(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】エリブリン中間体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 407/14 20060101AFI20220712BHJP
C07D 307/28 20060101ALI20220712BHJP
C07D 407/06 20060101ALI20220712BHJP
C07D 409/06 20060101ALI20220712BHJP
C07D 493/22 20060101ALI20220712BHJP
C07D 493/04 20060101ALI20220712BHJP
A61K 31/357 20060101ALN20220712BHJP
A61P 35/00 20060101ALN20220712BHJP
A61P 35/04 20060101ALN20220712BHJP
C07F 7/18 20060101ALN20220712BHJP
【FI】
C07D407/14
C07D307/28 CSP
C07D407/06
C07D409/06
C07D493/22
C07D493/04 106A
A61K31/357
A61P35/00
A61P35/04
C07F7/18 A
(21)【出願番号】P 2019563797
(86)(22)【出願日】2018-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2018087247
(87)【国際公開番号】W WO2018210297
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】201710350260.5
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519395204
【氏名又は名称】セレクション バイオサイエンス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】チャン、フヤオ
(72)【発明者】
【氏名】リー、フオミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、シンミン
【審査官】二星 陽帥
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-501715(JP,A)
【文献】特表2015-512897(JP,A)
【文献】特表2016-528186(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105713031(CN,A)
【文献】特表2013-518116(JP,A)
【文献】DONG, C. G. et al.,New Syntheses of E7389 C14-C35 and Halichondrin C14-C38 Building Blocks: Reductive Cyclization and Oxy-Michael Cyclization Approaches,J. AM. CHEM. SOC.,Vol. 131,2009年,pp. 15642-15646
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 307/28 - 493/22
C07F 7/18
A61K 31/357
A61P 35/00 - 35/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップを含む方法A;或いは、
【化1】
式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップを含む方法Bであることを特徴とする
、式IIIで表される化合物の製造方法。
【化2】
[式中、
Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
R
3は水素
、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;
Yはハロゲンであ
る。」
【請求項2】
Arは、パラ位がC
1-10
アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールである、
請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
下記の式V、式VA、式VII、式VIIA、式II、式IX、又は式Xで表される化合物。
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
R
3
は水素、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;
Yは各々独立にハロゲンであり
、
Xは各々独立にハロゲン、
メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
【請求項4】
Arは、パラ位がC
1-10
アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであり;
Yは各々独立に塩素、臭素又はヨウ素であり;
Xは各々独立に塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメタンスルホネート基である、
請求項3に記載の式V、式VA、式VII、式VIIA、式II、式IX、又は式Xで表される化合物。
【請求項5】
式VIで表される化合物と式VIIで表される化合物とをNHK反応に供し、前記式Vで表される化合物を得る、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式Vで表される化合物の製造方法。
【化10】
[式中、
X、Ar、R
1、R
2及びR
3の定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりであ
る。]
【請求項6】
式VIで表される化合物と式VIIAで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式VAで表される化合物の製造方法。
【化11】
[式中、
X、Ar、R
1、R
2及びYの定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりであ
る。]
【請求項7】
化合物VIIIをヒドロキシ保護反応に供し、前記式VIIで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式VIIで表される化合物の製造方法。
【化12】
[式中、R
1、R
2、R
3及びXの定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりであり、且つR
3は水素ではない。]
【請求項8】
式VIIで表される化合物を置換反応に供し、前記式VIIAで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式VIIAで表される化合物の製造方法。
【化13】
[式中、R
1、R
2、X及びYの定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりであり;
R
3は水素
、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルである。]
【請求項9】
式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、前記式IIで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式IIで表される化合物の製造方法。
【化14】
[式中、Ar、X、R
1及びR
2の定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりである。]
【請求項10】
式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化15】
[
式中、R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
【請求項11】
R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであり、
Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメタンスルホネート基である、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式IXで表される化合物の製造方法。
【化16】
[式中、Ar、X、R
1及びR
2の定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりである。]
【請求項13】
式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする式XIIで表される化合物の製造方法。
【化17】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
【請求項14】
Arは、パラ位がC
1-10
アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであり、
Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメタンスルホネート基である、
請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを塩基性条件下で縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項3
又は請求項4に記載の式Xで表される化合物の製造方法。
【化18】
[式中、Ar、X、R
1及びR
2の定義は、請求項3
又は請求項4に記載したとおりである。]
【請求項16】
下記方法1又は方法2である、式IVで表される化合物の製造方法であって、
方法1は、
1)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
2)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
3)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得るステップ;
4)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含み、
【化19】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
方法2は、
1)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
2)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
3)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップ;
4)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含む。
【化20】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
【請求項17】
Arは、パラ位がC
1-10
アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであり、
Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメタンスルホネート基である、
請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
下記方法1、方法2、方法3又は方法4である、式IVで表される化合物の製造方法であって、
方法1は、
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式Vで表される化合物を得るステップ;
3)式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
4)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
5)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
6)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得るステップ;
7)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含み、
【化21】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
方法2は、
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式Vで表される化合物を得るステップ;
3)式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
4)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
5)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
6)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップ;
7)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含み、
【化22】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
R
3
は水素、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基である。]
方法3は、
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物を置換反応に供し、式VIIAで表される化合物を得るステップ;
3)式VIIAで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップ;
4)式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
5)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
6)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
7)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得るステップ;
8)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含み、
【化23】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
R
3
は水素、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基であり、
Yはハロゲンであ
る。]
方法4は、
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物を置換反応に供し、式VIIAで表される化合物を得るステップ;
3)式VIIAで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップ;
4)式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
5)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
6)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
7)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップ;
8)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含む。
【化24】
[
式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;
R
1
及びR
2
は、それぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;
R
3
は水素、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;
Xはハロゲン、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基であり、
Yはハロゲンであ
る。]
【請求項19】
Arは、パラ位がC
1-10
アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであり、
Xは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメタンスルホネート基であり、
Yは塩素、臭素又はヨウ素である、
請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
請求項
10、請求項11及び請求項16~請求項19のいずれか1項に記載の式IVで表される化合物の製造方法を含み、或いは、
請求項3
又は請求項4に記載の式Vで表される化合物、請求項3
又は請求項4に記載の式VAで表される化合物又は請求項3
又は請求項4に記載の式IIで表される化合物を経由してエリブリンを製造するステップを含むことを特徴とするエリブリンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2017年5月17日に出願された中国特許出願CN201710350260.5の優先権を主張した。その中国特許出願の全部内容を引用として本願に組み入れる。
【0002】
本願はエリブリン中間体及びその製造方法に関する。
【技術背景】
【0003】
エリブリン(式Iで示されている)は、海洋天然産物であるHalichondria okadaiから抽出されるマクロライド系化合物halichondrin Bに対して構造最適化を行って得られる誘導体であり、ハリコンドリン系の微小管ダイナミクス阻害剤である。FDAが2010年11月15日に最初に少なくとも2種類の化学療法を受けた歴のある転移乳癌患者に対するエリブリンメシル酸塩(Halaven)注射液を承認した以来、エーザイ会社はエリブリンの新しい適応症を積極的に広げる。当該薬品は、2016年1月28日にFDAにより手術切除不能又は転移性脂肪肉腫の二次治療への使用に承認され、進行性軟部組織肉腫の患者の生存期間を大幅に延長できる世界初の新しい抗がん剤になった。現在、当該薬品は、世界60カ国以上で転移性乳がんの治療薬として承認されているほか、米国、日本、欧州連合では切除不能又は転移性の軟部肉腫の治療への使用が承認されている。また、エーザイ会社は、2016年8月に中国食品医薬品監督管理総局に局所進行性又は転移性乳がんを治療するためのHalavenの新しい医薬品申請を提出した。最近の非臨床的研究及び形質転換研究によれば、Halavenは、抗有糸分裂効果に加えて、進行乳癌腫瘍組織において腫瘍血管リモデリングを誘導し、腫瘍のコア領域における血管灌流及び透過性を高め、腫瘍微小環境における低酸素を減らすことができると表明される。また、Halavenは上皮細胞の状態を改善し、乳がん細胞の遊走能を低下させることもできる。
【0004】
【0005】
エリブリンは、分子構造が複雑で、40個の炭素原子を有し、そのうち、19個の炭素原子がキラル中心を有する。現在の市場での医薬品供給は完全に合成的なアプローチでしか達成できず、その経路は非常に複雑であるため、合成経路設計及び合成プロセス開発、特に各キラル中心の正確かつ高度に選択的な制御には大きな課題がある。
【0006】
【0007】
現在、エリブリンの合成は、主に匹敵する複雑さの3つの中間体(それらの基本的構造は化合物VIIIA、VI及びXIaを参照できる)に対して収束的合成を行って達成される。具体的には、化合物VIIIの誘導体を化合物VIの誘導体とカップリングさせて化合物VBの誘導体を得て、数回のステップで変換した後、それを化合物XIaの誘導体と縮合させ、最後にエリブリンに変換する。フラグメントアセンブリの過程では、官能基操作のステップが多数あるため、効果的で迅速なフラグメントアセンブリ戦略の開発が多くの合成化学者の焦点となっている。
【0008】
エーザイ会社は、特許WO2005118565A1において第一回のフラグメントアセンブリを行ったとき、式VCで示されるような中間体を合成した。当該中間体のC14位は保護されたアルコール官能基であり、当該官能基は、第二回のフラグメントアセンブリを進行する前に、一回の酸化反応を経てアルデヒドを形成することが必要である。
【0009】
【0010】
米国のハーバード大学のKishi実験室は、文献に式VDに示される中間体を報告した。化合物VCと比較して、C23位のメタンスルホネート基を立体配置反転の塩素原子で置き換え、それによって閉環の条件を置き換えた。
【0011】
【0012】
正大天晴会社は、中国特許CN105713031Aに式VEで示される中間体を公開した。
【0013】
【0014】
カナダのAlphora研究会社は、特許WO2013142999A1に式VFに示される中間体を合成した。この中間体では、エリブリンの最終生成物に含まれるアミン官能基を予めC35位に導入したが、C14位の酸化状態は依然としてアルコールである。
【0015】
【0016】
要約すると、現在報告されていた合成戦略は大きな共通点を有している。すなわち、C14位での酸化状態は基本的にアルコールであり、当該酸化状態はその後の反応過程で酸化剤を添加することによって調整する必要がある。従って、エリブリンの全合成を豊富しそして最適化するためにより多くの合成戦略が必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、エリブリン中間体及びその製造方法の提供を目的とする。
既存の式Vで表されるエリブリン中間体の合成方法が比較的単純であり、そしてC14部位の酸化状態を調整する必要があるという現状に対して、本発明は、C14位アセタール保護の中間体VIIIから出発し、第一回のフラグメントアセンブリを経て、C14位にアセタール保護を有する中間体Vが得られた。従って、その後の変換において、加水分解反応のみにより、アルデヒド官能基を得ることができ、それによってその位置での炭素原子の酸化状態調整が回避され、酸化反応ステップが減少し、合成経路がよりグリーンで効率的になる。中間体V、III及びIIの合成過程において、反応条件が温和であり、合成収率が高く、精製が簡単であるので、式IVで表されるエリブリン中間体の大量生産に適している。
【0018】
本発明は、式IIIで表される化合物を提供する。
【0019】
【0020】
式中、Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
【0021】
R1及びR2は、アセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC1-10アルコキシ又はC1-10アルキルチオであり、或いは、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のグリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましい。
【0022】
前記の式IIIで表される化合物において、前記Arは、フェニル、又はパラ位がC1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル)によって置換されたフェニルであってもよく、フェニル、p-メチルフェニル、又はパラ位がエチルにより置換されたフェニルであってもよい。
【0023】
前記の式IIIで表される化合物において、前記R1及びR2は、それぞれ独立してC1-5アルコキシ(例えば、C1-3アルコキシであって、さらに例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ又はイソプロポキシ)であってもよく、或いは、前記R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5~7員の環状のアセタール(5員の環状のアセタールは
【0024】
【0025】
が挙げられ;6員の環状のアセタールは
【0026】
【0027】
が挙げられ、R10及びR11はそれぞれ独立してH又はC1-3アルキル(例えば、メチル)であり、且つR10とR11とが同時に水素ではない)又は5~7員の環状のチオアセタール、例えば、
【0028】
【0029】
を形成してもよい。前記R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成することが好ましい。
【0030】
前記の式IIIで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0031】
【0032】
本発明の好ましい一実施形態では、前記の式IIIで表される化合物において、Arは、フェニル、p-メチルフェニル、又はパラ位がエチルにより置換されたフェニルであることが好ましく;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成する。
【0033】
本発明は、式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップを含む式IIIで表される化合物の製造方法をさらに提供し、前記分子内の環化反応は、塩基性の条件下で行うことが好ましい。
【0034】
【0035】
式中、Ar、R1及びR2は前記式IIIで表される化合物において定義したとおりであり;
R3は水素又はヒドロキシ保護基であり、好ましくは、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルである。
【0036】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aにおいて、前記R3は、メタンスルホニルであってもよい。
【0037】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aにおいて、前記分子内の環化反応は有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、C6-C10アルカン溶媒(例えばn-ヘキサン、n-ヘプタン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル)及びエステル系溶媒(例えば酢酸tert-ブチル、酢酸イソプロピル)のうちの1種又は複数種であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記式Vで表される化合物のモル濃度は0.001~5mol/Lであってもよい。
【0038】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aにおいて、前記塩基性条件における塩基は水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、ブチルリチウム、LDA、LiHMDS、KHMDS及びNaHMDSのうちの1種又は複数種であってもよい。前記塩基性条件における塩基の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記塩基と前記式Vで表される化合物とのモル比が1~10:1であってもよい。
【0039】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aにおいて、前記分子内の環化反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えば、TLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によってモニタリングすることができ、通常に前記式Vで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0040】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aにおいて、前記分子内の環化反応の反応温度は当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば、-30~30℃とすることができる。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式IIIで表される化合物の製造方法Aは、以下のステップを含むことができる:
【0042】
-30~30℃で式Vで表される化合物の有機溶液に塩基を滴下し、この条件下でさらに10min~6h撹拌し反応させ;TLCにより反応完了を検出した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に、分離して、式IIIで表される化合物を得る。
【0043】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aの好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、トルエン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、酢酸tert-ブチル及び酢酸イソプロピルのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0044】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Aの好ましい実施形態において、前記塩基は、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、ブチルリチウム、LDA、LiHMDS、KHMDS及びNaHMDSのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0045】
本発明は、以下のステップを含む別の式IIIで表される化合物の製造方法Bをさらに提供する:
【0046】
式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物が得られ;前記分子内の環化反応はルイス酸及びルイス塩基の存在下で行うことが好ましい。
【0047】
【0048】
式中、Ar、R1及びR2は、前記式IIIで表される化合物において定義したとおりであり;
Yは、ハロゲンであり、好ましくは塩素、臭素又はヨウ素である。
【0049】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bにおいて、前記Yは塩素であってもよい。
【0050】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bにおいて、前記分子内の環化反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン)、及びエステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸tert-ブチル、酢酸イソプロピル)のうちの1種又は複数種であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記式VAで表される化合物のモル濃度は0.001~5mol/Lであってもよい。
