(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】紡績機器の除塵装置
(51)【国際特許分類】
D01H 11/00 20060101AFI20220711BHJP
B08B 13/00 20060101ALI20220711BHJP
B08B 5/04 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
D01H11/00 A
B08B13/00
B08B5/04 Z
(21)【出願番号】P 2021553849
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(86)【国際出願番号】 CN2019108500
(87)【国際公開番号】W WO2021056410
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】201921620980.X
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521395997
【氏名又は名称】蘇州徽盈紡織科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU HUIYING TEXTILE TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 714, 715, Building 23, No. 1188 West Second Ring Road, Shengze Town, Wujiang District Suzhou, Jiangsu 215228, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】徐 海峰
(72)【発明者】
【氏名】王 明輝
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207102236(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第108728999(CN,A)
【文献】中国実用新案第208810738(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/00-17/02
B08B 1/00- 1/04
B08B 5/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績機器の除塵装置であって、支持台(1)、接続板(3)、紡績箱体(4)、箱ドア(5)、紡績操作台(8)、駆動モータ(10)、スクリュー(11)、支持ロッド(12)、スライド座(13)、
前記紡績操作台(8)上の紡績品を加工する紡績機構(14)、吸塵パイプ(16)、接続ホース(18)、貯塵部(20)及び吸塵器(21)を含み、
前記支持台(1)の下端には、複数組の支持脚(2)が設けられ、前記接続板(3)は、複数組の前記支持脚(2)の中部に接続されており、前記紡績箱体(4)は、前記支持台(1)に設けられ、前記紡績箱体(4)の両端の側壁には、それぞれ第一風取入口(41)及び第二風取入口(42)が設けられ、前記紡績箱体(4)に軸受(9)が接続されており、前記紡績操作台(8)は、前記支持台(1)に設けられ、且つ前記紡績箱体(4)内に位置し、前記箱ドア(5)は、前記紡績箱体(4)の前端に回動可能に設けられ、前記箱ドア(5)にドア取っ手(6)が設けられており、前記駆動モータ(10)は、前記紡績箱体(4)に接続され、前記駆動モータ(10)の出力端が前記スクリュー(11)と繋げられており、前記スクリュー(11)における前記駆動モータ(10)から離れた端は、前記軸受(9)の内輪に接続されており、前記支持ロッド(12)は、前記紡績箱体(4)内に設けられ、且つ前記スクリュー(11)と平行であり、前記スライド座(13)には、前記スクリュー(11)と合わせたねじ孔(131)、及び、前記支持ロッド(12)と滑合される貫通孔(132)が設けられ、前記スライド座(13)の上端には、前記吸塵パイプ(16)と繋げられる支持板(15)が設けられており、前記吸塵パイプ(16)の両端は、前記スライド座(13)から外に伸出して複数組の吸塵ヘッド(17)が接続されており、前記吸塵パイプ(16)にパイプ接続孔(161)が設けられており、前記紡績機構(14)は、前記スライド座(13)の下端に接続されており、前記接続ホース(18)は、一端が前記パイプ接続孔(161)に接続され、他端が前記貯塵部(20)と繋げられており、前記貯塵部(20)及び吸塵器(21)は、前記接続板(3)に設けられ、前記貯塵部(20)と前記吸塵器(21)とが繋げられている、ことを特徴とする紡績機器の除塵装置。
