(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】血圧測定装置充電用コネクタ
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
A61B5/022 300F
(21)【出願番号】P 2018246122
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】503246015
【氏名又は名称】オムロンヘルスケア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ブリガム ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】鳥濱 隆
(72)【発明者】
【氏名】小野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】西岡 孝哲
【審査官】▲高▼木 尚哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/151069(WO,A1)
【文献】特開2018-196095(JP,A)
【文献】特開2010-110379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手首に取り付けられる血圧測定装置に接続される血圧測定装置充電用コネクタであって、
第1部材と、前記手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成された、前記血圧測定装置に装着されたカーラの
内周面に設けられたカフの内周面に当接する端面を有する突起が形成され、前記第1部材に対向する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材を回転可能に連結する回転軸と、前記第1部材及び前記第2部材を近接する方向に付勢する付勢部材とを具備するクリップと、
前記カーラに設けられた給電端子に接続される、前記第1部材における前記第2部材側に設けられた端子と、
を具備する血圧測定装置充電用コネクタ。
【請求項2】
前記突起の端面は、前記カフの接触する面の当接する部位における接線方向に延びる平面、または、前記当接する部位に沿う曲面に構成される、請求項1に記載の血圧測定装置充電用コネクタ。
【請求項3】
前記端子および前記突起は、前記第1部材及び前記第2部材の回転方向に対向する、請求項1に記載の血圧測定装置充電用コネクタ。
【請求項4】
前記第1部材の前記第2部材側の面の、前記第1部材の中心を挟んで前記回転軸の反対側は、前記端子が前記給電端子に電気的に接続されたときに対向する前記カーラの外周面に沿う曲面に構成される、請求項1に記載の血圧測定装置充電用コネクタ。
【請求項5】
前記第2部材は、前記カーラの幅方向の移動を規制する壁部を備える、請求項1に記載の血圧測定装置充電用コネクタ。
【請求項6】
前記第1部材に設けられ、前記端子を前記第2部材側に付勢するばねを備え、
前記給電端子は、前記カーラの窪みに配置される
請求項1に記載の血圧測定装置充電用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血圧を測定する血圧測定装置の充電に用いられるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
血圧の測定に用いる血圧測定装置は、医療設備においてのみならず、家庭内においても、健康状態を確認する手段として利用されている。血圧測定装置は、例えば、カフを生体の上腕又は手首等に巻き付け、カフを膨張及び収縮させ、圧力センサによりカフの圧力を検出することで、動脈壁の振動を検出して血圧を測定する。
【0003】
血圧測定装置は、例えば、カフとカフに流体を供給する装置本体とが一体に構成された所謂一体型と呼ばれるものが知られている。一体型の血圧測定装置は、例えば、装置本体に電源を供給する手段として二次電池を用いる。
【0004】
このような血圧測定装置のように生体に固定される装置では、手首等の生体に固定するベルトに、二次電池の充電用のコネクタが接続される給電部を配置する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、血圧測定装置では、膨張時にカフが手首に密着することが求められる。そこで、膨張したカフを手首に密着させるために、カーラを用いる構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようにカーラを備える血圧測定装置では、カーラに給電部を配置する構成が考えられる。しかしながら、カーラが手首の周面に合わせて湾曲した形状に構成されることから、コネクタの、給電部に電気的に接続される姿勢が不安定になりやすく、結果、充電部及び給電部の電気的接続を維持しにくくなる。
