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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】給電装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/135 20200101AFI20220712BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220712BHJP
【FI】
H05B47/135
F21V23/00 150
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018097817
(22)【出願日】2018-05-22
(65)【公開番号】P2019204629
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永山 芳郎
(72)【発明者】
【氏名】濱島 由彦
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-158840(JP,A)
【文献】特開2001-024226(JP,A)
【文献】特開2018-049763(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0225517(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 47/00
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が実装された基板と、
前記発光素子を駆動させるドライバと、
前記基板と前記ドライバとの間に介在され、前記ドライバからの駆動用の電力を前記基板に伝達する電力伝達部と、
を備え、
前記電力伝達部は、前記ドライバからの通電により抵抗値を検出可能に前記ドライバに接続され、前記発光素子のランクに応じた所定の抵抗値を有するランク識別抵抗体と、
前記基板を保持し、かつ、前記基板に前記電力の伝達を行う給電ホルダと、を備え
前記ランク識別抵抗体は、前記給電ホルダに設けられている給電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の給電装置において、
前記給電ホルダは、前記発光素子と前記ドライバの駆動電力出力部とに接続される第1フレームと、前記発光素子と前記ドライバの接地側とに接続される第2フレームと、前記ドライバのランク識別部に接続される第3フレームとを有するリードフレームを備え、
前記ランク識別抵抗体を介して前記第2フレームと前記第3フレームとが接続されている給電装置。
【請求項3】
請求項2に記載の給電装置において、
前記第2フレームと前記第3フレームとは、それぞれ、前記ランク識別抵抗体を圧接可能な圧接部を備える給電装置。
【請求項4】
発光素子が実装された基板と、
前記発光素子を駆動させるドライバと、
前記基板と前記ドライバとの間に介在され、前記ドライバからの駆動用の電力を前記基板に伝達する電力伝達部と、
を備え、
前記電力伝達部は、前記ドライバからの通電により抵抗値を検出可能に前記ドライバに接続され、前記発光素子のランクに応じた所定の抵抗値を有するランク識別抵抗体と、
前記基板を保持し、かつ、前記基板に前記電力の伝達を行う給電ホルダと、前記ドライバに接続されたドライバ側ハーネスと、の間に介在される中継コネクタと、を備え、
前記ランク識別抵抗体は、前記中継コネクタに設けられている給電装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の給電装置において、
抵抗値が異なる複数の前記ランク識別抵抗体が並設され、
前記複数の前記ランク識別抵抗体のうちの1つを前記ドライバからの通電により抵抗値を検出可能に前記ドライバに接続するよう切替可能な接続切替部を備える給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード素子や有機EL素子などの発光素子は、その輝度特性に応じて光束ランクでランク分けされている。
