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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】水石けん液供給栓
(51)【国際特許分類】
   A47K 5/12 20060101AFI20220712BHJP
   A47K 5/14 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
A47K5/12 A
A47K5/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017186121
(22)【出願日】2017-09-27
(65)【公開番号】P2019058425
(43)【公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村田 健介
(72)【発明者】
【氏名】大西 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】富山 直登
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-212086(JP,A)
【文献】特開平04-028313(JP,A)
【文献】特開2007-215870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/12
A47K 5/14
F04B 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水石けんをムース状にして吐出口から吐出する水石けん供給装置であって、
水石けんを貯留する水石けんタンクと
可撓性部材で構成され、前記吐出口と前記水石けんタンクとをつなぐ水石けん流路と、
前記水石けんタンク内の水石けんを加圧して送り出す液体ポンプと、
空気を加圧して送り出す空気ポンプと、
前記液体ポンプによって送り出された水石けんと前記空気ポンプによって空気流路を通って送り出された空気を混合して、水石けんをムース状にする混合部と、
被検知物を検知するセンサと、
前記センサの検知結果に基づいて前記液体ポンプと前記空気ポンプの動作を制御する制御部と、を備え、
前記液体ポンプと前記空気ポンプは、前記水石けんタンクの外部に設けられ、
前記制御部は、前記混合部において、水石けんの量に対する空気の量が予め決められた所定値になるように前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第1モードと、水石けんの量に対する空気の量が前記第1モードよりも少なくなるよう前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第2モードを有し、
さらに前記制御部は、前記第1モードを実行した後に前記第2モードを実行し、
前記制御部は、前記第1モードにおいて第4エネルギーで前記空気ポンプを動作させるよう構成されており、
前記制御部は、前記第4エネルギー以上の第6エネルギーで前記空気ポンプを動作させる第4モードを有するとともに、前記センサで被検知物を検知すると前記第4モードを実行後に第1モードを実行する
ことを特徴とする水石けん供給装置。
【請求項2】
水石けんをムース状にして吐出口から吐出する水石けん供給装置であって、
水石けんを貯留する水石けんタンクと
可撓性部材で構成され、前記吐出口と前記水石けんタンクとをつなぐ水石けん流路と、
前記水石けんタンク内の水石けんを加圧して送り出す液体ポンプと、
空気を加圧して送り出す空気ポンプと、
前記液体ポンプによって送り出された水石けんと前記空気ポンプによって空気流路を通って送り出された空気を混合して、水石けんをムース状にする混合部と、
被検知物を検知するセンサと、
前記センサの検知結果に基づいて前記液体ポンプと前記空気ポンプの動作を制御する制御部と、を備え、
前記液体ポンプと前記空気ポンプは、前記水石けんタンクの外部に設けられ、
前記制御部は、前記混合部において、水石けんの量に対する空気の量が予め決められた所定値になるように前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第1モードと、水石けんの量に対する空気の量が前記第1モードよりも少なくなるよう前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第2モードを有し、
