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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】フラッシュバルブ装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 3/02 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
E03D3/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018086590
(22)【出願日】2018-04-27
(65)【公開番号】P2019190195
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】林 雄介
(72)【発明者】
【氏名】島 和也
(72)【発明者】
【氏名】野田 高弘
(72)【発明者】
【氏名】石毛 剛大
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-077280(JP,A)
【文献】特開2006-283353(JP,A)
【文献】特開2011-006981(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0164261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に向けて光を出射するセンサと、
前記センサを覆うように配置される筒状のカバー本体であって、前記センサの上方に配置される上面板を有するカバー本体と、
前記センサのセンサ窓としての機能を有し、前記カバー本体の上面板の上面と前記上面板の上面開口部との全部を覆って配置される上面パネルと、を備えるフラッシュバルブ装置。
【請求項2】
前記上面パネルの下面には、前記カバー本体と係合する係合部が形成される請求項1に記載のフラッシュバルブ装置。
【請求項3】
前記カバー本体の上面板には、孔が形成され、
前記係合部は、前記上面パネルの下面から前記孔を通って下方に延出する延出部と、前記延出部の下端に形成され前記カバー本体の上面板の下面に引っ掛かる爪と、を有する請求項2に記載のフラッシュバルブ装置。
【請求項4】
前記上面パネルの上面には、表示部が設けられ、
前記表示部は、平面視で、前記センサを構成する発光部及び受光部に対してずれた位置に配置される請求項1~3のいずれか1項に記載のフラッシュバルブ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュバルブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カバー部材の内部の上方側に手かざし用のセンサ(センサ)が配置され、カバー部材の上面にセンサ窓を設けたフラッシュバルブ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のフラッシュバルブ装置においては、カバー部材の上面の一部にセンサ窓を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-283353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カバー部材の上面の一部にセンサ窓を備えるフラッシュバルブ装置は、センサ窓を取り付けるカバー部材の上面の部分において、センサ窓とカバー部材の上面との間にゴミが溜まることがある。
【0005】
本発明は、カバー部材の上面にセンサ窓を設ける構成において、センサ窓を取り付ける部分に、ゴミが溜まることを抑制できるフラッシュバルブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上方に向けて光を出射するセンサ(例えば、後述の手かざし用センサ421)と、前記センサを覆うように配置される筒状のカバー本体(例えば、後述のカバー本体51)であって、前記センサの上方に配置される上面板を有するカバー本体と、前記センサのセンサ窓としての機能を有し、前記カバー本体の上面板(例えば、後述の上面板511)の上面(例えば、後述の上面511a)の全部を覆って配置される上面パネル(例えば、後述のセンサ窓天面板52)と、を備えるフラッシュバルブ装置(例えば、後述のフラッシュバルブ装置1)に関する。
