IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファストフォーム リサーチ リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】矯正装置および使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/04 20060101AFI20220711BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20220711BHJP
   A61F 5/05 20060101ALI20220711BHJP
   A61F 13/06 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
A61F13/04 E
A61F5/01 N
A61F5/05
A61F13/06 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020543636
(86)(22)【出願日】2019-02-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019054462
(87)【国際公開番号】W WO2019170438
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】16/261,059
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/638,107
(32)【優先日】2018-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520301261
【氏名又は名称】ファストフォーム リサーチ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シーハン,デイビッド
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-220245(JP,A)
【文献】実開昭52-088390(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0215144(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/04
A61F 5/01
A61F 5/05
A61F 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱成形可能な矯正装置であって、
熱成形可能な第1のシェル部材および対向する熱成形可能な第2のシェル部材であって、前記第1のシェル部材は第1の前縁および反対の第1の後縁を有し、前記第2のシェル部材は第2の前縁および反対の第2の後縁を有する、第1のシェル部材および第2のシェル部材と、
前記第1の前縁に固定された前部の第1のジッパーストリップおよび前記第2の前縁に固定された前部の第2のジッパーストリップによって、それぞれの第1および第2の前縁に接合され、それらを選択的に閉じる、前部ジッパーアセンブリと、
前記第1の後縁に固定された後部の第1のジッパーストリップおよび前記第2の後縁に固定された後部の第2のジッパーストリップによって、前記それぞれの第1および第2の後縁に接合され、それらを選択的に閉じる、後部ジッパーアセンブリと、を含み、
前記装置の熱活性化が、固定化される患者の身体部位の周りで前記第1および第2のシェル部材の適合配置を可能にし、
前記前部および後部ジッパーアセンブリの選択的閉鎖が、前記第1および第2のシェル部材を前記それぞれの第1および第2の前縁および後縁に沿って接合して前記患者の身体部位の周りに前記装置を設置し、
前記装置の冷却により、前記第1および第2のシェル部材が前記患者の前記身体部位に適合するように固化し、
前記前部および後部ジッパーアセンブリの一方または両方を選択的に開くと、前記第1および第2のシェル部材が前記それぞれの第1および第2の前縁および後縁の一方または両方に沿って分離し、前記患者の前記身体部位から前記装置を取り外して除去することができ、前記前部および後部ジッパーアセンブリの一方の少なくとも一部が、使用中の前記装置の除去および交換を容易にするために、前記固化した第1および第2のシェル部材の選択的なヒンジ連結を可能にし、
前記後部ジッパーアセンブリの遠位端は、前記装置の下端で前記第1および第2のシェル部材を越えて遠位に延在し、
前記後部ジッパーアセンブリは、対応する少なくとも1つのシェルファスナー部材と選択的に係合するために、その内面に少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材を含み、
トウボックスが前記後部ジッパーアセンブリの前記遠位端に組み込まれ、前記少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材の対応する少なくとも1つのシェルファスナー部材との選択的係合が、前記装置の前記下端を覆う湾曲した閉鎖位置に前記トウボックスを選択的に固定するのに役立ち、前記少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材の対応する少なくとも1つのシェルファスナー部材からの選択的な解放が、前記装置の前記下端から離れて枢動する開放位置にトウボックスを選択的にシフトさせるのに役立ち、熱活性化および形成中に、トウボックスの調整性によって単一の装置が様々な足のサイズに対応することが可能になる、矯正装置。
【請求項2】
前記トウボックスは、後部ジッパーアセンブリと取り外し可能に係合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記トウボックスは、前記後部ジッパーアセンブリと一体である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記トウボックスは、前記後部ジッパーアセンブリのそれぞれの後部の第1および第2のジッパーストリップに固定され、かつそこから横方向に延在する対向する第1および第2のトウボックス部材を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のシェル部材から前記第1のトウボックス部材にまたがる第1の補強材および前記第2のシェル部材から前記第2のトウボックス部材にまたがる第2の補強材が、前記後部ジッパーアセンブリと協働して前記トウボックスを安定させ、前記トウボックスが前記装置の前記下端に対して選択的に枢動できるようにする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記トウボックスは、前記トウボックスの選択的な屈曲を容易にする横方向の突起を備えて形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記トウボックスは熱成形材料である、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記前部の第1および第2のジッパーストリップならびに前記後部の第1および第2のジッパーストリップは非弾性材料で形成され、それによって前記第1および第2のシェル部材の前記それぞれの第1および第2の前縁ならびに第1および第2の後縁が、前記装置に縦方向の非伸縮性ゾーンを形成するように補強され、非弾性になる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記後部ジッパーアセンブリは、滑り止め材料と選択的に係合するように、その外面に少なくとも1つの取り付け材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記装置の熱活性化および形成中の伸縮性を高め、装置の設定および使用中の通気性を高めるように構成された開口領域をさらに含み、前記前部および後部ジッパーアセンブリは、前記装置の全体的な完全性を維持するように熱活性化され、成形可能な場合であっても、前記装置における縦方向の非伸縮性ゾーンに寄与する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1および第2の下端の反対のそれぞれの第1および第2の上端に隣接する前記それぞれの第1および第2のシェル部材に形成された第1の上部開口領域および第2の上部開口領域をさらに含み、前記装置の前記上端を形成する際により大きなサイズの変動に対応するために、前記第1および第2の上部開口領域の開口部は、前記それぞれの第1および第2の下端に隣接する前記それぞれの第1および第2のシェル部材に形成される第1および第2の下部開口領域の開口部よりも比較的大きい、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
上面と反対の下面とを有し、前記上面が前記装置の上端の方を向くように前記装置内で前記第1および第2のシェル部材の間に選択的に位置付け可能なインソールをさらに含み、前記インソールは複数の層を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記インソールの少なくとも1つの層は熱成形材料である、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記インソールは、少なくとも上層、前記上層に隣接する中間層、および前記中間層に隣接する下層を含み、前記上層は独立気泡架橋ポリエチレンフォームであり、前記中間層はマイクロセルラーポリウレタンフォームであり、前記下層はエチレン酢酸ビニルである、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記インソールは、前記下面から離れて延在する選択的に再位置付け可能なロッカーをさらに含み、前記ロッカーは、熱活性化されて成形可能であるとき、前記装置の前記第1および第2のシェルに対応する底部ロッカー機構を形成するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
熱成形可能な矯正装置であって、
熱成形可能な第1のシェル部材および対向する熱成形可能な第2のシェル部材であって、前記第1のシェル部材は第1の前縁および反対の第1の後縁を有し、前記第2のシェル部材は第2の前縁および反対の第2の後縁を有する、第1のシェル部材および第2のシェル部材と、
前記第1の前縁に固定された前部の第1のジッパーストリップおよび前記第2の前縁に固定された前部の第2のジッパーストリップによって、それぞれの第1および第2の前縁に接合され、それらを選択的に閉じる、前部ジッパーアセンブリと、
前記第1の後縁に固定された後部の第1のジッパーストリップおよび前記第2の後縁に固定された後部の第2のジッパーストリップによって、それぞれの第1および第2の後縁に接合され、それらを選択的に閉じる、後部ジッパーアセンブリであって、前記後部ジッパーアセンブリの遠位端は前記装置の下端で前記第1および第2のシェル部材を越えて遠位に延在する、後部ジッパーアセンブリと、
前記後部ジッパーアセンブリの前記遠位端と一体的に形成された熱成形可能なトウボックスであって、前記後部ジッパーアセンブリの前記それぞれの後部の第1および第2のジッパーストリップに固定され、かつそこから横方向に延在し、離間した突起で横方向に終端する、対向する第1および第2のトウボックス部材を含む、熱成形可能なトウボックスと、を含み、
前記装置の熱活性化が、固定化される患者の身体部位の周りで前記第1および第2のシェル部材ならびに前記トウボックスの適合配置を可能にし、
前記前部および後部ジッパーアセンブリの選択的閉鎖が、前記第1および第2のシェル部材を前記それぞれの第1および第2の前縁および後縁に沿って接合して前記患者の身体部位の周りに前記装置を設置し、前記装置の前記下端の周りで前記トウボックスを選択的に枢動させることにより、前記トウボックスを前記下端上の湾曲した構成に位置付け、熱活性化および形成中に、トウボックスの調整性によって単一の装置が様々な足のサイズに対応することが可能になり、
前記装置の冷却により、前記第1および第2のシェル部材ならびに前記トウボックスが前記患者の前記身体部位に適合するように固化し、
前記トウボックスを選択的に枢動させることにより前記装置の前記下端を開放し、
前記前部および後部ジッパーアセンブリの一方または両方を選択的に開くと、前記第1および第2のシェル部材が前記それぞれの第1および第2の前縁および後縁の一方または両方に沿って分離し、前記患者の前記身体部位から前記装置を取り外して除去することができ、前記前部および後部ジッパーアセンブリの一方の少なくとも一部が、使用中の装置の除去および交換を容易にするために、前記固化した第1および第2のシェル部材の選択的なヒンジ連結を可能にする、矯正装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
特許協力条約に基づいて提出される本国際特許出願は、PCT第8条に従って、どちらも「Orthosis Apparatus and Method of Use」という表題である、2018年3月3日に提出された米国仮特許出願第62/638,107号、および2019年1月29日に提出された米国非仮特許出願第16/261,059号の出願日に対する優先権を主張し、またその権利を有する。前述の出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本特許出願の主題は、概して、医療用の固定化または矯正デバイスに関し、より具体的には、選択的に成形され、適用され、除去されるように構成される矯正装置に関する。
【0003】
以下の説明は、本発明を理解する上で有用であり得る情報を含む。それは、本明細書に提供される情報のいずれかが先行技術であること、もしくは本明細書で特許請求される発明に関連すること、または特にもしくは暗黙的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0004】
出願人(複数可)は、個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、本出願で引用または参照されるあらゆる特許および公開特許出願を参照により本明細書に組み込む。組み込まれた参考文献における用語の定義または使用が、本明細書に提供されるその用語の定義と一致しないまたは矛盾する場合、本明細書に提供されるその用語の定義が適用され、参考文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0005】
背景として、骨折または損傷した関節または四肢の固定化は、典型的には、副子、ギプス、またはブレースを用いて関節または四肢を所定の位置に拘束するプロセスを伴う。これは、骨折/負傷した領域が治癒プロセス中に動いたり妨害されたりするのを防止するために行われる。
【0006】
伝統的に、布またはガーゼ包帯上のパリの石膏が、四肢を固定化するためのギプスを形成するために使用されてきた。しかしながら、パリの石膏にはそれに関連する多くの欠点がある。例えば、パリの石膏は、比較的重くてかさばっており、固化するまでに時間がかかり、一度固まると再形成することができず、耐衝撃性が低く、一旦湿気に曝露されると劣化または損傷を受けやすく、したがって、入浴およびシャワーを浴びるのが困難である。パリの石膏ギプス包帯の使用に関連する別の懸念は、最大強度を達成するためにかなりの時間、通常は24~72時間を要すること、および発熱固化反応から熱が発生することである。また、パリの石膏は放射線不透過性が低いため、治癒プロセス中の四肢の継続的なモニタリングが妨げられることが多い。さらに、パリの石膏は、発汗等の水蒸気を実質的に透過させない。したがって、パリの石膏は水分を閉じ込め、皮膚を著しく浸軟させる。
【0007】
同様に、より最近になってグラスファイバー製のギプスが導入されたが、これは靴下または何らかのドレッシングを覆って患肢に適用されるまたは巻き付けられるという点ではパリの石膏ギプスに類似しているが、典型的にはポリウレタン樹脂でコーティングされたグラスファイバー織物から形成されるため、比較的より軽量かつより強力である。そのようなグラスファイバー材料は、パリの石膏ギプスの24~72時間に対して、約30分~2時間でより迅速に固化することも知られている。しかしながら、グラスファイバー製のギプスも特に通気性または防水性ではなく、パリの石膏ギプスのように一度固化すると再形成できないため、四肢または患部を評価するためには代わりに切断する必要があり、さらなる固定化が必要であると臨床医が判断した場合、新しいギプスが適用されなければならない。
【0008】
通気性を改善するための1つの部分的な解決策は、Custerらに対する米国特許第4,143,655号に開示されているような熱可塑性メッシュの使用である。しかしながら、この方法の欠点は、身体領域を支持および保護するための十分な強度を実現するために、複数層のメッシュを適用する必要があることである。この方法の別の欠点は、異なる身体領域に適合させるためにメッシュをトリミングする必要があり、トリミングによって鋭利な端縁部が形成されることである。この方法の別の不都合な点は、通常、成形を容易にするために、温水浴を使用して材料を加熱して該材料を軟化させるため、下にある包帯、パッド、ドレッシング、およびガーゼが濡れる可能性があるということである。湿ったドレッシングは細菌の増殖を促進し、不快感およびさらなる合併症を引き起こし得る。
【0009】
他の提案される解決策は、熱可塑性材料の使用を伴う。通常、熱可塑性メッシュおよびミシン目の入った熱可塑性シートは、水浴を用いて加熱することが規定されている(例えば、米国特許第6,093,161号を参照)。これは、さもなければ使用者が取り扱うのを困難にする、これらの材料に関連する(望ましくない)高粘着特性を低減するのに役立つ。しかしながら、このことは、これらのデバイスおよび材料が適用されるときに湿っていることが多く、場合によっては同様に細菌の増殖およびMRSAを持続させる可能性があるか、またはより一般的に、単に患者にとって不快であることを意味する。
【0010】
ギプスおよび副子の場合、骨折した骨の正しい位置合わせを維持するため、または治癒を促進するために四肢の動きを制限するため、または損傷した四肢を安定させて腫脹を軽減するのに役立つように、または衝撃および損傷から身体領域を保護するために、または場合によっては体重を支持するためもしくは耐荷重性であるように、そのようなデバイスおよび材料が十分な強度を有することも重要である。具体的には、身体部位を衝撃および損傷から保護するためにデバイスまたは材料が使用される場合、デバイスまたは材料は、衝撃に耐える十分な強度を有すること、ならびに下にあるヒトおよび動物の身体部位への損傷を軽減または防止するために、下にあるパッドまたは衝撃吸収材全体にわたって衝撃力を伝達/消散させることができることが重要である。
【0011】
当業者は、皮膚浸軟の問題および臨床的合併症を低減するために、また、依然として前述の強度および作業性ならびに使いやすさを提供しながら治癒時間の短縮を促進するために、ヒトおよび動物の四肢および身体部位の固定化、ブレーシング、ギプス装着、保護、または支持に使用されるデバイスおよび材料に通気性のある開放表面を持たせることの重要性を認識するであろう。
【0012】
足首足用矯正具(「AFO」)の状況において、治療され得る他の四肢と同様に、好ましくは、デバイスを破壊して別のデバイスを形成することを必要とせずにデバイスの除去および再適用を可能にする様式で、患者への使用および形成、ひいては適用が比較的容易な、強力かつ軽量な通気性のあるギプスまたは副子デバイスを有することが一般的に望ましい。これは、例えば、創傷ドレッシングを交換するために、典型的にはギプスを毎週取り換える必要があり、エピソード当たり最大10個またはそれ以上のギプスに達する場合がある成長中の市場セグメントである、糖尿病性足のギプス装着の状況において特に有益である。
【0013】
そのような矯正デバイスは予備成形されるため、典型的には比較的固定されたサイズであることから、AFO製品および他の矯正具に関する主な設計上の課題の1つは、集団全体にわたる四肢サイズの大きな変動に対応することである。再びAFOの例を挙げると、足全体の長さ、母趾球の円周、くるぶしでの円周、踵から膝までの長さ、およびふくらはぎの円周等の寸法が全て関与し、経時的な腫脹の増大または軽減に起因して、たとえ一人の患者においても他の変動が見られる。非伸縮性またはやや剛性のデバイスでは、集団を網羅する(例えば、95パーセンタイル)ためにいくつかのサイズおよび構成が必要になるであろう。
【0014】
予備成形されたギプス、副子、またはブレース製品に関するそのようなサイズに関する課題に対する以前のアプローチは、成形可能な材料の2つの半体もしくはシェルまたは単一部品を含み、いずれの方法でも端縁部が重なり合っているため、必要なサイズの数を減少させるのに役立つが、製品が過剰な材料を有する結果となり、したがって追加のコストがかかる。さらに、これらの重なり合った端縁部は、しわの原因となり得、患者に不快感を与える可能性がある。糖尿病患者では、これは下にある皮膚の潰瘍化につながる可能性がある。重なり合った端縁部を有するそのような熱成形製品の一例は、Josephに対する米国特許第8,303,527号に示されている(例えば、図16、21および22を参照)。ウォーカーブーツの場合、一般的な集団に対応するために大量のパッドおよび/または空気袋がしばしば使用されるが、それでも既知の用途では少なくとも5つのサイズが必要となる。
【0015】