【0008】
そこで、本発明は、給電部に接続された状態を維持可能な血圧測定装置充電用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によれば、手首に取り付けられる血圧測定装置に接続される血圧測定装置充電用コネクタであって、第1部材と、前記手首の周方向に倣って湾曲するとともに、一端と他端とが離間して形成された、前記血圧測定装置に装着されたカーラの内周面に設けられたカフの内周面に当接する端面を有する突起が形成され、前記第1部材に対向する第2部材と、前記第1部材及び前記第2部材を回転可能に連結する回転軸と、前記第1部材及び前記第2部材を近接する方向に付勢する付勢部材とを具備するクリップと、前記カーラに設けられた給電端子に接続される、前記第1部材における前記第2部材側に設けられた端子と、を備える血圧測定装置充電用コネクタが提供される。
【0010】
この態様によれば、突起によりカフの内周面を支持することで、コネクタをカーラに安定して保持することが可能となる。この為、接続端子が給電端子に接続された状態を維持することが可能となる。
【0011】
上記一態様のコネクタにおいて、前記突起の端面は、前記カフの接触する面の当接する部位における接線方向に延びる平面、または、前記当接する部位に沿う曲面に構成される、血圧測定装置充電用コネクタが提供される。
【0012】
この態様によれば、突起の端面は、カフの内周面の、当該端面が当接する部位における接線方向に延びる平面、または、当接する部位に沿う曲面に構成される。この為、突起がカフに面接触する、または広範囲で接触するので、コネクタをカーラに安定して保持することが可能となる。
【0013】
上記一態様のコネクタにおいて、前記端子および前記突起は、前記第1部材及び前記第2部材の回転方向に対向する、血圧測定装置充電用コネクタが提供される。
【0014】
この態様によれば、接続端子及び突起の間に挟持されるカフ及びカーラに回転モーメントが生じることを抑制できる。この為、コネクタをカーラに安定して保持することが可能となる。
【0015】
上記一態様のコネクタにおいて、前記第1部材の前記第2部材側の面の、前記第1部材の中心を挟んで前記回転軸の反対側は、前記端子が前記給電端子に電気的に接続されたときに対向する前記カーラの外周面に沿う曲面に構成される、血圧測定装置充電用コネクタが提供される。
【0016】
この態様によれば、第1突起をカーラの外面に接触させることで、コネクタのカーラへの装着作業時に、コネクタの回転軸側がカーラに干渉することを抑制できる。さらに、端面がカーラ及びカバーの外面に面接触することで、コネクタをカーラに安定して保持することが可能となる。
【0017】
上記一態様のコネクタにおいて、前記第2部材は、前記カーラの幅方向の移動を規制する壁部を備える、血圧測定装置充電用コネクタが提供される。
【0018】
この態様によれば、第2部材が、壁部を有することで、コネクタに対するカーラの、カーラの幅方向の移動を規制できるので、コネクタをケース側に移動するだけで、接続端子を給電端子に導くことが可能となる。
【0019】
上記一態様のコネクタにおいて、前記第1部材に設けられ、前記端子を前記第2部材側に付勢するばねを備え、前記給電端子は、前記カーラの窪みに配置される、血圧測定装置充電用コネクタが提供される。
【0020】
この態様によれば、接続端子が窪みに入ったときに、クリック感を生じさせることが可能となる。そして、このクリック感により、ユーザに、接続端子及び給電端子が接続されたことを認識させることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、給電部に接続された状態を維持可能な血圧測定装置充電用コネクタを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る血圧測定装置を示す側面図。
【
図4】同血圧測定装置及びコネクタの構成を示す斜視図。
【
図5】同血圧測定装置及び同コネクタが分離した状態を示す斜視図。
【
図6】同血圧測定装置及び同コネクタの構成を示す断面図。
【
図7】同血圧測定装置のカーラの構成を示す斜視図。
【
図11】同コネクタの構成を一部切り欠いて示す断面図。
【
