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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】減衰弁ユニット
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/00 20060101AFI20220711BHJP
   E03B 9/02 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
G05D16/00 Z
E03B9/02 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019535756
(86)(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 EP2017084647
(87)【国際公開番号】W WO2018122265
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-15
(31)【優先権主張番号】1651745-0
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】519230639
【氏名又は名称】スリーイーフロー エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アビング,エリック
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514476(JP,A)
【文献】特開平02-201510(JP,A)
【文献】実開昭55-136865(JP,U)
【文献】米国特許第03343560(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0269813(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第4406150(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/00
E03B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの供給導管(41)を介して、少なくとも1つの液体栓ユニット(42)に連結される中心に位置する液体源を有する、液体分配システムで使用するための減衰弁ユニット(40)であって、前記少なくとも1つの供給導管(41)が、関連する前記栓ユニット(42)が閉鎖された後に液体が空になり、前記栓ユニットが開放された後に液体が補給され、前記減衰弁ユニット(40)が、使用中に前記供給導管(41)の少なくとも1つに連結可能な減衰チャンバ(26)と、使用中にその流入端部(22)で前記関連する供給導管(41)に連結可能で、使用中に少なくとも1つの前記関連する液体栓ユニット(42)に連結可能な流出端部(24)を有する液体止め弁ユニット(1’)とを含み、前記減衰チャンバ(26)は気体収集のために適用され、前記減衰弁ユニット(40)の通路(23)を介して前記関連する供給導管(41)に連結可能で、前記通路(23)は前記液体止め弁(1’)の前記流入端部(22)で液体止め弁(2、18)にも、その間に制約なく、直接連結され、前記通路(23)は、前記通路(23)と前記減衰チャンバ(26)との間の流体連結のために前記減衰チャンバ(26)で常に開いており、
前記液体止め弁ユニット(1’)は、前記流入端部(22)と前記流出端部(24)との間に、少なくとも1つの逆止めバルブ(2、18)を含む、
ことを特徴とする、減衰弁ユニット(40)。
【請求項2】
独立したまたは一体化された圧力応答部分(3)が、前記液体止め弁ユニット(1’)に設けられ、前記少なくとも1つの液体止め弁(2、18)を閉鎖状態に偏向する、請求項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項3】
一体化されたまたは独立した前記圧力応答部分が、閾値圧力に到達した後に、圧力増加がないまたはわずかに増加してまたは圧力低下を伴って、閉鎖状態から開放状態になる開放特性を有する、請求項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項4】
