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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】防火建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/16 20060101AFI20220711BHJP
   E06B 3/14 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B3/14
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021133143
(22)【出願日】2021-08-18
(62)【分割の表示】P 2018039171の分割
【原出願日】2018-03-05
(65)【公開番号】P2021181750
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100184066
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 恭
(72)【発明者】
【氏名】藤本 毅
(72)【発明者】
【氏名】増山 新作
(72)【発明者】
【氏名】安江 真
(72)【発明者】
【氏名】山崎 哲也
(72)【発明者】
【氏名】栖原 佑介
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-150300(JP,A)
【文献】特開2016-113770(JP,A)
【文献】特開2015-48616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル間口を有する上、下横材及び左、右竪材の内周にパネル体を備えてなり、
横材及び竪材のパネル間口には、補強部材が配置されていないとともに、加熱膨張材を収容するホルダーが、見込み方向の一方に寄せられて、パネル間口の見込壁部から突出しないように見込壁部に飲み込ませて設けられており、
ホルダーの一方の係止部がパネル間口の一方の見付壁部に設けられている
防火建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、躯体開口部に配置される防火建具に関する。
【背景技術】
【0002】
建物の躯体開口部に配置される建具には、耐火性能が求められている。
そして、近年、アルミの押出形材からなる枠体もしくは障子の框体を四周に組んでなる枠部材の内周にパネル体を配置してなる建具において、枠体もしくは框体のパネル間口溝に加熱により膨張する加熱膨張材を配置して耐火性能を向上させた建具が公知となっている。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-180269公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1の建具は、枠体もしくは框体のパネル間口溝に加熱により膨張する加熱膨張材を配置することで耐火性能を向上させることはできるが、パネル間口溝内に配置された加熱膨張材がはがれることがあった。そのため加熱膨張材を保持するためのホルダーを形成することも考えられるが、パネル間口内にホルダーを構成する左右の係止片がパネル間口の内面から突出するために、横材と竪材との結合のために切除等の加工が必要となり、また、パネル間口内に侵入した水の排水の妨げとなる懸念があった。
【0005】
本発明は、上記の事情を鑑みたものであり、防火建具において、施工性や排水性を低下させることなく、横材もしくは竪材に対して、加熱膨張材を安定して保持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、パネル間口を有する上、下横材及び左、右竪材の内周にパネル体を備えてなり、横材及び竪材のパネル間口には、補強部材が配置されていないとともに、加熱膨張材を収容するホルダーが、見込み方向の一方に寄せられて、パネル間口の見込壁部から突出しないように見込壁部に飲み込ませて設けられており、ホルダーの一方の係止部がパネル間口の一方の見付壁部に設けられている防火建具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、施工性や排水性を低下させることなく、加熱膨張材を安定して保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の建具の外観姿図であり、(a)は全体の外観姿図、(b)は障子2の外観姿図である。
