(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】スマート歯ブラシのブラッシング評価方法、装置、設備及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
A46B 15/00 20060101AFI20220711BHJP
A61C 17/00 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
A46B15/00 K
A61C17/00 Z
(21)【出願番号】P 2021504562
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2019079743
(87)【国際公開番号】W WO2019196642
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】201810332727.8
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520398788
【氏名又は名称】深▲セン▼市力博得科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】黄拔梓
(72)【発明者】
【氏名】黄道臣
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼金泉
(72)【発明者】
【氏名】李建
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-240760(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107714227(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 15/00
A61C 17/00
A61C 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得するステップと、
前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得るステップと、
前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が標準ブラッシング時間より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定するステップと、
前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るステップと、を含
み、
前記ブラッシングデータは、3軸加速度センサにより出力された3軸加速度と3軸ジャイロにより出力された3軸角速度を含み、
各ブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を統計により得るステップは、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの加速度の分散を算出するステップと、
前記加速度の分散が既設標準ブラッシングモデルの標準分散より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を1つ増加させるステップと、を含み、
各ブラッシング歯面に対する横磨き回数を統計により得るステップは、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの横磨き移動距離変更幅と横磨き頻度を算出するステップと、
前記横磨き移動距離変更幅が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き移動距離変更幅より大きい、及び/又は前記横磨き頻度が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き頻度より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を1つ増加させるステップと、を含む
ことを特徴とするスマート歯ブラシのブラッシング評価方法。
【請求項2】
前記ブラッシングデータを分析するステップは、
前記3軸加速度及び前記3軸角速度に対してフュージョン処理を行い、各ブラッシング部位に位置する前記スマート歯ブラシのロール角、ピッチ角及びヨー角を取得するステップと、
前記ロール角、ピッチ角及びヨー角によって、歯の分布状況に基づいて予め区画された既設歯区分領域における、各ブラッシング部位が位置する歯区分領域を特定するステップと、
前記ロール角によって、前記歯区分領域における各ブラッシング部位が対応するブラッシング歯面を特定するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のブラッシング評価方法。
【請求項3】
統計により前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るステップは、
前記スマート歯ブラシが前記各ブラッシング歯面に対して実施するブラッシング動作の総ブラッシング時間を統計するステップと、
前記各ブラッシング歯面に対して前記ブラッシング動作を実施するとき前記スマート歯ブラシのピッチ角が予め設定されたピッチ角より大きい不正ブラッシング時間を取得するステップと、
前記総ブラッシング時間から前記不正ブラッシング時間を引いて前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るステップと、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のブラッシング評価方法。
【請求項4】
各ブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を統計により得るステップは、
圧力センサにより出力された現在のブラッシング歯面に対するブラッシングの圧力値をリアルタイムに取得するステップと、
前記ブラッシングの圧力値が既設標準ブラッシングの圧力値より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を1つ増加させるステップと、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のブラッシング評価方法。
【請求項5】
前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るステップは、
各ブラッシング歯面に対する前記ブラッシング時間と標準ブラッシング時間との間の既設対応関係に基づいて各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を算出するステップと、
各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を積算してブラッシングの清潔総点数を得るステップと、
前記ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によって、ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率を得るステップと、
前記ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率にそれぞれ対応する重みを掛けてさらに積算し、不正ブラッシングの点数を得るステップと、
前記ブラッシングの清潔総点数から前記不正ブラッシングの点数を引いて前記ブラッシング評価結果を得るステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか1項に記載のブラッシング評価方法。
【請求項6】
スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得するためのブラッシングデータ取得モジュールと、
前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得るためのブラッシングデータ分析モジュールと、
前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が標準ブラッシング時間より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定するためのブラッシング結果特定モジュールと、
前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るための評価結果特定モジュールと、を有
し、
前記ブラッシングデータは、3軸加速度センサにより出力された3軸加速度と3軸ジャイロにより出力された3軸角速度を含み、
各ブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を統計により得ることは、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの加速度の分散を算出することと、
前記加速度の分散が既設標準ブラッシングモデルの標準分散より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を1つ増加させることと、を含み、
各ブラッシング歯面に対する横磨き回数を統計により得ることは、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの横磨き移動距離変更幅と横磨き頻度を算出することと、
前記横磨き移動距離変更幅が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き移動距離変更幅より大きい、及び/又は前記横磨き頻度が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き頻度より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を1つ増加させることと、を含む
ことを特徴とするスマート歯ブラシのブラッシング評価装置。
【請求項7】
メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶され前記プロセッサにより実行されるコンピュータプログラムを有するスマート歯ブラシのブラッシング評価端末設備であって、
前記プロセッサにより前記コンピュータプログラムを実行することで、請求項1~
5のいずれか1項に記載のブラッシング評価方法のステップを実現することを特徴とするスマート歯ブラシのブラッシング評価端末設備。
【請求項8】
コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、請求項1~
5のいずれか1項に記載のブラッシング評価方法のステップが実現されることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマート歯ブラシ技術分野に関し、特に、スマート歯ブラシのブラッシング評価方法、装置、端末設備及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ブラッシングは、歯ブラシで歯垢、マテリアアルバ、食物残渣を取り除きくことによって、口腔を清潔に保ち、歯周病を予防する重要な手段である。しかし、従来の歯ブラシでブラッシングするとき、ブラッシングの状況を見えず、正確なブラッシングデータを取得できないので、自分のブラッシングの正しさを判定できない。このため、口腔や歯を清潔に保つことができず、多くの口腔疾患が発生してしまう。
【0003】
社会の進歩にしたがい、健康がますます重視されるので、強力な除去効果を有するスマート歯ブラシが急速に普及している。しかし、従来のスマート歯ブラシは、通常、ブラッシング時間のみでブラッシングの除去効果を反映するので、ブラッシングに対する検知は、全面、正確ではなく、ブラッシングの正しさを全面に評価することができない。
【0004】
以上により、如何に全面、正確に検知し、ブラッシングの正しさを評価してブラッシング動作を改善することは、当業者が解決しようとする課題になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、全面的且つ正確なブラッシング評価結果が得られ、ブラッシングの動作や習慣の改善に寄与できるスマート歯ブラシのブラッシング評価方法、装置、端末設備及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例の第1局面に係るスマート歯ブラシのブラッシング評価方法は、スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得するステップと、前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得るステップと、前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が第3閾値より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定するステップと、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るステップと、を含む。
【0007】
さらに、前記ブラッシングデータは、3軸加速度センサにより出力された3軸加速度と3軸ジャイロにより出力された3軸角速度を含み、前記ブラッシングデータを分析するステップは、前記3軸加速度及び前記3軸角速度に対してフュージョン処理を行い、各ブラッシング部位に位置する前記スマート歯ブラシのロール角、ピッチ角及びヨー角を取得するステップと、前記ロール角、ピッチ角及びヨー角によって、歯の分布状況に基づいて予め区画された既設歯区分領域における、各ブラッシング部位が位置する歯区分領域を特定するステップと、前記ロール角によって、前記歯区分領域における各ブラッシング部位が対応するブラッシング歯面を特定するステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、統計により前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るステップは、前記スマート歯ブラシが前記各ブラッシング歯面に対して実施するブラッシング動作の総ブラッシング時間を統計するステップと、前記各ブラッシング歯面に対して前記ブラッシング動作を実施するとき前記スマート歯ブラシのピッチ角が予め設定されたピッチ角より大きい不正ブラッシング時間を取得するステップと、前記総ブラッシング時間から前記不正ブラッシング時間を引いて前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、各ブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を統計により得るステップは、前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの加速度の分散を算出するステップと、前記加速度の分散が既設標準ブラッシングモデルの標準分散より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を1つ増加させるステップと、を含む。
【0010】
