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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/38 20060101AFI20220712BHJP
   B65D 5/32 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B65D5/38 C
B65D5/32 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018058164
(22)【出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2019167148
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2021-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 規行
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-043630(JP,U)
【文献】特開2006-273423(JP,A)
【文献】米国特許第04804137(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/32-5/38
B65D 25/34-25/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシート材と第2のシート材で形成され、箱型の状態と平坦な状態との間で変形可能な容器本体と、
前記箱型の状態の前記容器本体の少なくとも前記側面の一部を覆うことが可能な筒形状のスリーブとを含み、
前記容器本体は、
前記箱型の状態において、
上面、下面、および複数の側面を備え、
前記上面に開口が形成され、
前記側面からは、前記第1のシート材と前記第2のシート材外縁の全周にわたる周縁部においてそれぞれシールされて重なった状態で接続された接続部が延出し、
前記接続部は、端縁が前記下面側に向くように前記側面に沿わせることができ、
前記スリーブは、
前記側面を覆った状態において、前記下面側に向くように前記側面に沿った前記接続部と係合して、前記スリーブの前記上面側への移動を規制する規制部を備える、
包装容器。
【請求項2】
前記規制部は、前記スリーブの内周側において、下端から上方に向かって延出する板状部材である、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記規制部は、前記スリーブの周壁に周方向に延伸するように形成されたスリットである、請求項1に記載の包装容器。
【請求項4】
前記規制部は、前記スリーブの内周面から突出する凸部である、請求項1に記載の包装容器。
【請求項5】
前記スリーブは、前記側面を覆った際に、前記容器本体の前記上面の一部を覆うことができる頂部をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、紙を基材とするシート材を用いた容器本体のサイドシールに剥離可能なプルタブを設けて、プルタブが、易剥離性のテープ状フィルムによる剥離層を介して剥離可能に設けられている容器(液体包装用紙容器)が開示されている。この容器は、プルタブを引っ張ることによってサイドシール部を剥離して、あるいは側面板に設けたプルタブを引っ張ることによって側面板を切り破って、それをきっかけとして解体することができる。
【0003】
また、箱型の容器本体の側面を覆って容器本体の保護や意匠性の向上を図る、筒形状のスリーブ部材が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-290822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているような箱型の容器本体を上述のスリーブ部材で覆って用いることが検討されているが、特許文献1のような包装容器の場合、容器本体がスリーブから抜けることにより脱落するおそれがあった。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、容器本体がスリーブから脱落することを抑制できる包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一局面は、第1のシート材と第2のシート材で形成され、箱型の状態と平坦な状態との間で変形可能な容器本体と、箱型の状態の容器本体の少なくとも側面の一部を覆うことが可能な筒形状のスリーブとを含み、容器本体は、箱型の状態において、上面、下面、および複数の側面を備え、
上面に開口が形成され、側面からは、第1のシート材と第2のシート材外縁の全周にわたる周縁部においてそれぞれシールされて重なった状態で接続された接続部が延出し、接続部は、端縁が下面側に向くように側面に沿わせることができ、スリーブは、側面を覆った状態において、下面側に向くように側面に沿った接続部と係合して、スリーブの上面側への移動を規制する規制部を備える、包装容器。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、容器本体がスリーブから脱落することを抑制できる包装容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る包装容器の分解斜視図