そのように端縁部を重ね合わせるのではなく、整形外科用デバイスの対向する端縁部を選択的に接合するためのジッパーの使用も、一般的に知られている。例えば、「Thermoplastic Apparatus with Fastener」という表題のVlaeyenらに対する米国特許第6,093,161号は、治療される四肢または他の身体部位に概ね一致してそれを取り囲む形状に予め切断された熱可塑性材料のシートを開示しており、治療領域から熱可塑性材料を選択的に除去することおよび戻すことができるように、ジッパー等のファスナーが熱可塑性材料の対向する端縁部に直接取り付けられている。しかしながら、そのような熱可塑性装置は依然として、多くの使用時の欠陥を抱えている。1つには、ジッパーが1つしかないため、またさもなければ、装置が依然として硬化したまたは剛性の状態のうちに装置をより大きく開放するためのヒンジ領域がファスナーの反対にないため、装置の着脱が困難であり、いくつかの理由により、そのような熱可塑性の整形外科用デバイスの着用中に再加熱を試みることは望ましくない。第2に、Vlaeyenの熱可塑性装置は、治療される特定の領域を取り囲む形状に予め切断され、単一の重なり合っていない端縁部に沿って接合されるが、成形可能なときにより大規模な伸縮またはサイズ調整を可能にする特徴を有するようには設計または提供されておらず、集団全体にわたる四肢のサイズの大きな変動に対応するために必要なデバイスのサイズの数という点において、他の既知の予備成形された整形外科用デバイスの欠点を抱えている。
【0016】
必要とされてきたがこれまで入手できなかったのは、過剰な材料を排除して、標的集団の大部分を治療するために必要なサイズの総数を減少させることによって費用対効果が高い一方で、可鍛性のときにはカスタム成形もしくは形成において、また硬化したときには除去および再適用において比較的使用しやすく、装着されたときには快適かつ通気性がある一方で、治療領域に必要とされる構造的支持および適切な解剖学的適合を提供する、選択的に成形され、適用され、除去されるように構成された矯正装置である。
【0017】
本発明の態様は、これらの必要性を満たし、以下の概要に記載されるように、さらに関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【0018】
本発明の態様は、以下に記載される例示的な利点をもたらす構造および使用における特定の利益を教示する。
【0019】
本発明は、選択的に成形され、適用され、除去されるための改善された矯正装置を提供することにより、上記の問題を解決する。少なくとも1つの実施形態において、可鍛性のときに最初に適用および成形するように、ならびに硬化したときに除去および再設置するように、改善されたヒンジ連結および開放およびアクセスのために2つのシェル部材上にオフセットジッパークロージャが提供される。
【0020】
さらなる態様によれば、シェル構成(形状および材料)は、標的集団の大部分に対応するのに必要なサイズの数を減少させるために、可鍛性のあるときに最適化された伸縮を可能にする一方で、ジッパークロージャおよび装置全体の構造的完全性のために設計される。
【0021】
なおもさらなる態様によれば、つま先の保護のため、および装置を除去することなく検査のためにつま先にアクセスするために、選択的に取り外し可能なまたはヒンジ式のトウボックスが提供される。
【0022】
なおもさらなる態様によれば、糖尿病用のトータルコンタクト型ギプスの用途における快適性および支持および改善された重量配分のために、任意選択的なロッカーを有するまたは有しない成形可能なまたは成形不可能なインソールの選択的挿入が提供される。
【0023】
また、なおもさらなる態様によれば、治療領域における腫脹の増大または軽減等による成形後(装置が成形および硬化されてから)の解剖学的変動に対応するために、膨張袋の選択的な挿入および使用が提供される。
【0024】
また、なおもさらなる態様によれば、下にある関節または皮膚を冷却して腫脹および疼痛を軽減し、成形後(装置が成形および硬化されてから)の治療領域の回復を促進するために、コールドセラピーパッドの選択的な挿入および使用が提供される。
【0025】
本発明の態様の他の目的、特徴、および利点は、本発明の態様の原理を例として示す添付の図面と併せると、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
添付の図面は、本発明の態様を例示する。そのような図面では以下の通りである。
図1】少なくとも1つの実施形態による、例示的な矯正装置の斜視図である。
図2】少なくとも1つの実施形態による、予備成形された、組み立てられていない状態の、その対向する本体部材の側面図である。
図3】少なくとも1つの実施形態による、予備成形され、組み立てられた状態の、その対向する本体部材の側面図である。
図4】少なくとも1つの実施形態による、予備成形され、組み立てられ、折り畳まれた状態の、その対向する本体部材の側面図である。
図5】少なくとも1つの実施形態による、活性化された第1の動作モードにおけるその斜視図である。
図6】少なくとも1つの実施形態による、活性化された第2の動作モードにおけるその斜視図である。
図7】少なくとも1つの実施形態による、硬化された第3の動作モードにおけるその斜視図である。
図8】少なくとも1つの実施形態による、硬化された第4の動作モードにおけるその斜視図である。
図9】少なくとも1つの実施形態による、硬化された第5の動作モードにおけるその斜視図である。
図10】少なくとも1つの実施形態による、その分解斜視図である。
図11】少なくとも1つの実施形態による、代替の例示的な使用におけるその分解斜視図である。
図12】少なくとも1つの実施形態による、さらなる代替の例示的な使用におけるその分解斜視図である。
図13】少なくとも1つの実施形態による、代替の例示的な矯正装置の斜視図である。
図14】少なくとも1つの実施形態による、予備成形された、組み立てられていない状態の、その対向する本体部材の側面図である。
図15】少なくとも1つの実施形態による、予備成形され、組み立てられた状態の、その対向する本体部材の側面図である。
図16】少なくとも1つの実施形態による、活性化された第1の動作モードにおけるその斜視図である。
図17】少なくとも1つの実施形態による、活性化された第2の動作モードにおけるその斜視図である。
図18A】少なくとも1つの実施形態による、第1の例示的な硬化された第3の動作モードにおけるその側面図である。
図18B】少なくとも1つの実施形態による、第2の例示的な硬化された第3の動作モードにおけるその側面図である。
図19】少なくとも1つの実施形態による、その底面斜視図である。
図20A】少なくとも1つの実施形態による、第3の動作モードにおけるその拡大部分側面図である。
図20B】少なくとも1つの実施形態による、第4の動作モードにおけるその拡大部分側面図である。
図21A】少なくとも1つの実施形態による、図7の線11A~11Aから取った拡大断面図である。
図21B】少なくとも1つの実施形態による、図7の線11B-11Bから取った拡大断面図である。
図21C】少なくとも1つの実施形態による、図7の線11B-11Bから取ったさらなる拡大断面図である。
図22】少なくとも1つの実施形態による、さらなる代替の例示的な矯正装置の斜視図である。
図23】少なくとも1つの実施形態による、なおもさらなる代替の例示的な矯正装置の斜視部分破断図である。
図24】少なくとも1つの実施形態による、予備成形された、組み立てられていない状態の、その代替の例示的なインソールの分解側面図である。
図25A】少なくとも1つの実施形態による、形成され、組み立てられた状態の、その側面図である。
図25B】少なくとも1つの実施形態による、形成され、組み立てられた状態の、そのさらなる代替の例示的なインソールの側面図である。
図26】少なくとも1つの実施形態による、そのなおもさらなる代替の例示的ないソールの上面図である。 上記の図面は、以下の説明でさらに詳細に定義される、その例示的な実施形態の少なくとも1つにおける本発明の態様を例示している。異なる図において同じ数字で参照される本発明の特徴、要素、および態様は、1つ以上の実施形態による、同一、同等、または同様の特徴、要素、または態様を表す。より一般的には、当業者は、本明細書に具体的に記載されない限り、図面が本質的に概略的であり、本発明の態様による装置およびその構成要素または特徴の材料構成、サイズ、厚さ、および他の属性に関して文字通りに、または縮尺通りに解釈されるべきではないことを理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の考察は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、発明の要素の単一の組み合わせを表すが、本発明の主題は、開示される要素の全ての可能な組み合わせを含むと見なされる。したがって、1つの実施形態が要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態が要素BおよびDを含む場合、たとえ明示的に開示されていなくても、本発明の主題は、A、B、C、またはDの他の残りの組み合わせを含むと見なされる。
【0028】
本発明の主題は、様々な修正および代替の実施形態が可能であるが、その特定の例示的な実施形態が図面に示され、以下で詳細に説明される。しかしながら、本発明を開示されるいずれか特定の形態に限定することは意図しないが、逆に、本発明の主題は、任意の添付の特許請求の範囲に含まれる全ての修正、代替の実施形態、および均等物を網羅することを理解されたい。
【0029】
概して、また導入として、本明細書は、ギプス装着の代替として構成され、患者および臨床医のための従来のギプスを超える有益性および利点を有する、改善された矯正装置を開示する。石膏およびグラスファイバーのギプスは、それらの材料のロールから作製され、患者に対して直接成形されるため、少なくとも任意の設定寸法に関してサイジングは問題ではないが、予備成形された矯正具の場合、他の利点もあるが、それが問題となる。本明細書では、ヒトおよび動物の四肢および身体部位の固定化、ブレーシング、ギプス装着、副子装着、保護、または支持のためのギプス型製品として構成され得る、開口部を備え、再成形可能な熱可塑性材料から少なくとも部分的に形成される、やや対称的な形状の2つの半体からなる整形矯正デバイスが開示される。図示されるような例示的な足首足用矯正具(「AFO」)では、骨折、捻挫、および他の損傷の治療に加えて、本発明の態様によるデバイスは、いわゆる「トータルコンタクト型ギプス」(「TCC」)がしばしば処方される糖尿病性足潰瘍(「DFU」)等の他の疾患および状態の治療に用途を見出し得る。本明細書で用いられる「ギプス」という用語は、四肢の固定化、支持、および/または保護に使用される1つ以上の予備成形されたシートまたはシェル部分におけるデバイスの実施形態を一般的に指すが、本発明の態様によるあらゆる形態の任意のそのような安定化矯正デバイスとしてより広義に理解されるべきであり、いずれの場合も、本明細書に例示されるそのような全ての実施形態は、例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきである。特に、例示的な状況はAFOであるが、本発明の態様によるデバイスは、限定されないが、腕、手首、および/または手、脚、首、ならびに背中または胴体を含む、様々なヒトおよび動物の四肢および他の身体部位の他の損傷、疾患、および状態の治療に用途を見出し得ることを理解されたい。
【0030】
例示のために全体を通して例示的なAFOの状況に関して続けると、矯正装置の態様は、過剰な材料を排除して、標的集団の大部分を治療するために必要なサイズの総数を減少させることによる費用対効果が高い一方で、可鍛性のときにはカスタム成形もしくは形成において、また硬化したときには除去および再適用において比較的使用しやすく、装着されたときには快適かつ通気性がある一方で、治療領域に必要とされる構造的支持および適切な解剖学的適合を提供する、選択的に成形され、適用され、除去されるように構成されたそのようなデバイスに関する。サイジングに関して、一般に、重なり合った端縁部のないこのような矯正装置の公称的に「小」、「中」、および「大」の3つのサイズが、本発明の特徴および態様を用いて提供され得ると予想され、長さおよび円周において解剖学的に十分な、カスタマイズされた適合が、標的(例えば、成人)集団のかなりの部分(例えば、95%適合)にわたって達成される。その詳細については、図1図3に関連して後述する。例示の目的で、本明細書に図示および説明される装置および本明細書に開示される任意の寸法は、別途明示的に示されない限り、この場合も制限なしに、「中」サイズのAFOに関連している。当業者は、当然のことながら、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、装置を、AFOの状況において簡単に拡大もしくは縮小できること、または他の状況で必要に応じて拡大縮小および再構成できることを理解するであろう。高いレベルでは、最小数のサイズの矯正具を用いて標的集団の大部分で解剖学的適合を達成するという設計上の課題を克服するために、このような装置は、サイジングに対応する柔軟な状態にあるときに伸縮可能および/または圧縮可能である特定の形状を有するように考案されている。これは、特定の範囲および/または方向に伸縮するように、形状および材料(複数可)の観点から基材を設計することによって達成される。伸縮機能の有効化を支援するために、そのような例示的な熱成形材料およびその活性化の手段は、参照により本明細書に組み込まれる共有米国特許第8,853,603号、表題「Thermo-Formable Support Products and Heating Means Therefor」に開示されている通りである。当業者は、そのような全ての材料の呼び出しが、本発明の態様と共に、かつ本発明の態様に従って用いられ得る材料および特性の例示であるが、必ずしもそうではなく、そのため非限定的なものとして明示的に理解されることを理解するであろう。限定ではなくさらなる例示として、また後にさらに説明するように、任意のそのような熱成形可能な基材は、片側もしくは両側、またはその全表面が伸縮性材料(例えば、伸長範囲を有するシリコーン)でコーティングされ得る。さらに、装置の特定の外側領域は、最小の強度および剛性値を維持するために伸縮しないように設計されているため、装置の他の領域がより大きな四肢で過度に伸縮し、かつ/または材料の全体的な量および重量、ひいてはコストを減少させ、かつ通気性を改善するために、比較的大きな開口部または比較的高い「開放度」を有するにもかかわらず、装置はある程度耐荷重性である。この場合もまた、様々な組み合わせにおける様々な程度のそのような設計目的は、全体的または部分的に、本発明の態様による様々な矯正デバイスで達成できるため、例示的な実施形態は、例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきである。
【0031】
次に図1を参照すると、本発明の態様による矯正装置20の例示的な実施形態の斜視図が示されている。例示的な実施形態において、装置20は、ここでは反対の前部および後部ジッパーアセンブリ90、100によって、共通のまたは隣接する端縁部に沿って選択的に接合された、対向する第1および第2のシェル部材30、60を含む。その詳細については特に図3に関連して後述する。図1に示されるような装置20は、患者に合わせて成形された後または取り付けられた後、その形成された実質的に剛性の状態にあり、したがってその可鍛性の状態において、この場合も、そのような患者の解剖学的構造、ここでは下腿、またはより具体的には足首および足の領域に実質的に一致するように成形および形成されることを、基準の問題として理解されたい。以下の詳細な考察において、そのような装置20を図1に示す「使用中」の状態で成形する方法について説明する。この場合もまた、各シェル部材30、60には複数の可変形状の開口部が形成され、所望の程度および方向の伸縮を提供し、同様に、装置20の通気性および軽量化特性を改善する。材料の総体積の付随的な減少はまた、コストの削減だけでなく、使用中の成形または取り付けのために装置20を活性化させる際の加熱時間の短縮にもつながることを理解されたい。もう少し詳細には、図1および図2の両方を参照すると、例示的な実施形態において、各シェル部材30、60は、少なくとも3つのやや一般的に識別可能な開口部の群または領域、すなわち、開口部42、72の脚または上部領域、開口部44、74の足または下部領域、および開口部46、76の中間領域を伴って形成される。そのような開口部の特定の形状およびサイズが示されているが、当業者は、それらが単に例示的かつ非限定的であり、そのような開口部の多種多様な形状、サイズ、および配置(位置、配向等)が本発明の態様に従って可能であることを理解するであろう。また、そのような命名法は、領域内または開口部の領域内の個々の開口を集合的に識別するために互換的に使用されることにも留意されたい。限定ではなくさらなる例示として、1つ以上のシェル30、60、具体的にはその基材36、66およびその中に形成される関連開口領域42、44、46、72、74、76は、現在知られているまたは今後開発される任意の構成または様式で全体的にまたは部分的に構成され得、これには、限定されないが、参照により本明細書に組み込まれる共有米国特許第7,985,192号、表題「Geometrically Apertured Protective and/or Splint Device Comprising a Re-Mouldable Thermoplastic Material」の任意の関連開示が含まれる。ここでは、基本的に装置20のそれぞれの第1および第2のシェル30、60のふくらはぎ領域から足首まで形成される比較的大きな菱形の開口部のために、各シェル部材30、60に、いわゆる「高伸縮性ゾーン」が、それぞれの第1および第2の上部開口領域42、72として組み込まれる。理解されるように、これはサイズに関する解決策を提供し、表2に提示される後述の解剖学的データを参照してさら理解されるように、集団全体にわたって比較的大きな解剖学的変動が典型的に見られる患者の下腿またはふくらはぎ領域で、特に周方向に、比較的大きな程度の伸縮が可能になる。比較すると、矯正装置20の支持の増加および成形または形成のために、比較的少ない解剖学的変動が典型的に見られる装置20の足および足首領域に、比較的小さな開口部44、46、74、76が形成されているように示されている。より具体的には、開口部のさらに異なるパターンまたは構成が、それぞれの第1および第2のシェル部材30、60の第1および第2の下部開口領域44、74に示されているが、ここでは基材36、66におけるより小さい菱形または正方形の開口部および/または細長いやや長方形の開口部として示されている。任意選択的な第1および第2の中間開口領域46、76が足首領域にさらに形成されており、ここでは、患者のくるぶしまたは足首の骨にやや適合または対応するように構成されたおよび位置付けられた開口部のやや放射状のパターンとして示されている。簡単に述べると、任意選択的なトウボックス部材130を装置20の下端24に取り外し可能に設置して、患者のつま先を選択的に覆いかつ保護しながら、そこへの選択的なアクセスを提供することができ、この場合もまた、その詳細については、特に、第1の例示的な実施形態に関連する図6および10、ならびに第2の例示的な実施形態に関連する図13、17、および18に関連して後述する。
【0032】
特に図2を引き続き参照すると、例示的な矯正装置20の製造後ではあるが使用前またはさらには完全な組み立て前のように、平坦なまたは予備成形された状態の第1および第2のシェル部材30、60の側面図または平面図が示される。シェル部材30、60は任意の所望の形状に成形または形成することができ、この場合も実質的に対称であるが、特に他の状況ではそうである必要はないことが理解されよう。例示されるAFOの状況において、そのようなシェル30、60を事実上同一に、または互いの鏡像として形成することにより、単一の金型ツールが用いられ得ることがさらに理解されるであろう:当然のことながら、そのような成形の代わりに、またはそれに加えて、現在知られているまたは今後開発される任意の適切な製造方法が用いられてもよく、そのような対称的なシェル30、60を有し、患者の解剖学的構造に合わせて成形可能かつカスタマイズ可能な結果として得られる矯正装置20は、したがって、左足または右足のいずれに使用されてもよく、手元にまたは在庫として好ましく維持されるサイズまたは構成の観点からそのようなユニットの数をさらに減少させる。当業者は、ここに描かれた開口部42、44、46、72、74、76のパターンが図1のものとわずかに異なることに気付くであろう:それは、装置20の使用のために成形および形成する間に経験し得る開口部の伸縮および歪みに起因するものであり得、本発明の態様に一致してそのような開口部が取ることができる単なる変形例をさらに表している。したがって、この場合も同様に、本明細書に具体的に記載されない限り、図面が本質的に概略的であり、本発明の態様による装置20およびその構成要素または特徴の材料構成、サイズ、厚さ、および他の属性に関して文字通りに、または縮尺通りに解釈されるべきではないことを理解されたい。第1および第2のシェル部材30、60のそのような成形されたまたは別様に形成された平坦な「ブランク」との関連で、それぞれの熱成形可能な基材36、66は、シリコーン、ポリウレタン(「PU」)、または現在知られているもしくは今後開発される他の任意のそのような伸縮性材料等のそれぞれのコーティング56、86で片面または両面をコーティングされ得る(図21A図21C)。当業者は、下にある基材36、66に任意のそのようなコーティング56、86を接着、被覆、または別様に設置するために、浸漬(ディップコーティング)、噴霧、オーバーモールディング、圧延、積層、または当該技術分野で現在知られているもしくは今後開発される他の任意のそのような技術によって任意のそのようなコーティング56、86が塗布され得ることを理解するであろう。関連して、コーティングおよび塗布技術に応じて、コーティングは、それぞれの基材の外側に面した側面の一方もしくは両方にあってもよいか、または様々な開口部内の表面を含む基材を完全に覆ってもよいことを理解されたい。いずれにしても、そのようなコーティングは、厚さ約80ミクロンの比較的薄い層として塗布されるであろう。シリコーン等のコーティングは、粘着を防止し、完成した装置20の使用中の堅牢な取り扱い、加熱、および適用を可能にするのに役立ち得ることに留意されたい。より具体的には、当業者は、本発明の態様による各シェル30、60の基材として用いられ得るような熱成形材料が、加熱されると典型的にはパテのようであり、したがって、たとえ加熱されて可鍛性の場合であっても、シェル30、60の全体的な形状および完全性を維持するのに役立つように、好ましくは片面または両面に提案されたコーティング(複数可)等の材料を有することを理解するであろう。