さらに、各ブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を統計により得るステップは、圧力センサにより出力された現在のブラッシング歯面に対するブラッシングの圧力値をリアルタイムに取得するステップと、前記ブラッシングの圧力値が既設標準ブラッシングの圧力値より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を1つ増加させるステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、各ブラッシング歯面に対する横磨き回数を統計により得るステップは、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの横磨き移動距離変更幅と横磨き頻度を算出するステップと、前記横磨き移動距離変更幅が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き移動距離変更幅より大きい、及び/又は前記横磨き頻度が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き頻度より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を1つ増加させるステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るステップは、各ブラッシング歯面に対する前記ブラッシング時間と標準ブラッシング時間との間の既設対応関係に基づいて各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を算出するステップと、各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を積算してブラッシングの清潔総点数を得るステップと、前記ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によって、ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率を得るステップと、前記ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率にそれぞれ対応する重みを掛けてさらに積算し、不正ブラッシングの点数を得るステップと、前記ブラッシングの清潔総点数から前記不正ブラッシングの点数を引いて前記ブラッシング評価結果を得るステップと、を含む。
【0013】
本発明の実施例の第2局面に係るスマート歯ブラシのブラッシング評価装置は、スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得するためのブラッシングデータ取得モジュールと、前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得るためのブラッシングデータ分析モジュールと、前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が第3閾値より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定するためのブラッシング結果特定モジュールと、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るための評価結果特定モジュールと、を有する。
【0014】
本発明の実施例の第3局面に係るスマート歯ブラシのブラッシング評価端末設備は、メモリ、プロセッサ及び前記メモリに記憶され前記プロセッサにより実行されるコンピュータプログラムを有し、前記プロセッサにより前記コンピュータプログラムを実行することで、前記第1局面のブラッシング評価方法のステップを実現する。
【0015】
本発明の実施例の第4局面に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されるとき、前記第1局面のブラッシング評価方法のステップが実現される。
【発明の効果】
【0016】
以上の技術案により、本発明の実施例は、以下のメリットを有する。
【0017】
本発明の実施例において、まず、スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得する。そして、前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得る。さらに、前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって全てのブラッシング歯面の、ブラッシング時間が標準ブラッシング時間より大きいブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定する。最後、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得る。本発明の実施例において、ブラッシングデータを全面的、正確に取得し、さらにそれらを基づいて、ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を正確に分析することで、全面的、正確なブラッシング評価結果を得るので、利用者によるブラッシング動作の改善に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下、本発明における実施例の技術案をより明瞭に説明するため、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願の一部の実施例を示すものに過ぎない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいてその他の関連図面を得ることが可能である。
【
図1】本発明の実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価方法の一実施例の流れ図である。
【
図2】本発明の実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価方法のうちのブラッシング歯面を特定するステップの1つの応用場面の流れ模式図である。
【
図3】本発明の実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価装置の一実施例の構成図である。
【
図4】本発明の実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価端末設備の示意図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施例は、全面的且つ正確に利用者のブラッシング動作を評価でき、正確なブラッシング評価結果が得られ、ブラッシングの動作や習慣の改善に寄与できるスマート歯ブラシのブラッシング評価方法、装置、端末設備及び記憶媒体を提供する。
【0020】
本発明の目的、特徴及び利点をより明瞭にするため、以下、本発明の実施例に用いられる図面を参照しながら、本発明の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明し、説明される実施例が本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは無論である。本発明の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得た全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価方法は、以下のステップを含む。
【0022】
ステップS101において、スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得する。
【0023】