図12】同コネクタ、及び充電ケーブルの構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態に係る血圧測定装置1の一例について、
図1乃至
図12を用いて以下例示する。
【0024】
図1は、血圧測定装置1を示す側面図である。
図2は、血圧測定装置1の構成を示す分解斜視図である。
図3は、血圧測定装置1の構成を、
図2とは異なる角度から見た状態を示す斜視図である。
図4は、血圧測定装置1及び血圧測定装置充電用コネクタ210の構成を示す斜視図であり、血圧測定装置充電用コネクタ210が給電部8に接続された状態を示す斜視図である。
図5は、血圧測定装置1及び血圧測定装置充電用コネクタ210が分離した状態を示す斜視図である。
【0025】
図6は、血圧測定装置1及び血圧測定装置充電用コネクタ210の構成を示す断面図であり、血圧測定装置充電用コネクタ210が給電部8に接続された状態を示す断面図である。
図7は、血圧測定装置1のカーラ5の構成を示す斜視図であり、具体的には、カーラ5に設けられた給電部8及びその近傍を示す斜視図である。
【0026】
図8は、血圧測定装置充電用コネクタ210の構成を示す斜視図である。
図9は、血圧測定装置充電用コネクタ210の構成を、
図8とは異なる角度から見た状態を示す斜視図である。
図10は、血圧測定装置充電用コネクタ210の構成を示す断面図である。
図11は、血圧測定装置充電用コネクタ210の構成を一部切り欠いて示す側面図である。
図12は、血圧測定装置充電用コネクタ210、及び充電ケーブル205の構成を示す斜視図である。
【0027】
血圧測定装置1は、生体に装着する電子血圧測定装置である。本実施形態においては、生体の手首200に装着するウェアラブルデバイスの態様をもつ電子血圧測定装置を用いて説明する。血圧測定装置1は、充電ケーブル205、及び血圧測定装置充電用コネクタ210により電力供給部18に給電を行う構成を有する。
【0028】
図1乃至
図5に示すように、血圧測定装置1は、装置本体3と、手首に装置本体3を固定するベルト4と、ベルト4及び手首の間に配置されるカーラ5と、押圧カフ71、センシングカフ73及び引張カフ74を有するカフ構造体6と、カーラ5に設けられた給電部8と、を備えている。
【0029】
装置本体3は、例えば、ケース11と、表示部12と、操作部13と、ポンプ14と、電力供給部18と、制御基板20と、を備えている。装置本体3は、ポンプ14等によって、カフ構造体6に流体を供給する。
【0030】
ケース11は、外郭ケース31と、外郭ケース31の手首200側とは反対側(外方側)の開口を覆う風防32と、外郭ケース31の内部の手首200側に設けられた基部33と、外郭ケース31の手首200側を覆う裏カバー35と、を備えている。
【0031】
外郭ケース31は、円筒状に形成される。外郭ケース31は、外周面の周方向で対称位置にそれぞれ設けられた一対のラグ31aと、2つの一対のラグ31a間にそれぞれ設けられるバネ棒31bと、を備えている。風防32は、例えば、円形状のガラス板である。
【0032】
裏カバー35は、中央側が開口する環状に構成される。裏カバー35は、外郭ケース31の手首200側の端部の外周縁側を覆う。このような裏カバー35は、カーラ5と一体に組み合わされることで、中央の開口がカーラ5により覆われ、そしてカーラ5とともに外郭ケース31の手首200側の端部を覆う裏蓋を構成する。具体的には、裏カバー35は、4つの第1締結部材35aによってカーラ5に固定されるとともに、4つの第2締結部材35bによって外郭ケース31の手首200側の端部に固定される。裏カバー35は、底部に設けられ、カーラ5に固定される第1締結部材35aが挿通される4つの孔部35cと、裏カバー35の外周部の4箇所が径方向に突出し、この突出した部位に設けられた4つの孔部35dであって、外郭ケース31に固定される第2締結部材35bが挿通される4つの孔部35dと、を有する。
【0033】
表示部12は、外郭ケース31の基部33上であって、且つ、風防32の直下に配置される。表示部12は、電気的に制御基板20に接続される。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。表示部12は、日時や最高血圧及び最低血圧などの血圧値や心拍数等の測定結果を含む各種情報を表示する。
【0034】
操作部13は、使用者からの指令を入力可能に構成される。例えば、操作部13は、
図1乃至
図3に示すように、ケース11に設けられた複数の釦41と、釦41の操作を検出するセンサ42と、表示部12又は風防32に設けられたタッチパネルと、を備える。操作部13は、使用者が操作することで、指令を電気信号に変換する。センサ42及びタッチパネルは、電気的に制御基板20に接続され、電気信号を制御基板20へ出力する。
