(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】淹出モジュールおよび飲料調製機
(51)【国際特許分類】
A47J 31/36 20060101AFI20220711BHJP
【FI】
A47J31/36 124
A47J31/36 122
A47J31/36 320
(21)【出願番号】P 2019534184
(86)(22)【出願日】2017-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2017083925
(87)【国際公開番号】W WO2018115184
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-10
(32)【優先日】2016-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロース,フリードリヒ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102835898(CN,A)
【文献】特表2009-542280(JP,A)
【文献】特表2013-533082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0007794(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0206177(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーションカプセルから淹出飲料を調製するための淹出モジュールであって、
・第1の淹出モジュールパーツ(3)と第2の淹出モジュールパーツ(4)とを備え、前記第2の淹出モジュールパーツ(4)は、前記第1の淹出モジュールパーツ(3)に対して、第1の淹出モジュールパーツ位置と第2の淹出モジュールパーツ位置との間で移動可能であり、前記第2の淹出モジュールパーツ位置では、淹出手順中に淹出位置に配置された前記ポーションカプセル(10)を少なくとも部分的に取り囲む淹出チャンバが形成され、前記淹出モジュールは、淹出用流体を前記ポーションカプセル内に導入することによって淹出飲料を淹出し、前記淹出飲料を前記ポーションカプセルから吐出するように構成され、前記淹出モジュールはさらに、
・手動で第1の操作要素位置から第2の操作要素位置にすることができる操作要素(6)を備え、
前記操作要素を前記第1の
操作要素位置から前記第2の
操作要素位置に移動させることによって、前記淹出モジュールに結合されるエネルギーを中間的に貯蔵し、解放によって起動されると、それを前記第1の淹出モジュールパーツ位置から前記第2の淹出モジュールパーツ位置への運動に再び変換するよう構成される、エネルギー貯蔵部(7)を特徴とする、淹出モジュール。
【請求項2】
前記操作要素(6)は、上から下への傾斜移動によって前記第1の
操作要素位置から前記第2の
操作要素位置にされ得る操作レバーであり、前記操作要素は前記第2の
操作要素位置においてカプセル挿入口を閉じる、請求項1に記載の淹出モジュール。
【請求項3】
前記エネルギー貯蔵部(7)は、前記操作要素を前記第1の
操作要素位置から前記第2の
操作要素位置へ移動させることによって負荷をかけられるばねを含む、請求項1または2に記載の淹出モジュール。
【請求項4】
前記第1の淹出モジュールパーツ位置から前記第2の淹出モジュールパーツ位置への移動に対して、減衰する態様で作用する減衰機構を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項5】
前記エネルギー貯蔵部(7)は気体圧縮ばねであり、その中に前記減衰機構が組み込まれている、請求項4に記載の淹出モジュール。
【請求項6】
前記操作要素(6)上で実行される物理的仕事を前記エネルギー貯蔵部(7)に結合し、前記エネルギー貯蔵部(7)からの仕事実行力を前記第1の淹出モジュールパーツ(3)に対する前記第2の淹出モジュールパーツ(4)の移動に変換するための伝動機構を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項7】
前記伝動機構は、レバー機構として設計され、互いに対して回動可能な複数のレバー(21、22、24、25)を含む、請求項6に記載の淹出モジュール。
【請求項8】
前記伝動機構は第1のトグルレバーを含み、前記エネルギー貯蔵部は前記第1のトグルレバーのトグルジョイント(23)に接続され、前記第1のトグルレバーの端部回転点は前記操作要素に接続される、請求項7に記載の淹出モジュール。
【請求項9】
前記伝動機構は、前記端部回転点の一方で前記第2の淹出モジュールパーツに接続され、前記端部回転点の他方で固定された取り付け位置に接続される第2のトグルレバーを含み、前記第2のトグルレバーのトグルジョイント(26)を介して、前記第1の淹出モジュールパーツ位置から前記第2の淹出モジュールパーツ位置への移動のための駆動力を結合することができる、請求項8に記載の淹出モジュール。
【請求項10】
