(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】車載装置、情報提示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/9038 20190101AFI20220711BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20220711BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20220711BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20220711BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
G06F16/9038
G06F16/909
G01C21/26 C
G09B29/00 F
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2017240002
(22)【出願日】2017-12-14
【審査請求日】2020-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517438974
【氏名又は名称】株式会社岸未来研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奈良 憲和
(72)【発明者】
【氏名】阿部 憲幸
(72)【発明者】
【氏名】織野 真琴
(72)【発明者】
【氏名】八城 賢明
(72)【発明者】
【氏名】望月 俊啓
(72)【発明者】
【氏名】岸 則政
【審査官】木村 大吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-102520(JP,A)
【文献】特開2012-018175(JP,A)
【文献】特開2014-206402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G01C 21/26
G09B 29/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
ユーザに所定の情報提供を行うためのアシスタンス処理を実行するアシスタンス処理部と、
前記アシスタンス処理部が実行するアシスタンス処理の順序に応じたリストを表示させる制御を行う表示制御部と、
前記アシスタンス処理のいずれかに対する前記ユーザからのキャンセル操作を受け付ける操作入力部と、を備え、
前記操作入力部は、所定のアシスタンス処理を除外して、前記キャンセル操作を受け付け、
前記表示制御部は、前記操作入力部が前記キャンセル操作の受付対象から除外した前記アシスタンス処理と、他のアシスタンス処理と、の表示形態を変えて表示させるよう制御し、
前記アシスタンス処理部は、前記操作入力部が前記キャンセル操作を受け付けた前記アシスタンス処理を実行対象から除外することを特徴とした車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記表示制御部は、前記アシスタンス処理部が前記アシスタンス処理を実行する地点を地図上に示した地図画面を含むよう表示させる制御を行うことを特徴とした車載装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載装置において、
前記表示制御部は、前記地図画面に表示される前記アシスタンス処理部が実行するアシスタンス処理と、前記順序に応じたリストに表示される前記アシスタンス処理と、を対応付けたアイコンを表示させる制御を行うことを特徴とした車載装置。
【請求項4】
車両に搭載された車載装置がユーザに所定の情報提供を行うために実行するアシスタンス処理の実行予定を前記ユーザに通知する情報提示方法であって、
実行順序に応じて前記アシスタンス処理をリストするステップと、
前記リストした前記アシスタンス処理を表示させるよう制御するステップと、
前記リストの画面において前記アシスタンス処理のいずれかに対するキャンセル操作を受け付けるステップと、
前記キャンセル操作を受け付けた前記アシスタンス処理を前記車載装置での実行対象から除外するステップと、を備え、
前記キャンセル操作を受け付けるステップは、前記リストの画面において表示された前記アシスタンス処理のうち、所定のアシスタンス処理を除外して、前記キャンセル操作を受け付け、
前記アシスタンス処理を表示させるよう制御するステップは、前記キャンセル操作の受付対象から除外した前記アシスタンス処理と、他のアシスタンス処理と、の表示形態を変えて表示させることを特徴とする情報提示方法。
【請求項5】
請求項
4に記載の情報提示方法において、
前記アシスタンス処理を実行する地点を地図上に示した地図画面を表示させるよう制御するステップと、
を備えることを特徴とする情報提示方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の情報提示方法において、
前記地図画面に表示されている前記アシスタンス処理と、前記実行順序に応じたリストの画面に表示されている前記アシスタンス処理と、を対応付けたアイコンを表示させるステップと、