【0051】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bにおいて、前記ルイス酸は、酸化銀及び/又は銀塩であってもよく、酸化銀、過塩素酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀及びヘキサフルオロリン酸銀のうちの1種又は複数種(例えば酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀又はヘキサフルオロリン酸銀)であってもよい。前記ルイス酸の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記ルイス酸と前記式VAで表される化合物とのモル比は0.1~10:1であってもよい。
【0052】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bにおいて、前記ルイス塩基は、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン及びピリジンのうちの1種又は複数種であってもよい。前記ルイス塩基の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記ルイス塩基と前記式VAで表される化合物とのモル比は0.1~10:1であってもよい。
【0053】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bにおいて、前記分子内の環化反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えば、TLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によってモニタリングすることができ、通常に前記式VAで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0054】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bにおいて、前記分子内の環化反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば0~60℃とすることができる。
【0055】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式IIIで表される化合物の製造方法Bは、以下のステップを含むことができる:
【0056】
0~60℃で化合物VAの有機溶液にルイス酸及びルイス塩基を添加し、この条件下でさらに6~48h撹拌し、反応させ;TLCにより反応完了を検出した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に、分離して、式IIIで表される化合物を得る。
【0057】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bの好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル及び酢酸tert-ブチルのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0058】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bの好ましい実施形態において、前記ルイス酸は、酸化銀、過塩素酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀及びヘキサフルオロリン酸銀のうちの1種又は複数種(例えば酸化銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀又はヘキサフルオロリン酸銀)であってもよい。
【0059】
前記式IIIで表される化合物の製造方法Bの好ましい実施形態において、前記ルイス塩基は、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン及びピリジンのうちの1種又は複数種であってもよい。
【0060】
本発明は、さらに式Vで表される化合物を提供する。
【0061】
【0062】
式中、Ar、R1及びR2は、前記式IIIで表される化合物において定義したとおりであり;
R3は、水素又はヒドロキシ保護基であり、好ましくは、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルである。
前記式Vで表される化合物において、前記R3はメタンスルホニルであってもよい。
【0063】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式Vで表される化合物において、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成し;Arは、フェニル、p-メチルフェニル又はパラ位がエチルにより置換されたフェニルであり;R3はメタンスルホニルである。
【0064】
前記式Vで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0065】
【0066】
本発明は、式VIで表される化合物と式VIIで表される化合物とをNHK反応に供し、前記式Vで表される化合物を得る、式Vで表される化合物の製造方法をさらに提供する。
【0067】
【0068】
式中、Ar、R1、R2及びR3は、前記式Vで表される化合物において定義した通りであり;
Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。
【0069】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記Xは塩素、臭素又はヨウ素であってもよく、ヨウ素であってもよい。
【0070】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えばメチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)及びハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒、さらに例えば塩化メチレン)のうちの1種又は複数種であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記VIIで表される化合物のモル濃度は0.01~5mol/Lであってもよい。
【0071】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は、ハロゲン化クロム塩及び/又はハロゲン化ニッケル塩の存在下で行うことができる。前記ハロゲン化クロム塩は塩化クロム塩(例えば塩化クロム(II)、塩化クロム(III))であってもよい。前記ハロゲン化ニッケル塩は塩化ニッケル塩(例えば塩化ニッケル(II))であってもよい。前記ハロゲン化クロム塩又は前記ハロゲン化ニッケル塩の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記ハロゲン化クロム塩と前記式VIIで表される化合物とのモル比は0.01~10:1であってもよく、前記ハロゲン化ニッケル塩と前記式VIIで表される化合物とのモル比は0.0001~10:1であってもよい。
【0072】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は、塩基の存在下で行うことができる。前記塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン、プロトンスポンジ及びジイソプロピルエチルアミンのうちの1種又は複数種であってもよい。前記塩基の使用量は当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記塩基と前記式VIIで表される化合物とのモル比は1~20:1であってもよい。
【0073】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記式VIIで表される化合物と前記式VIで表される化合物とのモル比は0.1~10:1であってもよい。
【0074】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は配位子の存在下で行うことができる。前記配位子は、当分野のこの種類の反応の通常配位子であってもよく、さらに
【0075】
【0076】
であってもよい。前記配位子の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記配位子と前記式VIIで表される化合物とのモル比は0.1~10:1であってもよい。
【0077】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式IIで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0078】
前記式Vで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応の反応温度は当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば、0~60℃とすることができる。
【0079】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式Vで表される化合物の製造方法は以下のステップを含むことができる。
【0080】
前記式VIで表される化合物、前記式VIIで表される化合物、配位子、塩化クロム(II)(又は塩化クロム(III))及び塩化ニッケル(II)を反応フラスコに加え、有機溶媒及び塩基を添加して溶解させ、反応系を0~60℃の油浴中に置き、2~48時間撹拌し;TLCにより反応完了を検出した後、反応液に重炭酸ナトリウム溶液を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に、分離して、化合物Vを得るか、精製することなく化合物Vをそのまま次の反応に使用する。
【0081】
前記式Vで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、2-メチルテトラヒドロフラン及び塩化メチレンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0082】
前記式Vで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-ジメチルピリジン、プロトンスポンジ及びジイソプロピルエチルアミンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0083】
前記式Vで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記配位子は、
【0084】
【0085】
であってもよい。
【0086】
本発明は、さらに式VAで表される化合物を提供する。
【0087】
【0088】
式中、Ar、R1及びR2は、前記式IIIで表される化合物において定義したとおりであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0089】
前記式VAで表される化合物において、前記Yは塩素であってもよい。
【0090】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式VAで表される化合物において、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成し;Arはフェニル、p-メチルフェニル又はパラ位がエチルにより置換されたフェニルであり;Yは塩素である。
【0091】
前記式VAで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0092】
【0093】
本発明は、さらに、式VIで表される化合物と式VIIAで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップを含む、式VAで表される化合物の製造方法を提供する。
【0094】
【0095】
式中、Ar、R1、R2及びYは、前記式VAで表される化合物において定義したとおりであり;
【0096】
Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。
【0097】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記Xは塩素、臭素又はヨウ素であってもよく、ヨウ素であってもよい。
【0098】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、エーテル系溶媒(例えばメチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン)、スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)及びハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒、さらに例えば塩化メチレン)のうちの1種又は複数種であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における式VIIAで表される化合物のモル濃度は0.01~5mol/Lであってもよい。
【0099】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は、ハロゲン化クロム塩及び/又はハロゲン化ニッケル塩の存在下で行うことができる。前記ハロゲン化クロム塩は、塩化クロム塩(例えば塩化クロム(II)、塩化クロム(III))であってもよい。前記ハロゲン化ニッケル塩は、塩化ニッケル塩(例えば塩化ニッケル(II))であってもよい。前記ハロゲン化クロム塩又は前記ハロゲン化ニッケル塩の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記ハロゲン化クロム塩と前記式VIIAで表される化合物とのモル比は、0.01~10:1であってもよく、前記ハロゲン化ニッケル塩と前記式VIIAで表される化合物とのモル比は0.0001~10:1であってもよい。
【0100】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記式VIIAで表される化合物と前記式VIで表される化合物とのモル比は0.1~10:1であってもよい。
【0101】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は、塩基の存在下で行うことができる。前記塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-ジメチルピリジン、プロトンスポンジ及びジイソプロピルエチルアミンのうちの1種又は複数種であってもよい。前記塩基の使用量は当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよい。例えば、前記塩基と前記化合物VIIAとのモル比は1~20:1であってもよい。
【0102】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応は、配位子の存在下で行うことができる。前記配位子は、当分野のこの種類の反応の常規配位子であってもよく、
【0103】
【0104】
であってもよい。前記配位子の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記的配位子と前記式VIIAで表される化合物とのモル比は0.1~10:1であってもよい。
【0105】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式VIIAで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0106】
前記式VAで表される化合物の製造方法において、前記NHK反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば、0~60℃とすることができる。
【0107】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式VAで表される化合物の製造方法は以下のステップを含むことができる。
【0108】
前記式VIで表される化合物、式VIIAで表される化合物、配位子、塩化クロム(II)(又は塩化クロム(III))及び塩化ニッケル(II)を反応フラスコに加え、有機溶媒及び塩基を添加して溶解させ、反応系を0~60℃の油浴中に置き、2~48時間撹拌し;TLCにより反応完了を検出した後、反応液に飽和重炭酸ナトリウム溶液を添加し、反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に、分離して、式VAで表される化合物を得るか、精製することなく式VAで表される化合物をそのまま次の反応に使用する。
【0109】
前記式VAで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、メチルtert-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、2-メチルテトラヒドロフラン及び塩化メチレンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0110】
前記式VAで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-ジメチルピリジン、プロトンスポンジ及びジイソプロピルエチルアミンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0111】
前記式VAで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記配位子は、
【0112】
【0113】
であってもよい。
【0114】
本発明は、式VIIで表される化合物を提供する。
【0115】
【0116】
式中、R1、R2及びR3は前記式Vで表される化合物において定義したとおりであり;
【0117】
Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。
【0118】
前記式VIIで表される化合物において、前記Xは塩素、臭素又はヨウ素であってもよく、ヨウ素であってもよい。
【0119】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式VIIで表される化合物において、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成し;R3はメタンスルホニルであり;Xはヨウ素である。
【0120】
前記式VIIで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0121】
【0122】
本発明は、化合物VIIIをヒドロキシ保護反応に供し、前記式VIIで表される化合物を得るステップを含む、式VIIで表される化合物の製造方法を提供する。
【0123】
【0124】
式中、R1、R2、R3及びXは、前記式VIIで表される化合物において定義したとおりであり、且つR3は水素ではない。
【0125】
前記式VIIで表される化合物の製造方法において、前記ヒドロキシ保護反応は有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン)、アミド系溶媒(例えばN,N-ジメチルホルムアミド)及びハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒、さらに例えば塩化メチレン)のうちの1種又は複数種であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記化合物VIIIのモル濃度は0.01~5mol/Lであってもよい。
【0126】
前記式VIIで表される化合物の製造方法において、前記ヒドロキシ保護反応は、塩基の存在下で行うことができる。前記塩基はトリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン及びジイソプロピルエチルアミンのうちの1種又は複数種であってもよい。前記塩基の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記塩基と前記化合物VIIIとのモル比は、1~20:1であってもよい。
【0127】
前記式VIIで表される化合物の製造方法において、前記ヒドロキシ保護反応はスルホニル化試薬の存在下で行うことができ、前記スルホニル化試薬は、塩化メタンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化p-トルエンスルホニル、p-トルエンスルホン酸無水物又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物であってもよく、さらに塩化メタンスルホニル又はメタンスルホン酸無水物であってもよい。前記スルホニル化試薬の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記スルホニル化試薬と前記式VIIIで表される化合物とのモル比は、1~10:1であってもよい。
【0128】
前記式VIIで表される化合物の製造方法において、前記ヒドロキシ保護反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式VIIIで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0129】
前記式VIIで表される化合物の製造方法において、前記ヒドロキシ保護反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば-40~50℃、さらに例えば-10~20℃とすることができる。
【0130】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式VIIで表される化合物の製造方法は、以下のステップを含むことができる。
【0131】
-30~40℃で、式VIIIで表される化合物の有機溶媒に塩基をまず添加し、そしてスルホニル化試薬をゆっくりと添加し、添加した後に、この条件下でさらに15min~6h撹拌し、反応させ、TLCにより反応完了を検出した後に、飽和重炭酸ナトリウム溶液で反応液をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に分離し、式VIIで表される化合物を得る。
【0132】
前記式VIIで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド及び塩化メチレンのうちの1種又は複数種溶媒であることが好ましい。
【0133】
前記式VIIで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記塩基は、トリエチルアミン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジン及びジイソプロピルエチルアミンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0134】
前記式VIIで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記スルホニル化試薬は、塩化メタンスルホニル、メタンスルホン酸無水物、塩化p-トルエンスルホニル、p-トルエンスルホン酸無水物又はトリフルオロメタンスルホン酸無水物であることが好ましい。
【0135】
本発明はさらに、式VIIAで表される化合物を提供する。
【0136】
【0137】
式中、R1、R2及びXは、前記式VIIで表される化合物において定義したとおりであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。
前記式VIIAで表される化合物において、前記Yは塩素であってもよい。
【0138】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式VIIAで表される化合物において、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成し;Xはヨウ素であり;Yは塩素である。
【0139】
前記式VIIAで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0140】
【0141】
本発明は、式VIIで表される化合物を置換反応に供し、前記式VIIAで表される化合物を得るステップを含む、式VIIAで表される化合物の製造方法をさらに提供する。
【0142】
【0143】
式中、R1、R2、X及びYは、前記式VIIAで表される化合物において定義したとおりであり;
【0144】
R3は水素又はヒドロキシ保護基であり、好ましくは、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルである。
【0145】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法において、前記R3はメタンスルホニルであってもよい。
【0146】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法において、前記置換反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、さらにエステル系溶媒(例えば酢酸エチル)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン)、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン)、アミド系溶媒(例えばN,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルプロピレン尿素)及びハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒,さらに例えば塩化メチレン)のうちの1種又は複数種であってもよい。例えば、前記有機溶媒はN,N-ジメチルプロピレン尿素又はN,N-ジメチルホルムアミドである。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記化合物VIIのモル濃度は、0.01~5mol/Lであってもよい。
【0147】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法において、前記置換反応は、ハロゲン化試薬の存在下で行うことができる。前記ハロゲン化試薬は、当分野のこの種類の反応の通常試薬であってもよく、そのうち、塩素化試薬は例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化アンモニウム又は塩化テトラブチルアンモニウムであり;臭素化試薬は例えば臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化トリブチルベンジルアンモニウム、臭化アンモニウム又は臭化テトラブチルアンモニウムであり、ヨウ素化試薬は例えばヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化トリブチルベンジルアンモニウム、ヨウ化アンモニウム又はヨウ化テトラブチルアンモニウムである。例えば、前記ハロゲン化試薬は、塩化トリブチルベンジルアンモニウム又は塩化テトラブチルアンモニウムである。前記ハロゲン化試薬の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記ハロゲン化試薬と前記式VIIで表される化合物とのモル比は1~50:1であってもよい。
【0148】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法において、前記置換反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記化合物VIIが反応しなくなった時を反応終点とする。
【0149】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法において、前記置換反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度であってもよく、例えば、-40~80℃、さらに例えば、-20~60℃とすることができる。
【0150】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式VIIAで表される化合物の製造方法は、以下のステップを含むことができる。
【0151】
-20~60℃で、VIIで表される化合物の有機溶媒にハロゲン化試薬を添加し、-20~60℃で1~48h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、水を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に分離し、VIIAで表される化合物を得る。
【0152】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、酢酸エチル、アセトニトリル、トルエン、塩化メチレン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)及びテトラヒドロフランのうちの1種又は複数種(例えば、N,N-ジメチルプロピレン尿素又はN,N-ジメチルホルムアミド)であることが好ましい。
【0153】
前記式VIIAで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記ハロゲン化試薬は、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化アンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化トリブチルベンジルアンモニウム、臭化アンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化トリブチルベンジルアンモニウム、ヨウ化アンモニウム又はヨウ化テトラブチルアンモニウム(例えば、塩化トリブチルベンジルアンモニウム又は塩化テトラブチルアンモニウム)であることが好ましい。
【0154】
本発明は、さらに式IIで表される化合物を提供する。
【0155】
【0156】
式中、R1及びR2は、アセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC1-10アルコキシ又はC1-10アルキルチオであり、或いはR1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましく;
【0157】
Xは、ハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。
【0158】
前記式IIで表される化合物において、前記R1及びR2は、それぞれ独立してC1-5アルコキシ(例えば、C1-3アルコキシであって、さらに例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ又はイソプロポキシ)であってもよく、或いは、前記R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5~7員の環状のアセタール(
【0159】
【0160】
のような5員の環状のアセタール;
【0161】
【0162】
のような6員の環状のアセタール、R10及びR11はそれぞれ独立してH又はC1-3アルキル(例えばメチル)であり且つR10及びR11は同時に水素ではない)又は5~7員の環状のチオアセタール、例えば
【0163】
【0164】
を形成する。前記R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成することが好ましい。
