(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】表示装置及び農業管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20120101AFI20220711BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2018087258
(22)【出願日】2018-04-27
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】中西 正洋
(72)【発明者】
【氏名】池田 直人
(72)【発明者】
【氏名】団栗 彰男
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063789(JP,A)
【文献】特開2015-049867(JP,A)
【文献】特開2004-133498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫した作物に対して行った色彩選別の選別結果を取得する選別結果取得部と、
色彩選別を行った作物を収穫した圃場を含む圃場マップを取得する圃場情報取得部と、
前記圃場マップに前記選別結果を表示する
結果表示画面を表示する表示部と、
を備え
、
前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、色彩選別を行った圃場である色選済圃場と、色彩選別を行っていない圃場である色選未圃場とを区別して表示し、
前記選別結果は、色彩選別にて良品とされた作物の重量である良品重量と、色彩選別にて不良品とされた作物の重量である不良重量と、色彩選別にて作物が不良として判別された原因を示す選別項目とを含み、
前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記不良重量から得られた不良度合いが予め定められた判定値を超えている前記色選済圃場に、前記選別結果として前記選別項目を示す図形を重ねて表示し、前記不良度合いが前記判定値以下である前記色選済圃場に、前記選別項目を示す図形を表示しない表示装置。
【請求項2】
前記結果表示画面は、前記圃場マップを表示するマップ表示部を含み、
前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記選別項目を示す図形が重ねて表示された前記色選済圃場が選択されると、前記選別結果の詳細を示す補足情報を表示する補足情報表示部を当該結果表示画面にポップアップにより表示する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記補足情報として、前記選別項目を示す図形が重ねて表示された前記色選済圃場にて収穫した作物に対して色彩選別を行った色彩選別機の情報を表示する請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は
、不良とされた圃場と、良品とされた圃場とを区別して表示する請求項1~3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記選別結果取得部は、色彩選別の選別結果を記憶している農業管理装置から前記選別結果を取得する請求項1~4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記結果表示画面に示したマップ登録ボタンが選択されると、前記圃場マップにおいて色彩選別を行った圃場に、当該色彩選別の選別結果を対応付けた色選マップを生成するマップ生成部を備え、
前記表示装置は、前記マップ生成部が生成した前記色選マップを農業管理装置に送信する請求項1~5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
収穫した作物に対して行った色彩選別の選別結果を色彩選別機から取得する結果取得部と、前記結果取得部で取得した選別結果を、前記作物を収穫した
圃場を示す圃場情報に対応付けて記憶する記憶部とを有する農業管理装置と、
前記農業管理装置に記憶した選別結果を取得する選別結果取得部と、
色彩選別を行った作物を収穫した圃場を含む圃場マップを取得する圃場情報取得部と、前記結果取得部で取得した
選別結果と前記圃場情報取得部で取得した圃場マップとを表示する
結果表示画面を表示する表示部と、を有する表示装置と、
を備え
、
前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、色彩選別を行った色選済圃場と、色彩選別を行っていない色選未圃場とを区別して表示し、
前記選別結果は、色彩選別にて良品とされた作物の重量である良品重量と、色彩選別にて不良品とされた作物の重量である不良重量と、色彩選別にて作物が不良として判別された原因を示す選別項目とを含み、
前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記不良重量から得られた不良度合いが予め定められた判定値を超えている前記色選済圃場に、前記選別結果として前記選別項目を示す図形を重ねて表示し、前記不良度合いが前記判定値以下である前記色選済圃場に、前記選別項目を示す図形を表示しない農業管理システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記農業管理装置と通信可能で且つ、前記選別結果を受信可能な通信端末に設けられている請求項7に記載の農業管理システム。
【請求項9】
複数の圃場を選択する圃場選択部と、
前記圃場選択部で選択された複数の圃場をグループとして設定するグループ設定部と、
を備え、
前記結果取得部は、前記グループ設定部で設定されたグループの作物を前記色彩選別機で処理した選別結果を集合
選別結果として取得し、
前記表示装置の前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記グループの圃場について色彩選別を行った色選済グループと、色彩選別を行っていない色選未圃場とを区別して表示し、
前記表示装置
の前記表示部は、
前記結果表示画面の前記圃場マップに