そして、従来、発光素子のランクが異なっていても所望の輝度で発光させることができる発光素子駆動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この発光素子駆動装置は、基板に発光素子のランクに応じた抵抗値を有したランク識別抵抗体が発光素子と並列に実装されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-225208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、発光素子が実装された基板にランク識別抵抗体を実装する必要があり、基板の大型化および高コスト化を招いていた。
【0005】
本発明は、上記問題に着目して成されたもので、発光素子のランクの識別を低コストで実施可能な給電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、本開示の給電装置は、
発光素子が実装された基板と前記発光素子を駆動させるドライバとの間に介在され、前記ドライバからの駆動用の電力を前記基板に伝達する電力伝達部を備え、
前記電力伝達部は、前記発光素子と並列に前記ドライバに接続され、前記発光素子のランクに応じた所定の抵抗値を有するランク識別抵抗体を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の給電装置では、基板にランク識別抵抗体を実装する必要が無くなり、基板の小型化および低コスト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1の要部である給電装置の給電ホルダ10およびドライバ側ハーネス50の正面図である。
図2】前記給電ホルダ10に設けられたリードフレーム60の正面図である。
図3】前記給電ホルダの抵抗器収容部12を示す側面図である。
図4】実施の形態1の給電装置の回路図である。
図5】実施の形態2の給電装置の主要部を示す側面図である。
図6】実施の形態2の給電装置の回路図である。
図7】実施の形態3の給電装置の回路図である。
図8A】実施の形態3の給電装置の要部である中継コネクタ320およびドライバ側ハーネス50を示す側面図である。
図8B】実施の形態3の給電装置の要部である中継コネクタ320を示す平面図である。
図8C】実施の形態3の給電装置の要部である抵抗値切替器300を示す断面図である。
図8D】実施の形態3の給電装置の要部である抵抗値切替器300のスイッチ基板333を示す平面図である。
図9】実施の形態4の給電装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1の給電装置は、図1に示す給電ホルダ10を備える。なお、図1は、実施の形態1の要部である給電装置の給電ホルダ10およびドライバ側ハーネス50の正面図である。
【0010】
この給電ホルダ10は、例えば、前照灯などの車両用灯具に用いられるもので、不図示のヒートシンクに取り付けられる。
なお、車両用灯具は、光源として発光素子20を備え、さらに、この発光素子20の光を拡散し照射させるためのリフレクタ(不図示)、投影レンズ(不図示)などを備える周知のものである。また、本実施の形態1では、発光素子20として、マルチチップLED(light emitting diode)が用いられている(図4参照)。
【0011】
給電ホルダ10は、前述の発光素子20が実装された基板30を保持し、発光素子20を駆動させるLEDドライバ40(図4参照)に接続されたドライバ側ハーネス50から供給される駆動用の電力を、基板30に伝達する。そこで、給電ホルダ10は、ドライバ側ハーネス50の先端部に設けられた接続用のハーネス側コネクタ51に接続されるホルダ側コネクタ部11を有するとともに、このホルダ側コネクタ部11と基板30との間で電力を伝達するリードフレーム60を有する。
【0012】
図2はリードフレーム60を示す正面図であり、リードフレーム60は、第1フレーム61と、第2フレーム62と、第3フレーム63とを有する。
【0013】
第1フレーム61は、第1端子61a、第1接点バネ61b、3つの第1基板押さえバネ61c,61c,61cを有する。
【0014】
第1端子61aは、ホルダ側コネクタ部11に配置され、図4に示すように、ハーネス側コネクタ51およびドライバ側ハーネス50を介して、LEDドライバ40において駆動用の電力を供給する駆動電力出力部41に接続される。
また、第1接点バネ61bは、基板30において発光素子20のアノード側の電極にバネ力により弾性的に押圧した状態で接続されている。そして、この第1接点バネ61bのバネ力および後述の第2接点バネ62bのバネ力により、基板30は不図示のヒートシンクの所定位置に押し当てられて固定されている。
