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特許7102362歯科レーザ装置、ならびに交換可能ハンドピースおよび可変フットペダルとの使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】歯科レーザ装置、ならびに交換可能ハンドピースおよび可変フットペダルとの使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 3/02 20060101AFI20220711BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20220711BHJP
   A61B 18/22 20060101ALI20220711BHJP
   A61C 1/08 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
A61C3/02 R
A61B18/20
A61B18/22
A61C1/08 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019038526
(22)【出願日】2019-03-04
(62)【分割の表示】P 2015556232の分割
【原出願日】2014-02-04
(65)【公開番号】P2019081062
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2019-03-04
【審判番号】
【審判請求日】2020-03-23
(31)【優先権主張番号】61/761,020
(32)【優先日】2013-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/793,006
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/909,929
(32)【優先日】2013-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514052601
【氏名又は名称】コンバージェント デンタル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ピー. モンティ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エイチ. ドレッサー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ハリス グローブス ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】レオニード アンタウン バフィトス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ロバート キヤール
【合議体】
【審判長】村上 聡
【審判官】佐々木 一浩
【審判官】安井 寿儀
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-517159(JP,A)
【文献】米国特許第5411502(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C3/02
A61B18/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザベース治療システムであって、
レーザビームパルスジェネレータと、
レーザパルスの複数のバーストを歯科治療面積に指向するための可動ミラーアセンブリであって、各バーストは、複数のレーザパルスを備えるON間隔に続いて、OFF間隔を備える、可動ミラーアセンブリと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記可動ミラーアセンブリに、
ひとつのバーストを前記歯科治療面積内の第1の場所に指向することと、
前記ひとつのバーストを前記第1の場所に指向した後に、別のもうひとつのバーストのうちの一つを前記歯科治療面積内の第2の場所に指向するように、OFF間隔の間に少なくとも1つのミラーの位置を調節することと、
前記ひとつのバーストを前記第1の場所に、かつ前記別のもうひとつのバーストのうちの前記一つを前記第2の場所に指向した後に、一つ以上の更なるバーストを前記歯科治療面積内の一つ以上の更なる場所に向かって指向するように、少なくとも1つのミラーの前記位置を、一回以上の更なる回数各々異なるOFF間隔の間に調節することと
を行わせるようにプログラムされている、プロセッサと、
前記ON間隔の持続時間、前記OFF間隔の持続時間、および各バーストの持続時間のうちの少なくとも1つを動的に規定するための可変入力デバイスと
を備える、システム。
【請求項2】
前記ON間隔の持続時間、前記OFF間隔の持続時間、および各バーストの持続時間のうちの少なくとも1つは、ユーザによって選択可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可変入力デバイスは、フットペダル、マウス、キーボード、ジョイスティック、タッチスクリーンパネル、およびスライダスイッチから成るグループから選択される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
各ON間隔内の前記複数のレーザパルスの繰り返し率は、0.1kHz~4kHzの範囲内にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記レーザビームパルスジェネレータは、9μm~11.5μmの範囲内の波長を有するレーザビームを発生させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記レーザビームは、COレーザによって発生させられる、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記可変入力デバイスは、フットペダルであり、前記ON間隔の前記持続時間、前記OFF間隔の前記持続時間、および各バーストの前記持続時間のうちの少なくとも1つを動的に規定することは、フットペダル押下を変動させることを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記可動ミラーアセンブリに、前記一つ以上の更なるバーストを前記一つ以上の更なる場所に向かって指向した後に少なくとも1つのミラーの前記位置を前記第1の場所に向かって調節させるように更にプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2013年2月5日に出願された「Dental Laser Apparatus and Method of Use with Intercangeable Hand Pierce and Variable Foot Pedal,」と題する米国仮特許出願第61/761,020号;2013年3月15日に出願された「Dental Laser Apparatus and Method of Use with Intercangeable Hand Pierce and Variable Switch,」と題する米国仮特許出願第61/793,006号;および2013年11月27日に出願された「Rotationally Orientable Dental Laser Hand Piece,」と題する米国仮特許出願第61/909,929号に基づく優先権の利益を主張しており、これら出願の各々の開示はその全体が参考として本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、レーザ治療システムに関し、より具体的には、着脱可能ハンドピースを利用する歯科レーザ治療システムに関する。
【背景技術】
【0003】
歯科レーザシステムは、典型的には、レーザ光または冷却流体を口腔治療面積に指向するためのハンドピースを使用する。レーザは、虫歯の除去、硬組織の切除、穿孔、または成形、および軟組織の除去または切除を含む、いくつかの硬および軟組織歯科手技において有用であり得る。
【0004】
歯は、3つの層を有する。最外層は、最も硬く、歯の残りのための保護層を形成する、エナメル質である。歯の中間であって、かつその大半は、象牙質から成り、最内層は、歯髄である。エナメル質および象牙質は、組成が類似し、約85%の鉱物である炭酸化ヒドロキシアパタイトである一方、歯髄は、圧力および温度に敏感な脈管および神経を含有する。ヒドロキシアパタイトは、任意の他の波長範囲における放射より効率的に、9.3~9.6μmの波長範囲内のレーザ光を吸収する。レーザエネルギーの吸収は、歯の層のいずれかの温度を上昇させ得る。エナメル質および象牙質の切除、輪郭形成、または調整では、約5.5℃の温度上昇は、歯の歯髄の恒久的損傷につながり得るため、歯髄の温度感度を考慮することが有益である。
【0005】
レーザは、局所麻酔剤を使用せずに、手技が従来のドリルを用いて行われるときに要求されるものと同様に、歯科物質の除去に有用であることが分かっている。さらに、レーザは、歯科ドリルと関連付けられた雑音および振動を生じさせない。これらの理由から、歯科業界において、レーザが、ドリルに取って代わり、少なくともある程度、歯科治療からの不安および恐怖を緩和させ得るという多くの期待がある。
【0006】
歯科ドリルと異なり、歯科レーザは、末端切除デバイスであって、すなわち、物質は、概して、集束レーザビームの端部から除去される。対照的に、ドリルは、側方切除デバイスであって、すなわち、物質は、バー(burr)の側面によって粉砕される。レーザデバイスのドリル同様の側方切除の一般的不能性は、その使用を限定し得る。したがって、機敏なハンドピースが、歯科実践においてレーザ技術を利用するために、多くの歯科表面および場所をレーザ治療のためにアクセス可能にするのに有用となり得る。多くの場合、1つのみのハンドピース先端または完全に回転することができないハンドピースを用いて、異なる治療面積に到達する際、難点が生じる。治療の間、要求される冷却剤の量もまた、その温度の過度の上昇を回避するように、選択された標的面積に送達されなければならない。
【0007】
治療におけるレーザの有効性は、いくつかの変数に依存し得る。例えば、レーザパルスの周波数およびパルス幅は、典型的には、レーザの平均パワーを決定する。治療面積への冷却剤の制御された流量は、髄室の過熱および/またはエナメル質の溶融を防止することができ、また、冷却剤中の吸収による、送達されるレーザエネルギーの減衰からのパワー損失を最小限にし得る。これらの変数の好適な値への設定および手技全体を通したそれらの制御は、歯科治療に有益となり得る。
【0008】
空気圧および電気ドリル等の従来の歯科治療システムは、多くの場合、フットペダルを含み、それを使用して、オペレータは、パワー設定を調節するために、手技を一時停止する必要なく、バーの回転速度および/またはパワーを制御し、手技全体を通して、物質除去率が変動されることを可能にすることができる。レーザベースの歯科システムでは、フットペダルは、レーザの発射を作動させ、かつ冷却剤の流動を作動または停止させるために使用されてもよい。所望のレーザパワーは、通常、最初に、オペレータによって設定され、次いで、レーザは、フットペダルを押下することによって発射され、またはペダルを解放することによって、オフにされることができる。治療の任意のパラメータが、変更されるべき場合、手技は、典型的には、一時停止され、オペレータは、1つ以上のシステムパラメータを調節し、次いで、手技を再開し得る。レーザのパルスレートは、治療面積に送達されるレーザエネルギーの量を制御するために制御され得る、パラメータの1つである。しかしながら、パルスレートのみの制御は、多くの治療手技において効果的ではない。
【0009】
種々の現在使用されているレーザベースの歯科治療システムは、いくつかの付加的不利点を有する。例えば、これらのシステムは、概して、専用ハンドピースを要求し、交換可能なハンドピースの使用をサポートしない。一般に使用される種々のハンドピースは、同時に、レーザパルスおよび冷却剤の両方を送達しない。さらに、ハンドピースは、典型的には、オペレータが、患者に有意な不快感を生じさせずに、レーザエネルギーを歯または歯肉の任意の選択された場所に指向し得るように、回転可能ではない。したがって、改良されたレーザベースの治療システムおよび方法が、必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(要旨)
本発明の種々の実施形態は、前述で識別された必要性のうちの1つ以上を満たす、歯科レーザ装置を対象とする。これは、部分的に、同時に、レーザパルスおよび冷却剤を治療領域に送達することができる添着可能ハンドピースを有する装置を提供することによって、達成される。ハンドピースは、主チャンバに回転可能に添着されてもよい。溝および密閉機構は、ハンドピースが回転されるにつれて、冷却剤、例えば、空気および水の流体の送達を促進する。したがって、ユーザ(例えば、医師)は、治療を中断せずに、ハンドピースを回転させ、レーザエネルギーを患者の口内の選択された場所に指向することができる。
【0011】
ハンドピースは、先端角度、ハンドピースの長さ等、ハンドピースの特徴に関する情報を記憶する、回路を含んでもよい。ハンドピースが添着されるべき主チャンバは、記憶された情報を読み取り、自動的に、ミラーの角度、レンズの焦点距離等、レーザ送達システムのパラメータを調節することができる。これは、ユーザが、レーザ送達システムを手動で再構成する必要なく、必要に応じて、ハンドピースを切り替えることを可能にする。
【0012】
歯科レーザ装置の随意のフットペダルは、パルスレート、パルス幅、パルスあたりのエネルギー等、レーザパルスのシーケンスの特性を変動させてもよい。パルスシーケンスパラメータが、フットペダルの移動に応答して変化するにつれて、主チャンバ内の光学システムの中の検流計が、選択されたパルスシーケンスパラメータに従って調節され得る。これは、ユーザが、必要に応じて、レーザエネルギーの送達を調節することによって、切除手技を微調整することを可能にする。
【0013】
故に、一側面では、レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置は、主チャンバと、主チャンバに添着可能なハンドピースとを含む。主チャンバは、光学サブシステムと、一次流体供給サブシステムとを含む。光学システムは、レーザビームを歯科治療面積に指向するように適合され、一次流体供給サブシステムは、流体を治療面積に指向するように適合される。ハンドピースは、ハンドピースの主チャンバへの添着に応じて、二次流体供給サブシステムが、レーザビームと同時に、冷却剤を歯科治療面積に提供するために、一次流体供給サブシステムと流体連通を形成するように、対合光学サブシステムおよび対合二次流体供給サブシステムを含む。対合光学サブシステムは、レーザビームを歯科治療面積に提供するために、光学サブシステムと整合する。
【0014】
いくつかの実施形態では、ハンドピースは、主チャンバに回転可能に添着可能である。一次流体供給サブシステムおよび二次流体サブシステムは、ハンドピースが主チャンバに対して回転されるとき、流体連通が維持されるように、環状溝セットおよび対応する半径方向ポートを含む。
【0015】
一次流体供給サブシステムは、一次水チャネルと、一次空気チャネルとを含んでもよい。二次流体供給サブシステムは、対応する二次水チャネルと、対応する二次空気チャネルとを含んでもよく、対応して、溝セットは、一次および二次水チャネルが、第1の溝を介して、流体連通を形成し、一次および二次空気チャネルが、第2の溝を介して、流体連通を形成するように、第1および第2の環状溝を含んでもよい。本装置はまた、一次および二次流体供給サブシステムと関連付けられた密閉機構を含んでもよい。密閉機構は、少なくとも1つのOリングを含んでもよい。
【0016】
別の側面では、レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置は、光学サブシステムを含む、主チャンバを含む。本装置はまた、主チャンバに添着可能なハンドピースを含む。ハンドピースは、ハンドピースの特徴に関連する情報を記憶することができる、回路を含む。特徴は、例えば、約90度先端、コントラアングル105度先端等、ある角度における先端であることができる。いくつかの実施形態では、回路内にエンコードされた情報は、ハンドピースの長さ、ハンドピースの直径、先端の角度、および歯科治療面積からの先端の隔離距離のうちの1つ以上を含む。
【0017】
種々の実施形態では、ハンドピースは、主チャンバに回転可能に添着可能であることができる。本装置は、ハンドピースが回転しないように防止するための機構を含んでもよい。本装置はまた、プロセッサによってエンコードされた情報を抽出するために、ハンドピース内の回路とプロセッサとの間の電気連通を確立するためのインターフェースを含んでもよい。代替として、本装置は、プロセッサによってエンコードされた情報を抽出するために、ハンドピース内の回路とプロセッサとの間の電気連通を確立するためのスリップリングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本装置は、プロセッサによってエンコードされた情報を抽出するために、ハンドピース内の回路とプロセッサとの間の通信を確立するためのRFIDトランスポンダを含んでもよい。
【0018】
別の側面では、レーザビームを歯科治療面積に指向するために使用される、ハンドピースに添着可能な整合アタッチメントは、標的構成要素と、ハンドピースの先端に添着可能な隔離固定具とを含む。隔離固定具は、実質的に、先端から発出するレーザビームの焦点に、標的構成要素を配置してもよい。標的構成要素は、プラスチックディスクを含んでもよい。
【0019】
一側面では、レーザベースの歯科治療システムを制御するためのフットペダルは、歯科治療のために使用されるレーザビームのパワーを制御するために、ユーザの足によって接触するために適合される、上側表面を含む。フットペダルは、レーザパルス繰り返し率および/またはパルスあたりのレーザエネルギーを調節するために適合されてもよい。代替として、または加えて、フットペダルは、検流計率を調節するために適合されてもよい。
【0020】
一側面では、方法は、主チャンバと、先端を有する可撤性ハンドピースとを有する、レーザベースの治療システムを使用して、レーザビームを歯科治療面積に指向するために提供される。本方法は、ハンドピースが主チャンバに添着された後、ハンドピース内に位置する回路から、先端に関連する情報を読み出すステップを含む。本方法はまた、先端内の一次光学サブシステムおよび二次光学サブシステムを通して通過するレーザビームが、歯科治療面積の選択されたスポットに指向されるように、少なくとも部分的に、読み出された情報に基づいて、主チャンバ内の一次光学サブシステムのミラーの位置を調節するステップを含む。
【0021】
別の側面では、レーザベースの治療システムを使用して、レーザビームを歯科治療面積に指向する方法は、可動ミラーを介して、レーザパルスの一連のバーストを送達するステップを含む。各バーストは、ON間隔に続いて、OFF間隔を含んでもよい。レーザパルスは、ON間隔の間、歯科治療面積に指向されてもよく、実質的に、レーザパルスは、OFF間隔の間、歯科治療面積に指向されなくてもよい。本方法はまた、(i)一連のバーストの第1のバーストの間、治療面積内の第1の場所と、(ii)一連のバーストの第2のバーストの間、治療面積内の第2の場所とにレーザパルスを指向するように、ミラーの位置を調節するステップを含む。
【0022】
本方法はさらに、フットペダルを使用して、ON間隔の持続時間、OFF間隔の持続時間、およびバーストの持続時間のうちの1つ以上を選択するステップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、ON間隔、OFF間隔、およびバーストのうちの1つ以上の持続時間を選択するように、フットペダルを構成するステップを含む。
【0023】
一側面では、レーザベースの治療システムを使用して、レーザビームを歯科治療面積に指向する方法は、レーザビームパルスの一連のバーストを送達するステップを含む。レーザビームは、約9μm~最大約11.5μmの範囲内の波長を含んでもよい。各バーストは、ON間隔に続いて、OFF間隔を含んでもよく、レーザパルスは、ON間隔の間、歯科治療面積に指向されてもよく、実質的に、レーザパルスは、OFF間隔の間、歯科治療面積に指向されなくてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、本方法はさらに、(i)一連のバーストの第1のバーストの間、治療面積内の第1の場所と、(ii)一連のバーストの第2のバーストの間、治療面積内の第2の場所とにレーザパルスを指向するように、可動ミラーの位置を調節するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、中間圧力、すなわち、約260~600トルのCOレーザを使用して、レーザビームを発生させるステップを含む。
【0025】
一側面によると、レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置は、主チャンバを形成する筐体を含む。本装置は、主光学サブシステムと、一次流体供給サブシステムとを含み、レーザビームおよび流体を歯科治療面積に指向するように適合される。可撤性ハンドピースは、主チャンバに添着可能であって、ハンドピースは、対合光学サブシステムと、対合二次流体供給サブシステムとを含む。ハンドピースは、ハンドピース内の光学軸を中心として回転可能である。係止部は、係合されると、ハンドピースの選択可能角度配向を主チャンバに対して維持し、係脱されると、ハンドピースが、その光学軸を中心として回転することを可能にする。種々の実施形態では、係止部は、クランプの形態である。
【0026】
ハンドピースが、主チャンバに添着されると、二次流体供給サブシステムは、レーザビームと同時に、冷却剤を歯科治療面積に提供するために、一次流体供給サブシステムと流体連通を形成する。いくつかの実施形態では、一次流体供給サブシステムおよび二次流体サブシステムは、ハンドピースが主チャンバに対して回転されるとき、流体連通が維持されるように、環状溝セットおよび対応する半径方向ポートを含む。本装置は、随意に、一次および二次流体供給サブシステムと関連付けられた密閉機構、例えば、少なくとも1つのOリングを含む。
【0027】
本発明の別の側面によると、ある実施形態は、レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置によって定義され、本装置は、主光学サブシステムおよび一次流体供給サブシステムのための主チャンバを形成する筐体を含み、本装置は、レーザビームおよび流体を歯科治療面積に指向するように適合される。ハンドピースは、主チャンバに添着可能であって、ハンドピースは、対合光学サブシステムと、対合二次流体供給サブシステムとを含む。ハンドピースは、ハンドピース内の光学軸を中心として回転可能である。係止部は、係合されると、ハンドピースの選択可能角度配向を主チャンバに対して維持し、係脱されると、ハンドピースが、その光学軸を中心として回転することを可能にする。角度測定センサは、主チャンバに対してハンドピースの選択された角度配向を測定するために提供される。コントローラは、主光学サブシステムと対合光学サブシステムを整合させるように、少なくとも部分的に、選択された角度配向に基づいて、主光学サブシステムを調節するように適合される。
【0028】
ある実施形態では、コントローラは、係止部への係合に応じて、主チャンバ内のレーザビームの主光学軸が、実質的に、ハンドピースの光学軸と共線状状となるように、主光学サブシステムを調節するように適合される。種々の実施形態による、主光学サブシステムは、モータによって調節可能な少なくとも1つのミラーを含み、コントローラは、モータを制御し、少なくとも1つのミラーの初期位置を調節するように適合される。代替として、または加えて、コントローラは、その機能が、選択された角度配向に従って、主光学サブシステムへの調節を規定する、機能ベースの計算機、および選択された角度配向に従って、主光学サブシステムへの調節を規定する、ルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを含む。
【0029】

