(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】予約調整システム及び予約調整プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20220712BHJP
【FI】
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2018038803
(22)【出願日】2018-03-05
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 政幸
【審査官】山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001616(JP,A)
【文献】特開2001-092609(JP,A)
【文献】特開2004-178041(JP,A)
【文献】特開2008-083810(JP,A)
【文献】特開2015-196253(JP,A)
【文献】特開2002-279138(JP,A)
【文献】特開2015-159714(JP,A)
【文献】特開2011-034350(JP,A)
【文献】特開2004-094912(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0068908(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の利用予約を行った利用者が携帯する端末装置を近距離通信により検知する検知部を備える情報処理装置と、
検知された前記端末装置を携帯する利用者による前記情報処理装置の利用予約の時間帯が現在時刻と異なり、かつ予約を変更可能な場合に、前記利用者の前記情報処理装置に対する予約の時間帯を変更する変更部と、
を備えた予約調整システム。
【請求項2】
前記予約を変更可能な場合は、前記情報処理装置の状態が前記端末装置を携帯する利用者により占有可能な状態である場合である請求項1に記載の予約調整システム。
【請求項3】
前記占有可能な状態は、現在の利用者が存在せず、かつ現時刻を予約した利用者が携帯する端末装置を検知していない第1の場合、情報処理装置が現在使用中で、かつ当該利用者の後の利用者が携帯する端末装置を検知していない第2の場合、及び情報処理装置が現在使用中で、かつ当該利用者以降の予約が存在しない第3の場合の少なくとも1つの場合である請求項2に記載の予約調整システム。
【請求項4】
前記検知部は、前記端末装置により設定された、予約変更を許可する許可情報を更に検知し、
前記変更部が、前記検知部によって検知された前記端末装置を携帯する利用者による利用時間帯が、現在時刻と異なり、かつ前記検知部が前記許可情報を検知した場合に、予約を変更する請求項1~3の何れか1項に記載の予約調整システム。
【請求項5】
前記変更部が、予約変更が可能であることを表す変更情報を前記端末装置に通知し、前記端末装置から予約変更の要否を応答情報として取得する取得部を含み、前記取得部によって取得された前記応答情報に従って予約の変更を行う請求項1~3の何れか1項に記載の予約調整システム。
【請求項6】
前記変更部
は、現時刻の予約があり、かつ現時刻の予約者の前記端末装置が前記検知部によって検知されていない場合、前記検知部によって検知された前記端末装置に前記取得部が前記変更情報を通知し、前記応答情報を取得する前に、予約を変更した後に、前記取得部が予約変更否を表す前記応答情報を取得した場合に、予約を取り消す請求項
5に記載の予約調整システム。
【請求項7】
前記変更部は、
前記検知部によって検知された端末装置の利用予約の時間帯が現在時刻以降の時間帯で、かつ予約を前倒し可能である場合に、予約を前倒しして予約時間帯を変更する請求項1~6の何れか1項に記載の予約調整システム。
【請求項8】
前記変更部は、前記検知部によって検知された前記端末装置の利用者による利用予約の時間帯が現在時刻より前の時間帯で、かつ予約を後倒し可能である場合に、予約を
後倒しして予約時間帯を変更する請求項1~7の何れか1項に記載の予約調整システム。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1~8の何れか1項に記載の予約調整システムの変更部として機能させるための予約調整プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約調整システム及び予約調整プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、サービスの予約者を時間枠ごとに記憶する予約データベースを参照して、何れかの時間枠の予約がキャンセルされたか否かを判定し、予約がキャンセルされた場合、予約者の現在位置に基づき、予約がキャンセルされた時間枠以降の時間枠を予約する予約者の内、予約がキャンセルされた時間枠の時刻までにサービスの提供位置に到着可能な予約者を特定し、特定した前記予約者に、予約がキャンセルされた時間枠への予約の前倒しを促す通知を行うことが提案されている。
【0003】
また、特許文献2では、予約した利用者に対して予約時刻の変更に関する問合せを行う問合せ手段と、ある利用者が予約した時間帯に空き時間が生じて他の利用者が自己の予約時刻よりも早く利用可能になる場合に、問合せ手段による応答結果に従って利用者の予約時刻の調整を行う利用時間調整手段と、を備えた火葬場運用計画管理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-37579号公報