図2】本発明の一(第1の)実施形態の建具が備える障子の断面図であり、(a)は図1(b)におけるx1-x1縦断面図、(b)は図1(b)におけるy1-y1横断面図である。
図3】本発明の他の一(第2の)実施形態の建具が備える障子の断面図であり、(a)は図1(b)におけるx1-x1縦断面図、(b)は図1(b)におけるy1-y1横断面図、(c)は図1(b)におけるy1-y1横断面図の他の例である。
図4】本発明の第1の実施形態の建具が備える障子の框材の断面図であり、(a)は上框の断面図、(b)は下框の断面図、(c)は竪框の断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態の建具が備える障子の框材の断面図であり、(a)は上框の断面図、(b)は下框の断面図、(c)は竪框の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態の建具について、図面を参考に説明する。
本発明の一実施形態の建具は、図1(a)に示すように、建物開口部の内周面に配置される枠体1と、枠体1の内側に開閉可能に支持された障子2とを備える。
なお、本実施形態では、枠体1の内側に障子2を縦すべり出し可能に組み付けた縦すべり出し窓の例を用いて説明する。
【0010】
枠体1は、上、下枠11,12及び右,左竪枠13,14を四周に枠組みしてなる。
一方、障子2は、図1(a),(b)に示すように、上框(上横材),下框(下横材)21,22と右竪框(右竪材)23,左竪框(左竪材)24を四周に框組して、内周にガラス等のパネル体25を配置してなる。
上框21及び下框22は、両端部を右,左竪框23,24に対していんろう接合されている。
【0011】
図2(a)に示すように、障子2の上框21は、アルミ合金等の金属材料からなり、中空形状の上框本体211と、上框本体211の室内側内周から下方に延設される室内側壁部212aと、上框本体211の室外側内周から下方に延設される室外側壁部212bと、上框本体211の室外側外周から上方に延設される外周壁部213を有している。
そして、上框本体211の底壁部(見込壁部)211aと、室内側壁部(見付壁部)212aと室外側壁部(見付壁部)212bとにより、パネル体25の上辺が保持されるパネル間口212が形成されている。
【0012】
障子2の下框22は、アルミ合金等の金属材料からなり、中空形状の下框本体221と、下框本体221の室内側内周から上方に延設される室内側壁部222aと、下框本体221の室外側内周から上方に延設される室外側壁部222bと、下框本体221の室外側外周から下方に延設される外周壁部223を有している。
そして、下框本体221の底壁部(見込壁部)221aと、室内側壁部(見付壁部)222aと室外側壁部(見付壁部)222bとにより、パネル体25の下辺が保持されるパネル間口222が形成されている。
【0013】
図2(b)に示すように、障子2の右竪框23は、アルミ合金等の金属材料からなり、中空形状の右竪框本体231と、右竪框本体231の室内側内周から内周(左)方向に延設される室内側壁部232aと、右竪框本体231の室外側内周から内周(左)方向に延設される室外側壁部232bと、右竪框本体231の室外側外周から外周(右)方向に延設される外周壁部233を有している。
そして、右竪框本体231の底壁部(見込壁部)231aと、室内側壁部(見付壁部)232aと室外側壁部(見付壁部)232bとにより、パネル体25の右(竪)辺が配置されるパネル間口232が形成されている。
なお、左竪框24は、右竪框23と同様の構成を備えており、説明を省略する。
【0014】
パネル体25は、室内外2枚のガラス等のパネルからなる複層パネルにより形成され、複層パネルの一方(本実施形態では、室外側)のパネル251は例えば網入ガラスなどの耐火パネルにより形成されており、他方(本実施形態では、室内側)のパネル252は例えば非網入りガラス、フロートガラスや型ガラスおよびLow-Eなどの非耐火パネルにより形成されている。なお、一方のパネル251に用いられる耐火パネルは、網入ガラス、耐熱性強化ガラスなど、耐火性を有するガラス等のパネルであればよい。
【0015】
一方(室外側)のパネル251と他方(室内側)のパネル252の間には、外周に沿ってスペーサ253が配置されており2枚のパネルの間隔を維持すると共に、複層パネルの四周の端縁には、グレイジングチャンネル26が配置されている。
