IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 一般社団法人日本収納プランナー協会の特許一覧 ▶ 株式会社収納計画の特許一覧

<>
  • 特許-住宅収納評価システム 図1
  • 特許-住宅収納評価システム 図2
  • 特許-住宅収納評価システム 図3
  • 特許-住宅収納評価システム 図4
  • 特許-住宅収納評価システム 図5
  • 特許-住宅収納評価システム 図6
  • 特許-住宅収納評価システム 図7
  • 特許-住宅収納評価システム 図8
  • 特許-住宅収納評価システム 図9
  • 特許-住宅収納評価システム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】住宅収納評価システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220711BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018123654
(22)【出願日】2018-06-28
(65)【公開番号】P2020004131
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】518231404
【氏名又は名称】一般社団法人日本収納プランナー協会
(73)【特許権者】
【識別番号】513248197
【氏名又は名称】株式会社収納計画
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100204032
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 浩之
(72)【発明者】
【氏名】平岡 さなえ
(72)【発明者】
【氏名】中野 聡
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-072575(JP,A)
【文献】特開2001-022258(JP,A)
【文献】特開2004-126746(JP,A)
【文献】特開2012-146051(JP,A)
【文献】特開2007-316979(JP,A)
【文献】特開平08-272834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅に備わる収納のユーザビリティを評価する住宅収納評価システムであって、
少なくとも過去の顧客の家族情報及び前記顧客の所有物に関する所有物情報を含む顧客関連データを前記顧客ごとにデータベース化して記憶する顧客関連データ記憶部と、
少なくとも日本の住宅における各家庭の収納必要容量に関する収納統計データをデータベース化して記憶する収納統計データ記憶部と、
前記顧客関連データ及び前記収納統計データに基づいてコンピュータで演算処理して、前記住宅の間取りに対する前記収納のユーザビリティの評価基準値を求める演算部と、を備え、
前記演算部は、
前記顧客関連データと前記収納統計データに基づいて、前記住宅の前記収納の場所に対する前記収納の量のバランスを数値で評価する収納バランス評価部と、
前記住宅の前記収納の前記場所、前記収納の前記量、及び前記収納の形から前記収納のユーザビリティを測定し、前記顧客関連データと前記収納統計データに基づいた適正値から該ユーザビリティを評価する収納ユーザビリティ評価部と、
前記収納バランス評価部及び前記収納ユーザビリティ評価部の評価結果に基づいて前記住宅の前記収納の前記評価基準値を算出する収納最終評価部と、を備えることを特徴とする住宅収納評価システム。
【請求項2】
前記収納バランス評価部は、前記住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋における前記収納の前記量が適正値であるか否かの指標となる収納バランス評価値を算出することを特徴とする請求項1に記載の住宅収納評価システム。
【請求項3】
前記収納ユーザビリティ評価部は、前記住宅の固定物、流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さに関して、複数の確認項目を確認することによって、前記適正値から減点方式で前記収納のユーザビリティの指標となる収納ユーザビリティ評価値を算出することを特徴とする請求項に記載の住宅収納評価システム。
【請求項4】
前記収納最終評価部は、前記キッチン、前記リビング・ダイニング、前記玄関、前記洗面室、前記専用収納室、前記寝室、及び前記子供部屋の前記収納バランス評価値と、前記固定物、前記流動物、前記家事動線、前記キッチンの快適さ、及び前記生活の快適さの前記収納ユーザビリティ評価値に基づいて、前記評価基準値を算出することを特徴とする請求項に記載の住宅収納評価システム。
【請求項5】