さらに前記制御部は、前記第1モードを実行した後に前記第2モードを実行し、
前記制御部は、前記第1モードにおいて第1エネルギーで前記液体ポンプを動作させるよう構成されるとともに、前記第2モードにおいて前記第1エネルギーよりも大きい第2エネルギーで前記液体ポンプを動作させるよう構成されている
ことを特徴とする水石けん供給装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2モードにおいて前記第4エネルギーよりも小さい第5エネルギーで前記空気ポンプを動作させるよう構成されている
ことを特徴とする請求項に記載の水石けん供給装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2エネルギー以上の第3エネルギーで前記液体ポンプを動作させる第3モードを有するとともに、前記センサで被検知物を検知すると前記第3モードを実行後に前記第1モードを実行する
ことを特徴とする請求項に記載の水石けん供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検知物を検知すると自動的に水石けんを吐出させる機能を有する水石けん供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カウンタ付きの洗面器などにおいては、湯水を供給する給水栓のほかに、使用者が一定の動作を行うと水石けんが吐出される水石けん供給装置が併設されたものがある。このような水石けん供給装置には様々な方式のものがあるが、近年は、使用者が吐出口付近に手を近づけただけで、ムース状になった水石けんが自動的に吐出される機能を有するものがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-37628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された水石けん供給装置は、自動的にムース状の水石けんを吐出可能であり、使い勝手の良い水石けん供給装置が提案されている。しかしながら特許文献1に記載された水石けん供給装置は、水石けんを貯留している水石けんタンクの内部に液体ポンプが配置されているため、水石けんタンクが大型化し、限られたカウンタ下のスペースに入らない場合があった。また、タンクが大型化した場合は、所望の位置にタンクを設置することができず、タンクや液体ポンプと吐出口との距離が長くなることで、液体ポンプを停止した後に水石けん流路内の圧力によって、ポンプを停止したにも関わらず吐出口から水石けんが垂れてしまう場合があり、タンクの小型化および水石けんの液垂れについてさらなる改善の余地がある。
【0005】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水石けんタンクを小型化することで水石けんタンクの設置自由度を高めるとともに、液体ポンプを停止した後に吐出口から水石けんが垂れることを抑制することができる水石けん供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の水石けん供給装置は、水石けんをムース状にして吐出口から吐出する水石けん供給装置であって、水石けんを貯留する水石けんタンクと可撓性部材で構成され、前記吐出口と前記水石けんタンクとをつなぐ水石けん流路と、前記水石けんタンク内の水石けんを加圧して送り出す液体ポンプと、空気を加圧して送り出す空気ポンプと、前記液体ポンプによって送り出された水石けんと前記空気ポンプによって空気流路を通って送り出された空気を混合して、水石けんをムース状にする混合部と、被検知物を検知するセンサと、前記センサの検知結果に基づいて前記液体ポンプと前記空気ポンプの動作を制御する制御部と、を備え、前記液体ポンプと前記空気ポンプは、前記水石けんタンクの外部に設けられ、前記制御部は、前記混合部において、水石けんの量に対する空気の量が予め決められた所定値になるように前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第1モードと、水石けんの量に対する空気の量が前記第1モードよりも少なくなるよう前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第2モードを有し、さらに前記制御部は、前記第1モードを実行した後に前記第2モードを実行し、前記制御部は、前記第1モードにおいて第4エネルギーで前記空気ポンプを動作させるよう構成されており、前記制御部は、前記第4エネルギー以上の第6エネルギーで前記空気ポンプを動作させる第4モードを有するとともに、前記センサで被検知物を検知すると前記第4モードを実行後に第1モードを実行することを特徴とする。