前記伝動機構によって駆動されるように構成された機械的に駆動可能な送風装置(60)を備える、請求項6~9のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項11】
前記第2の淹出モジュールパーツ(4)の前記第1の淹出モジュールパーツ位置からの移動をその状態に応じて阻止または解除するように構成される第1のロック機構を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項12】
前記操作要素の前記第2の操作要素位置からの移動をその状態に応じて阻止または解除するように構成される第2のロック機構を備える、請求項1~11のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項13】
カプセル認識位置に位置するポーションカプセルの特性を電子的に検出するように構成されるカプセル認識装置(5)を備える、請求項1~12のいずれか1項に記載の淹出モジュール。
【請求項14】
前記カプセル認識位置は前記淹出位置の上方にある、請求項13に記載の淹出モジュール。
【請求項15】
給水部、ポンプ(92)および水加熱手段(93)と、請求項1~14のいずれか1項に記載の淹出モジュールとを備える、コーヒーマシンである、飲料調製機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば挽いたコーヒーのようなポーションカプセルに入れた抽出材料から飲料等を調製するための抽出装置に関する。特に、本発明は、抽出装置用の淹出モジュール、カプセル認識モジュール、ならびにそのような淹出モジュールおよび/またはカプセル認識モジュールを備えた飲料調製機に関する。
【背景技術】
【0002】
ポーションパッケージングに存在する抽出材料から飲料などを調製するための抽出装置が、例えばコーヒーまたはエスプレッソマシンとして公知である。多くの対応するシステムでは、ポーションパッケージはカプセルとして設計されており、その中において、抽出材料は例えば気密封止されている。抽出のために、カプセルは、例えば互いに対向する2つの側を穿孔される。次に第1の側に抽出流体‐一般的には湯‐が導入される。第2の側では、抽出生成物がカプセルから排出される。これはいわゆる淹出モジュールで起こる。そのような淹出モジュールは、カプセルが収容される淹出チャンバを含む。カプセルが挿入され、淹出チャンバが操作レバーによって手動で、または電動化された態様で自動的に閉じられる淹出モジュールは、特に人気があり、カプセルは、淹出手順の後、淹出チャンバが再び開かれると、淹出チャンバから自動的に取り外され、カプセル容器に排出される。そのような自動カプセル排出を伴う淹出モジュールは、一般に、水平淹出モジュールとして設計されており、つまり、カプセルは上から挿入され、淹出チャンバは2つの淹出モジュールパーツの水平方向の相対移動で閉じられ、淹出用流体は実質的に水平に流れ、カプセル容器は淹出チャンバの下に形成される。
【0003】
この状況において、1つの問題は、カプセル特性の獲得または検出に関するものであり、例えば、カプセル上にある、淹出プロセスを活性化させるための情報の読み取りに関する。これに関する1つの可能性は、カプセルに適切なマーキングまたは色の組み合わせを与え、それを視覚的に検出することである。これは、例えばカメラによって行われる。淹出チャンバそれ自体は動作中はあまりにも高温であり、汚れやすいので、情報の検出は、一般には、淹出プロセスの前にカプセルがまだ淹出チャンバの外側におけるカプセル認識位置にある間に、行われる。
【0004】
例えば、国際公開第2016/087190号パンフレットからは、カプセル認識モジュールを有する淹出モジュールが公知であり、カプセルは、挿入後、カプセル認識位置に入り、そこで、淹出モジュールパーツが、カプセルがさらに下方に落ちて淹出位置に入るのを防止する。カプセル認識後、淹出モジュールパーツは、カプセルが淹出位置に入り、次いで淹出チャンバが閉じられるように、電動駆動される態様で移動する。この解決策は、カプセル認識位置と淹出位置とを問題なく分離することを可能にする。しかしながら、それは、淹出モジュールパーツが電動方式で互いに向かって動かされ、互いから離れる、電動淹出モジュールによってのみ、実現することができる。しかしながら、例えば、電動式駆動装置がコストの理由から望まれないか、電動式駆動装置が音が大き過ぎるか、または触覚フィードバックのために手動駆動装置が望まれる場合、閉鎖が手動で行われることは有利であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服し、可能な限り簡単な設計によって、淹出プロセス前に適用されたポーションカプセルの特性の検出を可能にする、飲料調製機およびそのための淹出モジュールを提供することである。適用される設計は、手動で作動される淹出モジュールとしての実施にも適しているべきである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ポーションカプセルから淹出飲料を調製するための淹出モジュールが提供され、前記モジュールは、
