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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】LEDバックライト
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220711BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20220711BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20220711BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220711BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20220711BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20220711BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20220711BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20220711BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220711BHJP
   F21Y 113/10 20160101ALN20220711BHJP
【FI】
F21S2/00 481
F21V5/04 100
F21V5/04 350
F21V5/00 530
G02F1/13357
G03B21/14 A
G03B21/00 D
G02B3/00 A
F21Y105:10
F21Y115:10
F21Y113:10
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021514492
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-16
(86)【国際出願番号】 GB2019051322
(87)【国際公開番号】W WO2019220102
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-01-07
(31)【優先権主張番号】1807874.1
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520445406
【氏名又は名称】プレッシー・セミコンダクターズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PLESSEY SEMICONDUCTORS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メゾウアリ,サミル
(72)【発明者】
【氏名】マッカオウイ,アーマッド
(72)【発明者】
【氏名】ストリックランド,キース
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-165126(JP,A)
【文献】特開2008-197652(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0321640(US,A1)
【文献】特表2014-517931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 5/00
G02F 1/13357
G03B 21/14
G03B 21/00
G02B 3/00
F21Y 105/10
F21Y 115/10
F21Y 113/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルに使用するためのLEDバックライトであって、
表面を有し、かつ前記表面から光を放出するための複数のLEDを含むモノリシックLEDアレイと、
複数のコリメータチャネルを含み、かつ前記コリメータチャネルの各々が前記複数のLEDのうち少なくとも1つに対して位置合わせされるように位置合わせされたモノリシックコリメータアレイとを備え、前記コリメータチャネルは、前記LEDから放出された放出光を、前記LEDアレイの前記表面に対して略直交する線に対して約±50°以内の範囲の角度にコリメートするように構成されており、
前記LEDバックライトはさらに、
前記コリメートされた光を無限遠に合焦させるためのマイクロレンズアレイを備え、前記マイクロレンズアレイは複数のレンズレットを含み、前記レンズレットの各々は、前記モノリシックコリメータアレイの一つのコリメータチャネルに対して位置合わせされ、
前記LEDバックライトはさらに、
前記マイクロレンズアレイからの光をディスプレイパネル上に合焦させるためのリレーレンズを備え
前記マイクロレンズのレンズレットの各々は、少なくとも1つのコリメータチャネルに対して位置合わせされており、
前記少なくとも1つのコリメータチャネルの各々の中心軸は、前記レンズレットの中心軸に対してずれて配置されている、LEDバックライト。
【請求項2】
前記コリメータチャネルの各々は、好ましくは赤色LED、緑色LED、青色LEDまたは白色LEDである単一のLEDに対して位置合わせされている、請求項1に記載のLEDバックライト。