【0009】
の発明の構成とすることで、液体ポンプと空気ポンプとを水石けんタンクの外部に設けることで、水石けんタンクと液体ポンプおよび空気ポンプを分けることで、水石けんタンクを液体ポンプや空気ポンプの体積分小型化することができる。水石けんタンクを小型化することで、カウンタ下等の限られたスペースでの設置自由度を高めることができる。さらに、液体ポンプを水石けんタンクの外部に配置することにより、液体ポンプと吐出口との距離を短くすることができる。液体ポンプを停止後の吐出口からの水石けんの液垂れは、吐出口と液体ポンプまでの水石けん流路内の圧力によって発生するが、吐出口と液体ポンプとの距離を近づけることで、水石けん流路内の圧力を小さくすることができる。そのため、液体ポンプを停止後に発生する水石けんの液垂れが発生することを抑制できる。
また、第1モードでは、水石けんの量と空気の量が所定値となるように液体ポンプと空気ポンプを動作させるため、混合部にて発泡率の高いムース状の水石けんを吐出することができる。第2モードでは、水石けんの量に対する空気の量が第1モードよりも少なくなるように液体ポンプと空気ポンプを動作させることで、第1モードよりも発泡率が低い水石けんが吐出されることになる。発泡率の高い第1モードの後に発泡率の低い第2モードを実行することで、発泡率の低いすなわち、泡質の悪い水石けんであり、水石けんがちぎれやすくなり、吐出口から液垂れすることを更に抑制することができる。
また、第4エネルギーよりも大きい第6エネルギーで空気ポンプを動作させる第4モードを実行することで、空気ポンプを確実に始動させることができる。
【0010】
の発明の水石けん供給装置は、水石けんをムース状にして吐出口から吐出する水石けん供給装置であって、水石けんを貯留する水石けんタンクと可撓性部材で構成され、前記吐出口と前記水石けんタンクとをつなぐ水石けん流路と、前記水石けんタンク内の水石けんを加圧して送り出す液体ポンプと、空気を加圧して送り出す空気ポンプと、前記液体ポンプによって送り出された水石けんと前記空気ポンプによって空気流路を通って送り出された空気を混合して、水石けんをムース状にする混合部と、被検知物を検知するセンサと、前記センサの検知結果に基づいて前記液体ポンプと前記空気ポンプの動作を制御する制御部と、を備え、前記液体ポンプと前記空気ポンプは、前記水石けんタンクの外部に設けられ、前記制御部は、前記混合部において、水石けんの量に対する空気の量が予め決められた所定値になるように前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第1モードと、水石けんの量に対する空気の量が前記第1モードよりも少なくなるよう前記液体ポンプと前記空気ポンプを動作させる第2モードを有し、
さらに前記制御部は、前記第1モードを実行した後に前記第2モードを実行し、前記制御部は、前記第1モードにおいて第1エネルギーで前記液体ポンプを動作させるよう構成されるとともに、前記第2モードにおいて前記第1エネルギーよりも大きい第2エネルギーで前記液体ポンプを動作させるよう構成されていることを特徴とする。
【0011】
の発明の構成とすることで、液体ポンプと空気ポンプとを水石けんタンクの外部に設けることで、水石けんタンクと液体ポンプおよび空気ポンプを分けることで、水石けんタンクを液体ポンプや空気ポンプの体積分小型化することができる。水石けんタンクを小型化することで、カウンタ下等の限られたスペースでの設置自由度を高めることができる。さらに、液体ポンプを水石けんタンクの外部に配置することにより、液体ポンプと吐出口との距離を短くすることができる。液体ポンプを停止後の吐出口からの水石けんの液垂れは、吐出口と液体ポンプまでの水石けん流路内の圧力によって発生するが、吐出口と液体ポンプとの距離を近づけることで、水石けん流路内の圧力を小さくすることができる。そのため、液体ポンプを停止後に発生する水石けんの液垂れが発生することを抑制できる。
