(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】扉構造
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20220712BHJP
E06B 3/82 20060101ALI20220712BHJP
E06B 3/36 20060101ALI20220712BHJP
E06B 3/70 20060101ALI20220712BHJP
E05C 1/12 20060101ALI20220712BHJP
E05C 21/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B3/82
E06B3/36
E06B3/70 Z
E05C1/12
E05C21/00 Z
(21)【出願番号】P 2017141101
(22)【出願日】2017-07-20
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】村岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】山口 純一
(72)【発明者】
【氏名】岸上 昌史
【審査官】鳥井 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-142987(JP,A)
【文献】特開平09-203260(JP,A)
【文献】実開昭52-081739(JP,U)
【文献】特開平09-088444(JP,A)
【文献】実公昭51-014428(JP,Y2)
【文献】特開2016-188468(JP,A)
【文献】特開2015-178735(JP,A)
【文献】特開2003-001731(JP,A)
【文献】米国特許第01873417(US,A)
【文献】特開2005-336860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/68-3/88
E06B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を閉止可能な扉、及び、
前記扉の上端及び下端にて当該扉を回動自在に支持する支持部材、
を有し、
前記扉は、
互いに間隔を隔てて対面し、各々の周端部が互いに対面する側に延出された周端壁部を有する2つの表面材を備え、
前記2つの表面材は、前記周端壁部の先端同士が突き合わされ、隣り合う前記周端壁部間に跨がって固定される連結部材により連結されており、
前記連結部材は、
矩形の平板であって、前記周端壁部の外側、且つ、前記扉の戸先側の側面に設けられている
ことを特徴とする扉構造。
【請求項2】
請求項1に記載の扉構造であって、
前記連結部材は、前記扉の吊り元側の前記側面にも設けられていることを特徴とする扉構造。
【請求項3】
開口を閉止可能な扉、及び、
前記扉の吊り元側において、前記扉の上端及び下端にて当該扉を回動自在に支持する支持部材、
を有し、
前記扉は、
互いに間隔を隔てて対面し、各々の周端部が互いに対面する側に延出された周端壁部を有する2つの表面材を備え、
前記表面材の周端部は、略コ字状ではなくL字状に屈曲されており、
前記2つの表面材は、前記周端壁部の先端同士が突き合わされ、隣り合う前記周端壁部間に跨がって固定される連結部材により連結されており、
前記連結部材は、前記扉の吊り元側の側面に設けられており、
吊り元側に設けられた前記連結部材は、前記扉と反対側に突出する突起部を有しており、
前記連結部材は、前記扉を回動自在に支持する部材ではなく、
前記連結部材は、前記周端壁部のそれぞれにねじ止めされており、
前記扉を閉じた状態で、当該扉が支持されている構造体に設けられた挿入孔に前記突起部が挿入されることを特徴とする扉構造。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の扉構造であって、
前記扉の戸先側には、解除可能に係合し当該扉の閉止状態を維持するラッチ機構が設けられており、
前記2つの表面材は前記ラッチ機構を介して接合されるとともに、前記ラッチ機構より上方及び下方の少なくともいずれか一方が前記連結部材により連結されていることを特徴とする扉構造。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の扉構造であって、