パネル体(複層パネル)25は、グレイジングチャンネル26を介して、上、下框21,22および右,左竪框23,24の各パネル間口に保持されている。
【0016】
そして、下框22のパネル間口222内には、ガラスライナー27が配置されており、パネル体(複層パネル)25が載置されている。
【0017】
図2ないし図6を参考にして、本発明の実施形態の建具について、さらに説明する。
-第1の実施形態-
第1の実施形態の建具は、図2に示すように、障子2の上框21のパネル間口212の底壁部(見込壁部)211aの室内側に、ホルダー(膨張材保持部)214が設けられており、下框22のパネル間口222および右(左)竪框23のパネル間口232の底壁部(見込壁部)221a,231aの室外側に、それぞれホルダー(膨張材保持部)224,234が設けられている。加熱膨張材f1,f2,f3は、パネル間口内に形成されたホルダー214,22,234によって保持されて各框材の長手方向に沿って配置されている。
なお、本実施形態の建具においては、上框21、下框22のパネル間口212,222および右(左)竪框23の各パネル間口232内に、パネル保持具等の長尺の補強部材は配置されていない。
【0018】
そして、各ホルダー(膨張材保持部)は、各パネル間口の底壁部(見込壁部)に飲み込ませて設けられており、各ホルダー(膨張材保持部)の両側の係止部がパネル間口の底壁部から内周方向に突出しないように設けられている。
【0019】
具体的には、図4(a)に示すように、上框21のホルダー(膨張材保持部)214は、上框21の底壁部(見込壁部)211aの下面(見込面)の室内側に形成されており、加熱膨張材f1を収容する収容部214aと収容部214aの室内側に設けられる室内側係止部214bと収容部214aの室外側に設けられる室外側係止部214cを有しており、両係止部214b,214cの間が加熱時に加熱膨張材が膨出する開口部となっている。
【0020】
そして、上框21のホルダー(膨張材保持部)214の収容部214a全体が上框本体211の中空部内に飲み込まれるように形成されており、室内側係止部214bと室外側係止部214cが上框21の底壁部211aの下面から下方に突出することなく、底壁部211aの下面はほぼ面一状態となっている。
【0021】
また、図4(b)に示すように、下框22のホルダー(膨張材保持部)224は、下框22の底壁部(見込壁部)221aの上面(見込面)の室外側に形成されており、加熱膨張材f2を収容する収容部224aと収容部224aの室内側に設けられる室内側係止部224bと収容部224aの室外側に設けられる室外側係止部224cを有しており、両係止部224b,224cの間が加熱時に加熱膨張材が膨出する開口部となっている。
【0022】
そして、下框22のホルダー(膨張材保持部)224の収容部224a全体が下框本体221の中空部内に飲み込まれるように形成されており、室内側係止部224bと室外側係止部224cが下框22の底壁部221aの上面から上方に突出することなく、底壁部221aの上面はほぼ面一状態となっている。
【0023】
また、図4(c)に示すように右竪框23のホルダー(膨張材保持部)234は、右竪框23の底壁部(見込壁部)231aの内周面(見込面)の室外側に形成されており、加熱膨張材f3を収容する収容部234aと収容部234aの室内側に設けられる室内側係止部234bと収容部234aの室外側に設けられる室外側係止部234cを有しており、両係止部234b,234cの間が加熱時に加熱膨張材が膨出する開口部なっている。
【0024】
そして、右竪框23のホルダー(膨張材保持部)234の収容部234a全体が右竪框本体231の中空部内に飲み込まれるように形成されており、室内側係止部224bと室外側係止部224cが右竪框23の底壁部231aの内周面から内周方向に突出することなく、底壁部231aの内周面とほぼ面一状態となっている。
なお、左竪框24のパネル間口242内に形成されたホルダー(膨張材保持部)244は、右竪框23のそれと同様であるので、説明を省略する。
【0025】
-第2の実施形態-
第2の実施形態の建具は、図3に示すように、障子2の上框21、下框22のパネル間口212,222および右(左)竪框23のパネル間口232の室外側壁部(見付壁部)もしくは室内側壁部(見付壁部)にそれぞれホルダー214,224,234が設けられており、加熱膨張材f1,f2,f3は、ホルダー214,224,234によって保持されて各框材の長手方向に沿って配置されている。