前記圧力応答部分(3)は少なくとも1つのばね(8、16、19)である、請求項またはに記載の減衰弁ユニット。
【請求項5】
前記ばねは水平または負の部分を有する非線形の負荷たわみ特性曲線を有し、それゆえに閾値圧力に達した後に長いたわみをもたらす、請求項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項6】
少なくとも1つの前記ばねが金属のダイヤフラムばね(8、16、19)である、求項1~5のいずれか1項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項7】
少なくとも1つの前記金属のダイヤフラムばね(8、16、19)が、前記ばね(8、16、19)の縁(32)に沿って配置されるばねフィンガ(31)を有し、フィンガ(31)の自由端(33)は中心(34)を指している、請求項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項8】
少なくとも1つの前記ばね(8、16、19)は1つまたは2つの静止状態を有する、請求項またはに記載の減衰弁ユニット。
【請求項9】
前記ばね(8、16、19)は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つ、同じ方向に積み重ねられている、請求項6~8のいずれか1項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項10】
圧力または他の物理的変数を感知するためのセンサ(20)は、前記栓ユニット(42)が開いているときの液体流れ方向において、少なくとも1つの前記液体止め弁(1’)の下流に設けられる、求項1~6のいずれか1項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項11】
前記減衰チャンバ(26)は自由な内部空間を有する、請求項1に記載の減衰弁ユニット。
【請求項12】
薄膜(50)、ピストンまたは他の圧力応答または減衰装置が、前記液体バルブユニット(1’)内で、少なくとも1つの前記液体止め弁(2、18)と前記流出端部(24)との間に設けられ、前記薄膜は前記液体バルブユニット(1’)内に蓄積する圧力に対処する可能性を有する、求項1~11のいずれか1項に記載の減衰弁ユニット。
【請求項13】
前記液体止め弁ユニットは、大気圧より少なくとも1bar(100000Pa)大きい閾値圧力で開く、求項1~12のいずれか1項に記載の減衰弁ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの独立した供給導管を介して少なくとも1つの液体栓ユニットに連結される、中心に位置する液体源を有する、液体分配システムで使用するための、減衰弁ユニットに関する。少なくとも1つの供給導管は、関連する栓ユニットが閉鎖されるときに液体が空にされ、栓ユニットが開放された後に液体が補充される。減衰弁ユニットは、使用中に上記供給導管の少なくとも1つに連結可能な、減衰チャンバを含む。減衰弁ユニットは、液体止め弁ユニットも含み、液体止め弁ユニットは、使用中にその流入端部で上記関連する供給導管の少なくとも1つに連結可能であって、使用中に上記関連する液体栓ユニットの少なくとも1つに連結可能な流出端部を有する。
【背景技術】
【0002】
本願は、たとえば国際公開第2012/148351号における一般的なシステムに関する特許に適用された。本特許出願からそれ自体が周知であるように、システムは周期的に作動し、各々は次の段階を含む。
・液体が液体源に向かって後ろ向きに流れて、その後に関連する供給導管が保持されている空気もしくは気体のみを含むように、関連する供給導管における後ろ向きの圧力勾配を発生させることによって、関連する液体栓ユニットで開栓操作を完了した後に、関連する供給導管から液体を空にすること。そして、
・関連する供給導管において前向きの圧力勾配を発生させ、液体が液体源から関連する液体栓ユニットへ流れるようにすることで、上記液体栓ユニットを作動させる際に、関連する供給導管に液体を補充し、一方で供給導管に残っている空気もしくは気体を、大気圧レベルを超える操作圧力で関連する液体栓ユニットへ押すこと。
