(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】サイドガセットを有する可撓性パッケージの製造方法および装置
(51)【国際特許分類】
B31B 70/64 20170101AFI20220711BHJP
B65D 30/20 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
B31B70/64
B65D30/20 A
(21)【出願番号】P 2020562112
(86)(22)【出願日】2019-05-07
(86)【国際出願番号】 IB2019053734
(87)【国際公開番号】W WO2019215612
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-01-04
(31)【優先権主張番号】102018000005111
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518144872
【氏名又は名称】アイシーエー エスピーエー
【氏名又は名称原語表記】ICA S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via del Litografo 7 40138 Bologna Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラッパリーニ ジーノ
(72)【発明者】
【氏名】クレシンベーニ ピエトロ
【審査官】永田 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-028771(JP,A)
【文献】特開2003-300263(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0129628(US,A1)
【文献】特開平10-059387(JP,A)
【文献】特開2004-010055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 70/64
B65D 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料からなるパッケージ(100)を製造する方法であって、以下の、
a.相互に搬送方向に沿って重なるように配置され
、可撓性材料からなる第1の帯状体(19)および第2の帯状体(20)を供給する工程と、
b.前記第1および第2の帯状体(19,20)の第1の側縁(39)に配置されて、前記第1および第2の帯状体(19,20)の搬送方向に垂直な方向に延在する、前記第1および第2の帯状体(19,20)の幅よりも短い第1の長さ(h4)の溶着面(24)によって前記第1の帯状体(19)を第2の帯状体(20)に固定する工程と、
を備え、
前記第1の帯状体(19)が前記溶着面(24)によって前記第2の帯状体(20)に固定された後、各々前記第1の側縁(39)に対抗して位置する前記第1の帯状体(19)の第2の側縁(37)と前記第2の帯状体(20)の第2の側縁(38)が、前記第1の帯状体(19)と前記第2の帯状体(20)との間に、前記第2の側縁(37,38)から前記溶着面(24)まで延びる空きスペースを形成するように、互いに離間するように移動され、
前記方法はさらに以下の、
c.前記パッケージ(100)のサイドガセット(3,4)を形成する筒状構成体(61)を、該筒状構成体(61)の一端部が
、前記第1の側縁(39)から
、前記第1の長さ(h4)に等しいかそれ以上からなる第1の距離(h2)に到達するまで
、前記空きスペース内に搬送
する工程
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の帯状体(19)と前記第2の帯状体(20)は、同じ幅を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記筒状構成体(61)は、前記第1および第2の帯状体(19,20)の搬送方向に垂直な方向に沿って搬送されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記搬送方向に沿って引き続いて配置される2つの前記溶着面(24)の各中間点の間の距離(M1)は、前記パッケージ(100)の幅に等しく、該距離は、前記搬送方向に沿って測定されることを特徴とする請求項1
から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記溶着面(24)の一縁は、前記第1および第2の帯状体(19,20)の前記第1の側縁(39)に沿って配置されることを特徴とする請求項1
から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶着面(24)が延在する前記第1の長さ(h4)は、前記第1の帯状体(19)および前記第2の帯状体(20)の幅(h3)の半分よりも短
いことを特徴とする請求項1から
5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の長さ(h4)は、35mmから50mmまでの範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の長さ(h4)は、50mmであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記工程a)において、前記第1および第2の帯状体(19,20)は、リール(72)から繰り出される第3の帯状体(70)からなり、該第1および第2の帯状体(19,29)は
、リール(72)から繰り出される前記第3の帯状体(70)を、該第3
の帯状体(70)の軸線に一致する折り目に沿って、該第3の帯状体(70)の側縁どうしが揃うように折り畳み、前記折り目に沿って前記第3の帯状体(70)を切断することにより得られることを特徴とする請求項1から
8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法はさらに次の、
d.再閉止可能な開口部(15)を、前記第1の帯状体(19)と前記第2の帯状体(20)との間に、前記第1の側縁(39)から前記第1の長さ(h4)よりも短い距離(h5)の位置に配置するように、前記搬送方向に平行な方向に沿って供給し、該再閉止可能な開口部(15)を、前記第1の帯状体(19)と前記第2の帯状体(20)との間に前記溶着面(24)によって固定する工程
を備えることを特徴とする請求項1から
9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記筒状構成体(61)は、可撓性材料からなるシート(60)を相互に平行な2つの第1の折り目(L1)に沿って該筒状構成体(61)を形成するように折り畳み、前記筒状構成体(61)の端部に相互に平行な辺(8,9)を有する2つの三角形の部分(6,7)が形成されるように、前記筒状構成体(61)の端部を前記2つの第1の折り目(L1)の方向に対して斜めの2つの第2の折り目(L2)に沿って折り畳むことで作成されることを特徴とする請求項1から
10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記筒状構成体(61)が前記第1の帯状体(19)と前記第2の帯状体(20)との間の空きスペース内に搬送された後、該筒状構成体(61)は、第2の溶着面(29)によって前記第1の帯状体(19)および前記第2の帯状体(20)に固定されることを特徴とする請求項1から
11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
可撓性材料からなるパッケージ(100)を形成する装置(200)であって、
該装置(200)は、第1の帯状体(19)および第2の帯状体(20)を搬送方向に沿って相互に重なる配置で供給するように構成された準備ステーション(201)を備え、
該準備ステーション(201)は、
前記第1および第2の帯状体(19,20)の第1の側縁(39)に配置され、前記第1および第2の帯状体(19,20)の前記搬送方向に垂直な方向に延在する、前記第1および第2の帯状体(19,20)のそれぞれの幅(h3)よりも短い第1の長さ(h4)の溶着面(24)を作成するように構成された第1の溶着手段(43)を備え、
前記装置はさらに、
前記第1の溶着手段(43)の下流に配置され、各々前記第1の側縁(39)と対抗する前記第1の帯状体(19)の第2の側縁(37)と前記第2の帯状体(20)の第2の側縁(38)とを、前記第2の
側縁(37,38)から前記溶着面(24)まで延びる空きスペースを前記第1の帯状体(19)と前記第2の帯状体(20)との間に形成するために移動させるように構成された分離手段と、
前記パッケージ(100)のサイドガセット(3,4)を構成する筒状構成体(61)を、該筒状構成体(61)の一端部が、前記第1の側縁(39)から前記第1の長さ(h4)に等しいかそれ以上である第1の距離(h2)に達するまで、前記空きスペース内に搬送するように構成された搬送手段(66)と、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項14】
