(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】液体誘導レーザ切断工具用の保護シールド
(51)【国際特許分類】
B23K 26/146 20140101AFI20220711BHJP
【FI】
B23K26/146
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017029591
(22)【出願日】2017-02-21
【審査請求日】2020-02-18
(32)【優先日】2016-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ジャオリ・フー
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-180308(JP,A)
【文献】国際公開第2015/087288(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/14-26/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的対向面(228,328)を有する円柱形状の剛体
からなるシールド(160,220,320,400,800)であって、
前記剛体が、液体誘導レーザ経路(132,212,312)を受け入れる直径(422)を有する貫通穴(162,222,322,420,820)を画定するとともに、前記剛体が、該剛体を貫く前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)の長さを規定する厚さ(418)を有し、
前記剛体の厚さ(418)が、前記貫通穴(162,222,322,420,820)の直径(422)の少なくとも2倍であり、
前記剛体が、液体誘導レーザシステム(100,200,300)の前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)内で前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の放出ノズル(124)と標的(170,270,370)との間に配置され、かつ
当該シールド(160,220,320,400,800)が
、ノズルキャップ(150,216,316)に取り外し可能に接続され、
前記ノズルキャップ(150,216,316)が、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)に対する当該シールド(160,220,320,400,800)の位置を維持しつつ当該シールド(160,220,320,400,800)を前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の放出ノズル(124)から分離し、前記ノズルキャップ(150,216,316)が、チップ面(15
2)と、液体誘導レーザビーム(130,210,310)が該ノズルキャップ(150,216,316)を通過できるようにするためのビーム開口(154)とを含んでいる、シールド(160,220,320,400,800)。
【請求項2】
前記剛体が、200GPaよりも大きいヤング率を有する材料から構成される、請求項1に記載のシールド(160,220,320,400,800)。
【請求項3】
前記剛体が、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)付近で実質的に非反射性である、請求項1に記載のシールド(160,220,320,400、800)。
【請求項4】
前記剛体の厚さ(418)と前記貫通穴(162,222,322,420,820)の直径(422)との間の比率が2:1~10:1の範囲内である、請求項1に記載のシールド(160,220,320,400,800)。
【請求項5】
液体誘導レーザシステム(100,200,300)内でシールド(160,220,320,400,800)を使用する方法であって、当該方法が
標的対向面(228,328)を有する円柱形状の剛体
からなるシールド(160,220,320,400,800)を前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の液体誘導レーザ経路(132,212,312)内で前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の放出ノズル(124)と標的(170,270,370)との間に配置するステップ
を含んでおり、
前記剛体が、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)を受け入れる直径(422)を有する貫通穴(162,222,322,420,820)を画定するとともに、前記剛体が、該剛体を貫く前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)の長さを規定する厚さ(418)を有し、
前記剛体の厚さ(418)が、前記貫通穴(162,222,322,420,820)の直径(422)の少なくとも2倍であり、当該方法が、さらに、
前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の動作中に前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)を保護して、材料を前記標的対向面(228,328)から偏向させるステップ
を含んでおり、
前記シールド(160,220,320,400,800)を配置するステップが
、ノズルキャップ(150,216,316)に前記シールド(160,220,320,400,800)を取り外し可能に接続することを含んでおり、
前記ノズルキャップ(150,216,316)が、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)に対する前記シールド(160,220,320,400,800)の位置を維持しつつ前記シールド(160,220,320,400,800)を前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の放出ノズル(124)から分離し、前記ノズルキャップ(150,216,316)が、チップ面(15
