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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】デジタル測定装置及びその測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20220712BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A61C19/04
G01B11/02 H
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020031425
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021090711
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2020-02-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0164002
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516098513
【氏名又は名称】ビーアンドエル バイオテック インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】B&L BIOTECH,INC.
【住所又は居所原語表記】No.502, 95, Gwangdeokdong-ro Danwon-gu, Ansan-si Gyeonggi-do Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】320003149
【氏名又は名称】李 仁煥
【氏名又は名称原語表記】LEE, In Whan
【住所又は居所原語表記】No. 502, 95, Gwangdeokdong-ro, Danwon-gu, Ansan-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 仁煥
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ギソー
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-090095(JP,U)
【文献】実開昭58-032410(JP,U)
【文献】特開平08-201024(JP,A)
【文献】特開2008-292359(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2829254(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0040917(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/04
G01B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定しようとする測定対象が載置され、基準値を設定するための基準情報が表示される載置部と、
前記載置部に載置された第1測定対象を撮影した第1イメージの長さを予め設定された前記基準値と対比して、前記基準情報の内部に進入した前記第1測定対象の長さを測定し、前記基準情報の内部に進入した第2測定対象の長さを前記基準情報の内部に進入した前記第1測定対象の長さである第1測定値に一致するように使用者が調節するための基準を使用者に提供する測定部とを含み、
前記測定部は、
前記載置部と対向して前記測定対象を撮影する撮影部と、
前記基準情報に基づいて基準値を設定し、前記撮影部から撮影されたイメージの長さを、前記基準値の長さ又は面積と対比て測定値を算出する算出部と、
基準情報の内部に進入した前記第2測定対象の長さを第1測定値に前記使用者が調節するための基準を提供する基準提供部とを含み、
前記基準提供部は、前記算出部で算出された前記第1測定値に対応する第2イメージを、前記基準情報の内部に進入した前記第2測定対象の長さを前記第1測定値に調節するための基準とするために、前記第2イメージが前記第1測定値に対応して表示されるディスプレイ手段を含み、
前記使用者が前記載置部上に前記第2測定対象を進入させることにより、前記ディスプレイ手段に表示された画像であって、前記第2イメージが表示された画像に前記撮影部により撮影された前記第2測定対象に対応する第3イメージを進入させて、前記第2イメージの長さと前記第3イメージの長さとを比較することにより前記基準情報の内部に進入した前記第2測定対象の長さを測定可能であるか、または、