を備えることを特徴とする情報提示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置および情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、単に目的地までの経路を案内するだけでなく、動画や音楽などの様々なコンテンツをユーザに提供するカーナビゲーションシステムが普及しつつある。これに関して、たとえば下記の特許文献1には、自動車情報機器から車両情報を取得し、取得した車両情報に対応するコンテンツを選択してディスプレイに表示することで、車両の状態に応じて適切なコンテンツを自動的に提供可能な携帯端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された携帯端末では、どのようなコンテンツがどういった順序で提供される予定であるかをユーザが事前に知ることはできない。そのため、ユーザにとっては自身の意思に関わらず唐突に情報提供が行われることとなり、違和感を生じる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による車載装置は、車両に搭載されるものであって、ユーザに所定の情報提供を行うためのアシスタンス処理を実行するアシスタンス処理部と、前記アシスタンス処理部が実行するアシスタンス処理の順序に応じたリストを表示させる制御を行う表示制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明による情報提示方法は、車両に搭載された車載装置がユーザに所定の情報提供を行うために実行するアシスタンス処理の実行予定を前記ユーザに通知するものであって、実行順序に応じて前記アシスタンス処理をリストするステップと、前記リストした前記アシスタンス処理を表示させるよう制御するステップと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、情報提供時のユーザの違和感を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報提供システムの構成図
【
図2】本発明の一実施形態に係る車載装置およびサーバの構成図
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける車載装置の動作を示すフローチャート
【
図7】アシスタンス処理の設定条件の調整を行う際の表示画面例を示す図
【
図8】キャンセル操作後の実行予定画面の例を示す図
【
図9】一部のアシスタンス処理をキャンセル操作の受付対象から除外した実行予定画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムの構成図である。
図1に示す情報提供システムは、車両100に搭乗しているユーザに対して、車両100の走行状態に応じて様々な情報提供を行うものであり、車両100に搭載されている車載装置1および通信端末2と、通信回線網3と、サーバ4とによって構成される。なお、車載装置1と通信端末2は、有線あるいは無線接続によって接続されている。
【0009】
車載装置1は、後述するアシスタンス処理を実行することで、車両100の走行状態に応じて様々な情報を車両100の運転者であるユーザに提供する。車載装置1には、車両100の前方、後方および左右の両側方に向けてそれぞれ搭載されたフロントカメラ5a、リアカメラ5b、左サイドカメラ5cおよび右サイドカメラ5dと、車両100の走行に関する様々な処理や制御を行う車両制御装置7とが接続されている。なお、以下の説明では、フロントカメラ5a、リアカメラ5b、左サイドカメラ5cおよび右サイドカメラ5dを合わせて「カメラ5」と総称することがある。車両制御装置7は、たとえばECU(Electronic Control Unit)であり、その機能や制御対象に応じて様々な種類のものが車両100に搭載されている。
【0010】
通信端末2は、車載装置1の制御により、必要に応じて通信回線網3と無線接続を行う。通信回線網3には、サーバ4が接続されている。すなわち車載装置1は、通信端末2と通信回線網3を介してサーバ4に接続することで、サーバ4と通信可能である。通信端末2と通信回線網3が無線接続する際には、通信回線網3が有する不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、様々な場所に設置されている。なお、通信端末2は、たとえば携帯電話などである。また、通信回線網3は、たとえば携帯電話回線網やインターネットなどにより構築される。
【0011】
サーバ4は、車載装置1から通信端末2および通信回線網3を介して送信されるコンテンツの配信要求を受信すると、これに応じたコンテンツを車載装置1に配信する。車載装置1は、サーバ4から受信したコンテンツを画面表示や音声出力によりユーザに提供することができる。また、サーバ4には車両100の走行履歴や、車載装置1がアシスタンス処理を実行する際に用いられるアシスタンス情報が格納されている。車載装置1は、サーバ4からこれらの情報をダウンロードして取得することで、車両100の走行経路を推定し、ユーザに対する情報提供を行うことができる。
【0012】
なお、
図1では一台の車両100に搭載された一つの車載装置1がサーバ4に接続されている例を示したが、実際には、多数の車両にそれぞれ搭載された車載装置がサーバ4に接続されており、各車載装置がそれぞれのユーザに対して情報提供を行う。本実施形態では、そのうち一つの車載装置1を代表例としてその動作を説明するが、他の車載装置でも同様である。
【0013】
図2は、本発明の一実施形態に係る車載装置1およびサーバ4の構成図である。
図2に示すように、車載装置1は、制御部10、記憶部20、表示部30、操作入力部40および現在位置検出部50を備える。サーバ4は、制御部110および記憶部120を備える。
【0014】
車載装置1の制御部10は、不図示のCPU、ROM、RAM等により構成されており、車載装置1を動作させるための様々な処理や演算を行う。制御部10は、その機能として、通信制御部11、インタフェース制御部12、現在位置取得部13、表示制御部14、車両情報取得部15、車両制御部16、経路推定部17およびアシスタンス処理部18の各機能ブロックを有する。制御部10は、たとえばROMに記憶されているプログラムをRAMに展開してCPUが実行することで、これらの機能ブロックを実現することができる。なお、制御部10が有するこれらの機能ブロックの詳細については、後で説明する。
【0015】
記憶部20は、不揮発性の記憶媒体であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、メモリカード等を用いて構成される。記憶部20は、車両100が走行した道路や地図に関する様々な情報、たとえば道路の位置、接続、形状、幅、車線数等の情報や、地形、都市名、地域名等の情報をデータベース化した地
図DB21を有する。すなわち、車載装置1において地図画面を表示するための地図情報は、記憶部20に地