2)と、液体誘導レーザビーム(130,210,310)が該ノズルキャップ(150,216,316)を通過できるようにするためのビーム開口(154)とを含んでいる、方法。
【請求項6】
前記剛体が、最初に、前記貫通穴(162,222,322,420,820)を伴わないブランクとして液体誘導レーザシステム(100,200,300)の前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)内に配置され、当該方法が、
前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)内に前記剛体を貫く前記貫通穴(162,222,322,420,820)を形成する液体誘導レーザビーム(130,210,310)を生み出すために前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)を使用するステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記貫通穴(162,222,322,420,820)を形成するために前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)を使用するステップが、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)のための前記貫通穴(162,222,322,420,820)ではない前記剛体により画定される少なくとも1つの排出機能部を通じて前記剛体と前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の前記放出ノズル(124)との間からの過剰な流体を排出するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記シールド(160,220,320,400,800)が前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の摩耗部であり、当該方法が、摩耗したシールド(160,220,320,400,800)を前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)から除去し、前記摩耗したシールド(160,220,320,400,800)を交換シールド(160,220,320,400,800)に置き換えることによって前記シールド(160,220,320,400,800)を定期的に交換するステップを更に含んでおり、第1のシールド(160,220,320,400,800)及び第2のシールド(160,220,320,400,800)が、同じ液体誘導レーザ経路(132,212,312)を維持するように配置される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
液体誘導レーザ経路(132,212,312)を画定する放出ノズル(124)を有するとともに、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)に沿って液体誘導レーザビーム(130,210,310)を生成できる液体誘導レーザシステム(100,200,300)と、
標的対向面(228,328)を有する円柱形状の剛体
からなるシールド(160,220,320,400,800)であって、前記剛体が、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)を受け入れる直径(422)を有する貫通穴(162,222,322,420,820)を画定するとともに、前記剛体が、該剛体を貫く前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)の長さを規定する厚さ(418)を有し、前記剛体の厚さ(418)が、前記貫通穴(162,222,322,420,820)の直径(422)の少なくとも2倍であり、前記剛体が、前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)内で前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の前記放出ノズル(124)と標的(170,270,370)との間に配置される、シールド(160,220,320,400,800)と
前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の放出ノズル(124)と前記シールド(160,220,320,400,800)との間に配置されるノズルキャップ(150,216,316)と
を備えるシステムであって、前記シールド(160,220,320、400、800)が前記ノズルキャップ(150,216,316)に
取り外し可能に取り付けられて、
前記ノズルキャップ(150,216,316)が、前記液体誘導レーザ経路(132,212,312)に対する前記シールド(160,220,320,400,800)の位置
を維持
しつつ前記シールド(160,220,320,400,800)を前記液体誘導レーザシステム(100,200,300)の放出ノズル(124)から分離し、前記ノズルキャップ(150,216,316)が、チップ面(15
2)と、液体誘導レーザビーム(130,210,310)が該ノズルキャップ(150,216,316)を通過できるようにするためのビーム開口(154)とを含んでいる、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に液体誘導レーザ切断工具に関し、特に、液体誘導レーザ切断工具の放出ノズルのための保護シールドに関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギーレーザビームと水などの透明液体の集束噴流とを組み合わせる工業用切断工具が長年にわたって使用されてきた。これらのシステムは、一般に、レーザビームを供給するレーザおよびビームガイドと、レーザを制御可能に集束させるための光学素子モジュールと、レーザを高圧液体噴流と結合させるための結合アセンブリと、放出ノズルとを備える。