図2】本発明の第1の実施形態に係る包装容器の部分断面図
図3】本発明の第1の実施形態に係る容器本体の平坦な状態における斜視図
図4】本発明の第1の実施形態に係る容器本体のブランクの平面図
図5】本発明の第1の実施形態に係る容器本体の変形方法を示す図
図6】本発明の第1の実施形態に係るスリーブのブランクの平面図
図7】本発明の第2の実施形態に係る包装容器の部分断面図
図8】本発明の第2の実施形態に係るスリーブのブランクの平面図
図9】本発明の第3の実施形態に係る包装容器の部分断面図
図10】本発明の第4の実施形態に係る包装容器の部分断面図
図11】本発明の第4の実施形態に係る容器本体のブランクの平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る包装容器について、図を参照して説明する。なお、各実施形態及び変形例において、同一または対応する構成には、同一の参照符号を付して適宜説明を省略する。また、以下の説明では、便宜上、包装容器を箱型の状態として正立させた状態での上下を上下方向と呼ぶ。
【0011】
<第1の実施形態>
(包装容器)
本発明の第1の実施形態に係る包装容器300は、容器本体100と、容器本体100の側面を覆うことが可能な筒形状のスリーブ200とにより構成される。図1に包装容器300の分解斜視図を示し、図2に、包装容器300を側面側から見た部分断面図を示す。なお、図1に示す容器本体100は、後述する箱型の状態にある。
【0012】
図1図2に示すように、容器本体100をスリーブ200の内周に挿入することにより、容器本体100の側面がスリーブ200により覆われる。詳細は後述するが、スリーブ200は、容器本体100の側面を覆った状態において上方(容器本体100の上面110側)への移動が規制される。
【0013】
(容器本体)
次に、図1から図4を参照して容器本体100について説明する。容器本体100は、シート材を所定の形状に裁断したブランクの端部を重ね合わせてシールすることにより形成された箱型の容器である。容器本体100は、一例として箱型の状態と平坦な状態との間で変形可能な容器である。
【0014】
図3に平坦な状態にある容器本体100の上面を上方にした斜視図を示す。また、図4に容器本体100のブランクの一例であるブランク100a、100bの平面図を示す。
【0015】
(箱型の状態)
図1に示すように、箱型の状態にある容器本体100は、開口111が形成された上面110と、下面130と、複数の側面120とにより空隙(収容空間)が形成される。側面120からは、シート材が重なった状態で接続された接続部であるサイドシール部140および折り返し片150が延出し、側面120に沿って折り返すことが可能なように設けられている。サイドシール部140は、端縁が下面130側に向いた状態で側面120に沿わせることができる。容器本体100では、一例として正六角形の上面110および下面130と、上面110および下面130の各辺から延出する6枚の側面120とを含む。なお、図示しないが、開口111にはキャップ等を装着できるスパウトを取り付けてもよい。
【0016】
(平坦な状態)
図3に示すように、平坦な状態にある容器本体100は、互いに重なる第1の部分170aと第2の部分170bとにより構成される。図4に示すように、容器本体100を形成するためのブランクは、第1の部分170aに対応するブランク100aと、第2の部分170bに対応するブランク100bとにより構成される。
【0017】
第1の部分170aは、上面110と、上面110の各辺から延出する複数の上側等脚台形面120aと、隣接する各上側等脚台形面120aの間に形成された複数の上側折り返し面150aと、上側等脚台形面120aおよび上側折り返し面150aの上面110と反対側の端縁に沿って、第1の部分170aの外縁の全周にわたる周縁部を構成する上側シール代140aとを含む。
【0018】
第2の部分170bは、下面130と、下面130の各辺から延出する複数の下側等脚台形面120bと、隣接する各下側等脚台形面120bの間に形成された複数の下側折り返し面150bと、下側等脚台形面120bおよび下側折り返し面150bの下面130と反対側の端縁に沿って、第2の部分170bの外縁の全周にわたる周縁部を構成する下側シール代140bとを含む。
【0019】
上面110および下面130は凸多角形状の面である。包装容器100では一例として、上面110と下面130とは合同な正六角形状に形成されている。上面110と下面130とは、一例として面積が異なる互いに相似な形状であってもよい。上面110および下面130の形状は、凸多角形状であれば限定されない。上面110および下面130の形状は、実施形態として示した正六角形以外にも、箱型状態での積載効率、ブランク等の部材の取り都合等の観点から矩形状も有用である。上面110には、開口111が形成されている。
【0020】
複数の上側等脚台形面120aおよび複数の下側等脚台形面120bは、箱型の状態にある容器本体100の側面120を構成する面である。容器本体100では、一例として上側等脚台形面120aおよび下側等脚台形面120bは矩形状であるが、後述する実施形態のように上側等脚台形面120aおよび下側等脚台形面120bが、矩形ではない等脚台形状であってもよい。
【0021】
上側折り返し面150aおよび下側折り返し面150bは、箱型の状態にある容器本体100の折り返し片150を構成する面であり、後述する変形の過程において折り畳まれる面である。
【0022】