【0033】
本発明の態様による矯正装置20を形成する1つ以上のシェル30、60の特性に関して、例えば、ディップコーティングにより約80ミクロンの厚さまでその上に塗布されたシリコーンコーティングを有する米国特許第7,985,192号に従って作製されるような熱成形可能な基材36、66を含むそのようなシェル構成を取ることにより、基材自体は公称厚さ5mmを有し、そのような材料の例示的な機械的特性は、本明細書に記載のアセンブリとして個別におよび集合的に以下の表1に示される。
【表1】
【0034】
引き続き図1および図2を参照しながら、さらに図3を参照すると、本発明の態様による例示的な矯正装置20が、以前としてその平坦なまたは予備成形された状態で示されているが、今度は、それぞれの第1および第2のシェル部材30、60が、反対の前部および後部ジッパーアセンブリ90、100によって組み立てられ、したがって、ここでは第2のシェル部材60のみが図2の配向から第1のシェル30上に置かれているように見えるが、この図では対称的な第2のシェル部材30はその真下にある。この場合もまた、本発明の態様に従って可能となる改善された機能の成功要因の1つは、AFO装置20における2つのジッパーアセンブリ90、100の配備であり、これにより多くの問題が解決する。ジッパーアセンブリ90、100は、基材36、66自体であろうと、それに塗布されるいずれのコーティング56、86であろうと、対向するシェル30、60に取り付けられる(図21A図21C)。基準の問題として、当業者は、ジッパーが、それぞれの隣接する端縁部38、68、40、70に沿って2つのシェル30、60を締結するためまたは選択的もしくは一時的に組み立てるための手段として示されているが、本発明はそのように制限されず、代わりに、限定されないが、Velcro(登録商標)面ファスナーを含む、現在知られているまたは今後開発される任意のファスナーデバイスを任意の様式または組み合わせで含むまたは用いることができることを理解するであろう。例示的なジッパーファスナーに関して続けると、2つのシェル30、60の選択的な開閉を可能にするために、2つのジッパーアセンブリ90、100は、患者に適用するときに閉じることができるように、かつ四肢へのアクセスを提供するため、または四肢を取り出すためもしくは検査するために装置20を開放するようにシェル30、60に取り付けられるが、これは、例えば糖尿病性足の状態に非常に有用である。より詳細には、各ジッパーアセンブリ90、100は、当該技術分野で知られているように一般的に形成され、係合可能な対向する交互のジッパー歯が、反対のストリップ92、94、102、104上に担持され、次いで、典型的にはジッパーが設置され、操作されるあらゆる基材の端縁部に沿って固定される。ここで、図1も参照すると、前部ジッパーアセンブリ90は、装置20の正面に、または足の上部を横切って脚またはすねの正面上に位置するため、その第1のジッパーストリップ92が第1のシェル部材30の第1の前縁38に沿って取り付けられ、第2のジッパーストリップ94が対向する第2のシェル部材60の第2の前縁68に沿って取り付けられる。同様に、後部ジッパーアセンブリ100は、装置20の後ろに、または足の裏を横切って、踵の周り、および脚もしくはふくらはぎの後ろに位置するため、その第1のジッパーストリップ102が第1のシェル部材30の第1の後縁40に沿って取り付けられ、その第2のジッパーストリップ104が対向する第2のシェル部材60の第2の後縁70に沿って取り付けられる。ジッパーまたは他のファスナーは、足の下、脚の後ろ、足の上部を横切って、および脚の正面で、実質的に互いに対向して、または約180度離れて示されているが、これには本明細書に記載されるような解剖学的利点および使用に関連する利点がある。そのような2つ以上のジッパー等の他の位置および配置は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の態様に従って用いられ得ることを理解されたく、そのようなクロージャの他のオフセット配置が依然として所望のヒンジ連結ならびに十分な開放およびアクセスを提供することに留意されたい。図示されるように、各ジッパーアセンブリ90、100は、サイズ調整のためにジッパープル96、98、106、108を各端部に有する:したがって、例示的な実施形態において、矯正装置20は、2つのジッパーアセンブリ90、100および4つのジッパーオープナーまたはジッパープル96、98、106、108を有する。その詳細については、使用中の装置20に関連して後述する。現在知られているまたは今後開発される様々な方法は、一部その構成材料に応じて、本明細書に記載のようにそれぞれのシェル30、60にジッパーアセンブリ90、100を取り付ける際に用いることができる。その関連で、ジッパーストリップ92、94、102、104は、限定されないが、ポリエステルもしくはナイロンまたはそれらのブレンド、ポリウレタン(「PU」)、またはシリコーンコーティングされた織物等の布地または織布を含む、現在知られているまたは今後開発される任意の好適なやや柔軟で非弾性または非伸縮性の材料から形成されてもよく、材料は、防水処理するためおよびジッパーアセンブリ90、100の摩耗を改善するために、PU、シリコーン、または他のエラストマーコーティング等で任意選択的にコーティングされる。さらに、ジッパープル96、98、106、108の1つ以上は、製品が加熱および活性化されて可鍛性にされたときのような初期の成形および取り付けの際に把持され、またおそらくは、同様に接触され得るジッパー歯までも、配備されるときに熱傷または不快な熱感を避けるために、この場合も現在知られているまたは今後開発される、そのような用途に適したシリコーンまたはPUまたは他の断熱材によってコーティングまたは断熱することができる:装置20のマイクロ波加熱を促進するために、ジッパーアセンブリ90、100は金属を含有してはならないが、代わりに様々な種類のプラスチックのみを含有し得る。例示的な一実施形態において、ジッパーアセンブリ90、100は、それぞれのジッパーストリップ92、94、102、104を、未硬化のときにシェル基材36、66に塗布される任意のコーティング材56、86にまたはその中に効果的に結合させるかまたは埋め込むことによって設置される(図21A図21C)。さらなる例示的な実施形態において、そのようなシェル30、60またはその基材36、66がコーティングされているかどうかにかかわらず、両面感圧接着剤(「PSA」)テープ120(図21C)が、それぞれのジッパーストリップ92、94、102、104と、下にあるシェル端縁部38、40、68、70との間に用いられてもよい。シリコーンコーティングがシェル30、60に塗布される場合、そのようなPSAテープ120は、ジッパーストリップ92、94、102、104に面したアクリルまたはゴムベースの側と、シリコーンコーティングされたシェル30、60に面したシリコーン側とを有するように形成され得る。PUエラストマーコーティングされたシェル30、60が使用される場合、PSAテープ120のゴムベースまたはPUベースの側がPUコーティングされたシェル30、60に貼付され、アクリルまたはゴムベースの接着剤側が、再びジッパーストリップ92、94、102、104に面する。または代替として、なおもさらなる代替の例示的な実施形態において、PUエラストマーコーティングされたシェル30、60が使用される場合、PU PSAは一般にそのような両方の表面に粘着するため、PU PSAテープ120は、PUコーティングされたシェル30、60およびジッパーストリップ92、94、102、104の両方に接着され得る。なおもさらなる実施形態において、接着性の裏面を有するベロアテープが、それぞれのシェル30、60の両方の端縁部38、40、68、70に適用されてもよく、ジッパーストリップ92、94、102、104は、キノコ状フックを介してベロアに取り付けられる。この場合も同様に、当業者は、現在知られているまたは今後開発されるありとあらゆるそのような取り付け手段が、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様に従って使用できることを理解するであろう。限定ではなくさらなる例示として、様々な形態の両面テープ、縫い目、ツール内オーバーモールディング、ホットメルト、ホットラミネート、溶剤もしくは他の結合剤、超音波溶接、および/またはVelcro(登録商標)面ファスナーが、ジッパーアセンブリ90、100をシェル30、60に動作可能に固定する際に使用され得る。
【0035】
寸法的には、ここでもまた例示の目的で、図示および説明される矯正装置20は、公称的に「中」サイズのAFOであるが、「小」および「大」サイズの両方のAFOデバイスに関する以下の情報からも理解されるように、当業者は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、AFOの状況において、または別様に他の公称サイズ要件もしくは状況に適合させるように、装置20を簡単に拡大または縮小できることを理解するであろう。しかしながら、最初に、例示のためにAFOの状況に関して続けると、本発明の態様による例示的なAFO装置20の形状に影響を与える、成人集団全体にわたる足、足首、およびふくらはぎのサイズに関連する多くの解剖学的要因が存在する。サイズが異なる最大の領域は、くるぶしの上の円周に対するふくらはぎの円周である。(例えば、細い足首と太いふくらはぎ)。次に変動が大きいのは母趾球の円周であり、くるぶしの頭の上の円周がそれに続く。代表的な関連する解剖学的寸法を以下の表2に示す。理解されるように、標的集団のおよそ95%を網羅するために、矯正装置20の3つの提案されるサイズと大幅に重複する必要がある。実際には、様々なサイズにわたって、全ての円周領域での変動に対処するために、可鍛性である間に矯正具20を操作するように、様々な開口部42、44、46、72、74、76は伸縮可能または折り畳み可能/圧縮可能であり、そうすることで、特に、対向するシェル30、60の開口部42、72が最大であるふくらはぎ領域で、矯正具20の本体の長さに沿った異なる場所で直径または全体的な円周サイズを効果的に拡大または縮小することができる。1つの例示的な測定基準では、装置20の結果として得られる周方向の伸縮は、最大60%である。このような矯正装置20のこの属性を表現する別の方法は、その「開放度」、またはデバイスの全表面積のパーセンテージとしての、開放された、または開口部もしくは貫通孔を有する有効表面積である。そのような開放度は、当然のことながら、様々なサイズにわたって測定可能または比例的であり、一般に、20%~45%の範囲であり、開放度は、開口部42、72に関連する上部またはふくらはぎ領域の例示的な実施形態では明らかにより高く、開口部44、74に関連する下部または足領域ではより低く、開口部46、76に関連する中間くるぶし領域でおそらく最も低いが、当然、そのような全ての態様は例示であり、いずれの場合でも20~45%の範囲もまた矯正装置20全体にわたる平均開放度として例示的である。さらに、そのような開放度は、伸縮の量に応じて、製品のサイズが拡大または縮小されるときだけでなく、使用時にも変化し得ることをさらに理解されたい:この場合、開放度の範囲は、一般に、予備成形(使用前)および成形(使用中)の両方として、関連するAFO設計全体にわたる開放度の変動を表す。
【表2】
【0036】
本発明の態様による例示的なAFO装置20の代表的な寸法については、表2の解剖学的測定値に関連して形成されたシェルまたは基材の公称寸法を示す以下の表3を参照されたく、周方向の寸法は、単一シェルの寸法ではなく、例えば図1に示すように、矯正具20全体または両方のシェル30、60が一緒に連結され、使用時に成形されて硬化された場合のものであることに留意されたい。この場合も同様に、使用中、周方向の寸法は、集団全体にわたる多様性に対応する際に、極端な場合には最大60%変動する可能性がある。脚の長さの変動に対処するために、設計(材料および/または形状)によって比較的有意な周方向の伸縮がデバイスにおいて達成されるが、矯正装置20の軸方向または長さ方向の伸縮は、特に、ジッパー90、100が取り付けられたそれぞれのシェル30、60の補強された縦方向の端縁部38、40、68、70に関連して制限されることがここで観察される。例示的なAFOデバイス20の3つのサイズは、集団全体の中間から上限のサイズになるよう設計されており、シェル30、60の一方または両方の端部32、34、62、64、特に上端32、34で余分な材料をトリミングするかまたは折り返すことにより、必要に応じて長さを調整することができる。下端62、64では、問題の解剖学的寸法は足の長さであり、その変動は、各サイズ範囲のAFOデバイス20を標的集団の平均または中央値の足の長さになるように構成し、次いで、装置20に任意選択的なトウボックス130を提供することによって調整されるべきである。その詳細については、使用中の矯正装置20に関連する図5および6に関連して後述する。装置20の、シェル30、60のいずれかまたは両方の長さの任意のトリミングを伴う場合、それは、反対のジッパーアセンブリ90、100等のクロージャシステム(図示されていないが、そのようなトリミングおよび折り畳みを可能にするために、辺縁の上部および底部シェル端縁部まで延在しないように固定され得、かつ構成され得る)の動作を妨害すること、または該動作に悪影響を与えることができないことを理解されたい。または、ジッパー90、100を後ろに調整することにより、すなわち、それぞれのプル96、98、106、108を操作して一方または両方の端部でジッパー90、100を少し開いて、材料を製品自体の端部に折り重ねることにより、製品の長さを上下で調整することができる:このような場合、より滑らかな端縁部を提供するために、任意選択的な「バンド」または「コンフォートカフ」が使用されてもよい。本発明の態様による「中」サイズの矯正装置20との関連で、そして限定ではなくさらなる例示として、図2に示されるようなその予備成形された状態におけるシェル30、60等の平面測定値は、約480mmの全高、約280mmの全幅、約170mmの上端22での幅、および約110mmの下端24での幅である。例示的な「中」サイズの矯正具に関して続けると、選択的に隣接している前縁38、68に沿った有効な内側の縫い目の長さは、本質的に上部ジッパーアセンブリ90の長さでもあって、約490mmであり、選択的に隣接する後縁40、70に沿った有効な内側の縫い目の長さは、後縁40、70でシェル30、60に取り付けられた後部ジッパーアセンブリ100のその部分の長さでもあって、約635mmであり、後部ジッパーアセンブリの全長は790mmの長さであり、したがって、シェル30、60の下端34、64を越えて延在する後部ジッパーアセンブリ100の自由部分を含み、本明細書に記載されるトウボックス130の選択的な設置に対応する。図1に示される例示的なトウボックス130が用いられる場合、その平坦な状態では、例えば、その端縁部が面取りされるかまたは丸みを帯びており、幅が約100mm、長さが140mmであり得る。この場合もまた、当業者は、このような寸法は全て、本発明の特徴および態様の単なる例示にすぎず、非限定的であることを理解するであろう。
【表3】
【0037】
図4を簡単に参照すると、本発明の態様による例示的な矯正装置20が、図3に関連して図示および説明されるように組み立てられると、製造工程の一環として、装置20は依然としてその平坦なまたは予備成形された状態にある。装置20を中間位置でフラッシュするかまたは局所的に加熱してそのような中間セクションを成形可能にし、次いで、該成形可能セクションで屈曲させて、図示されるように製品を効果的に半分に折り畳み、それによって、製品20の梱包/出荷/保管、および製品20を現場で加熱して成形可能にする(すなわち、製品を使用するために活性化する)任意の電子レンジ、乾熱オーブン、温水浴等に必要な面積または設置面積を効果的に半分に縮小することができる。特定の例示的な実施形態における1つの目的は、矯正装置20を、その機能に適合した状態に保ちながら、比較的小さく、またはさらには可能な限り小さくし、ひいては、より小さな加熱システム(すなわち、より小さな設置面積、より少ないエネルギー消費量、より迅速な加熱時間等)を展開できるようにすることである。
【0038】
次に図5および図6を参照すると、使用中の本発明の態様による例示的なAFOタイプの矯正装置20の斜視図が示されている。第1に、図5に見られるように、装置20は、50~80℃の範囲等の成形温度に加熱された状態であり、再び米国特許第7,985,192号および同第8,853,603号を限定ではなく例示としてさらに参照すると、可鍛性があり、取り付けプロセスを開始するために四肢を覆うことができる。概要として、治療される四肢または領域、ここでは下腿L(足首および足の領域)は、図示されるようにその上に靴下Sを適用することにより、または臨床医によって処方された他のストッキング、ラップ、パッド等を適用することにより調製される。任意選択的な膨張袋160またはコールドセラピーパッド170も治療部位に適用することができ、その詳細については図11および12に関連して後述する。次いで、矯正装置20は、任意の適切な手段を用いて加熱され、対向する平坦なシェル30、60は、図3に示すようにジッパーが閉じられるかもしくは共に取り付けられるか、またはさらには図4に示すように半分に折り畳まれた状態で提供される。一旦活性化されるかまたは加熱されて可鍛性になると、後部ジッパーアセンブリ100は、四肢への容易な適用を促進するために、典型的には、例えば踵の領域まで少なくとも半分開かれ(典型的には、患者が座っているか、または臨床医に向かって横たわっている間に)、後部ジッパーアセンブリ100の下部を閉じたままにすると矯正具20のネストまたは底部領域が形成され、矯正具20を図6に示すように位置付けるために上端22を近位方向に引っ張ると、そこに足Fおよび任意選択的なインソール140(図10)を据付けることができる(したがって、後部上部ジッパープル106は、図5の支店では見えない)ことを理解されたい。前部ジッパーアセンブリ90は、実質的にジッパーが開いた状態で示されており、矯正具の正面が効果的に完全に開かれるため、足Fを後ろから効果的に滑り込ませること、または矯正具20を正面もしくは上部から(または、患者が脚Lを上げた状態で臨床医に向かって座っているある場合、再び上方から)足Fおよび脚Lに抵抗なく付けることが比較的容易になり、したがって、上部と下部の両方の全部ジッパープル96、98が装置20の上端22に向かって位置付けられ、この動作モードでは装置20のその端部だけが接続された状態で示されており、したがって2つの可撓性または可鍛性シェル30、60がこのように患者の脚Lおよび足Fの周りを覆っている。任意選択的な「両面フック」または現在知られているもしくは今後開発される他のそのようなデバイスを用いて、必要に応じてこの段階でAFO装置20を上向きに維持するのを助けることができる。再び、図10をさらに参照すると、任意選択的なインソール140が用いられる場合、それは患者の足Fの裏と矯正具の底面との間に配置され、その詳細については後述するが、それは少なくとも足Fの裏と後部ジッパーアセンブリ100の底部分との間に追加のパッドを提供することを理解されたい。代替として、任意のそのようなインソール140は、当該技術分野で既知の様式で患者の靴下Sまたは他のストッキングもしくはラップに固定さてもよい。図示されるように、インソール140は、実質的に平坦な足の形をしており、快適さのために、患者の足Fに向けられる上向きの表面142と、使用中に矯正具20の底面に向けられるか、または後部ジッパーアセンブリ100の一部もしくは下端部分に対して向けられる反対の下向きの表面144とを有する:そのため、インソール140は、全体にわたってモノリシックであり得るかもしくは単一の材料から形成され得る、または層状に形成され得るもしくは別様に2つ以上の材料から形成され得、その結果、特に図24および25に関連して以下に図示および説明される代替の例示的なインソール140からさらに理解されるように、反対の上向きの表面および下向きの表面142、144は、同じ材料または構造でなくてもよい。さらに、インソール140は、平坦な、特定の厚さのものとして示されているが、それは、必要に応じてより厚くてもより薄くてもよく、アーチ支持領域もしくは踵用の窪み等の所定の形状を用いて予備形成されてもよいか、または、そのようなトポグラフィックな表面特徴は、本明細書に記載されるように使用中にインソール140に形成されてもよく、図10に示すようなインソール140の実質的に平坦な構成は、単に例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきであることを理解されたい。インソール140または任意選択的なトウボックス130も熱成形材料で作製される場合、最適な解剖学的適合性のために、配置する前にそれらも可鍛性になるように矯正装置20と共に加熱される。装置20およびいずれかの任意選択的な付属品がそのように位置付けられた状態で、後部上部ジッパープル106(図1)を矯正具20の上端22に向かって上向きに引っ張ることにより、後部ジッパーアセンブリ100が実質的に閉じられる。