本発明の別の側面によると、前述の装置、構造、およびシステムの製造および使用と関連付けられた種々の方法が、企図され、本明細書に記載の本発明の範囲内であると見なされる。

本発明は、例えば、以下を提供する。

(項目1)

レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置であって、

光学サブシステムおよび一次流体供給サブシステムを備え、レーザビームおよび流体を歯科治療面積に指向するように適合される、主チャンバと、

前記主チャンバに添着可能なハンドピースであって、対合光学サブシステムおよび対合二次流体供給サブシステムを備える、ハンドピースと、

を備え、それによって、前記ハンドピースの前記主チャンバへの添着に応じて、前記二次流体供給サブシステムは、前記レーザビームと同時に、冷却剤を前記歯科治療面積に提供するために、前記一次流体供給サブシステムと流体連通を形成し、前記対合光学サブシステムは、前記レーザビームを前記歯科治療面積に提供するために、前記光学サブシステムと整合する、装置。

(項目2)

前記ハンドピースは、前記主チャンバに回転可能に添着可能であって、

前記一次流体供給サブシステムおよび前記二次流体サブシステムは、前記ハンドピースが前記主チャンバに対して回転されるとき、流体連通が維持されるように、環状溝セットおよび対応する半径方向ポートを備える、

項目1に記載の装置。

(項目3)

前記一次流体供給サブシステムは、一次水チャネルおよび一次空気チャネルを備え、

前記二次流体供給サブシステムは、対応する二次水チャネルおよび対応する二次空気チャネルを備え、

前記溝セットは、第1および第2の環状溝を備え、

それによって、前記一次および二次水チャネルは、前記第1の溝を介して、流体連通を形成し、前記一次および二次空気チャネルは、前記第2の溝を介して、流体連通を形成する、項目2に記載の装置。

(項目4)

前記一次および二次流体供給サブシステムと関連付けられた密閉機構をさらに備える、項目1に記載の装置。

(項目5)

前記密閉機構は、少なくとも1つのOリングを備える、項目4に記載の装置。

(項目6)

レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置であって、

光学サブシステムを備える、主チャンバと、

前記主チャンバに添着可能なハンドピースであって、前記ハンドピースの特徴に関連するその中にエンコードされた情報を有する、回路を備える、ハンドピースと、

を備える、装置。

(項目7)

前記特徴は、約90度先端およびコントラアングル約105度先端のうちの1つである、項目6に記載の装置。

(項目8)

前記エンコードされた情報は、前記ハンドピースの長さ、前記ハンドピースの直径、前記先端の角度、および前記歯科治療面積からの前記先端の隔離距離のうちの少なくとも1つを備える、項目6に記載の装置。

(項目9)

前記ハンドピースは、前記主チャンバに回転可能に添着可能であって、

前記ハンドピースが回転しないように防止する手段と、

前記プロセッサによって前記エンコードされた情報を抽出するために、前記ハンドピース内の回路とプロセッサとの間の電気通信を確立するためのインターフェースと、

をさらに備える、項目6に記載の装置。

(項目10)

前記ハンドピースは、前記主チャンバに回転可能に添着可能であって、

前記プロセッサによって前記エンコードされた情報を抽出するために、前記ハンドピース内の回路とプロセッサとの間の電気通信を確立するためのスリップリングをさらに備える、項目6に記載の装置。

(項目11)

前記ハンドピースは、前記主チャンバに回転可能に添着可能であって、

前記プロセッサによって前記エンコードされた情報を抽出するために、前記ハンドピース内の回路とプロセッサとの間の通信を確立するためのRFIDトランスポンダをさらに備える、項目6に記載の装置。

(項目12)

レーザビームを歯科治療面積に指向するために使用される、ハンドピースに添着可能な整合アタッチメントであって、

標的構成要素と、

前記ハンドピースの先端に添着可能であって、それによって、実質的に、前記先端から発出するレーザビームの焦点に、前記標的構成要素を配置する、隔離固定具と、

を備える、整合アタッチメント。

(項目13)

前記標的構成要素は、プラスチックディスクを備える、項目10に記載の整合アタッチメント。

(項目14)

レーザビームを歯科治療面積に指向するために使用される、ハンドピースに添着可能な整合アタッチメントであって、

ビームダンプと、

前記ビームダンプに可撤性に添着可能な感熱紙と、

前記ハンドピースの先端に添着可能であって、それによって、実質的に、前記先端内の開口部から発出するレーザビームの焦点に、前記感熱紙を配置し、前記焦点が、前記開口部と前記ビームダンプとの間に位置する、隔離固定具と、

を備える、整合アタッチメント。

(項目15)

レーザベースの歯科治療システムを制御するためのフットペダルであって、

歯科治療のために使用されるレーザビームのパワーを制御するために、ユーザの足によって接触するために適合される、上側表面を備える、フットペダル。

(項目16)

前記フットペダルは、レーザパルス繰り返し率およびパルスあたりのレーザエネルギーのうちの少なくとも1つを調節するために適合される、項目15に記載のフットペダル。

(項目17)

前記フットペダルは、検流計率を調節するために適合される、項目15に記載のフットペダル。

(項目18)

