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特許7102714画像形成装置、画像形成装置の制御方法および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成装置の制御方法および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20220712BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220712BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220712BHJP
   G03G 21/14 20060101ALI20220712BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B41J29/38 801
B41J29/38 201
B41J29/42 F
G03G21/00 388
G03G21/14
H04N1/00 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2017236067
(22)【出願日】2017-12-08
(65)【公開番号】P2019098726
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】下川 俊治
【審査官】井出 元晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-140166(JP,A)
【文献】特開2013-252677(JP,A)
【文献】特開2008-257580(JP,A)
【文献】特開平08-244318(JP,A)
【文献】特開2015-085523(JP,A)
【文献】特開2013-106275(JP,A)
【文献】特開2016-039559(JP,A)
【文献】特開2006-026992(JP,A)
【文献】特開2012-218298(JP,A)
【文献】特開2007-216477(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0092717(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G03G 21/14
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙を収容する給紙トレイと、
前記給紙トレイにセットされた用紙の情報であるトレイ用紙情報を取得するトレイ情報取得部と、
印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報であるジョブ用紙情報が関連付けられた前記印刷ジョブに関する情報を記憶する記憶部から、前記ジョブ用紙情報を取得するジョブ情報取得部と、
前記トレイ用紙情報が取得されたことに基づいて、当該取得された前記トレイ用紙情報と、取得された前記ジョブ用紙情報との一致度に応じて、複数の前記印刷ジョブのうち、表示部に表示する再出力用の前記印刷ジョブを特定する絞込部と、を有し、
前記絞込部は、前記給紙トレイに用紙がセットされたタイミングにおいて、
前記セットされた第1の前記給紙トレイの前記トレイ用紙情報を取得するとともに、取得した前記トレイ用紙情報を前記複数の前記印刷ジョブの前記ジョブ用紙情報と比較し、一致度に応じて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから、前記第1の前記給紙トレイを用いて再出力するための前記印刷ジョブを特定し、特定した前記印刷ジョブを前記表示部に表示させる、画像形成装置。
【請求項2】
特定された前記印刷ジョブを表示した操作画面を介して、印刷ジョブのうちから出力する前記印刷ジョブの選択を受け付ける操作受付部と、
受け付けた前記印刷ジョブを出力する出力部と、を有し、
前記操作受付部が受け付けた、特定された印刷ジョブのうちから選択された前記印刷ジョブを、前記第1の前記給紙トレイを用いて、前記出力部により再出力する、請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記トレイ情報取得部は、操作画面を通じてユーザーによって入力される前記トレイ用紙情報を取得する請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記トレイ用紙情報を検出するセンサーをさらに有し、
前記トレイ情報取得部は、前記センサーによって検出される前記トレイ用紙情報を取得する請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トレイ情報取得部によって取得された前記トレイ用紙情報を、前記給紙トレイと関連付けて記憶するトレイ用紙情報記憶部をさらに有する請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記絞込部は、前記印刷ジョブを特定するための条件であるジョブ絞込条件に基づいて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから前記印刷ジョブを特定する請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ジョブ絞込条件は、ユーザーによって設定される請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記ジョブ絞込条件は、前記印刷ジョブを特定するために判定すべき用紙の属性に関する条件を含み、
前記絞込部は、前記トレイ用紙情報および前記ジョブ用紙情報に含まれる前記判定すべき用紙の属性が一致するか否かに基づいて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから前記印刷ジョブを特定する請求項またはに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記ジョブ絞込条件は、前記印刷ジョブを特定するために判定すべき用紙の属性に関する条件と、判定閾値に関する条件とを含み、
前記絞込部は、前記トレイ用紙情報に含まれる前記判定すべき用紙の属性を示す数値と、前記ジョブ用紙情報に含まれる前記判定すべき用紙の属性を示す数値との差分が所定の判定閾値以下であるか否かに基づいて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから前記印刷ジョブを特定する請求項またはに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記絞込部によって特定された前記印刷ジョブが複数ある場合、前記印刷ジョブを並び替えるための条件であるジョブ並び替え条件に基づいて、特定された前記印刷ジョブを並び替えた操作画面を表示させる表示制御部をさらに有する請求項1~のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ジョブ並び替え条件は、前記トレイ用紙情報と一致度が高い前記ジョブ用紙情報が関連付けて記憶されている前記印刷ジョブを優先するように並び替える条件である請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記印刷ジョブを出力する出力部と、
前記出力部によって前記印刷ジョブが出力される度に、出力時に使用された少なくとも一つの用紙の情報である前記ジョブ用紙情報が関連付けられた前記印刷ジョブに関する情報を、前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、
をさらに有する請求項1~11のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記記憶制御部は、前記出力部によって前記印刷ジョブが再出力された場合、当該印刷ジョブの再出力時に使用された少なくとも一つの用紙の情報である前記ジョブ用紙情報を、再出力された当該印刷ジョブに関連付けて前記記憶部に記憶させる請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