【0165】
前記式IIで表される化合物において、前記Xはヨウ素であってもよい。
【0166】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IIで表される化合物において、Xはヨウ素であり;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成する。
【0167】
前記式IIで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0168】
【0169】
本発明は、式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、前記式IIで表される化合物を得るステップを含む、式IIで表される化合物の製造方法をさらに提供する。
【0170】
【0171】
式中、X、R1及びR2は、式IIで表される化合物において定義したとおりであり;
【0172】
ArはC1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたフェニル、又は無置換のフェニルであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルである。
【0173】
前記式IIで表される化合物の製造方法において、前記Arはフェニル又はパラ位がC1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル)によって置換されたフェニルであってもよい。前記Arはフェニル、p-メチルフェニル又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであってもよい。
【0174】
前記式IIで表される化合物の製造方法において、前記還元的脱離反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒、例えばエーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン)であってもよい。前記有機溶媒の使用量は当分野のこの種類の反応の通常使用量であり、例えば、前記有機溶媒における前記式IXで表される化合物のモル濃度は0.001~5mol/Lであってもよい。
【0175】
前記式IIで表される化合物の製造方法において、前記還元的脱離反応は、還元剤の存在下で行うことができ、前記還元剤は、ヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、マンガン粉末及び亜鉛粉のうちの1種又は複数種(例えばヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)-マンガン粉末又は亜鉛粉)であってもよい。前記還元剤の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記還元剤と前記式IXで表される化合物とのモル比は1~20:1であってもよい。
【0176】
前記式IIで表される化合物の製造方法において、前記還元的脱離反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式IXで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0177】
前記式IIで表される化合物の製造方法において、前記還元的脱離反応の反応温度は当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば-78~30℃とすることができる。
【0178】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式IIで表される化合物の製造方法は以下のステップを含むことができる。
【0179】
-78~30℃で、式IXで表される化合物のTHF溶液に還元剤を滴ずつ添加し、-78~30℃で10min~12h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、そして濃縮した後に分離し、式IIで表される化合物を得る。
【0180】
前記式IIで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記還元剤は、ヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、マンガン粉末及び亜鉛粉のうちの1種又は複数種(例えばヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)-マンガン粉又は亜鉛粉)であることが好ましい。
【0181】
本発明は、式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップを含む、式IVで表される化合物の製造方法Mをさらに提供する。
【0182】
【0183】
式中、X、R1及びR2の定義は、前記式IIで表される化合物に記載されたとおりである。
【0184】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Mにおいて、前記加水分解反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒、例えばハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒、さらに例えば塩化メチレン)であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記化合物IIのモル濃度は0.001~5mol/Lであってもよい。
【0185】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Mにおいて、前記加水分解反応は、加水分解試薬の存在下で行うことができ、前記加水分解試薬は、塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種(例えば、2,6-ジメチルピリジン、ピリジン及びTMSOTfのうちの1種又は複数種、さらに例えば2,6-ジメチルピリジン及びTMSOTf、さらに例えばピリジン及びTMSOTf)であってもよい。前記加水分解試薬の使用量は当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記加水分解試薬と前記式IIで表される化合物とのモル比は0.1:20~1であってもよい。
【0186】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Mにおいて、前記加水分解反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式IIで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0187】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Mにおいて、前記加水分解反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば-30~40℃とすることができる。
【0188】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IVで表される化合物の製造方法Mは、以下のステップを含むことができる。
【0189】
-30~40℃で式IIで表される化合物の塩化メチレン溶液に加水分解試薬を順次に添加し、添加した後に、さらに1~24h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に分離し、式IVで表される化合物を得る。
【0190】
前記式IVで表される化合物の製造方法Mの好ましい実施形態において、前記加水分解試薬は、塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン、2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種(例えば、2,6-ジメチルピリジン、ピリジン及びTMSOTfのうちの1種又は複数種、さらに例えば2,6-ジメチルピリジン及びTMSOTf、さらに例えば、ピリジン及びTMSOTf)であることが好ましい。
【0191】
本発明は、さらに式IXで表される化合物を提供する。
【0192】
【0193】
式中、X、R1及びR2は、前記式IIで表される化合物において定義したとおりであり;
【0194】
Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルである。
【0195】
前記式IXで表される化合物において、前記Arは、フェニル、又はパラ位がC1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル)によって置換されたフェニルであってもよい。前記Arは、フェニル、p-メチルフェニル又はp-エチルフェニルであることが好ましい。
【0196】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IXで表される化合物において、Arは、フェニル、p-メチルフェニル、又はp-エチルフェニルであることが好ましく;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成し;Xはヨウ素である。
【0197】
前記式IXで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0198】
【0199】
本発明は、式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップを含む、式IXで表される化合物の製造方法をさらに提供する。
【0200】
【0201】
式中、Ar、X、R1及びR2は、前記式IXで表される化合物において定義したとおりである。
【0202】
前記式IXで表される化合物の製造方法において、前記酸化反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒、例えば、塩素化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒、さらに例えば塩化メチレン)及び/又はスルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記式Xで表される化合物のモル濃度は、0.001~5mol/Lであってもよい。
【0203】
前記式IXで表される化合物の製造方法において、前記酸化反応における酸化剤は、当分野のこの種類の反応の通常酸化剤、例えば、Dess-Martin酸化剤、Swern酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO及びTEMPO-PhI(OAc)2のうちの1種又は複数種(例えばDess-Martin酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO又はTEMPO-PhI(OAc)2)であってもよい。前記酸化剤の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記酸化剤と前記式Xで表される化合物とのモル比は1~20:1であってもよい。
【0204】
前記式IXで表される化合物の製造方法において、前記酸化反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式Xで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0205】
前記式IXで表される化合物の製造方法において、前記酸化反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば-20~60℃とすることができる。
【0206】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式IXで表される化合物の製造方法は以下のステップを含むことができる。
【0207】
-20~60℃で、式Xで表される化合物の有機溶媒に酸化剤を添加し、当該温度でさらに1~6h撹拌し反応させ;TLCにより反応完了を検出した後に、チオ硫酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウムの水溶液でクエンチする。酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に分離し、式IXで表される化合物を得る。
【0208】
前記式IXで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記酸化剤は、Dess-Martin酸化剤、Swern酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO及びTEMPO-PhI(OAc)2のうちの1種又は複数種(例えばDess-Martin酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO又はTEMPO-PhI(OAc)2)であることが好ましい。
【0209】
本発明は、式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップを含む、式XIIで表される化合物の製造方法をさらに提供する。
【0210】
【0211】
式中、Ar、X、R1及びR2は、前記式IXで表される化合物において定義したとおりである。
【0212】
前記式XIIで表される化合物の製造方法において、前記加水分解反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒、例えば、ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば塩素化炭化水素系溶媒、さらに例えば塩化メチレン)、芳香族炭化水素系溶媒(例えばトルエン)及びニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)のうちの1種又は複数種であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記化合物IXのモル濃度は、0.001~5mol/Lであってもよい。
【0213】
前記式XIIで表される化合物の製造方法において、前記加水分解反応は、加水分解試薬の存在下で行うことができ、前記加水分解試薬は、塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種(例えば、2,6-ジメチルピリジン、TMSOTf、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム及び硝酸二アンモニウムセリウム(IV)のうちの1種又は複数種)であってもよい。前記加水分解試薬の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記加水分解試薬と前記式IXで表される化合物とのモル比は0.1~20:1であってもよい。
【0214】
前記式XIIで表される化合物の製造方法において、前記加水分解反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式IXで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0215】
前記式XIIで表される化合物の製造方法において、前記加水分解反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば-20~40℃とすることができる。
【0216】
本発明の好ましい一実施形態において、前記式XIIで表される化合物の製造方法は以下のステップを含むことができる。
【0217】
-20~40℃で、式IXで表される化合物の有機溶液に加水分解試薬を順次に添加し、添加が完了した後、さらに1~12h撹拌し反応させ;TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に分離し、式XIIで表される化合物を得る。
【0218】
前記式XIIで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、塩化メチレン、トルエン及びアセトニトリルのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0219】
前記式XIIで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記加水分解試薬は、塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、硝酸二アンモニウムセリウム(IV)、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種(例えば、2,6-ジメチルピリジン、TMSOTf、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム及び硝酸二アンモニウムセリウム(IV)のうちの1種又は複数種)であることが好ましい。
【0220】
本発明は、さらに式Xで表される化合物を提供する。
【0221】
【0222】
式中、Ar、X、R1及びR2は、前記式IXで表される化合物において定義したとおりである。
【0223】
本発明の好ましい一実施形態では、Arはフェニル、p-メチルフェニル、又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであることが好ましく;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成し;Xはヨウ素である。
【0224】
前記式Xで表される化合物は、以下の構造のいずれかから選択される。
【0225】
【0226】
本発明は、式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを塩基性条件下で縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップを含む、式Xで表される化合物の製造方法をさらに提供する。
【0227】
【0228】
式中、Ar、X、R1及びR2は、前記式Xで表される化合物において定義したとおりである。
【0229】
前記式Xで表される化合物の製造方法において、前記縮合反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒であってもよく、C6-C10アルカン溶媒(例えばn-ヘプタン)及び/又はエーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン)であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記有機溶媒における前記化合物IIIのモル濃度は、0.001~5mol/Lであってもよい。
【0230】
前記式Xで表される化合物の製造方法において、前記塩基性条件における塩基は、当分野のこの種類の反応の通常塩基であってもよく、水素化ナトリウム、ブチルリチウム(例えばn-ブチルリチウム、イソブチルリチウム又はtert-ブチルリチウム)、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種(例えば、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド又はリチウムビス(トリメチルシリル)アミド)であってもよい。前記塩基の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記塩基と前記式IIIで表される化合物とのモル比は0.5~5:1であってもよい。
【0231】
前記式Xで表される化合物の製造方法において、前記式IIIで表される化合物と前記式XIで表される化合物とのモル比は、0.1~10:1であってもよい。
【0232】
前記式Xで表される化合物の製造方法において、前記縮合反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式IIIで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0233】
前記式Xで表される化合物の製造方法において、前記縮合反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば、-78-0℃とすることができる。本発明の好ましい一実施形態において、前記式Xで表される化合物の製造方法は、以下のステップを含む。
【0234】
-78~0℃で、式IIIで表される化合物の有機溶液に塩基の溶液を滴下し、この条件でさらに15min~1h撹拌し反応させ、その後に前記体系に化合物XIのTHF溶液を添加し、さらに30min~4h撹拌し;TLCにより反応完了を検出した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮した後に分離し、式Xで表される化合物を得る。
【0235】
前記式Xで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記有機溶媒は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン及びn-ヘプタンのうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0236】
前記式Xで表される化合物の製造方法の好ましい実施形態において、前記塩基は、水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種(例えば、n-ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド又はリチウムビス(トリメチルシリル)アミド)であることが好ましい。
【0237】
本発明は、式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップを含む、式IVで表される化合物の製造方法Kをさらに提供する。
【0238】
【0239】
式中、Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
【0240】
Xは、ハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。
【0241】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kにおいて、前記Arは、フェニル又はパラ位がC1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル)によって置換されたフェニルであってもよく、フェニル、p-メチルフェニル又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであってもよい。
【0242】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kにおいて、前記Xは、塩素、臭素又はヨウ素であってもよく、ヨウ素であってもよい。
【0243】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kにおいて、前記還元的脱離反応は、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒は、当分野のこの種類の反応の通常溶媒、例えば、エーテル系溶媒(例えばテトラヒドロフラン)であってもよい。前記有機溶媒の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であり、例えば、前記有機溶媒における前記化合物XIIのモル濃度は、0.001~5mol/Lであってもよい。
【0244】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kにおいて、前記還元的脱離反応は、還元剤の存在下で行うことができ、前記還元剤は、ヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、塩化クロム(III)、マンガン粉末及び亜鉛粉のうちの1種又は複数種(例えばヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)-マンガン粉末又は亜鉛粉)であってもよい。前記還元剤の使用量は、当分野のこの種類の反応の通常使用量であってもよく、例えば、前記還元剤と前記式XIIで表される化合物とのモル比は0.1~20:1であってもよい。
【0245】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kにおいて、前記還元的脱離反応の進展は、当分野の通常検出方法(例えばTLC、HPLC、GC又はNMR、好ましくはTLC)によりモニタリングすることができ、通常に前記式XIIで表される化合物が反応しなくなった時を反応終点とする。
【0246】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kにおいて、前記還元的脱離反応の反応温度は、当分野のこの種類の反応の通常温度、例えば、-50~30℃とすることができる。
【0247】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IVで表される化合物の製造方法Kは、以下のステップを含むことができる。
【0248】
-50℃~30℃で、式XIIで表される化合物の有機溶液に還元試薬を滴ずつ添加し、当該温度でさらに30min~4h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加して反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、そして濃縮液をカラムにより精製して、IVで表される化合物を得る。
【0249】
前記式IVで表される化合物の製造方法Kの好ましい実施形態において、前記還元試薬は、ヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、マンガン粉末、亜鉛粉及び塩化クロム(III)のうちの1種又は複数種であることが好ましい。
【0250】
本発明は、以下のステップを含む式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Pをさらに提供する。
1)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得;
2)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得;
3)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得り;
4)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得る。
【0251】
【0252】
式中、Ar、X、R1及びR2の定義は、上記のとおりである。
【0253】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Pにおいて、各ステップの反応条件は、いずれも上記のとおりである。
【0254】
本発明は、以下のステップを含む式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Qをさらに提供する。
1)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得;
2)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得;
3)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得;
4)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得る。
【0255】
【0256】
式中、Ar、X、R1及びR2の定義は、上記のとおりである。
【0257】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Qにおいて、各ステップの反応条件は、いずれも上記のとおりである。
【0258】
本発明は、以下のステップを含む式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aをさらに提供する。
【0259】
【0260】
式中、Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
【0261】
R1及びR2は、アセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC1-10アルコキシ又はC1-10アルキルチオであり、或いは、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成する。R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましく;R3は、ヒドロキシ保護基であり、好ましくは、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aにおいて、前記Arは、フェニルであり、或いはパラ位がC1-4アルキル(例えば、メチル、エチル、n-プロピル又はイソプロピル)によって置換されたフェニルであってもよい。前記Arは、さらにフェニル、p-メチルフェニル又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであってもよい。
【0262】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aにおいて、前記R1及びR2は、それぞれ独立してC1-5アルコキシ(例えば、C1-3アルコキシであって、さらに例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ又はイソプロポキシ)であってもよく、或いは、前記R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、5~7員の環状のアセタール(
【0263】
【0264】
のような5員の環状のアセタール;
【0265】
【0266】
のような6員の環状のアセタール、R10及びR11はそれぞれ独立してH又はC1-3アルキル(例えばメチル)であり、且つR10及びR11は同時に水素ではない)又は5~7員の環状のチオアセタール、例えば
【0267】
【0268】
を形成する。前記R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成することが好ましい。
【0269】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aにおいて、前記R3は、メタンスルホニルであってもよい。
【0270】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aにおいて、前記Xは、塩素、臭素又はヨウ素であってもよく、ヨウ素であってもよい。
【0271】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0272】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Aは、以下のステップを含むことができる。
【0273】
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得;前記ヒドロキシ保護反応は、塩基性条件下で行うことが好ましく;前記ヒドロキシ保護反応は、試薬として、トリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0274】