【文献】特開2013-122626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
予約時間とは異なる時間に到着した場合に、予約変更する手間が必要であった。本発明は、予約時間とは異なる時間に到着した場合に、予約し直すよりも予約変更の手間を低減可能な予約調整システム及び予約調整プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の予約調整システムは、情報処理装置の利用予約を行った利用者が携帯する端末装置を近距離通信により検知する検知部を備える情報処理装置と、検知された前記端末装置を携帯する利用者による前記情報処理装置の利用予約の時間帯が現在時刻と異なり、かつ予約を変更可能な場合に、前記利用者の前記情報処理装置に対する予約の時間帯を変更する変更部と、を備える。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記予約を変更可能な場合は、前記情報処理装置の状態が前記端末装置を携帯する利用者により占有可能な状態である場合である。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記占有可能な状態は、現在の利用者が存在せず、かつ現時刻を予約した利用者が携帯する端末装置を検知していない第1の場合、情報処理装置が現在使用中で、かつ当該利用者の後の利用者が携帯する端末装置を検知していない第2の場合、及び情報処理装置が現在使用中で、かつ当該利用者以降の予約が存在しない第3の場合の少なくとも1つの場合である。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記検知部は、前記端末装置により設定された、予約変更を許可する許可情報を更に検知し、前記変更部が、前記検知部によって検知された前記端末装置を携帯する利用者による利用時間帯が、現在時刻と異なり、かつ予約を変更可能な場合に、予約を変更する。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1~3の何れか1項に記載の発明において、前記変更部が、予約変更が可能であることを表す変更情報を前記端末装置に通知し、前記端末装置から予約変更の要否を応答情報として取得する取得部を含み、前記取得部によって取得された前記応答情報に従って予約の変更を行う。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記変更部は、現時刻の予約があり、かつ現時刻の予約者の前記端末装置が前記検知部によって検知されていない場合、前記検知部によって検知された前記端末装置に前記取得部が前記変更情報を通知し、前記応答情報を取得する前に、予約を変更した後に、前記取得部が予約変更否を表す前記応答情報を取得した場合に、予約を取り消す。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6の何れか1項に記載の発明において、前記変更部は、前記検知部によって検知された端末装置の利用予約の時間帯が現在時刻以降の時間帯で、かつ予約を前倒し可能である場合に、予約を前倒しして予約時間帯を変更する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7の何れか1項に記載の発明において、前記変更部は、前記検知部によって検知された前記端末装置の利用者による利用予約の時間帯が現在時刻より前の時間帯で、かつ予約を後倒し可能である場合に、予約を後倒しして予約時間帯を変更する。
【0015】
請求項9に記載の予約調整プログラムは、コンピュータを、請求項1~8の何れか1項に記載の予約調整システムの変更部として機能させる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の予約調整システムによれば、予約時間とは異なる時間に到着した場合に、予約し直すよりも予約変更の手間を低減可能な予約調整システムを提供できる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、利用者が情報処理装置を占有して直ぐに使用することが可能となる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、現時刻の予約者及び現在使用中の利用者の次の利用者に影響を与えることなく予約を変更することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、予約時間とは異なる時間に到着した利用者が予め設定した予約変更の意志に応じて予約を変更することが可能となる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、予約時間とは異なる時間に到着した利用者の予約変更の意志に応じて予約を変更することが可能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、利用者から予約変更の要否を待ってから予約を変更する場合よりも迅速に予約を変更することが可能となる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、予約時間よりも早い時間に到着した場合に、予約し直すよりも予約変更の手間を低減することが可能となる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