前記表面材は、厚さが0.8mm未満の鋼製であることを特徴とする扉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回動自在に支持された扉を備えた扉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
回動自在に支持された扉を備えた扉構造としては、例えば、扉本体(扉)がピボットヒンジにより扉取り付け枠に回動自在に取り付けられている扉構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、取り付けられる扉としては、例えば、ペーパーハニカムなどの芯材の表裏面にそれぞれ、周端部が互いに対向する側に延出された金属製の表面材が接着されている扉が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように芯材の表裏面にそれぞれ金属製の表面材が接着されている扉の上下端がピボットヒンジにより支持されている場合には、例えば火災等により扉が加熱されると表面材に熱延びが生じる一方で、ピボットヒンジにより扉の上端部と下端部とが規制されているので、各々表面材に上下方向の中央部分が面外方向の外側に膨らむよう反りが生じる。表面材に反りが生じると、2つの表面材の間隔が開きその隙間から浸入する火炎により芯材が燃焼する、或いは、表面材の反りにより生じた空間を介して、扉により仕切られていた一方側の空間と他方側の空間とが連通してしまう虞がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、2つの表面材の間隔が開き難い扉構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために本発明の扉構造は、
開口を閉止可能な扉、及び、
前記扉の上端及び下端にて当該扉を回動自在に支持する支持部材、
を有し、
前記扉は、
互いに間隔を隔てて対面し、各々の周端部が互いに対面する側に延出された周端壁部を有する2つの表面材を備え、
前記2つの表面材は、前記周端壁部の先端同士が突き合わされ、隣り合う前記周端壁部間に跨がって固定される連結部材により連結されており、
前記連結部材は、矩形の平板であって、前記周端壁部の外側、且つ、前記扉の戸先側の側面に設けられていることを特徴とする扉構造である。
【0007】
このような扉構造によれば、周端壁部の先端同士が突き合わされている2つの表面材は、隣り合う周端壁部間が連結部材により連結されているので、各々表面材に熱延びが生じたとしても、2つの表面材の間隔が開くことを抑制することが可能である。
【0008】
かかる扉構造であって、
前記連結部材は、前記扉の側面に設けられていることが望ましい。
【0009】
扉における熱膨張は扉のアスペクト比により、幅方向より高さ方向の方が熱延び量が大きい。このため、上記扉構造のように扉の側面が連結部材により連結されていると、扉の側面において2つの表面材の間隔が開くことをより効果的に抑制することが可能である。
【0010】
かかる扉構造であって、
前記連結部材は、前記扉の吊り元側の前記側面に設けられていることが望ましい。
【0011】
支持部材により上端及び下端が規制されている吊り元側は、高さ方向の熱延びが生じたときに、扉の側面において2つの表面材の間隔が開き易い。上記扉構造によれば、吊り元側が連結部材により連結されているので、吊り元側であっても2つの表面材の間隔が開くことを抑制することが可能である。
【0012】
開口を閉止可能な扉、及び、
前記扉の吊り元側において、前記扉の上端及び下端にて当該扉を回動自在に支持する支持部材、
を有し、
前記扉は、
互いに間隔を隔てて対面し、各々の周端部が互いに対面する側に延出された周端壁部を有する2つの表面材を備え、
前記表面材の周端部は、略コ字状ではなくL字状に屈曲されており、
前記2つの表面材は、前記周端壁部の先端同士が突き合わされ、隣り合う前記周端壁部間に跨がって固定される連結部材により連結されており、
前記連結部材は、前記扉の吊り元側の側面に設けられており、
吊り元側に設けられた前記連結部材は、前記扉と反対側に突出する突起部を有しており、
前記連結部材は、前記扉を回動自在に支持する部材ではなく、
前記連結部材は、前記周端壁部のそれぞれにねじ止めされており、
前記扉を閉じた状態で、当該扉が支持されている構造体に設けられた挿入孔に前記突起部が挿入されることを特徴とする扉構造であってもよい。
【0013】