おいて、前記不良重量から得られた不良度合いが予め定められた判定値を超えている前記色選済グループに、前記集合
選別結果
として前記選別項目を示す図形を重ねて表示し、前記不良度合いが前記判定値以下である前記色選済グループに、前記選別項目を示す図形を表示しない請求項7又は8に記載の農業管理システム。
【請求項10】
前記結果取得部は、複数の集合
選別結果を取得し、
前記表示装置は、前記複数の集合
選別結果を互いに識別可能に表示する請求項9に記載の農業管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、表示装置及び農業管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
米や麦などの穀物の色彩選別機として特許文献1が知られている。特許文献1の色彩選別機は、撮像手段からの撮像情報に基づいて選別結果評価を演算する選別結果評価部と、選別結果評価部の演算した選別結果評価及び該評価に係る粒状物のその他のトレーサビリティー情報を入力されて印字するプリンタと、撮像手段により撮像された後の粒状物を容器内に封入するパッカーと、プリンタで印字された選別結果評価などのトレーサビリティー情報が特定量の粒状物の封入された容器の何れに対応するかを明確化させるための対応明確化手段と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した色彩選別機で選別した選別結果をトレーサビリティー情報と共に出力することができるものの、色彩選別の対象となった穀物と、選別結果と、圃場との関係を把握することができないのが実情である。
そこで本発明は、上記課題に鑑み、選別結果を圃場と共に簡単に確認することができる表示装置及び農業管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
表示装置は、収穫した作物に対して行った色彩選別の選別結果を取得する選別結果取得部と、色彩選別を行った作物を収穫した圃場を含む圃場マップを取得する圃場情報取得部と、前記圃場マップに前記選別結果を表示する結果表示画面を表示する表示部と、を備え、前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、色彩選別を行った圃場である色選済圃場と、色彩選別を行っていない圃場である色選未圃場とを区別して表示し、前記選別結果は、色彩選別にて良品とされた作物の重量である良品重量と、色彩選別にて不良品とされた作物の重量である不良重量と、色彩選別にて作物が不良として判別された原因を示す選別項目とを含み、前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記不良重量から得られた不良度合いが予め定められた判定値を超えている前記色選済圃場に、前記選別結果として前記選別項目を示す図形を重ねて表示し、前記不良度合いが前記判定値以下である前記色選済圃場に、前記選別項目を示す図形を表示しない。
【0006】
前記表示部は、前記結果表示画面は、前記圃場マップを表示するマップ表示部を含み、前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記選別項目を示す図形が重ねて表示された前記色選済圃場が選択されると、前記選別結果の詳細を示す補足情報を表示する補足情報表示部を当該結果表示画面にポップアップにより表示する。
前記表示部は、前記補足情報として、前記選別項目を示す図形が重ねて表示された前記色選済圃場にて収穫した作物に対して色彩選別を行った色彩選別機の情報を表示する。
前記表示部は、不良とされた圃場と、良品とされた圃場とを区別して表示する。
前記選別結果取得部は、色彩選別の選別結果を記憶している農業管理装置から前記選別結果を取得する。
【0007】
前記表示装置は、前記結果表示画面に示したマップ登録ボタンが選択されると、前記圃場マップにおいて色彩選別を行った圃場に、当該色彩選別の選別結果を対応付けた色選マップを生成するマップ生成部を備え、前記マップ生成部が生成した前記色選マップを農業管理装置に送信する。
農業管理システムは、収穫した作物に対して行った色彩選別の選別結果を色彩選別機から取得する結果取得部と、前記結果取得部で取得した選別結果を、前記作物を収穫した圃場を示す圃場情報に対応付けて記憶する記憶部とを有する農業管理装置と、前記農業管理装置に記憶した選別結果を取得する選別結果取得部と、色彩選別を行った作物を収穫した圃場を含む圃場マップを取得する圃場情報取得部と、前記結果取得部で取得した選別結果と前記圃場情報取得部で取得した圃場マップとを表示する結果表示画面を表示する表示部と、を有する表示装置と、を備え、前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、色彩選別を行った色選済圃場と、色彩選別を行っていない色選未圃場とを区別して表示し、前記選別結果は、色彩選別にて良品とされた作物の重量である良品重量と、色彩選別にて不良品とされた作物の重量である不良重量と、色彩選別にて作物が不良として判別された原因を示す選別項目とを含み、前記表示部は、前記結果表示画面の前記圃場マップにおいて、前記不良重量から得られた不良度合いが予め定められた判定値を超えている前記色選済圃場に、前記選別結果として前記選別項目を示す図形を重ねて表示し、前記不良度合いが前記判定値以下である前記色選済圃場に、前記選別項目を示す図形を表示しない。
【0008】
前記表示装置は、前記農業管理装置と通信可能で且つ、前記選別結果を受信可能な通信端末に設けられている。
農業管理システムは、前記複数の圃場を選択する圃場選択部と、前記圃場選択部で選択された複数の圃場をグループとして設定するグループ設定部と、を備え、前記結果取得部は、前記グループ設定部で設定されたグループの作物を前記色彩選別機で処理した選別結果を集合処理結果として取得し、前記表示装置は、前記圃場マップに前記集合処理結果を表示する。
【0009】
前記結果取得部は、複数の集合処理結果を取得し、前記表示装置は、前記複数の集合処理結果を互いに識別可能に表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、選別結果を圃場と共に簡単に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図5A】処理結果(処理結果情報)を示す図である。