、予約時間に遅刻して到着した場合に、予約し直すよりも予約変更の手間を低減することが可能となる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、予約時間とは異なる時間に到着した場合に、予約し直すよりも予約変更の手間を低減可能な予約調整プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係る予約調整システムの機能を備えた画像形成装置を含む画像形成システムの概略を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る携帯端末の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成システムが有する機能を表す機能ブロック図である。
【
図5】(A)は利用者登録一覧の一例を示す図であり、(B)は時間帯予約表の一例を示す図であり、(C)は近傍利用者表の一例を示す図であり、(D)は順序予約表の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る画像形成装置のコントロール・ユニットで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】画像形成装置の利用者が携帯する携帯端末で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る画像形成装置のコントロール・ユニットで行われる処理の流れの第1変形例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係る画像形成装置のコントロール・ユニットで行われる処理の流れの第2変形例を示すフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る画像形成装置のコントロール・ユニットで行われる処理の流れの第3変形例を示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る画像形成装置のコントロール・ユニットで行われる処理の流れの第4変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る予約調整システムの機能を備えた画像形成装置を含む画像形成システムの概略を説明するための図である。
【0028】
本実施形態に係る画像形成システム10は、画像形成装置12と、画像形成装置12を利用する利用者が携帯する携帯端末と、を備えている。
【0029】
本実施形態に係る画像形成装置12は、予め登録された利用者による利用予約が可能とされている。また、画像形成装置12は、近距離通信によって予約者が携帯する携帯端末14を検知し、利用予約の時間帯が現在時刻と異なり、かつ予約を変更可能な場合に、予約変更を行う機能を備えている。
【0030】
例えば、
図1に示すように、画像形成装置12の近距離通信範囲に利用者が近づいて、利用者が携帯する携帯端末14aと近距離通信が確立した場合に、画像形成装置12が、当該利用者の予約を確認し、現時刻以降に予約されている場合に、前倒し予約を行う。前倒し予約を行う際には、一例としては、画像形成装置12から予約の前倒しが可能である旨を通知し、
図1に示すように、携帯端末14aで予約変更の要否を選択させ、予約変更が選択された場合に画像形成装置12が予約変更を行う。
【0031】
図2は、本実施形態に係る画像形成装置12の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態に係る画像形成装置12は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを含むコントロール・ユニット20を備えている。CPU20Aは、画像形成装置12の全体の動作を司る。RAM20Cは、CPU20Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ROM20Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。そして、画像形成装置12は、コントロール・ユニット20の各部がシステムバス42によって電気的に接続されている。
【0033】
一方、本実施の形態に係る画像形成装置12は、各種のデータやアプリケーション・プログラム等を記憶するHDD(hard disk drive)26を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22のディスプレイへの各種の操作画面等の表示を制御する表示制御部28を備えている。また、画像形成装置12は、ユーザインタフェース22に接続され、ユーザインタフェース22を介して入力される操作指示を検出する操作入力検出部30を備えている。そして、画像形成装置12では、HDD26、表示制御部28、および操作入力検出部30がシステムバス42に電気的に接続されている。なお、本実施の形態に係る画像形成装置12では、格納部としてHDD26を用いるが、これに限らず、フラッシュメモリ等の不揮発性のものを用いてもよい。
【0034】
また、本実施形態に係る画像形成装置12は、読取制御部32及び画像形成制御部34を備えている。読取制御部32は、原稿読取部52による光学的な画像の読み取り動作、及び原稿搬送部による原稿送り動作を制御し、画像形成制御部34は、画像形成部24による画像形成処理、及び搬送部25による画像形成部24への用紙の搬送を制御する。