これにより、開口部、具体的には上部開口部42、72によって形成される伸縮性ゾーンを伸縮させて、ジッパー100を完全に閉じることができる。この場合も同様に、両端のジッパープル106、108は、後方に調整するか、またはやや開くことができ、膝下の正しい長さを設定することによってつま先Tおよび脚Lの周りに快適な端縁部を提供するように、端部22、24を折り畳むことを可能にする。次いで、臨床医によって装置20が患者の脚Lおよび足Fに沿っておよびその周りに成形され続けると、ウェットラップがAFO装置20を冷却および適合させるために適用される。取り付けをさらに補助するために、硬化して固化する前に、矯正装置20の足の角度および位置が患者にとって最も快適な位置にあることを確実にするために、患者は起立してやや圧力をかけることができる。硬化したら、ウェットラップを除去する。つま先Tを選択的に覆って保護するために柔軟なトウボックス130が用いられる場合、これは、Velcro(登録商標)または現在知られているもしくは今後開発される任意の他の取り外し可能な係合手段を使用して、後部ジッパーアセンブリ100の自由端および矯正具20の下端24の上部の両方に取り付けることができる。図示される例示的な実施形態において、第1および第2のジッパーストリップファスナー部材112、114は、後部ジッパー100の自由端の内側または上向きの表面に形成され、同様に第1および第2のシェルファスナー部材48、78は、第1および第2のシェル30、60のそれぞれに1つずつ、矯正具20の上向きの下端部分に形成または適用される。トウボックス130は、それ自体がフックアンドループ材料であり得るか、またはその内面および外面132、134に、ジッパー小片112、114および矯正具小片48、78の両方を選択的に係合することができるそのような小片が形成されてもよく、これにより、図1に示すように、トウボックス130を選択的に折り畳み、矯正具20の別様に開いた下端24を覆って、所定の位置に保持することができることを理解されたい。このようなトウボックス130は、使用時に、つま先領域Tを保護するだけでなく、矯正具20の上部からトウボックス130および/またはジッパー100を単に解放するかまたは取り外すことによって、つま先領域Tへのアクセスを選択的に提供することを理解されたく、靴下Sまたはストッキングはおそらくまったく存在しないか、または、臨床医が矯正具20を除去することなく、つま先の良好な循環または他の健康状態の兆候を調べることができるように、少なくともつま先が開いており、これはセキュリティストラップが用いられる場合に特に便利である。任意選択的なストラップは、干渉および不正な取り外しを防止するために、矯正具20を包むこと等によってさらなる強度および安全性のために適用され得る。そのような安全性に関しては、参照により本明細書に組み込まれる、出願人の米国特許第8,821,423号に開示されているようなコンプライアンスストラップが用いられてもよく、これは織物であり、Velcro(登録商標)ベースのストラップである。代替として、そのようなコンプライアンスストラップは、熱成形材料で形成し、加熱して矯正具20および任意の他の熱成形可能な構成要素と共に可鍛性にして、ギプスの周囲に配置してそれ自体に取り付け、次いで冷却して、破壊(例えば、それを切断すること)によってのみ取り除くことができる一体型リングを矯正具20の周りに繋止または形成することもできる:シェル30、60上の任意のシリコーンまたは他のそのようなコーティングに起因して、熱成形可能なコンプライアンスストラップは矯正具20に粘着しない。膨張袋160が取り付けられる場合、腫脹に対する快適性および調整を提供するように膨張/収縮させることができ、その詳細については、図11を参照して再度後述する。例示的なAFO装置20を除去して治療領域もしくは四肢を評価するか、または治療を施すために、例えば、臨床医は、単に両方のジッパー90、100を開いてシェル30、60を除去し、次いで、AFO20を再装着または設置し、シェル30、60を元の位置に戻して元通りジッパーを閉じる。より具体的には、デバイス20を除去するために、前部ジッパーアセンブリ90が完全に開かれ、後部ジッパー100が踵まで下向きに開かれ、これにより、2つの対向するシェル30、60がヒンジで開いて、後で容易に再装着できるように単一のデバイス20として接続されたままの状態で四肢を容易に挿入および取り出すことができるようになる。
【0039】
簡単に述べると、図7図9は、本明細書に照らして自明である様々な他の例示的な動作モードにおける本発明の態様による例示的な矯正装置20を示す。
【0040】
使用の適応に関して、ここでもまた、例示的な実施形態において、一般的に、足首および足の骨折ならびに他の筋骨格損傷の術後および腫脹後の治療のため、または治癒の非体重負荷段階および体重負荷段階の間の状態のための足首および足デバイス20が提供される。体重を支えるために、標準的なキャストシューズまたは好適なウォーカーブーツを装置20に取り付けることができる。デバイス20はまた、取り付け可能なロッカー154を備えた別個の熱成形可能なインソール140または非熱成形可能なインソール140を用いることにより、トータルコンタクト型ギプスとして骨折および他の損傷または糖尿病性足潰瘍を治療するためにも使用することができる(しかしながら、いくつかの実施形態において、ロッカーが154は、全体的または部分的に熱成形可能であるインソール140と共に使用できることを理解されたい)。1つ以上の態様において、本発明による矯正装置20は、膝下のグラスファイバー製ギプスと少なくとも同等かまたはそれ以上の解剖学的適合性を有しながら、カスタム成形可能であり、通気性があり、取り外し可能/交換可能であり、体重を支えるグラスファイバー製ギプスおよび/またはウォーカーブーツの平均強度を満たすかまたは超えることが可能である。この場合もまた、特に糖尿病性足潰瘍の状況において、不快な着け心地のギプスのために部分的な負荷がかかることが多く、合併症が発生しやすいため、快適さは足および足首の治療にとって重要な要因である。さらに、本発明の態様による矯正装置20は、比較的使用しやすく、最小限の時間(加熱/活性化時間を含む)で活性化および適用し、必要に応じて除去して再適用するためにわずかなステップを必要とし、いずれの段階でもキャストソーは必要ない。また、ストレッチボイドを選択的に配置し、重複しない端縁部を有することによって過剰な材料を除去することによる初期製造と、デバイス20が再利用可能であるか、または破壊されることなく除去して再設置することが可能であるという点の両方に、コスト削減に付随する利点が存在する。図示されていないが、矯正具20は、一旦形成されると、矯正具20の上にまたはそれを覆ってまたはその内部に取り付けられるかまたは別様に位置付けられる、伸縮性および通気性の布カバーを有し得ることにも留意されたい。そのような布は、Lycra(商標)弾性ポリウレタンの繊維もしくは布、または現在知られているもしくは今後開発される他の任意のそのような材料であり得る。そのようなカバーは、開口部のいずれかを通って汚れや破片が矯正具20に入るのを防ぐのに役立ち、この場合も、患者が足の感覚を一部または全て失っている可能性があり、そのため、新しい潰瘍部位をもたらし得る砂、砂利等によって引き起こされるそのような刺激を感じない可能性があるDFUの状況において特に有益であり得ることを理解されたい。
【0041】
本明細書に記載されるような構成および使用における本発明の態様による例示的な矯正装置20のそのような構成要素および属性は、図10の分解斜視図にさらに示される。再び概略的に示されているのは、装置20の2つの半体またはシェル30、60であり、それらはここでもまた実質的に対称であるように構成されている。前部および後部ジッパーアセンブリ90、100は、例示の目的で分離しているように示されているが、実際には、それぞれのプル96、98、106、108が一端または他端で閉じられ得るまたは外され得る場合もあり得る。図示されていないが、別の実施形態において、また当該技術分野でも既知であるように、そのようなジッパーアセンブリ90、100は、それぞれのプル96、98、106、108がジッパーから外れるのを防ぐためにその一端または両端にシッパーストップを伴って構成されてもよく、そのようなジッパーの端部では、例えば、図5に最もよく示されるような前部ジッパーアセンブリ90の上端および後部ジッパーアセンブリ100の下端の場合に当てはまるように、それぞれのシェル30、60の対向する端縁部を分離できないことを意味するのに対し、後部ジッパーアセンブリ100の上端および前部ジッパーアセンブリ90の下端は、2つのシェル30、60を一時的により広く開放することができるように分離されて示されていることを理解されたい。ここでもまた、当業者は、現在知られているまたは今後開発される他のジッパー構成および他の締結手段が全部、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様による矯正装置20において代わりに用いられ得ることを理解するであろう。図10ならびに図1および図6も引き続き参照すると、例示的なトウボックス130は、ここでもまた、比較的重い、両側が幅広のフック材料として潜在的に形成され、その下面または外面134が後部ジッパーアセンブリ100の裏側に形成されたフックファスナーストリップ112、114の下端に取り付けられ、また上面または内面132に形成され、矯正具20の下端24の上面、またはそれぞれのシェル30、60の下端34、64に形成されたフックファスナー48、78に取り付けられる。代替として、トウボックス130は、Velcro(登録商標)小片が固定された熱成形材料であってもよく、そのような熱成形可能なトウボックスは、本明細書で説明され、図13図22の代替の例示的な実施形態に関してさらに理解されるような形状である。いずれにせよ、例示的な実施形態において、AFO20の下端24の拡張ジッパー100は、ジッパー100が足の上側にきちんと固定されるようにトウボックス130の取り付けを容易にすることを理解されたい。このことは、足の裏にジッパーを放置しておくと不快になるという点でいくつかの利点を有し、これによりジッパーは、つま先を保護するためにトウボックスを所定の位置に固定するのを支援し、ジッパー拡張部が、単独でまたはトウボックスと組み合わさって異なる足の長さへの対応を容易にし、トリミングの必要性を排除するが、これにより、トリミングした場合に異なる足の長さにも対応できるようにジッパーの構成が比較的複雑になる。糖尿病性足潰瘍治療のためのトータルコンタクト型ギプス(「TCC」)の場合、本明細書に開示される代替の例示的な実施形態からさらに理解されるように、この場合もトウボックス130は、耐久性、保護、およびコンプライアンスを向上させるために、熱成形可能な基材または他のそのような材料から作製されてもよい。
【0042】
次に図11を参照すると、本発明の態様によるさらなる例示的な矯正装置20の分解斜視図が示されており、これもまた対向するシェル30、60を含み、図10のようにトウボックス130およびインソール140を含む。インソール140に関して、それは標準的な成人の足の範囲(例えば、95パーセンタイル)に適合するようなサイズおよび構成であり得、矯正具20の底面、特に下部ジッパーアセンブリ100から患者の足を離すために現在知られているまたは今後開発される任意の適切なパッド材料で作製され得る。代替として、図10および図11に示されるそのようなインソール140はまた、成形および足との解剖学的適合を可能にするために熱成形材料から形成され得、インソール140およびAFO装置20の底部により一般的に良好な適合性を持たせて快適にする。限定ではなくさらなる例示として、インソール140は、圧縮性材料(例えば、フォームまたはフォーム様)、連続気泡フォーム、もしくは好適な熱成形材料を含浸させたスペーサーファブリック、または足およびアーチの形状を取るようにAFO装置20に合わせて成形することができる他の任意のそのような材料から作製することができ、足の皮膚がインソール140の全表面と接触しているため、冷却したときに足全体に体重が分散され、圧力が足の領域全体にわたって分散される:これは、糖尿病性潰瘍の圧力分布および圧力負荷軽減に特に有用である。さらなる例示的な実施形態において、トウボックス130およびインソール140は、矯正具20内に挿入され、下端24から突出して使用中につま先を包み込む単一の構成要素として一体的に形成されてもよく、この場合もまた、そのような単一構成要素は、潜在的に、熱成形材料、または現在知られているもしくは今後開発される他の適切な材料で形成される。関連して、トウボックス130は、AFO装置20の下端24と一致するかまたは嵌合するように形成され得、トウボックス130とAFO20の両方が、一体化されたより剛性の高いトウボックス130を形成するように、成形可能な熱成形材料で形成される。そのような実施形態において、さらなる例として、抵抗ワイヤがトウボックス130の周囲に組み込まれてもよく、ワイヤを24V DCまたは他のそのような電源に接続することにより、トウボックス130を取り除くことができ、該電源は、代替の例示的な実施形態において、ワイヤを加熱して熱成形材料または他の材料を切断または軟化させ、トウボックス130の除去を可能にする。図11を引き続き参照すると、シェル30、60内またはそれらの間に位置する膨張袋160がさらに示されている。実際には、実質的に長方形で平坦であるように示されるそのような袋160は、脚L(図5)等の治療される四肢に巻き付けられ、本明細書に記載の矯正具20を配置する前に、所望の場所に位置付けられ、固定される。袋160の本体162から通じて、それと流体連通している膨張ライン164は、十分な長さおよび柔軟性を有し、ここでは第1のシェル30の上部開口部42として示されている矯正具20のシェルの開口部の1つを通して方向付けられ、次いで、使用されていないときはシェル30に沿って供給または敷設され、現在知られているまたは今後開発される任意の好適な様式で固定される。空気を選択的に注入するかまたは逃して本体162内に所望の圧力を設定し、それにより患肢のために追加のパッドを提供するか、または矯正具20内の容積を増減させ、例えば、加熱を必要とすることなく腫脹の減少または増加に対応し、矯正装置20を何らかの方法で再形成するように、膨張ライン164の自由端は、膨張ライン164を真空源もしくは圧力源または調整空気供給、ハンドポンプ等に接続することにより、使用時に袋160を選択的に膨張または収縮させるための一方向弁等の膨張ポート166を備えて構成されるように示される。本明細書に記載の寸法を有する中サイズのAFO20の場合、そのような袋160、特にその本体162は、ここでもまた面取りされるかまたはアールが形成された角(例えば、半径20mm)を有し、幅約300mm、高さ150mmであり得る。この場合もまた、当業者は、本発明の態様によるそのような矯正装置20および関連する付属品が、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、他の様々な形態を取ることができ、そのため図示および説明されるものは、単に例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきであることを理解するであろう。
【0043】
同様に、図12を参照すると、本発明の態様による矯正装置20のさらなる例示的な使用の分解斜視図が示されており、そのような矯正具20は、ここでもまた対向するシェル30、60を含み、ここでも図10および図11のように、トウボックス130およびインソール140を含む。ここでは、図11に示すような膨張袋160を用いる代わりに、腫脹および他の生理学的徴候の増加または減少等に起因する治療領域およびその周辺の腫脹および疼痛を軽減し、形成後(装置が形成されて硬化された後)の回復を促進するように下にある関節(皮膚)を冷却するために、コールドセラピーパッド170または他のそのような治療デバイスが選択的に挿入されてもよく、ここでは矯正装置20と組み合わせて使用される。コールドセラピーパッド170の本体172から突出して連通している入口および出口ライン174、178は、この場合もまた、装置20の多くの開口部を通して都合よく収容されており、ここでは、第1のシェル30の上部開口部(複数可)42のうちの選択された1つ(複数可)を通って延在し、次いで、使用されていないときはシェル30に沿って供給または敷設され、現在知られているまたは今後開発される任意の好適な方法で固定される。入口および出口ライン174、178の自由端は、任意の適切な入口および出口コネクタ176、180を備えて構成され得、下の関節/皮膚全体を均一に冷却するために、任意のコールドセラピーデバイスに動作可能に接続して、コールドセラピーパッド本体172内のチャネルを通して水等の冷却した冷却剤を循環させる。図11では使用中の膨張袋160のみが示され、図12では使用中のコールドセラピーパッド170のみが示されているが、いくつかの要因に応じてどちらも同時に使用され得ることを理解されたい。デバイス20の開放度は、様々な数および種類のデバイスおよび療法に対応することができ、その結果、例示的な使用は、例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきである。さらに、そのような付属品の特徴および機能性を組み合わせて、コールドセラピーパッド170はまた、図11の独立型膨張袋160に関連して上述したように、成形後の解剖学的変動に対応するために膨張袋として使用されてもよい(二重の目的)。コールドセラピーパッドとして使用する場合、圧力を調整して下にある関節/皮膚に軽い圧力をかけ、AFO 20がぴったりと適合することを確実にするコールドセラピーパッド170がコールドセラピー用冷却デバイス(図示せず)から切り離されると、それぞれのコネクタ176、180に組み込まれたコールドセラピーパッド170の入口および出口ライン174、178上の弁が、AFO装置20の継続的な解剖学的適合性を確保するために、コールドセラピーパッド170を空気で膨張させて、下にある関節/皮膚に軽い圧力を与えることができる。ここでもまた、本発明の態様によるそのような矯正装置20および関連する付属品は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、他の様々な形態を取ることができ、そのため、図示および説明されるものは、単に例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきであることを理解されたい。
【0044】
次に図13を参照すると、図1のものと類似する斜視図が示されており、ここでは、本発明の態様による矯正装置20の代替の例示的な実施形態が示されている。装置20は、この場合もまた、特に図3および図5に関連して上述したように、反対の前部および後部ジッパーアセンブリ90、100によって共通のまたは隣接する端縁部に沿って選択的に接合される対向する第1および第2のシェル部材30、60を含む。ここで最も注目に値するのは、トウボックス130が、下部または後部ジッパーアセンブリ100の自由端または遠位方向に延在する下端、具体的にはそれぞれの第1および第2のジッパーストリップ102、104に固定されたその反対の第1および第2のVelcro(登録商標)タイプのジッパーストリップファスナー部材112、114(図6)に取り外し可能に係合した中実または単一のやや長方形の材料ではなく、代わりに、トウボックス130が、それぞれの第1および第2のジッパーストリップ102、104の上でまたはそれらと一体化するように固定された2つの対向するセクションまたは部材136、138から形成され、一緒にトウボックス130を形成していることである。もう少し詳細には、代替の例示的なトウボックス130は、それぞれの第1および第2のジッパーストリップ102、104に接合することにより、後部ジッパーアセンブリ100からやや横方向に離れて延在する、対向する第1および第2のトウボックス部材136、138を含むものとして示されており、その手段は、限定されないが、様々な形態の両面テープ、縫い目、ツール内オーバーモールディング、ホットメルト、ホットラミネート、溶剤もしくは他の結合剤、超音波溶接、および/またはVelcro(登録商標)面ファスナーを含む、当該技術分野で現在知られているまたは今後開発される任意の接合または組み立て技術を含み得る。以下に論じられる図15および図16で最もよく分かるように、第1および第2のトウボックス部材136、138は、最初にやや平坦な材料のストリップとして製造され、次いで、所望の形状に形成され得る。実際、例示的なトウボックス130、特にその第1および第2のトウボックス部材136、138は、装置20自体の第1および第2のシェル部材30、60と同様に、ここでは熱成形材料で作製されており、その結果、トウボックス部材136、138が矯正装置20と共に加熱されて、最適な形成または成形および解剖学的適合のために配置する前にそれらを可鍛性にするが、その詳細については、特に図18Aおよび18Bならびにそのような代替の例示的なトウボックス130の、したがって装置20全体のサイジング能力に関連して後述する。当業者は、適切な解剖学的適合のために成形することができるだけでなく、一度固化するかまたは硬化すると、矯正装置20全体にさらなる構造的完全性を提供し、患者のつま先(特に1本以上の足指の感覚を一部または全て失っており、したがって未知および未治療の損傷までも受けやすい糖尿病患者にとって別の脆弱性領域である)にやや剛性の保護を提供する熱成形材料でこのようなトウボックス130を形成することにより、矯正具20の下端24に効果的なさらなる代替手段が提供されることを理解するであろう図13を引き続き参照すると、対向する第1および第2のトウボックス部材136、138を所望の形状に湾曲および屈曲することによりトウボックス130を形成することを容易にするために、これらの部材136、138の外側縁、または各々がそれぞれの第1および第2のジッパーストリップ102、104に接合または固定された反対の長手方向の端縁部は、それぞれの第1および第2のジッパーストリップ102、104から実質的に横方向に離れて延在するそれぞれの第1および第2の突起137、139(第2の突起139については図15)を伴って形成され得る。このような「歯」または突起137、139、したがってそれらの間の空間は、図示のように、屈曲部に過剰な材料が集束するのを最小限に抑えるかまたは排除する一方で、トウボックス部材136、138の屈曲および湾曲を可能にすることを理解されたい。特定のサイズおよび形状、したがってそのような突起137、139の数が例示的な実施形態において示されているが、当業者は、これらがいくつかの要因に応じて大幅に異なり得ることを理解し、そのため、この場合も同様に、図面は本質的に概略図であり、文字通りに、または縮尺通りに解釈されるべきではなく、より一般的には、そのような例示的な実施形態は全て、本発明の特徴および態様の例示であるが、明示的に非限定的であることを理解されたい。限定ではなくさらなる例示として、突起137、139は、必要に応じて、長くしたり短くしたり、広くしたり狭くしたり、またはより近くに一緒に、またはさらに離れて位置付けることができる。少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1および第2のシェル部材30、60に形成された開口部42、44、46、72、74、76と同様に、つま先および母趾球領域にある程度の通気性を保ちながら、つま先のさらなる保護を提供する手段として、突起137、139の形状および間隔は、第1および第2のトウボックス部材136、138が所望の形状に形成されるときにそれらの間に非常に小さな空間が残されるようなものであり得ることが理解される。この場合も同様に、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様によれば、トウボックス130ならびにその第1および第2のトウボックス部材136、138の様々なそのような構成が可能である。図13を続けて参照すると、底部または後部ジッパーアセンブリ100の外側に、第1および第2のジッパーストリップ102、104の両方ならびにトウボックス130の外面134、またはここでは、対向する第1および第2のトウボックス部材136、138の一部に沿ってまたは重なり合って、それぞれの第1および第2の取り付け材料50、80の反対の長手方向のストリップも示されており、それは少なくともトウボックス130と関連するその遠位端から、踵領域までかつその周りで装置シェル部材30、60の下側全体に沿って、実質的に後部ジッパーアセンブリ100の全長にわたっている。図18図22を参照して理解されるように、次いで、たとえキャストシューズ、ウォーカーブーツ等がなくても矯正具20で歩き回るのを容易にするために、様々な滑り止めまたは他のそのような材料が、そのような第1および第2の取り付け材料50、80を介してつま先から踵まで矯正具20の底面に選択的に適用され得る。その詳細については後述する。