【請求項3】
前記マイクロレンズアレイの前記レンズレットの各々は、
(a)単一のコリメータチャネルに対して位置合わせされており、前記コリメータチャネルの中心軸と前記レンズレットの中心軸とは位置合わせされている、または、
(b)少なくとも1つのコリメータチャネルに対して位置合わせされており、前記少なくとも1つのコリメータチャネルの各々の中心軸は、前記レンズレットの中心軸に対してずれて配置されている、または、
(c)(a)および(b)の組合せである、請求項1または2に記載のLEDバックライト。
【請求項4】
前記モノリシックコリメータアレイは、コリメータチャネルの第1サブアレイおよび第2サブアレイを少なくとも含み、
前記第1サブアレイのコリメータチャネルの各々は、対応する前記レンズレットの前記中心軸に対して等しくずれて配置されており、
前記第2サブアレイのコリメータチャネルの各々は、対応する前記レンズレットの前記中心軸に対して等しくずれて配置されており、
前記第1サブアレイまたは前記第2サブアレイに対して位置合わせされたLEDが選択的に作動することでディスプレイパネルの同一ではない部分を照らす、請求項1から3のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項5】
前記モノリシックLEDアレイおよび前記モノリシックコリメータアレイは、一体的に形成された、請求項1~のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項6】
前記LEDアレイは、マイクロLEDアレイである、請求項1から5のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項7】
前記コリメータチャネルは、約±40°以内の範囲の角度、好ましくは約±30°以内の範囲の角度、好ましくは約±20°の以内の範囲の角度に前記LEDからの放出光をコリメートするように構成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項8】
前記モノリシックコリメータは、100μm以上2000μm以下の深さを有する、請求項1から7のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項9】
前記モノリシックコリメータのチャネルの各々は、内表面を有しており、
前記内表面は、20nm以下の表面粗さ(Sq)を有しており、かつ/または、前記内表面は、その上に反射層を有している、請求項1から8のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項10】
前記内表面は、PVD蒸着された銀等の金属コーティングである反射コーティングを有している、請求項に記載のLEDバックライト。
【請求項11】
前記モノリシックコリメータは、射出成形によって形成された、請求項1から10のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項12】
前記モノリシックコリメータは、ナノリソグラフィーを用いて作られた、請求項1から11のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項13】
偏光板をさらに備えた、請求項1~12のいずれか1項に記載のLEDバックライト。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の前記LEDバックライトと、
ディスプレイパネルとを備えた、デジタルライトプロジェクター。
【請求項15】
前記ディスプレイパネルは、前記LEDバックライトからの略全ての光が前記ディスプレイ上に入射するように前記リレーレンズから離れて配置されている、請求項14に記載のデジタルライトプロジェクター。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか1項に記載のLEDバックライトを形成するためのLED照明装置であって、
表面を有し、かつ前記表面から光を放出するための複数のLEDを含むモノリシックLEDアレイと、
複数のコリメータチャネルを含み、かつ前記コリメータチャネルの各々が前記複数のLEDのうち少なくとも1つに対して位置合わせされるように位置合わせされたモノリシックコリメータアレイとを備え、前記コリメータチャネルは、前記LEDから放出された放出光を前記LEDアレイの前記表面に対して略直交する線に対して約±50°以内の範囲の角度にコリメートするように構成されており、
前記LED照明装置はさらに、
前記コリメートされた光を無限遠に合焦させるためのマイクロレンズアレイを備え、前記マイクロレンズアレイは複数のレンズレットを含み、前記レンズレットの各々は前記モノリシックコリメータアレイのコリメータチャネルに対して位置合わせされた、LED照明装置。
【請求項17】
偏光板をさらに備えた、請求項16に記載のLED照明装置。
【請求項18】
請求項16または請求項17のいずれかに記載のLED照明装置と、
ディスプレイパネルとを備えた、デジタルライトプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学照明装置に関連し、さらに少ない光学部品、さらに低減された寸法およびさらに低減された重量を有し、ディスプレイパネルに使用するためのLEDバックライトに特に関連し、デジタルディスプレイ設備におけるバックライトの使用に関連する。さらに、本発明の装置は、照明される領域を分割することまたはタイル化することを可能とし、表示領域の全体のうち一部のみが必要な場合にエネルギーを節約することを可能とする。