また、第1モードでは、水石けんの量と空気の量が所定値となるように液体ポンプと空気ポンプを動作させるため、混合部にて発泡率の高いムース状の水石けんを吐出することができる。第2モードでは、水石けんの量に対する空気の量が第1モードよりも少なくなるように液体ポンプと空気ポンプを動作させることで、第1モードよりも発泡率が低い水石けんが吐出されることになる。発泡率の高い第1モードの後に発泡率の低い第2モードを実行することで、発泡率の低いすなわち、泡質の悪い水石けんであり、水石けんがちぎれやすくなり、吐出口から液垂れすることを更に抑制することができる。
また、第1モードでは、第1エネルギーで液体ポンプを動作させ、第2モードでは、第1エネルギーよりも大きい第2エネルギーで液体ポンプを動作させることにより、第1モードと第2モードとで発泡率を変えることができる。したがって、吐出口からの水石けんの液垂れを抑制することができる。
【0012】
の発明の水石けん供給装置は、前記制御部は、前記第2モードにおいて前記第4エネルギーよりも小さい第5エネルギーで前記空気ポンプを動作させるよう構成されていることを特徴とする。
【0013】
の発明の構成とすることで、第1モードでは、第4エネルギーで空気ポンプを動作させ、第2モードでは、第4エネルギーよりも小さい第5エネルギーで空気ポンプを動作させることで、第1モードよりも第2モードの方が、発泡率が低くなり、泡質が悪くなる。したがって、吐出口からの水石けんの液垂れを抑制することができる。
【0014】
の発明の水石けん供給装置は、前記制御部は、前記第2エネルギー以上の第3エネルギーで前記液体ポンプを動作させる第3モードを有するとともに、前記センサで被検知物を検知すると前記第3モードを実行後に前記第1モードを実行することを特徴とする。
【0015】
の発明の構成とすることで、第3モードを実行することで、第2エネルギー以上の第3エネルギーで液体ポンプを動作させることで、液体ポンプを確実に始動させることができ、水石けん流路や吐出口で水石けんが固着しそうな場合でも水石けんを吐出させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、水石けんタンクを小型化することで水石けんタンクの設置自由度を高めるとともに、液体ポンプを停止した後に吐出口から水石けんが垂れることを抑制することができる水石けん供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第一実施形態にかかる水石けん供給装置の概略構成図である。
図2】本発明の第一実施形態にかかる水石けん供給装置の制御フローチャートである。
図3】本発明の第一実施形態にかかる水石けん供給装置のセンサおよび液体ポンプ、空気ポンプの動作タイミングチャートである。
図4】本発明の第二実施形態にかかる水石けん供給装置の制御フローチャートである。
図5】本発明の第二実施形態にかかる水石けん供給装置のセンサおよび液体ポンプ、空気ポンプの動作タイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符合を付して、重複する説明は省略する。なお、以下に示す実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
(第一実施例)
この水石けん供給装置について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第一実施形態にかかる水石けん供給装置1の概略構成図である。
【0022】
図1に示すように、水石けん供給装置1は、水石けん液を貯留する水石けんタンク2と、吐出口3と、水石けん流路4と、液体ポンプ5と、空気ポンプ6と、空気流路10と、混合部7と、センサ8と、制御部9とを有する。
【0023】
吐出口3は、水石けんタンク2と水石けんが通る流路であり、可撓性を有する水石けん流路4と接続されている。液体ポンプ5は、水石けん流路4に接続され、水石けんタンク2に貯留される水石けん液を吸い上げて吐出口3に供給するように構成されている。
【0024】
空気ポンプ6は、水石けん液をムース状にするために空気流路10を介して混合部7に接続され、液体ポンプ5によって供給される水石けん液に空気を混入するように構成される。混合部7は、液体ポンプ5によって供給される水石けん液と空気ポンプによって供給される空気を混合し、ムース状の水石けんとなるように構成される。
【0025】