記ディスプレイ手段に前記測定値に対応して表示された前記第2イメージに並べて前記第2測定対象を前記使用者が載置して、前記第2イメージの長さと前記基準情報の内部に進入した前記第2測定対象の長さとを比較することにより前記基準情報の内部に進入した前記第2測定対象の長さを測定可能である、デジタル測定装置。
【請求項2】
前記載置部は、前記測定対象が載置されるように平坦な載置台を含み、
前記載置台には、前記基準値を設定するための前記基準情報が表示される、請求項1に記載のデジタル測定装置。
【請求項3】
前記載置台の下部には、前記測定対象に向かって照明するバックライトが設けられ、前記載置台は、前記載置部から選択的に分離されて消毒可能な、請求項2に記載のデジタル測定装置。
【請求項4】
前記測定部は、過去に測定された、前記基準情報の内部に進入した測定対象の長さである第2測定値を前記基準値として設定する、請求項1に記載のデジタル測定装置。
【請求項5】
前記基準提供部は、前記第1測定対象が前記載置部に載置されて撮影されて形成された前記第2イメージと、前記第1測定対象と異なる前記第2測定対象が前記載置部に載置されて撮影されて形成された前記第3イメージとを隣り合わせて表示し、前記使用者が前記ディスプレイ手段に表示された画像中において前記第2イメージの長さに対して前記第3イメージの長さが一致するように調節可能である、請求項1に記載のデジタル測定装置。
【請求項6】
前記基準提供部は、前記基準情報の内部に進入した前記第2測定対象の長さが前記第1測定値に近づくと報知音を発生させる報知手段を含む、請求項1に記載のデジタル測定装置。
【請求項7】
基準値の設定のための基準情報が表示された載置台に第1測定対象が載置されて撮影されると、前記基準情報に基づいて前記基準値を設定し、前記第1測定対象の撮影された第1イメージと前記基準値とを相互に対比して、測定しようとする前記第1測定対象の長さに対応する第1測定値を測定する測定ステップと、
前記第1測定値を基準として、使用者が、前記第1測定対象と異なる第2測定対象が備えるストッパを移動させて前記第2測定対象の先端から前記ストッパまでの間の距離である第2測定値を調節する調節ステップとを含み、
前記調節ステップは、
前記第1測定対象の長さに対応する前記第1測定値がディスプレイ手段を通じて第2イメージとして表示される表示ステップと、
記第2イメージを基準として、測定対象を撮影する撮影部が対向配置された載置台の所定箇所に前記ストッパを固定した状態で前記載置台に対して前記第2測定対象を前記使用者が移動させることにより、前記第2測定対象に対して前記ストッパを前記使用者が移動させ、かつ、前記ディスプレイ手段に表示された画像であって、前記第2イメージが表示された画像に、前記撮影部により撮影された前記第2測定対象に対応する第3イメージを進入させて、前記第2測定値を前記第2イメージの長さに一致させるか、または、
記ディスプレイ手段上に前記第2測定対象を前記使用者が直接載置し、前記第2測定対象の前記先端から前記ストッパまでの長さが前記第2イメージの長さと一致するように前記ストッパの位置を前記使用者が調節する一致ステップとを含み、
前記一致ステップは、前記第2測定対象を繰り返して進入させて繰り返し測定が可能な、デジタル測定方法。
【請求項8】
前記基準値は、過去に測定された、前記基準情報の内部に進入した第3測定対象の長さである第2測定値を前記基準値として設定する、請求項7に記載のデジタル測定方法。
【請求項9】
前記調節ステップは、
前記第1及び第2測定値がディスプレイ手段を通じて第2及び第3イメージとして相互に並んで表示される表示ステップと、
前記第2イメージの長さを基準として前記第3イメージの長さが一致するように前記第2測定対象を調節する一致ステップとを含み、
前記一致ステップは、前記第2測定対象を繰り返して進入させて繰り返し測定が可能な、請求項7に記載のデジタル測定方法。
【請求項10】
前記第1及び第2測定対象は載置台に載置され、
前記載置台の下部には、前記第1及び第2測定対象に向かって照明するバックライトが設けられ、
前記載置台は分離及び消毒可能な、請求項7に記載のデジタル測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2019年12月10日付の韓国特許出願第10-2019-0164002号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、デジタル測定装置及びその測定方法に関し、より具体的には、歯科用エンドファイルのような測定対象の精密測定が可能なデジタル測定装置及びその測定方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般の歯科用エンドファイル(Endodontic file)は、根管長測定、歯髄(神経)除去及び根管形成のような歯科治療に使用される。ここで、根管形成は、歯牙の神経管の内部に残っている神経及び感染した神経管の壁をきれいに除去し、広げる過程である。