【
図6】管理情報KIと処理との関係を示す図である。
【
図8】色選済圃場における選別結果の一例を示す図である。
【
図10A】複数の圃場をグループに設定した一例を示す図である。
【
図11】グループ化後の管理情報KSと処理との関係を示す図である。
【
図13】結果表示画面M4の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、農業管理システムの概略図を示している。農業管理システムは、野菜類、籾(米)、麦、粟、稗、そば、豆類等の穀物、いも類、種類等の作物を作付する農業を管理するシステムである。
農業管理システムは、農業管理装置10を含んでいる。農業管理装置10は、作物を処理する処理設備に関する情報を取得可能である。この実施形態では、処理設備は穀物を処理する穀物処理設備である。
【0013】
まず、穀物処理設備について説明する。
図2に示すように、穀物処理設備は、複数の処理機61を備えている。複数の処理機61は、例えば、荷受機61a、乾燥機61b、放冷タンク61c、籾摺機61d、色彩選別機61e、計量器61fを含んでいる。荷受機61a、乾燥機61b、放冷タンク61c、籾摺機61d、色彩選別機61e、計量器61fのそれぞれは、ローカルネットワーク等の内部ネットワークにより接続されている。なお、穀物処理設備は、荷受機61a、乾燥機61b、放冷タンク61c、籾摺機61d、色彩選別機61e、計量器61fのいずれかを備えていればよく、全てを備えていなくてもよい。
【0014】
荷受け機61aは、穀物を受け入れる装置である。荷受け機61aは、穀物を受ける荷受部81と、荷受部81に入れられた穀物を搬送する搬送部82とを備えている。荷受け機61aでは、荷受部81で穀物を受け入れると、当該荷受け部81で受けた穀物を、搬送部82を介して乾燥機61bに搬送する。
乾燥機61bは、穀物を乾燥する装置である。この乾燥機61bは、穀物(籾)を投入する投入口62と、穀物を一時的に貯留する貯留部63と、貯留部63で貯留された穀物が供給されて当該供給された穀物を乾燥する乾燥部64と、循環部65と、制御装置66aとを有している。循環部65は、投入口62に投入された穀物を貯留部63に運搬したり、乾燥部64で乾燥した穀物を再び貯留部63に戻す機構である。
【0015】
制御装置66aは、乾燥機61bを制御する装置であって、乾燥終了後の穀物の水分量やタンパク量が予め設定された目標値となるように、乾燥部64の乾燥温度や循環部65の循環速度等を制御する。また、制御装置66aは、例えば、乾燥機61bの状態を示すステータス(張り込み中、乾燥中、停止中等)、乾燥機61b内の穀物の水分含有量、乾燥機61bの穀物のタンパク含有量、放冷タンク61cの張込先等を出力する。
【0016】
したがって、乾燥機61bによれば、荷受機61aによって搬送された穀物が投入口62に入れられ(張り込まれ)、張り込まれた穀物を貯留部63で一時的に貯留しながら乾燥部64に供給することで、当該乾燥部64で乾燥することができる。また、乾燥部64で乾燥した穀物を貯留部63に戻すことによって、穀物を循環させながら乾燥することができる。
【0017】
放冷タンク61cは、乾燥機61bで乾燥した穀物を所定時間に貯留することで放冷するタンクである。籾摺機61dは、放冷タンク61cで放冷した穀物の籾摺りを行う装置である。
色彩選別機61eは、籾摺り後の穀物等の色彩選別(色選又は選別という)、即ち、穀物等を色彩判定によって良品と不良品に選別するための装置である。ホッパー67に投入された穀物は、色彩選別機61e内で良品と不良品に選別される。選別された穀物は、良品は良品排出口69から、不良品は不良品排出口70から排出される。
【0018】
色彩選別機61eは、
図2、3に示すように選別のための部材として、シュート71と、照明器72と、カメラ73(73a,73b,73c)と、撮影背景74(74a,74b,74c)と、遮光板75と、インジェクタ76と、制御装置66bとを有している。ホッパー67に投入された穀物は、色彩選別機61e内をシュート71まで流れる。シュート71は穀物を一列に整列し、落下させる部材である。カメラ73は、落下中の穀物を撮影する装置である。カメラ73aは位置Aで穀物の表側を、カメラ73bは位置Aで穀物の裏側を、カメラ73cは位置Bで穀物の透過度を撮影する。インジェクタ76は、色選結果(撮影画像)に基づいて、不良とされた穀物を不良品排出口70へと吹き飛ばして分別する。
【0019】
制御装置66bは、色彩選別機61eを制御する装置であって、例えば、カメラ73で撮影した穀物の画像から穀物の色が不良であるか否かを判別する。即ち、制御装置66bは、撮影した穀物の画像の色に基づいて、カメムシの被害米や着色米を検出し、これらに該当する穀物は不良であると判別する。制御装置66bは穀物が不良であると判定した場合には、インジェクタ76に不良の穀物を吹き飛ばす指令を出力する。
【0020】
制御装置66bは、作業者の操作パネル68への入力によって色彩選別機61eに設定された感度設定値を元に撮影画像の判定を行う。具体的には、色彩選別機61eには、選別する目的に応じて、選別を重視する複数の選別項目が割り当てられている。例えば、複数の選別項目は、カメムシの被害米を選別するための「カメムシ」、ヤケ米を選別するための「ヤケ米」、ガラス等の異物を選別するための「ガラス」、乳白・シラタもみを選別するための「乳白シラタもみ」の項目を含んでいる。選別項目のそれぞれでは、選別の判定方法、例えば、判定に用いるピクセル数等が異なっている。また、色彩選別機61eでは、カメラ73a、73b、73cで撮像した撮像画像において、所定範囲における明るさの大小によって、色彩選別を行っていて、選別項目毎に明るさの上下限値(閾値)が割り当てられている。つまり、感度設定値とは、予め色彩選別機61eに割り当てられた選別項目の明るさの閾値であり、感度設定値を変化させることで、選別の調整を行うことができる。なお、上述した選別項目は一例であり限定されない。
【0021】
