(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 83/07 20060101AFI20220711BHJP
C08L 83/05 20060101ALI20220711BHJP
C08K 3/011 20180101ALI20220711BHJP
C08K 5/10 20060101ALI20220711BHJP
C09D 183/07 20060101ALI20220711BHJP
C09J 183/07 20060101ALI20220711BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20220711BHJP
H01L 23/31 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
C08L83/07
C08L83/05
C08K3/011
C08K5/10
C09D183/07
C09J183/07
H01L23/30 R
(21)【出願番号】P 2020526276
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 US2018060927
(87)【国際公開番号】W WO2019099449
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-05-12
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】キム、スンヒ
(72)【発明者】
【氏名】コン、ミンヒ
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/010545(WO,A1)
【文献】特開平06-145526(JP,A)
【文献】特表2016-529331(JP,A)
【文献】特許第6355646(JP,B2)
【文献】特開2012-017427(JP,A)
【文献】特許第5571295(JP,B2)
【文献】特開2004-323764(JP,A)
【文献】特開2008-156441(JP,A)
【文献】米国特許第03445420(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
H01L 23/28-23/30
C09J 9/00-201/10
C09D 101/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;
(B)1分子当たり少なくとも2個のケイ素-結合水素を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(成分(A)中のアルケニル基1モルに対してケイ素-結合水素原子0.1~10.0モルが与えられるような量での)
であって、下記式(1)及び(2):
HMe
2
SiO(Ph
2
SiO)SiMe
2
H (1)
(Me
2
HSiO
1/2
)
0.60
(PhSiO
3/2
)
0.40
(2)
の平均組成式で表される2つのオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む、オルガノハイドロジェンポリシロキサン;
(C)ヒドロシリル化触媒
(組成物の硬化を促進するために十分な量での);
(D)マレイン酸エステル化合物(質量単位によっ
て組成物に対して50~6,000ppmの量での);及び
(E)マレイン酸エステル化合物以外のヒドロシリル化阻害剤(質量単位によっ
て組成物に対して200~20,000ppmの量での)を含む
、ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物。
【請求項2】
成分(E)が1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニル-シクロテトラシロキサンである、請求項1に記載のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物。
【請求項3】
成分(A)が、
(A-1)以下のもの:
ViPhMeSiO(Me
2
SiO)
x
SiMePhVi、
ViPh
2
SiO(Me
2
SiO)
x
SiPh
2
Vi、
ViMe
2
SiO(Me
2
SiO)
x
(Ph
2
SiO)
x’
SiMe
2
Vi、
ViPhMeSiO(Me
2
SiO)
x
(Ph
2
SiO)
x’
SiPhMeVi、
ViPh
2
SiO(Me
2
SiO)
x
(Ph
2
SiO)
x’
SiPh
2
Vi、
ViMe
2
SiO(MePhSiO)
x
SiMe
2
Vi、
MePhViSiO(MePhSiO)
x
SiMePhVi、
Ph
2
ViSiO(MePhSiO)
x
SiPh
2
Vi、
ViMe
2
SiO(Ph
2
SiO)
x
(PhMeSiO)
x’
SiMe
2
Vi、
ViPhMeSiO(Ph
2
SiO)
x
(PhMeSiO)
x’
SiPhMeVi、及び
ViPh
2
SiO(Ph
2
SiO)
x
(PhMeSiO)
x’
SiPh
2
Vi
(式中、Me、Vi、及びPhは、それぞれ、メチル基、ビニル基、及びフェニル基を表し、x及びx’は、それぞれ1~100の整数である)
から選択される直鎖オルガノポリシロキサン、及び、
(A-2)
