(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】電池セル及び電子設備
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20220711BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20220711BHJP
H01M 4/02 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M50/105
H01M4/02 Z
(21)【出願番号】P 2021516419
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 CN2020073587
(87)【国際公開番号】W WO2020173268
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-03-22
(31)【優先権主張番号】201910143584.0
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】閻 東陽
(72)【発明者】
【氏名】肖 良針
【審査官】冨士 美香
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-517144(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/04
H01M 50/105
H01M 4/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された同様な略多角形の形状を有する複数の電極シートを含む
積層型電極アセンブリと、
前記
積層型電極アセンブリを収容
するための内部空間を有する収容部を備えるハウジングと、を含む電池セルであって、
前記収容部は、底面が前記電極シートの形状に対応するような略多角形であることにより、前記電極シートの積層方向を前記底面に略垂直にするように前記積層型電極アセンブリを収容し、
前記底面において略多角形を構成する複数本のシーリングエッジのうち、互いに交差する第1シーリングエッジ
と第2シーリングエッジ
とを含み、前記第1シーリングエッジと前記第2シーリングエッジと
の交差部に丸コーナーを形成し、前記
丸コーナーの円弧線部により、半径R且つ中心角¢を有する仮想扇形領域を画定
し、
前記積層型電極アセンブリの、前記収容部の底面への正投影は、
前記電極シートの形状と同様の略多角形であり、且つ
前記第1シーリングエッジに略平行に対向する第1エッジ、
前記第2シーリングエッジに略平行に対向する第2エッジ、及び
、
前記第1エッジと前記第2エッジとを連結する
、前記丸コーナーに対向する第3エッジを有し、
前記第1エッジの仮想延長線と前記第2エッジの仮想延長線とが交差して仮想交点Aを形成し、
前記第3エッジ上の点は前記仮想交点Aに対して
0より大きい最小距離Lを有し、
前記第1エッジの仮想延長線と前記第2エッジの仮想延長線とが前記仮想交点Aで前記第3エッジに向かう一側に曲がり角を形成し、前記曲がり角の角度が0度より大きく且つ180度より小さいことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記仮想交点Aは、前記仮想扇形領域内に位置し、
前記最小距離Lは、式(1):
【数1】
(式中、D1が前記第1エッジから前記第1シーリングエッジまでの垂直距離であり、D2が前記第2エッジから前記第2シーリングエッジまでの垂直距離である。)により算出される、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記仮想交点Aは、前記仮想扇形領域外に位置し、
前記第1エッジから前記第1シーリングエッジまでの垂直距離をD1とし、前記第2エッジから前記第2シーリングエッジまでの垂直距離をD2とし、前記仮想交点Aから前記第3エッジまでの最小距離をL2とする場合、L2はD1とD2のうちのより小さい方に等しい、請求項1に記載の電池セル。
【請求項4】
前記第3エッジは円弧線、直線又は不規則な曲線を含む、請求項1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記第3エッジは半径がRより大きな円弧線であり、前記第3エッジは前記
収容部の底面における前記丸コーナーに向かって突出状を呈する、請求項1に記載の電池セル。
【請求項6】
前記中心角¢の角度は0度以上180度以下である、請求項1に記載の電池セル。
【請求項7】
前記中心角¢の角度は0度以上90度以下である、請求項1に記載の電池セル。
【請求項8】
前記電極シートは第1電極シートと第2電極シートを含み、前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間にセパレータが設置される、請求項1に記載の電池セル。
【請求項9】
前記セパレータは、前記電極シートに適応する形状に設置され、且つ、前記電極シートのエッジを超える、請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の電池セルを備える電子設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池分野に関し、特に電池セル及び電子設備に関する。
【背景技術】
【0002】
電池は既に様々な電子製品及び電気自動車等の分野に広く応用されている。ところが、電池の実際使用過程において、いろいろな原因で電池のケーシングが内向きに凹んで電池の電極シートに触れて、更に電極シートが電池のケーシングに電極シート影響してひどい摩耗ひいては破裂が発生し、最終的に電池のケーシングの電気化学的腐食を引き起こし、それにより電池が破裂し、電解液が漏れ出す等の多くの潜在的な安全上の問題がある。
【0003】
従って、どのように電池の安全性能を向上させるかについては、業界では多くの課題の早急な解決が期待されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一つの目的は、電池の安全性能を向上させるとともに、電池の比較的高い空間利用率及びエネルギー密度を確保することのできる電池セル及び電子設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一実施例において、電極シートを有する電極アセンブリと、前記電極アセンブリを収容するハウジングとを備える電池セルであって、
前記ハウジングは、第1シーリングエッジ、第2シーリングエッジ、及び前記第1シーリングエッジと前記第2シーリングエッジとを連結する円形シーリングエッジを有し、前記円形シーリングエッジは、半径R且つ中心角¢を有する仮想扇形領域を画定し、
前記電極シートは、第1エッジ、第2エッジ、及び前記第1エッジと前記第2エッジとを連結する第3エッジを有し、前記第1エッジの仮想延長線と前記第2エッジの仮想延長線とが交差して仮想交点Aを形成し、前記第3エッジ上の点は、前記仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、前記第1エッジの仮想延長線と前記第2エッジの仮想延長線とが前記仮想交点Aで前記第3エッジに向かう側に0度より大きく且つ180度より小さい曲がり角を形成することを特徴とする電池セルを提供する。
【0006】
本願のいくつかの実施例では、前記仮想交点Aは前記仮想扇形領域内に位置し、前記最小距離Lは、下記の式(1):
【数1】
(式中、D1が前記第1エッジから前記第1シーリングエッジまでの垂直距離であり、D2が前記第2エッジから前記第2シーリングエッジまでの垂直距離である。)により算出される。
【0007】
本願のいくつかの実施例では、前記仮想交点Aは前記仮想扇形領域外に位置し、前記第1エッジから前記第1シーリングエッジまでの垂直距離をD1とし、前記第2エッジから前記第2シーリングエッジまでの垂直距離をD2とし、前記仮想交点Aから前記第3エッジまでの最小距離をL2とする場合、L2は、D1とD2とのうちのより小さい方に等しい。
【0008】
本願のいくつかの実施例では、前記第3エッジは円弧線、直線又は不規則な曲線を含む。
【0009】
本願のいくつかの実施例では、前記第3エッジは、半径がRより大きな円弧線であり、前記第3エッジは、前記円形シーリングエッジに向かって突出状を呈する。
【0010】
本願のいくつかの実施例では、前記中心角¢の角度は、0度以上180度以下である。
【0011】
本願のいくつかの実施例では、前記中心角¢の角度は、0度以上90度以下である。
【0012】
本願のいくつかの実施例では、前記電極シートは、第1電極シートと第2電極シートを含み、前記第1電極シートと前記第2電極シートとの間にセパレータが設置される。
