(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】綴じ装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20220712BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B65H37/04 Z
B65H37/04 D
G03G15/00 431
(21)【出願番号】P 2018048884
(22)【出願日】2018-03-16
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000039
【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・ウィン
(72)【発明者】
【氏名】鉄 良章
(72)【発明者】
【氏名】野口 淳
【審査官】沖 大樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-132640(JP,A)
【文献】特開2015-009966(JP,A)
【文献】特開2015-040087(JP,A)
【文献】特開2015-124084(JP,A)
【文献】特開2016-216227(JP,A)
【文献】特開2015-016640(JP,A)
【文献】特開2003-071808(JP,A)
【文献】特開2006-069747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00-37/06
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から待機位置へ移動し、さらに綴じ位置に移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記待機位置へ移動し、さらに前記綴じ位置へと移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記待機位置へと移動するために要する時間が前記第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される綴じ装置。
【請求項2】
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から綴じ位置へ移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記綴じ位置へ移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれか一方が移動を開始する位置であり、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記綴じ位置へと移動するために要する時間が
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれか他方が移動を開始する前記第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される綴じ装置。
【請求項3】
前記第1の綴じ手段と前記第2の綴じ手段とが、前記綴じ位置とは異なる第2の綴じ位置でも紙を綴じる手段であっても、前記第1の綴じ手段と前記第2の綴じ手段とは、前記綴じ位置だけで紙を綴じる手段である場合と同じ位置に、動作開始前に配置される請求項1又は2記載の綴じ装置。
【請求項4】
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の双方の移動を案内する案内部をさらに有し、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のうちの一方の移動と干渉しない位置へと、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方が退避する請求項1から3いずれか記載の綴じ装置。
【請求項5】
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の双方の移動を案内する案内部をさらに有し、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の綴じに用いられる一方が紙を綴じる位置が、前記第1の開始位置又は前記第2の開始位置に停止している前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方と干渉しない位置に制限される請求項1から3いずれか記載の綴じ装置。
【請求項6】
前記第1の綴じ手段は、綴じ部材を用いずに紙を綴じ、
前記第2の綴じ手段は、綴じ部材を用いて紙を綴じる
請求項1から5いずれか記載の綴じ装置。
【請求項7】
前記第2の綴じ手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方に停止した状態で綴じ部材が補充され、
前記設定手段の設定により、前記第1の綴じ手段が停止している前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方へ前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方から前記第2の綴じ手段の移動を指示する指示手段をさらに有する請求項6記載の綴じ装置。
【請求項8】
前記指示手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の綴じ部材の補充が可能な一方に前記第2の綴じ手段が配置されている場合に操作が禁止される請求項7記載の綴じ装置。
【請求項9】
前記第2の綴じ手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方に停止した状態で残留する綴じ部材の確認がなされ、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方への前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方からの前記第2の綴じ手段の移動を指示する指示手段をさらに有する請求項6記載に綴じ装置。
【請求項10】
前記指示手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の残留する綴じ部材の確認が可能な一方に前記第2の綴じ手段が配置されている場合に操作が禁止される請求項9記載の綴じ装置。
【請求項11】
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段は、互いに異なる種類の綴じ部材を用いて紙を綴じる請求項1から5いずれか記載の綴じ装置。
【請求項12】
前記第1の綴じ手段は、前記第1の綴じ手段を移動させるための第1の駆動源を有し、
前記第2の綴じ手段は、前記第2の綴じ手段を移動させるために第2の駆動源を有する請求項1から11いずれか記載の綴じ装置。
【請求項13】
紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された紙を綴じる綴じ装置と、
を有し、
前記綴じ装置は、
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から待機位置へ移動し、さらに綴じ位置に移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記待機位置へ移動し、さらに前記綴じ位置へと移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記待機位置へと移動するために要する時間が第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される画像形成装置。
【請求項14】
紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された紙を綴じる綴じ装置と、
を有し、
前記綴じ装置は、
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から綴じ位置へ移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記綴じ位置へ移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設
定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれか一方が移動を開始する位置であり、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記綴じ位置へと移動するために要する時間が