用紙を収容する給紙トレイを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記給紙トレイにセットされた用紙の情報であるトレイ用紙情報を取得するトレイ情報取得ステップと、
印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報であるジョブ用紙情報が関連付けられた前記印刷ジョブに関する情報を記憶する記憶部から、前記ジョブ用紙情報を取得するジョブ情報取得ステップと、
前記トレイ情報取得ステップにおいて前記トレイ用紙情報が取得されたことに基づいて、当該取得された前記トレイ用紙情報と、取得された前記ジョブ用紙情報との一致度に応じて、複数の前記印刷ジョブのうち、表示部に表示する再出力用の前記印刷ジョブを特定する絞込ステップと、
前記トレイ情報取得ステップおよび前記絞込ステップは、前記給紙トレイに用紙がセットされたタイミングにおいて実行され、かつ、
前記絞込ステップでは、前記セットされた第1の前記給紙トレイの前記トレイ用紙情報を、前記複数の前記印刷ジョブの前記ジョブ用紙情報と比較し、一致度に応じて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから、前記第1の前記給紙トレイを用いて、再出力するための前記印刷ジョブを特定し、特定した前記印刷ジョブを前記表示部に表示する、制御方法。
【請求項15】
前記絞込ステップで、特定された前記印刷ジョブを表示した操作画面を介して、印刷ジョブのうちから出力する前記印刷ジョブの選択を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップで受け付けた、特定された印刷ジョブのうちから選択された前記印刷ジョブを、前記第1の前記給紙トレイを用いて、出力部により再出力する出力ステップと、
をさらに含む、請求項14に記載の制御方法。
【請求項16】
請求項14または15に記載の制御方法をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成装置の制御方法および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に出力した印刷ジョブを記憶部に記憶し、後に当該印刷ジョブを再出力可能な画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、たとえば特許文献1に記載されているように、記憶部に記憶された全ての印刷ジョブが操作表示部に一覧表示され、ユーザーによって選択された印刷ジョブが再出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-101016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の特許文献1に記載の画像形成装置では、記憶部に記憶されたジョブリストに大量の印刷ジョブが含まれる場合、操作表示部にも大量の印刷ジョブの情報が表示されてしまう。このような場合、ユーザーは、膨大な候補の中から再出力させたい印刷ジョブを探さなければならず、ユーザーの操作性が悪いという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ジョブリストから印刷ジョブを選択するユーザーの操作性を改善する画像形成装置、画像形成装置の制御方法および制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記の目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
(1)用紙を収容する給紙トレイと、
前記給紙トレイにセットされた用紙の情報であるトレイ用紙情報を取得するトレイ情報取得部と、
印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報であるジョブ用紙情報が関連付けられた前記印刷ジョブに関する情報を記憶する記憶部から、前記ジョブ用紙情報を取得するジョブ情報取得部と、
前記トレイ用紙情報が取得されたことに基づいて、当該取得された前記トレイ用紙情報と、取得された前記ジョブ用紙情報との一致度に応じて、複数の前記印刷ジョブのうち、表示部に表示する再出力用の前記印刷ジョブを特定する絞込部と、を有し、
前記絞込部は、前記給紙トレイに用紙がセットされたタイミングにおいて、
前記セットされた第1の前記給紙トレイの前記トレイ用紙情報を取得するとともに、取得した前記トレイ用紙情報を前記複数の前記印刷ジョブの前記ジョブ用紙情報と比較し、一致度に応じて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから、前記第1の前記給紙トレイを用いて再出力するための前記印刷ジョブを特定し、特定した前記印刷ジョブを前記表示部に表示させる、画像形成装置。
)特定された前記印刷ジョブを表示した操作画面を介して、印刷ジョブのうちから出力する前記印刷ジョブの選択を受け付ける操作受付部と、
受け付けた前記印刷ジョブを出力する出力部と、を有し、
前記操作受付部が受け付けた、特定された印刷ジョブのうちから選択された前記印刷ジョブを、前記第1の前記給紙トレイを用いて、前記出力部により再出力する、上記()に記載の画像形成装置。
【0008】
)前記トレイ情報取得部は、操作画面を通じてユーザーによって入力される前記トレイ用紙情報を取得する上記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
【0009】
)前記トレイ用紙情報を検出するセンサーをさらに有し、
前記トレイ情報取得部は、前記センサーによって検出される前記トレイ用紙情報を取得する上記(1)~()のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0010】
)前記トレイ情報取得部によって取得された前記トレイ用紙情報を、前記給紙トレイと関連付けて記憶するトレイ用紙情報記憶部をさらに有する上記(1)~()のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0014】
)前記絞込部は、前記印刷ジョブを特定するための条件であるジョブ絞込条件に基づいて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから前記印刷ジョブを特定する上記(1)~()のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0015】
)前記ジョブ絞込条件は、ユーザーによって設定される上記()に記載の画像形成装置。
【0016】
)前記ジョブ絞込条件は、前記印刷ジョブを特定するために判定すべき用紙の属性に関する条件を含み、
前記絞込部は、前記トレイ用紙情報および前記ジョブ用紙情報に含まれる前記判定すべき用紙の属性が一致するか否かに基づいて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから前記印刷ジョブを特定する上記()または()に記載の画像形成装置。
【0017】
)前記ジョブ絞込条件は、前記印刷ジョブを特定するために判定すべき用紙の属性に関する条件と、判定閾値に関する条件とを含み、前記絞込部は、前記トレイ用紙情報に含まれる前記判定すべき用紙の属性を示す数値と、前記ジョブ用紙情報に含まれる前記判定すべき用紙の属性を示す数値との差分が所定の判定閾値以下であるか否かに基づいて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから前記印刷ジョブを特定する上記()または()に記載の画像形成装置。
【0018】
10)前記絞込部によって特定された前記印刷ジョブが複数ある場合、前記印刷ジョブを並び替えるための条件であるジョブ並び替え条件に基づいて、特定された前記印刷ジョブを並び替えた操作画面を表示させる表示制御部をさらに有する上記(1)~()のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0019】
11)前記ジョブ並び替え条件は、前記トレイ用紙情報と一致度が高い前記ジョブ用紙情報が関連付けて記憶されている前記印刷ジョブを優先するように並び替える条件である上記(10)に記載の画像形成装置。
【0020】