なお、図3(a)に示すように、下框22のパネル間口222の底壁部221aの室外側には、パネル間口222内に侵入した結露等の水を排水する排水穴221bが設けられている。
【0026】
そして、各ホルダーは、ホルダーの一方側の係止部が各パネル間口の底壁部(見込壁部)に飲み込ませて設けられており、一方側の係止部がパネル間口の底壁部から内周方向に突出しないように設けられている。
なお、図3(b)に示す例では、右竪框23の室内側壁部232aの室外側面と室外側壁部232bの室内側面との間の寸法w1を、右竪框23にいんろう接合される横框(上框21もしくは下框22)の見込み寸法とほぼ同一の寸法としており、見込寸法を小さく形成している。そして、右竪框23に横框を接合する際に、ホルダー234の内周側の係止片(横框に干渉する部分)のみを切除することで、いんろう接合を可能にしている。
また、図3(c)に示す例では、右竪框23の見込み寸法を大きくし、ホルダー234の開口部の室内側面と室内側壁部232aの室外側面との間の寸法w2を、右竪框23にいんろう接合される右竪框23の見込み寸法とほぼ同一の寸法としている。
したがって、上框21(もしくは下框22)の端面を右竪框23のパネル間口232の底壁部231aに当接させていんろう結合するに際しても、ホルダー234を切除する必要がなく、右竪框23の室外側壁部232bに形成したホルダー234の室内側面を上框21(もしくは下框22)の室外側面に当接させていんろう接合することができる。
【0027】
そして、具体的には、図5(a)に示すように、上框21のホルダー214は、上框21の室内側壁部(見付壁部)212aの室外側面(見付面)に形成されており、加熱膨張材f1を収容する収容部214aと収容部214aの上側に設けられる上係止部214bと収容部214aの下側に設けられる下係止部214cを有しており、上、下係止部214b,214cの間が加熱時に加熱膨張材f1が膨出する開口部となっている。
【0028】
上框21のホルダー214の上係止部214bが上框本体211の中空部内に飲み込まれて底壁部211aに溝状に形成されており、上係止部214bが上框21の底壁部211aの下面から下方に突出することなく、底壁部211aの下面はほぼ面一状態となっている。
【0029】
また、図5(b)に示すように、下框22のホルダー224は、下框22の室外側壁部(見付壁部)222bの室内側面(見付面)に形成されており、加熱膨張材f2を収容する収容部224aと収容部224aの上側に設けられる上係止部224bと収容部224aの下側に設けられる下係止部224cを有しており、上、下係止部224b,224cの間が加熱時に加熱膨張材f2が膨出する開口部となっている。
【0030】
そして、下框22のホルダー224の下係止部224cが下框本体221の中空部内に飲み込まれて底壁部221aに溝状に形成されており、下係止部224cが下框22の底壁部221aの上面から上方に突出することなく、底壁部211aの上面はほぼ面一状態となっている。
【0031】
また、図5(c)に示すように、右竪框23のホルダー234は、右竪框23の室外側壁部(見付壁部)232bの室内側面(見付面)に形成されており、加熱膨張材f3を収容する収容部234aと収容部234aの外周側に設けられる外係止部234bと収容部234aの内周側に設けられる内係止部234cを有しており、内、外係止部234b,234cの間が加熱時に加熱膨張材f3が膨出する開口部となっている。
【0032】
そして、右竪框23のホルダー234の外係止部234bが右竪框本体231の中空部内に飲み込まれて底壁部231aに溝状に形成されており、底壁部231aの内周面から内周に突出することなく、底壁部231aの内周面はほぼ面一状態となっている。
なお、左竪框24のパネル間口242内に形成されたホルダー244は、右竪框23のそれと同様であるので、説明を省略する。
【0033】
以上のように、上記各実施形態の建具においては、障子の框材のパネル間口に形成されるホルダーが、その一部もしくは全部を框材の中空部内に埋設するように設けられている。
【0034】
第1の実施形態の建具は、以下の効果を奏することができる。
パネル間口の底壁部にホルダー(膨張材保持部)の全部が框本体部の中空部内に埋設するように設けることによって、ホルダー(膨張材保持部)の係止部がパネル間口内に突出することがなく、框材を四周に組むときにホルダー(膨張材保持部)が邪魔にならずに、ホルダー(膨張材保持部)の係止部を削る等の加工をする必要がない。また、地震時等にパネルが衝突してパネルが破損等傷つくことを低減することができる。