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれか他方が移動を開始する前記第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綴じ装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、シートを集積する処理トレイと、前記処理トレイに配置されたシートを所定の綴じ位置に位置決めするシート位置決め手段と、前記処理トレイに位置決めされたシートに設定された綴じ位置と、シート外部に退避した待機位置との間で移動可能に配置された第1及び第2の綴じ手段と、前記第1、第2の綴じ手段を前記綴じ位置に移動させる駆動手段と、前記駆動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記第1、第2の綴じ手段の一方を前記綴じ位置に移動するときは、他方の綴じ手段を前記綴じ位置から退避させることを特徴とするシート綴じ処理装置が記載されている。
【0003】
特許文献2には、画像形成部によって画像が形成された用紙を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送された用紙が積載される積載部と、前記積載部に積載されている用紙の幅方向における整合を行うために用紙の第1の辺と接する第1整合部と、前記積載部に積載されている用紙の幅方向における整合を行うために用紙の第1の辺に平行な第2の辺に接する第2整合部と、前記積載部に積載されている用紙を位置決めするために前記幅方向に平行な用紙の第3の辺に接する当接部と、前記積載部に積載され、前記第1、第2整合部および前記当接部によって位置決めされた用紙を、針を使って綴じる第1の綴じ手段と、前記積載部に積載され、前記第1、第2整合部および前記当接部によって位置決めされた用紙を、針を使わずに綴じる第2の綴じ手段と、を備え、前記第1の綴じ手段は、前記幅方向に移動自在であって、前記当接部が接する前記第3の辺の近傍の、前記幅方向において異なった複数の箇所を綴じることができ、前記第2の綴じ手段は、前記第1の綴じ手段とは独立して前記幅方向に移動自在であって、前記第3の辺の近傍の少なくとも1箇所を綴じることができ、前記第1の綴じ手段の可動域と前記第2の綴じ手段の可動域は一部が重複していて、前記画像形成部によって画像が形成された用紙を前記第1の綴じ手段によって綴じることが設定された場合には、前記第1の綴じ手段は第1待機位置から用紙を綴じるための位置へ移動し、前記画像形成部によって画像が形成された用紙を前記第2の綴じ手段によって綴じることが設定された場合には、前記第2の綴じ手段は第2待機位置から用紙を綴じるための位置へ移動することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0004】
特許文献3には、複数枚のシート材を束ねたシート材束を綴じる綴じ機構と、画像形成装置からの前記シート材の搬送を妨害しない第1の待機位置と、前記シート材の搬送を妨害せず且つ前記画像形成装置以外から供給されたシート材束を綴じる第2の待機位置との間で前記綴じ機構を移動させる変位機構と、前記綴じ機構が待機するべき待機位置を示す設定情報を受け付ける受付手段と、前記設定情報が前記第1の待機位置を表している場合は、前記画像形成装置が画像形成処理を行っていないときに前記綴じ機構を前記第1の待機位置に待機させ、前記設定情報が前記第2の待機位置を表している場合は、前記画像形成装置が画像形成処理を行っていないときに前記綴じ機構を前記第2の待機位置に待機させるように、前記変位機構を制御する制御手段と、を備えることを特徴とする、シート材綴じ処理装置が記載されている。
【0005】
特許文献4には、用紙に画像形成を行う画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体で画像形成された用紙を綴じるステイプル処理を行う用紙後処理装置とを有する画像形成装置であって、用紙を挿入する用紙挿入部と、前記画像形成装置本体で画像形成された用紙にステイプル処理を行う通常ステイプル位置と、前記用紙挿入部に挿入された用紙にステイプル処理を行うマニュアルステイプル位置を含む経路に沿って移動可能に設けられた第1の綴じ手段および第2の綴じ手段と、前記画像形成装置本体で画像形成された用紙を前記第1の綴じ手段と前記第2の綴じ手段のうち一方の綴じ手段により綴じるステイプル処理が選択された場合は、もう一方の綴じ手段を前記マニュアルステイプル位置に移動して待機させる制御手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-124084号公報
【文献】特開2017-132640号公報
【文献】特開2015-40087号公報
【文献】特開2015-9966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数の綴じ手段から選択された綴じ手段を用いて紙を綴じる綴じ装置においては、紙を綴じる綴位置へと選択された綴じ手段を移動させることがあり、選択された綴じ手段を移動させるための時間が、綴じる動作を開始するまでの待ち時間となることがある。
【0008】
本発明は、複数の綴じ手段の中のいずれの綴じ手段を優先的に用いるかにかかわらず、複数の綴じ手段の配置する場合と比較して、綴じる動作を開始するまでの待ち時間を短縮することができる綴じ装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る本発明は、
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から待機位置へ移動し、さらに綴じ位置に移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記待機位置へ移動し、さらに前記綴じ位置へと移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記待機位置へと移動するために要する時間が前記第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される綴じ装置である。
【0010】
請求項2に係る本発明は、
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から綴じ位置へ移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記綴じ位置へ移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記綴じ位置へと移動するために要する時間が前記第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される綴じ装置である。
【0011】
請求項3に係る本発明は、
前記第1の綴じ手段と前記第2の綴じ手段とが、前記綴じ位置とは異なる第2の綴じ位置でも紙を綴じる手段であっても、
前記第1の綴じ手段と前記第2の綴じ手段とは、前記綴じ位置だけで紙を綴じる手段である場合と同じ位置に、動作開始前に配置される請求項1又は2記載の綴じ装置である。
【0012】
請求項4に係る本発明は、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の双方の移動を案内する案内部をさらに有し、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のうちの一方の移動と干渉しない位置へと、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方が退避する請求項1から3いずれか記載の綴じ装置である。
【0013】
請求項5に係る本発明は、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の双方の移動を案内する案内部をさらに有し、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の綴じに用いられる一方が紙を綴じる位置が、前記第1の開始位置又は前記第2の開始位置に停止している前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方と干渉しない位置に制限される請求項1から3いずれか記載の綴じ装置である。
【0014】
請求項6に係る本発明は、
前記第1の綴じ手段は、綴じ部材を用いずに紙を綴じ、
前記第2の綴じ手段は、綴じ部材を用いて紙を綴じる
請求項1から5いずれか記載の綴じ装置である。
【0015】
請求項7に係る本発明は、