前記第1の長さ(h4)は、前記第1の帯状体および前記第2の帯状体(19,20)の幅の半分未満で
あることを特徴とする請求項
13に記載の装置(200)。
【請求項15】
前記第1の長さ(h4)は、35mmから50mmまでの範囲内であることを特徴とする請求項14に記載の装置(200)。
【請求項16】
前記第1の長さ(h4)は、50mmであることを特徴とする請求項15に記載の装置(200)。
【請求項17】
前記準備ステーション(201)はさらに、
リールから搬送される第3の帯状体(70)を、該第3の帯状体(70)の両側縁が相互に揃うように、該第3の帯状体(70)の軸線に一致する折り目に沿って折り畳むように構成された折り畳み手段(73)と、
前記第1および第2の帯状体(19,20)を得るために、前記折り目に沿って前記第3の帯状体(70)を切断するように構成された切断手段(71)と、
を備えることを特徴とする請求項
13から16までのいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項18】
前記準備ステーション(201)はさらに、
前記第1および第2の帯状体(19,20)に再閉止可能な開口部(15)を取り付けるように構成された第2の溶着手段(42)を備え、
該第2の溶着手段(42)は、前記搬送方向に平行な方向に沿って前記第1の側縁(39)に配置されていることを特徴とする請求項
13から
17までのいずれか1項に記載の装置(200)。
【請求項19】
前記第2の溶着手段(42)は、前記第1の溶着手段(43)の上流に設けられていることを特徴とする請求項
18に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉可能なパッケージの分野に関する。より具体的には、本発明は、可撓性材料からなり、サイドガセットを有し、好ましくは再閉止可能な開口部をさらに有する、密閉可能なパッケージの分野に関する。さらに、本発明は、密閉可能なパッケージを製造するための装置および該パッケージを製造するための方法の分野に関する。
【0002】
可撓性材料からなるパッケージは、食品から工業の分野にわたる様々な分野で一般に使用されている。例えば、可撓性材料で作られたパッケージは一般に、小麦粉、粉チーズ等を収容するため、または犬やネコ用の穀物粒などの動物用のフードを収容するために使用されている。
【0003】
このようなパッケージは、用途に応じて様々なサイズのものが用いられている。例えば、ペットフードの場合には、フードの収容量を増加させるために非常に大きなサイズのパッケージが用いられている。
【0004】
これに対し、パッケージの前面のサイズは等しいまま、パッケージ内に収容される内容物の収容量を増加させることのできるパッケージとして、パッケージの厚み方向長さを延ばして、収容量の著しい増大を可能にしたサイドガセットを備えるパッケージがある。
【0005】
このようなサイドガセットは、通常は蛇腹構造であり、多くは可撓性材料からなるシンプルなシートを半折りし、パッケージの前面パネルと背面パネルとを接続するように、パッケージの前面パネルと背面パネルの両端部に配置される。
【0006】
このようなパッケージの製造方法の一例が、日本特許第3733085号(以下、単にPLT1と呼ぶ)に開示されている。上記したように、PLT1は前記パッケージの製造方法を開示している。PLT1の
図13には、2つの連続するパッケージの左右のサイドガセットを構成する筒状構成体1が、最終パッケージの前面パネルと背面パネルを構成する二枚の帯状体2の間に搬送されることが開示されている。
【0007】
筒状構成体1は、2つの帯状体の間に搬送されると、まず、3つのシールスポット24によって帯状体2に固定され、その次に、該筒状構成体の2つの端部は、空気の通過を許容するスリット17が配置されるように折り畳まれる。実際に、PTL1は、スリット17によるパッケージ内部への外気の通過を許容するような開いたパッケージの形成方法を明確に開示するものであり、したがって気密シール可能なパッケージの形成方法を開示するものではない。
【0008】
PLT1の
図15に示すように、前記折り畳みは、折り畳み手段22、25によって協働して行われ、筒状構成体1の端部を尖った形状にすることができる。このような尖った部分は、相互に隣接して配置された2つの直角三角形によって形成される。前記折り畳みを行った後、該折り畳み部分は、第4のシールスポット24によって固定される。
【0009】
PLT1の上記説明から明らかなように、このシステムはいくつかの欠点を有し、ここでそのうちの2つについて説明する。
【0010】
第1の欠点は、PLT1の発明者が、相互に完全に自由に移動することのできる2つの帯状体2の間に筒状構成体1を配置していることにある。この解決策は、一方では、2つの帯状体の間に様々なシーラーと折り畳み手段とを配置する多くのスペースを確保できるので有利であると思われているが、他方では、上記のために帯状体2を連続するサブステーションに向けて搬送する前に、該帯状体2および筒状構成体1に対し、同じ時点で多くの動作が行われることになるので、パッケージの形成工程の著しい速度低下をもたらすことになる。
【0011】
第2の欠点は、PLT1に記載のシステムにおいて、帯状体2に対する筒状構成体1の位置決め精度を高めることの困難性が増すことにある。これは、そこに存在する構成要素の数が増加し、同時にさまざまな構成要素の自由度が増加することにより、筒状構成体を帯状体2のより正確なポイントに所定の精度で配置することの難易度が増加するからである。
【0012】
このため、本発明の発明者は、前記問題点を解決することを可能にし、つまり、前記帯状体に対する筒状構成体の効率的な位置決めを可能にし、同時に、PTL1に示した方法に対して、パッケージのより高速での製造を達成することのできる方法および装置を提供することができる解決策を探していた。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、第1の帯状体と第2の帯状体とを予め溶着面によって固定するという考えに基づくものであり、これにより該第1の帯状体と第2の帯状体は、連続するステーションで互いに部分的には移動できるが、既に予め固定されているので、互いに完全に移動することがない。
【0014】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、該方法は、以下の、
a.相互に搬送方向に沿って重なるように配置され、好ましくは同じ幅を有する、可撓性材料からなる第1の帯状体および第2の帯状体を供給する工程と、
b.前記第1および第2の帯状体の搬送方向に垂直な方向に延在する、前記第1および第2の帯状体のそれぞれの幅よりも短い第1の長さの溶着面によって、前記第1の帯状体を第2の帯状体に固定し、該溶着面は、前記第1の帯状体および前記第2の帯状体の第1の側縁に配置する工程と、
を備える。
【0015】
この解決策は、前記筒状構成体を前記2つの帯状体の間に挿入する前に該帯状体どうしを予め固定することを可能にするので、とくに好適である。実際、溶着面の長さが、第1および第2の帯状体のそれぞれの幅よりも短いということは、該溶着面は、パッケージを実際に封止するものではなく、むしろ、前記2つの帯状体を予め固定するために設けられた予備固定部に相当するものであることを意味する。したがって、この予備固定部は、前記2つの帯状体を上流位置で固定するものであり、パッケージのサイドガセットを形成する前記筒状構成体が挿入できるように、帯状体の一部を自由のままにすることができるため、とくに好適である。従来技術、とくにPTL1に対して、この解決策は、引き続く筒状構造体の位置決めにおいて精度を高めることを可能にするとともに、結合ステーションにおいて行われる操作の数を減少させることを可能にし、同時に、筒状構成体を挿入するために十分なスペースを確保することを可能にするので、とくに好適である。さらに、前記溶着面によって、前記サイドガセットを、最終パッケージの上部に該ガセットが存在しないように前記帯状体の第1側縁から所定距離に配置し、これにより再閉止可能な開口部を前記上部に設けることができる。同様に、前記二つの帯状体が同じ幅を有する場合、前記帯状体の前記側縁が最終パッケージの上下縁となるように、該2つの帯状体の側縁をそれぞれ配置することができる。
【0016】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、該方法では、前記搬送方向に沿って連続して配置される前記2つの溶着面の2つの中間点の間の距離が、前記パッケージの幅に等しく、該距離が、前記搬送方向に沿って測定される。この解決策は、最終パッケージと等しい距離を有する2つの帯状体を予め固定する溶着面を設けることを可能にするので、とくに好ましい。これにより、前記溶着面をパッケージの側部シール内に確実に包含することができる。このため、パッケージが一旦製造されると、前記溶着面は外部からは視認することができず、したがって、最終製品は、前記溶着面を設けることなく形成されたものと見た目には同じものになる。