‐第1の淹出モジュールパーツと第2の淹出モジュールパーツとを備え、第2の淹出モジュールパーツは、第1の淹出モジュールパーツに対して、第1の淹出モジュールパーツ位置と第2の淹出モジュールパーツ位置との間で移動可能であり、第2の淹出モジュールパーツ位置では、淹出手順中に、第1の淹出モジュールパーツと第2の淹出モジュールパーツとによって、淹出位置に配置されたポーションカプセルを少なくとも部分的に取り囲む淹出チャンバが形成され、淹出モジュールは、淹出用流体をポーションカプセル内に導入することによって淹出飲料を淹出し、淹出飲料をポーションカプセルから吐出するように構成され、淹出モジュールはさらに、
‐手動で第1の操作要素位置から第2の操作要素位置にすることができる操作要素を備える。
【0007】
淹出モジュールは、操作要素を第1の位置から第2の位置に移動させることによって淹出モジュールに結合されるエネルギーを中間的に貯蔵し、解放によって起動されると、それを第1の淹出モジュールパーツ位置から第2の淹出モジュールパーツ位置への運動に再び変換するよう構成される、エネルギー貯蔵部を特徴とする。
【0008】
一例として、第1の淹出モジュールパーツをハウジングに対して固定される態様で組み付け、第2の淹出モジュールパーツをハウジングに対して可動とすること、特に直線的に、特に水平である態様で、平行移動させることによって、第2の淹出モジュールパーツを第1の淹出モジュールパーツに対して可動とすることができる。しかしながら、ハウジングに対する両方の淹出モジュールパーツの移動、またはハウジングに対する第1の淹出モジュールパーツのみの移動は、排除されない。
【0009】
第2の淹出モジュールパーツは、注入器であってもよく、それによって、ポーションカプセルが穿孔され、そこから例えば湯が淹出用流体としてポーションカプセル内に導入される。第1の淹出モジュールパーツは、カプセルから抽出生成物を吐出するための吐出装置を形成してもよい。この目的のため、それは、例えば、カプセルの抽出側穿孔のための抽出側穿孔要素、または抽出側でカプセルを開く他の構造を含む。
【0010】
特に、操作要素は、上から下への傾斜移動によって第1の位置から第2の位置へと動かされ得る操作レバーであり得る。第2の位置では、操作レバーは、例えば、飲料調製機、例えば淹出モジュールのハウジングによって形成されるカプセル挿入口を閉じる。
【0011】
操作要素の第1の位置から第2の位置への移動は機械的な抵抗に抗して行われるので、ユーザは機械的な仕事を行い、それによって淹出モジュールに結合されるエネルギー(不可避の損失を差し引く)が中間的にエネルギー貯蔵部に貯蔵される。この貯蔵部は、このエネルギーを、再び、解放後に、(第2の淹出モジュールパーツを第1の淹出モジュールパーツに対して第2の淹出モジュール位置に移動させるために)それが淹出チャンバを閉じるために必要な機械的な仕事を実行することによって、解放する。
【0012】
解放が行われない場合、例えばカプセル認識が失敗したかまたは飲料調製機が誤動作を報告した場合、操作要素を第1の位置に戻すために、エネルギー貯蔵部に貯蔵されたエネルギーを用いることを、選択肢として構想することができる。
【0013】
特に、エネルギー貯蔵部はばねであってもよく、その場合、操作要素の第2の位置への移動はばねの力に抗して起こり、それによってばねは負荷をかけられる。解放後、第2の淹出モジュールパーツを第1の淹出モジュールパーツに対して移動させることによってばねは弛緩する。
【0014】
さらに、減衰機構を設けて、第2の淹出モジュールパーツ‐または操作要素‐が、ばねによって対応して引き起こされる動きで過度に加速され、それによってあまりに急激に停止部に衝突するのを防止してもよい。このような減衰機構は、エネルギー貯蔵部自体に形成されてもよく、またはそれとは別に形成されていてもよい。
【0015】
一例では、エネルギー貯蔵部は気体圧縮ばねである。これは、減衰機構をばねに最初から一体化することができるという利点を有する。
【0016】
第2の淹出モジュールパーツを第2の淹出モジュールパーツ位置に移動させるために、エネルギー貯蔵部は、例えば直接的または間接的に、第2の淹出モジュールパーツに対して第2の淹出モジュールパーツ位置の方向に、および操作要素に対して第1の位置の方向に、力を及ぼす。エネルギー貯蔵部が充填され、第2の淹出モジュールパーツがブロッキングされていない場合、淹出チャンバは閉じ、エネルギー貯蔵部が充填され、操作要素がブロッキングされていないとき、操作要素は第1の位置の方向に戻る。上述のように、後者は、調製手順を中止する場合、つまりカプセル挿入口に再びアクセスできるようにする必要がある場合に用いることができ、カプセルを取り外すことができる。
【0017】
特に、淹出モジュールは、操作要素上で行われる仕事をエネルギー貯蔵部に結合し、エネルギー貯蔵部からの仕事実行力を第1の淹出モジュールパーツに対する第2の淹出モジュールパーツの運動に変換するための伝動機構を含むことができる。
【0018】
