(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】ナビゲーション経路の通行時間の処理方法、装置、機器及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220712BHJP
G08G 1/01 20060101ALN20220712BHJP
G08G 1/0968 20060101ALN20220712BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/01 A
G08G1/0968 A
(21)【出願番号】P 2018566337
(86)(22)【出願日】2017-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2017084514
(87)【国際公開番号】W WO2018058969
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2018-12-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】201610874055.4
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512015127
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー(ペキン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、メン
【合議体】
【審判長】佐々木 正章
【審判官】水野 治彦
【審判官】鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-210249(JP,A)
【文献】特開2010-44526(JP,A)
【文献】特開2004-354386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G1/00-99/00
G01C21/00-21/36
G01C21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション経路の通行時間の処理方法であって、
ユーザがナビゲーションを要求した区域である現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点での転向の方向、及び前記ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得すること、
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向、予め設定された転向確率データベース及
び前記各目標交差点の予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、
前記ユーザが前記ナビゲーション経路における道路(リンク)を通過する時間コストと、前記ナビゲーション経路における前記各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、前記ユーザの前記ナビゲーション経路における通行時間を確定すること、を含む
ナビゲーション経路の通行時間の処理方法。
【請求項2】
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向、予め設定された転向確率データベース及び前
記予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定することは、具体的に、
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向及び前記予め設定された転向確率データベースに基づいて、前記各目標交差点での前記転向の方向に対応する転向の転向確率を取得すること、
前記各目標交差点での前
記転向の方向に対応す
る前記転向の前記転向確率、及
び前記予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、を含む
請求項1に記載されたナビゲーション経路の通行時間の処理方法。
【請求項3】
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向、予め設定された転向確率データベース及び前
記予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定する前に、
転向確率データベースを確立して、前記予め設定された転向確率データベースを獲得することを更に含む
請求項2に記載されたナビゲーション経路の通行時間の処理方法。
【請求項4】
ナビゲーション経路の通行時間の処理装置であって、
ユーザがナビゲーションを要求した区域である現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点での転向の方向、及び前記ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得するための取得モジュールと、
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向、予め設定された転向確率データベース及
び前記各目標交差点の予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定するための交差点時間コスト確定モジュールと、
前記ユーザが前記ナビゲーション経路における道路(リンク)を通過する時間コストと、前記ナビゲーション経路における前記各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、前記ユーザの前記ナビゲーション経路における通行時間を確定するための通行時間確定モジュールと、を含む
ナビゲーション経路の通行時間の処理装置。
【請求項5】
前記交差点時間コスト確定モジュールは、具体的に、
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向及び前記予め設定された転向確率データベースに基づいて、前記各目標交差点での前記転向の方向に対応する転向の転向確率を取得するための転向確率取得手段と、
前記各目標交差点での前
記転向の方向に対応す
る前記転向の前記転向確率、及