【0007】
また、前記上面パネルの下面(例えば、後述する下面52b)には、前記カバー本体と係合する係合部(例えば、後述する下面係合部522)が形成されることが好ましい。
【0008】
また、前記カバー本体の上面板には、孔(例えば、後述の爪係合溝孔516)が形成され、前記係合部は、前記上面パネルの下面から前記孔を通って下方に延出する延出部(例えば、後述の延出部522a)と、前記延出部の下端に形成され前記カバー本体の上面板の下面(例えば、後述の下面511b)に引っ掛かる爪(例えば、後述の下端係合爪部522b)と、を有することが好ましい。
【0009】
また、前記上面パネルの上面(例えば、後述する上面52a)には、表示部(例えば、後述の操作情報521a)が設けられ、前記表示部は、平面視で、前記センサを構成する発光部(例えば、後述の発光素子421a)及び受光部(例えば、後述の受光素子421b)に対してずれた位置に配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カバー部材の上面にセンサ窓を設ける構成において、センサ窓を取り付ける部分に、ゴミが溜まることを抑制できるフラッシュバルブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るフラッシュバルブ装置の全体斜視図である。
図2】本実施形態のフラッシュバルブ装置からカバー部材を外した状態を示す斜視図である。
図3】ブラケット及びコントローラユニットを示す斜視図である。
図4】カバー部材からセンサ窓天面板を取り外した状態を示す斜視図である。
図5】センサ窓天面板の上面の操作情報と手かざし用センサの位置関係を示すセンサ窓天面板の正面図である。
図6】センサ窓天面板の下面係合部を示す斜視図である。
図7図5のA-A線断面図であって、カバー部材とセンサ窓天面板との係合状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施形態に係るフラッシュバルブ装置1の全体斜視図である。図2は、本実施形態のフラッシュバルブ装置1からカバー部材5を外した状態を示す斜視図である。図3は、ブラケット3及びコントローラユニット4を示す斜視図である。図4は、カバー部材5からセンサ窓天面板52を取り外した状態を示す斜視図である。図5は、センサ窓天面板52の上面52aの操作情報521aと手かざし用センサ421の位置関係を示すセンサ窓天面板52の正面図である。図6は、センサ窓天面板52の下面係合部522を示す斜視図である。図7は、図5のA-A線断面図であって、カバー部材5とセンサ窓天面板52との係合状態を示す断面図である。
【0013】
なお、本実施形態においては、図1及び図2におけるフラッシュバルブ装置1のカバー本体51の前面に設けられたセンサ窓54に対面した場合において、フラッシュバルブ装置1の前後の向きを前後方向ともいう。また、前後方向において、手前側を前側ともいい、奥側を後側ともいう。また、図1におけるフラッシュバルブ装置1のカバー本体51の前面に設けられたセンサ窓54に対面した場合において、フラッシュバルブ装置1の左右の向きを左右方向ともいう。また、左右方向において、図1におけるフラッシュバルブ装置1に対面した場合において、左手前側を左側(一方側)ともいい、右奥側を右側(他方側)ともいう。
【0014】
図1及び図2に示すように、フラッシュバルブ装置1は、バルブユニット2と、ブラケット3と、コントローラユニット4と、カバー部材5と、を備える。バルブユニット2、ブラケット3及びコントローラユニット4は、下方側から上方側に向けてこの順で、カバー部材5の内部に配置される。
【0015】
バルブユニット2は、図2に示すように、カバー部材5の内部の下方側に配置される。バルブユニット2は、バルブ本体21と、継手管11を介して止水栓12に接続される給水側接続口22と、操作ボタン23と、排水側接続口24と、を備える。バルブユニット2の上方側のフランジ部25には、ブラケット3(後述)が接続されている。
【0016】
バルブユニット2の底部には、コ字形状の底プレート26が固定されている。底プレート26は、カバー部材5(後述)の底面の開口をカバー部材5の内側で閉鎖する本体部261と、本体部261の左右方向の両端に形成される起立部262と、を有する。
【0017】
