(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】切断機
(51)【国際特許分類】
B27B 9/04 20060101AFI20220712BHJP
B27B 9/02 20060101ALI20220712BHJP
B23D 59/00 20060101ALI20220712BHJP
B23D 47/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B27B9/04
B27B9/02
B23D59/00
B23D47/00 Z
(21)【出願番号】P 2018133366
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】根本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】倉賀野 慎治
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-030357(JP,A)
【文献】特開平11-300519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 9/04
B27B 9/02
B23D 59/00
B23D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを収容して鋸刃を有する本体部と、前記本体部を支えるベースと、前記ベースに対して相対移動可能に前記本体部を支持する支持機構とを有し、
前記ベースには、ガイド部材の着脱が可能であり、前記支持機構には、前記ベースに装着された前記ガイド部材の移動を規制する固定部材が設けられて
おり、
前記固定部材は、円筒部と、当該円筒部より外径が小さく、前記本体部が前記ベースに対して相対回転する際の支持軸となる軸部と、を有した段付きピンから構成される、
ことを特徴とする切断機。
【請求項2】
モータを収容して鋸刃を有する本体部と、前記本体部を支えるベースと、前記ベースに対して相対移動可能に前記本体部を支持する支持機構とを有し、
前記ベースには、ガイド部材の着脱が可能であり、前記支持機構には、前記ベースに装着された前記ガイド部材の移動を規制する固定部材が設けられており、
前記固定部材は、前記支持機構を軸支する軸部に対して相対回転可能な円筒部を有して構成されている、
ことを特徴とす
る切断機。
【請求項3】
前記固定部材は、前記ガイド部材の上下方向の移動を規制する部材である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の切断機。
【請求項4】
前記固定部材は、表面がメッキ加工された前記円筒部を有して構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の切断機。
【請求項5】
前記固定部材は、前記軸部に対して偏芯した前記円筒部を有して構成されている、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の切断機。
【請求項6】
前記ベースには、前記着脱の方向に対して横方向に前記ガイド部材を付勢する付勢部材が設けられ、前記付勢部材は、前記固定部材により移動方向が規制される、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の切断機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、丸鋸により被削材を切断する切断機が知られている。例えば、特許文献1では、丸鋸のベースにサブベースを設け、作業性を向上させた切断機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された切断機では、本体を支える設置面の領域のうち、鋸刃を基準として、ベースとは反対側の領域を左右方向(切断方向に対して垂直な水平方向)に拡大するため、サブベースがベースに対して上記左右方向に装着される。このような構成の場合、当該サブベースは、鋸刃が通る領域となる開口部を通ることはできないため、当該開口部の前後の領域で支持される必要がある。しかし、上記開口部のすぐ前方には丸鋸本体を支持する支持部が設けられているため、サブベースを固定するためのネジ等の固定部材を設け、当該固定部材を操作する空間が確保できない。
【0005】
上記特許文献1では、上記開口部のすぐ前方から左右方向に離間したサブベースの位置に、ロックピンや固定溝を有した調整機構を設けることで、当該サブベースを固定している。しかし、当該構成では、鋸刃近傍(例えば、鋸刃のすぐ前方)に位置するサブベースの固定力が不足し、ガタが生じて作業性に支障をきたす可能性がある。また、ベースを前方に拡大すれば上記固定部材を開口部の前方に位置させることが可能となるが、丸鋸が大型化してしまう。このように、ベースを大型化させないことと、サブベースのようなガイド部材の固定力を向上させることとの両立が可能な技術が求められていた。
【0006】