また、3つの第1基板押さえバネ61c,61c,61cは、後述する第2フレーム62の第2基板押さえバネ62cと共に基板30の4箇所に近接配置されて、基板30が不図示のヒートシンクから浮き上がるのを抑制している。そして、この基板30の浮き上がり抑制により、第1接点バネ61bおよび後述の第2接点バネ62bの変形を防止している。
【0015】
第2フレーム62は、図2に示すように、第2端子62a、第2接点バネ62b、第2基板押さえバネ62cを有する。
【0016】
第2端子62aは、ホルダ側コネクタ部11に配置され、図4に示すように、ハーネス側コネクタ51およびドライバ側ハーネス50を介して、LEDドライバ40の接地部(GND)42側に接続される。
また、第2接点バネ62bは、基板30において発光素子20のカソード側の電極にバネ力により弾性的に押圧した状態で接続されている。
【0017】
第3フレーム63は、図2に示すように、第3端子63aを有する。この第3端子63aは、前述した第1端子61a、第2端子62aと共に、ホルダ側コネクタ部11に配置されている(図1参照)。そして、第3端子63aは、図4に示すように、ハーネス側コネクタ51およびドライバ側ハーネス50を介してLEDドライバ40のランク識別部43に接続される。
【0018】
図2に戻り、第2フレーム62および第3フレーム63には、圧接部62d、63dが対向して設けられている。この圧接部62d、63dは、図3に示すように、給電ホルダ10に凹状に形成されて給電ホルダ10の側面10sに開口部12aを有した抵抗器収容部12の底面12bから突出して設けられている。そして、圧接部63dの先端部には、リード線71を圧接状態で挿入するための断面がU字状の挿入溝63eが形成されている。なお、第2フレーム62の圧接部62dにも、挿入溝63eと同様の挿入溝が形成されているが図示は省略する。
【0019】
ランク識別抵抗器70は、内部に、ランク識別抵抗体72(図4参照)を有し、両端にランク識別抵抗体72に接続されたリード線71,71を有する。このランク識別抵抗体72は、発光素子20のランクに応じた抵抗値を有する。すなわち、周知のように、発光素子20は、複数段階にランク分けされており、ランク識別抵抗体72の抵抗値は、予め対応する発光素子20のランクを示す値が設定されている。
【0020】
そして、ランク識別抵抗器70は、図1に示すように、リード線71,71が圧接部62d,63dに圧接されている。よって、ランク識別抵抗器70は、図2に示す第2フレーム62と第3フレーム63とに跨って設けられ、図4に示すように、LEDドライバ40のランク識別部43と接地部42側とに接続される。
【0021】
なお、LEDドライバ40は、ランク識別部43からの通電によりランク識別抵抗体72の抵抗値を検出可能となっている。
また、LEDドライバ40は、検出したランク識別抵抗体72の抵抗値に基づいて得られたランクに応じて、駆動電力出力部41から電力供給制御を行う。
なお、この電力供給制御としては、周知のように、ランクに応じた電流値を出力する制御や、ランクに応じたパルス幅変調(PWM)制御を行う。
【0022】
(実施の形態1の作用)
給電ホルダ10の組付作業者は、基板30に実装された発光素子20のランクを確認後、そのランクに応じた抵抗値のランク識別抵抗体72を備えたランク識別抵抗器70を、給電ホルダ10に装着する。その際、作業者は、ランク識別抵抗器70の一対のリード線71,71を、抵抗器収容部12の開口部12aから一対の圧接部62d,63dの挿入溝63eに挿入し圧接状態とする。
【0023】
このように、ランク識別抵抗器70を、単に、圧接により給電ホルダ10に組み付けるため、半田付けなどの作業を伴うものと比較して、作業性に優れる。
また、ランク識別抵抗器70を基板30に実装するものと比較して、基板30の構成を簡略化でき、低コスト化および小型化が可能である。
【0024】
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の給電装置の効果を列挙する。
(1)実施の形態1の給電装置は、
発光素子20が実装された基板30と、
発光素子20を駆動させるLEDドライバ40と、
基板30とLEDドライバ40との間に介在され、LEDドライバ40からの駆動用の電力を基板30に伝達する電力伝達部としての給電ホルダ10と、
を備え、
給電ホルダ10は、発光素子20と並列に接続され、発光素子20のランクに応じた所定の抵抗値を有するランク識別抵抗体72を備える。