図DB21として記憶されている。さらに記憶部20は、車両100の走行履歴を表す走行履歴DB22と、前述のアシスタンス情報が格納されたアシスタンス情報DB23と、ユーザがアシスタンス処理に対して行ったキャンセル操作の履歴に関するキャンセル情報DB24とを有する。なお、制御部10においてCPUが実行するプログラムの一部または全部を記憶部20に格納してもよい。
【0016】
表示部30は、表示制御部14の制御に応じて様々な画像や映像を表示する。表示部30は、たとえば液晶ディスプレイを用いて構成される。
【0017】
操作入力部40は、ユーザからの操作入力を受けつけてその操作内容に応じた操作情報を制御部10に出力する。操作入力部40は、たとえば表示部30と一体化されたタッチパネルや各種スイッチ類により構成される。
【0018】
現在位置検出部50は、車両100の現在位置、すなわち車両100に搭乗しているユーザの現在位置を検出し、その検出結果を制御部10に出力する。現在位置検出部50は、たとえばGPSセンサ等を用いて構成される。なお、現在位置検出部50としてGPSセンサを用いる場合、GPS信号に基づく現在位置の計算を制御部10において行ってもよい。以下では、現在位置検出部50により検出された車両100の現在位置(ユーザの現在位置)を単に「現在位置」と称する。
【0019】
サーバ4の制御部110は、不図示のCPU、ROM、RAM等により構成されており、サーバ4を動作させるための様々な処理や演算を行う。制御部110は、その機能として、通信制御部111、配信部112、コンテンツ取得部113および情報管理部114の各機能ブロックを有する。制御部110は、たとえばROMに記憶されているプログラムをRAMに展開してCPUが実行することで、これらの機能ブロックを実現することができる。なお、制御部110が有するこれらの機能ブロックの詳細については、後で説明する。
【0020】
記憶部120は、不揮発性の記憶媒体であり、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)、SSD(ソリッドステートドライブ)、メモリカード等を用いて構成される。記憶部120は、サーバ4と接続される車両100を含む多数の車両の走行履歴をデータベース化した走行履歴DB121と、各車両の車載装置に提供するアシスタンス情報をデータベース化したアシスタンス情報DB122と、各車載装置のユーザが行ったキャンセル操作の履歴に関するキャンセル情報をデータベース化したキャンセル情報DB123と、様々な画像や音声によるコンテンツをデータベース化したコンテンツDB124と、各車載装置のユーザに関するユーザ情報をデータベース化したユーザ情報DB125と有する。なお、制御部110においてCPUが実行するプログラムの一部または全部を記憶部120に格納してもよい。
【0021】
次に、車載装置1の制御部10およびサーバ4の制御部110の各機能ブロックについて説明する。
【0022】
通信制御部11は、車載装置1が通信端末2および通信回線網3を介してサーバ4との間で通信を行う際に、通信端末2の制御を実施する。車載装置1は、通信制御部11を用いて通信端末2を制御することにより、サーバ4との間で情報の送受信を行うことができる。
【0023】
インタフェース制御部12は、車載装置1がカメラ5および車両制御装置7とそれぞれ通信を行う際のインタフェース制御を実施する。車載装置1は、インタフェース制御部12が行うインタフェース制御により、カメラ5および車両制御装置7との間でそれぞれ通信を行い、カメラ5から出力される撮影画像を取得したり、車両制御装置7への動作指示を行ったりすることができる。
【0024】
現在位置取得部13は、現在位置検出部50から現在位置の検出結果を取得する。
【0025】
表示制御部14は、記憶部20に記憶されている地
図DB21を用いて地図画面を表示部30に表示させる制御を行う。また、アシスタンス処理部18が実行するアシスタンス処理に応じて、サーバ4から取得した各種コンテンツや、カメラ5から取得した撮影画像に基づいて生成された車両100の周囲環境を示す画像などを、表示部30に表示させる制御を行い、ユーザに提供する。さらに、アシスタンス処理部18が実行予定のアシスタンス処理を示す実行予定画面を表示部30に表示させる制御を行うことで、どのような情報提供がどの時点で行われるかをユーザに事前に通知する。なお、表示制御部14により表示部30に表示される実行予定画面の具体例については、後で説明する。
【0026】
車両情報取得部15は、車両100の走行状態に関する様々な車両情報を取得する。車両情報取得部15が取得する車両情報には、たとえば、カメラ5から出力される撮影画像や、車両制御装置7から出力される制御情報などが含まれる。車両情報取得部15は、インタフェース制御部12を介して、これらの車両情報を取得することができる。
【0027】
車両制御部16は、地
図DB21から取得した現在位置付近の地図情報や、車両情報取得部15が取得した車両情報などに基づいて、車両制御装置7への動作指示を行い、車両100の走行状態を制御する。この車両制御部16の動作により、車両100の自動運転が実現される。なお、車両制御部16は、インタフェース制御部12を介して、車両制御装置7への動作指示を行うことができる。
【0028】
経路推定部17は、地
図DB21および走行履歴DB22に基づいて、車両100がこれから走行するであろう走行経路を推定する。なお、走行履歴DB22には、車両100が過去に走行した経路の履歴がリンク列単位で記録されている。経路推定部17は、この走行履歴DB22を参照することで、ユーザが目指す目的地を推定し、現在位置から目的地までの車両100の走行経路を予測することができる。
【0029】