【背景技術】
【0002】
デジタルプロジェクタのような多くの応用では、光学照明装置は、ディスプレイパネルに照明を提供するために、1つのLEDまたは多数のLEDからのような構造化された光源を変換し、均質または均一な光源に変換しなければならない。ディスプレイパネルは、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)、DMD(Digital Mirror Device)のようなMEMS装置、またはLC(Liquid Crystal)パネルであってもよい。従来のシステムでは、光を均質化するためにフライアイレンズまたはホモナイジングロッドを使用している。多くの応用において、単一の白色LEDよりも分割されたRGB三色LEDを光源として用いる方が好ましい。しかしながら、個々の光源を同じ光路に結合しなければならないため、これは照明装置をさらに複雑にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯機器の需要は、LED技術、レンズ技術およびディスプレイパネルの進歩にもかかわらず、さらに小さいフォームファクタを有しかつさらに軽い照明機器へのニーズがまだあることを意味している。さらに、既知の装置の個々の要素の数が多いと、製造コストが増加し、かつ耐久性が制限される可能性がある。したがって、輝度または画質を低下させることなく、さらに簡易な照明装置を提供することが望まれている。
【0004】
さらに、照明装置のいくつかの応用では、装置の使用中の特定の期間においてはディスプレイエリアの一部のみが使用される。例えば、ヘッドアップディスプレイおよび拡張現実装置は、ディスプレイのうち小さな一部にのみ画像を提供することが必要な場合がある。従来の装置は、前記ディスプレイパネルの一部のみが画像を生成するために必要だったとしても、ディスプレイパネルの全体を照明する。このため、そのような装置では、部分的な画像のみを生成する際でもフルパワーを使用する。したがって、部分的な画像のみが求められる際に消費電力を低減することができる装置が求められている。
【0005】
US2005237488号は、光源からの光を画像ディスプレイ素子に照射しかつ光学画像を形成することによって、画像を表示することを意図した画像ディスプレイ技術に関する。
【0006】
WO2010052304号は、LED光源を含む光源ユニットを備えるLED光源マトリクスに関するものであり、マトリクスは、活性化された状態では後続のマイクロレンズアレイをコリメートされた白色光で照明し、光源ユニットは、光束を収束しかつマイクロレンズアレイの後方焦点面の外側に配置された散乱手段を介して光束を導く複数のマイクロレンズに関連しており、散乱手段は、あらかじめ定められた放射特性を有している。
【0007】
GB2464102号は、複数の光学素子に対して位置合わせされた複数の発光素子を含む照明機器および照明機器の製造方法に関する。
【0008】
WO2017111801号は、低欠陥密度III-V材料を用いたモノリシックの赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDの製造に関する。
【0009】
KR20090053435号は、モノリシック発光ダイオードアレイに関するものであり、さらに詳細には、直列の発光ダイオードまたは並列の発光ダイオード等の様々な接続タイプに対して最適な配線構造を有するモノリシック発光ダイオードアレイおよびその製造方法に関するものである。
【0010】
GB2510401号は、高出力ダイオードレーザのためのマイクロ光学素子に関するものであり、特に、モノリシック両凸ファスト軸コリメータアレイに関するものである。
【0011】
本発明の目的は、先行技術の装置に関する問題のうち少なくとも1つを解決するか、または少なくとも商業的に有用な代替手段を提供する、改良された照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の第1の局面によると、ディスプレイパネルに使用するためのLEDバックライトを提供するものであって、LEDバックライトは、
表面を有し、かつ表面から光を放出するための複数のLEDを含むモノリシックLEDアレイと、
複数のコリメータチャネルを含み、かつコリメータチャネルの各々が複数のLEDのうち少なくとも1つに対して位置合わせされるように位置合わせされたモノリシックコリメータアレイとを備え、コリメータチャネルはLEDから放出された放出光を、LEDアレイの表面に対して略直交する線に対して約±50°以内の範囲の角度にコリメートするように構成されており、
LEDバックライトはさらに、
コリメートされた光を無限遠に合焦させるためのマイクロレンズアレイを備え、マイクロレンズアレイは複数のレンズレットを含み、レンズレットの各々はモノリシックコリメータアレイのコリメータチャネルに対して位置合わせされ、
LEDバックライトはさらに、
マイクロレンズアレイからの光をディスプレイパネル上に合焦させるためのリレーレンズを備える。
【0013】