1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基と、アルケニル基以外のケイ素-結合基を有し、かつアルケニル基以外のケイ素-結合基が6~20個の炭素を有するアリール基を含む、部分分岐直鎖及び三次元網状組織構造を有するオルガノポリシロキサン、
を含む、請求項1又は2に記載のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物。
【請求項4】
(F)接着促進剤(成分(A)~成分(E)の100質量部当たり0.01~50質量部の量での)をさらに含む、請求項
1~3のいずれか一項に記載のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物。
【請求項5】
(G)セリウム含有オルガノポリシロキサン(この成分中のセリウム原子の量が、質量単位によって前記組成物に対して10~2,000ppmであるような量での)をさらに含む、請求項
1~4のいずれか一項に記載のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物。
【請求項6】
光学半導体素子のためのシーリング、コーティング、又は接着剤である、請求項
1~5のいずれか一項に記載のヒドロシリル化-硬化性
シリコーン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、耐候性及び耐熱性などの優れた特性を有する硬化生成物を形成し、それらは、硬化の時間に副生成物を生成することもなく、特に加熱することによって急速に硬化し、したがって、そのような組成物は、光学半導体機器における光学的導体素子を密封し、被覆し、又は接着するために使用される。少なくとも1種のヒドロシリル化阻害剤が組成物の硬化性及び貯蔵安定性を調整するために添加されることは周知である。しかしながら、硬化温度を低下させ、より短い硬化時間を可能にすることは、組成物の貯蔵安定性の顕著な劣化を引き起こし、低温硬化は、硬化生成物の表面のしわ発生を促進する。このような問題を解決するために、いくつかの硬化性シリコーン組成物が提案されている。
【0003】
そのような硬化性シリコーン組成物の例としては、アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ヒドロシリル化触媒、及びアミド化合物を含む硬化性シリコーン組成物(特許文献1参照);1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、1分子当たり少なくとも2個のケイ素-結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、白金族金属系触媒;及びジヒドロジシラン化合物を含む硬化性シリコーン組成物(特許文献2参照);並びに1分子当たり少なくとも1個のケイ素-結合アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、1分子当たり分子鎖末端に少なくとも1個のケイ素-結合水素原子及び非分子鎖末端に少なくとも2個のケイ素-結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、並びにヒドロシリル化触媒を含む硬化性シリコーン組成物(特許文献3参照)が挙げられる。
【0004】
しかしながら、良好な硬化性と合致していること、及び比較的低い温度で硬化させることによる硬化生成物の表面のしわ発生を防止することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平08-183908号公報
【文献】特開2001-26716号公報
【文献】米国特許出願公開第2005/0272893A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、良好な貯蔵安定性を示し、且つ硬化されて、表面しわ発生をまったく被らない硬化生成物を形成することができるヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、マレイン酸エステル化合物、及びマレイン酸エステル化合物以外のヒドロシリル化阻害剤を含み、ここで、それぞれ、質量単位によって組成物に対して、マレイン酸エステル化合物の含有量は、50~6,000ppmの量であり、ヒドロシリル化阻害剤の含有量は、200~20,000ppmの量であることによって特徴付けられる。
【0008】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は好ましくは、
(A)1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;
(B)1分子当たり少なくとも2個のケイ素-結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(成分(A)中のアルケニル基1モルに対してケイ素原子-結合水素原子0.1~10.0モルが与えられるような量での);
(C)ヒドロシリル化触媒(組成物の硬化を促進するのに十分な量での);
(D)マレイン酸エステル化合物(質量単位によって組成物に対して50~6,000ppmの量での);及び
(E)マレイン酸エステル以外のヒドロシリル化阻害剤(質量単位によって組成物に対して200~20,000ppmの量での)を含む。
【0009】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、(F)接着促進剤(成分(A)~(E)の100質量部当たり0.01~50質量部の量での)を含んでもよい。