前記収納最終評価部は、前記収納バランス評価値よりも前記収納ユーザビリティ評価値の配分比率が大きくなるように、前記評価基準値を算出することを特徴とする請求項3又は4に記載の住宅収納評価システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に備わる収納のユーザビリティを評価する住宅収納評価システに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅需要者にとって、より快適な生活を送るためには、リビングやダイニング、キッチン、寝室、風呂場、洗面所等の生活空間の快適さや有用性、利便性等が重要となるが、同時に当該生活空間等に設けられるクローゼットや押し入れ、物入等の収納の確保も必要となる。特許文献1では、住宅購入者が建築予定の住宅に装備する複数の収納部位における全体的な収納量、収納形態の全体的なバランスを一目で判り易く把握できるようにするために、建築予定の住宅についての間取り図の画像データ、及び当該間取り図に図示されている複数の収納部位の識別コードデータを入力すると、建築予定の住宅の間取り図と共に、建築予定の住宅内部に造り付ける複数の収納部位についての開放状態の画像が一覧表示された仕様書を作成する収納表示システムについて開示されている。
【0003】
また、不動産を購入する住宅需要者にとっては、その状況に応じて、適切な不動産形態の候補を簡便に検索できる検索システムのニーズがある。当該ニーズに応える従来技術として、特許文献2では、住宅需要者属性データ項目と不動産商品形態分類ファイルの関連に照合基準を設定した属性照合ファイル及び限界照合ファイルを有する記憶手段と、個別住宅需要者属性データ項目を属性照合ファイルに照合して、個別住宅需要者限界データ項目を出力結果に照合することを指示する照合指示手段と、照合を演算処理する演算処理手段等を備える不動産検索システムについて開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-146051号公報
【文献】特開2002-203023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、住宅需要者が住宅を選ぶに際して、間取りや立地条件等を踏まえた住宅を検索しながら選択することは、可能であったものの、住宅に備わる収納に関しては、その使い易さや各住宅需要者のニーズに応える収納容量の確保等を踏まえて選択するためには、各物件の間取り図をその都度確認する必要があった。すなわち、住宅需要者が住宅を選ぶに際して、より快適に生活をするためにも、住宅に備わる収納の使い易さ等のユーザビリティを踏まえた選択が容易に行えるようにする要請があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、住宅に備わる収納のユーザビリティをより簡潔に評価するための評価基準を効率的に策定することの可能な、新規かつ改良された住宅収納評価システを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、住宅に備わる収納のユーザビリティを評価する住宅収納評価システムであって、少なくとも過去の顧客の家族情報及び前記顧客の所有物に関する所有物情報を含む顧客関連データを前記顧客ごとにデータベース化して記憶する顧客関連データ記憶部と、少なくとも日本の住宅における各家庭の収納必要容量に関する収納統計データをデータベース化して記憶する収納統計データ記憶部と、前記顧客関連データ及び前記収納統計データに基づいてコンピュータで演算処理して、前記住宅の間取りに対する前記収納のユーザビリティの評価基準値を求める演算部と、を備え、前記演算部は、前記顧客関連データと前記収納統計データに基づいて、前記住宅の前記収納の場所に対する前記収納の量のバランスを数値で評価する収納バランス評価部と、前記住宅の前記収納の前記場所、前記収納の前記量、及び前記収納の形から前記収納のユーザビリティを測定し、前記顧客関連データと前記収納統計データに基づいた適正値から該ユーザビリティを評価する収納ユーザビリティ評価部と、前記収納バランス評価部及び前記収納ユーザビリティ評価部の評価結果に基づいて前記住宅の前記収納の前記評価基準値を算出する収納最終評価部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様によれば、住宅の間取りから当該住宅の収納のユーザビリティを評価するための評価基準を効率的に策定することができる。
【0009】
このとき、本発明の一態様では、前記収納バランス評価部は、前記住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋における前記収納の前記量が適正値であるか否かの指標となる収納バランス評価値を算出することとしてもよい。
【0010】
このようにすれば、居住スペースにおける各部屋の収納に対する収納量の妥当性の指標となる収納バランス評価値を的確に算出することができる。
【0011】
また、本発明の一態様では、前記収納ユーザビリティ評価部は、前記住宅の固定物、流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さに関して、複数の確認項目を確認することによって、前記適正値から減点方式で前記収納のユーザビリティの指標となる収納ユーザビリティ評価値を算出することとしてもよい。
【0012】
このようにすれば、居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティの指標となる収納ユーザビリティ評価値を的確に算出することができる。
【0013】