【0035】
複数の釦41は、例えば3つ設けられる。釦41は、基部33に支持されるとともに、外郭ケース31の外周面から突出する。複数の釦41及び複数のセンサ42は、基部33に支持される。タッチパネルは、例えば、風防32に一体に設けられる。
【0036】
ポンプ14は、例えば圧電ポンプである。ポンプ14は、空気を圧縮し、基部に一部が構成される流路部を介して圧縮空気をカフ構造体6に供給する。ポンプ14は、電気的に制御基板20に接続される。
【0037】
図1乃至
図4に示すように、ベルト4は、一方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第1ベルト61と、他方の一対のラグ31a及びバネ棒31bに設けられた第2ベルト62と、を備える。ベルト4は、カーラ5を介して手首200に巻き付けられる。
【0038】
第1ベルト61は、所謂親と呼ばれ、第2ベルト62と連結可能な帯状に構成される。第1ベルト61は、
図1乃至
図3に示すように、ベルト部61a及び尾錠61bを有する。ベルト部61aは、帯状に構成される。ベルト部61aは、弾性変形可能な樹脂材料で形成される。また、ベルト部61aは、可撓性を有するとともに、ベルト部61aの長手方向の伸縮が抑制されるシート状のインサート部材を内部に有する。ベルト部61aは、一方の端部に形成され、ベルト部61aの長手方向に直交する第1孔部61c及び他方の端部に形成され、第1ベルト61の長手方向に直交する第2孔部61dを有する。
【0039】
第1孔部61cは、ベルト部61aの端部に設けられる。第1孔部61cは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第1ベルト61が回転可能な内径を有する。即ち、第1ベルト61は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第1孔部61cが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
【0040】
図1及び
図3に示すように、第2孔部61dは、ベルト部61aの先端に設けられる。第2孔部61dは、尾錠61bが取り付けられる。
【0041】
図1及び
図3に示すように、尾錠61bは、矩形枠状の枠状体61eと、枠状体61eに回転可能に取り付けられたつく棒61fと、を有する。枠状体61eは、つく棒61fが取り付けられた一辺が第2孔部61dに挿入され、ベルト部61aに関して回転可能に取り付けられる。
【0042】
第2ベルト62は、所謂剣先と呼ばれ、枠状体61eに挿入可能な幅を有する帯状に構成される。第2ベルト62は、弾性変形可能な樹脂材料で形成される。また、第2ベルト62は、可撓性を有するとともに、第2ベルト62の長手方向の伸縮が抑制されるシート状のインサート部材を内部に有する。
【0043】
また、第2ベルト62は、
図1及び
図2に示すように、つく棒61fが挿入される小孔62aを複数有する。また、第2ベルト62は、一方の端部に設けられ、第2ベルト62の長手方向に直交する第3孔部62bを有する。第3孔部62bは、バネ棒31bを挿入可能、且つ、バネ棒31bに関して第2ベルト62が回転可能な内径を有する。即ち、第2ベルト62は、一対のラグ31aの間であって、且つ、バネ棒31bに第3孔部62bが配置されることで、外郭ケース31に回転可能に保持される。
【0044】
このようなベルト4は、第2ベルト62が枠状体61eに挿入され、小孔62aにつく棒61fが挿入されることで、第1ベルト61及び第2ベルト62が一体に接続され、外郭ケース31とともに、手首200の周方向に倣った環状となる。ベルト4は、手首200の周方向に倣った環状となることで、カーラ5を押圧し、カーラ5を血圧測定装置1の装着者の手首の周方向に倣うように、弾性変形させる。
【0045】
カーラ5は、
図1乃至
図5に示すように、手首200の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。カーラ5は、一端と他端が離間して形成される。カーラ5は、例えば、一端側の外面が装置本体3の裏カバー35に固定される。カーラ5は、一端及び他端が裏カバー35よりも手首200の一方の側方側に突出した位置に配置される。これにより、カーラ5は、血圧測定装置1を手首200に装着したときに、一端及び他端が手首200の側方に配置される。また、カーラ5は、所定の距離だけ離間して一端及び他端が隣接する。カーラ5は、例えば、樹脂材料で形成される。具体例として、カーラ5は、ポリプロピレンによって厚さが1mm程度に形成される。