び前記予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定するための時間コスト確定手段と、を含む
請求
項4に記載されたナビゲーション経路の通行時間の処理装置。
【請求項6】
転向確率データベースを確立して、前記予め設定された転向確率データベースを獲得するための確立モジュールを更に含む、
請求
項5に記載されたナビゲーション経路の通行時間の処理装置。
【請求項7】
機器であって、
1つ又は複数のプロセッサと、
メモリと、
1つ又は複数のプログラムと、を含み、
前記1つ又は複数のプログラムは、前記メモリに記憶されており、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されるとき、
ユーザがナビゲーションを要求した区域である現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点での転向の方向、及び前記ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得し、
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向、予め設定された転向確率データベース及
び前記各目標交差点の予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定し、
前記ユーザが前記ナビゲーション経路における道路(リンク)を通過する時間コストと、前記ナビゲーション経路における前記各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、前記ユーザの前記ナビゲーション経路における通行時間を確定する
機器。
【請求項8】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムが1つ又は複数のコンピュータによって実行されるとき、前記1つ又は複数のコンピュータに、
ユーザがナビゲーションを要求した区域である現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点での転向の方向、及び前記ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得すること、
前記要求時間帯、前記各目標交差点で
の前記転向の方向、予め設定された転向確率データベース及
び前記各目標交差点の予め設定された待ち時間に基づいて、前記ユーザが前記各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、
前記ユーザが前記ナビゲーション経路における道路(リンク)を通過する時間コストと、前記ナビゲーション経路における前記各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、前記ユーザの前記ナビゲーション経路における通行時間を確定すること、を実行させる
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願日が2016年09月30日であり、出願番号が201610874055.4であり、発明の名称が「ナビゲーション経路の通行時間の処理方法及び装置」である中国特許出願の優先権を要求する。
【0002】
本発明は、ナビゲーション技術分野に関するものであり、特にナビゲーション経路の通行時間の処理方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の急速な発展に伴い、電子機器に使用される応用が多くなり、人々の生活が非常に便利になっている。
【0004】
例えば、ナビゲーション応用は、従来技術の電子機器によく使用される応用である。ユーザが外出する時、ナビゲーションによって走行経路を取得することができ、ユーザの生活にとっては非常に便利である。従来のナビゲーションにおいて、ユーザが始点から終点までのナビゲーション経路を要求した時、ナビゲーション応用は、ユーザに少なくとも2つのナビゲーション経路を計算すると共に、ユーザに、各ナビゲーション経路の通行時間を計算する。従来技術において、ナビゲーション経路の通行時間を確定する過程において、交差点の通過時間に関して、直接に経路において青信号として全て待たない、又は直接に赤信号として全て待つようにする。
【0005】
従来技術のナビゲーション経路の通行時間の計算において、ナビゲーション経路において交差点の信号機を全て赤信号又は青信号とすることで、取得されたナビゲーション経路の通行時間が極めて不正確となってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ナビゲーション経路の通行時間の取得確度を向上させるためのナビゲーション経路の通行時間の処理方法及び装置を提供する。
【0007】
本発明の実施例に係るナビゲーション経路の通行時間の処理方法は、
ユーザが要求した現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及び上記ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得すること、
上記要求時間帯、上記各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各上記転向の予め設定された待ち時間に基づいて、上記ユーザが上記各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、上記ユーザが上記ナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、上記ナビゲーション経路における上記各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、上記ユーザの上記ナビゲーション経路における通行時間を確定すること、を含む。
【0008】
更に好ましく、上記方法において、上記要求時間帯、上記各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各上記転向の予め設定された待ち時間に基づいて、上記ユーザが上記各目標交差点を通過する時間コストを確定することは、具体的に、上記要求時間帯、上記各目標交差点の転向標識及び上記予め設定された転向確率データベースに基づいて、上記各目標交差点の上記転向標識に対応する転向の転向確率を取得すること、上記各目標交差点の各上記転向に対応する上記転向確率、及び上記転向の上記予め設定された待ち時間に基づいて、上記ユーザが上記各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、を含む。