【0003】
液体噴流およびビーム経路の完全性を保護するために、および、システム内のノズルおよび/または上流側構成要素の摩耗または損傷を防ぐために、付加的な保護機能部が液体誘導切断工具に加えられてきた。これらのリスクは、表面波または振動によりもたらされる被加工物からのフィードバック、被加工物またはそれに関連する突出部との不測の接触、被加工物からの除去材料の粒子の吸引、反射されるレーザおよびプラズマ光、および/または、偏向液体などの幾つかの要因によってもたらされる。特定の用途は、保護機能部の必要性の増大を示唆する場合がある。
【0004】
一部のシステムは、ノズル付近に空間を形成して薄い交換可能なシールドのための装着部としての役目を果たすノズルカバーまたはキャップを使用する。しかしながら、水噴流の信頼性を高め、被加工物と放出ノズルとの間の距離にわたって(有効な切断を維持しつつ)延在し、より長い間持続し、使用が容易であり、および/または、システムをより良く保護する更なる改良が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
この開示の第1の態様は、液体誘導レーザシステムで用いるシールドを提供する。シールドは、標的対向面を有する剛体を備える。剛体は、液体誘導レーザ経路を受け入れる直径を有する貫通穴を画定する。剛体は、この剛体を貫く液体誘導レーザ経路の長さを規定する厚さを有する。剛体の厚さは、貫通穴の直径の少なくとも2倍である。剛体は、液体誘導レーザシステムの液体誘導レーザ経路内で液体誘導レーザシステムの放出ノズルと標的との間に位置される。
【0007】
開示の第2の態様は、液体誘導レーザシステム内でシールドを使用する方法を提供する。方法は、標的対向面を有する剛体を備えるシールドを液体誘導レーザシステムの液体誘導レーザ経路内で液体誘導レーザシステムの放出ノズルと標的との間に位置決めするステップを備える。剛体は、液体誘導レーザ経路を受け入れる直径を有する貫通穴を画定する。剛体は、この剛体を貫く液体誘導レーザ経路の長さを規定する厚さを有する。剛体の厚さは、貫通穴の直径の少なくとも2倍である。シールドは、液体誘導レーザシステムの動作中に前記液体誘導レーザ経路を保護して、材料を標的対向面から偏向させる。
【0008】
開示の第3の態様は、シールドを使用するシステムを提供する。システムは、液体誘導レーザ経路を画定する放出ノズルを有するとともに、液体誘導レーザ経路に沿って液体誘導レーザビームを生成できる液体誘導レーザシステムを備える。また、システムは、標的対向面を有する剛体を備えるシールドも備える。剛体は、液体誘導レーザ経路を受け入れる直径を有する貫通穴を画定する。剛体は、この剛体を貫く液体誘導レーザ経路の長さを規定する厚さを有する。剛体の厚さは、貫通穴の直径の少なくとも2倍である。剛体は、液体誘導レーザシステムの液体誘導レーザ経路内で液体誘導レーザシステムの放出ノズルと標的との間に位置される。
【0009】
本開示の例示的態様は、前述した本明細書中の課題および/または論じられない他の課題を解決するようになっている。
【0010】
この開示のこれらの特徴および他の特徴は、本開示の様々な実施形態を描く添付図面と併せて解釈される本開示の様々な態様の以下の詳細な説明から更に容易に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】シールドを使用するシステムの一例の断面図を伴うブロック図を示す。
【
図2】システムに取り付けられるシールドおよびハウジングの一例の拡大断面図を示す。
【
図3】システムに取り付けられるシールドの他の例の拡大断面図を示す。
【
図7】
図6のシールドブランクの例の底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の図面が原寸に比例していないことが分かる。図面は、本開示の典型的な態様のみを描くようになっており、したがって、本開示の範囲を限定すると見なされるべきでない。図面中、同様の参照番号は、図面間で同様の要素を表わす。
【0013】
先に示唆されたように、本開示は、液体誘導レーザ切断工具で用いる保護シールド(並びに、関連するシステム及び方法)を提供する。改良された保護シールドは、結合装置の放出ノイズと標的被加工物との間の距離にわたって延在して、結合装置および他の上流側構成要素を保護するとともに放出ノズルと被加工物との間のより長い距離にわたって液体誘導レーザビームの完全性を保つ強固な保護バリアを液体誘導レーザ経路に沿って配置できる。シールドは、放出ノズルと被加工物との間の液体誘導レーザ経路内に位置される。シールドは液体誘導レーザ経路のための貫通穴を含み、また、シールド材料は、レーザビームとの干渉を最小限に抑えるために非反射性であってもよい。硬質保護シールドの厚さは、反射レーザおよびプラズマ光を含む障害から液体誘導レーザ経路を保護するとともに、被加工物からの除去材料の粒子および/または偏向液体などの遊離材料から上流側構成要素を保護するためのシールドの耐久性および耐用年数を高めることができる。
【0014】
図1は、液体誘導レーザ切断工具システム100の一例を示す。レーザ源110がレーザ光学素子モジュール112に結合され、レーザ光学素子モジュール112は、レーザをビームへと集束させるために光学的な構成要素を使用する。レーザ光学素子モジュール112は、レーザビームを結合アセンブリ120へと方向付ける。レーザビームの横方向の位置決めに役立つべくレーザ光学素子モジュール112と結合アセンブリ120との間に横方向位置決めアセンブリ114が設けられてもよい。結合アセンブリ120は、液体源122から水などの液体を受けてその液体を液体噴流にし、この液体噴流を通じてレーザビームを方向付けることができ、それより、液体誘導レーザビーム130が形成される。液体誘導レーザビーム130は、標的170と対向する結合アセンブリ120の底部で放出ノズル124から抜け出し、放出ノズル124から標的170に至るまで液体誘導レーザ経路132をたどる。また、結合アセンブリ120は、ガス源126から保護ガス140を受けて、液体誘導レーザ経路132付近に保護ガス140を放出してもよい。幾つかの実施形態において、保護ガス140の保護層は、液体誘導レーザ経路132の実質的部分に沿って液体誘導レーザビーム130を取り囲む。