そのような伝動機構‐それは一種のギアとして理解することもできる‐は例えばレバー機構として設計することができる。補足的または代替的に、それは、他の機械的力またはトルク伝達手段、例えば、互いに噛合う歯車、ウォームドライブなどを含んでもよい。
【0019】
特に伝動機構は複数の連結位置を含むことができる。例えば、以下を提供することができる:
-操作要素は第1の連結位置で係合し、第2の位置に移動することによって操作要素にかけられる力は伝動機構を介してエネルギー貯蔵部に伝達され、おそらくそこでそのばねに負荷をかける。この手順を考えると、第2の淹出モジュールパーツは動かない。
【0020】
-伝動機構は、第2の連結位置でエネルギー貯蔵部に連結されている。
-伝動機構は、第3の連結位置で、第2の淹出モジュールパーツ、または第2の淹出モジュールパーツを第1の淹出モジュールパーツに対して移動させるための移動機構に、連結される(これはハウジングに対する両方のモジュールパーツの移動も含み得る)。
【0021】
第1および第3の連結位置での伝動機構の運動は、例えば目標とされた態様で、遮断可能および解放可能であり得る。これにより、さまざまな状態が可能である。
【0022】
-第1の状態では、第3の連結位置がブロッキングされており、これは、第2の淹出モジュールパーツが直接的または間接的にブロッキングされており、第1の連結位置が解放されていることを意味する。この状態では、操作要素とエネルギー貯蔵部とは互いに連結されており、操作要素の移動によって(おそらくばねに負荷をかけることによって)エネルギーをエネルギー貯蔵部に結合することができる。反対に、反力が加えられていない場合、エネルギー貯蔵部は操作要素を第2の位置から第1の位置に向かって戻すことができる。
【0023】
-第2の状態では、第1および第3の連結位置はブロッキングされている。この段階では、伝動機構を動かすことはできない。エネルギー貯蔵部に貯蔵されたエネルギーはそこに貯蔵されたままである。この第2の状態は、例えば、操作要素の操作の後、カプセル認識が行われている間であって、且つ淹出モジュールが閉じられる前に、とられる。
【0024】
-第3の状態では、例えば操作要素がブロッキングされていることによって、第1の連結位置がブロッキングされ、第3の連結位置は解放される。この状態では、エネルギー貯蔵部は、おそらくは予め負荷をかけられたばねが伝動機構を介して対応の移動機構にばね力を伝達することによって、第2の淹出モジュールパーツを第1の淹出モジュールパーツに対して移動させる。
【0025】
-第4の状態では、第1および第3の連結位置は解放される。エネルギー貯蔵部の充填(おそらくばねへの荷重)は、淹出モジュールパーツの互いに対する移動よりも大きな機械的抵抗を与えるため、この第4の状態では、操作要素と淹出モジュールパーツの移動機構とは事実上互いに連結されており、つまり、第4の状態では、空の‐またはブロッキングされた‐エネルギー貯蔵部が与えられると、現状の技術による飲料調製機の場合に常であるように、操作要素は第2の淹出モジュールパーツを第1の淹出モジュールパーツに対して直接的な態様で移動させることができる。第4の状態がとられるのは、淹出チャンバが、淹出の実行後再び開放されることになるときである。淹出チャンバの開放は、この場合、操作要素を第1の位置に戻すことによって達成され、新たにカプセルが挿入される。第1の状態をとった後、エネルギーを新たにエネルギー貯蔵部に結合することができる。
【0026】
原理的には、第2の連結位置またはエネルギー貯蔵部をブロッキング可能な態様で設計することも可能であろう。しかしながら、伝動機構の設計によってはおそらく好適なステップアップまたはステップダウントランスミッションを介してのエネルギー貯蔵部の充填は第2の淹出モジュールパーツの第1の淹出モジュールパーツに対する移動よりも大きな力を必要とする上記の条件が満たされる限り、それは必要ではなく、なぜならば言及された4つの条件が十分であるからである。
【0027】
伝動機構がレバー機構として設計されている場合、それは、3つの連結位置とは別に、少なくとも1つの固定された取り付け位置を含むこともできる。
【0028】
実施形態では、伝動機構は特に第1のトグルレバーを含み、エネルギー貯蔵部(例えば、ばね)は、第1のトグルレバーのトグルジョイントに接続される。このような機構では、力の伝達は状態に応じて変化するので、特に、それは、エネルギー貯蔵部から結合される力が、ばねがほぼ完全に弛緩したときに経路の端部でも十分であるように、構成することができる。トグルレバーの他の回転点(端部回転点)は、特に作動要素に接続される。
【0029】
エネルギー貯蔵部がばね、例えば圧縮空気ばねである場合、それはおそらく第1のトグルレバーのトグルジョイントと固定された回転軸(取り付け位置)との間に取付けられ得る。
【0030】
第1のトグルレバーに加えて、またはその代わりとして、実施形態では、伝動機構は、一方の端部回転点で、第2の淹出モジュールパーツに接続され、他方の端部回転点で、固定された取り付け位置に接続される、第2のトグルレバーを含む。駆動力は、第2のトグルレバーのトグルジョイントを介して結合される。このようにして、確実に、閉鎖経路の端部で第2の淹出モジュールパーツに及ぼされる力が第2の淹出モジュールパーツ位置に向かって特定の大きな程度まで変換され、淹出モジュールパーツは互いに対して大きな力で密封的に押し付けられることができる。
