(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220711BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
(21)【出願番号】P 2021192008
(22)【出願日】2021-11-26
【審査請求日】2022-01-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】尾又 忠行
(72)【発明者】
【氏名】高山 伸也
(72)【発明者】
【氏名】若井 幸夫
【審査官】上嶋 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-063309(JP,A)
【文献】特開2018-132935(JP,A)
【文献】特開2016-051384(JP,A)
【文献】特開2007-264764(JP,A)
【文献】特開2008-071095(JP,A)
【文献】特開2007-121143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの使用するユーザ端末の位置情報と前記位置情報を取得した時刻とを前記ユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集するユーザ情報収集部と
、
前記位置情報に基づいて前記ユーザの生活圏を特定する生活圏特定部と、
前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績
と、前記店舗が存在する生活圏又はサービスが提供される生活圏であって前記生活圏特定部が特定した前記ユーザの生活圏と、を関連付けた利用実績データを前記ユーザ識別情報に関連づけて収集する利用実績データ収集部と、
特定済みの前記生活圏と異なる前記ユーザの新たな生活圏を前記生活圏特定部が特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された
、前記ユーザの生活圏に関連付けられた前記利用実績データのうち、前記ユーザの生活圏のうち前記新たな生活圏を除く生活圏に関連付けられた前記利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を前記ユーザ端末に提供する情報提供部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記生活圏特定部は、前記位置情報が示す前記ユーザの位置が所定の条件を満たす場合に、特定済みの前記生活圏から前記新たな生活圏へ前記ユーザの生活圏が変更されたことを特定し、
前記情報提供部は、前記ユーザの生活圏が変更された場合、前記生活圏が変更される前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された前記利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供する、
請求項
1に記載する情報処理装置。
【請求項3】
前記生活圏特定部は、前記位置情報が示す位置に基づいて前記生活圏におけるユーザの滞在時間又は滞在頻度を算出し、特定済みの前記生活圏における前記ユーザの滞在時間が第1の閾値以下であり、かつ、他の生活圏における前記ユーザの滞在時間が第2の閾値以上である場合又は特定済みの前記生活圏における前記ユーザの滞在頻度が第3の閾値以下であり、かつ、他の生活圏における前記ユーザの滞在頻度が第4の閾値以上である場合に、特定済みの前記生活圏から前記新たな生活圏へ前記ユーザの生活圏が変更されたことを特定する、
請求項
2に記載する情報処理装置。
【請求項4】
前記生活圏特定部は、曜日及び時間帯ごとに集計された前記ユーザの前記位置情報が示す位置における滞在時間に基づいて1又は複数の前記生活圏と前記生活圏それぞれに滞在する曜日及び時間帯とを特定し、
前記情報提供部は、前記ユーザの前記新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された前記利用実績データのうち、前記新たな生活圏に滞在する曜日及び時間帯に対応する曜日及び時間帯に前記ユーザが滞在していた前記生活圏における前記利用実績データに基づいて、前記案内情報を提供する、
請求項1から
3のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項5】
前記生活圏特定部は、前記利用実績データにおいて前記ユーザが所定の種類の店舗又はサービスを利用したことを示す地域を前記ユーザの新たな生活圏として特定する、
請求項1から
4のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項6】
前記情報提供部は、前記新たな生活圏に存在する店舗のうち、前記利用実績データにおいて前記ユーザが利用した実績がない店舗を未利用店舗として選択し、前記未利用店舗に関する前記ユーザ端末に提供する、
請求項1から
5のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項7】
前記情報提供部は、前記新たな生活圏に存在する店舗が提供する商品又は前記新たな生活圏において提供されるサービスの種類に基づいて前記案内情報を送信する時期を決定し、決定した時期に前記案内情報を送信する、
請求項1から
6のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項8】