本発明をさらに説明する。以下の文章では、本発明の異なる側面がさらに詳細に定義されている。このように定義された側面の各々は、できないと明確に示されない限り、任意の他の側面と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利であると示された特徴は、他の好ましいまたは有利であると示された特徴と組み合わせられてもよい。
【0014】
本発明は、ディスプレイパネルに使用するためのLEDバックライトに関する。本発明のLEDバックライトは、ディスプレイパネルに均質/均一な光源を提供する。有利には、本発明のバックライトは、従来のバックライトよりも小型かつ簡易である。さらに、この設計は、LEDアレイ内のデッドピクセルが視認されることなく、デッドピクセルは単に光の強度のわずかな低減をもたらすだけであることを意味する。
【0015】
バックライトは、表面を有しており、かつ表面から発光するための複数のLEDを含んでいるモノリシックLEDアレイを備えている。LEDアレイは、赤色LED、緑色LED、青色LED、白色LEDまたはこれらの任意の組合せを含み得る。典型的なLEDアレイは、少なくとも2×2のLEDグリッド、好ましくは100×100のLEDグリッドのような少なくとも10×10のLEDグリッドを含んでいる。好ましいグリッドは、4×4から8×8のLEDグリッドを含んでいるだろう。グリッドが正方形である必要がないことに留意すべきである。
【0016】
LEDの各々は、異なる寸法およびフォームファクタを有していてもよい。LEDの製造は、適切な材料および層構造と同様に、本技術分野において公知である。任意に、モノリシックLEDアレイは、窒化インジウムガリウムを含んでおり、かつ400nmから500nmの範囲の光(青色光)を発してもよい。任意に、蛍光体材料が選択的に適用されることで、放出光をさらに長い波長に変換して、例えば、緑色および赤色の着色を達成することができる。これにより、RGB光の範囲を提供することができる。
【0017】
好ましくは、モノリシックLEDアレイは、モノリシックマイクロLEDアレイである。マイクロLEDアレイの使用によって、装置に小さいフォームファクタおよび軽い質量が提供される。WO20161466658は、本発明の使用に適したLEDアレイを製造する方法を開示している。
【0018】
バックライトは、複数のコリメータチャネルを含むモノリシックコリメータアレイを備えている。チャネルは、コリメータチャネルの各々が複数のLEDのうち少なくとも1つに対して位置合わせされるように配置されている。これは、コリメータチャネルがLEDから放出された放出光をコリメートするように構成されていることを意味している。すなわち、チャネルに対して位置合わせされたLEDの各々からの少なくともいくらかの光がチャネルを通過するようにコリメータチャネルが配置されている。コリメートは、アレイの表面に対して略直交する線に対して約±50°以内の範囲の角度に対するものである。
【0019】
好ましくは、コリメータチャネルは、約±40°以内の範囲の角度、好ましくは約±30°以内の範囲の角度、さらに好ましくは約±20°以内の範囲の角度にLEDからの放出光がコリメートされるように構成されている。コリメータチャネルの製造の複雑さおよびLEDから出射された光をさらに多く使用したいという願望を考慮すると、±30°が好適な妥協点である。コリメートされた光の角度の範囲がさらに小さいことによって、隣接するコリメータチャネルからの光との間の混信が低減し、かつ装置の効率の改善が可能になるだろう。
【0020】
好ましくは、コリメータチャネルの各々は、好ましくは赤色LED、緑色LED、青色LEDまたは白色LEDである、単一のLEDに対して位置合わせされている。
【0021】
好ましくは、モノリシックコリメータの各チャネルは、内表面を有し、内表面は、鏡面的な(鏡のような)仕上げを有し、20nm未満の表面粗さ(Sq)を有し、かつ/または内表面は、その上に反射コーティングを有している。好ましくは、存在する場合、反射コーティングは、銀またはアルミニウムのような金属コーティングであり、好ましくは、PVD蒸着された銀である。表面粗さが低いことで、有用な光の放出が最大化するため、装置の効率が向上する。同様に、コリメータチャネルの内表面上の反射コーティングは、効率をさらに向上させるだろう。したがって、バックライトが電力供給の限られた携帯装置のために使用されるためのものである場合等の電力使用が重要な考慮事項である場合には、表面粗さが低くかつ反射コーティングを備えていることが好ましい。
【0022】
コリメータチャネルの内表面の表面粗さは、三次元光学顕微鏡を用いた画像解析によって特徴付けられてもよいし、コリメータからの出射角の測定によって間接的に特徴付けられてもよい。
【0023】
画像解析を用いて表面粗さを測定するためには、少なくとも1つのチャネルを通じて性格で明瞭な断面を実現するために硬化されたエポキシのブロックにコリメータアレイが入れられる。3次元光学顕微鏡(Bruker社3D Microscope Contour GT-1など)を用いて、露出した内表面の断面を正確に測定し、その表面粗さSqを導く。
【0024】
もう一つの方法では、表面の仕上がりを間接的に確認するためにコリメータアレイからの出射角を用いる。表面粗さが20nmよりも大きい場合、コリメータアレイから出てくる光のカットオフ出射角が期待値(計算値)よりも大きいであろう。また、コリメータアレイの内表面が粗いことでコリメータアレイの各々の内部での光の反射回数が増加するため、コリメータアレイの光学効率も低下するだろう。コリメータからの出射光の空間放射パターンは、Instrument Systems社のLEDGON goniophotometerによって計測されてもよい。測定は、0.2°の高い角度分解能によって行われるため、シミュレーションデータと相関する正確な測定が可能である。