【0045】
図2に類似する図14を簡単に参照すると、図13の代替の例示的な矯正装置20の製造後ではあるが使用前またはさらには完全な組み立て前のように、平坦なまたは予備成形された状態の第1および第2のシェル部材30、60の側面図または平面図が示されている。シェル部材30、60は、再び任意の所望の形状に成形または形成することができ、ここでもまた実質的に対称であるが、特に他の状況では必要ではなく、限定されないが、シリコーン、ポリウレタン(「PU」)、または現在知られているもしくは今後開発される他の任意のそのような伸縮性材料等のそれぞれのコーティング56、86(図21A図21C)で片面または両面がコーティングされ得る例示的な熱成形可能な基材36、66を含む、現在知られているまたは今後開発される任意の適切な材料を用いる。ここで、第1および第2の上部および中間開口領域42、46、72、76に関連する脚(ふくらはぎおよび足首)の領域は、図1および図2の第1の例示的な実施形態のサイズおよび構成とやや類似し得るが、足の領域または第1および第2の下部開口領域44、74は比較的短くてもよく、前足部およびつま先領域のより多くが代替の例示的なトウボックス130(図13)によって支持されることを可能にし、これにより、任意の熱成形材料のトリミングの複雑さおよび不便さを伴うことなく、典型的な集団全体にわたって比較的増加したおよび/またはより簡単なサイズ調整が可能になり、ジッパーアセンブリ90、100の周りに特定の課題が再び生じる。その詳細については図18Aおよび18Bに関連して後述する。当然のことながら、当業者は、例示的なAFO装置20の異なる領域42、44、46、72、74、76の相対的なサイズが、足首足以外の臨床用途と同様に広く変化する可能性があり、それに応じて装置20の全体的な構成も変化し得ることを再び認識するであろう。そのため、この場合も同様に、本明細書に具体的に記載されない限り、図面が本質的に概略的であり、本発明の態様による装置20およびその構成要素または特徴の材料構成、サイズ、厚さ、および他の属性に関して文字通りに、または縮尺通りに解釈されるべきではないことを理解されたい。本発明の態様による、第1および第2のシェル部材30、60のそのような成形されたまたは別様に形成された平坦な「ブランク」、および例示的な「中」サイズの矯正装置20のとの関連で、限定ではなくさらなる例示として、図14に示すように、予備成形された状態のシェル30、60等の平坦な測定値は、約480mmの全高、約280mmの全幅、約180mmの上端22の幅、および約125mmの下端24での幅である。例示的な「中」サイズの矯正具に関して続けると、選択的に隣接している前縁38、68に沿った有効な内側の縫い目の長さは、本質的に上部ジッパーアセンブリ90の長さでもあって、約490mmであり、選択的に隣接する後縁40、70に沿った有効な内側の縫い目の長さは、後縁40、70でシェル30、60に取り付けられた後部ジッパーアセンブリ100のその部分の長さでもあって、約710mmであり、後部ジッパーアセンブリ100の全長は約910mmの長さであり、したがって、シェル30、60の下端34、64を越えて延在する後部ジッパーアセンブリ100の自由部分を含み、本明細書に記載される代替のトウボックス130の対向する第1および第2のトウボックス部材136、138の設置に対応する。したがって、トウボックス部材136、138は、例示的な「中サイズ」の実施形態において、(図15に示される状態のように)約200mmの平坦または未形成の長さを有し、これは、後部ジッパーアセンブリ100の全長910mmと、選択的に隣接している後縁40、70に沿った有効な内側の縫い目の長さとの差であり、また、約710mmの後縁40、70でシェル30、60に取り付けられた後部ジッパーアセンブリ100のその部分の長さ(すなわち、910mm-710mm)でもある。2つのトウボックス部材136、138は、後部ジッパーアセンブリ100の遠位端と実質的に隣接してもよいか、または、他の箇所に示されるように、トウボックス130、またはトウボックス部材136、138を越えて遠位に延在する後部ジッパーアセンブリ100の一部が存在するように、その遠位端がある程度短くてもよいことを理解されたい。トウボックス部材136、138に関して、1つの例示的な実施形態において、各々の全体的な横幅は約60mmであり、その約15mmは突起137、139であり得る。この場合も、当業者は、そのような配置および寸法は全て、本発明の特徴および態様の単なる例示であり、非限定的であることを理解するであろう。
【0046】
次に、図3に類似する図15を参照すると、図13に示されるような本発明の態様による代替の例示的な矯正装置20が、ここでは、その平坦なまたは予備成形された状態で示されており、それぞれの第1および第2のシェル部材30、60は、反対の前部および後部ジッパーアセンブリ90、100によって組み立てられ、したがって、ここでは、第2のシェル部材60のみが、図14の配向から第1のシェル30上に置かれているように見えるが、この図では対称的な第2のシェル部材30はその真下にある。ジッパーアセンブリ90、100は、基材36、66自体またはそれに塗布される任意のコーティング56、86(図21Aから21C)にかかわらず、対向するシェル30、60に取り付けられるが、ここでも、他の締結デバイスおよびそれらをシェル30、60に取り付けるための手段が、現在知られているまたは今後開発されるかに関わらず使用することができる。ここで図13も参照すると、前部ジッパーアセンブリ90は、ここでもまた装置20の正面に、または足の上部を横切って脚またはすねの正面の上に位置し、後部ジッパーアセンブリ100は、装置20の後ろに、または足の裏、踵の周り、および脚またはふくらはぎの後ろに位置する。この場合も同様に、ジッパーまたは他のファスナーは、足の下、脚の後ろ、足の上部を横切って、および脚の正面で、実質的に互いに対向して示されているが、これには、解剖学的および使用に関連する利点がある。そのような2つ以上のジッパー等の他の位置および配置は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様に従って用いられ得ることを理解されたく、そのようなクロージャの他のオフセット配置が依然として所望のヒンジ連結ならびに十分な開放およびアクセスを提供することに留意されたい。とりわけ、代替の例示的な実施形態において、特にトウボックス部材136、138が、おそらくシェル30、60と同じかまたは類似の熱成形材料で形成される場合、ジッパーストリップ102、104がそれぞれのシェル30、60に取り付けられ得るまたは埋め込まれ得るのとほぼ同じ様式で、現在知られているまたは今後開発される任意の好適な手段を用いて、各トウボックス部材136、138をそのそれぞれのジッパーストリップ102、104に取り付けることができるしたがって、後部ジッパーアセンブリ100は、それぞれのジッパーストリップ102、104を、未硬化のときにトウボックス部材136、138に塗布される任意のコーティング材にまたはその中に効果的に結合させるかまたは埋め込むことによって、対向するトウボックス部材136、138上に再び設置することができる。さらなる例示的な実施形態において、そのようなトウボックス部材136、138またはその基材がコーティングされているかどうかにかかわらず、両面感圧接着剤(「PSA」)テープが、それぞれのジッパーストリップ102、104と、下にあるトウボックス部材136、138の端縁部との間に用いられてもよい。シリコーンコーティングがトウボックス部材136、138に適用される場合、そのようなPSAテープは、ジッパーストリップ102、104に面したアクリルまたはゴムベースの側と、シリコーンコーティングされたトウボックス部材136、138に面したシリコーン側とを有するように形成され得る。PUエラストマーコーティングされたトウボックス部材136、138が使用される場合、PSAテープのゴムベースまたはPUベースの面がPUコーティングされたトウボックス部材136、138に貼付され、アクリルまたはゴムベースの接着剤側が、ここでもまたジッパーストリップ102、104に面する。または、代替として、なおもさらなる代替の例示的な実施形態において、PUエラストマーコーティングされたトウボックス部材136、138が使用される場合、PU PSAは一般にそのような両方の表面に粘着するため、PU PSAテープは、PUコーティングされたトウボックス部材136、138およびジッパーストリップ102、104の両方に接着され得る。なおもさらなる実施形態において、接着性の裏面を有するベロアテープが、それぞれのトウボックス部材136、138の端縁部に適用されてもよく、ジッパーストリップ102、104は、キノコ状フックを介してベロアに取り付けられる。この場合も同様に、当業者は、現在知られているまたは今後開発されるありとあらゆるそのような取り付け手段が、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様に従って使用できることを理解するであろう。限定ではなくさらなる例示として、様々な形態の両面テープ、縫い目、ツール内オーバーモールディング、ホットメルト、ホットラミネート、溶剤もしくは他の結合剤、超音波溶接、および/またはVelcro(登録商標)面ファスナーが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、トウボックス部材136、138を後部ジッパーアセンブリ100に動作可能に固定する際に使用され得る。図15を引き続き参照すると、当業者はまた、この図で見ることができる第2のトウボックス部材138、ひいては、例示的な実施形態において第2の真下に対称的に位置する鏡像の第1のトウボックス部材136(図13)について、そのような各トウボックス部材136、138は、それぞれの第1および第2のジッパーストリップ102、104が接合される直線端を有し、それぞれの第1のジッパーストリップ102、104の反対に、横方向に延在し、離間された複数の突起137、139をさらに有する、実質的に平坦な、やや長方形の本体として最初に形成されることを理解するであろう。前述のように、このような突起137、139のサイズおよび間隔、したがって全体的な構成は、矯正具20全体のサイズを含むいくつかの要因に基づいて大幅に異なり得るため、例示的な突起137、139は例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきである。未形成の装置20の本側面図からも理解されるように、トウボックス130の近位端と矯正具20の本体との間、ここでは具体的に第2のトウボックス部材138と第2のシェル部材60との間に小さな間隙が示されているが、これが、「リビングヒンジ」として少なくとも後部ジッパーアセンブリ100の周りにあるものとして本明細書に記載される矯正具20の本体に対するトウボックス130のヒンジ運動を容易にすることを理解されたい。例示的な一実施形態において、トウボックス130と装置20の本体との間の間隙は約2mmであるが、これは例示的かつ非限定的であるにすぎない。図示されていないが、本発明の態様によれば、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、形成されたトウボックス130の屈曲、ヒンジ連結、または他の関節運動をさらに容易にするために、第1および第2トウボックス部材136、138に1つ以上の追加の切れ目があってもよい。
【0047】
ここで、図5および図6の第1の例示的な実施形態の斜視図に類似した、図16および図17ならびに使用中の本発明の態様による代替の例示的な矯正装置20に移行すると、まず、図16に見られるように、装置20は、50~80℃の範囲等の成形温度まで加熱された状態であり、再び米国特許第7,985,192号および同第8,853,603号を限定ではなく例示としてさらに参照すると、可鍛性があり、概ね本明細書において前述したように取り付けプロセスを開始するために四肢を覆うことができる下腿L(足首および足の領域)等の治療される四肢または領域は、図示されるようにその上に靴下Sを適用することにより、または臨床医によって処方された他のストッキング、ラップ、パッド等を適用することにより調製される。任意選択的な膨張袋160またはコールドセラピーパッド170も治療部位に適用することができ、その詳細については図11および12に関連して上記で述べた。ここでは、インソール140も、一般にその未成形状態で、図示されるように矯正装置20内で患者の足Fの下に配置される。インソール140も全体的または部分的に熱成形材料で形成される場合、その詳細については図23~26に関連して後述するが、矯正装置20は、任意の適切な手段を用いてインソール140と一緒に加熱されてもよく、対向する平坦なシェル30、60は、図15に示されるようにジッパーが閉じられるかもしくは一緒に取り付けられる、またはさらには、図4の装置20の第1の例示的な実施形態に関連して示され、説明されるように、半分に折り畳まれて提供される。一旦活性化されるか、または加熱されて可鍛性になると、後部ジッパーアセンブリ100は、四肢への容易な適用を促進するために、典型的には、例えば踵の領域まで少なくとも半分開かれ(典型的には、患者が臨床医に向かって座っている間に)、後部ジッパーアセンブリ100の下部を閉じたままにすると矯正具20のネストまたは底部領域が形成され、矯正具20を図17に示すように位置付けるために上端22を近位方向に引っ張ると、そこに足Fおよびインソール140を据付けることができることを理解されたい。また、インソール140が用いられる場合、それは患者の足Fの裏と矯正具20の底面との間に配置され、少なくとも足Fの裏と後部ジッパーアセンブリ100の底部分との間に追加のパッドを提供することを理解されたい。図示されるように、インソール140は、最初は実質的に平坦で若干足の形をしており、快適さのために、患者の足Fに向けられる上向きの表面142と、使用中に矯正具20の底面に向けられるか、または後部ジッパーアセンブリ100の一部もしくは下端部分に対して向けられる反対の下向きの表面144とを有する:そのため、インソール140は、全体にわたってモノリシックであり得るかもしくは単一の材料から形成され得る、または層状に形成され得るもしくは別様に2つ以上の材料から形成され得、その結果、特に図24および25に関連して以下に図示および説明される代替の例示的なインソール140からさらに理解されるように、反対の上向きの表面および下向きの表面142、144は、同じ材料または構造でなくてもよい。さらに、インソール140は、平坦な、特定の厚さのものとして示されているが、それは、必要に応じてより厚くてもより薄くてもよく、アーチ支持領域または踵用の窪み等の所定の形状を用いて予備形成されてもよいことを理解されたい。代替として、インソール140がトウボックス130および矯正具半体30、60自体ともに、少なくとも部分的に熱成形材料から作製されるまたは該材料を含む場合、そのようなトポグラフィックな表面特徴は、使用中、または具体的には形成中にインソール140に形成され得る。ここで、そのような熱成形可能なインソール140は、最適な解剖学的適合性のために、配置する前にそれも可鍛性になるように矯正装置20と共に再び加熱される。トウボックス130およびインソール140等の任意の付属品を含む装置20がそのように活性化されて位置付けられると、後部上部ジッパープル106(図13)を矯正具20の上端22に向かって上向きに引っ張ることにより後部ジッパーアセンブリ100が実質的に閉じられ、これにより、開口部、具体的には上部開口部42、72によって形成される伸縮性ゾーンを伸縮させて、ジッパー100を完全に閉じることができる。この場合も同様に、両端のジッパープル106、108は、後方に調整するか、またはやや開くことができ、膝下の正しい長さを設定することによってつま先Tおよび脚Lの周りに快適な端縁部を提供するように、端部22、24を折り畳むことを可能にする。また、この段階で、臨床医は、活性化された可鍛性のトウボックス130をつま先Tの周りで快適に折り畳むかまたは屈曲させて、図13に関連して図示および説明されるように装置20の例示される位置で装置に戻し、それぞれの第1および第2のトウボックス部材136、138の下側に形成された後部の第1および第2のジッパーストリップファスナー部材112、114、またはより具体的にはそれぞれの後部の第1および第2のジッパーストリップ102、104を取り外し可能に嵌合または係合することによってその位置に固定または保持し、それぞれの第1および第2のシェルファスナー部材48、78が、前部ジッパーアセンブリ90の反対側のそれぞれのシェル部材30、60の上側に、またはより具体的にはそれぞれの前部の第1および第2のジッパーストリップ92、94に沿って形成される。当業者はまた、この状況において、活性化された成形可能なトウボックス部材136、138の任意の部分が、活性化された成形可能なシェル部材30、60と接触する場合、例示的な実施形態において、シェル30、60および/またはトウボックス部材136、138上の任意のシリコーンまたは他のそのようなコーティングに起因して、そのような構成要素は互いに粘着しないため、トウボックスのVelcro(登録商標)小片112、114をシェルのVelcro(登録商標)小片48、78から解放することにより、図17に示すようにトウボックス130を開放した状態で選択的にヒンジ連結する際等に、硬化した構成要素が依然として互いに相対的に動くことを可能にすることを理解するであろう。ここでは、また概ね全ての実施形態にわたって、Velcro(登録商標)タイプの「面ファスナー」が図示および説明されているが、現在知られているまたは今後開発される他の締結手段が用いられることに再度留意されたい。さらに、Velcro(登録商標)の状況において、「フック」部分および「ループ」部分の位置は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく変化し得る。本質的に再び図13に示されるような装置20の成形位置において、装置が冷却して固化し続けるが、それでもなお可鍛性がある間に、患者は次いで患足Fおよび患脚Lで立ち、臨床医によって外面的に操作されるトウボックス130を含む装置20だけでなく、内部インソール140も患者の解剖学的構造および重量によって装置20の底面に沿って効果的に成形されるようにさらに成形および形成することができ、そうすることで、図18Aおよび図18Bを参照してさらに理解されるように、完全に固まって硬化する前に、足の角度および矯正装置20の位置が患者にとって快適なやや「中立的な」位置にあることも保証される。したがって、当業者は、トウボックス130およびインソール140を含む、結果として形成および硬化された装置20が、患者の解剖学的構造、ここでは脚Lおよび足Fに実質的に適合することを理解するであろう。