【0013】
本願のいくつかの実施例では、前記セパレータは、前記電極シートの形状に適応するように設置され、前記電極シートのエッジを超えている。
【0014】
本願の他の一実施例に係る電子設備は、上記いずれか1つの実施例に記載の電池セルを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電池セル及び電子設備は、一層高い安全性能を有するとともに、更に比較的高い空間利用率及びエネルギー密度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
以下、本発明を説明するために、本願の実施例又は従来技術を説明するのに必要な図面を簡単に説明する。当然ながら、以下に記載する図面は単に本願の実施例の一部を示しているものである。当業者であればわかるように、創造的な労力を要することなく、これらの図面で示される構造に基づいて他の一実施例の図面を想到しうる。
【0017】
【
図1】は、本願の一実施例に係る電池セルの構造模式図である。
【
図2】は、
図1で示される電池セルのA-A部の部分上面模式図である。
【
図3】は、本願の他の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図3で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図4】は、本願の別の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図4で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図5】は、本願の他の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図5で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図6】は、本願の別の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図6で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図7】は、本願の他の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図7で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図8】は、本願の別の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図8で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図9】は、本願の他の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の
図9で示される電池セルでの位置は、
図1におけるA-A部の位置と同じである。
【
図10】は、本願の別の一実施例に係る電池セルの部分上面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本願の実施例を詳しく説明する。本願の明細書全体において、同様又は類似の部材、及び、同様又は類似の機能を持つ部材は、類似の符号で示される。ここで説明される図面に関する実施例は、説明・図解的で本願に関する基本的な理解を提供するためのものである。本願の実施例は、本願の範囲を制限するものであると解釈されるべきではない。
【0019】
本明細書において、特に指定又は限定しない限り、相対的な用語、例えば「中央の」、「縦方向の」、「側方向の」、「前方の」、「後方の」、「右側の」、「左側の」、「内部の」、「外部の」、「比較的低い」、「比較的高い」、「水平」、「垂直」、「より高い」、「より低い」、「上方の」、「下方の」、「頂部の」、「底部の」及びそれらの派生用語(例えば、「水平的に」、「下向きに」、「上向きに」等)は、検討中に説明される又は図面に示される方向と解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明のためのものに過ぎず、本願を必ずしも特定の方向に沿って構築又は操作するわけではない。
【0020】
本明細書に使用される用語「約」、「基本的に」、「大体」、「本質的に」及び「近似」は、小さな変化を記述・説明するためのものである。イベント又は状況と組み合わせて使用する場合、前記用語はイベント又は状況が正確に発生した例及びイベント又は状況が近似的に発生した例を指してもよい。例えば、数値と組み合わせて使用する場合、前記用語は、数値の±10%以下の変化範囲を指してもよく、好ましくは、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下の変化範囲が挙げられる。例えば、2つの数値の差値は、前記数値の平均値の±10%以下(例えば、±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±01%以下、又は±0.05%以下)である場合、前記2つの数値が「大体的に」等しいと見なされる。
【0021】
さらに、説明の便宜上、「第1」、「第2」、「第3」等は、本明細書において1つの図面又は一連の図面における異なる部材を区別することに用いられてもよい。ただし、「第1」、「第2」、「第3」等によって対応の部材を特定するように意図していない。
【0022】
本願では、特に指定又は限定しない限り、「設置」、「連結」、「結合」、「固定」及びその類似した用語は広く使用され、且つ当業者が具体的な状況に基づいて理解されるように、上記用語は、固定接続、取り外し可能な接続又は統合接続であってもよく、機械的接続又は電気的接続であってもよく、直接接続又は中間構造による間接接続であってもよく、2つの部材が内部通信できることであってもよい。
【0023】
具体的な実施形態及び特許請求の範囲において、用語「のうちの一方」、「のうちの1つ」、「のうちの1種類」又は他の類似した用語により接続される項目のリストは、列挙した項目のうちのいずれか1つを意味してもよい。例えば、項目「A及びB」を列挙した場合、連語「A及びBのうちの一方」は「Aのみ」又は「Bのみ」を意味する。他の実例では、項目「A、B及びC」を列挙した場合、連語「A、B及びCのうちの一方」は「Aのみ」、「Bのみ」、又は「Cのみ」を意味する。ただし、項目「A」は単一の素子又は複数の素子を含んでもよく、項目「B」は単一の素子又は複数の素子を含んでもよく、項目「C」は単一の素子又は複数の素子を含んでもよい。
【0024】
具体的な実施形態及び特許請求の範囲において、用語「のうちの少なくとも一方」、「のうちの少なくとも1つ」、「のうちの少なくとも1種類」又は他の類似した用語により接続される項目のリストは、列挙した項目のいかなる組み合わせを意味してもよい。例えば、項目「A及びB」を列挙した場合、連語「A及びBのうちの少なくとも一方」は「Aのみ」、「Bのみ」、又は「A及びB」を意味する。他の実例では、項目「A、B及びC」を列挙した場合、連語「A、B及びCのうちの少なくとも一方」は「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、「A及びB(Cを排除)」、「A及びC(Bを排除)」、「B及びC(Aを排除)」、又は「A、B及びC」を意味する。項目「A」は単一の素子又は複数の素子を含んでもよく、項目「B」は単一の素子又は複数の素子を含んでもよく、項目「C」は単一の素子又は複数の素子を含んでもよい。
【0025】
電池が使用中に電池電極シートからの影響を受けてひどい摩耗及び破裂が発生することを防止するために、電池電極シートとケーシングとの間の距離又は隙間を増加することによりケーシングが電池電極シートからの影響を受けることを回避することができる。ところが、電池のエネルギー密度及び空間利用率は、電池性能を評価する重要な指標の1つであり、電池電極シートとケーシングとの間の距離又は隙間を増加する設計案を用いると、電池のエネルギー密度、及び電池の空間利用率を低下させてしまう。従って、このような設計案は理想的なものではない。
【0026】
以上に鑑みて、本発明は電池セルを提供し、該電池セルは電池電極シートの形状及び電池電極シートとケーシングとの位置関係を特別に設計することによりケーシングが使用中に電池電極シートからのひどい影響を受けることを回避し、これにより電池電極シートとケーシングとが通電してケーシングに電気化学的腐食を発生させることによる潜在的な安全上の問題を軽減ひいては排除するとともに、電池の比較的高い空間利用率及びエネルギー密度を確保する。
【0027】
図1は本願の一実施例に係る電池セル10の構造模式図である。
図2は
図1で示される電池セル10のA-A部の部分上面模式図である。