アシスタンス処理部18は、アシスタンス情報DB23に記録されているアシスタンス情報に基づいて、ユーザに提供する情報ごとに様々なアシスタンス処理を実行する。アシスタンス処理部18は、たとえば、目的地の天気予報を提供する処理、ユーザのスケジュール情報を通知する処理、ユーザの好みに応じた音楽再生を行う処理、車両100の周囲環境を示す画像を自動的に表示する処理など、様々な処理をアシスタンス処理として実行する。ここで、アシスタンス情報はたとえばJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)形式で記述されたスクリプトファイルであり、当該スクリプトファイルのIDや名称を表すスクリプトサマリ、当該スクリプトファイルの実行条件、当該スクリプトファイルによる実行アクション等の情報により構成される。アシスタンス処理部18に相当するインタプリタがアシスタンス情報DB23にアクセスし、任意のスクリプトファイルを解析して実行することにより、上記のような各種アシスタンス処理が実現される。なお、アシスタンス処理部18が各アシスタンス処理を実行するタイミングは、経路推定部17が推定した走行経路に基づいて決定される。この点については、後で説明する。
【0030】
通信制御部111は、サーバ4が通信端末2および通信回線網3を介して車載装置1との間で通信を行う際に必要な通信制御を実施する。通信制御部111は、たとえば、サーバ4と通信回線網3との間のインタフェース処理などを通信制御において実施する。
【0031】
配信部112は、車載装置1からの配信要求に応じて、走行履歴DB121、アシスタンス情報DB122、キャンセル情報DB123、コンテンツDB124、ユーザ情報DB125にそれぞれ記録されている情報を車載装置1に配信する。たとえば、車両100の走行履歴の配信要求を車載装置1から受けた場合、配信部112は、車載装置1のユーザをユーザ情報DB125に基づいて特定し、当該ユーザに対応する車両100の走行履歴を走行履歴DB121から取得して、車載装置1に配信する。また、アシスタンス情報やコンテンツの配信要求を車載装置1から受けた場合、配信部112は、これらの情報をアシスタンス情報DB122やコンテンツDB124から取得して、車載装置1に配信する。なお、配信部112が車載装置1に情報を配信する際には、通信制御部111により、サーバ4と車載装置1の間で通信が行われる。
【0032】
コンテンツ取得部113は、不図示の外部サーバから様々なコンテンツを取得し、コンテンツDB124に蓄積する。コンテンツ取得部113は、たとえば各地の天気予報や施設情報、各種の映像や音楽などのコンテンツを、それぞれ任意の外部サーバから定期的に取得することができる。なお、コンテンツ取得部113が外部サーバからコンテンツを取得する際には、インターネット等の通信回線を介して、サーバ4と外部サーバの間で通信が行われる。
【0033】
情報管理部114は、記憶部120に記憶されている情報の管理を行う。たとえば、情報管理部114は、サーバ4のオペレータや車載装置1のユーザからの入力情報に基づいて、アシスタンス情報DB122やキャンセル情報DB123、ユーザ情報DB125のアップデートを行う。なお、情報管理部114においてアシスタンス情報を自動的に生成し、アシスタンス情報DB122をアップデートしてもよい。また、情報管理部114は、車両100の最新の走行履歴が車載装置1から送信されると、これに基づいて走行履歴DB121をアップデートし、最新の走行履歴を走行履歴DB121に反映させる。
【0034】
次に、ユーザへの情報提供を行う際の車載装置1およびサーバ4の動作内容について説明する。
図3は、本発明の一実施形態に係る情報提供システムにおける車載装置1の動作を示すフローチャートである。本実施形態において、車載装置1の制御部10は、たとえば所定の処理周期ごとに、
図3に示す処理フローを実行する。
【0035】
ステップS101において、制御部10は、サーバ4から車両100の走行履歴、アシスタンス情報およびキャンセル情報を取得する。このとき制御部10は、通信制御部11を用いて、サーバ4に対して走行履歴、アシスタンス情報およびキャンセル情報の配信要求を送信する。サーバ4は、車載装置1からの配信要求を受信すると、配信部112により、車両100の走行履歴を走行履歴DB121から取得すると共に、車載装置1において実行可能なアシスタンス情報と、車載装置1のユーザのキャンセル情報とを、アシスタンス情報DB122、キャンセル情報DB123からそれぞれ取得する。そして、取得した走行履歴、アシスタンス情報およびキャンセル情報を車載装置1に配信する。こうしてサーバ4から配信された走行履歴、アシスタンス情報およびキャンセル情報を受信すると、制御部10は、これらの情報を走行履歴DB22、アシスタンス情報DB23およびキャンセル情報DB24にそれぞれ格納し、ステップS101の処理を完了する。
【0036】
ステップS102において、制御部10は、現在位置取得部13により、現在位置検出部50から現在位置を取得する。
【0037】
ステップS103において、制御部10は、経路推定部17により、車両100の走行経路を推定する。ここでは、走行履歴DB22を参照し、ステップS102で取得した現在位置や、現在の日時、ユーザのスケジュール情報等を考慮して、ユーザの目的地を推定する。そして、地
図DB21や走行履歴DB22に基づいて推定した目的地までの経路を探索することで、車両100の走行経路を推定する。ユーザのスケジュール情報は、たとえばユーザが予め登録したものをユーザ情報の一部としてサーバ4のユーザ情報DB125に記録しておき、このスケジュール情報をサーバ4から取得することで、走行経路の推定に利用することができる。なお、車載装置1が有するナビゲーション機能を利用して、ユーザが設定した目的地までの経路案内が行われている場合は、この経路を車両100の走行経路として利用することで、ステップS103の処理を省略してもよい。また、目的地の推定を行わずに、車両100の前方に延びる道路を車両100の走行経路として推定してもよい。
【0038】
ステップS104において、制御部10は、アシスタンス処理部18により、実行対象とするアシスタンス処理を決定する。ここでは、たとえば、アシスタンス処理部18がアシスタンス情報DB23に格納されているアシスタンス情報に基づいて実行可能な各アシスタンス処理を、その内容に応じて機能ごとに分類する。そして、予め設定されたアシスタンス処理の設定条件に基づいて、アシスタンス処理ごとに実行対象とするか否かをそれぞれ決定する。このとき、過去に実行予定画面においてユーザからのキャンセル操作を受け付けたアシスタンス処理については、設定条件に関わらず、実行対象から除外することが好ましい。なお、キャンセル操作の詳細については後述する。