前記第2の綴じ手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方に停止した状態で綴じ部材が補充され、
前記設定手段の設定により、前記第1の綴じ手段が停止している前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方へ前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方から前記第2の綴じ手段の移動を指示する指示手段をさらに有する請求項6記載の綴じ装置である。
【0016】
請求項8に係る本発明は、前記指示手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の綴じ部材の補充が可能な一方に前記第2の綴じ手段が配置されている場合に操作が禁止される請求項7記載の綴じ装置である。
【0017】
請求項9に係る本発明は、
前記第2の綴じ手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方に停止した状態で残留する綴じ部材の確認がなされ、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の一方への前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方からの前記第2の綴じ手段の移動を指示する指示手段をさらに有する請求項6記載に綴じ装置である。
【0018】
請求項10に係る本発明は、前記指示手段は、前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の残留する綴じ部材の確認が可能な一方に前記第2の綴じ手段が配置されている場合に操作が禁止される請求項9記載の綴じ装置である。
【0019】
請求項11に係る本発明は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段は、互いに異なる種類の綴じ部材を用いて紙を綴じる請求項1から5いずれか記載の綴じ装置である。
【0020】
請求項12に係る本発明は、
前記第1の綴じ手段は、前記第1の綴じ手段を移動させるための第1の駆動源を有し、
前記第2の綴じ手段は、前記第2の綴じ手段を移動させるために第2の駆動源を有する請求項1から11いずれか記載の綴じ装置である。
【0021】
請求項13に係る本発明は、
紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された紙を綴じる綴じ装置と、
を有し、
前記綴じ装置は、
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から待機位置へ移動し、さらに綴じ位置に移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記待機位置へ移動し、さらに前記綴じ位置へと移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記待機位置へと移動するために要する時間が第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される画像形成装置である。
【0022】
請求項14に係る本発明は、
紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部で画像が形成された紙を綴じる綴じ装置と、
を有し、
前記綴じ装置は、
第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から綴じ位置へ移動して紙を綴じる第1の綴じ手段と、
前記第1の開始位置及び前記第2の開始位置の他方に停止した状態から前記綴じ位置へ移動して紙を綴じる第2の綴じ手段と、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられる一方を設定する設定手段と、
を有し、
前記第1の開始位置は、前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段のいずれかが、前記綴じ位置へと移動するために要する時間が前記第2の開始位置よりも短く、
前記第1の綴じ手段及び前記第2の綴じ手段の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に前記第1の開始位置に配置される画像形成装置である。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に係る本発明によれば、複数の綴じ手段のいずれの綴じ手段を優先的に用いるかにかかわらず、複数の綴じ手段の配置が同じである場合と比較して、綴じ動作を開始するまでの時間を短縮することができる綴じ装置を提供することができる。
【0024】
請求項2に係る本発明によれば、複数の綴じ手段のいずれの綴じ手段を優先的に用いるかにかかわらず、複数の綴じ手段の配置が同じである場合と比較して、綴じ動作を開始するまでの時間を短縮することができる綴じ装置を提供することができる。
【0025】
請求項3に係る本発明によれば、第1の綴じ手段と第2の綴手段とが紙を綴じる綴じ位置が複数ある場合に、第1の綴じ手段と第2の綴じ手段とが紙を綴じる位置が一箇所である場合とは異なる位置に、第1の綴じ手段と第2の綴じ手段と配置する場合と比較して、制御を簡単にすることができる、
【0026】
請求項4に係る本発明よれば、第1の綴じ手段の移動を案内する案内部と、第2の綴じ手段の移動を案内する案内部とを別々に設ける場合と比較して装置の構造を簡単にしつつ、第1の綴じ装置と第2の綴じ装置とが干渉することによる綴じ位置の制限をなくすことができる。
【0027】
請求項5に係る本発明によれば、第1の綴じ手段の移動を案内する案内部と、第2の綴じ手段の移動を案内する案内部とを別々に設ける場合と比較して装置の構造を簡単にしつつ、第1の綴じ手段と第2の綴じ手段との干渉をさけるために、第1の綴じ手段及び第2の綴じ手段のいずれかを退避させる場合と比較して、綴じ動作開始までの時間を短縮することができる。
【0028】
請求項6に係る本発明よれば、綴じ部材を用いずに紙を綴じるのか、綴じ部材を用いて紙を綴じるのかを操作者が選択することができる。
【0029】
請求項7に係る本発明よれば、綴じ部材の補給ができない位置に停止している綴じ手段に対しても綴じ部材を補給することができる。
【0030】
請求項8に係る本発明によれば、補充のための綴じ手段の移動が不要である場合でも操作を許容する場合と比較して、無駄な操作を減らすことができる。
【0031】
請求項9に係る本発明によれば、綴じ部材の残量の確認ができない位置に停止している綴じ手段であっても綴じ部材の残量の確認ができる。
【0032】
請求項10に係る本発明よれば、補充のための綴じ部材の移動が不要である場合でも、操作を許容する場合と比較して、無駄な操作を減らすことができる。
【0033】
請求項11に係る本発明よれば、用いる綴じ部材を操作者が選択することができる。
【0034】
請求項12に係る本発明よれば、第1の綴じ手段の外部から第1の綴じ手段に駆動を伝え、第2の綴じ手段の外部から第2の綴じ手段に駆動を伝える場合と比較して、装置の構造を簡単にすることができる。
【0035】
請求項13に係る本発明によれば、複数の綴じ手段のいずれの綴じ手段を優先的に用いるかにかかわらず、複数の綴じ手段の配置が同じである場合と比較して、綴じ動作を開始するまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することができる。
【0036】
請求項14に係る本発明によれば、複数の綴じ手段のいずれの綴じ手段を優先的に用いるかにかかわらず、複数の綴じ手段の配置が同じである場合と比較して、綴じ動作を開始するまでの時間を短縮することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施形態で用いられる画像形成装置の断面を示す図である。
【
図2】
図1に示す画像形成装置が有する綴じ装置の構成を示す図である。
【
図3】
図2に示す綴じ装置が有する加圧型綴じユニットの構成を説明する模式図である。
【
図4】
図2に示す綴じ装置が有する針使用型綴じユニットの構成を説明する模式図である。
【
図5】
図1に示す画像形成装置が有する操作パネルに表示されるモード選択画面を示す図である。
【
図6】
図2に示す綴じ装置の一部を
図2に示す矢印A-A側から示す模式図である。
【
図7】
図2に示す綴じ装置が有するレール部材の一部を拡大して示す図である。
【
図8】
図1に示す画像形成装置の制御部を示すブロック図である。
【
図9】
図1に示す画像形成装置におけるモード選択を説明するフローチャートである。
【