図1及び
図2に示すように、本願の一実施例に係る電池セル10は、ハウジング100及び電極アセンブリ120を備え、該ハウジング100は、電極アセンブリ120を収容する。
【0028】
該ハウジング100は、第1表面100aと第1表面100aに対向する第2表面100bとを備え、第1表面100aに第1シーリングエッジ101、第2シーリングエッジ102、第3シーリングエッジ103及び第4シーリングエッジ104を有し、第1表面100aに、さらに、第1シーリングエッジ101と第2シーリングエッジ102とを連結する第5シーリングエッジ105、第2シーリングエッジ102と第3シーリングエッジ103とを連結する第6シーリングエッジ106、第3シーリングエッジ103と第4シーリングエッジ104とを連結する第7シーリングエッジ107、及び第4シーリングエッジ104と第1シーリングエッジ101とを連結する第8シーリングエッジ108を有する。第5シーリングエッジ105は、半径Rの円弧線形状であり、これにより半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第6シーリングエッジ106、第7シーリングエッジ107及び第8シーリングエッジ108は、第5シーリングエッジ105と同じ寸法及び形状を有する。本願の他の一実施例では、第5シーリングエッジ105、第6シーリングエッジ106、第7シーリングエッジ107及び第8シーリングエッジ108のうちの1つ又は複数は異なる寸法及び形状を有してもよい。
【0029】
該ハウジング100は、第2表面100bにおけるシーリングエッジ109、シーリングエッジ110、シーリングエッジ111及びシーリングエッジ112を更に備える。シーリングエッジ109、シーリングエッジ111及びシーリングエッジ112は、熱接着によりシールされる。本願の他の一実施例では、シーリングエッジ109、シーリングエッジ111及びシーリングエッジ112は粘着又は任意の適切な結合方式でシールされる。
【0030】
該ハウジング100は、アルミニウムプラスチックフィルムである。本願の他の一実施例では、該ハウジング100は、任意の適切な電池ハウジング材料である。本願の別の一実施例では、該ハウジング100は任意の適切なパウチ電池ハウジング材料である。
【0031】
ハウジング100のシーリングエッジ109、シーリングエッジ111及びシーリングエッジ112をシールする前に、ハウジング100は、先に絞り加工を行い、ハウジング100に電極アセンブリ120を収容する内部空間を形成する。同時に、絞り加工によって半径Rの第5シーリングエッジ105が形成される。当業者は、ハウジング100及び/又は電極アセンブリ120の具体的な寸法及び/又は形状に基づいてそれぞれ第5シーリングエッジ105、第6シーリングエッジ106、第7シーリングエッジ107及び第8シーリングエッジ108の半径R及び中心角¢の具体的な数値を設定してもよい。例えば、中心角¢の角度は0度以上180度以下、又は0度以上90度以下である。
【0032】
該電極アセンブリ120は、第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123を備える。本願の他の一実施例では、該電極アセンブリ120は、任意の数の電極シートを備える。第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123の材料は、本分野でよく使用される電極シート材料である。該第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123の間にセパレータ(図示せず)が設置される。セパレータは、第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123の形状に適応するように設置され、第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123のエッジを超える。セパレータの材料は本分野でよく使用されるセパレータ材料であり、例えば、ポリテレフタル酸及びポリプロピレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123は同じ形状及び寸法を有する。本願の他の一実施例では、第1電極シート121、第2電極シート122及び第3電極シート123は異なる形状及び寸法を有する。本願の別の一実施例では、第1電極シート121の第1表面100aへの投影面積は、第2電極シート122の同表面への投影面積及び第3電極シート123の同表面への投影面積より大きい。本願の他の一実施例では、第1電極シート121の第1表面100aへの投影面積は、第2電極シート122及び第3電極シート123の同表面への投影面積に等しいか、又はそれらより小さい。
【0034】
以下に第1電極シート121を例として
図1で示される実施例における電極アセンブリ120の電極シートの形状を説明する。第1電極シート121は、第1エッジ121a、第2エッジ121b、第3エッジ121c、第4エッジ121d、第1エッジ121aと第2エッジ121bとを連結する第5エッジ121e、第2エッジ121bと第3エッジ121cとを連結する第6エッジ121f、第3エッジ121cと第4エッジ121dとを連結する第7エッジ121g、及び第4エッジ121dと第1エッジ121aとを連結する第8エッジ121hを有する。第6エッジ121f、第7エッジ121g及び第8エッジ121hは、第5エッジ121eと同じ形状及び寸法を有する。第5エッジ121e、第6エッジ121f、第7エッジ121g及び第8エッジ121hは、いずれも円弧線形状である。本願の他の一実施例では、第6エッジ121f、第7エッジ121g及び第8エッジ121hのうちの1つ又は複数は、第5エッジ121eと同じように設置されてもよい。
【0035】
第1表面100aに位置する、ハウジング100の第5シーリングエッジ105、第6シーリングエッジ106、第7シーリングエッジ107及び第8シーリングエッジ108は、電池セル10の実際使用過程中に内向きに凹んで第1電極シート121に触れやすいため、本発明は、第1電極シート121の形状、及び第1電極シート121と第5シーリングエッジ105、第6シーリングエッジ106、第7シーリングエッジ107及び第8シーリングエッジ108との位置関係を特別に設計することにより、ハウジング100の第5シーリングエッジ105、第6シーリングエッジ106、第7シーリングエッジ107及び第8シーリングエッジ108が電池セル10の使用過程中に第1電極シート121に触れてハウジング100が第1電極シート121からのひどい影響を受けることを回避する。
【0036】
ここで、第1電極シート121の第5エッジ121eの所在する部分、即ち、
図1におけるA-A線で囲まれた部分を例として、
図1で示される電池セル10の第1電極シート121の第5エッジ121eの形状、及び第1電極シート121の第5エッジ121eと第5シーリングエッジ105との位置関係について説明する。
【0037】
図2に示すように、第5シーリングエッジ105は、半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート121の第1エッジ121aは、仮想延長線121a′を有し、第1電極シート121の第2エッジ121bは、仮想延長線121b′を有し、仮想延長線121a′と仮想延長線121b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは、仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ121aの仮想延長線121a′と第2エッジ121bの仮想延長線121b′とが仮想交点Aで第5エッジ121eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=90度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は、0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ121eは、円弧線であり、第5エッジ121e上の点は、仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、該最小距離Lは、下記の式(1):
【数2】
(式中、D1が電極アセンブリ120の第1電極シート121の第1エッジ121aからハウジング100の第1シーリングエッジ101までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ120の第1電極シート121の第
2エッジ121bからハウジング100の第2シーリングエッジ102までの垂直距離である。)により算出される。