一体化された熱成形可能なトウボックス130の取り付けに関して、具体的には図17で最もよく分かるように、ボックス130は、そのような「トウボックス」を作製するためにその長さに沿って、または対向する第1および第2のトウボックス部材136、138に沿って再び湾曲または屈曲され、そのような屈曲位置は、本質的には患者の足Fの長さ、したがって装置20の開放下端24に対する患者のつま先Tの位置、および用いられ得る任意のインソール140に基づいて設定される。このようにして形成されたトウボックス130は、最初は形成中、次いで、トウボックス130が図17に示すようにヒンジで開閉するときのような使用中に一度硬化すると、現在知られているまたは今後開発される様々な手段を用いて、矯正装置20の本体上にまたは本体に対して再び選択的に保持され得る。例示的な実施形態において、ここでもまた、第1および第2のジッパーストリップファスナー部材112、114は、後部ジッパーアセンブリ100の自由端の内側もしくは上向きの表面に、またはジッパーアセンブリ100の遠位端で対向する第1および第2のジッパーストリップ102、104に沿って形成され、同様に第1および第2のシェルファスナー部材48、78は、第1および第2のシェル30、60のそれぞれに1つずつ、矯正具20の上向きの下端部分に形成もしくは適用され、または具体的には、対向する前部の第1および第2ジッパーストリップ92、94に沿って形成される。トウボックス130はそれ自体フックアンドループ材料であり得るか、または対向する第1および第2のトウボックス部材136、138の内面132に、矯正具小片48、78を選択的に係合することができるそのような小片が形成されてもよく、これにより、図13に示すように、トウボックス130を選択的に折り畳み、矯正具20の別様に開いた下端24を覆って、所定の位置に保持することができることを理解されたい。代替として、トウボックス130は、Velcro(登録商標)小片が固定された熱成形材料で作製された対向する第1および第2のトウボックス部材136、138を備えて形成されてもよく、そのような熱成形可能なトウボックスは、本明細書で説明するように成形される。いずれにせよ、例示的な実施形態において、AFO20の下端24の拡張ジッパー100は、図13に示されるように、ジッパー100が使用中に足Fの上側にきちんと固定されるようにトウボックス130の取り付けまたは一体化を容易にすることを理解されたい。このことは、足の裏にジッパーを放置しておくと不快になるか、または特に1つ以上のプル106、108が損傷するという点でいくつかの利点を有し、これにより、ジッパー100は、つま先Tを保護するためにトウボックス130を所定の位置に固定するのを支援し、トウボックス130と組み合わせたジッパー拡張部100が、異なる足の長さへの対応を容易にし、トリミングの必要性を排除するが、これにより、トリミングした場合に異なる足の長さにも対応できるようにジッパーの構成が比較的複雑になる。糖尿病性足潰瘍治療のためのトータルコンタクト型ギプス(「TCC」)の場合、トウボックス130は、耐久性、保護、およびコンプライアンスを向上させるために、熱成形可能な基材または他のそのような材料から作製される。関連して、このようなトウボックス130は、使用時に、つま先領域Tを保護するだけでなく、矯正装置20の上部からトウボックス130および/またはジッパー100を単に解放するかまたは取り外すことによって、つま先領域Tへのアクセスを選択的に提供することを理解されたい。代替のトウボックス130は、別様に装置20と係合したままであり、後部ジッパーアセンブリ100の周りで効果的にヒンジ連結し、第1および第2の補強材52、82の任意のストリップまたはパッチが、シェル部材30、60とそれぞれの第1および第2のトウボックス部材136、138との間の底部接合部の上にまたはそこにまたがって適用されるが、これは、特に後部ジッパーアセンブリ100の周りのトウボックス130と第1および第2のシェル30、60との間の任意のねじりに対して、ヒンジでさらなる構造的完全性を提供するだけでなく、そのようなシェル部材30、60とトウボックス130との間の接合部を、特にインソール140が使用されていない場合に、比較的「シームレス」かつより快適にする。この場合も、当業者は、下端24で矯正具2



0の基部の周りでヒンジ連結することによりそのような端部24を選択的に開放することによる一体化されたトウボックス130の選択的な開放および閉鎖により、臨床医が矯正具20を除去することなく、つま先の良好な循環または他の健康状態の指標を調べることができ、これはセキュリティストラップ190が用いられる場合に特に便利であることを理解するであろう。その詳細については図22に関連して後述する。膨張袋160が取り付けられる場合、腫脹に対する快適性および調整を提供するように膨張/収縮させることができ、その詳細については図11を参照して上記で再度述べた。例示的なAFO装置20を除去して治療領域もしくは四肢を評価するか、または治療を施すために、例えば、臨床医は、単に両方のジッパー90、100を開いてシェル30、60を除去し、次いで、AFO20を再装着または設置し、シェル30、60を元の位置に戻して元通りジッパーを閉じる。より具体的には、デバイス20を除去するために、前部ジッパーアセンブリ90が完全に開かれ、後部ジッパー100が踵まで下向きに開かれ、これにより2つの対向するシェル30、60がヒンジで開いて、ヒンジ連結されたトウボックス130および足の付け根の閉じたジッパー領域に入った任意のインソール140等に後で容易に再取り付けできるように、単一のデバイス20として接続されたままの状態で四肢を容易に挿入および取り出すことができるようになる。
【0048】
次に図18Aおよび図18Bを参照すると、2つの例示される動作モードの、または他の点では同じ矯正具20の本質的に2つの異なるサイズ構成の、本発明の態様による代替の例示的な矯正装置20の側面概略図が示されている。どちらの場合も、前部および後部ジッパーアセンブリ90、100でデバイスの垂直な中央平面を横切った図であり、第1のシェル部材30の断面を効果的に見やすくするために第2のシェル部材60が取り除かれているか、または切り取られている。したがって、各図に前部および後部ジッパーアセンブリ90、100を備えた矯正具の第1シェル部材30が示され、後部ジッパーアセンブリ100がここで形成された一体型トウボックス130で再び遠位に終端しており、ここでは本明細書に記載される第1のトウボックス部材136が見られることを理解されたい。任意選択的な第1の取り付け材料50もまた、これらの図では、その遠位端から後部ジッパーアセンブリ100に沿って少なくともほぼ装置20の踵領域まで設置されているように示されている。その詳細については図19に関連して後述する。ここで図18Aおよび図18Bに再び示されるように、本体からトウボックス130への移行時に完全性および快適さを提供するために、第1の補強材52は、トウボックス130と装置20の本体との間の接合部にわたって、またはここでは第1のトウボックス部材136と第1のシェル部材30との間に適用され得るが、これもまた事実上「リビングヒンジ」である。これに関して、図面は本質的に概略図であり、そのような構成要素は、図面から寸法的または比例的に正確または文字通りの縮尺であると解釈されるべきではないことを再度理解されたい。実際、補強材52、82に関しては、比較的薄い可能性が高く、トウボックス130全体にわたって円滑な移行を提供し、一般に、さらには図18Aおよび図18Bの概略側面図を参照すると、例示的な実施形態において、特にトウボックス130への移行時に、目立ったまたは著しい段差もしくは高度の変化がなく、各シェル部材30、60の底面は、踵からつま先までの矯正具20の比較的連続的かつやや平坦な底面のためにトウボックス部材136、138の底部分と実質的に同一平面にあることが当業者には理解されよう。さらに、いかなる変動も用いられるインソール140(図16および図17)によって説明され得るか、または場合によっては、底部ロッカー機構26(図23)が、代替のインソール140(図23~25)の対応するロッカー部材154を介して矯正具20に形成されてもよいことをさらに理解されたい。その詳細については後述する。サイジングに関して、ここでもまた、一般に3つの公称サイズ「小」、「中」、および「大」が、標的(例えば、成人)集団のかなりの部分(例えば、95%適合)を網羅するように提供される。この場合も、例示の目的で、図示および説明される装置20は、そのような「中」サイズのAFOに関連している。典型的な米国の足または靴のサイズを例に取ると、このような「中」の矯正具20は、例えば、サイズ3~6を網羅する「小」またはサイズ11~13を網羅する「大」と比較して、サイズ7~サイズ10の範囲に対応できるが、この場合も、このようなサイジングは全て例示的かつ非限定的である。「中」サイズのAFOの例を続けると同時に、図14および上記の関連する考察を参照すると、装置20の足部分または第1および第2の下部開口領域44、74は、範囲の下限で「踵からつま先まで」の長さを大まかに設定することができ(この例では靴のサイズ7)、つま先Tおよびインソール140(図16および17)の一部が装置20の下端24をわずかに超えて位置付けられること、したがってトウボックス130内にあることをさらに説明している。そのため、最初に図18Aを参照すると、例示的な中サイズのAFO装置20をその範囲の下限になるよう調整またはカスタマイズするために、上で説明した形成および取り付けプロセス中に、臨床医は、そのときに可鍛性のあるトウボックス130を装置20の下端24に比較的きつく折り畳むかまたは屈曲させ、トウボックス130の自由端および後部ジッパーアセンブリ100を装置20の前足部領域の比較的高い位置に固定する。このことは、第1のトウボックス部材136の内面132および/または後部ジッパーアセンブリ100の後部の第1のジッパーストリップ102(図16)に形成された後部の第1のジッパーストリップファスナー部材112(図18B)を取り外し可能に係合することによる第1のシェル部材30との接続において具体的に示され、第1のシェルファスナー部材48(図18B)が、第1のシェル部材30の前足領域で前部ジッパーアセンブリ90の前部の第1のジッパーストリップ92(図17)に沿って形成される。当業者は、取り付け中にトウボックス130により急な湾曲を形成し、トウボックスをAFO本体のより高い位置に取り付けることにより、AFO装置20の「踵からつま先」までの全体の長さがこのように比較的小さくなり、この場合も、「中」サイズのAFOの例では大人サイズの約7になることを理解するであろう。比較して、今度は図18Bを参照すると、例示的な中サイズのAFO装置20は、ここではその範囲の大きな端部に取り付けられ、ここでもまた、上で説明した形成および取り付けプロセス中に、臨床医は、そのときに可鍛性のあるトウボックス130を装置20の下端24を超えて比較的緩く折り畳むかまたは屈曲させ、トウボックス130の自由端および後部ジッパーアセンブリ100を装置20の前足部領域の比較的低い位置に固定する。この場合も、このことは、第1のトウボックス部材136の内面132および/または後部ジッパーアセンブリ100の後部の第1のジッパーストリップ102(図16)に形成された後部の第1のジッパーストリップファスナー部材112を取り外し可能に係合することによる第1のシェル部材30との接続において具体的に示され、第1のシェルファスナー部材48が、第1のシェル部材30の前足部領域で前部ジッパーアセンブリ90の前部の第1のジッパーストリップ92(図17)に沿って形成される。ここでは、取り付け中にトウボックス130により緩いまたはより遠位の湾曲を形成して、トウボックスをAFO本体のより低い位置に取り付けることにより、AFO装置20の「踵からつま先」までの全体の長さがこのように比較的大きくなり、「中」サイズのAFOの例では、大人サイズの約10になることを理解されたい。したがって、集団全体にわたる他の解剖学的変動を説明するための本明細書に記載される矯正具20全体のカスタム形成は再び言うまでもないが、本発明の態様によるAFO装置20は、装置20が両利き用であること、すなわち、右または左の用途に機能することを考慮して、標的集団の大部分を網羅する数種類のサイズまたは構成のみを製造することで対応可能であり、特に図26および以下の関連する考察を参照すると、またカスタム成形可能なヒンジ式トウボックス130は、必要に応じて様々なサイズおよび足の長さを網羅するように取り付けることができるという点において、これはインソールにも当てはまり得ることが当業者には理解されよう。そのため、本発明の態様によれば、例示的な人間の下腿の状況を超える幅広い用途に対応するために、構成が多様であり、サイズまたは規模を拡大または縮小することができる、高度に適応可能で汎用的な矯正装置20が提供される。
【0049】
簡単に述べると、図19を参照すると、本発明の態様による代替の例示的な矯正装置20の底面斜視図が示されており、ここでは、少なくともトウボックス130に関連付けられたその遠位端から装置シェル部材30、60の下側全体に沿って踵領域の周りまで、後部ジッパーアセンブリ100(図17および18)の長さに沿って適用された取り付け材料50、80のそれぞれの第1および第2のストリップと取り外し可能に係合することにより、矯正具20の底面に沿って選択的に適用された滑り止め材料54、84の第1および第2のストリップを示している。そのような滑り止め材料54、84は、様々なタイプおよび形態を取り得るため、平行な長手方向のストリップは、単に例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきである。限定ではなくさらなる例示として、2つの別個の離間したストリップ54、84ではなく、単一のより幅広いストリップが両方のシェル30、60にまたがっており、それによってそのような滑り止め材料の下の領域で後部ジッパーアセンブリ100を完全に覆うことも可能である。また、そのような滑り止め材料54、84は、取り付け材料50、80のそれぞれのストリップを取り外し可能に係合するように、それら自体が反対側にVelcro(登録商標)フックアンドループ材料で形成されているように示されており、矯正具20を有するそのような滑り止め材料を係合する他の手段が、一時的であろうと恒久的であろうと、現在知られているか今後開発されるかにかかわらず、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様に従って用いられ得る。そのような滑り止め材料54、84として用いられ得る1つの例示的な材料は、イタリアのVibram S.P.A.によって製造されているVibram(登録商標)であるが、やはり、現在知られているまたは今後開発される多種多様な材料が用いられ得る。例示的な実施形態において、滑り止めストリップ54、84および関連する取り付けストリップ50、80のどちらも約80mmの幅であるが、これは単に例示的かつ非限定的であることを理解されたい。図19にも見られるように、任意選択的に、第1および第2の補強材52、82は、図16に示すような装置20の内側の接合部の代わりに、またはそれに加えて、AFO装置20の本体と、シェル30、60の外側のトウボックス130およびそれぞれのトウボックス部材136、138との間の接合部またはヒンジ接続に適用されてもよい。関連して、図18Aのものといくらか類似した図20Aおよび図20Bの部分側面概略図に、別個の滑り止め材料がなく、代わりにシェル30の材料もしくは図20Aのような特性を提供する任意のコーティングを伴うか、または図20Bのように下にある取り付け材料50にVelcro(登録商標)によって適用された滑り止め材料54を有し、図19のように滑り止め材料54が矯正具20の踵からつま先まで及ぶかのどちらかである、例示的なそのような矯正装置20が示される。
【0050】
次に図21A図21Cを参照すると、図10の関連する断面線から取られた様々な拡大断面図が示され、全体的にまたは任意の締結もしくは閉鎖手段の領域における矯正具20の例示的な構造および層を示している。基準の問題として、断面がたまたま実質的に第2のシェル部材60の上端62で取られたことに留意されたく、シェル30、60がここでも対称的であるため、そのような構造は第1のシェル部材30も、また必ずしもそうではないが、AFO装置20の様々な代替の実施形態を表していることを理解されたい。まず、図21Aには、内面および外面にコーティング86を塗布した熱成形可能な基材66の一部を示す部分端断面図が示されている。他の図と同様に、これらは本質的に概略図であり、材料の構成、サイズ、厚さ、およびその他の属性に関して、文字通りに、または縮尺通りに解されるべきではないことに留意されたい。限定ではなく例示として、公称基材厚さは、窪んだくるぶしリング等では2mm近くであるのに対して、一般に2~8mmの範囲、または公称5mmであり得、コーティングの厚さは、40~200μmの範囲であり得るか、または公称的にもしくは場合によっては好ましくは80μmであり得る。そのため、当業者は、コーティング86が、一般に、基材66よりも100倍から1000倍程度薄いか、または寸法的に、基材66とは100倍から1000倍異なる大きさであることを理解するであろう。シェルの端縁部に沿った、この場合は第2のシェル60の第2の後縁70に沿った断面図である図21Bおよび図21Cに見られるように、ここでもまたシェル30、60が対称であるために同様のセクションが他の3つのシェル端縁部38、40、68に形成されるが、シェル60の長手方向の端縁部を維持するために、または、それらを実質的に非伸縮性にして、ジッパーアセンブリ100、もしくは例示的な断面図における後方の第2のジッパーストリップ104がシェル60から外れないようにするために、エッジ領域70は、少なくともシェル60の本体に対して、その領域の剛直性または構造的完全性または剛性を高めるためにより厚くてもよい。ジッパーアセンブリ90、100が取り付けられた、2つの半体30、60のそのような例示的な補強された(より厚い)長手方向の端縁部38、40、68、70は、したがって、伸縮性の低下ならびに剛直性およびジッパー保持の増加をもたらす:デバイスは、加熱された場合でもこれらの長手方向の領域には目に見えて伸縮しないように設計されている。代替として、図示されていないさらなる例示的な実施形態において、端縁部領域は、公称5mmの基材厚さから3mm等まで先細りになり、より薄い端縁部領域がジッパーの取り付けおよび保持に役立ち得る。そのため、本発明の態様によれば、丸みを帯びた端縁部領域は、必要に応じて、より厚くもしくはより薄く、かつ/またはより幅広くもしくはより狭くなり得ることが理解されよう。本明細書の他の箇所で説明されているように、ジッパーアセンブリ90、100をシェル30、60または基材36、66に取り付けることは、限定されないが図21Cに示される感圧接着剤(「PSA」)120を含む、現在知られているまたは今後開発される多くの方法において達成され得、該接着剤は、基材66の各側の単一幅ストリップであり得るか、または図示されるように、基材端縁部の内面および外面の両方に同時に適用されるように端縁部を包み込む2倍幅ストリップであり得、これは、そこに沿って内側および外側ジッパーストリップ104を位置付けることによりジッパーアセンブリ100が内面および外面の両方に取り付けられる場合に特に有利である。例示的な実施形態において、布材料またはジッパーストリップ92、94、102、104の幅は実質的に非伸縮性であり、単独で、または端縁部38、40、68、70と共に、この場合もシェル30、60の端縁部に非伸縮性領域を横方向に効果的に形成する。この領域の幅を設計することにより、例示的な実施形態において、患者に合わせて成形した後にデバイス20の最小限の強度および剛性を提供するシェル30、60の「非伸縮性」領域が形成される。この場合も同様に、それぞれの第1および第2のシェル部材30、60の対向する端縁部38、40、68、70を選択的に接合する際に、現在知られているまたは今後開発される任意の他の好適なまたは比較的非伸縮性の閉鎖手段を用いることができ、ジッパー90、100は、例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきである。さらに、代替の実施形態において、シェルが活性化または加熱されてシェルの本体全体に形成される場合にも閉鎖手段と外側シェル縁部の両方が伸縮可能であり、シェルが硬化して固化すると、このような外側領域は依然として硬くなる。
【0051】