【0039】
ステップS105において、制御部10は、アシスタンス処理部18により、ステップS104で実行対象に決定した各アシスタンス処理の実行地点を設定する。ここでは、ステップS103で推定した走行経路に従って、実行対象の各アシスタンス処理を走行経路上のどの地点でそれぞれ実行するかを決定する。たとえば、前述のアシスタンス処理の機能分類に基づいて、走行経路の開始地点、途中、目的地付近でそれぞれ実行するアシスタンス処理を決定し、当該地点を各アシスタンス処理の実行地点に設定する。また、走行履歴DB22に基づいてアシスタンス処理の実行地点を設定してもよい。たとえば、走行履歴DB22において、ユーザが過去に所定の操作、たとえばフロントカメラ5aの撮影画像を表示部30に表示する操作を行った地点がある場合には、当該地点を、フロントカメラ5aの撮影画像表示を行うアシスタンス処理の実行地点として設定する。これ以外にも、アシスタンス処理部18により、走行経路上の様々な地点を各アシスタンス処理の実行地点として設定することができる。
【0040】
ステップS106において、制御部10は、地
図DB21に基づき、ステップS103で推定した走行経路に従って、現在位置からステップS105で設定した各実行地点までの距離と、各実行地点への到着予定時刻とを算出する。
【0041】
ステップS107において、制御部10は、表示制御部14により、ステップS103~S106の各実行結果に基づいて、アシスタンス処理部18が実行予定の各アシスタンス処理をユーザに事前に通知するための実行予定画面を表示部30に表示させる制御を行う。ここでは、後述の
図4~
図6に例示するような画面を、実行予定画面として表示部30に表示させる制御を行う。
【0042】
ステップS108において、制御部10は、現在位置検出部50により検出された現在位置に基づいて、ステップS105で設定した各アシスタンス処理の実行地点のいずれかから所定距離以内に車両100が近づいたか否かを判定する。その結果、車両100がいずれかの実行地点に近づいた場合は処理をステップS109に進め、いずれの実行地点にも近づいていなければ処理をステップS110に進める。
【0043】
ステップS109において、制御部10は、アシスタンス処理部18により、ステップS108で車両100が所定距離以内に近づいたと判定した実行地点に対応するアシスタンス処理を実行する。ここでは、アシスタンス情報DB23に格納されているアシスタンス情報を用いて当該アシスタンス処理を実行することにより、ユーザに様々な情報を提供する。たとえば、目的地の天気予報、ユーザのスケジュール情報、ユーザの好みに応じた音楽などのコンテンツをサーバ4から取得して画像や音声により出力したり、カメラ5の撮影画像に基づいて生成された車両100の周囲環境を示す画像を表示したりすることで、ユーザにとって有益な情報提供を行う。
【0044】
ステップS110において、制御部10は、現在位置検出部50により検出された現在位置に基づいて、ステップS103で推定した走行経路を車両100が逸脱したか否かを判定する。車両100が走行経路から逸脱した場合は、ステップS102に戻ってステップS102以降の処理を再実行することにより、逸脱後の現在位置に応じた新たな走行経路を推定し、その走行経路に応じたアシスタンス処理の実行地点を再設定して、表示部30に表示された実行予定画面を更新する。一方、車両100が走行経路から逸脱していない場合は、処理をステップS111に進める。
【0045】
ステップS111において、制御部10は、現在位置検出部50により検出された現在位置に基づいて、ステップS103で推定した走行経路の目的地に車両100が到着したか否かを判定する。車両100が目的地に未到着の場合は、ステップS106に戻ってステップS106以降の処理を再実行することにより、いずれかの実行地点に近づく毎にアシスタンス処理を実行してユーザへの情報提供を行う。一方、車両100が目的地に到着した場合、制御部10は
図3の処理フローを終了する。
【0046】
次に、
図4~
図6を参照して、
図3のステップS107で車載装置1の表示部30に表示される実行予定画面の具体例を説明する。
図4~
図6は、実行予定画面の例をそれぞれ示す図である。
【0047】
車載装置1が起動されて車両100が走行を開始した直後には、たとえば
図4に示す実行予定画面400が表示部30に表示される。
図4の実行予定画面400は、左側の地図画面410と、右側のリスト画面420とを含んで構成されている。
【0048】
図4の地図画面410では、現在位置411から目的地412までの走行経路413が地図上に表示されると共に、アシスタンス処理の実行地点に対応する地図上の各位置に、実行地点であることを示す実行地点アイコン414、415、416がそれぞれ表示されている。なお、
図4の例では、実行地点アイコン414、415、416に「1」、「2」、「3」の数字をそれぞれ付与することで各アイコンを識別可能としているが、たとえば色や模様を変化させるなど、他の態様により各アイコンを識別可能としてもよい。
【0049】
図4のリスト画面420では、アシスタンス処理部18が実行予定の複数のアシスタンス処理のうち、実行順序が上位3つのアシスタンス処理421~423が、これらの実行順序に応じてリスト表示されている。アシスタンス処理421は、車両100の走行開始時にユーザへのあいさつ等を行うための処理であり、車載装置1が起動されると直後に実行される。
図4では、アシスタンス処理部18がアシスタンス処理421を実行中であるときの実行予定画面400を示している。アシスタンス処理422は、目的地412の天気予報を提供するための処理であり、アシスタンス処理423は、ユーザのお気に入り音楽を再生するための処理である。
【0050】
