(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】上り伝送および通信の方法と装置、基地局、端末、並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 72/08 20090101AFI20220711BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220711BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220711BHJP
H04W 16/14 20090101ALI20220711BHJP
【FI】
H04W72/08 110
H04W72/04 131
H04W16/28
H04W16/14
H04W72/04 133
(21)【出願番号】P 2020546379
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2019077561
(87)【国際公開番号】W WO2019192285
(87)【国際公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-09-04
(31)【優先権主張番号】201810300691.5
(32)【優先日】2018-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李新彩
(72)【発明者】
【氏名】趙亜軍
(72)【発明者】
【氏名】楊玲
(72)【発明者】
【氏名】徐漢青
【審査官】小林 正明
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107734713(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0289614(US,A1)
【文献】国際公開第2017/132985(WO,A1)
【文献】特表2019-504574(JP,A)
【文献】国際公開第2019/030237(WO,A1)
【文献】特表2017-537558(JP,A)
【文献】特表2020-527913(JP,A)
【文献】Huawei, HiSilicon,NR frame structure on unlicensed bands[online],3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1801370,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1801370.zip>,2018年03月02日
【文献】Qualcomm Incorporated,Further Details on PHY Layer Options for LAA[online], 3GPP TSG-RAN WG1#81 R1-152791,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_81/Docs/R1-152791.zip>,2015年05月29日
【文献】ZTE, Sanechips,Framework on potential solutions and techniques for NR-U[online],3GPP TSG RAN WG1 #92 R1-1801466,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_92/Docs/R1-1801466.zip>,2018年03月02日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上り伝送について、今回の上り伝送の検出受信を指示するための少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定することと、
前記自律伝送パラメータを基地局に送信することと、
前記自律伝送パラメータに基づいて前記基地局に上りデータを送信することと、を含
み、
前記自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に使用される少なくとも1つのスロットの実際のサブキャリア間隔SCSを含み、
前記自律伝送パラメータを確定することは、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送に使用される最初のM個(Mは0よりも大きい整数である)のスロットの実際のSCSを確定することを含み、
前記LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送の最初のM個のスロットの実際のSCSを確定することは、前記LBT動作の実行に成功したタイミングと前記LBT動作の実行に成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングとの間の時間領域長に基づいて、最も少ない時間領域長の専有信号の送信を原則として、前記今回の上り伝送の最初のM個のスロットの実際のSCSを確定することを含み、前記専有信号は、前記LBT動作の実行に成功したタイミングと前記LBT動作の実行に成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングとの間の時間領域長の伝送リソースを専有するために使用される、
上り伝送方法。
【請求項2】
前記自律伝送パラメータは
、今回の上り伝送のスタート伝送シンボル、今回の上り伝送で伝送するコーディングブロック群伝送情報CBGTI、MCOTの現在の残りのスロット数
、またはシンボル数のうちの少なくとも1つを
さらに含む、
請求項1に記載の上り伝送方法。
【請求項3】
前記自律伝送パラメータが前記スタート伝送シンボルを含む場合、前記スタート伝送シンボルを確定することは、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて前記スタート伝送シンボルを確定することを含む、
請求項2に記載の上り伝送方法。
【請求項4】
前記LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて前記スタート伝送シンボルを確定することは、前記LBT動作に成功したタイミングの後のK個目(Kは1
であるか、又は1以上かつ所定の閾値よりも小さい整数である)のシンボルを、前記スタート伝送シンボルとして確定することを含み、
前記Kは1であ
る場合、前記自律伝送パラメータは、今回の上り伝送の終点伝送シンボル、および/または、今回の上り伝送の時間領域長を更に含む、
請求項3に記載の上り伝送方法。
【請求項5】
前記上り伝送について少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定する前に、
基地局から送信された、少なくとも2つの伝送リソースを指示するための時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向情報が含まれたLBT動作の指示を受信することと、
前記LBT動作の指示に基づいて前記上り伝送リソースのうちの少なくとも1つに対してLBT動作を実行し、LBT動作に成功した伝送リソースのうちの少なくとも1つを選択して今回の上り伝送に用いることと、を更に含む、
請求項1に記載の上り伝送方法。
【請求項6】
端末から送信された、前記端末により確定されて今回の上り伝送の検出受信を指示するための少なくとも1つの自律伝送パラメータを受信することと、
前記自律伝送パラメータに基づいて前記端末から送信された上りデータを検出受信することと、
を含
み、
前記自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に使用される少なくとも1つのスロットの実際のサブキャリア間隔SCSを含み、
今回の上り伝送に使用される最初のM個(Mは0よりも大きい整数である)のスロットの実際のサブキャリア間隔SCSは、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて確定されているのもであり、
前記今回の上り伝送に使用される最初のM個のスロットの実際のサブキャリア間隔SCSは、前記LBT動作の実行に成功したタイミングと前記LBT動作の実行に成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングとの間の時間領域長に基づいて、最も少ない時間領域長の専有信号の送信を原則として、確定されているものであり、前記専有信号は、前記LBT動作の実行に成功したタイミングと前記LBT動作の実行に成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングとの間の時間領域長の伝送リソースを専有するために使用される、
上り伝送方法。
【請求項7】
前記端末から送信された少なくとも1つの自律伝送パラメータを受信する前に、
少なくとも2つの伝送リソースを指示するための時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向情報が含まれたLBT動作の指示を前記端末に送信することを更に含む、
請求項6に記載の上り伝送方法。
【請求項8】
前記時間領域指示情報は、前記端末のために設定された上り伝送期間を含み、前記時間領域指示情報は、前記上り伝送期間内で送信待ちの上りデータが存在すれば、直ちにLBT動作を実行することを前記端末に指示することに用いられ、または、
前記時間領域指示情報は、前記端末のために設定された上り伝送期間と、前記上り伝送期間内の各スロットが自律上り伝送を許容するか否かを表すためのスロット機会指示とを含み、前記時間領域指示情報は、前記端末に送信待ちの上りデータが存在する場合、前記スロット機会指示に基づき、前記上り伝送期間内からスロットを選択してLBT動作を実行することを指示することに用いられる、
請求項7に記載の上り伝送方法。
【請求項9】
前記周波数領域指示情報は、前記端末のために設定された少なくとも1つの上り伝送バンドと、前記上り伝送バンドが上り自律伝送を許容するか否かを表すためのバンド機会指示とを含み、前記周波数領域指示情報は、前記端末に送信待ちの上りデータが存在する場合、前記バンド機会指示に基づき、各前記上り伝送バンド内から周波数領域位置を選択してLBT動作を実行することを指示することに用いられる、
請求項7に記載の上り伝送方法。
【請求項10】
前記ビーム方向情報は、チャネルサウンディング参照信号SRSリソース構成における空間領域パラメータに基づいて確定される、
請求項7に記載の上り伝送方法。
【請求項11】
プロセッサと、メモリと、通信バスとを備え、
前記通信バスは、前記プロセッサと前記メモリとの間の接続通信を実現するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、請求項1に記載の上り伝送方法のステップを実現するように構成される端末。
【請求項12】
プロセッサと、メモリと、通信バスとを備え、
前記通信バスは、前記プロセッサと前記メモリとの間の接続通信を実現するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたコンピュータプログラムを実行し、請求項6に記載の上り伝送方法のステップを実現するように構成される端末。
【請求項13】
コンピュータプログラムが少なくとも記憶され、前記コンピュータプログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて請求項1に記載の上り伝送方法のステップを実現することができる記憶媒体。
【請求項14】
コンピュータプログラムが少なくとも記憶され、前記コンピュータプログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて請求項6に記載の上り伝送方法のステップを実現することができる記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信分野に関し、特に、上り伝送および通信の方法と装置、基地局、端末、並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
NR(New Radio、新しい無線・アクセス技術)において、上り伝送は、主に2種の方式を含み、一方がSUL(スケジューリング上り伝送)方式であり、他方がGrant-freeスケジューリングフリー上り伝送である。LTEのアンライセンス上りデータ伝送にAUL(自律上りアクセス)技術を導入した。しかし、全体的には、従来の上り伝送形態は柔軟性が高くないため、システムの伝送効率が良くなく、システムのリソースが十分に使用されず、通信システム全体の性能は十分に使用されず、ユーザ体験に影響を与える。
【0003】
従って、現在、上記問題を解決し、システム性能を向上させ、端末側のユーザ体験を増強するための新たな通信形態を早急に提供することが必要となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例に係る上り伝送および通信の方法と装置、基地局、端末、並びに記憶媒体は、主に解決する課題は、従来の上りスケジューリングフリー伝送形態における伝送柔軟性が十分ではなく、システムの伝送効率が高くないという問題を解決するための上り伝送形態を提供するとともに、従来の通信形態におけるシステムの通信リソースが十分に使用されず、システムの性能に影響を与えるという問題を解決するための通信形態を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示の実施例は、
上り伝送について、今回の上り伝送の検出受信を指示するための少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定することと、
自律伝送パラメータを基地局に送信することと、
自律伝送パラメータに基づいて基地局に上りデータを送信することと、
を含む上り伝送方法を提供する。
【0006】
好ましくは、自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に使用される少なくとも1つのスロットの実際のサブキャリア間隔SCS、今回の上り伝送のスタート伝送シンボル、今回の上り伝送で伝送するコーディングブロック群伝送情報CBGTIのうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
好ましくは、自律伝送パラメータが実際のSCSを含む場合、実際のSCSを確定することは、
LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送に使用される最初のM個(Mは0よりも大きい整数である)のスロットの実際のSCSを確定すること、および/または、
今回の上り伝送の最大チャネル専有時間MCOTの終了タイミングに基づいて今回の上り伝送に使用される最後のN個(Nは0よりも大きい整数である)のスロットの実際のSCSを確定すること、を含む。
【0008】
好ましくは、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて実際のSCSを確定することは、
基地局から送信された基礎間隔指示を受信し、LBT動作に成功したタイミングに基づいて基礎間隔指示により指定された基礎SCSを調整し、実際のSCSを取得するという方式1と、
LBT動作に成功したタイミングに基づき、基地局により指定された少なくとも2つの候補SCSのうちの1つを実際のSCSとして選択するという方式2と、
のうちの少なくとも1種を含む。
【0009】
好ましくは、今回の上り伝送の最大チャネル専有時間MCOTの終了タイミングに基づいて今回の上り伝送に使用される最後のN個のスロットの実際のSCSを確定することは、
基地局から送信された基礎間隔指示を受信し、MCOTの終了タイミングに基づいて基礎間隔指示により指定された基礎SCSを調整し、実際のSCSを取得するという方式1と、
MCOTの終了タイミングに基づき、基地局により指定された少なくとも2つの候補SCSのうちの1つを実際のSCSとして選択するという方式2と、
のうちの少なくとも1種を含む。
【0010】
好ましくは、自律伝送パラメータがスタート伝送シンボルを含む場合、スタート伝送シンボルを確定することは、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいてスタート伝送シンボルを確定することを含む。
【0011】
好ましくは、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいてスタート伝送シンボルを確定することは、LBT動作に成功したタイミングの後のK個目(Kは1以上かつ所定の閾値よりも小さい整数である)のシンボルをスタート伝送シンボルとして確定することを含む。
【0012】
好ましくは、Kは1であり、自律伝送パラメータは、今回の上り伝送の終点伝送シンボル、および/または、今回の上り伝送の時間領域長を更に含む。
【0013】
好ましくは、自律伝送パラメータがCBGTIを含む場合、CBGTIを確定することは、現在の伝送待ちのコーディングブロック群のうちの少なくとも1つを選択し、選択したコーディングブロック群のCBGTIを取得することを含む。
【0014】
好ましくは、自律伝送パラメータは、今回の上り伝送のハイブリッド自動再送要求HARQのプロセス番号、新たなデータ指示NDI、および冗長バージョンRV情報のうちの少なくとも1種を更に含む。
【0015】
好ましくは、上り伝送について少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定する前に、
基地局から送信された、少なくとも2つの伝送リソースを指示するための時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向情報が含まれたLBT動作の指示を受信することと、
LBT動作の指示に基づいて上り伝送リソースのうちの少なくとも1つに対してLBT動作を実行し、LBT動作に成功した伝送リソースのうちの少なくとも1つを選択して今回の上り伝送に用いることと、
を更に含む。
【0016】
本開示の実施例は、
端末から送信された、端末により確定されて今回の上り伝送の検出受信を指示するための少なくとも1つの自律伝送パラメータを受信することと、
自律伝送パラメータに基づいて端末から送信された上りデータを検出受信することと、
を含む上り伝送方法を更に提供する。
【0017】
好ましくは、端末から送信された少なくとも1つの自律伝送パラメータを受信する前に、
少なくとも2つの伝送リソースを指示するための時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向情報が含まれたLBT動作の指示を端末に送信することを更に含む。
