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特許7102669複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法
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  • 特許-複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法
(51)【国際特許分類】
   F42D 1/02 20060101AFI20220712BHJP
   F42D 1/08 20060101ALI20220712BHJP
   F42D 1/045 20060101ALI20220712BHJP
   E21D 9/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
F42D1/02
F42D1/08
F42D1/045
E21D9/00 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020133546
(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公開番号】P2021139613
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2020-08-06
(31)【優先権主張番号】202010133437.8
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516376536
【氏名又は名称】中鉄十八局集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】China Railway Eighteen Bureau Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】East Liulin,Hexi District,Tianjin,China
(74)【代理人】
【識別番号】100180781
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 友和
(72)【発明者】
【氏名】張馨
(72)【発明者】
【氏名】劉飛香
【審査官】金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2005-0029015(KR,A)
【文献】特開2009-228977(JP,A)
【文献】特開平11-324559(JP,A)
【文献】特表2010-513758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F42D 1/00-1/28
E21C 41/26
E21D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周辺深孔と複数の周辺短孔とを含み、前記周辺深孔の深さ方向がトンネルの輪郭線に対して傾斜して、前記周辺短孔の深さ方向がトンネルの輪郭線に沿っていることを特徴とする複式周辺孔を設置する、トンネルの発破方法。
【請求項2】
前記周辺深孔が2つあり、前記周辺短孔が1つあり、二つの前記周辺深孔はそれぞれ前記周辺短孔の両側に位置することを特徴とする請求項1に記載の複式周辺孔を設置する、トンネルの発破方法。
【請求項3】
前記周辺深孔はデカップリング間隔おき爆薬充填構造を採用し、前記周辺深孔は、孔の底から孔の開口部に向かって順に、雷管、第1の爆薬ロール、第1のステミング、導爆線、第2の爆薬ロール、及び第2のステミングが設置され、前記第2の爆薬のロールと第2のステミングの間に隙間があり、前記雷管は導爆線に接続され、前記雷管は導爆線を介して前記第2の爆薬ロールに接続されることを特徴とする請求項1に記載の複式周辺孔を設置する、トンネルの発破方法。
【請求項4】
トンネルの中の切断孔は、くさび形複式切断孔を使用し、いくつかの中間の切断孔、切断孔、内輪孔、底板孔、補助孔及び請求項1~3のいずれか1項に記載の複式周辺孔が設置され、前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の数はトンネルのサイズに応じて決められ、
前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔及び底板孔はいずれも連続爆薬充填構造を採用し、
前記補助孔は、孔の底に二つの爆薬ロールが配置され、前記補助孔の開口部はステミングでブロックし、
前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の一端はいずれもトンネル作業面に密接し、
前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の中の爆薬はいずれもトンネル作業面により近い一端に位置し、
前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の中にはいずれも爆薬に密接するステミングは配置され、前記爆薬はトンネル作業面とステミングの間にあること、を特徴とするトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法。
【請求項5】
フルコンピューター3アーム掘削ジャンボで孔を掘削し、使用される爆薬は岩石乳化爆薬であり、使用される雷管は非電気ミリ秒雷管であることを特徴とする請求項4に記載のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法。
【請求項6】