【0010】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、(G)セリウム含有オルガノポリシロキサン(この成分中のセリウム原子の量が、質量単位によって組成物に対して10~2,000ppmであるような量での)を含んでもよい。
【0011】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、好ましくは光学半導体素子のためのシーリング、コーティング、又は接着剤である。
【発明の効果】
【0012】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、良好な貯蔵安定性を示し、且つ低い温度でさえも硬化され得、表面しわ発生をまったく被らない硬化生成物をもたらす。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、マレイン酸エステル化合物、及びマレイン酸エステル化合物以外のヒドロシリル化阻害剤を含み、ここで、それぞれ、質量単位によって本組成物に対して、マレイン酸エステル化合物の含有量は、50~6,000ppmであり、ヒドロシリル化阻害剤の含有量は、200~20,000ppmであることによって特徴付けられる。
【0014】
本発明の硬化性シリコーン組成物は好ましくは、
(A)1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン;
(B)1分子当たり少なくとも2個のケイ素-結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン(成分(A)中のアルケニル基1モルに対してケイ素-結合水素原子0.1~10.0モルが与えられるような量での);
(C)ヒドロシリル化触媒(組成物の硬化を促進するのに十分な量での);
(D)マレイン酸エステル化合物(質量単位によって組成物に対して50~6,000ppmの量での);及び
(E)マレイン酸エステル化合物以外のヒドロシリル化反応阻害剤(質量単位によって組成物に対して200~20,000ppmの量での)
を含む。
【0015】
成分(A)は、1分子当たり少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。アルケニル基の例としては、2~12個の炭素を有するアルケニル基、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、及びドデセニル基が挙げられる。ビニル基が好ましい。成分(A)中のアルケニル基以外のケイ素-結合基の例としては、1~12個の炭素を有するアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基;6~20個の炭素を有するアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基;7~20個の炭素を有するアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基;並びに水素原子の一部又はすべてが、ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子、及び臭素原子で置き換えられているこれらの基が挙げられる。成分(A)中のケイ素原子は、本発明の目的が損なわれない限り少量で、ヒドロキシル基又はアルコキシ基、例えば、メトキシ基及びエトキシ基に結合されていてもよい。
【0016】
成分(A)の分子構造は、特に限定されず、それらの例としては、直鎖、部分分岐直鎖、環状、及び三次元網状組織構造が挙げられる。成分(A)は、それらの分子構造を有するオルガノポリシロキサンの1つのタイプ又はそれらの分子構造を有するオルガノポリシロキサンの2つ以上のタイプの混合物であってもよい。
【0017】
25℃での成分(A)の状態は、特に限定されず、それらの例としては、液体及び固体が挙げられる。成分(A)が、25℃で液体である場合、25℃での粘度は、好ましくは1~1,000,000mPa・秒の範囲、特に好ましくは10~1,000,000mPa・秒の範囲である。
【0018】
そのような成分(A)の例としては、ジメチルビニルシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ基で封止された両分子末端を有するメチルフェニルポリシロキサン、トリメチルシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、(CH3)3SiO1/2単位、(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位、及びC6H5SiO3/2単位を含むコポリマー、(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位及びC6H5SiO3/2単位を含むコポリマー、(CH3)3SiO1/2単位、(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位、及びSiO4/2単位を含むコポリマー、(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2単位及びSiO4/2単位を含むコポリマー、並びに以下のオルガノポリシロキサンが挙げられる。式において、Me、Vi、及びPhは、それぞれ、メチル基、ビニル基、及びフェニル基を表し、x及びx’は、それぞれ1~100の整数であることに留意されたい。