また、制御装置66bは、例えば、ステータス(色選中、色選完了、停止中、電源OFF)等を出力する。
計量器61fは、色選などが行われた後の穀物の計量を行うもので、穀物を入れるホッパー77と、ホッパー77の下部に設けられた台座78と、計量部79と、制御装置66cとを有している。ホッパー77は、穀物を入れる容器であり、台座78は、穀物を入れる収容部材80を置く台である。収容部材80は、フレコンやコンテナ等である。計量部79は、収容部材80に入れられた穀物の重量を測定する装置である。制御装置66cは、計量器61fを制御する装置であって、計量結果、計量開始、計量終了等に関する処理を行う。また、制御装置66cは、例えば、出荷量、袋詰数、袋詰量、計量開始時間、計量終了時間等を出力する。
【0022】
図1に示すように、農業管理装置10は、穀物処理設備の外部に設けられている。即ち、穀物処理設備と農業管理装置10は外部ネットワークを介して接続されている。なお、農業管理装置10は穀物処理設備内部に設けられ、内部ネットワークにより接続されていてもよい。農業管理装置10には、通信端末40の端末が接続可能である。通信端末40は、パーソナルコンピュータ等の固定端末、タブレット、スマートフォン、PDA等の携帯端末である。
【0023】
通信端末40が農業管理装置10に接続すると、当該農業管理装置10は通信端末40に穀物処理設備の様々な情報を表示する。
図1に示すように、農業管理装置10は、記憶部11と、処理情報取得部12を備えている。記憶部11は、不揮発性のメモリ等である。処理情報取得部12は、農業管理装置10に設けられた電気・電子部品、農業管理装
置10に格納されたプログラム等で構成されている。処理情報取得部12は、処理機61から処理情報を取得する。
【0024】
図4は、穀物処理設備の様々な情報を通信端末40に表示した管理画面M1を示している。
以下、管理画面M1に示す処理情報の表示及び取得について詳しく説明する。なお、
図4に示した管理画面M1は一例であり限定されない。
管理画面M1は、荷受表示部51aと、乾燥表示部51bと、放冷表示部51cと、色選表示部51dと、計量器表示部51eとを有している。
【0025】
荷受表示部51aは、穀物の荷受けに関する情報(荷受情報)を表示する。荷受情報は、例えば、コンバイン等で収穫した穀物を収容するフレコン、コンテナ等の収容器85(
図2参照)を識別する収容識別情報を含んでいる。収容識別情報は、収容器85の名称、例えば、「コンテナ01」、「コンテナ02」等である。また、荷受表示部51aは、荷受時間(登録日時)、穀物の重量(収量)、穀物の水分含有量、穀物のタンパク含有量、穀物を収穫した圃場情報、穀物の張り込み先(張込先)等を表示する。
【0026】
例えば、収容器85が穀物処理設備に搬入された場合、当該穀物処理設備に設けられた測定装置86を用いて、収容器85に入れられた穀物の重量(収量)、水分含有量及びタンパク含有量を測定する。測定装置86で測定された重量(収量)、水分含有量及びタンパク含有量は、収容識別情報と共に農業管理装置10に送信される。また、作業者は、収容器85の穀物処理設備への搬入時等に、荷受時間、張込先、圃場情報の荷受情報を通信端末40に入力して、当該入力した荷受情報を農業管理装置10に送信する。農業管理装置10の処理情報取得部12は、収容器85の穀物処理設備への搬入時等に得られた穀物の重量(収量)、水分含有量、タンパク含有量、荷受時間、張込先、圃場情報等の荷受情報を取得し、取得した荷受情報を記憶部11に記憶させる。また、農業管理装置10は、記憶部11に記憶された荷受情報を管理画面M1に表示する。
【0027】
乾燥表示部51bは、穀物の乾燥に関する情報(乾燥情報)を表示する。乾燥表示部51bは、例えば、穀物処理設備に設置された乾燥機61bを識別する乾燥識別情報を表示する。乾燥識別情報は、1号機、2号機等の乾燥機61bの名称等である。
また、乾燥表示部51bは、乾燥機61bに張り込まれた穀物の張込量、乾燥機61bに張り込み可能な残容量、ステータス、穀物の水分含有量、穀物のタンパク含有量、放冷タンク61cの張込先等の乾燥情報も表示する。
【0028】
例えば、農業管理装置10の処理情報取得部12は、穀物の張込量、残容量、ステータス、穀物の水分含有量、穀物のタンパク含有量、放冷タンク61cの張込先を制御装置66aから取得する。そして、処理情報取得部12は、制御装置66aから取得した穀物の張込量、残容量、ステータス、穀物の水分含有量、穀物のタンパク含有量、放冷タンク61cの張込先を記憶部11に記憶させる。また、農業管理装置10は、管理画面M1を表示する場合に、記憶部11に記憶された乾燥情報を抽出して、
図4に示すように、管理画面M1に表示する。
【0029】
放冷表示部51cは、穀物の放冷(冷却)に関する情報(放冷情報)を表示する。放冷表示部51cは、例えば、穀物処理設備に設置された放冷タンク61cを識別するタンク識別情報を表示する。タンク識別情報は、放冷1号、放冷2号等の放冷タンク61cの名称等である。
また、放冷表示部51cは、放冷タンク61cに入れられた穀物の乾燥換算量、受入日時、水分含有量及びタンパク含有量等を表示する。乾燥換算量は、例えば、乾燥機61bの乾燥終了時の穀物の重量である。受入日時は、例えば、乾燥機61bの乾燥終了の日時である。放冷表示部51cに表示する水分含有量及びタンパク含有量は、乾燥機61bの乾燥終了時の穀物の水分含有量及びタンパク含有量である。
【0030】
例えば、農業管理装置10の処理情報取得部12は、乾燥換算量、受入日時、水分含有量及びタンパク含有量を制御装置66aから取得する。そして、処理情報取得部12は、制御装置66aから取得した乾燥換算量、受入日時、水分含有量及びタンパク含有量を記憶部11に記憶させる。また、農業管理装置10は、管理画面M1を表示する場合に、記憶部11に記憶された放冷情報を抽出して、
図4に示すように、管理画面M1に表示する。
【0031】
色選表示部51dは、穀物の色彩選別に関する情報(色彩選別情報)を表示する。色選表示部51dは、例えば、穀物処理設備に設置された色彩選別機61eを識別する色選機識別情報を表示する。色選機識別情報は、色選01、色選02号等の色彩選別機61eの名称等である。