【0025】
好ましくは、コリメータチャネルの各々は、テーパ状のマイクロキャビティを含んでいる。テーパの角度は、一定であってもよいし、変化していてもよい。コリメータアレイの製造は、一定のテーパ(すなわち、平坦な側面)によって容易になる。好ましくは、マイクロキャビティは、末端に四角形の入口開口部および出口開口部を有する4つのテーパ状の壁を含む複合放物線形状を有している。最も好ましくは、入口開口部および出口開口部は、正方形である。
【0026】
モノリシックコリメータアレイは、任意の適切な手段によって製造されればよい。たとえば、モノリシックコリメータアレイは、射出成形、付加製造(additive manufacturing)またはナノリソグラフィーなどによって製造されてもよい。射出成形は、製造速度の点で特に好ましく、適度な表面粗さを達成するために使用できる点でも好ましい。
【0027】
射出成形された場合、モノリシックコリメータは、ポリカーボネート等の良好な成形特性および物理蒸着(PVD)コーティング特性を有する任意の熱可塑性物質で形成されていてもよい。
【0028】
付加製造に適したポリマーには、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)およびPEKK(ポリエーテルケトンケトン)がある。PEEKは、医療用インプラントで最も頻繁に使用される高度な生体材料と考えられており、PEKKは、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)ファミリーの半結晶熱可塑性物質であり、高い耐熱性、高い耐薬品性および高い機械的負荷に耐える能力を有している。
【0029】
また、コリメータアレイは、シリコンウエハースケールにおいて酸化シリコン(SiO)ハードマスクを用いた単一のリソグラフィステップを用いて作製されてもよい。作製には、2つのアプローチを用いることができる。1つ目のアプローチは、濃縮水酸化カリウム(KOH)中での単一の湿式異方性エッチングステップを含むものであり、2つ目のアプローチは、湿式異方性エッチングがその後に続くディープ反応性イオンエッチング(DRIE)を含む複合的なアプローチである。
【0030】
バックライトは、コリメートされた光を無限遠に合焦させるためのマイクロレンズアレイを備え、マイクロレンズアレイは、複数のレンズレットを含み、レンズレットの各々は、モノリシックコリメータアレイのコリメータチャネルに対して位置合わせされている。マイクロレンズアレイは、公知であり、レンズレットアレイまたはフライアイレンズとしても知られているだろう。
【0031】
本開示のマクロレンズアレイは、透明な材料、好ましくはポリカーボネートまたはアクリルによって形成されている。好ましくは、レンズレットの表面は、10nm未満の表面粗さSqを有している。レンズ表面の表面粗さが低いことで、光の散乱が最小限に抑制されるか防止されるため、装置の効率が向上する。
【0032】
随意に、フレネル反射による光学的損失を低減するために、マイクロレンズアレイが反射防止層でコーティングされていてもよい。
【0033】
バックライトは、マイクロレンズアレイからの光をディスプレイパネル上に合焦させるためのリレーレンズを備えている。マイクロレンズアレイとリレーレンズとが組み合わせられることで、コリメータチャネルからの光は、ディスプレイパネル上に均一化され、拡大され、合焦される。
【0034】
有利にも、本発明のバックライトは、単一のマイクロレンズアレイのみを必要とし、公知のバックライトにおいて必要とされるようなコレクターまたはダイクロイックコンバイナーを必要としない。
【0035】
本発明の様々な形態では、レンズレットの各々は、少なくとも1つのコリメータチャネルに対して位置合わせされていてもよく、レンズレットの中心軸は、少なくとも1つのコリメータチャネルの中心軸に対して位置合わせされてもよく、またレンズレットの中心軸は、少なくとも1つのコリメータチャネルの中心軸に対してずれて配置されていてもよい。具体的には、マイクロレンズアレイのレンズレットの各々は、次のように位置合わせされる。
【0036】
(a)単一のコリメータチャネルに対して位置合わせされており、コリメータチャネルの中心軸とレンズレットの中心軸とは位置合わせされている、または、
(b)少なくとも1つのコリメータチャネルに対して位置合わせされており、少なくとも1つのコリメータチャネルの各々の中心軸は、レンズレットの中心軸に対してずれて配置されている、または、
(c)(a)および(b)の組合せである。
【0037】
レンズレットの中心軸とコリメータチャネルが上記(a)のように配置されている場合、使用時には、コリメータチャネルからの光はディスプレイパネルの略全体を照らす。すなわち、LEDの各々は、ディスプレイパネルの全体にわたって光を提供している。このため、この装置は、光強度のわずかな低下だけでデッドなLEDに対処することができる。
【0038】
レンズレットの中心軸とコリメータチャネルとがずれて配置されている場合、使用時には、コリメータチャネルからの光はディスプレイパネルの規定された部分を照らす。
【0039】