ViMe2SiO(Me2SiO)xSiMe2Vi
ViPhMeSiO(Me2SiO)xSiMePhVi
ViPh2SiO(Me2SiO)xSiPh2Vi
ViMe2SiO(Me2SiO)x(Ph2SiO)x’SiMe2Vi
ViPhMeSiO(Me2SiO)x(Ph2SiO)x’SiPhMeVi
ViPh2SiO(Me2SiO)x(Ph2SiO)x’SiPh2Vi
ViMe2SiO(MePhSiO)xSiMe2Vi
MePhViSiO(MePhSiO)xSiMePhVi
Ph2ViSiO(MePhSiO)xSiPh2Vi
ViMe2SiO(Ph2SiO)x(PhMeSiO)x’SiMe2Vi
ViPhMeSiO(Ph2SiO)x(PhMeSiO)x’SiPhMeVi
ViPh2SiO(Ph2SiO)x(PhMeSiO)x’SiPh2Vi
【0019】
成分(B)は、1分子当たり少なくとも2個のケイ素-結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。成分(B)の分子構造の例としては、直鎖、部分分岐直鎖、分岐鎖、環状、及び樹状構造が挙げられ、直鎖、部分分岐直鎖、及び樹状構造が好ましい。成分(B)中のケイ素-結合水素原子の結合位置は、限定されず、それらの例としては、分子鎖の末端及び/又は側鎖が挙げられる。成分(B)中の水素原子以外のケイ素-結合基の例としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、及びプロピル基;アリール基、例えば、フェニル基、トリル基、及びキシリル基;アラルキル基、例えば、ベンジル基及びフェネチル基、並びにハロゲン化アルキル基、例えば、3-クロロプロピル基及び3,3,3-トリフルオロプロピル基が挙げられる。メチル基及びフェニル基が、好ましい。成分(B)の25℃での粘度は、特に限定されず、好ましくは1~10,000mPa・秒の範囲、特に好ましくは1~1,000mPa・秒の範囲である。
【0020】
成分(B)のためのそのようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンの例としては、1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1-グリシドキシプロピル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5-ジグリシドキシプロピル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、1-グリシドキシプロピル-5-トリメトキシシリルエチル-1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシ基で封止された両分子末端を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、ジメチルハイドロジェンシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルポリシロキサン、ジメチルハイドロジェンシロキシ基で封止された両分子末端を有するジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ基で封止された両分子末端を有するメチルハイドロジェンシロキサン-ジフェニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ基で封止された両分子末端を有するメチルハイドロジェンシロキサン-ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、トリメトキシシランの加水分解-縮合生成物、(CH3)2HSiO1/2単位及びSiO4/2単位を含むコポリマー、(CH3)2HSiO1/2単位、SiO4/2単位、及び(C6H5)SiO3/2単位を含むコポリマー、並びに以下のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。以下の式では、Me、Vi、Ph、及びNapHは、それぞれ、メチル基、ビニル基、フェニル基、及びナフチル基を表し、y及びy’は、それぞれ1~100の整数であり、c、d、e、及びfは、正の数であり、但し、分子中のc、d、e、及びfの合計は、1である。
HMe2SiO(Ph2SiO)ySiMe2H
HMePhSiO(Ph2SiO)ySiMePhH
HMeNaphSiO(Ph2SiO)ySiMeNaphH
HMePhSiO(Ph2SiO)y(MePhSiO)y’SiMePhH
HMePhSiO(Ph2SiO)y(Me2SiO)y’SiMePhH
(HMe2SiO1/2)c(PhSiO3/2)d
(HMePhSiO1/2)c(PhSiO3/2)d
(HMePhSiO1/2)c(NaphSiO3/2)d
(HMe2SiO1/2)c(NaphSiO3/2)d
(HMePhSiO1/2)c(HMe2SiO1/2)d(PhSiO3/2)e
(HMe2SiO1/2)c(Ph2SiO2/2)d(PhSiO3/2)e
(HMePhSiO1/2)c(Ph2SiO2/2)d(PhSiO3/2)e
(HMe2SiO1/2)c(Ph2SiO2/2)d(NaphSiO3/2)e
(HMePhSiO1/2)c(Ph2SiO2/2)d(NaphSiO3/2)e
(HMePhSiO1/2)c(HMe2SiO1/2)d(NaphSiO3/2)e