【0017】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、該方法では、前記溶着面の一縁が、前記第1および第2の帯状体の第1の側縁に沿って配置される。この解決策は、前記溶着面を帯状体の端縁に沿って配置することを可能にし、例えば、前記帯状体の他方の側縁にガゼットを形成するための筒状構成体を搬送することができるように、対抗する側縁を自由なままにすることができるので、とくに好適である。
【0018】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、該方法では、前記溶着面が延在する前記第1の長さは、前記第1の帯状体および第2の帯状体の半分の幅より短く、前記第1の長さは、好ましくは35mmと50mmとの間であり、より好ましくは50mmである。この解決策は、最終パッケージの上部にガゼットが存在しないことを可能にするので、とくに好適であり、該上部はパッケージの軸線方向長さの半分よりも短い長さとする。さらに、前記第1の長さが含まれる上述した好ましい範囲は、ガゼットの存在しない上部を少なくとも35mm設けることを可能にする。この工夫は、例えば、前記領域に再閉止可能な開口部を設けることを可能にする。
【0019】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、該方法では、前記工程a)の間に、前記第1および第2の帯状体を、リールから繰り出される第3の帯状体によって形成し、該第1および第2の帯状体は、好ましくはリールから繰り出される前記第3の帯状体を、該第3帯状体の軸線に一致する折り目に沿って、該第3の帯状体の側縁どうしが揃うように折り畳み、前記折り目に沿って前記第3の帯状体を切断することにより得られる。この解決策は、前記2つの帯状体を、単一のリールからの繰り出しによって得ることを可能にするので、とくに好適である。このことは、例えば、装置のサイズを効果的に低減し、また、使い切った際に1個のリールのみを交換することを可能にすることを意味する。ここで第3の帯状体の軸線という用語は、それに沿って第3の帯状体が繰り出され、その第3の帯状体の中点を通過する軸線を意味していることは明らかである。
【0020】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、この方法は、以下の、
c)再閉止可能な開口部を、前記第1の帯状体と前記第2の帯状体の間に前記溶着面によって固定するために、該再閉止可能な開口部を前記第1の帯状体と第2の帯状体との間の、前記第1の縁から前記第1の長さよりも短い距離の位置に、前記搬送方向に平行な方向に沿って配置するように供給する工程、
をさらに備える。
【0021】
この解決策は、2つの帯状体を予備固定できるという上述の如き溶着面の効果的な利点が、第1の帯状体と第2の帯状体との間に再閉止可能な開口部を固定することも可能にするという二重の目的を果たすので、とくに好適である。このことは、前記再閉止可能な開口部が、その開口部をパッケージの上縁に平行に効率よく配置するために、前記帯状体の1つと平行な方向に沿って搬送されることを意味する。さらに、前記再閉止可能な開口部は、好ましくは連続的に供給されるようにリールから提供される。該再閉止可能な開口部は、好ましくは再閉止可能な長いジッパーであり、該ジッパーは、各帯状体の一部を固定するために、そしてそれにより最終パッケージの密閉を確実にするために、前面側の帯状体および背面側の帯状体の両方に固定される。実際、再閉止可能な開口部の第1の部分を、該再閉止可能な開口部の第2の部分に係合させることによって、パッケージそれ自体が最初に開封された後でも該パッケージの上部開口部を閉止することができる。
【0022】
本発明の特定の一の実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、この方法では、前記第1の帯状体が前記溶着面によって前記第2の帯状体に固定された後、何れも前記第1の側縁の反対側に位置する、前記第1の帯状体の第2の側縁と前記第2の帯状体の第2の側縁は、前記第1の帯状体と第2の帯状体との間に空スペースを形成するために相互に離間するように移動し、該空きスペースは、第2の縁部から溶着面まで延在している。この解決策は、2つの帯状体が上記したように前記溶着面によって予め固定されているため、互いに横方向に移動することなく、前記第2の帯状体から第1の帯状体を開放することを可能にするので、とくに好適である。それゆえ、この開口部は、前記第1の帯状体を側縁に沿って第2の帯状体から離れるように動かすことを可能にし、パッケージのサイドガセットを形成する前記筒状構成体を該開口部により搬送することを可能にする。
【0023】
本発明の特定の一実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、この方法は、さらに以下の、
d)前記パッケージのサイドガセットを形成する筒状構成体を、該筒状構成体の一端部が前記第1の側縁から第1の距離に到達するまで前記空きスペース内に搬送し、前記第1の距離は、前記第1の長さと等しいかまたはそれ以上であり、前記筒状構成体を、好ましくは前記第1および第2の帯状体の搬送方向に垂直な方向に沿って搬送する工程、
を備える。
【0024】
この解決策は、2つの帯状体の間に形成されるスペースを、前述のようにパッケージのサイドガセットを形成する筒状構成体それ自体を挿入するために使用することを可能にするので、とくに好適である。以上のことから明らかなように、この解決策は、上述した溶着面の設置により、溶着面の溶着が行われるポイントと、筒状構成体が挿入されるポイントとを分離させることを可能にする。このことは本発明者に、一のパッケージを製造する時間を実際に短縮することを可能にしている。さらに、前記第1の距離が前記第1の長さと等しいかそれ以上であるという事実は、前記溶着面に対して底部側に前記筒状構成体を配置することを可能にし、かくして、上部にガゼットが存在しないパッケージを提供することを可能にする。
【0025】
本発明の特定の一の実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、この方法では、前記筒状構成体は、可撓性材料からなる1枚のシートを相互に平行な2つの第1の折り目に沿ってその筒状構成体を形成するように折り畳み、そして、相互に平行な2つの辺を有する2つの三角形の部分を有する前記筒状構成体の一端部が形成されるように、前記筒状構成体の一端部を前記2つの第1の折り目に対して斜めの2つの第2の折り目に沿って折り畳むことで形成される。この解決策は、傾斜面を有するサイドガセットを形成することを可能にするので、とくに好適である。さらに、この解決法は、前記空きスペース内で様々な折り畳み作業を行うことなく、既に“成形済み”の筒状構成体をその空きスペース内に供給することを可能にする。したがって、パッケージの製造時間を大幅に短縮することを可能にする。
【0026】
本発明の特定の一の実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、この方法では、前記筒状構成体が前記第1の帯状体と前記第2の帯状体との間の空きスペース内に搬送された後、前記筒状構成体は、第2の溶着面によって前記第1の帯状体および第2の帯状体に固定される。この解決策は、すべての構成要素を一緒に固定することができ、そのため、様々な構成要素間で生じるおそれのある移動を効果的に阻止することができるので、好適である。このようにして、連続工程において筒状構成体部分が移動することなく、2つの帯状体を搬送することができる。
【0027】
本発明の特定の一の実施形態によれば、パッケージを製造する方法が提供され、この方法では、前記パッケージは、密閉可能なパッケージである。これは、例えば、パッケージ内に含まれる内容物の官能特性を維持できるように、パッケージ外の雰囲気に対してパッケージ内の雰囲気を密閉することを意味する。
【0028】
本発明の特定の一実施形態によれば、可撓性材料からなるパッケージを製造する装置が提供され、この装置は、第1の帯状体および第2の帯状体を搬送方向に沿って相互に重なるように供給するように構成された準備ステーションを備え、該準備ステーションは、前記第1および第2の帯状体の前記搬送方向に垂直な方向に延在する、前記第1および第2の帯状体のそれぞれの幅よりも短い第1の長さの溶着面を形成するように構成された第1の溶着手段を備え、該溶着面は、前記第1および第2の帯状体の第1の側縁に配置されている。この解決策は、前記筒状構成体が2つの帯状体の間に挿入される前に、第1の溶着手段によって2つの帯状体を予め固定することを可能にするので、とくに好適である。実際、溶着面の長さは、第1および第2の帯状体の各々の幅よりも短いと定義されると、該溶着面は、パッケージを実際に密閉するために設けられるものでなく、むしろ、2つの帯状体を予め固定するために設けられる予備固定部に相当するものである。したがって、この予備固定は、二つの帯状体を上流位置で固定することを可能にし、パッケージのサイドガセットを形成する前記筒状構成体を挿入する部分を自由にしておくことができるので、とくに好適である。従来技術、とくにPTL1に対し、この解決策は、引き続く筒状構成体の位置決めを高い精度で行うことおよび、結合ステーションにおいて行われる作業の数を減少させることを可能にし、同時に、筒状構成体を挿入するのに十分な空間を確保することを可能にするので、とくに好適である。さらに、前記溶着面によれば、最終パッケージの上部がガセットを含まないように、サイドガセットを、それらの帯状体の第1の側縁から所定の距離に位置させることができ、かくして、該部分に再閉止可能な開口部を設けることが可能になる。同様にして、2つの帯状体が同じ幅を有する場合には、該2つの帯状体の側縁が最終パッケージの上下縁になるように、2つの帯状体の側縁を互いに位置決めすることができる。