【0038】
ここで、第1電極シート121の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ105は、内向きに凹む際に、仮想扇形領域S内の第1電極シート121の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ105が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ105が内向きに凹む際に第1電極シート121の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート121の交点Aと第5シーリングエッジ105との間の距離や隙間を増大することにより、第1電極シート121の交点Aと第5シーリングエッジ105とが触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル10の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図1で示される実施例は、第1電極シート121の交点Aでの最も鋭い部分を除去して内向きに凹む第5エッジ121eを形成することによって、第5シーリングエッジ105が内向きに凹む際に第1電極シート121に刺されて破れるリスクを解消することができる。且つ、第5エッジ121e上の点から仮想交点Aまでの最小距離Lは、上記の式(1)により算出される値であるため、ハウジング100の第5シーリングエッジ105が最大限としての半径Rの距離で内向きに凹んでも、第5シーリングエッジ105は、ちょうど第5エッジ121eに触れ、それによりハウジング100の第5シーリングエッジ105が第5エッジ121eにより大きく摩耗されて電気化学的腐食をもたらすリスクを解消することができる。また、もし最小距離Lは0より大きく且つ上記の式(1)により算出される値より小さいとの範囲に設けられた場合であっても、第1電極シート121の第5エッジ121eが内向きに凹む円弧線形状であるので、第5シーリングエッジ105が内向きに凹む際に第5エッジ121eに触れても、第1電極シート121に刺されて破れることがない。しかも、第5エッジ121eが円弧線形状であるため、ハウジング100の第5シーリングエッジ105と第5エッジ121eの摩耗度を著しく低減することができ、これによりハウジング100の第5シーリングエッジ105で電気化学的腐食が発生するリスクを低減することもできる。
【0039】
図3は、本願の他の一実施例に係る電池セル30の部分上面模式図である。該部分上面模式図で示される部分の、
図3で示される電池セル30における位置は、
図1におけるA~A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にするために、ここで
図3の電池セル30の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図3の電池セル30は、
図1で示される電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0040】
ハウジング300の第5シーリングエッジ305は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=60度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート321の第1エッジ321aは仮想延長線321a′を有し、第1電極シート321の第2エッジ321bは仮想延長線321b′を有し、仮想延長線321a′と仮想延長線321b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ321aの仮想延長線321a′と第2エッジ321bの仮想延長線321b′とが仮想交点Aで第1電極シート321の第5エッジ321eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=120度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ321eは円弧線であり、第5エッジ321e上の点は仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、該最小距離Lは、下記の式(1):
【数3】
(式中、D1が電極アセンブリ320の第1電極シート321の第1エッジ321aからハウジング300の第1シーリングエッジ301までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ320の第1電極シート321の第
2エッジ321bからハウジング300の第2シーリングエッジ302までの垂直距離である。)により算出される。
【0041】
ここで、第1電極シート321の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ305は内向きに凹む際に仮想扇形領域S内の第1電極シート321の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ305が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ305が内向きに凹む際に第1電極シート321の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート321の交点Aと第5シーリングエッジ305との間の距離や隙間を増大することにより第1電極シート321の交点Aと第5シーリングエッジ305とが触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル30の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図3で示される実施例は、第1電極シート321の交点Aでの最も鋭い部分を除去して内向きに凹む第5エッジ321eを形成することによって、第5シーリングエッジ305が内向きに凹む際に第1電極シート321に刺されて破れるリスクを解消することができる。そして、第5エッジ321e上の点から仮想交点Aまでの最小距離Lは、上記の式(1)により算出された値であるため、ハウジング300の第5シーリングエッジ305が最大限としての半径Rの距離で内向きに凹んでも、第5シーリングエッジ305がちょうど第5エッジ321eに触れ、それによりハウジング300の第5シーリングエッジ305が第5エッジ321eにより大きく摩耗されて電気化学的腐食をもたらすリスクを解消することができる。また、もし最小距離Lは0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値より小さいとの範囲に設けられた場合であっても、第1電極シート321の第5エッジ321eが内向きに凹む円弧線形状であるので、第5シーリングエッジ305が内向きに凹む際に第5エッジ321eに触れても、第1電極シート321に刺されて破れることがない。しかも、第5エッジ321eが円弧線形状であるため、ハウジング300の第5シーリングエッジ305と第5エッジ321eの摩耗度も著しく低減することができ、これにより、ハウジング300の第5シーリングエッジ305で電気化学的腐食が発生するリスクを低減することもできる。
【0042】
図4は本願の別の一実施例に係る電池セル40の部分上面模式図である。該部分上面模式図で示される部分の、
図4で示される電池セル40における位置は、
図1におけるA-A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にするために、ここで
図4の電池セル40の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図4の電池セル40は、
図1で示される電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0043】
ハウジング400の第5シーリングエッジ405は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=60度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート421の第1エッジ421aは仮想延長線421a′を有し、第1電極シート421の第2エッジ421bは仮想延長線421b′を有し、仮想延長線421a′と仮想延長線421b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ421aの仮想延長線421a′と第2エッジ421bの仮想延長線421b′とが仮想交点Aで第1電極シート421の第5エッジ421eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=60度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ421eは円弧線であり、第5エッジ421e上の点は仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、該最小距離Lは、下記の式(1):