したがって、基板30にランク識別抵抗体72を実装する必要が無くなり、基板30および全体の低コスト化、小型化を図ることが可能となる。
また、発光素子20として、限られたランクのもののみを使用した場合、ランク識別抵抗体72を用いるランク識別は不要となるものの、実情として発光素子20の大幅なコストアップを招いてしまう。本実施の形態1では、これを回避して、ランクを限定しない発光素子20を使用しながら、基板30や給電ホルダ10の小型化を図ることができる。
【0025】
(2)実施の形態1の給電装置は、
給電ホルダ10は、発光素子20とLEDドライバ40の駆動電力出力部41とに接続される第1フレーム61と、発光素子20とLEDドライバ40の接地部42側とに接続される第2フレーム62と、LEDドライバ40のランク識別部43に接続される第3フレーム63とを有するリードフレーム60を備え、
ランク識別抵抗体72を介して第2フレーム62と第3フレーム63とが接続されている。
したがって、ランク識別抵抗体72を第2フレーム62と第3フレーム63との間に介在させるため、ランク識別抵抗体72の設置が容易である。
【0026】
(3)実施の形態1の給電装置は、
第2フレーム62と第3フレーム63とは、それぞれ、ランク識別抵抗体72を備えるランク識別抵抗器70のリード線71を圧接可能な圧接部62d,63dを備える。
給電ホルダ10にランク識別抵抗体72を設けるにあたり、ランク識別抵抗器70のリード線71を圧接部62d,63dに圧接して組み付けるようにしたため、作業性に優れる。
【0027】
(他の実施の形態)
以下に、他の実施の形態の給電装置について説明する。なお、他の実施の形態の給電装置について説明するにあたり、共通するものには共通する符号を付けて説明を省略する。
【0028】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2の給電装置の概略を示す図であり、実施の形態2の給電装置は、ドライバ側ハーネス50と給電ホルダ210との間に中継コネクタ220を介在させ、この中継コネクタ220に、ランク識別抵抗器70を設けた例である。
【0029】
給電ホルダ210は、図5では図示を省略したリードフレームを備える。このリードフレームは、詳細は省略するが、実施の形態1の第1フレーム61と、第2フレーム62とに相当する2つのフレームを備える。なお、図6は、実施の形態2の給電装置を示す回路図であり、この回路図に、第1フレーム61および第2フレーム62を示す。
【0030】
図5に戻り、中継コネクタ220は、給電ホルダ210のホルダ側コネクタ部211に接続される第1コネクタ部221と、ハーネス側コネクタ51に接続される第2コネクタ部222とを備える。
【0031】
なお、図6において模式的に示すように、第1コネクタ部221には、ホルダ側コネクタ部211の第1端子61aと第2端子62aとの2つの両端子61a,62aに、接続される2つの雌端子部分を有する。
【0032】
一方、ハーネス側コネクタ51および第2コネクタ部222は、詳細な図示は省略するが、実施の形態1と同様に3箇所の雌雄の接続端子部222a,222b、222cを有する。
【0033】
さらに、中継コネクタ220には、第1コネクタ部221と第2コネクタ部222との間に、ランク識別抵抗器70が設けられている。
すなわち、中継コネクタ220には、発光素子20のカソード側とLEDドライバ40の接地部42側とを接続する中継回路220aと並列に、LEDドライバ40のランク識別部43に接続される中継回路220bが設けられている。そして、この中継回路220bに、実施の形態1で示した圧接部62d,63dと同様の圧接部223,224が設けられ、両圧接部223,224にランク識別抵抗器70のリード線71,71が圧接されている。
【0034】
なお、中継コネクタ220には、図5に示すように、抵抗器収容部230が凹状に形成されている。そして、圧接部223,224は、抵抗器収容部230の底面231から抵抗器収容部230内に突出されている。
【0035】
ここで、ランク識別抵抗器70は、実施の形態1と同様に、接続する発光素子20のランクに応じて、圧接部223,224に接続するようにしてもよい。あるいは、複数種類の抵抗値のランク識別抵抗器70を、それぞれ、予め中継コネクタ220に組み込んでおいて、接続する発光素子20のランクに応じた抵抗値のランク識別抵抗器70が汲み付けられた中継コネクタ220を選択して接続してもよい。
【0036】
(実施の形態2の作用)
