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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】精穀装置
(51)【国際特許分類】
   B02B 3/06 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
B02B3/06 101E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018114523
(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公開番号】P2019217426
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】増子 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】小座間 梓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 政広
(72)【発明者】
【氏名】荒井 広志
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-168552(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0033543(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02B 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に穀物が供給される精穀筒と、
前記精穀筒内に設けられ、回転されることで前記精穀筒との間において穀物が精穀される精穀体と、
前記精穀筒の軸方向一側に設けられる排出孔と、
前記排出孔を閉鎖し、前記排出孔を開放して前記排出孔から穀物が排出される閉鎖体と、
前記精穀体の前記閉鎖体側端に設けられると共に、前記閉鎖体側に突出され、周面が前記精穀体と前記閉鎖体との間から穀物を排出する突出部と、
を備える精穀装置。
【請求項2】
前記突出部に設けられ、前記精穀体の径方向外側に延出される延出部を備える請求項1記載の精穀装置。
【請求項3】
前記突出部に設けられ、前記精穀体の径方向外側へ向かうに従い前記閉鎖体とは反対側へ向かう方向に傾斜される傾斜面を備える請求項1又は請求項2記載の精穀装置。
【請求項4】
前記傾斜面の前記閉鎖体とは反対側端の位置が前記精穀体の前記閉鎖体側端の位置と前記精穀体の軸方向において一致される請求項3記載の精穀装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物を精穀する精穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の精米装置では、精米筒内に精米ロールが設けられており、精米筒内に米粒が供給されると共に、精米ロールが回転されることで、精米筒と精米ロールとの間において米粒が精米される。また、精米筒の軸方向一側に排出孔が設けられると共に、抵抗弁が排出孔を閉鎖しており、抵抗弁が排出孔を開放して、排出孔から米粒が排出される。
【0003】
ここで、この精米装置では、精米ロールと抵抗弁との間に侵入した米粒が精米されない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-168552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、精穀体と閉鎖体との間に侵入した穀物を精穀できる精穀装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の精穀装置は、内部に穀物が供給される精穀筒と、前記精穀筒内に設けられ、回転されることで前記精穀筒との間において穀物が精穀される精穀体と、前記精穀筒の軸方向一側に設けられる排出孔と、前記排出孔を閉鎖し、前記排出孔を開放して前記排出孔から穀物が排出される閉鎖体と、前記精穀体の前記閉鎖体側端に設けられると共に、前記閉鎖体側に突出され、周面が前記精穀体と前記閉鎖体との間から穀物を排出する突出部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の精穀装置は、請求項1に記載の精穀装置において、前記突出部に設けられ、前記精穀体の径方向外側に延出される延出部を備える。
【0008】
請求項3に記載の精穀装置は、請求項1又は請求項2に記載の精穀装置において、前記突出部に設けられ、前記精穀体の径方向外側へ向かうに従い前記閉鎖体とは反対側へ向かう方向に傾斜される傾斜面を備える。
【0009】
請求項4に記載の精穀装置は、請求項3に記載の精穀装置において、前記傾斜面の前記閉鎖体とは反対側端の位置が前記精穀体の前記閉鎖体側端の位置と前記精穀体の軸方向において一致される。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の精穀装置では、精穀筒内に精穀体が設けられており、精穀筒内に穀物が供給されると共に、精穀体が回転されることで、精穀筒と精穀体との間において穀物が精穀される。さらに、精穀筒の軸方向一側に排出孔が設けられると共に、閉鎖体が排出孔を閉鎖しており、閉鎖体が排出孔を開放して、排出孔から穀物が排出される。
【0011】
ここで、精穀体の閉鎖体側端に突出部が設けられると共に、突出部が閉鎖体側に突出されており、突出部の周面が精穀体と閉鎖体との間から穀物を排出する。このため、当該穀物を精穀筒と精穀体との間において精穀できる。