【数4】
(式中、D1が電極アセンブリ420の第1電極シート421の第1エッジ421aからハウジング400の第1シーリングエッジ401までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ420の第1電極シート421の第
2エッジ421bからハウジング400の第2シーリングエッジ402までの垂直距離である。)により算出される。
【0044】
ここで、第1電極シート421の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ405は内向きに凹む際に仮想扇形領域S内の第1電極シート421の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ405が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ405が内向きに凹む際に第1電極シート421の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート421の交点Aと第5シーリングエッジ405との間の距離や隙間を増大することによりそれらが互いに触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル40の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図4で示される実施例は、第1電極シート421の交点Aでの最も鋭い部分を除去して内向きに凹む第5エッジ421eを形成することによって、第5シーリングエッジ405が内向きに凹む際に第1電極シート421に刺されて破れるリスクを解消することができる。そして、第5エッジ421e上の点から仮想交点Aまでの最小距離Lは、上記の式(1)により算出された値であるため、ハウジング400の第5シーリングエッジ405が最大限としての半径Rの距離で内向きに凹んでも、第5シーリングエッジ405がちょうど第5エッジ421eに触れ、それによりハウジング400の第5シーリングエッジ405が第5エッジ421eにより大きく摩耗されて電気化学的腐食をもたらすリスクを解消することができる。また、もし最小距離Lは0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値より小さいという範囲に設けられた場合であっても、第1電極シート421の第5エッジ421eが内向きに凹む円弧線形状であるので、第5シーリングエッジ405が内向きに凹む際に第5エッジ421eに触れても、第1電極シート421に刺されて破れることがない。そして、第5エッジ421eは円弧線形状であるため、ハウジング400の第5シーリングエッジ405と第5エッジ421eの摩耗度も著しく低減することができ、従って、ハウジング400の第5シーリングエッジ405で電気化学的腐食が発生するリスクを低減することもできる。
【0045】
図5は、本願の他の一実施例に係る電池セル50の部分上面模式図である。該部分上面模式図で示される部分の、
図5で示される電池セル50における位置は、
図1におけるA-A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にするために、ここで
図5の電池セル50の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図5の電池セル50は、
図1で示される電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0046】
ハウジング500の第5シーリングエッジ505は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート521の第1エッジ521aは仮想延長線521a′を有し、第1電極シート521の第2エッジ521bは仮想延長線521b′を有し、仮想延長線521a′と仮想延長線521b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S外に位置する。第1エッジ521aの仮想延長線521a′と第2エッジ521bの仮想延長線521b′とが仮想交点Aで第1電極シート521の第5エッジ521eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=90度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ521eは円弧線であり、第5エッジ521e上の点は仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、該最小距離LはD1である。ここで、D1が第1電極シート521の第1エッジ521aからハウジング500の第1シーリングエッジ501までの垂直距離であり、D2が第1電極シート521の第2エッジ521bからハウジング500の第2シーリングエッジ502までの垂直距離であり、D1がD2より小さい。本願の他の一実施例では、最小距離LはL2であり、L2がD1とD2とのうちの小さい方に等しい。
【0047】
第1電極シート521の第1エッジ521aの仮想延長線521a′と第1電極シート521の第2エッジ521bの仮想延長線521b′との交点Aは、電池セル50の仮想扇形領域S外に位置するため、電池の実際使用過程中には、第1電極シート521と電池セル50の第5シーリングエッジ505とがひどく摩耗される可能性がより小さい。このような状況に対して、電池セル50が使用過程中に第1電極シート521の膨張により刺されて破れることを回避するという基本的な要件を満足すればよい。従って、本願の
図5で示される実施例は、仮想交点Aと第1電極シート521の第5エッジ521e上の点との最小距離を、D1とD2のうちの小さい方にするように設計すれば、電池セル50が使用過程中に第1電極シート521の膨張により刺されて破れることを回避するという基本的な要件を満足することができ、それにより電池セル50の安全性能を向上するとともに、比較的高い空間利用率及びエネルギー密度を確保することができる。
【0048】
図6は本願の別の一実施例に係る電池セル60の部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の、
図6で示される電池セルにおける位置は、
図1におけるA-A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にするために、ここで
図6の電池セル60の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図6の電池セル60が
図1で示される電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0049】
ハウジング600の第5シーリングエッジ605は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート621の第1エッジ621aは仮想延長線621a′を有し、第1電極シート621の第2エッジ621bは仮想延長線621b′を有し、仮想延長線621a′と仮想延長線621b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ621aの仮想延長線621a′と第2エッジ621bの仮想延長線621b′とが仮想交点Aで第5エッジ621eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=90度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ621eは不規則な曲線であり、第5エッジ621e上の点は仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、該最小距離Lは、下記の式(1):
【数5】
(式中、D1が電極アセンブリ620の第1電極シート621の第1エッジ621aからハウジング600の第1シーリングエッジ601までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ620の第1電極シート621の第
2エッジ621bからハウジング600の第2シーリングエッジ602までの垂直距離である。)により算出される。