給水側接続口22は、左側の側面から側方に突出する筒状に形成され、継手管11が接続されている。継手管11は、バルブユニット2の左側面の給水側接続口22から左方に延び、継手管11には、止水栓12が接続されている。
【0018】
操作ボタン23は、押ボタン式のボタンであり、フラッシュバルブ装置1の右側面から、右方に突出する。操作ボタン23は、停電時等の非常時において、左向きに押込操作することで、バルブユニット2の弁部を開いて、便器の洗浄水を流出させる。
【0019】
排水側接続口24は、バルブユニット2の底部に設けられる。排水側接続口24は、排水用配管の接続口であり、排水側接続口24には、排水用配管の一部を構成する継手管13が下向きに突出する状態で接続されている。
【0020】
ブラケット3は、図2に示すように、バルブユニット2とコントローラユニット4との間に配置され、バルブユニット2の上方側のフランジ部25に接続されると共に、コントローラユニット4を支持する。ブラケット3は、図3に示すように、ブラケット本体31と、ブラケット本体31の上面から上方側に延出する一対の延出係合部32と、ブラケット本体31の下部において側方に水平に突出する4つの下部固定用突出板部33と、左右方向の左側(一方側)に形成される立ち上がり押し当て部34と、左右方向の右側(他方側)に形成される立ち上がり固定部35と、を有する。
【0021】
ブラケット本体31は、図3に示すように、周壁部311と、開口312aを有する上面部312と、を備える。ブラケット本体31の上方側には、一対の延出係合部32にコントローラユニット4が係合した状態で配置される。
【0022】
一対の延出係合部32は、図3に示すように、ブラケット本体31の上面部312の前側において左右方向の端部側に離間して配置される。一対の延出係合部32は、それぞれ、ブラケット本体31の上面から上方に延びる延出部321と、延出部321の上端に形成される係合爪部322と、を有する。係合爪部322は、延出部321の上端において、上方側から下方側に向かうに従って内側に向かうように傾斜して内側に突出して形成される。延出係合部32には、コントローラユニット4のコントローラ本体41のコントローラケース411の一対の係合溝411a(後述)が係合される。
【0023】
4つの下部固定用突出板部33は、図3に示すように、ブラケット3の下端部において、側方に突出する。4つの下部固定用突出板部33には、それぞれ、U字状の切り欠き331が設けられる。U字状の切り欠き331は、いずれも、右向きに開口するように形成されている。切り欠き331には、バルブユニット2(図2参照)の上方側に形成されるフランジ部25に螺合される固定ネジ251(図2参照)が挿通される。図2に示すように、ブラケット3は、固定ネジ251の軸部を、U字状の切り欠き331に挿通させ、その状態で固定ネジ251を、フランジ部25(図2参照)に下向きに締め込むことによって、バルブユニット2の上方側に固定される。
【0024】
立ち上がり押し当て部34は、図3に示すように、ブラケット3の左右方向の左側において、ブラケット本体31の上面から立ち上がる。立ち上がり押し当て部34には、ゴム材341(緩衝部材)が水平方向に巻き付けて配置される。立ち上がり押し当て部34は、カバー部材5が被された場合に、カバー部材5の左側の側板の内面側に押し付けられ、ゴム材341は、カバー部材5の左側の側板の内面に押し当てられる。
【0025】
立ち上がり固定部35は、ブラケット3の左右方向の右側において、ブラケット本体31の上面部312から立ち上がる。立ち上がり固定部35には、左右方向に貫通するネジ孔351が形成される。
【0026】
カバー部材5が被された状態において、カバー部材5をブラケット3に固定する場合には、立ち上がり押し当て部34に巻き付けられたゴム材341をカバー部材5の左側の側板の内面に押し当てた状態で、固定ネジ53を、カバー部材5の左側の側面に形成されたネジ挿通孔515(図2参照、後述)に挿通してブラケット3の立ち上がり固定部35のネジ孔351に螺合する。これにより、カバー部材5は、ブラケット3に固定される。
【0027】
このように、カバー部材5を被せた状態においては、カバー部材5の左側においてゴム材341が押し当られた状態で、カバー部材5の右側の固定部35において固定ネジ53によりネジ固定できるため、カバー部材5のガタツキを防止できる。本実施形態においては、カバー部材5をブラケット3に固定する場合に、カバー部材5の右側の片方側のみを固定ネジ53でネジ止めすればよいため、カバー部材5の左右方向の両側でネジ止めする場合よりも、作業性を向上させることができる。また、立ち上がり固定部35をブラケット3の右側に設けたため、右利きの作業者は固定ネジ53のネジ固定の作業を容易に行うことができる。