また、本発明の一態様では、前記収納最終評価部は、前記キッチン、前記リビング・ダイニング、前記玄関、前記洗面室、前記専用収納室、前記寝室、及び前記子供部屋の前記収納バランス評価値と、前記固定物、前記流動物、前記家事動線、前記キッチンの快適さ、及び前記生活の快適さの前記収納ユーザビリティ評価値に基づいて、前記評価基準値を算出することとしてもよい。
【0014】
このようにすれば、居住スペースにおける各部屋の収納に対する収納量の妥当性と、居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティを踏まえて、より確実に住宅の収納評価における評価基準値を的確に算出することができる。
【0015】
また、本発明の一態様では、前記収納最終評価部は、前記収納バランス評価値よりも前記収納ユーザビリティ評価値の配分比率が大きくなるように、前記評価基準値を算出することとしてもよい。
【0016】
このようにすれば、居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティを優先して、より的確な住宅の収納評価における評価基準値を的確に算出することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、住宅の間取りから当該住宅に備わる収納のユーザビリティを評価するための評価基準を効率的に策定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システムに係る顧客関連データ記憶部に記憶された顧客の家族情報をデータベース化したテーブルの一例を示す説明図である。
図3】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システムに係る顧客関連データ記憶部に記憶された顧客の所有物情報をデータベース化したテーブルの一例を示す説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システムに係る収納統計データ記憶部に記憶された収納統計データをデータベース化したテーブルの一例を示す説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の概略フローを示す図である。
図6】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の確認工程で確認する住宅間取り図の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の収納バランス評価工程で使用されるバランスチャート(BALANCE CHART)の一例を示す図である。
図8】(A)は、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の収納ユーザビリティ評価工程で収納の形が考慮されるウォークインクローゼットの一例を示す平面図であり、(B)は、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の収納ユーザビリティ評価工程で収納の形が考慮される階段下収納の一例を示す斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の収納ユーザビリティ評価工程で使用されるフィットライン(FIT LINE)の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の収納最終評価工程で作成される収納評価認定書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0022】
まず、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システムの構成について、図面を使用しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システムの概略構成を示すブロック図である。
【0023】
本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システム100は、ユーザが保有するコンピュータが顧客関連データ、収納統計データを記憶するデータベースを有するデータベースサーバにアクセスして検索処理を行いながら、住宅に備わる収納のユーザビリティを評価するための評価基準を効率的に策定する。なお、本明細書中において、「ユーザ」とは、戸建てやマンション等の住宅の購入やリフォーム、賃貸物件の借り換え等をする際に引っ越しをする住宅需要者となる顧客に対して、収納アドバイス等のサービス業務を行う業者をいう。また、「コンピュータ」とは、例えば、スーパーコンピュータ、汎用コンピュータ、オフィスコンピュータ、制御用コンピュータ、パソコン、携帯情報端末等の各種演算処理が可能な演算装置を備えた情報端末装置をいう。
【0024】
本実施形態の住宅収納評価システム100は、図1に示すように、顧客関連データ記憶部104と、収納統計データ記憶部108と、CPU( Central Processing Unit )110と、入力部102と、出力部120と、通信部126と、ROM130と、RAM132と、HDD134とを備える。これらの住宅収納評価システム100に備わる構成要素は、システムバス136を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU110は、顧客関連データ記憶部104、収納統計データ記憶部108、ROM130、RAM132、HDD134へのアクセス、入力部102に対する操作状態の把握、出力部120に対するデータの出力、通信部126を介したインターネット128に対する各種情報の送受信等を行える。
