(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/211 20210101AFI20220711BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/276 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/278 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/282 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/588 20210101ALI20220711BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20220711BHJP
【FI】
H01M50/211
H01M50/249
H01M50/271 B
H01M50/271 S
H01M50/276
H01M50/278
H01M50/282
H01M50/296
H01M50/50 101
H01M50/507
H01M50/588
H01M50/591 101
(21)【出願番号】P 2021503817
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(86)【国際出願番号】 KR2020002681
(87)【国際公開番号】W WO2020175881
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0022719
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キテク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】サンウク・イム
(72)【発明者】
【氏名】ヨンギル・キム
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-250151(JP,A)
【文献】特開2006-318703(JP,A)
【文献】国際公開第2016/157267(WO,A1)
【文献】特表2015-518258(JP,A)
【文献】中国実用新案第206727133(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0053429(KR,A)
【文献】特表2018-520475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/204 - 216
H01M 50/271 - 282
H01M 50/296
H01M 50/50 - 526
H01M 50/584 - 597
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが、並んで互いに隣接して積層された電池セル組立体;
前記電池セル組立体を収容するモジュールフレーム;および
前記電池セル組立体の長手方向の両端に位置して前記モジュールフレームと溶接結合されるエンドプレート
を含み、
前記エンドプレートは、前記モジュールフレームと溶接結合される溶接部を含む本体部、および前記本体部のうち前記溶接部を除いた部分を被覆する絶縁コーティング部を含
み、
前記電池セル組立体の電極リードと電気的に連結されるバスバーをさらに含み、前記エンドプレートは前記バスバーを露出させる端子開口を含む、電池モジュール。
【請求項2】
前記エンドプレートは前記電池セル組立体と対向する内面と、前記内面と反対側に位置する外面を含み、前記絶縁コーティング部は前記内面上および前記外面上に位置する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記絶縁コーティング部は、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂から選択された少なくとも一つを含む、請求項1または2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記絶縁コーティング部の厚さは、20μm~200μmである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記絶縁コーティング部の厚さは、50~140μmである、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記本体部は金属材料からなる、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記金属材料は、鉄、アルミニウム、マグネシウムまたはこれらの合金から選択される少なくとも一つを含む、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記本体部の厚さは1.0mm~3.5mmである、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記絶縁コーティング部は、前記端子開口を囲むように形成される、請求項
8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記バスバーが固定され、前記電池セル組立体と前記エンドプレートの間に位置するバスバーフレームをさらに含み、前記エンドプレートは前記バスバーフレームに直接隣接して配置される、請求項
8または
9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記エンドプレートは、前記電池モジュールを外部と電気的に連結するための外部結合部をさらに含み、前記外部結合部では前記絶縁コーティング部が除去されて前記本体部が露出している、請求項1ないし
10のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記絶縁コーティング部は、前記内面側で前記電池セル組立体に向かって突出した一つ以上の突出部を含む、請求項2
に記載の電池モジュール。
【請求項13】
請求項1ないし
12のいずれか一項による少なくとも一つの電池モジュール;および
前記少なくとも一つの電池モジュールをパッケージングするパックケース
を含む、電池パック。
【請求項14】
請求項