【0009】
更に好ましく、上記方法において、上記要求時間帯、上記各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各上記転向の予め設定された待ち時間に基づいて、上記ユーザが上記各目標交差点を通過する時間コストを確定する前に、
上記予め設定された転向確率データベースを確立することを更に含む。
【0010】
更に好ましく、上記方法において、上記予め設定された転向確率データベースを確立することは、具体的に、
上記現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の上記現在区域における各交差点の各方向の通行重みを取得すること、上記各時間帯の上記現在区域における各上記交差点について、対応する上記交差点の各方向の上記通行重み及び各方向の道路の長さに基づいて、対応する上記交差点の各方向の転向確率を取得すること、上記各時間帯、各上記交差点の標識、及び各上記交差点の各方向の転向確率を対応関係に従ってデータベースに記憶して、上記予め設定された転向確率データベースを生成すること、を含む。
【0011】
更に好ましく、上記方法において、上記現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の上記現在区域における各交差点の各方向の通行重みを取得することは、具体的に、上記現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の上記現在区域における各交差点の各方向の車両走行の平均速度を取得して、対応する上記方向の通行重みとすること、を含む。
【0012】
本発明の実施例に関するナビゲーション経路の通行時間の処理装置は、ユーザが要求した現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及び上記ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得するための取得モジュールと、上記要求時間帯、上記各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各上記転向の予め設定された待ち時間に基づいて、上記ユーザが上記各目標交差点を通過する時間コストを確定するための交差点時間コスト確定モジュールと、上記ユーザが上記ナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、上記ナビゲーション経路における上記各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、上記ユーザの上記ナビゲーション経路における通行時間を確定するための通行時間確定モジュールと、を含む。
【0013】
更に好ましく、上記装置において、上記交差点時間コスト確定モジュールは、具体的に、上記要求時間帯、上記各目標交差点の転向標識及び上記予め設定された転向確率データベースに基づいて、上記各目標交差点の上記転向標識に対応する転向の転向確率を取得するための転向確率取得手段と、上記各目標交差点の各上記転向に対応する上記転向確率、及び上記転向の上記予め設定された待ち時間に基づいて、上記ユーザが上記各目標交差点を通過する時間コストを確定するための時間コスト確定手段と、を含む。
【0014】
更に好ましく、上記装置において、
上記予め設定された転向確率データベースを確立するための確立モジュールを更に含む。
【0015】
更に好ましく、上記装置において、上記確立モジュールは、具体的に、
上記現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の上記現在区域における各交差点の各方向の通行重みを取得するための通行重み取得手段と、上記各時間帯の上記現在区域における各上記交差点について、対応する上記交差点の各方向の上記通行重み及び各方向の道路の長さに基づいて、対応する上記交差点の各方向の転向確率を取得するための転向確率取得手段と、上記各時間帯、各上記交差点の標識、及び各上記交差点の各方向の転向確率を対応関係に従ってデータベースに記憶して、上記予め設定された転向確率データベースを生成するための生成手段と、を含む。
【0016】
更に好ましく、上記装置において、上記通行重み取得手段は、具体的に、上記現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の上記現在区域における各交差点の各方向の車両走行の平均速度を取得して、対応する上記方向の通行重みとするために用いられる。
【0017】
本発明の実施例に係るナビゲーション経路の通行時間の処理方法及び装置によれば、ユーザが要求した現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及びユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得すること、要求時間帯、各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、ユーザがナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、ナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、ユーザのナビゲーション経路における通行時間を確定すること、を含む。本発明の技術案を採用することで、従来技術の欠点を克服して、より正確にナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストを確定することができるので、更に精度良くナビゲーション経路の通行時間を確定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るナビゲーション経路の通行時間の処理方法の実施例のフローチャートである。
【0019】
【
図2】本発明に係るナビゲーション経路の通行時間の処理装置の実施例1の構成図である。
【0020】
【
図3】本発明に係るナビゲーション経路の通行時間の処理装置の実施例2の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施例の目的、技術案及び利点をより明確で簡潔にさせるために、以下、本発明の実施例の図面及び実施例を結合して、本発明をより詳しく説明する。