【0018】
好ましくは、時間領域指示情報は、端末のために設定された上り伝送期間を含み、時間領域指示情報は、上り伝送期間内で送信待ちの上りデータが存在すれば、直ちにLBT動作を実行することを端末に指示することに用いられ、
または、
時間領域指示情報は、端末のために設定された上り伝送期間と、上り伝送期間内の各スロットが自律上り伝送を許容するか否かを表すためのスロット機会指示とを含み、時間領域指示情報は、送信待ちの上りデータが存在する場合、スロット機会指示に基づき、上り伝送期間内からスロットを選択してLBT動作を実行することを端末に指示することに用いられる。
【0019】
好ましくは、周波数領域指示情報は、端末のために設定された少なくとも1つの上り伝送バンドと、上り伝送バンドが上り自律伝送を許容するか否かを表すためのバンド機会指示とを含み、周波数領域指示情報は、送信待ちの上りデータが存在する場合、バンド機会指示に基づき、各上り伝送バンド内から周波数領域位置を選択してLBT動作を実行することを端末に指示することに用いられる。
【0020】
好ましくは、ビーム方向情報は、チャネルサウンディング参照信号SRSリソース構成における空間領域パラメータに基づいて確定される。
【0021】
本開示の実施例は、
上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行することと、
LBT動作により取得されたMCOTを確定することと、
MCOTについての多重関連情報を基地局に送信することにより、基地局が多重関連情報に基づき、上り伝送が完了した後のMCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御することと、
を含む通信方法を更に提供する。
【0022】
好ましくは、MCOTについての多重関連情報を基地局に送信することは、
MCOTの終了タイミングを表すことができる第1情報を前記多重関連情報として基地局に送信すること、および/または、
共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプを指示するための情報を前記多重関連情報として基地局に送信すること、
を含む。
【0023】
好ましくは、第1情報は、
MCOTの現在の残りのスロット数および/またはシンボル数と、
基地局が上り伝送に設定したフィードバックタイミングのMCOTにおける位置と、
のうちの少なくとも1種を含む。
【0024】
本開示の実施例は、
ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行してMCOTを開始する端末である最初伝送端末から送信されたMCOTについての多重関連情報を受信することと、
多重関連情報に基づいて最初伝送端末の上り伝送が完了した際にもMCOTに残り時間が存在すると確定した後、残り時間を多重するように共有伝送端を制御することと、
を含む通信方法を更に提供する。
【0025】
好ましくは、残り時間を多重するように共有伝送端を制御することは、
共有伝送端について、残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することと、
ターゲットの伝送リソースについて対応するタイプのLBT動作を実行した後、残り時間を用いて伝送するように共有伝送端を制御することと、
を含む。
【0026】
好ましくは、共有伝送端について、残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することは、
多重関連情報、送受信端情報およびビーム関係のうちの少なくとも1つに基づき、残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定し、送受信端情報は、共有伝送端が残り時間を多重して伝送するデータが最初伝送端末に関連するか否かを表すことに用いられ、ビーム関係は、共有伝送端に用いられるビーム方向と最初伝送端末の最初伝送ビーム方向との間の関係であり、最初伝送ビーム方向は、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送に使用されるビーム方向である。
【0027】
好ましくは、多重関連情報に基づいて残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することは、
多重関連情報に共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプを指示するための情報が含まれる場合、多重関連情報を解析して端末により指定されたLBT動作のタイプを確定することを含む。
【0028】
好ましくは、送受信端情報に基づいて残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することは、
送受信端情報が共有伝送端の伝送しようとするデータが最初伝送端末に関連することを表す場合、共有伝送端がランダムバックオフを有しないLBT動作を実行する必要があると確定することと、
送受信端情報が共有伝送端の伝送しようとするデータが最初伝送端末に関連しないことを表す場合、共有伝送端の最初伝送タイミングと最初伝送端末の最初伝送終了タイミングとの間の時間差△tに基づいて実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することと、を含み、
前記最初伝送タイミングは、共有伝送端が残り時間内でターゲットの伝送リソースについてタイプ1のLBT動作を実行すると仮定した場合の、伝送が許容される最初タイミングであり、最初伝送終了タイミングは、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送の終了タイミングであること。
【0029】
好ましくは、共有伝送端の最初伝送タイミングと最初伝送端末の最初伝送終了タイミングとの間の時間差△tに基づいて実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することは、
前記時間差△tがタイプ2のLBT動作を実行するために要する時間Tの第1所定時間閾値以下であれば、前記共有伝送端がタイプ1のLBT動作を実行する必要があると確定することと、
前記時間差△tがタイプ2のLBT動作を実行するために要する時間Tの第1時間閾値の第1所定時間よりも大きいが、所定の時間閾値である第2時間閾値の第2所定時間以下であれば、前記共有伝送端がタイプ2のLBT動作を実行する必要があると確定することと、
前記時間差△tが前記所定の時間閾値である第2時間閾値の第2所定時間値よりも大きければ、前記共有伝送端がランダムバックオフを有するLBT動作を実行する必要があると確定することと、
を含む。
【0030】
好ましくは、ビーム関係に基づいて残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することは、
共有伝送端に用いられるビーム方向が最初伝送端末の最初伝送ビーム方向と同じであれば、共有伝送端がタイプ2のLBT動作を実行する必要があると確定することと、
共有伝送端に用いられるビーム方向が最初伝送端末の最初伝送ビーム方向と異なれば、共有伝送端がランダムバックオフを有するLBT動作を実行する必要があると確定することと、
を含む。
【0031】
本開示の実施例は、
上り伝送について、今回の上り伝送の検出受信を指示するための少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定するように構成されるパラメータ確定ユニットと、
自律伝送パラメータを基地局に送信するように構成されるパラメータ送信ユニットと、
自律伝送パラメータに基づいて基地局に上りデータを送信するように構成されるデータ送信ユニットと、
を備える上り送信装置を更に提供する。
【0032】
好ましくは、自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に使用される少なくとも1つのスロットの実際のサブキャリア間隔SCS、今回の上り伝送のスタート伝送シンボル、今回の上り伝送で伝送するコーディングブロック群のブロック群識別子CBGTIのうちの少なくとも1つを含む。
【0033】
本開示の実施例は、
端末から送信された、端末により確定されて今回の上り伝送の検出受信を指示するための少なくとも1つの自律伝送パラメータを受信するように構成されるパラメータ受信ユニットと、
自律伝送パラメータに基づいて端末から送信された上りデータを検出受信するように構成されるデータ受信ユニットと、
を備える上り受信装置を更に提供する。
【0034】
本開示の実施例は、
上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行するように構成されるリスニングユニットと、
LBT動作により取得されたMCOTを確定するように構成される専有時間確定ユニットと、
MCOTについての多重関連情報を基地局に送信することにより、基地局が多重関連情報に基づき、上り伝送が完了した後のMCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御するように構成される情報送信ユニットと、
を備える第1通信装置を更に提供する。
【0035】
本開示の実施例は、
最初伝送端末は、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行してMCOTを開始する端末である最初伝送端末から送信されたMCOTについての多重関連情報を受信するように構成される情報受信ユニットと、
多重関連情報に基づいて最初伝送端末の上り伝送が完了した際にもMCOTに残り時間が存在すると確定した後、残り時間を多重するように共有伝送端を制御するように構成される多重制御ユニットと、
を備える第2通信装置を更に提供する。
【0036】
本開示の実施例は、
第1プロセッサ、第1メモリ、および第1通信バスを備え、
第1通信バスは、第1プロセッサと第1メモリとの間の接続通信を実現するように構成され、
第1プロセッサは、第1メモリに記憶された上り伝送プログラムを実行し、上記いずれか1項の第1上り伝送方法のステップを実現するように構成され、または、第1プロセッサは、第1メモリに記憶された第1通信プログラムを実行し、上記いずれか1項の通信方法のステップを実現するように構成される端末を更に提供する。
【0037】
本開示の実施例は、
第2プロセッサ、第2メモリ、および第2通信バスを備え、
第2通信バスは、第2プロセッサと第2メモリとの間の接続通信を実現するように構成され、
第2プロセッサは、第2メモリに記憶された第2上り伝送プログラムを実行し、上記いずれか1項の上り伝送方法のステップを実現するように構成され、または、第2プロセッサは、第2メモリに記憶された第2通信プログラムを実行し、上記いずれか1項の通信方法のステップを実現するように構成される基地局を更に提供する。
【0038】
本開示の実施例は、第1上り伝送プログラム、第2上り伝送プログラム、第1通信プログラム、および第2通信プログラムのうちの少なくとも1つが少なくとも記憶され、第1上り伝送プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて上記いずれか1項の上り伝送方法のステップを実現することができ、第2上りプログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて上記いずれか1項の上り伝送方法のステップを実現することができ、第1通信プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて上記いずれか1項の通信方法のステップを実現することができ、第2通信プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて上記いずれか1項の通信方法のステップを実現することができる記憶媒体を更に提供する。
【発明の効果】
【0039】
本開示の有益な効果は以下のとおりである。
【0040】
本開示の実施例に係る上り伝送および通信の方法と装置、基地局、端末、並びに記憶媒体によれば、関連技術における上り伝送の柔軟性、伝送効率が高くないという問題に対し、本開示の実施例に係る上り伝送形態において、端末側は、上り伝送について少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定した後、自律伝送パラメータを基地局に送信し、自律伝送パラメータに基づいて基地局に上りデータを送信することができる。基地局は、端末から送信された自律伝送パラメータを受信すると、これらの自律伝送パラメータに基づいて端末から送信されたデータを検出受信することができる。このように、端末は、現在の使用可能な伝送リソースに基づいてデータ伝送を柔軟に行うことができ、伝送リソースが基地局のスケジューリング要求を満たすまで受動的かつ柔軟性のないように待ってから伝送する必要がなく、端末側の伝送柔軟性を大きく増強し、システムの伝送効率および伝送リソースの利用率を向上させる。関連技術における伝送リソースが十分に使用されず、リソースの浪費をもたらし、システムの性能が高くないという問題に対し、本開示の実施例は通信形態を更に提供し、該形態において、ある端末、例えば、最初伝送端末は、上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行した後、LBT動作により取得されたMCOTを確定し、MCOTについての多重関連情報を基地局に送信することにより、基地局は多重関連情報に基づき、該MCOTに残り時間が存在するか否かを確定し、残り時間が存在すると確定した後、該MCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御し、これにより、最初伝送端末により開始されたMCOTのリソースは十分に使用でき、リソースの浪費を回避し、リソースの最適化構成の実現に寄与する。
【0041】
本開示の他の特徴および対応する有益な効果は、明細書の以下の部分で説明され、且つ、少なくとも一部の有益な効果は、本開示の明細書における記載により明らかとなることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本開示の実施例1に係る上り伝送方法のフローチャートである。
【
図2】本開示の実施例1における端末がLBT動作に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送の最初の伝送スロットの実際のSCSを確定する模式図である。
【
図3】本開示の実施例1における端末がMCOTの終了タイミングに基づいて今回の上り伝送の最後の伝送スロットの実際のSCSを確定する模式図である。
【
図4】本開示の実施例1における端末がLBT動作に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送のスタート伝送シンボルを確定する模式図である。
【
図5】本開示の実施例4に係る通信方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の実施例4における基地局が残り時間を多重するように共有伝送端を制御するフローチャートである。
【
図7】本開示の実施例5における基地局がMCOTの残り時間を多重するように同一のセルの端末を制御する模式図である。
【
図8】本開示の実施例5における基地局がMCOTの残り時間を多重するように共有伝送を制御する模式図である。
【
図9】本開示の実施例7に係る上り送信装置の構造模式図である。
【
図10】本開示の実施例7に係る上り受信装置の構造模式図である。
【
図11】本開示の実施例8に係る第1通信装置の構造模式図である。
【
図12】本開示の実施例8に係る第2通信装置の構造模式図である。
【
図13】本開示の実施例9に係る端末のハードウェアの構造模式図である。
【
図14】本開示の実施例9に係る基地局のハードウェアの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本開示のターゲット、技術案および利点をより明確にするために、以下、具体的な実施形態および図面を参照しながら本開示の実施例について更に詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は本開示を解釈するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0044】
(実施例1)
Grant-freeスケジューリングフリー伝送方式は、主に2種のタイプに分けられ、一方は、基地局が上位層により全ての伝送パラメータを半静的に設定し、時間/周波数領域リソース、MCS(Modulation and Coding Scheme、変調と符号化方式)、およびTBS(Transmission Block Size、伝送ブロックサイズ)等を含み、端末は、自体の伝送ニーズに応じ、データ伝送を行う必要があるか否かを確定し、必要があれば、設定された伝送パラメータに従ってデータ伝送を行う。他方は、SPSの基に伝送パラメータの繰り返し送信を加え、すなわち、時間/周波数領域リソース、MCS、およびTBS等のパラメータは、いずれも基地局がアクティブ化されたSPSの下り制御情報により指示するものである。
【0045】
しかし、上記上り伝送形態において、端末が上り伝送を行うには、基地局により指定された伝送パラメータに完全に依存する必要があり、現在の伝送条件が基地局により設定された伝送パラメータの要求を満たさないと、端末は受動的に待つ必要があり、基地局により指定された伝送パラメータに対応する伝送要求を満たすまでになってから、端末はデータ送信を行うことができるため、このような伝送形態は伝送の柔軟性が十分ではなく、システムの伝送効率が高くなく、これらの問題を解決するために、本実施例は上り伝送方法を提供し、
図1に示す上り伝送方法のフローチャートに示すとおりである。
【0046】
S102において、端末は、上り伝送について少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定する。
【0047】
本実施例において、端末は、上り伝送を行うとき、基地局により設定された伝送パラメータに完全に依存する必要がなく、少なくとも1つの伝送パラメータを自分で確定してもよい。端末により確定された伝送パラメータと基地局により設定された伝送パラメータとを区分するために、ここで、端末自体により確定された伝送パラメータを自律伝送パラメータと呼び、基地局により設定された伝送パラメータをスケジューリング伝送パラメータと呼ぶ。端末により確定された自律伝送パラメータと基地局により設定されたスケジューリング伝送パラメータとは同様に、いずれも端末の上りデータ伝送を指示するためのものであり、端末のデータ送信過程を指示することを含むだけでなく、端末から送信されたデータの基地局側による検出受信過程を指示するためにも用いられることが理解されるべきである。