【0025】
顧客関連データ記憶部104は、少なくとも顧客の家族情報及び転居前の顧客の所有物に関する所有物情報を含む顧客関連データを顧客ごとにデータベース化して記憶するデータベースサーバである。顧客関連データは、ユーザが顧客の住宅を訪問してヒアリングした際に、顧客から抽出される家族情報や所有物情報等の各種データである。顧客関連データ記憶部104で記憶される家族情報をデータベース化したテーブルの一例を図2に示す。本実施形態では、家族情報として、少なくとも顧客の家族構成員の情報、家族構成員のそれぞれの職業・身分情報、趣味情報及び予定情報を記憶する。
【0026】
顧客関連データ記憶部104には、顧客関連データとなる家族構成員の情報として、図2に示すように、顧客の家族構成員メンバー、人数、性別、年齢、職業・身分、身体的特徴情報、趣味情報、予定情報、その他特記事項が各家族構成員ごとに分けてテーブル状にまとめられている。なお、本明細書中で言及する身体的特徴情報とは、顧客の各家族構成員の身長や体重等の身体的特徴に係る情報をいう。また、趣味情報とは、顧客の各家族構成員の趣味や嗜好、余暇に取り組む活動等に関する趣味に関する情報をいう。さらに、予定情報とは、顧客の各家族構成員の仕事や進学等の進路に係る情報や、顧客の家族計画情報を始めとする顧客家族の今後の予定全般に係る情報をいう。
【0027】
また、顧客関連データ記憶部104には、顧客関連データとして顧客の家族構成員の各自が保有する所有物の種類や数量、収納先等の所有物情報がデータベース化して記憶される。顧客関連データ記憶部104で記憶される所有物情報をデータベース化したテーブルの一例を図3に示す。本実施形態では、顧客関連データ記憶部104には、所有物情報として、図3に示すように、顧客の家族構成員のそれぞれが保有する所有物を大項目、小項目に分けて、それぞれの数量と収納先、その他特記事項が各家族構成員ごとに分けてテーブル状にまとめられている。すなわち、顧客関連データ記憶部104は、顧客の年齢層や家族構成に応じて、顧客の家族構成員の各自が保有する所有物の種類や数量、収納先等の所有物情報がテーブル状に記憶されている。そして、これら所有物情報は、顧客が保有する所有物を収納するために必要となる容量である収納必要容量を算出する際に活用される。
【0028】
収納統計データ記憶部108は、少なくとも過去の顧客の顧客関連データを含む日本の住宅における各家庭の収納必要容量に関する収納統計データをデータベース化して記憶するデータベースサーバである。収納統計データ記憶部108には、例えば、図4に示すように、収納統計データとして収納を設置している部屋名、設置位置、収納可能容量、収納予定物、その他特記事項(例えば、収納の形状等)が部屋ごとに分けてテーブル状にまとめられている。すなわち、収納の場所、量、形等の収納に関する統計データが部屋ごとに分けられてテーブル状にまとまっている。なお、ここで言及する「収納可能容量」は、実際に収納に収納可能な容量である。
【0029】
本実施形態では、収納統計データ記憶部108には、蓄積された過去の顧客の顧客関連データと、日本収納プランナー協会が保有する家物データにより分析した日本の平均(世代、性別、家族構成等を含む)所有物の保有量等を含む各家庭における収納必要容量を算出するのに必要となる収納統計データが記憶されている。具体的には、収納統計データ記憶部108は、収納統計データとして、例えば、これらの過去の顧客に係る顧客関連データと、日本収納プランナー協会が保有する家物データをそれぞれ1000件以上ずつ記憶している。なお、これらの収納統計データは、データの蓄積の増加に伴って増加していくものである。
【0030】
このように本実施形態では、住宅の間取りから当該住宅に備わる収納のユーザビリティを評価する際に、顧客関連データ、収納統計データをそれぞれ記憶するデータベースを有するデータベースサーバ104、108にアクセスしてコンピュータで検索処理を行いながら、より効率的に住宅の収納のユーザビリティを踏まえた評価基準を策定できるようになっている。なお、顧客の個人情報の流出や住宅収納に係る評価基準値を算出する際に必要とされる各種データの盗用等を防止するために、これらのデータベースサーバ104、108には、アクセス時にパスワード入力を課すようにして、ユーザ以外の第三者へのアクセス制限がかけられている。
【0031】
CPU110は、ROM130やHDD134に記憶されているプログラムに従って、住宅収納評価システム100に備わる各種構成要素の動作を制御する。CPU110は、これら各種処理を実行する際に、必要なデータ等をRAM132に適宜記憶させる。また、CPU110は、顧客関連データ及び収納統計データに基づいてコンピュータで演算処理して、住宅の間取りに対する収納のユーザビリティを踏まえた評価基準値を求める演算部として機能する。本実施形態では、CPU110は、収納バランス評価部111と、収納ユーザビリティ評価部112と、収納最終評価部113とを備える。
【0032】