2)式VIIで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式Vで表される化合物を得;前記NHK反応は、試薬として塩化クロム(II)、塩化クロム(III)及び臭化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0275】
3)式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得;前記分子内の環化反応は、塩基性条件下で行うことが好ましく;前記分子内の環化反応は、試薬としてトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0276】
4)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得;前記縮合反応は、塩基性条件下で行うことが好ましく;前記縮合反応は、試薬として水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0277】
5)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得;前記酸化反応に用いられる酸化剤は、Dess-Martin酸化剤、Swern酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO及びTEMPO-PhI(OAc)2のうちの1種又は複数種であることが好ましく;
【0278】
6)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得;前記還元的脱離反応は、試薬としてヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、マンガン粉末、亜鉛粉及び塩化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0279】
7)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得;前記加水分解反応は、酸性又は中性の条件下で行うことが好ましく;前記加水分解反応は、試薬として塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種を使用することが好ましい。
【0280】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法において、Arは、フェニル、p-メチルフェニル、又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであることが好ましく;Xはヨウ素であり;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成する。
【0281】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Aをさらに提供する。
【0282】
【0283】
1)式VIIIaで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIaで表される化合物を得り;
2)式VIIaで表される化合物と式VIaで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式Vaで表される化合物を得り;
3)式Vaで表される化合物をカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIaで表される化合物を得;
4)式IIIaで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xaで表される化合物を得;
5)式Xaで表される化合物をDess-Martin酸化剤の存在下で酸化反応に供し、式IXaで表される化合物を得;
6)式IXaで表される化合物をヨウ化サマリウム(II)の存在下で還元的脱離反応に供し、式IIaで表される化合物を得;
7)式IIaで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの存在下で加水分解反応に供し、式IVaで表される化合物を得る。
【0284】
前記式IVaで表される化合物の合成方法Aにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0285】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Bをさらに提供する。
【0286】
【0287】
1)式VIIIaで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIaで表される化合物を得;
2)式VIIaで表される化合物と式VIbで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式Vhで表される化合物を得;
3)式Vhで表される化合物をカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIhで表される化合物を得;
4)式IIIhで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xcで表される化合物を得;
5)式Xcで表される化合物をTEMPO酸化剤の存在下で酸化反応に供し、式IXcで表される化合物を得;
6)式IXcで表される化合物を塩化クロム(II)及びマンガン粉末の存在下で還元的脱離反応に供し、式IIaで表される化合物を得り;
7)式IIaで表される化合物を硝酸二アンモニウムセリウム(IV)の存在下で加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得る。
【0288】
前記式Ivaで表される化合物の合成方法Bにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0289】
本発明は、以下のステップを含む式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bをさらに提供する。
【0290】
【0291】
式中、Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
【0292】
R1及びR2はアセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC1-10アルコキシ又はC1-10アルキルチオであり、或いは、R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましく;R3はヒドロキシ保護基であり、好ましくは、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。
【0293】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bにおいて、前記Ar、R1、R2、R3及びXの定義は、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bに記載したとおりである。
【0294】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bは以下のステップを含むことができる。
【0295】
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得;前記ヒドロキシ保護反応は、塩基性条件下で行うことが好ましく;前記ヒドロキシ保護反応は、試薬としてトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン,ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド又はナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0296】
2)式VIIで表される化合物と、式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式Vで表される化合物を得;前記NHK反応は、試薬として塩化クロム(II)、塩化クロム(III)及び臭化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0297】
3)式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得;前記分子内の環化反応は、塩基性条件下で行うことが好ましく;前記分子内の環化反応は、試薬として水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0298】
4)式IIIで表される化合物と、式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得;前記縮合反応は塩基性条件下で行うことが好ましく;前記縮合反応は、試薬として、トリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0299】
5)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得;前記酸化反応は、酸化剤としてDess-Martin酸化剤、Swern酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO及びTEMPO-PhI(OAc)2のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0300】
6)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得;前記加水分解反応は、酸性又は中性の条件下で行うことが好ましく;前記反応は、試薬として塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0301】
7)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得;前記還元的脱離反応は、試薬としてヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、マンガン粉末、亜鉛粉及び塩化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく。
【0302】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0303】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bにおいて、Arはフェニル、p-メチルフェニル、又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであることが好ましく;Xはヨウ素であり;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成する。
【0304】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Cをさらに提供する。
【0305】
【0306】
1)式VIIIaで表される化合物とメタンスルホン酸無水物とを塩基性条件下で反応させて、式VIIaで表される化合物を得;
2)式VIIaで表される化合物と式VIaで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式Vaで表される化合物を得;
3)式Vaで表される化合物をカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIaで表される化合物を得;
4)式IIIaで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xaで表される化合物を得;
5)式Xaで表される化合物をTEMPO酸化剤の存在下で反応させ、式IXaで表される化合物を得;
6)式IXaで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの存在下で加水分解反応に供し、式XIIaで表される化合物を得;
7)式XIIaで表される化合物をヨウ化サマリウム(II)の存在下で還元的脱離反応に供し、式IVaで表される化合物を得る。
【0307】
前記式IVaで表される化合物的の合成方法Cにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0308】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Dをさらに提供する。
【0309】
【0310】
1)式VIIIaで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIaで表される化合物を得;
2)式VIIaで表される化合物と式VIcで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式Viで表される化合物を得;
3)式Viで表される化合物をカリウムビス(トリメチルシリル)アミドの存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIiで表される化合物を得;
4)式IIIiで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xdで表される化合物を得;
5)式Xdで表される化合物をDess-Martin酸化剤の存在下で反応させ、式IXdで表される化合物を得;
6)式IXdで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの存在下でアセタールの加水分解反応に供し、式XIIdで表される化合物を得り;
7)式XIIdで表される化合物をヨウ化サマリウム(II)の存在下で還元的脱離反応に供し、式IVaで表される化合物を得る。
【0311】
前記式IVaで表される化合物的の合成方法Dにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0312】
本発明は、以下のステップを含む式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Cをさらに提供する。
【0313】
【0314】
式中、Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
【0315】
R1及びR2は、アセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC1-10アルコキシ又はC1-10アルキルチオであり、或いはR1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましく;R3はヒドロキシ保護基であり、好ましくはメタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基であり;
【0316】
Yは塩素であり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0317】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Cにおいて、前記Ar、R1、R2、R3及びXの定義は、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bに記載したとおりである。
【0318】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Cにおいて、前記Yは塩素であってもよい。
【0319】
具体的には、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Cは、以下のステップを含むことができる。
【0320】
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得;前記ヒドロキシ保護反応は、塩基性条件下で行うことが好ましい;前記ヒドロキシ保護反応は、試薬としてトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0321】
2)式VIIで表される化合物を置換反応に供し、式VIIAで表される化合物を得;前記置換反応は、試薬として塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化アンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化トリブチルベンジルアンモニウム、臭化アンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化トリブチルベンジルアンモニウム、ヨウ化アンモニウム又はヨウ化テトラブチルアンモニウムを使用することが好ましく;
【0322】
3)式VIIAで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得;前記NHK反応は、試薬として塩化クロム(II)、塩化クロム(III)及び臭化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0323】
4)式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得;前記分子内の環化反応はルイス酸条件下で行うことが好ましく;前記ルイス酸は、酸化銀、過塩素酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀及びヘキサフルオロリン酸銀のうちの1種又は複数種であることが好ましく;
【0324】
5)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得;前記縮合反応は塩基性条件下で行うことが好ましく;前記縮合反応は、試薬としてトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0325】
6)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得;前記酸化反応は、酸化剤としてDess-Martin酸化剤、Swern酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO及びTEMPO-PhI(OAc)2のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0326】
7)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得;前記還元的脱離反応は、試薬としてヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、マンガン粉末、亜鉛粉、塩化クロ(III)ムなどを使用することが好ましく;
【0327】
8)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得;前記加水分解反応は、酸性又は中性条件下で行うことが好ましく;前記加水分解反応は、試薬として塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテルコンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく。
【0328】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Cにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0329】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Cにおいて、Arは、フェニル、p-メチルフェニル、又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであることが好ましく;Xはヨウ素であり;Yは塩素であり;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成する。
【0330】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Eをさらに提供する。
【0331】
【0332】
1)式VIIIbで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIbで表される化合物を得;
2)式VIIbで表される化合物を塩化トリブチルベンジルアンモニウムの存在下で塩素化反応に供し、式VIIAbで表される化合物を得り;
3)式VIIAbで表される化合物と式VIa化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式VAbで表される化合物を得;
4)式VAbで表される化合物をテトラフルオロホウ酸銀の存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIbで表される化合物を得;
5)式IIIbで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xbで表される化合物を得;
6)式Xbで表される化合物をDess-Martin酸化剤の存在下で反応に供し、式IXbで表される化合物を得;
7)式IXbで表される化合物をヨウ化サマリウム(II)の存在下で還元的脱離反応に供し、式IIbで表される化合物を得;
8)式IIbで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの存在下でアセタールの加水分解反応に供し、式IVaで表される化合物を得る。
【0333】
前記式IVaで表される化合物の合成方法Eにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0334】
本発明は、式IVaで表される化合物の合成方法Fをさらに提供する。
【0335】
【0336】
1)式VIIIaで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIaで表される化合物を得;
2)式VIIaで表される化合物を塩化トリブチルベンジルアンモニウムの存在下で塩素化反応に供し、式VIIAaで表される化合物を得;
3)式VIIAaで表される化合物と式VIbで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式VAcで表される化合物を得;
4)式VAcで表される化合物をテトラフルオロホウ酸銀の存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIhで表される化合物を得;
5)式IIIhで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xcで表される化合物を得;
6)式Xcで表される化合物をDess-Martin酸化剤の作用下で反応させ、式IXcで表される化合物を得り;
7)式IXcで表される化合物を二ヨウ化サマリウム(II)の作用下で還元的脱離反応に供し、式IIaで表される化合物を得り;
8)式IIaで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの作用下でアセタールの加水分解反応に供し、式IVaで表される化合物を得る。
【0337】
前記式IVaで表される化合物の合成方法Fにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0338】
本発明は、以下のステップを含む式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Dをさらに提供する。
【0339】
【0340】
式中、Arは、C1-10アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC1-10アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
【0341】
R1及びR2はアセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC1-10アルコキシ又はC1-10アルキルチオであり、或いはR1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましく;R3はヒドロキシ保護基であり、好ましくは、メタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;Xはハロゲン又は脱離基であり、好ましくは塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基であり;
【0342】
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。
【0343】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Dにおいて、前記Ar、R1、R2、R3及びXの定義は、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Bに記載したとおりであってもよい。
【0344】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Dにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0345】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Dにおいて、前記Yは塩素であってもよい。
【0346】
前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Dは、以下のステップを含むことができる。
【0347】
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得;前記ヒドロキシ保護反応は塩基性条件下で行うことが好ましく;前記ヒドロキシ保護反応は、試薬としてトリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、2,4,6-トリメチルピリジン、2,6-ジメチルピリジン、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0348】
2)式VIIで表される化合物を置換反応に供し、式VIIAで表される化合物を得;前記置換反応は、試薬として塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化アンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化トリブチルベンジルアンモニウム、臭化アンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化トリブチルベンジルアンモニウム、ヨウ化アンモニウム又はヨウ化テトラブチルアンモニウムを使用することが好ましく;
【0349】
3)式VIIAで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得;前記NHK反応は、試薬として塩化クロム(II)、塩化クロム(III)及び臭化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0350】
4)式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得;前記分子内の環化反応はルイス酸条件下で行うことが好ましく;前記ルイス酸は、酸化銀、過塩素酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラフルオロホウ酸銀及びヘキサフルオロリン酸銀のうちの1種又は複数種であることが好ましく;
【0351】
5)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得;前記縮合反応は塩基性条件下で行うことが好ましく;前記反応は、試薬として水素化ナトリウム、ブチルリチウム、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0352】
6)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得;前記酸化反応は、酸化剤としてDess-Martin酸化剤、Swern酸化剤、IBX酸化剤、TEMPO-NaClO及びTEMPO-PhI(OAc)2のうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0353】
7)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得;前記加水分解反応は酸性又は中性条件下で行うことが好ましく;前記加水分解反応は、試薬として塩酸、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸ピリジニウム、ボロントリフルオリド-エチルエーテル コンプレックス、TMSOTf、テトライソプロピルチタネート、四塩化チタン、ピリジン、2,6-ジメチルピリジン及び2,4,6-トリメチルピリジンのうちの1種又は複数種を使用することが好ましく;
【0354】
8)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得;前記還元的脱離反応は、試薬としてヨウ化サマリウム(II)、塩化クロム(II)、マンガン粉末、亜鉛粉及び塩化クロム(III)のうちの1種又は複数種を使用することが好ましい。
【0355】
本発明の好ましい一実施形態では、前記式IVで表されるエリブリン中間体の合成方法Dにおいて、Arは、フェニル、p-メチルフェニル又はパラ位がエチルによって置換されたフェニルであることが好ましく;Xはヨウ素であり;Yは塩素であり;R1及びR2は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、エチレングリコールアセタール又はプロピレングリコールアセタールを形成する。
【0356】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Gをさらに提供する。
【0357】
【0358】
1)式VIIIbで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIbで表される化合物を得;
2)式VIIbで表される化合物を塩化テトラブチルアンモニウムの存在下で塩素化反応に供し、式VIIAbで表される化合物を得;
3)式VIIAbで表される化合物と式VIaで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式VAbで表される化合物を得;
4)式VAbで表される化合物をヘキサフルオロリン酸銀の存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIbで表される化合物を得;
5)式IIIbで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xbで表される化合物を得;
6)式Xbで表される化合物をDess-Martin酸化剤の存在下で酸化反応に供し、式IXbで表される化合物を得;
7)式IXbで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの存在下でアセタールの加水分解反応に供し、式XIIaで表される化合物を得;
8)式XIIaで表される化合物をヨウ化サマリウム(II)の存在下で還元的脱離反応に供し、式IVaで表される化合物を得る。
【0359】
前記式IVaで表される化合物の合成方法Gにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0360】