本発明の実施例において、スマート歯ブラシにおいて、姿勢センサ、圧力センサ等のデータ検知装置が設置される。前記姿勢センサは、利用者が該スマート歯ブラシを用いてブラッシングするときの各種のブラッシングデータを検知するためのものである。例えば、スマート歯ブラシにおいて、ブラッシングするときにスマート歯ブラシのX、Y、Zの3つの軸方向の加速度を検知する3軸加速度センサが設置される。さらに、例えば、スマート歯ブラシにおいて、ブラッシングするときにスマート歯ブラシのX、Y、Zの3つの軸方向の角速度を測定する3軸ジャイロが設置される。前記圧力センサは、該スマート歯ブラシを用いてブラッシングするときの各ブラッシング歯面に対する圧力の大きさを検知するものである。
【0024】
ステップS102において、前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅(横磨き移動距離変化幅、縦磨き移動距離変化幅及び横磨きと縦磨きとの合成変位の移動距離変化幅等を含む)が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得る。
【0025】
具体的に、前記ブラッシングデータは、3軸加速度センサにより出力された3軸加速度と3軸ジャイロにより出力された3軸角速度を含む。
【0026】
図2に示すように、ブラッシングデータを分析するステップは、以下のステップを含む。
【0027】
ステップS201において、前記3軸加速度及び前記3軸角速度に対してフュージョン処理を行い、各ブラッシング部位に位置する前記スマート歯ブラシのロール角、ピッチ角及びヨー角を取得する。
【0028】
ステップS202において、前記ロール角、ピッチ角及びヨー角によって、歯の分布状況に基づいて予め区画された既設歯区分領域における、各ブラッシング部位が位置する歯区分領域を特定する。
【0029】
ステップS203において、前記ロール角によって、前記歯区分領域における各ブラッシング部位が対応するブラッシング歯面を特定する。
【0030】
ステップS201において、3軸加速度センサにより出力された3軸加速度及び3軸ジャイロにより出力された3軸角速度を取得して、該3軸加速度と3軸角速度に対してカルマン(Kalman)フィルタ処理を行い、さらにフィルタ処理後の3軸加速度と3軸角速度に対してMadgwick姿勢フュージョン処理を行うことによって、現在のブラッシング部位に位置する前記スマート歯ブラシのロール角Roll、ピッチ角Pitch及びヨー角Yawの3つの姿勢データを取得する。
【0031】
なお、データ検知の正確性を向上させるため、本発明の実施例のスマート歯ブラシにおいて、3軸加速度センサ、3軸ジャイロによるデータドリフトを校正するための3軸地磁気センサが設置されてもよい。
【0032】
前記既設歯区分領域は、口腔内の全ての歯の分布状況に基づいて予め区画されたものである。大人の32本の歯を例として、32本の歯が、上顎左側区分、上顎中部区分、上顎右側区分、下顎左側区分、下顎中部区分、下顎右側区分の6つの歯区分領域に分けられる。そのうち、上顎左側区分において、上顎左側の第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯及び第3大臼歯を含む。上顎中部区分において、上顎の2つの犬歯、2つの側切歯及び2つの中切歯を含む。上顎右側区分において、上顎右側の第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯及び第3大臼歯を含む。下顎左側区分において、下顎左側の第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯及び第3大臼歯を含む。下顎中部区分において、下顎の2つの犬歯、2つの側切歯及び2つの中切歯を含む。下顎右側区分は、下顎右側の第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯、第2大臼歯及び第3大臼歯を含む。さらに、上顎左側区分、上顎右側区分、下顎左側区分及び下顎右側区分がいずれも外側面、内側面及び咬合面を有し、上顎中部区分及び下顎中部区分がいずれも外側面と内側面を有するので、この6つの歯区分領域をさらに16面のブラッシング歯面に分けることができる。
【0033】
ステップS202、S203において、主に、ロール角Roll及びヨー角Yawによって、現在のブラッシング部位が、例えば、上顎左側区分や、下顎中部区分、上顎右側区分等の6つの歯区分領域のうちののどちらの領域に位置するかを判定する。現在のブラッシング部位が位置する歯区分領域を判定した後、さらに、ロール角Rollによって、ブラッシング部位が、該歯区分領域におけるどのブラッシング歯面であるかを判定する。例えば、現在のブラッシング部位が上顎左側区分に位置すると判定された場合、さらに、現在のブラッシング部位が、上顎左側区分の外側面、内側面及び咬合面のどらかであるかを判定する。なお、ピッチ角Pitchによって、現在のブラッシング部位が位置する歯区分領域及びブラッシング歯面の判定を補助することができる。
【0034】
なお、利用者が、予め設定された初期歯区分領域から、設定されるブラッシング動作の順にブラッシングする場合、前記スマート歯ブラシにおいて3軸加速度センサのみが設定されることが可能である。3軸加速度センサにより検知した3軸加速度に基づいて、スマート歯ブラシがブラッシング動作を実施するときのロール角及びピッチ角を得る。これにより、ブラッシングするときの現在の歯区分領域及び対応するロール角、ピッチ角によって、該歯区分領域における現在のブラッシング部位が対応するブラッシング歯面を特定する。なお、前記初期歯区分領域は、使用中に利用者により設定可能である。
【0035】
また、本実施例において、現在の歯区分領域のヨー角Yawと1つ前の歯区分領域のヨー角Yawとの比較により、左利きの人と右利きの人を自動的に区別することができる。さらに、3軸加速度センサ及び3軸ジャイロ、又は3軸加速度センサ、3軸ジャイロ及び3軸地磁気センサでブラッシングデータを取得することによって、ブラッシングデータの取得に対する異なる手のブラッシング動作による影響を避けることができるので、データ取得の正確性及び有効性を確保することができる。
【0036】
さらに、統計により前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るステップは、前記スマート歯ブラシが前記各ブラッシング歯面に対して実施するブラッシング動作の総ブラッシング時間を統計するステップaと、前記各ブラッシング歯面に対して前記ブラッシング動作を実施するとき前記スマート歯ブラシのピッチ角が予め設定されたピッチ角より大きい不正ブラッシング時間を取得するステップbと、前記総ブラッシング時間から前記不正ブラッシング時間を引いて前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るステップcと、を含む。
【0037】
なお、前記ブラッシング時間は、利用者が正しくブラッシング動作を実施する有効的なブラッシング時間を指す。本発明の実施例において、現在のブラッシング部位が位置する歯区分領域及びブラッシング歯面を正確に特定した後、スマート歯ブラシで該現在のブラッシング歯面に対して実施したブラッシング動作の総ブラッシング時間を統計し、そして該現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシのピッチ角Pitchをリアルタイムに検知する。検知したピッチ角Pitchが既設ピッチ角より大きい場合、例えば、既設ピッチ角を70とし、前記スマート歯ブラシのピッチ角Pitchが70より大きい場合、この際のスマート歯ブラシが直立に近い不正ブラッシング状態になったと判定し、該不正ブラッシング状態の継続の不正ブラッシング時間を記憶し、最後、総ブラッシング時間から該不正ブラッシング時間を引いて該現在のブラッシング歯面のブラッシング時間を得る。
【0038】