【0035】
また、画像形成装置12は、通信を制御するための通信回線インタフェース(通信回線I/F)部36及び画像処理部44を備えている。通信回線I/F部36は、各種ネットワーク等の通信回線との通信と、WiFi(wireless fidelity)やBluetooth等の近距離通信とが可能とされ、サーバや携帯端末14等の他の外部装置と通信データの送受信を行う。一方、画像処理部44は、原稿読取部52によって読み取った読取画像に対して各種画像処理を行う。
【0036】
また、画像形成装置12は、図示しない電話回線に接続され、当該電話回線に接続されているファクシミリ装置とファクシミリデータの送受信を行うファクシミリインタフェース(ファクシミリI/F)部38を備えている。また、画像形成装置12は、ファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信を制御する送受信制御部40を備えている。
【0037】
そして、画像形成装置12では、送受信制御部40、読取制御部32、画像形成制御部34、通信回線インタフェース部36、ファクシミリインタフェース部38、及び画像処理部44がシステムバス42に電気的に接続されている。
【0038】
以上の構成により、本実施形態に係る画像形成装置12は、CPU20Aにより、RAM20C、ROM20B、及びHDD26へのアクセスを各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、表示制御部28を介したユーザインタフェース22のディスプレイへの操作画面、各種のメッセージ等の情報の表示の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、読取制御部32を介した原稿読取部52及び原稿搬送部の作動の制御を実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、画像形成制御部34を介した画像形成部24及び搬送部25の作動の制御と、通信回線インタフェース部36を介した通信データの送受信の制御と、を各々実行する。また、画像形成装置12は、CPU20Aにより、送受信制御部40によるファクシミリインタフェース部38を介したファクシミリデータの送受信の制御を実行する。さらに、画像形成装置12は、CPU20Aにより、操作入力検出部30によって検出された操作情報に基づくユーザインタフェース22における操作内容の把握が行われ、この操作内容に基づく各種の制御を実行する。
【0039】
続いて、画像形成装置12の利用者が携帯する携帯端末14の要部構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る携帯端末14の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【0040】
本実施の形態に係る携帯端末14は、
図3に示すように、CPU14A、ROM14B、RAM14C、HDD14D、操作部14E、表示部14F、及び通信回線インタフェース(通信回線I/F)部14Gを備えている。CPU14Aは、携帯端末14の全体の動作を司る。ROM14Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM14Cは、CPU14Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。HDD14Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。操作部14Eは各種の情報を入力するために用いられる。表示部14Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線インタフェース部14Gは、各種ネットワーク等の通信回線との通信と、WiFi(wireless fidelity)やBluetooth等の近距離通信とが可能とされ、他の装置と各種データの送受信を行う。以上の携帯端末14の各部はシステムバス14Hにより電気的に相互に接続されている。なお、本実施の形態に係る携帯端末14では、HDD14Dを記憶部として用いるが、これに限らず、フラッシュメモリ等の他の不揮発性のものを用いてもよい。
【0041】
以上の構成により、本実施の形態に係る携帯端末14は、CPU14Aにより、ROM14B、RAM14C、及びHDD14Dに対するアクセス、操作部14Eを介した各種データの取得、表示部14Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、携帯端末14は、CPU14Aにより、通信回線インタフェース部14Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0042】
続いて、本実施形態に係る画像形成装置12及び携帯端末の各々が有する機能について説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成システム10が有する機能を表す機能ブロック図である。なお、各機能は、ソフトウエア及びハードウエアの少なくとも一方によって実現される。
【0043】
画像形成装置12は、利用者管理部72、時間予約管理部74、近距離通信部76、利用者検知部78、予約変更通知部80、予約変更受信部82、及び順序予約管理部84の機能を備えている。
【0044】