【0015】
システム100はノズルキャップ150を含んでもよい。ノズルキャップ150は、液体誘導レーザビーム130を取り囲んで保護するとともに、結合アセンブリ120の放出ノズル124から標的170までの距離にわたって延在する。ノズルキャップ150は、保護ガス140を液体誘導レーザ経路132付近に方向付ける役目を更に果たしてもよい。ノズルキャップ150は、液体誘導レーザビーム130がノズルキャップ150から標的170へ向けて伝わることができるようにするためにチップ面152およびビーム開口154を含んでもよい。また、ノズルキャップ150は、保護ガス140がノズルキャップ150から流れて液体誘導レーザビーム130を取り囲むことができるようにするための1つ以上のガスポート(図示せず)を含んでもよい。
【0016】
システム100はシールド160を更に含み、このシールド160は、液体誘導レーザビーム130をそれが標的170に近づくときに保護して、ビーム障害を防止するとともに、残骸がシステム100の他の構成要素へ戻ることを防ぐ。シールド160は、液体誘導レーザビーム130がシールド160により画定される貫通穴162を通過するように液体誘導レーザ経路132中に位置される。図示の例において、貫通穴162は、液体誘導レーザビーム130および周囲の保護ガス140のバリアの両方がシールド160を通過できる十分なサイズを有する。図示の例において、シールド160の位置は、取り付けアセンブリ166によってノズルキャップ150のチップ面152に取り外し可能に取り付けられるシールドハウジング164により維持される。以下、
図2-
図9に関して、シールドの例および液体誘導レーザビームに対するシールド位置を維持するための形態を更に詳しく説明する。
【0017】
図2は、
図1の液体誘導レーザ切断工具システム100などの液体誘導レーザシステムの一部200の拡大図を示す。液体誘導レーザビーム210は、液体誘導レーザ経路212をたどって、ノズルキャップの上端または結合アセンブリの放出ノズルなどの構成要素216のビーム開口214を通過する。図示の例では、保護ガス218もビーム開口214の近傍に存在して液体誘導レーザビーム210を取り囲む。シールド220が液体誘導レーザ経路212内に位置され、また、このシールド220は、液体誘導レーザビーム210が通過する貫通穴222を有する。図示の例において、貫通穴222は、保護ガス218の層が貫通穴222の内面224と液体誘導レーザビーム210との間で液体誘導レーザビーム210の周囲を流れることができるようにするべく寸法付けられる。シールド220は、構成要素対向面226、標的対向面228、および、外側面230を有する。シールドは、シールドハウジング240によって液体誘導レーザ経路に対して所定位置に保持される。シールドハウジング240は、シールド220の外側面230に対して係脱可能に係合される側壁242を含む。側壁242は、シールド220をシールドハウジング240内に保持するのに役立つ保持棚244を含む。また、シールドハウジング240は、シールドハウジング240を構成要素216に対して取り外し可能に取り付けるコネクタ246も含む。例えば、コネクタ246は、除去可能な接着剤であってもよく、または、構成要素216の接続機能部(図示せず)と係合する機械的なコネクタであってもよい。シールドハウジング240は、複数のシールド厚さを受け入れてもよく、および、保護ガス218のリザーバを受け入れるための空間をシールド220の上側に与えてもよい。液体誘導レーザビーム210は、標的270の表面を除去するように示されており、また、シールド220の標的対向面228が除去材料および反射液体に対する保護バリアを与える。
【0018】
図3は、シールド320を位置決めするための代わりの形態を使用する、液体誘導レーザシステムの一部300の拡大図を示す。液体誘導レーザビーム310は、液体誘導レーザ経路312をたどって、ノズルキャップの上端または結合アセンブリの放出ノズルなどの構成要素316のビーム開口314を通過する。シールド320は、液体誘導レーザ経路312内に位置されるとともに、内面324によって画定されて液体誘導レーザビーム310が通過する貫通穴322を有する。シールド320は、構成要素対向面326、標的対向面328、および、外側面330を有する。この形態において、シールド320は、コネクタ340を使用して構成要素316に対して取り付け面318で直接に取り外し可能に取り付けられる。例えば、コネクタ340は、除去可能な接着剤であってもよく、または、構成要素316の取り付け面318で接続機能部(図示せず)と係合する機械的なコネクタであってもよい。1つの実施形態では、接続機能部(図示せず)がシールド320の構成要素対向面326に組み込まれ、また、ネジ付きまたはシート付き接続機能部などの適合する接続機能部(図示せず)が構成要素316の取り付け面318に組み込まれる。液体誘導レーザビーム310は、標的370の表面を除去するように示されており、また、シールド320の標的対向面328が除去材料および反射液体に対する保護バリアを与える。
【0019】
図4および
図5は、シールド400の一例の斜視図および底面図を示す。シールド400は、様々なネガ機能部が形成されて成る円柱の形状の剛体から構成される。シールド400は、上端対向面またはノズル対向面410と、下端対向面または標的対向面412とを含む。また、シールド400は側壁面414も含む。幾つかの実施形態において、側壁面414は、例えばハウジングを使用してシールド400の位置を維持するときには取り付け面として作用し、この場合、ハウジングが側壁面414の周囲に係合する。他の実施形態において、ノズル対向面410または標的対向面412の一部は、単独で或いは互いにおよび/または側壁面414と共同して取り付け面を与えてもよい。シールド400の円柱は直径416および高さ418を有する。また、シールド400の高さ418は、シールド400の厚さと称されてもよい。幾つかの実施形態では、シールド400の高さ418が少なくとも0.0050インチである。