12)前記印刷ジョブを出力する出力部と、
前記出力部によって前記印刷ジョブが出力される度に、出力時に使用された少なくとも一つの用紙の情報である前記ジョブ用紙情報が関連付けられた前記印刷ジョブに関する情報を、前記記憶部に記憶させる記憶制御部と、をさらに有する上記(1)~(11)のいずれか一つに記載の画像形成装置。
【0021】
13)前記記憶制御部は、前記出力部によって前記印刷ジョブが再出力された場合、当該印刷ジョブの再出力時に使用された少なくとも一つの用紙の情報である前記ジョブ用紙情報を、再出力された当該印刷ジョブに関連付けて前記記憶部に記憶させる上記(12)に記載の画像形成装置。
【0023】
14) 用紙を収容する給紙トレイを有する画像形成装置の制御方法であって、
前記給紙トレイにセットされた用紙の情報であるトレイ用紙情報を取得するトレイ情報取得ステップと、
印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報であるジョブ用紙情報が関連付けられた前記印刷ジョブに関する情報を記憶する記憶部から、前記ジョブ用紙情報を取得するジョブ情報取得ステップと、
前記トレイ情報取得ステップにおいて前記トレイ用紙情報が取得されたことに基づいて、当該取得された前記トレイ用紙情報と、取得された前記ジョブ用紙情報との一致度に応じて、複数の前記印刷ジョブのうち、表示部に表示する再出力用の前記印刷ジョブを特定する絞込ステップと、
前記トレイ情報取得ステップおよび前記絞込ステップは、前記給紙トレイに用紙がセットされたタイミングにおいて実行され、かつ、
前記絞込ステップでは、前記セットされた第1の前記給紙トレイの前記トレイ用紙情報を、前記複数の前記印刷ジョブの前記ジョブ用紙情報と比較し、一致度に応じて、前記複数の前記印刷ジョブのうちから、前記第1の前記給紙トレイを用いて、再出力するための前記印刷ジョブを特定し、特定した前記印刷ジョブを前記表示部に表示する、制御方法。
15)前記絞込ステップで、特定された前記印刷ジョブを表示した操作画面を介して、印刷ジョブのうちから出力する前記印刷ジョブの選択を受け付ける操作受付ステップと、前記操作受付ステップで受け付けた、特定された印刷ジョブのうちから選択された前記印刷ジョブを、前記第1の前記給紙トレイを用いて、出力部により再出力する出力ステップと、をさらに含む、上記(14)に記載の制御方法。
【0024】
16)上記(14)または(15)に記載の制御方法をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、画像形成装置は、給紙トレイにセットされた用紙の情報であるトレイ用紙情報と、印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報であるジョブ用紙情報とに基づいて、ジョブリストから少なくとも一つの印刷ジョブを絞り込む。したがって、画像形成装置は、記憶部に大量の印刷ジョブが記憶されている場合でも、給紙トレイに収容されている用紙を使用して再出力可能な印刷ジョブのみを、ジョブリストから絞り込むことができる。これにより、画像形成装置は、ジョブリストから印刷ジョブを選択するユーザーの操作性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図2】制御部の機能構成を示すブロック図である。
図3】給紙トレイとトレイ用紙情報との関係を説明するための図である。
図4】トレイ用紙情報を入力する操作画面の一例を示す図である。
図5】印刷ジョブとジョブ用紙情報との関係を説明するための図である。
図6】画像形成装置1の処理の手順を示すフローチャートである。
図7図6のステップS105のジョブ絞込処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図8】ジョブ絞込条件を設定する操作画面の一例を示す図である。
図9】絞込結果テーブルの一例を示す図である。
図10図6のステップS106のジョブ表示処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。
図11】ジョブ絞込結果を表示する操作画面の一例を示す図である。
図12】第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
図13】ジョブ絞込条件を設定する操作画面の他の例を示す図である。
図14】絞込結果テーブルの他の例を示す図である。
図15】ジョブ絞込結果を表示する操作画面の他の例を示す図である。
図16】印刷ジョブと複数のジョブ用紙情報との関係を説明するための図である。
図17】第3実施形態に係る画像形成装置1の処理の手順を示すフローチャートである。
図18】ジョブ絞込結果を表示する操作画面のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
【0028】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
【0029】
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0030】
図1に示すように、画像形成装置1は、制御部10、記憶部20、通信部30、操作表示部40、給紙部50、搬送部60、画像形成部70および定着部80を備える。
【0031】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムに従い、上記各部の制御や各種の演算処理を実行する。制御部10の機能構成については、後述する。
【0032】
記憶部20は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等から構成される。
【0033】
本実施形態では、記憶部20に、過去に出力された印刷ジョブを複数含むジョブリストが記憶されている。しかしながら、このジョブリストを記憶する記憶部は、画像形成装置1がローカルに備える記憶部20に限定されない。例えば、記憶部として、ネットワーク接続された任意のサーバーや他の画像形成装置等の機器に備えられた外部の記憶部が用いられてもよい。なお、以下では、記憶部20および外部の記憶部を、まとめて「記憶部20等」または単に「記憶部」と呼ぶ。また、各印刷ジョブには、印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報(以下「ジョブ用紙情報」とも呼ぶ)が関連付けられている。印刷ジョブは、画像形成装置1によって出力される度に、ジョブ用紙情報を関連付けられ、ジョブリストに追加される。
【0034】
通信部30は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、ユーザーのPC(Personal Computer)等の他の機器と通信するためのインターフェースである。通信部30は、たとえば、ユーザーのPCから印刷ジョブを受信したり、ユーザーのPCに表示させる操作画面の情報を送信したりする。
【0035】
操作表示部40は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、ストップボタン等を備え、操作画面に各種情報を表示したり、各種操作を受け付けたりする。
【0036】
給紙部50は、印刷に使用される用紙を収容する複数の給紙トレイ51と、給紙トレイ51に収容された用紙を一枚ずつ分離して給紙する複数の給紙ローラー52とを備える。
【0037】
搬送部60は、搬送路、搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラー対、および、搬送ローラー対を駆動する駆動モーター(図示せず)を備え、給紙部50から給紙された用紙を、画像形成部70および定着部80に搬送する。
【0038】
画像形成部70は、帯電、露光、現像、転写等の各工程を含む電子写真方式等の周知の作像プロセスを用いて、印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて、用紙上に画像を形成する。
【0039】
定着部80は、加圧ローラーおよび加熱ローラーを備え、画像形成部70によって画像が形成された用紙を加圧および加熱することによって、画像を熱定着させる。
【0040】