利用者管理部72は、画像形成装置12の利用者に関する情報を管理する。例えば、携帯端末14やパーソナルコンピュータ等を利用者が操作して、画像形成装置12の利用登録を行い、HDD26等の利用者管理データベース(DB)86に利用登録時の情報を利用者登録一覧として記憶する。そして、画像形成装置12の予約などを行う際に、登録情報を利用する。利用者登録一覧は、例えば、
図5(A)に示すように、利用者IDと端末IDリストを記憶する。
【0045】
時間予約管理部74は、画像形成装置12の利用者の予約時間を管理する。例えば、携帯端末14やパーソナルコンピュータ等を予め登録された利用者が操作して、画像形成装置12の予約を行った際に、利用者とその予約時間帯をHDD26等に時間帯予約表88として記憶する。時間帯予約表88は、例えば、
図5(B)に示すように、日時と利用者IDを記憶する。時間帯の予約は、例えば、時間帯毎に一人の利用者を予約可能としてもよいし、時間帯毎に複数の利用者を予約可能としてもよい。
【0046】
近距離通信部76は、WiFi(wireless fidelity)やBluetooth等の近距離通信によって携帯端末14との通信を行う。
【0047】
利用者検知部78は、近距離通信部76によって通信が確立した携帯端末14を検知する。また、検知した携帯端末14が、利用者管理DB86の利用者登録一覧に基づいて、登録された利用者の携帯端末14であるかを判断する。そして、登録された利用者の場合には、HDD26等に近傍利用者表90として記憶する。なお、近傍利用者表90は、例えば、
図5(C)に示すように、検知した携帯端末の端末IDと利用者IDとを記憶する。
【0048】
予約変更通知部80は、近距離通信範囲の利用登録された携帯端末14の利用者の予約を確認し、現時刻以降に予約があり、かつ画像形成装置12を占有可能な場合に、前倒し予約可能であることを表す変更情報としての予約変更可能情報を携帯端末14に通知する。
【0049】
予約変更受信部82は、前倒し予約の通知に対する解答として、携帯端末14から前倒し予約に変更することを表す予約変更要求を受信した場合に、順序予約管理部84に通知する。
【0050】
順序予約管理部84は、予約変更要求を受信した場合に、予約を前倒しして予約順を割り付けることにより予約を変更する。そして、割り付けた予約順序をHDD26等に順序予約表92として記憶する。順序予約表92は、例えば、
図5(D)に示すように、予約順を割り付けた携帯端末14の端末IDと利用者IDとを記憶する。なお、時間帯毎に複数人の利用者の予約が可能な場合には、例えば、到着順に予約順を割り付ける。
【0051】
また、本実施形態では、順序予約管理部84は、予約変更要求を受信した場合に、予約を変更するものとして説明するが、近距離通信で検知した携帯端末14の利用者の予約時間帯が現在時刻と異なり、かつ予約を変更可能な場合に、予約変更してしまってもよい。
【0052】
なお、利用者検知部78は検知部に対応し、順序予約管理部84は変更部に対応し、予約変更通知部80は通知部に対応し、予約変更通知部80及び予約変更受信部82は取得部に対応する。
【0053】
一方、予め登録された利用者が携帯する携帯端末14は、利用者登録部60、時間帯予約部62、近距離通信部64、変更通知受信部66、予約変更部68、及び予約変更送信部70の機能を備えている。
【0054】
利用者登録部60は、画像形成装置12の予約を行うための利用登録時に、操作部14E等を介して入力された登録情報を画像形成装置12の利用者管理部72に送信することにより、利用者登録を行う。なお、画像形成装置12への登録情報の送信は、ネットワーク等の通信幹線により送信してもよいし、近距離通信で送信してもよい。
【0055】
時間帯予約部62は、利用登録後の画像形成装置12の予約時に、操作部14E等を介して入力された予約日時等の予約情報を利用者IDと紐付けて画像形成装置12の時間予約管理部74に送信する。なお、画像形成装置12への予約情報の送信は、ネットワーク等の通信幹線により送信してもよいし、近距離通信で送信してもよい。
【0056】
近距離通信部64は、WiFi(wireless fidelity)やBluetooth等の近距離通信によって画像形成装置12との通信を行う。
【0057】
変更通知受信部66は、画像形成装置12から通知される予約変更可能情報を受信して、予約変更部68に通知する。
【0058】
予約変更部68は、予約変更可能情報に従って、予約変更が可能である旨を表示部14Fに表示し、予約変更の要否を利用者に問い合わせる。また、利用者による操作部14Eの操作結果から、予約変更の要否情報を生成して予約変更送信部70に通知する。
【0059】
予約変更送信部70は、予約変更部68から通知された予約変更の要否情報を画像形成装置12に送信する。
【0060】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る画像形成装置12で行われる具体的な処理について説明する。
図6は、本実施形態に係る画像形成装置12のコントロール・ユニット20で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図6の処理は、画像形成装置12において、近距離通信部76により携帯端末14と近距離通信が確立して利用者検知部78が携帯端末14を検知して、検知した携帯端末14の端末IDが利用登録されている場合に開始する。また、画像形成装置12が携帯端末14を近距離通信により検知した場合には、HDD26に近傍利用者表90(