上側折り返し面150aおよび下側折り返し面150bは、変形の過程における折り畳みを容易にするために、図4に点線で示すように、上面110および下面130の各頂点から、第1の部分170aおよび第2の部分170bの周縁部に向かって延出する折り返し罫線151を備えてもよい。
【0023】
上側シール代140aおよび下側シール代140bは、第1の部分170aと第2の部分170bとを周縁部において接続するために設けられる帯状の面である。第1の部分170aと第2の部分170bとを接続する際には、第1の部分170aと第2の部分170bとを互いに重ね合せて、上側シール代140aと下側シール代140bとが対向する面を互いにシール、接着等して接続部であるサイドシール部140を形成する。上側シール代140aおよび下側シール代140bの形状は、重ね合せてサイドシール部140を形成するために、互いに重なる分のシール代があればよく、任意に設定できる。
【0024】
サイドシール部140の幅、すなわち上側シール代140aおよび下側シール代140bの幅は、第1の部分170aと第2の部分170bとを接続することができれば一定であってもよいし、一定でなくてもよく、端縁は直線状でなくてもよい。
【0025】
上側シール代140aおよび下側シール代140bをシールする領域は、例えば図4にハッチングを付して示すように、所定幅の帯状領域とすることができる。このようにして形成された容器本体100は、開口111を除いて密閉性を有している。
【0026】
ブランク100a、100bは、例えばシート材を所定形状に裁断し、図4に細線および点線で示すように罫線を設けることにより各面を構成する領域を区画して形成することができる。
【0027】
ブランク100a、100bに用いるシート材としては、特に限定されないが、例えば紙製の基材層に、熱可塑性樹脂層やシーラント層を積層した積層フィルムを好適に用いることができる。これ以外にも、必要な機能に応じて、バリア層や機能性フィルム等を適宜追加してもよい。
【0028】
(変形方法)
次に、平坦な状態にある包装容器を箱型の状態へ変形させる方法の一例を、容器本体100を用いて説明する。図5の(a)から図5の(d)に、容器本体100の変形方法の一例を説明する図を示す。
【0029】
初めに、図5の(a)に示すように、平坦な状態にある容器本体100の第1の部分170aおよび第2の部分170bを周縁部において(詳細には、サイドシール部140と上側等脚台形面120aおよび下側等脚台形面120bとの間の罫線に沿って)折り曲げて、第1の部分170aと第2の部分170bとを引き離す。これにより、第1の部分170aと第2の部分170bとの間に空隙を形成するとともに、上面110と、下面130と、側面120とを形成する。同時に、上側折り返し面150aおよび下側折り返し面150bのそれぞれは隣接する上側等脚台形面120aと下側等脚台形面120bと共有する辺どうしが近づく。これにより、上側折り返し面150aおよび下側折り返し面150bは、折り返し罫線151が空隙の外方へ向かうように折り畳まれて、折り返し片150となる。
【0030】
次に、図5の(b)に示すように、サイドシール部140を、端縁を下面130に向けて側面120に沿わせる。
【0031】
次に、図5の(c)に示すように、折り返し片150を側面120の外周面に沿わせる。折り返し片150を沿わせる方向は限定されず、図5の(c)に示すように、複数の折り返し片150を側面120の周方向に沿って同一の方向へ向かって沿わせてもよいし、それぞれの折り返し片150を異なる方向へ沿わせてよい。
【0032】
この際、折り返し片150を、側面120の表面へ貼り付けてもよい。折り返し片150を側面120へ貼り付ける方法としては、例えば、ヒートシール、ホットメルト接着剤等を用いる方法がある。また、面ファスナー、スナップボタン等の着脱可能な接合部材によって貼り付けることで、箱型の状態から平坦な状態へ変形させた容器本体100を再び箱型の状態として使用することができるため、平坦な状態にした容器本体100の再使用が可能となる。
【0033】
以上の手順により、図5の(d)に示すように、平坦な状態であった容器本体100を箱型の状態へ変形させることができる。
【0034】
箱型の状態の容器本体100は、上述と反対の手順により平坦な状態にすることができる。
【0035】
具体的には、初めに、箱型の状態の容器本体100の折り返し片150を側面120から離脱させる。
【0036】
次に、周縁部において(詳細には、サイドシール部140と側面120との間の罫線に沿って)第1の部分170aと第2の部分170bとを伸展させる。
【0037】
次に、第1の部分170aと第2の部分170bとの間の空隙を解消し、第1の部分170aと第2の部分170bとを互いに重ねることにより、容器本体100を平坦な状態に変形することができる。
【0038】
(スリーブ)
次に、図1図2、および図6を参照してスリーブ200について説明する。スリーブ200は、周壁210と、係合片220とを含んで構成される。図6にスリーブ200のブランクの一例であるブランク200aの平面図を示す。
【0039】
周壁210は、容器本体100の側面120を覆うことができるように、側面120に対応する形状の複数の面が周方向に連接されて形成されている。スリーブ200では、側面120の形状に対応する矩形状の面が6枚、周方向に連接されて周壁210が形成されている。
【0040】