【0031】
第1のトグルレバーの第2の端部回転点は、場合によっては第2のトグルレバーのトグルジョイントに接続されてもよい。
【0032】
操作要素が操作レバーであるとき、それは、一方の側では、固定された回転点で取り付けられてもよく、伝動機構への連結は、一般に、ユーザによってかけられる力のステップアップ伝達を可能にするために、操作レバーの外側端部から離れて配置される。
【0033】
淹出モジュールは、論じられた要素に加えて、例えばカプセル認識装置を含む。本教示の文脈において、カプセル認識装置は、淹出モジュールに割り当てられ、なぜならば、それは、カプセルを受けてカプセルと相互作用する飲料調製機のパーツに属し、このパーツは本明細書では淹出モジュールと呼ばれるからである。本明細書の意味における淹出モジュールは、別個の独立した交換可能なモジュールとして存在してもよいが、必ずしもそうである必要はない。それはまた、飲料調製機に統合されるさまざまな構成要素から構成することもできる。
【0034】
特に、第一に、挿入されたカプセルが飲料調製機での使用に全く適しているかどうかをカプセル認識装置で判断することができ、これ自体は公知である。第二に、認識されたカプセル特性に基づいて、例えばディスプレイを介して、対応する情報をユーザに出力することが可能である。例えば、飲料のタイプ(コーヒー、紅茶、など)、種類(例えば「100%アラビカ」)、推奨される調製の態様(例えば「エスプレッソ」、「リストレット」もしくは「ルンゴ」など)、および/または他の情報が表示されてもよい。第三に、淹出のためにコーヒーマシンによって実施されるプログラムを、識別されたカプセルの種類基づいて選択することができ、例えば、挿入されたカプセルが例えばリストレット、エスプレッソ、またはルンゴの調製に対して想定されるかどうかに依存して、淹出圧力、淹出時間、ならびに場合によっては温度および/または他の特性を設定することができる。
【0035】
特に、カプセル認識装置は、光学的カプセル認識を実行する、つまり光学センサを介してポーションカプセルの光学的特徴を読み取るように構成され得る。このために、カプセルを制御された態様で照明する照明手段もあり得る。
【0036】
好適な、光学的に読み取り可能な機能は、例えば、バーコード、2Dマトリクスコード(例えば、QRコード(登録商標)やアズテックコード)、ピクトグラム(アイコン)、および/または特定の配色である。WO2016/091859、WO2016/091860および/またはWO2016/091861によるコードも考慮される。
【0037】
特に、カプセル認識装置は、カプセルが、淹出位置とは異なる、かつそれよりも上のカプセル認識位置にあるときに、カプセル認識を実行するように構成されてもよい。
【0038】
特に、実施形態では、カプセル認識は操作要素のその第2の位置への移動によって活性化されることを構想できる。
【0039】
追加または代替として、飲料調製機は、カプセル認識の実行が、第1の淹出モジュールパーツに対する第2の淹出モジュールパーツの第2の淹出モジュールパーツ位置への移動を可能にする(解放する)ための前提となるように、構成されてもよい。ユーザによる入力がおそらくはさらなる前提として要求され得る。
【0040】
これらの実施形態では、第1の淹出モジュールパーツに対する第2の淹出モジュールパーツの移動前または移動中に、カプセルは、例えば下方に落下することによって、カプセル認識位置から淹出位置に移送される。この目的のために、例えば、カプセル認識位置においてカプセルの下に少なくとも部分的に係合する保持手段を後退させることを構想し得る。
【0041】
特に、光学カプセル認識装置を備えた実施形態では、淹出モジュールは機械的に駆動される送風装置をさらに含むことができる。このような装置はベローズの態様で機能する。それは、柔軟な膜を有する従来のベローズとして、または例えばピストンシステムとして設計することができる。送風装置は特に伝動機構に連結されており、それによって、特に、いずれにせよ行われる運動の枠組み内で、例えばエネルギー貯蔵部を充填するかまたは第1の淹出モジュールパーツに対して第2の淹出モジュールパーツを移動させると、駆動される。
【0042】
特に、このような送風装置は、カプセルが配置されカプセル認識が生じる領域から光学センサ(特にカメラであり得る)の感光要素を分離する、カプセル認識装置の透明部分上に、空気流を生成するように構成される。この透明部分は、一般に、レンズ機能を有するかまたは有さない窓である(この文脈では、カメラレンズは、それが同時に感光要素の領域をカプセルの領域から分離する場合、「窓」としても示される)。窓の曇りを防ぎ、そしてまたそれを清浄にするために、空気流はカプセル側において窓の上に導かれる。
【0043】
入口側において、送風装置は、飲料調製機の、ある領域に接続することができ、そこには、特に水加熱手段の環境内において、特に乾燥した空気および/または特に暖かい空気がある。
【0044】