【0003】
上述のPCT出願で開示される従来技術においては、各供給導管は開閉可能な単一の制御バルブによって液体源に連結されている。制御バルブが開放されているとき、液体栓ユニットが温水の流れが維持されるべきであるという信号を送る限り、液体源は液体を関連する供給導管に供給するであろう。栓ユニットが閉鎖されているまたは作動されていないとき、液体を供給導管から開放された制御バルブを介して液体源に送り返す、中心に位置するポンプを作動するように信号が与えられる。同じポンプは、液体源内で温水を循環させるため、そして液体を供給導管から送り返すために使用され得る。供給導管が完全に空にされると、液位センサによって感知され、制御バルブが再び閉鎖され、供給導管が大気圧よりわずかに低く、比較的低い圧力で保たれ、気体または空気のみが存在する。さらに、従来技術システムでは、供給導管が空になると、空気または気体が液体と置き換わる。この目的のために、供給導管と関連する栓ユニットとの間の液体弁に隣接する特別な空気弁がある。
【0004】
スムーズかつ実用的な機能を有するために、出願人は既存のシステムの部分を改良した。
【発明の概要】
【0005】
周知のシステムの問題点は、水が導管を補充するときの圧力波である。他の問題点は、導管に水を補充する間に、水が空になった後、導管に存在する空気を放出するときに、バルブユニットから水が漏れるリスクが存在することである。
【0006】
それゆえに、出願人は、開栓操作後に液体が空になるときに比較的低い圧力で、そして開栓操作の間には比較的高いが一般的にほぼ正常な圧力で、液体分配が作動する、特許出願における改良されたシステムおよび方法を出願する。液体分配システムの操作全体の間に、供給導管の各々は、関連する閉鎖された減衰チャンバとの連結を保たれ、使用中に、関連する液体栓ユニットと連結する液体止め弁ユニットの流入口を収容する、関連する経路を介するのが好ましい。導管および減衰チャンバは閉鎖された気体システムを形成する。補充段階では、補充液体は導管を通って関連する経路に流れるように提供される。液体止め弁は、補充液体が流入口に到達するまで閉鎖されている。そのあと、液体止め弁は、たとえば上記流入口における増加した圧力によって開放され、液体が液体止め弁を介して関連する液体栓ユニットに流入するが、気体または空気は液体止め弁ユニットを通らない。閉鎖されたシステムに存在する気体は、導管を補充する間に、補充液体の前で減衰チャンバに押し込まれる。従って、水が漏れるリスクは限られている。
【0007】
本発明は、減衰弁ユニットに傾注するであろう。
【0008】
本発明の一態様に従って、減衰弁ユニットは、使用中に上記供給導管の少なくとも1つに連結可能な減衰チャンバを含む。減衰弁ユニットは、使用中にその流入端部で上記関連する供給導管の少なくとも1つに連結可能で、使用中に少なくとも1つの上記関連する液体栓ユニットに連結可能な流出端部を有する液体止め弁ユニットも含む。上記減衰チャンバは気体収集のために適用され、通路を介して上記関連する供給導管に連結可能である。通路は上記液体止め弁ユニットの上記流入端部で液体止め弁にも、その間に制約なく、直接連結される。従って、通路と液体止め弁との間には小さなオリフィスの液体導管または開口部による制約が存在しない。通路は、通路と減衰チャンバとの間の流体連結のために減衰チャンバで常に開いている。減衰弁ユニットおよび供給導管は、使用中に、大気から独立した閉鎖システムを形成する。従って、補充液体が液体の前にある気体を押すとき、気体と液体の両方が、気体が減衰チャンバで圧縮されるときに制動されるであろう。システムは、導管が空になった後に、導管で少ない圧力を有するのが好ましい。従って、空気などの気体の量は、限定されており、減衰チャンバ内で迅速に圧縮され得る。これは、液体の補充を非常に迅速にし、栓ユニットを開放するユーザはすぐに液体を受け取るであろう。液体止め弁ユニットは、大気圧より少なくとも1bar(100000Pa)大きい閾値圧力で開くのが好ましい。
【0009】
一実施形態に従って、液体止め弁ユニットは少なくとも1つの逆止め弁を含む。この安全保護は、液体または気体が栓ユニットからの導管に漏れない、簡易で効果的な方法である。
【0010】