前記情報提供部は、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスのうち、前記ユーザ識別情報を付与されたユーザが前記ユーザ識別情報を用いて利用可能なサービスを提供する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供する、
請求項1から
7のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項9】
店舗又はサービスと、前記店舗又はサービスが属するカテゴリとを関連付けた店舗等属性データを記憶する記憶部をさらに有し、
前記情報提供部は、前記利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスと同一のカテゴリに属する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供する、
請求項1から
8のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項10】
店舗又はサービスと前記店舗又はサービスが属する1以上のグループとを関連付けた店舗等属性データを記憶する記憶部をさらに有し、
前記情報提供部は、前記利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスが属するグループと同一のグループに属する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供する、
請求項1から
8のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項11】
前記記憶部は、店舗又はサービスと、同種のポイントを付与する前記店舗又はサービスが属するグループとを関連付けた店舗等属性データを記憶し、
前記情報提供部は、前記利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスが属するグループと同一のグループであって同種のポイントを付与する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供する、
請求項1
0に記載する情報処理装置。
【請求項12】
前記情報提供部は、選択された前記店舗の位置又は前記サービスの提供場所を含む前記案内情報を提供する、
請求項1から1
1のいずれか1項に記載する情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが実行する、
ユーザの使用するユーザ端末の位置情報と前記位置情報を取得した時刻とを前記ユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集するステップと
、
前記位置情報に基づいて前記ユーザの生活圏を特定するステップと、
前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績
と、前記店舗が存在する生活圏又はサービスが提供される生活圏であって、前記特定するステップにおいて特定した前記ユーザの生活圏と、を関連付けた利用実績データを前記ユーザ識別情報に関連づけて収集するステップと、
特定済みの前記生活圏と異なる前記ユーザの新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された
、前記ユーザの生活圏に関連付けられた前記利用実績データのうち、前記ユーザの生活圏のうち前記新たな生活圏を除く生活圏に関連付けられた前記利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を前記ユーザ端末に提供するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
ユーザの使用するユーザ端末の位置情報と前記位置情報を取得した時刻とを前記ユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集するステップと
、
前記位置情報に基づいて前記ユーザの生活圏を特定するステップと、
前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績
と、前記店舗が存在する生活圏又はサービスが提供される生活圏であって、前記特定するステップにおいて特定した前記ユーザの生活圏と、を関連付けた利用実績データを前記ユーザ識別情報に関連づけて収集するステップと、
特定済みの前記生活圏と異なる前記ユーザの新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された
、前記ユーザの生活圏に関連付けられた前記利用実績データのうち、前記ユーザの生活圏のうち前記新たな生活圏を除く生活圏に関連付けられた前記利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を前記ユーザ端末に提供するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの位置や利用した店舗等の情報に基づいて、ユーザの拠点付近の店舗の利用を案内する情報を提供する装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ユーザが店舗に関する情報を必要とする適切な状況を捉えて店舗やサービスを案内し、案内の訴求効果を高める余地がある。