収納バランス評価部111は、顧客関連データと収納統計データに基づいて、住宅の収納の場所に対する収納自体の容量や容積を示す収納の量のバランスを数値で評価する機能を有する。本実施形態では、収納バランス評価部111は、住宅の間取りを確認してから、住宅の収納の場所として、住宅需要者やその家族等が生活をする住空間となる住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋に備わる収納の量が適正値であるか否かの指標となる収納バランス評価値を算出する。
【0033】
具体的には、収納バランス評価部111は、住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋と言った住宅需要者やその家族等が生活をする各住空間の7箇所における収納の量と収納スペースのバランスをそれぞれ5段階評価の数値として算出する。そして、収納バランス評価部111は、これら7箇所の平均数値となる収納バランス評価値を小数点第1位まで算出する。すなわち、収納バランス評価部111は、顧客関連データ及び収納統計データに基づいて、住空間の各場所に備わっている各収納の容量や容積の妥当性の指標となる収納バランス評価値を算出する。
【0034】
ここで言及する「専用収納室」とは、各部屋に設けられる収納でなく、単独で備え付けられているウォークインクローゼットや、納戸、押入、廊下収納、ロフト、屋根裏、中間収納等の収納専用に設けられる収納スペースをいう。また、本実施形態では、収納バランス評価部111は、住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋の7箇所についての収納バランス評価値を算出しているが、当該収納バランス評価値を算出する住空間は、これら7箇所に限定されず、他の住空間を含めて算出してもよい。なお、収納バランス評価部111の動作の詳細については、後述する。
【0035】
収納ユーザビリティ評価部112は、住宅の収納の場所、収納の量、及び収納の形から収納のユーザビリティを測定し、顧客関連データと収納統計データに基づいて定まる適正値から当該ユーザビリティを評価する機能を有する。なお、ここで言及する「収納の場所」とは、収納が設置される部屋等の場所をいい、「収納の量」とは、収納自体の容量や容積をいい、「収納の形」とは、収納の水平方向及び鉛直方向も踏まえた収納の実際の形状をいう。
【0036】
本実施形態では、収納ユーザビリティ評価部112は、住宅の固定物、住宅の流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さに関して、複数の確認項目を確認することによって、当該確認項目で満たされていない項目がある場合に、顧客関連データと収納統計データに基づいて設定される適正値から減点方式で収納のユーザビリティの指標となる収納ユーザビリティ評価値を算出する。具体的には、全部で30箇所以上のチェック項目を減点方式で前述した住宅の固定物、住宅の流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さの5項目に振分けて点数を算出し、これら5項目の平均点数となる収納ユーザビリティ評価値を小数点第1位まで算出する。
【0037】
ここで言及する「住宅の固定物」とは、テレビや冷蔵庫、家具、クリスマスツリー等の季節ものの置物等のように、1回買って壊れたら、また同じものを買うように、住宅で常に備え付けてある物をいう。「住宅の流動物」とは、衣類や食品、洗剤、ティッシュ等のストック品のように、買っては使う消耗品に係る物をいう。「家事動線」とは、炊事や掃除、洗濯等の家庭生活おける仕事をする際に人が自然に通ると予測される経路領域に係る項目をいう。「キッチンの快適さ」とは、主にキッチンの使い易さや利便性等に係る項目をいう。「生活の快適さ」とは、主に日常生活における生活フロアの使い易さや利便性、生活動線の確保等に係る項目をいう。
【0038】
また、本実施形態では、収納ユーザビリティ評価部112は、住宅の固定物、住宅の流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さに関しての収納ユーザビリティ評価値を算出しているが、当該収納ユーザビリティ評価値を算出する項目は、これら5つの項目に限定されず、他の項目を含めて算出してもよい。なお、収納ユーザビリティ評価部112の動作の詳細については、後述する。
【0039】
収納最終評価部113は、収納バランス評価部111及び収納ユーザビリティ評価部112の評価結果に基づいて住宅の収納の評価基準値を算出する機能を有する。本実施形態では、収納最終評価部113は、収納バランス評価部111で算出したキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋の収納バランス評価値と、収納ユーザビリティ評価部112で算出した固定物、流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さの収納ユーザビリティ評価値に基づいて、最終的な住宅の収納における評価基準値を算出する。
【0040】
その際に、本実施形態では、居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティを優先して、より確実に住宅の収納評価における評価基準値を的確に算出するために、収納最終評価部113は、収納バランス評価値よりも収納ユーザビリティ評価値の配分比率が大きくなるように、評価基準値を算出する。なお、収納最終評価部113の動作の詳細については、後述する。