(HMePhSiO1/2)c(HMe2SiO1/2)d(Ph2SiO2/2)e(NaphSiO3/2)f
(HMePhSiO1/2)c(HMe2SiO1/2)d(Ph2SiO2/2)e(PhSiO3/2)f
【0021】
成分(B)の含有量は、成分(B)中のケイ素-結合水素原子が、成分(A)中のアルケニル基1モルに対して、0.1~10.0モルの範囲、好ましくは0.5~5モルの範囲であるような量である。成分(B)の含有量が、前述の範囲の上限以下である場合、得られることになる硬化生成物の機械的特性は、良好である。対照的に、成分(B)の含有量が、その範囲の下限以上である場合、得られた組成物の硬化性は、良好である。
【0022】
成分(C)は、本組成物の硬化を促進させるために使用されるヒドロシリル化触媒である。成分(C)の例としては、白金族元素触媒及び白金族元素化合物触媒が挙げられ、具体例としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒、及びそれらの少なくとも2つのタイプの組合せが挙げられる。特に、白金系触媒が、本組成物の硬化を劇的に促進させ得る点で好ましい。これらの白金系触媒の例としては、微粉末白金;白金ブラック;クロロ白金酸、アルコール変性クロロ白金酸;クロロ白金酸/ジオレフィン錯体;白金/オレフィン錯体;白金/カルボニル錯体、例えば、白金ビス(アセトアセテート)、及び白金ビス(アセチルアセトネート);クロロ白金酸/アルケニルシロキサン錯体、例えば、白金酸/ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体及びクロロ白金酸/テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン錯体;白金/アルケニルシロキサン錯体、例えば、白金/ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体及び白金/テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン錯体;クロロ白金酸及びアセチレンアルコールの錯体;並びにそれらの2つ以上のタイプの混合物が挙げられる。特に、白金-アルケニルシロキサン錯体が、本組成物の硬化を促進させ得る点で好ましい。
【0023】
白金-アルケニルシロキサン錯体で使用されるアルケニルシロキサンの例としては、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、これらのアルケニルシロキサンのメチル基の一部が、エチル基、フェニル基、又は同様のもので置き換えられているアルケニルシロキサンオリゴマー、及びこれらのアルケニルシロキサンのビニル基が、アリル基、ヘキセニル基、又は同様のもので置き換えられているアルケニルシロキサンオリゴマーが挙げられる。特に、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが、生成される白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性が良好である点で好ましい。
【0024】
白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性を改善するために、これらの白金-アルケニルシロキサン錯体をアルケニルシロキサンオリゴマー、例えば、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジアリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、1,3-ジビニル-1,3-ジメチル-1,3-ジフェニルジシロキサン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラフェニルジシロキサン、若しくは1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、又はオルガノシロキサンオリゴマー、例えば、ジメチルシロキサンオリゴマーに溶解させることが好ましく、錯体をアルケニルシロキサンオリゴマーに溶解させることが特に好ましい。
【0025】
成分(C)の含有量は、本組成物の硬化を促進させる量である。具体的には、含有量は好ましくは、成分(C)中の触媒金属原子の含有量が、本組成物に対して質量単位によって0.01~500ppmの範囲、0.01~100ppmの範囲、又は0.1~50ppmの範囲であるような量である。これは、成分(C)の含有量が、前述の範囲の下限以上である場合、得られた組成物の硬化性は、良好である一方で、成分(C)の含有量が、前述の範囲の上限以下である場合、得られた硬化生成物の着色は、抑制されるからである。
【0026】
成分(D)は、マレイン酸エステル化合物である。成分(D)の例としては、ジアリルマレエート、ジメチルマレエート、ビス(2-メトキシ-1-メチルエチル)マレエート、モノ-オクチルマレエート、モノ-イソ-オクチルマレエート、モノ-アリルマレエート、モノ-メチルマレエート、及び2-メトキシ-1-メチルエチルマレエートが挙げられる。
【0027】
成分(D)の含有量は、本組成物中、質量単位によって50~6,000ppmの範囲、好ましくは100ppm~6,000ppmの範囲、又は150~6,000ppmの範囲の量である。これは、成分(D)の含有量が、前述の範囲の下限以上である場合、表面しわ発生は十分に防止され得る一方で、成分(D)の含有量が、前述の範囲の上限以下である場合、得られた組成物の硬化性は、減少されず、且つ得られた硬化生成物の物理的特性は、減少されないからである。