図10】針使用型優先モードでの、加圧型綴じユニット及び針使用型綴じユニットの動作開始前における配置と、両ユニットの移動とを説明する図である。
【
図11】針使用型優先モードでの綴じユニットの指定を説明するフローチャートである。
【
図12】針使用型優先モードで、針使用型綴じユニットを用いる際の動作を説明するフローチャートである。
【
図13】針使用型優先モードで、加圧型綴じユニットを用いる際の動作を説明するフローチャートである。
【
図14】加圧型優先モードでの、加圧型綴じユニット及び針使用型綴じユニットの動作開始前における配置を説明する図である。
【
図15】加圧型優先モードでの綴じユニットの指定を説明するフローチャートである。
【
図16】加圧型優先モードで、加圧型綴じユニットを用いる際の動作を説明する図である。
【
図17】加圧型優先モードで、針使用型綴じユニットを用いる際の動作を説明するフローチャートである。
【
図18】
図1に示す画像形成装置が有する操作パネルに表示される針補給画面を示す図である。
【
図19】綴じ装置の変形例における加圧型綴じユニット及び針使用型綴じユニットの紙を綴じる位置の制限を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態で用いられる画像形成装置10を前側から示す断面図である。
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成ユニット100と、後処理ユニット300と、搬送ユニット900とを有する。
【0039】
画像形成ユニット100は、画像形成ユニット本体112を有し、画像形成ユニット本体112内に、画像形成部120と、例えば2つの供給装置140とが配置されている。また、画像形成ユニット本体112内には、搬送路160が形成されている。
【0040】
画像形成部120は、記録媒体の一例であり、紙の一例である紙Pに画像を形成する。画像形成部120は、電子写真方式が採用されていて、感光体ドラム122の表面に形成された潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、このトナー像を紙Pに転写し、紙Pに転写されたトナー像を紙Pに定着することで紙Pに画像を形成する。画像形成部120に電子写真方式を採用することに替え、例えばインクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0041】
供給装置140は、積層された状態で収納された紙Pを1枚ずつ画像形成部120へと供給する。
【0042】
搬送路160は、供給装置140から供給された紙Pを画像形成部120へと搬送し、画像形成部120で画像が形成された紙Pを画像形成ユニット本体112から排出するように搬送する。
【0043】
画像形成装置10は、操作パネル150をさらに有する。操作パネル150は、設定手段の一部を構成していて、画像形成装置10に各種の設定をするために用いられる。また、操作パネル150には、各種の操作のための画面や設定のための画面(例えば、
図5を参照)が表示される。操作パネル150は、画像形成ユニット本体112の例えば前側の面に装着されている。尚、操作パネル150の詳細は後述する。
【0044】
後処理ユニット300は、後処理ユニット本体312を有し、後処理ユニット本体312内に綴じ装置400が配置されている。綴じ装置400は、紙Pを綴じる装置であって、複数の紙を綴じて一纏めとする。綴じ装置400の詳細は後述する。
【0045】
後処理ユニット本体312には、綴じ装置400で綴じられた紙Pが排出される排出部314が装着されている。
【0046】
また、後処理ユニット本体312内には、搬送路320が形成されている。搬送路320は、後処理ユニット本体312内へと搬送されてきた紙Pを綴じ装置400へと搬送する。
【0047】
搬送ユニット900は、搬送ユニット本体912を有し、搬送ユニット本体912内に搬送路920が形成されている。搬送路920は、画像形成ユニット本体112から排出された紙Pを、後処理ユニット本体312内へと搬送する。搬送ユニット900内に、紙Pに孔を開ける孔開け装置(不図示)を配置してもよい。
【0048】
図2には、綴じ装置400が示されている。
図2に示すように、綴じ装置400は、一対の受取ロール410を有する。一対の受取ロール410は、受取手段の一例であって、搬送ユニット900から搬送されてきた紙Pを受け取る。また、一対の受取ロール410は、搬送路320に沿って配置されている。
【0049】
綴じ装置400は積載部420をさらに有する。積載部420は、積載手段の一例であって、積載部420には、受取ロール410が受取り、受取ロール410から供給された複数の紙Pが積載される。また、積載部420は、積載板422と、突当部材424とを有する。
【0050】
積載板422は、突当部材424側の端部が突当部材424と逆側の端部よりも重力方向において下方に位置するように傾斜していて、重力方向における上側の面に複数の紙Pが積載される。また、突当部材424には、複数の紙Pの搬送方向における後端部が付き当てられる。そして、後端部が突当部材424に付き当てられることで、複数の紙Pが搬送方向において揃えられる。
【0051】
綴じ装置400は、揃装置426をさらに有する。揃装置426は、一対の揃え板428(
図2においては前側の揃え板428のみを図示)で複数の紙Pを挟み込むようにして、搬送方向と交わる方向において複数の紙Pを揃える。
【0052】
綴じ装置400は、押込装置430をさらに有する。押込装置430は、例えば3個の羽根部432を有し、矢印方向に回転をすることで、紙Pの後端部を突当部材424に突き当てるように紙Pを押し込む。
【0053】
綴じ装置400は、排出装置436をさらに有する。排出装置436は、一対のロールを有し、一対のロールが矢印方向に回転して、綴じられた後の複数の紙Pを後処理ユニット本体312外へと排出する。
【0054】
綴じ装置400は、加圧型綴じユニット500と、針使用型綴じユニット600とをさらに有する。加圧型綴じユニット500は、第1の綴じ手段の一例であって、綴じ部材を用いずに紙Pを綴じる綴じ手段の一例である。針使用型綴じユニット600は、第2の綴じ手段の一例であって、綴じ部材を用いて紙Pを綴じる綴じ手段の一例である。ここで、綴じ部材としては、例えば針670(
図4を参照)を用いることができる。加圧型綴じユニット500の詳細と、針使用型綴じユニット600との詳細は、後述する。
【0055】
綴じ装置400は、レール部材450(例えば
図6を参照)をさらに有する。レール部材450は、案内部の一例であって、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600双方の移動を案内する。尚、図示の便宜上、
図2においては、レール部材450の図示は省略されている。また、レール部材450の詳細は後述する。
【0056】
図3は、加圧型綴じユニット500の構成を説明する模式図である。
図3に示すように、加圧型綴じユニット500は、ユニット本体510を有し、ユニット本体510に対して上側歯型520が移動をすることができるように装着されている。上側歯型520には、複数の歯522が形成されている。また、上側歯型520は、複数の歯522が後述する下側歯型530の側を向くように、下側歯型530よりも上側に配置されている。
【0057】
加圧型綴じユニット500は、下側歯型530をさらに有する。下側歯型530は、ユニット本体510に対して移動することができるように装着されていて、複数の歯532が形成されている。また、下側歯型530は、複数の歯532が上側歯型520の側を向くように、上側歯型520よりも下側に配置されている。また、下側歯型530は、上側歯型520との間に紙Pを挟み込む挟込領域Aを形成する。
【0058】
加圧型綴じユニット500は、綴じ用駆動機構540をさらに有する。綴じ用駆動機構540は、綴じ用駆動源542からの駆動を上側歯型520及び下側歯型530に伝達し、上側歯型520と下側歯型530とを互いに接近する方向に移動させるとともに、互いに離れる方向に移動させる。
【0059】
以上のように構成された加圧型綴じユニット500においては、挟込領域A内で上側歯型520と下側歯型530とが紙Pの束を挟み込み、上側歯型520と下側歯型530とが紙Pの束を加圧する。そして、上側歯型520と下側歯型530とに加圧されることによって、紙Pの束の中の互いに隣り合う紙Pが互いに付着し、紙Pの束が一纏めに綴じられる。
【0060】
加圧型綴じユニット500は、移動用駆動機構550をさらに有する。移動用駆動機構550は、移動用駆動源552からの駆動をギア部材554に伝達し、ギア部材554を回転させる。ギア部材554は、その歯列が、レール部材450に形成された歯列462(
図7を参照)に噛み合っている。