【0028】
なお、ブラケット3において、立ち上がり押し当て部34及び立ち上がり固定部35を本実施形態とは左右方向において互いに逆側に設けてもよい。つまり、ブラケット3において、立ち上がり押し当て部34を右側に設けると共に、立ち上がり固定部35を左側に設けてもよい。
【0029】
コントローラユニット4は、図3に示すように、カバー部材5の内部の上方側に配置されている。コントローラユニット4は、ブラケット3の上方側に取り付けられる。コントローラユニット4は、コントローラ本体41と、センサユニット42と、を有する。センサユニット42は、コントローラ本体41の上部に載置され、コントローラ本体41は、ブラケット3によって支持されている。
【0030】
コントローラ本体41は、コントローラケース411を有し、コントローラケース411の内部に、正面の人体を検知するための人体検知センサ412と、制御部(図示せず)と、が配置される。人体検知センサ412は、フラッシュバルブ装置1の正面側の人体(使用者)を検知する。制御部は、人体検知センサ412により検知された検知時間の長短に応じて大便か小便かを判断し、これに応じて便器洗浄水の流出量を制御する。
【0031】
コントローラケース411の左右方向の両側の側面には、一対の係合溝411aが形成される。一対の係合溝411aは、コントローラケース411の左右方向の両方の側面において、前後方向に延びて窪んだ凹溝状に形成される。一対の係合溝411aには、コントローラ本体41がブラケット3に取り付けられる際に、ブラケット3の一対の延出係合部32の係合爪部322が係合される。
【0032】
センサユニット42は、コントローラ本体41とは別体で構成され、コントローラ本体41の上部に固定された取付プレート45に支持されている。センサユニット42は、図3に示すように、センサケース体425を有する。センサケース体425の内部には、手かざし用センサ421(センサ)が配置される。手かざし用センサ421は、カバー本体51の内部において、上方側に配置される。
【0033】
取付プレート45は、基端が、固定ネジ451によりコントローラ本体41の上部に固定され、他端には、軸部の長いセンサユニット側ネジ452が螺合されている。
【0034】
センサユニット側ネジ452は、上端部に頭部452aを有し、頭部452aから下方に延びる軸部452bが、センサユニット42の左右方向の両側から側方に突出して設けられたボス部42aの挿通孔に挿通される。センサユニット側ネジ452の軸部452bには、コイルスプリング453が挿通される。コイルスプリング453は、センサユニット42のボス部42aと取付プレート45との間において、センサユニット42に対して上向きに付勢力を発揮している。センサユニット42は、コイルスプリング453により、下方側から弾性支持されている。
【0035】
センサケース体425は、センサケース本体425aと、センサケース本体425aの上面から突出するセンサケース突出部分425bと、を有する。センサケース突出部分425bは、センサケース体425の左右方向の左側にずれた位置に配置される。
【0036】
センサケース突出部分425bにおいて、手かざし用センサ421に対応した部分は、透光性の材料で構成されており、且つ、その上面は、フラッシュバルブ装置1の左右方向の中央側に向けて斜め下向きに傾斜した面状に形成されている。センサケース突出部分425bの内部には、センサケース体425における左右方向の左側にずれた位置において、手かざし用センサ421が、センサケース突出部分425bの傾斜に沿って傾斜して配置される基板(図示せず)に配置される。
【0037】
本実施形態においては、手かざし用センサ421は、センサ窓天面板52における左右方向の中央よりも左側において、発光素子421a(発光部)及び受光素子421b(受光部)が前後方向に並ぶことで構成されている。手かざし用センサ421は、手かざし用センサ421を構成する発光素子421a及び受光素子421bの光軸が、センサユニット42の左右方向の中央側の上方を向いて配置される。発光素子421aは、上方に向けて光を出射する。受光素子421bは、発光素子421aに出射されて手に反射された反射光を受光する。