【0046】
具体例として、カーラ5は、手首の周方向に倣って湾曲する帯状に構成される。また、カーラ5は、一端側の手首200の手の甲側に対向する位置に設けられ、裏カバー35とともに裏蓋を構成する円板状のカバー部5a、カバー部5aの周囲に設けられ、及び、外郭ケース31及び裏カバー35を固定する第1締結部材35aを移動可能な逃げ部5bを有する。カーラ5は、例えば、カバー部5a及びその隣接する部位が平板状に形成されるとともに、カバー部5aよりも一端側及び他端側が所定の曲率で湾曲して形成される。そして、カーラ5は、カバー部5aから一端までの長さが、カバー部5aから他端までの長さよりも短く形成される。具体例として、カーラ5は、カバー部5aから一端までの短手側が、手首の手の甲側に配置され、そして、カバー部5aから他端までの長手側が、手首の手の甲側から一方の側方を通って手首200の手の平側まで延びる。
【0047】
また、
図2に示すように、カーラ5は、一端及び他端が近接したときに、一端側の内周面側に他端が位置する形状に形成される。具体例として、カーラ5の手首200の幅方向の幅は、カーラ5の手首200の手の平側よりもカーラ5の手首200の手の甲側が大きく設定される。そして、カーラ5は、手首200の手の甲側の一端の曲率半径が手首200の手の平側の他端の曲率半径よりも大きく設定される。このような構成により、カーラ5は、カーラ5の両端側が当接すると、一端よりも他端がカーラ5の内方に配置される。また、カーラ5は、カバー部5aの一部、及び、カバー部5aから一端側の外面、さらに言えば、カバー部5aから延びる短手側の外面に、カバー部5aに隣接して設けられた窪み5cが設けられる。
【0048】
このようなカーラ5は、一端及び他端がベルト4の第2ベルト62と対向する向きで外郭ケース31に固定される。また、カーラ5は、少なくとも、手首200の手の平側と対向する位置が、手首200の手の平側に沿って周方向に沿って湾曲することで、手首200の手の平側と対向するカフ構造体6を、手首200の手の平側の形状に倣って湾曲させた状態で保持する。
【0049】
また、カーラ5は、可撓性及び形状保持性を有する硬さを有する。ここで、可撓性とは、カーラ5にベルト4の外力が印加されたときに径方向に形状が変形することをいう。例えば、可撓性とは、ベルト4によってカーラ5が押圧されたときに、手首に近接するか、手首の形状に沿うか、又は、手首の形状に倣うように側面視の形状が変形することをいう。また、形状保持性とは、外力が印加されないときに、カーラ5が予め賦形された形状を維持できることをいう。例えば、形状保持性とは、本実施形態においてはカーラ5の形状が手首の周方向に沿って湾曲する形状を維持できることである。
【0050】
カーラ5は、湾曲する外面に給電部8が設けられる。具体例として、カーラ5は、一端側の外面に、給電部8が設けられる窪み5cを有する。窪み5cは、裏カバー35の下方から一端に向かって形成される。窪み5cは、設けられた給電部8がカーラ5の外面から突出しない深さ、換言すると、当該給電部8がカーラ5の外面よりも内面側に位置する深さに構成される。
【0051】
カーラ5は、内周面にカフ構造体6が配置され、そして、カーラ5の内周面形状に沿ってカフ構造体6を保持する。具体例として、カーラ5は、押圧カフ71及び引張カフ74が内周面に配置され、カーラ5並びに押圧カフ71及び引張カフ74との間に設けられる接合層により、カフ構造体6が固定されることで、カフ構造体6を保持する。本実施形態においては、接合層は、接着剤や両面テープである。
【0052】
図1、
図2、及び
図4に示すように、カフ構造体6は、押圧カフ71と、背板72と、センシングカフ73と、引張カフ74と、を備えている。また、カフ構造体6は、各構成同士、及び、カーラ5とカフ71、74を接合する接合層を備えている。カフ構造体6は、カーラ5に固定される。カフ構造体6は、押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73が積層してカーラ5に配置され、引張カフ74が押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73と離間してカーラ5に配置される。
【0053】
具体例として、カフ構造体6は、カーラ5の手首200の手の平側の内周面に、カーラ5の内周面から手首200側に向かって、押圧カフ71、背板72及びセンシングカフ73の順に積層して固定される。また、カフ構造体6は、カーラ5の手首200の手の甲側の内周面に引張カフ74が配置される。カフ構造体6の各部材は、積層方向に隣接する部材に接合層によって固定される。