【請求項2】
前記接続板(3)には、回収した紡績廃物を貯留するための収納箱(22)が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機器の除塵装置。
【請求項3】
前記箱ドア(5)には、観察ビューポート(7)が設けられ、前記観察ビューポート(7)に透明な強化ガラスが設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機器の除塵装置。
【請求項4】
前記第一風取入口(41)には、第一ダストフィルタ(23)が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機器の除塵装置。
【請求項5】
前記第二風取入口(42)には、第二ダストフィルタ(24)が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機器の除塵装置。
【請求項6】
前記紡績箱体(4)内に接続ロッド(19)が設けられ、前記接続ホース(18)は、前記接続ロッド(19)に螺旋状に掛け回されている、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機器の除塵装置。
【請求項7】
前記吸塵ヘッド(17)は、漏斗型である、ことを特徴とする請求項1に記載の紡績機器の除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績機器の技術分野に関し、特に紡績機器の除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紡績機器とは、天然繊維又は化学繊維を紡績品に加工するために必要となる様々な機械設備である。化学繊維を生産する機械は、様々な化学機械を含むが、現在、紡績機器の延長と見なされ、広い意味での紡績機器に属している。綿、麻、絹や毛等の様々な繊維を紡績品に加工するために必要な工程は、全て同じではおらず、全く異なることもあるため、必要なマシンも多様であり、種類が多い。紡績機器は、通常、生産過程に従って分類され、例えば紡糸機器、製織機器、捺染機器、仕上げ機器、化学繊維曳糸機器、製糸機器及び不織布機器がある。紡糸機器は、更に短繊維加工用及び長繊維加工用の2種類に分けられる。綿及び綿タイプの化学繊維は、短繊維類に属し、毛、麻、絹及びそれらの混紡化学繊維は、長繊維類に属する。両種類の繊維は、加工工程が異なり、機器の共用もできず、ただ一部のマシンの設計原理が似ているだけである。
【0003】
紡績機器は、現在の人々の生活に欠かせない機械の一種として、製織業界で非常に重要なポジションを占めている。しかしながら、紡績機器の使用中には、原料から布地への加工までは、多くの工程が必要となり、各々の工程の加工中には、紡績布の材料の原因で、風綿や塵埃が大量に発生することが多く、深刻な汚染を引き起こすだけでなく、使用中には、ほとんど手作業による清掃や擦取りが行われるため、効率が低くて手間がかかり、風綿や塵埃が長期間蓄積されると、機器も故障し易くなり、紡績機器の使用寿命が短くなる事態に繋がる。
【0004】
上記問題を解決するために、本願では、紡績機器の除塵装置を提案する。
【発明の概要】
【0005】
(一)発明目的
背景技術に存在する技術的問題を解決するために、本発明は、移動式吸塵パイプにより、紡績加工で発生した塵屑に対する吸取り効果が効果的に向上される紡績機器の除塵装置を提案する。
【0006】
(二)解決手段
本発明は、紡績機器の除塵装置であって、支持台、接続板、紡績箱体、箱ドア、紡績操作台、駆動モータ、スクリュー、支持ロッド、スライド座、紡績機構、吸塵パイプ、接続ホース、貯塵部及び吸塵器を含み、
前記支持台の下端には、複数組の支持脚が設けられ、前記接続板は、複数組の前記支持脚の中部に接続されており、前記紡績箱体は、前記支持台に設けられ、前記紡績箱体の両端の側壁には、それぞれ第一風取入口及び第二風取入口が設けられ、前記紡績箱体に軸受が接続されており、前記紡績操作台は、前記支持台に設けられ、且つ前記紡績箱体内に位置し、前記箱ドアは、前記紡績箱体の前端に回動可能に設けられ、前記箱ドアにドア取っ手が設けられており、前記駆動モータは、前記紡績箱体に接続され、前記駆動モータの出力端が前記スクリューと繋げられており、前記スクリューにおける前記駆動モータから離れた端は、前記軸受の内輪に接続されており、前記支持ロッドは、前記紡績箱体内に設けられ、且つ前記スクリューと平行であり、前記スライド座には、前記スクリューと合わせたねじ孔、及び、前記支持ロッドと滑合される貫通孔が設けられ、前記スライド座の上端には、前記吸塵パイプと繋げられる支持板が設けられており、前記吸塵パイプの両端は、前記スライド座から外に伸出して複数組の吸塵ヘッドが接続されており、前記吸塵パイプにパイプ接続孔が設けられており、前記紡績機構は、前記スライド座の下端に接続されており、前記接続ホースは、一端が前記パイプ接続孔に接続され、他端が前記貯塵部と繋げられており、前記貯塵部及び吸塵器は、前記接続板に設けられ、前記貯塵部と前記吸塵器とが繋げられている、紡績機器の除塵装置を提供している。