【0028】
成分(E)は、マレイン酸エステル化合物以外のヒドロシリル化阻害剤であって、室温で使用可能寿命を延長し、及び貯蔵安定性を改善するためのものである。成分(E)の例としては、アルキンアルコール、例えば、1-エチニルシクロヘキサン-1-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、及び2-フェニル-3-ブチン-2-オール;エニン化合物、例えば、3-メチル-3-ペンテン-1-イン及び3,5-ジメチル-3-ヘキセン-1-イン;アルケニル基含有低分子量シロキサン、例えば、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン及びテトラメチルテトラヘキセニルシクロテトラシロキサン;アルキノキシシラン、例えば、ジメチルビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)シラン及びメチルビニルビス(3-メチル-1-ブチン-3-オキシ)シラン、並びにトリアリルイソシアヌレート化合物が挙げられる。
【0029】
成分(E)の含有量は、本組成物中、質量単位によって200~20,000ppmの範囲、好ましくは200ppm~15,000ppmの範囲、又は250~15,000ppmの範囲の量である。これは、成分(E)の含有量が、前述の範囲の下限以上である場合、本組成物の貯蔵安定性は、十分に付与され得る一方で、成分(E)の含有量が、前述の範囲の上限以下である場合、得られた組成物の硬化性は、減少されず、且つ得られた硬化生成物の物理的特性は、減少されないからである。
【0030】
さらに、本組成物はまた、硬化中に本組成物が接触する基材への接着をさらに改善するために(F)接着促進剤を含んでもよい。成分(F)は好ましくは、1分子当たり1個以上のケイ素-結合アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物である。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、及びメトキシエトキシ基が挙げられ、メトキシ基又はエトキシ基が、特に好ましい。成分(F)中のアルコキシ基以外のケイ素-結合基の例としては、上に記載されたものと同じ置換又は非置換一価炭化水素基、例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、及びハロゲン化アルキル基;グリシドキシアルキル基、例えば、3-グリシドキシプロピル基及び4-グリシドキシブチル基;エポキシシクロヘキシルアルキル基、例えば、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基及び3-(3,4-エポキシシクロヘキシル)プロピル基;エポキシアルキル基、例えば、4-エポキシブチル基及び8-エポキシオクチル基;アクリル基含有一価有機基、例えば、3-メタクリルオキシプロピル基;イソシアネート基;イソシアヌレート基;並びに水素原子が挙げられる。成分(F)は好ましくは、本組成物中の脂肪族不飽和炭化水素基又はケイ素-結合水素原子と反応し得る基を有する。具体的には、成分(F)は好ましくは、ケイ素-結合脂肪族不飽和炭化水素基又はケイ素-結合水素原子を有する。
【0031】
成分(F)の含有量は、限定されないが、好ましくは、本組成物の100質量部当たり、0.01~50質量部の範囲、0.01~30質量部の範囲、0.01~10質量部の範囲、0.01~5質量部の範囲、又は0.1~3質量部の範囲である。成分(F)の含有量が前述の範囲の下限以上である場合、得られた組成物に、十分な接着が付与され得る。対照的に、成分(F)の含有量がその範囲の下限以下である場合、得られた組成物の硬化性が阻害される可能性は低く、且つ得られることになる硬化生成物の着色、及び同様のものは抑制され得る。
【0032】
本組成物はまた、本組成物を硬化させることによって得られる硬化生成物における熱老化による亀裂を抑制するために、(G)セリウム-含有オルガノポリシロキサンを含んでもよい。このような成分(G)は、例えば、塩化セリウム又はカルボン酸のセリウム塩と、シラノール含有オルガノポリシロキサンのアルカリ金属塩との反応によって調製される。
【0033】
上に記載されたカルボン酸のセリウム塩の例としては、2-エチルヘキサン酸セリウム、ナフテン酸セリウム、オレイン酸セリウム、ラウリン酸セリウム、及びステアリン酸セリウムが挙げられる。
【0034】
上に記載されたシラノール-含有オルガノポリシロキサンのアルカリ金属塩の例としては、シラノール基で両分子末端にて封止されたジオルガノポリシロキサンのカリウム塩、シラノール基で両分子末端にて封止されたジオルガノポリシロキサンのナトリウム塩、シラノール基で一方の分子末端にて封止され及びトリオルガノシロキシ基で他方の分子末端にて封止されたジオルガノポリシロキサンのカリウム塩、並びにシラノール基で一方の分子末端にて封止され及びトリオルガノシロキシ基で他方の分子末端にて封止されたジオルガノポリシロキサンのナトリウム塩が挙げられる。オルガノポリシロキサン中でケイ素原子と結合する基の例としては、1~12個の炭素原子を有するアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、及びドデシル基;6~20個の炭素原子を有するアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、及びナフチル基;7~20個の炭素原子を有するアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基;並びにこれらの基の水素原子の一部又はすべてが、ハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子で置き換えられている基が挙げられる。