13による少なくとも一つの電池パックを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2019年2月26日付韓国特許出願第10-2019-0022719号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールに関し、より具体的には絶縁性能を有するエンドプレートを含む電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は製品群による適用容易性が高く、高いエネルギ密度などの電気的特性を有するので、携帯用機器だけでなく電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに普遍的に応用されている。このような二次電池は化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなくエネルギの使用にともなう副産物が全く発生しない点で環境に優しくエネルギ効率性の向上のための新たなエネルギ源として注目されていている。
【0004】
前記電気自動車などに適用される電池パックは高出力を得るために複数の単位セルを含む多数のセル組立体を直列に連結した構造を有している。そして、前記単位セルは陽極および陰極集電体、セパレータ、活物質、電解液などを含んで構成要素間の電気化学的反応によって反復的な充放電が可能である。
【0005】
一方、近来エネルギ貯蔵源としての活用をはじめとして大容量構造に対する必要性が高まるにつれ多数の二次電池が直列および/または並列に連結された多数の電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0006】
複数の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも一つの電池セルからなる電池モジュールを先に構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールを利用してその他構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。前記電池パックに含まれる電池モジュールの個数、または電池モジュールに含まれる電池セルの個数は求められる出力電圧または充放電容量によって多様に設定することができる。
【0007】
複数の電池モジュールを利用して電池パックを構成する場合、高いエネルギ密度のためにはできるだけ一つの電池モジュールが占める空間の大きさを減少させる必要があり、また安全性のためには電池モジュール内で部品間の十分な絶縁が確保されなければならない要求もある。しかし、絶縁性能の確保のために絶縁プレートなどプラスチック材質の部品を追加する場合、該当部品の大きさだけ電池モジュールの大きさも増加し、追加される部品の組み立てのための工程上の負担も増加し、反面、比較的剛性が低いプラスチック部品の比率が高くなり電池モジュール全体の剛性も低くなる問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような問題を解決するためのものであり、電池モジュール内で部品数を減少させて電池モジュールの大きさを減少させることによってエネルギ密度を高め、同時に十分な絶縁性能および電池モジュールの剛性も確保できる電池モジュールを提供する。
【0009】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は、上述した課題に限定されず本発明に含まれた技術的思想の範囲で多様に拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態による電池モジュールは、複数の電池セルが、並んで互いに隣接して積層された電池セル組立体、前記電池セル組立体を収容するモジュールフレーム、前記電池セル組立体の長手方向の両端に位置して前記モジュールフレームと溶接結合されるエンドプレートを含み、前記エンドプレートは前記モジュールフレームと溶接結合される溶接部を含む本体部、および前記本体部のうち前記溶接部を除いた部分を被覆する絶縁コーティング部を含む。
【0011】
前記エンドプレートは、前記電池セル組立体と対向する内面と、前記内面と反対側に位置する外面を含み、前記絶縁コーティング部は前記内面上および前記外面上に位置し得る。
【0012】
前記絶縁コーティング部は、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂から選択された少なくとも一つを含み得る。
【0013】
前記絶縁コーティング部の厚さは、20μm~200μmであり得る。
【0014】
前記絶縁コーティング部の厚さは、50μm~140μmであり得る。
【0015】
前記本体部は金属材料からなり得る。
【0016】
前記金属材料は、鉄、アルミニウム、マグネシウムまたはこれらの合金から選択される少なくとも一つを含み得る。
【0017】
前記本体部の厚さは、1.0mm~3.5mmであり得る。
【0018】
前記電池セル組立体の電極リードと電気的に連結されるバスバーをさらに含み、前記エンドプレートは前記バスバーを露出させる端子開口を含み得る。
【0019】
前記絶縁コーティング部は、前記端子開口を囲むように形成され得る。
【0020】
前記電池モジュールは前記バスバーが固定され、前記電池セル組立体とエンドプレートの間に位置するバスバーフレームをさらに含み、前記エンドプレートは前記バスバーフレームに直接隣接して配置され得る。
【0021】
前記絶縁コーティング部は、前記内面側で前記電池セル組立体に向かって突出した一つ以上の突出部を含み得る。
【0022】
本発明の他の一実施形態による電池パックは、前記した少なくとも一つの電池モジュール、および前記少なくとも一つの電池モジュールをパッケージングするパックケースを含み得る。
【0023】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは前記した少なくとも一つの電池パックを含み得る。
【発明の効果】
【0024】
実施形態によれば、エンドプレートと電池セル組立体の間の絶縁のために備えられる絶縁カバーなどがなくとも、十分な絶縁性能を確保すると同時に電池モジュールのエネルギ密度上昇および電池モジュールの剛性向上を達成できる電池モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールのエンドプレートを示す図である。
【
図3】エンドプレートの一部分を切って示す部分断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態による電池モジュールを正面から見た図である。
【