なお、画像形成装置1は、上記の構成要素以外の構成要素を含んでもよく、あるいは、上記の構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。
【0041】
次に、制御部10の機能構成について説明する。
【0042】
図2は、制御部の機能構成を示すブロック図である。
【0043】
図2に示すように、制御部10は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、表示制御部11、操作受付部12、記憶制御部13、トレイ情報取得部14、ジョブ情報取得部15、絞込部16および出力制御部17として機能する。
【0044】
表示制御部11は、操作表示部40または他装置(たとえば、画像形成装置1に接続されたPC等)の表示部(以下、まとめて「操作表示部40等」と呼ぶ)に所定の操作画面を表示させる。
【0045】
操作受付部12は、操作表示部40または他装置(たとえば、画像形成装置1に接続されたPC等)の操作部(以下、まとめて「操作表示部40等」と呼ぶ)におけるユーザーの操作入力を受け付ける。
【0046】
記憶制御部13は、記憶部20等に各種情報を記憶させたり、記憶部20等から各種情報を読み出したりする。記憶制御部13は、たとえば、ジョブ用紙情報が関連付けられた印刷ジョブを、記憶部20等に記憶させる。
【0047】
トレイ情報取得部14は、給紙トレイ51に関する情報を取得する。トレイ情報取得部14は、たとえば、給紙トレイ51に用紙がセットされた旨の情報を取得したり、給紙トレイ51にセットされた用紙の情報(以下「トレイ用紙情報」とも呼ぶ)を取得したりする。トレイ情報取得部14によって取得されたトレイ用紙情報は、各給紙トレイ51と関連付けられ、トレイ情報記憶部として機能する記憶部20に記憶される。トレイ用紙情報の詳細については後述する。
【0048】
ジョブ情報取得部15は、印刷ジョブに関する情報を取得する。ジョブ情報取得部15は、たとえば、過去に出力され、記憶部20等に記憶された印刷ジョブに関する情報を、記憶部20等から取得する。ジョブ用紙情報の詳細については後述する。
【0049】
絞込部16は、トレイ情報取得部14によって取得されるトレイ用紙情報と、ジョブ情報取得部15によって取得されるジョブ用紙情報とに基づいて、記憶部20等に記憶されたジョブリストから少なくとも一つの印刷ジョブを絞り込む。
【0050】
出力制御部17は、給紙部50、搬送部60、画像形成部70および定着部80等(以下、まとめて「出力部」とも呼ぶ)に印刷ジョブを出力させる。
【0051】
続いて、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報の詳細について説明する。
【0052】
図3は、給紙トレイとトレイ用紙情報との関係を説明するための図である。図4は、トレイ用紙情報を入力する操作画面の一例を示す図である。
【0053】
図3に示すように、各トレイ用紙情報は、各給紙トレイ51に関連付けて記憶される。各トレイ用紙情報には、たとえば、用紙のサイズ、種類、坪量等の、用紙の複数の属性に関する情報が含まれる。用紙の種類には、たとえば、普通紙、上質紙および塗工紙、ならびにこれらの色紙等が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
画像形成装置1は、給紙トレイ51に用紙がセットされる前、またはセットされた後に、図4に例示するようなトレイ用紙情報をユーザーに入力させるための操作画面を表示する。そして、画像形成装置1は、当該操作画面を通じてユーザーによって入力されるトレイ用紙情報を受け付ける。トレイ用紙情報は、たとえば、「OK」のソフトキーが押下されることによって確定され、「キャンセル」キーが押下されることによって直前の状態に戻される。また、一度入力されたトレイ用紙情報は、「設定登録」キーが押下されることによって記憶部20に記憶されてもよく、後に「設定呼出」キーが押下されることによって記憶部20から読み出され、再入力されてもよい。
【0055】
また、画像形成装置1は、自動的に検出可能なトレイ用紙情報がある場合、当該トレイ用紙情報をユーザーに入力させなくてもよい。たとえば、画像形成装置1は、用紙のサイズが自動的に検出可能な定型サイズである場合、用紙のサイズをユーザーに入力させなくてもよく、用紙のサイズが不定形サイズである場合のみ、用紙のサイズをユーザーに入力させてもよい。また、画像形成装置1は、自動的に検出したトレイ用紙情報を表示し、必要に応じてユーザーに修正させてもよい。
【0056】
図5は、印刷ジョブとジョブ用紙情報との関係を説明するための図である。
【0057】
図5に示すように、各ジョブ用紙情報は、過去に出力された各印刷ジョブに関連付けて記憶される。過去に出力された印刷ジョブに使用された用紙を給紙した、給紙トレイ51に関連付けられたトレイ用紙情報が、ジョブ用紙情報として記憶される。そのため、各ジョブ用紙情報には、たとえば、用紙のサイズ、種類、坪量等の、トレイ用紙情報と対応する用紙の複数の属性に関する情報が含まれる。
【0058】
続いて、本実施形態に係る画像形成装置1の印刷ジョブの再出力時の処理の手順を説明する。画像形成装置1の処理は、記憶部20等に記憶されたジョブリストから印刷ジョブを選択するユーザーの操作性を改善するように制御するものである。
【0059】
図6は、画像形成装置1の処理の手順を示すフローチャートである。図6のフローチャートに示すアルゴリズムは、画像形成装置1の記憶部20にプログラムとして記憶されており、制御部10によって実行される。
【0060】
図6に示すように、まず、制御部10は、印刷ジョブを絞り込むための機能であるジョブ絞込機能が有効であるか否かを判断する(ステップS101)。制御部10は、ステップS101よりも前に、表示制御部11として、ジョブ絞込機能の有効または無効をユーザーに設定させるための操作画面を、操作表示部40等に表示させ、操作受付部12として、当該操作画面におけるユーザーの設定を予め受け付けておく。また、ジョブ絞込機能の有効または無効の初期設定が、記憶部20に記憶されていてもよく、制御部10は、記憶制御部13として、当該初期設定を読み出してもよい。
【0061】
ジョブ絞込機能が有効でない場合(ステップS101:NO)、すなわち、無効である場合、制御部10は処理を終了する。
【0062】
ジョブ絞込機能が有効である場合(ステップS101:YES)、制御部10は、給紙トレイ51に用紙がセットされたか、すなわち、用紙が補充された給紙トレイ51が画像形成装置1の本体に装填(挿入)されたか否かを判断する(ステップS102)。
【0063】
給紙トレイ51に用紙がセットされていない場合(ステップS102:NO)、制御部10は、給紙トレイ51に用紙がセットされるまで待機する。
【0064】
給紙トレイ51に用紙がセットされた場合(ステップS102:YES)、制御部10は、トレイ情報取得部14として、トレイ用紙情報を取得する(ステップS103)。より具体的には、制御部10は、表示制御部11として、図4に例示するようなトレイ用紙情報を入力する操作画面を操作表示部40等に表示させ、操作受付部12として、当該操作画面におけるユーザーのトレイ用紙情報の入力を受け付ける。そして、制御部10は、記憶制御部13として、受け付けたトレイ用紙情報を記憶部20に記憶させると共に、トレイ情報取得部14として、当該情報を取得する。なお、制御部10は、給紙トレイ51に用紙がセットされた後に当該操作画面を表示させる場合、ユーザーの入力が完了し、トレイ用紙情報を取得できる状態になるまで待機する。
【0065】
続いて、制御部10は、ジョブ情報取得部15として、過去に出力された印刷ジョブに関連付けられたジョブ用紙情報を、記憶部20等から取得する(ステップS104)。そして、制御部10は、ステップS105のジョブ絞込処理に進む。ジョブ絞込処理は、ステップS103において取得されたトレイ用紙情報と、ステップS104において取得されたジョブ用紙情報とに基づいて、記憶部20等に記憶されたジョブリストから少なくとも一つの印刷ジョブを絞り込むための処理である。ステップS105の詳細については後述する。
【0066】
続いて、制御部10は、ステップS106のジョブ表示処理に進む。ジョブ表示処理は、ステップS105においてジョブリストから絞り込まれた印刷ジョブをユーザーに表示するための処理である。ステップS106の詳細については後述する。