【0048】
本実施例において、端末の自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に用いられる少なくとも1つのスロットの実際のSCS(subcarrier spacing、サブキャリア間隔)、今回の上り伝送のスタート伝送シンボル、今回の上り伝送で伝送するCBG(Coded Block Group、コーディングブロック群)のブロック群識別子CBGTI(Coded Block Group Transmission Information、コーディングブロック群伝送情報)のうちの少なくとも1つを含んでもよい。もちろん、いくつかの例において、自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に含まれる今回の上り伝送の時間領域長および/または今回の上り伝送の終点伝送シンボルを更に含んでもよい。別の例において、自律上り伝送パラメータは、今回の上り伝送のHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request、ハイブリッド自動再送要求)プロセス番号、新たなデータ指示NDI(New Data Indication)、および冗長バージョンRV(Redundancy Version)情報のうちの少なくとも1種を更に含む。好ましくは、いくつかの例において、端末の自律伝送パラメータは上記パラメータ全体の組み合わせであってもよいし、任意の一部の組み合わせであってもよい。
【0049】
端末が確定できる自律パラメータパラメータは実際のSCSを含み、例えば、端末は、今回の上り伝送の最初のM個のスロットの実際のSCSを確定することができ、ただし、Mの値は0よりも大きい整数である。端末は、上り伝送を行う前に、伝送リソースについてLBT(Listen Before Talk)処理を行う必要がある可能性があるため、対応する伝送リソースが空いて使用可能な状態にあるか否かを確定し、対応する伝送リソースが空いて使用可能である場合にのみ、端末はそれを用いてデータ伝送を行うことができる。通常のLBT動作は、ランダムバックオフを有しないLBT動作およびランダムバックオフを有するLBT動作に分けられる。ここで、ランダムバックオフを有しないLBT動作は、タイプ1およびタイプ2のLBT動作を更に含んでもよく、タイプ1のLBT動作とは、送信端がLBT動作を実行しないことを意味する。タイプ2のLBTとは、送信端がトラフィック送信を実行する前に、一定の時間(例えば、9usまたは16us等)内で、使用しようとするチャネルに対してアイドル感知(sense)を行い、この一定の時間の感知によりチャネルがアイドルであると確定した場合、データ伝送を行うと理解することを意味する。ランダムバックオフを有するLBT動作はタイプ3およびタイプ4のLBT動作を含み、両者の区別は、タイプ3のLBT動作が固定サイズのコンテンションウィンドウ(CW)を有するが、タイプ4のLBT動作において、コンテンションウィンドウのサイズが固定ではないことである。残りの部分では2種のLBT動作のタイプが類似し、送信端がコンテンションウィンドウから数値nをバックオフ値としてランダムに得るため、バックオフ値nは最大でコンテンションウィンドウの最大値CWを超えない。バックオフ値nは、送信端がLBT動作を行う際にリスニングまたはアイドル感知を行う回数を確定することができ、バックオフ値がnであるLBT動作に対してn+1回のアイドル感知を実行する。このn+1回のアイドル感知がいずれも使用しようとするチャネルがアイドルであると確定した場合にのみ、LBT動作は成功する。
【0050】
端末がタイプ2のLBT動作を実行するとき、LBT動作の結果が成功であれば、LBTに成功したタイミングは固定であり、必ずちょうどデータ伝送の開始タイミングにある。しかし、端末がランダムバックオフを有するLBT動作を実行する場合、LBTに成功したタイミングは固定ではないため、端末が伝送リソースについてLBT動作を実行する成功タイミングがスロットの境界でなければ、従来の態様により、端末は、スロットの境界になるまで待ってからデータ伝送を行う必要がある。このように、リソースの十分な使用、伝送効率の向上に不利であるため、本実施例において、端末は、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送の最初のM個のスロットの実際のSCSを自分で確定することができる。本実施例において、端末が最初のM個のスロットの実際のSCSを確定するための2種の態様を提供する。
【0051】
方式1:基地局から送信された基礎間隔指示を受信し、LBT動作に成功したタイミングに基づいて基礎間隔指示により指定された基礎SCSを調整し、実際のSCSを取得する。
【0052】
例えば、基地局があるBWP(Bandwidth Parts、帯域幅パート)に設定した基礎SCSが30KHzである場合、1つのスロットの長さは0.5msであり、端末が伝送リソースについてLBT動作を行う成功タイミングからあるスロットの終点タイミングまでの距離が0.3msであると仮定すると、
図2に示すように、ここで、Aは端末によるLBT動作の成功タイミングであり、Bは、基礎SCSでLBTに成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングである。AとBとの間の距離は0.3msである。従来の態様によれば、端末は、データ送信を行うために0.3ms待つ必要があり、この0.3msにおいて、端末は専有信号を継続的に送信して該伝送リソースを専有する必要がある可能性がある。しかし、本実施例に係る態様によれば、端末はLBT動作後の1つ目のスロットの実際のSCSを60KHzとすることができ、このように、1つ目のスロットの長さは0.25msになり、このように、LBTに成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングはCにあり、AとCとの間の距離は僅か0.05msであり、この場合、端末は0.05msの専有信号を送信すれば基地局に上りデータを送信することができる。
【0053】
上記例において、端末は、自体の上り伝送過程における最初のスロットに対応する実際のSCSのみを確定したが、前述した説明により分かるように、端末は最初のM個のスロットの実際のSCSを確定することができる。Mの値は1だけでなく、1よりも大きい整数であってもよく、例えば、Mの値は2、3、4、5……であってもよい。
【0054】
方式2:LBT動作に成功したタイミングに基づき、基地局により指定された少なくとも2つの候補SCSのうちの1つを実際のSCSとして選択する。このような確定方式の原理は方式1の原理に類似し、いずれも端末が専有信号を送信する時間を減少し、伝送効率を向上させることを目的とするが、端末が最終的に確定した実際のSCSは、基地局が予め指定した各候補SCSのうちの1つであり、例えば、基地局により提供されたSCSが30KHz、60KHz、120KHzを含む場合、上記状況に対し、端末は最終的に60KHzを1つ目のスロットの実際のSCSとして選択する。
【0055】
好ましくは、端末は、今回の上り伝送における最初の複数のスロットのために実際のSCSを確定するとき、上記2種の方式を組み合わせてもよい。例えば、方式1により1つ目のスロットの実際のSCSを確定し、方式2により2つ目のスロットの実際のSCSを確定する。
【0056】
端末により確定された実際のSCSは、今回の上り伝送の最後の1つまたは複数のスロットに属していてもよいことが理解されるべきである。その原因は、端末がある伝送リソースについてタイプ4のLBT動作を実行し、1つのMCOT(最大チャネル専有時間)を開始すると、該MCOT内で該伝送リソースを用いて伝送することができるためである。しかし、MCOTの終了タイミングがちょうどスロットの境界にあるとは限らない。この場合、関連技術において、最後の不完全なスロットを用いて伝送を行うことがなく、または一部のスロットにおけるあるシンボルだけを伝送できる可能性がある。しかし、本実施例において、端末は、今回の上り伝送のMCOTの終了タイミングに基づいて今回の上り伝送に使用される最後のN個のスロットの実際のSCSを確定することができ、Nは0よりも大きい整数である。
【0057】
同様に、端末は、以下の2種の方式のうちの少なくとも1種を採用し、今回の上り伝送に使用される最後のN個のスロットのために実際のSCSを確定してもよい。
【0058】
方式1:基地局から送信された基礎間隔指示を受信し、MCOTの終了タイミングに基づいて基礎間隔指示により指定された基礎SCSを調整し、実際のSCSを取得する。
【0059】
例えば、端末は、開始伝送タイミングからMCOTの終了タイミングまでの時間が0.8ms残っていることを確定し、基地局から送信された基礎スロットが0.5msで、対応するサブキャリア間隔が30KHzであると仮定すると、
図3に示すように、DはMCOTの終了タイミングであり、EおよびFは、それぞれMCOTにおける最後のスロットの開始境界および終点境界である。従来の態様によれば、端末は1つ目のスロットのみを用いて伝送を行う可能性がある。MCOTにおいて0.3msの時間が使用できないが、本実施例に係る上り伝送方法によれば、端末は、MCOTの終了タイミングに基づいて最後のスロットの実際のSCSを基礎SCSの30KHzから60KHzに調整することができ、このように、最後のスロットの長さは0.25msになる。調整により、最後のスロットの終点境界はGになり、1つ目のスロットの長さが依然として0.5msであるため、端末はMCOTにおける0.75msの時間を効果的に用いて伝送を行うことができ、0.05msのみ残る。
【0060】
方式2:MCOTの終了タイミングに基づき、基地局により指定された少なくとも2つの候補SCSのうちの1つを実際のSCSとして選択する。
【0061】
例えば、基地局により提供されたSCSが15KHz、30KHz、60KHzを含む場合、上記状況に対し、端末は、最終的に60KHzを最後のスロットの実際のSCSとして選択する。本実施例のいくつかの例において、端末は、今回の上り伝送における全てのスロットに対応するSCSを60KHzとしてもよく、このように、MCOTは完全な時間長が0.25msである3つのスロットを含んでもよく、総時間長は依然として0.75msである。
【0062】
好ましくは、端末は、今回の上り伝送における最後の複数のスロットのために実際のSCSを確定するとき、上記2種の方式を組み合わせてもよい。例えば、方式1により最後のスロットの実際のSCSを確定し、方式2により最後から2つ目のスロットの実際のSCSを確定する。
【0063】
前述した説明により分かるように、端末は、最初のM個のスロットのために実際のSCSを確定する2種の方式と、最後のN個のスロットのために実際のSCSを確定する2種の方式とは、原理上でほぼ同じである。
【0064】
端末のLBTに成功したタイミングがスロットの境界にない場合、端末は、更に、以下の方式により専有情報の送信を減少してリソースの利用率を向上させることができる。
【0065】
本実施例において、端末は、LBT動作に成功したタイミングに基づいて上り伝送のスタート伝送シンボルを自ら確定することができ、例えば、端末は、LBT動作に成功したタイミングの後のK個目のシンボルをスタート伝送シンボルとすることを確定し、ただし、Kは1以上かつ所定の閾値よりも小さい整数であってもよい。通常、専有信号の送信を減少するために、端末は直接Kを1としてもよく、このように、LBTが成功すると、端末は最も近い伝送シンボルからデータ伝送を開始することができる。
【0066】
基地局に今回の上り伝送の持続過程を知らせるために、端末自体が今回の上り伝送のスタート伝送シンボルを確認した場合、すなわち、自律伝送パラメータがスタート伝送シンボルを含む場合、端末は、更に、今回の上り伝送の終点伝送シンボルおよび/または今回の上り伝送の時間領域長を共に自律伝送パラメータとして確定することができる。
【0067】
上記説明により分かるように、自律伝送パラメータはCBGTIを更に含んでもよく、つまり、本実施例において、端末は、今回の上り伝送過程においてどのCBGを伝送するかを自ら選択することができる。1つのTB(Transport Block、伝送ブロック)が4つのCBGを含むと仮定すると、該TBに対して初回の伝送を行う場合、端末はこの4つのCBGから任意の1つ、複数、または直接全てのCBGを選択して伝送することができ、今回の上り伝送過程において伝送しようとするCBGの識別子CBGTIが、今回の上り伝送における1つまたは複数の自律伝送パラメータのうちの1種であると確定する。端末が上り伝送を行うことは、TBに対して初回の伝送を行うことだけでなく、TBに対して再送を行うことであってもよいことが理解されるべきであり、例えば、あるTBにおけるCBG1、CBG2、CBG3、CBG4を初回に伝送した後、そのうちのCBG2およびCBG3の検出受信が失敗したことが基地局によりフィードバックされると、現在の伝送待ちのCBGは再送が必要なCBG2およびCBG3を含む。
【0068】
現在、1つのHARQプロセスに対応するTBのみに伝送待ちのCBGが存在すると仮定すると、端末は該TBにおける伝送が必要な各CBGのうちの1つまたは複数を任意に選択することができ、且つ、自律伝送パラメータはこれらの選択したCBGのCBGTIを含む。本実施例のいくつかの例において、端末は、該TBに対応するHARQのプロセス番号、新たなデータ指示NDI、および冗長バージョンRV情報のうちの少なくとも1種を同時に確定することができる。
【0069】
現在、1つ以上のHARQプロセスに対応するTBを伝送する必要があると仮定する場合、端末は、今回の上り伝送のHARQのプロセス番号を確定してから、該HARQプロセスに対応するTBから伝送待ちのCBGを選択し、CBGTIを確定することができる。もちろん、端末は、同様に、CBGTIおよびHARQのプロセス番号を自律伝送パラメータとする場合、NDIとRV情報とを共に自律伝送パラメータとして確定することができる。NDIは、現在伝送しているCBGにおけるデータが新しいデータであるか再送されたデータであるかを指示することに用いられる。TBのターボコーダー(turbo coder)を経たデータは3つのセグメントを含み、第1セグメントは基本データと考えられ、残りの2つのセグメントは冗長データであり、この3つのセグメントのデータは、1つのリング状バッファ領域内に順次設定されている。RV情報は、データの受信端がこのバッファ領域のどの位置からデータを取得するかを指示するものである。本実施例において、各RVバージョンは端末および基地局により予め約束されてもよく、上り伝送を行う度に、端末は、現在の上り伝送がどのRVバージョンを使用するかを確定することにより、現在のRV情報を自律確定することができる。
【0070】
本実施例の他のいくつかの例において、RVの使用順序は、基地局および端末により予め約束されてもよく、例えば、RVバージョンはバージョンA、バージョンB、およびバージョンCを含み、基地局および端末は、あるTBを1回目に伝送するとき、バージョンBを採用し、該TBを2回目に伝送するとき、バージョンCを採用し、該TBを3回目に伝送するとき、バージョンAを採用することを予め約束する。この場合、端末はRV情報を自ら確定する必要がなく、予め約束された順序で対応するRVバージョンを用いてデータを送信すれば良い。
【0071】
S104において、端末は自律伝送パラメータを基地局に送信する。
【0072】
端末は、自律伝送パラメータを確定した後、基地局がこれらの自律伝送パラメータに基づいて端末からの上りデータを受信するように、自律伝送パラメータを基地局に送信することができる。本実施例の一例において、端末は、自律伝送パラメータをUCI(Uplink Control Information、上りリンク制御情報)情報に担持させて基地局に送信することができる。UCI情報の伝送に対し、端末はPUCCH(Physical Uplink Control Channel、物理上りリンク制御チャネル)で伝送してもよいし、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel、物理上りリンク共有チャネル)で伝送してもよい。PUSCHでUCI情報を伝送する場合、端末は、該UCI情報をDMRS(Demodulation reference signal、復調参照信号)の所定位置に設定して送信することができる。PUSCHで自律伝送パラメータを伝送することは、上り伝送過程のスペクトルリソースに対する専有を減少し、スペクトルリソースの利用率を向上させることができる。
【0073】
S106において、基地局は自律伝送パラメータに基づいて端末と上りデータ伝送を行う。
【0074】
基地局は、DMRS信号に対応する位置からUCI情報を受信することにより、上りデータの検出受信を指示する作用を果たす自律伝送パラメータを取得することができる。その後、これらの自律伝送パラメータに基づき、端末から送信された上りデータを検出受信する。本実施例のいくつかの例において、端末から基地局に送信された自律伝送パラメータは、上り伝送に必要な全ての伝送パラメータを含み、この場合、基地局は、受信した自律伝送パラメータに基づいて上りデータの検出受信を行うことができる。本実施例の別の例において、端末自体が確定したのは、上り伝送に必要な伝送パラメータにおける一部だけであり、この場合、残りの部分の伝送パラメータは基地局により確定でき、例えば、基地局は、まず、端末にスケジューリング伝送パラメータを送信し、その後、端末は自律伝送パラメータおよびスケジューリング伝送パラメータに基づいて上りデータ送信を行う。基地局は、端末から送信された自律伝送パラメータを受信すると、自律伝送パラメータおよびスケジューリング伝送パラメータに基づいて上りデータを検出受信する。
【0075】
前述した説明により分かるように、端末は、上り伝送を行う前に、伝送リソースについてLBT動作を実行する必要のある可能性がある。本実施例において、端末がLBT動作を実行する対象となる伝送リソースは、基地局の指示により確定でき、例えば、基地局は端末にLBT動作の指示を送信する。ここでいう伝送リソースは、時間領域、周波数領域、ビーム方向により共通に確定でき、つまり、この3種のパラメータは1つの伝送リソースを確定することができ、そのうちの任意のパラメータが変化すると、対応する伝送リソースも変化する。LBT動作の指示には、LBT動作の伝送リソースを指定するための時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向指示情報が含まれる。基地局から送信されたLBT動作の指示に含まれる時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向指示情報が1つの伝送リソースしか確定できなければ、端末は、直接該伝送リソースについてLBT動作を行うことができる。本実施例のいくつかの例において、LBT動作の指示に含まれる時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向指示情報は、少なくとも2つの伝送リソースを同時に指示してもよい。LBT動作の指示で少なくとも2つの伝送リソースが指定された場合、端末は、これらの伝送リソースのうちの1つまたは複数を選択してLBT動作を行った後、LBT動作に成功した伝送リソースのうちの少なくとも1つを選択してデータ伝送を行うことができる。