好ましくは、モノリシックコリメータアレイは、コリメータチャネルの第1サブアレイおよび第2サブアレイを少なくとも含み、第1サブアレイのコリメータチャネルの各々は、対応するレンズレットの中心軸に対して等しくずれて配置されており、第2サブアレイのコリメータチャネルの各々は、対応するレンズレットの中心軸に対して等しくずれて配置されており、第1サブアレイまたは第2サブアレイに対して位置合わせされたLEDが選択的に作動することでディスプレイパネルの同一ではない部分を照らす。この実施の形態では、サブアレイの各々は、わずか1つのコリメータチャネルだけを備えうるということが理解されるべきである。
【0040】
有利にも、LED、コリメータチャネルおよびレンズレットをこのように配置することで、LEDの一部が作動したときに、均質化された明るい光源を提供しつつディスプレイパネルの規定された一部を選択的に照らすことができる。したがって、ディスプレイパネルの一部に画像が必要な場合は、LEDの一部をオフにすることでエネルギーを節約することができる。
【0041】
例えば、本発明のバックライトは、画面全体の画像が必要な場合がありかつ画面の下部または片側等の一部にのみ画像が必要な場合があるヘッドアップディスプレイユニットに使用されてもよい。画面の一部にのみ画像が必要な場合には、他の部分に対応するLEDが消灯されてもよい。
【0042】
LEDアレイ内のLEDの効果的な冗長性によって、本発明の一層の利点が提供される。公知のバックライトでは、単一の赤色LED、緑色LED、青色LEDまたは白色LEDがディスプレイパネル全体を照らすために使用されていることがある。単一のLEDが故障した場合、装置が機能しなくなりそのLEDの交換が必要になることがある。
【0043】
逆に、本発明では、LEDアレイが画面の全体またはその一部に対応している。したがって、単一のLEDが故障したとしても、バックライトまたはその一部が薄暗くなるだけである。本発明のアレイは、多数のLEDを含んでいてもよく、単一のLEDの故障による明るさの低下は無視できる程度である。
【0044】
随意に、モノリシックLEDアレイおよびモノリシックコリメータアレイは、一体的に形成されている。有利にも、これにより、さらに堅牢な装置を提供でき、製造工程で必要な位置合わせの工程の回数を低減することができる。
【0045】
好ましくは、LEDアレイは、マイクロLEDアレイである。マイクロLEDアレイを使用することで、携帯装置のようなさらに小さい最終製品での使用に適した小さいフォームファクタが、装置に提供される。マイクロLEDアレイを使用することで、ディスプレイパネルの所定の一部のための個々のLEDの数を増加させることができ、装置の冗長性を増加させることができ、それゆえに装置の信頼性を増加させることができる。
【0046】
好ましくは、モノリシックコリメータアレイは、100μm以上2000μm以下の深さを有している。これにより、マイクロLEDアレイでの使用に適したコリメータが提供される。深さは、コリメータチャネルの各々の中心軸に沿ったコリメータの長さに対応している。
【0047】
さらに他の側面において、本開示は、本明細書に記載のLEDバックライトを形成するためのLED照明装置を提供し、LED照明装置は、
表面を有し、かつ表面から光を放出するための複数のLEDを含むモノリシックLEDアレイと、
複数のコリメータチャネルを含み、かつコリメータチャネルの各々が複数のLEDのうち少なくとも1つに対して位置合わせされるように位置合わせされたモノリシックコリメータアレイとを備え、コリメータチャネルはLEDから放出された放出光を、LEDアレイの表面に対して略直交する線に対して約±50°以内の範囲の角度にコリメートするように構成されており、
LED照明装置はさらに、
コリメートされた光を無限遠に合焦させるためのマイクロレンズアレイを備え、マイクロレンズアレイは複数のレンズレットを含み、レンズレットの各々はモノリシックコリメータアレイのコリメータチャネルに対して位置合わせされ、
LED照明装置はさらに、
マイクロレンズアレイからの光をディスプレイパネル上に合焦させるためのリレーレンズを備えている。本開示のLED照明装置は、本開示のLEDバックライトの先駆(precursor)を提供する。
【0048】
本開示のLEDバックライトまたはLED照明装置は、さらに偏光板を備えていてもよい。偏光板は、当技術分野ではよく知られている。偏光板は、コリメートされかつ合焦される光がリレーレンズによって合焦される前にその光を偏光するために用いられてもよいし、合焦点される光がリレーレンズによって合焦された後にその光を偏光するために用いられてもよい。
【0049】
したがって、本開示のLEDバックライトにおいて、存在する場合、偏光板は、マイクロレンズアレイとリレーレンズとの間に配置されていてもよいし、光路の最後の構成要素としてリレーレンズの後に配置されていてもよい。あるいは、本発明のLED照明装置において、偏光板は、光路の最後の構成要素としてマイクロレンズアレイの後に配置されていてもよい。本発明の装置が偏光板を含んでいることは、バックライトまたは照明装置がLCoSディスプレイパネルまたはLCディスプレイパネルと一緒に使用される場合等のいくつかの応用において有用であるだろう。
【0050】
さらに他の側面において、本開示は、第1の側面のLEDバックライトとディスプレイパネルとを含むデジタルライトプロジェクターを提供する。これは、リレーレンズとディスプレイパネルとを組み合わせた上述のLED照明装置に相当する。好ましくは、ディスプレイパネルは、LEDバックライトからの略全ての光がディスプレイパネルに入射するように、リレーレンズから離れて配置されている。このような配置によって装置の効率が最大化される。