【0054】
図5及び
図7に示すように、給電部8は、配線部8aと、給電端子8bと、カーラ5の窪み5cに配置された配線部8aを覆うカバー8cと、を備えている。配線部8aは、一端が給電端子8bに、他端が制御基板20に接続される。給電端子8bは、例えば二つの円形状の端子により構成される。例えば、配線部8a及び給電端子8bは、ポリイミド等のベースフィルムに導電性金属膜等が設けられたFPC(Flexible printed circuits)等により形成される。
【0055】
カバー8cは、窪み5cと同形状に形成され、窪み5cを覆うとともに、窪み5cに設けられたときに、上面が、カーラ5の短手側の外面と面一となる。カバー8cは、給電端子8bを露出する孔8dを有する。給電端子8bは、孔8d内で、孔8d縁から所定の深さ位置に配置される。
【0056】
血圧測定装置充電用コネクタ210は、例えば、クリップ状に構成された本体211と、本体211に設けられた、給電端子8bに接続される接続端子260と、を備える。血圧測定装置充電用コネクタ210は、
図12に示すように、充電ケーブル205が着脱可能に接続される。充電ケーブル205は、例えば両端にUSBコネクタが設けられたコネクタである。充電ケーブル205の一端は、血圧測定装置充電用コネクタ210に着脱可能に接続される。充電ケーブル205の他端は、AC充電器206に着脱可能に接続される。AC充電器206は、家庭用コンセントに接続される。
【0057】
本体211は、第1部材220と、第1部材220に対向する第2部材230と、第1部材220及び第2部材230を回転可能に連結する回転軸240と、付勢部材250と、を備える。
【0058】
第1部材220は、例えば一方向に長い矩形板状に構成される。第1部材220の、例えば一端部には、
図12に示すように、充電ケーブル205が着脱可能に接続される例えばUSBコネクタ221が設けられる。
【0059】
第1部材220の他端部222の第2部材230側の面223は、接続端子260が給電部8の給電端子8bに接触した状態で、カーラ5及びカバー8cの外面の、外郭ケース31及び給電部8の間の領域に対向する。面223は、この対向する領域に沿う曲面に構成される。ここでいう、沿うとは、対向する領域の面と平行または略平行な面に構成されることを意味する。
【0060】
第2部材230は、
図4及び
図5に示すように、カーラ5の幅方向でカーラ5の幅よりも広い板状に構成される。第2部材230の、第1部材220側の面231の、接続端子260と対向する位置に、突起232が形成される。
【0061】
突起232は、第2部材230のカーラ5の幅方向で中央に配置される。突起232の端面233は、接続端子260が給電端子8bに接触している状態で、引張カフ74の内周面に当接する。さらに、端面233は、引張カフ74の内周面の端面233が当接する部位の接線方向に延びる平面、または、前記当接する部位に沿う曲面に構成される。
なお、突起232の端面233は、充電作業が行われるときの引張カフ74の内周面の端面233が当接する部位の接線方向に延びる平面、または、前記当接する部位に沿う曲面に構成される。
本実施形態の血圧測定装置1では、一例として、血圧測定装置1がユーザから取り外され、引張カフ74が膨張していない状態で電力供給部18の充電作業が行われる。そして、突起232の端面233は、膨張していない状態の引張カフ74の内周面に当接する。この為、突起232の端面233は、膨張していない状態の引張カフ74の内周面の端面233が当接する部位の接線方向に延びる平面、または、前記当接する部位に沿う曲面に構成される。
【0062】
また、第2部材230は、カーラ5の幅方向の両端に、ガイド壁部234を有する。ガイド壁部234は、第1部材220側に突出する。2つのガイド壁部234間の幅は、カーラ5の幅より大きい幅であって、カーラ5に対する血圧測定装置充電用コネクタ210の幅方向の移動を規制可能な幅を有する。ガイド壁部234の外面は、曲面に構成される。ガイド壁部234の外面の曲面は、ユーザが指で保持するときに持ちやすい曲面に構成される。
【0063】
回転軸240は、第1部材220のUSBコネクタ221側、及び第2部材230の突起232に対して他方側を回転可能に連結する。
【0064】
第2部材230の回転軸240に対して反対側の一端から回転軸240までの長さは、接続端子260が給電部8の給電端子8bに接続された状態であってもカーラ5の先端が回転軸240に当接しない長さを有する。