図5】本発明の他の実施形態によるエンドプレートの一部分を切って示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は様々な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0027】
本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似する構成要素に対しては同じ参照符号を付ける。
【0028】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜上任意に示したので、本発明が必ずしも図示されたところに限定されない。図面で複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面で、説明の便宜上、一部の層および領域の厚さを誇張されるように示した。
【0029】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「の上に」または「上に」あるという時、これは他の部分の「真上に」ある場合だけでなくその中間にまた他の部分がある場合も含む。逆にある部分が他の部分の「真上に」あるという時には中間に他の部分が存在しないことを意味する。また、基準になる部分「の上に」または「上に」あるということは、基準になる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力逆方向に向かって「の上に」または「上に」位置することを意味するものではない。
【0030】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは特に反対の意味を示す記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0031】
図1は本発明の一実施形態による電池モジュールの斜視図である。
【0032】
図1を参照すると、本実施形態による電池モジュール100は複数の電池セル112が並んで互いに隣接して積層された電池セル組立体110とこれを収納して電池モジュール100の外観を形成するモジュールフレーム120、および前記電池セル組立体110の長手方向の両端に位置し、前記モジュールフレーム120と溶接結合されるエンドプレート200を含む。
【0033】
前記電池セル組立体110は複数の電池セル112を含む二次電池の集合体である。電池セル組立体110は複数の電池セル112を含み得、それぞれの電池セルは電極リード114を含む。電池セル112は板状を有するパウチ型電池セルであり得るが、これに限定されるものではない。前記電極リード114は陽極リードまたは陰極リードであり、各電池セル112の電極リード114は端部が片方の方向に曲がり得、これによって隣接する他の電池セル112が有する電極リードの端部と当接し得る。互いに当接した2個の電極リード114は互いに溶接等により固定され得、これにより電池セル組立体110内部の電池セル112間の電気的連結が行われる。
【0034】
複数の電池セル112は電極リード114が一側方向に整列するように垂直積層されて電池セル組立体110をなす。前記電池セル組立体110は電池セル組立体110の長手方向に開放された少なくとも一つの開口を有するモジュールフレーム120に収納される。この時、前記電極リード114は前記開口を介してモジュールフレーム120の外側に引き出され、電極リード114が引き出される方向で電池セル組立体110と結合するバスバーフレーム50が含まれ得る。バスバーフレーム50にはバスバー51が外側に向かって固定され得、電池セル組立体110の電極リード114はバスバーフレーム50に形成されたスリットを通過してバスバー51と電気的に連結される。ここでバスバーフレーム50は絶縁性素材、例えば非伝導性合成樹脂からなり、バスバー51は伝導性の金属材料からなる。
【0035】
また、電池モジュール100は電池セル組立体110の上部でモジュールフレーム120の長手方向に延びて取り付けられ、電池セル112をセンシングするように構成された軟性印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Board,FPCB)40を含む。さらに電池モジュール100は各種電装部品を含み得、一例として内部回路基板(Internal Circuit Board:ICB)およびバッテリ管理システム(Battery Management System:BMS)等を含み得る。前記ICBおよびBMSボードなどの電装部品は前記複数の電池セルと電気的に連結され得る。
【0036】
引き続き、
図1に加えて
図2ないし
図4を参照してエンドプレート200の構成について詳細に説明する。
【0037】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュール100のエンドプレート200を示す図面であり、
図3はエンドプレート200の一部分を切って示す部分断面図であり、
図4は本発明の一実施形態による電池モジュール100を正面から見た図である。
【0038】
エンドプレート200は電池セル組立体110の両端でバスバーフレーム50を覆うことによりモジュールフレーム120の開口に結合され、この時モジュールフレーム120と溶接部211で溶接結合されて固定される。
【0039】
エンドプレート200は金属材質からなる本体部210とこのような本体部210の全面に被覆されて形成される絶縁コーティング部220を含む。この時、絶縁コーティング部220は前記溶接部211を除いた本体部210全体に被覆される。すなわち、
図3に示すように、エンドプレート200が電池セル組立体110と対向してバスバーフレーム50と直接接触することになる内面201上だけでなく、内面201の反対側に位置して電池モジュール100の外部に露出する部分である外面202に対応する部分上にも絶縁コーティング部220が位置する。
【0040】
このような構成によって、エンドプレート200と電池セル組立体110の間に追加の絶縁カバーまたは絶縁シートを備えなくても、エンドプレート200の内側に位置する部品とエンドプレート200間の十分な絶縁を維持することができる。
【0041】
この時、前記絶縁コーティング部220はエポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂から選択された少なくとも一つを含み得る。また、絶縁コーティング部220の厚さ(すなわち、本体部210の表面にコートされた層の厚さ)は20μm~200μmであり得る。絶縁コーティング部220の厚さが20μm未満であれば、十分な絶縁性能を得ることができず、200μmを超えるとその厚さが過度に厚くなって部品減少の効果を享受することができないので好ましくない。より好ましくは前記絶縁コーティング部220の厚さは50μm~140μmであり得る。