【0004】
一方、根管を治療するためには、根管の長さの測定が先に行われなければならない。このような根管治療は、患者ごとに歯牙の神経の長さが異なるため、患者のそれぞれの神経の長さに合う長さでエンドファイルを使用しなければならない。
【0005】
エンドファイルには一般にストッパーを備え、根管長測定においてストッパーを測定地点に移動させて根管長を表示する。ここで、ストッパーの移動によりエンドファイルに根管長が表示されると、エンドファイルの長さを測定して根管作業長を算出する。このとき、順次に根管を丸く拡張させ、歯根端の内部の神経組織などの残骸も除去しなければならないため、相対的に厚さが薄いエンドファイルから始め、次第に太いエンドファイルを使用するようになる。
【0006】
一方、治療者の手作業に依存してエンドファイルのストッパーの位置を調整する場合、微細な目盛りを読むのに困難があるため、長さの測定の正確度に限界がある。それだけでなく、治療者のミスによりストッパーの位置が変更されることがあるので、反復的な長さの測定により施術の時間が長くなると共に、治療の信頼度が低下することがある。
【0007】
これによって、近年では、エンドファイルの長さを正確に測定して治療の正確度及び信頼度を向上させるための研究が持続的に求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-1373064号
【文献】大韓民国特許出願公報第10-2017-0147059号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、歯科治療のためのエンドファイルのような測定対象の長さの測定の正確度及び治療の信頼度を向上させることができるデジタル測定装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、前記目的が達成されたデジタル測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係るデジタル測定装置は、測定しようとする測定対象が載置される載置部と、前記載置部に載置された前記測定対象を撮影したイメージを予め設定された基準値と対比して前記測定対象を測定し、前記測定対象の測定値に新しい測定対象の長さを調節するための基準を提供する測定部とを含む。
【0012】
また、前記載置部は、前記測定対象が載置されるように平坦な載置台を含み、前記載置台には、前記基準値を設定するための基準情報が表示されてもよい。
【0013】
また、前記載置台の下部には、前記測定対象に向かって照明するバックライトが設けられ、前記載置台は、前記載置部から選択的に分離されて消毒可能であってもよい。
【0014】
また、前記測定部は、既存に測定された前記測定対象の測定値を前記基準値として設定することができる。
【0015】
また、前記測定部は、前記載置部と対向して前記測定対象を撮影する撮影部と、前記撮影部から撮影された前記イメージを前記基準値を基準としてキャリブレーションして前記測定値を算出する算出部と、前記測定値に前記新しい測定対象の長さを調節するための基準を提供する調節部とを含むことができる。
【0016】
また、前記調節部は、前記算出部で算出された前記測定値に対応するイメージを基準として提供するために、前記イメージが表示されるディスプレイ手段を含むことができる。
【0017】
また、前記調節部に表示された前記イメージに前記新しい測定対象を進入させて前記新しい測定対象の長さを測定することができる。
【0018】
また、前記調節部は、前記測定対象が前記載置部に載置されて撮影された第1イメージと、前記測定対象と異なる前記新しい測定対象が前記載置部に載置されて撮影された第2イメージとを隣り合わせて表示し、前記第1イメージに対して前記第2イメージの長さを調節することができる。
【0019】
また、前記調節部は、前記新しい測定対象の長さが前記測定値に近づくほど報知音を発生させる報知手段を含むことができる。
【0020】
本発明の好ましい一実施例に係るデジタル測定方法は、予め設定された基準値と対比して、測定しようとする第1測定対象の長さに対応する第1測定値を測定する測定ステップと、前記第1測定値を基準として、前記第1測定対象と異なる第2測定対象の第2測定値を調節する調節ステップとを含む。