【0038】
このように配置されることで、発光素子421aは、後述するセンサ窓天面板52の操作情報521aの表示の位置から、センサケース体425の左右方向の左側にずれた位置において、操作情報521aの上方にかざされた手に光を照射可能なように、操作情報521aの上方に向かって斜め方向に光を照射するように傾けられて配置される。また、受光素子421bは、操作情報521aの上方にかざされた手に反射された反射光を受光可能なように、操作情報521aの上方にかざされた手に反射された反射光を受光可能に斜けられて配置される。
【0039】
カバー部材5は、図2に示すように、バルブユニット2、ブラケット3及びコントローラユニット4を覆って被されている。カバー部材5は、図4に示すように、カバー本体51と、センサ窓天面板52(上面パネル)と、を有する。
【0040】
カバー本体51は、図4に示すように、上面板511を有して底面が開口した略方形筒状に形成されている。上面板511は、板状に形成され、平面視で(上方側から視た場合に)略長方形状に形成されると共に、四隅が円弧状に形成されている。カバー本体51は、手かざし用センサ421を覆うように配置される。上面板511は、手かざし用センサ421の上方に配置される。
【0041】
カバー本体51は、図2に示すように、バルブユニット2、ブラケット3及びコントローラユニット4に対して、上方側から被せられて、バルブユニット2、ブラケット3及びコントローラユニット4の全体を外側から覆っている。
【0042】
カバー本体51は、図2及び図4に示すように、前面に形成される前面開口部512と、上面板511に形成される上面開口部513と、左右の側面に形成される一対の切り欠き514と、左右方向の右側の側面に形成されるネジ挿通孔515と、上面板511に形成される4つの爪係合溝孔516(孔)と、を有する。
【0043】
前面開口部512は、図4に示すように、カバー本体51の前面において、人体検知センサ412(図3参照)に対応した位置に開口しており、前面開口部512には、センサ窓54が取り付けられている。
上面開口部513は、カバー本体51の上面板511において、手かざし用センサ421(図3参照)に対応した位置に開口している。
【0044】
一対の切り欠き514は、図2に示すように、カバー本体51の左右の側面の下端に、それぞれ、U字状に切り欠かれて形成される。
【0045】
ネジ挿通孔515は、図2に示すように、左右方向の右側の側面を貫通して形成される。ネジ挿通孔515は、カバー部材5が被された状態において、カバー部材5をブラケット3に固定する際に、ブラケット3の立ち上がり固定部35のネジ孔351に螺合される固定ネジ53が挿入される。つまり、カバー本体51は、図2に示すように、左右方向の右側の側面のネジ挿通孔515において、固定ネジ53により、ブラケット3に固定されている。
【0046】
4つの爪係合溝孔516は、図4に示すように、カバー本体51の上面板511において、左右前後に離間した4箇所に形成され、前後方向に所定長さ延びて形成され、カバー本体51の上面板511を溝状に貫通する。4つの爪係合溝孔516には、センサ窓天面板52の下面52bに形成される4つの下面係合部522(後述)が係合する。
【0047】
センサ窓天面板52は、図4に示すように、カバー部材5の最上部において、カバー本体51の上面板511の上面511aに取り付けられる。センサ窓天面板52は、図5に示すように、平面視で(上方側から視た場合に)、カバー本体51の上面板511の上面511aと略同一の形状に形成される。センサ窓天面板52は、板状に形成され、平面視で(上方側から視た場合に)略長方形状に形成されると共に、四隅が円弧状に形成されている。センサ窓天面板52は、手かざし用センサ421のセンサ窓としての機能を有する。
【0048】
センサ窓天面板52は、カバー本体51の上面板511の上面511aの全部を覆って配置される。つまり、センサ窓天面板52がカバー本体51の上面板511の上面511aに取り付けられた状態においては、上方側からは、カバー本体51の上面511aは見えない状態で、カバー本体51の上面板511の上面511aの全部が、センサ窓天面板52に覆われている。
【0049】