【0029】
本発明のさらなる一実施形態によれば、可撓性材料からなるパッケージを製造する装置が提供され、この装置では、前記第1の長さは、前記第1の帯状体および前記第2の帯状体の幅の半分未満であり、該第1の長さは、好ましくは35mmと50mmとの間であり、より好ましくは50mmである。この解決策は、最終パッケージの、パッケージの軸線方向長さの半分よりも短い上部を、ガセットが存在しない部分とすることができるので、とくに好適である。さらに、前記第1の長さが含まれる上述した好ましい範囲によれば、ガセットが存在しない上部を少なくとも35mmに等しい長さにすることが可能になる。この工夫は、例えば、前記領域に再閉止可能な開口部を設けることを可能にする。
【0030】
本発明のさらなる一実施形態によれば、可撓性材料からなるパッケージを製造する装置が提供され、この装置では、前記準備ステーションはさらに、リールから搬送される第3の帯状体を、該第3の帯状体の側縁を相互に揃えるために、該第3の帯状体の軸線に一致する折り目に沿って折り畳むように構成された折り畳み手段と、前記第1および第2の帯状体を形成するために、前記折り目に沿って前記第3の帯状体を切断するように構成された切断手段と、を備える。この解決策は、2つの帯状体を1のリールから得ることが可能になるので、とくに好適である。このことは、例えば、装置のサイズを効果的に減少させることができ、帯状体を使い切った際に1個のリールのみを交換すれば良いことを意味する。ここで、第3の帯状体の軸線という用語は、該第3の帯状体が繰り出され、その状態で該第3の帯状体の中点を通過する軸線を意味していることは明白である。
【0031】
本発明のさらなる一実施形態によれば、可撓性材料からなるパッケージを製造する装置が提供され、この装置では、前記準備ステーションはさらに、前記第1および第2の帯状体で再閉止可能な開口部を密閉するように構成された第2の溶着手段を備え、該第2の溶着手段は、前記搬送方向に平行な方向に沿って前記第1の縁に配置されている。この解決策は、再閉止可能な開口部が延在する方向に沿って、2つの帯状体の各々に該再閉止可能な開口部を溶着することを可能にするので、とくに好適である。さらに、このような再閉止可能な開口部は、連続的な方法で供給されるために、好ましくはリールから供給される。このような再閉止可能な開口部は、一部を各帯状体に固定され、これにより最終パッケージの密閉を確実に行うことができるように、前面側の帯状体および背面側の帯状体の両方に固定される再閉止可能な長いジッパーであることが好ましい。実際、前記再閉止可能な開口部の第1の部分を、該再閉止可能な開口部の第2の部分に係合させることによって、パッケージそれ自体が最初に開封された後でも該パッケージの上部開口部を閉止することができる。
【0032】
本発明のさらなる一実施形態によれば、可撓性材料からなるパッケージを製造する装置が提供され、この装置では、前記溶着面は、再閉止可能な開口部をパッケージの側部領域に固定することを可能にする。この解決策は、2つの帯状体を予備固定できるという上述の如き溶着面の効果的な利点が、第1の帯状体と第2の帯状体との間に再閉止可能な開口部を固定することも可能にするという二重の目的を果たすので、とくに好適である。このことは、前記再閉止可能な開口部が、該開口部をパッケージの上端と平行に効果的に配置するために、前記帯状体の1つと平行な方向に沿って搬送されることを意味する。さらに、この解決策は、再閉止可能な開口部の側部を平坦化することも可能にし、それによって厚みを減少させることができる。
【0033】
本発明のさらなる一実施形態によれば、可撓性材料からなるパッケージを製造する装置が提供され、この装置では、前記第2の溶着手段は、前記第1の溶着手段の上流に配置される。この解決策は、前記再閉止可能な開口部が前面側の帯状体と背面側の帯状体とに結合された後に、該再閉止可能な開口部を引き続いて開放できるようにするために、2つの溶着手段の間にコントラスト要素のような要素を挿入することを可能にするので、とくに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
本発明は、添付図面を参照して説明され、ここで、同一の符号および/またはマークは、システムの同一の部品および/または類似の部品および/または対応する部品を示す。
【0035】
【
図1】本発明の一実施形態の可撓性材料からなるパッケージの正面図である。
【
図2】本発明の一実施形態の、
図1に示すパッケージを製造するための装置の三次元概略図であり、点線は、装置を構成する各ステーション間を分けて示すための仮想線である。
【
図3】本発明の一の実施形態において、
図2に示すパッケージを製造するための装置の各構成機構をより具体的に示す図である。
【
図4】
図3に示す装置の第1ステーションの詳細を示す図である。
【
図5】
図5Aは、
図3に示す装置の第2ステーションの詳細を示す図であり、本発明の一の実施形態により形成された筒状構成体であり、
図5Bは、
図5Aの切断線A-Aにおける筒状構成体61の断面図である。
【
図6】
図6Aは、筒状構成体形成ステーションを詳細に示すものであり、より具体的には、筒状構成体を移動させ、該筒状構成体の軸線に対して斜めの折り目を形成するためのシステムを示す図であり、
図6Bは、
図6Aの切断線A-Aにおける断面図である。
【
図7】
図7Aは、
図6Aに示す筒状構成体形成ステーションについて、筒状構成体の端部が該筒状構成体の軸線に対して傾斜した折り目に沿って折り曲げられた後の状態を詳細に示したものであり、一方、
図7Bは、
図7Aの切断線B-Bにおける断面図を示すものであり、特に、三角形の部分6および7の断面図を示すものである。
【
図9】
図7Aに示す筒状構成体の斜視図であり、筒状構成体61を溶着することで三角形の部分6、7を固定した後の状態を示す。
【
図10】
図9に示す筒状構成体形成ステーションと、
図4に示す第1ステーションから移送される二枚のシート間に筒状構成体を挿入する結合ステーションを示す斜視図である。
【
図11】
図10に示すステーションの斜視図であり、筒状構成体が切断線に沿って切断された後の状態を示す。
【
図13】
図12に示したステーションの詳細を示す斜視図であり、
図12に示す状態の続きの状態を示すものである。
【
図14】
図13に示す装置の一部を示す平面図であり、様々なシールが示されている。
【
図15】
図14に示すものと同様の平面図であり、
図14に示す状態の続きの状態を示すものであり、一のパッケージが次のパッケージから切り離された状態を示している。
【
図16】
図15に示すパッケージが封止ステーションに送られた最終の状態を示すものであり、該パッケージ内に内容物が充填され、封止して外部へ搬出する状態を示している。
【発明の詳細な説明】
【0036】
以下に、本発明の一の実施形態を、添付の図面に示した一の実施形態に従って説明する。しかし、本発明は、以下の詳細な説明に記載されると共に、図面に示された実施の形態に限定されず、開示の実施の形態は、本発明の様々な態様を単に例示するものであり、その範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものである。本発明はさらに修正および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0037】
本明細書において密閉可能なパッケージ100が載置される平面を、“右”、“左”、“上”、“下”、“前”、“後方”という用語で表す。したがって、密閉可能なパッケージ100が載置される平面は、パッケージの開口が設けられる面とは反対側の面である。したがって、“上部”という用語は、パッケージの開口が設けられる、該パッケージの部分を表し、該部分から内容物が挿入される。また、パッケージ100が載置される平面に関しては、右は読み手の右側を指し、同様に、左は読み手の左側を指し、最後に、正面は読み手の対面する部分であり、同様に、後方は読み手の反対の側を指す。
【0038】
本発明における搬送方向という用語は、パッケージ100またはその一部が製造される方向を意味する。この論理において、1のプロセスが他のプロセスに対して“下流”で行われる、とは、パッケージ100を製造する工程において、1のプロセスが、他のプロセスを行った後に行われることを意味する。同様に、1のプロセスが他のプロセスに対して“上流”で行われる場合は、パッケージ100を製造する工程において、1のプロセスが他のプロセスが行われる前に行われることを意味する。
【0039】
図1は、本発明の一の実施形態による密閉可能なパッケージを概略的に示したものである。
【0040】