図5(C)参照)として追加する。
【0061】
ステップ100では、利用者検知部78が、利用者管理DB86に予め登録された利用者登録一覧(
図5(A)参照)を参照して、端末IDから利用者IDを特定してステップ102へ移行する。
【0062】
ステップ102では、予約変更通知部80が、特定した利用者の時間帯予約があるか否かを判定する。該判定は、HDD26に記憶された時間帯予約表88(
図5(B)参照)に特定した利用者の予約があるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ104へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。
【0063】
ステップ104では、予約変更通知部80が、特定した利用者の時間帯予約が現時刻であるか否かを判定する。すなわち、HDD26に記憶された時間帯予約表(
図5(B)参照)の予約が現在の時間帯であるか否かを判定する。該判定が、否定された場合にはステップ106へ移行し、肯定された場合にはステップ112へ移行する。
【0064】
ステップ106では、予約変更通知部80が、現時刻以降に予約があるか否かを判定する。該判定が、すなわち、HDD26に記憶された時間帯予約表(
図4(B)参照)の予約が現在の時間帯以降であるか否かを判定する。該判定が、肯定された場合にはステップ108へ移行し、否定された場合にはそのまま一連の処理を終了する。
【0065】
ステップ108では、予約変更通知部80が、予約変更可能情報を携帯端末14に通知してステップ110へ移行する。
【0066】
ステップ110では、予約変更受信部82が、携帯端末14から予約変更要求を受信したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ112へ移行し、否定された場合にはそのまま一連の処理を終了する。
【0067】
ステップ112では、順序予約管理部84が、現在の時間帯の順序予約表92(
図5(D)参照)に追加することによって予約を変更して一連の処理を終了する。
【0068】
次に、画像形成装置12の利用者が携帯する携帯端末14側で行われる処理について説明する。
図7は、画像形成装置12の利用者が携帯する携帯端末14で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、
図7の処理は、画像形成装置12から送信される予約変更可能情報を受信する際に開始する。
【0069】
ステップ200では、変更通知受信部66が、画像形成装置12から送信された予約変更可能情報を受信してステップ202へ移行する。
【0070】
ステップ202では、予約変更部68が、予約変更の要否を選択するための予約変更の要否選択画面を表示部14Fに表示してステップ204へ移行する。例えば、
図1に示すように、「予約時間帯を現在の時間帯に変更しますか?」等のようにメッセージを表示すると共に、「はい」及び「いいえ」のように選択ボタンを表示する。
【0071】
ステップ204では、予約変更部68が、予約変更要求が選択されたか否かを判定する。該判定は、利用者が操作部14Eを操作して予約変更を行うが選択されか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ206へ移行し、否定された場合にはステップ208へ移行する。
【0072】
ステップ206では、予約変更送信部70が、画像形成装置12に対して予約変更要求を送信して一連の処理を終了する。これにより、画像形成装置12側ではステップ110が肯定される。
【0073】
一方、ステップ208では、予約変更送信部70が、画像形成装置12に対して予約変更不要を通知して一連の処理を終了する。これにより、画像形成装置12側ではステップ110が否定される。
【0074】
このように、本実施形態では、画像形成装置12の予約者が携帯する携帯端末14を近距離通信により検知し、現時刻以降の予約の場合には、予約が変更されるので、予約時刻とは異なる時間に到着した場合に、予約し直す場合よりも予約変更の手間が低減される。
【0075】
なお、上記の実施形態では、検知した携帯端末14を携帯する利用者の現時刻以降の予約がある場合に予約を変更する例を説明したが、画像形成装置12を占有可能な状態にない場合もあるので、
図8に示すようにステップ106の代わりにステップ105の処理を行ってもよい。すなわち、ステップ105では、予約変更部68が、画像形成装置12を占有可能な状態でかつ現在の時刻以降に予約があるか否かを判定する。なお、画像形成装置12を占有可能な状態か否かは、例えば、現在の利用者が存在せず、かつ現時刻を予約した利用者が携帯する携帯端末14を検知していない第1の場合、画像形成装置12が現在使用中で、かつ当該利用者の後の利用者が携帯する携帯端末14を検知していない第2の場合、及び画像形成装置12が現在使用中で、かつ当該利用者以降の予約が存在しない第3の場合の少なくとも1つの場合であるか否かを判定する。該判定が肯定された場合には上述のステップ108へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。
【0076】
また、上記の実施形態では、検知した携帯端末14を携帯する利用者から予約変更要求を受信したから予約を変更したが、予約変更要求を受信する前に予約を変更してしまってから、予約変更不要を受信した場合に予約を取り消してもよい。この場合には、例えば、