好ましくは、各ブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を統計により得るステップは、前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの加速度の分散を算出するステップdと、前記加速度の分散が既設標準ブラッシングモデルの標準分散より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を1つ増加させるステップeと、を含む。
【0039】
スマート歯ブラシがあるブラッシング歯面に対してブラッシング動作を実施する場合、現在のブラッシング歯面に位置するスマート歯ブラシの3軸加速度センサにより出力されたX軸方向の加速度の分散をリアルタイムに算出し、さらに該加速度の分散と既設標準ブラッシングモデルの標準分散とを比較し、該加速度の分散が該標準分散より大きい場合、現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値を超える大移動幅ブラッシングと判定する。該大移動幅ブラッシングの移動幅が過大になると、歯が損傷しやくなるので、現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を1つ増加させる。
【0040】
さらに、各ブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を統計により得るステップは、圧力センサにより出力された現在のブラッシング歯面に対するブラッシングの圧力値をリアルタイムに取得するステップfと、前記ブラッシングの圧力値が既設標準ブラッシングの圧力値より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を1つ増加させるステップgと、を含む。
【0041】
前記スマート歯ブラシにおいて、さらに、ブラッシングする際に各ブラッシング歯面が受ける圧力の大きさをリアルタイムに検知する圧力センサが設けられる。前記圧力センサが現在のブラッシング歯面に対するブラッシングの圧力値が既設標準ブラッシングの圧力値より大きい場合、現在のブラッシング歯面に対するブラッシングの力が第2閾値を超える大力ブラッシングと判定し、現在のブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を1つ増加させる。
【0042】
好ましくは、各ブラッシング歯面に対する横磨き回数を統計により得るステップは、前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの横磨き移動距離変更幅と横磨き頻度を算出するステップhと、前記横磨き移動距離変更幅が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き移動距離変更幅より大きい、及び/又は前記横磨き頻度が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き頻度より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を1つ増加させるステップiと、を含む。
【0043】
本発明の実施例において、スマート歯ブラシの横磨き移動距離変更幅の変化又は横磨き頻度の変化に基づいて現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を特定することができる。例えば、既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き頻度が2Hzであり、現在のブラッシング歯面に位置するスマート歯ブラシの横磨き頻度が2Hzより大きくなると、該現在のブラッシング歯面に対するブラッシング動作が横磨きであると判定し、現在のブラッシング歯面の横磨き回数を1つ増加させる。無論、本発明の実施例において、両者の変化を共に考慮して現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を特定することができる。
【0044】
ステップS103において、前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が標準ブラッシング時間より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定する。
【0045】
現在のブラッシング歯面に対するブラッシング時間を取得した後、該ブラッシング時間と既設標準ブラッシングモデルの標準ブラッシング時間とを比較し、該ブラッシング時間が該標準ブラッシング時間より長い場合、現在のブラッシング歯面がブラッシングタイムアウト面であると判定し、さらに16面のブラッシング歯面におけるブラッシングタイムアウトの面数を統計により得る。
【0046】
また、あるブラッシング歯面に対する大移動幅ブラッシング回数を統計により得た後、前記大移動幅ブラッシング回数が既設の第1回数閾値より大きいか否かによって、該ブラッシング歯面が大移動幅ブラッシング歯面であるか否かを判定する。前記大移動幅ブラッシング回数が前記第1回数閾値より大きい場合、該ブラッシング歯面が大移動幅ブラッシング歯面であると判定し、16面のブラッシング歯面における大移動幅ブラッシングの面数を統計により得る。なお、前記第1回数閾値は、ブラッシング移動距離変化幅による歯の損傷度合いによって設定でき、例えば1回、2回、3回又はその他の数値でもよい。
【0047】
同様に、あるブラッシング歯面に対する大力ブラッシング回数を統計により得た後、前記大力ブラッシング回数が既設の第2回数閾値より大きいか否かによって、該ブラッシング歯面が大力ブラッシング歯面であるか否かを判定する。前記大力ブラッシング回数が前記第2回数閾値より大きい場合、該ブラッシング歯面が大力ブラッシング歯面であると判定し、16面のブラッシング歯面における大力ブラッシングの面数を統計により得る。なお、前記第2回数閾値は、ブラッシング力による歯の損傷度合いによって設定でき、例えば、1回、2回、3回又はその他の数値でもよい。
【0048】
同様に、あるブラッシング歯面に対する横磨き回数を統計により得た後、前記横磨き回数が既設の第3回数閾値より大きいか否かによって、該ブラッシング歯面が横ブラッシング歯面であるか否かを判定する。前記横磨き回数が前記第3回数閾値より大きい場合、該ブラッシング歯面が横ブラッシング歯面であると判定し、16面のブラッシング歯面における横ブラッシングの面数を統計により得る。なお、前記第3回数閾値は、横磨きによる歯の損傷度合いによって設定でき、例えば、1回、2回、3回又はその他の数値でもよい。
【0049】
ステップS104において、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得る。
【0050】
16面のブラッシング歯面のそれぞれのブラッシング時間を特定した後、該ブラッシング時間によって、ブラッシングの清潔総点数を特定するための各ブラッシング歯面の清潔状況を判定することができる。さらに、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によって、不正ブラッシングの点数を特定できる。最後、ブラッシングの清潔総点数及び不正ブラッシングの点数により最終のブラッシング評価結果が得られる。
【0051】
具体的に、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るステップは、
各ブラッシング歯面に対する前記ブラッシング時間と標準ブラッシング時間との間の既設対応関係に基づいて各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を算出するステップjと、
各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を積算してブラッシングの清潔総点数を得るステップkと、