主チャンバと、先端を有する可撤性ハンドピースとを有する、レーザベースの治療システムを使用して、レーザビームを歯科治療面積に指向する方法であって、

前記ハンドピースが前記主チャンバに添着された後、前記ハンドピース内に位置する回路から、前記先端に関連する情報を読み出すステップと、

前記先端内の一次光学サブシステムおよび二次光学サブシステムを通して通過するレーザビームが、歯科治療面積の選択されたスポットに指向されるように、少なくとも部分的に、前記読み出された情報に基づいて、前記主チャンバ内の一次光学サブシステムのミラーの位置を調節するステップと、

を含む、方法。

(項目19)

レーザベースの治療システムを使用して、レーザビームを歯科治療面積に指向する方法であって、

可動ミラーを介して、レーザパルスの複数のバーストを送達するステップであって、各バーストは、ON間隔に続いて、OFF間隔を備え、レーザパルスは、前記ON間隔の間に、前記歯科治療面積に指向され、実質的に、レーザパルスは、前記OFF間隔の間、前記歯科治療面積に指向されない、ステップと、

(i)前記複数のバーストの第1のバーストの間、前記治療面積内の第1の場所と、(ii)前記複数のバーストの第2のバーストの間、前記治療面積内の第2の場所とに前記レーザパルスを指向するように、前記ミラーの位置を調節するステップと、

を含む、方法。

(項目20)

フットペダルを使用して、前記ON間隔の持続時間、前記OFF間隔の持続時間、および前記バーストの持続時間のうちの少なくとも1つを選択するステップをさらに含む、項目19に記載の方法。

(項目21)

前記ON間隔、前記OFF間隔、および前記バーストのうちの少なくとも1つの持続時間を選択するように、フットペダルを構成するステップをさらに含む、項目19に記載の方法。

(項目22)

レーザベースの治療システムを使用して、レーザビームを歯科治療面積に指向する方法であって、

レーザビームパルスの複数のバーストを送達するステップであって、前記レーザビームは、約9μm~約11.5μmの範囲内の波長を備え、各バーストは、ON間隔に続いて、OFF間隔を備え、レーザパルスは、前記ON間隔の間、前記歯科治療面積に指向され、実質的に、レーザパルスは、前記OFF間隔の間、前記歯科治療面積に指向されない、ステップを含む、方法。

(項目23)

(i)前記複数のバーストの第1のバーストの間、前記治療面積内の第1の場所と、(ii)前記複数のバーストの第2のバーストの間、前記治療面積内の第2の場所とに前記レーザパルスを指向するように、可動ミラーの位置を調節するステップをさらに含む、項目22に記載の方法。

(項目24)

前記レーザビームは、COレーザによって発生される、項目22に記載の方法。

(項目25)

レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置であって、

主光学サブシステムおよび一次流体供給サブシステムを備え、レーザビームおよび流体を歯科治療面積に指向するように適合される、主チャンバと、

前記主チャンバに添着可能なハンドピースであって、(i)対合光学サブシステムおよび対合二次流体供給サブシステムを備え、(ii)前記ハンドピース内の光学軸を中心として回転可能である、ハンドピースと、

係合されると、前記ハンドピースの選択可能角度配向を前記主チャンバに対して維持し、係脱されると、前記ハンドピースが、その光学軸を中心として回転することを可能にするための係止部と、

を備える、装置。

(項目26)

前記係止部は、クランプを備える、項目25に記載の装置。

(項目27)

前記ハンドピースの前記主チャンバへの添着に応じて、前記二次流体供給サブシステムは、前記レーザビームと同時に、冷却剤を前記歯科治療面積に提供するために、前記一次流体供給サブシステムと流体連通を形成する、項目25に記載の装置。

(項目28)

前記一次流体供給サブシステムおよび前記二次流体サブシステムは、前記ハンドピースが前記主チャンバに対して回転されるとき、流体連通が維持されるように、環状溝セットおよび対応する半径方向ポートを備える、項目25に記載の装置。

(項目29)

前記一次および二次流体供給サブシステムと関連付けられた密閉機構をさらに備える、項目25に記載の装置。

(項目30)

前記密閉機構は、少なくとも1つのOリングを備える、項目29に記載の装置。

(項目31)

レーザビームを歯科治療面積に指向するための装置であって、

主光学サブシステムおよび一次流体供給サブシステムを備え、レーザビームおよび流体を歯科治療面積に指向するように適合される、主チャンバと、

前記主チャンバに添着可能なハンドピースであって、(i)対合光学サブシステムおよび対合二次流体供給サブシステムを備え、(ii)前記ハンドピース内の光学軸を中心として回転可能である、ハンドピースと、

係合されると、前記ハンドピースの選択可能角度配向を前記主チャンバに対して維持し、係脱されると、前記ハンドピースが、その光学軸を中心として回転することを可能にするための係止部と、

前記ハンドピースの選択された角度配向を測定するための角度測定センサと、

前記主光学サブシステムと前記対合光学サブシステムを整合させるように、少なくとも部分的に、前記選択された角度配向に基づいて、前記主光学サブシステムを調節するためのコントローラと、

を備える、装置。

(項目32)

前記コントローラは、前記係止部への係合に応じて、前記主チャンバ内のレーザビームの主光学軸が、実質的に、前記ハンドピースの光学軸と共線状となるように、前記主光学サブシステムを調節するように適合される、項目31に記載の装置。

(項目33)

前記主光学サブシステムは、モータによって調節可能な少なくとも1つのミラーを備え、前記コントローラは、前記モータを制御し、前記少なくとも1つのミラーの初期位置を調節するように適合される、項目31に記載の装置。

(項目34)