【0050】
ここで、第1電極シート621の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ605は内向きに凹む際に仮想扇形領域S内の第1電極シート621の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ605が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ605が内向きに凹む際に第1電極シート621の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート621の交点Aと第5シーリングエッジ605との間の距離や隙間を増大することによりそれらが互いに触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル60の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図6で示される実施例は、第1電極シート621の交点Aでの最も鋭い部分を除去して内向きに凹む第5エッジ621eを形成することによって、第5シーリングエッジ605が内向きに凹む際に第1電極シート621に刺されて破れるリスクを解消することができる。そして、第5エッジ621e上の点から仮想交点Aまでの最小距離Lは、上記の式(1)により算出された値であるため、ハウジング600の第5シーリングエッジ605が最大限としての半径Rの距離で内向きに凹んでも、第5シーリングエッジ605がちょうど第5エッジ621eに触れ、それによりハウジング600の第5シーリングエッジ605が第5エッジ621eにより大きく摩耗されて電気化学的腐食をもたらすリスクを解消することができる。また、もし最小距離Lは0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値より小さいという範囲に設けられた場合であっても、第1電極シート621の第5エッジ621eが内向きに凹む不規則な曲線であるので、第5シーリングエッジ605が内向きに凹む際に第5エッジ621eに触れても、第1電極シート621に刺されて破れることがない。そして、第5エッジ621eが内向きに凹む不規則な曲線であるので、ハウジング600の第5シーリングエッジ605と第5エッジ621eの摩耗度も著しく低減することができ、従って、ハウジング600の第5シーリングエッジ605で電気化学的腐食が発生するリスクを低減することもできる。
【0051】
図7は本願の他の一実施例に係る電池セル70の部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の、
図7で示される電池セル70における位置は、
図1におけるA-A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にするために、ここで
図7の電池セル70の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図7の電池セル70が
図1で示される電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0052】
ハウジング700の第5シーリングエッジ705は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート721の第1エッジ721aは仮想延長線721a′を有し、第1電極シート721の第2エッジ721bは仮想延長線721b′を有し、仮想延長線721a′と仮想延長線721b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ721aの仮想延長線721a′と第2エッジ721bの仮想延長線721b′とが仮想交点Aで第5エッジ721eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=90度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ721eは半径がRより大きな円弧線であり、第5シーリングエッジ705に向かって突出状を呈する。第5エッジ721e上の点は、仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、Lが0より大きい。本願の他の一実施例では、Lは、下記の式(1):
【数6】
(式中、D1が電極アセンブリ720の第1電極シート721の第1エッジ721aからハウジング700の第1シーリングエッジ701までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ720の第1電極シート721の第
2エッジ721bからハウジング700の第2シーリングエッジ702までの垂直距離である。)により算出される。本願の別の一実施例では、最小距離Lは0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値より小さい。
【0053】
ここで、第1電極シート721の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ705は内向きに凹む際に仮想扇形領域S内の第1電極シート721の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ705が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ705が内向きに凹む際に第1電極シート721の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート721の交点Aと第5シーリングエッジ705との間の距離や隙間を増大することによりそれらが互いに触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル70の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図7で示される実施例は、第1電極シート721の交点Aでの最も鋭い部分を除去して第5エッジ721eを形成することによって、第5シーリングエッジ705が内向きに凹む際に第1電極シート721に刺されて破れるリスクを解消することができる。そして、第5エッジ721eは半径がRより大きな円弧線であり、且つ、第5シーリングエッジ705に向かって突出状を呈するため、第5シーリングエッジ705が内向きに凹む際に第5エッジ721eに触れても、第5シーリングエッジ705が第5エッジ721eに刺されて破れることもない。そして、それらが互いに大きく摩耗されることもないため、ハウジング700の第5シーリングエッジ705で電気化学的腐食が発生するリスクを低減することができる。また、第5エッジ721eは半径がRより大きな円弧線であり、且つ、第5シーリングエッジ705に向かって突出状を呈するため、最小距離Lを0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値以下に設定してもよく、この場合、第5シーリングエッジ705で電気化学的腐食が発生するリスクを低減するとともに、電池セル70の空間利用率及びエネルギー密度を確保又は向上することができる。
【0054】
図8は本願の別の一実施例に係る電池セル80の部分上面模式図であり、該部分上面模式図に示される部分の
図8で示される電池セル80における位置は、
図1におけるA-A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にする、ここで
図8の電池セル80の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図8の電池セル80が
図1で示される電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0055】
ハウジング800の第5シーリングエッジ805は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート821の第1エッジ821aは仮想延長線821a′を有し、第1電極シート821の第2エッジ821bは仮想延長線821b′を有し、仮想延長線821a′と仮想延長線821b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ821aの仮想延長線821a′と第2エッジ821bの仮想延長線821b′とが仮想交点Aで第5エッジ821eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=90度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ821eは直線であり、第5エッジ821e上の点は、仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、Lが0より大きい。本願の他の一実施例では、最小距離Lは、下記の式(1):