図1は、パッケージ100の正面図であり、特に、パッケージの上部開口5は、図の上端部に位置し、パッケージ100の下縁部12は、図面の下部に位置する。
【0041】
パッケージ100は、以下の説明から明らかなように、上部開口5からパッケージ100に内容物を充填した後、該開口5において、溶着面を形成してパッケージの開口が閉鎖されるので、パッケージ外部の大気が、パッケージ内に侵入することがなく密閉される。したがって、パッケージ100内の雰囲気は、パッケージ100の外部の雰囲気に対して完全に分離されている。
【0042】
図1に記載されたパッケージ100の詳細について説明するが、以下の図面を参照して該パッケージの製造方法を説明することで明らかになるであろう。
【0043】
可撓性材料からなる密閉パッケージ100は、前面パネル1と背面パネル2から構成される。前面パネル1と背面パネル2は、右側ガセット3と左側ガセット4の2つのサイドガセットによって接続されている。このサイドガセット3,4は、前面パネル1と背面パネル2の対向する端部に設けられている。前記2つのサイドガセット3,4は、1枚のシートをパッケージの軸線Ax1に平行な折り目L1に沿って折り曲げて形成される。これにより、蛇腹構造を形成することができ、前面パネル1と背面パネル2との間の距離を大きくすることができる。
【0044】
サイドガセット3,4は、複数の折り目を設けて、2つのパネル間の距離を大幅に増大させるように構成することができ、これによれば、パッケージの体積を大幅に増大させることができる。
【0045】
前面パネル1、背面パネル2、2つのサイドガセット3,4は、可撓性を有するシール可能な材料のシートからなることが好ましい。該シートは、2つの表面のうちの一方のみがシール可能であることが好ましい。
【0046】
このため、前面パネル1および背面パネル2は、パッケージ100の内側に位置する側にシール可能な面を有している。サイドガセット3,4は、パッケージ100の内側に位置する側にシール可能な面を有する。特に、サイドガセット3,4は、前面パネル1および背面パネル2と対向する側にシール可能な面を有し、サイドガセット3,4と前面パネル1および背面パネル2との間のシールを可能にしてパッケージ100の側方の閉鎖を確実にしている。
【0047】
図示のように、パッケージ100の開口5に近い位置に、再閉止可能な開口部15を有し、この再閉止可能な開口部15は、パッケージ100の軸線Ax1に垂直な方向に延在して設けることが好ましい。後述するように、再閉止可能な開口部は、側部溶着面22,23の間に設けられる。該再閉止可能な開口部の一例としては、パッケージ100を可逆的に開閉することができるジッパーがある。したがって、再閉止可能な開口部15は、前面パネル1と背面パネル2の間に延在し、該再閉止可能な開口部15の第1の部分は、パッケージ100の前面パネル1の内面に設けられ、該再閉止可能な開口部15の第2の部分は、パッケージ100の背面パネル2の内面に設けられる。このようにして、前記第1の部分が、前記第2の部分と係合することで、パッケージ100が開封された後も該パッケージ100の封止を確実に行うことができる。
【0048】
サイドガセット3,4の上端部は、パッケージ100の軸線Ax1に対して傾斜する折り目線L2に沿って折り曲げられる。該折り目線L2に沿って折り曲げられた部分は、サイドガセット3,4の端部となり、パッケージ100の開口5の近傍に位置することになる。
【0049】
サイドガセット3,4の端部の折り曲げにより、三角形の部分6,7が形成されることになり、そのため、パッケージ100の上部に、ガセットが存在しないようにすることができる。これにより、前記全面パネル1の層と背面パネル2の層との2層の材料(2層の厚さを有する領域)のみからなる領域に、再閉止可能な開口部15を配置することができる。
【0050】
前記三角形の部分6,7は、パッケージの軸線Ax1に対して傾斜した斜辺を有する直角三角形の形状を有し、各三角形の部分6,7の高い方の頂点は、シールが行われるパッケージの側部領域(後でさらに説明する)に位置し、これにより、前面パネル1と背面パネル2とを、サイドガセット3,4を挟んで接合することができる
【0051】
したがって、前記三角形の部分6,7のそれぞれは、パッケージの外縁10,11に平行な隣辺8、9と、パッケージ100の外縁10,11に垂直な他の隣辺13,14とを有する。
【0052】
図に示したように、パッケージの外縁10,11に平行な隣辺8,9は、パッケージの外縁から所定距離D1離れて位置する。パッケージ100の製造方法を説明する際に述べるが、前面パネル1をガセット3,4に溶着した後、背面パネル2を溶着させることができるので、各三角形の部分6,7を“挟み込む”ことができる。したがって、外部雰囲気に対し、パッケージ内の雰囲気の効果的な密閉を確実に行うことができる。
【0053】
反対に、前記隣辺8,9を、パッケージ100の縁部10,11と重なるように位置決めすると、外部に対してパッケージ100を完全に密閉することができないおそれがある。さらに、前記ガセットの上部に配置される“側部タブ”の形成の問題もあり、破袋する可能性があり、非常に脆弱でもろいパッケージになってしまう。
【0054】
図示および上述したように、パッケージの右側及び左側の側縁10,11に側部シール22,23が形成され、該側部シールによってパッケージ100を右側部及び左側部に沿って封止することができる。このような側部溶着面22,23は、パッケージの全長h3に延びている。このような側部シールのシール幅は、上述の所定距離D1よりも大きくする。
【0055】
このようにして、隣辺13,14の一部が側部の溶着領域22,23に重なり、これにより三角形の部分6,7の前記側縁への“挟み込み”による固着を確実にすることができる。
【0056】
上記したように、溶着面22,23の幅は、前面パネル1と背面パネル2との間に前記三角形の部分を“挟み込む”ため、第1の所定距離D1よりも大きくする。とくに、所定距離D1は、好ましくは1mm以上からなり、実際にはもっと大きい。例えば、大きいサイズのパッケージでは、所定距離D1は好ましくは、4mm以上である。このような離間距離は、パッケージのサイズに強く依存している。例えば、小型のパッケージでは、所定距離D1は小さくなる。一方、大型のパッケージでは、所定距離D1が大きくなっている。同様に、所定距離D1は、側部溶着面22,23の幅に依存する。つまり、該溶着面が大きくなるにつれて、所定距離D1が大きくなる。
【0057】
加えて、図に示したように、下部溶着面27を、底部からパッケージ内に収容された内容物の漏れ出しを防止するため、該パッケージ100の下縁12に沿って、パッケージ100の底部を封止するように設けられる。さらに、溶着面22,23および溶着面27の両方に対して傾斜して設けられた2つの溶着面25,26を有し、該溶着面によってパッケージを効果的に空にすることができると共に、下端部を強化することができる。パッケージを効果的に空にすることができるのは、溶着面25,26によってパッケージの底部が平坦になるためであり、これにより簡単にパッケージ内を空の状態にすることができる。
【0058】
これにより、パッケージ100内に収納された内容物を効率よく取り出すことができ、上記によらないとパッケージ100下側の隅部に内容物が挟み込まれることになる。実際に、溶着面25,26の目的は、パッケージ内に収容された内容物の一部が、該パッケージ下側の隅部に挟み込まれたままになることを抑制することにある。
【0059】
例えば、パッケージに含まれる材料の価値が非常に高い場合、例えば食品の場合に、どのようなケースであっても、廃棄物を減らすことが重要である。
【0060】
さらに、サイドガセット3,4は、パッケージ100の下縁部12に対して所定距離D2離れて位置している。これは、ガセットの下部が、前面パネル1と背面パネル2との間に確実に“挟み込み”されるようにするためである。この所定距離D2は、パッケージ100の大きさに応じて変化させることができる。該所定距離D2の基準値としては、1mm以上が好ましい。さらに、ほとんどの場合、該所定距離は5mm未満であることが好ましい。
【0061】
図1に示したようなパッケージは、サイズの範囲を広く設定することができる。例えば、0.1kgの被包装物を収納できるような比較的小さいパッケージから、被包装物を20kgまで収納できる非常に大きいパッケージまで様々なサイズがある。
【0062】
要するに、右側ガセット3および左側ガセット4は、パッケージの側縁10,11に沿ってパッケージ100の下縁12から高さh1まで延在している。そのため、図に示すように、パッケージ100の高さh3は、ガセット3,4の上端部から上端縁5までの距離h2と距離h1との和に等しい。このようなガセット3,4は、前面パネル1および背面パネル2の下縁である、パッケージ100の下縁12から所定距離D2離れて位置させる。また、右側ガセット3および左側ガセット4の上端部は、パッケージ100の開口5から距離h2に位置する。そのため、パッケージ100の内部が、ガゼットの影響を受けることがなく、またパッケージ100内に収納された内容物の有効な取り出し口を設けることができる。
【0063】
図2~
図16には、