センサ8は、吐出口8近傍に設けられ、被検知物の有無を検知するように構成されている。制御部9は、液体ポンプ5と空気ポンプ6とセンサ8と接続され、センサ8の検知結果に基づいて、液体ポンプ5と空気ポンプ6の動作を制御するように構成されている。
【0026】
次に、水石けん供給装置1の動作について図2を参照して説明する。図2は、本発明の第一実施形態にかかる水石けん供給装置1の制御フローチャートである。
【0027】
図2に示すように、水石けん供給装置1に電源が接続されると制御部9による制御がスタートする(S100)。その後制御部9は、センサ8が被検知物を検知したか否かを判断する(S101)。制御部9は。S101にて被検知物を検知していないと判断すると、S101の判断を繰り返し行う。制御部9は、S101にて被検知物を検知したと判断すると、液体ポンプ5と空気ポンプ6をONし、動作を開始する(S102)。制御部9は、S102の液体ポンプ5の動作を開始すると同時に第3モードを開始する(S103)。その後制御部9は、第3所定時間経過したか否かを判断する(S104)。制御部9は、S104にて第3所定時間経過するまで第3モードの実行を継続する。
【0028】
制御部9は、S104にて第3所定時間経過したと判断すると、液体ポンプ5を第1モードにて動作させる(S105)。その後制御部9は、第1所定時間経過したか否かを判断する(S106)。制御部9は、S106にて第1所定時間経過するまで第1モードの実行を継続する。
【0029】
制御部9は、S106にて第1所定時間経過したと判断すると、空気ポンプ6を停止する(S107)。その後制御部9は、液体ポンプ5を第2モードにて動作させる(S108)。制御部9は、第2所定時間経過したか否かを判断する(S109)。制御部9はS109にて第2所定時間経過するまで第2モードの実行を継続する。
【0030】
制御部9は、S109にて第2所定時間経過したと判断すると、液体ポンプ5を停止する(S110)。制御部9は、S110にて液体ポンプ5を停止すると制御を終了(S111)し、S100に戻るように構成されている。
【0031】
次に、センサ8および、液体ポンプ5、空気ポンプ6のタイミングチャートについて図3を参照して説明する。図3は、本発明の第一実施形態にかかる水石けん供給装置1のセンサ8および液体ポンプ5、空気ポンプ6の動作タイミングチャートである。
【0032】
図3に示すように、制御部9は、センサ8が被検知物を検知すると、第3モードを実行し、その後第1モードを実行し、最後に第2モードを実行するように構成されている。
【0033】
制御部9は、各モードにおいて空気ポンプ6に一定のエネルギーを供給し、センサ8の信号が検知から非検知になると空気ポンプの駆動を停止する。
制御部9は、液体ポンプ5にエネルギーを供給するが、各モードにおいてエネルギーの大きさを変更している。
【0034】
第1モードにおいて制御部9は、液体ポンプ5に供給するエネルギーを「小」に設定し、ムース状の水石けんの発泡率が高くなるよう水石けんと空気とを混合する。
第2モードにおいて、制御部9は、液体ポンプ5に供給するエネルギーを「中」に設定し、空気ポンプ6へのエネルギーの供給を停止する。空気ポンプ6へのエネルギーの供給を停止することで、ムース状の水石けんの発泡率が低くなり、ムース状の水石けんがちぎれやすい水石けんとなる。
【0035】
第3モードは、液体ポンプ5に供給するエネルギーを「大」に設定し、液体ポンプ5の動作を開始する。第3モードは、第1モードに比べて、空気ポンプ6からの空気に対する水石けんの割合が高いため、発泡率は低下してしまうが、液体ポンプ5の始動性を高めるために供給するエネルギーを「大」としている。
【0036】
制御部9は、第3モード、第1モード、第2モードの順番で液体ポンプ5を動作することで、第3モードでは、第1モードよりも発泡率が低くなるが、液体ポンプ5へのエネルギーを「大」に設定することで液体ポンプ5を確実に始動させることができる。その後、第1モードを実行する。第1モードは、液体ポンプ5へのエネルギーを「小」に設定し、発泡率を高めている。発泡率を高めることで、水石けん液を節液することができる。その後第2モードを実行する。第1モードではムース状の水石けんの発泡率が高く、第1モードの状態で吐出を終了すると、吐出口3からムース状の水石けんが垂れてしまうため、第2モードでは、液体ポンプ5へのエネルギーを「中」に設定し、空気に対する水石けんの割合を 高くし、発泡率を低下させている。このように発泡率を低下させることで、ムース状の水石けんはちぎれやすくなり、吐出口3から水石けんが垂れてしまうことを抑制することができる。