また、リスト表示されたアシスタンス処理421~423には、地図画面410と同じ実行地点アイコン414がそれぞれ対応付けて表示されている。これにより、アシスタンス処理421~423は、地図画面410において実行地点アイコン414で示された実行地点に車両100が近づいたときに、アシスタンス処理部18において順次実行されることが分かるようになっている。さらに、アシスタンス処理422、423には、これらを実行することでユーザに提供される情報の種類に応じたアイコン432、433がそれぞれ対応付けて表示されている。
【0051】
図4のリスト画面420において、アシスタンス処理部18が実行中のアシスタンス処理421は、他のアシスタンス処理422、423とは異なる表示形態で表示されている。これにより、車載装置1においてどのアシスタンス処理が実行中であるかをユーザが一目で判別することができるようになっている。一方、アシスタンス処理422、423には、実行予定時刻と現在位置411から各実行地点までの距離がそれぞれ表示されている。これとアイコン432、433により、どのような情報がどのタイミングで提供される予定であるかをユーザが一目で判別することができる。
【0052】
車両100が走行経路413に沿って走行し、実行地点アイコン415によって示された実行地点に近づくと、たとえば実行予定画面400が
図5のように変化する。
図5の実行予定画面400では、地図画面410において現在位置411が移動すると共に、移動後の現在位置411に応じて走行経路413が短くなっている。また、車両100が通過済みの実行地点に対応する
図4の実行地点アイコン414が消去されている。
【0053】
図5のリスト画面420では、
図4のアシスタンス処理421~423に替えて、アシスタンス処理424~426が実行順序に応じてリスト表示されている。アシスタンス処理424は、車両100が見通しの悪い交差点に進入する際に、車両100のフロントビュー画像、すなわちフロントカメラ5aの撮影画像を表示するための処理である。
図5では、アシスタンス処理部18がアシスタンス処理424を実行中であるときの実行予定画面400を示している。アシスタンス処理425は、ユーザの今日のスケジュールを通知するための処理であり、アシスタンス処理426は、車両100が駐車する際に、車両100のトップビュー画像、すなわちカメラ5の撮影画像に基づく車両100の周囲環境の様子を示す画像を表示するための処理である。
【0054】
また、リスト表示されたアシスタンス処理424~426には、
図4と同様に、地図画面410と同じ実行地点アイコン415、416がそれぞれ対応付けて表示されている。これにより、アシスタンス処理424は、地図画面410において実行地点アイコン415で示された実行地点に車両100が近づいたときに、アシスタンス処理部18において実行され、アシスタンス処理425、426は、地図画面410において実行地点アイコン416で示された実行地点に車両100が近づいたときに、アシスタンス処理部18において順次実行されることが分かるようになっている。さらに、アシスタンス処理424~426には、これらを実行することでユーザに提供される情報の種類に応じたアイコン434~436がそれぞれ対応付けて表示されている。
【0055】
図5のリスト画面420において、アシスタンス処理部18が実行中のアシスタンス処理424は、
図4と同様に、他のアシスタンス処理425、426とは異なる表示形態で表示されている。また、アシスタンス処理425、426には、実行予定時刻と現在位置411から各実行地点までの距離がそれぞれ表示されている。
【0056】
車両100が走行経路413に沿ってさらに走行し、実行地点アイコン416によって示された実行地点に近づくと、たとえば実行予定画面400が
図6のように変化する。
図6の実行予定画面400では、地図画面410において現在位置411がさらに移動すると共に、移動後の現在位置411に応じて走行経路413がさらに短くなっている。また、
図4の実行地点アイコン414に加えて、車両100が通過済みの実行地点に対応する
図4、
図5の実行地点アイコン415も消去されている。
【0057】
図6のリスト画面420では、アシスタンス処理425、426の表示位置が
図5から移動すると共に、
図5のアシスタンス処理424が消去されている。また、アシスタンス処理425、426に続いて、新たにアシスタンス処理427がリスト表示されている。アシスタンス処理427は、車両100が目的地412に到着したことをユーザに通知するための処理である。アシスタンス処理427には、目的地412と同様のアイコン437が対応付けて表示されている。なお
図6では、アシスタンス処理部18がアシスタンス処理425を実行中であるときの実行予定画面400を示している。
【0058】
図6のリスト画面420において、アシスタンス処理部18が実行中のアシスタンス処理425は、
図4、
図5と同様に、他のアシスタンス処理426、427とは異なる表示形態で表示されている。また、アシスタンス処理426には、実行予定時刻と現在位置411から実行地点までの距離が表示されており、アシスタンス処理427には、実行予定時刻と現在位置411から目的地412までの距離が表示されている。
【0059】
本実施形態の車載装置1では、以上説明したような実行予定画面400を表示部30において表示することにより、アシスタンス処理部18が実行予定の各アシスタンス処理をユーザに事前に通知することができる。
【0060】
次に、アシスタンス処理の設定条件の調整について説明する。前述のように、車載装置1では、各アシスタンス処理の設定条件が予め設定されている。この設定条件は、パーソナルコンピュータ等の情報機器を用いることで、開発者やユーザが任意に調整することができる。
【0061】
図7は、アシスタンス処理の設定条件の調整を行う際の表示画面例を示す図である。
図7の表示画面700には、選択欄701~706が表示されている。選択欄701は、ユーザ名を選択するための欄である。選択欄702は、設定条件の調整対象とするアシスタンス処理を選択するための欄である。
図7の例では、アシスタンス処理の機能分類に応じた実行タイミングを選択欄702において選択することで、当該機能分類に属する複数のアシスタンス処理をまとめて設定条件の調整対象に選択できるようになっている。選択欄703~706は、各アシスタンス処理をそれぞれ実行対象とするか否かを選択するための欄である。この選択欄703~706では、選択欄702で選択された実行タイミングに対応する各アシスタンス処理について、「ON」または「OFF」のいずれかを選択できるようになっている。ここで「ON」が選択されたアシスタンス処理は、