【0065】
付勢部材250は、第1部材220のUSBコネクタ221の反対側の一端側、及び第2部材230の突起232側を近接する方向に付勢可能に構成される。なお、第1部材220のUSBコネクタ221の反対側の一端、及び第2部材230の突起232側の一端は、双方ともに、血圧測定装置充電用コネクタ210がカーラ5に固定された状態において外郭ケース31側の一端となる。付勢部材250は、例えば、回転軸240に設けられ、一端が第1部材220に支持され、他端が第2部材230に支持されるねじりバネである。
【0066】
接続端子260は、給電端子8bと同数設けられ、給電端子8bと電気的に接続される。接続端子260は、第1部材220内で充電ケーブル205と電気的に接続される。
【0067】
接続端子260は、柱状、例えばとしては円柱状に構成される。接続端子260は、第1部材220に、付勢部材270により支持され、第2部材230側の面224から突出する。面224は、面223を含む。接続端子260は、面224から第2部材230側に突出する。
【0068】
付勢部材270は、接続端子260を面224から突出する方向に付勢する。付勢部材270は、例えばばねである。接続端子260が押圧されて付勢部材270が圧縮されることで、第1部材220の面223に対する接続端子260の突出量が小さくなる。換言すると、接続端子260は、付勢部材270により、面224に対して進退可能に支持されるとともに第2部材230側に付勢される。
【0069】
接続端子260は、第1部材220及び第2部材230の回転方向で突起232と対向する位置に配置される。本実施形態では具体的には、接続端子260の、回転軸240の中心から接続端子260の軸心までの距離は、回転軸240の中心から突起232の端面233の中心までの距離と同距離に設定される。
【0070】
次に、血圧測定装置充電用コネクタ210を給電部8に接続する方法の一例を説明する。ユーザは、手首200から取り外され、かつ、引張カフ74、センシングカフ73及び押圧カフ71のそれぞれが膨張していない状態にある血圧測定装置充電用コネクタ210の第1部材220及び第2部材230のUSBコネクタ221側を互いに近接する方向に押圧して、第1部材220及び第2部材230の接続端子260側の端部を離間させる。
【0071】
次に、ユーザは、第1ベルト61をめくることで、カーラ5に設けられた給電部8を露出させる。
【0072】
次に、ユーザは、第1部材220の、USBコネクタ221に対して反対側の端部の面223、及び接続端子260の先端を、カーラ5の外周面の給電部8より先端側に当接させる。このとき、接続端子260は、付勢部材270が圧縮されることで、初期位置に対して、第1部材220の面224からの突出量が小さくなる。
【0073】
次に、ユーザは、面223をカーラ5の外周面に当接した状態で、血圧測定装置充電用コネクタ210を、ケース11側に移動する。
【0074】
血圧測定装置充電用コネクタ210がケース11側に所定距離移動されると、第2部材230の2つのガイド壁部234間に、カーラ5及び引張カフ74が収容される。2つのガイド壁部234間にカーラ5の一部が収容されることで、カーラ5に対する血圧測定装置充電用コネクタ210の、カーラ5の幅方向の移動方向が規制される。このように規制されることで、血圧測定装置充電用コネクタ210を移動させる方向に、接続端子260と給電端子8bとが対向する。
【0075】
血圧測定装置充電用コネクタ210をさらにケース11側に移動すると、接続端子260の先端部がカバー8cの孔8dに入る。接続端子260の先端部が孔8dに入ることで、接続端子260が給電端子8bに接触する。また、接続端子260の先端が孔8dに入ることでクリック感が生じる。
【0076】
ユーザは、クリック感によって、接続端子260が給電端子8bに接続されたことを認識する。ユーザは、クリック感を得ると、血圧測定装置充電用コネクタ210の移動を停止し、第1部材220及び第2部材230の端部の押圧を解除する。
【0077】
第1部材220及び第2部材230への押圧が解除されると、付勢部材250により、第2部材230が引張74側に移動される。第2部材230は、引張カフ74側に移動されると、突起232の端面233が、引張カフ74の内周面に当接する。
【0078】
上述したように本実施形態に係る血圧測定装置1によれば、突起232により引張カフ74の内周面を支持することで、血圧測定装置充電用コネクタ210をカーラ5に安定して保持することが可能となる。この為、接続端子260が給電端子8bに接続された状態を維持することが可能となる。