図1に示すものと同様のパッケージ100を製造するための装置200および、該パッケージ100を製造する方法が示されている。
【0064】
図2は、本発明の一の実施形態による装置200を示す。図に示す装置200は、4つのステーションを備えている。第1ステーション201は、ステーション202でステーション203から移送される筒状構成体と結合される帯状の材料を調整するように構成されている。ステーション203は、
図1のパッケージ100のサイドガセット2,3を形成するように構成されている。結合ステーション202の下流には、結合ステーション202で製造されたパッケージを開口して内容物を充填し、最終的にはパッケージ100の開口5を閉じて、パッケージ内の雰囲気を外部雰囲気に対して封止する封止ステーション204が配置されている。
【0065】
ここで、
図3を参照すると、図示の実施例では、垂直ステーションである準備ステーション201、結合ステーション202および筒状構成体形成ステーション203が詳細に示されている。
【0066】
パッケージ100の製造方法は、装置200を構成する様々なステーションについて説明すると共に、該ステーションがパッケージ100の製造にどのように寄与するのかについて説明することで明らかになるであろう。
【0067】
準備ステーション201は、可撓性材料からなるシート70が巻回されたリール72を備え、該シート70は、上述したように、2つの面のうちの一方がシール可能に構成されている。
【0068】
シート70は、リール72から形成装置73に向かって繰り出され、該形成装置では、シート70を、リール72に巻回されていたときの幅のほぼ半分の半折シートとなるように折り畳む。
【0069】
上記したように、シート70は、リール72から繰り出され、形成装置73に向かって
図3に矢印で示す搬送方向に沿って移送され、該形成装置において折り畳まれる。シート70を切断することのできるブレード71が、形成装置73の直下に配置され、該ブレード71によって形成装置73で設けられた折り目に沿って2つの等しい部分に切り分けることができる。
【0070】
したがって、ブレード71の下流では、2枚のシート19,20が互いに重なりあって下流へ搬送される。シート19,20は、シール可能な面どうしが対向し、一方、外面は非シール面からなり、そのため2つのシートを相互にシールさせることができる。
【0071】
また、上記システムを、2つのシート19,20を相互に重なり合うように供給することのできる2つのリールによって置き換えることもできる。例えば、この代替システムは、例えば色および厚さのような性質の異なる2枚のシートを用いる場合に好適である。しかし、この後者のシステムは、2つのリールを用いるため、より大きなスペースを必要とするという欠点を有する
【0072】
リール74は、ブレード71の下流に配置され、該リールにはパッケージ100の再閉止可能な開口部として使用されるジッパー15が巻回されている。
【0073】
ジッパー15は、リール74から繰り出され、ブレード71の下流に形成された両シート19,20に結合される。例えば、図示の一例では、ジッパー15は、溶着用バー42によって前面シート19および背面シート20に結合され、これによって、再閉止可能な開口部15を、パッケージ100のパネル1,2に溶着によって設けることができる。
【0074】
図に示されているように、再閉止可能なジッパー15は、リール74から供給され、前記前面シートおよび背面シートの両方に溶着用バー42を用いてシールされて結合される。とくに、再閉止可能な開口部15が開放された後、すなわち再閉止可能な開口部15の第1の部分と、再閉止可能な開口部15の第2の部分との係合が解除された後、再閉止可能な開口部15の第1の部分は、前面シート19に保持され、第2の部分は、背面シート20に保持される。そのため、前記第1の部分と第2の部分との分離/結合によってパッケージ100を可逆的に開放/封止することができる。
【0075】
上述したように、前記第1および第2の部分を備える再閉止可能なジッパー15は、シート19とシート20との間に搬送され、該シートにシールされる。前記第1および第2の部分は、溶着用バー42によって溶着された後に互いに係合していない状態であることが好ましい。
【0076】
したがって、再閉止可能な開口部15の第1の部分を、第2の部分から分離することを目的として、コントラスト部(図示せず)を、溶着用バー42の下流に設けることが好ましい。
【0077】
前記説明に引き続いて示すように、様々なパッケージ100を切り離す最終ステーションでは、ジッパー15の2つの部分が互いに係合していないことが好ましく、これは、内容物の充填用の開口をパッケージ100に設けることができ、ジッパーの前記2つの部分を最初に開放する作業を行うことなく、内容物を充填することができるためである。
【0078】
溶着用グリッパー43は、上述したように、溶着用バー42の下流側に配置され、ジッパー15を長手方向にシールするように構成されており、該溶着用グリッパーは、シート19,20の搬送方向と直交する方向に溶着面24を形成することが可能であり、上記のコントラスト部を設ける場合には、溶着用バー42と溶着用グリッパー43との間に設ける。
【0079】
以下の図面を参照してより詳細に説明するが、前記溶着面24は、前記前面シート19を、シート19,20の間に設けられた再閉止可能な開口部15と共に、背面シート20に固定するものである。さらに、前記溶着面24でジッパー15を平坦化してジッパーの厚さを減少させることが可能である。これにより、後述するパッケージのサイドシールの形成を容易にすることができる
【0080】
前記溶着用グリッパー43により形成された各溶着面24は、シート19,20の縁部近傍に配置されており、ここで、“近傍”とは、シート19,20の縁部と前記溶着面24との間に所定の距離があることを意味し、これは例えば前記溶着用グリッパーを位置決めする際に必要とされる誤差のマージンである。いずれにしても、シート19,20の縁部に隣接して溶着面を位置させることが好ましい。
【0081】
パッケージ100の開口5が位置する、パッケージ100上縁の閉鎖部は、シート19,20の端部と平行な方向、すなわちシート19,20の搬送方向に沿って延在する。したがって、連続する2つの溶着面24の中点の間の距離(
図13の距離M1参照)が、シート19,20の搬送方向に沿って測定され、該距離が、その後に形成されるパッケージ100の幅と等しいことは明らかである。
【0082】
このような溶着面24の長さh4(
図10に示す)は、35mm~50mmであることが好ましい。一の実施形態において、前記長さは好ましくは40mmである。いずれの場合も、上記の長さは、パッケージ100の最終的な高さと、後述するようにパッケージの縦長さh3に一致するシート19,20の幅に強く依存している。
【0083】
溶着面24は、後述するようにサイドガセット3,4を形成する筒状構成体を誘導することのできる長さを有していることが重要である。つまり、高さh4が高くなれば、パッケージにガゼットの影響をうけることのない部分を大きく形成することができる。そのため、高さh4が40mmの場合には、パッケージの、ガゼットの影響を受けない部分は、少なくとも40mmの軸長さになり、好ましくは50mmとする。これによれば、後述するように、前記筒状構成体が、パッケージ100の開口5が位置しているシート19,20縁部に近づくように移動することを阻止できる。
【0084】
前記シート19,20は、例えば、簡単なローラからなる動力手段(図示しない)によって、前記溶着用グリッパー43の下流に搬送される。前記準備ステーション201による手順を、
図4を参照して詳細に示す。
【0085】
図4は、溶着面24が形成される部分から所定距離下流で、前面シート19と背面シート20がどのようにして、それに沿って上記溶着面24が形成される縁とは反対側に位置する縁37,38に沿って互いに離間するかを明確に示すものである。このような工程は、シート19,20の間に挿入されてそれら前面シート19と背面シート20との間の距離を広げ、筒状構成体61の挿入を可能にするように構成された、従来技術(以下、単に分離手段ともいう)において公知の簡単な突出エレメント(図示せず)によって行うことができる。このような離間手段は、例えば、WO2015/040631A1に示されるような先行技術において公知の任意のシステムからなり、互いに重ねられた2枚のシートを離間させることができ、それらの間に空のスペースを形成することができる。
【0086】
背面シート20の縁部37と前面シート19の縁部38は、パッケージ100の下縁12となる位置に配置されている。
【0087】
図3に再び戻り、結合ステーション202は、第1準備ステーション201の下流に配置され、該結合ステーションは、第1ステーション201から搬送されるシート19およびシート20を、筒状構成体形成ステーション203から搬送される筒状構成体61に結合するように構成されたものであって、これについては後で説明する。
【0088】
したがって、結合ステーション202の説明に入る前に、前記筒状構成体を結合ステーション202に供給する筒状構成体形成ステーション203の運転方法について詳細に説明する。
【0089】