本発明は、ベースを大型化させずに、ガイド部材の固定力を向上させた切断機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる切断機は、好ましい一例では、モータを収容して鋸刃を有する本体部と、前記本体部を支えるベースと、前記ベースに対して相対移動可能に前記本体部を支持する支持機構とを有し、前記ベースには、ガイド部材の着脱が可能であり、前記支持機構には、前記ベースに装着された前記ガイド部材の移動を規制する固定部材が設けられている、ことを特徴とする切断機として構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、ベースを大型化させずに、ガイド部材の固定力を向上させた切断機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】
図3に示した丸鋸の第1ベベル機構部を含むA-A断面図である(回転動作後)。
【
図5】
図3に示した丸鋸の第1ベベル機構部を含むA-A断面図である(回転動作前)。
【
図6】
図3に示した丸鋸の第1ベベル機構部を含むA-A断面図の他の例を示す図である(回転動作後)。
【
図7】
図3に示した丸鋸の第1ベベル機構部を含むA-A断面図の他の例を示す図である(回転動作前)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、切断機の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。また、以下では、切断機の一例として丸鋸について説明しているが、例えば、ジグソーのような様々な切断機についても同様に適用することができる。
【0011】
図1は、本実施例における切断機の一例である丸鋸1の側面図であり、
図2は、
図1に示した丸鋸1の正面断面図であり、
図3は、
図2に示した丸鋸1の平面部分断面図である。
図1~3に示すように、丸鋸1は、メインベース2aと、サブベース2bと、ハウジング3と、モータ4と、鋸刃5とを有している。
【0012】
メインベース2aは、ハウジング3、モータ4、鋸刃5を含む丸鋸1の本体部に連結された、例えば、アルミ等の金属製の略矩形の板材である。メインベース2aの長手方向は、丸鋸1の切断方向、すなわち前後方向に一致する。メインベース2の底面は、被切断材との摺動面である。メインベース2aの略中央部には、長手方向に延びる開口部Hが形成されている。
【0013】
メインベース2aの前端には、ガイド21が設けられている。ガイド21は、丸鋸1の切断方向において、鋸刃5と一直線上に並ぶように配置されている。ガイド21は、鋸刃5を被切断材上に引かれた墨線に位置合わせするための部材である。メインベース2aとサブベース2bとにより、鋸刃5が挿入される開口部Hを形成している。
【0014】
図3に示すように、サブベース2bは、メインベース2aに対して着脱可能に設けられた、例えば、アルミ等の金属製の略コの字形の板材である。サブベース2bは、サブベース本体221と一対のガイドバー222から構成されたガイド部材であり、一対のガイドバー222は、溶接等によりサブベース本体221の長手方向の両端付近に、該長手方向と直交した方向に延在してそれぞれ固定されている。それぞれのガイドバー222は、メインベース2aに対して着脱可能にノブ112で固定されている。
【0015】
また、メインベース2aには、ガイドバー222を挿入するためにベース上面に設けられた挿入穴10aが形成された挿入部10と、ガイドバー222をメインベース2aに対して任意の位置、すなわち、メインベース2aの側面Sからの位置を固定するための固定部材の一例である段付きピン14が設けられている。段付きピン14は、メインベース2a上に形成された受け部16および第1ベベルプレート22aに支持され、当該受け部16および第1ベベルプレート22aに共通する同心の長孔に挿通するように設けられている。段付きピン14は、無頭ネジ12によってメインベース2aに位置決めされている。段付きピン14の具体的な構成については後述する。
【0016】
なお、ガイドバー222は板状となっており、挿入穴10aは板状と対応するような貫通孔となっているため、ガイドバー222が一方しかない場合でもサブベース2bがメインベース2aに対して回転することを抑制することができる。
【0017】
ハウジング3は、メインベース2aの上方に位置する。ハウジング3は、メインベース2aに支持されており、メインベース2aに対して上下方向に揺動可能且つ左右方向に傾動可能である。ハウジング3は、メインベース2aに対して、段付きピン14を中心として左右方向に傾動可能となっている。すなわち、段付きピンはハウジング3の傾動軸であり、ハウジング3がメインベース2aに対して相対回転する際の支持軸となる。ハウジング3は、モータハウジング31と、ハンドル部32と、ギヤケース33と、ソーカバー34と、保護カバー35とを備える。
【0018】
モータハウジング31は、例えば、樹脂製の部材であり、
図2に示されるように、モータ4を内蔵する。モータ4は、鋸刃5を回転駆動する駆動源である。モータ4は、左右方向に延びる出力軸を有する。
【0019】
ハンドル部32は、モータハウジング31と同材質の部材により構成され、モータハウジング31の上方において前後方向に延びる。ハンドル部32は、切断作業時に作業者が把持する部分である。ハンドル部32には、作業者がモータ4の駆動をオンオフするためのトリガスイッチ(不図示)、トリガスイッチの操作を規制するオフロックスイッチ(不図示)が設けられる。
【0020】
ギヤケース33は、モータハウジング31の右端部に接続されている。ギヤケース33は、例えば、金属製の部材から構成され、モータ4の回転を鋸刃5に伝達するための回転伝達機構(不図示)を収容する。回転伝達機構は、周知の減速機構等から構成される。