本発明は、上述したタイプの淹出モジュールを有する飲料調製機にも関する。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図面において、同じ参照符号は同一であるかまたは類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】一部のパーツ、特にハウジングパーツが省略されている、淹出モジュールの側面図を示す。
【
図2】カプセル認識中における、
図1による淹出モジュールの側面図である。
【
図3】淹出プロセス中における、
図1および
図2による淹出モジュールの側面図である。
【
図4】第2のロック機構の認識を可能にする、
図1~
図3による淹出モジュールの詳細である。
【
図6】本発明によるコーヒーマシンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1~
図5による淹出モジュール1は、淹出モジュールハウジング2を含む。2つの淹出モジュールパーツ、具体的には、互いに対して相対的に移動可能な吐出装置3および注入器4が、淹出モジュールハウジング2内において案内される。
【0047】
注入器4は、少なくとも部分的に抽出材料(例えば、挽いたコーヒー)を充填されたポーションカプセル10を穿孔するための穿孔要素を含む。注入器4は、流体、例えば湯を、穿孔要素を通して、またはこれらを通り過ぎて、穿孔されたカプセル内に導入するように構成され、湯は給水部(図示せず)を介して供給され、それはたとえば可撓性のチューブを含み得る。
【0048】
ここに記載の実施形態では、吐出装置3は、穿孔要素、特に抽出側の穿孔先端39も有する。これらは、例えば、国際公開第2015/039258号パンフレットまたは国際公開第2010/118544号パンフレットに記載されているように設計することができ、たとえば、格子状構造を伴う、穿孔先端以外の原理の適用も、可能である。
【0049】
さらに、例えば国際公開第2015/048914号パンフレットに記載されているように、吐出装置はカプセルの両側で注入器側に向かって突出するガイド手段31を含み、これらのガイド手段の機能の態様に関するその内容をここにおいて明示的に参照する。
【0050】
それ自体公知であるように、淹出された飲料の調製のために、カプセルが吐出装置3と注入器4との間に配置され、カプセルを含む淹出チャンバがそれらの間に形成されるようにそれらは互いに向かって動かされる。湯は加圧下で注入器を通してカプセルに供給され、抽出生成物は吐出装置3を通って飲料出口13を介して流れて、たとえばその下に配置された飲料容器に入る。
【0051】
ここに記載の実施形態例における、第1の淹出モジュールパーツ(吐出装置)に対する第2の淹出モジュールパーツ(注入器)の相対的移動は、吐出装置3がハウジングに固定される態様で組み付けられ、一方、注入器4は水平軸に沿って移動可能であることにより、達成される。
【0052】
カプセルがカプセル挿入口を通って挿入された後に入るカプセル認識位置は、吐出装置3と注入器4との間にある淹出位置の上方に位置する。吐出装置3および注入器4を備えた淹出チャンバユニットとは別に、淹出モジュールは、したがって、カメラを備えたカプセル認識装置5を含み、その構造は、例えば、国際公開第2016/087190号パンフレットに記載された構造に少なくとも部分的に対応する。
【0053】
特に、淹出モジュールは、カプセル挿入口を通して挿入されたカプセルについて、カプセル認識に成功した後、またはおそらくはさらなるステップの後(例えば、ユーザによる淹出の活性化の後)、カプセルが淹出位置内へと下降する前に、カプセルをカプセル認識位置に保持するように特に構成される。この目的のために、例えば、カプセル認識位置でカプセルの下において係合し、淹出位置への移行のために電気機械的に制御された態様で後退可能な要素を含む機構が存在し得る。他の、例えば純粋に機械的な態様で動作する機構も考えられる。
【0054】
淹出チャンバを閉じる目的でユーザによる操作のために、淹出モジュールは操作レバー6を含み、操作レバー6は第1の固定された取り付け位置20で取り付けられ、それを中心に回動可能である。操作レバー6から注入器4への伝動機構はレバー機構であり、第1のトグルレバーと第2のトグルレバーとを含む。第1のトグルレバーは、操作レバー上において係合する第1のレバーアーム21と、第2のレバーアーム22とによって形成され、これらのレバーアームは、第1のトグルレバーボルト23を介して互いに回動可能に接続され、第1のトグルジョイントが形成される。第2のトグルレバーは、第2のトグルレバーボルト26を介して互いに回動自在に接続された第3のレバーアーム24と第4のレバーアーム25とによって形成され、第2のトグルジョイントが形成される。第3のレバーアーム24は、第2の固定された取り付け位置28に取り付けられており、これを中心に回動可能である。第4のレバーアーム25は注入器4上において係合し、注入器4の軸受ジャーナル41を中心にして回動可能である。注入器4は、第1の淹出モジュールパーツ位置(
図1に示す)と第2の淹出モジュールパーツ位置(
図3に見える)との間で水平方向に変位可能であるように取り付けられる。