【0022】
図1は、本発明のナビゲーション経路の通行時間の処理方法の実施例のフローチャートである。
図1に示すように、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理方法は、具体的に、以下のようなステップを含むことができる。
【0023】
100、ユーザが要求した現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及びユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得すること、101、要求時間帯、各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、102、ユーザがナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、ナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、ユーザのナビゲーション経路における通行時間を確定すること。
【0024】
本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理方法の実行主体は、ナビゲーション経路の通行時間の処理装置であり、該ナビゲーション経路の通行時間の処理装置は、具体的にナビゲーション応用に設定されることができる。本実施例のナビゲーション応用は、地図応用又は他の応用に組み込んでも良い。又は、該ナビゲーション応用は、直接に移動端末又は他の電子機器にインストールしても良い。
【0025】
情報の管理を便利的に行い、ナビゲーション効率を増加するように、本実施例の技術案は、区域に従って行うことができる。本実施例で言う区域とは、具体的に、都市又は都市におけるある区を指す。ユーザが現在区域においてナビゲーションを要求した時、先ず、ナビゲーション応用によって、ユーザからのナビゲーション要求における始点及び終点に基づいて、ナビゲーション経路を計算する。そして、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置は、該ナビゲーション経路を取得し、該ナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及びユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得することができる。そのうち、ナビゲーション経路を確定したら、ナビゲーション経路において経過した各目標交差点の転向も確定される。本実施例における各目標交差点の転向標識は、対応している転向の文字、例えば東から西への方向、東から南への方向又は南から西への方向、南から東への方向等で表すことができる。又は、数字又は文字を利用して各転向を唯一に標識しても良い。例えば、1が東から西への転向、2が東から南への転向、3が東から北への転向、4が東から東へ即ちUターンの転向をそれぞれ標識するように、各転向を数字又は文字で標識することができる。通常、都市の道路状況は毎日の時間帯に関係があり、例えば非ピーク時間帯の交通は比較的スムーズであり、ユーザがある交差点で左折するが、ピーク時間帯において、同一の交差点で左折すれば比較的渋滞となった時、ユーザの転向は左折でなく、直進に変換する可能性がある。従って、時間帯によって道路状況及び転向は異なる可能性が有り、ナビゲーション経路通行時間の確定に影響することがある。従って、本実施例において、最終のナビゲーション経路の通行時間を確定する時、ユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得する必要もある。本実施例における時間帯は、現在ユーザが位置する都市の道路状況に基づいて設定することができ、例えば具体的に一日を複数の時間帯に分け、具体的に2時間を1つの時間帯とし、例えば7:00-9:00、9:00-11:00、更に夜23:00-0:00及び0:00-1:00を1つの時間帯とすることができる。実際の応用において、他の分割方式に従って時間帯を分けることができ、具体的に各時間帯に含む時間長さが、同じであってもよく、異なっても良い。例えば、朝7:00-10:00を1つの時間帯とし、10:00-12:00を1つの時間帯とすることができる。
【0026】
次に、本実施例において、要求時間帯、各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定することができる。そのうち、予め設定された転向確率データベースには、現在区域における全ての交差点の各時間帯の各転向の転向確率を含むことができる。従って、更に好ましく、上記実施例の技術案を基礎として、ステップ100での「要求時間帯、各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各転向に予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定する」ことは、具体的に、以下のようなステップを含むことができる。
【0027】
(a1)要求時間帯、各目標交差点の転向標識及び予め設定された転向確率データベースに基づいて、各目標交差点の転向標識に対応する転向の転向確率を取得すること、(a2)各目標交差点の各転向に対応する転向確率、及び転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定すること。
【0028】
具体的に、要求時間帯及び各目標交差点の転向標識に基づいて、予め設定された転向確率データベースから各目標交差点の転向標識に対応する転向の転向確率を取得することができる。そして、目標交差点の各転向に、該目標交差点の転向に対応する転向確率と該転向の予め設定された待ち時間を乗算して、ユーザが該目標交差点を通過する時間コストを得ることができる。注意すべきは、各交差点の予め設定された待ち時間が、現在区域の交通管理部門によって予めに設定することができる。
【0029】
更に好ましく、上記実施例の技術案を基礎として、ステップ100での「要求時間帯、各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定する」前に、予め設定された転向確率データベースを確立することを含んでも良い。
【0030】
例えば、好ましくは、上記「予め設定された転向確率データベースを確立する」ことは、具体的に、以下のようなステップを含むことができる。