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザが店舗に関する情報を必要としている状況を捉えて店舗やサービスの情報をユーザに提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、ユーザの使用するユーザ端末の位置情報と前記位置情報を取得した時刻とを前記ユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集するユーザ情報収集部と、前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績を示す利用実績データを前記ユーザ識別情報に関連づけて収集する利用実績データ収集部と、前記位置情報に基づいて前記ユーザの生活圏を特定する生活圏特定部と、特定済みの前記生活圏と異なる前記ユーザの新たな生活圏を前記生活圏特定部が特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を前記ユーザ端末に提供する情報提供部と、を有する。
【0007】
前記利用実績データ収集部は、前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績と、前記店舗が存在する前記生活圏又はサービスが提供される前記生活圏と、を対応付けた前記利用実績データを収集し、前記情報提供部は、前記ユーザの前記新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された前記利用実績データのうち、前記ユーザの生活圏のうち前記新たな生活圏を除く生活圏における前記利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供してもよい。
【0008】
前記生活圏特定部は、前記位置情報が示す前記ユーザの位置が所定の条件を満たす場合に、特定済みの前記生活圏から前記新たな生活圏へ前記ユーザの生活圏が変更されたことを特定し、前記情報提供部は、前記ユーザの生活圏が変更された場合、前記生活圏が変更される前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された前記利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供してもよい。
【0009】
前記生活圏特定部は、前記位置情報が示す位置に基づいて前記生活圏におけるユーザの滞在時間又は滞在頻度を算出し、特定済みの前記生活圏における前記ユーザの滞在時間が第1の閾値以下であり、かつ、他の生活圏における前記ユーザの滞在時間が第2の閾値以上である場合又は特定済みの前記生活圏における前記ユーザの滞在頻度が第3の閾値以下であり、かつ、他の生活圏における前記ユーザの滞在頻度が第4の閾値以上である場合に、特定済みの前記生活圏から前記新たな生活圏へ前記ユーザの生活圏が変更されたことを特定してもよい。
【0010】
前記生活圏特定部は、曜日及び時間帯ごとに集計された前記ユーザの前記位置情報が示す位置における滞在時間に基づいて1又は複数の前記生活圏と前記生活圏それぞれに滞在する曜日及び時間帯とを特定し、前記情報提供部は、前記ユーザの前記新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された前記利用実績データのうち、前記新たな生活圏に滞在する曜日及び時間帯に対応する曜日及び時間帯に前記ユーザが滞在していた前記生活圏における前記利用実績データに基づいて、前記案内情報を提供してもよい。
【0011】
前記生活圏特定部は、前記利用実績データにおいて前記ユーザが所定の種類の店舗又はサービスを利用したことを示す地域を前記ユーザの新たな生活圏として特定してもよい。
【0012】
前記情報提供部は、前記新たな生活圏に存在する店舗のうち、前記利用実績データにおいて前記ユーザが利用した実績がない店舗を未利用店舗として選択し、前記未利用店舗に関する前記ユーザ端末に提供してもよい。
【0013】
前記情報提供部は、前記新たな生活圏に存在する店舗が提供する商品又は前記新たな生活圏において提供されるサービスの種類に基づいて前記案内情報を送信する時期を決定し、決定した時期に前記案内情報を送信してもよい。
【0014】
前記情報提供部は、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスのうち、前記ユーザ識別情報を付与されたユーザが前記ユーザ識別情報を用いて利用可能なサービスを提供する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供してもよい。
【0015】
店舗又はサービスと、前記店舗又はサービスが属するカテゴリとを関連付けた店舗等属性データを記憶する記憶部をさらに有し、前記情報提供部は、前記利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスと同一のカテゴリに属する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供してもよい。
【0016】
店舗又はサービスと前記店舗又はサービスが属する1以上のグループとを関連付けた店舗等属性データを記憶する記憶部をさらに有し、前記情報提供部は、前記利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスが属するグループと同一のグループに属する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供してもよい。
【0017】