【0041】
入力部102は、データの入力装置となるキーボードやマウス、タッチパネル等のCPU110に所定の指令を入力する際に適宜操作する機能を有する。また、本実施形態では、入力部102は、少なくとも顧客関連データ、収納統計データ、及びこれらのデータに基づいた住宅収納のユーザビリティの評価基準値を策定する際に必要なデータ等を入力する際に使用される。すなわち、入力部102は、顧客関連データ記憶部104、収納統計データ記憶部108に記憶される各種データを入力する際や、これらのデータベースサーバ104、108を検索しながら住宅収納の評価基準値を策定する際に使用するデータ等を入力する際に使用される。
【0042】
出力部120は、CPU110の収納バランス評価部111、収納ユーザビリティ評価部112、及び収納最終評価部113における演算による評価結果を出力する機能を有する。本実施形態では、出力部120として、収納バランス評価部111の評価結果を示すBALANCE CHART30(図7参照)や、収納ユーザビリティ評価部112の評価結果を示すFIT LINE40(図9参照)、及び収納最終評価部113の評価結果を示す収納評価認定書50(図10参照)の各種データを画像データとして画面表示する表示部122と、作成した収納評価認定書を紙媒体に印刷して出力するプリンタ124とを備える。なお、出力部120の出力データとなるBALANCE CHART30、FIT LINE40、及び収納評価認定書50の詳細については、後述する。
【0043】
このように、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システム100は、住宅の間取りから当該住宅の収納のユーザビリティを評価するための評価基準を効率的に策定することができる。具体的には、本実施形態に係る住宅収納評価システム100は、収納バランス評価部111で居住スペースにおける各部屋の収納に対する収納量の妥当性の指標となる収納バランス評価値を的確に算出し、収納ユーザビリティ評価部112で居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティの指標となる収納ユーザビリティ評価値を的確に算出する。そして、本実施形態に係る住宅収納評価システム100は、これらの収納に係る評価値に基づいて、収納最終評価部113が収納のバランスや収納のユーザビリティを踏まえて、住宅の収納評価における的確な評価基準値を効率的に算出できるようになっている。
【0044】
すなわち、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システム100は、出願人が蓄積して分析してきた顧客関連データと収納統計データに基づいて、居住スペースにおける各部屋の収納に対する収納量の妥当性と、居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティを踏まえて、住宅の収納評価において、より的確な評価基準値を確実に算出できる。また、本実施形態に係る住宅収納評価システム100は、出願人が蓄積してきた顧客関連データと収納統計データに基づいて、「収納の量」と「収納の場所」と「収納の形」をデータ分析した上で最終的に住宅の収納評価における評価基準値を算出するので、収納のユーザビリティを踏まえて、より暮らし易い住宅の評価を当該評価基準値に基づいて簡潔に行うことができるようになる。
【0045】
次に、本発明の一実施形態の住宅収納評価システムによる住宅収納評価方法について、図面を使用しながら説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価方法の概略フローを示す図である。
【0046】
本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システム100は、住宅に備わる収納のユーザビリティの評価をシステム化することによって、顧客ニーズをより確実に満たした高品質で漏れの無い住宅収納のユーザビリティの評価基準を効率的に策定できるようにしたものである。
【0047】
本実施形態では、まず、住宅の間取り図を確認する(確認工程S1)。例えば,図6(A)に示す戸建て1階の間取り図からリビング・ダイニング、客間、キッチン、玄関と言った居住空間における収納と、図6(B)に示す戸建て2階の間取り図から寝室、子供部屋、洗面所、お風呂、トイレと言った居住空間における収納の位置と大きさを確認する。
【0048】
次に、確認工程S1における間取り図の確認結果を踏まえて、顧客関連データと収納統計データに基づいて、住宅の収納の場所に対する収納の量のバランスを数値で評価する(収納バランス評価工程S2)。本実施形態では、収納バランス評価工程S2では、収納バランス評価部によって、住宅の収納の場所として、住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋における収納の量が顧客関連データと収納統計データに基づいて定まる適正値であるか否かの指標となる収納バランス評価値が算出される。
【0049】