係合片220は、容器本体100の側面を覆った状態において、スリーブ200の上方への移動を規制する板状部材である。図1図2に示すように、スリーブ200が容器本体100の側面を覆った状態において、係合片220は、スリーブ200の内周側へ、周壁210の下端から上方に向くように折り曲げられている。
【0041】
スリーブ200のブランク200aは、一例としてシート材を所定形状に裁断し、図6に細線で示すように罫線を設けることにより複数の領域を区画して形成することができる。
【0042】
図6に示すように、ブランク200aは、周壁210と、係合片220と、シール代230とを備える。
【0043】
係合片220は、図6に示すように、周壁210を構成する複数の面のそれぞれに、複数の面どうしが連接する辺と隣接する辺から延出するように設けられている。スリーブ200では、一例として6枚の係合片220が設けられ、各係合片220は、周壁210を構成する各矩形状の面の下端から延出している。なお、係合片220の数は、1枚以上であれば限定されないが、スリーブ200の移動を確実に規制するためには2枚以上であることが好ましい。
【0044】
スリーブ200は、一例として周壁210の一端に形成されたシール代230を周壁210の他端側にシール、接着等により接続して周壁210を筒形状に形成し、係合片220を端縁が周壁210の内周側において上方に向かうように折り返すことにより形成される。
【0045】
スリーブ200に用いるシート材は、特に限定されないが、例えば紙や紙製の基材層に、熱可塑性樹脂層やシーラント層を積層した積層フィルムを好適に用いることができる。これ以外にも、必要な機能に応じて、バリア層や機能性フィルム等を適宜追加してもよい。また、プラスチックや金属等を用いてもよい。
【0046】
(移動の規制について)
容器本体100の側面120をスリーブ200で覆うことにより、図2に示すように、下面130側に向くように側面120に沿ったサイドシール部140と、上方に向いた係合片220とが係合する。これにより、スリーブ200の容器本体100の上方への移動が規制される。この結果、包装容器300の外周面(すなわち、スリーブ200の外周面)を掴んだ際等に、容器本体100がスリーブ200の下方から抜けて脱落することを抑制できる。サイドシール部140と係合片220とは、図2に示すように、端縁どうしが当接するように係合してもよいし、サイドシール部140および係合片220の面等の他の部分が当接して係合してもよく、スリーブ200の移動が規制できれば係合の場所は限定されない。
【0047】
スリーブ200により容器本体100を覆う際は、例えばスリーブ200の下端側から容器本体100を挿入する。これにより、スリーブ200の係合片220は、上方に向かうように折り返されて、周壁210に向かってなでつけられる。そして、容器本体100を係合片220の端縁がサイドシール部140の端縁を乗り越えるまで挿入することで、図2に示すように、サイドシール部140とスリーブ200の係合片220とを係合させることができる。
【0048】
<第2の実施形態>
図7に第2の実施形態に係る包装容器301を側面側から見た部分断面図を示し、図8に包装容器301に用いられるスリーブ201のブランクの一例であるブランク201aの平面図を示す。包装容器300と包装容器301との相違点は、スリーブ201の形状である。具体的には、スリーブ201は、周壁210と、容器本体100の上方への移動を規制する規制部であるスリット240とを含んで構成される。
【0049】
図7図8に示すように、スリット240は、スリーブ201の周壁210を構成する複数の面のそれぞれに周方向に延伸するように形成されている。そして、図7に示すように、包装容器301では、スリーブ201が容器本体100の側面を覆った状態において、サイドシール部140がスリット240と係合する。これにより、スリーブ201の容器本体100の上方への移動が規制されて、容器本体100がスリーブ201の下方へ脱落することが抑制される。サイドシール部140とスリット240とは、図7に示すように、端縁どうしが当接するように係合してもよいし、サイドシール部140およびスリット240の面等の他の部分が当接して係合してもよく、スリーブ201の移動が規制できれば係合の場所は限定されない。
【0050】
<第3の実施形態>
図9に第3の実施形態に係る包装容器302を側面側から見た部分断面図を示す。包装容器300と包装容器302との相違点は、スリーブの形状である。具体的には、包装容器302に用いられるスリーブ202は、周壁210と、スリーブ202の容器本体100の上方への移動を規制する規制部である凸部250と、頂部260とを含んで構成される。なお、スリーブ202の材料には、凸部250の形成のし易さからプラスチックや金属等を好適に用いることができる。
【0051】
凸部250は、図9に示すように、スリーブ202の周壁210内周面から突出し、スリーブ202が容器本体100の側面を覆った状態において、サイドシール部140と係合するように形成されている。
【0052】
頂部260は、スリーブ202が容器本体100の側面を覆った状態において、容器本体100の上面110の一部を覆うために、周壁210の上端からスリーブ202の内方に向かって延出する板状の部材である。
【0053】