前記記憶部は、店舗又はサービスと、同種のポイントを付与する前記店舗又はサービスが属するグループとを関連付けた店舗等属性データを記憶し、前記情報提供部は、前記利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスが属するグループと同一のグループであって同種のポイントを付与する店舗又はサービスに関する前記案内情報を提供してもよい。
【0018】
前記情報提供部は、選択された前記店舗の位置又は前記サービスの提供場所を含む前記案内情報を提供してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ユーザの使用するユーザ端末の位置情報と前記位置情報を取得した時刻とを前記ユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集するステップと、前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績を示す利用実績データを前記ユーザ識別情報に関連づけて収集するステップと、前記位置情報に基づいて前記ユーザの生活圏を特定するステップと、特定済みの前記生活圏と異なる前記ユーザの新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を前記ユーザ端末に提供するステップと、を有する。
【0020】
本発明の第3の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、ユーザの使用するユーザ端末の位置情報と前記位置情報を取得した時刻とを前記ユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集するステップと、前記ユーザによる店舗又はサービスの利用実績を示す利用実績データを前記ユーザ識別情報に関連づけて収集するステップと、前記位置情報に基づいて前記ユーザの生活圏を特定するステップと、特定済みの前記生活圏と異なる前記ユーザの新たな生活圏を特定すると、前記新たな生活圏を特定する前に前記ユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データに基づいて、前記新たな生活圏に存在する店舗又は前記新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を前記ユーザ端末に提供するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザが店舗等の案内を必要とするユーザの生活圏の変化を捉えて店舗等の利用を案内する情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】情報処理システムSの概要を説明する図である。
【
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
【
図3】記憶部12が記憶する店舗等属性データのデータ構造の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ情報収集部131が収集するユーザ情報の一例を示す図である。
【
図5】利用実績データ収集部132が収集する利用実績データの一例を示す図である。
【
図6】情報提供部134が提供する案内情報の一例を示す図である。
【
図7】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施の形態にかかる情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、ユーザの生活圏にある店舗や利用可能なサービスの利用を案内する案内情報をユーザに提供するシステムである。情報処理システムSは、情報処理装置1及びユーザ端末2を有する。ここで、サービスは、特定の地域や地区に居住するユーザに提供されるサービスである。サービスは、例えば電力サービス及び固定通信サービス等の店舗において提供されないサービス、通信を介して遠隔利用可能な学習サービスや医療サービス、並びに市役所の窓口等の行政サービス等であってもよい。
【0024】
情報処理装置1は、ユーザ端末2に案内情報を提供する装置である。情報処理装置1は、例えばサーバである。ユーザ端末2は、ユーザが使用するスマートフォン、タブレット等である。
【0025】
情報処理システムSにおいて情報処理装置1がユーザ端末2に案内情報を提供する流れを説明する。情報処理装置1は、ユーザ端末2からユーザ情報及び利用実績データを収集する(
図1における(1))。ユーザ情報は、ユーザ端末2が取得した位置情報と、位置情報を取得した時刻と、ユーザを識別するユーザID(Identification)と、を関連付けた情報である。利用実績データはユーザが利用した店舗又はサービス(以下店舗等と言う場合がある)とユーザIDとを関連付けたデータである。
【0026】
ユーザ情報及び利用実績データを収集した情報処理装置1は、ユーザ情報に含まれるユーザの位置情報に基づいてユーザの生活圏を特定する。生活圏は、ユーザの居住地や勤務地等の活動の拠点を含む地域又は地区である。情報処理装置1は、例えばユーザが所定の時間以上滞在した位置、所定の回数以上滞在した位置や所定の頻度以上で滞在した位置を含む地域又は地区をユーザの生活圏として特定する。
【0027】
ユーザの転居等によりユーザの生活圏が変更されると、ユーザは変更前とは異なる新たな生活圏における店舗やサービスを利用し始める。そして、ユーザ端末2は、新たな生活圏における位置情報を示すユーザ情報及び新たな生活圏における店舗等を利用した利用実績データを情報処理装置1に送信する(