図3に示したように、前記筒状構成体61の搬送方向は、上記した前面シート19と背面シート20の搬送方向に対して垂直な方向である。
【0090】
図5Aおよび5Bを参照すると、前記筒状構成体を形成する方法が詳細に示されている。図に示したように、シート60は、軸線63を中心に回転するように構成されたリール62に巻回されている。該リール62が回転することで、前記シート60が繰り出され、筒状構成体61が周知の形成装置(図示しない)を介して形成される。
【0091】
筒状構成体とは、ある方向に沿って延びる平らな筒状構造を有するシートを意味する。該筒状構成体は、2つの相互に平行な折り目L1を介して1枚のシートによって形成される。図に示したように、2つの折り目L1は、シート60の両外縁を互いに近接するように移動させ、該シートの右縁が、該シートの左縁に配置される。前記シートの右縁と、該シートの左縁は、前記筒状構成体の中央部で当接することになる。前記2つの折り目L1は、実際、前記シート60の外縁から同じ距離に配置されている。
【0092】
筒状構成体61の構造の一例が、
図5BのA-A断面図に明確に示されている。該断面図によれば、筒状構成体61の下端は連続したものからなり、一方、上端にはわずかに不連続な部分があることがわかる。該不連続部分がある理由は、上記したように、筒状構成体61の上端には、前記シート60の右縁と左縁とがそれぞれ有するためである。したがって、筒状構成体61の上端の中央部分は、シート60の左縁と右縁との境目部分となっている。
【0093】
いずれにしても、折り目L1に沿ってシート60を折り畳むための成形装置は、前記不連続部分を実質的にゼロにするように、シート60の両外縁どうしを配置する。前記シートの左縁と右縁との間の距離は、
図5Bでは読者が筒状構成体からなり、前記不連続部分がシート60の右縁と左縁とが当接する部分であることを理解できるように、かなり強調して例示されていることを留意する必要がある。前記成形装置によって形成される前記不連続部分が、実際には、はるかに狭いことは明白である。
【0094】
図6Aおよび6Bを参照すると、筒状構成体61を折り畳み、搬送する装置が開示されている。
【0095】
とくに、
図6Aには、筒状構成体61を、
図3に示したシート19,20の搬送方向に垂直な方向へ搬送することが開示され、該搬送は、2つの異なる高さに配置された逆回転ローラ66によって確実に行われる。
【0096】
前記筒状構成体61は、前記逆回転ローラ66を該筒状構成体に直接接触させるための2つの開口68が設けられたプレート67の下に搬送され、該筒状構成体をローラの回転によって搬送方向に搬送させる。図に示す一の実施例では、開口68の数は2つであり、よってローラの数は4つとなる。
【0097】
しかしながら、前記開口68の数、したがってローラ66の数は、例えば、筒状構成体61のサイズや、筒状構成体61を構成する材料の厚みや硬さなどによって適宜、増やすことも減らすことも可能である。
【0098】
前記したように、シート60は、シート70のように、溶着面と非溶着面を有する可撓性材料からなる1枚のシートである。図面に示される一の実施形態では、前記溶着面は、筒状構成体61の外表面にあり、つまり筒状構成体の外面を形成し、一方、非溶着面は、筒状構成体61の内面となる。
【0099】
前記したように、一対のローラ66はそれぞれ、前記プレート67の上部および下部に配置され、前記一のローラは、その上部/下部に設けられた他のローラに対して反対の方向に回転するように構成されている。
【0100】
前記筒状構成体61の搬送方向に対して斜めに設けられた図に示す折り畳み手段64,65は、前記プレート67の端部に設けられている。該折り畳み手段64,65は、筒状構成体61に対して底部に配置され、該筒状構成体61がその上を滑ることができる。下記に示したように、折り畳み手段64,65が軸線周りに回転することによって端部が矢印形状からなる筒状構成体が提供される。
【0101】
このような折り畳み手段64,65は、
図7Aを参照してより明確に示されている。該折り畳み手段は、図に示したようにほぼ矩形状である。特に、前記折り畳み手段64,65は、
図7Aに示される一の実施形態において(すなわち、その軸線周りに回転し、矢印形状を形成した後)、内縁に直線から外れた部分を有する。まず、中央の「尖った」端部は、折り畳み工程を最適なものにする。言い換えれば、折り畳み手段64,65の中央端部に設けられた空洞は、溶着による折り畳みを確実にするものであり、このことは溶着手段44を説明することでより明確になる。
【0102】
とくに、筒状構成体61の端部の折り畳みは、折り畳み手段64,65と、該折り畳み手段64,65のうちの一つに類似の形状を有する、前記プレート67端縁である傾斜端縁67aと、の共同操作によって確実に行われる。
【0103】
とくに、プレート67の端縁は、筒状構成体61の軸線に対して傾斜し、相互に対称の2つの部分67aを有する。該傾斜部分67aは、折り畳み手段64,65にほぼ平行に配置されている。加えて、プレート67の端縁は、筒状構成体61の軸線に配置された、ほぼ矩形状の開口67bを有する。
【0104】
そのため、筒状構成体61が、前記プレート67の下をスライドし、該プレート67の端部近傍に到達すると、該筒状構成体を、前記プレート67中央の前記矩形部分67bにおいて確認することができる。この構成は、筒状構成体61の三角形の部分6,7を、前記プレート67の傾斜端縁67aで補助しながら前記折り畳み手段64,65によって折り畳んだ後、該三角形の部分を前記矩形の開口67b位置で、該筒状構成体61にシールすることができるので有利である。上記したように、矩形部分67bへのアクセスもまた、折り畳み手段64,65の端部の特有の形状によって確保することができる。
【0105】
図7Aに示したように、折り畳み手段64,65を軸線周りに回転させて、筒状構成体16の端部に該筒状構成体の軸線に対して対称に位置する2つの三角形の部分6,7を形成する。前記折り畳みが行われた後、形成された2つの直角三角形6,7、実際には、筒状構成体61の折り畳みによる2つの直角三角形6,7は、
図1に示した距離D1の2倍に等しい所定の距離、離れて位置している。
【0106】
このようにして、筒状構成体の端部は、ほぼ台形の形状を有し、そのため所定距離D1の2倍に等しい長さの上部ベース16が、前記筒状構成体61の端部の折り畳みによって形成される。
【0107】
図7Bは、
図7Aの切断線B-Bに沿う断面図である。該断面図に示したように、前記折り畳みにより形成された2つの三角形の部分6,7は、前記プレート67の端部が筒状構成体61と三角形の部分6,7との間に設けられているので、該筒状構成体61に完全に重なっていない。
【0108】
図8は、折り畳み手段64,65を軸線回りに回転させて折り畳んだ後の、筒状構成体61の端部の状態を明確に示す平面図であり、プレート67の傾斜端部67aと協同で、該傾斜端部67aの傾斜に一致する折り目L2に沿った折り畳みが行われる。
【0109】
図9は、
図8に示す折り畳み手段を連続状態で示している。三角形の部分6,7と筒状構成体61の中央部とのシールは、上述したように、矩形状の開口67bによって、傾斜部67aが所定距離、離れて配置されているため、この状態で行われる。これにより、三角形の部分6,7を筒状構成体61に固定することができ、先の工程で設けられた折り目L2を、筒状構成体61の連続的な移動においても保持することができる。
【0110】
図に示される一の実施形態において、溶着手段44により、三角形の部分6,7が、該三角形の部分6,7の側部に沿って互いに平行に延びる2つのシールストレッチ28によって筒状構成体61に溶着される。とくに、
図10に示したように、2つのシールストレッチ28によって、前記三角形の部分6,7を1つずつ筒状構成体61に溶着する。しかし、前記シールストレッチは形状が変わることもあるので、該シールストレッチ28の数が変化し得ることは明らかである。
【0111】
また、三角形の部分6,7は、筒状構成体の軸線に位置する1または複数の円形シールスポットによって筒状構成体61に“貼着”することも可能であり、該円形シールにより、好ましくは、三角形の部分6,7の両方を筒状構成体に同時に接合することもできる。さらに、このような“貼着”形状は、例えば楕円形のような円形以外であってもよい。しかし、このような貼着スポットは、筒状構成体61の軸線に対して、側部に設けることができることも明らかである
【0112】
図3に戻り、筒状構成体61が、シート19、20の搬送方向と直交する方向に沿って、前面シート19と背面シート20との間に構成された部分に挿入されることが開示されている。また、
図10に示すように、筒状構成体61は、先に形成された溶着面24の位置において、前記シート19とシート20との間の内側領域に搬送され、これにより筒状構成体61の軸線と、溶着面24の対称軸線(エッジ19、20に垂直)とが一致するように配置される。このような工夫は、中心対称軸線を有するパッケージを作る上で重要である。
【0113】
前記したように、前記筒状構成体61の搬送は回転手段66によって行われ、該筒状構成体を前記前面シート19と背面シート20との間に構成される部分に挿入させる。前記筒状構成体61は、該筒状構成体61が挿入されるシート19、20の端部に対して、前記上部ベース16がシート19,20の端縁から距離h2の位置に達するまで挿入される。