前記コントローラは、(i)その機能が、前記選択された角度配向に従って、前記主光学サブシステムへの調節を規定する、機能ベースの計算機、および(ii)前記選択された角度配向に従って、前記主光学サブシステムへの調節を規定する、ルックアップテーブルのうちの少なくとも1つを備える、項目31に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、添付の図面および付随の発明を実施するための形態に照らして、より明白となるであろう。その中に描写される実施形態は、限定ではなく、一例として提供され、類似参照番号は、概して、同一または類似要素を指す。異なる図面では、同一または類似要素は、異なる参照番号を使用して参照され得る。図面は、必ずしも、正確な縮尺ではなく、代わりに、本発明の側面の例証に応じて強調される。
図1A図1Aは、歯科レーザシステムの実施形態の種々の構成要素を描写する。
図1B図1Bは、歯科レーザシステムの実施形態の種々の構成要素を図式的に描写する。
図2A図2Aは、一実施形態による、直角先端および主チャンバを有する、ハンドピースの断面を描写する。
図2B図2Bは、一実施形態による、コントラアングル先端を有する、ハンドピースの断面を描写する。
図3A図3Aは、別の実施形態による、直角先端および主チャンバを有する、ハンドピースの断面を描写する。
図3B図3Bは、図3Aに描写される、ハンドピースおよび主チャンバの連結部を図示する。
図3C図3Cは、図3Aに描写される、ハンドピースおよび主チャンバの連結部を図示する。
図3D図3Dは、一実施形態による、コントラアングル先端を有する、ハンドピースの断面を描写する。
図3E図3Eは、旋回式光学を横断する噴流蒸気のためのノズルを含む、ハンドピースの断面を描写する。
図4図4は、一実施形態による、導波管を含む、ハンドピースの断面を描写する。
図5A図5Aは、一実施形態による、ハンドピースおよび主チャンバの整合を図式的に図示する。
図5B図5Bは、ハンドピースおよび主チャンバの整合のための回路の種々の実施形態を図式的に図示する。
図5C図5Cは、ハンドピースおよび主チャンバの整合のための回路の種々の実施形態を図式的に図示する。
図5D図5Dは、ハンドピースおよび主チャンバの整合のための回路の種々の実施形態を図式的に図示する。
図6A図6Aは、種々の実施形態による、整合を試験するための構成要素を描写する。
図6B図6Bは、種々の実施形態による、整合を試験するための構成要素を描写する。
図6C図6Cは、種々の実施形態による、整合を試験するための構成要素を描写する。
図7図7Aおよび7Bは、一実施形態による、ハンドピースおよび主チャンバの断面を描写する。図7Cは、図7Aおよび7Bに描写される、ハンドピースおよび主チャンバの暴露された構成要素を描写する。
図8A図8Aおよび8Bは、図7Aおよび7Bに描写される、ハンドピースおよび主チャンバの種々の例示的配向を描写する。
図8B図8Aおよび8Bは、図7Aおよび7Bに描写される、ハンドピースおよび主チャンバの種々の例示的配向を描写する。
図8C図8Cは、一実施形態による、関節運動アームに連結される、図7Aおよび7Bに描写される、ハンドピースおよび主チャンバを描写する。
図9A図9Aは、一実施形態による、フットペダルの構成要素を描写する。
図9B図9Bは、一実施形態による、フットペダルを使用したパルス状レーザの制御を図式的に図示する。
図10A図10Aおよび10Bは、2つの実施形態による、2つのパルスパターンを図式的に図示する。
図10B図10Aおよび10Bは、2つの実施形態による、2つのパルスパターンを図式的に図示する。
図10C図10C-10Eは、種々の実施形態による、治療面積へのレーザビームの移動およびエネルギーの対応する送達を図式的に図示する。
図10D図10C-10Eは、種々の実施形態による、治療面積へのレーザビームの移動およびエネルギーの対応する送達を図式的に図示する。
図10E図10C-10Eは、種々の実施形態による、治療面積へのレーザビームの移動およびエネルギーの対応する送達を図式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(詳細な説明)
(レーザベースの歯科治療システム)
図1Aを参照すると、例示的レーザ治療装置100では、レーザ源からのレーザビームは、関節運動アームランチ1の中に指向される。ビームはさらに、関節運動式アーム2の中に指向され、ランチ1と反対端を通して、そこから出射する。歯科レーザシステム3は、交換可能ハンドピース5を含む。フットペダル7は、歯科レーザシステム3を制御することができる。フットペダル7は、例証にすぎず、以下に説明されるように、歯科レーザシステムの1つ以上のパラメータの制御は、マウス、キーボード、ジョイスティック、タッチスクリーンパネル、スライダスイッチ等の任意の好適なスイッチを使用して達成されることができることを理解されたい。
【0032】
図1Bを参照すると、フットペダル7に印加される圧力は、例えば、コンピュータ80を制御するように変動されることができ、これは、順に、レーザ源84の動作を制御するように、レーザコントローラ82を制御することができる。フットペダル7(または、一般に、任意のスイッチ)を使用して、レーザ源84は、オン/オフにされてもよく、および/またはレーザビームのパルス、その強度、冷却剤の流速および/または圧力等の他のシステムパラメータが、制御されてもよい。レーザビームは、概して、関節運動アーム86内の光学システム87を通して、主チャンバに通過する。主チャンバ内の別の光学システムを介して、レーザビームは、ハンドピース5の先端に指向される。冷却剤源88からの冷却剤は、コンピュータ制御式冷却剤ポンプ90を使用して、関節運動アーム86を介して、ハンドピース5に供給されてもよい。空気源92からの加圧された空気もまた、コンピュータ制御式弁94を使用して、関節運動アーム86を介して、ハンドピースに供給されてもよい。加圧された空気は、冷却剤と組み合わせて、冷却噴霧を発生させるために使用されてもよく、および/またはハンドピース5内に位置する種々の構成要素を保護するために使用されてもよい。
【0033】
(自由回転可能ハンドピース)
図2Aを参照すると、ハンドピース205aは、軸204aから別の軸204bにレーザビームを再指向することができる、約90°旋回式光学201を含む。水および/または空気導管202は、ハンドピース205aを通して通過し、切除用インサート219を介して退出する。空気および水噴霧(ミスト)は、噴霧用オリフィス220を介して、切除用インサート219から流出することができる。切除用インサート219は、ハンドピース205aに取り付けられることができる、約90°先端221内に搭載される。
【0034】
レーザビームは、典型的には、その上部開口部を通して、主チャンバ/筐体203に入射し、集束光学211を通して通過する。レーザビームは、次いで、対応する電流計/サーボ212a、212bを介して制御される、2つのミラー213a、213bに反射し、実質的に、光学軸204aに沿って伝搬する。レーザビームは、次いで、約90°旋回式ミラー201に反射し、実質的に、軸204bに沿って指向される。
【0035】
照明ボード214上に配置されるダイオード215によって産生される照明光は、光漏斗216を通して、約90°旋回式ミラー201に向かって通過する。ハンドピース205aの回転式ドラム206は、3つの溝224を有する。各溝は、対応する導管222、すなわち、2つの空気導管および1つの水導管を介して与えられる。溝224は、4つのOリング217を用いて密閉される。回転式ドラム206は、実質的に、軸受218を使用して、定位置に保持されるが、軸受は、ドラム、故に、ハンドピース205aが、光学軸204aを中心として自由に回転することを可能にする。したがって、オペレータは、便宜的に、ハンドピース上の先端をレーザビームを治療の選択された面積に指向するように配向することができる。プラスチック筐体210は、埃密閉のために、実質的に、アセンブリ全体を被覆する。ランプ209と界面接触するノブ208(係止リングとも呼ばれる)は、実質的に、光学整合を維持しながら、すなわち、静止位置におけるミラー213a、213bによって反射されたレーザビームが、実質的に、光学軸204aに沿って指向されるように、ハンドピース205が、容易に除去および変更されることを可能にする。
【0036】
交換可能ハンドピース205aは、係止リング208を使用して、源からのレーザビームをハンドピース205aに提供する、主チャンバ203に取り付けられる、回転式ドラム206に取り付けられる。回転式ドラム206は、ドラム206に対して係止リング208の回転を可能にするように、定常に保持されてもよい。これは、ドラム206の回転を防止するように押下されるとき、ドラム206内の軸方向開口部に進入する、プランジャを使用して、またはオペレータが、実質的に、ドラム205が回転しないように防止するために保持し得る、円周方向グリップを使用することによって、達成されることができる。いったん係止リング208が係止し、したがって、ハンドピース205aを主チャンバ203に取り付けると、プランジャは、解放され、ドラムおよびハンドピース205aが、軸受218を使用して、筐体内で自由に回転することを可能にしてもよい。
【0037】
ドラム206の円周の周囲の溝224、ドラム内の軸方向開口部、溝にわたる主チャンバの表面内の半径方向開口部、およびOリング217のアセンブリは、ハンドピース205aが光学軸204aを中心に自由に回転するときでも、送給導管222と対応する空気および水導管202との間に流体連通を生成する。これは、主チャンバからハンドピース205aの先端221への流体の送達を可能にする。
【0038】
流体(例えば、空気および水等の冷却剤流体)が、ハンドピース先端221に到達すると、これらの流体は、混合チャネル内でともに混合されることができ、次いで、選択された形状およびサイズのオリフィス220を通して放出され、冷却噴霧を生成してもよい。冷却噴霧は、冷却するための治療面積に指向され、歯が非安全温度まで加熱されないように防止することができる。噴霧用オリフィスの方向は、レーザによって治療されている面積の中心またはその近傍に噴霧を集束させるように選択されることができる。レーザ治療面積またはその近傍に集束されない、あるいは不十分である、噴霧は、歯のエナメル質の溶融を生じさせ得、これは、硬組織の治療に有意に干渉し得る。溝Oリングアセンブリは、適切な冷却噴霧の生成および送達を可能にするように、ハンドピースの先端への流体連通および流体の送達を可能にする。
【0039】
別個の空気流もまた、空気の噴流を生成するために、噴霧用流体と同様に、ハンドピースの先端に提供されることができる。空気噴流は、レーザビームを横断して形成されてもよく、層流空気ナイフ障壁を提供するための拡大出口219を通して出射してもよい。代替として、または加えて、空気噴流は、旋回式ミラーから任意の残骸を再指向するために、旋回式ミラー201にわたって形成され、それにわたって空気シースを生成してもよい。
【0040】
空気噴流は、その開口部を通して先端221に進入し得る、治療表面から飛び跳ねた冷却剤または治療面積からの焼灼された物質等、任意の残骸を最小限化または排除することができる。そのような残骸は、集束レーザビームを治療面積に指向するために使用される旋回式ミラー201を汚染し、したがって、望ましくない様式において治療に影響を及ぼし得る。
【0041】
図2Bを参照すると、別の交換可能ハンドピース205bは、約105°の先端角度を有する。本コントラアングルハンドピースは、典型的には、約90°以外の角度において、歯科面積の治療を可能にする。空気および水導管202は、流体をハンドピース先端221の中に送給し、噴霧用オリフィス220を介して治療面積に指向されるべき噴霧を形成する。コントラアングル先端221は、光学軸204bに対して約105°の角度にあって、コントラアングル旋回式ミラー207は、直角ハンドピース先端の旋回式ミラーに対して約7.5°の角度にある。例えば、直角先端旋回式ミラーは、ハンドピースの光学軸に対して約45°の角度に配置されてもよい一方、コントラアングル先端旋回式ミラーは、光学軸に対して約52.5°の角度に配置されてもよい。ハンドピース205bはまた、それを通して先端221の開口部を横断する空気噴流が出射し得る、空気窓219を含む。ハンドピース205aと併用され得る、主チャンバ230内の同一の流体連通システムも同様に、本可撤性ハンドピース205bと併用されることができる。ハンドピース先端の角度は、関連付けられた認識チップ内にエンコードされてもよく、内部コンピュータによって読み取られ、有意なユーザ介入を伴わずに、光学システムおよび/またはビーム走査パターンに必要な調節を可能にしてもよい。
【0042】
図3Aを参照すると、直角(約90°)ハンドピース先端9が、交換可能ハンドピース5に取り付けられる。歯科レーザシステム3は、主チャンバ10を含み、それを通して、関節運動アームから出射後、レーザが指向される。ハンドピース5は、連結部11を使用して、主チャンバ10に接続される。ハンドピース5および主チャンバ10は両方とも、第1の光学軸13を含む。連結部11は、ハンドピースの軸13および主チャンバ10内の軸13が、実質的に、共線状であって、それによって、交換可能ハンドピース5と主チャンバ10を整合させるように、主チャンバ10へのハンドピース5の取付を可能にする。これは、概して、レーザビームが、ハンドピースを通して、規定の標的領域に向かって指向されることを可能にする。
【0043】
レーザビームは、1つ以上の調節可能ミラー23を使用して、主チャンバ10を通して、交換可能ハンドピース5に向かって指向される。検流計25(一般に、サーボ機構)は、ミラー23に取り付けられ、ミラーの角度移動および電子的に制御されたビーム誘導を可能にする。レーザビームは、約9μm~約11.5μmの範囲内の波長を有することができ、中間圧力レーザ源を使用して得られてもよい。ビームは、COレーザを使用して発生されてもよい。
【0044】
主チャンバ10内の一次マニホールド21の中に位置する、1つ以上の一次流体ポート19は、1つ以上の流体源(図示せず)と流体連通する。液体冷却剤および空気等の流体は、その個別の源から個別の一次流体ポート19に流動してもよい。連結部11は、1つ以上の二次流体ポート15を含み、それぞれ、交換可能ハンドピース5内の二次管17(部分的に、示される)のうちの少なくとも1つと流体連通し、したがって、1つ以上の一次流体源からハンドピース先端9への流体連通を可能にする。例えば、一実施形態では、冷却剤および空気は、混合チャンバ40を含む、噴霧ノズル39に送達され、そこで、流体が組み合わせられ、冷却剤スプレーの微粒化された噴霧を形成するように噴流される。