【0076】
本実施例において、時間領域指示情報は端末のために設定された上り伝送期間を含んでもよい。該上り伝送期間は基地局の設定により確定される。本実施例の一例において、時間領域指示情報が該上り伝送期間のみを含む場合、該上り伝送期間にあれば、端末には現在基地局に送信する必要のあるデータが存在すれば、伝送リソースについてLBT動作を実行し、LBT動作に成功した後にデータ送信を行うことができる。
【0077】
本実施例の別の例において、時間領域指示情報は、基地局が端末のために設定した上り伝送期間を含むだけでなく、上り伝送期間内の各スロットが自律上り伝送を許容するか否かを表すためのスロット機会指示を更に含む。例えば、上り伝送期間全体のスロット機会指示はbitmapの形式で表現され、bitmapにおける各データビットが上り伝送期間における各スロットに対応し、基地局が、端末があるスロットで上り伝送を行うことを許容する場合、該スロットに対応するデータビットは「0」であり、許可しない場合、該スロットに対応するデータビットは「1」である。基地局により指示された上り伝送期間t1~t2が5つのスロットを含み、且つ該上り伝送期間に対応するbitmapが「01001」であれば、基地局は、端末が第1、3、4スロットで上り伝送を行うことを許容し、スロット2および5で端末が上り伝送を行う機会がないことを意味する。このような態様では、端末に送信待ちの上りデータが存在する場合、スロット機会指示に基づいて上り伝送を許容するスロットからスロットを選択してLBT動作を実行し、LBT動作に成功した後にデータ伝送を行う必要がある。
【0078】
周波数領域指示情報は、基地局が端末のために設定した少なくとも1つの上り伝送バンドと、上り伝送バンドが上り自律伝送を許容するか否かを表すためのバンド機会指示とを含み、このような周波数領域指示情報は前述した第2種の時間領域指示情報に類似し、送信待ちの上りデータが存在する場合、バンド機会指示に基づき、各上り伝送バンド内から周波数領域位置を選択し、選択した周波数領域位置に基づいてLBT動作を実行する伝送リソースを確定した後、該伝送リソースについてLBT動作を実行することを端末に指示することに用いられる。
【0079】
本実施例の一例において、バンド機会指示はbitmapの形式で表現されてもよく、例えば、1つの上り伝送バンドは、bitmapにおける1つのデータビットに対応し、該上り伝送バンド内に端末の上り伝送に使用される周波数領域位置が存在すれば、それに対応するbitmapのデータビットの数値は肯定を表し、存在しなければ、それに対応するbitmapのデータビットの数値は否定を表す。例えば、基地局は端末に2つのインターリーブユニット、それぞれインターリーブユニットAおよびインターリーブユニットBを指示すれば、bitmapに2つのデータビットが存在し、「0」は肯定を表し、「1」は否定を表す。1つのインターリーブユニットは、等間隔サイズのM個のRB(Resource Block、リソースブロック)またはN個のRE(Resource Element、リソースエレメント)を含み、ただし、MおよびNは、BWPのサイズまたはシステム帯域幅に関連する1つの数値であることが理解されるべきである。本実施例において、シグナリングオーバヘッドを減少するために、基地局により指定された各上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置は同じであり、インターリーブユニットを例とし、インターリーブユニットAにおける使用可能な周波数領域位置が番号1、3、5、7のサブキャリアであれば、インターリーブユニットBにおいて、使用可能な周波数領域位置も同様に番号1、3、5、7のサブキャリアである。これにより分かるように、基地局により指定された各上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置が同じである場合、基地局が1つの上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置を指定すれば、端末は各上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置を確定することができる。
【0080】
本実施例のいくつかの例において、ビーム方向情報は、SRS(Sounding Reference Signal、チャネルサウンディング参照信号)リソース構成における空間領域パラメータ情報により確定でき、1セットのSRS空間領域パラメータは1つのビーム方向に対応する。本実施例のいくつかの例において、1つのビーム方向情報は1つのSRSリソースセットを含んでもよく、SRSリソースセットは少なくとも2つのSRSを含み、各SRSは異なるビーム方向に対応する。
【0081】
本開示の実施例に係る上り伝送方法において、端末自体で1つまたは複数の自律伝送パラメータを確定した後、確定した伝送パラメータを基地局に送信し、これらの自律伝送パラメータに基づいて基地局と上りデータ伝送を行うことで、端末は現在の伝送環境等に応じて伝送ポリシーを柔軟に確定することができ、一途に基地局の指示に基づいて伝送する必要がなく、端末の自律上り伝送の柔軟性を向上させ、伝送効率および伝送リソースの利用率の向上に寄与する。
【0082】
(実施例2)
通信ニーズの爆発的な増加に伴い、スペクトルリソースはますまず緊張となり、指数型傾向にある増加のニーズを満たすために、余分なスペクトルを追加する必要がある。ライセンススペクトルの数が限られているため、通信プロバイダは問題を解決するために、無免許スペクトル、すなわち、アンライセンスキャリアを求める必要がある。ライセンスキャリアと比べ、アンライセンスキャリアは、無料/低料金、アクセス要求が低い、リソースが共有できる、および無線アクセス技術が多い、サイトが多い等の利点を有し、現在、3GPP技術は既にアンライセンスキャリアの伝送操作についての項目を確立して検討を進めている。
【0083】
通常、アンライセンスキャリアを用いてトラフィック伝送を行う前に、LBTまたはクリアチャネルの評価(Clear Channel Assessment、CCA)を行う必要があり。LBT動作とは、トラフィック伝送に使用する直前のキャリアをリスニングし、該キャリアが空いて使用可能であるか否かを確定する過程を指す。LBT動作の結果が成功しないと、デバイスは該アンライセンスキャリアでデータを送信することができない。アンライセンスキャリアLBTが成功する確率を向上させるために、データ伝送の機会を増加する。基地局は、RRC(Radio Resource Control、無線リソース制御)シグナリングにより、端末に複数の伝送リソースを設定することができ、この複数の伝送リソースは、端末が複数の伝送機会を有することができることを意味する。ここでのRRCシグナリングは、前述した実施例に記載されたLBT動作の指示に相当することが理解できる。
【0084】
本実施例において、基地局は端末に1つの周期TUを設定し、且つ、bitmapにより、この周期TU内の各スロット内にいずれも上り自律伝送機会があるか否かを指示する。端末に送信待ちの上りデータがある場合、現在の最も近い、上り自律伝送機会があるスロットを選択して対応する周波数領域位置およびビーム方向でLBT動作を実行することができる。
【0085】
また、伝送リソースの周波数領域情報を指示するために、基地局RRCシグナリングにおいて、端末に番号1~6の6つのインターリーブユニットを割り当て、それと同時に、bitmapの方式により、各インターリーブユニットにおいて該端末にデータ伝送の周波数領域リソースを割り当てたか否かを指示する。それと同時に、シグナリングにより、各インターリーブユニットにおいて番号が偶数のサブキャリアが該端末の使用可能な周波数領域位置であることを指示する。
【0086】
それと同時に、本実施例において、基地局は、SRSリソースセットにより、端末に複数の空間ビーム方向を設定し、異なるSRSは異なる空間ビーム方向に対応する。
【0087】
端末は、RRCシグナリングに基づいて基地局により指定された複数の伝送リソースを確定することができ、その後、これらの伝送リソースでLBTを実行し、成功した後、1つまたは複数の伝送リソースを選択してデータの上り自律伝送を行う。好ましくは、端末が複数の伝送リソースについてLBT動作を行う必要がある場合、端末は、同じ周波数領域位置、異なる空間ビーム方向でLBT動作を同時に実行してもよいし、または、異なる周波数領域位置、同じビーム方向でLBT動作を同時に実行してもよいし、あるいは、端末は、異なるタイミングで同じ周波数領域位置、同じビーム方向の複数の伝送リソースについて複数回のLBT動作を実行してもよい。複数の伝送リソースについてLBT動作を行うことにより、端末は、上りLBTの成功の確率を向上させ、アンライセンスキャリアの自律上り伝送の機会を増加することができる。
【0088】
LBT動作に成功した後、端末は自律上り伝送を行うことができ、実施例1の説明により分かるように、本実施例において、端末は一部の伝送パラメータを自ら確定することができ、端末により確定された自律伝送パラメータがSCSを含む場合、端末は、自体のLBTの成功タイミングからスロットの境界までの距離に基づき、専有信号の送信が最も少ないことを確保することを原則として少なくとも1つのスロットの実際のSCSを確定するとともに、該SCS値をUCI情報に含めて基地局に送信することができる。
【0089】
もちろん、端末の上り伝送の各スロットに対応するSCSは、他の方式により確定することもでき、例えば、以下のとおりである。
【0090】
方式1:端末および基地局は、あるチャネル、信号に用いられるSCSを予め約束する。このように、上り伝送のチャネルまたは信号が確定されると、端末は対応する実際のSCSを確定することができる。本実施例のいくつかの例において、基地局および端末は、1つのバンドに複数のSCSを設定してもよく、端末は上り伝送を行うとき、SCSを任意に選択し、基地局は上りデータの検出受信を行うとき、元に約束した複数のSCSを1つずつ試みることができる。
【0091】
方式2:基地局は半静的な設定の方式で端末にSCSを指示し、例えば、基地局は、SSB(Synchronous Signal Block、同期情報ブロック)情報、RMSI(Remaining System Information、残りのシステム情報)情報、およびRRCシグナリングのうちのいずれかにより、あるアンライセンスキャリアにおけるあるBWPに対応するSCSを端末に通知する。
【0092】
方式3:基地局は、DCIにより、あるMCOTまたはあるスロットのSCSを動的に指示する。好ましくは、基地局は、更に、スロットのbitmapの方式により各スロットのSCSを指示してもよい。あるいは、基地局および端末は、SCS指示を受信する度に、SCSを前のSCS値の基に1倍増加することを約束する。例えば、1つ目のスロットのSCSが15KHzであると仮定すると、基地局が2つ目のスロットに対するSCS指示を送信すれば、2つ目のスロットに対応するSCSは30KHzであることを意味する。複数の連続したスロットのSCSが一致する場合、基地局は、「開始スロット+連続したスロットの数」の形式で端末に通知することができ、例えば、基地局は、端末に「5+6」のようなSCS指示を送信すると、現在のSCSが5つ目のスロットから連続した6つのスロットのサブキャリアを指示することに用いられることを表す。
【0093】
方式4:基地局は、半静的+動的の組み合わせの方式により端末にSCSを指定し、例えば、基地局は、少なくとも2つの候補のSCSセットを半静的に設定した後、今回の上り伝送がどのSCSセットを採用するかを端末に動的に指示する。あるいは、基地局は、上り伝送の各中間スロットのSCSを半静的に設定した後、1つ目のスロットおよび/または最後のスロットのSCSを動的に指示してもよい。
【0094】
端末がランダムバックオフを有するLBT動作を実行し、且つLBT動作に成功したタイミングがスロットの境界ではない場合については、伝送リソースの利用率を向上させるために、本実施例において、端末は、上り伝送における少なくとも1つのスロットのSCSを自ら確定するほか、今回の上り伝送のスタート伝送シンボルを自ら確定する形態により問題を解決してもよい。本実施例において、端末のLBT動作の実行に成功したタイミングがスロットの境界ではない場合、端末は、LBTの成功タイミングに最も近い伝送シンボルから上りデータ伝送を行い、該スタート伝送シンボルをUCI情報により基地局に通知することができる。例えば、
図4に示すように、ある上り伝送過程において、端末のLBTの実行に成功したタイミングHがk個目のスロットの伝送シンボル5に最も近い。端末は、k個目のスロットの伝送シンボル5からデータ伝送を行うことができ、すなわち、伝送シンボル5をスタート伝送シンボルとするとともに、伝送シンボル5を表す情報、例えば、「0101」を基地局に送信する。
【0095】
更に、いくつかの場合、端末はスロットの境界からデータ伝送を終了することができず、この場合、端末は上りデータ伝送の終点伝送シンボルを基地局に通知する必要があり、例えば、
図4において、1つのMCOTの終了タイミングがM個目のスロットにおける伝送シンボル3に位置すると、端末は「0011」を送信することにより今回の上りデータ伝送の終点伝送シンボルを基地局に伝えることができる。もちろん、本実施例のいくつかの例において、端末は、上り伝送の終点伝送シンボルを直接伝える必要がなく、その代わりに、今回の上り伝送の時間領域長を基地局に伝えてもよい。一例において、端末から基地局に送信された自律伝送パラメータは時間領域長を含み、例えば、時間領域長が18個の伝送シンボルであれば、基地局は該情報により、端末の今回の上り伝送が18個の伝送シンボルを伝送し、スタート伝送シンボルから18個の伝送シンボルのデータを受信すると、今回の上り伝送が既に終了したことを意味することを確定することができる。
【0096】
本実施例に係る上り伝送方法は、端末がLBT動作を実行する過程について説明し、基地局は、複数の伝送リソースを端末に指示することにより、端末のLBT動作の成功確率を向上し、更に端末が上りデータ伝送を行う機会を増加し、端末側のユーザ体験を向上させる。
【0097】
更に、端末は、上り伝送過程における少なくとも1つのスロットの実際のSCSを自分で確定し、スロットSCSのサイズを増加することにより、1つの完全なスロットの長さを変更し、専有信号の送信を低減し、スペクトル利用率を向上させることができる。あるいは、端末は、LBTの成功タイミングに基づいて上り伝送のスタート伝送シンボル位置および終点伝送シンボル位置を選択することができ、上りデータ伝送の柔軟性を向上させ、リソースの利用率を向上させることができる。
【0098】
(実施例3)
当業者が実施例1における上り伝送方法の様々な詳細をより明らかにするために、本実施例は、前述した実施例の基に一部の詳細内容について更に説明し、本実施例は、主に自律伝送パラメータがCBGTIを含むことを例として説明する。
【0099】
端末によるLBTの実行に成功した後、端末は1つの周期内に1つのTBにおける1つまたは複数のCBGを伝送することができ、それと同時に、端末はUCI情報にCBGTI情報を担持し、好ましくは、CBGTI情報がbitmapの形式で表現され、今回の上り伝送がTBにおけるどのまたはどちらのCBGを伝送するかを基地局に指示する。同一回の上り伝送で伝送される各CBGが同じHARQプロセスを共有し、端末は、該HARQのプロセス番号も基地局に通知するとともに、NDI情報により、このHARQプロセスが新しいTBを伝送するか、既に伝送されたTBにおけるCBGを再送するかを指示することができることが理解されるべきである。
【0100】
例えば、基地局が半静的に設定した1つのTBに含まれるCBGの数が4つであり、端末がHARQプロセス2により該TB内の4つのCBGを初めて伝送した後、基地局がNACK情報をフィードバックし、且つNACK情報において、CBG2-CBG4の伝送が全て失敗したことを指示すると仮定すると、端末は、再送するとき、CBG2、CBG3、CBG4の3つのみから選択することができる。端末は、伝送が失敗した3つのCBGを同時に再送してもよく、そのうちの1つまたは2つのみを選択して再送してもよい。例えば、端末は、UCI情報においてbitmapでCBG2、CBG3、CBG4のCBGTIを表すことができ、例えば、bitmapが「0111」である。それと同時に、端末は、更に、今回の上り伝送に対応するHARQのプロセス番号「2」およびNDI情報を基地局に送信することもでき、基地局は該情報を受信すると、端末の今回の上り伝送が、HARQプロセス2の元のTBのCBG2-CBG4に対する再送であることを知る。
【0101】
RV情報については、この複数のCBGのRVは同じであり、端末および基地局は、毎回の伝送に使用されるRVバージョンを予め約束する。例えば、順序が「バージョン0、バージョン2、バージョン1、バージョン3」であれば、現在は1回目の再送であるが、実際は2回目の伝送であるため、RVバージョンは「バージョン2」であるべきである。データ伝送の両端が毎回の伝送に使用されるRVバージョンを予め約束したため、端末は、UCI情報にRV情報を担持する必要がない。本実施例のいくつかの例において、端末は、今回の上り伝送に用いられるRVバージョンを選択することができ、この場合、端末は、RV情報も自律伝送パラメータとしてUCI情報に担持させ、PUSCHの所定DMRS位置で基地局に送信してもよい。
【0102】
基地局は、上りデータを検出受信した後、bitmapの方式で今回の上り伝送の各CBGの受信状況をフィードバックしてもよい。
【0103】
本実施例に係る上り伝送方法において、端末は、上り伝送の対象となるCBGを自ら確定することができ、端末の上り伝送の柔軟性を大きく向上させる。
【0104】
(実施例4)