【0055】
第2のレバーアーム22は、例えば第2のトグルレバーボルト26と係合することによって、第2のトグルレバー上で係合する。
【0056】
気体圧縮ばね7は、第3の固定された取り付け位置29の周りで回動可能であり、第3の固定された取り付け位置29と第1のトグルジョイントとの間に延在し、第1のトグルジョイント上において係合し、それはたとえば第1のトグルレバーボルトと係合される。
【0057】
淹出モジュールは2つのロック機構をさらに備える。
第1のロック機構は、第2の淹出モジュールパーツが第1の淹出モジュールパーツ位置から離れる方向に移動するのを阻止するように構成される。図示の実施形態では、第1のロック機構は、ロックボルト81を含み、ロックボルト81は、例えば磁気的に作動する態様で軸方向に移動可能であり、ブロッキングされた状態において第3および第4のレバーアームの互いに対する回動を阻止するために第3および第4のレバーアームと係合することができ、これは、第3のレバーアームが固定された取り付け位置に接続されているため、注入器4の移動も完全に阻止する。代替的に、注入器と直接係合可能であるかまたはハウジングに対する第3もしくは第4のレバーアームの移動を阻止するように構成されたロック機構を提供することも可能であろう。
【0058】
第2のロック機構は、操作レバー6をハウジング2に対してブロッキングするように構成されている。図示の実施形態では、第2のロック機構は、いわゆるボールペンの原理に従って機能する。このために、ロックスリーブ83が存在し、それは、操作レバー自体によってばね力に抗して下方に押圧することができ、下方へ押圧する度に、所定の角度、例えば90度で回転するように案内される。回転は、それ自体公知の方法で、カムピン(図示せず)が係合するロックスリーブのカム溝84によって達成することができる。とられた向きに応じて、ロックスリーブは、ロック翼85によって第2の操作要素位置(
図2および
図3)から遠ざかる方向への操作レバーの移動を阻止するか、またはそれを解放する。
【0059】
記載の構成は、以下の操作手順を可能にする:
操作レバー6が上方に回動する開放状態では、第1の操作要素位置(
図1)において、カプセルはカプセル挿入口を通して挿入され得、したがって、カプセル認識位置に入る。
【0060】
次いで、ユーザは、第1のロック機構が第2の淹出モジュールパーツをブロッキングしている間に、気体圧縮ばね7のばね力に抗して操作レバーを6を作動させる。操作レバーは、第1の操作要素位置から第2の操作要素位置に移動する。そこでは、操作レバーは第2のロック機構によってロックされる。
【0061】
示される実施形態例においては、淹出モジュールは、操作レバーを第2の操作要素位置にすることによっても閉じられ、これは、カプセルがカプセル認識位置で周囲光から遮光されることを必然的に伴うこともできる。
【0062】
そして、例えば、自動的に、ユーザによるさらなる操作なしにカプセル認識が行われる(好適なセンサ、例えば、スイッチによって、操作レバーが第2の操作レバー位置にあると判定することができる)。
図2は、カプセル認識中の淹出モジュールを示す。カプセル認識は、例えば、カプセル10が照明されること‐光ビーム55が
図2に示されている‐を含み、照明されたカプセルはカメラによって検出され、カプセル上のコードまたは配色などが評価される。
【0063】
カプセル認識の成功またはユーザの行為によって活性化されて、カプセルは続いて下方に移動され、淹出チャンバは閉じられる。このために、第1のロック機構によるブロッキングは、例えばロックボルト81を軸方向に移動させて第3のレバーアーム24との係合から解放する電磁石によって、解除される。気体圧縮ばねによって及ぼされるばね力の結果として、第1のトグルジョイント、ひいては第2のトグルジョイントも伸張され、それによって注入器4を移動させ、カプセルが淹出チャンバの中にある状態で、淹出チャンバを閉じる。
【0064】
次いで、淹出プロセスを、それ自体公知の方法で実行することができ、淹出チャンバが閉じるときに穿孔されたカプセル内に湯を加圧下で導入し、生成される淹出飲料を吐出装置から吐出装置を介して吐出する。
【0065】
淹出後、ユーザが操作レバーをわずかに押し下げることによって、第2のロック機構によるブロッキングが再び解除され、ユーザは操作レバーを上方に引くことができる。気体圧縮ばねの剛性のため、第2のトグルレバーは撓まされて(曲げられて)
図1に示される位置にもたらされ、第1のロック機構は第2のトグルレバーをロックすることができる。開放によって、使用済みのカプセルをカプセル容器に落とすこともできる。対応する機構は、例えばWO2015/048914に記載されている。
【0066】
カプセルを淹出位置に持っていき、淹出チャンバを閉じる代わりに、ユーザがそれを取り除きたい場合‐例えば、カプセル認識により、選択されたカプセルが所望の飲料に適さないことが確認された場合‐には、ユーザは、操作レバーを下方に押すことによって、第2のロック機構によるブロッキングを解除することができる。次いで、気体圧縮ばねが操作レバーを再び上方に押し、ユーザはカプセルをカプセル認識位置から取り除くことができる。