【0045】
この目的を達成するために、1つ以上の環状溝27が、主チャンバ10内に形成される。溝は、概して、第1の光学軸13に対して同心であって、1つ以上のシール29によって含有される。密閉は、例えば、溝27等の溝の両側の2つのOリング29によって提供されることができる。一実施形態では、溝27は、主チャンバ10の一次マニホールド21の上部表面内に形成される。二次マニホールド31は、溝27にわたって回転することができる。二次マニホールド31は、交差穿孔開口部20を含む。各開口部20は、対応する出口18に連結され、また、溝27のうちの1つと関連付けられる。これは、溝27と対応する二次流体出口18との間に流体連通を可能にする。
【0046】
二次流体出口18は、ハンドピース連結部11内の対応する二次流体ポート15に連結される。ハンドピース5が、光学軸13の周囲で回転されるにつれて、二次マニホールド31もまた、一次マニホールド21にわたって回転することができる。二次流体出口18は、回転の間、開口20を介して、溝27との流体連通を維持してもよい。したがって、流体連通は、ハンドピースが軸13を中心として回転されるにつれて、一次ポート19、対応する二次出口18、対応する二次ポート15、および対応する二次管17間に維持されることができる。
【0047】
図3Bを参照すると、第1の一次流体ポート19aは、主チャンバ30内の右の最遠位に位置する、第1の環状溝27aと流体連通する。第1の環状溝27aもまた、前述のように、開口部20aおよび出口18aを介して、交換可能ハンドピース連結部11上の第1の二次流体ポート15aと流体連通する。二次流体ポート15aは、断面AAに見られるように、光学軸13に対するハンドピース5の1つの回転配向において見られることができる。本配列は、光学軸13を中心とする連結されたハンドピース5の完全回転を通して、第1の一次流体ポート19aと対応する第1の二次流体ポート15aとの間に密閉された流体連通を可能にする。
【0048】
図3Cを参照すると、第2の一次流体ポート19bは、主チャンバ30の最左端近傍に位置する、第2の環状溝27bと流体連通する。第2の環状溝27bは、断面BBに描写されるように、光学軸13に対するハンドピース5の異なる回転配向に見られ得る、第2の二次流体ポート15bと流体連通する。第2の一次流体ポート19bおよび第2の二次流体ポート15bは、一次マニホールド21の円周の周囲全体に延設される、第2の環状溝27bを介した完全回転を通して、開口部20bおよび出口18bを介して、密閉された流体連通を維持することができる。
【0049】
再び、図3Aを参照すると、ハンドピース5および連結部11の回転は、軸受33によって促進される。交換可能ハンドピース5は、連結部11と噛合し、主チャンバ10に回転可能に添着される。一実施形態では、交換可能ハンドピース5は、バヨネット係止特徴36を通して、連結部に添着される。ハンドピース5の回転は、グリップ38を使用して防止されることができる。交換可能ハンドピース5の一実施形態では、旋回式ミラー35は、第2の光学軸37に沿って、第1の光学軸13からの入射レーザビームを治療面積に指向する。図3Aに描写される実施形態では、第1の光学軸と第2の光学軸との間の角度は、約90°である。図3Dに描写される別の実施形態では、本角度は、約105°である。図3Dを参照すると、コントラアングルハンドピース先端41は、光学軸13、37間に約105°の角度を生じる。これらの2つの角度(すなわち、約90°および約105°)は、例証にすぎない。75°~125°の範囲内のハンドピース先端角度が、使用されてもよい。
【0050】
(旋回式光学と平行な空気)
図3Eを参照すると、交換可能ハンドピース5内では、旋回式ミラー35が、第2の光学軸37に沿って、レーザビーム入射を光学軸13から治療面積に指向する。歯科施術の間、冷却剤および/または残骸が、軸37の周囲の先端内の開口部を通して進入し得、ミラー35の反射表面に積もり、それによって、ミラーの反射率に影響を及ぼし得る。そのような汚染を防止または少なくとも軽減するために、実質的に、旋回式ミラー35に平行であって、かつそれにわたる流体(典型的には、圧縮された空気)流が、ノズル67を使用して形成され、旋回式ミラー35にわたって保護障壁を提供することができる。ノズル67によって供給される典型的空気圧力は、約40psiである。一般に、空気圧力は、約10psi~最大約100psiまで変動することができる。流体流または噴流は、焼灼された物質の大粒子が、旋回式ミラー35に融着しないように防止することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、ハンドピースは、直線中空波ガイドまたはファイバを含むことができる。図4を参照すると、中空波ガイド43が、ねじ山付きハブ45に添着され、その2つは、中空波ガイド43が、実質的に、一次光学軸13と同心であるように、交換可能ハンドピース5上の受信機47の中に螺入される。中空波ガイド43およびねじ山付きハブ45は、治療間に置換されてもよい。中空波ガイド43はまた、非可撓性ハンドピースを使用して、または従来のバーを使用して、便宜的に治療されることができない面積または領域に、レーザエネルギーを送達するように屈曲されてもよい。
【0052】
(ハンドピースの整合)
交換可能ハンドピースは、個々の交換可能ハンドピースに特有の情報を含有する、エンコードされたチップを含有してもよい。ハンドピースが、主チャンバに取り付けられると、チップと歯科レーザシステム内の内部コンピュータとの間の電気接続が、コンピュータが、チップ上に位置するエンコードされた資料を読み取ることを可能にし得る。歯科システムは、システムコンピュータが、その上のチップ上にエンコードされた情報を読み出すことによって、取り付けられたハンドピースを認識する場合のみ、動作され得るように構成されることができる。ハンドピース上のチップは、ハンドピースの長さ、その中心軸の場所、ハンドピースと関連付けられたデフォルト手技、流体圧力および流動要件、レーザパワー限界、ならびに利用可能な走査可能面積を含む、ハンドピースのある定義特性を含んでもよい。本情報を使用して、取り付けられる交換可能ハンドピースの能力が、識別されてもよく、システムデフォルトが、設定されてもよい。
【0053】
あるハンドピースが、別のものと置換されるため、個々の交換可能ハンドピース間の整合に、わずかな差異が、生じ得る。これは、交換可能ハンドピース毎に、ハンドピース内の旋回式ミラー35の中心または中空波ガイド43の中心の場所に変動をもたらし得る。言い換えると、ハンドピース内の光学軸は、実質的に、主チャンバ30内の対応する光学軸と共線状状ではなくなり得る。その結果、あるハンドピースが、別のものと置換されると、レーザビームが、標的領域に指向されないかも知れない。そのような不整合は、主チャンバに取り付けられる際、各ハンドピースを認識し、取り付けられたハンドピースに関する情報を使用して、主チャンバおよび取り付けられたハンドピース内の光学軸が、実質的に、共線状となるように、主チャンバ内の光学システムを調節することによって、排除または少なくとも最小限にされることができる。
【0054】
この目的を達成するために、図5に描写されるように、異なるタイプのハンドピース(例えば、約90°の先端角度を有する、コントラアングル先端、中空波ガイド、またはファイバを有する等)が、各交換可能ハンドピース5に取り付けられた1つのワイヤ認識ボード49を使用して、レーザシステムによって認識されることができる。1つのワイヤ認識ボード49は、レーザシステムのシャーシに接地されてもよく、ハンドピース5の特性を認識することができる必要電気回路を形成するために、ボードへの単一電気接続のみ要求してもよい。単一接続は、主チャンバに対してハンドピースの回転を可能にすることができる。
【0055】
各個々のハンドピースの旋回式ミラーあるいはミラーまたは中空波ガイドの中心の実際の場所は、1つのワイヤ認識ボード49上にエンコードされてもよい。交換可能ハンドピース5が、レーザシステム3に接続されると、エンコードは、レーザシステムによって読み取られ、第1の光学軸13(すなわち、主チャンバ30内の光学軸)が、実質的に、取り付けられた交換可能ハンドピース5の中心と整合されるように、検流計/サーボが、ビームを再指向させることができてもよい。
【0056】
例証として、あるハンドピース内の旋回式ミラー35の中心の場所と第1の光学軸13にわずかな逸脱dが存在し得る。逸脱dは、基準ハンドピース内の旋回式ミラーの中心の場所に対してそのような逸脱を有する、交換可能ハンドピース5の1つのワイヤ認識ボード49上にエンコードされてもよい。ハンドピース5が、システム3に取り付けられると、逸脱dは、歯科レーザシステム3の中に読み取られ、検流計/サーボ25は、ミラー23の初期角度位置を再調節することができる。これは、第1の光学軸13を再配向し、調節された第1の光学軸13dに対して逸脱を考慮することができる。本調節は、調節された第2の光学軸37dに第2の光学軸37のさらなる調節を生じさせ得、これは、規定の標的面積/領域に指向され得る。代替として、または加えて、認識ボード上にエンコードされ得る、他のパラメータとして、ハンドピースがレーザシステムに取り付けられた回数および個々の交換可能ハンドピースの製造番号が挙げられる。
【0057】
図5Bおよび5Cに描写されるように、一実施形態では、ボード49は、エンコードされたチップ51と、接続パッド53とを含む。チップは、典型的には、各ハンドピースに一意である、識別コードと、認識チップが取り付けられるハンドピースの3つのタイプ(すなわち、略直角先端、コントラアングル先端、および中空導波管)のいずれであるかを識別するコードとを用いてエンコードされる。交換可能ハンドピース5が、レーザシステム3に取り付けられると、ばねピン55が、チップとの電気連通を提供する、認識ボード49上の接触パッド53と接触し、システムコンピュータが、エンコードされたチップ51内に含有されるコードを読み取ることを可能にすることができる。
【0058】
エンコードされたデータの通信は、スリップリングと電気連通し、レーザシステム3の回転要素と定常要素との間に電気的連続性を可能にする、電気伝導性導線57を使用して促進されることができる。スリップリングは、典型的には、2つのリング、すなわち、ばね接点60を含む、ブラシリング59と、電気伝導性トラックを含む、トラックリング61とを含む。トラックリング61上の電気伝導性トラックは、ハンドピース5の完全回転全体を通して、ブラシリング59のばね接点60と接触し、交換可能ハンドピース5の回転配向にかかわらず、エンコードされたデータの電気連通を可能にし得る。
【0059】
図5Dに図式的に描写されるように、アクティブ無線周波数(RF)受信機63は、交換可能ハンドピース5とレーザシステム3との間の直接電気接続を伴わずに、認識ボード49との通信を可能にする。本実施形態では、認識ボード49は、パッシブRFIDタグを含む。アクティブRF受信機63は、直接、通信ワイヤ65を用いて、レーザシステム3に接続される。
【0060】
図6Aおよび6Bを参照すると、ハンドピースの先端から発出するレーザビームの整合は、整合ディスク73を使用して試験されることができる。整合ディスク73は、約90°ハンドピース先端9の端部に取り付けられる。したがって、取り付けられると、整合ディスク73は、実質的に、第2の光学軸37を中心として同心であるように設計される。整合ディスク73は、そこに取り付けられると、ハンドピース先端に面する表面上にマークされた標的75(例えば、照準線)を有する。整合ディスク73および標的75は、治療および/またはマーキングレーザによって照射されるとマークされる、材料を使用して作製されることができる。これは、ユーザが、集束レーザビームおよびビーム誘導システムの整合を確実にすることを可能にする。例えば、レーザビームが、標的75と整合される、マーク77を発生させる場合、システムは、レーザビームを選択された歯科治療面積に送達する可能性が高い。しかしながら、レーザビームが、マーク79を発生させる場合、レーザビームが整合ディスク73上の標的75の中心またはその近傍に集束するであろうように、ビーム誘導システムへの調節が、必要となり得る。
【0061】
6Cを参照すると、一実施形態では、整合アタッチメント63が、ハンドピースの端部16に添着される。整合アタッチメントは、ビームダンプ65を含んでもよい。ビームダンプは、ビーム出口45下に位置付けられ、レーザパワーを吸収し、例えば、任意の迷光反射を防止することができる。感熱紙燃焼カード67が、赤外線レーザビームの場所を可視的に検出するために使用されてもよい。感熱紙燃焼カード67をビームダンプ65とビーム出口45との間に設置することは、ビームが、ビームおよびその標的の存在を検出するように、感熱紙燃焼カードに向かって安全に指向されることを可能にする。感熱紙燃焼カードを通して燃焼するエネルギーは、ビームダンプによって安全に吸収される。整合アタッチメントは、ユーザが、臨床使用に先立って、主および対合光学サブシステムの任意の不整合を検出することを可能にする。
【0062】
例えば、治療レーザビームは、可視スペクトル内の標的化レーザビームと共線状に整合され、オペレータが、治療レーザビームを選択された面積に標的化することを可能にすることが予期される。標的化レーザビームと治療レーザビームとの間の任意の不整合は、治療のために選択されていない組織の照射をもたらし得る。本リスクは、整合アタッチメントを添着し、感熱紙燃焼カードの表面上の標的化ビームの場所に留意し、治療レーザを発射し、燃焼カード内の結果として生じる燃焼が、実質的に、治療レーザビームが感熱紙燃焼カードに衝突したのと実質的に同一の場所であることを確実にすることによって緩和されることができる。
【0063】
いくつかの事例では、ハンドピースが主チャンバに添着されるとき、主チャンバ内の光学軸26およびハンドピース内の対合光学軸41が、共線状であって、したがって、整合されている場合でも、ハンドピースが、例えば、レーザビームを異なる治療面積に指向するために、異なる角度位置に回転されるとき、2つの光学軸26、41間に不整合が存在し得る。代替として、ハンドピースが、ある角度位置において、主チャンバに添着されるとき、主チャンバ内の光学軸26および対合光学軸41が、共線状である、したがって、整合されている場合でも、ハンドピースが、異なる角度位置において主チャンバに添着される場合、2つの軸26、41は、整合され得ない。