前記ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によって、ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率を得るステップlと、
前記ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率にそれぞれ対応する重みを掛けてさらに積算し、不正ブラッシングの点数を得るステップmと、
前記ブラッシングの清潔総点数から前記不正ブラッシングの点数を引いて前記ブラッシング評価結果を得るステップnと、を含む。
【0052】
ステップj及びステップkにおいて、標準ブラッシングの清潔総点数を100点とする場合、各ブラッシング歯面の、標準ブラッシング時間でブラッシングするときの標準ブラッシング清潔点数がそれぞれ6.25点となる。さらに、各ブラッシング歯面のブラッシング時間と標準ブラッシング時間の割合によって、各ブラッシング歯面に対するブラッシングの清潔点数を算出する。例えば、スマート歯ブラシに対して標準総ブラッシング時間を160秒に設定すると、各ブラッシング歯面に対する標準ブラッシング時間が10秒となる。あるブラッシング歯面に対する実際のブラッシング時間が6秒となると、該ブラッシング歯面に対するブラッシングの清潔点数が(6/10)×6.25=3.75点となる。なお、あるブラッシング歯面に対するブラッシング時間が標準ブラッシング時間以上になる場合、例えば10秒以上になる場合、標準ブラッシング清潔点数を該ブラッシング歯面に対するブラッシングの清潔点数とし、即ち6.25点となる。その後、各ブラッシング歯面に対するブラッシングの清潔点数を積算して当該ブラッシング動作のブラッシングの清潔総点数を得る。
【0053】
ステップl及びステップmにおいて、不正ブラッシングによる歯の損害度合いによって、ブラッシングタイムアウト率の重み、大移動幅ブラッシング率の重み、大力ブラッシング率の重み、横磨き率の重みを設定する。例えば、それぞれ20、30、30、20に設定可能である。ブラッシング動作においてタイムアウトブラッシング歯面が2つ、大移動幅ブラッシング歯面が4つ、大力ブラッシング歯面が2つ、横磨き面が3つ存在すると、対応するブラッシングタイムアウト率が0.125、大移動幅ブラッシング率が0.25、大力ブラッシング率が0.125、横磨き率が0.1875となり、この場合、そのブラッシングにおける不正ブラッシングの点数が(0.125×20+0.25×30+0.125×30+0.1875×20)=17.5点となる。
【0054】
ステップnにおいて、前記ブラッシングの清潔総点数から前記不正ブラッシングの点数を引いて前記ブラッシング評価結果、即ち、最終のブラッシング評価点数を得る。例えば、あるブラッシング動作における16面のブラッシング歯面の清潔点数がいずれも3.75点であり、不正ブラッシングの点数が17.5点である場合、そのブラッシングのブラッシング評価点数が42.5点となる。
【0055】
さらに、本発明の実施例において、各回のブラッシングにおいて得られた各種のデータをリアルタイムに記憶する。例えば、ブラッシング歯面が特定された後、該ブラッシング歯面のブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数等を該ブラッシング歯面と関連つけて記憶する。さらに、ブラッシングを行った後、対応する歯モデルとともに図形、色彩又は文字の形式で利用者に報知する。これによって、利用者は、自分のブラッシング状況を把握することができる。
【0056】
具体的に、利用者が、予め設定された初期歯区分領域から、設定されるブラッシング動作の順にブラッシングする場合、ブラッシングするときの現在の歯区分領域及び対応するロール角、ピッチ角によって、該歯区分領域における現在のブラッシング部位が対応するブラッシング歯面を特定する。さらに、該ブラッシング歯面に対してブラッシング動作を実施するときのブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数、横磨き回数等を順にデータベースに記憶する。ブラッシング終了後、順にデータベースに記憶されたデータを呼び出し、利用者の今回のブラッシング状況を表示する。
【0057】
利用者が既設初期領域及び順序に基づいてブラッシングしない場合、スマート歯ブラシがブラッシング動作を実施するときのロール角Roll、ピッチ角Pitch及びヨー角Yawをリアルタイムに取得し、そして三次元データセットの形式で記憶する。つまり、ロール角Roll、ヨー角Yawを第1次元のデータインデックス値とし、ロール角Rollを第2次元のデータインデックス値とし、ピッチ角Pitchを第3次元のデータインデックス値とし、ブラッシング中に取得されたブラッシングデータを記憶する。ブラッシング終了後、第1次元のデータインデックス値であるロール角Roll、ヨー角Yawによって各ブラッシングデータが対応するブラッシング動作が位置する歯区分領域を算出し、さらに第2次元のデータインデックス値であるロール角Rollによって歯区分領域における各ブラッシングデータが対応するブラッシング歯面を算出する。そのうち、第3次元のデータインデックス値であるピッチ角Pitchは、歯区分領域及びブラッシング歯面の補助判定に用いられることが可能である。ブラッシング歯面を特定した後、該ブラッシング歯面に対してブラッシング動作を実施するときのブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数、横磨き回数等のデータを算出し、ロール角Rollを第2次元のデータインデックス値とするデータセットに記憶する。ブラッシング終了後、各インデックス値によって対応するブラッシングデータを歯モデルに反映し、利用者にブラッシング結果を表示する。これによって、利用者が、直感的に、素早く自分のブラッシング状況を把握することができる。
【0058】
本発明の実施例において、まず、スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得する。そして、前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得る。さらに、前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面の、ブラッシング時間が標準ブラッシング時間より大きいブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定する。最後、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得る。本発明の実施例において、ブラッシングデータを全面的、正確に取得し、さらにそれらを基づいて、ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を正確に分析することで、全面的、正確なブラッシング評価結果を得るので、利用者によるブラッシング動作及びブラッシング習慣の改善に寄与できる。
【0059】
上記実施例における各ステップの順番は、必ずその順序で実施されるのではなく、実施順序は、その機能及びそれらの間のロジックで決められるので、本発明の実施例を限定するものではないと理解すべきである。
【0060】
以上、主にスマート歯ブラシのブラッシング評価方法を説明した。以下、スマート歯ブラシのブラッシング評価装置を説明する。
【0061】
図3に示すように、本発明の実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価装置は、
スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得するためのブラッシングデータ取得モジュールと、