関連技術において、1つの端末に送信待ちの上りデータがある場合、基地局の指示に従い、上り伝送に使用する直前のターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作、例えば、タイプ4のLBT動作を行うことにより、1つのMCOTを開始し、その後、該MCOTで上り伝送を行うことができる。しかし、1つの端末の上り伝送がMCOTの全ての時間を専有する必要がない場合、MCOTにおける残り時間は無駄になるしかできず、別の伝送端が該ターゲットの伝送リソースを用いて伝送する必要がある場合、大量の時間をかけてランダムバックオフを有するLBT動作を再実行する必要がある可能性があり、これにより、システムの通信リソースが十分に使用されず、システムの伝送性能に影響を与える。上記問題を解決するために、本実施例は通信方法を提供する。当業者が本実施例の態様を理解しやすいために、該通信方法の詳細について説明する前に、ここでは、まず本実施例に使用されるいくつかの概念について説明する。
【0105】
「最初伝送端末」とは、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行してMCOTを開始する端末を指す。「共有伝送端」とは、最初伝送端末でMCOTを開始するが、その上り伝送が該MCOTを使い切らない場合、該MCOTにおける残り時間を多重してデータ伝送を行うデータ送信端を指す。「ターゲットの伝送リソース」とは、LBT動作に成功した後、最初伝送端末が上りデータ伝送を行うために用いる伝送リソースを指す。
【0106】
以下、
図5に係る通信方法のフローチャートを参照する。
【0107】
S502において、最初伝送端末は、上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行する。
【0108】
本実施例において、最初伝送端末の伝送リソースに対するLBT動作は、基地局のLBT指示に基づいて行うことができ、前述した実施例の説明により分かるように、基地局は、LBT指示、例えば、RRCシグナリングにおいて端末に複数の候補の伝送リソースを指定することができ、最初伝送端末は、この複数の候補の伝送リソースにおける一部または全ての伝送リソースについてLBT動作を実行した後、LBT動作に成功した伝送リソースのうちの少なくとも1つをターゲットの伝送リソースとして選択することができる。本実施例の別の例において、最初伝送端末は、候補の伝送リソースのうちの1つのみを選択してLBT動作を実行してもよく、成功すれば、該伝送リソースをターゲットの伝送リソースとし、成功しなければ、一時的にターゲットの伝送リソースがなく、データ伝送を行わないことを意味する。
【0109】
これにより分かるように、最初伝送端末がLBT動作を実行した伝送リソースは、必ずしもターゲットの伝送リソースではないが、ターゲットの伝送リソースは必ず最初伝送端末のLBT動作の対象となる。
【0110】
S504:最初伝送端末は、LBT動作により取得されたMCOTを確定する。
【0111】
いずれもターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行するが、LBT動作過程によって異なるMCOTを取得する可能性があり、本実施例のいくつかの例において、MCOTのサイズは、ランダムバックオフを有するLBT動作を実行する際のランダムバックオフ値のサイズに関連する。または、タイプ4のLBT動作を実行するコンテンションウィンドウのサイズに関連する。従って、LBT動作に成功した後、最初伝送端末は、今回のLBT動作により取得されたMCOTのサイズを確定することができる。
【0112】
S506:最初伝送端末は、MCOTについての多重関連情報を基地局に送信する。
【0113】
その後、最初伝送端末は、該MCOTについての多重関連情報を基地局に送信し、該多重関連情報により、基地局は、少なくとも、最初伝送端末の今回の上り伝送を完了した後、MCOTに共有伝送端がデータ伝送を行うための残り時間があるか否かを確定することができる。
【0114】
更に、本実施例のいくつかの例において、多重関連情報により、基地局は、現在MCOTに共有伝送端が使用可能な残り時間があるか否かを確定できるだけでなく、更に、基地局は、残り時間があると確定した場合、共有伝送端がターゲットの伝送リソースについてどのタイプのLBT動作を実行すべきであるかを確定することもできる。
【0115】
例えば、本実施例の一例において、最初伝送端末は、MCOTの終了タイミングを表すことができる第1情報を多重関連情報として基地局に送信することができ、このように、基地局は第1情報を受信すると、現在のタイミングに基づいて後続のタイミングが該MCOT内に属しているか否かを確定することができる。
【0116】
例えば、第1情報は、MCOTの現在の残りのスロット数および/またはシンボル数であってもよい。いくつかの場合、第1情報は、MCOTの現在の残りのスロット数のみを含み、例えば、MCOTに3つの完全なスロットおよび2つのシンボルが残った場合、最初伝送端末は、現在、4つのスロットが残っていることを基地局にフィードバックする。もちろん、このような場合、最初伝送端末は、残った実際の時間を残ったシンボル数に変換して基地局にフィードバックしてもよく、例えば、最初伝送端末の第1情報は、該MCOTに23個のシンボルが残っていることを表す。いくつかの場合、第1情報は、MCOTの現在の残ったシンボル数のみを含み、例えば、MCOTに5つのシンボルのみが残っている場合、最初伝送端末は、現在の残ったシンボル数が5であることを基地局にフィードバックする。同様に、この場合、最初伝送端末は、残った実際の時間を残ったスロット数に変換してフィードバックしてもよく、例えば、最初伝送端末から基地局に送信された第1情報は、該MCOTに5/7個のスロットが現在残っていることを表す。好ましくは、この2種の場合、最初伝送端末は、前述した2種の第1情報を組み合わせて基地局に指示してもよい。例えば、MCOTの残り時間に少なくとも1つの完全なスロットがある場合、最初伝送端末は、残ったスロット数のみを基地局に指示し、MCOTの残り時間が1つの完全なスロットを満たない場合、最初伝送端末は残ったシンボル数を基地局に指示する。
【0117】
別の例において、最初伝送端末は、基地局自体が今回の上り伝送に設定したフィードバックタイミングを知ることができ、基地局も該フィードバックタイミングを知っているため、最初伝送端末は、該フィードバックタイミングのMCOTにおける位置を基地局に指示し、フィードバックタイミングのMCOTにおける位置を第1情報として基地局に送信することができる。このように、基地局は、自分で設定したフィードバックタイミングと合わせてMCOTの終了タイミングを確定し、現在のタイミングからMCOTの終了までどのぐらいの時間が残っていることを確定することができる。
【0118】
好ましくは、第1情報は、MCOTの現在の残りのスロット数および/またはシンボル数を含むとともに、フィードバックタイミングのMCOTにおける位置を更に含んでもよい。
【0119】
本実施例の一例において、最初伝送端末は、共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプを指示するための情報を多重関連情報として基地局に送信することができ、このように、基地局は、多重関連情報を受信すると、解析すれば、共有伝送端がターゲットの伝送リソースについて実行するLBT動作のタイプを確定することができ、更にMCOTの残り時間に基づいて実行するLBT動作のタイプを確定する必要がない。
【0120】
多重関連情報が、前述第1情報と、最初伝送端末が基地局に指示した、共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプの情報とを同時に含むことも可能であることが理解されるべきである。本実施例のいくつかの例において、最初伝送端末は、自体の上り伝送の1つまたは一部のスロットで基地局に多重関連情報を送信することができるが、基地局が検出受信の失敗によりMCOTの終了タイミングを知ることができず、MCOTに残り時間があるか否かを確定できないという問題を回避するために、本実施例のいくつかの例において、最初伝送端末は、上り伝送の各スロット内で、いずれも基地局に多重関連情報を送信してもよい。
【0121】
S508:基地局は、多重関連情報に基づいて最初伝送端末の上り伝送が完了した際にもMCOTに残り時間が存在すると確定した後、残り時間を多重するように共有伝送端を制御する。
【0122】
基地局は、最初伝送端末から送信された多重関連情報を受信すると、まず、該多重関連情報に基づき、最初伝送端末の今回の上り伝送が完了した際にもMCOTに残り時間が存在するか否かを確定し、判断結果がYESであれば、基地局は残り時間を多重するように共有伝送端を制御することができる。本実施例において、共有伝送端は最初伝送端末自体であってもよく、基地局であってもよく、最初伝送端末と同一のセルに位置する他の端末、特に、最初伝送端末と地理的位置が近い、例えば、距離が予め設定された距離の閾値よりも小さい端末であってもよい。
【0123】
以下、基地局がMCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御する過程について説明し、
図6に示す基地局が残り時間を多重するように共有伝送端を制御するフローチャートを参照する。
【0124】
S602において、基地局は、共有伝送端について、残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定する。
【0125】
本実施例において、基地局は、多重関連情報、送受信端情報およびビーム関係のうちの少なくとも1つに基づき、残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することができる。前に説明したように、多重関連情報は、共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプを指示できる情報である可能性があるため、この場合、基地局は、多重関連情報を受信して多重関連情報を解析した後、共有伝送端がどのタイプのLBT動作を実行すべきであるかを確定することができる。
【0126】
以下、基地局が送受信端の情報に基づき、共有伝送端について、実行するLBT動作のタイプを確定する態様について説明する。
【0127】
ここでいう「送受信端情報」とは、共有伝送端が残り時間を多重して伝送するデータが最初伝送端末に関連するか否かを表すためのものを指し、例えば、残り時間を多重して行ったデータ伝送の送信端または受信端が最初伝送端末であれば、残り時間で伝送するデータは最初伝送端末に関連することを意味し、そうでなければ、残り時間で伝送するデータは最初伝送端末に関連しないことを意味し、例えば、基地局から同一のセル内の他の端末に送信され、または、同一のセル内の他の端末から基地局に送信され、この2種の場合のデータ伝送はいずれも最初伝送端末に関連しない。
【0128】
送受信端情報が共有伝送端の伝送しようとするデータが最初伝送端末に関連することを表す場合、基地局は、共有伝送端がランダムバックオフを有しないLBT動作を実行できると確定し、実施例1の説明により分かるように、ランダムバックオフを有しない処理は、タイプ1のLBT動作およびタイプ2のランダムバックオフ処理を含み、すなわち、共有伝送端がMCOT内の残り時間を多重する際に、ターゲットの伝送リソースについてLBTを実行しなくてもよいし、1つのt msの感知を実行してもよい。
【0129】
残り時間内で伝送するデータが最初伝送端末に関連する場合は、以下のような2種である可能性があり、一方は、最初伝送端末自体が共有伝送端とし、他方は、基地局が共有伝送端として最初伝送端末にデータ伝送を行うことが理解できる。第1種の場合、最初伝送端末が行うのは、スケジューリング上り伝送であってもよく、半静的かつ永続的にスケジューリングされた上り伝送であってもよく、自律上り伝送であってもよい。更に、残り時間内で最初伝送端末が行ったデータ伝送過程が、該最初伝送端末がMCOTを開始するときに行ったデータ伝送と連続している、すなわち、上り、下りの折り返し点がない場合、最初伝送端末はタイプ1のLBT動作を直接実行してもよい。
【0130】
送受信端情報が共有伝送端の伝送しようとするデータが最初伝送端末に関連しないことを表す場合、基地局は、共有伝送端の最初伝送タイミングと最初伝送端末の最初伝送終了タイミングとの間の時間差△tに基づいて実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することができる。ここでいう最初伝送終了タイミングは、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送の終了タイミングであり、最初伝送タイミングは、MCOTの残り時間内の共有伝送端の伝送が許容される最初タイミングであり、共有伝送端がタイプ1のLBT動作を実行することを基に確定される。すなわち、最初伝送タイミングは、共有伝送端が残り時間内でLBTを実行しないと仮定する場合、許容される最初伝送タイミングである。
【0131】
例えば、時間差△tが第1時間閾値以下であれば、該共有伝送端がタイプ1のLBT動作を実行する必要があると確定し、時間差△tが第1時間閾値よりも大きいが、第2時間閾値以下であれば、該共有伝送端がタイプ2のLBT動作を実行する必要があると確定し、時間差△tが第2時間閾値よりも大きければ、基地局は、該共有伝送端がランダムバックオフを有するLBT動作、例えば、タイプ4のLBT動作を実行する必要があると確定する。ここでの第1時間閾値および第2時間閾値は、所定2つの値であってもよい。
【0132】
以下、基地局がビーム関係に基づき、共有伝送端について、実行するLBT動作のタイプを確定する態様について説明する。
【0133】
ここでいう「ビーム関係」とは、共有伝送端に用いられるビーム方向と最初伝送端末の最初伝送ビーム方向との間の関係を指し、最初伝送ビーム方向は、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送に使用されるビーム方向であり、共有伝送端に用いられるビーム方向と最初伝送ビーム方向との両者間は同じであってもよいし、異なってもよい。好ましくは、共有伝送端および最初伝送端末の初回の上り伝送に用いられるビーム方向が同じであれば、基地局は、共有伝送端にタイプ2のLBT動作を実行させることを確定することができ、共有伝送端に用いられるビーム方向と最初伝送端末が該MCOTを開始した後の初回の上り伝送に用いられるビーム方向とが異なれば、基地局は、該共有伝送端がランダムバックオフを有するLBT動作を実行する、すなわち、タイプ3またはタイプ4のLBT動作を実行する必要があると確定する。
【0134】
S604において、基地局は、ターゲットの伝送リソースについて対応するタイプのLBT動作を実行した後、残り時間を用いて伝送するように共有伝送端を制御する。
【0135】
基地局は、共有伝送端がMCOTの残り時間を多重してデータ伝送を行うために、実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定した後、確定したタイプに従ってターゲットの伝送リソースについてLBT動作を実行するように対応する共有伝送端を制御することができる。
【0136】
好ましくは、共有伝送端が最初伝送端末と同一のセルに位置する他の端末であれば、基地局は、該ターゲットの伝送リソースを用いて該共有伝送端にLBT動作の指示を送信し、該LBT動作の指示で共有伝送端のLBT動作の対象およびLBT動作のタイプを指示することができる。本実施例のいくつかの例において、基地局は、ターゲットの伝送リソース以外の他の伝送リソースにより該共有伝送端にLBT動作の指示を送信してもよい。
【0137】
本実施例に係る通信方法において、最初伝送端末は、上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行した後、LBT動作により取得されたMCOTを確定し、MCOTについての多重関連情報を基地局に送信し、基地局は、多重関連情報に基づいて該MCOTに残り時間が存在するか否かを確定し、残り時間が存在すると確定した後、該MCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御することにより、最初伝送端末が開始したMCOTのリソースは十分に使用され、リソースの浪費を回避し、リソースの最適化構成の実現に寄与する。
【0138】
更に、本実施例の通信方法において、基地局が共有伝送端のためにLBT動作のタイプを確定できる複数種の態様を提供し、基地局がLBT動作のタイプを確定する方式は様々である。
【0139】
(実施例5)
本実施例は、実施例4に係る通信方法について更に説明し、
図7に示すとおりである。
【0140】
図7において、最初伝送端末は、基地局から送信されたRRCシグナリングの指示に従い、上りデータ伝送の前にランダムバックオフを有するLBT動作を行い、該LBT動作が開始したMCOTの開始タイミングおよび終了タイミングは、それぞれaおよびbである。
【0141】
最初伝送端末は、LBT動作に成功した後、MCOTで上りデータ伝送を行うことができ、ここでの上り伝送はスケジューリング上り伝送であってもよく、半静的かつ永続的にスケジューリングされた上り伝送であってもよく、自律上り伝送であってもよい。最初伝送端末のデータ伝送がスロット0およびスロット1を含み、最初伝送端末がスロット0およびスロット1でいずれも基地局に多重関連情報を送信し、該MCOTの残ったスロット数および/または残ったシンボル数を指示すると仮定すると、基地局がスロット0またはスロット1のデータを検出受信することに成功した後、該MCOTに一部の残り時間が存在することを確定できるため、基地局は共有伝送端に該残り時間を多重させることができる。
【0142】
本実施例において、共有伝送端が、最初伝送端末と同一のセルに位置して最初伝送端末との間の距離が予め設定された距離の閾値Dよりも小さい他の端末であると仮定し、説明しやすいために、ここで、このような端末を「同一のセルの端末」と略称する。基地局は、ターゲットの伝送リソースにおけるキャリアまたはBWPと異なるキャリアまたはBWPにより、同一のセルの端末をトリガしてSPS伝送を行ってもよいし、または、ターゲットの伝送リソースにおけるキャリアまたはBWPと異なるキャリアまたはBWPにより、同一のセルの端末をトリガしてSUL(スケジューリング上り伝送)の伝送を行ってもよい。
【0143】
もちろん、本実施例の他のいくつかの実例において、基地局は、ターゲットの伝送リソースにおけるキャリアまたはBWPを直接用いて同一のセルの端末をトリガしてSPS伝送またはSUL伝送を行ってもよい。
【0144】
本実施例の一例において、基地局は、スロット2の1つ目の伝送シンボルで同一のセルの端末にLBT動作の指示を送信し、ターゲットの伝送リソースについて対応するタイプのLBT動作を実行した後に上りデータ伝送を行うように同一のセルの端末をスケジューリングすることができる。
【0145】
本実施例の別の例において、基地局は、スロット1の最後の伝送シンボルで同一のセルの端末にLBT動作の指示を送信し、ターゲットの伝送リソースについて対応するタイプのLBT動作を実行した後に上りデータ伝送を行うように同一のセルの端末をスケジューリングすることができる。この場合、最初伝送端末は、同一のセルの端末がLBT動作を実行するように、スロット1の最後の伝送シンボル(すなわち、