センサ窓天面板52の下面52bには、図6に示すように、下方に突出する4つの下面係合部522(係合部)が形成される。4つの下面係合部522は、センサ窓天面板52の下面52bにおいて、カバー本体51の上面板511の4つの爪係合溝孔516に対応した位置の左右前後に離間した4箇所に形成される。4つの下面係合部522は、それぞれ、センサ窓天面板52の下面52bから爪係合溝孔516を通って下方に延出する延出部522a(延出部)と、延出部522aの下端に形成される下端係合爪部522b(爪)と、を有する。下端係合爪部522bは、延出部522aの下端において、センサ窓天面板52の左右方向の中央側に突出する。下端係合爪部522bは、カバー本体51の上面板511の下面511bに引っ掛かる。図7に示すように、4つの下面係合部522は、カバー本体51の上面板511にセンサ窓天面板52を取り付ける際に、4つの爪係合溝孔516に係合される。
【0050】
センサ窓天面板52の上面52aの左右方向の略中央において、前後方向の略中央及び手前側には、図5に示すように、使用者の手(対象物)を所定の位置に案内させる操作情報521a(表示部)が設けられている。操作情報521aは、手かざし用センサ421を構成する発光素子421a(発光部)及び受光素子421b(受光部)と隣り合いつつ、平面視で(センサ窓天面板52を上方側から視た場合に)手かざし用センサ421(発光素子421a及び受光素子421b)に対して右側にずれた位置に配置されている。詳細には、操作情報521aは、発光素子421aの出射方向に視た場合に、発光素子421aに対してずれた位置に配置されると共に、受光素子421bに反射光が戻る場合における反射方向に視た場合に、受光素子421bに対してずれた位置に配置される。
【0051】
本実施形態では、操作情報521aとして、例えば、水の流れ(渦巻き)を示すピクトグラム(絵文字)及び「手をかざしてください」、「Place your hand over the sensor.」と記載された文字が示されている。また、これらの操作情報521aの後方(図4の紙面の右上方)には、「流す」、「Flush」の文字が記載されている。
【0052】
このように構成されるフラッシュバルブ装置1においては、使用者が操作情報521aの上方に手をかざすと、発光素子421aから出射された出射光が、使用者の手(対象物)に当たって反射して、受光素子421bが反射光を受光する。受光素子421bは、反射光に基づいて検知信号を制御部(図示せず)に送信する。制御部は、出力信号を洗浄機構(図示せず)に送信する。洗浄機構は、出力信号に基づいてポンプ等を作動させ、洗浄水を流出する。
【0053】
また、使用者が退出する場合には、人体検知センサ412(図3参照)の発光素子412aから出射された出射光が、使用者に当たって反射して、人体検知センサ412の受光素子412bが使用者に当たって反射した反射光を受信する。人体検知センサ412の受光素子412bは、受信した反射光に基づいて検知信号を制御部(図示せず)に送信する。制御部は、出力信号を洗浄機構(図示せず)に送信する。洗浄機構は、出力信号に基づいてポンプ等を作動させ、洗浄水を流出する。
【0054】
以上のフラッシュバルブ装置1においては、手かざし用センサ421の上方に配置されたセンサ窓天面板52に表示された操作情報521aは、平面視で(センサ窓天面板52を上方側から視た場合に)手かざし用センサ421の右側にずれた位置に配置されている。よって、操作情報521aは、平面視で(センサ窓天面板52を上方側から視た場合に)手かざし用センサ421と重なって配置されていないため、発光素子421aから出射される出射光が操作情報521aで遮断されずに、出射光は操作情報521aの上方でかざされた使用者の手(対象物)まで到達する。更に、操作情報521aは、平面視で(センサ窓天面板52を上方側から視た場合に)手かざし用センサ421と重なって配置されていないため、出射光が使用者の手(対象物)に当たって反射される反射光が操作情報521aで遮断されずに受光素子421bに到達する。したがって、手かざし用センサ421は手を的確に検知することができる。
【0055】