一実施形態に従って、独立したまたは一体化された圧力応答部分が、液体止め弁ユニットに設けられ、少なくとも1つの液体止め弁を閉鎖状態に偏向する。
【0011】
他の実施形態に従って、一体化されたまたは独立した圧力応答部分が、閾値圧力に到達した後に、圧力増加がないまたは徐々に増加するまたは圧力低下を伴って、閉鎖状態から開放状態になる開放特性を有する。このタイプの開放特性は迅速な開放とできるだけ少ない流れの制限をもたらす。
【0012】
さらなる実施形態に従って、圧力応答部分はばねである。さらなる実施形態に従って、ばねは水平または負の部分を有する非線形の負荷たわみ特性曲線を有し、それゆえに閾値圧力に達した後に長いたわみをもたらす。
【0013】
一実施形態に従って、圧力または他の物理的変数を感知するためのセンサは、栓ユニットが開いているときの液体流れ方向において、少なくとも1つの液体止め弁の下流に設けられる。
【0014】
一実施形態に従って、圧力または他の物理的変数を感知するためのセンサは液体導管および/または通路および/または減衰チャンバに設けられ、液体が通路に達した、閾値圧力に達した、またはピーク圧力である閾値圧力を超えて圧力が減少するときに、液体止め弁を開放する。
【0015】
一実施形態に従って、センサは栓ユニットの開放を感知する栓ユニットに配置され、もしそうであるなら、流体止め弁ユニットを開放し、栓ユニットが閉鎖しているときに流体止め弁ユニットを閉鎖する。センサはたとえばリレーの場合がある。
【0016】
一実施形態に従って、減衰チャンバは、液体弁ユニットを取り囲むハウジングとして配置される。これは栓ユニット付近の壁の内部または栓ユニット内にさえ容易に収まる、コンパクトなユニットをもたらす。
【0017】
一実施形態に従って、減衰チャンバは液体弁ユニットから独立して配置される。
【0018】
一実施形態に従って、減衰チャンバは自由な内部空間を有する。
【0019】
一実施形態に従って、減衰チャンバには、既定の圧力を有する、一番奥の閉鎖区画を設けられている。これは、小さな体積、つまり短い導管を減衰するときに利点となり得る。
【0020】
一実施形態に従って、区画は薄膜またはピストンによって区切られている。
【0021】
さらなる特徴および利点は、本発明の様々な実施形態が開示されている以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【0022】
本発明はここで添付の図を参照しながらさらに詳細に説明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】減衰弁ユニットの一実施形態を示す図である。
図2】ソレノイド弁またはモータ弁を有する、流体止め弁ユニットの一実施形態を示す図である。
図3】圧力応答部分がゴムまたはエラストマで製造されている、流体止め弁ユニットのいくつかの実施形態を示す図である。
図4a】圧力応答部分は一体化されたばねである、一実施形態を示す図である。
図4b】圧力応答部分は一体化されたばねである、一実施形態を示す図である。
図5】圧力応答部分は独立したばねである、一実施形態を示す図である。
図6】本発明に従う流体止め弁に関する負荷たわみ特性のグラフを示す図である。
図7】ばねフィンガを有するダイヤフラムばねの一実施形態を示す図である。
図8a】ばねフィンガを有するばねの様々な配置を示す図である。
図8b】ばねフィンガを有するばねの様々な配置を示す図である。
図8c】ばねフィンガを有するばねの様々な配置を示す図である。
図9】液体止め弁ユニットを備えた減衰弁ユニットの一実施形態を示す図である。
図10】減衰チャンバの一実施形態を示す図である。
図11】減衰チャンバの他の実施形態を示す図である。
図12】減衰チャンバのさらなる実施形態を示す図である。
図13】減衰弁ユニットを含む栓ユニットを示す図である。