【0020】
シールド400は貫通穴420を画定する。貫通穴420は直径422を有する。貫通穴420は、使用時に液体誘導レーザシステムの液体誘導レーザ経路内に位置される。幾つかの実施形態において、シールド400は、貫通穴420の中心が液体誘導レーザ経路の中心と位置合わせされるように位置される。貫通穴420の直径422は、液体誘導レーザビーム(レーザビームおよび液体噴流の柱の両方を含む)のそれが設計される直径よりも大きい。幾つかの実施形態において、貫通穴420の直径422は、保護ガスを保持することが困難であるような或いは貫通穴が大きくなりすぎて貫通穴の液体誘導レーザビーム障害防止効果が著しく低下するような大きな空間を形成することなく、適度な保護ガス層の流れを可能にするのに十分な空間が液体誘導レーザビームの全ての側で存在するように、液体誘導レーザビームの直径よりも大きい。幾つかの実施形態では、直径422が少なくとも0.020インチである。シールド400の貫通穴420を通過する液体誘導レーザ経路の長さは、シールド400の厚さまたは高さ418に等しい。
【0021】
幾つかの実施形態において、シールド400の物理的な寸法は、貫通穴420の直径422に関して規定され、また、貫通穴420の直径422は、シールド400が協働するようになっている液体誘導レーザビームの直径の範囲によって規定される。シールド400の厚さまたは高さ418は、一般に、貫通穴420の直径422の少なくとも2倍であり、或いは、少なくとも2:1の比率である。図示のシールドの例において、高さ418は、貫通穴420の直径422の約3倍であり、或いは、3:1の比率である。幾つかの実施形態では、最大で10:1の比率の厚さが使用されてもよく、また、貫通穴直径に対する厚さの更に大きな比率が想定し得る。1つの実施形態では、シールド400の高さ418が約0.1インチであり、この場合、5:1の比率に関しては、貫通穴420の直径422が約0.02インチである。代わりの実施形態では、4:1の比率に関し、シールド400の高さ418が約0.160インチであるとともに、貫通穴420の直径422が0.040インチである。なお、一貫性のある厚さを維持しつつ異なる貫通穴直径を有する複数のシールドを形成し、それにより、貫通穴に対する厚さの比率に変化をもたらすことが好ましい場合があるが、それらの変化は全て適度な範囲内にとどまり得る。
【0022】
幾つかの実施形態において、シールド400の直径416は、液体誘導レーザ経路内にシールドを位置決めするための取り付け機構、例えば、側壁面414を受け入れて側壁面414と係合するようになっているハウジング、キャリア、または、他の装着部などによって規定される。シールド400の直径416は、依然として、貫通穴420の直径422に対する比率に関して表わされてもよいが、それらの貫通穴に関して異なる直径を有する複数のシールドが、共通の取り付け機構と適合するように同じシールド直径を有してもよい。これは、シールドの直径に対する貫通穴の直径の比率内に変化をもたらし得るが、それらの変化は一般に共通の範囲内に入る。貫通穴直径に対するシールド直径の比率は、一般に、少なくとも3:1である。シールド400の例において、貫通穴420の直径422に対するシールド400の直径416の比率は約8:1である。
【0023】
シールド400は、1つ以上の排出機能部430、432、434を更に画定してもよい。排出機能部は、一般に、シールド400が液体誘導レーザシステム内にシールドブランクとして位置されるとともに液体誘導レーザビームが貫通穴420を形成するために使用される実施形態において用いられてもよい。排出機能部の目的は、さもなければ貫通穴420が完成するまでシールド400の上端面410と液体誘導レーザシステムの最も近い構成要素との間で捕捉される場合がある流体および除去材料を減少させることであってもよい。排出機能部の数、サイズ、および、形状は、シールド400の機能を実質的に変えることなく変更されてもよい。シールド400がハウジング内に配置されるかどうかに応じて、接続のために使用されるコネクタおよびシールド表面が、特定のシールドの厚さおよび形状と共に、排出機能部の配置に影響を与える場合がある。
【0024】
シールド100における材料選択は、その剛性および他の保護機能部に関連する。幾つかの実施形態において、シールド100の剛体は、均一な材料の一体品から形成される。シールド材料は、それらの剛性および機械的な耐摩耗性に関して選択されてもよい。材料の幾つかの例は、タングステンカーバイド、窒化ホウ素、および、セラミックマトリックス複合材料を含んでもよい。シールド材料は、一般に、200Gpaよりも大きいヤング率を伴って選択されてもよい。幾つかの実施形態では、400以上のヤング率を有する材料が好ましい場合がある。材料剛性に加えて、反射を減らして液体誘導レーザビームとの干渉を減少させるために低い反射率を有する材料が望ましい場合もある。例えば、タングステンカーバイド、窒化ホウ素、および、一部のセラミックマトリックス複合材料は、実質的に非反射性であり、黒っぽく見える。反射率は、シールド400を貫くビーム経路付近で最も重要となり得る。したがって、貫通穴並びに貫通穴付近の上端面および下端面の近傍の材料は、非反射性であることが好ましい場合があるが、シールド400の他の表面は同じ要件を有さなくてもよい。
【0025】
図6および
図7は、例えば先の
図4および