【0007】
好ましくは、前記接続板には、回収した紡績廃物を貯留するための収納箱が設けられている。
【0008】
好ましくは、前記箱ドアには、観察ビューポートが設けられ、前記観察ビューポートに透明な強化ガラスが設けられている。
【0009】
好ましくは、前記第一風取入口には、第一ダストフィルタが設けられている。
【0010】
好ましくは、前記第二風取入口には、第二ダストフィルタが設けられている。
【0011】
好ましくは、前記紡績箱体内に接続ロッドが設けられ、前記接続ホースは、前記接続ロッドに螺旋状に掛け回されている。
【0012】
好ましくは、前記吸塵ヘッドは、漏斗型である。
【0013】
本発明の上記解決手段は、次の有益な技術的効果を有する。紡績機構によって紡績操作台上の紡績品を加工し、駆動モータは、スクリューを回動させ、スクリュー伝動原理の下で、紡績機構を支持ロッドに沿って往復移動させ、紡績品の加工効率が向上され、吸塵パイプは、紡績機構とともに運動し、吸塵器の作用の下で、紡績加工で発生した塵屑を吸引して除去し、移動する吸塵パイプにより、紡績加工塵屑の吸取り効果が効果的に向上され、吸い取られた塵屑が貯塵部内に貯留され、塵屑による吸塵器への影響を効果的に防止することができる。本発明は、移動式吸塵パイプにより、紡績加工で発生した塵屑に対する吸取り効果が効果的に向上される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明による紡績機器の除塵装置の立体構造模式図である。
【
図2】
図2は、本発明による紡績機器の除塵装置の斜視構造模式図である。
【
図3】
図3は、本発明による紡績機器の除塵装置の正面視構造模式図である。
【
図4】
図4は、本発明による紡績機器の除塵装置の内部構造模式図である。
【
図5】
図5は、本発明による紡績機器の除塵装置におけるスライド座の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、解決手段及び利点をより明確及び明瞭にするために、以下、具体的な実施形態を挙げて図面を参照しながら、本発明を更に詳しく説明する。理解すべきなのは、これらの説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を制限するものではない。なお、以下の説明では、本発明の概念が不必要に混淆されないように、公知構造及び技術についての説明を省略している。
【0016】
図1~5に示すように、本発明による紡績機器の除塵装置は、支持台1、接続板3、紡績箱体4、箱ドア5、紡績操作台8、駆動モータ10、スクリュー11、支持ロッド12、スライド座13、紡績機構14、吸塵パイプ16、接続ホース18、貯塵部20及び吸塵器21を含み、
前記支持台1の下端には、複数組の支持脚2が設けられ、前記接続板3は、複数組の前記支持脚2の中部に接続されており、前記紡績箱体4は、前記支持台1に設けられ、前記紡績箱体4の両端の側壁には、それぞれ第一風取入口41及び第二風取入口42が設けられ、前記紡績箱体4に軸受9が接続されており、前記紡績操作台8は、前記支持台1に設けられ、且つ前記紡績箱体4内に位置し、前記箱ドア5は、前記紡績箱体4の前端に回動可能に設けられ、前記箱ドア5にドア取っ手6が設けられており、前記駆動モータ10は、前記紡績箱体4に接続され、前記駆動モータ10の出力端が前記スクリュー11と繋げられており、前記スクリュー11における前記駆動モータ10から離れた端は、前記軸受9の内輪に接続されており、前記支持ロッド12は、前記紡績箱体4内に設けられ、且つ前記スクリュー11と平行であり、前記スライド座13には、前記スクリュー11と合わせたねじ孔131、及び、前記支持ロッド12と滑合される貫通孔132が設けられ、前記スライド座13の上端には、前記吸塵パイプ16と繋げられる支持板15が設けられており、前記吸塵パイプ16の両端は、前記スライド座13から外に伸出して複数組の吸塵ヘッド17が接続されており、前記吸塵パイプ16にパイプ接続孔161が設けられており、前記紡績機構14は、前記スライド座13の下端に接続されており、前記接続ホース18は、一端が前記パイプ接続孔161に接続され、他端が前記貯塵部20と繋げられており、前記貯塵部20及び吸塵器21は、前記接続板3に設けられ、前記貯塵部20と前記吸塵器21とが繋げられている。