図14】液体弁ユニットに配置される小型のさらなる減衰チャンバを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、本発明の減衰弁ユニット40の一般的な実施形態が示されている。減衰弁ユニット40は減衰チャンバ26および液体止め弁ユニット1’を含む。減衰チャンバ26の流入端部28と液体止め弁ユニット1’の流入端部22との両方は、使用中に好ましくは通路23を介して、少なくとも1つの導管41と連結される。液体止め弁ユニット1’の流出端部24は使用中に液体栓ユニット42に連結される。図1では、減衰チャンバ26は独立して設けられているが、後述されるように、液体止め弁ユニット1’を減衰チャンバ26内に格納することが可能である。以下に、本発明の減衰弁ユニット40の様々な部分の様々な実施形態が記載され、これらの実施形態は特許請求の範囲に記載の発明に矛盾しない限り、任意の可能な方法で組み合わせてよい。
【0025】
液体止め弁ユニット1’は、任意の種類の液体バルブ2を含み得る。たとえば、ソレノイド弁でもよく、任意の種類のモータ駆動弁でもよく、または空気圧もしくは油圧によって駆動されるバルブでもよく、図2に例が示されている。例示のバルブに従って、補充の際に、気体は液体がバルブで感知されるまでBを通って減衰チャンバ26に流入する。つぎに、バルブが切り替えられ、液体がAを通って栓ユニット42に流れるようになる。液体栓ユニット42の開閉を感知するために、たとえば液体栓ユニット42などのシステムに、センサが配置され得る。これは液体栓ユニット42に配置されるリレーであってもよい。圧力などの物理的変数を感知するためのセンサは、減衰チャンバ26、導管41、または、液体止め弁2が開放しているときの流れ方向で見られる、液体止め弁2の下流に配置され得る。センサからの信号は、液体バルブユニット1’の開閉を制御するのに使用され得る。
【0026】
他の実施形態に従って、液体バルブ2は圧力応答部分3を含み、閾値圧力に達するまで、たとえば、閉鎖状態に偏向されることによって、または固有の力によって閉鎖されたままにされることによって、初期設定で閉鎖状態にある。この部分3は液体バルブ2と一体で配置されても、独立して配置されてもよい。液体バルブユニット1’は少なくとも1つの逆止め弁を含むことが好ましい。安全保護機能のために、少なくとも2つの液体バルブ2がそのうち1つが故障する場合に備えて使用される場合がある。直列で連結された2つの液体バルブ2を使用することが可能である。
【0027】
図2には、ソレノイドまたはモータ弁の概略図が示されている。流体止め弁ユニット1は、圧力を感知して、ソレノイド弁、モータ弁、空気圧または油圧を使用して圧力に作用することによって、制御され得る。例示のバルブによると、補充の際に、気体は液体がバルブで感知されるまでBを通って減衰チャンバ26に流入する。つぎに、バルブが切り替えられ、液体がAを通って栓ユニット42に流れるようになる。Aが開放している間にBを開放したままにすることも可能である。
【0028】
図3には、ゴムまたはエラストマで製造される圧力応答部分3を含む、液体止め弁2の様々な例が示されている。たとえば、圧力応答部分3が材料の固有の特性として一体化されているダックビル弁4の場合もあり、または少なくとも1つのスリット6を有する薄膜5の場合もある。もし薄膜5弁が薄膜5の1つの側で支持7されていると、流体は一方向にのみ流れるであろう。
【0029】
図4aおよびbには、圧力応答部分3がばね8で、バルブ2に一体化されている、液体止め弁2の一実施形態が示されている。液体止め弁2は、閉鎖状態の図4aと、開放状態の図4bの2つの状態で示されている。図4aでは、バルブボディ9は、弁座11に配置されるシール10と密閉接触しており、液体が液体経路12を通らないようにする。ばね8がバルブボディ9をシール10に向かって偏向し、圧力が閾値レベルに達するまで、つまり、偏向するばね力に勝ってばね8を圧縮し、それによってバルブボディ9が図4bに示されるように開放状態にそれるまで、バルブを閉鎖状態にする。図示される実施形態では、面対称に配置された2つの金属のダイヤフラムばねが使用されているが、たとえば1つだけのばねもしくはエラストマ型のばねを使用することが可能である。積み重なって配置された、3つ以上のダイヤフラムばねを有することも考えられる。
【0030】