【数7】
(式中、D1が電極アセンブリ820の第1電極シート821の第1エッジ821aからハウジング800の第1シーリングエッジ801までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ820の第1電極シート821の第
2エッジ821bからハウジング800の第2シーリングエッジ802までの垂直距離である。)により算出される。本願の別の一実施例では、最小距離Lは、0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値より小さい。
【0056】
ここで、第1電極シート821の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ805は内向きに凹む際に仮想扇形領域S内の第1電極シート821の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ805が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ805が内向きに凹む際に第1電極シート821の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート821の交点Aと第5シーリングエッジ805との間の距離や隙間を増大することによりそれらが互いに触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル80の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図8で示される実施例は、第1電極シート821の交点Aでの最も鋭い部分を除去して第5エッジ821eを形成することによって、第5シーリングエッジ805が内向きに凹む際に第1電極シート821に刺されて破れるリスクを解消することができる。そして、第5エッジ821eは直線であるため、第5シーリングエッジ805が内向きに凹む際に第5エッジ821eに触れても、第5シーリングエッジ805が第5エッジ821eに刺されて破れることもない。そして、それらが互いに大きく摩耗されることもないため、ハウジング800の第5シーリングエッジ805で電気化学的腐食が発生するリスクも低減することができる。また、最小距離Lを0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値以下に設定してもよく、この場合、第5シーリングエッジ805で電気化学的腐食が発生するリスクを低減させるとともに、電池セル80の空間利用率及びエネルギー密度を確保又は向上することができる。
【0057】
図9は本願の他の一実施例に係る電池セル90の部分上面模式図であり、該部分上面模式図で示される部分の、
図9で示される電池セル90における位置は、
図1におけるA-A部分の位置と同じである。なお、図面を簡単にする、ここで
図9の電池セル90の完全な構造模式図を示していない。ところが、当業者であれば、図示しない
図9の電池セル90が
図1で示さえる電池セル10と同じ構成を有してもよいと理解される。
【0058】
ハウジング900の第5シーリングエッジ905は半径Rの円弧線であり、半径R且つ中心角¢=90度の仮想扇形領域Sを画定する。第1電極シート921の第1エッジ921aは仮想延長線921a′を有し、第1電極シート921の第2エッジ921bは仮想延長線921b′を有し、仮想延長線921a′と仮想延長線921b′とが交差して仮想交点Aを形成し、仮想交点Aは仮想扇形領域S内に位置する。第1エッジ921aの仮想延長線921a′と第2エッジ921bの仮想延長線921b′とが、仮想交点Aで第1電極シート921の第5エッジ921eに向かう一側に曲がり角∂を形成し、該曲がり角∂=90度である。本願の他の一実施例では、該曲がり角∂の角度は0度より大きく且つ180度より小さい。第5エッジ921eは複数本の直線から形成され、第5エッジ921e上の点は仮想交点Aに対して最小距離Lを有し、Lが0より大きい。本願の他の一実施例では、最小距離Lは、下記の式(1):
【数8】
(式中、D1が電極アセンブリ920の第1電極シート921の第1エッジ921aからハウジング900の第1シーリングエッジ901までの垂直距離であり、D2が電極アセンブリ920の第1電極シート921の第2エッジ921bからハウジング900の第2シーリングエッジ902までの垂直距離である。)により算出される。本願の別の一実施例では、最小距離Lは、0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値より小さい。
【0059】
ここで、第1電極シート921の形状を特別に設計しなければ、第5シーリングエッジ905は内向きに凹む際に仮想扇形領域S内の第1電極シート921の交点Aに触れやすく、これにより第5シーリングエッジ905が最も鋭い交点Aに刺されて破れやすくなる。第5シーリングエッジ905が内向きに凹む際に第1電極シート921の最も鋭い位置に触れることを回避するために、第1電極シート921の交点Aと第5シーリングエッジ905との間の距離や隙間を増大することによりそれらが互いに触れることを回避することができるが、このようにすると、明らかに、電池セル90の空間利用率及びエネルギー密度は低下することになる。本願の
図9で示される実施例は、第1電極シート921の交点Aでの最も鋭い部分を除去して第5エッジ921eを形成することによって、第5シーリングエッジ905が内向きに凹む際に第1電極シート921に刺されて破れるリスクを解消することができる。そして、第5エッジ921eは直線であるため、第5シーリングエッジ905が内向きに凹む際に第5エッジ921eに触れても、第5シーリングエッジ905が第5エッジ921eに刺されて破れることもない。そして、それらが互いに大きく摩耗されることもないため、ハウジング900の第5シーリングエッジ905で電気化学的腐食が発生するリスクを低減することができる。また、最小距離Lを0より大きく且つ上記の式(1)により算出された値以下に設定してもよく、この場合、第5シーリングエッジ905で電気化学的腐食が発生するリスクを低減するとともに、電池セル90の空間利用率及びエネルギー密度を確保又は向上することができる。
【0060】
図10は本願の別の一実施例に係る電池セル10′の部分上面模式図であり、
図10に示すように、本願の一実施例に係る電池セル10′は、ハウジング100′及び電極シート120′を備え、該ハウジング100′が電極シート120′を収容する。
【0061】
該ハウジング100′は、第1シーリングエッジ101′、第2シーリングエッジ102′、第3シーリングエッジ103′、第4シーリングエッジ104′、第5シーリングエッジ105′及び第6シーリングエッジ106′と、第1シーリングエッジ101′と第2シーリングエッジ102′とを連結する第7シーリングエッジ107′、第2シーリングエッジ102′と第3シーリングエッジ103′とを連結する第8シーリングエッジ108′、第3シーリングエッジ103′と第4シーリングエッジ104′とを連結する第9シーリングエッジ109′、第4シーリングエッジ104′と第5シーリングエッジ105′とを連結する第10シーリングエッジ110′、第5シーリングエッジ105′と第6シーリングエッジ106′とを連結する第11シーリングエッジ111′、及び、第6シーリングエッジ106′と第1シーリングエッジ101′とを連結する第12シーリングエッジ112′とを備える。
【0062】
第7シーリングエッジ107′、第8シーリングエッジ108′、第9シーリングエッジ109′、第10シーリングエッジ110′、第11シーリングエッジ111′及び第12シーリングエッジ112′は、それぞれ半径R1、R2、R3、R4、R5及びR6の円弧線であり、それぞれ半径R1、R2、R3、R4、R5及びR6且つ中心角¢1=90度、¢2=90度、¢3=120度、¢4=30度、¢5=90度、¢6=90度の仮想扇形領域S1、S2、S3、S4、S5及びS6を画定する。本願の他の一実施例では、第7シーリングエッジ107′、第8シーリングエッジ108′、第9シーリングエッジ109′、第10シーリングエッジ110′、第11シーリングエッジ111′及び第12シーリングエッジ112′のうちの1つ又は複数は異なる寸法及び形状を有する。本願の別の一実施例では、第7シーリングエッジ107′、第8シーリングエッジ108′、第9シーリングエッジ109′、第10シーリングエッジ110′、第11シーリングエッジ111′及び第12シーリングエッジ112′のうちの1つ又は複数は同じ寸法及び形状を有する。