また、色選表示部51dは、ステータス、圃場情報、色彩選別機61eから排出した穀物の排出先等の色彩選別情報も表示する。例えば、農業管理装置10の処理情報取得部12は、ステータスを制御装置66bから取得する。そして、処理情報取得部12は、制御装置66bから取得したステータスを記憶部11に記憶する。また、農業管理装置10は、管理画面M1を表示する場合に、記憶部11に記憶されたステータスを抽出して、
図4に示すように、管理画面M1に表示する。
【0032】
計量器表示部51eは、穀物の計量に関する情報(計量情報)を表示する。計量器表示部51eは、例えば、計量器61fで計量された穀物を入れる容器を識別する容器識別情報を表示する。容器識別情報は、「フレコン76」、「個袋77」号等の容器の名称等である。
計量器表示部51eは、出荷量、袋詰数、袋詰量等の計量情報も表示する。例えば、農業管理装置10の処理情報取得部12は、出荷量、袋詰数、袋詰量等を制御装置66cから取得する。そして、処理情報取得部12は、制御装置66cから取得した出荷量、袋詰数、袋詰量を記憶部11に記憶する。また、農業管理装置10は、管理画面M1を表示する場合に、記憶部11に記憶された出荷量、袋詰数、袋詰量を抽出して、
図4に示すように、管理画面M1に表示する。
【0033】
以上によれば、農業管理装置10は、荷受情報、乾燥情報、放冷情報、色彩情報、計量情報を、ネットワーク等を介して取得して、管理画面M1に表示することができる。なお、上述した実施形態では、農業管理装置10は、荷受情報、乾燥情報、放冷情報、色彩情報、計量情報を取得した場合に記憶部11に記憶してから、管理画面M1に表示していたが、記憶部11の記憶を経てから管理画面M1に表示する必要はなく、記憶部11に記憶する前に表示してもよい。この場合も、処理情報取得部12は、荷受情報、乾燥情報、放冷情報、色彩情報、計量情報を取得した場合に記憶部11に記憶させる。
【0034】
さて、農業管理装置10は、上述したように処理機61の様々な情報を取得可能しているが、処理機61で処理を行った処理結果を取得することが可能である。処理情報取得部12は、結果取得部12Aを有している。
図5Aは、結果取得部12Aが取得した処理結果(処理結果情報)を示している。
図5Aに示すように、結果取得部12Aは、乾燥機61bによる乾燥が終了すると、処理結果の1つである乾燥結果として、乾燥機61bの乾燥終了後の穀物の水分含有量、穀物のタンパク含有量、穀物の重量(乾燥換算量)を制御装置66aから取得する。また、結果取得部12Aは、色彩選別機61eによる色彩選別が終了すると、処理結果の1つである色彩選別の選別結果として、良品の重量(良品重量)、不良の重量(不良重量)を、選別項目に対応して取得する。例えば、色彩選別機61eに、良品重量、不良重量等を計測する計測装置が設けられている場合、結果取得部12Aは、色彩選別後に計測装置90で計測した良品重量、不良重量を制御装置66bから色選項目に対応付けて取得する。
【0035】
また、色彩選別機61eと計測装置90とが別体になっている場合、結果取得部12Aは、計測装置90が計測した良品重量、不良重量を当該計測装置90から取得すると共に、制御装置66bから選別項目を取得して、良品重量、不良重量と選別項目とを対応付ける。
結果取得部12Aは、処理結果を取得すると、処理結果(乾燥終了後の穀物の水分含有量及び穀物のタンパク含有量、乾燥換算量、良品重量、不良重量、選別項目)を圃場情報に対応付けて記憶部11に記憶する。記憶部11は、
図5Bに示すように、乾燥結果(水分含有量、穀物のタンパク含有量、乾燥換算量)と、乾燥処理を行った穀物を収穫した圃場を示す圃場情報(圃場の名称、緯度、経度等)を関連付けて記憶する。また、記憶部11は、
図5Bに示すように、例えば、色彩選別の選別結果(良品重量、不良重量、選別項目)と、色彩選別を行った穀物を収穫した圃場を示す圃場情報を関連付けて記憶する。
【0036】
ここで、乾燥処理を行った穀物を収穫した圃場(乾燥済圃場)、色彩選別を行った穀物を収穫した圃場(色選済圃場)は、予め荷受け時に農業管理装置10が発行した穀物処理設備の管理情報KIにより把握することができる。
例えば、
図6に示すように、穀物が荷受機61aにて荷受けした際に、荷受時間、張込先、圃場情報等の荷受情報を処理情報取得部12が取得すると、農業管理装置10は、穀物処理設備の管理情報KIを発行する(S1)。管理情報KIは、圃場情報を含む荷受情報MIに関連付けられていて、処理が進むごとに、他の情報と関連付けを行う。
【0037】
荷受機61aから乾燥機61bへと処理が移行する際(乾燥処理の際)において、管理情報KIは乾燥機61bにおいて管理される乾燥情報に関連付けられる(S2)。したがって、乾燥情報に管理情報KIが対応付けられていることから、乾燥処理を行っている穀物がどの圃場で収穫されたものか、即ち、乾燥済圃場を管理情報KIから特定することができる。
【0038】
同様に、農業管理装置10は、例えば、乾燥機61bによって穀物の乾燥処理が終了し、放冷タンク61cの放冷処理に移行すると、管理情報KIが放冷タンク61cにおいて管理される放冷情報HIに関連付けられる(S3)。また、放冷タンク61cの処理が終了後、色彩選別の処理が行われる場合に、管理情報KIが色彩選別情報SIに関連付けられる(S4)。したがって、色彩選別情報に管理情報KIが対応付けられていることから、色彩選別を行っている穀物がどの圃場で収穫されたものか、即ち、色選済圃場を管理情報KIから特定することができる。
【0039】
つまり、農業管理装置10は、各処理機61における処理において、管理情報KIと処理で用いられる情報とを関連付けることから、各処理機61での処理において、どの圃場で収穫された穀物であるかを把握することができる。
農業管理装置10は、圃場情報取得部13Aと、表示制御部14と備えている。圃場情報取得部13A及び表示制御部14は、農業管理装置10に設けられた電気・電子部品、農業管理装置10に格納されたプログラム等で構成されている。
【0040】