【0064】
具体的には、ハンドピース内の対合光学軸41は、主チャンバ内の光学軸26に対してわずかに角度が付けられて(例えば、0.2度、0.5度、1度、3度、5度等)整合され得る。そのような不整合は、例えば、ハンドピースの断面および/または対応するOリングが、対合光学軸41を中心として完全に対称ではない場合があるために生じ得る。同様に、主チャンバおよび/または対応するOリングの断面も、光学軸26を中心として完全に対象ではない場合があり、それによって、本明細書に説明される不整合を生じさせる。角度エンコーダは、コントローラと組み合わせて、そのような不整合誤差を補正または少なくとも低減させるために使用されることができる。
【0065】
一実施形態では、主チャンバに対するハンドピースの角度配向は、ハンドピースが主チャンバに添着されると、角度測定センサによって感知される。角度測定センサは、主チャンバ内に位置付けられる、光源および光検出器を含む、光学センサと、ハンドピース上に位置付けられる、光学的にエンコードされたディスクとを含んでもよい。ハンドピースが主チャンバに添着されると、光学的にエンコードされたディスクは、光学センサによって読み取られることができる。光学的にエンコードされたディスクは、主チャンバ内に位置する光学センサに対するディスクの角度配向、故に、主チャンバに対するハンドピースの角度配向を関連させる、一意のコードを生じる、光学パターンを含んでいてもよい。
【0066】
代替として、または加えて、角度測定センサは、磁気エンコーダを含んでもよい。磁気エンコーダは、ハンドピース上に位置する一連の磁極と、主チャンバ上に位置付けられる、磁気抵抗またはホール効果センサ等の磁気センサとを含んでもよい。典型的には、磁気センサに対する磁極の角度位置が、感知され、それによって、ハンドピースが主チャンバに添着されると、主チャンバに対するハンドピースの角度配向を判定する。
【0067】
一実施形態では、角度測定センサは、容量エンコーダを含む。典型的容量エンコーダは、ハンドピース上に位置付けられる、電気伝導性の非対称的に成形されたディスクを含む。ハンドピースが主チャンバに添着されると、非対称的に成形されたディスクと2つの電極との間で接触が行われるように、2つの電極が、主チャンバ上に配置される。主チャンバに対するハンドピースの角度配向の変化は、概して、容量エンコーダの2つの電極に対して、非対称的に成形されたディスクの配向を変更させ、2つの電極との間に静電容量の変化をもたらす。したがって、2つの電極間の静電容量の測定は、主チャンバに対するハンドピースの角度配向の測定値を提供することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、角度測定センサは、電気機械的エンコーダを含む。機械的エンコーダは、いくつかの開口部を有する絶縁ディスクと、そのような開口部の背後のいくつかの電気パッドとを含む。電気パッドはそれぞれ、スイッチ等の対応する電気センサと電気連通する。絶縁ディスクは、主チャンバ上に位置してもよい。電気機械的エンコーダはまた、ハンドピースが主チャンバに添着されると、摺動式オス型接点が絶縁ディスクと界面接触するように、ハンドピース上に位置付けられ得る、いくつかの摺動式オス型接点の列を含む。ハンドピースは、主チャンバに対して異なる角度配向で添着されるとき、異なるオス型接点が、異なる電気パッドと物理的接触を確立することを可能にする。主チャンバに対するハンドピースの角度配向は、次いで、少なくとも部分的に、オス型接点とパッドとによって行われる1つ以上の電気接続に基づいて、判定されてもよい。
【0069】
種々の実施形態では、センサによって感知される、主チャンバに対するハンドピースの角度配向は、コントローラによって読み取られる。各角度配向は、主チャンバ内の光学軸と対合光学軸との間の角度を表す整合誤差と関連付けられ得る。典型的には、2つの軸間の約180度角度は、適切な整合を表すが、異なる角度、例えば、175度、160度等もまた、ハンドピースの形状およびその中の旋回式光学の場所に応じて、適切な整合を表し得ることを理解されたい。適切な整合を表す角度からの逸脱は、ビームに対する感知されたハンドピースの角度配向を対応する整合誤差を示す。ハンドピースの異なる角度配向に対応する整合誤差は、角度配向のルックアップテーブルまたは数学的関数として表されることができる。
【0070】
種々の実施形態では、コントローラは、少なくとも部分的に、整合誤差に基づいて、ビーム誘導システムを制御する。ビーム誘導システムは、レーザビームを反射させるミラーを有する、検流計を含んでもよい。レーザビームの焦点の位置を判定する、ミラー位置は、検流計およびコントローラによって、サーボ機械的に制御されてもよい。主チャンバ内の光学軸およびハンドピース内の対合光学軸が、角度エンコーダの読取値から判定されるように、不整合される場合、1つ以上のミラーの初期位置は、読み出されたセンサ読取値に対応する整合誤差に従って、コントローラおよび検流計によって調節されることができる。したがって、レーザビームの焦点は、実質的に、焦点が2つの軸が適切に整合されるときに生じるであろう、同一の場所に戻るようにシフトされることができる。
【0071】
(回転可能に配向可能であるが、非自由回転式ハンドピース)
前述のハンドピースは、治療レーザビームおよび冷却剤の両方を治療面積に指向することができる。ハンドピースはまた、標的化またはマーク化レーザを治療面積に指向することができる。ハンドピースは、主チャンバ内の流体供給サブシステムとハンドピース内の対合流体供給サブシステムとの間の流体連通を維持しながら、レーザビーム送達システムの主チャンバに対して自由に回転することができる。自由に回転するハンドピースを使用して、オペレータは、有意な不快感を治療されている者に生じさせずに、便宜的かつ正確に、レーザビームを治療面積に指向することができる。
【0072】
しかしながら、ハンドピースの自由回転能力は、ハンドピースの偶発的な意図されない回転をもたらし、レーザビームを治療のために選択されていない面積に指向され得る。ハンドピースの回転はまた、潜在的に、主チャンバ内の光学サブシステムとハンドピース内の対合光学サブシステムの若干の不整合を生じさせ、レーザビームが、オペレータによって選択されたもの以外の若干異なる場所に指向される結果をもたらし得る。したがって、これらの些細な問題の一方または両方に対処するための改良されたシステムおよび方法が、本明細書に説明される。
【0073】
種々の実施形態では、ハンドピースは、主チャンバ内の流体供給サブシステムとハンドピース内の対合流体供給サブシステムとの間に流体連通を維持しながら、主チャンバに対して種々の角度位置に配向されることができる。ハンドピースは、ハンドピースの偶発的意図されない回転と関連付けられたリスクを低減させるように、選択された位置に係止されることができる。ハンドピースおよび主チャンバ内の光学サブシステムは、少なくとも部分的に、センサを使用して判定される、ハンドピースの角度位置に基づいて、整合されることができる。
【0074】
図7A-7Cを参照すると、主光学サブシステム13および一次流体供給システム15を有する、主チャンバ11が、ハンドピース16に添着される。一実施形態では、光学サブシステムは、関節運動アーム17を含み、それを通して、レーザビームが、第1の検流計ミラー19に向かって出射する。第1の検流計ミラーは、第1の検流計21のシャフトに取り付けられる。第1の検流計ミラーの第1の軸内の角度配向、したがって、第1の軸に対して第1の検流計ミラー上へのレーザの入射角度は、第1の検流計によって、サーボ機械的に制御される。第1の検流計ミラーは、概して、いったん第1の検流計ミラーから反射されたビームが、第2の検流計25のシャフトに取り付けられた第2の検流計ミラー23に向かって指向されるように配向される。第2の検流計ミラーの第2の軸内の角度配向、したがって、第2の軸に対する第2の検流計ミラー上へのレーザの入射角度は、第2の検流計によって、サーボ機械的に制御される。第2の検流計ミラーは、概して、いったん第2の検流計ミラーから反射されたビームが、概して、光学軸26に沿って中心に置かれる、第1の集束光学27に向かって、かつそれを通して、光学軸26に沿って指向されるように配向される。第1の集束光学27は、概して、凹面曲率を有する。第1の集束光学27は、ビームが、同様に、概して、光学軸26の周囲に中心付けられる、第2の集束光学29に向かって、かつそれを通して指向されるにつれて、ビームの焦点をずらし、ビーム幅を増加させる。第2の集束光学29は、略凸面曲率を有し、第1の集束光学27より直径が大きく、増加したビーム幅を可能にし得る。第1および第2の集束光学の曲率および場所は、ビームが、そのオリフィスからの選択可能距離において、ハンドピース外側に集束されるように選択される。
【0075】
一実施形態では、一次流体供給システム15は、空気および冷却剤ポンプ等の流体源への流体連通を提供する、いくつかの管を含む。これらの管は、いくつかの継手31に接続されてもよく、一次流体マニホールド33への流体連通を提供してもよい。一次流体マニホールドは、半径方向ポート35の対応する数への単一流体連通を提供することができる。
【0076】
対合光学サブシステム37と、二次流体供給システム39とを有する、ハンドピース16が、主チャンバ11に添着されて示される。対合光学サブシステムは、対合光学軸41を有し、旋回式ミラー43と、ビーム出口45とを含む。所望の標的場所へのレーザビームの送達のために、対合光学サブシステムは、ハンドピースが主チャンバに添着されると、実質的に、主チャンバの光学サブシステムと整合される必要がある。1つ以上の位置決めOリング47および垂直肩部49、51は、初期整合を提供することができる。位置決めOリングは、交互に、光学軸26および対合光学軸41と同心である、主チャンバおよびハンドピースのボアとシャフトとの間に圧縮される。これは、位置決めOリングの軸方向位置に、光学サブシステムと対合光学サブシステムとの間に同心整合を提供することができ、すなわち、ハンドピースが主チャンバに添着されると、光学軸26および対合光学軸41は、実質的に、共線状である。
【0077】
この目的を達成するために、ハンドピースを主チャンバに添着する間、肩部49上に着座される。肩部49は、主チャンバ内の光学サブシステムの光学軸26に垂直である。第2の肩部51は、ハンドピース上に位置し、対合光学軸41に垂直である。添着されると、第2の肩部51は、第1の肩部49上に平坦に着座され、したがって、対合光学軸41を主チャンバの光学サブシステムの光学軸26と平行または共線状に整合させ得る。
【0078】
一実施形態では、ビームは、添着されるハンドピースの対合光学軸41の周囲に中心付けられるように進行し、旋回式ミラー43に反射する。旋回式ミラーは、概して、ハンドピースの対合光学軸上に中心付けられ、ビームがビーム出口45を通して治療面積に向かって反射されるような角度配向を有する。別の実施形態では、旋回式ミラーは、使用されない。代わりに、ビーム出口は、概して、対合光学軸41の周囲にほぼ中心付けられる。
【0079】
種々の実施形態では、第2の対合流体供給システムは、ハンドピース内に提供される。対合流体供給サブシステムは、対応する軸方向ポート55を伴う、いくつかの半径方向ポート51と、種々の内部管57とを介して、流体連通する、いくつかの環状溝49を含んでもよい。内部管は、ハンドピースの長さに沿って、その先端に向かって経由される。溝は、Oリング53を密閉することによって、両側で密閉される。
【0080】
ハンドピースが主チャンバに添着されると、第2の対合流体供給システムと流体連通する、環状溝は、主チャンバに対するハンドピースの角度配向にかかわらず、主チャンバの流体供給システムの半径方向ポートとの流体連通を維持する。
【0081】
一実施形態では、ハンドピースは、主チャンバ内の流体供給システムと第2の対合流体供給システムとの間に流体連通を維持しながら、任意の選択可能角度配向において主チャンバに取り付けられてもよい。光学サブシステムと対合光学サブシステムとの間の整合も同様に、維持され得る。図8Aおよび8Bは、2つの異なる角度配向において、主チャンバに添着されるハンドピースを示す。一実施形態では、いったん主チャンバに添着されると、ハンドピースは、選択された角度配向に回転され、ねじ山付き係止ナット59を使用して、その場所に係止されてもよい。
【0082】
図8Cを参照すると、主チャンバ11は、回転継手61を介して、関節運動アーム17に取り付けられてもよい。回転継手は、ハンドピースおよび主チャンバがともに係止されると、その初期位置に対してハンドピースのわずかな角度配向変化(最大約1度、2度、5度等)を可能にしてもよい。回転継手はまた、より大きい角度配向変化、例えば、30°、40°、90°等を可能にすることができる。これは、ハンドピースおよび主チャンバがともに係止されるため、実質的に、任意の望ましくないまたは意図されない自由移動を防止しながら、レーザビームを選択された場所に指向するように便宜的に配向され得るように、オペレータに、ハンドピースの移動の自由度を提供することができる。
パラメータのパルス化および制御
可変フットペダルは、USBを介して、歯科レーザ装置の内部コンピュータに取り付けられてもよく、ソフトウェアが、周辺フットペダル押下の感知された変化をプロセス変数の対応する変化に変換するために使用されてもよい。フットペダルはまた、歯科レーザ装置のコンピュータのソフトウェアへの入力として使用されることができる。流体流速、レーザパワー、走査速度、グラフィカルズーム、およびオペレータに利用可能な他の変数等のデフォルトパラメータが、治療の間、フットペダルを使用して変更されてもよい。歯科レーザ装置の種々のパラメータは、パルス周波数、パルス幅、レーザ走査率、ジャンプ速度、およびスポットあたりのパルスの数等のパラメータを変動させることによって、レーザパワーの可変制御を提供する、フットペダル等の可変スイッチを使用して制御されることができる。スイッチ(例えば、フットペダル)はまた、噴霧の送達を制御するために、ポンプ速度および/または流体圧力を変動させることによって、流体流動を制御してもよい。一般に、フットペダルの押下が多いほど、送達されるレーザパワー、ビーム走査の速度、および/または噴霧流量は大きくなる。オペレーティングシステムのアナログ周縁機器としての可変フットペダルおよび/または歯科レーザシステムのソフトウェアの使用は、レーザ治療の1つ以上のパラメータを変更するために、手技を停止させる必要なく、システムとの高速かつ便宜的相互作用を提供することができる。