【0012】
請求項2に記載の精穀装置では、突出部に延出部が設けられており、延出部が精穀体の径方向外側に延出される。このため、精穀体と閉鎖体との間から穀物を効果的に排出できる。
【0013】
請求項3に記載の精穀装置では、突出部に傾斜面が設けられており、傾斜面が精穀体の径方向外側へ向かうに従い閉鎖体とは反対側へ向かう方向に傾斜される。このため、精穀体と閉鎖体との間からの穀物の排出が阻害されることを抑制できる。
【0014】
請求項4に記載の精穀装置では、傾斜面の閉鎖体とは反対側端の位置が精穀体の閉鎖体側端の位置と精穀体の軸方向において一致される。このため、精穀体と閉鎖体との間からの穀物の排出が阻害されることを効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る精米装置を示す側方から見た断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る精米装置を示す斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る精米装置の主要部を示す側方から見た断面図である。
図4】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係る精米装置の固定柱を示す図であり、(A)は、斜視図であり、(B)は、正面図であり、(C)は、一部破断した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1には、本発明の実施形態に係る精穀装置としての精米装置10が側方から見た断面図にて示されており、図2には、精米装置10が斜視図にて示されている。
【0017】
図1及び図2に示す如く、本実施形態に係る精米装置10には、供給手段としての矩形筒状のホッパ12が設けられており、ホッパ12の軸方向は、上下方向に平行に配置されている。ホッパ12内には、上側から穀物(穀粒)としての米粒(玄米G)が供給可能にされており、ホッパ12内に供給された米粒は、ホッパ12内を流下される。
【0018】
ホッパ12の下側には、調整手段としての繰出機構14が設けられており、繰出機構14内は、ホッパ12内に連通されている。繰出機構14内には、ホッパ12内を流下された米粒が供給可能にされており、繰出機構14は、作動されることで、内部に供給された米粒を繰り出すと共に、繰り出す米粒の量を調整する。
【0019】
繰出機構14の側方には、円柱形容器状の支持筒16が設けられており、支持筒16の軸方向は、水平方向に対し略45°傾斜されている(水平方向に対し垂直にされてもよい)。
【0020】
支持筒16内には、回転軸としての略円柱状の支軸18が同軸上かつ回転可能に支持されており、支軸18は、支持筒16の上側及び下側に延出されている。支軸18の上側端(基端)には、ベルト20を介して駆動手段としての精米モータ22が接続されており、精米モータ22が駆動されることで、支軸18が回転される。
【0021】
支軸18の下側端部(先端部)以外の部分は、本体部材としての略円柱状の支軸本体18Aにされており、支軸18の下側端部には、固定部材としての略円柱状の固定柱48(図3参照)が設けられている。固定柱48の下側部分(先端側部分)は、大径部48Aにされると共に、固定柱48の上側部分(基端側部分)は、小径部48Bにされており、大径部48Aの径は、小径部48Bの径に比し大きくされている。固定柱48には、円状の締結孔48Cが同軸上に形成されており、締結孔48Cは、下側に開放されている。支軸本体18Aと固定柱48との間には、締結部材としてのボルト50(図3参照)が設けられており、ボルト50の頭部50Aは、締結孔48Cに同軸上に嵌合されている。ボルト50のネジ部50Bは、固定柱48の締結孔48C上側壁(底壁)を同軸上に貫通されて、支軸本体18Aに同軸上に螺合(締結)されており、ボルト50は、固定柱48と支軸本体18Aとを同軸上に連結している。
【0022】
固定柱48(大径部48A)の下側面(先端面)には、板状の突出部52(図4の(A)~(C)参照)が一体形成されており、突出部52は、下側に突出されている。突出部52は、外形菱形状にされており、突出部52は、固定柱48と同軸上に配置されると共に、締結孔48Cを下側に開放させている。突出部52の各角部分は、延出部52Aにされており、延出部52Aは、固定柱48の径方向外側に延出されている。突出部52の中央部分は、外形六角形平板状にされており、突出部52の両外側部分は、三角形板状にされている。突出部52の両外側部分の下側面は、平面状の傾斜面52Bにされており、傾斜面52Bは、固定柱48の径方向外側へ向かうに従い上側(固定柱48側)へ向かう方向に傾斜されて、傾斜面52Bの上側端52Cは、固定柱48の外周において固定柱48の下側面に到達している。
【0023】
固定柱48の下側面(突出部52の表面を含む)は、所謂バフ仕上げが行われて、磨き面にされており、これにより、後述の如く米粒が精米されて発生する糠が固定柱48の下側面に付着することが抑制される。また、突出部52の長対角線の寸法(大径部48Aの径寸法)は、突出部52の短対角線の寸法の例えば2倍にされている。さらに、突出部52の最大突出寸法(突出部52の中央部分の突出寸法)は、例えば1mmにされており、傾斜面52Bの固定柱48下側面に対する傾斜角度は、例えば4°にされている。
【0024】
支持筒16の下側には、円筒状の送出筒24が一体に設けられており、送出筒24は、支持筒16と同軸上に配置されると共に、内部に支軸18が同軸上に貫通されている。
