部に接続されたフラットケーブル(帯状体)97の上部の端部Pfよりも先端側に突出しないようにしても良い。
【0225】
一方、本実施形態の物品移動装置95においては、第2実施形態の物品移動装置65と同様に、エアコンプレッサー14によって、第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ52dにエアを注入するとともに、第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ54dからエアを排出して、第2ロッドレスシリンダー本体51dの第2スライダー53dをB方向に移動させ、第2スライド板90d並びにフラットケーブル(帯状体)97をB方向に移動させると、フラットケーブル(帯状体)97の端部が移動しない第1スライド板90uに固定されているため、フラットケーブル(帯状体)97の上部長さXufが自動的に短くなるとともに、フラットケーブル(帯状体)97の下部長さXdfが自動的に長くなり、物品H1または物品H2を離間可能な状態となる。
【0226】
また、本実施形態の物品移動装置95においては、第2実施形態の物品移動装置65と同様に、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをA方向に移動させ、第1スライド板90u及びフラットケーブル(帯状体)97をA方向に前進させると、第2スライド板90dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をA方向に移動可能な状態となる。
【0227】
さらに、本実施形態の物品移動装置95においては、エアコンプレッサー14によって、第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ52uにエアを注入するとともに、第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ54uからエアを排出して、第1ロッドレスシリンダー本体51uの第1スライダー53uをB方向に移動させ、第1スライド板90u及びフラットケーブル(帯状体)97をB方向に移動させると、第2スライド板90dの状態に拘わらず、物品H1または物品H2をB方向に移動可能な状態となる。
【0228】
本実施形態の物品移動装置95によれば、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有するフラットケーブル(帯状体)97と、上部におけるフラットケーブル(帯状体)97の一方の端部Pfを固定し、移動可能な第1スライダー53u及び第1スライド板90uと、下部におけるフラットケーブル(帯状体)97の他方の端部を固定し、移動可能な第2スライダー53d及び第2スライド板90dと、を備え、第1スライダー53u及び第1スライド板90uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板90dを移動させることによって、フラットケーブル(帯状体)97のみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板90uを移動させることによって、フラットケーブル(帯状体)97のみの剛性によって、物品を移動可能とする第2のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板90u及び第2スライダー53d及び第2スライド板90dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる。
【0229】
また、本実施形態の物品移動装置95によれば、第1のモードは、第1スライダー53u及び第1スライド板90uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板90dを一方向に移動させることによって、フラットケーブル(帯状体)97の上部の長さを長くし、フラットケーブル(帯状体)97のみの剛性によって、物品を上部に載置可能とする第3のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板90uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板90dを一方向とは反対の方向に移動させることによって、フラットケーブル(帯状体)97の上部の長さを短くし、物品を上部から離間可能とする第4のモードと、を備えているので、部品点数を少なくして、簡単な構成で物品移動装置を構築することができるとともに、第1スライダー53u及び第1スライド板90u及び第2スライダー53d及び第2スライド板90dの動作モードによって、物品を自在に載置、離間及び移動させることができる効果をより簡単に実行することができる。
【0230】
また、本実施形態の物品移動装置95によれば、第2スライド板90dは、第2スライダー53d及び第2スライド板90dを一方向に移動させる際、第1スライド板90uに固定されたフラットケーブル(帯状体)97の一方の端部Pfよりも一方向に突出しているので、多少重い物品であってもフラットケーブル(帯状体)97の上部に載置することができる。
【0231】
さらに、本実施形態の物品収納装置1によれば、物品移動装置95と、物品の包装体W1を搬送し、その包装体W1の入口を開放させる包装体制御装置7と、を備え、包装体制御装置7によって入口が開放された包装体W1に、物品移動装置95によって移動された物品を収納させるので、部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置95によって、物品を傷つけることなく、物品を包装体W1に簡単に収納することができる。
【0232】
以上、本発明の各種実施形態の物品移動装置及び物品収納装置について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【0233】
例えば、上述の実施形態においては、帯状体の駆動をエアコンプレッサーと、第1ロッドレスシリンダー本体51u及び第2ロッドレスシリンダー本体51dとによるものとして説明してきたが、それに限られるものではなく、帯状体の駆動は、モーター等の電動機器によるものであっても良い。モーター等の電動機器によれば、帯状体の長さをより精密に制御することができる。
【符号の説明】
【0234】
1・・・物品収納装置
3・・・多関節ロボット
5,65,85,95・・・物品移動装置
7・・・包装体制御装置
8・・・操作パネル
9・・・メインコントローラ
11・・・第1多関節ロボット
13・・・第2多関節ロボット
14・・・エアコンプレッサー
42,82・・・金属板
44,84・・・合成樹脂
47a,47b,57a,57b,67,87a,87b,97・・・帯状体
50u,60u,80u,90u・・・第1スライド板
50d,60d,80d,90d・・・第2スライド板
51u・・・第1ロッドレスシリンダー本体
51d・・・第2ロッドレスシリンダー本体
52u・・・第1ロッドレスシリンダー後退用チューブ
52d・・・第2ロッドレスシリンダー後退用チューブ
53u・・・第1スライダー
53d・・・第2スライダー
54u・・・第1ロッドレスシリンダー前進用チューブ
54d・・・第2ロッドレスシリンダー前進用チューブ
58・・・スライド軸受けボックス
59・・・第2基部
71・・・包装体上面吸着部
72・・・包装体第1下面吸着部
74・・・包装体第2下面吸着部
76・・・包装体第1下面吸着用チューブ
77・・・セット位置
78・・・包装体第2下面吸着用チューブ
79・・・包装体上面吸着部用チューブ
H1,H2・・・物品(ハンバーガー)
W,W1・・・包装体
【要約】
【課題】 部品点数を少なくして、簡単な構成で、物品を傷つけることのなく、自在に載置、離間及び移動させる物品移動装置を提供し、この部品点数を少なくして、簡単な構成の物品移動装置によって、物品を傷つけることのなく、物品を包装体に簡単に収納することができる物品収納装置を提供する。
【解決手段】 物品収納装置1に備えられた物品移動装置5は、上部と、その上部からU字状に湾曲して形成された下部とを有するチェーン57a及びチェーン57bと、上部におけるチェーン57a及びチェーン57bの一方の端部Pa及びPbを固定し、移動可能な第1スライダー53u及び第1スライド板60uと、下部におけるチェーン57a及びチェーン57bの他方の端部を固定し、移動可能な第2スライダー53d及び第2スライド板60と、を備え、第1スライダー53u及び第1スライド板60uを固定し、第2スライダー53d及び第2スライド板60を移動させることによって、チェーン57a及びチェーン57bのみの剛性によって、物品を上面に載置または上面から離間可能とする第1のモードと、第1スライダー53u及び第1スライド板60uを移動させることによって、チェーン57a及びチェーン57bのみの剛性によって載置された物品を移動可能とする第2のモードと、を備える。
【選択図】
図5