【0037】
(第二実施例)
次に、図4および図5を参照して、本発明の第一実施形態による液体ポンプ5と空気ポンプ6の動作の第二実施例について説明する。図4は、本発明の第二実施形態にかかる水石けん供給装置1の制御フローチャートである。
【0038】
図4に示すように、水石けん供給装置1に電源が接続されると制御部9による制御がスタートする(S200)。その後制御部9は、センサ8が被検知物を検知したか否かを判断する(S201)。制御部9は。S201にて被検知物を検知していないと判断すると、S201の判断を繰り返し行う。制御部9は、S201にて被検知物を検知したと判断すると、液体ポンプ5と空気ポンプ6をONし、動作を開始する(S202)。制御部9は、S202の空気ポンプ6の動作を開始すると同時に第4モードを開始する(S203)。その後制御部9は、第4所定時間経過したか否かを判断する(S204)。制御部9は、S204にて第4所定時間経過するまで第4モードの実行を継続する。
【0039】
制御部9は、S204にて第4所定時間経過したと判断すると、空気ポンプ6を第1モードにて動作させる(S205)。その後制御部9は、第1所定時間経過したか否かを判断する(S206)。制御部9は、S206にて第1所定時間経過するまで第1モードの実行を継続する。
【0040】
制御部9は、S206にて第1所定時間経過したと判断すると、空気ポンプを第2モードにて動作させる(S207)。制御部9は、第2所定時間経過したか否かを判断する(S208)。制御部9は、S208にて第2所定時間経過するまで第2モードの実行を継続する
【0041】
制御部9は、S208にて第2所定時間経過したと判断すると、液体ポンプ5と空気ポンプ6の動作を停止する。制御部9は、S209にて液体ポンプ5と空気ポンプ6を停止すると制御を終了(S210)し、S200に戻るように構成されている。
【0042】
次に、センサ8および、液体ポンプ5、空気ポンプ6のタイミングチャートについて図5を参照して説明する。図5は、本発明の第二実施形態にかかる水石けん供給装置1のセンサ8および液体ポンプ5、空気ポンプ6の動作タイミングチャートである。
【0043】
図5に示すように、制御部9は、センサが被検知物を検知すると第4モードを実行し、その後第1モードを実行し、最後に第2モードを実行するように構成されている。
【0044】
制御部9は、各モードにおいて液体ポンプ5に一定のエネルギーを供給し、センサ8の信号に応じて液体ポンプ5および空気ポンプの駆動を停止する。
制御部9は、空気ポンプ6にエネルギーを供給するが、各モードにおいてエネルギーの大きさを変更している。
【0045】
第1モードにおいて制御部9は、空気ポンプ6に供給するエネルギーを「中」に設定し、ムース状の水石けんの発泡率が高くなるよう水石けんと空気を混合する。
第2モードにおいて、制御部9は、空気ポンプ6に供給するエネルギーを「小」に設定し、ムース状の水石けんの発泡率が低くなるように水石けんと空気を混合する。このように混合することで第2モードでは、ムース状の水石けんがちぎれやすい水石けんとなる。
【0046】
第4モードは、空気ポンプ6に供給するエネルギーを「大」に設定し、空気ポンプの6の動作を開始する。第4モードは、第1モードに比べて、水石けんの量に対して空気の量の割合が高いため発泡率は退化してしまうが、空気ポンプの始動性を高めるために供給するエネルギーを「大」としている。
【0047】
制御部9は、第4モード、第1モード、第2モードの順番で空気ポンプ6を動作することで、第4モードでは、第1モードよりも発泡率が低くなるが、空気ポンプ6へのエネルギーを「第」に設定することで空気ポンプ6を確実に始動させることができる。その後、第1モードを実行する。第1モードは、空気ポンプ6へのエネルギーを「中」に設定し、発泡率を高めている。発泡率を高めることで、水石けん液を節液することができる。その後、第2モードを実行する。第1モードではムース状の水石けんの発泡率が高く、第1モードの状態で吐出を終了すると、吐出口3からムース状の水石けんが垂れてしまうため、第2モードでは、空気ポンプ6へのエネルギーを「小」に設定し、水石けんの量に対しる空気の量を少なくし、発泡率を低下させている。このように発泡率を低下させることで、ムース状の水石けんはちぎれやすくなり、吐出口3から水石けんが垂れてしまうことを抑制することができる。