【0067】
続いて、制御部10は、ステップS106において印刷ジョブの出力指示があったか否かを判断する(ステップS107)。
【0068】
出力指示がなかった場合(ステップS107:NO)、制御部10は処理を終了する。
【0069】
出力指示があった場合(ステップS107:YES)、制御部10は、出力制御部17として、選択された印刷ジョブを出力(再出力)させる(ステップS108)。
【0070】
最後に、制御部10は、記憶制御部13として、印刷ジョブの再出力時に使用された用紙の情報である新たなジョブ用紙情報を、再出力された印刷ジョブに関連付けて記憶部20等に記憶させ(ステップS109)、処理を終了する。画像形成装置1は、トレイ用紙情報と完全には一致しないジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブも再出力しうるため、再出力時のジョブ用紙情報が、再出力前のジョブ用紙情報と異なる場合がある。制御部10は、再出力時のジョブ用紙情報を、再出力前のジョブ用紙情報に代えて(たとえば、上書き等して)記憶させてもよいし、元のジョブ用紙情報と共に記憶させてもよい。
【0071】
続いて、ステップS105のジョブ絞込処理の詳細について説明する。
【0072】
図7は、図6のステップS105のジョブ絞込処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。図8は、ジョブ絞込条件を設定する操作画面の一例を示す図である。図9は、絞込結果テーブルの一例を示す図である。図7のジョブ絞込処理は、記憶部20等に記憶されているジョブリストに含まれる全ての印刷ジョブについて、同時にまたは順次実行される。
【0073】
図7に示すように、まず、制御部10は、ジョブ絞込条件に基づいて、用紙のサイズの判定が有効であるか否かを判断する(ステップS201)。「ジョブ絞込条件」は、印刷ジョブを絞り込むために判定すべき用紙の属性を示す条件である。
【0074】
制御部10は、ステップS201よりも前に、表示制御部11として、図8に例示するようなジョブ絞込条件をユーザーに設定させるための操作画面を、操作表示部40等に表示させる。そして、制御部10は、操作受付部12として、当該操作画面におけるユーザーの設定を予め受け付けておく。制御部10は、たとえば、当該操作画面において、用紙の各属性の「判定有無」の欄がユーザーによって選択された場合、判定の有無を切り替えるためのソフトキーをAの部分に表示させる。そして、「有効」または「無効」の設定は、たとえば、「有効」または「無効」のキーが選択された状態で「OK」キーが押下されることによって確定され、「キャンセル」キーが押下されることによって直前の状態に戻される。なお、ジョブ絞込条件の初期設定は、記憶部20等に記憶されていてもよい。
【0075】
図7に戻って、用紙のサイズの判定が有効である場合(ステップS201:YES)、制御部10は、絞込部16として、トレイ用紙情報に含まれる用紙のサイズと、ジョブ用紙情報に含まれる用紙のサイズとが一致するか否かを判定する(ステップS202)。
【0076】
用紙のサイズが一致する場合(ステップS202:YES)、制御部10は、記憶制御部13として、用紙のサイズが一致する旨を記憶部20に記憶させる(ステップS203)。そして、制御部10はステップS204の処理に進む。
【0077】
用紙のサイズの判定が無効である場合(ステップS201:NO)、あるいは、用紙のサイズが一致しない場合(ステップS202:NO)、制御部10は、そのままステップS204の処理に進む。
【0078】
続いて、制御部10は、用紙の種類についてステップS204~S206を、坪量についてステップS207~S209をそれぞれ実行する。ステップS204~S206およびステップS207~S209の手順は、ステップS201~S203の手順とそれぞれ略同様であるため、説明を省略する。
【0079】
最後に、制御部10は、記憶制御部13として、トレイ用紙情報に含まれる用紙の属性と少なくとも一部が一致する用紙の属性を含むジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブの名称を記憶部20に記憶させる(ステップS210)。すなわち、制御部10は、図9に例示するような絞込結果テーブルT1に、ジョブリストに含まれる印刷ジョブのうち、ジョブ絞込条件に基づいて絞り込まれた印刷ジョブの名称(識別子)を記憶させる。また、制御部10は、ステップS203、S206およびS209において記憶部20に記憶された結果を絞込結果テーブルT1に反映させる。なお、絞込結果テーブルT1において、「OK」はトレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の属性が一致すること、「NG」は一致しないことを示し、「-」は用紙の属性の判定が無効であったことを示す。
【0080】
なお、制御部10は、少なくともトレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙のサイズが一致する場合のみ、絞込結果テーブルT1に印刷ジョブの名称を記憶してもよい。給紙トレイ51にセットされた用紙のサイズと一致しない用紙のサイズが関連付けられた印刷ジョブを、ユーザーが再出力する可能性は非常に低いためである。
【0081】
続いて、ステップS106のジョブ表示処理の詳細について説明する。
【0082】
図10は、図6のステップS106のジョブ表示処理の手順を示すサブルーチンフローチャートである。図11は、ジョブ絞込結果を表示する操作画面の一例を示す図である。
【0083】
図10に示すように、まず、制御部10は、表示制御部11として、ステップS103において取得され、ステップS105のジョブ絞込処理において比較対象とされたトレイ用紙情報を、操作表示部40等に表示させる(ステップS301)。そして、制御部10は、記憶制御部13として、ステップS210において印刷ジョブの名称等を記憶させた絞込結果テーブルT1を取得する(ステップS302)。さらに、制御部10は、表示制御部11として、ジョブ並び替え条件に基づいて印刷ジョブを並び替えた操作画面を、操作表示部40等に表示させる(ステップS303)。「ジョブ並び替え条件」は、たとえば、トレイ用紙情報と一致度が高いジョブ用紙情報が関連付けて記憶されている印刷ジョブを優先するように並び替える条件である。また、「ジョブ並び替え条件」は、出力日時等の別の条件によって並び替える条件であってもよい。
【0084】
制御部10は、図11に例示するようなジョブ絞込結果をユーザーに表示するための操作画面を、操作表示部40等に表示させる。図11の操作画面では、ステップS103において取得されたトレイ用紙情報と、絞り込まれた印刷ジョブの情報とが表示されており、印刷ジョブの順序は、図9の絞込結果テーブルT1と比較して並び替えられている。これは、制御部10が、トレイ用紙情報と一致度が高いジョブ用紙情報が関連付けて記憶されている印刷ジョブを優先するように、印刷ジョブを並び替えた結果である。なお、ジョブ4およびジョブ12のように、トレイ用紙情報と一致度が同等のジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブが複数ある場合、画像形成装置1は、当該印刷ジョブを出力日時順にさらに並び替えてもよい。
【0085】
図10に戻って、制御部10は、現在の処理のキャンセル指示があったか否かを判断する(ステップS304)。制御部10は、たとえば、操作受付部12として、図11のような操作画面において、現在の処理を終了するための「キャンセル」のソフトキーが押下されたか否かを判断する。
【0086】
キャンセル指示があった場合(ステップS304:YES)、制御部10は、図6の処理に戻る。
【0087】
キャンセル指示がなかった場合(ステップS304:NO)、制御部10は、少なくとも一つの印刷ジョブが選択されたか否かを判断する(ステップS305)。制御部10は、たとえば、操作受付部12として、図11のような操作画面において、各印刷ジョブの「ジョブ名称」の欄が選択されたか否かを判断する。
【0088】
印刷ジョブが選択されなかった場合(ステップS305:NO)、制御部10は、キャンセル指示があるか、印刷ジョブが選択されるまで、ステップS304およびS305の処理を繰り返す。