圃場情報取得部13Aは、圃場等の地図を提供している地図提供会社のサーバ等に接続を行い。地図提供会社から圃場の位置情報(緯度、経度)及び圃場形状を含む圃場マップを取得する。或いは、圃場情報取得部13Aは、通信端末40等で作成した圃場マップを、当該通信端末40に接続することによって取得する。圃場情報取得部13Aが取得した圃場マップは、記憶部11等にデータベースとして記憶する。表示制御部14は、結果取得部12Aで取得した処理結果と、圃場情報取得部13Aで取得した圃場マップとを通信端末40に表示させる。
【0041】
まず、通信端末40について説明する。
図1に示すように、通信端末40は、圃場情報取得部13Bを有している。圃場情報取得部13Bは、通信端末40に設けられた電気・電子部品、通信端末40に格納されたプログラム等で構成されている。圃場情報取得部13Bは、地図提供会社のサーバ等に接続を行い。地図提供会社から圃場の位置情報(緯度、経度)及び圃場形状を含む圃場マップH1を取得する。或いは、圃場情報取得部13Bは、通信端末40等で作成した圃場マップH1を取得したり、農業管理装置10に接続して当該農業管理装置10が有する圃場マップH1を取得する。圃場情報取得部13Bが取得した圃場マップH1は、通信端末40に設けられた記憶部41等にデータベースとして記憶する。
【0042】
通信端末40は、表示装置42を含んでいる。表示装置42は、表示部43と、選別結果取得部44とを有している。表示部43は、様々な情報を表示する部材であって、例えば、液晶パネル、有機ELパネル等で構成されている。選別結果取得部44は、表示装置42に設けられた電気・電子部品、農業管理装置10に格納されたプログラム等で構成されている。
【0043】
通信端末40を農業管理装置10に接続して、所定の操作を行うと、選別結果取得部44は、農業管理装置10に対して色彩選別の選別結果を要求する。農業管理装置10は、色彩選別の選別結果の要求があると、結果取得部12Aが色彩選別機61e等から取得した色彩選別の選別結果(記憶部11に記憶した選別結果)を、圃場情報と共に、選別結果を要求した通信端末40に送信する。
【0044】
表示装置42の表示部43は、通信端末40が選別結果を受信すると、選別結果を表示する。即ち、表示部43による圃場マップH1の表示制御は、表示制御部14等が行う。
例えば、通信端末40が色彩選別の選別結果の要求を農業管理装置10に行った場合、表示制御部14は、表示部43に
図7に示すような結果表示画面M2を表示させる。結果表示画面M2は、圃場情報取得部13Bが取得した圃場マップH1に、選別結果を表示する画面である。結果表示画面M2は、圃場マップH1を表示するマップ表示部100と、マップ表示部100に表示した内容に関して補足情報を表示する補足情報表示部101とを含んでいる。
【0045】
表示部43は、通信端末40が選別結果及び圃場情報を受信後、当該選別結果と共に受信した圃場情報を参照して、色彩選別を行った穀物を収穫した圃場を含む圃場マップH1をマップ表示部100に表示する。表示部43は、マップ表示部100に示す圃場マップH1において、圃場の畦等の境界を表示すると共に、圃場と農道や道路を区別して表示する。
【0046】
また、表示部43(表示制御部14)は、マップ表示部100に表示した圃場マップH1において色彩選別を行った圃場(色選済圃場)H11に、当該色彩選別の選別結果を重ねて表示する。
例えば、
図7に示すように、表示部43は、マップ表示部100において、色選済圃場H11と、色彩選別を行っていない圃場(色選未圃場)H12とを区別して表示する。例えば、表示部43は、色選済圃場H11の境界を強調して表現をしたり、色選済圃場H11の全体を色選未圃場H12と異なる色で表示する。
【0047】
また、表示部43は、色選済圃場H11において、不良重量から得られた不良度合いが予め定められた値(判定値)よりも大きい色選済圃場H11に対して、穀物が不良として判別された原因、例えば、選別項目(カメムシ、ヤケ米、ガラス、乳白・シラタもみ)を示す図形55を表示する。判定値は、絶対重量であってもよいし、圃場面積当たりの不良重量の割合(不良度合い=不良重量/圃場面積)であってもよい、その他の値から求められてもよい。
【0048】
図8は、色選済圃場H11と、選別結果との一例を示している。圃場Aで収穫された穀物に対しては、カメムシを選択項目で色彩選別を行っている。圃場Aの穀物は、不良重量から得られた不良度合いが判定値以下であるため、圃場Aに対応する色選済圃場H11に図形55は表示されていない。一方、圃場B、C、D、Gは、いずれも不良重量から得られた不良度合いが判定値を超えているため、それぞれの色選済圃場H11に図形55が表示される。ここで、色選済圃場H11において、不良度合いが高く図形55が表示されている色選済圃場H11を選択すると、補足情報表示部101がポップアップにより表示され、当該補足情報表示部101に選別結果の詳細が表示される。
【0049】
したがって、通信端末40(表示装置42)によれば、選別結果取得部44と、圃場情報取得部13Bと、表示部43とを備えている。これによれば、色彩選別機61eで行った選別結果を圃場マップH1上に表示されるため、圃場マップH1上で選別結果を簡単に把握することができる。
表示部43は、圃場マップH1において色彩選別を行った色選済圃場H11に、当該色彩選別の選別結果を重ねて表示する。これによれば、複数の色選済圃場H11を表示している場合、それぞれの色選済圃場H11において選別結果がどうであかったかを簡単に把握することができる。例えば、作業者は、複数の圃場のなかで、比較的、不良米が発生しやすい圃場を把握したり、逆に、良品米が発生しやすい圃場を把握することができる。
【0050】
表示部43は、選別結果として作物が不良として判別された原因を表示する。このため、例えば、作業者は、色彩選別が終了した色選済圃場H11において、カメムシ、ヤケ米、ガラス、乳白・シラタもみ等の原因を圃場単位で把握することができる。
また、表示装置42は、マップ生成部45を備えていてもよい。マップ生成部45は、表示装置42に設けられた電気・電子部品、表示装置42に格納されたプログラム等で構成されている。マップ生成部45は、圃場マップH1において色彩選別を行った圃場に、当該色彩選別の選別結果を対応付けた色選マップを生成する。例えば、結果表示画面M2に示したマップ登録ボタン46が選択されると、表示装置42は、結果表示画面M2に示した圃場マップH1と図形55とを対応させた色選マップを生成する。つまり、表示装置42は、圃場形状のみを示す圃場マップH1に図形55を付与することで構成した色選マップのデータを生成する。マップ生成部45によって生成した色選マップは、農業管理装置10に送信したり、記憶部41に記憶することができる。