【0083】
可変フットペダル7(一般に、入力デバイス)はまた、オフラインモードで、すなわち、レーザシステムを使用する治療が進行中ではないとき、システムパラメータを設定および制御することができる。1つ以上のパラメータのオフライン修正は、典型的には、治療に先立って行われる。オフラインで設定され得るシステム変数として、冷却剤流速、空気圧力、ビームパターンサイズ、およびレーザパワー設定が挙げられる。治療に先立って、フットペダルを使用して、システムパラメータを設定することは、歯科レーザシステムのハンズフリー初期化を可能にする。オフラインモードでの1つ以上のパラメータ設定は、治療の間、フットペダルを使用して調節されることができる。例えば、交換可能ハンドピース5への流体の流動は、継続的または離散的に、フットペダルを使用して制御される。
【0084】
レーザ歯科システムの種々の実施形態を使用して歯を治療する際、オペレータ(例えば、歯科医)は、典型的には、ハンドピースの先端を歯の領域に指向し、レーザをアクティブ化する。レーザパルスは、次いで、渦巻パターン、ジグザグ走査パターン、ランダムパターン等のパターンに従って、選択された領域に送達される。具体的には、レーザビームは、ユーザ選択されたパターンに従って、選択された領域内のいくつかのスポットに衝打する。レーザビームの移動は、レーザパルスが、継続的に、単一スポットに送達されないように(例えば、数ミリ秒の持続時間の間)、選択された領域を走査するように構成される、電流計/サーボ-ミラーアセンブリによって制御されることができる。これは、歯または歯肉上のスポットの過熱および潜在的に有害な焼灼を回避または低減させる。電流計/サーボ-ミラーアセンブリを使用した走査はまた、領域内の焼灼が均一であるように、適正なエネルギーが、実質的に、均一様式において、選択された領域全体に送達されることを確実にすることができる。したがって、電流計/サーボ-ミラーアセンブリは、ハンドピースを頻繁に移動させる(電流計/サーボ-ミラーアセンブリを伴わない場合、過熱を回避するために必要であり得る)必要なく、ユーザが、選択された領域を均一かつ安全に治療することを可能にする。ユーザは、単に、選択された持続時間(例えば、数秒、1分、または数分等)の間、ある位置にハンドピースを保持し得る。
【0085】
電流計/サーボ-ミラーアセンブリの動作は、典型的には、パルスシーケンスの特性に密接に関連する。これらの特性として、パルスレート、パルス幅、パルスあたりのエネルギー等が挙げられ得る。例えば、ユーザが、フットペダルを押下することによって、パルスレートを増加させる場合、電流計/サーボ-ミラーアセンブリ内のミラー移動率を増加させ、単一スポット内のあまりに多くのパルスおよび結果として生じる過熱を防止することが望ましくあり得る。同様に、ユーザが、パルスレートを低下させる場合、選択された領域全体が効果的に治療されるように、ミラー移動率を低下させることが望ましくあり得る。種々の実施形態では、電流計-ミラーアセンブリ制御パラメータは、フットペダルの移動によって選択される、パルスのシーケンスの特性に従って選択される。
【0086】
選択された治療パラメータ(パルスレート、選択された領域の面積、パルスの形状、パルスエネルギー分布等)に従って、電流計/サーボ-ミラーアセンブリを自動的に調節するための方法およびシステムは、2012年9月4日出願の同時係属中の米国特許出願第13/603,165号「Laser Based Computer Controlled Dental Preparation System」に説明されており、参照することによって本明細書に組み込まれ、その開示は、本特許出願の一部を形成する。
【0087】
本発明の一実施形態は、パルス状レーザ源、例えば、パルス状9.3umCOレーザを使用する。例えば、約100μm、250μm等のオーダーの小スポットサイズに集束されるビームは、電流計/サーボ制御式ミラーを使用して走査され、治療面積に指向されてもよい。パルスのパルス幅および周波数は、概して、治療面積に送達される平均レーザパワーを制御する。ビーム走査の速度は、点から点へのジャンプ速度によって判定されることができる。したがって、各場所点におけるパルスの数は、その場所に送達されるべきレーザエネルギーの量を制御するように制御されることができる。ハンドピース先端への流体の流動は、電子ポンプおよびレギュレータを使用して制御されてもよい。これらの変数の値は、例えば、システムコンピュータ上で実行するソフトウェアを使用して制御されてもよい。
【0088】
レーザパルスの繰り返し率は、可変フットペダル7を使用して、リアルタイムで制御されてもよい。図9Aは、実質的に全方向からアクセス可能な丸い足スイッチ67と、保護カバー69と、歯科レーザシステム7に接続する、フットペダルプラグ71とを伴う、変速フットペダル7を示す。
【0089】
図9Bは、一実施形態による、歯科レーザシステム3上の可変フットペダル7の機能を実証する、3つの異なる例を図示する。例Aでは、可変フットペダル7は、非押下状態に維持される。本状態では、パルス信号は、レーザ源に送信されず、レーザは、パルス化しない。例Bでは、フットペダル7は、軽く押下され、対応して、中程度の繰り返し率におけるレーザパルスが、ハンドピースを介して、送達される。例Cでは、フットペダル7は、完全に押下され、対応して、比較的に高繰り返し率におけるレーザパルスが、ハンドピースを介して、送達される。
【0090】
図10Aを参照すると、レーザパルスは、実質的に、均一単一周波数を有し得る。一般に、単一周波数のためのパルスパターンを説明し得る、2つの変数が存在する、すなわち、パルス幅およびパルス繰り返し率である。レーザパルスのパルス繰り返し率は、フットペダル7によって変動および制御されることができる。いくつかの実施形態では、パルス幅は、可変であって、フットペダル7によって制御される。
【0091】
レーザ源はまた、レーザパルスのバーストのシーケンスを含む、バーストパルスパターンでトリガされてもよい。各バーストは、図10Bに図式的に描写されるように、レーザパルスのアレイを含み、バーストは、遅延周期が続く。バーストパルスパターンは、概して、治療される表面が、照射エネルギーのパルスアレイのバースト間の対流を通して冷却し、治療されている組織および/または任意の周囲組織への任意の熱損傷を防止または少なくとも減少させることができる。バーストパターンは、典型的には、いくつかのパラメータによって説明され、そのそれぞれは、可変フットペダル7を使用して、変動および制御されてもよい。バーストパルスパターンを判定するパラメータとして、バースト持続時間(ON間隔)、すなわち、単一バースト内のパルスのシーケンスの持続時間、バーストあたりのパルスの数、パルス周波数、すなわち、パルスが単一バースト内のパルスのシーケンスの間に送達される率、遅延時間(OFF間隔)、すなわち、パルスの2つの連続シーケンス間の時間の長さ、およびパルス幅、すなわち、各個々のレーザパルスの持続時間が挙げられ得る。
【0092】
パルス周波数は、パルス幅、連続パルス間の遅延、または両方を減少させることによって増加されることができる。パルス幅は、増加されることができ、パルス間の遅延は、パルス周波数が増加するであろうように、パルス幅の増加を上回る量だけ減少されることができる。いくつかの実施形態では、パルス周波数が、全他のパラメータから独立して変動されるとき、パルス幅および2つの連続バースト間の遅延時間は、有意に変更されない。同様に、パルス幅が、変更されるが、パルス周波数およびバーストあたりのパルスの数は、不変のままである場合、バースト持続時間も、不変のままである。本明細書に説明されるパラメータはそれぞれ、1つ以上の他のパラメータとともに、または独立して、すなわち、任意の他のパラメータを変化させずに、変動されることができる。
【0093】
除去率は、治療面積(例えば、歯)に指向される照射エネルギーの関数であって、これは、典型的には、バーストあたりのエネルギー×単位時間あたりのバーストの数によって判定される。単位時間あたりのバーストあたりのエネルギーの量は、独立パラメータ、すなわち、バーストあたりのパルスの数、パルス周波数、およびパルス幅によって判定されることができる。単位時間内のバーストの数は、(a)独立パラメータである遅延時間と、(b)バーストあたりのパルスの数、パルス周波数、またはパルス幅、あるいはこれらのパラメータの任意の2つまたは全3つの組み合わせの関数であり得る、バースト持続時間とによって判定される。
【0094】
一実施形態では、パルス周波数は、可変であって、バーストあたりのパルスの数を実質的に一定に保ちながら、フットペダルの押下のレベルを用いて制御される。パルス周波数を増加させるが、単一バースト内で同一のパルスの数を送達することは、バースト持続時間の減少をもたらすことができる。バーストあたりのパルスの数およびパルス幅を実質的に一定に維持しながらのバースト持続時間の減少は、効果的に、治療面積に指向されるレーザエネルギー率を増加させ、除去率の増加をもたらすことができる。
【0095】
別の実施形態では、バーストあたりのパルスの数は、可変であって、バースト持続時間が実質的に一定に維持されながら、フットペダル制御によって制御される。バーストあたりのパルスの数の増加は、したがって、単一バーストアレイの間、レーザON時間の量を増加させることができ、対応して、治療面積に向かって指向されるレーザエネルギー率を増加させることができる。遅延時間もまた、フットペダルを用いて変動および制御されることができる。バーストアレイ間の遅延時間の減少は、典型的には、バーストアレイ間の治療面積および周囲組織からの対流熱除去のための時間を短縮しながら、レーザのデューティサイクル、治療面積に向かって指向される照射パワー、および物質除去率を増加させる。
【0096】
別の実施形態では、パルス幅は、可変であって、可変フットペダルを用いて制御される。バーストあたりのパルスの数が減少されない場合、パルス幅の増加は、治療面積に指向されている照射されるエネルギーの量を増加させる。パルス幅の変更もまた、単一パルス内で治療面積に送達されるエネルギーの量を増加させる。
【0097】
一実施形態では、ビーム誘導システムである、検流計/サーボに取り付けられたミラーが、治療表面上でレーザビームを走査するために採用される。ビーム誘導システムは、治療表面上に、渦巻等の所定のパターンを走査し、随意に、レーザによって影響される面積を拡大するために使用されてもよい。ビーム誘導システムは、規定の時間量内に、第1の場所から第2の場所にレーザビームの集束スポットを離散的に移動させることができる(ジャンプ間隔と呼ばれるパラメータ)。ビーム誘導システムは、レーザビームによってトレースされるべきパターンに従って、次の位置に移動する前に、レーザが発射するにつれて、ある位置で停止する。ビーム誘導システムが各位置に留まる時間量は、滞留時間と呼ばれるパラメータである。
【0098】
例示的走査ビームパターン1000を描写する、図10Cでは、各滞留時間の間に、それに向かってビーム誘導システムがレーザビームを指向する治療面積の場所は、ドット1002によって示される。ある場所から次の場所へとビーム誘導システムによって辿られる経路は、矢印1004によって示される。2つの場所間の移動は、概して、ジャンプ間隔の間に生じる。ある位置から別の位置に離散的に移動するときのビーム誘導システムの走査率のパラメータの1つは、1つのジャンプ間隔あたりのビームによってある照射場所から次の照射場所へと横断される長手方向または角度距離である。
【0099】
ビーム誘導システムは、バーストパルスレーザパターンまたは単一周波数パルスレーザパターンとともに採用されてもよい。バーストパルスレーザパターンとともに採用されるとき、ビーム誘導システムは、ビームをある場所に指向し、1つ以上のバーストアレイがその場所に送達されるにつれて、対応する位置に滞留する。続いて、ビーム誘導システムは、遅延時間、すなわち、2つのバーストのパルスのシーケンス間の遅延の間、ビームを次の場所に指向する。いくつかの実施形態では、単一バーストが、場所あたりに送達され、したがって、ビーム誘導システムの滞留時間は、バースト持続時間に関連し、ビーム誘導システムのジャンプ間隔は、バーストパルスパターンの遅延時間に関連する。これらの実施形態では、パルス周波数の変更(例えば、フットペダルを使用して)は、バースト持続時間、故に、ビーム誘導システムの滞留時間を変動させることができる。これは、バースト持続時間が、バーストあたりのパルスの数(不変のままであり得る)×パルス期間であり、これは、パルス周波数に逆比例するためである。したがって、パルス周波数を増加することは、バースト持続時間、故に、ビーム誘導システムの滞留時間を減少させることができる。滞留時間の減少は、ジャンプ間隔が不変のままであり得るため、場所間のビーム誘導システム移動の速度に影響を及ぼさずに、それに向かってビーム誘導システムがある時間量内にレーザを指向する、場所の数の増加をもたらすことができる。
【0100】
いくつかの実施形態では、バーストパルスパターンの遅延時間は、可変フットペダルを使用して、変動および制御されることができる。遅延時間の変更は、典型的には、ビーム誘導システムのジャンプ間隔も同様に変動させる。これらの実施形態では、バーストアレイ間の遅延時間の減少は、ある時間量内にそこに向かってビーム誘導システムがレーザを指向する場所の数を増加させ、ビーム誘導システムのジャンプ間隔を減少させ、ビーム誘導システムの速度の増加をもたらす。
【0101】
別の実施形態では、バーストあたりのパルスの数は、可変であって、フットペダルによって制御されることができる。本実施形態では、ビーム誘導システムの滞留時間は、パルス周波数の逆数である、バーストあたりのパルスの数×パルス期間である、バースト持続時間に関連する。したがって、バーストあたりのパルスの数の増加は、ビーム誘導システムの滞留時間を増加させることができる一方、ビーム誘導システムのジャンプ間隔および速度は、実質的に、不変のままであり得る。
【0102】