図5には、この場合では独立したばね16である、独立した圧力応答部分3を有する、液体止め弁ユニット1’の一実施形態が示されている。たとえば、これはエラストマの薄膜ばねまたは金属のダイヤフラムばねの場合がある。図7を参照すると、ばねは金属でできており、ばねフィンガを有するのが好ましい。液体止め弁2はばね16と直列で配置される。たとえば液体止め弁2は、一定なばね特性を備えた内部コイルばね(図示なし)と、このコイルばねによって弁座14に向かって偏向されているバルブボディ13とを有する、逆止め弁の場合がある。中心軸15は、バルブボディ13から、開放状態にある流体の流れ方向に配置される。ばね8は軸15に固定されて取り付けられ、ハウジング17内にある。ばね16は図6に見られる後述の特性を有し得る。閾値圧力に到達すると、逆止め弁2が開き、ばね16が長いたわみで圧縮されて液体止め弁ユニット1’を開いて、流体が液体止め弁ユニット1’を流れるようにする。
【0031】
液体分配システムにおける導管41の迅速な補充をするために、閾値圧力に達したらできるだけすぐに開く液体止め弁ユニット1’を有することが好ましい。圧力応答部分3は、図6に説明される開放特性を有する。グラフは、少なくとも1つの流体止め弁2および圧力応答部分3を含む本発明の流体止め弁ユニット1の、開放特徴を説明しながら図示される。圧力応答部分3は、流体止め弁2と独立して配置されてもよく、一体化されていてもよい。この開放特性は、もし負荷たわみ特性曲線がグラフに提示される曲線に従って、たわみが急激に上昇し、バルブを完全に開放するまで上昇するが、負荷が上昇もしくは徐々に上昇したり、または閾値負荷に到達した後で負荷が減少したりしない場合に遂行され得る。曲線Aは長いたわみを有するために、徐々に増加する負荷のみを有する特徴を示す。曲線Bは長いたわみを有するために負荷の上昇がない特徴を示す。曲線Cは負荷の減少を伴うが、これにも関わらず長いたわみを有する特徴を示す。従って、流体止め弁は、同じ圧力降下またはバルブにわたる差圧において、著しく大きな流量を有し、これは結果として一般的なバルブを用いて開放するのに要求される同じ圧力で可能である流量より大きくなるであろう。
【0032】
図7には、ばね8の縁32に沿って配置されたばねフィンガ31を備えており、フィンガ31の自由端部33が中心34を指している、ダイヤフラム設計を有するばね8が示されている。このばね8は1つまたは2つの静止状態を有し、図6のグラフに示される特性を有し得る。ばね8のフィンガ31は、中心34に向かってわずかに外側を指し、ボウルのような設計を示し、従って反対方向を向く2つの側面を有する。
【0033】
図8aでは、ばねフィンガ31を有するばね8を積み重ねる好ましい方法であって、図示されている場合では、3つのばね8が積み重ねられて、ばねは同じ方向を向いている。従って、すべてのばね8が同じ方向を向いているので、ばね8が2つの静止状態を有し、平面位置に力を加えられて負の膨張位置にされ得るという事実を利用することが可能である。図8bでは、ばねフィンガ31を有するいくつかのばね8が、すべての第二ばね8が反対方向を向くように積み重ねられている。これらのばね8は平面位置に動き得るが、図8aの積み重ね以上には動かない。図8cでは、ばね8が2つずつそれぞれ反対方向に積み重ねられている。
【0034】
図9には、少なくとも1つの供給導管41および少なくとも1つの栓ユニット42を有する液体分配システムで使用するための、減衰弁ユニット40が示されている。好ましくは逆止めバルブである1つの液体止め弁18を含み、図示される場合においては2つの面対称のダイヤフラムばね19を有する独立した圧力応答部分3と直列で配置される、液体止め弁ユニット1’がある。設計は図5の実施形態と類似している。液体止め弁ユニット1’の流入側22は、使用中に、減衰弁ユニット40に含まれる通路23を介して、導管41に連結される。通路23は液体止め弁18のバルブボディ13にも、液体止め弁18で、直接連結される。つまり、優先権出願を記入する際にはまだ発行されていなかった、先行特許出願に見られる、小さなオリフィスの液体導管または開口部などの、その間のいかなる制限もない。通路23と液体止め弁18との間に何も存在しないことは、栓ユニット42への水の流れを向上させるであろう。もしかしたら、開放する際に少量の空気が液体止め弁18から漏れる場合があるが、試験によってこの量の影響は重要でないことが示された。流出端部24は使用中に栓ユニット42に連結されている。栓ユニットに向かう流れ方向におけるバルブ18の下流で圧力を感知するために、圧力センサ20がハウジング21内に設けられている。