図22を簡単に参照すると、いくつかの顕著な違いはあるが、図13の装置に類似した、本発明の態様によるなおもさらなる代替の例示的な矯正装置20の斜視図が示されている。第1に、閉じたトウボックス130の開口部を通して見ることができるように、インソール140が装置20内に位置するように示されていることが簡単に観察される。第2に、滑り止め材料54の単一のストリップが、実質的に「踵からつま先まで」および「右から左まで」装置20の底面に適用されており、この場合も材料54は、本明細書に記載される装置20に組み込まれた第1および第2の取り付け材料50、80、ならびに必要に応じて、他の任意のそのような取り付け材料部分(図示せず)を用いてVelcro(登録商標)によって固定され得るか、または製造中にそのような材料54をシェル30、60自体に直接組み込むことを含む、現在知られているもしくは今後開発される任意の他の一時的もしくは恒久的な手段によって固定され得る。また第3に、やや関連して、任意選択的なストラップ190は、さらなる強度および完全性のために、前足部の周り、または閉じたトウボックス130の上部に適用されるように示されている。そのようなストラップ190は、装置20の底面に適用された任意の滑り止め材料54の上もしくは下に位置付けられても、または第2のステップにおいて単純に装置20の周りに適用されても、装置20またはそのそれぞれのシェル30、60と共に一体的に形成され得るが、さもなければ装置20に直接は固定されない。例示的な実施形態において、このようなストラップ190は、ストラップ190をさらに固定するために、滑り止め材料54の上にあるか、または滑り止め材料54と対向するシェル30、60の底部との間に位置するように示されているが、この場合もそうである必要はない。そのようなストラップ190は、一般に、ストラップ本体192と、一般に既知の方法でストラップ190を締め付けて固定するためにストラップ本体192が摺動可能に係合されたDループブラケット194とを含み、織物およびVelcro(登録商標)ベースのストラップ、または現在知られているもしくは今後開発される任意の他の好適な材料を伴い得る。特定の例示的な実施形態において、そのようなストラップ190は、参照により本明細書に組み込まれる、出願人の米国特許第8,821,423号に開示されるような、いわゆる「コンプライアンスストラップ」として構成され得、それによって、セキュリティストラップ190は、矯正具20への干渉またはその不正な取り外しを防止するために、図示されるように矯正具20の周りに巻き付けられて固定され得るが、この場合、そのようなストラップ190は、矯正具20に直接固定されてもよいか、または任意選択的な滑り止め材料54によって矯正具190に保持されてもよい。または、コンプライアンスストラップを破壊することなく除去できないことをさらに確実にするために、’423特許のような別のコンプライアンスストラップ(図示せず)が足首または足首の上の矯正具20の最小円周領域に用いられてもよく、それによって矯正具20への干渉または不正な取り外しを防止する。ストラップ190は、長さおよび幅に関して様々な方法およびサイズで構成され得るが、例示的で非限定的な実施形態において、ストラップ本体192は約40mmの幅であり、トウボックス130の自由端、または矯正装置20の本体の前足部上に折り畳まれた端部を実質的に覆って、装置20全体を比較的剛性で頑丈にすることを理解されたい。
【0052】
次に図23を参照すると、本発明の態様によるさらに別の代替の例示的な矯正装置20の部分的に切り取られた斜視図が示されており、これもやはり図13の装置とほぼ同様であるが、ここでは装置20の底面にやや下向きに突出する底部ロッカー機構26を形成するように構成された代替のインソール140を有し、臨床医が適切であると判断した場合、装置20の特定の領域、したがってその中の足Fからさらに負荷を軽減するのに役立ち得る。ここでは図23を簡略化するために、インソール140は、矯正具20の「踵からつま先まで」の長さに及ぶ圧縮可能および/または成形可能な材料の単一層148を含むものとして示されており、その底面に、やや剛性のあるロッカー部材154および関連するロッカー基部152の表面が一時的または恒久的に固定されているかまたは取り付けられている。当業者は、上記のような矯正具20の形成中に、インソール140の下にそのような剛性のロッカー部材154を配置することにより、そのようなロッカー部材154が、患者の脚Lに対する臨床医の操作および矯正具20の取り付けと協働して形成するまたは形成される原因となり、矯正具20の底面の同様の突起またはロッカー機構26は、一旦完全に硬化して使用されると、足Fの患部の選択的な負荷軽減をもたらすことを理解するであろう。そのため、底部ロッカー機構26が、インソール140内へのロッカー部材154の組み込みにより、矯正具20の内側から、または内側に、矯正具20において効果的に形成され、これもまた実際に多くの利点を有する。もう少し詳細には、今度は予備成形された組み立て前の状態の代替の例示的なインソール140の分解側面図を参照すると、インソール140は、上層146および中間層148を含み、これらが一緒になって完全長のインソール140を形成し、結合、ラミネート加工等によって恒久的に一体化され得るか、または面ファスナー、感圧接着剤等によって取り外し可能に係合され得、同様にここではロッカー部材154も、剛性のロッカー基部152と恒久的または取り外し可能に係合可能である。例示される実施形態において、基部152は、中間層148に対して取り外し可能に係合可能または選択的に位置付け可能であり得、ロッカー部材154は、ロッカー基部152に対して取り外し可能に係合可能または選択的に位置付け可能であり得、このような全ての場合において、現在知られているまたは今後開発される任意の適切な係合手段が用いられる。したがって、当業者は、インソール140全体に対するロッカー部材154の位置付けに関連するそのような構成が、所望の解剖学的位置にロッカー部材154を配置し、したがって矯正具20内の底部ロッカー機構26を形成する際に、臨床医に途方もない多様性を提供することを理解するであろう。余談ではあるが、底部ロッカー機構26を伴って形成されるAFO装置20がウォーカーブーツまたはキャストシューズ等(図示せず)の内側で着用される場合、そのようなブーツまたはキャストシューズのインソールは、ロッカー機構26をまたぐように構成された、隣接する離間したパッドで修正することができ、それによってウォーカーブーツまたはキャストシューズ内における矯正具20の適切かつ快適な据付けを可能にする。例示的な実施形態において、図24のインソール140を構成する4つの層または構成要素のそれぞれは、Velcro(登録商標)面ファスナーおよび/または関連するベロア小片を用いて隣接する層または構成要素に一時的に接合されるが、これもまた例示的かつ非限定的であるにすぎない。図24の例示的な実施形態を続けると、中間層148は、カスタム成形可能な熱可塑性フォーム等であり得、上層146は、Plastazote(登録商標)等の独立気泡フォームで形成されている。したがって、次に、組み立てられて形成された状態の図24の代替の例示的なインソール140を示す図25Aを簡単に参照すると、インソール140、したがって矯正具20全体の形成前に、ここでもまたロッカー部材154は、図示のようにロッカー基部152に沿って選択的に位置付け可能であり、インソール140の剛性領域は、インソール140の自由端または反対端で行われ得るように変形しにくいまたは長さにトリミングされにくい。その詳細については図26に関連して後述する。限定ではなくさらなる例示として、また図24および図25Aを引き続き参照すると、インソール140の主層または中間層148は、その初期の未形成状態では約12mmの厚さであり得、Plastazote(登録商標)または、他のそのような上層146は、約4mmの厚さであり得る。同様に、ロッカー部材154の厚さまたはスタンドオフ高さが約15mmであるのと比較して、剛性ロッカー基部152は約4mmの厚さであり得、ロッカー部材154の幅および長さは、ここでもまた例示のために約50mmである。このようなロッカー基部152およびロッカー部材154は、図24および25Aのようにここでもまた別個の構成要素であり得るか、または図25Bの代替の実施形態に示されるように一体的であり得、そのような任意のロッカー配置は、そのようなインソールアセンブリと交換可能であるかまたは必要に応じて、上層、中間層、または下層146、148、150を含むように「様々に組み合わされる」。当然のことながら、完成したインソール140を形成する際のそのような層および構成要素の様々な他の配置および数および構成が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様に従って可能である。限定的ではなくさらなる例示として、ロッカー部材154および任意の関連する基部152または他のそのような特徴を形成する際に、鋼鉄、アルミニウム、合金等の金属、ならびに様々なプラスチック、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」等のポリエチレンおよび低密度ポリエチレン(「LDPE」)、ポリカーボネート、ポリウレタン、および他のそのようなプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性ポリマー等、さらには木材を含む、現在知られているまたは今後開発される任意の適切な材料および構築方法が用いられ得、任意のそのような構成要素は、射出成形、鋳造、押し出し、機械加工、スタンピング、ルーティング、成形、または現在知られているもしくは今後開発される他の任意の技術などによって製造または形成されることを理解されたい。関連して、そのような構成要素は、ここでもまた一体的に形成され得るか、または別々に形成され得、次いで、締結、接着、溶接、オーバーモールディングもしくはコイニング、圧入、スナップ、または現在知られているもしくは今後開発される他の任意のそのような技術を含むがこれらに限定されない、現在知られているまたは今後開発される任意の組み立て技術を用いて、任意の適切な二次操作で組み立てられ得るか、または当然のことながら、別個に形成され、次いで、本明細書に記載するように恒久的に係合するのではなく、取り外し可能に構成されてもよい。同様に、図24および25Aの特定の第1の例示的な実施形態が図示および説明されているが、本発明の態様によるインソール140は、材料、材料を層状にする順序、および材料の層を係合させる手段という観点において様々な層から形成され得ることが理解されたい。一般に、ポリプロピレン、Korex(登録商標)または他のブランドの独立気泡ビニルフォーム、およびエチレン酢酸ビニル(「EVA」)等の材料が、そのようなインソール140に用いられてもよく、そのいずれもがPlastazote(登録商標)もしくは他のブランドの独立気泡架橋ポリエチレンフォーム、Procell(登録商標)もしくは他のブランドの連続気泡ポリウレタンフォーム、またはPoron(登録商標)もしくは他のブランドのマイクロセルラーポリウレタンフォームで潜在的にコーティングされているか、またはそれらの最上層もしくはカバーを有する。実際に、今度は図25Bのさらなる代替の例示的な実施形態を参照すると、インソール140の主要部分は、代わりに3層構造であってもよく、ここでは、Plastazote(登録商標)もしくは他のブランドの独立気泡架橋ポリエチレンフォームの上部層146、Poron(登録商標)または他のそのようなマイクロセルラーポリウレタンフォームの中間層148、およびエチレン酢酸ビニル(「EVA」)の下層150を含む。下層150の底面に取り外し可能かつ再位置付け可能に固定されるのは、図25Bに矢印で示されるように、一体型ロッカー基部152および部材154である。ここでもまた、そのようなロッカーアセンブリ152、154と、一緒になってインソール140を画定する1つ以上の層146、148、150との間のそのような取り外し可能な係合は、両面テープおよびVelcro(登録商標)面ファスナーを含むがこれに限定されない、現在知られているまたは今後開発される任意の適切な手段を介してもよい。限定ではなくさらなる例示として、両面テープ(図示せず)は、製造中に、裏当て紙(図示せず)が剥離された状態で、剛性ロッカー基部152の上向きの表面に予め設置されてもよく、この例では、両面テープを効果的に活性化させて、ロッカー基部152および一体型ロッカー部材154をインソール140の下層150の底面に必要に応じて配置できるようにする。例示的な実施形態において、そのようなロッカー基部152は、ロッカー部材154の両側で約25mm延在する。ここでもまた、当業者は、本発明の態様によるインソール140および関連する構成要素の様々な他の構成が可能であり、そのため、本明細書に図示および説明されるものは、単に例示的かつ非限定的なものとして理解されるべきであることを理解されたい。そのようなインソール140の「負荷軽減」特性に戻ると、ロッカー部材154の有無にかかわらず、本発明の態様による矯正具20内で用いた場合、通常のウォーキングシューズの負荷軽減性能または公開データによる従来技術のトータルコンタクトキャストと比較して、初期試験の結果は、本発明の特徴および態様の利点に関して非常に説得力がある。背景として、サードパーティのPedar(商標)Pressure Mapping Systemを使用して試験を行い、問題の各矯正具を装着した85キログラム(85kg)の被験者の前足部、中足部、および踵のピーク足底圧を少なくとも30歩にわたって測定した。基準点として、被験者が通常のウォーキングシューズを装着とき、前足部で測定されたピーク圧力は約310~360kPa/cmであり、中足部では約110~160kPa/cm、踵では約245~295kPa/cmであった。典型的な「トータルコンタクトキャスト」(「TCC」)に関する類似の公開データは、前足部で約175kPa/cm、中足部で約85kPa/cm、および踵で約145kPaの測定されたピーク圧力を示している(Pollo,F.E.,et al.,“Plantar Pressures in Fiberglass Total Contact Casts vs.a New Diabetic Walking Boot,”Foot&Ankle International,vol.24,no.1,1 Jan.2003,pp.45-49を参照のこと;また約180kPa/cmのTCCによる踵足底圧を示すArmstrong,David G.,and Shea,Susan S.,“Total Contact Casts and Removable Cast Walkers.Mitigation of Plantar Heel Pressure,”American Podiatric Medical Association,vol.89,no.1,Jan.1999も参照されたい)。先行技術の「トータルコンタクトキャスト」(「TCC」)は、糖尿病性足潰瘍(DFU)および足の足



底領域の他のそのような状態に苦しむ患者にとって非常に重要な圧負荷軽減に関しては、より一般的なフットウェアに比べて確かに改善されているように思われるが、依然として多くの改善の余地があり、その要求は本発明の態様による矯正具20によって満たされる。実際に、比較すると、図25Bのようなインソール140を有する図13に示されるようなAFO矯正具20を試験したところ、大幅に改善された足底圧負荷軽減の結果が得られた。最初に、任意選択的なロッカー部材154なしで、前足部で測定されたピーク圧は約125~175kPa/cmであり、中足部では約70~120kPa/cm、踵では約160~210kPa/cmであり、次いで、任意選択的なロッカー部材154を用いると、前足部で測定されたピーク圧は約80~130kPa/cmあり、中足部では再び約70~120kPa/cmであり、踵では約125~175kPa/cmであった。これらは比較的小さなサンプルサイズであり、Pedar(商標)Pressure Mapping Systemを用いて実行された試験データは、実験計画において必ずしもPollo and Armstrongによって実行および報告されたTCC試験のものと同じではないが、本発明の態様による矯正具20の特徴が、実際にピーク足底圧をさらに著しく低減できるという初期の良好な証拠があり、特に任意選択的なロッカー部材154を用いた場合に使用における臨床的利益を提供することから、患者の中足部に均一に係合し、これにより前足部および踵の圧力が中足部に伝達され、そのために前足部および踵領域の負荷が軽減されることを理解されたい。ここでもまた、当業者は、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、本発明の態様に従って、AFO矯正具20ならびに任意のインソール140およびロッカー部材154の様々な他の構成および組み合わせが可能であり、それらにより、さらなる負荷軽減および他の利点を実現することができることを理解するであろう。限定ではなくさらなる例示として、当業者は、特定の状況において、AFO矯正具20およびインソール140とロッカー部材154との組み合わせが、矯正具20を付けた患足と従来のフットウェアを付けた非患足との間の高さの差を縮小できることを理解するであろう。ギプスまたはウォーカーを着用していて、一方の足または脚と他方の足または脚に比較的大きな高さの差がある患者において、脊椎、背中、および股関節の疼痛を含む他の合併症を軽減するという観点から、たとえ小さなまたはわずかな差であっても、経時的に顕著な違いが生じる場合があることを理解されたい。
【0053】
簡単にかつ最後に、図26を参照すると、本明細書に開示されるかまたは他の矯正装置20に使用するための本発明の態様によるなおもさらなる例示的なインソール140の上面図が示されており、そのようなインソール140の「ブランク」は、何らかの方法で水平方向にまたはその長手方向軸の周りで反転させることにより、右足と左足の両方の用途として機能するかまたは使用できるという点で、本質的に汎用性である。特に、図示されるように、いかなる材料(複数可)および構造のインソール140も、アーチおよび/またはヒールカップに隆起したまたは予備成形された領域を有する等、輪郭領域156を有するように形成され得る。また、任意のそのようなインソール140を矯正装置20(例えば、図1および13)内に配置する前に医師によるそのような取り付けを補助するために、1つ以上の横方向のトリムライン158によって示されるように、またさらにはその上に提供されるように、そのような汎用性のインソール140は、その遠位端で長さおよび形状にトリミング可能であるようにさらにカスタマイズ可能である
【0054】
前述のことから、本明細書に記載されているかまたは他の材料および層構成のいずれかの本発明の態様によるインソール140は、成形中にオプションの取り付け可能なロッカー154の有無にかかわらず、本明細書に記載のカスタム成形可能なAFO矯正具20によって達成されるのと同じ有益な負荷軽減および圧力分配効果を少なくともある程度付与および達成するように、石膏またはグラスファイバー製のギプス(図示せず)の内側に取り付けることもできる。より一般的には、当業者は、本発明の態様による装置20の1つ以上の構成要素の特徴の様々な組み合わせが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、図示および説明されるもの以外の多くの他の方法で組み合わされ得ることを再度理解するであろう。
【0055】
本明細書の態様はまた、以下のように記載され得る:
【0056】
1.矯正装置であって、第1のシェル部材および対向する第2のシェル部材であって、第1のシェル部材は第1の前縁および反対の第1の後縁を有し、第2のシェル部材は第2の前縁および反対の第2の後縁を有する、第1のシェル部材および第2のシェル部材と;第1の前縁に固定された前部の第1のジッパーストリップおよび第2の前縁に固定された前部の第2のジッパーストリップによって、それぞれの第1および第2の前縁に接合され、それらを選択的に閉じる、前部ジッパーアセンブリと;第1の後縁に固定された後部の第1のジッパーストリップおよび第2の後縁に固定された後部の第2のジッパーストリップによって、それぞれの第1および第2の後縁に接合され、それらを選択的に閉じる、後部ジッパーアセンブリと、を含み;装置の熱活性化が、固定化される患者の身体部位の周りで第1および第2のシェル部材の適合配置を可能にし;前部および後部ジッパーアセンブリの選択的閉鎖が、第1および第2のシェル部材をそれぞれの第1および第2の前縁および後縁に沿って接合して患者の身体部位の周りに前記装置を設置し;装置の冷却により、第1および第2のシェル部材が患者の身体部位に適合するように固化し;前部および後部ジッパーアセンブリの一方または両方を選択的に開くと、第1および第2のシェル部材がそれぞれの第1および第2の前縁および後縁の一方または両方に沿って分離し、患者の身体部位から装置を取り外して除去することができ、前部および後部ジッパーアセンブリの一方の少なくとも一部が、使用中の装置の除去および交換を容易にするために、固化した第1および第2のシェル部材の選択的なヒンジ連結を可能にする、矯正装置。
【0057】
2.上端および反対の下端を有し、前部および後部ジッパーアセンブリの少なくとも一方が、装置の下端で第1および第2のシェル部材を越えて遠位に延在する、実施形態1の装置。
【0058】
3.後部ジッパーアセンブリの遠位端は、装置の下端で第1および第2のシェル部材を越えて遠位に延在する、実施形態1または実施形態2の装置。
【0059】
4.後部ジッパーアセンブリは、対応する少なくとも1つのシェルファスナー部材と選択的に係合するために、その内面に少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材を含む、実施形態3の装置。
【0060】
5.第1のシェルファスナー部材は、第1のシェル部材の第1の下端に隣接する前部の第1のジッパーストリップ上に形成され、第2のシェルファスナー部材は、第2のシェル部材の第2の下端に向かって前部の第2のジッパーストリップ上に形成され、後部の第1のジッパーストリップファスナー部材は、第1のシェルファスナー部材との選択的係合のために、第1のシェル部材の第1の下端の遠位にある後部の第1のジッパーストリップ上に形成され、後部の第2のジッパーストリップファスナー部材は、第2のシェルファスナー部材との選択的係合のために、第2のシェル部材の第2の下端の遠位にある後部の第2のジッパーストリップ上に形成される、実施形態4の装置。
【0061】
6.トウボックスが前記後部ジッパーアセンブリの前記遠位端に組み込まれ、前記少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材の対応する少なくとも1つのシェルファスナー部材との選択的係合が、前記装置の前記下端を覆う湾曲した閉鎖位置に前記トウボックスを選択的に固定するのに役立ち、前記少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材の対応する少なくとも1つのシェルファスナー部材からの選択的な解放が、前記装置の前記下端から離れて枢動する開放位置に当ボックスを選択的にシフトさせるのに役立ち、熱活性化および形成中に、トウボックスの調整性によって単一の装置が様々な足のサイズに対応することが可能になる、実施形態4または5の装置。