図9に示すように、
図6のステップ106の代わりにステップ105~111を行う。すなわち、ステップ105では、上述したように、予約変更部68が、画像形成装置12を占有可能でかつ現在の時刻以降に予約があるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ107へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。なお、ステップ105の処理はステップ106の処理を行ってもよい。
【0077】
ステップ107では、順序予約管理部84が、検知した携帯端末14を携帯する利用者からの予約を、現在の時間帯の順序予約表92に追加することによって予約を変更してステップ108へ移行する。
【0078】
ステップ108では、予約変更通知部80が、予約変更可能情報を携帯端末14に通知してステップ109へ移行する。
【0079】
ステップ109では、予約変更受信部82が、携帯端末14から予約変更不要が通知されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ111へ移行し、否定された場合、すなわち、予約変更不要ではなく、予約変更要求を受信した場合には、そのまま一連の処理を終了する。
【0080】
ステップ111では、順序予約管理部84が、ステップ107で追加した予約を削除して一連の処理を終了する。
【0081】
このように、予約変更の要否を携帯端末14から受信する前に予約を変更してしまって、予約変更の不要の場合に、後から予約を削除してもよい。
【0082】
また、上記の実施形態及び変形例では、予約時間前に利用者が到着した際の予約変更について説明したが、これに限るものではない。例えば、予約時間に遅刻した利用者が携帯する携帯端末14を画像形成装置12が検知した場合に、前倒し予約変更と同様に、後倒しの予約変更を行うようにしてもよい。例えば、
図10に示すように、
図6のステップ106の代わりにステップ106Aの処理を行う。すなわち、ステップ106Aでは、予約変更通知部80が、現時刻以前に予約がある否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ108へ移行し、否定された場合にはそのまま一連の処理を終了する。なお、ステップ106Aの処理は、予約変更通知部80が、画像形成装置12を占有可能でかつ現時刻以前に予約がある否かを判定してもよい。
【0083】
また、上記の実施形態及び変形例では、携帯端末14に予約変更の要否の問い合わせに対して携帯端末14を操作して利用者が予約変更の要否を返信するようにしたが、予約変更の要否の確認方法はこれに限るものではない。例えば、利用者が携帯端末14を操作して予約変更が可能な場合の予約変更の要否を予め設定可能とし、画像形成装置12が、利用者の携帯端末14を検知する際に予約変更の要否を検知する形態としてもよい。具体的な処理例としては、
図11に示すように、
図6の処理に対してステップ99を追加すればよい。すなわち、ステップ99では、利用者検知部78が、携帯端末14で予め設定された予約変更許可情報を検知したか否かを判定し、該判定が肯定された場合に上述のステップ100以降の処理を行い、否定された場合にはそのまま処理を終了する。なお、
図8及び
図10に対してステップ99を追加してもよい。
【0084】
また、上記の実施形態では、端末装置として携帯端末14を適用して、画像形成装置12が、利用者の携帯端末14を近距離通信により検知した場合に予約を変更するようにしたが、端末装置は、携帯端末14に限定されるものではない。例えば、利用者の予約変更の要否に関係なく予約変更する場合には、表示部14Fや操作部14Eの構成が不要なので、単に近距離通信が可能なRFID等の無線タグを端末装置として適用して利用者を検知してもよい。
【0085】
また、上記の実施形態では、画像形成システムとして、画像形成装置12及び携帯端末14を備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置12の予約を管理するサーバ等を備える形態としてもよい。この場合、例えば、画像形成装置12の利用者管理部72、時間予約管理部74、利用者検知部78、予約変更通知部80、順序予約管理部84、及び予約変更受信部82の各機能は、サーバに設けてもよいし、画像形成装置12とサーバに分担してもよい。
【0086】
また、上記の実施形態及び変形例では、情報処理装置として画像形成装置12を一例として説明したが、これに限定されるものではなく、他の装置を情報処理装置として適用してもよい。
【0087】
また、上記の実施形態に係る画像形成装置12のコントロール・ユニット20で行われる処理及び携帯端末14で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、画像形成装置12のコントロール・ユニット20で行われる処理及び携帯端末14で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0088】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0089】
10 画像形成システム
12 画像形成装置
14 携帯端末
64、76 近距離通信部
66 変更通知受信部
68 予約変更部
70 予約変更送信部
78 利用者検知部
80 予約変更通知部
82 予約変更受信部
84 順序予約管理部