このような扉構造によれば、扉の吊り元側の連結部材が有する突起部が構造体に設けられた挿入孔に挿入されているので、上端と下端とが支持された扉が高さ方向の熱延びし、扉の高さ方向における中央側が面外方向に膨らむ場合であっても、挿入孔に挿入された突起部により面外方向への移動が規制され扉に反りが生じることを抑制することが可能である。
【0014】
かかる扉構造であって、
前記扉の戸先側には、解除可能に係合し当該扉の閉止状態を維持するラッチ機構が設けられており、
前記2つの表面材は前記ラッチ機構を介して接合されるとともに、前記ラッチ機構より上方及び下方の少なくともいずれか一方が前記連結部材により連結されていることが望ましい。
【0015】
扉の戸先側において、ラッチ機構を介して2つの表面材が接合されている場合には、熱延びが生じた場合には、上端側及び下端側の方が、間隔が開きやすい。このため、ラッチ機構より上方及び下方の少なくともいずれか一方が連結部材により連結されている上記扉構造によれば、ラッチ機構より上方及び下方のうちの少なくとも連結部材が設けられている側において、戸先側にて2つの表面材の間隔が開くことを抑制することが可能である。
【0016】
かかる扉構造であって、
前記表面材は、厚さが0.8mm未満の鋼製であることが望ましい。
【0017】
このような扉構造によれば、扉が不燃扉であったとしても、より高い防火性を備えることが可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、2つの表面材の間隔が開き難い扉構造を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る扉構造を示す正面図である。
【
図2】本実施形態に係る扉構造を示す縦断面図である。
【
図3】本実施形態に係る扉構造を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、扉構造の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
【0021】
本実施形態の扉構造は、
図1に示すように、金属製の枠体1と、枠体1と床4とにより形成される開口5に開閉自在に設けられた扉2とを有し、扉2は支持部材としてのピボットヒンジ3により、構造体としての枠体1及び床4に回動自在に支持されている。
【0022】
枠体1は、例えば、
図2、
図3に示すように、断面がL字状をなし鋼等の金属製の枠部材により形成され、水平方向において互いに間隔を隔てて床4に立設された2本の縦枠材と、2本の縦枠材の上端部間に架け渡された横枠材とが接合されて形成されている。枠体1が床4とともに形成する矩形状の開口5は、回動可能に支持された扉2により閉止可能である。
【0023】
枠体1は、閉じた扉2の上面及び両側面と対向する外周部分6と、外周部分6から扉2が設けられる内側に突出して、閉じた扉2における一方の面の周端部が当接される内側突出部7とを有している。
図2、
図3においては、構成を明確にするために、扉2を枠体1の内側突出部7から離して示しているが、扉2は閉止している状態で扉2の一方の面が内側突出部7に当接する。
【0024】
図1~
図5に示すように、扉2は、矩形のパネル状をなすペーパーハニカム等の芯材8と、芯材8の両面にそれぞれ接着される鋼製の2つの表面材9と、枠体1と解除可能に係合して当該扉2の閉止状態を維持するラッチ機構22と、ラッチ機構22を解除するためのドアノブ24と、2つの表面材9を連結し鋼板でなる連結部材25と、を有している。本実施形態の扉2は、防火区画などの開口部に設ける防火扉ではなく、不燃材で形成された所謂不燃扉であり、両面に接着される表面材9の厚さは、0.8mm未満である。
【0025】
2つの表面材9は、互いに間隔を隔てて対面し、各々の周端部が互いに対面する側に延出された周端壁部26が設けられており、周端壁部26は周方向に繋がっている。2つの表面材9の周端壁部26は、互いの先端10同士が突き合わされ、内部に形成される空間に芯材8が収容されており、芯材8は全周が2つの表面材9により覆われている。
【0026】
ラッチ機構22は、扉2の戸先側であって、扉2の高さ方向における中央側に設けられている。ラッチ機構22は、ドアノブ24の軸部29が貫通されるケーシング27に収容されており、ケーシング27は芯材8の切り欠かれた空間に配置されて、2つの表面材9に芯材8とともに接着されている。ケーシング27の戸先側にはラッチボルト28が没入可能に突出されており、ラッチボルト28はドアノブ24の操作により没入される。突出したラッチボルト28が、枠体1における戸先側の縦枠材に設けられた係止部30に係止されて扉2の閉止状態が維持される。