前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得るためのブラッシングデータ分析モジュールと、
前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が標準ブラッシング時間より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定するためのブラッシング結果特定モジュールと、
前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るための評価結果特定モジュールと、を有する。
【0062】
さらに、前記ブラッシングデータは、3軸加速度センサにより出力された3軸加速度と3軸ジャイロにより出力された3軸角速度を含む。
【0063】
また、前記ブラッシングデータ分析モジュールは、さらに、
前記3軸加速度及び前記3軸角速度に対してフュージョン処理を行い、各ブラッシング部位に位置する前記スマート歯ブラシのロール角、ピッチ角及びヨー角を取得するためのフュージョン処理ユニットと、
前記ロール角、ピッチ角及びヨー角によって、歯の分布状況に基づいて予め区画された既設歯区分領域における、各ブラッシング部位が位置する歯区分領域を特定するための位置特定ユニットと、
前記ロール角によって、前記歯区分領域における各ブラッシング部位が対応するブラッシング歯面を特定するためのブラッシング歯面特定ユニットと、を備える。
【0064】
好ましくは、前記ブラッシングデータ分析モジュールは、さらに、
前記スマート歯ブラシが前記各ブラッシング歯面に対して実施するブラッシング動作の総ブラッシング時間を統計するための総ブラッシング時間取得ユニットと、
前記各ブラッシング歯面に対して前記ブラッシング動作を実施するとき前記スマート歯ブラシのピッチ角が予め設定されたピッチ角より大きい不正ブラッシング時間を取得する不正ブラッシング時間取得ユニットと、
前記総ブラッシング時間から前記不正ブラッシング時間を引いて前記各ブラッシング歯面のブラッシング時間を得るためのブラッシング時間取得ユニットと、を備える。
【0065】
好ましくは、前記ブラッシングデータ分析モジュールは、さらに、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの加速度の分散を算出するための加速度分散算出ユニットと、
前記加速度の分散が既設標準ブラッシングモデルの標準分散より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面におけるブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数を1つ増加させるための大移動幅ブラッシング回数統計ユニットと、を備える。
【0066】
また、前記ブラッシングデータ分析モジュールは、さらに、
圧力センサにより出力された現在のブラッシング歯面に対するブラッシングの圧力値をリアルタイムに取得するための圧力値取得ユニットと、
前記ブラッシングの圧力値が既設標準ブラッシングの圧力値より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対するブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数を1つ増加させるための大力ブラッシング回数統計ユニットと、を備える。
【0067】
好ましくは、前記ブラッシングデータ分析モジュールは、さらに、
前記3軸加速度センサにより出力された現在のブラッシング歯面におけるX軸方向の加速度に基づいて前記現在のブラッシング歯面に位置する前記スマート歯ブラシの横磨き移動距離変更幅と横磨き頻度を算出するための横磨き移動距離変更幅頻度取得ユニットと、
前記横磨き移動距離変更幅が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き移動距離変更幅より大きい、及び/又は前記横磨き頻度が既設標準ブラッシングモデルの標準横磨き頻度より大きい場合、前記現在のブラッシング歯面に対する横磨き回数を1つ増加させるための横磨き回数統計ユニットと、を備える。
【0068】
好ましくは、前記評価結果特定モジュールは、
各ブラッシング歯面に対する前記ブラッシング時間と標準ブラッシング時間との間の既設対応関係に基づいて各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を算出するためのブラッシング清潔点数算出ユニットと、
各ブラッシング歯面のブラッシングの清潔点数を積算してブラッシングの清潔総点数を得るためのブラッシング清潔総点数取得ユニットと、
前記ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によって、ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率を得るための不正ブラッシング率統計ユニットと、
前記ブラッシングタイムアウト率、大移動幅ブラッシング率、大力ブラッシング率及び横磨き率にそれぞれ対応する重みを掛けてさらに積算し、不正ブラッシングの点数を得るための不正ブラッシング点数算出ユニットと、
前記ブラッシングの清潔総点数から前記不正ブラッシングの点数を引いて前記ブラッシング評価結果を得るためのブラッシング評価結果取得ユニットと、を備える。
【0069】
図4は、本発明の一実施例によるスマート歯ブラシのブラッシング評価端末設備の示意図である。
図4に示すように、該実施例のブラッシング評価端末設備400は、プロセッサ401、メモリ402及び前記メモリ402に記憶され前記プロセッサ401により実行されるコンピュータプログラム403、例えばブラッシング評価プログラムを有する。前記プロセッサ401は、前記コンピュータプログラム403を実行して上記各ブラッシング評価方法の実施例におけるステップ、例えば
図1に示すステップS101~S104を実行する。又は、前記プロセッサ401は、前記コンピュータプログラム403を実行すると、上記各装置の実施例における各モジュール/ユニットの機能、例えば
図3に示すモジュール301~304の機能を実現する。
【0070】
例えば、前記コンピュータプログラム403が1つ又は複数のモジュール/ユニットに分割され、前記1つ又は複数のモジュール/ユニットが前記メモリ402に記憶され、前記プロセッサ401に実行されることで、本発明を完成させる。前記1つ又は複数のモジュール/ユニットは、特定機能を実現可能な一列のコンピュータプログラム命令セグメントであってもよく、該命令セグメントは、前記ブラッシング評価端末設備400で前記コンピュータプログラム403を実行するプロセスを表す。例えば、前記コンピュータプログラム403は、ブラッシングデータ取得モジュール、ブラッシングデータ分析モジュール、ブラッシング結果特定モジュール、評価結果特定モジュールに分割されることができる。各モジュールの機能は、以下の通りである。
【0071】
ブラッシングデータ取得モジュールは、スマート歯ブラシにおけるデータ検知装置により検知されたブラッシングデータをリアルタイムに取得するためのものである。
【0072】
ブラッシングデータ分析モジュールは、前記ブラッシングデータを分析し、各ブラッシング歯面のブラッシング時間、ブラッシング移動距離変化幅が第1閾値より大きい大移動幅ブラッシング回数、ブラッシング力が第2閾値より大きい大力ブラッシング回数及び横磨き回数を統計により得るためのものである。
【0073】
ブラッシング結果特定モジュールは、前記ブラッシング時間、大移動幅ブラッシング回数、大力ブラッシング回数及び横磨き回数によって、全てのブラッシング歯面におけるブラッシング時間が標準ブラッシング時間より長いブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数を特定するためのものである。
【0074】