【0048】
次に、図1図5を参照して、本発明の実施形態による水石けん供給装置1の作用について説明する。
【0049】
水石けん供給装置1は、液体ポンプ5と空気ポンプ6とを水石けんタンク2の外部に設けることで、水石けんタンク2と液体ポンプ5および空気ポンプ6を分けることで、水石けんタンク2を液体ポンプ5や空気ポンプ6の体積分小型化することができる。水石けんタンク2を小型化することで、カウンタ下等の限られたスペースでの設置自由度を高めることができる。さらに、液体ポンプ5を水石けんタンク2の外部に配置することにより、液体ポンプ5と吐出口3との距離を短くすることができる。液体ポンプ5を停止後の吐出口3からの水石けんの液垂れは、吐出口3と液体ポンプ5までの水石けん流路4内の圧力によって発生するが、吐出口3と液体ポンプ5との距離を近づけることで、水石けん流路4内の圧力を小さくすることができる。そのため、液体ポンプ5を停止後に発生する水石けんの液垂れが発生することを抑制できる。
【0050】
また、本実施形態の水石けん供給装置1によれば、第1モードでは、水石けんの量と空気の量が所定値となるように液体ポンプ5と空気ポンプ6を動作させるため、混合部7にて発泡率の高いムース状の水石けんを吐出することができる。第2モードでは、水石けんの量に対する空気の量が第1モードよりも少なくなるように液体ポンプと空気ポンプを動作させることで、第1モードよりも発泡率が低い水石けんが吐出されることになる。発泡率の高い第1モードの後に発泡率の低い第2モードを実行することで、発泡率の低いすなわち、泡質の悪い水石けんであり、水石けんがちぎれやすくなり、吐出口から液垂れすることを更に抑制することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の水石けん供給装置1によれば、第1モードでは、第1エネルギーで液体ポンプ5を動作させ、第2モードでは、第1エネルギーよりも大きい第2エネルギーで液体ポンプ5を動作させることにより、第1モードと第2モードとで発泡率を変えることができる。したがって、吐出口からの水石けんの液垂れを抑制することができる。
【0052】
さらに、本実施形態の水石けん供給装置1によれば、第1モードでは、第4エネルギーで空気ポンプ6を動作させ、第2モードでは、第4エネルギーよりも小さい第5エネルギーで空気ポンプ6を動作させることで、第1モードよりも第2モードの方が、発泡率が低くなり、泡質が悪くなる。したがって、吐出口3からの水石けんの液垂れを抑制することができる。
【0053】
さらに、本実施形態の水石けん供給装置1によれば、第3モードを実行することで、第2エネルギー以上の第3エネルギーで液体ポンプ5を動作させることで、液体ポンプ5を確実に始動させることができ、水石けん流路4や吐出口3で水石けんが固着しそうな場合でも水石けんを吐出させることができる。
【0054】
さらに、本実施形態の水石けん供給装置1によれば、第4エネルギーよりも大きい第6エネルギーで空気ポンプ6を動作させる第4モードを実行することで、空気ポンプ6を確実に始動させることができる。
【0055】
第一実施形態および第二実施形態において、センサ8が被検知物を検知すると液体ポンプ5と空気ポンプ6を同時にONさせるフローについて説明したが、必ずしも同時にONさせる必要はない。
【0056】
第一実施形態においては、空気ポンプ6へのエネルギーが一定で液体ポンプ5へのエネルギーを変更することについて説明し、第二実施形態においては、液体ポンプ5へのエネルギーが一定で空気ポンプ6へのエネルギーを変更することについて説明したが、液体ポンプ5と空気ポンプ6の2つのポンプへのエネルギーを変更してもよい。
【0057】
第一実施形態において、第1モードから第2モードに移行する際に空気ポンプ6を停止し、液体ポンプ5を第2モードで実行させることについて説明したが、第2モード中に空気ポンプ6は動作していてもよい。
【0058】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 水石けん供給装置
2 水石けんタンク
3 吐出口
4 水石けん流路
5 液体ポンプ
6 空気ポンプ
7 混合部
8 センサ
9 制御部
10 空気流路
図1
図2
図3
図4
図5