図1における(2))。
【0028】
情報処理装置1は、ユーザ情報に含まれるユーザの位置情報に基づいてユーザの新たな生活圏を特定する(
図1における(3))。そして、情報処理装置1は、特定した新たな生活圏における店舗等を案内する案内情報をユーザ端末2に提供する(
図1における(4))。
【0029】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、ユーザ情報収集部131、利用実績データ収集部132、生活圏特定部133及び情報提供部134を有する。
【0030】
通信部11は、ネットワークを介してユーザ端末2と通信するための通信インターフェースである。記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行する各種のプログラムを記憶する。記憶部12は、ユーザ情報収集部131が収集するユーザ情報及び利用実績データ収集部132が収集する利用実績データを記憶する。ユーザ情報及び利用実績データについては後述する。
【0031】
記憶部12は、店舗又はサービスと、店舗又はサービスが属するカテゴリとを関連付けた店舗等属性データを記憶する。
図3は、記憶部12が記憶する店舗等属性データのデータ構造の一例を示す図である。
図3に示す店舗等属性データにおいては、店舗ID、店舗又はサービス(以下、店舗等という)の名称、店舗のカテゴリ、店舗が位置する生活圏を示す情報が関連付けて記憶されている。
【0032】
店舗IDは店舗等を識別する識別子である。「カテゴリ」は一例として、カテゴリAとして業種が登録されており、カテゴリBとして業種の中での分類が記憶されている。例えば、「居酒屋A」はカテゴリAとして「飲食店」が、カテゴリBとして「居酒屋」が、それぞれ記憶されている。カテゴリはさらに細分化した情報や別の観点から分類した情報を記憶してもよい。
【0033】
図3に示す例において、「生活圏」は店舗が位置する生活圏又はサービスを利用できる生活圏を示す情報である。店舗は複数の生活圏において利用される場合があるため、店舗等は複数の生活圏に関連付けられてもよい。例えば、「居酒屋A」は「AR1」と「AR2」の2つの生活圏に関連付けられている。生活圏は例えば、最寄り駅、路線、市町村等で区分された情報で表現されてもよい。
【0034】
記憶部12は、店舗又はサービスと店舗又はサービスが属する1以上のグループとを関連付けた店舗等属性データを記憶する。
図3に示す店舗等属性データにおいては、グループの情報を店舗等と関連付けて記憶している。グループは、同種のポイントサービスに加盟している店舗等、商品を購入した際に同種のポイントが付与される店舗等、同種のポイントを商品購入代金に充当できるサービスを利用可能な店舗等、同種の決済サービスを利用可能な店舗等、同じ企業グループが経営する店舗等のように様々な観点から設定される。店舗等は複数のグループと関連付けられていてもよい。
【0035】
図2に戻り、制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部13は、記憶部12に記憶されている制御プログラムを実行することにより、ユーザ情報収集部131、利用実績データ収集部132、生活圏特定部133及び情報提供部134として機能する。
【0036】
ユーザ情報収集部131は、ユーザの使用するユーザ端末2の位置情報と位置情報を取得した時刻とをユーザを識別するユーザ識別情報と関連付けて収集する。
図4は、ユーザ情報収集部131が収集するユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報収集部131は、ユーザ端末2が所定の周期で検出したユーザ端末2の位置情報を含むユーザ情報D1を収集する。
【0037】
ユーザ情報収集部131は、収集したユーザ情報を記憶部12が記憶するユーザ情報テーブルTU1に記憶させる。なお、ユーザ情報収集部131は、複数の時刻において検出された位置情報を纏めて収集するように構成されていてもよい。
【0038】
ユーザ情報収集部131は、収集したユーザ情報に基づいて、位置情報が示す位置にユーザが滞在した時間を算出し、ユーザとユーザが滞在した地域又は地区とユーザが滞在した時間とを関連付けた位置情報履歴テーブルTU2を記憶部12に記憶させてもよい。ユーザ情報収集部131は、一例として、位置情報と位置情報が示す位置が対応する地域又は地区の情報を記憶したテーブルを参照し、位置情報からユーザが滞在する地域又は地区を特定してもよい。なお、位置情報履歴テーブルTU2は、ユーザが滞在する回数や頻度を含んでいてもよい。
【0039】
利用実績データ収集部132は、ユーザによる店舗又はサービスの利用実績を示す利用実績データをユーザ識別情報に関連づけて収集する。
図5は、利用実績データ収集部132が収集する利用実績データの一例を示す図である。利用実績データ収集部132は、ユーザ端末2から利用実績データD2を収集する。利用実績データD2は、ユーザID、ユーザが利用した店舗等を示す店舗等ID、ユーザが店舗等を利用した時刻を含む。利用実績データD2はユーザが購入した商品又は利用したサービスを示す情報や、ユーザが使用した金額等の情報をさらに有してもよい。
【0040】
利用実績データ収集部132は、収集した利用実績データD2を記憶部12の利用実績テーブルTS1に記憶させる。利用実績データ収集部132は、所定のタイミングで複数の利用実績データD2を纏めて収集するように構成されていてもよい。なお、利用実績データ収集部132は、ユーザが利用した店舗に設置された端末から利用実績データを収集してもよい。