本発明は、以下のステップを含む式IVaで表される化合物の合成方法Hをさらに提供する。
【0361】
【0362】
1)式VIIIaで表される化合物と塩化メタンスルホニルとを塩基性条件下で反応させ、式VIIaで表される化合物を得;
2)式VIIaで表される化合物を塩化テトラブチルアンモニウムの作用下で塩素化反応に供し、式VIIAaで表される化合物を得;
3)式VIIAaで表される化合物と式VIcで表される化合物とを塩化クロム(II)の存在下でNHK反応に供し、式VAdで表される化合物を得り;
4)式VAdで表される化合物をヘキサフルオロリン酸銀の存在下で分子内の環化反応に供し、式IIIiで表される化合物を得;
5)式IIIiで表される化合物と式XIaで表される化合物とをブチルリチウム又はリチウムジイソプロピルアミドの存在下で縮合反応に供し、式Xdで表される化合物を得;
6)式Xdで表される化合物をDess-Martin酸化剤の存在下で酸化反応に供し、式IXdで表される化合物を得;
7)式IXdで表される化合物をTMSOTf及び2,6-ジメチルピリジンの存在下でアセタールの加水分解反応に供し、式XIIdで表される化合物を得;
8)式XIIdで表される化合物を二ヨウ化サマリウム(II)の存在下で還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得る。
【0363】
前記式IVaで表される化合物の合成方法Hにおいて、各ステップの反応条件はいずれも上記のとおりである。
【0364】
市販されている場合、上記の反応ステップにおける生成物の一部を使用して、より短い経路によって式IVで表される化合物を調製することもできる。例えば、前述式IIIで表される中間体を市販品として入手し、その後、上記方法で提供されるステップに従って式IVで表される化合物を調製することができる。
【0365】
他の局面で、本発明は、エリブリンの製造方法をさらに提供し、当該方法は、まず本発明の前記提供される方法によって式II、式III又は式Vで表される化合物を調製し、その後に公知の方法によって式II、式III又は式Vで表される化合物を経由してエリブリンを調製する。前記公知の方法は、文献:J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 15636;Angew. Chem. Intl. Ed. 2009, 48, 2346;Synlett. 2013, 24, 323; Synlett. 2013, 24, 327; Synlett. 2013, 24, 333を参照することができる。
【0366】
本発明に使用される用語は、特に明記しない限り、以下の意味を有する。
【0367】
本発明において、エチレングリコールアセタールは
【0368】
【0369】
であり、プロピレングリコールアセタールは
【0370】
【0371】
である。
【0372】
「アルキル」とは、1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を含む直鎖及び分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味する。非限定的な実施例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどが含まれるが、これらに限定されない。アルキルは、置換又は非置換であってもよく、置換される場合、置換基は任意の利用可能な結合点で置換することができ、好ましくは独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ又はオキソから選択される1個又は複数個の基である。
【0373】
「アルコキシ」とは、「RO-」であり、式中、Rは1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を含む直鎖及び分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味する。非限定的な実施例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどが含まれるが、これらに限定されない。アルキルは、置換又は非置換であってもよく、置換される場合、置換基は任意の利用可能な結合点で置換することができ、好ましくは独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ又はオキソから選択される1個又は複数個の基である。
【0374】
「アルキルチオ」とは、「RS-」であり、式中、Rは1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を含む直鎖及び分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味する。非限定的な実施例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2,3-ジメチルブチルなどが含まれるが、これらに限定されない。アルキルは、置換又は非置換であってもよく、置換される場合、置換基は任意の利用可能な結合点で置換することができ、好ましくは独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルオキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、シクロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキルチオ又はオキソから選択される1個又は複数個の基である。
【0375】
「アリール」とは、共役π電子系の6~14員、好ましくは6~10員の全炭素単環式又は縮合多環式(すなわち、隣接する炭素原子のペアを共有する環)を有する基を意味し、フェニル及びナフチルがより好ましく、フェニルが最も好ましい。アリールは、置換又は非置換であってもよく、置換される場合、置換基は、独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロシクロアルコキシ、シクロアルキルチオ又はヘテロシクロアルキルチオから選択される1個又は複数個の基であることが好ましい。
【0376】
本発明のヒドロキシ保護基は、当技術分野で公知の適当なヒドロキシ保護に適した基であり、文献(“Protective Groups in Organic Synthesis”,5ThEd. T. W. Greene & P. G. M. Wuts)に記載のヒドロキシ保護基を参照できる。例として、好ましくは、前記ヒドロキシ保護基は、(C1-10アルキル又はアリール)3シリル(例えば、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、tert-ブチルジフェニルシリルなど)であってもよく;C1-10アルキル又は置換アルキル(例えば、メチル、tert-ブチル、アリル、ベンジル、メトキシメチル、エトキシエチル、2-テトラヒドロピラニル(THP)など)であってもよく;(C1-10アルキル又はアリール)アシル(例えば、ホルミル、アセチル、ベンゾイルなど)であってもよく;(C1-6アルキル又はC6-10アリール)スルホニルであってもよく;(C1-6アルコキシ又はC6-10アリールオキシ)カルボニルであってもよい。
【0377】
本発明のアセタール保護基は、当技術分野で公知の適当なアセタール保護に適した基であり、文献(“Protective Groups in Organic Synthesis”,5Th Ed. T. W. Greene & P. G. M. Wuts)に記載のアセタール保護基を参照できる。例として、好ましくは、前記アセタール保護基は、C1-10アルキルオキシ基(例えば、ジメチルアセタール、ジエチルアセタール、ジイソプロピルアセタール、エチレングリコールアセタール、プロピレングリコールアセタールなど)であってもよい。
【0378】
本発明のチオアセタール保護基は、当技術分野で公知の適当なチオアセタール保護に適した基であり、文献(“Protective Groups in Organic Synthesis”,5Th Ed. T. W. Greene & P. G. M. Wuts)に記載のチオアセタール保護基を参照できる。例として、好ましくは、前記アセタール保護基は、C1-10アルキルチオ基(例えば、ジメチルチオアセタール、ジエチルチオアセタール、エチレンジチオールアセタール、プロパンジチオールアセタールなど)であってもよい。
【0379】
本発明の脱離基は、当該分野で公知の適切な脱離基である。例として、好ましくは、前記脱離基は、メタンスルホネート基、p-メチルフェニルスルホネート基、又はトリフルオロメタンスルホネート基などであってもよい。
【0380】
【発明を実施するための形態】
【0381】
以下、当分野の普通技術者が本発明をより全面的に理解できるように、実施例に基づいて本発明を詳しく説明するが、具体的な実施例は本発明の技術案の説明のみに使用され、本発明に対して何らかの制限を意味することがない。
【0382】
実施例に係わる化合物の構造式を下表に示す。
【0383】
【0384】
【0385】
【0386】
【0387】
実施例1~7は式VIIで表される化合物の合成である。
実施例1:化合物VIIaの調製
室温でVIIIa(8.17g,18mmol)のTHF(150mL)溶液にまずEt3N(16.2g)を添加し、その後にMsCl(12.1g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに1h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIa(8.76g)を得た。
MS (ESI) m/z: 515 (M+H+)。
【0388】
1HNMR (400 MHz,CDCl3): δ 6.36 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.84 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 5.01-4.99 (m, 1H), 4.90-4.85 (m, 2H), 4.72-4.65 (m, 1H), 4.41-4.35 (m, 1H), 4.08-4.01 (m, 1H), 3.98-3.94 (m, 2H), 3.87-3.83 (m, 2H), 3.02 (s, 3H), 2.71-2.64 (m, 1H), 2.31-2.25 (m, 1H), 2.10-2.02 (m, 1H), 1.94-1.75 (m, 4H), 1.73-1.51 (m, 6H), 1.00 (d, J = 6.4 Hz, 3H)。
【0389】
実施例2:化合物VIIbの調製
-30℃でVIIIb(1.02g,2.1mmol)の塩化メチレン(15mL)溶液にまずピリジン(2.3g)を添加し、その後にMs2O(1.59g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに3h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIb(1.06g)を得た。
MS (ESI) m/z: 529 (M+H+)。
【0390】
1HNMR (400 MHz,CDCl3): δ 6.36 (s, 1H), 5.85 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 5.00-4.98 (m, 1H), 4.90-4.86 (m, 1H), 4.72-4.65 (m, 1H), 4.60-4.50 (m, 1H), 4.42-4.38 (m, 1H), 4.15-4.02 (m, 2H), 3.87-3.73 (m, 2H), 3.02 (s, 3H), 2.72-2.66 (m, 1H), 2.54 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.40-2.26 (m, 1H), 2.19-2.06 (m, 2H), 1.79-1.28 (m, 11H), 1.01 (d, J= 6.6 Hz, 3H)。
【0391】
実施例3:化合物VIIcの調製
-10℃でVIIIc(0.68g,1.3mmol)の酢酸エチル(15mL)溶液にまず2,6-ジメチルピリジン(2.1g)を添加し、その後にMs2O(1.06g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに30min撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIc(0.72g)を得た。
MS (ESI) m/z: 557 (M+H+)。
【0392】
1HNMR (400 MHz,CDCl3): δ 6.36 (s, 1H), 5.85 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.00-4.96 (m, 1H), 4.90-4.85 (m, 1H), 4.73-4.65 (m, 1 H), 4.52-4.42 (m, 1H), 4.42-4.37 (m, 1H), 3.87-3.73 (m, 2H), 3.38-3.30 (m, 2 H), 3.02 (s, 3H), 2.72-2.65 (m, 1H), 2.55 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.40-2.25 (m, 1H), 1.80-1.28 (m, 11H), 1.18 (s, 3H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 0.71 (s, 3H)。
【0393】
実施例4:化合物VIIdの調製
40℃でVIIId(2.6g,4.8mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(30mL)溶液にまず2,4,6-トリメチルピリジン(4.2g)を添加し、その後にMsCl(3.9g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに15min撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIId(2.73g)を得た。
MS (ESI) m/z: 561 (M+H+)。
【0394】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 6.36 (s, 1H), 5.86 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 5.04-5.00 (m, 1H), 4.90-4.86 (m, 1H), 4.73-4.65 (m, 1 H), 4.50-4.40 (m, 1H), 4.19-4.00 (m, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.99-2.78 (m, 4H), 2.74-2.70 (m, 1H), 2.45 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.37-2.23 (m, 1H), 2.20-2.05 (m, 2H), 2.05-1.28 (m, 11H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H)。
【0395】
実施例5:化合物VIIeの調製
0℃でVIIIe(3.2g,6.4mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液にまずジイソプロピルエチルアミン(1.25g)を添加し、その後にMsCl(1.05g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに2h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIe(3.26g)を得た。
MS (ESI) m/z: 517 (M+H+)。
【0396】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 6.37 (s, 1H), 5.76 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.05-5.00 (m, 1H), 4.90-4.85 (m, 1H), 4.75-4.65 (m, 1 H), 4.40 (dd, J = 7.0, 3.9 Hz, 2H), 3.34 (d, J= 1.7 Hz, 6H), 3.03 (s, 3H), 2.38-2.25 (m, 1H), 2.15-2.10 (m, 1H), 1.83-1.28 (m, 11H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H)。
【0397】
実施例6:化合物VIIfの調製
10℃でVIIIf(2.8g,5.4mmol)のトルエン(30mL)溶液にまずトリエチルアミン(2.6g)を添加し、その後にMsCl(2.3g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに1h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIf(2.9g)を得た。
MS (ESI) m/z: 545 (M+H+)。
【0398】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 6.36 (s, 1H), 5.78 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.04-5.00 (m, 1H), 4.90-4.85 (m, 1H), 4.75-4.65 (m, 1 H), 4.52 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 4.41 (brs, 1H), 3.72-3.47 (m, 4 H), 3.03 (s, 3H), 2.75-2.68 (m, 1H), 2.52 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.41-2.26 (m, 1H), 1.85-1.28 (m, 11 H), 1.23-1.18 (m, 6H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H)。
【0399】
実施例7:化合物VIIgの調製
10℃でVIIIg(1.9g,3.5mmol)のDMF(30mL)溶液にまずトリエチルアミン(2.3g)を添加し、その後にメタンスルホン酸無水物(1.7g)をゆっくりと添加した。添加した後に、この条件下でさらに6h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIg(2.02g)を得た。
MS (ESI) m/z: 573 (M+H+)。
【0400】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 6.36 (s, 1H), 5.77 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 5.04-5.00 (m, 1H), 4.92-4.88 (m, 1H), 4.73-4.65 (m, 1 H), 4.57 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.45-4.40 (m, 1H), 3.90-3.82 (m, 2H), 3.02 (s, 3H), 2.75-2.66 (m, 1H), 2.52 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.41-2.26 (m, 1H), 1.85-1.28 (m, 11H), 1.26-1.09 (m, 12H), 1.01 (d, J = 6.6 Hz, 3H)。
【0401】
実施例8~9は式VIIAで表される化合物の合成である。
実施例8:化合物VIIAaの調製
-20℃で、化合物VIIa(1.6g,3mmol)をN,N’-ジメチルプロピレン尿素(DMPU)(20mL)に溶解し、トリブチルベンジルアンモニウムクロリド(12g)を添加した。反応物を室温で48h撹拌した後、水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIAa(1.43g)を得た。
MS (ESI) m/z: 455 (M+H+)。
【0402】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 6.17 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.73 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 5.01-4.99 (m, 1 H), 4.92-4.83 (m, 2 H), 4.40-4.35 (m, 1 H), 4.10-4.00 (m, 1 H), 3.98-3.95 (m, 3 H), 3.87-3.85 (m, 2 H), 2.70-2.64 (m, 1 H), 2.30-2.25 (m, 1 H), 2.10-2.02 (m, 1 H), 1.94-1.73 (m, 4 H), 1.73-1.50 (m, 6 H), 1.00 (d, J = 6.4 Hz, 3 H)。
【0403】
実施例9:化合物VIIbの調製
60℃で、化合物VIIb(1.6g,2.9mmol)をN、N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶解し、テトラブチルアンモニウムクロリド(10g)を添加した。反応物を当該温度で1h撹拌した後、水で反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VIIAb(1.25g)を得た。
MS (ESI) m/z: 469 (M+H+)
【0404】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 6.18 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 5.72 (d, J= 1.2 Hz, 1H), 5.00-4.98 (m, 1H), 4.92-4.86 (m, 1H), 4.58-4.50 (m, 1H), 4.43-4.38 (m, 1H), 4.15-4.00 (m, 2H), 3.97-3.91 (m, 1 H), 3.86-3.70 (m, 2H), 2.70-2.65 (m, 1H), 2.52 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.40-2.25 (m, 1H), 2.20-2.05 (m, 2H), 1.80-1.29 (m, 11H), 1.02 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
【0405】
実施例10~18は式Vで表される化合物の合成である。
実施例10:化合物Vaの調製
反応フラスコにVIIa(4.35g,8.5mmol)、VIa(5.7g)、配位子1(13.1g)、塩化クロム(II)(3.6g)及び塩化ニッケル(II)(1.05g)を添加し、テトラヒドロフラン(60mL)及びトリエチルアミン(2.2g)を添加して溶解し、反応系を60℃で2時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Va(7.35g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1017 (M+H+)
【0406】
1H NMR (400 MHz, クロロホルム(Chloroform)-d) δ 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.41 (d, J= 8.4 Hz, 2H), 5.21 (s, 1H), 4.99-4.86 (m, 1H), 4.89-4.84 (m, 3H), 4.79-4.76 (m, 1H), 4.36-4.35 (m, 1H), 4.19-4.16 (m, 1H), 4.05-3.68 (m, 10H), 3.57 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.17 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.69-2.63 (m, 1H), 2.59-2.55 (m, 1H), 2.33-1.38 (m, 16H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.07 (d, J= 7.6 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.07 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.00 (s, 6H).
【0407】
実施例11:化合物Vbの調製
反応フラスコにVIIb(0.87g,1.6mmol)、VIa(1.3g)、配位子2(3.1g)、塩化クロム(II)(0.86g)及び塩化ニッケル(II)(0.12g)を添加し、2-メチルテトラヒドロフラン(15mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.43g)を添加して溶解し、反応系を30℃で4時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vb(1.32g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1031 (M+H+)
【0408】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.21 (s, 1H), 5.00-4.86 (m, 1H), 4.88-4.85 (m, 3H), 4.80-4.72 (m, 1H), 4.60-4.52 (m, 1H), 4.45-4.40 (m, 1H), 4.16-3.69 (m, 9H), 3.58 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 3.45 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.17 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1H), 3.05 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.69-2.60 (m, 1H), 2.60-2.55 (m, 1H), 2.30-1.35 (m, 18H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.08 (d, J= 7.6 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.07 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.00 (s, 6H).
【0409】
実施例12:化合物Vcの調製
反応フラスコにVIIc(0.87g,1.6mmol)、VIa(1.3g)、配位子1(2.6g)、塩化クロム(III)(0.95g)、マンガン粉末(1.2g)及び塩化ニッケル(II)(0.22g)を添加し、アセトニトリル(10mL)及びピリジン(0.36g)を添加して溶解し、反応系を10℃で24時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vc(1.16g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1059 (M+H+)。
【0410】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.21 (s, 1H), 5.00-4.86 (m, 1H), 4.90-4.85 (m, 3H), 4.80-4.75 (m, 1H), 4.52-4.42 (m, 2H), 4.13-3.70 (m, 9H), 3.57 (dd, J= 10.4, 5.2 Hz, 1H), 3.45 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.15 (dd, J= 14, 4.8 Hz, 1H), 3.06 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1H), 3.02 (s, 3H), 2.75 (q, J= 7.6 Hz, 2H), 2.69-2.60 (m, 1H), 2.60-2.55 (m, 1H), 2.32-1.35 (m, 16H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.19 (s, 3H), 1.07 (d, J = 7.6 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.71 (s, 3H), 0.07 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.00 (s, 6H).
【0411】
実施例13:化合物Vdの調製
反応フラスコにVIId(0.87g,1.6mmol)、VIa(1.2g)、配位子2(2.4g)、塩化クロム(II)(1.2g)及び塩化ニッケル(II)(0.12g)を添加し、ジメチルスルホキシド(10mL)及びトリエチルアミン(0.44g)を添加して溶解し、反応系を0℃で48時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vd(1.2g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1063 (M+H+)
【0412】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.21 (s, 1H), 4.99-4.86 (m, 1H), 4.90-4.85 (m, 3H), 4.79-4.76 (m, 1 H), 4.50-4.40 (m, 1H), 4.19-3.68 (m, 7H), 3.57 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.48 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1H), 3.39 (s, 3H), 3.18 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 3.00-2.78 (m, 4H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.69-2.65 (m, 1H), 2.59-2.55 (m, 1H), 2.45 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 2.35-1.30 (m, 18H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.08 (d, J = 7.6 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.07 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.00 (s, 6H).