【0042】
前記本体部210は金属材質からなり、例えば鉄、アルミニウム、マグネシウムまたはこれらの合金から選択される少なくとも一つを含み得る。また、本体部210の厚さは1.0mm~3.5mmであり得る。本体部210の厚さが1.0mm未満であり、電池モジュール100を外部の衝撃などから保護できる十分な剛性を確保できず、3.5mm超過であれば、その重量が過度に増加して電池モジュール100全体の重量上昇を招くので好ましくない。
【0043】
また、前記エンドプレート200は、バスバーフレーム50に外側に向かって固定されたバスバー51が露出する端子開口230を含む。この時、端子開口230を囲むように絶縁コーティング部220が形成される。これによって、バスバー51と金属材質の本体部210の間に十分な絶縁性能を確保することができ、特に十分な沿面距離を確保することができる。ここで沿面距離は、絶縁のために確保されなければならない距離として、二つの導体の間の絶縁体表面による距離である。本実施形態の構成によれば、絶縁コーティング部220がエンドプレート200の内側201だけでなく外側202および端子開口230を囲む部分にすべて形成されているので、単にエンドプレート200内側にのみ絶縁シートないしコーティングを配置した従来技術に比べてさらに長い沿面距離の確保が可能であり、したがって絶縁距離の確保のために絶縁シートないしコーティングの厚さを無理に増加させる必要がないため、設計マージンも向上することができる。
【0044】
特に、従来には電池セル組立体110およびバスバーフレーム50とエンドプレート200間の絶縁のために別途の絶縁カバー(または絶縁シート)を備えたが、この場合本実施形態の構成に比べて一つの電池モジュール100当たり2個以上の部品がさらに必要であり、また追加される部品の厚さだけ電池モジュール100全体の厚さも増加するしかなかった。しかし、本実施形態によれば、エンドプレート200の内側201および外側202に形成された絶縁コーティング部220により前述したように十分な絶縁性能の確保が可能であるので、絶縁カバー(または絶縁シート)を省略することができ、これにより電池モジュール100全体の大きさも減少して結果的にエネルギ密度を上昇させることができる。
【0045】
さらに、
図4に示すように、本実施形態の構成によれば、バスバー51周囲に絶縁のための射出物(例えば従来の絶縁カバーまたはバスバーフレーム)を外部に露出させる量を極端に減らすことができるために電池モジュール100を外部の衝撃などからより効果的に保護することができる。すなわち、射出物が露出されなくても、エンドプレート200の内側201および外側202に形成された絶縁コーティング部220により十分な絶縁距離が確保されるのでバスバー51に対応する部分を除いた電池セル組立体110の正面全体をエンドプレート200で覆う構成が可能である。この時、エンドプレート200の内側には金属材質の本体部210が位置して優れた剛性を有するので、このようなエンドプレート200により覆われる部分を増加させることによって電池モジュール100の剛性を増加させることができる。
【0046】
また、前記エンドプレート200は、前記電池モジュール100を外部と電気的に連結するための外部結合部212をさらに含み、前記外部結合部212では絶縁コーティング部220が除去されて前記本体部210が露出するように構成される。このような構成によって、外部との電気的連結を達成しながらも外部結合部212周囲に位置する絶縁コーティング部220により十分な絶縁性能を得ることができる。
【0047】
一方、絶縁コーティング部220は、エンドプレート200の内側201で電池セル組立体110に向かって突出した一つ以上の突出部221を含むこともできる。突出部221は電池セル組立体110と結合された部品と接触して電池セル組立体110とエンドプレート200間の適切な距離を維持できるように構成されることができる。これによって、絶縁コーティング部220の全体の厚さはより薄くなり、かつ突出部221によってエンドプレート200と電池セル組立体110の間の絶縁距離が確保できるため、より効果的に電池モジュール100の全体重量を減少させて部品間の絶縁を確保することができる。
【0048】
本実施形態のエンドプレート200は、金属材質の本体部210全体に絶縁コーティング部220を形成した後、コンピュータ数値制御(computer numerical control:CNC)加工によって必要な部分で絶縁コーティング部220を除去することによって製造されることができる。特にこの時、絶縁コーティング部220が除去される部分である溶接部および外部結合部212は他の構成との結合のために形成される部分であるため、精密なサイズ制御が重要であるが、CNC加工により、このように必要なサイズ制御を精密に行うことができる。
【0049】
このように、本発明の一実施形態によれば、エンドプレートの内面上および外面上に形成された絶縁コーティング部を備えることによって、絶縁のための追加の部品なしで十分な絶縁性能の確保が可能であり、電池モジュールの大きさを減少させて電池モジュールの剛性を向上させることができる。
【0050】
一方、本発明の実施形態による電池モジュールは、一つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成し得る。
【0051】
上記説明した電池モジュールおよびそれを含む電池パックは多様なデバイスに適用することができる。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用されるが、本発明はこれに制限されず電池モジュールおよびそれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これもまた本発明の権利範囲に属する。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0053】
50 バスバーフレーム
51 バスバー
100 電池モジュール
110 電池セルル組立体
112 電池セル
114 電極リード
120 モジュールフレーム
200 エンドプレート
201 内面
202 外面
210 本体部
211 溶接部
212 外部結合部
220 絶縁コーティング部
221 突出部
230 端子開口