【0079】
さらに、突起232の端面233は、引張カフ74の内周面の、端面233が当接する部位における接線方向に延びる平面、または、引張カフ74の内周面の、端面233が当接する部位に沿う曲面に構成される。この為、突起232が引張カフ74に面接触する、または、広範囲で接触するので、血圧測定装置充電用コネクタ210をカーラ5に安定して保持することが可能となる。
【0080】
さらに、接続端子260及び突起232が第1部材220及び第2部材230の回転方向に対向する。この為、接続端子260及び突起232の間に挟持される引張カフ74及びカーラ5に回転モーメントの発生を抑制できる。この為、血圧測定装置充電用コネクタ210をカーラ5に安定して保持することが可能となる。
【0081】
さらに、回転軸240の中心から接続端子260の軸心までの距離、及び回転軸240の中心から突起232の中心までの距離が、同じ距離に設定されることで、接続端子260は、第1部材220及び第2部材230の回転方向で、突起232の中心に対向する。この為、接続端子260及び突起232の間に挟持される引張カフ74及びカーラ5に回転モーメントの発生をより一層抑制できる。この為、血圧測定装置充電用コネクタ210をカーラ5に安定して保持することが可能となる。
【0082】
さらに、第1部材220の外郭ケース31側の一端が第2部材230側に突出しており、さらに、第1部材220の外郭ケース31側の端部の第2部材230側の面223は接続端子260及び給電端子8bが接続されたときに対向するカーラ5及びカバー8cの外面に沿う形状に構成される。このため、第1部材220の外郭ケース31側の一端をカーラ5の外面に接触させることで、血圧測定装置充電用コネクタ210のカーラ5への装着作業時に、血圧測定装置充電用コネクタ210の回転軸240側がカーラ5に干渉することを抑制できる。さらに、面223がカーラ5及びカバー8cの外面の対向する領域に沿う曲面に構成されることで、血圧測定装置充電用コネクタ210をカーラ5に安定して保持することが可能となる。
【0083】
さらに、第2部材230が、ガイド壁部234を有することで、血圧測定装置充電用コネクタ210に対するカーラ5の、カーラ5の幅方向の移動を規制できるので、血圧測定装置充電用コネクタ210をケース11側に移動するだけで、接続端子260を給電端子8bが収容される窪みに導くことが可能となる。
【0084】
さらに、接続端子260が、付勢部材270により支持されることで、接続端子260が孔8dに入ったときに、クリック感を生じさせることが可能となる。そして、このクリック感により、ユーザに、接続端子260及び給電端子8bが接続されたことを認識させることが可能となる。
【0085】
さらに、第2部材230の外郭ケース31側の一端から回転軸240までの長さは、カーラ5及び引張カフ74が第1部材220及び第2部材230間に配置され、かつ、接続端子260が給電端子8bに接続された状態であっても、回転軸240に当接しない長さを有する。この為、血圧測定装置充電用コネクタ210を給電部8に取り付ける作業において、カーラ5が血圧測定装置充電用コネクタ210と干渉することがないので、血圧測定装置充電用コネクタ210をスムーズに給電端子8bに取り付けることが可能となる。
【0086】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0087】
1…血圧測定装置
3…装置本体
4…ベルト
5…カーラ
5a…カバー部
5b…逃げ部
5c…窪み
5e…螺子孔
6…カフ構造体
7…流体回路
8…給電部
11…ケース
12…表示部
13…操作部
14…ポンプ
18…電力供給部
20…制御基板
31…外郭ケース
31a…ラグ
31b…バネ棒
32…風防
33…基部
35…裏カバー
35a…第1締結部材
35b…第2締結部材
35c…孔部
35d…孔部
41…釦
42…センサ
43…タッチパネル
61…第1ベルト
61a…ベルト部
61b…尾錠
61c…第1孔部
61d…第2孔部
61e…枠状体
61f…つく棒
62…第2ベルト
62a…小孔
62b…第3孔部
71…押圧カフ
73…センシングカフ
74…引張カフ(カフ)
200…手首
205…充電ケーブル
206…AC充電器
210…血圧測定装置充電用コネクタ
211…本体
220…第1部材
221…USBコネクタ
230…第2部材
231…面
232…突起
233…端面
234…ガイド壁部
240…回転軸
250…付勢部材
260…接続端子
270…付勢部材