図3のステップS104において実行対象とされ、「OFF」が選択されたアシスタンス処理は、
図3のステップS104において実行対象から除外される。
【0062】
車載装置1の開発者やユーザは、車載装置1やサーバ4に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報機器に
図7の表示画面700を表示させ、この表示画面700において選択欄701~706の選択操作をそれぞれ行うことにより、各アシスタンス処理の設定条件を任意に調整することができる。なお、調整後の設定条件は、車載装置1の記憶部20に記憶させてもよいし、サーバ4の記憶部120において、ユーザ情報の一部としてユーザ情報DB125に記憶させてもよい。
【0063】
なお、
図7の表示画面700では、機能分類ごとにアシスタンス処理を実行対象とするか否かを選択できる画面例を説明したが、アシスタンス処理の機能分類を任意に変更できるようにしてもよい。この場合、車載装置1の開発者やユーザは、各アシスタンス処理の機能分類を変更することで、どのアシスタンス処理をどのタイミングで実行させるかを任意に調整することが可能となる。また、アシスタンス処理ごとに実行条件を設定し、その実行条件が満たされたときに当該アシスタンス処理が実行されるようにすることで、アシスタンス処理の設定条件の調整を行ってもよい。これ以外にも、車載装置1の開発者やユーザは、任意の方法でアシスタンス処理の設定条件の調整を行うことができる。
【0064】
次に、アシスタンス処理のキャンセル操作について説明する。前述のように、車載装置1では、実行予定画面においてユーザがキャンセル操作を行うことにより、設定条件に関わらず実行対象から除外するアシスタンス処理を選択することができる。このキャンセル操作には、たとえば、タッチパネル上のフリック操作やスワイプ操作、所定のジェスチャー操作、音声入力等が用いられる。ユーザが行ったキャンセル操作の入力は、車載装置1において操作入力部40により受け付けられ、その後の処理に反映される。
【0065】
具体的には、ユーザからのキャンセル操作が操作入力部40に入力された場合、制御部10は、キャンセル操作が行われたアシスタンス処理に対応するスクリプトファイルのIDを、キャンセル情報としてキャンセル情報DB24に記憶しておく。アシスタンス処理部18は、キャンセル情報DB24に記憶されたキャンセル情報に基づき、ユーザがこれまでにキャンセル操作を行ったアシスタンス処理に対応するスクリプトファイルを特定し、そのスクリプトファイルを実行しないようにする。さらにこのとき、表示制御部14により、当該スクリプトファイルに対応するアシスタンス処理をリスト画面420においてブラックアウト表示する。
【0066】
また、ユーザは過去に行ったキャンセル操作を取り消すことも可能である。キャンセル操作済みのいずれかのアシスタンス処理について、キャンセル操作を取り消すための所定の取り消し操作がユーザから操作入力部40に入力された場合、制御部10は、当該アシスタンス処理に対応するキャンセル情報をキャンセル情報DB24から削除する。これにより、当該アシスタンス処理をアシスタンス処理部18による実行対象に復帰させることができる。さらにこのとき、表示制御部14により、リスト画面420における当該アシスタンス処理のブラックアウト表示を解除する。
【0067】
なお、車載装置1のキャンセル情報DB24が更新されると、その情報が所定のタイミングで車載装置1からサーバ4に送信される。サーバ4の情報管理部114は、車載装置1から送信される情報に基づいてキャンセル情報DB123を更新する。
【0068】
図8は、キャンセル操作後の実行予定画面の例を示す図である。
図8では、
図4の実行予定画面400において、アシスタンス処理421に対してキャンセル操作を行った場合の例を示している。この実行予定画面400では、右側のリスト画面420においてリスト表示されたアシスタンス処理421~423のうち、キャンセル操作が行われたアシスタンス処理421が黒塗り表示されている。これにより、アシスタンス処理421はユーザによってキャンセル済みであり、アシスタンス処理部18の実行対象から除外されていることが分かるようになっている。
【0069】
ただし、たとえば車両100の安全に関わるアシスタンス処理などのように、重要性が高い所定のアシスタンス処理については、キャンセル操作の受付対象から除外するようにしてもよい。
図9は、一部のアシスタンス処理をキャンセル操作の受付対象から除外した実行予定画面の例を示す図である。
図9では、
図5の実行予定画面400において、アシスタンス処理424、426をそれぞれキャンセル操作の受付対象から除外した場合の例を示している。この実行予定画面400では、右側のリスト画面420においてリスト表示されたアシスタンス処理424~426のうち、キャンセル操作の受付対象から除外されたアシスタンス処理424、426に対して、キャンセル操作が不可であることを示すアイコン438がそれぞれ表示されている。これにより、アシスタンス処理424、426の表示形態を他のアシスタンス処理425とは異なる表示形態として、キャンセル操作の受付対象から除外されていることが分かるようになっている。
【0070】
なお、上記で説明したキャンセル操作が不可であることを示すアイコン438は、実行予定画面400において常に表示してもよいし、車両100が走行中であるときに表示してもよい。すなわち、車両100が走行中であるときには、アイコン438を表示してキャンセル操作を不可とし、車両100が停止中であるときには、アイコン438を消去してキャンセル操作の入力を許可してもよい。このようにすれば、ユーザが車両100の運転中にキャンセル操作を行うことを防止し、安全性を向上することができる。さらに、車両100が自動運転中のときには、走行中であってもアイコン438を消去してキャンセル操作の入力を許可することも可能である。
【0071】