【0031】
(b1)現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の現在区域における各交差点の各方向の通行重みを取得すること。
【0032】
例えば、該ステップは具体的に以下のようなステップを含むことができる。即ち、現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の現在区域における各交差点の各方向の車両走行の平均速度を取得して、対応する方向の通行重みとする。現在区域の道路状況履歴データは、具体的に現在区域の各道路の各車両の走行速度を含むことができ、このように、ある交差点の1つの方向について、1つの時間帯内における該交差点の各方向の車両の走行速度の平均値を計算して、該時間帯内における該交差点の該方向の通行重みを得ることができる。そのうち、2つの道路(Link)の通行重みの差が大きいほど、第1のLinkのトラフィックが第2のLinkへ転向する可能性が小さく、2つのLinkの通行重みの差が小さいほど、第1のLinkのトラフィックが第2のLinkへ転向する可能性が大きい。
【0033】
(b2)各時間帯の現在区域における各交差点について、対応する交差点の各方向の通行重み及び各方向の道路の長さに基づいて、対応する交差点の各方向の転向確率を取得すること。
【0034】
例えば、本実施例において、1つの交差点の各方向の転向確率は、4つの連立方程式によって取得することができる。本実施例において、各交差点に4つの道路を接続し、各道路が2つの方向を含み、Aiがi番目の道路を表し、A0iがi番目の道路において車が交差点へ進行する方向の道路のトラフィック量を表し、A1iがi番目の道路において車が交差点から離れる方向の道路のトラフィック量を表し、aijが、i番目の道路からj番目の道路へ転向する転向確率を表すとする。L0iがi番目の道路の長さを表し、具体的には、最も交差点に隣接する道路(Link)の長さを表し、ω0iがi番目の道路において交差点へ進行する方向の道路の重みを表し、βが実験によって得た係数であり、通行重みとトラフィックとの間の関係を表し、道路状況履歴データに基づいて、複数回の実験によって取得することができる。
【0035】
上記記載に基づいて、以下のような数式を得ることができる。
【0036】
【0037】
【数2】
1≦i≦4、1≦j≦4であるので、この行列に合計4行が存在することを表し、各行はいずれも
【0038】
【0039】
交差点の1つの走行方向について、上記数式に基づいて、上記4つの方程を含む連立方程式を得ることができ、そのうち、4つの方向の転向確率を含み、各転向確率が未知数である。連立方程式に基づいて、各方向の転向確率を算出することができる。
【0040】
上記記載から分かるように、現在区域の全ての交差点の各方向の転向確率を得ることができる。
【0041】
(b3)各時間帯、各交差点の標識及び各交差点の各方向の転向確率を、対応関係に従ってデータベースに記憶して、予め設定された転向確率データベースを生成すること。
【0042】
最後に、上記取得された時間帯、交差点の標識、交差点の各方向の転向確率を対応関係に従って転向確率データベースに記憶する。
【0043】
上記実施例の技術案を採用することで、ナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストをより正確に取得することができ、ナビゲーション経路における各道路の時間コストは、該道路の通行速度に基づいて確定することができる。そして、ユーザがナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、ナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストとを加算して、ユーザのナビゲーション経路における通行時間を得る。
【0044】
本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理方法は、ユーザが要求した現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及びユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得すること、要求時間帯、各目標交差点の転向標識、予め設定された転向確率データベース及び各転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定すること、ユーザがナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、ナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、ユーザのナビゲーション経路における通行時間を確定すること、を含む。本実施例の技術案を採用することで、従来技術の欠点を克服して、より正確にナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストを確定することができ、更に精度良くナビゲーション経路の通行時間を確定することができる。
【0045】
図2は、本発明のナビゲーション経路の通行時間の処理装置の実施例1の構成図である。
図2に示すように、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置は、具体的に、取得モジュール10、交差点時間コスト確定モジュール11、及び通行時間確定モジュール12を含むことができる。
【0046】
そのうち、取得モジュール10は、ユーザが要求した現在区域のナビゲーション経路における各目標交差点の転向標識、及びユーザがナビゲーションを要求する要求時間帯を取得するために用いられ、交差点時間コスト確定モジュール11は、取得モジュール10によって取得された要求時間帯、各目標交差点の転向標識、及び予め設定された転向確率データベースと各転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定するために用いられ、通行時間確定モジュール12は、ユーザがナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、交差点時間コスト確定モジュール11によって確定されたナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、ユーザがナビゲーション経路における通行時間を確定するために用いられる。