【0041】
利用実績データ収集部132は、一例として、収集した利用実績データに基づいて、ユーザが店舗等を利用する時期、曜日、時間帯、頻度、周期及び回数を算出し、利用実績統計データTS2として記憶部12に記憶させてもよい。利用実績データ収集部132は、店舗が属するカテゴリ又はグループ単位で利用実績統計データTS2を算出してもよい。
【0042】
図2に戻り、生活圏特定部133は、位置情報に基づいてユーザの生活圏を特定する。一例として、生活圏特定部133は、ユーザ情報収集部131が算出した位置情報履歴に基づいて、ユーザの滞在時間が所定の閾値よりも長い地域又は地区をユーザの生活圏として特定する。生活圏特定部133は、特定した生活圏をユーザIDと関連付けて記憶部12に記憶させる。なお、生活圏特定部133は、ユーザIDに関連付けて登録されたユーザの住所に基づいて生活圏を特定してもよい。
【0043】
情報提供部134は、特定済みの生活圏と異なるユーザの新たな生活圏を生活圏特定部133が特定すると、新たな生活圏を特定する前にユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データに基づいて、新たな生活圏に存在する店舗又は新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報をユーザ端末2に提供する。
【0044】
一例として、情報提供部134は、利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスと同一のカテゴリに属する店舗又はサービスに関する案内情報を提供してもよい。また、情報提供部134は、利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスが属するグループと同一のグループに属する店舗又はサービスに関する案内情報を提供してもよい。
【0045】
情報提供部134は、利用実績データにおいて利用した実績があることを示す店舗又はサービスが属するグループと同一のグループであって、同種のポイントサービスに加盟している店舗等、商品を購入した際に同種のポイントが付与される店舗等又は同種のポイントを商品購入代金に充当できるサービスを利用可能な店舗等に関する案内情報を提供してもよい。
【0046】
すなわち、情報提供部134は、記憶部12に記憶された店舗等属性データを参照し、新たな生活圏に関連付けられた店舗等のうち、利用実績統計データTS2において、ユーザが所定の回数以上利用したことを示す店舗等又は所定の頻度で利用したことを示す店舗等と同じカテゴリ又はグループに属する店舗を選択する。そして、情報提供部134は、選択した店舗の情報を含む案内情報をユーザ端末2に送信する。ここで利用実績統計データTS2は、新たな生活圏を特定する前に収集したデータに基づいて集計されたものが用いられる。
【0047】
図6は、情報提供部134が提供する案内情報の一例を示す図である。情報提供部134は、選択された店舗の位置又はサービスの提供場所を含む案内情報を提供する。案内情報は例えば、店舗等の名称、住所、連絡先、提供するサービスの内容、営業時間、利用可能な決済方法等が含まれる。
【0048】
情報処理装置1においては、上記の構成を有することにより、ユーザの生活圏の変化を捉えて店舗等の利用を案内する情報を送信することが可能となる。そして、ユーザの生活圏の変化を捉えて情報を提供した結果、ユーザに提示する案内の訴求効果を向上させることができる。
【0049】
図2に戻る。ところで、利用実績データには生活圏以外の場所で利用した情報も含まれ得る。そこで、生活圏と関連付けて利用実績データを収集することで、ユーザが生活圏において利用していた内容にマッチする案内情報を提供することができる。
【0050】
利用実績データ収集部132は、ユーザによる店舗又はサービスの利用実績と、店舗が存在する生活圏又はサービスが提供される生活圏と、を対応付けた利用実績データを収集する。
図5において、利用実績データ収集部132は、利用した店舗と店舗が存在するユーザの生活圏とを対応付けた利用実績データD2を収集する。
図5において生活圏に値が無い利用実績データは、特定されたユーザの生活圏以外で利用された利用実績データを示す。
【0051】
なお、生活圏の情報は、利用実績データ収集部132が利用実績データを収集した際に付与されてもよい。具体的には、利用実績データ収集部132は、利用実績データを収集した際に、記憶部12に記憶されたユーザの生活圏を参照し、利用実績データにおいて利用された店舗がユーザの生活圏に位置する店舗である利用実績データにユーザの生活圏の情報を関連付ける。
【0052】
情報提供部134は、ユーザの新たな生活圏を特定すると、新たな生活圏を特定する前にユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データのうち、ユーザの生活圏のうち新たな生活圏を除く生活圏における利用実績データに基づいて、新たな生活圏に存在する店舗又は新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を提供する。情報提供部134は、利用実績データのうち、ユーザの生活圏と関連付けられた利用実績データに基づいて案内する店舗を選択する。情報提供部134は、例えば、新たな生活圏における店舗のうち、利用実績統計データTS2において、ユーザの生活圏においてユーザが所定の回数以上利用したことを示す店舗等又は所定の頻度で利用したことを示す店舗等と同じカテゴリ又はグループに属する店舗等を選択する。