【0035】
そして、各框材に設ける加熱膨張材をパネル間口の見込壁に設けることで、パネル体を強固に保持することができ、特に、下框と竪框に設ける加熱膨張材をパネル体(複層パネル)の室外側に配置した耐火パネルの小口に対向するように配置しているので下方からの火炎に対して素早く膨張して、室外側の耐火性パネルを強固に保持することができる。
【0036】
そして、火災の進行により室外側の耐火パネルが変形し、さらには脱落することがあっても、上框21のパネル間口212内に配置される加熱膨張材f1が室内側のパネル252に向かって膨張しており、室内側のパネル252を保持するので、室外側の耐火パネル251と室内側のパネル252とを同時に失うことを防ぐことができる。
【0037】
また、上框21のパネル間口212に配置する加熱膨張材f1を室内側に配置することで、火災時に内外ガラス間で発生して上昇する、比重の小さい可燃ガスを室外側に排出して室内側に侵入することを抑制することができる。
そして、上、下框21,22および右,左竪框23,24の各パネル間口内に長尺の補強部材が四周にわたって配置されていないので、建具の重量を抑えることができるとともに、製造工程の増加や価格の増加を抑制することができる。
【0038】
第2の実施形態の建具は、以下の効果を奏することができる。
框本体部の中空部内にホルダーの外周側の係合部を埋設するように設けることによって、框材を四周に組むときには、内周側の係止部を削り取ればよく、加工が容易となる。
【0039】
特に、図5(a)に示すように、下框22の側壁部にホルダー(膨張材保持部)を設けた例においては、下框22の底壁部221aから突出する部位もなく、また、加熱膨張材fが底壁部221aに存在しないので、パネル間口に浸入した結露水等の排水穴221b等からの排水を妨げることがない。
【0040】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、第2の実施形態の建具におけるホルダーを設ける見付壁部は、室内側壁部と室外側壁部のいずれの壁部でもよく、各框材において、同一側にホルダーを設けても良いし、設ける框によって異ならせてもよい。
また、框材の一部については、第1の実施形態の建具に見られるような、パネル間口の見込壁部にホルダーを設けるものであってもよい。
また、上記各実施形態の建具においては、複層パネルの室外側に耐火パネルを配置しているが、室内側に耐火パネルを配置した複層パネルを用いてもよい。
また、3枚以上の複層パネルを用いる場合は、見込み方向で室外側端部のみなど、一方側端部のみのパネル一枚のみを高価な耐火パネルとし、残り全てのパネルを比較的安価な非耐火パネルとすることにより、低価格で効果を発揮できて好ましい。
【0041】
なお、上記各実施形態の建具においては、上、下框及び右、左竪框の全てパネル間口において長尺の補強部材を配置することなく、加熱膨張材によって防火性能を維持することができるものではあるが、いずれかの框に例えば多少の補強機能を有する短尺の補助部材等が配置されていてもよい。
また、複層パネルを保持する部材は、グレイジングチャンネルに限るものではなく、パネルの内外をそれぞれ室外ビードと室内ビードで挟持してもよく、または硬化性のコーキングやホットメルトなどの接着剤で接着しながら、パネルを内外で挟持してもよい。若しくはパネルの内外一方をビードで、他方に接着剤を配置してパネルを挟持してもよい。
さらに、横材および竪材を有する建具は、どのような種類の建具であってもよく、また横材および竪材は框材に限るものではなく、FIX窓の枠材であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 :枠体
2 :障子
21 :上框
211 :上框本体
211a :底壁部(見込壁部)
212 :パネル間口
212a :室内側壁部(見付壁部)
212b :室外側壁部(見付壁部)
214 :ホルダー
22 :下框
221 :下框本体
221a :底壁部
222 :パネル間口
222a :室内側壁部
222b :室外側壁部
224 :ホルダー
23 :右竪框
231 :右竪框本体
231a :底壁部
232 :パネル間口
232a :室内側壁部
232b :室外側壁部
234 :ホルダー
251 :耐火パネル
f1 :加熱膨張材
f2 :加熱膨張材
f3 :加熱膨張材
図1
図2
図3
図4
図5