【0089】
印刷ジョブが選択された場合(ステップS305:YES)、制御部10は、印刷ジョブの出力指示があったか否かを判断する(ステップS306)。制御部10は、たとえば、操作受付部12として、図11のような操作画面において、選択された印刷ジョブを出力するための「出力」のソフトキーが押下されたか否かを判断する。
【0090】
出力指示があった場合(ステップS306:YES)、制御部10は、図6の処理に戻る。
【0091】
出力指示がなかった場合(ステップS306:NO)、制御部10は、キャンセル指示があるか、印刷ジョブの出力指示があるまで、ステップS304~S306の処理を繰り返す。
【0092】
なお、キャンセル指示または出力指示がないまま所定のタイムアウト時間が経過した場合、制御部10は、キャンセル指示があったものと判断し、図6の処理に戻ってもよい。
【0093】
以上のように、画像形成装置1は、給紙トレイ51にセットされた用紙の情報であるトレイ用紙情報と、印刷ジョブの出力時に使用された用紙の情報であるジョブ用紙情報とに基づいて、ジョブリストから少なくとも一つの印刷ジョブを絞り込む。したがって、画像形成装置1は、記憶部20等に大量の印刷ジョブが記憶されている場合でも、給紙トレイ51に収容されている用紙を使用して再出力可能な印刷ジョブのみを、ジョブリストから絞り込むことができる。これにより、画像形成装置1は、ジョブリストから印刷ジョブを選択するユーザーの操作性を改善できる。
【0094】
また、画像形成装置1は、操作画面を通じてユーザーによって入力されるトレイ用紙情報を取得する。これにより、画像形成装置1は、特別な構成を必要とせずにトレイ用紙情報を取得できる。
【0095】
また、画像形成装置1は、給紙トレイ51に用紙がセットされたタイミングにおいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込む。これにより、画像形成装置1は、ユーザーの特別な操作を待たずに自動的にジョブ絞込処理を実行でき、ジョブリストから印刷ジョブを選択するユーザーの操作性をさらに改善できる。
【0096】
また、画像形成装置1は、ジョブ絞込条件に基づいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込む。これにより、画像形成装置1は、ジョブ絞込条件に基づいて効率的にジョブ絞込処理を実行できる。
【0097】
また、ジョブ絞込条件は、ユーザーによって設定される。これにより、画像形成装置1は、ユーザーの要望に基づいて効率的にジョブ絞込処理を実行できる。
【0098】
また、画像形成装置1は、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる判定すべき用紙の属性が一致するか否かに基づいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込む。したがって、画像形成装置1は、トレイ用紙情報と少なくとも一部が一致するジョブ用紙情報が関連付けられた印刷ジョブのみを、ジョブリストから絞り込むことができる。
【0099】
また、画像形成装置1は、絞り込まれた印刷ジョブが複数ある場合、ジョブ並び替え条件に基づいて印刷ジョブを並び替える。これにより、画像形成装置1は、印刷ジョブをユーザーに好ましい順序で並び替えて表示でき、ジョブリストから印刷ジョブを選択するユーザーの操作性をさらに改善できる。
【0100】
また、ジョブ並び替え条件は、トレイ用紙情報と一致度が高いジョブ用紙情報に関連付けて記憶されている印刷ジョブを優先するように並び替える条件である。これにより、画像形成装置1は、ユーザーが再出力する可能性が高い印刷ジョブを優先的に表示できる。また、画像形成装置1は、トレイ用紙情報と完全には一致せず、部分的に一致するジョブ用紙情報が関連付けて記憶されている印刷ジョブも、優先度を下げつつ表示できる。
【0101】
また、画像形成装置1は、印刷ジョブを出力する度に、ジョブ用紙情報が関連付けられた当該印刷ジョブをジョブリストに追加させる。これにより、画像形成装置1は、出力したことがある全ての印刷ジョブを、再出力の対象にすることができる。また、画像形成装置1は、自装置の記憶部20だけでなく、サーバー等の他装置の記憶部にも印刷ジョブを記憶させることができるため、他の画像形成装置との間でジョブ用紙情報を共有でき、複数の画像形成装置を使用するユーザーの操作性も改善できる。
【0102】
また、画像形成装置1は、印刷ジョブを再出力した場合、再出力時のジョブ用紙情報を、再出力した印刷ジョブに関連付けて記憶させる。これにより、画像形成装置1は、以降は再出力時のジョブ用紙情報に基づいて、絞込処理を実行できる。
【0103】
なお、上記実施形態では、画像形成装置1の処理の一例を説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されない。以下のような種々の変更や改良等が可能である。
【0104】
画像形成装置1は、図6のステップS102において、給紙トレイ51に用紙がセットされたタイミングにおいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込むと説明した。しかし、本実施形態はこれに限定されない。画像形成装置1は、別のタイミングにおいて、ジョブ絞込処理を実行してもよい。
【0105】
上述したように、画像形成装置1は、取得したトレイ用紙情報を、給紙トレイ51に関連付けて記憶している。このため、画像形成装置1は、給紙トレイ51に用紙がセットされたタイミングとは別のタイミングにおいてジョブ絞込処理を実行する場合でも、トレイ用紙情報をユーザーに再入力させずに済む。
【0106】
画像形成装置1は、たとえば、操作表示部40等に表示された操作画面で給紙トレイ51が選択されたタイミングにおいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込んでもよい。画像形成装置1は、たとえば、使用する用紙が収容されている給紙トレイ51をユーザーに選択させるための操作画面を、操作表示部40等に表示させる。そして、画像形成装置1は、ステップS102の代わりに、当該操作画面を通じて給紙トレイ51がユーザーによって選択されたか否かを判断し、選択された場合、ステップS103~S109の処理を実行する。これにより、画像形成装置1は、給紙トレイ51を選択する操作画面において異なる給紙トレイ51が選択される度に、当該給紙トレイ51に収容されている用紙を使用して再出力可能な印刷ジョブをユーザーに提示でき、ユーザーの操作性をさらに改善できる。
【0107】
あるいは、画像形成装置1は、再出力する印刷ジョブをユーザーに選択させるための操作画面が表示されるタイミングにおいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込んでもよい。当該操作画面は、たとえば、図4等の操作画面において、「ジョブリスト」のタブが選択された場合に表示される操作画面であってもよい。画像形成装置1は、「ジョブリスト」のタブが選択されたか否かを判断し、選択された場合、ステップS103~S109の処理を実行する。なお、画像形成装置1は、印刷ジョブを選択する操作画面を表示させる前、または表示させた後に、ジョブ絞込処理の対象とする給紙トレイ51をユーザーに選択させるための操作画面をさらに表示してもよい。このように、画像形成装置1は、様々なタイミングにおいてジョブ絞込処理を実行できる。
【0108】
また、画像形成装置1は、図7のステップS205において、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の種類が一致するか否かを判定する。ここで、画像形成装置1は、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の種類が完全に一致せず、部分的に一致する場合でも、用紙の種類が一致したと判定してもよい。
【0109】