図5におけるシールド400を形成するために使用され得るシールドブランク600の一例を示す。図示の例において、シールドブランク600は、上端面610、下端面612、側面614、および、排出機能部630、632、634を含めて、シールド400とほぼ同一の機能部を有する。しかしながら、シールドブランク600は、液体誘導レーザビームが通過できる貫通穴を欠く。液体誘導レーザシステム内に設置する前にシールドブランク600に貫通穴を機械加工するのではなく、液体誘導レーザビームを使用して貫通穴がシールドブランクに形成される。このプロセスは、貫通穴と液体誘導レーザ経路との位置合わせを簡略化し得る。
【0026】
図8および
図9は、液体誘導レーザシステム内に設置して位置決めする前に貫通穴820が機械加工されているシールド800の他の例示す。シールド800は、上端面810、下端面812、側面814、および、貫通穴820を含めて先のシールド400とほぼ同様に形成されてもよい。貫通穴820を予め穿孔する利点は、排出機能部が排除されることである可能性がある。
【0027】
図10は、先の
図1-
図9に関して説明されたシールドおよびシステムなど、液体誘導レーザシステム内でシールドを使用する方法1000の一例を示す。ステップ1010では、シールドが液体誘導レーザシステムの液体誘導レーザ経路に対して位置決めされ、この場合、上端面がシステムの他の構成要素と対向し、下端面が標的または被加工物と対向する。例えば、シールドは、シールドハウジングを伴ってまたは伴うことなく、ノズルキャップにまたは結合アセンブリの放出ノズル付近に取り付けられてもよい。ステップ1020において、シールドは、それが貫通穴を有していていつでも使用できる状態にあるまたは貫通穴を必要としているシールドブランクであるかどうかを決定するために評価される。シールドがシールドブランクではなくいつでも使用できる貫通穴を有している場合には、方法がステップ1040へ進む。シールドがシールドブランクであって機能的な貫通穴を有さない場合には、方法がステップ1030へ進む。ステップ1030では、シールドブランクを機能的なシールドにするために貫通穴がシールドブランクに形成される。例えば、貫通穴が形成されるまで液体誘導レーザビーム経路に沿ってシールド材料を除去するために液体誘導レーザビームが使用されてもよい。機能的な貫通穴によって液体誘導レーザビームが放出ノズルから標的まで途切れることなく通過できる場合には、方法がステップ1040へ進む。ステップ1040において、標的は、液体誘導レーザシステムの意図される動作にしたがって液体誘導レーザビームによって材料除去される。標的の材料除去は、残骸および反射液および干渉をもたらす。ステップ1050において、シールドは、シールドを貫く液体誘導レーザ経路を保護するように作用するとともに、経路、ビーム完全性、および、ビーム経路に沿うシールドの上側の他のシステム構成要素を保護するように作用する。望ましくない材料がシールドの標的対向面によって偏向され、また、液体誘導レーザビームと、貫通穴の制限された直径と、シールドの厚さにわたる比較的長い経路長との組み合わせは、材料が上側構成要素に入り込むことを防止する。ステップ1060では、シールドが摩耗に関してチェックされる。シールドが所望の状態を超えて摩耗されれば、摩耗されたシールドは、ステップ1070において除去されてもよく、ステップ1010へ戻ることによって交換されてもよい。摩耗されていなければ、液体誘導レーザシステムの動作がステップ1040へ戻ることによって継続してもよい。
【0028】
先の図面は、この開示の幾つかの実施形態にしたがって関連付けられた動作処理の一部を示す。幾つかの別の実施では、関与する行為に応じて、前述の行為が前述の順序から外れて行なわれてもよく或いは実際にはほぼ同時にまたは逆の順序で実行されてもよいことに留意すべきである。
【0029】
本明細書中で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためにすぎず、本開示を限定しようとするものではない。本明細書中で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および、「その(the)」は、文脈が別段明確に示唆しなければ、複数形も同様に含むように意図される。用語「備える」および/または「備えている」は、この明細書中で使用される際には、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または、構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/または、それらのグループの存在または付加を排除しないことが更に理解され得る。
【0030】
以下の特許請求項中の対応する構造、材料、行為、および、全ての手段またはステップ+機能要素の等価物は、特許請求の範囲に具体的に記載される他の請求項記載要素と組み合わせて機能を果たすために任意の構造、材料、または、行為を含むように意図される。本開示の説明は、例示および説明の目的のために与えられてきたが、包括的であるようにまたは開示された形態の開示内容に限定されるように意図されない。本開示の範囲および思想から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者に明らかである。開示の原理および実用的用途を最も良く説明するために、および、考えられる特定の使用に適するような様々な変更を伴う様々な実施形態に関する開示内容を他の当業者が理解できるようにするために、実施形態が選択された説明された。
【0031】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
標的(170)対向面を有する剛体を備え、
前記剛体は、液体誘導レーザ経路(132、212、312)を受け入れる直径(416、422)を有する貫通穴(222)を画定するとともに、前記剛体は、この剛体を貫く前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)の長さを規定する厚さを有し、
前記剛体の厚さは、前記貫通穴(222)の直径(416、422)の少なくとも2倍であり、
それにより、前記剛体は、液体誘導レーザシステム(100)の液体誘導レーザ経路(132、212、312)内で前記液体誘導レーザシステム(100)の放出ノズル(124)と標的(170)との間に位置される、
シールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様2]
前記剛体は、200Gpaよりも大きいヤング率を有する材料から構成される実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様3]
前記剛体は、タングステンカーバイド、窒化ホウ素、および、セラミックマトリックス複合材料から選択される材料から構成される実施態様2記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様4]
前記剛体は、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)付近で実質的に非反射性である実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様5]
前記剛体が全ての表面上で実質的に非反射性である実施態様4記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様6]
前記剛体の厚さと前記貫通穴(222)の直径(416、422)との間の比率が2:1~10:1の範囲内である実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様7]
前記剛体が円柱であり、前記剛体の厚さが前記円柱の高さであり、前記円柱の直径(416、422)が前記貫通穴(222)の直径(416、422)の少なくとも3倍である実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様8]
前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)は、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)に対する前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)の位置を維持しつつ前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)を前記液体誘導レーザシステム(100)の前記放出ノズル(124)から分離するノズルキャップ(150)に取り外し可能に接続される実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様9]
前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)がシールドハウジング(164、240)内に配置され、前記シールドハウジング(164、240)が前記ノズルキャップ(150)に接続される実施態様8記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様10]
前記貫通穴(222)の直径(416、422)は、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)中の液体誘導レーザビーム(310)の直径(416、422)より大きいとともに、前記貫通穴(222)を貫く前記液体誘導レーザビーム(310)付近で保護ガス層の通過を受け入れる実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様11]
前記剛体は、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)のための前記貫通穴(222)ではない少なくとも1つの排出機能部を更に画定する実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様12]
前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)は、最初に、前記貫通穴(222)を伴わないブランクとして液体誘導レーザシステム(100)の液体誘導レーザ経路(132、212、312)内に位置され、前記液体誘導レーザシステム(100)は、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)内に前記貫通穴(222)を形成するために液体誘導レーザビーム(310)を使用する実施態様1記載のシールド(100、130、160、220、320、400、800)。
[実施態様13]
液体誘導レーザシステム(100)内でシールド(100、130、160、220、320、400、800)を使用する方法であって、
標的(170)対向面を有する剛体を備える前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)を液体誘導レーザシステム(100)の液体誘導レーザ経路(132、212、312)内で前記液体誘導レーザシステム(100)の放出ノズル(124)と標的(170)との間に位置決めするステップを備え、
前記剛体は、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)を受け入れる直径(416、422)を有する貫通穴(222)を画定するとともに、前記剛体は、この剛体を貫く前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)の長さを規定する厚さを有し、
前記剛体の厚さは、前記貫通穴(222)の直径(416、422)の少なくとも2倍であり、
前記液体誘導レーザシステム(100)の動作中に前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)を保護して、材料を前記標的(170)対向面から偏向させるステップを備える、
方法。
[実施態様14]
剛体を位置決めする前記ステップは、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)に対する前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)の位置を維持しつつ前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)を前記液体誘導レーザシステム(100)の前記放出ノズル(124)から分離するノズルキャップ(150)に対して前記剛体を取り外し可能に接続するステップを備える実施態様13記載の方法。