図9に示すように、包装容器302では、スリーブ202が容器本体100の側面を覆った状態において、サイドシール部140が凸部250と係合する。これにより、スリーブ202の容器本体100の上方への移動が規制されて、容器本体100がスリーブ202の下方から脱落することが抑制される。また、頂部260が容器本体100の上面110の一部を覆うことにより、容器本体100がスリーブ202の上方から脱落することも抑制することができる。なお、包装容器302において、スリーブ202は、頂部260を備えなくてもよい。サイドシール部140と凸部250とは、図9に示すように、端縁どうしが当接するように係合してもよいし、サイドシール部140および凸部250の面等の他の部分が当接して係合してもよく、スリーブ202の移動が規制できれば係合の場所は限定されない。
【0054】
<第4の実施形態>
図10に第4の実施形態に係る包装容器303の断面図を示す。包装容器302と包装容器303との相違点は、容器本体およびスリーブの形状である。具体的には、包装容器303に用いられる容器本体101は、側面121が上面110から下面130に向かって拡がる順テーパー形状に形成されている。また、包装容器303に用いられるスリーブ203は、周壁211と、凸部250と、頂部260とを含んで構成される。図10に示すように、周壁211は、容器本体101の側面121の形状に合わせて、上方から下方に向かって拡がる順テーパー形状に形成されている。このように、容器本体101およびスリーブ203を順テーパー形状とすることで、意匠性の高い包装容器303を提供することができる。
【0055】
側面121が順テーパー形状に形成されている容器本体101の上側等脚台形面121aおよび下側等脚台形面121bは、矩形ではない等脚台形面状である。図11に容器本体101のブランクの一例であるブランク101a、101bの平面図を示す。
【0056】
図11に示すように、ブランク101a、101bでは、上面110および下面130は正六角形状であり、上面110は下面130よりも小さい面積に形成されている。また、容器本体101の上側等脚台形面121aの上側シール代140a側の辺と、下側等脚台形面121bの下側シール代140b側の辺とは同じ長さに形成されている。そして、上側等脚台形面121aは、上面110側の辺の長さが上側シール代140a側の辺の長さよりも短い等脚台形状である。また、下側等脚台形面121bは、下側シール代140b側の辺の長さが下面130側の辺の長さよりも短い等脚台形状である。
【0057】
図10に示すように、包装容器303でも、包装容器302と同様に、スリーブ203が容器本体101の側面を覆った状態において、サイドシール部140が凸部250と係合し、頂部260が容器本体101の上面110の一部を覆う。これにより、スリーブ203の容器本体101の上方および下方への移動が規制されて、容器本体101がスリーブ203の上方および下方から脱落することが抑制される。なお、スリーブ203は、頂部260を備えなくてもよい。サイドシール部140と凸部250とは、図10に示すように、端縁どうしが当接するように係合してもよいし、サイドシール部140および凸部250の面等の他の部分が当接して係合してもよく、スリーブ203の移動が規制できれば係合の場所は限定されない。
【0058】
<変形例>
第1の実施形態および第4の実施形態では、第1の部分170aおよび第2の部分170bに対応する2組のブランク100a、100b、およびブランク101a、101bを用いて容器本体を形成する例を示したが、これらのブランクを一体に形成してもよい。具体的には、例えば第1の部分170aおよび第2の部分170bに対応するブランクの周縁部の一部を連接して接続部としたブランクとすることができる。
【0059】
一体的に形成されたブランクを用いて容器本体を形成する場合には、例えば接続部でブランクを折り返すことにより、第1の部分170aと第2の部分170bとを重ね、その後、上側シール代140aおよび下側シール代140bをシールする。このようにブランクを一体に形成することで、例えばシート材を打ち抜いてブランクを形成する場合に、1枚のシート材から多くのブランクを打ち抜くことができるため、低コストで容器本体およびこれを用いた包装容器を製造することができる。
【0060】
本発明の実施の態様は、容器本体がスリーブから脱落することを抑制できる包装容器であれば、以上の実施形態および各変形例に限定されず、各特徴を適宜組み合わせて実施してもよく、例えば、第1の実施形態に係るスリーブ200および第2の実施形態に係るスリーブ201に頂部260を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、容器本体と、容器本体の側面を覆うことが可能な筒形状のスリーブとを含む包装容器に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
100、101 容器本体
100a、100b、101a、101b ブランク
110 上面
111 開口
120 側面
120a、121a 上側等脚台形面
120b、121b 下側等脚台形面
130 下面
140 サイドシール部
140a 上側シール代
140b 下側シール代
150 折り返し片
150a 上側折り返し面
150b 下側折り返し面
151 折り返し罫線
170a 第1の部分
170b 第2の部分
200、201、202、203 スリーブ
210 周壁
220 係合片
230 シール代
240 スリット
250 凸部
260 頂部
300、301、302、303 包装容器
図1
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