給電ホルダ210の組付作業者は、まず、基板30に実装された発光素子20のランクを確認する。その後、そのランクに応じたランク識別抵抗器70が組み込まれた中継コネクタ220を給電ホルダ210に接続し、さらに、中継コネクタ220にハーネス側コネクタ51を接続する。
【0037】
なお、中継コネクタ220は、予め、ランク識別抵抗器70を組み付けておき、発光素子20のランクに応じた抵抗値のランク識別抵抗器70が汲み付けられた中継コネクタ220を選択し、接続するようにしてもよい。
【0038】
あるいは、接続対象の給電ホルダ210の基板30の発光素子20のランクを確認した後、発光素子20のランクに応じた抵抗値のランク識別抵抗器70を中継コネクタ220に組み付け、これを、給電ホルダ210に接続するようにしてもよい。
【0039】
(実施の形態2の効果)
(2-1)実施の形態2の給電装置は、
基板30とLEDドライバ40との間に介在されてLEDドライバ40からの駆動用の電力を基板30に伝達する電力伝達部は、基板30を保持し、かつ、基板30に電力の伝達を行う給電ホルダ210と、LEDドライバ40に接続されたドライバ側ハーネス50と、の間に介在される中継コネクタ220を備え、
ランク識別抵抗体72を備えたランク識別抵抗器70は、中継コネクタ220に設けられている。
したがって、基板30にランク識別抵抗体72を実装する必要が無くなり、基板30および全体の低コスト化、小型化を図ることが可能となる。
【0040】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3の給電装置について説明する。この実施の形態3は、実施の形態2の変形例であり、抵抗値を可変設定可能な抵抗値切替器300を中継コネクタ320に組み付けた例である(図8A参照)。
【0041】
実施の形態3の給電装置の回路図である図7に示すように、抵抗値切替器300は、並列に設けられた複数(3個)のランク識別抵抗器370a,370b,370cと、接続切替スイッチ330とが設けられている。
【0042】
ランク識別抵抗器370a,370b,370cは、それぞれ、内蔵されたランク識別抵抗体372a,372b,372cの抵抗値が、発光素子20のランクに応じて異なる値に設定されている。なお、実施の形態3では、発光素子20のランクとして、A,B,Cの3段階に分けられているものとする。
【0043】
また、接続切替スイッチ330は、複数のランク識別抵抗体372a,372b,372cのうちの1つを発光素子20に選択的に並列接続するよう切替可能となっている。
【0044】
以下に、抵抗値切替器300の構成をより具体的に説明する。
図8Aは、中継コネクタ320およびドライバ側ハーネス50を示す側面図であり、図8Bは中継コネクタ320を示す平面図、すなわち、中継コネクタ320を図8Aの上方から見降ろした図である。
【0045】
中継コネクタ320の抵抗値切替器300は、上面321にスライド溝322が開口され、かつ、スライド溝322の横にランク表示部323が設けられている。
【0046】
そして、スライド溝322に沿ってスライド可能にスライダ331が設けられている。
スライダ331は、前述した接続切替スイッチ330の切替操作を行うものである。また、接続切替スイッチ330は、スライダ331と一体的に移動可能な図8Cに示す接点部332と、図8Dに示すスイッチ基板333とを備える。
【0047】
接点部332は、図8に示すように、スライダ331の下端に取り付けられ、球状接点332aと、この球状接点332aを保持するホルダ332bとを備える。また、球状接点332aは、スイッチ基板333に圧接されるように弾性体332cにより下方に付勢されている。
【0048】
スイッチ基板333は、図8Dに示す矢印STで示す球状接点332aの移動軌跡に沿って設けられたレール状端子341と、各ランク識別抵抗器370a,370b,370cに接続された3つの端子342a,342b,342cを備える。そして、3つの端子342a,342b,342cは、それぞれ、ランク表示部323の各表示(A,B,C)の位置に対応して配置されている。
【0049】
したがって、スライダ331を、それぞれ、ランク表示部323のA,B,Cの各表示(A,B,C)の位置に配置した際に、3つの端子342a,342b,342cのいずれかとレール状端子341とが球状接点332aを介して接続される。