【0035】
上に記載された反応は、室温で、又はアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、若しくはブタノール;芳香族炭化水素、例えば、トルエン若しくはキシレン;脂肪族炭化水素、例えば、ヘキサン若しくはヘプタン;及び有機溶媒、例えば、ミネラルスピリット、リグロイン、若しくは石油エーテル中で加熱することによって行われる。有機溶媒若しくは低沸点成分を蒸留除去し、又は必要に応じて、得られた反応生成物からすべての沈殿物を濾過することが好ましい。この反応を加速するために、ジアルキルホルムアミド、ヘキサアルキルホスファミド、又は同様のものが添加されてもよい。このように調製されたセリウム含有オルガノポリシロキサン中のセリウム原子の含有量は、好ましくは0.1~5質量%の範囲内である。
【0036】
本組成物中の成分(G)の含有量は、セリウム原子が、質量単位によって10~2,000ppmの範囲内、好ましくは10~1,500ppmの範囲内、より好ましくは10~1,000ppmの範囲内、さらにより好ましくは10~500ppmの範囲内、特に好ましくは10~200ppmの範囲内であるような量である。これは、成分(G)の含有量が、上に記載された範囲の下限以上である場合、得られた組成物の耐熱性は、改善され得、含有量が上に記載された範囲の上限以下である場合、発光色度における変化は、光学半導体機器で使用される場合に減少され得るからである。
【0037】
本組成物は、本組成物の硬化生成物で封入又は被覆されている光放出素子から放出される光の波長を変更することによって所望の波長を有する光を得るための蛍光体を含有してもよい。この種の蛍光体の例としては、黄色、赤色、緑色、及び青色光放出蛍光体、例えば、酸化物蛍光体、オキシ窒化物蛍光体、窒化物蛍光体、硫化物蛍光体、及びオキシ硫化物蛍光体が挙げられ、これらは、発光ダイオード(LED)で広く使用されている。酸化物蛍光体の例としては、イットリウム、アルミニウム、及びガーネット-タイプYAGの、セリウムイオン含有緑色~黄色光放出蛍光体;テリウム、アルミニウム、及びガーネット-タイプTAGの、セリウムイオン含有黄色光放出蛍光体;並びにケイ酸塩の、セリウム又はユウロピウムイオン含有緑色~黄色光放出蛍光体が挙げられる。オキシ窒化物蛍光体の例としては、ケイ素、アルミニウム、酸素、及び窒素-タイプSiAlONの、ユウロピウムイオン含有赤色~緑色光放出蛍光体が挙げられる。窒化物系蛍光体の例としては、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、ケイ素、及び窒素タイプCASNの、ユウロピウムイオン含有赤色光放出蛍光体が挙げられる。硫化物蛍光体の例としては、ZnSの、銅イオン又はアルミニウムイオン含有緑色光放出蛍光体が挙げられる。オキシ硫化物蛍光体の例としては、Y2O2Sの、ユウロピウムイオン含有赤色光放出蛍光体が挙げられる。これらの蛍光物質は、1つのタイプとして又は2つ以上のタイプの混合物として使用されてもよい。本組成物では、蛍光体の含有量は、成分(A)及び成分(B)の全量に対して、0.1~70質量%の範囲、好ましくは1~20質量%の範囲である。
【0038】
さらに、本組成物は、無機充填剤、例えば、シリカ、ガラス、アルミナ、亜鉛酸化物、若しくは同様のもの;ポリメタクリレート樹脂の有機樹脂微粉末、若しくは同様のもの;耐熱性薬剤、色素、顔料、難燃剤、溶媒、又は本発明の目的が損なわれない限り、任意成分として同様のものを含有してもよい。
【0039】
本組成物は、室温で又は加熱下のいずれかで硬化されるが、急速硬化を達成するために組成物を加熱することが好ましい。加熱温度は、好ましくは50~200℃の範囲である。
【実施例】
【0040】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物を、実施例及び比較例を使用して以下に詳細に説明する。ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物を以下のとおり評価した。
【0041】
<ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性>
ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性は、示差走査熱量測定計(DSC7000;SII Nanotechnologyにより製造された)を使用して、10℃/分の加熱速度で測定された熱発生ピーク温度(℃)に基づいて評価した。
【0042】
<ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物の硬化性>
ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物の硬化性は、レオメータMDR 2000(Alpha Technologies,Ltd.により製造された)を使用して評価した。硬化温度は、150℃であった。測定のために、1%トルク値を得るのに要した時間(分)を、Ts1で示し、90%トルク値を得るのに要した時間(分)を、T90で示した。