【0025】
送出筒24内における支軸18の外周には、送出本体としての略円筒状の送出筒体26Aが同軸上に設けられており、送出筒体26Aの上側への移動は、支軸18によって係止されると共に、送出筒体26Aの下側への移動は、下記精米筒体38Aによって係止されている。送出筒体26Aの支軸18に対する回転は、係止されており、送出筒体26Aは、支軸18と一体回転可能にされて、支軸18の送出筒体26A固定部分と共に送出体としての送出ロール26を構成している。送出ロール26(送出筒体26A)の外周面には、螺旋状の送出螺旋26Bが一体に設けられており、送出螺旋26Bは、送出ロール26の径方向外側に突出されている。
【0026】
送出筒24と送出ロール26との間には、送出室28が形成されており、送出室28の上側端部は、繰出機構14内に連通されている。このため、送出室28には、繰出機構14が繰り出した米粒が供給(流下)可能にされており、送出室28に供給された米粒は、送出ロール26が回転されることで、送出ロール26の送出螺旋26Bによって送出室28を下側に送り出される。
【0027】
送出筒24の下側端外周には、円環板状の上板30が一体に設けられており、上板30は、送出筒24と同軸上に配置されている。上板30の下側には、設置部材としての円環板状の下板32が連結されており、下板32は、支軸18の下側近傍において、上板30と同軸上に配置されている。
【0028】
上板30と下板32との間には、精穀筒としての六角形筒状の精米筒34(金網)が固定されており、精米筒34は、支持筒16と同軸上に配置されると共に、内部に支軸18が同軸上に挿入されている。精米筒34の周壁全体には、多数の除去孔36(図3参照)が形成されており、除去孔36は、精米筒34内と精米筒34外とを連通させている。
【0029】
精米筒34内における支軸18(固定柱48及びボルト50を含む)の外周には、精穀本体としての略円筒状の精米筒体38A(図3参照)が同軸上に設けられている。精米筒体38Aの下側端部(先端部)には、円状の固定孔38Cが同軸上に形成されており、固定孔38Cは、径が精米筒体38Aの内径よりも大きくされると共に、下側に開放されている。精米筒体38A内には、固定柱48の小径部48Bが同軸上に嵌合されると共に、固定孔38Cには、固定柱48の大径部48Aが同軸上に嵌合されており、ボルト50の頭部50Aは、固定柱48の締結孔48C上側面(底面)に圧接されると共に、大径部48Aは、固定孔38Cの上側面(底面)に圧接されている。精米筒体38Aの支軸18に対する回転は、係止されており、精米筒体38Aは、支軸18と一体回転可能にされて、支軸18の精米筒体38A固定部分と共に精穀体(摩擦精穀手段)としての精米ロール38(摩擦ロール)を構成している。精米ロール38の下側面(先端面)は、平面状の対向面38Dにされており、対向面38Dは、固定柱48の下側面及び精米筒体38Aの下側面が構成すると共に、固定柱48の突出部52が下側に突出されている。精米ロール38(精米筒体38A)の外周面には、柱状の突条38Bが所定数固定されており、突条38Bは、精米ロール38の径方向外側に突出されると共に、精米ロール38の軸方向に平行に延伸されている。
【0030】
精米筒34と精米ロール38との間には、精穀室としての精米室40が形成されており、精米室40の上側は、送出室28に連通されている。このため、精米室40には、送出室28から送り出された米粒が供給可能にされており、精米室40に供給された米粒は、精米ロール38が回転されることで、精米ロール38の突条38Bによって攪拌される。これにより、精米筒34及び突条38Bと米粒との間及び米粒と米粒との間に発生する摩擦力によって米粒が精米(精穀)されて白米Hにされる。また、米粒が精米されて発生する糠(米粒から糠層が除去されて発生する糠粉)は、精米筒34の除去孔36を介して精米筒34外に排出される。
【0031】
下板32には、円状の排出孔42(図3参照)が同軸上に貫通形成されており、排出孔42は、精米筒34内に連通されている。排出孔42の上側端部は、円状の排出口42Aにされており、排出孔42の排出口42A以外の径は、排出口42Aの径に比し大きくされている。
【0032】
排出孔42には、下側から、閉鎖体としての略円柱状の抵抗弁44(図3参照)が挿入されており、抵抗弁44の上側端部には、円板状の閉鎖部44Aが同軸上に形成されている。閉鎖部44Aは、排出孔42の排出口42Aに嵌入されており、閉鎖部44Aは、排出口42Aを閉鎖している。抵抗弁44(閉鎖部44A)の上側面は、精米ロール38の対向面38Dに対向されており、抵抗弁44は、上側面が対向面38Dと平行に配置されると共に、対向面38Dに対し離間されている。精米ロール38(固定柱48)の突出部52は、抵抗弁44側に突出されており、突出部52は、対向面38Dに比し抵抗弁44側に接近されている。突出部52は、抵抗弁44に対し僅かに離間されており、突出部52の中央部分(外形六角形部分)と抵抗弁44との間には、米粒が侵入不能にされている。
【0033】
抵抗弁44の下側には、付勢機構46が連絡されており、付勢機構46は、抵抗弁44を上側に付勢している。このため、付勢機構46の付勢力により抵抗弁44の閉鎖部44Aが排出孔42の排出口42Aを閉鎖しており、精米室40における米粒の圧力によって抵抗弁44が付勢機構46の付勢力に抗して下側に移動されて、閉鎖部44Aが排出口42Aを開放することで、精米室40で精米が終了した米粒(白米H)が排出孔42を介して排出される。付勢機構46が調節作動された際には、付勢機構46の抵抗弁44に対する付勢力が調節されて、閉鎖部44Aによる排出口42Aの閉鎖力が調節されることで、精米室40における米粒の精米圧力が調節されて、精米が終了した米粒の精米度(白米Hの白度)が調節される。