図7における影領域に対応する伝送シンボル)を空ける必要がある。
【0146】
本実施例のいくつかの例において、共有伝送端は基地局自体であり、基地局の下り伝送のデータ受信端は、最初伝送端末であってもよいし、
最初伝送端末と同一のセルに位置する他の端末、例えば、同一のセルの端末であってもよい。
図8に示すように、同様に、最初伝送端末が開始したMCOTの開始タイミングおよび終了タイミングがそれぞれaおよびbであり、最初伝送端末のデータ伝送がスロット0およびスロット1を含み、且つ、最初伝送端末は、他の共有伝送端がLBT動作を実行するように、スロット1の最後の伝送シンボルを空けると仮定する。基地局は、スロット1の最後の伝送シンボルでLBT動作を実行した後、例えば、タイミングc~タイミングdの間の時間領域リソースがデータ受信端に下り制御情報を送信し、且つ、タイミングdから下りデータ伝送を行い始めてタイミングeまで終了することができる。タイミングe以降のMCOTの残り時間において、タイミングd~タイミングeの間のデータ受信端は上り伝送を再び行ってもよい。例えば、該データ受信端が最初伝送端末であれば、基地局は、AULの再送を行うように該最初伝送端末をスケジューリングすることができる。基地局は、タイミングc~タイミングdの間で送信する下り制御情報は、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送のACK/NACKフィードバック情報であってもよく、該下り制御情報において、基地局は、bitmap方式により初回に伝送するCBGまたはTBに対して検出受信状況のフィードバックを行うことができる。
【0147】
本実施例に係る通信方法において、最初伝送端末が開始した1つのMCOTにおいて、2つまたは2つ以上の上り-下りの折り返し点を含んでもよく、基地局は、MCOTの残り時間に基づいて残り時間を柔軟に用いるように自体または他の端末を制御することができ、伝送リソースをより効果的に使用し、システムの伝送性能を向上させる。
【0148】
(実施例6)
本実施例は、基地局が共有伝送端について、MCOTの残り時間を多重する際に実行するLBTのタイプを確定する態様について更に例を挙げて説明する。
【0149】
ある端末が最初伝送端末として、ターゲットの伝送リソースについてタイプ4のLBT動作を実行することにより1つのMCOTを開始し、且つ、該MCOTで上り伝送を行うが、該最初伝送端末の第1次上り伝送がMCOTの全ての時間を使い切らないと仮定すると、基地局は共有伝送端に該MCOTの残り時間を多重させることができ、以下、基地局が共有伝送端について実行するLBTのタイプを確定するいくつかの場合について説明する。
【0150】
場合1:共有伝送端が最初伝送端末である場合、すなわち、該MCOTを開始した端末が、その後、該MCOT内で上りデータを送信する場合、該端末は、ターゲットの伝送リソースについて1つのタイプ2のLBT動作を実行してもよく、または、タイプ1のLBT動作を実行してもよく、すなわち、ターゲットの伝送リソースについてLBTを行わずに直接上りデータ伝送を行う。
【0151】
場合2:共有伝送端が基地局であり、且つ、基地局が下りデータ送信を行うことに対応するデータ受信端が該最初伝送端末である場合、基地局は、自分がデータ送信の前にタイプ1のLBT動作またはタイプ2のLBT動作を実行できると確定する。
【0152】
場合3:MCOTの残り時間で送信する必要のあるデータが、同一のセルの端末に関するデータである場合、すなわち、該データが最初伝送端末に関連しない場合、同一のセルの端末の最初伝送タイミングと最初伝送端末の最初伝送終了タイミングとの間の時間差△tに基づき、実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定する。最初伝送タイミングと最初伝送終了タイミングとの間の時間差△tが第1時間閾値T1(例えば、16us)以下である場合、基地局がデータ送信端としても、同一のセルの端末がデータ送信端としても、いずれもタイプ1のLBT動作を直接実行することができ、すなわち、LBTの処理を行わずにデータ伝送を直接行う。△tがT1よりも大きいが、第2時間閾値T2以下である場合、基地局がデータ送信端としても、同一のセルの端末がデータ送信端としても、いずれもタイプ2のLBT動作を実行することができる。△tがT2よりも大きい場合、基地局がデータ送信端としても、同一のセルの端末がデータ送信端としても、いずれもタイプ4のLBT動作を実行することができる。
【0153】
前の3種の場合において、基地局は、いずれも共有伝送端がMCOTの残り時間を多重してデータ伝送を行う際に伝送するデータが最初伝送端末に関連するか否かに基づき、共有伝送端のためにLBT動作のタイプを確定し、以下、ビーム方向に基づいて共有伝送端のためにLBT動作のタイプを確定する態様について説明する。
【0154】
場合4:基地局は、共有伝送端のデータ伝送に使用されるビーム方向に基づいてLBT動作のタイプを確定し、共有伝送端の使用しようとするビーム方向が、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送に使用されるビーム方向と同じである場合、基地局は、共有伝送端がタイプ2のLBT動作を実行できると確定する。共有伝送端の使用しようとするビーム方向が、最初伝送端末がMCOTを開始した後の初回の上り伝送に使用されるビーム方向と異なる場合、基地局は、共有伝送端がタイプ4のLBT動作を実行する必要があると確定する。
【0155】
上記いくつかの場合のほか、他の場合、最初伝送端末が多重関連情報により基地局に共有伝送端が実行する必要のあるLBT動作のタイプを指示しなければ、基地局は、共有伝送端がタイプ4のLBT動作を実行する必要があることを直接確定することができる。
【0156】
本実施例に係る通信形態により分かるように、基地局は、MCOTの多重が必要な共有伝送端と最初伝送端末とが同一の端末であるか否か、残り時間を多重して伝送するデータ伝送の開始タイミングと最初伝送端末が該MCOTを開始した後の初回の上り伝送の終了タイミングとの間の時間差△tのサイズ、および共有伝送端および最初伝送端末に使用されるビーム方向の間の関係に基づき、共有伝送端が実行するLBT動作のタイプを確定することができる。
【0157】
(実施例7)
本実施例は、上り送信装置および上り受信装置を備える上り伝送装置を提供する。該上り送信装置は端末に設定でき、上り受信装置は基地局に設定できる。以下、
図9に示すように、まず、該上り送信装置について説明する。
【0158】
上り送信装置90は、パラメータ確定ユニット902、パラメータ送信ユニット904、およびデータ送信ユニット906を備える。ここで、パラメータ確定ユニット902は、上り伝送について、少なくとも1つの自律伝送パラメータを確定することに用いられ、パラメータ送信ユニット904は、自律伝送パラメータを基地局に送信することに用いられ、データ送信ユニット906は、自律伝送パラメータに基づいて基地局に上りデータを送信することに用いられる。
【0159】
【0160】
上り受信装置10は、端末から送信された少なくとも1つの自律伝送パラメータを受信するためのパラメータ受信ユニット102と、自律伝送パラメータに基づいて端末から送信された上りデータを検出受信するためのデータ受信ユニット104とを備える。
【0161】
本実施例において、上り送信装置90のデータ送信ユニット906は、上り伝送を行うとき、基地局により設定された伝送パラメータに完全に依存する必要がなく、パラメータ確定ユニット902により少なくとも1つの伝送パラメータを確定してもよい。パラメータ確定ユニット902により確定された伝送パラメータと基地局により設定された伝送パラメータとを区分するために、ここで、パラメータ確定ユニット902自体により確定された伝送パラメータを自律伝送パラメータと呼び、基地局により設定された伝送パラメータをスケジューリング伝送パラメータと呼ぶ。パラメータ確定ユニット902により確定された自律伝送パラメータと基地局により設定されたスケジューリング伝送パラメータとは同様に、いずれもデータ送信ユニット906の上りデータ伝送を指示するためのものであり、上り送信装置90におけるデータ送信ユニット906のデータ送信過程を指示することを含むだけでなく、データ送信ユニット906から送信されたデータの基地局側による検出受信過程を指示するためにも用いられることが理解されるべきである。
【0162】
本実施例において、パラメータ確定ユニット902により確定された自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に用いられる少なくとも1つのスロットの実際のSCS、今回の上り伝送のスタート伝送シンボル、今回の上り伝送で伝送するコーディングブロック群のブロック群識別子CBGTIのうちの少なくとも1つを含んでもよい。もちろん、いくつかの例において、自律伝送パラメータは、今回の上り伝送に含まれる今回の上り伝送の時間領域長および/または今回の上り伝送の終点伝送シンボルを更に含んでもよい。別の例において、自律上り伝送パラメータは、今回の上り伝送のHARQのプロセス番号、新たなデータ指示NDI、および冗長バージョンRV情報のうちの少なくとも1種を更に含む。好ましくは、いくつかの例において、パラメータ確定ユニット902により確定された自律伝送パラメータは、上記パラメータ全体の組み合わせであってもよいし、任意の一部の組み合わせであってもよい。
【0163】
パラメータ確定ユニット902が確定できる自律パラメータパラメータは実際のSCSを含み、例えば、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送の最初のM個のスロットの実際のSCSを確定することができ、ただし、Mの値は0よりも大きい整数である。データ送信ユニット906は、上り伝送を行う前に、伝送リソースについてLBT(Listen Before Talk)処理を行う必要がある可能性があるため、対応する伝送リソースが空いて使用可能な状態にあるか否かを確定し、対応する伝送リソースが空いて使用可能である場合にのみ、データ送信ユニット906はそれを用いてデータ伝送を行うことができる。通常のLBT動作は、ランダムバックオフを有しないLBT動作およびランダムバックオフを有するLBT動作に分けられる。ここで、ランダムバックオフを有しないLBT動作は、タイプ1およびタイプ2のLBT動作を更に含んでもよく、タイプ1のLBT動作とは、送信端がLBT動作を実行しないことを意味する。タイプ2のLBTとは、送信端がトラフィック送信を実行する前に、一定の時間(例えば、9usまたは16us等)内で、使用しようとするチャネルに対してアイドル感知を行い、この一定の時間の感知によりチャネルがアイドルであると確定した場合、データ伝送を行うと理解することを意味する。ランダムバックオフを有するLBT動作はタイプ3およびタイプ4のLBT動作を含み、両者の区別は、タイプ3のLBT動作が固定サイズのコンテンションウィンドウを有するが、タイプ4のLBT動作において、コンテンションウィンドウのサイズが固定ではないことである。残りの部分では2種のLBT動作のタイプが類似し、送信端がコンテンションウィンドウから数値nをバックオフ値としてランダムに得るため、バックオフ値nは最大でコンテンションウィンドウの最大値CWを超えない。バックオフ値nは、送信端がLBT動作を行う際にリスニングまたはアイドル感知を行う回数を確定することができ、バックオフ値がnであるLBT動作に対してn+1回のアイドル感知を実行する。このn+1回のアイドル感知がいずれも使用しようとするチャネルがアイドルであると確定した場合にのみ、LBT動作は成功する。
【0164】
上り送信装置90がタイプ2のLBT動作を実行するとき、LBT動作の結果が成功であれば、LBTに成功したタイミングは固定であり、必ずちょうどデータ伝送の開始タイミングにある。しかし、上り送信装置90がランダムバックオフを有するLBT動作を実行する場合、LBTに成功したタイミングは固定ではないため、上り送信装置90が伝送リソースについてLBT動作を実行する成功タイミングがスロットの境界でなければ、従来の態様により、データ送信ユニット906は、スロットの境界になるまで待ってからデータ伝送を行う必要がある。このように、リソースの十分な使用、伝送効率の向上に不利であるため、本実施例において、パラメータ確定ユニット902は、LBT動作の実行に成功したタイミングに基づいて今回の上り伝送の最初のM個のスロットの実際のSCSを自分で確定することができる。本実施例において、パラメータ確定ユニット902が最初のM個のスロットの実際のSCSを確定するための2種の態様を提供する。
【0165】
方式1:基地局から送信された基礎間隔指示を受信し、LBT動作に成功したタイミングに基づいて基礎間隔指示により指定された基礎SCSを調整し、実際のSCSを取得する。
【0166】
例えば、基地局があるBWPに設定した基礎SCSが30KHzである場合、1つのスロットの長さは0.5msであり、上り送信装置90が伝送リソースについてLBT動作を行う成功タイミングからあるスロットの終点タイミングまでの距離が0.3msであると仮定すると、
図2に示すように、ここで、Aは上り送信装置90によるLBT動作の成功タイミングであり、Bは、基礎SCSでLBTに成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングである。AとBとの間の距離は0.3msである。従来の態様によれば、データ送信ユニット906は、データ送信を行うために0.3ms待つ必要があり、この0.3msにおいて、上り送信装置90は専有信号を継続的に送信して該伝送リソースを専有する必要がある可能性がある。しかし、本実施例に係る態様によれば、パラメータ確定ユニット902はLBT動作後の1つ目のスロットの実際のSCSを60KHzとすることができ、このように、1つ目のスロットの長さは0.25msになり、このように、LBTに成功した後の1つ目のスロットの開始タイミングはCにあり、AとCとの間の距離は僅か0.05msであり、この場合、上り送信装置90は0.05msの専有信号を送信すれば基地局に上りデータを送信することができる。
【0167】
上記例において、パラメータ確定ユニット902は、自体の上り伝送過程における最初のスロットに対応する実際のSCSのみを確定したが、前述した説明により分かるように、パラメータ確定ユニット902は最初のM個のスロットの実際のSCSを確定することができる。Mの値は1だけでなく、1よりも大きい整数であってもよく、例えば、Mの値は2、3、4、5……であってもよい。
【0168】
方式2:LBT動作に成功したタイミングに基づき、基地局により指定された少なくとも2つの候補SCSのうちの1つを実際のSCSとして選択する。このような確定方式の原理は方式1の原理に類似し、いずれも上り送信装置90が専有信号を送信する時間を減少し、伝送効率を向上させることを目的とするが、パラメータ確定ユニット902が最終的に確定した実際のSCSは、基地局が予め指定した各候補SCSのうちの1つであり、例えば、基地局により提供されたSCSが30KHz、60KHz、120KHzを含む場合、上記状況に対し、パラメータ確定ユニット902は最終的に60KHzを1つ目のスロットの実際のSCSとして選択する。
【0169】
好ましくは、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送における最初の複数のスロットのために実際のSCSを確定するとき、上記2種の方式を組み合わせてもよい。例えば、方式1により1つ目のスロットの実際のSCSを確定し、方式2により2つ目のスロットの実際のSCSを確定する。
【0170】
パラメータ確定ユニット902により確定された実際のSCSは、今回の上り伝送の最後の1つまたは複数のスロットに属していてもよいことが理解されるべきである。その原因は、上り送信装置90がある伝送リソースについてタイプ4のLBT動作を実行し、1つのMCOTを開始すると、該MCOT内で該伝送リソースを用いて伝送することができるためである。しかし、MCOTの終了タイミングがちょうどスロットの境界にあるとは限らない。この場合、関連技術において、最後の不完全なスロットを用いて伝送を行うことがなく、または一部のスロットにおけるあるシンボルだけを伝送できる可能性がある。しかし、本実施例において、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送のMCOTの終了タイミングに基づいて今回の上り伝送に使用される最後のN個のスロットの実際のSCSを確定することができ、Nは0よりも大きい整数である。
【0171】
同様に、パラメータ確定ユニット902は、以下の2種の方式のうちの少なくとも1種を採用し、今回の上り伝送に使用される最後のN個のスロットのために実際のSCSを確定してもよい。
【0172】
方式1:基地局から送信された基礎間隔指示を受信し、MCOTの終了タイミングに基づいて基礎間隔指示により指定された基礎SCSを調整し、実際のSCSを取得する。
【0173】
例えば、パラメータ確定ユニット902は、開始伝送タイミングからMCOTの終了タイミングまでの時間が0.8ms残っていることを確定し、基地局から送信された基礎スロットが0.5msで、対応するサブキャリア間隔が30KHzであると仮定すると、
図3に示すように、DはMCOTの終了タイミングであり、EおよびFは、それぞれMCOTにおける最後のスロットの開始境界および終点境界である。従来の態様によれば、データ送信ユニット906は1つ目のスロットのみを用いて伝送を行う可能性がある。MCOTにおいて0.3msの時間が使用できないが、本実施例に係る上り伝送方法によれば、パラメータ確定ユニット902は、MCOTの終了タイミングに基づいて最後のスロットの実際のSCSを基礎SCSの30KHzから60KHzに調整することができ、このように、最後のスロットの長さは0.25msになる。調整により、最後のスロットの終点境界はGになり、1つ目のスロットの長さが依然として0.5msであるため、データ送信ユニット906はMCOTにおける0.75msの時間を効果的に用いて伝送を行うことができ、0.05msのみ残る。
【0174】
方式2:MCOTの終了タイミングに基づき、基地局により指定された少なくとも2つの候補SCSのうちの1つを実際のSCSとして選択する。
【0175】
例えば、基地局により提供されたSCSが15KHz、30KHz、60KHzを含む場合、上記状況に対し、パラメータ確定ユニット902は、最終的に60KHzを最後のスロットの実際のSCSとして選択する。本実施例のいくつかの例において、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送における全てのスロットに対応するSCSを60KHzとしてもよく、このように、MCOTは完全な時間長が0.25msである3つのスロットを含んでもよく、総時間長は依然として0.75msである。