前記切断孔は、孔の底に爆薬が装填され、前記切断孔中の、爆薬以外の空間は、ステミングで完全に充填されることを特徴とする請求項4に記載のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法。
【請求項7】
前記底板孔は長くされることを特徴とする請求項4に記載のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法。
【請求項8】
第1ステミングと第2ステミングの長さがいずれも0.8mであり、前記補助孔の中のステミング長さが0.8mであることを特徴とする設置する複式周辺孔は請求項3に記載される複式周辺孔である、請求項4に記載のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法
【請求項9】
前記中間切断孔の数が4個であり、深さが3.0mであり、前記切断孔の数が78個であり、深さが5.5mであり、前記内輪孔の数が96個であり、深さが5.2mであり、前記補助孔の数が48個であり、深さが5.0mであり、前記底板孔の数が36個であり、深さが5.5mであることを特徴とする請求項4に記載のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はトンネル発破の技術分野に関し、特に複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市鉄道の急速な発展に伴い、ますます多くのトンネルが建設されている。既存のトンネル発破方法のほとんどは、全断面掘削発破方法であり、以下の欠点がある:(1)スムース表面に発破する効果への制御が不十分であり、一部の場所で掘削過剰が多いが、他方では掘削不足のため、二次補助発破が必要であり、(2)発破の掘り進む距離は3.8m~4.2mの間に制限されて、4.5mを突破することが困難であり、(3)切断孔は深いが、発破孔の利用率が低く、約80%にあり、(4)大きな発破振動のため、囲の岩には大きな緩み円が生じ、局所にドロップブロックが多く、高い安全性リスクをもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の先行技術に存在する問題を解決するために、掘削深度と爆薬使用量が実質的に変更しないという前提で、発破サイクルの掘り進む距離が5mに向上でき、同時に過剰掘削及び掘削不足が制御され、発破振動を低減し、周囲の岩のゆるい円を縮小し、周囲の岩が不安定するまでの時間を増やす、ボールトからのドロップブロックなど、建設の安全性リスクを軽減する、複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を実現するために、本発明は以下の解決策を提供する。
本発明では、複数の周辺深孔と複数の周辺短孔とを含み、上記周辺深孔の深さ方向がトンネルの輪郭線に対して傾斜して、上記周辺短孔がトンネルの輪郭線の上に配置されている複式周辺孔を提供する。
【0005】
好ましくは、上記周辺深孔が2つあり、上記周辺短孔が1つあり、二つの上記周辺深孔はそれぞれ上記周辺短孔の両側に位置する。
【0006】
好ましくは、上記周辺深孔はデカップリング間隔おき爆薬充填構造を採用し、上記周辺深孔は、孔の底から孔の開口部に向かって順に、雷管、第1の爆薬ロール、第1のステミング、導爆線、第2の爆薬ロール、及び第2のステミングが設置され、上記第2の爆薬のロールと第2のステミングの間に隙間があり、上記雷管は導爆線に接続され、上記雷管は導爆線を介して上記第2の爆薬ロールに接続される。
【0007】
本発明はさらに、
1.トンネルの中の切断孔は、くさび形の複式切断孔を使用し、いくつかの中間の切断孔、切断孔、内輪孔、底板孔、補助孔及び上述した複式周辺孔が設置され、上記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び底板孔の数はトンネルのサイズに応じて決められ、
2.前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔及び前記底板孔はいずれも連続爆薬充填構造を採用し、
3.前記補助孔は、孔の底に二つの爆薬ロールが配置され、上記補助孔の開口部はステミングでブロックし、
4.前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の一端はいずれもトンネル作業面に密接し、且つ上記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔、前記トンネル作業面はトンネルの長さ方向の平面に垂直する面であり、
5.上記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の爆薬はいずれもトンネル作業面に近い一端に位置し、
6.前記中間の切断孔、前記切断孔、前記内輪孔、前記複式周辺孔、前記補助孔及び前記底板孔の中に爆薬に密接するステミングは配置され、爆薬はトンネル作業面と前記ステミングの間にある、高効率振動低減と、スムースな表面及びボトムのトンネル発破方法を提供する。
【0008】
好ましくは、フルコンピューター3アーム掘削ジャンボを使用して孔を掘削し、使用される爆薬は2番の岩石乳化爆薬であり、使用される雷管は非電気ミリ秒雷管である。
【0009】
好ましくは、上記切断孔は、孔の底に爆薬が装填され、且つ上記切断孔では、爆薬以外の空間は、ステミングで完全に充填される。
【0010】
好ましくは、前記底板孔は長くなり、且つ傾きがある。
【0011】
好ましくは、第1ステミングと第2ステミングの長さがいずれも0.8mであり、前記補助孔の中のステミング長さが0.8である。
【0012】
好ましくは、前記中間の切断孔の数が4個であり、深さが3.0mであり、前記切断孔の数が78個であり、深さが5.5mであり、前記内輪孔の数が96個であり、深さが5.2mであり、上記補助孔の数が48個であり、深さが5.0mであり、上記底板孔の数が36個であり、深さが5.5mである。