【0021】
また、前記基準値は、前記測定ステップの前に測定された測定値が設定されてもよい。
【0022】
また、前記測定ステップは、前記基準値の設定のための基準情報が表示された載置台に前記第1測定対象が載置されて撮影されると、前記第1測定対象の撮影された第1イメージと前記基準値とを相互に対比して第1測定値を測定することができる。
【0023】
また、前記調節ステップは、前記第1測定値がディスプレイ手段を通じて第1イメージとして表示される表示ステップと、前記第1イメージを基準として前記第2測定対象を進入させて、前記第2測定対象の長さを前記第1イメージに一致させる一致ステップとを含み、前記一致ステップは、測定されていない他の測定対象を継続して進入させて繰り返し測定が可能であってもよい。
【0024】
また、前記調節ステップは、前記第1及び第2測定値がディスプレイ手段を通じて第1及び第2イメージとして相互に並んで表示される表示ステップと、前記第1イメージを基準として前記第2イメージが一致するように前記第2測定対象を調節する一致ステップとを含み、前記一致ステップは、測定されていない新しい第2測定対象を継続して進入させて繰り返し測定が可能であってもよい。
【0025】
また、前記一致ステップの後に、前記第2測定値が前記第1測定値に対応することを知らせる報知ステップをさらに含み、前記報知ステップは、前記第2測定値が前記第1測定値に次第に近づくほど、報知音を次第に早く発生させることができる。
【0026】
また、前記第1及び第2測定対象は載置台に載置され、前記載置台の下部には、前記第1及び第2測定対象に向かって照明するバックライトが設けられ、前記載置台は分離及び消毒可能であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
上記のような構成を有する本発明によれば、設定された基準値を基準として、測定対象を撮影したイメージにおいて特定の区間の長さを相互に対比して、測定対象の長さを換算することによって、撮影ピクセル、撮影のための距離などのような撮影条件に関係なく、高精度な長さの測定が可能になる。
【0028】
また、簡単な構造で歯科用治療器具の一つであるエンドファイルのような測定対象の長さの測定の正確度を向上させることができるので、使用者の接近性の向上と共に、治療の信頼度の向上にも寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の好ましい一実施例に係るデジタル測定装置を概略的に示す斜視図である。
図2図1に示された載置台に基準情報が表示された状態を概略的に示す図である。
図3図1に示されたデジタル測定装置を用いたデジタル測定方法を概略的に示すフローチャートである。
図4図3の調節ステップの第一の調節方法を説明するために概略的に示す図である。
図5図3の調節ステップの第二の調節方法を説明するために概略的に示す図である。
図6図5による第二の調節方法によって調節部に第1及び第2イメージが表示された状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい一実施例を添付の図面を参照して説明する。ただし、本発明の思想がそのような実施例に制限されず、本発明の思想は、実施例をなす構成要素の付加、変更及び削除などによって異なって提案され得るが、これも発明の思想に含まれるものである。
【0031】
図1を参照すると、本発明の好ましい一実施例に係るデジタル測定装置1は、載置部10及び測定部20を含む。
【0032】
参考に、本発明で説明するデジタル測定装置1は、歯科治療のための歯科用測定対象2の長さを測定するためのものとして例示する。また、測定対象2は、歯の神経の治療において根管長測定、歯髄(神経)除去、根管形成などに使用されるエンドファイル(Endodontic file)であるものとして例示するが、これに限定されないことは当然である。
【0033】
載置部10は測定対象2が載置される。このような載置部10は、デジタル測定装置1の本体であって、測定対象2が載置され得るように平板状の載置台11を備える。また、載置部10の一側には、所定の情報を表示できるように表示窓12が設けられる。このような表示窓12の位置は図示の例に限定せず、測定対象2の測定情報をはじめとして、様々な情報を表示することができる。
【0034】
一方、図2に示したように、載置台11には基準情報Dが表示され得る。ここで、基準情報Dは、測定対象2の長さの測定のための基準を提供するために載置台11に表示される。このような基準情報Dは、互いに異なる第1及び第2長さD1,D2を有する略矩形の図形であるものとして例示するが、これに限定されないことは当然である。