上述したように、用紙の種類には、たとえば、普通紙、上質紙および塗工紙、ならびにこれらの色紙等が含まれる。したがって、たとえば、トレイ用紙情報に含まれる用紙の種類が「白色の普通紙」であり、ジョブ用紙情報に含まれる用紙の種類が「白色の上質紙」である場合等、用紙の色については一致するが、用紙の素材については一致しない場合が存在する。この場合、画像形成装置1は、ステップS205において、できるだけ広めに印刷ジョブを絞り込むため、用紙の種類が一致したと判定してもよいし、できるだけ正確に印刷ジョブを絞り込むため、用紙の種類が一致しなかったと判定してもよい。あるいは、画像形成装置1は、ジョブ絞込処理において、用紙の色および素材を用紙の種類という一つの属性としてまとめて判定するのではなく、用紙の色および素材を用紙の異なる属性として別々に判定してもよい。
【0110】
また、画像形成装置1は、図7のステップS208において、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の坪量が一致するか否かを判定する。しかし、本実施形態はこれに限定されない。画像形成装置1は、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の坪量が完全に一致しない場合でも、坪量の差分が所定の判定閾値以下であれば、用紙の坪量が一致したと判定してもよい。なお、所定の判定閾値は、図8のような操作画面において、ユーザーによって設定可能であってもよい。
【0111】
(第2実施形態)
第1実施形態では、画像形成装置1が、ユーザーによって入力されるトレイ用紙情報を取得すると説明した。第2実施形態では、画像形成装置1は、別の方法によってトレイ用紙情報を取得する。
【0112】
図12は、第2実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【0113】
図12に示すように、第2実施形態に係る画像形成装置1は、センサー部53を除いて、第1実施形態に係る画像形成装置1と略同様の構成を備える。
【0114】
センサー部53は、たとえば、給紙トレイ51の上部に設けられ、給紙トレイ51にセットされた用紙の情報(トレイ用紙情報)を検出する。第2実施形態に係るトレイ用紙情報には、第1実施形態に係るトレイ用紙情報とは異なる情報が含まれてもよい。たとえば、第2実施形態に係るトレイ用紙情報には、用紙のサイズ、厚さ、表面平滑度、光沢度等の、用紙の複数の属性に関する情報が含まれてもよい。
【0115】
センサー部53は、複数の種類のセンサーから構成されてもよい。センサー部53は、たとえば、用紙のサイズ、厚さ、表面平滑度、光沢度等をそれぞれ検出する複数の種類の専用のセンサーから構成されてもよい。あるいは、センサー部53は、たとえば、用紙の表面平滑度および光沢度の両方を測定可能な光学式センサー等を含んでもよい。なお、画像形成装置1は、用紙のサイズが自動的に検出可能な定型サイズである場合、用紙のサイズをセンサー部53に検知させなくてもよい。
【0116】
また、給紙ローラー52は、センサー部53が用紙の厚さを検出する前に、給紙トレイ51に収容された最上面の用紙の位置を移動させてもよく、センサー部53が当該用紙の厚さを検出した後、当該用紙の位置を元に戻してもよい。あるいは、センサー部53のうち用紙の厚さを検出するセンサーは、搬送部60の搬送路上に設けられてもよく、搬送部60によって搬送される用紙の厚さを検出してもよい。
【0117】
続いて、第2実施形態に係る画像形成装置1の処理の手順を説明する。なお、以下では、第1実施形態に係る画像形成装置1の処理と異なる処理についてのみ説明する。
【0118】
第2実施形態では、画像形成装置1は、図6のステップS103において、ユーザーによって入力されるトレイ用紙情報の代わりに、センサー部53によって検出されるトレイ用紙情報を取得する。また、画像形成装置1は、図7のステップS201よりも前に、第1実施形態とは異なる操作画面を、操作表示部40等に表示させる。
【0119】
図13は、ジョブ絞込条件を設定する操作画面の他の例を示す図である。
【0120】
画像形成装置1は、たとえば、図13に例示するようなジョブ絞込条件をユーザーに設定させるための操作画面において、ユーザーによる「判定有無」の選択だけでなく、「判定閾値」の入力を受け付けてもよい。画像形成装置1は、たとえば、用紙の各属性の判定閾値が入力された場合、Bの部分にソフトキーを表示させる。そして、判定閾値は、たとえば、「OK」キーが押下されることによって確定され、「キャンセル」キーが押下されることによって直前の状態に戻される。すなわち、第2実施形態の「ジョブ絞込条件」は、印刷ジョブを絞り込むために判定すべき用紙の属性を示す条件と、判定閾値に関する条件であると言える。なお、判定閾値の初期値が、記憶部20等に記憶されていてもよい。
【0121】
また、画像形成装置1は、図7のジョブ絞込処理において、第1実施形態に係るトレイ用紙情報(用紙のサイズ、種類、坪量等)の代わりに、第2実施形態に係るトレイ用紙情報(用紙のサイズ、厚さ、表面平滑度、光沢度等)について判定する。判定閾値が入力されていた場合、画像形成装置1は、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の属性を示す数値が完全に一致しない場合でも、数値の差分が判定閾値以下である場合には、用紙の属性が一致したと判定する。さらに、画像形成装置1は、図10のジョブ表示処理において、第1実施形態に係るトレイ用紙情報(用紙のサイズ、種類、坪量等)の代わりに、第2実施形態に係るトレイ用紙情報(用紙のサイズ、厚さ、表面平滑度、光沢度等)について表示する。
【0122】
図14は、絞込結果テーブルの他の例を示す図である。図15は、ジョブ絞込結果を表示する操作画面の他の例を示す図である。
【0123】
画像形成装置1は、図7のステップS210において、トレイ用紙情報と少なくとも一部が一致するジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブの名称を、図14に例示するような絞込結果テーブルT2に記憶させる。絞込結果テーブルT2には、トレイ用紙情報に含まれる用紙の属性を示す数値と、ジョブ用紙情報に含まれる用紙の属性を示す数値との差分が判定閾値以下であるか否かの判定結果に加えて、差分値(図14における括弧書き内の数値)が記憶されてもよい。
【0124】
そして、画像形成装置1は、図10のステップS303において、図15に例示するようなジョブ絞込結果を表示する操作画面を、操作表示部40等に表示させる。図15の操作画面では、ステップS103において取得されたトレイ用紙情報と、絞り込まれた印刷ジョブの情報とが表示されており、トレイ用紙情報と一致度が高いジョブ用紙情報が関連付けて記憶されている印刷ジョブが優先的に表示されている。画像形成装置1は、差分が判定閾値以下であるか否かに加えて、差分値(括弧書き内の数値)も表示できるため、差分を考慮した上で再出力する印刷ジョブを選択するユーザーの操作性を大きく改善できる。
【0125】
なお、図15の操作画面では、判定結果および差分値が同時に表示されているが、本実施形態はこれに限定されない。画像形成装置1は、判定結果のみを表示してもよいし、差分値のみを表示してもよい。また、判定結果の表示と差分値の表示とが、任意のソフトキー等によって切り替え可能であってもよい。
【0126】
以上のように、第2実施形態に係る画像形成装置1は、センサー部53によって検出されるトレイ用紙情報を取得する。これにより、画像形成装置1は、ユーザーによるトレイ用紙情報の入力を必要とせずにトレイ用紙情報を取得でき、ユーザーの利便性をさらに向上できる。
【0127】
また、第2実施形態に係る画像形成装置1は、トレイ用紙情報に含まれる判定すべき用紙の属性を示す数値と、ジョブ用紙情報に含まれる判定すべき用紙の属性を示す数値との差分が判定閾値以下であるか否かに基づいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込む。これにより、画像形成装置1は、トレイ用紙情報およびジョブ用紙情報に含まれる用紙の属性が完全に一致しない場合でも、差分が判定閾値以下である場合には、用紙の属性が一致したと判定でき、より柔軟に絞込処理を実行できる。
【0128】