【発明の効果】
【0013】
本発明による複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法は、従来の技術に比べ、以下の技術効果が得られる:
本発明による複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法は、掘削深度と爆薬充填量が実質的に変更しないという前提の下で、発破のサイクルあたり掘り進む距離が5mに向上できると同時に掘削過剰及び掘削不足が制御され、発破振動を低減し、周囲の岩のゆるい円を縮小し、周囲の岩が不安定するまでの時間を増やし、ボールトからのドロップブロックなど、建設の安全性リスクを軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明の実施形態または従来技術の技術的解決策をより明確に説明するために、実施形態で使用される図面を以下に簡単に紹介するが、明らかに、以下の説明の図面は本発明の一部に過ぎない。当業者にとって、創造的な労力を支払うことなく、これらの図面に基づいて他の実施形態を得ることができる。
【0015】
図1】本発明の複式周辺孔の構造を示す概略図である。
図2】本発明の複式周辺孔の周辺深孔の爆薬充填構造を示す概略図である。
図3】本発明のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法における発破孔の配置を示す概略図、
図4】本発明の一実施形態による、トンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法における切断孔の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態における技術的解決策は、本発明の実施形態における図面を参照して以下に明確かつ完全に説明される。明らかに、記載された実施形態は、本発明の実施形態の一部にすぎず、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力を払うことなく当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0017】
本発明は、先行技術に存在する問題を解決するために、掘削深度と爆薬充填量が実質的に変更しないという前提で、発破サイクルの掘り進む距離が5mに向上でき、同時に掘削過剰及び掘削不足が制御され、発破振動を低減させ、周囲の岩のゆるい円を縮小し、周囲の岩が不安定するまでの時間を増やします、ボールトからのドロップブロックなど、建設のリスクを軽減する、複式周辺孔及びトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法を提供することを目的とする。
【0018】
本発明の上記目的、特徴、及び利点をより理解しやすくするために、図面と具体的な実施形態を参照しながら、本発明を以下さらに詳しく説明する。
【0019】
図1から図4に示すように、本実施形態による複式周辺孔は2つの周辺深孔1と1つの周辺短孔3を含み、2つの周辺深孔1はそれぞれ周辺短孔3の両側に配置され、周辺深孔1の深さ方向はトンネルの輪郭線2に対して傾斜し、周辺短孔3はトンネルの輪郭線2に配置されて、周辺短孔3は、周辺深孔1がトロリーの作業アームによる制限を受けて、掘削孔箇所と輪郭線2の間に一定の距離があることを補うとの役割を果たして、そのため深孔は輪郭線2に向かって小さな角度を持ち、短孔を可能な限り輪郭線2に配置することで、発破ブラインドゾーンを減らし、周辺孔光の爆発効果を改善する。
【0020】
周辺深孔1はデカップリング間隔おき爆薬充填構造を採用し、周辺深孔1は、孔の底から孔の開口部に向かって順に、雷管4、第1の爆薬ロール5、第1のステミング6、導爆線7、第2の爆薬ロール8、及び第2のステミング9が設置され、第2の爆薬のロール8と第2のステミング9の間に隙間があり、雷管4は導爆線10に接続され、雷管4は導爆線7を介して第2の爆薬ロール8に接続され、第1ステミング6及び第2のステミング9の長さはいずれも0.8mであり、二つのステミングに分割されて、そのため爆薬が同時に爆発せず、爆発の伝達に短い遅延があり、爆発の衝撃力を軽減し、減衰効果に優れて、周囲の岩への損傷がほとんどなく、スムースな表面成形の効果を改善する。
【0021】
第2爆薬ロール8と第2ステミング9の間の気柱は、周囲の岩に対する爆発応力波の瞬間的な増加の影響を軽減し、周囲の岩の自己安定維持能力を高める。孔口の第1ステミング9は発破の効果発揮時間を長くし、爆発応力波の接線方向の引張効果を完全に発揮して、スムースな表面発破効果を確保した。2つの方面の組み合わせにより、トンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法が実現された。
【0022】
本発明はさらに、
1.トンネルの中の切断孔は、くさび形複式切断孔を使用し、いくつかの中間の切断孔、切断孔、内輪孔、底板孔、補助孔及び上記複式周辺孔が設置され、中間の切断孔、切断孔、内輪孔、複式周辺孔、補助孔及び底板孔の数はトンネルのサイズに応じて決められ、
2.中間の切断孔、切断孔、内輪孔及び底板孔はいずれも連続爆薬充填構造を採用し、
3.補助孔は、孔の底に二つの爆薬ロールが配置され、補助孔の開口部はステミングでブロックし、補助孔中のステミングの長さが0.8mであり、
4.中間の切断孔、切断孔、内輪孔、複式周辺孔、補助孔及び底板孔の一端はいずれもトンネル作業面に近く、且つ中間の切断孔、切断孔、内輪孔、複式周辺孔、補助孔及び底板孔、トンネル作業面はトンネルの長さ方向の平面に垂直する面であり、
5.中間の切断孔、切断孔、内輪孔、複式周辺孔、補助孔及び底板孔の爆薬はいずれもトンネル作業面により近い一端に位置し、