【0035】
液体が液体止め弁18のバルブボディ13に達して液体の圧力が閾値レベルに達するとき、少なくとも1つの液体止め弁18が開き、独立したばね19によって、開放特性は図6に示されるとおりになるであろう。減衰チャンバ26は独立して設けられているが、液体止め弁ユニットを減衰チャンバ26内に配置することも考えられる。減衰チャンバへの流入口は、経路23に配置されていて、流入口は通路23と減衰チャンバ26との間の両方向の流体流れに対して常に開いている。
【0036】
図10には、減衰弁ユニット40の他の実施形態が図示されている。減衰チャンバ26には、通路23に直接連結されている液体止め弁2を有する、液体バルブユニット1’が備えられている。図示される減衰チャンバ26は溶接接合44に沿って溶接されている。ここで、液体止め弁2は、通路23に直接連結されていて開いており、液体止め弁2のバルブボディ13が、供給導管41から通路23を通って来る水に制約なく接触するようにする。液体止め弁2は、栓ユニット42が開いているときの流れ方向で見て、おおむね減衰チャンバ26への流入口の後に位置する。減衰チャンバ26は通路23に開いているのがまた見られる。
【0037】
図11には、既定の圧力を有する、一番奥の閉鎖区画46を含む、減衰チャンバ26の実施形態が示されている。図示される実施形態では、閉鎖区画46は薄膜45によって分けられている。これは、図12に示されるようにピストンとして機能する、可動壁47でも遂行できる。これらの実施形態の両方では、通路は液体止め弁と直接連結し、常に減衰チャンバ26に開いている。
【0038】
図13では、減衰弁ユニット40は非常にコンパクトな実施形態で栓ユニット42の内部に設けられている。また、本実施形態では、液体バルブユニット1’は減衰チャンバ26内に配置される。ここでまた、本実施形態では、通路は液体止め弁と直接連結し、常に減衰チャンバ26に開いている。
【0039】
図14では、栓ユニット42が開いているときの流れ方向で見て、液体止め弁2の後であるが、栓ユニット42の前に配置される、薄膜50を有する液体バルブユニット1’の実施形態が示されている。この薄膜50は、小さな減衰チャンバとしての役割を果たし、もし栓ユニット42が開いているが、水が栓ユニット42に到達する前に閉じられた場合に、液体止め弁2の後で蓄積される圧力に対処する。ピストンまたは他の圧力応答もしくは減衰装置を使用することがまた考えられる。
【0040】
最後に、閾値圧力の思想が説明される。液体止め弁1’はシステム圧力の少なくとも25~50%の閾値圧力を有することができる。たとえば閾値圧力は大気圧より少なくとも1~2bar(100000~200000Pa)大きい超過圧力となり得る。この範囲の閾値圧力を有することの利点は、液体止め弁1’を通って気体が漏れるリスクなしで減衰チャンバ内の気体圧力がより高くなり得るので、減衰チャンバの体積がより小さいままでよいことである。閉鎖圧力は、0.1bar(10000Pa)以下ほど低い場合があり、または流れが止まるまで低くなる場合がある。流体止め弁の本特性によって、導管をハンマリングするリスクは最小化されるであろう。加えて、もしシステム内で圧力が突然低下した場合に、流体止め弁が閉鎖するリスクを最小化するであろう。バルブを開放するためにバルブにわたって要求される閾値圧力は、バルブを開放状態に保つためにバルブにわたって要求される圧力より数倍高い。それゆえに、既定の入手可能なシステム圧力を用いると、線形の開閉特性を備えた一般的なバルブと比較してバルブにわたる圧力低下が小さいので、臨界流量は著しく高くなるであろう。
【0041】
減衰弁ユニットの様々な部分の多くの様々な実施形態が記載された。そして様々な部分の実施形態は、特許請求の範囲に記載の発明に矛盾しない限り、任意の可能な方法で減衰弁ユニットに組み合わされ得る。
図1
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図4a
図4b
図5
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図8a
図8b
図8c
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図12
図13
図14