【0061】
図4は、針使用型綴じユニット600の構成を説明する模式図である。
図4に示すように、針使用型綴じユニット600は、ユニット本体610を有し、ユニット本体610に対して移動をすることができるように上側移動部620が装着されている。上側移動部620には、開閉部622が装着されていて、開閉部622を開くことによって形成される開口部624を介して、上側移動部620内に針670を補給することができるようになっている。また、上側移動部620は、例えば、開閉部622を開く等することによって、開閉部622側から針670の残量を確認することができるようになっている。
【0062】
針使用型綴じユニット600は、下側移動部630をさらに有する。下側移動部630は、ユニット本体610に対して移動することができるように装着されている。また、下側移動部630は、上側移動部620との間に、紙Pの束を挟み込む挟込領域Bを形成する。
【0063】
針使用型綴じユニット600は、綴じ用駆動機構640をさらに有する。綴じ用駆動機構640は、綴じ用駆動源642からの駆動を上側移動部620と下側移動部630とに伝達し、上側歯型520及び下側歯型530を互いに接近する方向に移動させる。
【0064】
以上のように構成された針使用型綴じユニット600においては、挟込領域B内で上側移動部620と下側移動部630とが紙Pの束を挟み込み、紙Pを挟み込む際に、針670を用いて紙Pの束を一纏めに綴じる。
【0065】
針使用型綴じユニット600は、移動用駆動機構650をさらに有する。移動用駆動機構650は、移動用駆動源652からの駆動をギア部材654に伝達し、ギア部材654を回転させる。ギア部材654は、その歯列が、レール部材450に形成された歯列464(
図7を参照)に噛み合っている。
【0066】
以上のように構成された画像形成装置10においては、加圧型綴じユニット500を用いて複数の紙Pを綴じることもできるし、針使用型綴じユニット600を用いて複数の紙Pを綴じることもできる。また、画像形成装置10においては、針使用型綴じユニット600を加圧型綴じユニット500よりも優先して用いるモード(以下、針使用型優先モードとする)と、加圧型綴じユニット500を針使用型綴じユニット600よりも優先して用いるモード(以下、加圧型優先モードとする)と、針使用型綴じユニット600は使用せずに、専ら加圧型綴じユニット500を用いるモード(以下、加圧型専用モードとする)のいずれかのモードを、例えば操作者が設定できるようになっている。さらには、画像形成装置10においては、当初の設定は、針使用型優先モードとなっていて、例えば操作者の操作等よって、針使用型優先モードから加圧型優先モードへの変更や、加圧型専用モードへの変更ができるようになっている。
【0067】
図5には、操作パネル150に表示される操作画面の一つであるモード選択画面152が示されている。
図5に示すように、モード選択画面152には、例えば「針使用型優先モードに設定されています」等の現在のモードを選択する表示がなされている。また、モード選択画面152には、例えば「加圧型優先モードに変更する」、「加圧型専用モードに変更する」等のモード変更時に操作されるモード変更ボタン152a、152bが表示されている。
【0068】
図6は、綴じ装置400の構成の一部を、
図2に示す矢印A-A側から示す図でる。
図6に示すように、綴じ装置400は、レール部材450を有する。レール部材450は、案内部の一例であって、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600との双方の移動を案内する。また、レール部材450は、第1案内部452と、第1案内部452から右側(
図5における上側)に分岐した第2案内部454とを有する。
【0069】
レール部材450は、加圧型綴じユニット500の移動を、
図6に示す位置P1、位置P5、位置P4、位置P2間で案内する。また、レール部材450は、針使用型綴じユニット600の移動を、
図5に示す位置P1、位置P5、位置P4、位置P3間で案内する。
【0070】
位置P4は、加圧型綴じユニット500又は針使用型綴じユニット600が、紙Pが揃え終わることを待機する待機位置の一例である。このため、以下の説明において、位置P4を待機位置P4と称する。また、位置P5は、加圧型綴じユニット500又は針使用型綴じユニット600が紙Pの束を綴じる綴じ位置の一例である。このため、以下、位置P5を綴じ位置P5と称する。尚、位置P1、位置P2及び位置P3の詳細は後述する。
【0071】
以上のように構成された綴じ装置400においては、加圧型綴じユニット500は、待機位置P4で待機した後に綴じ位置P5に移動して、綴じ位置P5で紙Pに束を綴じる。また、同様に、針使用型綴じユニット600は、待機位置P4で待機した後に綴じ位置P5に移動して、綴じ位置P5で紙Pに束を綴じる。
【0072】
ここで、位置P1に加圧型綴じユニット500が配置されている場合に、針使用型綴じユニット600を綴じ位置P5に配置しようとしても、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とが干渉してしまって、針使用型綴じユニット600を位置P5に配置することができない。このため、針使用型綴じユニット600で紙Pを綴じる際には、加圧型綴じユニット500が位置P1に配置されていないことを要し、加圧型綴じユニット500が位置P1に配置されている場合には、加圧型綴じユニット500を位置P1から他の位置へと退避させることを要する。
【0073】
同様に、位置P1に針使用型綴じユニット600が配置されている場合に、加圧型綴じユニット500を綴じ位置P5に配置しようとしても、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とが干渉してしまって、加圧型綴じユニット500を位置P5に配置することができない。このため、加圧型綴じユニット500で紙Pを綴じる際には、針使用型綴じユニット600が位置P1に配置されていないことを要し、針使用型綴じユニット600が位置P1に配置されている場合には、加圧型綴じユニット500を位置P1から他の位置へと退避させることを要する。
【0074】
図6に示すように、画像形成装置10は、開閉部316をさらに有する。開閉部316は、後処理ユニット本体312の前側(
図6における右側)の面に装着されている。そして、位置P1に針使用型綴じユニット600が配置されている場合に、開閉部316を開くことで、針使用型綴じユニット600が後処理ユニット本体312の外側から目視することができるようになり、針使用型綴じユニット600に針670を補充することができるようになり、針使用型綴じユニット600の針670の残量を確認することができるようになる。
【0075】
一方、例えば、位置P2等の位置P1以外の場所に針使用型綴じユニット600が配置されていると、針使用型綴じユニット600に針670を補充することも、針670の残量を確認することもできない。これは針使用型綴じユニット600が位置P2に配置されていないと、たとえ開閉部316を開いても針使用型綴じユニット600への視線が遮られ、針670を交換するために空間が確保できないためである。
【0076】
図7は、レール部材450の
図6に示す領域C部分を拡大して示す図である。
図7に示すように、レール部材450には、一方の側に歯列462が形成されていて、歯列462に、加圧型綴じユニット500のギア部材554が噛み合っている。そして、ギア部材554が、矢印a1方向に回転することで、加圧型綴じユニット500が矢印b1方向に移動する。また、ギア部材554が矢印a2方向に回転することで、加圧型綴じユニット500が矢印b2方向に移動する。
【0077】
また、レール部材450には、他方の側に歯列464が形成されていて、歯列464に、針使用型綴じユニット600のギア部材654が噛み合っている。そして、ギア部材654が矢印c1方向に回転することで、針使用型綴じユニット600は、矢印d1方向に移動する。また、ギア部材654が矢印c2方向に回転することで、針使用型綴じユニット600は矢印d2方向に移動する。
【0078】
図8は、画像形成装置10の制御部800を示すブロック図である。
図8に示すように、制御部800は、制御回路810を有し、制御回路810に通信インターフェイス812を介して画像データが入力される。また、制御回路810には、操作パネル150からの出力が入力される。また、制御回路810からの出力に基づいて、画像形成部120と、加圧型綴じユニット500と、針使用型綴じユニット600と、揃装置426とが制御される。
【0079】