6.中間の切断孔、切断孔、内輪孔、複式周辺孔、補助孔及び底板孔の中に爆薬に密接するステミングは配置され、爆薬はトンネル作業面とステミングの間にある、トンネルで効率的に振動を低減し、表面及びボトムをスムースにするトンネル発破方法を提供する。
【0023】
本実施例の、トンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法は、フルコンピューター3アーム掘削ジャンボを使用して孔を掘削し、爆薬は2番の岩石乳化爆薬を使用し、使用される雷管4は非電気ミリ秒雷管である。
【0024】
本実施例の高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法において、表面のスムースな発破効果は、上記の複式周辺孔及びその爆薬充填構造によって保証され、ボトムのスムースな発破効果は、すべての発破孔の底が実質的に同じ垂直面あるようにし、且つ最底部まで爆薬充填させて、ステミングでブロックする手段によって保証され、効率な発破掘り進みは、主に切断孔、補助孔、底板孔に両端が傘の形で、中央部がステミングであるブロッキング材料を使用して、摩擦を増加し、発破におけるステミングの運動速度を遅くし、特に切断孔の底に爆薬があり、切断孔の中に爆薬以外の空間はステミングで完全に充填されることで、孔の底の爆発力が増加し、孔の底で爆発応力の作用時間が大幅に延長されて、発破掘り進み距離が4.2mから5.0mまでに向上することが保証され、残留孔の深さが減少し、超深孔の効率的な発破が実現される。
【0025】
本実施例の、トンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法において、底板孔を長くし、傾斜させて、且つ最終に爆発させると、一方では、全断面が爆発されて落ちる岩が二次衝突して、爆薬を減らした条件下で二次衝突を行うのに有利であり、一方では、適切にスラグを外に飛ばして、発破後の岩がトンネル作業面に溜まらず、掘削機を使用せずに、直接サイド排出ローダーでスラグを輸送車両の積み込むことができ、スラグを出す速度を加速し、機械を使用する費用を減らした。中間の切断孔の数が4個であり、深さが3.0mであり、切断孔の数が78個であり、深さが5.5mであり、内輪孔の数が96個であり、深さが5.2mであり、補助孔の数が48個であり、深さが5.0mであり、底板孔の数が36個であり、深さが5.5mである。
【0026】
本実施例のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法において、中間の切断孔、切断孔、内輪孔、複式周辺孔、補助孔及び底板孔の下端はいずれもトンネル作業面に近接し垂直になっていて、爆薬を孔の底に配置し、爆薬と密接するステミングを配置することでスムースなボトムの発破効果が達成でき、発破後のトンネル作業面が実質的に平らなままであることが保証され、発破後にトンネル作業面の測定のためのラインの設置、発破孔の位置をマークすること、及び掘削孔前の孔の確定に便利になり、掘削孔の品質が要件を満たすように確保し、類推により、良い循環が形成される。
【0027】
表1の複式周辺孔の高効率振動低減発破のパラメータ表と、表2の複式周辺孔の高効率振動低減発破の結果表を参照すると、本実施例のトンネルの高効率振動低減とスムースな表面及びボトムの発破方法は爆薬充填構造とブロッキングステミング構造の革新により、全断面で超深孔振動を低減し、表面及びボトムをスムースにするトンネル発破が実現され、発破孔の深度と爆薬充填が実質的に変更しない前提の下で、発破の掘り進む距離は従来の3.9~4.2mから4.8~5.0mまで向上し、発破孔の利用率は従来の76~84%から96~100%に向上させた。施工の速度も毎月60~90メートルから100~130メートルまで向上させた。複式周辺孔と気柱で間隔を置いて爆薬を充填すること、及び気柱で間隔置いてステミングを装填することを結び合わせることにより、スラリが少なくなるだけでなく、吹き付けコンクリートの量が削減され、特に周囲の岩石の自己安定維持時間を増加させ、ドロップブロック、さらには地滑りの安全上のリスクも削減された。
【0028】
実際には、トンネル1メートルあたりの爆薬の消費量が従来の132.4~146.3Kgから115~119.8Kgに減少し、トンネル1メートルあたりの雷管4の消費量が80.7~89.2個から75~78.1個に減少し、明らかに爆薬を節約し、コストを削減し、また、スラリと吹き付けコンクリートの量を削減することで、大きな経済的利益をもたらす。
【0029】
表1は複式周辺孔の高効率振動低減発破のパラメータ表を示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表2は複式周辺孔の高効率振動低減発破の結果表を示す。
【0032】
【表2】
【0033】
本発明の記載において、「第1」および「第2」という用語は説明目的のみに使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示することと理解できないことに留意されたい。
【0034】
本明細書では、本発明の原理及び実施方法を説明するために特定の例を使用したが、上記の実施形態の説明は、本発明の方法及びその核となる概念の理解を助けるためにのみ使用され、同時に、当業者にとって、本発明の着想によれば、特定の実装および適用範囲に変更がある。要約すると、本明細書の内容は、本発明に対する制限として解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0035】
1 周辺深孔
2 輪郭線
3 周辺短孔
4 雷管
5 第1爆薬ロール
6 第1ステミング
7 導爆線
8 第2爆薬ロール
9 第2ステミング
10 導爆チューブ
図1
図2
図3
図4