評価結果特定モジュールは、前記ブラッシング時間、ブラッシングタイムアウトの面数、大移動幅ブラッシングの面数、大力ブラッシングの面数及び横磨きの面数によってブラッシング評価結果を得るためのものである。
【0075】
前記ブラッシング評価端末設備400は、デスクトップ型コンピュータ、ノートパソコン、PDA及びクラウドサーバ等の演算設備を採用してもよい。前記ブラッシング評価端末設備は、プロセッサ401及びメモリ402を有するが、これらに限らない。当業者にとって、
図4に示すものは、例示的なブラッシング評価端末設備400であり、ブラッシング評価端末設備400を限定するものではない。ブラッシング評価端末設備は、図に示すものより多い又は少ない部品を有してもよいし、それらの部品を組み合わせてもよいし、それ以外の部品を有してもよい。例えば、前記ブラッシング評価端末設備は、さらに入出力設備や、ネットワーク接続設備、バス等を有してもよい。
【0076】
前記プロセッサ401は、中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)であってもよく、さらに、その他の多目的プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイシグナル(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又はその他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品等であってもよい。多目的プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、如何なる従来のプロセッサ等であってもよい。
【0077】
前記メモリ402は、前記ブラッシング評価端末設備400の内部記憶ユニットであってもよく、例えば、ハードディスク又は内部メモリであってもよい。さらに、前記メモリ402は、前記ブラッシング評価端末設備400の外部記憶設備であってもよく、例えば前記ブラッシング評価端末設備400に装着された外付けハードディスク、スマートカード(Smart Media Card、SMC、登録商標)、セキュアデジタル(Secure Digital、SD)カード、フラッシュカード(Flash Card)等であってもよい。さらに、前記メモリ402は、前記ブラッシング評価端末設備400の内部記憶ユニットと外部記憶設備とを共に有しても良い。前記メモリ402は、前記コンピュータプログラム及び前記ブラッシング評価端末設備に必要な他のプログラムとデータを記憶するためのものである。さらに、前記メモリ402は、既に出力又は出力しようとするデータを一時的に記憶するためのものであってもよい。
【0078】
当業者は、以上の説明したシステム、装置及びユニットの作業プロセスについて、前記方法の実施例における該当するプロセスを参照できるため、説明の便宜及び簡潔のために、ここで説明を省略する。
【0079】
上記実施例において、各実施例は、それぞれ異なる要素を中心に説明したが、一部の実施例に記載されていないものは、その他の実施例の関連内容を参照すればよい。
【0080】
当業者であれば、本明細書に開示する実施例に関連して説明する様々なモジュール、ユニット及び/又は方法ステップを、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せとして実装できることを理解すべきである。このような機能をハードウェアとして実装するか、それともソフトウェアとして実装するかは、技術案の特定のアプリケーション及び設計制約に依存する。当業者であれば、これらの説明した機能を、各特定の用途に応じた様々の方法で実装できるが、このような実装の決定により本発明の範囲からの逸脱が生じると解釈すべきではない。
【0081】
本開示による実施例において、記載されたシステム、装置及び方法は、他の方式により実現することが可能である。上記に説明された装置の実施例は、例示的なものにすぎない。例えば、前記のユニットの区分は、単に論理的な機能区分であり、実際の実現では別の区分であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントを組み合わせ、又は別のシステムに統合してもよく、或いは一部の特徴を省略又は不実行にしてもよい。また、示したもしくは論じた相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットを介する間接結合又は通信接続であってもよく、また、電気的、機械的又は他の形式による接続であってもよい。
【0082】
上記の別個の部品として説明されたユニットは、物理的に別個であってもなくてもよい。ユニットとして示した部材は、物理的なユニットであってもなくてもよく、つまり、同一位置に配置してもよく、複数のネットワークユニットに分散してもよい。本実施例の案の目的を達成するために実際の要求に応じて一部又は全部のユニットを選択することが可能である。
【0083】
また、本発明の実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合してもよく、独立した物理的な存在として機能してもよく、2つ以上のユニットを1つのユニットに統合させてもよい。上記の集積したユニットは、ハードウェアの方式で実現してもよく、ソフトウェアによる機能ユニットの方式で実現してもよい。
【0084】
前記の集積したユニット機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、独立した製品として販売されたり使用されたりする場合、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されることが可能である。このような理解に基づき、本発明の上記実施例の方法を実現する全て又は一部の工程は、コンピュータプログラムで関連するハードウェアを命令して実現することができる。前記コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、プロセッサで実行される場合、上記各方法の実施例の工程を実現することができる。そのうち、前記コンピュータプログラムは、コンピュータプログラムコードを含み、前記コンピュータプログラムコードは、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能なファイル又は一部の中間形式のファイル等であってもよい。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、前記コンピュータプログラムコードを記憶できる如何なる実体や装置、記録媒体、USBディスク、携帯型ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータメモリ、リードオンリーメモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、電気搬送波信号、電気通信信号及びソフトウェア配信媒体等であってもよい。なお、前記コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンテンツは、地方の法律及び専利実務によって適当に増減させることが可能である。例えば、一部の地方では、その法律及び専利実践により、コンピュータ読み取り可能な媒体は、電気搬送波信号及び電気通信信号を含まない。
【0085】
上記実施例は、本発明の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。上記実施例を用いて本発明を詳細に説明したが、当業者にとって、上記各実施例に記載された技術案を変更し、又はその内の一部の技術的特徴に対して均等置換を行うこともできる。これらの変更又は置換は、該当技術案の本質を本発明の各実施例による技術案の精神及び範囲から逸脱させない。