以上説明した本発明の一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
【0072】
(1)車両100に搭載される車載装置1は、ユーザに所定の情報提供を行うためのアシスタンス処理を実行するアシスタンス処理部18と、アシスタンス処理部18が実行予定の複数のアシスタンス処理をユーザに事前に通知するための実行予定画面400を表示部30に表示させる制御を行う表示制御部14とを備える。実行予定画面400は、アシスタンス処理部18が実行するアシスタンス処理の順序に応じたリストであるリスト画面420を含む。このようにしたので、車載装置1において、情報提供時のユーザの違和感を軽減することができる。
【0073】
(2)アシスタンス処理部18は、車両100が設定された実行地点から所定距離以内に近づいたときに(
図3、ステップS108:Yes)、アシスタンス処理を実行する(ステップS109)。表示制御部14は、アシスタンス処理の実行地点を地図上に示した地図画面410をさらに含む実行予定画面400を表示部30に表示させる制御を行う。このようにしたので、アシスタンス処理が実行される予定の実行地点を事前にユーザに分かりやすく通知することができる。
【0074】
(3)表示制御部14は、地図画面410に表示されるアシスタンス処理の実行地点と、リスト画面420において実行順序に応じてリスト表示された複数のアシスタンス処理421~426とを対応付けた実行地点アイコン414~416を、表示部30に表示させる制御を行う(
図3、ステップS107)。このようにしたので、どの実行地点でどのアシスタンス処理が実行されるかをユーザに分かりやすく通知することができる。
【0075】
(4)表示制御部14は、アシスタンス処理部18が実行中のアシスタンス処理と、他のアシスタンス処理との表示形態を変えて、リスト画面420を表示部30に表示させる制御を行う(
図4~
図6)。このようにしたので、どのアシスタンス処理が現在実行されているかをユーザに分かりやすく通知することができる。
【0076】
(5)車載装置1は、リスト画面420においてユーザが入力した複数のアシスタンス処理のいずれかに対するキャンセル操作を受け付ける操作入力部40をさらに備える。アシスタンス処理部18は、操作入力部40がキャンセル操作を受け付けたアシスタンス処理421を実行対象から除外する(
図8)。このようにしたので、ユーザは不要なアシスタンス処理を容易に実行対象から除外することができる。
【0077】
(6)操作入力部40には、ユーザからのキャンセル操作を取り消す操作を入力可能である。キャンセル操作を取り消す操作が操作入力部40に入力された場合、アシスタンス処理部18は、実行対象から除外したアシスタンス処理を実行対象に復帰させる。このようにしたので、ユーザは一旦実行対象から除外したアシスタンス処理を再び実行対象とすることができる。
【0078】
(7)操作入力部40は、リスト画面420においてリスト表示された複数のアシスタンス処理のうち所定のアシスタンス処理を除外して、キャンセル操作を受け付けてもよい。この場合、表示制御部14は、
図9に例示したように、操作入力部40がキャンセル操作の受付対象から除外したアシスタンス処理424、426と、他のアシスタンス処理との表示形態を変えて、リスト画面420を表示部30に表示させるように制御することが好ましい。このようにすれば、重要性が高いアシスタンス処理を必ず実行すると共に、そのことをユーザに確実に通知することができる。
【0079】
なお、以上説明した実施形態では、車載装置1がサーバ4から車両100の走行履歴やアシスタンス情報を取得する例を説明したが、これらの情報を車載装置1に予め記憶しておいてもよい。この場合、車載装置1がサーバ4を介さずに必要なコンテンツを直接取得できるようにして、車載装置1がサーバ4と接続しないようにしてもよい。すなわち、この場合にはサーバ4が不要であり、車載装置1のみで本発明を実現可能である。
【0080】
また、以上説明した実施形態では、実行予定画面400として車両100の自動運転の予定に関する情報を含まない画面例を説明したが、自動運転の予定に関する情報を実行予定画面400に含めて表示してもよい。たとえば、地図画面410において自動運転の開始予定地点や終了予定地点を地図上に示したり、リスト画面420において自動運転の開始予定や終了予定をアシスタンス処理と一緒にリスト表示したりすることで、自動運転の予定に関する情報を実行予定画面400に表示することができる。これ以外でも任意の態様により、車両100の自動運転の予定に関する情報をユーザに提示することが可能である。
【0081】
以上説明した実施形態では、車載装置1が備える表示部30において実行予定画面400を表示する例を説明したが、車載装置1に接続された外部表示装置に実行予定画面400を表示してもよい。外部表示装置としては、たとえばHUD(Head-Up Display)、プロジェクションマッピング、メガネ型ディスプレイ等のウェアラブル表示装置などを用いることができる。また、スマートフォンやタブレットPC、ノートPC等のディスプレイを外部表示装置として用いることも可能である。
【0082】
以上説明した実施形態や変形例はあくまで一例である。本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1車載装置、2:通信端末、3:通信回線網、4:サーバ、5a:フロントカメラ、5b:リアカメラ、5c:左サイドカメラ、5d:右サイドカメラ、7:車両制御装置、10:制御部、11:通信制御部、12:インタフェース制御部、13:現在位置取得部、14:表示制御部、15:車両情報取得部、16:車両制御部、17:経路推定部、18:アシスタンス処理部、20:記憶部、21:地
図DB、22:走行履歴DB、23:アシスタンス情報DB、24:キャンセル情報DB、30:表示部、40:操作入力部、50:現在位置検出部、100:車両、110:制御部、111:通信制御部、112:配信部、113:コンテンツ取得部、114:情報管理部、120:記憶部、121:走行履歴DB、122:アシスタンス情報DB、123:キャンセル情報DB、124:コンテンツDB、125:ユーザ情報DB