【0413】
実施例14:化合物Veの調製
反応フラスコにVIIe(0.87g,1.7mmol)、VIa(1.2g)、配位子1(2.7g)、塩化クロム(II)(1.2g)及び塩化ニッケル(II)(0.12g)を添加し、ジクロロメタン(10mL)及びトリエチルアミン(0.44g)を添加して溶解し、反応系を20℃で36時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Ve(1.06g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1019 (M+H+).
【0414】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 5.21 (s, 1H), 4.99-4.86 (m, 1H), 4.89-4.84 (m, 3H), 4.79-4.76 (m, 1H), 4.41 (dd, J =7.0, 4.0 Hz, 1H), 4.19-4.15 (m, 1H), 4.05-3.65 (m, 5H), 3.57 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1H), 3.47 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1H), 3.38 (s, 3H), 3.35 (s, 3 H), 3.34 (s, 3H), 3.17 (dd, J= 14, 4.8 Hz, 1H), 3.04 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1H), 3.01 (s, 3H), 2.75 (q, J= 7.6 Hz, 2H), 2.60-2.55 (m, 1H), 2.30-1.35 (m, 17H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.07 (d, J = 7.6 Hz, 3H), 0.88 (s, 9H), 0.87 (s, 9H), 0.07 (s, 6H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.00 (s, 6H).
【0415】
実施例15:化合物Vfの調製
反応フラスコにVIIf(0.87g,1.7mmol)、VIa(1.5g)、配位子1(2.8g)、塩化クロム(II)(1.6g)及び塩化ニッケル(II)(0.21g)を添加し、酢酸エチル(10mL)及び2,6-ジメチルピリジン(0.44g)を添加して溶解し、反応系を20℃で18時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vf(1.12g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1047 (M+H+).
【0416】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 5.21 (s, 1 H), 4.99-4.86 (m, 1 H), 4.90-4.85 (m, 3 H), 4.80-4.75 (m, 1 H), 4.53 (t, J =5.6 Hz, 1 H), 4.41 (brs, 1 H), 4.20-4.15 (m, 1 H), 4.05-3.65 (m, 9 H), 3.56 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.46 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.17 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.04 (dd,J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.73-2.55 (m, 2 H), 2.53 (d, J = 5.0 Hz, 1 H), 2.40-1.35 (m, 16 H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3 H), 1.20-1.15 (m, 6 H), 1.07 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 0.87 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.00 (s, 6 H).
【0417】
実施例16:化合物Vgの調製
反応フラスコにVIIg(0.87g,1.6mmol)、VIa(1.5g)、配位子1(2.3g)、塩化クロム(II)(1.2g)及び塩化ニッケル(II)(0.16g)を添加し、メチルtert-ブチルエーテル(10mL)及びトリエチルアミン(0.36g)を添加して溶解し、反応系を40℃で15時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vg(1.1g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1075 (M+H+).
【0418】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 5.21 (s, 1 H), 4.99-4.86 (m, 1 H), 4.89-4.84 (m, 3 H), 4.78-4.75 (m, 1 H), 4.57 (t, J =5.2 Hz, 1 H), 4.45-4.40 (m, 1 H), 4.20-4.15 (m, 1 H), 4.05-3.65 (m, 7 H), 3.57 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.46 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.17 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.05 (dd,J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.74-2.66 (m, 1 H), 2.60-2.55 (m, 1 H), 2.52 (d, J = 5.0 Hz, 1 H), 2.40-1.35 (m, 16 H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3 H), 1.26-1.09 (m, 12 H), 1.07 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 0.87 (s, 9 H), 0.08 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.03 (s, 3 H), 0.00 (s, 6 H).
【0419】
実施例17:化合物Vhの調製
反応フラスコにVIIa(0.87g,1.6mmol)、VIb(1.3g)、配位子1(2.3g)、塩化クロム(II)(1.1g)及び塩化ニッケル(II)(0.15g)を添加し、テトラヒドロフラン(20mL)及びトリエチルアミン(0.32g)を添加して溶解し、反応系を30℃で12時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vh(1.2g)を得た。
MS (ESI) m/z: 989 (M+H+).
【0420】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.99-7.92 (m, 2 H), 7.75-7.66 (m, 1 H), 7.65-7.59 (m, 2H), 5.20 (s, 1 H), 4.99-4.88 (m, 1 H), 4.89-4.85 (m, 3 H), 4.80-4.76 (m, 1 H), 4.36-4.35 (m, 1 H), 4.19-4.15 (m, 1 H), 4.05-3.68 (m, 10 H), 3.57 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.47 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.37 (s, 3 H), 3.17 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.04 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 2.70-2.63 (m, 1 H), 2.59-2.55 (m, 1 H), 2.33-1.38 (m, 16 H), 1.08 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 0.88 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.00 (s, 6 H).
【0421】
実施例18:化合物Viの調製
反応フラスコにVIIa(0.87g,1.6mmol)、VIc(1.4g)、配位子2(2.1g)、塩化クロム(II)(1.6g)及び塩化ニッケル(II)(0.23g)を添加し、2-メチルテトラヒドロフラン(20mL)及びプロトンスポンジ(0.36g)を添加して溶解し、反応系を30℃で24時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物Vi(1.1g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1003 (M+H+).
【0422】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 5.20 (s, 1 H), 5.00-4.88 (m, 1 H), 4.86-4.82 (m, 3 H), 4.80-4.76 (m, 1 H), 4.39-4.35 (m, 1 H), 4.19-4.15 (m, 1 H), 4.05-3.66 (m, 10 H), 3.57 (dd, J = 10.2, 5.2 Hz, 1 H), 3.46 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.37 (s, 3 H), 3.17 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.04 (dd,J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 3.01 (s, 3 H), 2.70-2.65 (m, 1 H), 2.59-2.55 (m, 1 H), 2.46 (s, 3 H), 2.33-1.38 (m, 16 H), 1.08 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 0.88 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.00 (s, 6 H).
【0423】
実施例19~22は式VAで表される化合物の合成である。
実施例19:化合物VAaの調製
反応フラスコにVIIAa(1.2g,2.6mmol)、VIa(2.1g)、配位子1(3.8g)、塩化クロム(II)(1.9g)及び塩化ニッケル(II)(0.29g)を添加し、テトラヒドロフラン(30mL)及びトリエチルアミン(0.62g)を添加して溶解し、反応系を20℃で12時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VAa(1.7g)を得た。
MS (ESI) m/z: 957 (M+H+).
【0424】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 5.21 (s, 1 H), 5.00-4.86 (m, 1 H), 4.89-4.82 (m, 3 H), 4.39-4.35 (m, 1 H), 4.20-4.15 (m, 1 H), 4.05-3.70 (m, 11 H), 3.55 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.48 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.15 (dd, J= 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.05 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.69-2.63 (m, 1 H), 2.59-2.55 (m, 1 H), 2.33-1.38 (m, 16 H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3 H), 1.07 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 0.87 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.00 (s, 6 H).
【0425】
実施例20:化合物VAbの調製
反応フラスコにVIIAb(1.2g,2.56mmol)、VIa(2.1g)、配位子2(3.8g)、塩化クロム(II)(1.9g)及び塩化ニッケル(II)(0.29g)を添加し、テトラヒドロフラン(30mL)及びトリエチルアミン(0.62g)を添加して溶解し、反応系を60℃で4時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VAb(1.5g)を得た。
MS (ESI) m/z: 971 (M+H+).
【0426】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 2 H), 5.21 (s, 1 H), 5.00-4.85 (m, 1 H), 4.90-4.85 (m, 3 H), 4.82-4.75 (m, 1 H), 4.45-4.40 (m, 1H), 4.15-3.65 (m, 10 H), 3.58 (dd, J= 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.46 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.16 (dd, J= 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.05 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 2.73 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.69-2.65 (m, 1 H), 2.60-2.57 (m, 1 H), 2.30-1.35 (m, 18 H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3 H), 1.07 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.88 (s, 9 H), 0.87 (s, 9 H), 0.07 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.00 (s, 6 H).
【0427】
実施例21:化合物VAcの調製
反応フラスコにVIIAa(1.2g,2.6mmol)、VIb(2.1g)、配位子1(3.8g)、塩化クロム(II)(1.9g)及び塩化ニッケル(II)(0.29g)を添加し、2-メチルテトラヒドロフラン(30mL)及びジイソプロピルエチルアミン(0.85g)を添加して溶解し、反応系を0℃で48時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VAc(1.3g)を得た。
MS (ESI) m/z: 929 (M+H+).
【0428】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.97-7.88 (m, 2 H), 7.70-7.63 (m, 3 H), 5.22 (s, 1 H), 5.00-4.85 (m, 1 H), 4.90-4.80 (m, 3 H), 4.37-4.35 (m, 1 H), 4.18-4.13 (m, 1 H), 4.03-3.70 (m, 11 H), 3.54 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.48 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.38 (s, 3 H), 3.14 (dd, J = 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.03 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 2.70-2.65 (m, 1 H), 2.60-2.52 (m, 1 H), 2.30-1.35 (m, 16 H), 1.05 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.89 (s, 9 H), 0.87 (s, 9 H), 0.08 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.01 (s, 6 H).
【0429】
実施例22:化合物VAdの調製
反応フラスコにVIIAa(1.2g,2.6mmol)、VIc(2.1g)、配位子2(3.8g)、塩化クロム(II)(1.9g)及び塩化ニッケル(II)(0.29g)を添加し、2-メチルテトラヒドロフラン(30mL)及びプロトンスポンジ(1.2g)を添加して溶解し、反応系を30℃で24時間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物VAd(1.6g)を得た。
MS (ESI) m/z: 943 (M+H+).
【0430】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.80 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 7.41 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 5.23 (s, 1 H), 5.02-4.86 (m, 1 H), 4.88-4.81 (m, 3 H), 4.36-4.35 (m, 1 H), 4.18-4.10 (m, 1 H), 4.03-3.72 (m, 11 H), 3.53 (dd, J = 10.4, 5.2 Hz, 1 H), 3.46 (dd, J = 10, 5.6 Hz, 1 H), 3.39 (s, 3 H), 3.15 (dd, J= 14, 4.8 Hz, 1 H), 3.02 (dd, J = 14.4, 9.6 Hz, 1 H), 2.70-2.65 (m, 1 H), 2.60-2.50 (m, 1 H), 2.46 (s, 3 H), 2.30-1.35 (m, 16 H), 1.05 (d, J = 7.6 Hz, 3 H), 0.89 (s, 9 H), 0.87 (s, 9 H), 0.08 (s, 6 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H), 0.01 (s, 6 H).
【0431】
実施例23~35は式IIIで表される化合物の合成である。
実施例23:化合物IIIaの調製
室温で、化合物Va(2.0g,1.99mmol)のTHF(75mL)溶液にKHMDS(0.5M,6.0mL)を滴下し、この条件下でさらに30分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIa(1.06g)を得た。
MS (ESI) m/z: 944 (M+Na+).
【0432】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.95-4.87 (m, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1 H), 4.04-3.71 (m, 8H), 3.70-3.45 (m, 4H), 3.43 (s, 3H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.08-2.93 (m, 2H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.67-2.44 (m, 2H), 2.26-1.32 (m, 16H), 1.25 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.05(d, J = 6.4 Hz,3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.04 (s, 3H),0.03 (s, 3H).
【0433】
実施例24:化合物IIIaの調製
0℃で、化合物VAa(1g,0.99mmol)の酢酸tert-ブチル(20mL)溶液に2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン(2.3g)及びテトラフルオロホウ酸銀(2.6g)を添加し、この条件下でさらに48h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIa(0.8g)を得た。
MS (ESI) m/z: 944 (M+Na+).
【0434】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.95-4.87 (m, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1 H), 4.04-3.71 (m, 8H), 3.70-3.45 (m, 4H), 3.43 (s, 3H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.08-2.93 (m, 2H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.67-2.44 (m, 2H), 2.26-1.32 (m, 16H), 1.25 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.05(d, J= 6.4 Hz,3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.04 (s, 3H),0.03 (s, 3H).
【0435】
実施例25:化合物IIIbの調製
-30℃で、化合物Vb(1.0g,0.97mmol)のTHF(20mL)溶液にLiHMDS(1M,3mL)を滴下し、この条件下でさらに6h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIb(0.62g)を得た。
MS (ESI) m/z: 957 (M+Na+).
【0436】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.89-7.78 (m, 2H), 7.46-7.36 (m, 2H), 4.88 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.55 (t, J =4.8 Hz, 1 H), 4.25 (brs, 1H), 4.11-4.06 (m, 2H), 3.99-3.46 (m, 10H), 3.44 (s, 3H), 3.38-3.32 (m, 1H), 3.04-2.94 (m, 2H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.62-2.50 (m, 2H), 2.27-1.30 (m, 18H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.05 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s,3H),0.04(s,3H).
【0437】
実施例26:化合物IIIbの調製
30℃で、化合物VAb(1g,0.97mmol)の酢酸イソプロピル(20mL)溶液に2,4,6-トリメチルピリジン(2.6g)及びヘキサフルオロリン酸銀(3.2g)を添加し、この条件下でさらに12h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIb(0.7g)を得た。
MS (ESI) m/z: 944 (M+Na+).
【0438】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 4.95-4.87 (m, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1 H), 4.04-3.71 (m, 8H), 3.70-3.45 (m, 4H), 3.43 (s, 3H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.08-2.93 (m, 2H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.67-2.44 (m, 2H), 2.26-1.32 (m, 16H), 1.25 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.05(d, J= 6.4 Hz,3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.04 (s, 3H),0.03 (s, 3H).
【0439】
実施例27:化合物IIIcの調製
-20℃で、化合物Vc(1.0g,0.95mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(20mL)溶液にLDA(1M,2mL)を滴下し、この条件下でさらに3h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIc(0.66g)を得た。
MS (ESI) m/z: 985 (M+Na+).
【0440】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.89-7.79 (m, 2H), 7.42 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.88 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.77 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 2.2 Hz, 1H),4.44 (dd, J = 4.5 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1H), 4.01-3.47 (m, 10H), 3.44 (s, 3H), 3.43-3.31 (m, 3H), 3.06-2.93 (m, 2H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.65-2.47 (m, 2H), 2.26-1.32 (m, 16H), 1.26 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.18 (s, 3H), 1.06 (d, J= 6.4 Hz, 3H), 0.89 (s, 18H), 0.71 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0441】
実施例28:化合物IIIdの調製
-10℃で、化合物Vd(1.0g,0.95mmol)のメチルtert-ブチルエーテル(20mL)溶液にブチルリチウム(2.5M,1mL)を滴下し、この条件下でさらに2h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIId(0.58g)を得た。
MS (ESI) m/z: 989 (M+Na+).
【0442】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.89-7.79 (m, 2H), 7.46-7.37 (m, 2H), 4.89 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.65 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.26-4.20 (m, 1H), 4.05 (t, 17.2 Hz, 1H), 4.00-3.47 (m, 8H), 3.43 (s, 3H), 3.40-3.32 (m, 1H), 3.06-2.94 (m, 2H), 2.94-2.79 (m, 4H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.66-2.46 (m, 2H), 2.25-1.32 (m, 18H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.2 Hz, 3H), 0.89 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0443】
実施例29:化合物IIIeの調製
0℃で、化合物Ve(1.0g,0.98mmol)のトルエン(20mL)溶液にNaHMDS(1.0M,1.5mL)を滴下し、この条件下でさらに30分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIe(0.60g)を得た。
MS (ESI) m/z: 945 (M+Na+).