図9は、画像形成装置10における綴じ装置400のモード選択を説明するフローチャートである。尚、先述のように、画像形成装置10においては、針使用型優先モードが初期のモードとされている。すなわち、加圧型綴じユニット500よりも針使用型綴じユニット600を優先して用いるモードが初期のモードとされている。
【0080】
図9に示すように、最初のステップであるステップS10では、制御回路810は、加圧型優先モードへの変更が指示されたか否かを判別する。すなわち、制御回路810は、モード選択画面152のモード変更ボタン152aが、予め定められた時間内に押されたか否かを判別する。そして、加圧型優先モードへの変更が指示されたとの判別がなされた場合はステップS20に進み、加圧型優先モードへの変更が指示されなかったとの判別がなされた場合は、ステップS30に進む。
【0081】
ステップS20では、制御回路810は、綴じ装置400の動作モードを加圧型優先モードへと切り替え制御を終了させる。
【0082】
ステップS30では、制御回路810は、加圧専用モードへの変更が指示なされたか否かを判別する。すなわち、制御回路810は、モード選択画面152のモード変更ボタン152bが、予め定められた時間内に押されたか否かを判別する。そして、加圧型専用モードへの変更が指示されたとの判別がなされた場合はステップS40に進み、加圧型専用モードへの変更が指示されなかったとの判別がなされた場合は、制御を終了させる。
【0083】
ステップS40では、制御回路810は、綴じ装置400の動作モードを加圧専用モードへと切り替え、続いて制御を終了せる。
【0084】
次に、上述の針使用型優先モードについて説明する。
図10は、針使用型優先モードでの動作開始前における加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600との配置を説明する図である。この針使用型優先モードにおいては、位置P1は第1の開始位置の一例であり、位置P2は第2の開始位置の一例である。このため、以下の針使用型優先モードの説明においては、位置P1を第1の開始位置P1と称し、位置P2を第2の開始位置P2と称する。また、この針使用型優先モードにおいては、位置P3は、退避位置の一例である。このため、以下の針使用型優先モードの説明においては、位置P3を退避位置P3と称する。
【0085】
図10に示すように、綴じ装置400においては、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600のいずれかが、第1の開始位置P1から待機位置P4へと移動をするために要する道のりL1が、第2の開始位置P2から待機位置P4へと圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600のいずれかが移動をするために要する道のりL2よりも短くなっている。
【0086】
また、加圧型綴じユニット500の移動速度と、針使用型綴じユニット600の移動速度とは同じであり、一定である。このため、綴じ装置400においては、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600のいずれかが開始位置P1から待機位置P4へと移動をするために要する時間が、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600のいずれかが開始位置P2から待機位置P4へと移動をするために要する時間よりも短くなっている。
【0087】
そして、この針使用型優先モードにおいては、
図10に示すように、加圧型綴じユニット500よりも優先して用いられる針使用型綴じユニット600が、操作開始前において第1の開始位置P1に配置されていて、加圧型綴じユニット500が第2の開始位置P2に配置されている。
【0088】
図11は、針使用型優先モードでの綴じ装置400の動作を説明する第1のフローチャートである。
図11に示すように、一連の制御を開始すると、制御回路810は、ステップS100において、加圧型綴じユニット500を用いて紙Pの束を綴じる指示があるか否かを判別する。より具体的には、制御回路810は、予め定められた時間以内に、綴じユニット切替画面(不図示、操作パネル150に表示される)を用いた加圧型綴じユニット500を指定する操作がなされるか否かを判別する。
【0089】
そして、ステップS100で、加圧型綴じユニット500を指定する操作がなされた場合はステップS200に進み、加圧型綴じユニット500を指定する操作がなされかった場合には、ステップS300に進む。
【0090】
ステップS200においては、制御回路810は、綴じ装置400を制御して、綴じ装置400に加圧型綴じユニット500を用いて紙Pを綴じさせる。尚、制御回路810が、加圧型綴じユニット500を用いて紙を綴じさせる制御の詳細は後述する。ステップS200の次には、ステップS802に進む。
【0091】
ステップS300においては、制御回路810は、綴じ装置400を制御して、綴じ装置400に針使用型綴じユニット600を用いて紙を綴じさせる。内、制御回路810が、針使用型綴じユニット600を用いて紙を綴じさせる制御の詳細は後述する。
【0092】
ステップS802でジョブが終了したことを確認した後、最後のステップであるステップS804において、制御回路810は、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600の配置を針使用型優先モードでの操作開始前の配置とする。すなわち、加圧型綴じユニット500が第2開始位置P2に、針使用型綴じユニット600が第1の開始位置に配置されているかを判別し、上述のように配置されていないと判別した場合は、上述の配置となるように加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とを移動させる。
【0093】
図12は、ステップS300の制御(針使用型優先モードにおいて針使用型綴じユニット600を用いて紙Pを綴じさせる制御)を示すフローチャートであり、
図13は、ステップS200の制御(針使用型優先モードにおいて加圧型綴じユニット500を用いて紙Pを綴じる制御)を示すフローチャートである。
【0094】
図12に示すように、針使用型優先モードにおいて、針使用型綴じユニット600を用いて紙Pを綴じるには、ステップS302で、例えば、スタートボタン(不図示)が押される等の動作開始の指示を待って、ステップS304で、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御し、針使用型綴じユニット600を第1の開始位置から待機位置P4へと移動させ、紙Pの束が揃え終わるまで針使用型綴じユニット600を待機位置P4で待機させる。
【0095】
次のステップであるステップS304では、制御回路810は、揃装置426を制御し、揃装置426に積載部420に積載された紙Pの束を揃えさせる。
【0096】
次のステップであるステップS306では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御し、針使用型綴じユニット600を待機位置P4から綴じ位置P5へ移動させる。
【0097】
次のステップであるステップS308では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御し、針使用型綴じユニット600に用紙の束を綴じじさせる。
【0098】
次のステップであるステップS310では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御し、針使用型綴じユニット600を綴じ位置P5から待機位置P4へ移動させる。
【0099】
次のステップであるステップS312では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御し、針使用型綴じユニット600を第1の開始位置P1へと移動させて一連の制御を終了する。
【0100】
図13に示すように、針使用型優先モードにおいて、加圧型綴じユニット500を用いて紙Pを綴じるには、ステップS202で、例えば、スタートボタン(不図示)が押される等の動作開始の指示を待って、ステップS204において、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御して、針使用型綴じユニット600を第1の開始位置P1から退避位置P3へと移動させ、退避させる。このように針使用型綴じユニット600を退避位置P3へ退避させるため、加圧型綴じユニット500を綴じ位置P5へと移動させる際に、加圧型綴じユニット500及び加圧型綴じユニット500の移動の軌跡と、針使用型綴じユニット600とが干渉しなくなる。
【0101】