【0053】
ユーザの生活圏の変化には、既存の生活圏に拠点を置いたままユーザが新たな生活圏で生活するケースと、転居などにより生活圏が変更されるケースと、卒業等により生活圏を利用しなくなるケースが存在する。ここで、生活圏が変更されるケースにおいては新たな店舗等を利用する蓋然性が高いと考えられる。そして生活圏が変更されたユーザに案内情報を送信することで、訴求効果をより高めることができる場合がある。
【0054】
そこで、生活圏特定部133は、位置情報が示すユーザの位置が所定の条件を満たす場合に、特定済みの生活圏から新たな生活圏へユーザの生活圏が変更されたことを特定する。所定の条件については後述する。生活圏の変更を特定した場合、生活圏特定部133は、記憶部12に記憶されている生活圏ではなくなった特定済みの生活圏の情報を過去の生活圏として登録する。そして、生活圏特定部133は、特定した新たな生活圏をユーザIDと関連づけて記憶部12に記憶させる。
【0055】
そして、情報提供部134は、ユーザの生活圏が変更された場合、生活圏が変更される前にユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データに基づいて、新たな生活圏に存在する店舗又は新たな生活圏において利用可能なサービスから選択した店舗又はサービスに関する案内情報を提供する。
【0056】
生活圏の変更を特定する所定の条件について説明する。生活圏特定部133は、位置情報が示す位置に基づいて生活圏におけるユーザの滞在時間又は滞在頻度を算出し、特定済みの生活圏におけるユーザの滞在時間が第1の閾値以下であり、かつ、他の生活圏におけるユーザの滞在時間が第2の閾値以上である場合又は特定済みの生活圏におけるユーザの滞在頻度が第3の閾値以下であり、かつ、他の生活圏におけるユーザの滞在頻度が第4の閾値以上である場合に、特定済みの生活圏から新たな生活圏へユーザの生活圏が変更されたことを特定する。閾値は、ユーザが拠点をおく生活圏に通常滞在すると考えられる時間又は頻度に基づいて設定されるパラメータである。一例として、第1の閾値及び第2の閾値は1週間に20時間滞在することが条件として設定される。第3の閾値及び第4の閾値は1週間に2日以上滞在することが条件として設定される。第1の閾値と第2の閾値及び第3の閾値と第4の閾値はそれぞれ、同じ値が設定されても、異なる値が設定されてもよい。
【0057】
ユーザは、複数の生活圏で生活する場合がある。例えば昼は仕事をするための生活圏において生活し、夜は居住するための生活圏で生活するような場合である。そこで、生活圏特定部133が複数の生活圏と生活圏に滞在する時間帯とを特定することができると、ユーザの生活圏に滞在する目的に沿った案内情報を提供することができる。
【0058】
具体的には、生活圏特定部133は、曜日及び時間帯ごとに集計されたユーザの位置情報が示す位置における滞在時間に基づいて1又は複数の生活圏と生活圏それぞれに滞在する曜日及び時間帯とを特定する。ユーザ情報収集部131は、曜日と時間帯とに関連付けてユーザの位置情報を集計する。例えば、平日の9:00~18:00、平日の18:00~9:00、休日の9:00~18:00、休日の18:00~9:00の時間帯に区分してユーザの滞在時間及び滞在頻度を集計する。なお、集計の単位は任意である。
【0059】
そして、集計した滞在時間又は滞在頻度が所定の閾値以上である場合、生活圏特定部133は、滞在時間又は滞在頻度が所定の閾値以上である生活圏をユーザの生活圏として特定し、ユーザIDと、特定した生活圏と、ユーザが生活圏に滞在する曜日及び時間帯と、を関連付けて記憶部12に記憶させる。
【0060】
情報提供部134は、ユーザの新たな生活圏を特定すると、新たな生活圏を特定する前にユーザ識別情報に関連づけて収集された利用実績データのうち、新たな生活圏に滞在する曜日及び時間帯に対応する曜日及び時間帯にユーザが滞在していた生活圏における利用実績データに基づいて、案内情報を提供する。情報提供部134は、利用実績データのうち、特定された新たな生活圏に関連付けられた曜日及び時間帯と同じ曜日及び時間帯に関連付けられた生活圏と関連付けられた利用実績データに基づいて案内する店舗を選択する。情報提供部134は、例えば、新たな生活圏における店舗等のうち、利用実績統計データTS2において、新たな生活圏に関連付けられた曜日及び時間帯と同じ曜日及び時間帯に関連付けられた生活圏において、ユーザが所定の回数以上利用したことを示す店舗等又は所定の頻度で利用したことを示す店舗等と同じカテゴリ又はグループに属する店舗等を選択する。
【0061】
生活圏はユーザが利用した店舗等に基づいて特定することで、より高い精度で特定することができる。そこで、生活圏特定部133は、利用実績データにおいてユーザが所定の種類の店舗又はサービスを利用したことを示す地域をユーザの新たな生活圏として特定する。生活圏特定部133は、例えば、生活に不可欠な商品を販売又はサービスを提供する店舗等を、所定の頻度以上又は所定の周期以下でユーザが利用している場合に生活圏を特定してもよい。生活圏特定部133は、例えば歯科医のカテゴリに属する同一の店舗等を週に1回以上利用している場合、ドラッグストアのカテゴリに属する同一の店舗等を週に2回以上利用している場合に利用した店舗等が属する地区を生活圏と特定する。
【0062】
生活圏が特定された場合に利用実績データに基づいて、その生活圏で利用していない店舗の利用を案内できるとユーザの利便性が高い。そこで、情報提供部134は、新たな生活圏に存在する店舗のうち、利用実績データにおいてユーザが利用した実績がない店舗を未利用店舗として選択し、未利用店舗に関するユーザ端末2に提供する。