以上説明した本実施形態に係るフラッシュバルブ装置1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態のフラッシュバルブ装置1は、フラッシュバルブ装置1は、上方に向けて光を出射する手かざしセンサ421と、手かざしセンサ421を覆うように配置される筒状のカバー本体51であって、手かざしセンサ421の上方に配置される上面板511を有するカバー本体51と、手かざしセンサ421のセンサ窓としての機能を有し、カバー本体51の上面板511の上面511aの全部を覆って配置されるセンサ窓天面板52と、を備える。これにより、センサ窓としての機能を有するセンサ窓天面板52を取り付ける部分にゴミが溜まることを抑制することができる。また、カバー部材5の上面板511の上面511aにセンサ窓としての機能を有するセンサ窓天面板52を取り付けても、センサ窓天面板52とカバー本体51の上面板511との間に隙間が存在しないため、意匠性を向上できる。
【0056】
また、本実施形態においては、センサ窓天面板52の下面52bには、カバー本体51と係合する下面係合部522が形成される。これにより、センサ窓天面板52は、下面係合部522においてカバー本体51と係合させるだけでカバー本体51にセンサ窓天面板52取り付けることができるため、カバー本体51にセンサ窓天面板52取り付ける際の作業性を向上できる。また、センサ窓天面板52は、下面係合部522においてカバー本体51と係合するため、カバー本体51から脱落しにくい。
【0057】
また、本実施形態においては、カバー本体51の上面板511には、爪係合溝孔516が形成され、下面係合部522は、センサ窓天面板52の下面52bから爪係合溝孔516を通って下方に延出する延出部522aと、延出部522aの下端に形成されカバー本体51の上面板511の下面511bに引っ掛かる下端係合爪部522bと、を有する。
【0058】
そのため、センサ窓天面板52をカバー本体51に取り付ける場合に、カバー本体51の上面板511の下面511bに、延出部522aを爪係合溝孔516に通らせて、下端係合爪部522bを引っ掛けるだけで、センサ窓天面板52の下面係合部522をカバー本体51に係合できるため、センサ窓天面板52をカバー本体51に取り付ける際の作業性が良好である。また、センサ窓天面板52をカバー本体51から取り外す場合に、カバー本体51をブラケット3から取り外した状態で、カバー本体51の上面板511の下面511bから、カバー本体51の上面板511の下面511bに引っ掛かった下端係合爪部522bを外すだけで、センサ窓天面板52をカバー本体51から取り外すことができるため、センサ窓天面板52をカバー本体51から取り外す際の作業性が良好である。
【0059】
また、本実施形態においては、センサ窓天面板52の上面52aには、操作情報521aが設けられ、操作情報521aは、平面視で、手かざし用センサ421を構成する発光素子421a及び受光素子421bに対してずれた位置に配置される。これにより、操作情報521aは、平面視で(センサ窓天面板52を上方側から視た場合に)手かざし用センサ421と重なって配置されていないため、発光素子421aから出射された出射光が操作情報521aで遮断されずに、出射光は操作情報521aの上方でかざされた使用者の手(対象物)まで到達し、かつ、使用者の手(対象物)に当たって反射される反射光が操作情報521aで遮断されずに受光素子421bに到達する。したがって、手かざし用センサ421は手を的確に検知することができる。
【0060】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態では、センサ窓天面板52をカバー本体51の最も高い位置に配置される上面板511の上面511aの全部を覆うように配置した。しかし、カバー本体51の上部に段差や凹凸がある場合などに、カバー本体51の上部に複数の上面が存在する場合がある。このような場合には、カバー本体の上面は、最も高い位置に配置される上面に限定されない。カバー本体の上面は、手かざし用センサの上方に配置される上面であればよく、カバー本体51が複数の上面を有する場合には、カバー本体の複数の上面のうち、手かざし用センサの上方に配置される上面板の上面の全部を、上面パネル(センサ窓天面板)が覆うように配置すればよい。
【符号の説明】
【0061】
1 フラッシュバルブ装置
51 カバー本体
52 センサ窓天面板(上面パネル)
52a 上面
52b 下面
421 手かざし用センサ(センサ)
421a 発光素子(発光部)
421b 受光素子(受光部)
511 上面板
511a 上面
511b 下面
516 爪係合溝孔(孔)
521a 操作情報(表示部)
522 下面係合部(係合部)
522a 延出部
522b 下端係合爪部(爪)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7