次のステップであるステップS206では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御し、加圧型綴じユニット500を第2の開始位置P2から待機位置P4へと移動させ、紙Pの束が揃え終わるまで加圧型綴じユニット500を待機位置P4で待機させる。
【0102】
次のステップであるステップS208では、制御回路810は、揃装置426を制御し、揃装置426に積載部420に積載された紙Pの束を揃えさせる。
【0103】
次のステップであるステップS210では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御して、加圧型綴じユニット500を待機位置P4から綴じ位置P5へ移動させる。この際、先述のように加圧型綴じユニット500が針使用型綴じユニット600と干渉することがない。
【0104】
次のステップであるステップS212では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御して、加圧型綴じユニット500に用紙の束を綴じさせる。
【0105】
次のステップであるステップS214では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御して、加圧型綴じユニット500を綴じ位置P5から待機位置P4へ移動させる。
【0106】
次のステップであるステップS216では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御して、加圧型綴じユニット500を待機位置P4から第2の開始位置P2へと移動させる。
【0107】
次のステップであるステップS218では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600の退避を解除するように、針使用型綴じユニット600を制御して、針使用型綴じユニット600を退避位置P3から第1の開始位置P1へと移動させて一連の制御を終了する。
【0108】
次に、上述の加圧型優先モードについて説明する。
図14は、加圧型優先モードでの動作開始前における加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600との配置を説明する図である。前述の針使用型優先モードでは、位置P1に針使用型綴じユニット600が配置され、位置P2に加圧型綴じユニット500が配置された状態から動作が開始された。これに対して、この加圧型優先モードにおいては、
図14に示すように、位置P1に加圧型綴じユニット500が配置され、位置P3に針使用型綴じユニット600が配置された状態で動作が開始される。
【0109】
この加圧型優先モードでは、位置P1が第1の開始位置の一例であり、位置P3が第2の開始位置の一例となっている。また、後述するように、位置P2は、退避位置の一例となっている。このため、以下の加圧型優先モードの説明においては、位置P1を第1の開始位置P1と称し、位置P3を第2の開始位置P3と称し、位置P2を退避位置P2と称する。また、針使用型優先モードと同様に、加圧型優先モードにおいても、位置P4は待機位置の一例であり、位置P5は綴じ位置の一例であるため、以下の加圧型優先モードの説明においても、位置P4を待機位置P4と称し、位置P5を綴じ位置P5と称して説明をする。
【0110】
図15は、加圧型優先モードで、綴じ装置400の動作を説明する第1のフローチャートである。
図15に示すように、一連の制御を開始すると、制御回路810は、ステップS400において、針使用型綴じユニット600を用いて紙Pの束を綴じる指示があるか否かを判別する。より具体的には、制御回路810は、予め定められた時間以内に、綴じユニット切り替え画面(不図示、操作パネル150に表示される)を用いた針使用型綴じユニット600を指定する操作がなされるか否かを判別する。
【0111】
そして、ステップS400で、針使用型綴じユニット600を指定する操作がなされた場合はステップS500に進み、針使用型綴じユニット600を指定する操作がなされかった場合には、ステップS600に進む。
【0112】
ステップS500においては、制御回路810は、綴じ装置400を制御して、針使用型綴じユニット600を用いて紙Pを綴じさせる。尚、制御回路810が、針使用型綴じユニット600を用いて紙を綴じさせる制御の詳細は後述する。ステップS500の次には、ステップS802に進む。
【0113】
ステップS600においては、制御回路810は、綴じ装置400を制御して、綴じ装置400に加圧型綴じユニット500を用いて紙を綴じさせる。内、制御回路810が、加圧型綴じユニット500を用いて紙を綴じさせる制御の詳細は後述する。
【0114】
ステップS802でジョブが終了したことを確認した後、最後のステップであるステップS806において、制御回路810は、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600の配置を加圧型優先モードでの操作開始前の配置とする。すなわち、針使用型綴じユニット600が第2開始位置P3に、加圧型綴じユニット500が第1の開始位置に配置されているかを判別し、上述のように配置されていないと判別した場合は、上述の配置となるように加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とを移動させる。
【0115】
図16は、ステップS600の制御(加圧型優先モードにおいて加圧型綴じユニット500を用いて紙Pを綴じさせる制御)を示すフローチャートであり、
図17は、ステップS500の制御(加圧型優先モードにおいて針使用型綴じユニット600を用いて紙Pを綴じる制御)を示すフローチャートである。
【0116】
図16に示すように、加圧型優先モードにおいて、加圧型綴じユニット500を用いて紙Pを綴じるには、ステップS602で、例えば、スタートボタン(不図示)が押される等の動作開始の指示を待って、ステップS604で、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御し、加圧型綴じユニット500を第1の開始位置P1から待機位置P4へと移動させ、紙Pの束が揃え終わるまで加圧型綴じユニット500を待機位置P4で待機させる。
【0117】
次のステップであるステップS604では、制御回路810は、揃装置426を制御し、積載部420に積載された紙Pの束を揃えさせる。
【0118】
次のステップであるステップS608では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御し、加圧型綴じユニット500を待機位置P4から綴じ位置P5へ移動させる。
【0119】
次のステップであるステップS610では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御し、加圧型綴じユニット500に紙Pの束を綴じさせる。
【0120】
次のステップであるステップS612では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御し、加圧型綴じユニット500を綴じ位置P5から待機位置P4へ移動させる。
【0121】
次のステップであるステップS614では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御し、加圧型綴じユニット500を第1の開始位置P1へと移動させて一連の制御を終了する。
【0122】
図17に示すように、加圧型優先モードにおいて、針使用型綴じユニット600を用いて紙Pを綴じるには、ステップS502で、例えば、スタートボタン(不図示)が押される等の動作開始の指示を待って、ステップS504において、制御回路810は、加圧型綴じユニット500を制御して、加圧型綴じユニット500を第1の開始位置P1から退避位置P2へと移動させ、退避させる。このように加圧型綴じユニット500を退避位置P2へ退避させるため、針使用型綴じユニット600を綴じ位置P5へと移動させる際に、針使用型綴じユニット600及び針使用型綴じユニット600の移動の軌跡と、加圧型綴じユニット500とが干渉しなくなる。
【0123】
次のステップであるステップS506では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御し、針使用型綴じユニット600を第2の開始位置P3から待機位置P4へと移動させ、紙Pの束が揃え終わるまで針使用型綴じユニット600を待機位置P4で待機させる。
【0124】
次のステップであるステップS508では、制御回路810は、揃装置426を制御し、揃装置426に積載部420に積載された紙Pの束を揃えさせる。
【0125】