【0035】
また、詳細に図示していないが、載置台11の下部には、載置された測定対象2に向かって照明するバックライトが設けられてもよい。このようなバックライト(図示せず)によって測定対象2が照明されることによって、後述する測定部20による測定対象2の認識率を向上させることができる。なお、載置台11は、載置部10から選択的に分離可能であり、分離された載置台11は消毒可能である。すなわち、載置台11に歯科用治療道具を含む測定対象2が載置されるので、細菌から測定しようとする測定対象2を保護するために消毒可能なものである。
【0036】
ここで、図5のように、載置台11には、測定対象2のストッパー3が挿入されて姿勢を固定させることができる挿入溝14が設けられ得る。それにより、挿入溝14にストッパー3が挿入されて固定された状態で、基準情報Dの内部に進入した測定対象の長さLを調節することができる。
【0037】
測定部20は、載置部10に載置された測定対象2を撮影したイメージを、予め設定された基準値Sと対比して測定対象を測定し、測定対象2の測定値に新しい測定対象2の長さを調節するための基準を提供する。このために、測定部20は、撮影部30、算出部40及び調節部50を含む。
【0038】
撮影部30は、載置部10の載置台11と対向して測定対象2を撮影する。このような撮影部30は、載置部10から垂直上方向に延びて柱形状を有する連結部材13と連結されることによって、載置部10と一体に設けられ得る。しかし、必ずしもこれに限定するものではなく、撮影部30が載置部10と別途に設けられ、測定対象2の撮影時のみに載置部10と対向するように位置させる変形例も可能であることは当然である。
【0039】
ここで、撮影部30は、一般的なカメラ、撮影センサなどのような様々なイメージ撮影手段のいずれか1つで設けられてもよい。また、撮影部30は、載置部10の載置台11のみを撮影するように設定されることによって、他の領域の不要な撮影を遮断する方がよい。
【0040】
算出部40は、撮影部30から撮影されたイメージを、基準値Sを基準としてキャリブレーションして、測定値を算出する。このために、算出部40は、測定対象2の測定に先立ち、基準情報Dを基準として基準値Sを設定する。また、算出部40は、測定対象2の撮影されたイメージにおいて、特定の区間の長さを基準値Sの長さ又は面積と対比するキャリブレーションを通じて、測定対象2の長さLを測定する。それにより、撮影部30を通じて撮影されたイメージのピクセル、測定対象2と撮影部30との間の距離などのような撮影の要因に関係なく、算出部40は、測定対象2の長さの測定における正確度を向上させることができるようになる。
【0041】
ここで、基準値Sは、載置台11の基準情報Dに置かれて予め撮影されて測定された測定対象2の測定値であるものとして例示し、算出部40は、基準値Sを基準として、エンドファイルである測定対象2の端部からストッパー3までの長さを測定することができる。
【0042】
調節部50は、算出部40で算出された測定対象2の測定値に新しい測定対象2の長さを調節するための基準を提供する。このような調節部50は、図4のように、予め設定された基準情報Dを基準として撮影部30から撮影されて算出された測定対象2の測定値に対応するイメージIを表示するディスプレイ手段を含む。ここで、ディスプレイ手段を含む調節部50に測定値に対応するイメージIが表示されると、使用者は、イメージIと並んで新しい測定対象2を直接進入させるか、または新しい測定対象2を撮影した新しいイメージを比較することができる。
【0043】
一方、ディスプレイ手段を含む調節部50には撮影部30と連結されて、載置台11のリアルタイム映像を表示することができる。また、調節部50には、測定対象2の測定された測定値に対応する長さに延びた棒形状を有するイメージIを表示するものとして例示するが、これに限定されないことは当然である。
【0044】
参考に、本実施例では、調節部50が載置部10と別途に設けられるか、または載置部10に設けられてもよい。このような調節部50を通じて、作業者が目視で測定対象2を確認しながら、載置台11に測定対象2を載置させることができる。
【0045】
以下では、図3を参照して、図1及び図2のようなデジタル測定装置1を用いたデジタル測定方法を説明する。
【0046】
図3のように、デジタル測定方法は、測定ステップ110及び調節ステップ120を含む。
【0047】