【0027】
ドアノブ24は、扉2の両側に設けられており、一方側のドアノブ24から突出している軸部29が表面材9及びラッチ機構22を貫通して、他方側のドアノブ24に固定されている。扉2の両側に設けられたドアノブ24は、表面材9及びラッチ機構22を挟持しつつも回動してラッチボルト28をケーシング27内に没入可能に設けられている。すなわち、2つの表面材9は、ラッチ機構22を介して配置されラッチ機構22のケーシング27に接着されるとともにドアノブ24により挟持されて接合されている。
【0028】
連結部材25は、矩形状の鋼板であり、扉2の幅方向における側面32のうちの戸先側の側面32であって、ラッチ機構22より上方及び下方となる、扉2の上下の端部と吊り元側の側面32の上下方向の中央側の部位との3箇所に設けられている。ここで、上下方向の中央側とは、上下方向における中央近傍であり、中央であってもよいが、必ずしも中央でなくとも構わない。
【0029】
図6に示すように、矩形状の連結部材25は、2つの表面材9の周端壁部26の先端10が突き合わされた部位を跨いで一方の周端壁部26から他方の周端壁部26に亘って配置され、2つの表面材9の周端壁部26に各々ねじ止めされている。
【0030】
図7に示すように、吊り元側の連結部材25には、中央部に扉2とは反対側に突出する突起部33が設けられている。突起部33は、扉2を閉めた状態で、枠体1における吊り元側の縦枠材に設けられた挿入孔34に挿入されるように構成されている。このため、閉じた状態の扉2は、吊り元側の上下方向における中央側の部位が面外方向に移動して生じる反りが抑制されている。
【0031】
ピボットヒンジ3は、
図1~
図3に示すように、扉2の幅方向における一方の端部側(吊り元側)において、扉2の上端を枠体1との間で、また、扉2の下端を床4との間でそれぞれ支持している。ピボットヒンジ3は、扉2側にそれぞれ設けられる金属製の扉側部材11、12と、枠体1側または床4側に設けられる金属製の開口側部材13、14とを有している。扉側部材11、12と開口側部材13、14とは、いずれも扉2の面外方向において同じ側に突出させて取り付けられている。
【0032】
床4に取り付けられる開口側部材(以下、下開口側部材とする)13は、例えば、床4に固定されて上面が平坦に形成された下台座部15と、下台座部15のほぼ中央に設けられ鉛直方向に沿って上方に突出する下軸部16と、下軸部16に挿通されて下台座部15上に載置されたスラストベアリング17と、を有している。スラストベアリング17は、下台座部15の上面に当接されているハウジング軌道板が下軸部16に嵌合され、ハウジング軌道板の上に位置する軸軌道板が、下軸部16周りに回動自在に設けられている。
【0033】
扉2の下端に取り付けられる扉側部材(以下、下扉側部材とする)11は、扉2に固定され下面が平坦に形成され、ほぼ中央に下軸部16が挿入される下挿通孔18が設けられている。扉2は、下扉側部材11の下挿通孔18に下開口側部材13の下軸部16が挿通されてスラストベアリング17上に載置されている。
【0034】
扉2の上端に取り付けられる扉側部材(以下、上扉側部材とする)12は、扉2に固定され上面が平坦に形成された上台座部19と、上台座部19のほぼ中央に設けられ鉛直方向に沿って上方に突出する上軸部20と、を有している。
【0035】
枠体1の上側の部位に取り付けられる開口側部材(以下、上開口側部材とする)14は、枠体1に固定されて下面が平坦に形成され、ほぼ中央に上軸部20が挿入される上挿通孔23が設けられている。上開口側部材14の上挿通孔23には、内周に例えば上軸部20が挿通される軸受けスリーブ(不図示)が嵌入されている。
【0036】
枠体1及び床4に取り付けられた扉2は、下開口側部材13にスラストベアリング17を介して支持され、下軸部16及び上軸部20とスラストベアリング17及び軸受けスリーブとにより回動自在に支持されている。
【0037】
本実施形態の扉構造によれば、芯材8を収容して周端壁部26の先端10同士が突き合わされている2つの表面材9は、隣り合う周端壁部26間が連結部材25により連結されているので、各々表面材9に熱延びが生じたとしても、2つの表面材9の間隔が開くことを抑制することが可能である。