【0021】
鋸刃5は、円盤形状をなし、回転軸心5Aを中心に回転する。鋸刃5は、鋸刃5の下側部分がメインベース2aの底面から下方に突出するように、メインベース2aとサブベース2bとにより形成された開口部Hに挿通されている。
【0022】
ソーカバー34は、例えば、金属製の部材から構成される。ソーカバー34は、ギヤケース33の右端部に接続されている。ソーカバー34は、鋸刃5の外縁に沿った側面視略円弧形状をなしている。ソーカバー34は、ギヤケース33と共に鋸刃5の上側部分を覆っている。
【0023】
保護カバー35は、例えば、樹脂製の部材から構成される。保護カバー35は、ギヤケース33の右方に設けられ、鋸刃5の回転軸心を中心として鋸刃5の外縁に沿うように回動可能である。
【0024】
メインベース2aの前端部には、支持機構である、第1ベベル機構部220が設けられ、メインベース2aの後端部には、第2ベベル機構部230が設けられている。第1ベベル機構部220は、第1ベベルプレート22aと、立設された当該第1ベベルプレート22aを支持する第1ベベルスタンド22bと、段つきピン14とを有している。
図2において図示される段付きピン14の紙面手前方向部分には係合孔が設けられており、作業者は手作業によって段付きピン14をメインベース2aに対して回転させることができる。第1ベベルスタンド22bは、メインベース2aに固定されている。第2ベベル機構部230は、第2ベベルプレート23aと、立設された当該第2ベベルプレート23aを支持する第2ベベルスタンド23bとを有している。
【0025】
第1ベベルプレート22aは、切断方向と略直交する短手方向(左右方向)に延び、略円弧状の長孔22cが形成されている。第1ベベルプレート22aの長孔22cには、第1係止ネジ22dが挿通される。
【0026】
第2ベベルプレート23aは、切断方向と略直交する短手方向(左右方向)に延び、略円弧状の長孔(不図示)が形成されている。第2ベベルプレート23aの長孔には、第2係止ネジ25が挿通される。
【0027】
ハウジング3のメインベース2aに対する傾動位置は、第1係止ネジ22d及び第2係止ネジ25を緩めた状態で調整し、第1係止ネジ22d及び第2係止ネジ25を締め付けることで固定する。
【0028】
第1係止ネジ22d及び第2係止ネジ25は、それぞれ、第1ベベルプレート22a及び第2ベベルプレート23aの長孔の最下部で固定されている。鋸刃5は、メインベース2aの底面に対して略90°の角度をなし、鋸刃5の回転軸心5Aはメインベース2aの底面に対して略平行となっている。
【0029】
メインベース2aの後端部には、リンク26が設けられている。リンク26は、略円弧形状をなし、下端部を除いて、ソーカバー34内に収容されている。リンク26は、メインベース2aに対して傾動可能である。リンク26には、長孔(不図示)が形成されている。リンク26の長孔には、リンク係止ネジが挿通される。リンク係止ネジを緩めた状態では、揺動軸を中心とするメインベース2aに対するハウジング3の揺動位置を変更できる。これにより、鋸刃5のメインベース2aからの突出量を調整し、鋸刃5の切り込み深さを調整できる。リンク係止ネジを締め付けることで、ハウジング3の揺動位置を固定できる。
図1では、ハウジング3はメインベース2aに対して揺動しておらず、鋸刃5の切り込み深さは最大となっている。
【0030】
次に、第1ベベルプレート22aに支持された段付きピン14について説明する。以下に説明するように、本実施の形態における丸鋸1は、モータ4を収容して鋸刃を有する本体部と、本体部を支えるベースであるメインベース2aと、メインベース2aに対して相対移動可能に本体部を支持する支持機構である第1ベベル機構部220とを有し、メインベース2aには、ガイド部材であるサブベース2bのガイドバー222の着脱が可能であり、第1ベベル機構部220には、メインベース2aに装着された上記ガイドバー222の移動を規制する固定部材である段付きピン14が設けられている。
【0031】
図4は、
図3に示した丸鋸1の第1ベベル機構部220を含むA-A断面図である。
図4では、段つきピン14は、メインベース2a上に形成された受け部16および第1ベベルプレート22aに共通する同心の長孔に挿入され、挿入後に前後方向(図面左右方向)に移動不能なように無頭ネジ12によって位置決めされている。無糖ネジ12は、段付きピン14の軸心Lを中心とした回転を規制しないので、段付きピン14は軸心Lを中心としてメインベース2aに対して回転可能となっている。
【0032】
段付きピン14は、段付きピン14の頭部から挿入方向に向かって外径が段階的に小さくなるピンであり、互いに外径の異なる2つの部位が偏芯して一体的に形成されている。
【0033】
図4に示すように、段つきピン14は、ガイドバー222の上下方向の移動を規制する部材であり、大径部である円筒部14aと、円筒部14aよりも外径が小さい小径部である基部14bとを有している。基部14bは、円筒部14aより外径が小さく、第1ベベル機構部220を軸支する軸部を構成する。円筒部14aは、基部14bの軸心Lに対して偏芯して構成されている。すなわち、段つきピン14は、軸部に対して偏芯した円筒部14aを有して構成されている。
【0034】
段付きピン14の前端(図面右側端部)には、工具が係合可能な係合孔が形成されており、例えば六角レンチやドライバー等の手工具を用いることで、軸心Lを中心として作業者が段付きピン14を回転させることができるようになっている。