【0063】
該ハウジング100′はアルミニウムプラスチックフィルムである。本願の他の一実施例では、該ハウジング100′は電池ハウジングに適用される材料から構成されれば、特別な制限がない。本願の別の一実施例では、該ハウジング100′はパウチ電池ハウジングに適用される任意の材料から構成される。
【0064】
ハウジング100′に対して絞り加工を行い、ハウジング100′に電極シート120′を収容する内部空間を形成させる。同時に、絞り加工によって半径R1、R2、R3、R4、R5及びR6をそれぞれ有する第7シーリングエッジ107′、第8シーリングエッジ108′、第9シーリングエッジ109′、第10シーリングエッジ110′、第11シーリングエッジ111′及び第12シーリングエッジ112′を形成する。当業者はハウジング100′及び/又は電極シート120′の具体的な寸法及び/又は形状に基づいて第7シーリングエッジ107′、第8シーリングエッジ108′、第9シーリングエッジ109′、第10シーリングエッジ110′、第11シーリングエッジ111′及び第12シーリングエッジ112′の半径及び中心角の具体的な数値を設定することができる。
【0065】
本願の他の一実施例では、電池セル10′は、任意の数の電極シートを備えてもよく、複数の電極シートの間にセパレータが設置される。セパレータは、複数の電極シートに適応する形状に設置され、且つ、電極シートのエッジを超える。セパレータを形成する材料は本分野でよく使用されるセパレータ材料であってもよく、例えば、ポリテレフタル酸及びポリプロピレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
電極シート120′の材料は本分野でよく使用される電極シート材料である。電極シート120′は、第1エッジ120a′、第2エッジ120b′、第3エッジ120c′、第4エッジ120d′、第5エッジ120e′及び第6エッジ120f′を有する。
【0067】
電極シート120′は、さらに、第1エッジ120a′と第2エッジ120b′とを連結する第7エッジ120g′、第2エッジ120b′と第3エッジ120c′とを連結する第8エッジ120h′、第3エッジ120c′と第4エッジ120d′とを連結する第9エッジ120i′、第5エッジ120e′と第6エッジ120f′とを連結する第10エッジ120j′、及び第6エッジ120f′と第1エッジ120a′とを連結する第11エッジ120k′を有する。
【0068】
第7シーリングエッジ107′は半径R1且つ中心角¢1=90度の仮想扇形領域S1を画定する。電極シート120′の第1エッジ120a′は仮想延長線120a″を有し、電極シート120′の第2エッジ120b′は仮想延長線121b″を有し、仮想延長線121a″と仮想延長線121b″とが交差して仮想交点A1を形成し、仮想交点A1は仮想扇形領域S1外に位置する。第1エッジ121a′の仮想延長線121a″と第2エッジ120b′の仮想延長線121b″とが仮想交点A1で第7エッジ120g′に向かう一側に曲がり角度∂1を形成し、該曲がり角度∂1=120度である。第7エッジ120g′は円弧線であり、第7エッジ120g′上の点は、仮想交点A1に対して最小距離L1′を有し、L1′=D1′である。ここで、D1′は第1エッジ120a′から第1シーリングエッジ101′までの垂直距離であり、D2′が第2エッジ120b′から第2シーリングエッジ102′までの垂直距離であり、D1′がD2′より小さい。本願の他の一実施例では、最小距離L1′はD1′とD2′とのうちのより小さい方に等しい。
【0069】
第8シーリングエッジ108′は半径R2且つ中心角¢2=90度の仮想扇形領域S2を画定する。電極シート120′の第2エッジ120b′は仮想延長線121b′′′を有し、電極シート120′の第3エッジ120c′は仮想延長線121c″を有し、仮想延長線121b′′′と仮想延長線121c″とが交差して仮想交点A2を形成し、仮想交点A2は仮想扇形領域S2外に位置する。第2エッジ120b′の仮想延長線121b′′′と第3エッジ120c′の仮想延長線121c″とが仮想交点A2で第8エッジ120h′に向かう一側に曲がり角∂2を形成し、該曲がり角∂2=120度である。第8エッジ120h′は円弧線であり、第8エッジ120h′上の点は仮想交点A2に対して最小距離L2′を有し、L2′=D3′である。ここで、D3′が第3エッジ120c′から第3シーリングエッジ103′までの垂直距離であり、D2′が第2エッジ120b′から第2シーリングエッジ102′までの垂直距離であり、D3′がD2′より小さい。本願の他の一実施例で、最小距離L2′は、D3′とD2′のうちの小さい方に等しい。
【0070】
第9シーリングエッジ109′は半径R3且つ中心角¢3=120度の仮想扇形領域S3を画定する。電極シート120′の第3エッジ120c′は仮想延長線121c′′′を有し、電極シート120′の第4エッジ120d′は仮想延長線120d″を有し、仮想延長線121c′′′と仮想延長線120d″とが交差して仮想交点A3を形成し、仮想交点A3は仮想扇形領域S3内に位置する。第3エッジ120c′の仮想延長線121c′′′と第4エッジ120d′の仮想延長線120d″とが仮想交点A3で第9エッジ120i′に向かう一側に曲がり角∂3を形成し、該曲がり角∂3=30度である。第9エッジ120i′上の点は、仮想交点A3に対して、下記の式(2):
【数9】
(式中、D3′が電極シート120′の第3エッジ120c′からハウジング100′の第3シーリングエッジ103′までの垂直距離であり、D4′が電極シート120′の第4エッジ120d′からハウジング100′の第4シーリングエッジ104′までの垂直距離である。)により算出された最小距離L3を有する。
【0071】
電極シート120′の第4エッジ120d′と電極シート120′の第5エッジ120e′とは、第10シーリングエッジ110′の近傍で交点Bで交差し、交点Bで曲がり角∂4を形成し、該曲がり角∂4=270度である。このとき、交点Bと第10シーリングエッジ110′とが摩耗関係を有しないため、電極シート120′の第5エッジ120e′及び第4エッジ120d′を特別に処理する必要がない。
【0072】
第11シーリングエッジ111′は半径R5且つ中心角¢5=90度の仮想扇形領域S5を画定する。電極シート120′の第5エッジ120e′は仮想延長線120e′′′を有し、電極シート120′の第6エッジ120f′は仮想延長線120f″を有し、仮想延長線120e′′′と仮想延長線120f″とが交差して仮想交点A5を形成し、仮想交点A5は仮想扇形領域S5内に位置する。第5エッジ120e′の仮想延長線120e′′′と第6エッジ120f′の仮想延長線120f″とが仮想交点A5で曲がり角∂5を形成し、該曲がり角∂5=90度である。第10エッジ120j′上の点から仮想交点A5までの最小距離L5′は、下記の式(3):
【数10】
(式中、D6′が電極シート120′の第6エッジ120f′からハウジング100′の第6シーリングエッジ106′までの垂直距離であり、D5′が電極シート120′の第5エッジ120e′からハウジング100′の第5シーリングエッジ105′までの垂直距離である。)により算出される。
【0073】
第12シーリングエッジ112′は、半径R6且つ中心角¢6=90度の仮想扇形領域S6を画定する。電極シート120′の第6エッジ120f′は仮想延長線120f′′′を有し、電極シート120′の第1エッジ120a′は仮想延長線120a′′′を有し、仮想延長線120f′′′と仮想延長線120a′′′とが交差して仮想交点A6を形成し、仮想交点A6は仮想扇形領域S6内に位置する。第6エッジ120f′の仮想延長線120f′′′と第1エッジ120a′の仮想延長線120a′′′とが仮想交点A6で曲がり角∂6を形成し、該曲がり角∂6=90度である。第11エッジ120k′上の点から仮想交点A6までの最小距離L6′は、下記の式(4):
【数11】
(式中、D6′が電極シート120′の第6エッジ120f′からハウジング100′の第6シーリングエッジ106′までの垂直距離であり、D1′が電極シート120′の第1エッジ120a′からハウジング100′の第1シーリングエッジ102a′までの垂直距離である。)により算出される。
【0074】
本願の実施例は更に電子設備を提供し、該電子設備は本願の実施例に係る1つ又は複数の電池セルを備えてもよい。
【0075】
以上は本願の技術的内容及び技術的特徴を説明したが、当業者であれば本願の教示及び開示に基づいて本願の趣旨から逸脱せずに種々の置換や修飾を行うことができる。従って、本願の保護範囲は実施例に開示される内容に限られず、本願の趣旨から逸脱しない種々の代替方式や修飾方式を含んで、本願の特許請求の範囲に含まれると理解すべきである。