【0067】
さらなる特徴が特に
図5に見られる。上述の要素とは別に、レバー機構には、機能的にベローズに対応する送風装置60が接続される。この送風装置は、ここではシリンダ61とシリンダ内で変位可能なピストン62とを含む。シリンダ61は第3の固定された取り付け位置29に回動可能に取り付けられ、ピストン62はコンロッドを介して第1のトグルレバーに接続されているので、ピストン62は気体圧縮ばねに負荷をかけるかまたは弛緩させるとシリンダ内で移動する。シリンダ内でのピストン62の変位によって増減される有効容積は、
図5において、ピストン62の下に、図示の向きで、
図5ではピストンの左に、形成される。
【0068】
シリンダ61の有効容積内に2つの空気接続63、64が入る。
第1の空気接続63は、吸気チューブ65に接続されており、このチューブを通して空気を吸引することができる。チューブは、例えば、特に乾燥したおよび/または特に暖かい空気が存在することが予想される飲料調製機ハウジング内または外の場所に通じている。一実施形態では、吸気チューブは水加熱手段の隣の場所に通じており、そこでは、生じる廃熱のためにわずかに高い温度が支配的であり、したがって空気は予熱される。
【0069】
第2の空気接続64には接続チューブ66が接続され、前記接続チューブは、カプセル認識位置に向かって、(例えばCCDまたはCMOSセンサアレイを有する)カメラセンサとカプセル認識位置との間に配置されたレンズまたは窓に直接隣接する、カプセル認識装置5の領域に通じており、例えば、熱い蒸気が淹出チャンバから出てカメラセンサに到るのを防ぐ。
【0070】
第1および第2の空気接続62、63ならびに/またはそれに接続されたそれぞれのチューブ65、66には各々、弁手段(例えば、原則として空気バルーンを膨張させるために使用されるような単純な弁)が設けられ、それは、空気を、第1の空気接続を通しては吸引することができるだけで吹き出させることはできず、逆に第2の空気接続を通しては吹き出させることができるだけで吸引することはできない、という効果を有する。
【0071】
送風装置60は、圧縮空気ばね7と平行に配置される。これにより、操作レバー6を作動させて圧縮空気ばね7に負荷をかけると、シリンダ61内に存在する空気が接続チューブを通ってレンズまたは窓の前において吹くことにより、曇りもしくは汚れが除去され、および/または曇り/汚れが防止される。淹出チャンバを閉じると圧縮気体ばねを弛緩させると、ピストンが後退し、それによって空気が吸引される。
【0072】
記載されたタイプの機械的に駆動される送風装置は、例えば淹出モジュールにおいて記載された以外の場所に配置されることもでき、そして要素の相対的な移動によって、たとえば第1のトグルレバーに平行に、もしくはおそらくは第2のトグルレバーに平行に、または淹出モジュールハウジングと注入器との間で、作動され得る。記載された実施形態のようにカプセル認識の直接前にカプセル認識装置への空気流を可能にする構成は特に有利である。
【0073】
図5において、本実施形態では、各レバーアームは、垂直中心面に対して対称的に配置された2つのレバーアーム要素から構成されていることもわかるが、これは必須ではない。したがって、本明細書に記載されている回転点は、回転軸として設計されるか、または垂直中心面に対して対称な、2つの互いに整列した回転点を含む。
【0074】
淹出モジュールを有する、ポーションカプセル10から淹出飲料を調製するための本発明による機械、ここでは具体的にコーヒーマシンが、
図6に概略的に示されている。淹出モジュールとは別に、それは水タンク91、淹出用水を注入器4に供給するためのポンプ92、および水加熱装置93(例えば連続加熱器)を含む。カメラ50を有するカプセル認識モジュール5は、特に淹出チャンバの上方に配置される。カプセル認識プロセスの後、挿入されたカプセルは、上述のように、重力の作用によってさらに下方に移送されてもよい。さらに、淹出プロセス後にカプセル10が落下するかまたは移送されるカプセル容器95が、淹出モジュールの下方に配置されている。参照符号98はコーヒーカップを示す。
【符号の説明】
【0075】
1 淹出モジュール
2 淹出モジュールハウジング
3 吐出装置
4 注入器
5 カプセル認識装置
6 操作レバー
7 圧縮気体ばね
10 ポーションカプセル
13 飲料流出部
20 第1の固定された取り付け位置
21 第1のレバーアーム
22 第2のレバーアーム
23 第1のトグルレバーボルト
24 第3のレバーアーム
25 第4のレバーアーム
26 第2のトグルレバーボルト
28 第2の固定された取り付け位置
29 第3の固定された取り付け位置
31 ガイド手段
39 抽出側の穿孔先端
41 軸受ジャーナル
50 カメラ
55 光ビーム
60 送風装置
61 シリンダ
62 ピストン
63 第1の空気接続
64 第2の空気接続
65 吸気チューブ
66 接続チューブ
81 ロックボルト
83 ロックスリーブ
84 カム溝
85 ロック翼
91 水タンク
92 ポンプ
93 水加熱装置
95 カプセル容器
98 コーヒーカップ