【0176】
好ましくは、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送における最後の複数のスロットのために実際のSCSを確定するとき、上記2種の方式を組み合わせてもよい。例えば、方式1により最後のスロットの実際のSCSを確定し、方式2により最後から2つ目のスロットの実際のSCSを確定する。
【0177】
前述した説明により分かるように、パラメータ確定ユニット902は、最初のM個のスロットのために実際のSCSを確定する2種の方式と、最後のN個のスロットのために実際のSCSを確定する2種の方式とは、原理上でほぼ同じである。
【0178】
上り送信装置90LBTに成功したタイミングがスロットの境界にない場合、上り送信装置90は、更に、以下の方式により専有情報の送信を減少してリソースの利用率を向上させることができる。
【0179】
本実施例において、パラメータ確定ユニット902は、LBT動作に成功したタイミングに基づいて上り伝送のスタート伝送シンボルを自ら確定することができ、例えば、パラメータ確定ユニット902は、LBT動作に成功したタイミングの後のK個目のシンボルをスタート伝送シンボルとすることを確定し、ただし、Kは1以上かつ所定の閾値よりも小さい整数であってもよい。通常、専有信号の送信を減少するために、パラメータ確定ユニット902は直接Kを1としてもよく、このように、LBTが成功すると、データ送信ユニット906は最も近い伝送シンボルからデータ伝送を開始することができる。
【0180】
基地局に今回の上り伝送の持続過程を知らせるために、パラメータ確定ユニット902自体が今回の上り伝送のスタート伝送シンボルを確認した場合、すなわち、自律伝送パラメータがスタート伝送シンボルを含む場合、パラメータ確定ユニット902は、更に、今回の上り伝送の終点伝送シンボルおよび/または今回の上り伝送の時間領域長を共に自律伝送パラメータとして確定することができる。
【0181】
上記説明により分かるように、自律伝送パラメータはCBGTIを更に含んでもよく、つまり、本実施例において、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送過程においてどのCBGを伝送するかを自ら選択することができる。1つのTBが4つのCBGを含むと仮定すると、該TBに対して初回の伝送を行う場合、パラメータ確定ユニット902はこの4つのCBGから任意の1つ、複数、または直接全てのCBGを選択して伝送することができ、今回の上り伝送過程において伝送しようとするCBGの識別子CBGTIが、今回の上り伝送における1つまたは複数の自律伝送パラメータのうちの1種であることを確定する。データ送信ユニット906が上り伝送を行うことは、TBに対して初回の伝送を行うことだけでなく、TBに対して再送を行うことであってもよいことが理解されるべきであり、例えば、あるTBにおけるCBG1、CBG2、CBG3、CBG4を初回に伝送した後、そのうちのCBG2およびCBG3の検出受信が失敗したことが基地局によりフィードバックされると、現在の伝送待ちのCBGは再送が必要なCBG2およびCBG3を含む。
【0182】
現在、1つのHARQプロセスに対応するTBのみに伝送待ちのCBGが存在すると仮定すると、パラメータ確定ユニット902は該TBにおける伝送が必要な各CBGのうちの1つまたは複数を任意に選択することができ、且つ、自律伝送パラメータはこれらの選択したCBGのCBGTIを含む。本実施例のいくつかの例において、パラメータ確定ユニット902は、該TBに対応するHARQのプロセス番号、新たなデータ指示NDI、および冗長バージョンRV情報のうちの少なくとも1種を同時に確定することができる。
【0183】
現在、1つ以上のHARQプロセスに対応するTBを伝送する必要があると仮定する場合、パラメータ確定ユニット902は、今回の上り伝送のHARQのプロセス番号を確定してから、該HARQプロセスに対応するTBから伝送待ちのCBGを選択し、CBGTIを確定することができる。もちろん、パラメータ確定ユニット902は、同様に、CBGTIおよびHARQのプロセス番号を自律伝送パラメータとする場合、NDIとRV情報とを共に自律伝送パラメータとして確定することができる。NDIは、現在伝送しているCBGにおけるデータが新しいデータであるか再送されたデータであるかを指示することに用いられる。TBのターボコーダーを経たデータは3つのセグメントを含み、第1セグメントは基本データと考えられ、残りの2つのセグメントは冗長データであり、この3つのセグメントのデータは、1つのリング状バッファ領域内に順次設定されている。RV情報は、データの受信端がこのバッファ領域のどの位置からデータを取得するかを指示するものである。本実施例において、各RVバージョンは上り送信装置90および基地局により予め約束されてもよく、上り伝送を行う度に、パラメータ確定ユニット902は、現在の上り伝送がどのRVバージョンを使用するかを確定することにより、現在のRV情報を自律確定することができる。
【0184】
本実施例の他のいくつかの例において、RVの使用順序は、基地局および上り送信装置90により予め約束されてもよく、例えば、RVバージョンはバージョンA、バージョンB、およびバージョンCを含み、基地局および上り送信装置90は、あるTBを1回目に伝送するとき、バージョンBを採用し、該TBを2回目に伝送するとき、バージョンCを採用し、該TBを3回目に伝送するとき、バージョンAを採用することを予め約束する。この場合、パラメータ確定ユニット902は、RV情報を自ら確定する必要がなく、予め約束された順序で対応するRVバージョンを用いてデータを送信すれば良い。
【0185】
パラメータ確定ユニット902は、自律伝送パラメータを確定した後、基地局がこれらの自律伝送パラメータに基づいて上り送信装置90からの上りデータを受信するように、自律伝送パラメータを基地局に送信することができる。本実施例の一例において、パラメータ送信ユニット904は、自律伝送パラメータをUCI情報に担持させて基地局に送信することができる。UCI情報の伝送に対し、パラメータ送信ユニット904はPUCCHで伝送してもよいし、PUSCHで伝送してもよい。PUSCHでUCI情報を伝送する場合、パラメータ送信ユニット904は、該UCI情報をDMRSの所定位置に設定して送信することができる。PUSCHで自律伝送パラメータを伝送することは、上り伝送過程のスペクトルリソースに対する専有を減少し、スペクトルリソースの利用率を向上させることができる。
【0186】
上り受信装置10については、上り受信装置10を基地局として説明する。
【0187】
パラメータ受信ユニット102は、DMRS信号に対応する位置からUCI情報を受信することにより、上りデータの検出受信を指示する作用を果たす自律伝送パラメータを取得することができる。その後、データ受信ユニット104は、これらの自律伝送パラメータに基づき、データ送信ユニット906から送信された上りデータを検出受信する。本実施例のいくつかの例において、パラメータ送信ユニット904からパラメータ受信ユニット102に送信された自律伝送パラメータは、上り伝送に必要な全ての伝送パラメータを含み、この場合、データ受信ユニット104は、受信した自律伝送パラメータに基づいて上りデータの検出受信を行うことができる。本実施例の別の例において、パラメータ確定ユニット902自体が確定したのは、上り伝送に必要な伝送パラメータにおける一部だけであり、この場合、残りの部分の伝送パラメータは上り受信装置10により確定でき、例えば、上り受信装置10は、まず、上り送信装置90にスケジューリング伝送パラメータを送信し、その後、データ送信ユニット906は自律伝送パラメータおよびスケジューリング伝送パラメータに基づいて上りデータ送信を行う。パラメータ受信ユニット102は、パラメータ確定ユニット902から送信された自律伝送パラメータを受信すると、データ受信ユニット104は、自律伝送パラメータおよびスケジューリング伝送パラメータに基づいて上りデータを検出受信する。
【0188】
前述した説明により分かるように、上り送信装置90のデータ送信ユニット906は、上り伝送を行う前に、伝送リソースについてLBT動作を実行する必要のある可能性がある。本実施例において、上り送信装置90がLBT動作を実行する対象となる伝送リソースは、上り受信装置10の指示により確定でき、例えば、上り受信装置10が上り送信装置90にLBT動作の指示を送信する。ここでいう伝送リソースは、時間領域、周波数領域、ビーム方向により共通に確定でき、つまり、この3種のパラメータは1つの伝送リソースを確定することができ、そのうちの任意のパラメータが変化すると、対応する伝送リソースも変化する。LBT動作の指示には、LBT動作の伝送リソースを指定するための時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向指示情報が含まれる。上り受信装置10から送信されたLBT動作の指示に含まれる時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向指示情報が1つの伝送リソースしか確定できなければ、上り送信装置90は、直接該伝送リソースについてLBT動作を行うことができる。本実施例のいくつかの例において、LBT動作の指示に含まれる時間領域指示情報、周波数領域指示情報、およびビーム方向指示情報は、少なくとも2つの伝送リソースを同時に指示してもよい。LBT動作の指示で少なくとも2つの伝送リソースが指定された場合、上り送信装置90は、これらの伝送リソースのうちの1つまたは複数を選択してLBT動作を行った後、LBT動作に成功した伝送リソースのうちの少なくとも1つを選択してデータ伝送を行うことができる。
【0189】
本実施例において、時間領域指示情報は上り送信装置90のために設定された上り伝送期間を含んでもよい。該上り伝送期間は上り受信装置10の設定により確定される。本実施例の一例において、時間領域指示情報が該上り伝送期間のみを含む場合、該上り伝送期間にあれば、上り送信装置90には現在上り受信装置10に送信する必要のあるデータが存在すれば、伝送リソースについてLBT動作を実行し、LBT動作に成功した後にデータ送信を行うことができる。
【0190】
本実施例の別の例において、時間領域指示情報は、上り受信装置10が上り送信装置90に設定した上り伝送期間を含むだけでなく、上り伝送期間内の各スロットが自律上り伝送を許容するか否かを表すためのスロット機会指示を更に含む。例えば、上り伝送期間全体のスロット機会指示はbitmapの形式で表現され、bitmapにおける各データビットが上り伝送期間における各スロットに対応し、上り受信装置10が、上り送信装置90があるスロットで上り伝送を行うことを許容する場合、該スロットに対応するデータビットは「0」であり、許可しない場合、該スロットに対応するデータビットは「1」である。上り受信装置10により指示された上り伝送期間t1~t2が5つのスロットを含み、且つ該上り伝送期間に対応するbitmapが「01001」であれば、上り受信装置10は、上り送信装置90が第1、3、4スロットで上り伝送を行うことを許容し、スロット2および5で上り送信装置90が上り伝送を行う機会がないことを意味する。このような態様では、上り送信装置90に送信待ちの上りデータが存在する場合、スロット機会指示に基づいて上り伝送を許容するスロットからスロットを選択してLBT動作を実行し、LBT動作に成功した後にデータ伝送を行う必要がある。
【0191】
周波数領域指示情報は、上り受信装置10が上り送信装置90に設定した少なくとも1つの上り伝送バンドと、上り伝送バンドが上り自律伝送を許容するか否かを表すためのバンド機会指示とを含み、このような周波数領域指示情報は前述した第2種の時間領域指示情報に類似し、上り送信装置90に送信待ちの上りデータが存在する場合、バンド機会指示に基づき、各上り伝送バンド内から周波数領域位置を選択し、選択した周波数領域位置に基づいてLBT動作を実行する伝送リソースを確定した後、該伝送リソースについてLBT動作を実行することを指示することに用いられる。
【0192】
本実施例の一例において、バンド機会指示はbitmapの形式で表現されてもよく、例えば、1つの上り伝送バンドは、bitmapにおける1つのデータビットに対応し、該上り伝送バンド内に上り送信装置90の上り伝送に使用される周波数領域位置が存在すれば、それに対応するbitmapのデータビットの数値は肯定を表し、存在しなければ、それに対応するbitmapのデータビットの数値は否定を表す。例えば、上り受信装置10は上り送信装置90に2つのインターリーブユニット、それぞれインターリーブユニットAおよびインターリーブユニットBを指示すれば、bitmapに2つのデータビットが存在し、「0」は肯定を表し、「1」は否定を表す。1つのインターリーブユニットは、等間隔サイズのM個のRBまたはN個のREを含み、ただし、MおよびNは、BWPのサイズまたはシステム帯域幅に関連する1つの数値である。本実施例において、シグナリングオーバヘッドを減少するために、上り受信装置10により指定された各上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置は同じであり、インターリーブユニットを例とし、インターリーブユニットAにおける使用可能な周波数領域位置が番号1、3、5、7のサブキャリアであれば、インターリーブユニットBにおいて、使用可能な周波数領域位置も同様に番号1、3、5、7のサブキャリアである。これにより分かるように、上り受信装置10により指定された各上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置が同じである場合、上り受信装置10が1つの上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置を指定すれば、上り送信装置90は各上り伝送バンドにおける使用可能な周波数領域位置を確定することができる。
【0193】
本実施例のいくつかの例において、ビーム方向情報は、SRSリソース構成における空間領域パラメータ情報により確定でき、1セットのSRS空間領域パラメータは1つのビーム方向に対応する。本実施例のいくつかの例において、1つのビーム方向情報は1つのSRSリソースセットを含んでもよく、SRSリソースセットは少なくとも2つのSRSを含み、各SRSは異なるビーム方向に対応する。
【0194】
本実施例に係る上り送信装置90が端末に配置されている場合、パラメータ確定ユニット902の機能は、端末の第1プロセッサにより実現でき、パラメータ送信ユニット904およびデータ送信ユニット906の機能は、端末の第1プロセッサが第1通信装置を制御することにより実現できる。
【0195】
本実施例における上り受信装置10が基地局に配置されている場合、パラメータ受信ユニット102およびデータ受信ユニット104の機能は、いずれも第2プロセッサの制御で基地局の第2通信装置により実現できる。
【0196】
本開示の実施例に係る上り送信装置および上り受信装置は、上り送信装置自体で1つまたは複数の自律伝送パラメータを確定した後、確定した伝送パラメータを上り受信装置に送信し、上り受信装置とこれらの自律伝送パラメータに基づいて上りデータ伝送を行うことで、上り送信装置は現在の伝送環境等に応じて伝送ポリシーを柔軟に確定することができ、一途に上り受信装置の指示に基づいて伝送する必要がなく、上り送信装置の自律上り伝送の柔軟性を向上させ、伝送効率および伝送リソースの利用率の向上に寄与する。
【0197】
(実施例8)
本実施例は、通信装置を提供し、該通信装置は第1通信装置または第2通信装置であってもよく、ここで、第1通信装置は最初伝送端末として端末に配置され、第2通信装置は基地局に配置されている。以下、
図11および
図12を参照しながら、第1通信装置および第2通信装置の構造についてそれぞれ説明する。
【0198】
図11に示すように、第1通信装置11は、リスニングユニット112、専有時間確定ユニット114、および情報送信ユニット116を備え、ここで、リスニングユニット112は、上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行することに用いられ、専有時間確定ユニット114は、LBT動作により取得されたMCOTを確定することに用いられ、情報送信ユニット116は、MCOTについての多重関連情報を基地局に送信することにより、基地局が多重関連情報に基づき、上り伝送が完了した後のMCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御することに用いられる。
【0199】
図12に示すように、第2通信装置12は、情報受信ユニット122および多重制御ユニット124を備え、ここで、情報受信ユニット122は、最初伝送端末から送信されたMCOTについての多重関連情報を受信することに用いられ、多重制御ユニット124は、多重関連情報に基づいて最初伝送端末の上り伝送が完了した際にもMCOTに残り時間が存在すると確定した後、残り時間を多重するように共有伝送端を制御するために用いることができる。
【0200】
本実施例において、リスニングユニット112の伝送リソースに対するLBT動作は、第2通信装置12のLBT指示に基づいて行うことができ、前述した実施例の説明により分かるように、第2通信装置12は、LBT指示、例えば、RRCシグナリングにおいて端末に複数の候補の伝送リソースを指定することができ、リスニングユニット112は、この複数の候補の伝送リソースにおける一部または全ての伝送リソースについてLBT動作を実行した後、LBT動作に成功した伝送リソースのうちの少なくとも1つをターゲットの伝送リソースとして選択することができる。本実施例の別の例において、リスニングユニット112は、候補の伝送リソースのうちの1つのみを選択してLBT動作を実行してもよく、成功すれば、該伝送リソースをターゲットの伝送リソースとし、成功しなければ、一時的にターゲットの伝送リソースがなく、データ伝送を行わないことを意味する。
【0201】
これにより分かるように、リスニングユニット112がLBT動作を実行した伝送リソースは、必ずしもターゲットの伝送リソースではないが、ターゲットの伝送リソースは必ずリスニングユニット112のLBT動作の対象となる。
【0202】
いずれもターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行するが、LBT動作過程によって異なるMCOTを取得する可能性があり、本実施例のいくつかの例において、MCOTのサイズは、ランダムバックオフを有するLBT動作を実行する際のランダムバックオフ値のサイズに関連する。または、タイプ4のLBT動作を実行するコンテンションウィンドウのサイズに関連する。従って、LBT動作に成功した後、専有時間確定ユニット114は、今回のLBT動作により取得されたMCOTのサイズを確定することができる。