【0051】
また、農業管理装置10によれば、結果取得部12Aと、圃場情報取得部13Aと、表示制御部14とを備えている。これによれば、結果取得部12Aによって処理設備で行った処理結果と圃場マップH1とを取得することができ、取得した処理結果と、圃場マップH1とを通信端末40に表示させることができる。例えば、作業者は、処理設備で行った処理結果を圃場に対応して把握することができ、少なくとも収穫後の穀物等に対して処理を行った結果を、圃場と合わせて把握することができる。
【0052】
なお、上述した実施形態では、通信端末40と表示装置42とが一体化されていたが、当該表示装置42は、通信端末40とは別体に構成されたものであってもよい。また、表示装置42を別体に構成した場合は、例えば、トラクタ、コンバイン、田植機、色彩選別機61eに当該表示装置42を設けてもよい。また、表示装置42は、例えば、SDカード、USBメモリなどの電子記憶媒体を介して色彩選別の選別結果、圃場マップH1を取得する構成であってもよい。この場合、表示装置42は、少なくとも圃場マップH1及び色彩選別の選別結果を記憶する記憶部41を有していることが好ましい。
【0053】
上述した実施形態では、圃場毎に処理結果を示していたが、複数の圃場の処理結果を1括りとして表示してもよい。以下、複数の圃場の処理結果を一括りとして表示する変形例について説明する。
図1に示すように、農業管理装置10は、圃場選択部15と、グループ設定部16とを備えている。圃場選択部15及びグループ設定部16は、農業管理装置10に設けられた電気・電子部品、農業管理装
置10に格納されたプログラム等で構成されている。
【0054】
圃場選択部15は、複数の圃場を選択する。通信端末40が農業管理装置10に接続して所定の操作を行うと、
図9に示すように、圃場選択画面M3を表示する。圃場選択画面M3は、圃場マップH1を表示するマップ表示部110と、乾燥機61bに張り込まれた張込量を図形等で示す張込表示部111とを含んでいる。張込表示部111には、乾燥機61bに張り込むことが可能な張込最大値と、現状の張込量をバー等で示す図形56とが示されている。
【0055】
グループ設定部16は、圃場選択部15で選択された複数の圃場をグループとして設定する。マップ表示部110に表示された複数の圃場のうち所定の圃場が選択されると、圃場選択部15は、マップ表示部110において所定の圃場が選択される毎に、選択された圃場情報を保持する。例えば、圃場選択画面M3に示すように、圃場A、圃場B、圃場Cが選択されると、圃場選択部15は、選択された圃場A、圃場B、圃場Cの圃場情報を保持する。圃場選択画面M3において、決定ボタン112が選択されると、グループ設定部16は、圃場選択部15で保持された複数の圃場をグループとして設定する。例えば、圃場A、圃場B、圃場Cを選択後に決定ボタン112が選択されると、
図10Aに示すように、グループ設定部16は、圃場A、圃場B、圃場Cを1つのグループとして設定される。
【0056】
上述したように、複数の圃場が選択された場合、張込表示部111には、複数の圃場の収穫量を合計した総収穫量が乾燥機61bに張り込まれる張込量に設定される。上述したように、圃場A、圃場B、圃場Cが選択されると、
図9に示すように、圃場A、圃場B、圃場Cの収穫量が乾燥機61bに張り込まれる張込量に設定され、張込量に応じて張込表示部111が変化する。
【0057】
そして、乾燥機61bの乾燥処理及び、乾燥機61b以降の処理では、グループ設定部16で設定されたグループ単位で処理がすすられる。つまり、複数の圃場A、圃場B、圃場Cが設定された場合、新たな管理情報KSが各処理に適用される。例えば、乾燥機61bの乾燥処理では、
図11に示すように、管理情報KSによる管理が進められ、穀物の乾燥処理が終了し、放冷タンク61cに処理に移行すると、管理情報KSと放冷情報HIとを関連付け、放冷タンク61cの処理が終了後には、管理情報KSと色彩選別情報SIとが関連付けられる。このように、農業管理装置10は、管理情報KSによって、グループ単位の圃場情報が各処理機61にて行うごとに、処理対象である穀物と関連付けられることから、圃場A、圃場B、圃場Cで収穫された穀物の処理が管理されることになる。
【0058】
つまり、グループ設定部16は、穀物の作付けの段階で複数の圃場に分かれていた範囲を、圃場選択部15による選択に応じて、少なくとも2つ以上の圃場が合わさった新たな範囲に設定して、新たな範囲を1つのグループに決定し、グループ単位で以降の処理を進める。
変形例の場合、結果取得部12Aは、グループ設定部16で設定されたグループの穀物の処理結果を集合処理結果として取得する。結果取得部12Aは、例えば、
図10Bに示すように、圃場A、圃場B、圃場Cの処理結果を集合処理結果として取得する。
【0059】
例えば、結果取得部12Aは、圃場A、圃場B、圃場Cの穀物を乾燥した乾燥機61bの乾燥終了後、穀物の水分含有量、穀物のタンパク含有量、穀物の重量(乾燥換算量)を集合乾燥結果(集合処理結果)として制御装置66aから取得する。また、結果取得部12Aは、圃場A、圃場B、圃場Cの穀物を色彩選別した色彩選別機61eの色彩選別の終了後、良品の重量(良品重量)、不良の重量(不良重量)及び色選項目を、集合選別結果(集合処理結果)として取得する。
【0060】
結果取得部12Aは、集合処理結果(集合乾燥結果、集合選別結果)を取得すると、集合処理結果(乾燥終了後の穀物の水分含有量及び穀物のタンパク含有量、乾燥換算量、良品重量、不良重量、選別項目)を圃場A、圃場B及び圃場Cの圃場情報に対応付けて記憶部11に記憶する。
通信端末40を農業管理装置10に接続して、所定の操作を行うと、
図12に示すように、表示装置42に結果表示画面M4が表示される。上述した実施形態と同様に、結果表示画面M4による処理は、表示制御部14等により行う。
【0061】