具体的には、収納バランス評価工程S2では、住宅のキッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋と言った生活をする各住空間の7箇所における収納の量と収納スペースのバランスをそれぞれ5段階評価の数値として算出する。例えば、顧客関連データと収納統計データに基づいて定まる各住空間の収納量のMAXデータに対して、住宅の間取りから読み取れる各収納の量がどの程度満たされているかを算出することによって当該5段階評価の数値が求められる。そして、図7に示すようなバランスチャート(BALANCE CHART)30で住宅の収納の場所に対する収納の量のバランスを可視化して、住宅の各住空間における収納バランスの評価を行い易くする。その後、収納バランス評価工程S2では、これら7箇所の平均数値となる収納バランス評価値を小数点第1位まで算出する。
【0050】
本実施形態では、このように、収納バランス評価工程S2が行われることによって、居住スペースにおける各部屋の収納に対する収納量の妥当性の指標となる収納バランス評価値を的確に算出することができるようになる。なお、本実施形態では、収納バランス評価工程S2で算出する収納バランス評価値は、出願人が蓄積してきた顧客関連データと収納統計データに基づいて、最大値が5.0となるように算出される。
【0051】
収納バランス評価工程S2が完了したら、次に、確認工程S1における間取り図の確認結果を踏まえて、住宅の収納の場所、収納の量、及び収納の形から収納のユーザビリティを測定し、顧客関連データと収納統計データに基づいた適正値から収納のユーザビリティを評価する(収納ユーザビリティ評価工程S3)。本実施形態では、収納ユーザビリティ評価工程S3では、収納ユーザビリティ評価部によって、住宅の収納の場所、収納の量、及び収納の形から収納のユーザビリティを測定し、顧客関連データと収納統計データに基づいて定まる適正値から当該ユーザビリティを評価する。
【0052】
すなわち、収納ユーザビリティ評価工程S3では、収納の場所と収納の量に加えて、収納の形も評価対象となる。例えば、3畳分の広さを有するウォークインクローゼット10に対して、図8(A)に示すように、開閉式ドア12とスライドドア14が互いに近くに設置されていることによって、これら開閉式ドア12とスライドドア14の近傍のエリアS10がデッドスペースとなるので、ユーザビリティを踏まえて実際に収納として活用できる部分が実質2畳分の広さとして評価される。また、図8(B)に示すように、1畳分の広さを有する階段21の下に設けられる階段下収納20に対しては、高さが一定でなく、低くて収納として使い難い箇所があることから、1畳分の広さとしてしか評価されない。
【0053】
また、収納ユーザビリティ評価工程S3では、住宅の固定物、住宅の流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さに関して、複数の確認項目を確認することによって、顧客関連データと収納統計データに基づいて設定される適正値から減点方式で収納のユーザビリティの指標となる収納ユーザビリティ評価値を算出する。より詳細に説明すると、全部で30箇所以上の収納のユーザビリティに関するチェック項目を減点方式で前述した住宅の固定物、住宅の流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さの5項目に振分けて点数を算出して、これら5項目の平均点数となる収納ユーザビリティ評価値を小数点第1位まで算出する。
【0054】
例えば、「住宅の固定物」に関しては、例えば、「ロフトへのはしごを使う。」や「季節外家電や節句用品、スーツケース等の家の固定物が入らない。」等がチェック項目となる。また、「住宅の流動物」に関しては、「シューズクローゼット(SC)に子供ベビーカーやスポーツ用品等のくつ以外の物が入らない。」や、「トイレ収納がない。」等がチェック項目となる。「家事動線」に関しては、「掃除機(長物)がリビング近くに分解せずに入らない。」や、「2階(生活フロアでないフロア)に掃除機を置けない。」等がチェック項目となる。また、「キッチンの快適さ」に関しては、「キッチンのシンクから食器棚まで3歩以上ある。」や、「キッチンにゴミ箱が置けない。」等がチェック項目となる。さらに、「生活の快適さ」に関しては、「生活フロアに流動物のストックが入らない。」や、「ダイニングテーブル近くに書類・文房具・日用品がおける場所がない。」等がチェック項目となる。各項目におけるこれらのチェック項目が「YES」の場合には、適正値に対する減点対象となる。
【0055】
このように、本実施形態では、収納ユーザビリティ評価工程S3において、全部で30箇所以上のチェック項目を減点方式で前述した住宅の固定物、住宅の流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さの5項目に振分けて点数を算出して、図9に示すようなフィットライン(FIT LINE)40で住宅の収納の場所に対する収納の量のバランスを可視化する。そして、収納ユーザビリティ評価工程S3では、住宅の収納の場所、収納の量、及び収納の形から収納のユーザビリティを測定し、これら5項目の平均点数となる収納ユーザビリティ評価値を小数点第1位まで算出する。なお、本実施形態では、収納ユーザビリティ評価工程S3で算出する収納ユーザビリティ評価値は、収納バランス評価工程S2で算出する収納バランス評価値と同様に、出願人が蓄積してきた顧客関連データと収納統計データに基づいて、最大値が5.0となるように算出される。