【0062】
7.トウボックスは、後部ジッパーアセンブリと取り外し可能に係合される、実施形態6の装置。
【0063】
8.トウボックスの内面は、少なくとも1つのジッパーストリップファスナー部材に選択的に係合する、実施形態7の装置。
【0064】
9.トウボックスは、トウボックスを後部ジッパーアセンブリの遠位端に選択的に固定するように、後部の第1および第2のジッパーストリップファスナー部材に取り外し可能に係合するように構成された外面を有する、実施形態8の装置。
【0065】
10.トウボックスは、前記後部ジッパーアセンブリと一体である、実施形態6の装置。
【0066】
11.トウボックスは、前記後部ジッパーアセンブリの前記それぞれの後部の第1および第2のジッパーストリップに固定され、かつそこから横方向に延在する対向する第1および第2のトウボックス部材を含む、実施形態10の装置。
【0067】
12.第1のシェル部材から第1のトウボックス部材にまたがる第1の補強材および第2のシェル部材から第2のトウボックス部材にまたがる第2の補強材が、後部ジッパーアセンブリと協働してトウボックスを安定させ、トウボックスが装置の下端に対して選択的に枢動できるようにする、実施形態11の装置。
【0068】
13.後部ジッパーアセンブリは、滑り止め材料と選択的に係合するように、その外面に少なくとも1つの取り付け材料を含む、実施形態11または実施形態12の装置。
【0069】
14.第1の取り付け材料が、第1のトウボックス部材および第1のシェル部材の第1の底部分にまたがる後部の第1のジッパーストリップに沿って適用され、第2の取り付け材料が、第2のトウボックス部材および第2のシェル部材の第2の底部分にまたがる後部の第2のジッパーストリップに沿って適用され、滑り止め材料が第1および第2の取り付け材料の両方に取り外し可能に係合し、それぞれの第1および第2のシェル部材の第1および第2の底部分で後部ジッパーアセンブリの少なくとも一部を覆う、実施形態11~13のいずれかの装置。
【0070】
15.第1の滑り止め材料が第1の取り付け材料と取り外し可能に係合し、第2の滑り止め材料が第2の取り付け材料と取り外し可能に係合する、実施形態14の装置。
【0071】
16.トウボックスは、集束することなく、トウボックスの選択的な屈曲を容易にする外側の突起を備えて形成される、実施形態6~15のいずれかの装置。
【0072】
17.第1の突起は、後部の第1のジッパーストリップから横方向に離れて第1のトウボックス部材から延在し、第2の突起は、後部の第2のジッパーストリップから横方向に離れて第2のトウボックス部材から延在する、実施形態16の装置。
【0073】
18.トウボックスは熱成形材料である、実施形態6~17のいずれかの装置。
【0074】
19.装置の熱活性化および形成中の伸縮性を高め、装置の設定および使用中の通気性を高めるように構成された開口領域をさらに含む、実施形態1~18のいずれかの装置。
【0075】
20.それぞれの第1および第2の下端に隣接するそれぞれの第1および第2のシェル部材に形成された第1の下部開口領域および第2の下部開口領域をさらに含む、実施形態19の装置。
【0076】
21.第1および第2の下端の反対のそれぞれの第1および第2の上端に隣接するそれぞれの第1および第2のシェル部材に形成された第1の上部開口領域および第2の上部開口領域をさらに含み、装置の上端を形成する際により大きなサイズの変動に対応するために、第1および第2の上部開口領域の開口部は第1および第2の下部開口領域の開口部よりも比較的大きい、実施形態20の装置。
【0077】
22.第1および第2の上部開口領域の開口部は菱形である、実施形態21の装置。
【0078】
23.装置の上端と下端との間のそれぞれの第1および第2のシェル部材に形成された第1の中間開口領域および第2の中間開口領域をさらに含む、実施形態19~22のいずれかの装置。
【0079】
24.第1および第2の中間開口領域の開口は、第1および第2の上部開口領域ならびに第1および第2の下部開口領域の両方の開口よりも比較的小さい、実施形態23に記載の装置。
【0080】
25.前部および後部ジッパーアセンブリは、たとえ熱活性化され、成形可能な場合であっても、装置における縦方向の非伸縮性ゾーンに寄与する、実施形態1~24のいずれかの装置。
【0081】
26.第1のシェル部材は、第1のコーティングを有する第1の基材を含み、第2のシェル部材は、第2のコーティングを有する第2の基材を含む、実施形態1~25のいずれかの装置。
【0082】
27.第1および第2の基材は熱成形材料である、実施形態26に記載の装置。
【0083】
28.第1および第2のコーティングは、シリコーンおよびポリウレタンからなる群から選択される、実施形態26または実施形態27の装置。
【0084】
29.前部ジッパーアセンブリは、前部上部および下部ジッパープルを含み、後部ジッパーアセンブリは、後部上部および下部ジッパープルを含む、実施形態1~28のいずれかの装置。
【0085】
30.後部ジッパーアセンブリは、第1および第2の後縁よりも約20%長い、実施形態1~29のいずれかの装置。
【0086】
31.後部ジッパーアセンブリは、第1および第2の後縁よりも15%~25%長い範囲である、実施形態30の装置。
【0087】
32.第1および第2のシェル部材は対称的である、実施形態1~31のいずれかの装置。
【0088】
33.上面と反対の下面とを有し、上面が装置の上端の方を向くように装置内で第1および第2のシェル部材の間に選択的に位置付け可能なインソールをさらに含む、実施形態1~32のいずれかの装置。
【0089】
34.インソールは複数の層を含む、実施形態33に記載の装置。
【0090】
35.少なくとも1つの層は熱成形材料である、実施形態34の装置。
【0091】
36.少なくとも1つの層は独立気泡フォームである、実施形態34または実施形態35の装置。
【0092】
37.独立気泡フォームは上面にある、実施形態36の装置。
【0093】
38.少なくとも上層、上層に隣接する中間層、および中間層に隣接する下層を含む、実施形態34~37のいずれかの装置。
【0094】
39.上層は独立気泡架橋ポリエチレンフォームであり、中間層はマイクロセルラーポリウレタンフォームであり、下層はエチレン酢酸ビニルである、実施形態38の装置。
【0095】
40.インソールは圧縮可能である、実施形態33~39のいずれかの装置。
【0096】
41.インソールは、下面から離れて延在するロッカーをさらに含む、実施形態33~40のいずれかの装置。
【0097】
42.ロッカーは、インソールと一体である、実施形態41の装置。
【0098】
43.ロッカーは、インソールに取り外し可能に係合可能である、実施形態41の装置。
【0099】
44.ロッカーは、ロッカー基部およびロッカー部材を含む、実施形態41~43のいずれかの装置。
【0100】
45.ロッカー基部およびロッカー部材が一体である、実施形態44の装置。
【0101】
46.ロッカー基部がインソールの下面に対して選択的に再位置付け可能であるように、ロッカー基部はインソールの下面と取り外し可能に係合可能である、実施形態44または実施形態45の装置。
【0102】
47.ロッカー部材がロッカー基部に対して選択的に再位置付け可能であるように、ロッカー基部およびロッカー部材は取り外し可能に係合可能である、実施形態44~46のいずれかの装置。
【0103】
48.ロッカーは、熱活性化されると、装置の第1および第2のシェル部材に対応する底部ロッカー機構を形成し、その中にインソールおよびロッカーが形成される、実施形態41~47のいずれかの装置。
【0104】
49.インソールはトリミング可能である、実施形態33~48のいずれかの装置。
【0105】
50.インソールの上面および下面の少なくとも一方にトリムラインが提供される、実施形態49の装置。
【0106】
51.第1のシェル部材と第2のシェル部材との間に選択的に位置付けられた膨張袋およびコールドセラピーパッドのうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態1~50のいずれかの装置。
【0107】
52.膨張袋が、膨張袋本体と、膨張袋本体と流体連通している膨張ラインとを含み、膨張ラインが、第1または第2のシェル部材に形成された開口部を通過する、実施形態51の装置。
【0108】
53.コールドセラピーパッドが、コールドセラピーパッド本体と、両方ともコールドセラピーパッド本体と流体連通している入口ラインおよび出口ラインとを含み、入口および出口ラインが、第1または第2のシェル部材に形成された1つ以上の開口部を通過する、実施形態51の装置。
【0109】
54.装置の固定および取り付けを支援するために、第1および第2のシェル部材の周りに少なくとも1つのストラップをさらに含む、実施形態1~53のいずれかの装置。
【0110】
55.少なくとも1つのストラップが、除去するために破壊されなければならないコンプライアンスストラップを含む、実施形態54に記載の装置。
【0111】
56.実施形態1~55のいずれか1つに定義される矯正装置を用いる方法であって、熱成形可能な第1および第2のシェル部材を活性化するために装置を加熱するステップと、固定化される患者の身体部位の周りに可鍛性の第1および第2のシェル部材を位置付けることにより活性化された装置を適用するステップと、患者の身体部位に装置を固定するために前部および後部ジッパーアセンブリを閉じるステップと、装置が冷却して固化するにつれて、本体部分の周りに第1および第2のシェル部材を形成するステップと、を含む方法。
【0112】
57.身体部位は足を含み、活性化された装置を適用するステップは、足と第1および第2のシェル部材との間にインソールを位置付けることをさらに含む、実施形態56の方法。
【0113】
58.インソールの配置を容易にするために、少なくとも遠位端から足の踵まで後部ジッパーアセンブリを閉じるさらなるステップを含む、実施形態57に記載の方法。
【0114】
59.第1および第2のシェル部材を形成するステップ中に第1および第2のシェル部材に対応する底部ロッカー機構を形成するようにインソールの下面にロッカーを選択的に位置付けるさらなるステップを含み、底部ロッカー機構は装置の使用中に足底圧負荷軽減を提供する、実施形態57または実施形態58の方法。
【0115】
60.患者の足に基づいてインソールを適切な長さにトリミングするさらなるステップを含む、実施形態57~59のいずれかの方法。
【0116】
61.トウボックスを足指の周りで快適に屈曲および湾曲させることにより、装置の後部ジッパーアセンブリの遠位自由端に設置された熱成形可能なトウボックスを形成するさらなるステップを含む、実施形態57~60のいずれかの方法。
【0117】
62.トウボックスを所望の位置に取り外し可能に固定するために、後部ジッパーストリップファスナー部材をシェルファスナー部材に固定させるさらなるステップを含む、実施形態61の方法。
【0118】
63.装置を除去せずに患者のつま先を検査するために、トウボックスをヒンジで開くステップをさらに含む、実施形態61または実施形態62の方法。
【0119】
64.第1および第2のシェル部材の周りに1つ以上の保持ストラップまたはコンプライアンスストラップを適用するステップをさらに含む、実施形態56~63のいずれかの方法。
【0120】
65.装置の足底に滑り止め材料を適用するステップをさらに含む、実施形態56~64のいずれかの方法。
【0121】
66.滑り止め材料を適用するステップは、後方ジッパーアセンブリの少なくとも一部に沿って形成された取り付け材料に滑り止め材料を取り外し可能に取り付けることを含む、実施形態65の方法。
【0122】
67.第1および第2のシェル部材の間のヒンジ運動ならびに装置の選択的な取り外しおよび交換を可能にするために、前部および後部ジッパーアセンブリの少なくとも一方を全体的または部分的に開くステップをさらに含む、実施形態56~66のいずれかの方法。
【0123】
68.実施形態1~55のいずれか1つに定義される矯正装置を含む、キット。
【0124】
69.第1のシェル部材、第2のシェル部材、およびトウボックスを含む、実施形態68のキット。
【0125】
70.インソールをさらに含む、実施形態68または実施形態69のキット。
【0126】
71.複数のロッカーを含む、実施形態70のキット。
【0127】
72.1つ以上のメリヤスおよびライナーをさらに含む、実施形態68~71のいずれかのキット。
【0128】
73.1つ以上の滑り止めストリップをさらに含む、実施形態68~72のいずれかのキット。
【0129】
74.複数のストラップをさらに含む、実施形態68~73のいずれかのキット。
【0130】
75.膨張袋およびコールドセラピーパッドのうちの1つ以上をさらに含む、実施形態68~74のいずれかのキット。
【0131】
76.指示資料をさらに含む、実施形態68~75のいずれかのキット。
【0132】
77.指示資料が、実施形態56~67のいずれか1つに定義される方法をどのように実施するかの指示を提供する、実施形態76に記載のキット。
【0133】
78.患者の身体部位を選択的に固定化するための、実施形態1~55のいずれか1つに定義される矯正装置の使用。
【0134】
79.使用は、実施形態56~67のいずれか1つに定義される方法を含む、実施形態78の使用。
【0135】
最後に、本明細書に図示および説明される本発明の例示的な実施形態に関して、選択的に成形され、適用され、除去されるように改良された矯正装置が開示および構成されることが理解されよう。本発明の原理は、図示および説明されるものを超える多くの構成で実施され得るため、本発明は、例示的な実施形態によって決して限定されるものではなく、一般に、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、多数の形態を取ることができることを理解されたい。また、本発明は、開示される特定の形状および構成材料に限定されず、代わりに、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、現在知られているまたは今後開発される、他の機能的に同等の構造または材料を伴い得ることも当業者には理解されよう。
【0136】
本発明を実施するために本発明者(複数可)に知られている最良の形態を含む、本発明の特定の実施形態が本明細書に記載されている。当然のことながら、これらの記載される実施形態の変形例は、前述の説明を読むと当業者に明らかになるであろう。本発明者(複数可)は、当業者がそのような変形例を適切に使用することを期待し、また本発明者(複数可)は、本明細書に具体的に記載される以外の方法で本発明を実施することを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙される主題の全ての修正および均等物を含む。さらに、それらの全ての可能な変形例における上記の実施形態の任意の組み合わせは、本明細書で別段の指示のない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、本発明に包含される。
【0137】
本発明の代替の実施形態、要素、またはステップの群分けは、限定的であると解釈されるべきではない。各群のメンバーは、個々に、または本明細書に開示される他の群のメンバーとの任意の組み合わせで言及および特許請求され得る。群の1つ以上のメンバーが、利便性および/または特許性のために群に含まれ得るか、または群から削除され得ることが予想される。任意のそのような包含または削除が起こる場合、本明細書は修正された群を包含し、したがって、添付の特許請求の範囲で使用される全てのマーカッシュ群の記載される説明を満たすものと見なされる。
【0138】
いくつかの実施形態において、本発明の主題の特定の実施形態を説明および請求するために使用される、成分の量、濃度、反応条件等の特性を表す数は、「約」または「およそ」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、いくつかの実施形態において、書面の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、特定の実施形態によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態において、数値パラメータは、報告される有効桁の数を考慮して、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の主題のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に記載される数値は可能な限り正確に報告されている。本発明の主題のいくつかの実施形態で提示される数値は、それらのそれぞれの試験測定値に見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含み得る。
【0139】
文脈上反対の指示がない限り、本明細書に記載される全ての範囲は、それらの終点を含むものとして解釈されるべきであり、制限のない範囲は、商業的に実用的な値のみを含むと解釈されるべきである。本明細書における値の数値範囲の列挙は、単に、その範囲内に含まれるそれぞれの個々の値を個別に参照する簡潔な方法として役立つことを意図している。本明細書で別段の指示のない限り、数値範囲の各個々の値は、それが本明細書で個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。同様に、全ての値のリストは、文脈上矛盾しない限り、中間値を含むものと見なされるべきである。
【0140】
実施形態または実施形態の態様に関する「~し得る(may)」または「~できる(can)」という用語の使用は、「~し得ない(may not)」または「~できない(can not)」という代替の意味も伴う。そのため、本明細書が、実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれ得るまたはそれを含むことができることを開示する場合、否定的な限定または排他的条件も明示的に意味され、ある実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部としては含まれ得ないまたはそれを含むことができないことを意味する。同様に、実施形態または実施形態の態様に関して「任意選択的に」という用語の使用は、そのような実施形態または実施形態の態様が本発明の主題の一部として含まれ得るか、または本発明の主題の一部として含まれ得ないことを意味する。そのような否定的な限定または排他的条件が適用されるかどうかは、特許請求される主題に否定的な限定または排他的条件記載されているかどうかに基づく。
【0141】
本発明を説明する文脈において(特に、以下の特許請求の範囲において)使用される用語「a」、「an」、「the」および類似の指示語は、本明細書で別段の指示のない限り、または明らかに文脈に矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含するものとして解釈されるべきである。さらに、特定された要素について「第1の」、「第2の」、「第3の」等の序数インジケータは、要素を区別するために使用され、そのような要素の必要とされるまたは限定される数を示したり暗示したりするものではなく、特に明記されない限り、そのような要素の特定の位置または順序を示すものではない。
【0142】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で別段の指示のない限り、または明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書の特定の実施形態に関して提供されるありとあらゆる例、または例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、単に本発明の主題の理解を容易にすることを意図するものであって、別途特許請求される本発明の主題の範囲に制限を課すものではない。本出願の文言は、本発明の実施に不可欠な、任意の特許請求されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0143】
本明細書における発明の概念から逸脱することなく、既に説明されたもの以外の多くのさらなる修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の主旨を除いて制限されるべきではない。さらに、本明細書と特許請求の範囲の両方を解釈する際、全ての用語は、文脈と一致して可能な限り広義に解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」という用語は、非排他的な様式で要素、構成要素、またはステップに言及するものとして解釈されるべきであり、言及される要素、構成要素、もしくはステップが存在し得る、利用され得る、または明示的に言及されていない他の要素、構成要素、もしくはステップと組み合わされ得ることを示す。本明細書の特許請求の範囲がA、B、C…およびNからなる群から選択されるものの少なくとも1つに言及する場合、本文はAプラスN、またはBプラスN等ではなく、群から1つの要素のみを必要としていると解釈されるべきである。
【0144】
本発明の態様を少なくとも1つの例示的な実施形態を参照して説明してきたが、本発明がそれに限定されないことは当業者によって明確に理解されるべきである。むしろ、本発明の範囲は、本明細書の任意の添付の特許請求の範囲またはその利益を主張する任意の特許出願と併せてのみ解釈されるべきであり、本発明者(複数可)が特許請求される主題が本発明であると考えることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図22
図23
図24
図25A
図25B
図26