表示装置42に結果表示画面M4を表示させる際、通信端末40(表示装置42)の選別結果取得部44は、農業管理装置10に対して色彩選別の選別結果を要求し、農業管理装置10は、集合選別結果を通信端末40(表示装置42)に送信する。表示装置42の表示部43は、通信端末40が集合選別を受信すると、集合選別結果を結果表示画面M4に表示する。
【0062】
例えば、表示装置42は、通信端末40が集合選別結果及び圃場情報を受信後、当該集合選別結果と共に受信した圃場情報を参照して、圃場A、圃場B、圃場Cを1グループとして、色選済グループH21として、マップ表示部110に表示する。また、表示部43(表示制御部14)は、マップ表示部110に表示した圃場マップH1において、色選済グループH21に、当該集合選別結果を重ねて表示する。
【0063】
例えば、
図12に示すように、表示部43は、マップ表示部110において、色選済グループH21と、色彩選別を行っていない圃場(色選未圃場)H12とを区別して表示する。また、表示部43は、色選済グループH21において、不良重量から得られた不良度合いが予め定められた値(判定値)よりも大きい色選済グループH21に対して、穀物が不良として判別された原因、例えば、選別項目(カメムシ、ヤケ米、ガラス、乳白・シラタもみ)を示す図形55を表示する。
【0064】
図10Bは、色選済グループH21と、選別結果との一例を示している。第2グループV2では、ヤケ米を選択項目で色彩選別を行ったものの、不良重量から得られた不良度合いが判定値以下であるため、
図12に示すように、第2グループV2に図形55は表示されていない。一方、第1グループV1、第3グループV3は、いずれも不良重量から得られた不良度合いが判定値を超えているため、第1グループV1及び第3グループV3に図形55が表示される。なお、第1グループV1及び第3グループV3の図形55を選択すると、補足情報表示部101をポップアップして、補足情報表示部101に選別結果の詳細を表示してもよい。
【0065】
上述した実施形態では、色彩選別の選別結果を表示していたが、乾燥機61bの乾燥結果、集合処理結果を圃場マップに表示してもよい。
図13は、乾燥結果を表示した例を示している。
通信端末40を農業管理装置10に接続して、所定の操作を行うと、
図13に示すように、表示装置42に結果表示画面M4が表示される。上述した実施形態と同様に、結果表示画面M4による処理は、表示制御部14等により行う。
【0066】
表示装置42に結果表示画面M4を表示させる際、通信端末40(表示装置42)は、農業管理装置10に対して乾燥結果を要求し、農業管理装置10は、集合乾燥結果を通信端末40(表示装置42)に送信する。表示装置42の表示部43は、通信端末40が集合乾燥結果を受信すると、集合乾燥結果を結果表示画面M4に表示する。
例えば、表示装置42は、通信端末40が集合乾燥結果及び圃場情報を受信後、当該集合乾燥結果と共に受信した圃場情報を参照して、圃場A、圃場B、圃場Cを1グループとして、乾燥済グループH22として、マップ表示部110に表示する。また、表示部43(表示制御部14)は、マップ表示部110に表示した圃場マップH1において、乾燥済グループH22に、当該集合乾燥結果を重ねて表示する。
【0067】
例えば、
図13に示すように、表示部43は、マップ表示部110において、乾燥済グループH22と、乾燥処理を行っていない圃場(色選未圃場)とを区別して表示する。また、表示部43は、乾燥済グループH22において、乾燥後の穀物の水分含有量やタンパク含有量を予め定められたランク等によって表示する。
以上によれば、農業管理装置10は、圃場選択部15と、グループ設定部16と、を備え、結果取得部12Aは、グループ設定部16で設定されたグループの作物を処理設備で処理した処理結果を集合処理結果として取得し、表示制御部14は、圃場マップに集合処理結果を通信端末40に表示させる。これによれば、処理設備において穀物を受け入れる前に、圃場単位で管理していた穀物を当該処理設備に対応させて管理することができる。即ち、穀物を管理する単位を圃場から処理設備に応じた単位に変更することができるため、穀物の処理を行い易く、処理設備における処理結果を把握しやすくすることができる。
【0068】
結果取得部12Aは、複数の集合処理結果を取得し、表示制御部14は、複数の集合処理結果を互いに識別可能に通信端末40に表示させる。これによれば、処理設備で処理した結果を当該処理設備の処理単位で把握することができる。
処理設備は、作物を色彩選別する色彩選別機61eとを有し、結果取得部12Aは、グループの作物を色彩選別機61eで色彩選別したときの処理結果である色彩選別を集合選別結果として取得し、表示制御部14は、通信端末40に表示した圃場マップに集合選別結果を表示させる。これによれば、色彩選別機61eで色彩選別をした結果を、圃場マップを通して確認することができ、グループ化した後も圃場との関係を把握することができる。
【0069】
処理設備は、作物を乾燥する乾燥機61bを有し、結果取得部12Aは、グループの作物を乾燥機61bで乾燥したときの処理結果である乾燥結果を集合乾燥結果として取得し、表示制御部14は、通信端末40に表示した圃場マップに集合乾燥結果を表示させる。これによれば、乾燥機61bで乾燥処理をした結果を、圃場マップを通して確認することができ、グループ化した後も圃場との関係を把握することができる。
【0070】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
10 農業管理装置
11 記憶部
12 処理情報取得部
12A 結果取得部
13A 圃場情報取得部
13B 圃場情報取得部
14 表示制御部
15 圃場選択部
16 グループ設定部
40 通信端末
41 記憶部
42 表示装置
43 表示部
44 選別結果取得部
45 マップ生成部
51a 荷受表示部
51b 乾燥表示部
51c 放冷表示部
51d 色選表示部
51e 計量器表示部
61a 荷受機
61b 乾燥機
80 収容部材
81 荷受部
82 搬送部
85 収容器
86 測定装置
90 計測装置
100 マップ表示部
101 補足情報表示部
110 マップ表示部
111 張込表示部