【0038】
また、扉2における熱膨張は、扉2のアスペクト比により、幅方向より高さ方向の方が熱延び量が大きい。このため、本実施形態の扉構造のように扉2の幅方向における側面32が連結部材25により連結されていると、扉2の側面32において2つの表面材9の間隔が開くことをより効果的に抑制することが可能である。
【0039】
また、ピボットヒンジ3により上端及び下端が規制されている吊り元側は、高さ方向の熱延びが生じたときに、扉2の側面32において2つの表面材9の間隔が開き易い。上記実施形態の扉構造によれば、吊り元側が連結部材25により連結されているので、吊り元側であっても2つの表面材9の間隔が開くことを抑制することが可能である。
【0040】
また、扉2を閉じた状態では、扉2の吊り元側の連結部材25が有する突起部33が縦枠材に設けられた挿入孔34に挿入されているので、上端と下端とが支持された扉2が高さ方向に熱延びし、扉2の高さ方向における中央側が面外方向に膨らむ場合であっても、挿入孔34に挿入された突起部33により面外方向への移動が規制され扉2に反りが生じることを抑制することが可能である。
【0041】
また、戸先側がラッチ機構22を介して2つの表面材9が接合されている扉2は、熱延びが生じた場合には、上端側及び下端側の方が、間隔が開きやすい。このため、本実施形態の扉構造のように、ラッチ機構22より上方及び下方となる扉2の上端側及び下端側に連結部材25が設けられていると、連結部材25が設けられている側においては、戸先側にて2つの表面材9の間隔が開くことを抑制することが可能である。
【0042】
また、扉2が、厚さが0.8mm未満の鋼製の表面材9を備えた不燃扉であっても、より高い防火性を備えることが可能である。また、熱延びは、厚い鋼板を備えた防火扉より板厚が薄い不燃扉の方が生じやすいので、本実施形態のように2つの表面材9の隣り合う周端壁部26間に跨がって固定される連結部材25により連結されていることがより有効である。
【0043】
上記実施形態においては、扉2の戸先側の側面において周端壁部26の上下端を各々連結部材25にて連結する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、上端のみ又は下端のみを連結部材により連結しても構わない。また、戸先側の側面においては、3箇所以上を連結部材で連結しても構わない。
【0044】
また、上記実施形態においては、連結部材25を扉2の戸先側において側面32に設ける例について説明したが、連結部材25は扉2の戸先側の端部であれば上面及び下面に設けても構わない。
【0045】
上記実施形態においては、扉2の吊り元側の側面32をなす周端壁部26の上下方向における中央側の部位を連結部材25にて連結する例について説明したが、吊り元側の上下端部に設けられているピボットヒンジ3が、2つの表面材9の間隔が開くことを抑制する機能を有しない場合には、中央側の部位のみならず、上下の端部のいずれか一方または両端部も連結部材25にて連結することが望ましい。この場合には、上下の端部に設けられる連結部材25には、突起部33は設けられていなくとも構わない。
【0046】
本実施形態においては、下開口側部材13の下台座部15に下軸部16が上方に突出し、上扉側部材12の上台座部19に上軸部20が上方に突出している例について説明したが、これに限らず、例えば、下扉側部材に下軸部が下方に突出し、上開口部材に上軸部が下方に突出していても構わない。
【0047】
上記実施形態においては、扉2を回動自在に支持する支持部材としてピボットヒンジ3の一例を挙げて説明したが、これに限らず、扉の上端及び下端にて、当該扉を回動自在に支持する支持部材であれば構わない。
【0048】
以上、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0049】
1 枠体(構造体)、2 扉、3 ピボットヒンジ(支持部材)、4 床、5 開口、
6 外周部分、7 内側突出部、8 芯材、9 表面材、10 周端壁部の先端、
11 下扉側部材、12 上扉側部材、13 下開口側部材、14 上開口側部材、
15 下台座部、16 下軸部、17 スラストベアリング、18 下挿通孔、
19 上台座部、20 上軸部、22 ラッチ機構、23 上挿通孔、24 ドアノブ、
25 連結部材、26 周端壁部、27 ケーシング、28 ラッチボルト、29 軸部、
30 係止部、32 側面、33 突起部、34 挿入孔、