【0034】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0035】
以上の構成の精米装置10では、ホッパ12内に米粒(玄米G)が上側から供給されることで、米粒が、ホッパ12内を流下されて、繰出機構14内に供給される。これにより、繰出機構14が、米粒を繰り出すと共に、繰り出す米粒の量を調整する。
【0036】
繰出機構14が繰り出した米粒は、送出筒24と送出ロール26との間の送出室28に供給されて、回転される送出ロール26の送出螺旋26Bによって送出室28を下側に送り出される。これにより、送出室28から送り出された米粒が、精米筒34と精米ロール38との間の精米室40に供給されて、回転される精米ロール38の突条38Bによって攪拌されることで、精米筒34及び突条38Bと米粒との間及び米粒と米粒との間に発生する摩擦力によって米粒が精米される。
【0037】
また、精米室40における米粒の圧力によって抵抗弁44が付勢機構46の付勢力に抗して下側に移動されることで、抵抗弁44の閉鎖部44Aが排出孔42の排出口42Aを開放する。これにより、精米室40で精米が終了した米粒(白米H)が排出孔42を介して排出される。
【0038】
ところで、精米装置10の精米処理が開始されて、精米室40が米粒によって満たされる際には、精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間に米粒(玄米G)が侵入する可能性がある。
【0039】
ここで、精米ロール38の対向面38D(固定柱48の下側面)の突出部52が抵抗弁44側に突出されており、精米ロール38が回転されて、突出部52が回転されることで、突出部52の周面が精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から精米室40に米粒を弾き飛ばして排出する。このため、精米室40において当該米粒を精米でき、精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から米粒が排出されずに精米されないことを抑制できる。これにより、抵抗弁44が下側に移動されて、抵抗弁44の閉鎖部44Aが排出孔42の排出口42Aを開放した際に、精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間の精米されない米粒(玄米G)が排出孔42を介して排出されることを抑制でき、精米の品質を向上できる。
【0040】
さらに、突出部52の延出部52Aが精米ロール38(固定柱48)の径方向外側に延出されている。このため、突出部52の周面が精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から精米室40に米粒を効果的に弾き飛ばして排出できる。
【0041】
しかも、突出部52の両外側部分における延出部52Aが固定柱48の外周まで延出されている。このため、突出部52の周面が精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から精米室40に米粒を一層効果的に弾き飛ばして排出できる。
【0042】
また、突出部52の両外側部分における傾斜面52Bが固定柱48の径方向外側へ向かうに従い上側(抵抗弁44とは反対側)へ向かう方向に傾斜されている。このため、突出部52の周面が精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から弾き飛ばした米粒を突出部52が堰き止めることを傾斜面52Bによって抑制でき、精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から精米室40への米粒の排出が阻害されることを抑制できる。
【0043】
しかも、傾斜面52Bの上側端52C(抵抗弁44とは反対側端)の位置が精米ロール38の対向面38D(固定柱48の下側面)の位置と精米ロール38の軸方向において一致されている。このため、突出部52の周面が精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から弾き飛ばした米粒を突出部52が堰き止めることを傾斜面52Bによって効果的に抑制でき、精米ロール38の対向面38Dと抵抗弁44との間から精米室40への米粒の排出が阻害されることを効果的に抑制できる。
【0044】
なお、本実施形態では、突出部52の両外側部分における延出部52Aが固定柱48の外周まで延出される。しかしながら、突出部52の延出部52Aが精米ロール38の対向面38Dの外周まで延出されてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、精米装置10を摩擦式のものにして精米室40の米粒を摩擦力により精米する。しかしながら、精米装置10を研削式のものにして精米室40の米粒を研削により精米(精穀)してもよい。
【0046】
さらに、本実施形態では、本発明を精米装置10に適用した。しかしながら、本発明を他の精穀装置に適用して、米粒以外の穀物(麦粒等)を精穀してもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 精米装置(精穀装置)
34 精米筒(精穀筒)
38 精米ロール(精穀体)
42 排出孔
44 抵抗弁(閉鎖体)
52 突出部
52A 延出部
52B 傾斜面
G 玄米(穀物)
H 白米(穀物)
図1
図2
図3
図4