【0444】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.87-7.78 (m, 2H), 7.47-7.36 (m, 2H), 4.89 (d, J= 2.1 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 2.2 Hz, 1H), 4.36 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 4.00-3.47 (m, 8H), 3.43 (s, 3H), 3.38-3.33 (m, 1H), 3.31 (s, 3H), 3.30 (s, 3H), 3.06-2.95 (m, 2H), 2.75 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.67-2.44 (m, 2H), 2.27-1.33 (m, 16H), 1.27 (J = 7.6 Hz, 3H), 1.06 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.89 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0445】
実施例30:化合物IIIfの調製
10℃で、化合物Vf(1.0g,0.96mmol)のn-ヘプタン(20mL)溶液にカリウムtert-ブトキシド(1M,206MgL)を滴下し、この条件下でさらに1h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIf(0.68g)を得た。
MS (ESI) m/z: 973 (M+Na+)。
【0446】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.88-7.78 (m, 2H), 7.41 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 4.88 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.48 (t, J = 5.6 Hz, 1H ), 4.25 (brs, 1H), 3.97-3.92 (m, 1H), 3.87-3.46 (m, 10H), 3.43 (s, 3H), 3.38-3.32 (m, 1H), 3.06-2.93 (m, 2H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.65-2.46 (m, 2H), 2.27-1.33 (m, 16H), 1.26 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.19 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 1.05 (d, J= 6.4 Hz, 3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0447】
実施例31:化合物IIIgの調製
20℃で、化合物Vg(1.0g,0.95mmol)のn-ヘキサン(20mL)溶液にKHMDS(1.0M,1.5mL)を滴下し、この条件下でさらに30分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIg(0.70g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1001 (M+Na+).
【0448】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ 7.90-7.79 (m, 2H), 7.46-7.36 (m, 2H), 4.88 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 4.63 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 4.55 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1 H), 4.00-3.46 (m, 10H), 3.43 (s, 3H), 3.38-3.32 (m, 1H), 3.09-2.91 (m, 2H), 2.74 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.64-2.46 (m, 2H), 2.28-1.33 (m, 16H), 1.27 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 1.18 (d, J = 6.0 Hz, 6H), 1.13 (d, J = 6.0 Hz, 6H), 1.05 (d, J = 6.4 Hz, 3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H), 0.04 (s, 3H).
【0449】
実施例32:化合物IIIhの調製
-20℃で、化合物Vh(1.0g,1.01mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に水素化ナトリウム(102Mg)を滴下し、この条件下でさらに30分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIh(0.59g)を得た。
MS (ESI) m/z: 915 (M+Na+).
【0450】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ7.98-7.93 (m, 2 H), 7.73-7.66 (m, 1 H), 7.65-7.58 (m, 2H), 4.96-4.88 (m, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1 H), 4.05-3.70 (m, 8H), 3.73-3.44 (m, 4H), 3.42 (s, 3H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.06-2.92 (m, 2H), 2.66-2.42 (m, 2H), 2.28-1.30 (m, 16H), 1.05(d, J = 6.4 Hz,3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H),0.04 (s, 3H).
【0451】
実施例33:化合物IIIhの調製
60℃で、化合物VAc(1g,1.08mmol)のトルエン(20mL)溶液に2,6-ジメチルピリジン(3.6g)及び酸化銀(4.5g)を添加し、この条件下でさらに6h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIh(0.6g)を得た。
MS (ESI) m/z: 915 (M+Na+).
【0452】
1H NMR (400 MHz, Chloroform-d) δ7.98-7.93 (m, 2 H), 7.73-7.66 (m, 1 H), 7.65-7.58 (m, 2H), 4.96-4.88 (m, 2H), 4.84 (s, 1H), 4.76 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 4.64 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 4.25 (brs, 1 H), 4.05-3.70 (m, 8H), 3.73-3.44 (m, 4H), 3.42 (s, 3H), 3.39-3.32 (m, 1H), 3.06-2.92 (m, 2H), 2.66-2.42 (m, 2H), 2.28-1.30 (m, 16H), 1.05(d, J = 6.4 Hz,3H), 0.88 (s, 18H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.05 (s, 3H),0.04 (s, 3H).
【0453】
実施例34:化合物IIIiの調製
30℃で、化合物Vi(1.0g,1.0mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液にナトリウムtert-ブトキシド(189Mg)を滴下し、この条件下でさらに10分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIi(0.72g)を得た。
MS (ESI) m/z: 929 (M+Na+).
【0454】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 7.81 (d, J= 8.0 Hz, 2 H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.89-4.64 (m, 5 H), 4.25 (br, 1 H), 3.99-3.93 (m, 3 H), 3.88-3.78 (m, 5 H), 3.69-3.64 (m, 1 H), 3.60-3.54 (m, 2 H), 3.50-3.35 (m, 5 H), 3.00-2.98 (m, 2 H), 2.63-2.51 (m, 2 H), 2.46 (s, 3 H), 2.24-2.15 (m, 3 H), 2.04-1.98 (m, 1 H), 1.90-1.50 (m, 12 H), 1.07 (d, J = 6.4 Hz, 3 H), 0.89 (s, 18 H), 0.10 (s, 3 H), 0.09 (s, 3 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H).
【0455】
実施例35:化合物IIIiの調製
20℃で、化合物VAd(1g,1.08mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液に2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン(3.8g)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(6.2g)を添加し、この条件下でさらに36h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIIi(0.7g)を得た。
MS (ESI) m/z: 929 (M+Na+).
【0456】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 7.81 (d, J= 8.0 Hz, 2 H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.89-4.64 (m, 5 H), 4.25 (br, 1 H), 3.99-3.93 (m, 3 H), 3.88-3.78 (m, 5 H), 3.69-3.64 (m, 1 H), 3.60-3.54 (m, 2 H), 3.50-3.35 (m, 5 H), 3.00-2.98 (m, 2 H), 2.63-2.51 (m, 2 H), 2.46 (s, 3 H), 2.24-2.15 (m, 3 H), 2.04-1.98 (m, 1 H), 1.90-1.50 (m, 12 H), 1.07 (d, J = 6.4 Hz, 3 H), 0.89 (s, 18 H), 0.10 (s, 3 H), 0.09 (s, 3 H), 0.05 (s, 3 H), 0.04 (s, 3 H).
【0457】
実施例36~39は式Xで表される化合物の合成である。
実施例36:化合物Xaの調製
-50℃で、IIIa(0.5g,0.55mmol)のTHF(10mL)溶液にn-ブチルリチウム(2.5M ヘキサン溶液,0.36mL)を滴下し、この条件下でさらに30分間撹拌し反応させた。その後、上記体系に化合物XIa(0.490g)のTHF(4mL)溶液を添加し、さらに1h撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、メチルtert-ブチルエーテルで抽出した後、濃縮し、ジクロロメタンで交換し、粗品化合物Xaをそのまま次の反応に使用した。
MS (ESI) m/z: 1662 (M+H+).
【0458】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 7.80 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.68 (d, J= 8 Hz, 1 H), 7.39 (d, J = 8 Hz, 2 H), 6.88-6.78 (m, 1 H), 6.29-6.23 (m, 1 H), 4.99-4.63 (m, 6 H), 4.38-4.19 (m, 2 H), 4.09-3.35 (m, 21 H), 2.88-1.20 (m, 24 H), 1.20-0.84 (m, 49 H), 0.15-(-0.04) (m, 30H).
【0459】
実施例37:化合物Xbの調製
-78℃で、化合物IIIb(0.5g,0.54mmol)の2-メチルテトラヒドロフラン(10mL)溶液にリチウムジイソプロピルアミド(1.0M ヘキサン溶液,0.6mL)を滴下し、この条件下でさらに1h撹拌し反応させた。その後、上記体系に化合物XIa(0.49g)のTHF(4mL)溶液を添加し、さらに4h撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、メチルtert-ブチルエーテルで抽出した後、濃縮し、ジクロロメタンで交換し、粗品化合物Xbをそのまま次の反応に使用した。
MS (ESI) m/z: 1676 (M+H+).
【0460】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 7.80 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.68 (d, J = 8 Hz, 1 H), 7.39 (d, J = 8 Hz, 2 H), 6.88-6.78 (m, 1 H), 6.29-6.23 (m, 1 H), 5.02-4.60 (m, 7 H), 4.40-4.16 (m, 2 H), 4.11-3.30 (m, 20 H), 2.90-1.20 (m, 26 H), 1.20-0.84 (m, 49 H), 0.15-(-0.04) (m, 30H).
【0461】
実施例38:化合物Xcの調製
0℃で、IIIh(0.5g,0.56mmol)のn-ヘプタン(10mL)溶液にリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0M ヘキサン溶液,0.6mL)を滴下し、この条件下でさらに15分間撹拌し反応させた。その後、上記体系に化合物XIa(0.49g)のTHF(4mL)溶液を添加し、さらに30分間撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、メチルtert-ブチルエーテルで抽出した後、濃縮し、ジクロロメタンで交換し、粗品化合物Xcをそのまま次の反応に使用した。
MS (ESI) m/z: 1634 (M+H+).
【0462】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 7.97-7.90 (m, 2 H), 7.70-7.58 (m, 1 H), 7.60-7.50 (m, 2 H), 6.88-6.78 (m, 1 H), 6.29-6.23 (m, 1 H), 4.99-4.63 (m, 6 H), 4.38-4.19 (m, 2 H), 4.09-3.35 (m, 21 H), 2.88-1.20 (m, 19 H), 1.15-0.84 (m, 49 H), 0.15-(-0.04) (m, 30H).
【0463】
実施例39:化合物Xdの調製
-10℃で、IIIi(0.5g,0.56mmol)のn-ヘプタン(10mL)溶液にカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.0M,0.6mL)を滴下し、この条件下でさらに15分間撹拌し反応させた。その後、上記体系に化合物XIa(0.49g)のTHF(4mL)溶液を添加し、さらに2h撹拌した。TLCにより反応完了を検出した後に、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加し反応をクエンチし、メチルtert-ブチルエーテルで抽出した後、濃縮し、ジクロロメタンで交換し、粗品化合物Xdをそのまま次の反応に使用した。
MS (ESI) m/z: 1648 (M+H+).
【0464】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 7.80-7.75 (m, 1H), 7.68-7.65 (m, 1H), 7.40-7.35 (m, 2H), 6.88-6.78 (m, 1 H), 6.29-6.23 (m, 1 H), 4.99-4.63 (m, 6 H), 4.40-4.20 (m, 2 H), 4.09-3.35 (m, 21 H), 2.90-1.20 (m, 22 H), 1.15-0.85 (m, 49 H), 0.15-(-0.04) (m, 30H).
【0465】
実施例40~43は式IXで表される化合物の合成である。
実施例40:化合物IXaの調製
-20℃で、上記粗品化合物Xaのジクロロメタン溶液(5mL)に重炭酸ナトリウム(0.23g)及びDMP酸化剤(0.51g)を添加した。室温で2時間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、チオ硫酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの水溶液でクエンチした。酢酸エチルで抽出した後に、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IXa(0.78g)を得た。当該化合物は、核磁気により一連のジアステレオマーであると示される。
MS (ESI) m/z: 1660 (M+H+).
【0466】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 7.79-7.77 (m, 1H), 7.68-7.65 (m, 1H), 7.38-7.36 (m, 2H), 6.86-6.82 (m, 1H), 6.29-6.25 (m, 1H), 5.00-4.81 (m, 5H), 4.66 (d, J = 20.4 Hz, 1 H), 4.40-3.37 (m, 23H), 2.89-2.48 (m, 6 H), 2.45-1.00 (m, 27H), 0.88-0.80 (m, 45H), 0.11-0.01 (m, 30H).
【0467】
実施例41:化合物IXbの調製
40℃で、上記粗品化合物Xbのジクロロメタン溶液(5mL)にTEMPO(0.02g)及びPh(OAc)2(0.43g)を添加した。室温で6時間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、チオ硫酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの水溶液でクエンチした。酢酸エチルで抽出した後に、濃縮液をカラムにより精製して、IXb(0.72g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1674 (M+H+).
【0468】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 7.79-7.77 (m, 1H), 7.68-7.65 (m, 1H), 7.38-7.36 (m, 2H), 6.86-6.82 (m, 1H), 6.29-6.25 (m, 1H), 5.00-4.81 (m, 5H), 4.65 (d, J = 20.4 Hz, 1 H), 4.60-3.35 (m, 23H), 2.90-2.48 (m, 6 H), 2.45-1.00 (m, 29H), 0.88-0.80 (m, 45H), 0.11-0.00 (m, 30H).
【0469】
実施例42:化合物IXcの調製
20℃で、上記粗品化合物Xcのジクロロメタン溶液(5mL)にTEMPO(0.02g)、NaClO(5mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(5mL)を添加した。室温で1時間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、チオ硫酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの水溶液でクエンチした。酢酸エチルで抽出した後に、濃縮液をカラムにより精製して、IXc(0.66g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1632 (M+H+).
【0470】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 7.95-7.92 (m, 2 H), 7.55-7.81 (m, 3 H), 6.85-6.80 (m, 1H), 6.30-6.25 (m, 1H), 5.00-4.80 (m, 5H), 4.67 (d, J = 20.4 Hz, 1 H), 4.40-3.37 (m, 23H), 2.89-2.48 (m, 6 H), 2.45-1.00 (m, 27H), 0.88-0.80 (m, 45H), 0.11-0.01 (m, 30H).
【0471】
実施例43:化合物IXdの調製
60℃で、上記粗品化合物Xdのジメチルスルホキシド溶液(5mL)にIBX酸化剤(1.2g)を添加した。60℃で4時間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、チオ硫酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムの水溶液でクエンチした。酢酸エチルで抽出した後に、濃縮液をカラムにより精製して、IXd(0.59g)を得た。当該化合物は、核磁気により、一連のジアステレオマーであると示される。
MS (ESI) m/z: 1646 (M+H+).
【0472】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 7.78-7.76 (m, 1H), 7.68-7.64 (m, 1H), 7.38-7.36 (m, 2H), 6.86-6.82 (m, 1H), 6.28-6.25 (m, 1H), 5.01-4.80 (m, 5H), 4.66 (d, J = 20.4 Hz, 1 H), 4.42-3.34 (m, 23H), 2.89-2.81 (m, 2 H), 2.65-2.48 (m, 2 H), 2.45-1.00 (m, 27H), 0.88-0.80 (m, 45H), 0.10-0.00 (m, 30H).
【0473】
実施例44~47は式XIIで表される化合物の合成である。
実施例44:化合物XIIaの調製
氷水冷却の条件下で、IXa(0.78g,0.47mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に2,6-ジメチルピリジン(0.62g)及びTMSOTf(1.3g)を順次に添加し、添加した後にさらに1h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物XIIa(0.625g)を得た。当該化合物は、核磁気により、一連のジアステレオマーであると示される。
MS (ESI) m/z: 1615 (M+H+).
【0474】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 7.78-7.68 (m, 1H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 2H), 6.86-6.82 (m, 1H), 6.29-6.25 (m, 1H), 5.01-4.81 (m, 5 H), 4.34-3.43 (m, 18H), 2.88-2.86 (m, 2H), 2.85-1.02 (m, 31H), 0.90-0.78 (m, 45H), 0.13-0.01 (m, 30H).
【0475】
実施例45:化合物XIIaの調製
-20℃で、IXb(0.7g,0.42mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液にピリジン(0.55g)及びTMSOTf(1.2g)を順次に添加し、添加した後にさらに4h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物XIIa(0.58g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1615 (M+H+).
【0476】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 7.78-7.68 (m, 1H), 7.67-7.65 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 2H), 6.86-6.82 (m, 1H), 6.29-6.25 (m, 1H), 5.01-4.81 (m, 5 H), 4.34-3.43 (m, 18H), 2.88-2.86 (m, 2H), 2.85-1.02 (m, 31H), 0.90-0.78 (m, 45H), 0.13-0.01 (m, 30H).
【0477】
実施例46:化合物XIIcの調製
30℃で、IXc(0.6g,0.37mmol)のトルエン(10mL)溶液にピリジニウムp-トルエンスルホナート(1.8g)を添加し、添加した後にさらに12h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物XIIc(0.47g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1588 (M+H+).
【0478】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 7.93 (d, J= 8.0 Hz, 2H), 7.80-7.55 (m, 3H), 6.87-6.81 (m, 1H), 6.28-6.24 (m, 1H), 5.05-4.81 (m, 5 H), 4.35-3.42 (m, 18H), 2.88-2.85 (m, 2H), 2.85-1.03 (m, 26H), 0.90-0.75 (m, 45H), 0.13-0.00 (m, 30H).