【0051】
さらに他の側面において、本開示は、LEDバックライトにおけるモノリシックLEDアレイからの光をコリメートするためのモノリシックコリメータアレイの使用を提供する。本明細書で説明された他の側面の全ての要素は、この側面と自由に組み合わせることができる。
【0052】
第1の側面の好ましい実施の形態では、ディスプレイパネルに使用するためのLEDバックライトが提供され、バックライトは、
表面を有し、かつ表面から光を放出するための複数のLEDを含むモノリシックLEDアレイと、
複数のコリメータチャネルを含み、かつコリメータチャネルが複数のLEDのうち少なくとも1つに対して位置合わせされるように位置合わせされたモノリシックコリメータアレイとを備え、コリメータチャネルはLEDから放出された放出光を、LEDアレイの表面に対して略直交する線に対して約±50°以内の範囲の角度にコリメートするように構成され、
バックライトはさらに、コリメートされた光を無限遠に合焦させるためのマイクロレンズアレイを備え、マイクロレンズアレイは複数のレンズレットを含み、レンズレットの各々はモノリシックコリメータアレイのコリメータチャネルに対して位置合わせされ、
バックライトはさらに、マイクロレンズアレイからの光をディスプレイパネル上に合焦させるためのリレーレンズを備えている。
【0053】
続いて、本発明を、以下の非限定的な図に関連して説明する。本開示の一層の利点は、図と関連して考慮すると詳細な説明を参照することによって明らかになり、図は詳細をさらに明確に示すために実寸比率ではなく、いくつかの図にわたって類似の参照番号は類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】本発明のバックライトの分解斜視図である。
図2A】緑色LEDならびに組み合わせられた青色LEDおよび赤色LEDを有する従来技術のLEDバックライトを含む先行技術の投影光学系を示す図である。
図2B】本開示のLEDバックライトを組み込んでいる投影光学系を示す図である。
図3A】表示パネルの全体を照明するための本開示の実施の形態を示す図であって、本発明のLEDバックライトがどのようにディスプレイパネル上に均質化された光を生成するかを示すレイトレーシング図である。
図3B】表示パネルの全体を照明するための本開示の実施の形態を示す図であって、本実施の形態のコリメータアレイの出口開口の概略図である。
図3C】表示パネルの全体を照明するための本開示の実施の形態を示す図であって、図3Bのアレイのコリメータの各々からの光の重ね合わせを示す図である。
図4A図3Aに対応するが、レンズレットの各々が単一のコリメータチャネルに対して位置合わせされかつ関連づけられたレンズレットの中心軸に対してコリメータチャネルの各々がずれるように配置されている代替的な実施形態を示す図である。
図4B図3Bに対応するが、レンズレットの各々が単一のコリメータチャネルに対して位置合わせされかつ関連づけられたレンズレットの中心軸に対してコリメータチャネルの各々がずれるように配置されている代替的な実施形態を示す図である。
図4C図3Cに対応するが、レンズレットの各々が単一のコリメータチャネルに対して位置合わせされかつ関連づけられたレンズレットの中心軸に対してコリメータチャネルの各々がずれるように配置されている代替的な実施形態を示す図である。
図5】レンズレットの各々がコリメータチャネルの2×2グリッドに対して位置合わせされている他の実施の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1のバックライト(100)の分解図は、複数のマイクロLED(115)を有するモノリシックLEDアレイ(110)、複数のコリメータチャネル(125)を有するモノリシックコリメータアレイ(120)、複数のレンズレット(135)を有するマイクロレンズアレイ(130)およびリレーレンズ(140)を含んでいる。
【0056】
使用時には、複数のマイクロLED(115)から放出された光は、モノリシックコリメータアレイ(120)のコリメータチャネル(125)を通ってコリメートされる。チャネル(125)の各々からの光は、マイクロレンズアレイ(130)のレンズレット(130)の中を通る。これにより、光は、無限遠に合焦する。次に、光は、リレーレンズ(140)を通る。次に、リレーレンズは、光をディスプレイスクリーン(図1には図示されていない)に向けて合焦させる。
【0057】
図2Aの先行技術の投射光学系は、緑色LED(216)と赤LED/青LEDが組合せられたLED(217)と、LED(216、217)の各々に関連付けられたコリメータ(220、221)と、ダイクロイックミラー(245)と、フライアイレンズアレイ(231)と、第1リレーレンズ(241)と、ミラー(250)と、第2リレーレンズ(242)と、全内部反射プリズム(255)と、デジタルマイクロミラー装置(260)と、投射レンズ装置(260)とを含んでいる。図2Bの光学投射系では、LED(216、217)、コリメータ(220、221)、ダイクロイックミラー(245)、レンズアレイ(231)および第1リレーレンズ(241)は、本開示のLEDバックライト(200および241)に置き換えられている。
【0058】