【0056】
収納バランス評価工程S2の評価結果となる収納バランス評価値と、収納ユーザビリティ評価工程S3の評価対象となる収納ユーザビリティ評価値が算出されたら、これらの評価結果となる評価値に基づいて、住宅の収納の評価基準値を算出する(収納最終評価工程S4)。すなわち、本実施形態では、キッチン、リビング・ダイニング、玄関、洗面室、専用収納室、寝室、及び子供部屋の収納バランス評価値と、固定物、流動物、家事動線、キッチンの快適さ、及び生活の快適さの収納ユーザビリティ評価値に基づいて、評価基準値を算出する。
【0057】
その際に、本実施形態では、住空間や居住スペース以外も含めた住宅の収納に対するユーザビリティを優先して、住宅の収納評価におけるより的確な評価基準値を的確に算出するために、収納最終評価工程S4においては、収納バランス評価値よりも収納ユーザビリティ評価値の配分比率が大きくなるように、評価基準値を算出する。例えば、収納バランス評価値(E1)と収納ユーザビリティ評価値(E2)の比率を2:3とする場合には、評価基準値(E3)は、下記の式(1)で求まる。
E3=(E1×2+E2×3)/(2+3)・・・(1)
【0058】
また、本実施形態では、収納最終評価工程S4で評価基準値を算出すると、図10に示すように、当該評価基準値に関して最大値が5.0となる5段階評価の星の数で示す収納評価認定書50が作成される。図10では、評価基準値が星の数で3.0と示されている一例を示しているが、当該評価基準値は、小数点第1位まで算出されるので、例えば、3.7とか4.2等の数値で表わすことができる。
【0059】
このように、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システム及び住宅収納評価方法では、住宅の間取りから当該住宅の収納のユーザビリティを評価するための評価基準となる評価基準値を住宅の間取りから的確に算出することができる。このため、戸建てやマンション等の住居に備わる収納に関して、より客観性と妥当性を有する収納評価基準を効率的に策定することができるようになる。
【0060】
このため、住宅需要者や不動産、住宅メーカー等の各顧客は、今後の生活に向けて、収納評価結果を様々な場面で役立てることができる。例えば、不動産業界に適用する場合には、住宅販売する際に、住宅の間取りに対する収納のユーザビリティの評価基準値がより客観性と妥当性を有する収納レベルの評価基準となり得るので、住宅の売買にも好適に適用可能となる。また、住宅メーカーが建売住宅を作る際にも、収納レベルが高い方が売れることから、建売住宅の設計計画の段階において、この評価結果を元に住宅の設計変更が可能となる。
【0061】
特に、従来では、住宅の収納の量が多ければ、物が片付くと考えられていたことから、不動産業界では、住宅収納に対する評価基準として住宅の総床面積に対する収納面積の比率等が使用されていた。しかしながら、実際には、屋根裏やロフト等のように、収納の面積が大きく確保されていても、住宅需要者にとっては、当該収納の高さが不十分なことから使い難いので、物が十分に片付け易い住宅とならなかった。
【0062】
そこで、本発明の一実施形態に係る住宅収納評価システム及び住宅収納評価方法を不動産業界に適用した場合には、業者は、住宅需要者に不動産情報を提供する際に、間取りや立地条件に加えて、ユーザビリティを踏まえた的確な住宅収納の評価基準値を住宅の収納情報として提示できるようになる。このため、住宅需要者にとっては、実際に住宅の間取り図を見なくても、算出した住宅収納の評価基準値に基づいて、住宅の収納に関して、ユーザビリティを含めた収納レベルを容易に判断できるようになる。すなわち、本実施形態に係る住宅収納評価システム及び住宅収納評価方法は、住宅収納のユーザビリティを含めた的確な評価基準値を確実に算出することによって、住宅の売買や賃借を行う不動産業界にとって売買や賃借を促進する上で、業者目線と顧客目線の双方でも有効に活用可能となることから、極めて大きな工業的価値を有する。
【0063】
なお、上記のように本発明の一実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0064】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、住宅収納評価システムの構成、動作も本発明の一実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0065】
100 住宅収納評価システム、102 入力部、104 顧客関連データ記憶部、108 収納統計データ記憶部、110 CPU(演算部)、111 収納バランス評価部、112 収納ユーザビリティ評価部、113 収納最終評価部、120 出力部、122 表示部、124 プリンタ、126 通信部、128 インターネット、130 ROM、132 RAM、134 HDD、136 システムバス、S1 確認工程、S2 収納バランス評価工程、S3 収納ユーザビリティ評価工程、S4 収納最終評価工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10