なお、図7図8Dに示すように、レール状端子341は、中継コネクタ320の中継回路220bに接続され、3つの端子342a,342b,342cは、端子本体342を介して中継コネクタ320の中継回路220aに接続されている。
【0050】
したがって、接続切替スイッチ330のスライダ331のスライド操作により、LEDドライバ40に対し発光素子20と並列に接続するランク識別抵抗器370a,370b,370cを選択することが可能となっている。
【0051】
(実施の形態3の作用)
給電ホルダ210の組付作業者は、基板30に実装された発光素子20のランクを確認後、中継コネクタ320の接続切替スイッチ330のスライダ331を、ランク表示部323において発光素子20のランクに対応する位置(A,B,C)にスライドさせる。これにより、接点部332の球状接点332aは、3つのランク識別抵抗器370a,370b,370cのうち、発光素子20のランクに応じたものをLEDドライバ40に接続した状態とする。
【0052】
したがって、ランク識別部43では、3つのランク識別抵抗器370a,370b,370cのうちの接続されたものの抵抗値を検出し、駆動電力出力部41から、発光素子20のランクに応じた出力を行うことができる。
【0053】
(実施の形態3の効果)
(3-1)実施の形態3の給電装置は、
抵抗値が異なる複数のランク識別抵抗体372a,372b,372cが並設され、
複数のランク識別抵抗体372a,372b,372cのうちの1つを発光素子20に並列に接続するよう切替可能な接続切替部としての接続切替スイッチ330を備える。
したがって、基板30にランク識別抵抗体72を実装する必要が無くなり、基板30および全体の低コスト化、小型化を図ることが可能となる。加えて、発光素子20のランクに応じた抵抗値に設定するにあたり、接続切替スイッチ330のスライダ331を、ランクに応じた位置にスライドさせるだけで済むため、作業性に優れる。
また、接続切替スイッチ330はスライダ331のスライドにより抵抗値を切り替えるようにしたため、例えば、その切替可能な数を増減させるのを容易に行うことができる。
【0054】
(実施の形態4)
図9は実施の形態4の給電装置を示す回路図である。
この実施の形態4は、実施の形態3で示した抵抗値切替器300を、実施の形態1で示した給電ホルダ10の第2フレーム62と第3フレーム63との間に設けた例である。
実施の形態1との相違点は、第2フレーム62の圧接部62dに替えて、抵抗値切替器300と接続する接点401を設け、第3フレーム63の圧接部63dに替えて、抵抗値切替器300と接続する接点402を設けた点である。
【0055】
したがって、実施の形態4の給電装置にあっても、実施の形態3と同様の作用効果を得ることができる。
【0056】
以上、本開示の給電装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られず、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加などは許容される。
【0057】
例えば、実施の形態3、4では、抵抗値切替器300において抵抗値を3通りに切替可能とした例を示したが、その切替可能な数は、複数であれば3に限定されるものではない。
また、発光素子としても、実施の形態で示した、マルチチップLEDに限定されるものではなく、ランク分けされた発光素子であれば、他の発光素子にも適用できる。
また、実施の形態では、ランク識別抵抗体を備えたランク識別抵抗器のリード線の接続を、圧接部に対して圧接させて行う例を示したが、その接続は、圧接に限定されるものではない。例えば、はんだ付けなどの溶着や接着などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 給電ホルダ(電力伝達部)
20 発光素子
30 基板
40 LEDドライバ
41 駆動電力出力部
42 接地部
43 ランク識別部
50 ドライバ側ハーネス
60 リードフレーム
61 第1フレーム
62 第2フレーム
62d 圧接部
63 第3フレーム
63d 圧接部
70 ランク識別抵抗器
72 ランク識別抵抗体
210 給電ホルダ(電力伝達部)
220 中継コネクタ(電力伝達部)
223 圧接部
224 圧接部
300 抵抗値切替器(接続切替部)
320 中継コネクタ(電力伝達部)
372a ランク識別抵抗体
372b ランク識別抵抗体
372c ランク識別抵抗体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9