【0203】
その後、情報送信ユニット116は、該MCOTについての多重関連情報を第2通信装置12に送信し、該多重関連情報により、第2通信装置12は、少なくとも、第1通信装置11の今回の上り伝送を完了した後、MCOTに共有伝送端がデータ伝送を行うための残り時間があるか否かを確定することができる。
【0204】
更に、本実施例のいくつかの例において、多重関連情報により、第2通信装置12は、現在MCOTに共有伝送端が使用可能な残り時間があるか否かを確定できるだけでなく、更に、第2通信装置12は、残り時間があると確定した場合、共有伝送端がターゲットの伝送リソースについてどのタイプのLBT動作を実行すべきであるかを確定することもできる。
【0205】
例えば、本実施例の一例において、情報送信ユニット116は、MCOTの終了タイミングを表すことができる第1情報を多重関連情報として第2通信装置12に送信することができ、このように、第2通信装置12は第1情報を受信すると、現在のタイミングに基づいて後続のタイミングが該MCOT内に属しているか否かを確定することができる。
【0206】
例えば、第1情報は、MCOTの現在の残りのスロット数および/またはシンボル数であってもよい。いくつかの場合、第1情報は、MCOTの現在の残りのスロット数のみを含み、例えば、MCOTに3つの完全なスロットおよび2つのシンボルが残った場合、情報送信ユニット116は、現在、4つのスロットが残っていることを第2通信装置12にフィードバックする。もちろん、このような場合、情報送信ユニット116は、残った実際の時間を残ったシンボル数に変換して第2通信装置12にフィードバックしてもよく、例えば、情報送信ユニット116の第1情報は、該MCOTに23個のシンボルが残っていることを表す。いくつかの場合、第1情報は、MCOTの現在の残ったシンボル数のみを含み、例えば、MCOTに5つのシンボルのみが残っている場合、情報送信ユニット116は、現在の残ったシンボル数が5であることを第2通信装置12にフィードバックする。同様に、この場合、情報送信ユニット116は、残った実際の時間を残ったスロット数に変換してフィードバックしてもよく、例えば、情報送信ユニット116から第2通信装置12に送信された第1情報は、該MCOTに5/7個のスロットが現在残っていることを表す。好ましくは、この2種の場合、情報送信ユニット116は、前述した2種の第1情報を組み合わせて第2通信装置12に指示してもよい。例えば、MCOTの残り時間に少なくとも1つの完全なスロットがある場合、情報送信ユニット116は、残ったスロット数のみを第2通信装置12に指示し、MCOTの残り時間が1つの完全なスロットを満たない場合、情報送信ユニット116は残ったシンボル数を第2通信装置12に指示する。
【0207】
別の例において、情報送信ユニット116は、第2通信装置12自体が今回の上り伝送に設定したフィードバックタイミングを知ることができ、第2通信装置12も該フィードバックタイミングを知っているため、情報送信ユニット116は、該フィードバックタイミングのMCOTにおける位置を第2通信装置12に指示し、フィードバックタイミングのMCOTにおける位置を第1情報として第2通信装置12に送信することができる。このように、第2通信装置12は、自分で設定したフィードバックタイミングと合わせてMCOTの終了タイミングを確定し、現在のタイミングからMCOTの終了までどのぐらいの時間が残っていることを確定することができる。
【0208】
好ましくは、第1情報は、MCOTの現在の残りのスロット数および/またはシンボル数を含むとともに、フィードバックタイミングのMCOTにおける位置を更に含んでもよい。
【0209】
本実施例の一例において、情報送信ユニット116は、共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプを指示するための情報を多重関連情報として第2通信装置12に送信することができ、このように、第2通信装置12は、多重関連情報を受信すると、解析すれば、共有伝送端がターゲットの伝送リソースについて実行するLBT動作のタイプを確定することができ、更にMCOTの残り時間に基づいて実行するLBT動作のタイプを確定する必要がない。
【0210】
多重関連情報が、前述第1情報と、情報送信ユニット116が第2通信装置12に指示した、共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプの情報とを同時に含むことも可能であることが理解されるべきである。本実施例のいくつかの例において、情報送信ユニット116は、第1通信装置11の上り伝送の1つまたは一部のスロットで第2通信装置12に多重関連情報を送信することができるが、第2通信装置12が検出受信の失敗によりMCOTの終了タイミングを知ることができず、MCOTに残り時間があるか否かを確定できないという問題を回避するために、本実施例のいくつかの例において、情報送信ユニット116は、上り伝送の各スロット内で、いずれも第2通信装置12に多重関連情報を送信してもよい。
【0211】
第2通信装置12の情報受信ユニット122は、第1通信装置11から送信された多重関連情報を受信すると、多重制御ユニット124は、まず、該多重関連情報に基づき、第1通信装置11の今回の上り伝送が完了した際にもMCOTに残り時間が存在するか否かを確定し、判断結果がYESであれば、多重制御ユニット124は残り時間を多重するように共有伝送端を制御することができる。本実施例において、共有伝送端は第1通信装置11自体であってもよく、第2通信装置12であってもよく、第1通信装置11と同一のセルに位置する他の端末、特に、第1通信装置11と地理的位置が近い、例えば、距離が予め設定された距離の閾値よりも小さい端末であってもよい。
【0212】
本実施例において、多重制御ユニット124は、多重関連情報、送受信端情報およびビーム関係のうちの少なくとも1つに基づき、残り時間を多重する際に実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することができる。前に説明したように、多重関連情報は、共有伝送端が残り時間を多重する際に実行するLBT動作のタイプを指示できる情報である可能性があるため、この場合、情報受信ユニット122は、多重関連情報を受信して多重関連情報を解析した後、多重制御ユニット124は、共有伝送端がどのタイプのLBT動作を実行すべきであるかを確定することができる。
【0213】
以下、多重制御ユニット124が送受信端の情報に基づき、共有伝送端について、実行するLBT動作のタイプを確定する態様について説明する。
【0214】
ここでいう「送受信端情報」とは、共有伝送端が残り時間を多重して伝送するデータが第1通信装置11に関連するか否かを表すためのものを指し、例えば、残り時間を多重して行ったデータ伝送の送信端または受信端が第1通信装置11であれば、残り時間で伝送するデータは第1通信装置11に関連することを意味し、そうでなければ、残り時間で伝送するデータは第1通信装置11に関連しないことを意味し、例えば、第2通信装置12から同一のセル内の他の端末に送信され、または、同一のセル内の他の端末から第2通信装置12に送信され、この2種の場合のデータ伝送はいずれも第1通信装置11に関連しない。
【0215】
送受信端情報が共有伝送端の伝送しようとするデータが第1通信装置11に関連することを表す場合、多重制御ユニット124は、共有伝送端がランダムバックオフを有しないLBT動作を実行できると確定し、実施例1の説明により分かるように、ランダムバックオフを有しない処理は、タイプ1のLBT動作およびタイプ2のランダムバックオフ処理を含み、すなわち、共有伝送端がMCOT内の残り時間を多重する際に、ターゲットの伝送リソースについてLBTを実行しなくてもよいし、1つのt msの感知を実行してもよい。
【0216】
残り時間内で伝送するデータが第1通信装置11に関連する場合は、以下のような2種である可能性があり、一方は、第1通信装置11自体が共有伝送端とし、他方は、第2通信装置12が共有伝送端として第1通信装置11にデータ伝送を行うことが理解できる。第1種の場合、第1通信装置11が行うのは、スケジューリング上り伝送であってもよく、半静的かつ永続的にスケジューリングされた上り伝送であってもよく、自律上り伝送であってもよい。更に、残り時間内で第1通信装置11が行ったデータ伝送過程が、該第1通信装置11がMCOTを開始するときに行ったデータ伝送と連続している、すなわち、上り、下りの折り返し点がない場合、第1通信装置11はタイプ1のLBT動作を直接実行してもよい。
【0217】
送受信端情報が共有伝送端の伝送しようとするデータが第1通信装置11に関連しないことを表す場合、多重制御ユニット124は、共有伝送端の最初伝送タイミングと第1通信装置11の最初伝送終了タイミングとの間の時間差△tに基づいて実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定することができる。ここでいう最初伝送終了タイミングは、第1通信装置11がMCOTを開始した後の初回の上り伝送の終了タイミングであり、最初伝送タイミングは、MCOTの残り時間内の共有伝送端の伝送が許容される最初タイミングであり、共有伝送端がタイプ1のLBT動作を実行することを基に確定される。すなわち、最初伝送タイミングは、共有伝送端が残り時間内でLBTを実行しないと仮定する場合、許容される最初伝送タイミングである。
【0218】
例えば、時間差△tが第1時間閾値以下であれば、該共有伝送端がタイプ1のLBT動作を実行する必要があると確定し、時間差△tが第1時間閾値よりも大きいが、第2時間閾値以下であれば、該共有伝送端がタイプ2のLBT動作を実行する必要があると確定し、時間差△tが第2時間閾値よりも大きければ、多重制御ユニット124は、該共有伝送端がランダムバックオフを有するLBT動作、例えば、タイプ4のLBT動作を実行する必要があると確定する。ここでの第1時間閾値および第2時間閾値は、所定2つの値であってもよい。
【0219】
以下、多重制御ユニット124がビーム関係に基づき、共有伝送端について、実行するLBT動作のタイプを確定する態様について説明する。
【0220】
ここでいう「ビーム関係」とは、共有伝送端に用いられるビーム方向と第1通信装置11の最初伝送ビーム方向との間の関係を指し、最初伝送ビーム方向は、第1通信装置11がMCOTを開始した後の初回の上り伝送に使用されるビーム方向であり、共有伝送端に用いられるビーム方向と最初伝送ビーム方向との両者間は同じであってもよいし、異なってもよい。好ましくは、共有伝送端および第1通信装置11の初回の上り伝送に用いられるビーム方向が同じであれば、多重制御ユニット124は、共有伝送端にタイプ2のLBT動作を実行させることを確定することができ、共有伝送端に用いられるビーム方向と第1通信装置11が該MCOTを開始した後の初回の上り伝送に用いられるビーム方向とが異なれば、多重制御ユニット124は、該共有伝送端がランダムバックオフを有するLBT動作を実行する、すなわち、タイプ3またはタイプ4のLBT動作を実行する必要があると確定する。
【0221】
第2通信装置12は、共有伝送端がMCOTの残り時間を多重してデータ伝送を行うために、実行する必要のあるLBT動作のタイプを確定した後、確定したタイプに従ってターゲットの伝送リソースについてLBT動作を実行するように対応する共有伝送端を制御することができる。
【0222】
好ましくは、共有伝送端が第1通信装置11と同一のセルに位置する他の端末であれば、多重制御ユニット124は、該ターゲットの伝送リソースを用いて該共有伝送端にLBT動作の指示を送信し、該LBT動作の指示で共有伝送端のLBT動作の対象およびLBT動作のタイプを指示することができる。本実施例のいくつかの例において、多重制御ユニット124は、ターゲットの伝送リソース以外の他の伝送リソースにより該共有伝送端にLBT動作の指示を送信してもよい。
【0223】
本実施例に係る第1通信装置および第2通信装置において、第1通信装置は、上り伝送が必要な場合、ターゲットの伝送リソースについてランダムバックオフを有するLBT動作を実行した後、LBT動作により取得されたMCOTを確定し、MCOTについての多重関連情報を第2通信装置に送信し、第2通信装置は、多重関連情報に基づいて該MCOTに残り時間が存在するか否かを確定し、残り時間が存在すると確定した後、該MCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御することにより、第1通信装置が開始したMCOTのリソースは十分に使用され、リソースの浪費を回避し、リソースの最適化構成の実現に寄与する。
【0224】
(実施例9)
本実施例は、1つまたは複数のプロセッサが読み取り、コンパイルして実行できる1つまたは複数のコンピュータプログラムが記憶できる記憶媒体を提供し、本実施例において、該記憶媒体は、第1上り伝送プログラム、第2上り伝送プログラム、第1通信プログラム、および第2通信プログラムという4つのうちの少なくとも1つを記憶することができ、ここで、第1上り伝送プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて前述した実施例1~3に記載の任意の上り伝送方法における端末側のステップを実現することができる。第2上り伝送プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて前述した実施例1~3に記載の任意の上り伝送方法における基地局側のステップを実現することができる。第1通信プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて前述した実施例4~6に記載の任意の通信方法における最初伝送端末側のステップを実現することができる。第2通信プログラムは、1つまたは複数のプロセッサにより実行されて前述した実施例4~6に記載の任意の通信方法における基地局側のステップを実現することができる。
【0225】
本実施例は端末を更に提供し、
図13は、端末のハードウェアの構造模式図を示す。
【0226】
端末13は、第1プロセッサ131、第1メモリ132、および第1プロセッサ131と第1メモリ132とを接続するための第1通信バス133を備え、ここで、第1メモリ132は、前述した第1上り伝送プログラムが記憶された記憶媒体であってもよい。第1プロセッサ131は、第1メモリ132に記憶された第1上り伝送プログラムを読み取り、コンパイルして実行し、実施例1~3に記載の任意の上り伝送方法における端末側のステップを実現することができる。あるいは、第1メモリ132は、前述した第1通信プログラムが記憶された記憶媒体であってもよい。第1プロセッサ131は、第1メモリ132に記憶された第1通信プログラムを読み取り、コンパイルして実行し、実施例4~6に記載の任意の通信方法における端末側のステップを実現することができる。端末13が実施例1~3における上り伝送方法を実現する詳細、および端末13が実施例4~6における通信方法を実現する詳細は、前述した実施例の説明を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0227】
本実施例は基地局を更に提供し、
図14に示す基地局のハードウェアの構造模式図を参照する。
【0228】
基地局14は、第2プロセッサ141、第2メモリ142、および第2プロセッサ141と第2メモリ142とを接続するための第2通信バス143を備え、ここで、第2メモリ142は、前述した第2上り伝送プログラムが記憶された記憶媒体であってもよい。第2プロセッサ141は、第2メモリ142に記憶された第2上り伝送プログラムを読み取り、コンパイルして実行し、実施例1~3に記載の任意の上り伝送方法における基地局側のステップを実現することができる。あるいは、第2メモリ142は、前述した第2通信プログラムが記憶された記憶媒体であってもよい。第2プロセッサ141は、第2メモリ142に記憶された第2通信プログラムを読み取り、コンパイルして実行し、実施例4~6に記載の任意の通信方法における基地局側のステップを実現することができる。基地局14が実施例1~3における上り伝送方法を実現する詳細、および基地局14が実施例4~6における通信方法を実現する詳細は、前述した実施例の説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0229】
本実施例は、端末、基地局および記憶媒体を提供し、端末は、現在の使用可能な伝送リソースに基づいてデータ伝送を柔軟に行うことができ、伝送リソースが基地局のスケジューリング要求を満たすまで受動的かつ柔軟性のないように待ってから伝送する必要がなく、端末側の伝送柔軟性を大きく増強し、システムの伝送効率および伝送リソースの利用率を向上させる。それと同時に、基地局は、端末が開始したMCOTに残り時間が存在すると確定した場合、該MCOTの残り時間を多重するように共有伝送端を制御することができ、端末が開始したMCOTのリソースは十分に使用され、リソースの浪費を回避し、リソースの最適化構成の実現に寄与する。
【0230】
当業者であれば、本開示の各実施例に係る上り伝送および通信の方法と装置、基地局、端末、並びに記憶媒体は、5G通信システムに適用できるだけでなく、将来の任意の通信システムにも適用できることを理解すべきである。
【0231】
明らかに、当業者であれば、上記本開示の実施例の各モジュールまたは各ステップは、汎用の計算装置で実現でき、それらが単一の計算装置に集中されてもよいし、複数の計算装置からなるネットワークに分布されてもよいことを理解すべきである。好ましくは、それらは計算装置実行可能プログラムコードで実現できるため、それらをコンピュータ記憶媒体(ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶して計算装置により実行することができ、且つ、いくつかの場合、ここでの順序と異なる順序で示されたまたは説明されたステップを実行してもよいし、または、それらをそれぞれの集積回路モジュールに作製し、あるいは、それらのうちの複数のモジュールまたはステップを単一の集積回路モジュールに作製して実現してもよい。従って、本開示は、任意の特定のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせに限定されない。
【0232】
以上の内容は、具体的な実施形態を参照しながら本開示の実施例についての更なる詳細な説明であり、本開示の具体的な実施例はこれらの説明に限定されるものではない。当業者にとって、本開示の概念を逸脱しない前提で、いくつかの簡単な推定または置換が可能であり、いずれも本開示の保護範囲に属するものと見なすべきである。