【0479】
実施例47:化合物XIIdの調製
40℃で、IXd(0.6g,0.37mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(1.2g)を添加し、添加した後にさらに6h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物XIId(0.51g)を得た。
MS (ESI) m/z: 1602 (M+H+).
【0480】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 7.77-7.68 (m, 1H), 7.68-7.65 (m, 1H), 7.39-7.35 (m, 2H), 6.87-6.80 (m, 1H), 6.29-6.25 (m, 1H), 5.05-4.80 (m, 5 H), 4.35-3.40 (m, 18H), 2.88-2.85 (m, 2H), 2.85-1.00 (m, 29H), 0.90-0.75 (m, 45H), 0.13-0.00 (m, 30H).
【0481】
実施例48~51は式IIで表される化合物の合成である。
実施例48:化合物IIaの調製
-78℃で、IXa(100Mg,0.06mmol)のTHF(3mL)溶液にSmI2のTHF溶液(0.1M in THF,2mL)を滴ずつ添加し、当該温度で10分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIa(82Mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1492 (M+H+).
【0482】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 9.79 (s, 1 H), 6.85 (dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1 H), 6.28 (dd, J = 14.4, 1 H), 4.99 (d, J = 2 Hz, 1 H), 4.89-4.85 (m, 3 H), 4.79 (s, 1 H), 4.34-4.33 (m, 1 H), 4.06-4.02 (m, 2 H), 3.89-3.43 (m, 11 H), 3.33 (s, 3 H), 3.23 (d, J = 3.6 Hz, 1 H), 2.93 (d, J= 9.6 Hz, 2 Hz, 1 H), 2.75-2.22 (m, 10 H), 2.09-1.26 (m, 16 H), 1.07 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.95 (s, 9 H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11(s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08(s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0483】
実施例49:化合物IIaの調製
0℃で、IXc(100Mg,0.06mmol)のTHF(3mL)溶液に塩化クロム(II)(205Mg)及びマンガン粉末(300Mg)を添加し、当該温度で12h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIa(78Mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1492 (M+H+).
【0484】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 9.79 (s, 1 H), 6.85 (dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1 H), 6.28 (dd, J = 14.4, 1 H), 4.99 (d, J = 2 Hz, 1 H), 4.89-4.85 (m, 3 H), 4.79 (s, 1 H), 4.34-4.33 (m, 1 H), 4.06-4.02 (m, 2 H), 3.89-3.43 (m, 11 H), 3.33 (s, 3 H), 3.23 (d, J = 3.6 Hz, 1 H), 2.93 (d, J= 9.6 Hz, 2 Hz, 1 H), 2.75-2.22 (m, 10 H), 2.09-1.26 (m, 16 H), 1.07 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.95 (s, 9 H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11(s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08(s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0485】
実施例50:化合物IIaの調製
30℃で、IXd(100Mg,0.06mmol)のTHF(3mL)溶液に亜鉛粉(600Mg)及び酢酸(600Mg)を添加し、当該温度で6h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIa(63Mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1492 (M+H+)
【0486】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 9.79 (s, 1 H), 6.85 (dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1 H), 6.28 (dd, J = 14.4, 1 H), 4.99 (d, J = 2 Hz, 1 H), 4.89-4.85 (m, 3 H), 4.79 (s, 1 H), 4.34-4.33 (m, 1 H), 4.06-4.02 (m, 2 H), 3.89-3.43 (m, 11 H), 3.33 (s, 3 H), 3.23 (d, J = 3.6 Hz, 1 H), 2.93 (d, J= 9.6 Hz, 2 Hz, 1 H), 2.75-2.22 (m, 10 H), 2.09-1.26 (m, 16 H), 1.07 (3H, d, J = 6.0 Hz), 0.95 (s, 9 H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11(s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08(s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0487】
実施例51:化合物IIbの調製
-30℃で、IXb(100Mg,0.06mmol)のTHF(3mL)溶液にSmI2(0.1M,3mL)を添加し、当該温度で2h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IIb(77mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1506 (M+H+)。
【0488】
1H NMR (400 MHz,CDCl3): δ 9.78 (s, 1 H), 6.83 (dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1 H), 6.26 (dd, J = 14.4, 1 H), 5.00 (d, J = 2 Hz, 1 H), 4.90-4.85 (m, 3 H), 4.78 (s, 1 H), 4.62-4.51 (m, 1 H), 4.42-4.38 (m, 1 H), 4.16-4.00 (m, 3 H), 3.90-3.42 (m, 9 H), 3.34 (s, 3 H), 3.21 (d, J = 3.6 Hz, 1 H), 2.90 (d, J = 9.6 Hz, 2 Hz, 1 H), 2.75-2.20 (m, 10 H), 2.10-1.20 (m, 18 H), 1.08 (3H, d, J= 6.0 Hz), 0.95 (s, 9 H), 0.92 (s, 9 H), 0.90 (s, 9 H), 0.88 (s, 9 H), 0.86 (s, 9 H), 0.12 (s, 3H), 0.11(s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08(s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0489】
実施例52~56は式IVaで表される化合物の合成である。
実施例52:化合物IVaの調製
-30℃で、XIIa(86Mg,0.05mmol)のTHF(2mL)溶液にSmI2のTHF溶液(0.1M THF溶液,1mL)を滴ずつ添加し、当該温度で30分間撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IVa(80Mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1448 (M+H+)。
【0490】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 6.86 (dd, J= 15.0, 8.0 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 15.0Hz, 1 H), 4.99-4.97 (m, 1H), 4.89 (dd, J = 8.0, 3.0 Hz, 1H), 4.88-3.64 (m, 13 H), 3.57 (dd, J =10.0, 6.0 Hz, 1H), 3.53-3.41 (m, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.25 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 2.77-1.06 (m, 26H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3 H), 0.95 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0491】
実施例53:化合物IVaの調製
-50℃で、XIIc(50Mg,0.03mmol)のTHF(2mL)溶液に塩化クロム(II)(100mg)及びマンガン粉末(100mg)を添加し、当該温度で4h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IVa(39Mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1448 (M+H+)。
【0492】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 6.86 (dd, J= 15.0, 8.0 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 15.0Hz, 1 H), 4.99-4.97 (m, 1H), 4.89 (dd, J = 8.0, 3.0 Hz, 1H), 4.88-3.64 (m, 13 H), 3.57 (dd, J =10.0, 6.0 Hz, 1H), 3.53-3.41 (m, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.25 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 2.77-1.06 (m, 26H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3 H), 0.95 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0493】
実施例54:化合物IVaの調製
30℃で、XIId(50Mg,0.03mmol)のTHF(2mL)溶液に亜鉛粉(200Mg)及び酢酸(200Mg)を添加し、当該温度で2h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、炭酸カリウムの水溶液を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IVa(35Mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1448 (M+H+)。
【0494】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 6.86 (dd, J= 15.0, 8.0 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 15.0Hz, 1 H), 4.99-4.97 (m, 1H), 4.89 (dd, J = 8.0, 3.0 Hz, 1H), 4.88-3.64 (m, 13 H), 3.57 (dd, J =10.0, 6.0 Hz, 1H), 3.53-3.41 (m, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.25 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 2.77-1.06 (m, 26H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3 H), 0.95 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0495】
実施例55:化合物IVaの調製
氷水冷却の-30℃条件下で、IIa(80Mg,0.05mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に2,6-ジメチルピリジン(0.12g)及びTMSOTf(0.26g)を順次に添加し、添加した後にさらに24h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IVa(56mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1448 (M+H+)。
【0496】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 6.86 (dd, J= 15.0, 8.0 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 15.0Hz, 1 H), 4.99-4.97 (m, 1H), 4.89 (dd, J = 8.0, 3.0 Hz, 1H), 4.88-3.64 (m, 13 H), 3.57 (dd, J =10.0, 6.0 Hz, 1H), 3.53-3.41 (m, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.25 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 2.77-1.06 (m, 26H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3 H), 0.95 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0497】
実施例56:化合物IVaの調製
40℃で、IIb(50Mg,0.03mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液にピリジン(0.15g)及びTMSOTf(0.22g)を順次に添加し、添加した後にさらに1h撹拌し反応させた。TLCにより反応完了を検出した後に、反応液に1N塩酸を添加し反応をクエンチし、酢酸エチルで抽出し、濃縮液をカラムにより精製して、化合物IVa(33mg)を得た。
MS (ESI) m/z: 1448 (M+H+)。
【0498】
1H NMR (400 MHz,CDCl3):δ 9.78 (s, 1H), 6.86 (dd, J= 15.0, 8.0 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 15.0Hz, 1 H), 4.99-4.97 (m, 1H), 4.89 (dd, J = 8.0, 3.0 Hz, 1H), 4.88-3.64 (m, 13 H), 3.57 (dd, J =10.0, 6.0 Hz, 1H), 3.53-3.41 (m, 3H), 3.33 (s, 3H), 3.25 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 2.95 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 2.77-1.06 (m, 26H), 1.07 (d, J = 6.0 Hz, 3 H), 0.95 (s, 9H), 0.92 (s, 9H), 0.89 (s, 9H), 0.88 (s, 9H), 0.86 (s, 9H), 0.12 (s, 3H), 0.11 (s, 3H), 0.10 (s, 3H), 0.09 (s, 3H), 0.08 (s, 3H), 0.07 (s, 3H), 0.06 (s, 3H), 0.04 (s, 3H), 0.03 (s, 3H), 0.02 (s, 3H)。
【0499】
本発明はその特定の実施形態に基づいて説明されているので、幾つかの修正及び等価物は当業者にとって自明であり、本発明の範囲に含まれる。
<付記>
本発明は以下の態様を含む。
<項1>
下記の式IIIで表される化合物。
【化1】
[式中、Arは、C
1-10
アルキル若しくはアルコキシによって置換されたアリール、又は無置換のアリールであり;好ましくは、パラ位がC
1-10
アルキルによって置換されたフェニル又は無置換のフェニルであり;
R
1
及びR
2
は、アセタールの保護基又はチオアセタールの保護基であり、且つそれぞれ独立してC
1-10
アルコキシ又はC
1-10
アルキルチオであり、或いはR
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成しており;R
1
及びR
2
は、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状のアセタール又は環状のチオアセタールを形成することが好ましく、置換又は無置換のエチレングリコールアセタール、或いは置換又は無置換のプロピレングリコールアセタールであることがさらに好ましい。]
<項2>
式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップを含む方法A;或いは、
【化2】
式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップを含む方法Bであることを特徴とする項1に記載の式IIIで表される化合物の製造方法。
【化3】
[式中、Ar、R
1
及びR
2
の定義は、請求項1に記載したとおりであり;
R
3
は水素又はヒドロキシ保護基であり、好ましくはメタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。」
<項3>
下記の式Vで表される化合物。
【化4】
[式中、Ar、R
1
、R
2
及びR
3
の定義は、項2に記載したとおりである。]
<項4>
式VIで表される化合物と式VIIで表される化合物とをNHK反応に供し、前記式Vで表される化合物を得る、ことを特徴とする項3に記載の式Vで表される化合物の製造方法。
【化5】
[式中、Ar、R
1
、R
2
及びR
3
の定義は、項3に記載したとおりであり;
Xは、ハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。]
<項5>
下記の式VAで表される化合物。
【化6】
[式中、Ar、R
1
及びR
2
の定義は、項2に記載したとおりであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。]
<項6>
式VIで表される化合物と式VIIAで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする項5に記載の式VAで表される化合物の製造方法。
【化7】
[式中、Ar、R
1
、R
2
及びYの定義は、項5に記載したとおりであり;
Xは、ハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。]
<項7>
下記の式VIIで表される化合物。
【化8】
[式中、R
1
、R
2
及びR
3
の定義は、項3に記載したとおりであり;
Xは、ハロゲン又は脱離基であり、好ましくは、塩素、臭素、ヨウ素又はトリフルオロメチルスルホニル基である。]
<項8>
化合物VIIIをヒドロキシ保護反応に供し、前記式VIIで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする項7に記載の式VIIで表される化合物の製造方法。
【化9】
[式中、R
1
、R
2
、R
3
及びXの定義は、項7に記載したとおりであり、且つR
3
は水素ではない。]
<項9>
下記の式VIIAで表される化合物。
【化10】
[式中、R
1
、R
2
及びXの定義は、項7に記載したとおりであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。]
<項10>
式VIIで表される化合物を置換反応に供し、前記式VIIAで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする項9に記載の式VIIAで表される化合物の製造方法。
【化11】
[式中、R
1
、R
2
、X及びYの定義は、項9に記載したとおりであり;
R
3
は水素又はヒドロキシ保護基であり、好ましくはメタンスルホニル、p-トリルスルホニル又はトリフルオロメタンスルホニルである。]
<項11>
下記の式IIで表される化合物。
【化12】
[式中、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項12>
式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、前記式IIで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする項11に記載の式IIで表される化合物の製造方法。
【化13】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項13>
式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化14】
[式中、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項14>
下記の式IXで表される化合物。
【化15】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項15>
式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする項14に記載の式IXで表される化合物の製造方法。
【化16】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項16>
式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする式XIIで表される化合物の製造方法。
【化17】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項17>
下記の式Xで表される化合物。
【化18】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項18>
式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを塩基性条件下で縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップを含む、ことを特徴とする項17に記載の式Xで表される化合物の製造方法。
【化19】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項19>
1)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
2)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
3)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得るステップ;
4)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含むことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化20】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項20>
1)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
2)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
3)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップ;
4)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含むことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化21】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項21>
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式Vで表される化合物を得るステップ;
3)式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
4)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
5)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
6)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得るステップ;
7)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含むことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化22】
[式中、Ar、X、R
1
及びR
2
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項22>
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式Vで表される化合物を得るステップ;
3)式Vで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
4)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
5)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
6)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップ;
7)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含むことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化23】
[式中、Ar、X、R
1
、R
2
及びR
3
の定義は、項4に記載したとおりである。]
<項23>
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物を置換反応に供し、式VIIAで表される化合物を得るステップ;
3)式VIIAで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップ;
4)式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
5)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
6)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
7)式IXで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IIで表される化合物を得るステップ;
8)式IIで表される化合物を加水分解反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含むことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化24】
[式中、Ar、X、R
1
、R
2
及びR
3
の定義は、項4に記載したとおりであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。]
<項24>
1)式VIIIで表される化合物をヒドロキシ保護反応に供し、式VIIで表される化合物を得るステップ;
2)式VIIで表される化合物を置換反応に供し、式VIIAで表される化合物を得るステップ;
3)式VIIAで表される化合物と式VIで表される化合物とをNHK反応に供し、式VAで表される化合物を得るステップ;
4)式VAで表される化合物を分子内の環化反応に供し、式IIIで表される化合物を得るステップ;
5)式IIIで表される化合物と式XIで表される化合物とを縮合反応に供し、式Xで表される化合物を得るステップ;
6)式Xで表される化合物を酸化反応に供し、式IXで表される化合物を得るステップ;
7)式IXで表される化合物を加水分解反応に供し、式XIIで表される化合物を得るステップ;
8)式XIIで表される化合物を還元的脱離反応に供し、式IVで表される化合物を得るステップ、
を含むことを特徴とする式IVで表される化合物の製造方法。
【化25】
[式中、Ar、X、R
1
、R
2
及びR
3
の定義は、項4に記載したとおりであり;
Yはハロゲンであり、好ましくは、塩素、臭素又はヨウ素である。]
<項25>
項13、19、20、21、22、23及び24のいずれか1項に記載の式IVで表される化合物の製造方法を含み、或いは、項1に記載の式IIIで表される化合物、項3に記載の式Vで表される化合物、項5に記載の式VAで表される化合物又は項11に記載の式IIで表される化合物を経由してエリブリンを製造するステップを含むことを特徴とするエリブリンの製造方法。