[実施態様15]
剛体を位置決めする前記ステップは、前記剛体をシールドハウジング(164、240)内に挿入するステップを更に備え、前記シールドハウジング(164、240)が前記ノズルキャップ(150)に接続される実施態様14記載の方法。
[実施態様16]
前記剛体は、最初に、前記貫通穴(222)を伴わないブランクとして液体誘導レーザシステム(100)の液体誘導レーザ経路(132、212、312)内に位置され、前記方法は、
前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)内に前記剛体を貫く前記貫通穴(222)を形成する液体誘導レーザビーム(310)を生み出すために前記液体誘導レーザシステム(100)を使用するステップを更に備える実施態様13記載の方法。
[実施態様17]
前記貫通穴(222)を形成するために前記液体誘導レーザシステム(100)を使用する前記ステップは、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)のための前記貫通穴(222)ではない前記剛体により画定される少なくとも1つの排出機能部を通じて前記剛体と前記液体誘導レーザシステム(100)の前記放出ノズル(124)との間からの過剰な流体を排出するステップを備える実施態様16記載の方法。
[実施態様18]
前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)が前記液体誘導レーザシステム(100)の摩耗部であり、前記方法は、摩耗したシールド(100、130、160、220、320、400、800)を前記液体誘導レーザシステム(100)から除去することによって前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)を定期的に交換して、摩耗したシールド(100、130、160、220、320、400、800)を交換シールド(100、130、160、220、320、400、800)に置き換えるステップを更に備え、第1のシールド(100、130、160、220、320、400、800)および第2のシールド(100、130、160、220、320、400、800)は、それらが同じ液体誘導レーザ経路(132、212、312)を維持するように位置される実施態様13記載の方法。
[実施態様19]
液体誘導レーザ経路(132、212、312)を画定する放出ノズル(124)を有するとともに、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)に沿って液体誘導レーザビーム(310)を生成できる液体誘導レーザシステム(100)と、
標的(170)対向面を有する剛体を備え、前記剛体が、前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)を受け入れる直径(416、422)を有する貫通穴(222)を画定するとともに、前記剛体が、この剛体を貫く前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)の長さを規定する厚さを有し、前記剛体の厚さが、前記貫通穴(222)の直径(416、422)の少なくとも2倍であり、それにより、前記剛体が、前記液体誘導レーザシステム(100)の前記液体誘導レーザ経路(132、212、312)内で前記液体誘導レーザシステム(100)の前記放出ノズル(124)と標的(170)との間に位置される、シールド(100、130、160、220、320、400、800)と、
を備えるシステム。
[実施態様20]
前記液体誘導レーザシステム(100)の前記放出ノズル(124)と前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)との間に位置されるノズルキャップ(150)を更に備え、前記シールド(100、130、160、220、320、400、800)が前記ノズルキャップ(150)に取り付けられる実施態様19記載のシステム。
【符号の説明】
【0032】
100 システム
110 レーザ源
112 レーザ光学素子モジュール
114 横方向位置決めアセンブリ
120 結合アセンブリ
122 液体源
124 放出ノズル
126 ガス源
130 レーザビーム
132 レーザ経路
140 保護ガス
150 ノズルキャップ
152 チップ面
154 ビーム開口
160 シールド
162 貫通穴
164 シールドハウジング
166 取り付けアセンブリ
170 標的
200 一部
210 レーザビーム
212 レーザ経路
214 ビーム開口
216 構成要素
218 保護ガス
220 シールド
222 貫通穴
224 内面
226 構成要素対向面
228 標的対向面
230 外側面
240 シールドハウジング
242 側壁
244 棚
246 コネクタ
270 標的
300 一部
310 レーザビーム
312 レーザ経路
314 ビーム開口
316 構成要素
318 取り付け面
320 シールド
322 貫通穴
324 内面
326 構成要素対向面
328 標的対向面
330 外側面
340 コネクタ
370 標的
400 シールド
410 ノズル対向面
412 標的対向面
414 側壁面
416 直径
418 高さ
420 貫通穴
422 直径
430 排出機能部
432 排出機能部
434 排出機能部
600 シールドブランク
600 シールドブランクの例
610 上端面
612 下端面
614 側面
630 排出機能部
632 排出機能部
634 排出機能部
800 シールド
810 上端面
812 下端面
814 側面
820 貫通穴
1000 方法の例
1010 ステップ
1020 ステップ
1030 ステップ
1040 ステップ
1050 ステップ
1060 ステップ