次のステップであるステップS510では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御して、針使用型綴じユニット600を待機位置P4から綴じ位置P5へ移動させる。この際、先述のように針使用型綴じユニット600が、加圧型綴じユニット500と干渉することがない。
【0126】
次のステップであるステップS512では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御して、針使用型綴じユニット600に紙Pの束を綴じじさせる。
【0127】
次のステップであるステップS514では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御して、針使用型綴じユニット600を綴じ位置P5から待機位置P4へ移動させる。
【0128】
次のステップであるステップS516では、制御回路810は、針使用型綴じユニット600を制御して、針使用型綴じユニット600を待機位置P4から第2の開始位置P3へと移動させる。
【0129】
次のステップであるステップS518では、制御回路810は、加圧型綴じユニット500の退避を解除するように、加圧型綴じユニット500を制御して、加圧型綴じユニット500を退避位置P2から第1の開始位置P1へと移動させて一連の制御を終了する。
【0130】
以上で説明をした加圧型優先モードでは、動作開始前においては、針使用型綴じユニット600は、第2の開始位置P3に配置されていて、第1の開始位置P1には配置されていない。このため、開閉部316(
図6を参照)を開いて、針使用型綴じユニット600に針670を補給することができず、開閉部316を開いて、針使用型綴じユニット600の針670の残量を確認することができない。このため、画像形成装置10においては、針使用型綴じユニット600に針670を補給する際や、針使用型綴じユニット600の針670の残量を確認する際に、針使用型綴じユニット600の第2の開始位置P3から第1の開始位置P1への移動を指示することができるようになっている。
【0131】
図18には、操作パネル150に表示される操作画面の一つである針補給画面154が示されている。
図18に示すように、針補給画面154には、例えば「針の残量を確認する、針の補給をする」等の操作ボタン154aが表示されている。操作ボタン154aは、指示手段の一例であって、操作ボタン154aを操作することで、針使用型綴じユニット600の第2の開始位置P3から第1の開始位置P1への移動が指示される。
【0132】
そして、針使用型綴じユニット600の移動が指示されると、制御回路810は、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600と制御して、加圧型綴じユニット500を退避位置P2に退避させた後に、針使用型綴じユニット600を第2の開始位置P3から第1の開始位置P1へと移動させる。
【0133】
ここで、針補給画面154は、針使用型綴じユニット600が第1の開始位置P1以外の位置の配置されている場合にのみ表示可能であり、針使用型綴じユニット600が、第1の開始位置P1にあるときには表示されない。このため、操作ボタン154aにより針使用型綴じユニット600の移動の指示は、針使用型綴じユニット600が第1の開始位置以外の位置の配置されている場合にのみ可能であり、針使用型綴じユニット600が第1の開始位置にあるときの指示は禁止される。
【0134】
次に加圧型専用モードについて説明する。この加圧型専用モードにおいては、動作開始前に、位置P1に加圧型綴じユニット500が配置されていて、位置P2に針使用型綴じユニット600が配置されていて、位置P2から針使用型綴じユニット600は移動しない。また、位置P3は、使用されない。
【0135】
そして、加圧型綴じユニット500で紙Pを綴じる際には、加圧型綴じユニット500が、開始位置の一例である位置P1から待機位置の一例である位置P4へと移動し、位置P4で紙Pの束が揃えられるまで待機し、その後、綴じ位置の一例である位置P5まで移動して紙Pの束を綴じる。そして、紙Pを綴じた後に、一旦、位置P4へと移動した後に位置P1へと移動する。以上の加圧型綴じユニット500の動作は、制御回路810が、加圧型綴じユニット500を制御することにより実現される。
【0136】
図19は、画像形成装置10の変形例が有する綴じ装置400における加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600との配置を説明する図である。先述の実施形態の綴じ装置400では、位置P5が綴じ位置とされていて、位置P5で紙Pを綴じる加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の一方と干渉しないように、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の他方を位置P1から退避させていた。
【0137】
これに対して、この変形例では、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の一方が紙Pを綴じる位置が、位置P1に停止している加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の他方と干渉せず、位置P2に停止している加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の他方と干渉しない位置の制限されている。具体的には、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600が紙Pを綴じる位置が、
図19に示す範囲Rに制限されている。
【0138】
以上で説明をした画像形成装置10においては、第1の綴じ手段として綴じ部材(針670)を用いない加圧型綴じユニット500が用いられ、第2の綴じ手段として綴じ部材(針670)を用いる針使用型綴じユニット600をが用いられる場合を例として示したものの、第1の綴じ手段と第2の綴じ手段とを共に綴じ部材部材を用いるものとして、例えば用いる綴じ部材を互いに異なる種類としてもよい。
【0139】
また、以上で説明をした画像形成装置10においては、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とは、第1の開始位置及び第2の開始位置から待機位置P4へと移動した後に、待機位置P4から綴じ位置P5へと移動し、綴位置P5で紙を綴じるように制御されていたものの、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とを、待機位置P4を経ずに綴じ位置P5へと移動し、綴じ位置P5で紙を綴じるように制御されるようにしてもよい。
【0140】
この場合、綴じ装置400は、第1の開始位置及び第2の開始位置の一方に停止した状態から綴じ位置P5へ移動して紙を綴じる加圧型綴じユニット500と、
第1の開始位置及び第2の開始位置の他方に停止した状態から綴じ位置P5へ移動して紙を綴じる針使用型綴じユニット600と、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の他方よりも優先して用いられる一方を設定する制御回路810と、を有し、第1の開始位置は、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600のいずれかが綴じ位置P5へと移動するために要する時間が、第2の開始位置よりも短く、加圧型綴じユニット500及び針使用型綴じユニット600の他方よりも優先して用いられるように設定された一方は、動作開始前に第1の開始位置に配置されるように構成される。
【0141】
また、以上で説明をした画像形成装置10は、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とが、綴じ位置P5とは異なる他の綴じ位置(不図示)でも紙を綴じるように構成することができる。そして、このように構成された画像形成装置10においても、加圧型綴じユニット500と針使用型綴じユニット600とは、綴じ位置P5だけで紙を綴じるように構成されている場合と同じ位置に動作開始前に配置されることが望ましく、さらには、じ位置P5だけで紙を綴じるように構成されている場合と同じように移動するように制御されることが望ましい。
【符号の説明】
【0142】
10・・・画像形成装置
150・・・操作パネル
152・・・モード選択画面
154・・・針補給画面
316・・・開閉部
400・・・綴じ装置
450・・・レール部材
500・・・加圧型綴じユニット
600・・・針使用型綴じユニット
622・・・開閉部
670・・・針
810 制御回路
P1・・・第1の開始位置
P2・・・第2の開始位置、退避位置
P3・・・第2の開始位置、退避位置
P4・・・待機位置
P5・・・綴じ位置