なお、第1実施形態および第2実施形態に係る構成および処理は、組み合わせて用いられてもよい。すなわち、画像形成装置1は、ユーザーによって入力されるトレイ用紙情報と、センサー部53によって検出されるトレイ用紙情報との両方を取得してもよく、両方のトレイ用紙情報に基づいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込んでもよい。すなわち、画像形成装置1は、ジョブ絞込条件を設定する操作画面において、自動的に検出される用紙のサイズ、ユーザーによって入力される用紙の種類および坪量、センサー部53によって検出される用紙の表面平滑度、光沢度および厚さのそれぞれについて、ユーザーによる「判定有無」の選択および/または「判定閾値」を入力を受け付けてもよい。これにより、画像形成装置1は、ユーザーのより細かい要望に基づいて、ジョブリストから印刷ジョブを絞り込むことができる。
【0129】
また、第2実施形態に係る画像形成装置1は、センサー部53によって検出される用紙の表面平滑度、光沢度、厚さ等ではなく、ユーザーによって入力される用紙の表面平滑度、光沢度、厚さ等を、トレイ用紙情報として取得してもよい。これにより、画像形成装置1は、ユーザーによって任意のセンサーを使用して測定された用紙の表面平滑度、光沢度、厚さ等を、トレイ用紙情報として取得できる。
【0130】
(第3実施形態)
上記実施形態では、ジョブリストに含まれる一つの印刷ジョブに対して、一つのジョブ用紙情報が関連付けられている場合の処理について説明した。第3実施形態では、ジョブリストに含まれる一つの印刷ジョブに対して、複数のジョブ用紙情報が関連付けられている場合の処理について説明する。
【0131】
図16は、印刷ジョブと複数のジョブ用紙情報との関係を説明するための図である。
【0132】
図16に示すように、各ジョブ用紙情報は、過去に出力された各印刷ジョブに関連付けて記憶される。ジョブ2に対しては、3つの異なるジョブ用紙情報が関連付けられており、ジョブ3に対しては、2つの異なるジョブ用紙情報が関連付けられている。一つの印刷ジョブが、少なくとも一つの用紙の属性が異なる複数の種類の用紙で出力された場合、一つの印刷ジョブに対して、複数のジョブ用紙情報が関連付けられることになる。
【0133】
図17は、第3実施形態に係る画像形成装置1の処理の手順を示すフローチャートである。図17のステップS101~S109の処理は、図6のステップS101~S109の処理と同様であるため、説明を省略する。なお、一つの印刷ジョブに対して複数のジョブ用紙情報が関連付けられている場合、画像形成装置1は、いずれかのジョブ用紙情報についてステップS105のジョブ絞込処理を実行してもよい。
【0134】
画像形成装置1は、ステップS105のジョブ絞込処理の後、ステップS106のジョブ表示処理の前に、ステップS401の処理を実行する。すなわち、画像形成装置1の制御部10は、絞込部16として、ステップS105においてジョブリストから絞り込まれた印刷ジョブの中に、複数の異なるジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブがあるか否かを判断する(ステップS401)。
【0135】
複数の異なるジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブがない場合(ステップS401:NO)、画像形成装置1は、ステップS106の処理に進み、第1実施形態または第2実施形態と同様の処理を実行する。
【0136】
複数の異なるジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブがある場合(ステップS401:YES)、画像形成装置1は、ステップS402の処理に進む。そして、画像形成装置1は、トレイ情報記憶部として機能する記憶部20に記憶された、全ての給紙トレイ51にセットされた用紙の情報(全てのトレイ用紙情報)を取得する(ステップS402)。上述したように、給紙トレイ51に用紙がセットされる度に、トレイ情報取得部14によって取得されたトレイ用紙情報は、各給紙トレイ51と関連付けられ、トレイ情報記憶部として機能する記憶部20に記憶されている。
【0137】
続いて、画像形成装置1は、ステップS105のジョブ絞込処理に再度進む。そして、画像形成装置1は、印刷ジョブに関連付けられている複数の異なるジョブ用紙情報のうち、前回判定されなかったジョブ用紙情報と、全てのトレイ用紙情報との組み合わせのそれぞれについて、ステップS201~ステップS210の処理を実行する。すなわち、画像形成装置1は、いずれかのトレイ用紙情報とおよび前回判定されなかったジョブ用紙情報との少なくとも一部が一致するか否かを判定する。あるいは、画像形成装置1は、いずれかのトレイ用紙情報に含まれる用紙の属性を示す数値と、前回判定されなかったジョブ用紙情報に含まれる用紙の属性が示す数値との差分が、所定の判定閾値以下であるか否かを判定する。なお、前回判定されなかったジョブ用紙情報と少なくとも一部が一致するトレイ用紙情報が複数ある場合、画像形成装置1は、最も一致度が高いトレイ用紙情報を、ジョブ用紙情報と一致するトレイ用紙情報として判定してもよい。その後、画像形成装置1は、判定結果を絞込結果テーブルに追加し、ステップS106の処理に進む。
【0138】
図18は、ジョブ絞込結果を表示する操作画面のさらに別の例を示す図である。
【0139】
画像形成装置1は、図18に例示するようなジョブ絞込結果を表示する操作画面を、操作表示部40等に表示させる。図18の操作画面では「構成」の欄が設けられ、「複数」は、印刷ジョブに複数の異なるジョブ用紙情報が関連付けられていること、「単一」は、印刷ジョブに一つのジョブ用紙情報のみが関連付けられていることを示す。ここでは、ジョブ9に、3つの異なるジョブ用紙情報が関連付けられているものとする。
【0140】
画像形成装置1は、図18の操作画面において「複数」の欄が選択された場合、たとえばCのような新たなウインドウを表示させる。画像形成装置1は、新たなウインドウにおいて、たとえば、3つの異なるジョブ用紙情報と最も一致度が高いトレイ用紙情報との判定結果を表示したり、当該トレイ用紙情報自体を表示したりする。なお、表示内容はこれに限定されない。また、ジョブ用紙情報と少なくとも一部が一致するトレイ用紙情報が存在しない場合、画像形成装置1はユーザーに通知してもよい。そして、画像形成装置1は、トレイ用紙情報と一致しないジョブ用紙情報が関連付けられた印刷ジョブを出力させるための用紙を収容する給紙トレイ51を、ユーザーに選択させてもよい。
【0141】
以上のように、第3実施形態に係る画像形成装置1は、ジョブリストから絞り込まれた印刷ジョブの中に、複数の異なるジョブ用紙情報が関連付けられている印刷ジョブがある場合、全てのジョブ用紙情報をトレイ用紙情報と比較する。これにより、画像形成装置1は、一つの印刷ジョブに対して複数のジョブ用紙情報が関連付けられている場合でも、全てのジョブ用紙情報に関する情報を表示でき、印刷ジョブを再出力しようとするユーザーの利便性をさらに向上できる。
【0142】
また、上述した実施形態に係る画像形成装置1における処理は、上記のフローチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上記のステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上記の実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0143】
また、上述した実施形態に係る画像形成装置1における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、たとえば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成装置1の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 画像形成装置、
10 制御部、
11 表示制御部、
12 操作受付部、
13 記憶制御部、
14 トレイ情報取得部、
15 ジョブ情報取得部、
16 絞込部、
17 出力制御部、
20 記憶部、
30 通信部、
40 操作表示部、
50 給紙部、
51 給紙トレイ、
52 給紙ローラー、
53 センサー部、
60 搬送部、
70 画像形成部、
80 定着部。
図1
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