さらに別の実施形態では、バーストパルスのパルス幅は、可変であって、フットペダルによって制御される。本実施形態では、レーザパルス幅の変更は、パルス幅の変更がバースト持続時間の変更を生じさせ得るため、ビーム誘導システムの滞留時間を改変させることができる。ビーム誘導システムのジャンプ間隔および速度は、不変のままであり得る。
【0103】
図10Dを参照すると、いくつかの実施形態では、ビーム誘導システムは、ビームをある場所から別の場所に離散的に移動させ、各個々の場所に滞留させなくてもよい。代わりに、ビーム誘導システムは、渦巻パターン1050等のパターンで継続的に移動する。レーザパルスは、均一の、実質的に、単一周波数パターンで送達されてもよい。単一周波数パルスレーザパターンとともに採用されると、ビーム誘導システムのジャンプ間隔は、概して、レーザパルス繰り返し率に関連し、滞留時間は、典型的には、レーザパルス幅に関連する。一実施形態では、増加したフットペダル押下を通したパルス繰り返し率の増加は、ジャンプ間隔を低下させることができ、かつ走査率、すなわち、ビーム誘導システムの速度と、所与の時間量内にビームが指向される場所の数とを増加させることができる。単一周波数レーザパルスパターンのパルス幅の増加は、特定の場所において、ビームが指向される滞留時間を増加させ得る。ビーム誘導システムの走査率は、滞留時間が変更されるとき、不変のままであり得る。
【0104】
連続的に照射される場所間の距離、したがって、照射場所の数は、ビーム誘導システムによるビームの連続移動の速度に対する単一周波数パルスパターンの繰り返し率によって判定されることができる。ビーム誘導システムの速度を維持しながら、例えば、フットペダルを使用した単一周波数パルスパターン(すなわち、パルスの周波数)の繰り返し率の増加は、治療面積の連続的に照射される場所間の距離を減少させ、ビーム誘導パターン内の照射場所の数および治療面積に指向される照射パワーの量を増加させることができる。
【0105】
別の実施形態では、ビーム誘導システムの速度は、可変であって、実質的に一定のパルス繰り返し率が維持されながら、フットペダルを用いて制御される。これは照射場所間の距離およびビーム誘導パターン内の照射場所の数に影響を及ぼし得るが、全体的治療面積に向かって指向される照射パワーは、ビーム誘導システムの速度が変化する場合でも、実質的に、不変のままであり得る。
【0106】
別の実施形態では、ビーム誘導システムの連続速度および単一周波数レーザパルスパターンの繰り返し率は両方とも、可変であって、フットペダルを使用して、実質的に、相互に固定割合で制御される。ビーム誘導システムの連続速度および単一周波数パルスパターンの繰り返し率の両方を等しい割合で変動させることは、照射場所間の距離ならびにビーム誘導パターン内の照射場所の数が、治療面積に指向される照射パワーが変動されるにつれて、実質的に、一定のままであることを可能にする。
【0107】
別の実施形態では、単一周波数レーザパルスパターンのパルス幅は、可変であって、ビーム誘導システムの連続速度が、実質的に、一定に維持されながら、フットペダルを使用して制御される。パルス幅の変動は、治療面積に向かって指向される照射パワーならびに照射場所のサイズを変動させ得る。より長いパルス幅は、ビーム誘導システムが、レーザのパルスの間、継続して移動するにつれて、より大きい照射場所をもたらすことができる。ビーム誘導システムの速度に対して短いパルス幅の場合、個々の照射場所のサイズの変化は、無視可能であり得、パルス幅の変化の主要な影響は、治療面積に送達される照射パワーの変化であり得る。
【0108】
図10Eを参照すると、バーストパターンが、連続運動においてレーザビームを移動させるビーム誘導システムとともに採用される場合、パターン内の照射場所のサイズは、ビーム誘導システムの速度ならびにバーストパルスパターンのバースト持続時間によって判定されることができる。照射場所間の距離は、概して、ビーム誘導システムの速度と、遅延時間、すなわち、バーストパターン内の連続バーストアレイ間の遅延との関数である。
【0109】
一実施形態では、パルス周波数は、例えば、ジョイスティック、フットペダル等を使用して、変動および制御される。バースト持続時間が、概して、バーストあたりのパルスの数×パルス期間、すなわち、パルス周波数の逆数に等しいため、パルス周波数から独立したパルス幅の変化は、バースト持続時間の変更をもたらさないかも知れない。これは、実質的に、治療面積の照射場所を保存することができる。各場所に送達されるエネルギーの量は、しかしながら、パルス幅に従って変化し得る。パルス周波数の増加は、バースト持続時間が、減少し得、かつビームが、概して、経路に沿って、実質的に、均一速度で継続的に移動するため、照射スポットのサイズを減少させ得る。
【0110】
別の実施形態では、ビーム誘導システムによるビームの連続移動の速度およびパルス周波数は両方とも、可変フットペダルによって、相互に比例して変動および制御される。したがって、治療面積の照射場所のサイズは、ビーム誘導システムの速度ならびにレーザのパルス周波数を比例して変動させることによって、実質的に、一定に維持され得る。具体的には、パルス周波数が増加するにつれて、バースト持続時間は、概して、減少するが、照射スポットのサイズは、ビーム移動の速度を増加させることによって保存されることができる。治療面積に指向されるエネルギーの量および冷却のためのバースト間の時間もまた、バースト期間、すなわち、バースト持続時間および時間遅延の合計が、時間遅延、すなわち、連続バースト内のパルスのシーケンス間の遅延を調節することによって、実質的に、不変に維持される場合、パルス周波数を変動させることによって変動されることができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、バーストあたりのパルスの数は、可変であって、フットペダルによって制御され、ビーム誘導システムは、実質的に均一速度でビームを継続的に移動させるように構成される。パルス周波数は、実質的に、略一定であってもよい。本実施形態では、治療面積の照射場所のサイズおよび各スポットに送達されるエネルギーおよび/または全体的治療面積は、変動し得る。バーストあたりのパルスの数の増加は、バースト時間を増加させることによって、照射場所のサイズを増加させることができ、各場所および/または全体的治療面積に指向されるレーザパワーを増加させてもよい。
【0112】
他の実施形態では、ビームの速度およびバーストあたりのパルスの数は、フットペダルを使用して、変動されることができる。例えば、これらの2つのパラメータは、比例的および/または反比例的に制御されることができる。これらの実施形態では、治療面積上の照射場所のサイズは、バーストあたりのパルスの数および治療面積に指向されるレーザパワーが変化するにつれて、概して、一定に維持され得る。一実施形態では、バーストあたりのパルスの数が減少するにつれて、バースト持続時間は、減少し得るが、照射スポットのサイズは、レーザビームの移動の速度を比例して増加させることによって維持されることができる。
【0113】
一実施形態では、バースト遅延時間は、ビームが、ビーム誘導システムによって、継続的に、かつ実質的に均一速度で移動されながら、フットペダルによって、変動および制御される。本実施形態では、治療面積の連続的照射場所間の距離は、バースト遅延時間に伴って変動し得る。より長いバースト遅延時間は、より大きい照射場所間の距離をもたらすことができる。代替として、ビームの速度およびバースト遅延時間は、フットペダルによって変動され、比例および/または反比例するように制御されることができる。したがって、遅延時間が増加するにつれて、ビーム移動の速度は、連続照射スポット間の距離が、略不変のままであるように減少されることができる。
【0114】
さらに別の実施形態では、レーザパルスのパルス幅は、レーザビームがビーム誘導システムによって均一速度で継続的に移動されながら、フットペダルによって変動および制御される。治療面積の照射場所のサイズは、パルス幅に伴って、概して、不変のままであり得る。前述のように、照射場所のサイズは、バーストあたりのパルスの数×パルス期間に等しい、ビーム運動の速度およびバースト持続時間の関数である。したがって、パルス幅が変更される場合でも、パルス周波数およびバーストあたりのパルスの数が、実質的に、一定のままである場合、バースト時間は、概して、一定のままであって、治療面積の照射場所のサイズを維持する。
【0115】
別の実施形態では、ビーム運動の速度およびパルス幅は、比例および/または反比例様式において、フットペダルによって変動される。したがって、照射場所のサイズは、パルス幅がフットペダル制御に従って変動されるにつれて、概して、一定に維持されることができる。例えば、パルス幅が減少され、パルス周波数を増加させる場合、バースト持続時間は、減少し得る。ビーム移動の速度を比例して増加させることによって、照射スポットのサイズは、実質的に、不変に維持されることができる。しかしながら、照射場所に送達されるレーザエネルギーの量は、減少し得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、ビーム誘導システムによるビームの移動の速度のみが、レーザバーストパターンパラメータが実質的に変更されないまま、フットペダルによって変動および制御される。したがって、照射場所のサイズ、ならびに連続照射場所間の距離は、ビーム運動の速度に伴って、変動し得る。ビーム移動の速度の増加は、照射場所のサイズならびに連続的照射場所間の距離を増加させ得る。
【0117】
(例示的動作)
歯科診断に応じて、オペレータは、歯科手技を選定してもよい。交換可能ハンドピースは、概して、オペレータが、多様な硬および軟組織手技の任意の1つを行うことを可能にする。ユーザインターフェース4(図1Aに描写される)および可変スイッチ(例えば、フットペダル7)を介して、オペレータは、選定される手技のための種々のシステムパラメータを設定してもよい。オペレータはまた、選定される手技に好適なハンドピースを選択してもよい。例えば、診断は、小臼歯の咬合面のクラス1~5の窩洞形成であり得、オペレータは、本手技に好適なハンドピース5を選択してもよい。オペレータは、次いで、バヨネット特徴36を回転させながら、グリップ38を定常に保持することによって、選択されたハンドピース5を主チャンバ30に取り付けてもよい。ハンドピースを定位置に係止することは、図5A-5Dを参照して前述のように、ばねピン55が認識ボード49に触れ、システムコンピュータが、どのハンドピース5が取り付けられたかを認識することを可能にすることを確実にすることができる。いったんハンドピース5が認識されると、ユーザインターフェース4は、そのハンドピース5に適切なシステム選択肢を表示してもよい。
【0118】
オペレータは、次いで、ユーザインターフェース4上で事前選択されたデフォルトシステムパラメータを選定してもよいか、または利用可能な設定内のパラメータのいずれかを変更してもよい。例えば、オペレータは、パルス幅、最大パルス周波数、および/またはレーザ走査サイズ、形状等を変更してもよい。オペレータは、図6A-6Cを参照して説明されるように、レーザビームの整合を試験してもよい。オペレータは、次いで、ハンドピース先端9を患者の口内に留置してもよく、かつハンドピース第2の光学軸37と治療されるべき面積を整合させてもよい。
【0119】
いったんハンドピース先端9が、適切に留置され、ユーザインターフェース4パラメータが、選択されると、オペレータは、フットペダル保護カバー69を持ち上げてもよく、かつ丸い足スイッチ67を部分的または完全に押下してもよい。フットペダル7の解放は、治療面積へのレーザエネルギーの送達を停止することができる。オペレータは、次いで、治療されている歯を検査し、歯をさらに治療することを選定してもよく、または治療の継続前に、ユーザインターフェース4を使用して、システムパラメータの変更を選定してもよい。例えば、オペレータは、水噴霧の組み合わせを変更するように、ユーザインターフェース4を介して、空気および/または水流を増減させてもよい。
【0120】
随意に、オペレータは、典型的には、第2の光学軸37を治療面積上の任意の特徴に整合させるために、係止バヨネット36を介して、連結部11を回転させる、ハンドピース5をスピンさせることによって、完全または部分的に、ハンドピース5を回転させてもよい。例えば、歯間から(歯の側面から)切除するために、または上側の歯の咬合面を切除するために、ハンドピース5は、光学軸13を中心として回転されてもよい。整合および治療ステップは、前述のように、繰り返されてもよい。
【0121】
オペレータはまた、軟組織の治療の間、冷却のための空気または水を要求しなくてもよい、中空導波管またはファイバ先端付きハンドピースを選定してもよい。前述のように、いったん新しいハンドピースが主チャンバに取り付けられると、システムコンピュータは、そのハンドピースを認識し得、かつユーザインターフェース4は、先端43(図4に描写される)を伴う新しいハンドピースに利用可能なシステム選択肢を表示してもよい。オペレータは、次いで、例えば、ハンドピース43の端部と治療されるべき面積を視覚的に整合させることによって、治療を継続してもよく、または、次いで、中空導波管またはファイバを治療されるべき軟組織上に留置してもよい。治療が完了した後、オペレータは、フットペダル保護カバー69を閉鎖位置に戻してもよい。
【0122】
本明細書に説明されるシステムおよび方法は、口腔組織、歯肉、および歯、例えば、ヒトまたは動物口腔組織、歯肉、および歯を治療するために使用されることができる。具体的には、これらのシステムおよび/または方法は、虫歯の除去、硬組織の切除、穿孔、または成形、軟組織の除去および切除、齲蝕抑制のための硬組織の修正、および硬組織への接着を補助するための硬組織表面状態の修正のための手技において使用されてもよい。
【0123】
本発明は、特に、具体的実施形態を参照して図示および説明されたが、形態および詳細の種々の変更が、添付の請求項によって定義される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に行われてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。本発明の範囲は、したがって、添付の請求項によって示され、請求項の均等物の意味および範囲内にある全ての変更は、したがって、包含されることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E