測定ステップ110は、予め設定された基準値Sと対比して、測定しようとする測定対象2の長さに対応する測定値を測定する。このために、測定ステップ110は、測定しようとする測定対象2に対する基準値Sを設定する。ここで、基準値Sは、矩形形状を有する基準情報Dを基準として測定された測定対象2の長さに対応するものとして設定され得る。このように基準値Sが設定されると、測定ステップ110は、撮影部30が載置台11に載置された測定対象2を撮影して、基準値Sを基準としてキャリブレーションすることによって、測定対象2の長さLを測定する。
【0048】
調節ステップ120は、測定された測定対象2の長さと一致するように新しい測定対象2の長さを調節するための基準を提供する。このような調節ステップ120は、測定された測定値に対応するイメージIを基準として、新たに進入する測定対象2の長さが相互に一致するように測定対象2のストッパー3の位置を調節する。
【0049】
参考に、調節ステップ120は、新しい測定対象2を継続して進入させて繰り返し測定を通じた長さの調節が可能である。一方、調節ステップ120は、次のような2つの調節方法で測定対象2の長さを調節することができる。
【0050】
第一の調節方法は、図4に示したように、測定ステップ110で測定された測定値が、ディスプレイ手段を含む調節部50を通じてイメージIとして表示される。すなわち、調節部50は、新しい測定対象2の長さの調節のための基準としてイメージIを表示するものである。
【0051】
その後、使用者が、新しい測定対象2を、調節部50に表示されたイメージIと一致するように調節部50に進入させる。このとき、使用者は、測定対象2であるエンドファイルのストッパー3から端部までの長さLがイメージIの長さと一致するようにストッパー3の位置を調整することによって、イメージIと新しい測定対象2の長さが相互に一致するように調節することがよい。このような調節方法は、継続して他の測定対象2を進入させて長さを調節することができる。
【0052】
一方、測定された測定対象2の長さ、すなわち、測定値は表示窓12に表示され得る。
【0053】
第二の調節方法を、図5及び図6を参照して説明する。
【0054】
図5のように、測定ステップ110で測定された測定値は、第1イメージI1として調節部50を通じて表示される。また、新しい測定対象2も、載置台11に矢印方向に進入して長さが測定され、測定された新しい測定対象2の測定値を第2イメージI2として調節部50を通じて表示する。すなわち、 調節部50は、第1イメージI1を、新しい測定対象2の長さを調節するための基準として提供し、第1イメージI1と並んで第2イメージI2を表示することによって、相互に長さを対比させる。
【0055】
それにより、使用者は、載置台11に載置された2番目の測定対象2の長さを調整して、第1イメージI1に対応する長さに2番目の測定対象2の長さを調節して一致させる。
【0056】
このような第二の測定方法は、ディスプレイ部31に表示された第1イメージI1と比較するように、他の測定対象2を載置台11に継続して進入させることによって、新しい測定対象2に対する反復的な長さの測定が可能である。ここで、新たに進入する測定対象2の長さが設定された寸法に近づくことを、使用者に報知音のような報知手段を通じて知らせることができる。例えば、新しい測定対象2の撮影イメージの長さが1番目の撮影イメージである第1イメージI1の長さと一致するほど、報知音が早く鳴ることができる。
【0057】
以上のように、測定対象2の長さを測定するために、算出部40は基準値Sを設定し、設定された基準値Sを基準として実際の測定対象2の撮影イメージIを相互に比較するキャリブレーションを通じて、測定対象2の長さを測定するようになる。それにより、測定対象2を撮影するイメージのピクセルや、測定対象2と測定部20との間の距離などのような撮影条件に関係なく、高精度な測定値を取得できるようになる。
【0058】
それだけでなく、調節部50によって、継続して新しい測定対象2が進入しても、新しい測定対象2の長さが予め測定された値に対応するまで測定対象2を繰り返して進入させることができるので、治療の信頼度を向上させることができる。
【0059】
上述したように、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更できるということが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0060】
1 デジタル測定装置
2 測定対象
3 ストッパー
10 載置部
11 載置台
20 測定部
30 撮影部
40 算出部
50 調節部
S 基準値
図1
図2
図3
図4
図5
図6