図2Aおよび図2Bに示されるように、本発明のLEDバックライトは、投射光学系に必要な個々の光学部品の数を低減する。さらに、図は実寸比率ではないが、本発明のバックライトが先行技術のシステムと比較して小さいフォームファクタを有することは明らかである。したがって、本開示のLEDバックライトは、さらに小さく、さらに軽く、さらに単純な装置を可能にする。
【0059】
図3Aは、コリメータチャネル(325)の各々が単一のLED(315)に対して位置合わせされ、レンズレット(335)の各々が単一のコリメータチャネル(325)に対して位置合わせされ、レンズレット(335)の各々の中心軸(図示されない)が対応するコリメータチャネル(325)の中心軸に対して位置合わせされている、本開示のLEDバックライトの一実施形態のレイトレーシング図を示している。
【0060】
図3Aの実施の形態では、個々のLED(315)の各々からの放出光は、ランバティアン分布(180°の放出角)に従っている。LED(315)から放出された光は、関連付けられたコリメータチャネル(325)を通り、それによってコリメートされる。コリメーションの後は、出射開口における出射光は、さらに狭い角度分布を有している。具体的には、出射開口からのカットオフ出射角は、50°よりも大きくなく、好ましくは約30°である。
【0061】
所定のコリメータチャネル(325)から出たコリメートされた光は、関連付けられたレンズレット(335)によって屈折され、無限遠に焦点を合わせたコリメータチャネル(335)の出射開口において画像を形成する。リレーレンズは(340)は、出射開口における画像をディスプレイパネル(370)上に合焦させる。関連付けられたレンズレットおよびコリメータチャネルの中心軸が位置合わせされているため、アレイ内のコリメータチャネル(325)からの光がリレーレンズ(340)によってディスプレイパネル(370)の同じ平面領域に合焦する。
【0062】
図3Bは、図3Aに則ったコリメータアレイの概略図であり、グリッドラインの交点はレンズレットの中心軸を示している。図3Cは、コリメータチャネルの各々からの光の同一平面上への重ね合わせを示している。
【0063】
図4は、レンズレット(435)の各々が単一のコリメータチャネル(425)に対して位置合わせされた別の実施の形態のレイトレーシング図を示している。しかしながら、コリメータチャネル(325)の各々が関連付けられたレンズレット(335)の中心軸に対して位置合わせされている図3の実施の形態とは異なり、本実施の形態では、コリメータチャネル(425)の各々は、関連付けられたレンズレット(435)の中心軸または光軸(436)からずれて配置されている。具体的には、隣り合っているコリメータは、それらに関連付けられたレンズレット(435)の中心軸(436)に関して、同じ距離だけしかし反対方向にずれて配置されている。関連付けられたレンズレットの光軸からのオフセットを示すために、コリメータには、それらのグリッド位置と、LまたはRのラベルとが付けられている。
【0064】
図4Bには本実施の形態のコリメータアレイの部分上面図が示されており、図3Bと同様に、グリッドラインの交点は、関連付けられたレンズレットの中心軸を示している。図4CにはLEDからの光の重ね合わせ図が示されている。ディスプレイパネル上の照明「タイル」の間には、隙間が図示されているが、これはわかりやすさのためのものであることが当業者には理解できるだろう。レンズ設計における調整等の本発明のバックライトの構成要素を調整することによって、これらを連続したものにしてもよいし分離したものにしたものにしてもよい。
【0065】
図4の実施の形態では、ディスプレイパネルのタイル状の照明が提供される。交互に配置されたLEDをスイッチオンすると、パネルの一方の部分または他方の部分が照明される。図4に例示された具体的なアレイが例示的なものに過ぎないことは、当業者に理解されるであろう。アレイ内の所定のLED-コリメータ-レンズレットの組合せの位置は、ディスプレイパネルの照明される部分に影響を与えない。むしろ、レンズレットに対するコリメータの配置こそが、ディスプレイパネルのどの部分が照明されるのかを制御する。
【0066】
これにより、LEDバックライトの設計に関して顕著な柔軟性がもたらされる。例えば、LEDアレイは、赤色LED、青色LEDおよび緑色LEDの3つの領域へとそれぞれ配置されてもよく、これにより製造中のLED構造における蛍光体または他の層のさらに簡易な応用が可能になる。さらに、着色された領域の各々は、所定のサブ領域の中の全てのコリメータがそれらに対応するレンズレットの軸に関して同じオフセットを有しているサブ領域に分離されていてもよく、これにより潜在的にLEDアレイの配線がさらに簡易になる。
【0067】
図5は、レンズレットの各々がLEDの2×2グリッドに対して位置合わせされた別の実施の形態を示している。この配置は、ディスプレイパネルの選択的な2×2タイル照明を提供する。
【0068】
上述の様々な実施の形態が単一のLEDバックライトに結びつけられてもよいことは、当業者には理解されるであろう。例えば、ディスプレイパネルの全体にわたって照明を提供するために装置の一部が図3のように配置される一方で、ディスプレイパネルの非同一部分を照明するために他の部分がレンズレットの各々に位置合わせされた少なくとも1つのコリメータを有していてもよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5