【0043】
<硬化生成物の表面しわ>
5gのヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物を直径60mmのアルミニウムペトリ皿に注ぎ入れ、150℃で1時間加熱することによって硬化性生成物を形成させた。硬化生成物の外観を以下のとおり視覚的に観察した。
N:しわが観察されなかった。
Y:しわが観察された。
【0044】
<実施例1~実施例14及び比較例1~比較例16>
以下の成分を、表1~表5に示される組成(質量部)に従って一様に混合して、実施例1~実施例14及び比較例1~比較例16のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物を調製した。式において、「Me」、「Vi」、「Ph」、及び「Ep」は、それぞれ、メチル基、ビニル基、フェニル基、及び3-グリシドキシプロピル基を表す。さらに、表1~表5において、「SiH/Vi」は、ヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物中の成分(A)中のビニル基1モル当たりの成分(B)中のケイ素-結合水素原子のモルを表す。
【0045】
以下の成分を成分(A)として使用した。
成分(a-1):1分子当たり2個以上のビニル基を有し、以下の平均単位式によって表されるオルガノポリシロキサン:
(Me2ViSiO1/2)0.25(PhSiO3/2)0.75
成分(a-2):以下の平均式によって表されるオルガノポリシロキサン:
Me2ViSiO(Me2SiO)200(Ph2SiO)50SiMe2Vi
成分(a-3):1分子当たり2個以上のビニル基を有し、以下の平均単位式によって表されるオルガノポリシロキサン:
(Me2ViSiO1/2)0.13(Me3SiO1/2)0.14(MeSiO3/2)0.53(PhSiO3/2)0.22
成分(a-4):1分子当たり2個以上のビニル基を有し、以下の平均単位式によって表される30質量%のオルガノポリシロキサン:
(Me3SiO1/2)0.47(Me2ViSiO1/2)0.05(SiO4/2)0.48
と、両分子末端にてジメチルビニルシロキシ基で末端化された70質量%のジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.23質量%)との混合物。
成分(a-5):1分子当たり2個以上のビニル基を有し、以下の平均単位式によって表されるオルガノポリシロキサン:
(Me2ViSiO1/2)0.20(PhSiO3/2)0.80
成分(a-6):以下の平均式によって表されるオルガノポリシロキサン:
Me2ViSiO(MePhSiO)25SiMe2Vi
成分(a-7):以下の式によって表されるオルガノポリシロキサン:
(Me2ViSiO)4Si
【0046】
以下の成分を成分(B)として使用した。
成分(b-1):以下の式によって表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
HMe2SiO(Ph2SiO)SiMe2H
成分(b-2):以下の式によって表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
(Me2HSiO1/2)0.60(PhSiO3/2)0.40
成分(b-3):以下の式によって表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:
Me3SiO(MeHSiO)40SiMe3
【0047】
以下の成分を成分(C)として使用した。
成分(c-1):白金の1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体の1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン溶液(白金金属含有量=おおよそ4,000ppm)
【0048】
以下の成分を成分(D)として使用した。
成分(d-1):ジアリルマレエート
成分(d-2):ビス(エチルヘキシル)マレエート
【0049】
以下の成分を成分(E)として使用した。
成分(e-1):1-エチニルシクロヘキサン-1-オール
成分(e-2):1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニル-シクロテトラシロキサン
【0050】
以下の成分を成分(F)として使用した。
成分(f-1):以下の平均単位式によって表されるオルガノポリシロキサン:
(Me2ViSiO1/2)0.18(MeEpSiO2/2)0.28(PhSiO3/2)0.54
【0051】
以下の成分を成分(G)として使用した。
成分(g-1):1.4質量%のセリウム含有量を有するセリウム含有ジメチルポリシロキサン
【0052】
以下の成分を任意成分として使用した。
成分(h-1):100m2/gのBET表面積を有するシリカ充填剤
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明のヒドロシリル化-硬化性シリコーン組成物は、光学半導体素子、例えば、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ、フォトダイオード、フォトトランジスタ、固体撮像素子、フォトカプラ用の発光器及び受信器、又は同様のもののためのシーリング剤又は接着剤として有用である。