【0114】
この距離h2は、好ましくは数十ミリの範囲、例えば40mm以上、より好ましくは50mm以上とする。このような距離h2は、パッケージ100のサイズに強く依存する。上記したように、パッケージ100は、前記距離h2を設けることによって、該パッケージ100上部の、開封可能な開口部15を設けてなる部分が、ガゼットの影響を受けることがないので非常に有効である。
【0115】
筒状構成体61は、該筒状構成体61が挿入された部分と対向する縁部から距離h2に到達した後、切断手段33を介して、前記パッケージの下端から距離D2の位置に配置された切断ライン13に沿って切断され、これによって筒状構成体の部分69が分離される。
【0116】
この距離D2は、
図1のパッケージを参照してすでに説明したように、下側溶着面27内で、サイドガセット3,4を効果的に封止する働きをしている。なお、切断手段33は、上記切断を行うため、前面シート19と背面シート20の間に設けられている。
【0117】
このような筒状構成体61から筒状構成体部分69を分離する切断工程を、該筒状構成体を2つのシート19,20の間に形成される領域に搬送する前に行っても良いことは明らかである。これによれば、上記切断手段33を、2つのシート19,20の間に形成される領域に配置する必要がない。一例として、前記切断手段33を、筒状構成体61の端部に上記折り目を形成する位置よりも上流に配置することもできる。ここでは、筒状構成体部分69が、シート19,20の間に形成される領域内に、上述した端縁から距離h2に達するまで搬送され、これによって該筒状構成体の部分69が、挿入された端縁から距離D2の位置に到達することになる。
【0118】
次に、前面シート19および背面シート20に、予め切断された筒状構成体の部分69を固定するため、3つの部材を互いに溶着可能とする、さらなる溶着面29が形成される。このような溶着面29は、様々な形状とすることができる
【0119】
図11に示す一の実施形態では、
図10に示した2つのシールストレッチ28の両方を包囲する溶着面29からなるシールが形成されている。この場合にも、前記溶着を、例えば円形の1つ以上のシールスポットによって形成することができる
【0120】
さらに、様々な形状の溶着面を設けることができる。例えば、先に形成された溶着面24と相互作用する、より大きな溶着面を設けることもできる。例えば、シート19,20の縁部に垂直な方向に沿って延在し、溶着面24の全体を包囲するような溶着面であってもよい。
【0121】
前記筒状構成体の部分69を、前面シート19および背面シート20に溶着して固定した後、予め切断された筒状構成体の部分69が固定されてなる筒状構成体61を、
図12の矢印の方向に後退させる。このような移動は、例えば、
図10に記載の移動方向に対して、反対の方向に回転手段66を回転させることによって行われる。筒状構成体61は、2枚のシート19,20の間に形成される領域で切断されるので、該筒状構成体61を折り畳み手段64,65に向かって後退させるような、前記回転手段66の回転が必要になることは明らかである。ここで説明した回転は、前記切断手段33が前記シート19,20から所要の距離、例えば、折り畳み手段64,65の上流、に配置されている場合には必要がない。
【0122】
図13に示す連続工程において、折り畳み手段64および65は、同様の方法で、筒状構成体61の端部を新たに折り畳み、筒状構成体部分69の接合された前記前面シート19および背面シート20が、図に示した搬送ラインに沿ってスライドし、これにより、
図14に記載された連続した工程が行われることになる。
【0123】
図14では、結合ステーション202による連続工程において、最終のパッケージ100を形成するための溶着21が行われることが示されている。実際、溶着面21は、搬送方向に垂直な方向に形成され、
図1を参照して示すようにパッケージ100の側部シール22,23となるものである
【0124】
上記したように、溶着面21を形成する装置の領域に向かって搬送する間に、筒状構成体部分69が動くのを抑制するため、該溶着面21を、溶着用グリッパー43によって形成される溶着面24と、筒状構成体部分69をシート19,20に固定するための溶着面29とに重ねて形成する。とくに、溶着面21の中心軸線を、溶着面24の中心軸線に一致させる。
【0125】
前述の説明から明らかなように、溶着面21は、上記の距離D1の2倍に等しい幅に、パッケージ100の縁部に筒状構成体の三角形の部分6,7を形成するための所定の量を加えて形成する。
【0126】
さらに、パッケージ下部を閉鎖するためのシール27と、上記のようにパッケージ内の内容物が、該パッケージの角部に留まるのを防ぎ、底が平らなパッケージ100を提供するための傾斜シール25、26と、が形成される。
【0127】
このようにして、
図15に示すように、製品となるパッケージを形成するため、パッケージ100をシートから分離させる準備が行われる。パッケージ100は、切断手段34によって切断線L4に沿って切断されることにより、互いに切り離すことができる。切断ラインL4は、パッケージの搬送方向と直交し、溶着面21を2つの完全に均等な部分に分割するものである。
【0128】
したがって、連結ステーション202の下流において、3辺で封止され、再閉止可能な開口部15を有するパッケージが形成される。再閉止可能な開口部15は、開放状態であることが好ましく、前面パネル1の内側に位置する再閉止可能な開口部15の第1の部分と、背面パネル2の内側に位置する再閉止可能な開口部15の第2の部分とが非係合状態にあることが好ましい。このようにして、時間浪費の増大の可能性がある、再閉止可能な開口部15の第2の部分から第1の部分を外す操作の必要なしに、内容物の充填する準備のできたパッケージ100を提供することができる。
【0129】
図16に示したように、カルーセルは、結合ステーションから提供されたパッケージを受け取り、該パッケージ100の開口5を通して内容物を挿入できるように該開口が開放するように配置されている。
【0130】
例えば、図に示すように、連続工程でパッケージ100を開き、開口した状態のパッケージ101を形成した後、該開口したパッケージ101内に漏斗を用いて内容物を充填して充填パッケージ102を形成する。次いで、該充填パッケージ102を閉じて密閉パッケージ103を形成し、それにより、図に示したパッケージ105を形成し、該パッケージ105が外部に提供される。
【0131】
発明の詳細を明確にするため、装置によって行われる工程を次々に記載しているが、該工程が通常、パッケージを連続的に形成する装置200によって同時に行われることは明らかであり、例えば、準備ステーション201では、筒状構成体形成ステーション203によって筒状構成体61を形成している間に、上述した動作を行うことができる
【0132】
ここで連続するという用語は、パッケージを次々に形成すること、すなわち1つのパッケージの工程と次のパッケージの工程との間に時間的距離を有することを意味する。この実施例において説明したように、“連続的な”という用語は、ここでは一方のステーションにおいて、一のパッケージ上で所要の工程を実行する間に、他のステーションにおいて、他のパッケージ上に他の工程が実行されることを意味し、すなわち、各ステーションでは、好ましくは連続的に動作することができる。
【0133】
2つの連続するパッケージを形成する間の時間的距離は、様々なシールから様々な折り目までの異なる工程が、パッケージの製造ラインに沿って行われることに起因している。
【0134】
本発明を上述した実施形態を用いて説明したが、当業者が本発明に対し、本発明の目的および保護の範囲から逸脱することなく、上記明細書の記載に基づいて添付の特許請求の範囲の範囲内で、修正、変形および改良を行うことができることは明白である。
【0135】
例えば、パッケージが再閉止可能な開口部を有することが記載されている場合であっても、本発明は再閉止可能な開口部を有していないパッケージについても好適であることは明らかである。
【0136】
また、本明細書では、装置が4つのステーションからなることを説明したが、該ステーションの一部のみを含む装置を形成することも可能である。例えば、充填ステーション204は、内容物の充填を必要としないパッケージの製造の場合には省略されてもよい
【0137】
各図面において、準備ステーション201が、垂直のステーションからなることが示されているが、該ステーションを水平の準備ステーションとすることも可能である。さらに、準備ステーション201および筒状構成体形成ステーション203の両方において、リールを用いる場合、該リールはより一般的には、シートまたは再閉止可能な開口部を連続的に提供することのできる任意のシステムを意味している。
【0138】
最後に、当業者にとって公知の分野については、本明細書に開示の発明を、過度にかつ無用に曇らせることを避けるために記載していない。
【0139】
したがって、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の保護の範囲によってのみ限定される。