図4に示す段付きピン14の回転位置においては、円筒部14aの径のうち軸心Lから長い径r2(r2>r1)がガイドバー222に押し当てられ、当該ガイドバー222を下方向に押圧する。これにより、ガイドバー222が段付きピン14により付勢され、上下方向のガタをなくすことができる。
【0035】
図5は
図4の状態から段付きピン14を回転させた状態である。
図5に示す状態であれば、段付きピン14はガイドバー222を押圧しないので、ガイドバー222の脱着が容易となる。また、組み立て時は
図5の状態とし、組み立て後に
図4の状態になるようにすれば、組み立て性を保ちつつ、ガイドバー222の上下方向のガタを好適に抑制することができる。すなわち組み立て順からすると、
図4が段付きピン14の回動動作前を示し、
図5が回動動作後を示すこととなる。
【0036】
また、本実施の形態では、
図4の状態から段付きピン14を回転させることで、段付きピン14がガイドバー222を押圧する力を増加させることができる。こうすることで、ノブ112と同様の固定力を段付きピン14に持たせることができる。すなわち本実施の形態においては、サブベース2bはメインベース2aに対して3箇所で固定されることとなるので、従来よりも固定力を増加させることができる。
【0037】
なお、段つきピン14は、表面がメッキ加工された円筒部14aを有していてもよい。このような構成により、ガイドバー222と段つきピン14との間の摩擦抵抗を減らすことができ、段つきピン14によるガイドバー222の挿入時におけるガイドバー222の磨耗を減らすことができる。
【0038】
また、メインベース2aには、弾性部材の一例である円柱形状のゴム体40が設けられている。ゴム体40は、メインベース2aに形成された、ガイドバー222を抜き差しするための溝部の表面に、段つきピン14の付勢力により固定される。すなわち、メインベース2aには、ガイドバー222の着脱の方向に対して横方向にガイドバー222を付勢する付勢部材としてゴム体40が設けられ、ゴム体40は、段つきピン14により移動方向が規制されている。ゴム体40を設けることで、上記溝部の余分な隙間がなくなり、ガイドバー222によるサブベース2bの長手方向(図中左右方向)へのガタをなくすことができる。このように、段つきピン14はガイドバー222のガタつきを抑制するとともに、ゴム体40の位置決めを行うことができる。
【0039】
また、ゴム体40は、円筒部14aにより、ガイドバー222とともに下方向に押圧する。言い換えると、円筒部14aは、ガイドバー222およびゴム体40の上面の双方を押し当てる程度の挿入方向の厚みを有している。これにより、円筒部14aは、ガイドバー222およびゴム体40を同時に押圧することができる。
【0040】
したがって、例えば、
図5に示すように、段付きピン14の螺合前において、サブベース2bのガイドバー222をメインベース2aの溝部に挿入する場合でも、左右方向のぶれをなくすことができ、安定してサブベース2bを固定することができる。
【0041】
段付きピン14は、ハウジング3の傾動軸と、ガイドバー222のガタつき抑制およびゴム体40を押圧する(位置決めする)役割とを兼ね備えているので、少ない部品点数で切断機1の製造が可能となるとともに、軽量化を実現することができる。
【0042】
図4、5では、固定部材の一例として段つきピンについて説明したが、これに限らず他の構成を採用することも可能である。
【0043】
図6は、
図3に示した丸鋸1の第1ベベル機構部220を含むA-A断面図の他の例を示す図である。
図6では、固定部材が、段付きピン14ではなくローラピン64により構成された例を示している。
図6に示すように、ローラピン64は、ボールベアリング部64aと、基部64bとを有して構成される。以下、固定部材としてローラピン64を用い、第1ベベル機構部220を軸支する軸部である基部64bに対して相対回転可能な円筒部であるボールベアリング部64aを有した構成について説明する。
【0044】
ボールベアリング部64aは、基部64bの軸心に対して偏心した軸部と、当該軸部に圧入されたボールベアリングにより構成される。すなわち
図6に示す例は、
図1から
図5に示す実施の形態における円筒部14aの外縁部分が基部14bに対して軸心Iを中心として回転可能とした例である。こうすると、ガイドバー222の脱着時において、ガイドバー222と接触するボールベアリング部64aがガイドバー222の動きに追従するので、ガイドバー222とローラピン64の接触による摩擦抵抗を低減させることができる。
【0045】
なお、上記の実施の形態においては、本発明のガイド部材としてサブベース2bを説明したが、類似の方法でメインベース2aに装着される部材であれば本発明は適用可能であり、例えば、メインベース2aに装着可能な直角定規等でも実施可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 丸鋸
2a メインベース
2b サブベース
3 ハウジング
4 モータ
5 鋸刃
220 第1ベベル機構部
22a 第1ベベルプレート
22b 第1ベベルスタンド
14 段つきピン
14a 円筒部
14b 基部
40 ゴム体
230 第2ベベル機構部
23a 第2ベベルプレート
23b 第2ベベルスタンド
64 電磁弁
64a ボールベアリング部
64b 基部