【0063】
すなわち、情報提供部134は、生活圏特定部133が特定した新たな生活圏に関連付けられた店舗のうち、利用実績データにおいてユーザが利用した実績がない店舗を、案内情報の対象の店舗として抽出する。そして、情報提供部134は、案内情報の対象の店舗のうち、利用実績統計データTS2において、ユーザが所定の回数以上利用したことを示す店舗等又は所定の頻度で利用したことを示す店舗等と同じカテゴリ又はグループに属する店舗を選択する。
【0064】
情報提供部134が店舗のカテゴリに応じて案内情報を送信する時期を制御することができれば、ユーザは必要な時期に必要な情報を受け取ることができて利便性が高い。そこで、情報提供部134は、新たな生活圏に存在する店舗が提供する商品又は新たな生活圏において提供されるサービスの種類に基づいて案内情報を送信する時期を決定し、決定した時期に案内情報を送信してもよい。
【0065】
具体的には、情報提供部134は、選択した店舗のカテゴリに基づいて、案内情報を送信する時期を決定する。そして、情報提供部134は、決定した時期に案内情報を送信する。
【0066】
一例として、情報提供部134は、例えばカテゴリが病院やドラッグストア等に属する生活に不可欠な店舗等であれば新たな生活圏を特定した時点から案内情報を送信してもよい。また、情報提供部134は、カテゴリが飲食店に属する店舗等であれば生活圏が特定された1週間後に送信してもよい。例えばカルチャースクールのようなユーザの生活が落ち着いてから情報を受け取れると好適と考えられる店舗等については、新たな生活圏を特定した1か月後に送信してもよい。
【0067】
例えば、情報処理装置1を提供する事業者が提供するサービスの利用を案内することで、事業者のサービスの利用を促進することができる。そこで、情報提供部134は、新たな生活圏に存在する店舗又は新たな生活圏において利用可能なサービスのうち、ユーザ識別情報を付与されたユーザが利用可能なサービスを利用できる店舗又はサービスに関する案内情報を提供する。
【0068】
一例として、ユーザIDを付与されたユーザが利用可能なサービスは、ユーザIDを発行する事業者が提供する、同一のユーザIDを利用して決済を行うことができる決済サービスである。当該決済サービスを利用可能な店舗であるか否かは店舗等属性データのグループ情報に登録されている。情報提供部134は、店舗等属性データを参照し、ユーザの新たな生活圏における店舗等のうち、当該決済サービスを利用可能な店舗等を選択し、選択した店舗を案内する案内情報を提供する。このような店舗を案内することで、ユーザは生活圏が変化した後も同種の決済サービスやポイントサービスを継続して利用することができる店舗の情報を知ることができる。
【0069】
[情報処理装置1における処理の流れ]
図7は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図7に示すフローチャートは、ユーザ情報を収集する準備が完了した時点から開始している。
【0070】
ユーザ情報収集部131は、ユーザ情報を収集する(S101)。利用実績データ収集部132は、利用実績データを収集する(S102)。生活圏特定部133は、収集したユーザ情報に基づいてユーザの生活圏を特定する(S103)。
【0071】
生活圏特定部133は、新たな生活圏が特定されたかを判定する(S104)。新たな生活圏が特定されていない場合(S104におけるN)、情報処理装置1は処理を終了する。
【0072】
新たな生活圏が特定された場合(S104におけるY)、生活圏特定部133は、生活圏が変更されたかどうかを判定する(S105)。生活圏が変更された場合(S105におけるY)、生活圏特定部133は、記憶部12にユーザIDと関連付けて記憶されたユーザの変更前の生活圏を過去の生活圏として登録する(S106)。生活圏が変更されていない場合(S105におけるN)、変更前の生活圏を過去の生活圏として登録する処理をスキップする。生活圏特定部133は、特定された新たな生活圏をユーザIDと関連付けて記憶部12に登録する(S107)。
【0073】
情報提供部134は、特定された生活圏に存在する店舗又はサービスからユーザに案内する店舗又はサービスを選択する(S108)。情報提供部134は、選択した店舗等を案内する案内情報をユーザ端末2へ送信する(S109)。そして、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0074】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 ユーザ情報収集部
132 利用実績データ収集部
133 生活圏特定部
134 情報提供部
【要約】
【課題】ユーザが店舗に関する情報を必要としている状況を捉えて店舗やサービスの情報をユーザに提供する。
【解決手段】店舗等の利用を案内する案内情報を送信する情報処理装置1である。ユーザ端末2の位置情報と位置情報を取得した時刻とをユーザ識別情報と関連付けて収集するユーザ情報収集部131と、ユーザによる店舗等の利用実績を示す利用実績データをユーザ識別情報に関連づけて収集する利用実績データ収集部132と、位置情報に基づいてユーザの生活圏を特定する生活圏特定部133と、特定済みの生活圏と異なるユーザの新たな生活圏を生活圏特定部133が特定すると、新たな生活圏を特定する前に収集された利用実績データに基づいて、新たな生活圏に存在する店舗等から選択した店舗等に関する案内情報を提供する情報提供部134と、を有する。
【選択図】
図2