【0017】
本発明では、紡績機構14によって紡績操作台8上の紡績品を加工し、駆動モータ10は、スクリュー11を回動させ、スクリュー伝動原理の下で、紡績機構14を支持ロッド12に沿って往復移動させ、紡績品の加工効率が向上され、吸塵パイプ16は、紡績機構14とともに運動し、吸塵器21の作用の下で、紡績加工で発生した塵屑を吸引して除去し、移動する吸塵パイプ16により、紡績加工塵屑の吸取り効果が効果的に向上され、吸い取られた塵屑が貯塵部20内に貯留され、塵屑による吸塵器21への影響を効果的に防止することができる。本発明は、移動式吸塵パイプにより、紡績加工で発生した塵屑に対する吸取り効果が効果的に向上される。
【0018】
1つの選択的な実施例において、前記接続板3には、回収した紡績廃物を貯留するための収納箱22が設けられている。
【0019】
説明すべきなのは、紡績品加工中には、紡績廃物が多く発生し、これらの廃物には、回収して再利用可能なものがあり、収納箱22を設けることで、紡績加工中に発生した廃物が効果的に収集され、回収使用に有利であり、コストが節約される。
【0020】
1つの選択的な実施例において、前記箱ドア5には、観察ビューポート7が設けられ、前記観察ビューポート7に透明な強化ガラスが設けられている。
【0021】
説明すべきなのは、箱ドア5は、機器加工時の塵屑の飛散を防止するために閉じられ、観察ビューポート7の設置により、機器内の紡績加工に対する観察が容易になる。
【0022】
1つの選択的な実施例において、前記第一風取入口41には、第一ダストフィルタ23が設けられている。
【0023】
説明すべきなのは、吸塵器21は、塵屑を除去するために紡績箱体4内を吸気し、第一風取入口41は、外気と連通して吸塵器21と紡績箱体4との間に空気の流れを形成させ、第一ダストフィルタ23の設置により、空気中の塵埃やごみが効果的に濾過され、空気中の塵埃やごみが紡績箱体4内に入り込んで紡績品の品質に影響を与えてしまうことを防止される。
【0024】
1つの選択的な実施例において、前記第二風取入口42には、第二ダストフィルタ24が設けられている。
【0025】
説明すべきなのは、吸塵器21は、塵屑を除去するために紡績箱体4内を吸気し、第二風取入口42は、外気と連通して吸塵器21と紡績箱体4との間に空気の流れを形成させ、第二ダストフィルタ24の設置により、空気中の塵埃やごみが効果的に濾過され、空気中の塵埃やごみが紡績箱体4内に入り込んで紡績品の品質に影響を与えてしまうことを防止される。
【0026】
1つの選択的な実施例において、前記紡績箱体4内に接続ロッド19が設けられ、前記接続ホース18は、前記接続ロッド19に螺旋状に掛け回されている。
【0027】
説明すべきなのは、接続ホース18によって、吸塵パイプ16と貯塵部20とが接続され、接続ホース18は、接続ロッド19に接続されており、吸塵パイプ16とともに移動し易くなる。
【0028】
1つの選択的な実施例において、前記吸塵ヘッド17は、漏斗型である。
【0029】
説明すべきなのは、吸塵ヘッド17は、紡績箱体4内に紡績加工で発生した塵屑を吸い取るためのものであり、漏斗型の吸塵ヘッドの構造により、塵屑に対する吸取り範囲が効果的に拡大される。
【0030】
理解されたいのは、本発明の上記具体的な実施形態は、あくまでも本発明の原理を例示的に説明又は解釈するためのものに過ぎず、本発明に対する制限を構成しない。したがって、本発明の精神及び範囲から逸脱ことなく行われた修正、同等的置換、改良等は、全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。なお、本発明の添付の特許請求の範囲は、添付の特許請求の範囲及び境界、又はこれらの範囲及び境界の同等の形態内の全ての変更及び修正例をカバーすることを意図している。
【符号の説明】
【0031】
1 支持台、2 支持脚、3 接続板、4 紡績箱体、41 第一風取入口、42 第二風取入口、5 箱ドア、6 ドア取っ手、7 観察ビューポート、8 紡績操作台、9 軸受、10 駆動モータ、11 スクリュー、12 支持ロッド、13 スライド座、131 ねじ孔、132 貫通孔、14 紡績機構、15 支持板、16 吸塵パイプ、161 パイプ接続孔、17 吸塵ヘッド、18 接続ホース、19 接続ロッド、20 貯塵部、21 吸塵器、22 収納箱、23 第一ダストフィルタ、24 第二ダストフィルタ