【0047】
本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置は上記モジュールを採用して実現するナビゲーション経路の通行時間の処理が、上記相関方法の実施例の実現原理及び技術效果と同じであり、詳細は上記相関方法の実施例の記載を参照することができ、ここで贅言しない。
【0048】
図3は、本発明のナビゲーション経路の通行時間の処理装置の実施例2の構成図である。
図3に示すように、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置は、上記
図2に示す実施例の技術案を基礎として、以下のような技術案を含んでも良い。
【0049】
図3に示すように、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置において、交差点時間コスト確定モジュール11は、具体的に、取得モジュール10によって取得された要求時間帯、各目標交差点の転向標識及び予め設定された転向確率データベースに基づいて、各目標交差点の転向標識に対応する転向の転向確率を取得するための転向確率取得手段111と、転向確率取得手段111によって取得された各目標交差点の各転向に対応する転向確率、及び転向の予め設定された待ち時間に基づいて、ユーザが各目標交差点を通過する時間コストを確定するための時間コスト確定手段112と、を含む。
【0050】
相応に、通行時間確定モジュール12は、ユーザがナビゲーション経路における道路を通過する時間コストと、時間コスト確定手段112によって確定されたナビゲーション経路における各目標交差点を通過する時間コストとに基づいて、ユーザのナビゲーション経路における通行時間を確定するために用いられる。
【0051】
更に好ましく、
図3に示すように、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置において、確立モジュール13を更に含む。該確立モジュール13は、予め設定された転向確率データベースを確立するために用いられる。
【0052】
更に好ましく、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置において、確立モジュール13は、具体的に、
現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の現在区域における各交差点の各方向の通行重みを取得するための通行重み取得手段131と、各時間帯の現在区域における各交差点について、通行重み取得手段131によって取得された対応する交差点の各方向の通行重み及び各方向の道路の長さに基づいて、対応する交差点の各方向の転向確率を取得するための転向確率取得手段132と、各時間帯、各交差点の標識、及び転向確率取得手段132によって取得された各上記交差点の各方向の転向確率を対応関係に従ってデータベースに記憶し、予め設定された転向確率データベースを生成するための生成手段133と、を含む。
【0053】
この時、相応に、転向確率取得手段111は生成手段133にも接続し、転向確率取得手段111は、取得モジュール10によって取得された要求時間帯、各目標交差点の転向標識及び生成手段133によって生成された予め設定された転向確率データベースに基づいて、各目標交差点の転向標識に対応する転向の転向確率を取得するために用いられる。
【0054】
更に好ましく、本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置において、通行重み取得手段131は、具体的に現在区域の道路状況履歴データに基づいて、各時間帯内の現在区域における各交差点の各方向の車両走行の平均速度を取得して、対応する方向の通行重みとするために用いられる。
【0055】
本実施例のナビゲーション経路の通行時間の処理装置は上記モジュールを採用して実現するナビゲーション経路の通行時間の処理が、上記相関方法の実施例の実現原理及び技術效果と同じであり、詳細は上記相関方法の実施例の記載を参照することができ、ここで言及しない。
【0056】
本発明に提供されたいくつかの実施例で開示された装置および方法は、他の形態によって実現できることを理解すべきである。例えば、上記記載された装置に係る実施形態は例示だけであり、例えば、上記手段の区分がロジック機能での区分だけであり、実際的に実現する時、他の区分方式もある。
【0057】
上記分離部品として説明された手段が、物理的に分離されてもよく、物理的に分離されなくてもよく、手段として表される部品が物理手段でもよく、物理手段でなくてもよく、1つの箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークセルに分布されても良い。実際の必要によって、その中の一部又は全部を選択して本実施例の目的を実現することができる。
【0058】
また、本発明の各実施例における各機能手段が1つの処理手段に集積されてもよく、各手段が物理的に独立に存在してもよく、2つ又は2つ以上の手段が1つの手段に集積されても良い。上記集積された手段は、ハードウェアの形式で実現してもよく、ハードウェア+ソフトウェア機能手段の形式で実現しても良い。
【0059】
上記ソフトウェア機能手段の形式で実現する集積された手段は、1つのコンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶されることができる。上記ソフトウェア機能手段は1つの記憶媒体に記憶されており、1台のコンピュータ機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器等)又はプロセッサ(processor)に本発明の各実施例に記載された方法の一部の手順を実行させるためのいくつかの命令を含む。上記記憶媒体は、USBメモリ、モバイルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM,Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM,Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0060】
以上の説明は、本発明の好ましい実施例だけであり、本発明を限定するものではなく、本発明の主旨及び原則の範囲で実行した修正、等価置換、改良などは、いずれも本発明の保護しようとする範囲に属すべきである。